(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】顧客情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20240301BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240301BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023129571
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2023-08-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500196205
【氏名又は名称】株式会社ノジマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】野島 廣司
(72)【発明者】
【氏名】國井 弘文
(72)【発明者】
【氏名】山根 純一
(72)【発明者】
【氏名】内田 武志
(72)【発明者】
【氏名】長山 将太
(72)【発明者】
【氏名】森本 慶司
(72)【発明者】
【氏名】石原 彩子
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-033492(JP,A)
【文献】特開2013-228267(JP,A)
【文献】特開2006-331240(JP,A)
【文献】特開2001-319149(JP,A)
【文献】特開2017-091203(JP,A)
【文献】特開2002-366832(JP,A)
【文献】特開2003-186969(JP,A)
【文献】国際公開第2012/160833(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客情報を蓄積し、販売員端末からの要求に応じて前記顧客情報を提供する顧客情報管理システムであって、
顧客端末から入力される
、顧客物品の設置状態又は該顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データが含まれる顧客入力データを受け付ける顧客入力データ受付部と、
受け付けた前記顧客入力データを前記顧客情報として記憶する顧客情報記憶部と、
前記物品設置画像データを用いて前記顧客物品の設置場所の寸法を計測する設置場所寸法計測部と、
商品の仕様寸法データ又は搬入必要寸法データと商品識別番号があらかじめ記憶されている商品情報記憶部と、
前記商品識別番号を受け付ける商品識別番号受付部と、
前記商品が前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する商品設置判定部とを備え、
前記販売員端末から入力される前記商品識別番号を前記商品識別番号受付部で受け付けると、受け付けた前記商品識別番号に対応する前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データが前記商品情報記憶部から取り出され、前記商品設置判定部では、前記設置場所寸法計測部が前記顧客情報に含まれる前記物品設置画像データを用いて計測した前記顧客物品の設置場所の寸法と、取り出された前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データとを比較して、前記商品識別番号に対応する前記商品が、前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定することを特徴とする顧客情報管理システム。
【請求項2】
前記販売員端末からの前記顧客情報の提供要求を受け付ける提供要求受付部と、
受け付けた前記提供要求に応じて前記顧客情報記憶部から前記顧客情報を取り出して前記販売員端末に提供する情報提供部とを備え、
前記設置場所寸法計測部は、前記顧客入力データ受付部で受け付けた前記物品設置画像データを用いて前記顧客物品の設置場所の寸法を計測し、計測された前記顧客物品の設置場所の寸法である設置場所寸法データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶されるようになっており、
前記顧客情報に含まれる前記物品設置画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている
前記物品設置画像データ及び/又は前記設置場所寸法データが取り出されて、前記情報提供部が
取り出された前記物品設置画像データ及び/又は前記設置場所寸法データ
を前記販売員端末に提供することを特徴とする請求項1に記載の顧客情報管理システム。
【請求項3】
顧客情報を蓄積し、販売員端末からの要求に応じて前記顧客情報を提供する顧客情報管理システムであって、
顧客端末から入力される、顧客建物の入口から顧客物品の設置場所までの搬入経路が撮影された搬入経路画像データが含まれる顧客入力データを受け付ける顧客入力データ受付部と、
受け付けた前記顧客入力データを前記顧客情報として記憶する顧客情報記憶部と、
前記搬入経路画像データを用いて、前記搬入経路を形成する搬入経路空間形状を計測する搬入経路空間形状計測部と、
商品の仕様寸法データ又は搬入必要寸法データと商品識別番号があらかじめ記憶されている商品情報記憶部と、
前記商品識別番号を受け付ける商品識別番号受付部と、
前記商品が前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する商品設置判定部とを備え、
前記販売員端末から入力される前記商品識別番号を前記商品識別番号受付部で受け付けると、受け付けた前記商品識別番号に対応する前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データが前記商品情報記憶部から取り出され、前記商品設置判定部では、前記搬入経路空間形状計測部が前記顧客情報に含まれる前記搬入経路画像データを用いて計測した前記搬入経路空間形状と、取り出された前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データとを比較して、前記商品識別番号に対応する前記商品が、前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定することを特徴とす
る顧客情報管理システム。
【請求項4】
前記販売員端末からの前記顧客情報の提供要求を受け付ける提供要求受付部と、
受け付けた前記提供要求に応じて前記顧客情報記憶部から前記顧客情報を取り出して前記販売員端末に提供する情報提供部とを備え、
前記搬入経路空間形状計測部は、前記顧客入力データ受付部で受け付けた前記搬入経路画像データを用いて前記搬入経路空間形状を計測し、計測された前記搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶されるようになっており、
前記顧客情報に含まれる前記搬入経路画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている
前記搬入経路画像データ及び/又は前記搬入経路空間形状データが取り出されて、前記情報提供部が
取り出された前記搬入経路画像データ及び/又は前記搬入経路空間形状データ
を前記販売員端末に提供することを特徴とする請求項3に記載の顧客情報管理システム。
【請求項5】
顧客情報を蓄積し、販売員端末からの要求に応じて前記顧客情報を提供する顧客情報管理システムであって、
顧客端末から入力される、顧客物品の設置状態又は該顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データ、及び、顧客建物の入口から前記顧客物品の設置場所までの搬入経路が撮影された搬入経路画像データが含まれる顧客入力データを受け付ける顧客入力データ受付部と、
受け付けた前記顧客入力データを前記顧客情報として記憶する顧客情報記憶部と、
前記物品設置画像データを用いて前記顧客物品の設置場所の寸法を計測する設置場所寸法計測部と、
前記搬入経路画像データを用いて、前記搬入経路を形成する搬入経路空間形状を計測する搬入経路空間形状計測部と、
前記販売員端末からの前記顧客情報の提供要求を受け付ける提供要求受付部と、
受け付けた前記提供要求に応じて前記顧客情報記憶部から前記顧客情報を取り出して前記販売員端末に提供する情報提供部と、
商品の仕様寸法データ又は搬入必要寸法データと商品識別番号があらかじめ記憶されている商品情報記憶部と、
前記商品識別番号を受け付ける商品識別番号受付部と、
前記商品が前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する商品設置判定部とを備え、
前記顧客入力データ受付部が前記物品設置画像データを受け付けると、前記設置場所寸法計測部は、受け付けた該物品設置画像データを用いて前記設置場所の寸法を計測し、計測された前記設置場所の寸法である設置場所寸法データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶され、
前記顧客入力データ受付部が前記搬入経路画像データを受け付けると、前記搬入経路空間形状計測部は、受け付けた該搬入経路画像データを用いて前記搬入経路空間形状を計測し、計測された前記搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶されるようになっており、
前記顧客情報に含まれる前記物品設置画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記物品設置画像データ及び前記設置場所寸法データが取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記物品設置画像データ及び前記設置場所寸法データを前記販売員端末に提供し、
前記顧客情報に含まれる前記搬入経路画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記搬入経路画像データ及び前記搬入経路空間形状データが取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記搬入経路画像データ及び前記搬入経路空間形状データを前記販売員端末に提供するようになっており、
前記販売員端末から入力される前記商品識別番号を前記商品識別番号受付部で受け付けると、受け付けた前記商品識別番号に対応する前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データが前記商品情報記憶部から取り出され、前記商品設置判定部では、
前記設置場所寸法データ及び/又は前記搬入経路空間形状データと、取り出された前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データ
とを比較して、前記商品識別番号に対応する前記商品が、前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定することを特徴とす
る顧客情報管理システム。
【請求項6】
前記顧客入力データには、ライフイベントデータ、好みのブランドデータ、商品購入履歴データ、予算データ、店舗での滞在時間データ、顧客建物データ、保有している顧客物品データのうち、少なくとも何れか一つが含まれており、
前記顧客情報の前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記顧客情報を前記販売員端末に提供することを特徴とする請求項
2、4又は5に記載の顧客情報管理システム。
【請求項7】
店舗内フロアマップ情報があらかじめ記憶されている店舗内フロアマップ情報記憶部と、
前記顧客端末から送出される該顧客端末の位置情報を受け付ける顧客端末位置情報受付部と、
該顧客端末位置情報受付部で受け付けた前記顧客端末の位置情報と、前記店舗内フロアマップ情報記憶部に記憶されている前記店舗内フロアマップ情報とを用いて、前記顧客端末の店舗内の滞在時間の計測値である来店滞在時間及び/又は前記顧客端末の店舗内の商品フロアにおける滞在時間の計測値である商品フロア滞在時間を計測する店舗滞在データ計測部とを備え、
前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間を含む店舗収集データを前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶し、
前記顧客情報に含まれる前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間に対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間を前記販売員端末に提供することを特徴とする請求項
2、4又は5に記載の顧客情報管理システム。
【請求項8】
店舗精算端末から送出される、購入商品の商品識別番号及び購入金額が含まれる店舗精算情報を受け付ける店舗精算情報受付部を備え、
前記店舗収集データには、前記店舗精算情報受付部で受け付けた前記店舗精算情報が含まれ、受け付けた前記店舗精算情報を前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶し、
前記顧客情報に含まれる前記店舗精算情報に対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記店舗精算情報が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記店舗精算情報を前記販売員端末に提供することを特徴とする請求項7に記載の顧客情報管理システム。
【請求項9】
顧客に有用な情報である顧客有用情報を発行する有用情報発行部を備え、
該有用情報発行部で発行された前記顧客有用情報が前記顧客端末に向けて送出されることを特徴とする請求項
1、3又は5に記載の顧客情報管理システム。
【請求項10】
前記有用情報発行部は、
商品価格を割り引く割引クーポンが含まれるクーポンを発行するクーポン発行部を含み、
前記顧客有用情報には、
前記クーポン発行部で発行される前記クーポンが含まれ、
前記顧客入力データが前記顧客入力データ受付部に受け付けられることを条件として、発行された前記クーポンが使用可能状態に設定されることを特徴とする請求項9に記載の顧客情報管理システム。
【請求項11】
前記有用情報発行部は、
商品購入の際に役立つ情報及び/又は商品広告の情報を含む顧客サポート情報を発行する顧客サポート情報発行部を含み、
前記顧客有用情報には、
前記顧客サポート情報発行部で発行された前記顧客サポート情報が含まれ、
前記顧客サポート情報発行部で発行された前記顧客サポート情報が前記顧客端末に向けて送出されることを特徴とする請求項9に記載の顧客情報管理システム。
【請求項12】
前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報に基づいて顧客傾向を分類する顧客傾向分類部を備え、
該顧客傾向分類部で分類された前記顧客傾向を前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶し、
前記顧客情報に含まれる前記顧客傾向に対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客傾向が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記顧客傾向を前記販売員端末に提供することを特徴とする請求項
2、4又は5に記載の顧客情報管理システム。
【請求項13】
前記顧客情報に含まれるデータ項目を前記販売員端末に表示させる顧客情報項目画面を構成する顧客情報項目画面構成部を備え、
該顧客情報項目画面構成部は、前記顧客情報項目画面に配置される前記データ項目の並び順を、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報又は商品の種類に応じて変化させるように構成することを特徴とする請求項
2、4又は5に記載の顧客情報管理システム。
【請求項14】
前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報に基づいて推薦商品を選択する推薦商品選択部を備えることを特徴とする請求項
1、3又は5に記載の顧客情報管理システム。
【請求項15】
前記商品購入履歴データには、過去に購入された商品の記録データ及び/又は過去に契約されたサービスの記録データが含まれることを特徴とする請求項6に記載の顧客情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、顧客情報を蓄積し、販売員端末からの要求に応じて顧客情報を提供する顧客情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用電気器具(以下、家電と称する)や家具などを店舗で購入する際、顧客は販売員の説明を受けながら商品を選択することが多い。販売員は、顧客の要望を聞き取り、その顧客に適切な商品を勧める。しかし、顧客との対応時間が十分にとれない場合や、要望の聞き取り漏れがある場合、販売員は不十分な情報に基づいて商品を提案することになり、その商品がその顧客にとって最適な提案になっていない可能性がある。一方、十分な聞き取りを行うために対応時間を長くすると、顧客も販売員も手間を要することになり効率の面で好ましくない影響が出てくる。
【0003】
このような状況の改善策の一つとして、商品を部屋に配置したときのレイアウトを仮想的に画面に表示することで、商品の配置状態を顧客が視覚的に確認できる装置等がこれまでに提案されている。例えば、下記特許文献1に記載のモデル配置装置や特許文献2に記載されている情報提供装置が知られている。これらの装置によれば、顧客は仮想的なレイアウト画面を確認することにより、その商品が自らの要望を満たしているか否かを容易に判断できる。表示する商品をいくつか切り替えることにより、その顧客がイメージしている商品に短時間で辿り着ける。
【0004】
特許文献1に記載のモデル配置装置は、部屋内を撮影した複数の撮像画像に基づいて、それら撮像画像に含まれるインテリアのモデルと部屋のモデルを生成し、選択された商品のモデルを、部屋のモデル内に配置するとともに、インテリアのモデルも部屋のモデル内に配置するように構成されている。
【0005】
特許文献2に記載されている情報提供装置は、部屋を撮影した画像情報または映像情報に基づいて、3Dモデル化された三次元空間を生成し、ユーザに適した家具情報を選択し、選択された家具を三次元空間に配置し、家具が配置された三次元空間をユーザに提示するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-180803号公報
【文献】特開2021-103363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1と特許文献2に記載の装置は、いずれも商品を仮想的に部屋に配置したときのレイアウトを表示する。
【0008】
しかしながら、販売員が顧客に商品を提案する際には、商品を配置した部屋のレイアウトだけでなく様々な情報を総合的に判断してその顧客に適切な商品を選択する。特に大型の家電や家具の場合、設置領域が大きくなるため、適切な大きさの商品を提案しないと、搬入しても設置できずに返品や商品交換が発生し顧客に負担をかけることになる。このような状況を避けるため、設置場所の正確な情報を顧客に求めると、顧客が一旦住居に戻り、商品の設置場所の寸法を測定し、店舗に出直すなど顧客の負担が増加する。また、顧客の負担が大きくなると、場合によっては販売の機会を失うリスクも生ずる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、顧客に対して適切な提案ができるように販売員を支援する顧客情報管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、顧客情報を蓄積し、販売員端末からの要求に応じて前記顧客情報を提供する顧客情報管理システムであって、顧客端末から入力される、顧客物品の設置状態又は該顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データが含まれる顧客入力データを受け付ける顧客入力データ受付部と、受け付けた前記顧客入力データを前記顧客情報として記憶する顧客情報記憶部と、前記物品設置画像データを用いて前記顧客物品の設置場所の寸法を計測する設置場所寸法計測部と、商品の仕様寸法データ又は搬入必要寸法データと商品識別番号があらかじめ記憶されている商品情報記憶部と、前記商品識別番号を受け付ける商品識別番号受付部と、前記商品が前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する商品設置判定部とを備え、前記販売員端末から入力される前記商品識別番号を前記商品識別番号受付部で受け付けると、受け付けた前記商品識別番号に対応する前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データが前記商品情報記憶部から取り出され、前記商品設置判定部では、前記設置場所寸法計測部が前記顧客情報に含まれる前記物品設置画像データを用いて計測した前記顧客物品の設置場所の寸法と、取り出された前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データとを比較して、前記商品識別番号に対応する前記商品が、前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記販売員端末からの前記顧客情報の提供要求を受け付ける提供要求受付部と、受け付けた前記提供要求に応じて前記顧客情報記憶部から前記顧客情報を取り出して前記販売員端末に提供する情報提供部とを備え、前記設置場所寸法計測部は、前記顧客入力データ受付部で受け付けた前記物品設置画像データを用いて前記顧客物品の設置場所の寸法を計測し、計測された前記顧客物品の設置場所の寸法である設置場所寸法データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶されるようになっており、前記顧客情報に含まれる前記物品設置画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記物品設置画像データ及び/又は前記設置場所寸法データが取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記物品設置画像データ及び/又は前記設置場所寸法データを前記販売員端末に提供することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、顧客情報を蓄積し、販売員端末からの要求に応じて前記顧客情報を提供する顧客情報管理システムであって、顧客端末から入力される、顧客建物の入口から顧客物品の設置場所までの搬入経路が撮影された搬入経路画像データが含まれる顧客入力データを受け付ける顧客入力データ受付部と、受け付けた前記顧客入力データを前記顧客情報として記憶する顧客情報記憶部と、前記搬入経路画像データを用いて、前記搬入経路を形成する搬入経路空間形状を計測する搬入経路空間形状計測部と、商品の仕様寸法データ又は搬入必要寸法データと商品識別番号があらかじめ記憶されている商品情報記憶部と、前記商品識別番号を受け付ける商品識別番号受付部と、前記商品が前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する商品設置判定部とを備え、前記販売員端末から入力される前記商品識別番号を前記商品識別番号受付部で受け付けると、受け付けた前記商品識別番号に対応する前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データが前記商品情報記憶部から取り出され、前記商品設置判定部では、前記搬入経路空間形状計測部が前記顧客情報に含まれる前記搬入経路画像データを用いて計測した前記搬入経路空間形状と、取り出された前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データとを比較して、前記商品識別番号に対応する前記商品が、前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記販売員端末からの前記顧客情報の提供要求を受け付ける提供要求受付部と、受け付けた前記提供要求に応じて前記顧客情報記憶部から前記顧客情報を取り出して前記販売員端末に提供する情報提供部とを備え、前記搬入経路空間形状計測部は、前記顧客入力データ受付部で受け付けた前記搬入経路画像データを用いて前記搬入経路空間形状を計測し、計測された前記搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶されるようになっており、前記顧客情報に含まれる前記搬入経路画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記搬入経路画像データ及び/又は前記搬入経路空間形状データが取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記搬入経路画像データ及び/又は前記搬入経路空間形状データを前記販売員端末に提供することを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、顧客情報を蓄積し、販売員端末からの要求に応じて前記顧客情報を提供する顧客情報管理システムであって、顧客端末から入力される、顧客物品の設置状態又は該顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データ、及び、顧客建物の入口から前記顧客物品の設置場所までの搬入経路が撮影された搬入経路画像データが含まれる顧客入力データを受け付ける顧客入力データ受付部と、受け付けた前記顧客入力データを前記顧客情報として記憶する顧客情報記憶部と、前記物品設置画像データを用いて前記顧客物品の設置場所の寸法を計測する設置場所寸法計測部と、前記搬入経路画像データを用いて、前記搬入経路を形成する搬入経路空間形状を計測する搬入経路空間形状計測部と、前記販売員端末からの前記顧客情報の提供要求を受け付ける提供要求受付部と、受け付けた前記提供要求に応じて前記顧客情報記憶部から前記顧客情報を取り出して前記販売員端末に提供する情報提供部と、商品の仕様寸法データ又は搬入必要寸法データと商品識別番号があらかじめ記憶されている商品情報記憶部と、前記商品識別番号を受け付ける商品識別番号受付部と、前記商品が前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する商品設置判定部とを備え、前記顧客入力データ受付部が前記物品設置画像データを受け付けると、前記設置場所寸法計測部は、受け付けた該物品設置画像データを用いて前記設置場所の寸法を計測し、計測された前記設置場所の寸法である設置場所寸法データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶され、前記顧客入力データ受付部が前記搬入経路画像データを受け付けると、前記搬入経路空間形状計測部は、受け付けた該搬入経路画像データを用いて前記搬入経路空間形状を計測し、計測された前記搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データが前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶されるようになっており、前記顧客情報に含まれる前記物品設置画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記物品設置画像データ及び前記設置場所寸法データが取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記物品設置画像データ及び前記設置場所寸法データを前記販売員端末に提供し、前記顧客情報に含まれる前記搬入経路画像データに対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記搬入経路画像データ及び前記搬入経路空間形状データが取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記搬入経路画像データ及び前記搬入経路空間形状データを前記販売員端末に提供するようになっており、前記販売員端末から入力される前記商品識別番号を前記商品識別番号受付部で受け付けると、受け付けた前記商品識別番号に対応する前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データが前記商品情報記憶部から取り出され、前記商品設置判定部では、前記設置場所寸法データ及び/又は前記搬入経路空間形状データと、取り出された前記商品の前記仕様寸法データ又は前記搬入必要寸法データとを比較して、前記商品識別番号に対応する前記商品が、前記顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項2、4又は5に記載の構成に加えて、前記顧客入力データには、ライフイベントデータ、好みのブランドデータ、商品購入履歴データ、予算データ、店舗での滞在時間データ、顧客建物データ、保有している顧客物品データのうち、少なくとも何れか一つが含まれており、前記顧客情報の前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記顧客情報を前記販売員端末に提供することを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項2、4又は5に記載の構成に加えて、店舗内フロアマップ情報があらかじめ記憶されている店舗内フロアマップ情報記憶部と、前記顧客端末から送出される該顧客端末の位置情報を受け付ける顧客端末位置情報受付部と、該顧客端末位置情報受付部で受け付けた前記顧客端末の位置情報と、前記店舗内フロアマップ情報記憶部に記憶されている前記店舗内フロアマップ情報とを用いて、前記顧客端末の店舗内の滞在時間の計測値である来店滞在時間及び/又は前記顧客端末の店舗内の商品フロアにおける滞在時間の計測値である商品フロア滞在時間を計測する店舗滞在データ計測部とを備え、前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間を含む店舗収集データを前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶し、前記顧客情報に含まれる前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間に対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記来店滞在時間及び/又は前記商品フロア滞在時間を前記販売員端末に提供することを特徴とする。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の構成に加えて、店舗精算端末から送出される、購入商品の商品識別番号及び購入金額が含まれる店舗精算情報を受け付ける店舗精算情報受付部を備え、前記店舗収集データには、前記店舗精算情報受付部で受け付けた前記店舗精算情報が含まれ、受け付けた前記店舗精算情報を前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶し、前記顧客情報に含まれる前記店舗精算情報に対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記店舗精算情報が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記店舗精算情報を前記販売員端末に提供することを特徴とする。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項1、3又は5に記載の構成に加えて、顧客に有用な情報である顧客有用情報を発行する有用情報発行部を備え、該有用情報発行部で発行された前記顧客有用情報が前記顧客端末に向けて送出されることを特徴とする。
【0019】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の構成に加えて、前記有用情報発行部は、商品価格を割り引く割引クーポンが含まれるクーポンを発行するクーポン発行部を含み、前記顧客有用情報には、前記クーポン発行部で発行される前記クーポンが含まれ、前記顧客入力データが前記顧客入力データ受付部に受け付けられることを条件として、発行された前記クーポンが使用可能状態に設定されることを特徴とする。
【0020】
請求項11に係る発明は、請求項9に記載の構成に加えて、前記有用情報発行部は、商品購入の際に役立つ情報及び/又は商品広告の情報を含む顧客サポート情報を発行する顧客サポート情報発行部を含み、前記顧客有用情報には、前記顧客サポート情報発行部で発行された前記顧客サポート情報が含まれ、前記顧客サポート情報発行部で発行された前記顧客サポート情報が前記顧客端末に向けて送出されることを特徴とする。
【0021】
請求項12に係る発明は、請求項2、4又は5に記載の構成に加えて、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報に基づいて顧客傾向を分類する顧客傾向分類部を備え、該顧客傾向分類部で分類された前記顧客傾向を前記顧客情報として前記顧客情報記憶部に記憶し、前記顧客情報に含まれる前記顧客傾向に対する前記提供要求が前記提供要求受付部に受け付けられると、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客傾向が取り出されて、前記情報提供部が取り出された前記顧客傾向を前記販売員端末に提供することを特徴とする。
【0022】
請求項13に係る発明は、請求項2、4又は5に記載の構成に加えて、前記顧客情報に含まれるデータ項目を前記販売員端末に表示させる顧客情報項目画面を構成する顧客情報項目画面構成部を備え、該顧客情報項目画面構成部は、前記顧客情報項目画面に配置される前記データ項目の並び順を、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報又は商品の種類に応じて変化させるように構成することを特徴とする。
【0023】
請求項14に係る発明は、請求項1、3又は5に記載の構成に加えて、前記顧客情報記憶部に記憶されている前記顧客情報に基づいて推薦商品を選択する推薦商品選択部を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項15に係る発明は、請求項6に記載の構成に加えて、前記商品購入履歴データには、過去に購入された商品の記録データ及び/又は過去に契約されたサービスの記録データが含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項2及び5の発明によれば、顧客物品の設置状態又は顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データが販売員端末に提供されるため、販売員は物品設置画像データを参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。また、顧客情報を取得するための聞き取り時間を短縮できる。
【0026】
請求項2及び5の発明によれば、顧客物品の設置場所の寸法である設置場所寸法データが販売員端末に提供されるため、販売員は設置場所寸法データを参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。
【0027】
請求項4及び5の発明によれば、顧客建物の入口から顧客物品の設置場所までの搬入経路が撮影された搬入経路画像データが販売員端末に提供されるため、販売員は搬入経路画像データを参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。
【0028】
請求項4及び5の発明によれば、搬入経路を形成する搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データが販売員端末に提供されるため、販売員は搬入経路空間形状データを参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。
【0029】
請求項1、3及び5の発明によれば、設置場所寸法データ及び/又は搬入経路空間形状データと、商品の仕様寸法データ又は搬入必要寸法データとが比較されて、商品が顧客物品の設置場所に設置できるか否かが判定される。この判定結果に基づいて、販売員は商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援できる。
【0030】
請求項6の発明によれば、顧客情報には、ライフイベントデータ、好みのブランドデータ、商品購入履歴データ、予算データ、店舗での滞在時間データ、顧客建物データ、保有している顧客物品データのうち、少なくとも何れか一つが含まれており、顧客情報が販売員端末に提供されるため、販売員は顧客情報を参照することにより、顧客に対して適切な商品の提案ができる。また、顧客情報を取得するための聞き取り時間を短縮できる。
【0031】
請求項7の発明によれば、顧客端末の位置情報と、店舗内フロアマップ情報とを用いて、顧客端末の店舗内の滞在時間の計測値である来店滞在時間や、顧客端末の店舗内の商品フロアにおける滞在時間の計測値である商品フロア滞在時間が計測され顧客情報として記憶される。顧客からの入力によらない客観的な店舗滞在時間のデータを収集できる。また、来店滞在時間を参照してその顧客の購入意欲の強さを推測したり、商品フロア滞在時間を参照してその顧客が興味を持っている商品を推しはかったりすることができる。
【0032】
請求項8の発明によれば、店舗精算端末から送出される、購入商品の商品識別番号及び購入金額が含まれる店舗精算情報が顧客情報として記憶される。顧客からの入力によらない客観的な商品購入履歴データを収集できる。また、店舗精算情報を参照することにより、購入後の商品の買い替え時期や、その顧客の商品の選択傾向を推測できる。
【0033】
請求項9の発明によれば、顧客に有用な情報である顧客有用情報が発行され、顧客に通知されるため、この顧客有用情報の通知を契機に、顧客が顧客入力データを入力するようになる。
【0034】
請求項10の発明によれば、顧客入力データが入力されることを条件にクーポンが使用可能状態に設定されるため、クーポンを欲する顧客が顧客入力データを入力する動機付けとなる。
【0035】
請求項11の発明によれば、商品購入の際に役立つ情報及び/又は商品広告の情報を含む顧客サポート情報が発行され、顧客に通知されるため、この顧客サポート情報の通知をきっかけに、顧客が顧客入力データを入力するようになる。
【0036】
請求項12の発明によれば、顧客情報に基づいて顧客傾向が分類される。顧客傾向を参照することにより、販売員は、その顧客に適した商品の提案を行うことができる。
【0037】
請求項13の発明によれば、顧客情報の提供要求を入力するために販売員端末に表示される顧客情報項目画面は、顧客情報記憶部に記憶されている顧客情報又は商品の種類に応じて、顧客情報に含まれるデータ項目の並び順が変化するように構成される。このようになっているため、販売員は、重要性の高いデータ項目を容易に認識でき、そのデータ項目を参照することにより、顧客に適した提案を行うことが可能となる。
【0038】
請求項14の発明によれば、顧客情報に基づいて推薦商品が選択されるため、販売員は、顧客への商品の提案を円滑に行える。
【0039】
請求項15の発明によれば、顧客が過去に購入した商品の記録データ及び/又はその顧客が過去に契約したサービスの記録データが販売員端末に提供されるため、販売員はそれらの記録データを参照することにより、その顧客に対して適切な商品やサービスの提案ができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】この発明の実施の形態に係る顧客情報管理システムを概略的に示す概略構成ブロック図である。
【
図2】同実施の形態に係る顧客情報管理サーバの概略機能ブロック図である。
【
図3】同実施の形態に係る顧客情報を構成する項目の例を示す図である。
【
図4】同実施の形態に係る顧客情報管理サーバに記憶される店舗内フロアマップ情報により構成されるフロアマップの例を示す図である。
【
図5】同実施の形態に係る顧客端末の概略機能ブロック図である。
【
図6】同実施の形態に係る顧客端末に表示される顧客入力画面の例を示す図であり、(a)は物品設置画像データが入力される前、(b)は物品設置画像データが入力された後を示す図である。
【
図7】同実施の形態に係る顧客端末に表示されるクーポン発行画面と顧客入力画面の画面遷移の例を示す図であり、(a)と(e)はクーポン発行画面、(b)~(d)は顧客入力画面である。
【
図8】同実施の形態に係る顧客端末に表示される顧客入力画面とクーポン発行画面の画面遷移の例を示す図であり、(a)~(d)及び(f)は顧客入力画面、(e)はクーポン発行画面である。
【
図9】同実施の形態に係る販売員端末の概略機能ブロック図である。
【
図10】同実施の形態に係る販売員端末に表示される顧客情報提供画面の例を示す図であり、(a)は商品購入履歴データが表示されている画面、(b)は物品設置画像データが表示されている画面である。
【
図11】同実施の形態に係る販売員端末に表示される顧客情報提供画面と顧客情報項目画面の画面遷移の例を示す図であり、(a)、(c)及び(e)は顧客情報提供画面、(b)と(d)は顧客情報項目画面である。
【
図12】同実施の形態に係る販売員端末に表示される顧客情報項目画面の他の例を示す図である。
【
図13】同実施の形態に係る管理者端末の概略機能ブロック図である。
【
図14】同実施の形態に係るビーコン端末の概略機能ブロック図である。
【
図15】同実施の形態に係る店舗精算端末の概略機能ブロック図である。
【
図16】同実施の形態に係る顧客情報管理システムの動作の流れを示す図であり、顧客端末からの顧客入力データを顧客情報として顧客情報管理サーバが記憶するまでの流れと、販売員端末に顧客情報を提供する流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
この発明の実施の形態について、
図1~
図16を用いて説明する。
【0042】
図1は、本発明の実施の形態に係る顧客情報管理システム1を概略的に示す概略構成ブロック図である。この顧客情報管理システム1は、顧客情報330を記憶し外部からの求めに応じて顧客情報330を要求元に提供する顧客情報管理サーバ2、複数の顧客が保有する複数の顧客端末3
1,3
2,・・・3
n、家電や家具などを販売する店舗8に配置されている複数の販売員が所持する複数の販売員端末4
1,4
2,・・・4
j、管理者が操作する管理者端末5、店舗8内に設置されて位置情報が付加されているビーコン信号を発信する複数のビーコン端末6
1,6
2,・・・6
m、キャッシュレジスタ(金銭登録機)の機能を有する店舗精算端末7が、インターネット等のネットワーク9を介して接続された構成をなしている。
【0043】
ここで、顧客端末31,32,・・・3nが複数であることを強調して表示する必要があるときを除き、顧客端末31,32,・・・3nを代表して符号の3(顧客端末3)で表す。同様に、販売員端末41,42,・・・4jが複数であることを強調して表示する必要があるときを除き、販売員端末41,42,・・・4jを代表して符号の4(販売員端末4)で表す。ビーコン端末61,62,・・・6mについても、複数であることを強調して表示する必要があるときを除き、ビーコン端末61,62,・・・6mを代表して符号の5(ビーコン端末6)で表す。なお、ビーコン端末61,62,・・・6mは、店舗8の広さにもよるが、店舗8内に100台程度設置されることが多い。顧客端末3を所持する顧客が店舗8に入店すると、顧客端末3がビーコン端末6から発信されるビーコン信号を受信して、位置情報を取得する。位置情報を取得することにより、顧客端末3には入店した店舗8の名称や、その店舗フロア内の現在位置が表示される。
【0044】
以下、店舗8では、家電を販売しているものとして説明する。
【0045】
この顧客情報管理システム1の動作の概要として、顧客が顧客端末3を用いて入力する顧客入力データ350を顧客情報管理サーバ2が受け取り顧客情報330として蓄積する。また、顧客が店舗8内にいるときには、顧客端末3の位置情報が顧客情報管理サーバ2に送出され、顧客情報330に含まれる店舗滞在データ371として記憶される。さらに、その店舗8で顧客が商品を購入すると、その店舗精算情報が店舗精算端末7から顧客情報管理サーバ2に送出され、顧客情報330として記憶される。そして、販売員が操作する販売員端末4から送信される顧客情報330の提供要求を顧客情報管理サーバ2が受け取ると、要求に応じた顧客情報330が取り出されて要求元である販売員端末4に向けて提供される。販売員は、販売員端末4に表示される顧客情報330を確認して、顧客に対しコンサルティングを行い適切な商品を提案する。販売員端末4に表示される顧客情報330を参照することにより、顧客への聞き取り時間が短縮され効率化が図れる。
【0046】
図2は、顧客情報管理サーバ2の概略機能ブロック図である。
【0047】
この顧客情報管理サーバ2は、制御部20、顧客識別情報受付部21、顧客入力画面提供部22、顧客入力データ受付部23、設置場所寸法計測部24、搬入経路空間形状計測部25、顧客情報記憶部26、店舗内フロアマップ情報記憶部200、顧客端末位置情報受付部201、店舗滞在データ計測部202、店舗精算情報受付部204、顧客傾向分類部205、対象商品種類受付部210、顧客情報項目画面構成部211、顧客情報項目画面提供部212、提供要求受付部213、情報提供部214、商品情報受付部220、商品情報記憶部221、商品識別番号受付部222、商品設置判定部223、設置判定結果提供部224、推薦商品選択部230、クーポン発行部240(有用情報発行部244)、クーポン発行画面提供部241、顧客サポート情報発行部242(有用情報発行部244)、顧客サポート情報画面提供部243及び通信部270を含むように構成される。この顧客情報管理サーバ2には、サーバ装置やPC(Personal Computer)などが用いられる。
【0048】
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、不揮発性記憶装置である補助記憶装置、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)を含むように構成される。CPUは、プログラムの実行、演算処理、この顧客情報管理サーバ2を構成する各要素の制御などを行う。補助記憶装置には、CPUが実行するプログラムや登録データなどが記憶され、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などが用いられる。RAMは、CPUによるプログラムの実行や演算処理のワークエリアとして使用される。
【0049】
顧客識別情報受付部21は、顧客を識別する情報である顧客識別情報340を受け付ける。顧客識別情報340には、顧客ID(Identification)など顧客を一意に特定できる情報が含まれている。この顧客識別情報受付部21で受け付けられる顧客IDなどを用いて、その顧客の顧客情報330などの抽出が行われる。
【0050】
顧客入力画面提供部22は、顧客が顧客端末3を用いて顧客入力データ350を入力する画面を提供する。この顧客入力画面提供部22が提供する顧客入力画面320が顧客端末3に表示され、顧客はこの画面を介してデータの入力を行う。
【0051】
顧客入力データ受付部23は、顧客端末3に入力され送出されてくる顧客入力データ350を受け付ける。
【0052】
顧客入力データ350には、ライフイベントデータ363、好みのブランドデータ364、商品購入履歴データ360、予算データ365、店舗での滞在時間データ366、顧客建物データ367、保有している顧客物品データ351などが含まれる。
【0053】
ライフイベントデータ363は、就職、転勤、結婚、住宅購入、子供の誕生、子供の進学など人生を過ごす中で起こる大きな出来事を示すデータである。好みのブランドデータ364は、好きな製造会社又は販売会社を示すデータである。商品購入履歴データ360は、その顧客が過去に購入した商品の記録データである。例えば、レシートに印刷されたQRコード(登録商標)を顧客端末3で撮影し、そのQRコードに記録されている購入商品の情報を読み出すようにしてもよい。また、顧客が手入力してもよい。予算データ365は、その顧客が希望する予算を示すデータである。店舗8での滞在時間データは、顧客が認識している店舗8における平均的な滞在時間を示すデータである。顧客建物データ367は、持ち家又は借家のいずれか、鉄筋又は木造の建物の種類、建物の階数、顧客の住居の階数、エレベータの有無、部屋の広さなどを顧客の建物を示すデータである。また、顧客建物データ367には、通信環境などを含めるようにしてもよい。保有している顧客物品データ351は、現在使用中の冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの商品のデータである。すなわち、具体的には、保有している商品(保有している顧客物品)の型式、製造会社、購入日などが含まれる。
【0054】
また、保有している顧客物品データ351には、顧客物品の設置状態又は顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データ355や、顧客建物の入口から顧客物品の設置場所までの搬入経路が撮影された搬入経路画像データ357などが含まれる。搬入経路画像データ357は、搬入経路に沿う複数の静止画で構成してもよいし、また、動画で構成してもよい。
【0055】
顧客物品とは、その顧客が保有している商品や製品であり、その商品等を保有していない場合には、将来保有する予定や将来保有する可能性のある商品や製品のことをいう。また、顧客物品には、商品や製品だけでなく、その顧客が契約している携帯電話会社や加入しているインターネットプロバイダーなどの通信サービス等のサービスを含めるようにしてもよい。また、このサービスには、定期購読、定期購入、定期的に料金を支払うことでコンテンツを利用するサブスクリプション(Subscription)も含まれる。
【0056】
顧客物品としてサービスが対象になっている場合には、保有している顧客物品データ351として、現在契約や加入しているサービスのデータとなる。具体的には、携帯電話やインターネットなどの通信サービスの内容、契約会社、契約している通信サービスのプラン、契約日などが含まれる。
【0057】
設置場所寸法計測部24は、物品設置画像データ355を用いて顧客物品の設置場所の寸法を計測する。設置場所の寸法の計測は、例えば、顧客端末3に設けられた複数のカメラ(撮像部35)でステレオカメラを構成して、その複数のカメラで物品設置画像データ355を同時に撮影し、それら複数カメラの位置関係を基準にして公知技術であるステレオビジョンの原理により算出してもよい。ToF(Time of Flight)センサを用いて、設置場所までの距離を測定し、顧客端末3に内蔵されている撮像部35の光学系の焦点距離を基準にして設置場所の寸法を計測してもよい。また、目盛の印刷された物差しを設置状態の顧客物品に貼付したり、設置予定場所に置いたりして、その物差しも含めて画像を撮影し、画像に写る物差しの目盛を基準にして設置場所の寸法を計測してもよい。また、物品設置画像データ355を撮影する顧客端末3に内蔵されているGPS(Global Positioning System)モジュールを用いて撮影座標(撮影位置)を算出し、複数の位置で撮影した物品設置画像データ355の複数の撮影座標に基づいて三角測量の原理を適用して設置場所の寸法を計測してもよい。また、顧客端末3に内蔵されている撮像部35の光学系の焦点距離を基準にして顧客端末3と設置されている顧客物品までの距離や設置予定場所までの距離を入力して設置場所の寸法を計測してもよい。このように既存技術を用いて計測できる。また、市販されているソフトウェアを組み込むことにより、物品設置画像データ355から顧客物品の設置場所の寸法を計測してもよい。
【0058】
また、撮影された商品の画像から文字を検出することにより、その商品の型式などを読み取って、商品の仕様データ等から寸法を取得するようにしてもよい。商品の表面に印刷されているブランド名や商品名称、銘板に表示されている文字情報などからその商品の製造会社や型式などを読み取ることができる。
【0059】
また、設置場所の寸法だけでなく、電源コンセントやプラグの形状データを検出し、保持するようにしてもよい。この場合、販売員端末4から提供要求があれば、電源コンセントやプラグの形状データが提供される。
【0060】
顧客入力データ受付部23が物品設置画像データ355を受け付けると、設置場所寸法計測部24は、受け付けた物品設置画像データ355を用いて設置場所の寸法を計測し、計測された設置場所の寸法である設置場所寸法データ356が顧客情報330として顧客情報記憶部26に記憶される。
【0061】
搬入経路空間形状計測部25は、搬入経路画像データ357を用いて、搬入経路を形成する搬入経路空間形状を計測する。搬入経路空間形状は、搬入経路に沿う搬入経路の三次元空間を構成する三次元形状であってもよいし、搬入経路に沿う搬入経路空間の連続的な横断面形状の集合であってもよい。また、搬入経路空間の横断面形状としては、各横断面における幅方向の寸法と高さ方向の寸法により決定するようにしてもよい。計測方法として、例えば、顧客端末3に設けられた複数のカメラ(撮像部35)でステレオカメラを構成して、ステレオビジョンの原理に基づいて測定してもよい。ToFセンサを用いて測定した距離を用いて計測してもよい。設置場所寸法計測部24で計測した顧客物品の設置場所の寸法を基準として、搬入経路空間の三次元形状や横断面毎の横断面形状を算出してもよい。また、目盛の印刷された物差しを搬入経路に沿って複数配置してその物差しも含めて画像を撮影し、画像に写る物差しの目盛を基準にして搬入経路空間の三次元形状や横断面形状を計測してもよい。また、顧客端末3に内蔵されているGPSモジュールを用いて撮影座標を算出し、複数の位置で撮影した搬入経路画像データ357の複数の撮影座標に基づいて三角測量の原理を適用して計測してもよい。また、顧客端末3に内蔵されている撮像部35の光学系の焦点距離を基準にして計測してもよい。搬入経路空間の三次元形状や横断面形状の計測は、既存技術を用いて計測でき、市販のソフトウェアを利用して搬入経路画像データ357から計測してもよい。
【0062】
また、搬入経路空間の横断面形状として、横断面毎の計測値に代えて、搬入経路空間の横断面の横方向の最小値と高さ方向の最小値とにより形成される最小の横断面形状を用いてもよい。
【0063】
顧客入力データ受付部23が搬入経路画像データ357を受け付けると、搬入経路空間形状計測部25は、受け付けた搬入経路画像データ357を用いて搬入経路空間形状を計測し、計測された搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データ358が顧客情報330として顧客情報記憶部26に記憶される。
【0064】
顧客情報記憶部26は、顧客入力データ受付部23で受け付けた顧客入力データ350を顧客情報330として記憶する。
【0065】
図3は、顧客情報330を構成する項目の例を示す図である。顧客情報330には、顧客識別情報340、顧客入力データ350、店舗収集データ370、顧客傾向データ387及びクーポン登録データ390が含まれている。また、顧客識別情報340には、顧客ID、パスワード、氏名、住所、電話番号、生年月日及び性別が含まれ、顧客入力データ350には、その顧客が保有している顧客物品データ351、商品購入履歴データ360、ライフイベントデータ363、好みのブランドデータ364、予算データ365、店舗での滞在時間データ366及び顧客建物データ367が含まれている。クーポン登録データ390には、クーポン内容、そのクーポンが有効状態か無効状態かを示す有効/無効フラグ及び有効期限が含まれている。
【0066】
また、保有している顧客物品データ351には、型式、製造会社、購入日、物品設置画像データ355、設置場所寸法データ356、搬入経路画像データ357及び搬入経路空間形状データ358が含まれている。顧客物品としてサービスが対象になっている場合には、保有している顧客物品データ351として、携帯電話やインターネットなどの通信サービスの内容、契約会社、契約している通信サービスのプラン、契約日などが含まれる。
【0067】
商品購入履歴データ360には、商品コード(商品識別番号)、店舗コード、数量及び購入日が含まれている。この商品購入履歴データ360には、その顧客が過去に購入した商品の記録データだけでなく、その顧客が過去に契約や加入したサービスの記録データを保持するようにしてもよい。対象が商品でなくサービスの場合、この商品購入履歴データ360には、契約店舗コード、契約サービスコード、契約金額、契約プラン、契約日などが含まれる。
【0068】
店舗収集データ370は、顧客端末3の位置情報や、店舗精算端末7から送られてくる店舗精算情報に基づいて自動的に入力され、顧客情報330として蓄積されるデータであり、店舗滞在データ371や店舗商品購入履歴データ380を含む。
【0069】
店舗滞在データ371は、顧客端末3の位置情報と店舗内フロアマップ情報とを用いて算出されるデータにより構成されており、店舗8への入店時刻と店舗8からの出店時刻により構成される来店時間372が含まれる。また、顧客端末3の店舗8内の滞在時間の計測値である来店滞在時間374、及び、顧客端末3の店舗8内の各商品フロアにおける滞在時間の計測値である商品フロア滞在時間375が含まれている。
【0070】
店舗商品購入履歴データ380は、店舗精算端末7から送られてくる店舗精算情報に含まれる購入店舗コード381、購入商品コード382(購入商品の商品識別番号)、購入数量383、購入金額384、購入日時385等により構成される。
【0071】
また、顧客がその店舗8で携帯電話の契約やインターネットの加入の手続などを行った場合には、店舗精算端末7から送られてくる店舗精算情報には、契約や加入の手続を行った契約店舗コード、携帯電話やインターネットなどの通信サービスの内容を示す契約サービスコード(「購入商品の商品識別番号」に相当)、契約金額、契約プラン、契約日などが含まれる。対象が商品でなくサービスの場合、店舗商品購入履歴データ380には、店舗精算情報に含まれる契約店舗コード、契約サービスコード(「購入商品の商品識別番号」に相当)、契約金額、契約プラン、契約日などにより構成される。
【0072】
顧客傾向データ387は、顧客情報330として蓄積されているデータに基づいて分類されるその顧客の顧客傾向である。
【0073】
クーポン登録データ390には、クーポンの登録情報が記憶される。クーポンの種類としては、商品価格を割り引く割引クーポンが含まれる。発行されるクーポンは、クーポン登録データ390として顧客情報330に記憶されるが、発行された直後は、無効状態、すなわち、そのクーポンを使用できない状態に設定されている。顧客が顧客端末3から顧客入力データ350を入力し、入力された顧客入力データ350が顧客情報管理サーバ2に受け付けられることを条件として、発行されたクーポンが有効状態、すなわち、使用可能状態に設定される。
【0074】
なお、顧客情報330に含まれる、保有している顧客物品データ351、商品購入履歴データ360、店舗滞在データ371、店舗商品購入履歴データ380、クーポン登録データ390が複数個、存在する場合には、ひとまとまりの顧客情報330としてそれら複数個のデータが記憶される。
【0075】
図2に示す店舗内フロアマップ情報記憶部200には、あらかじめ店舗内フロアマップ情報が記憶されている。この店舗内フロアマップ情報には、店舗8の位置情報(緯度、経度)や、店舗8内の各商品フロアの位置情報(緯度、経度)とその商品フロアにおける取扱商品の情報が含まれる。店舗内フロアマップ情報は、管理者端末5から顧客情報管理サーバ2に送出され、この店舗内フロアマップ情報記憶部200に記憶される。
【0076】
図4は、店舗内フロアマップ情報により構成されるフロアマップの例を示す図である。各商品フロアにおける取扱商品である、例えば、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、オーディオ、エアコン、掃除機、調理家電、美容家電、生活家電、ゲーム、季節家電などと、それぞれの商品フロアの位置情報とに基づいて
図4に示すフロアマップが図示されている。
【0077】
図2に示す顧客端末位置情報受付部201は、顧客端末3から送出される顧客端末3の位置情報を受け付ける。顧客端末3の位置情報としては、顧客端末3に備えられているGPSモジュール39により求められる位置情報や、顧客が店舗8内にいる場合にビーコン端末6からのビーコン信号を受信して求められる位置情報が利用される。
【0078】
店舗滞在データ計測部202は、顧客端末位置情報受付部201で受け付けた顧客端末3の位置情報と、店舗内フロアマップ情報記憶部200に記憶されている店舗内フロアマップ情報とを用いて、顧客端末3の店舗8内の滞在時間の計測値である来店滞在時間374と、顧客端末3の店舗8内の各商品フロアにおける滞在時間の計測値である商品フロア滞在時間375を計測する。
【0079】
この店舗滞在データ計測部202で、計測された来店滞在時間374と商品フロア滞在時間375は、顧客情報330として記憶される。
【0080】
店舗精算情報受付部204は、店舗精算端末7から送出される、購入商品の購入商品コード382(購入商品の商品識別番号)、購入金額384及び購入日時385が含まれる店舗精算情報を受け付ける。
【0081】
図3に示す店舗収集データ370には、店舗精算情報受付部204で受け付ける店舗精算情報に含まれるデータにより構成される店舗商品購入履歴データ380を有し、顧客情報330として顧客情報記憶部26に記憶される。
【0082】
図2に示す顧客傾向分類部205は、顧客情報記憶部26に記憶されている顧客情報330に基づいて顧客傾向を分類する。例えば、顧客傾向として、高機能指向、価格重視、ブランド重視、新製品指向、買替サイクル短期間、限定品指向、デザイン重視などの何れかの分類に区分する。そして、顧客傾向分類部205で分類された顧客傾向を顧客情報330として顧客情報記憶部26に記憶する。
【0083】
顧客傾向分類部205では、顧客情報330に含まれる商品購入履歴データ360や店舗商品購入履歴データ380を参照し、比較的高価な高機能商品の購入が所定の割合以上を占める場合や、予算データ365がその商品の平均価格を上回っている場合に、その顧客を「高機能指向」に分類するようにしてもよい。また、商品購入履歴データ360や店舗商品購入履歴データ380を参照し、低価格商品の購入が所定の割合以上を占める場合や、予算データ365がその商品の平均価格を下回っている場合に、その顧客を「価格重視」に分類するようにしてもよい。さらに、商品購入履歴データ360や店舗商品購入履歴データ380を参照し、購入商品のブランドに偏りがあったり、好みのブランドデータ364に登録がされていたりする場合に、その顧客を「ブランド重視」に分類するようにしてもよい。またさらに、過去の購入履歴から新製品の購入頻度が高い場合などに、その顧客を「新製品指向」に分類するようにしてもよい。また、商品購入履歴データ360や店舗商品購入履歴データ380を参照し商品の平均的な買替サイクルよりも高頻度に買替を繰り返している場合などに、その顧客を「買替サイクル短期間」に分類するようにしてもよい。さらに、過去の購入履歴から限定品の購入頻度が高い場合などに、「限定品指向」に分類してもよい。またさらに、過去の購入履歴を参照して、洗練されたデザインの商品やデザインに特徴のある商品の購入頻度が高い場合などに、その顧客を「デザイン重視」に分類するようにしてもよい。
【0084】
対象商品種類受付部210は、販売員端末4から送出される対象商品種類を受け付ける。対象商品種類は、例えば、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコンなど販売員が顧客に提案をする際の対象となる商品の種類である。
【0085】
顧客情報項目画面構成部211は、顧客情報330の提供要求を入力するために販売員端末4に表示させる顧客情報項目画面430を構成する。この顧客情報項目画面430には、顧客情報330に含まれるデータ項目が表示される(後述する、
図11(b)、
図11(d)、
図12参照)。データ項目としては、例えば、顧客情報330に含まれる物品設置画像データ355、搬入経路画像データ357、商品購入履歴データ360、ライフイベントデータ363、好みのブランドデータ364などがある(
図3参照)。
【0086】
顧客情報項目画面提供部212は、顧客情報330に含まれる項目の中のどの項目に対して提供要求を発するかを選択して指定できる顧客情報項目画面430を提供する。この顧客情報項目画面430は、販売員端末4に向けて提供され、販売員は販売員端末4に表示される項目を指定して、自らの欲する顧客情報330の項目を指定する。
【0087】
提供要求受付部213は、販売員端末4から送出される顧客情報330の提供要求を受け付ける。
【0088】
情報提供部214は、受け付けた顧客情報330の提供要求に応じて顧客情報記憶部26から顧客情報330を取り出して販売員端末4に提供する。顧客情報330の提供要求が提供要求受付部213に受け付けられると、顧客情報記憶部26に記憶されている顧客情報330が取り出されて、情報提供部214が取り出された顧客情報330を販売員端末4に提供する。また、顧客情報330に含まれる物品設置画像データ355に対する提供要求が提供要求受付部213に受け付けられると、顧客情報記憶部26に記憶されている物品設置画像データ355が取り出されて、情報提供部214が取り出された物品設置画像データ355を販売員端末4に提供する。
【0089】
設置場所寸法データ356に計測値が記憶されている場合、物品設置画像データ355に対する提供要求が提供要求受付部213に受け付けられると、顧客情報記憶部26に記憶されている設置場所寸法データ356が取り出されて、情報提供部214が物品設置画像データ355とともに設置場所寸法データ356も販売員端末4に提供する。
【0090】
販売員端末4からの顧客情報330に含まれる搬入経路画像データ357に対する提供要求が提供要求受付部213に受け付けられると、顧客情報記憶部26に記憶されている搬入経路画像データ357が取り出されて、情報提供部214が取り出された搬入経路画像データ357を販売員端末4に提供する。
【0091】
搬入経路空間形状データ358に計測値が記憶されている場合、搬入経路画像データ357に対する提供要求が提供要求受付部213に受け付けられると、顧客情報記憶部26に記憶されている搬入経路空間形状データ358が取り出されて、情報提供部214が搬入経路画像データ357とともに搬入経路空間形状データ358も販売員端末4に提供する。
【0092】
商品情報受付部220は、管理者端末5から送出されてくる商品の仕様寸法データ531及び商品の搬入必要寸法データ535と商品識別番号532との組み合わせを含む商品情報530を受け付ける。商品の仕様寸法データ531は、その商品の製品仕様により決定されている幅、奥行き、高さなどの寸法データである。また、商品の搬入必要寸法データ535は、その商品を搬入する際に最低限必要となる搬入経路の寸法を示すデータであり、例えば、商品の寸法だけでなく、その商品を運び込む搬入作業員の占める空間なども考慮されて、商品ごとに決定されるデータである。この搬入必要寸法データ535としては、搬入経路の横断面の形状やその寸法などによって規定するようにしてもよいし、搬入経路中における幅、奥行き、高さとして表される直方体の寸法によって規定するようにしてもよい。搬入必要寸法データ535は、店舗8側の管理者や販売員などにより商品ごとにあらかじめ決められる。
【0093】
商品情報記憶部221には、商品情報受付部220で受け付けた商品情報530があらかじめ記憶されている。この商品情報記憶部221に記憶されている商品情報530を取り出すと、商品情報530に含まれる商品の仕様寸法データ531と商品識別番号532との組み合わせが読み取れる。すなわち、商品識別番号532に対応する商品の仕様寸法データ531及びその商品を取り出せる。また、商品情報530に含まれる商品の搬入必要寸法データ535と商品識別番号532との組み合わせが読み取れる。すなわち、商品識別番号532に対応する商品の搬入必要寸法データ535及びその商品を取り出せる。
【0094】
商品識別番号受付部222は、販売員端末4から送出される商品識別番号532を受け付ける。
【0095】
商品設置判定部223は、設置場所寸法データ356及び搬入経路空間形状データ358と、商品の仕様寸法データ531とを比較して、その商品が顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する。また、この商品設置判定部223は、設置場所寸法データ356及び搬入経路空間形状データ358と、商品の搬入必要寸法データ535とを比較して、その商品が搬入でき顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する。
【0096】
販売員端末4から入力される商品識別番号532を商品識別番号受付部222で受け付けると、受け付けた商品識別番号532に対応する商品の仕様寸法データ531と搬入必要寸法データ535が商品情報記憶部221から取り出され、商品設置判定部223では、取り出された商品の仕様寸法データ531と搬入必要寸法データ535を用いて、商品識別番号532に対応する商品が、顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定する。
【0097】
設置判定結果提供部224は、商品設置判定部223において判定した結果を、商品識別番号532を送出してきた販売員端末4に向けて提供する。
【0098】
推薦商品選択部230は、顧客情報記憶部26に記憶されている顧客情報330に基づいて推薦商品を選択する。例えば、この推薦商品選択部230が顧客情報330に含まれるライフイベントデータ363を参照し、子供が生まれ家族が増加したことが登録されていれば、大容量の冷蔵庫や洗濯機などを推薦商品として選択するようにしてもよい。また、顧客情報330に含まれる好みのブランドデータ364を参照して、そのブランドの商品を推薦商品として選択するようにしてもよい。さらに、予算データ365を参照して、その予算に収まる価格の商品を選択するようにしてもよい。またさらに、商品購入履歴データ360や店舗商品購入履歴データ380、顧客傾向データ387などを参照して、その顧客が高機能指向であれば、高級な高機能商品を推薦商品として選択したり、新製品指向であれば、新製品を推薦したり、デザイン重視の傾向があればデザイン性の優れた商品を選択したりするようにしてもよい。
【0099】
クーポン発行部240は、商品価格を割り引く割引クーポンが含まれるクーポンを自動的に発行する。発行されるクーポンは、顧客情報記憶部26に記憶されている顧客情報330に基づいて内容が決定されるようにしてもよい。例えば、保有している顧客物品データ351を参照し、保有している顧客物品、すなわち、使用中の商品の購入日からの時間経過が買い替え時期に該当していればその商品のクーポンを発行したり、顧客情報330に登録されている商品の数が多ければ発行するクーポンのポイントを高くしたり、顧客情報330に登録されているライフイベントデータ363を参照して、その時点でニーズがあると判定される商品のクーポンを発行したりする。
【0100】
このクーポン発行部240で発行されるクーポンは、クーポン登録データ390として顧客情報330に記憶されるが、発行時には、無効状態、すなわち、そのクーポンを使用できない状態に設定される。そして、顧客が顧客端末3から顧客入力データ350を入力し、入力された顧客入力データ350が顧客入力データ受付部23に受け付けられることを条件として、クーポンが有効状態、すなわち、使用可能状態に設定される。
【0101】
クーポン発行画面提供部241は、発行されたクーポンの内容を通知するクーポン発行画面321を顧客端末3に提供する。また、発行した複数種類のクーポンの中から顧客が選択できるようになっている場合、顧客端末3に表示されるこのクーポン発行画面321を介して顧客が欲するクーポンを選択する。
【0102】
顧客サポート情報発行部242は、顧客が商品購入の際に役立つ情報や商品広告の情報を含む顧客サポート情報を発行する。顧客サポート情報は、商品を選択するときの注意点や着目点、新製品情報、買い替え時期が到来している商品の情報など顧客を支援する情報により構成される。顧客サポート情報は、顧客情報記憶部26に記憶されている顧客情報330に基づいて内容が決定されるようにしてもよい。例えば、保有している顧客物品データ351を参照し、前回の商品購入日から買い替え時期に相当する期間が経過していれば、その商品に関するお役立ち情報や新製品情報を発行したり、顧客情報330に登録されているライフイベントデータ363を参照して、結婚や出産、就職、転勤などのライフイベントに応じて購入の必要性が高い商品の情報を発行したりする。
【0103】
顧客サポート情報画面提供部243は、顧客サポート情報発行部242で発行された商品購入の際に役立つ情報や商品広告の情報を含む顧客サポート情報の内容を通知する顧客サポート情報画面を顧客端末3に送出し提供する。顧客端末3が、この顧客サポート情報画面を受信すると、顧客端末3の表示部33に顧客サポート情報画面が表示される。
【0104】
上述のクーポン発行部240と顧客サポート情報発行部242とを含むように有用情報発行部244が構成されており、この有用情報発行部244は、顧客に有用な情報である顧客有用情報を発行する。
【0105】
有用情報発行部244で発行される顧客有用情報には、クーポン発行部240で発行されるクーポンや、顧客サポート情報発行部242で発行される顧客サポート情報などが含まれ、発行された顧客有用情報は、顧客端末3に向けて送出される。そして、顧客端末3が、この顧客有用情報を受信すると表示部33に表示される。
【0106】
通信部270は、顧客情報管理サーバ2の外部とのデータの送受信を行う。
【0107】
図5は、顧客端末3の概略機能ブロック図である。この顧客端末3は、制御部30、顧客識別情報送出部31、顧客入力画面受付部32、表示部33、入力部34、撮像部35、画像データ記憶部36、顧客入力データ送出部37、クーポン発行画面受付部38、GPSモジュール39、ビーコン信号受信部300、位置情報送出部301及び通信部310を含むように構成される。顧客端末3には、スマートホンやタブレット、PCなどの情報端末を用いることができる。
【0108】
制御部30は、図示しないCPU、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ、揮発性メモリのRAMを含むように構成される。CPUは、プログラムの実行、演算処理、この顧客端末3を構成する各要素の制御などを行う。フラッシュメモリには、CPUが実行するプログラムや登録データなどが記憶され、RAMは、CPUによるプログラムの実行や演算処理のワークエリアとして使用される。
【0109】
顧客識別情報送出部31は、顧客IDやパスワードなどの顧客識別情報340を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。顧客情報管理サーバ2が、顧客IDやパスワードなどを認証すると、顧客端末3は顧客情報管理サーバ2にログインし接続が確立する。
【0110】
顧客入力画面受付部32は、顧客情報管理サーバ2から提供される顧客入力画面320を受け付ける。受け付けられた顧客入力画面320は、表示部33に表示される。また、顧客入力画面320を介して顧客は、入力部34から顧客入力データ350を入力する。
【0111】
表示部33には、タッチパネル付きLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)などの表示デバイスが用いられる。入力部34は、タッチパネル付きLCDのタッチパネルなどにより構成される。
【0112】
撮像部35は、周囲の画像を撮影する。この撮像部35の撮像素子には、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)エリアセンサやCCD(Charged-Coupled Device)エリアセンサ等を用いることができる。また、顧客端末3として使用するスマートホン等が撮像部35を内蔵していない場合には、デジタルカメラなどの別の撮像装置を用いて、画像を撮影し、撮影された画像データを顧客端末3に記憶させるようにしてもよい。
【0113】
画像データ記憶部36は、撮像部35で撮影された画像データを記憶する。
【0114】
顧客入力データ送出部37は、顧客が顧客入力画面320を介して入力した顧客入力データ350を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。
【0115】
上述のように、顧客入力データ350には、ライフイベントデータ363、好みのブランドデータ364、商品購入履歴データ360、予算データ365、店舗での滞在時間データ366、顧客建物データ367、保有している顧客物品データ、物品設置画像データ355、搬入経路画像データ357等が含まれる。
【0116】
図6は、顧客端末3に表示される顧客入力画面320,320Aの例を示す図であり、(a)は物品設置画像データ355が入力される前、(b)は物品設置画像データ355が入力された後を示す図である。
図6(a)及び(b)に示す顧客入力画面320,320Aでは、顧客入力データ350の中の「保有している顧客物品データ351」が入力される。
図6(a)の上部には、顧客物品の設置状態又は設置予定場所を撮影した物品設置画像データ355を入力する領域が存在する。
図6(b)は、物品設置画像データ355が入力された様子を示す例が図示されている。
図6(a)の物品設置画像データ355を入力する領域より下方では、商品のカテゴリーを入力する欄、その顧客物品の名前を入力する欄、その顧客物品の購入日、製造会社(メーカー)、型式、設置場所、購入店舗、メモなどを入力できるようになっている。
【0117】
図5に示すクーポン発行画面受付部38は、顧客情報管理サーバ2から提供されるクーポン発行画面321を受け取る。受け取ったクーポン発行画面321は、表示部33に表示される。
【0118】
GPSモジュール39は、GPS衛星から発信されるGPS信号を受信して演算することにより位置情報を算出する。
【0119】
ビーコン信号受信部300は、後述するビーコン端末6から発信されるビーコン信号を受信する。ビーコン信号受信部300には、Bluetooth(登録商標)などの無線モジュールが用いられる。
【0120】
位置情報送出部301は、GPSモジュール39で観測された位置情報、又は、ビーコン信号受信部300で受信されたビーコン信号を顧客端末3の位置情報として、顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。
【0121】
通信部310は、顧客端末3の外部とデータの送受信を行う。
【0122】
図7は、顧客端末3に表示されるクーポン発行画面321と顧客入力画面320の画面遷移の例を示す図であり、
図7(a)と
図7(e)はクーポン発行画面321、
図7(b)~
図7(d)は顧客入力画面である。
【0123】
また、
図8も顧客端末3に表示される顧客入力画面320とクーポン発行画面321の画面遷移の例を示す図であり、
図8(a)~
図8(d)及び
図8(f)は顧客入力画面320、
図8(e)はクーポン発行画面321である。
【0124】
図7(a)には、クーポン発行画面321が示されており、このクーポン発行画面321の上部には、冷蔵庫買い替えクーポン395が表示されている。この冷蔵庫買い替えクーポン395は、冷蔵庫の価格を割り引く割引クーポンである。また、このクーポン発行画面321の下部には、LED電球取替クーポン396とMicroSD(登録商標)カードクーポン397が表示されている。冷蔵庫買い替えクーポン395をクリックすると、
図7(b)の顧客入力画面320Bに画面が表示される。この顧客入力画面320Bの「写真」の項目の写真追加ボタン398をクリックすると、
図7(b)に示す顧客入力画面320Cに画面が表示される。この顧客入力画面320Cでカメラの使用許可の「許可」ボタンをクリックすると、
図7(d)の顧客入力画面320Dが表示される。この顧客入力画面320Dの「写真」の項目には、顧客端末3の撮像部35で撮影された冷蔵庫の物品設置画像データ355が表示されている。そして、この顧客入力画面320Dの下部に配置されている「保存」ボタンをクリックすると、物品設置画像データ355を含む顧客入力データ350が顧客端末3の顧客入力データ送出部37から顧客情報管理サーバ2に向けて送出される。顧客情報管理サーバ2で顧客入力データ350を受け付けると顧客情報330として記憶される。また、顧客入力データ350が受け付けられたことを条件として、発行された冷蔵庫買い替えクーポン395が使用可能状態に設定される。
図7(e)に示すクーポン発行画面321Aでは、冷蔵庫買い替えクーポン395が使用可能状態に設定されたことを表示している。このクーポン発行画面321Aに下部に配置されている「閉じる」ボタンをクリックすると、
図8(a)の顧客入力画面320Eが表示される。この顧客入力画面320Eに配置されている商品追加ボタン399をクリックすると、
図8(b)の顧客入力画面320Fが表示される。この顧客入力画面320Fから「洗濯機」ボタンをクリックすると、
図8(c)に示す顧客入力画面320Gが表示される。ただし、洗濯機の購入履歴が顧客情報330に登録されていないため、各項目を手入力する必要がある。各項目に手入力した状態が、
図8(d)に示す顧客入力画面320Gとなる。
図8(d)の顧客入力画面320Gの「保存」ボタンをクリックすると、手入力した顧客入力データ350が顧客端末3の顧客入力データ送出部37から顧客情報管理サーバ2に向けて送出される。そして、顧客情報管理サーバ2で顧客入力データ350を受け付けると顧客情報330として記憶され、顧客入力データ350が受け付けられたことを条件として、クーポンが使用可能状態に設定される。
図8(e)に示すクーポン発行画面321Bでは、クーポンが使用可能状態に設定されたことを表示している。このクーポン発行画面321Bに下部に配置されている「閉じる」ボタンをクリックすると、
図8(f)の顧客入力画面320Jが表示される。
【0125】
図9は、販売員端末4の概略機能ブロック図である。この販売員端末4は、制御部40、顧客識別情報送出部41、顧客情報項目画面受付部42、表示部43、入力部44、提供要求送出部45、顧客情報受付部46、商品識別番号送出部47、設置判定結果受付部48、撮像部400、画像データ記憶部401及び通信部410を含むように構成される。販売員端末4には、スマートホンやタブレット、PCなどの情報端末を用いることができる。
【0126】
制御部40は、図示しないCPU、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ、揮発性メモリのRAMを含むように構成される。CPUは、プログラムの実行などや、この販売員端末4を構成する各要素の制御などを行う。
【0127】
顧客識別情報送出部41は、顧客IDなど顧客識別情報340を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。この処理を行うことで、顧客情報管理サーバ2に記憶されているその顧客ID等に対応する顧客情報330を販売員端末4から参照できるようになる。
【0128】
顧客情報項目画面受付部42は、顧客情報管理サーバ2から提供される顧客情報項目画面を受け付ける。受け付けられた顧客情報項目画面は表示部43に表示される。販売員は、この顧客情報項目画面から顧客情報330に含まれる項目の中のどの項目に対して提供要求を発するかについて入力部44を操作して指定できる。
【0129】
提供要求送出部45は、販売員が指定した顧客情報330に含まれる項目の提供要求を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。
【0130】
顧客情報受付部46は、提供要求に応じて顧客情報管理サーバ2から送出されてくる顧客情報330を受け付ける。受け付けた顧客情報330は、表示部43に表示される。販売員は、顧客情報330が表示される画面から情報を読み取り、顧客に適する商品の提案を行う。このように販売員は、顧客情報管理サーバ2から顧客情報330の提供を受けることにより、支援を受け、聞き取り時間を短縮させながらも、その顧客に対して適切なアドバイスが行える。
【0131】
図10は、販売員端末4に表示される顧客情報提供画面の例を示す図であり、(a)は商品購入履歴データ360が表示されている画面、(b)は物品設置画像データ355が表示されている画面である。
【0132】
図10(a)の商品購入履歴データ360の画面により、その顧客の購入商品の種類や購入頻度、価格などが一画面で把握できる。また、
図10(b)に示す物品設置画像データ355の画面表示により、顧客物品の設置状態や設置予定場所の様子が目視で確認できる。また、この画面の下部には、設置場所の寸法を示す設置場所寸法データ356が表示されており、商品の大きさと設置場所の寸法を定量的に比較可能になっている。この
図10(b)の上部に表示されている物品設置画像データ355の画面にAR(Augmented Reality:拡張現実)技術を用いて、目盛の画像を重ね合わせるように表示させて、その目盛を基準として物品設置画像データ355に表示されている商品の大きさを測定できるようにしてもよい。
【0133】
なお、搬入経路画像データ357が表示される場合には、
図10(b)に示される物品設置画像データ355に代えて表示される。また、その画面の下部には、搬入経路を形成する搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データ358が表示される。
【0134】
図9に示す商品識別番号送出部47は、顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定させる商品の商品識別番号532を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。商品識別番号532は、販売員が入力部44から入力するようにしてもよいし、QRコードを読み取ることにより商品識別番号532を入力するようにしてもよい。
【0135】
設置判定結果受付部48は、商品が顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定した結果を受け付ける。受け付けた判定結果は、表示部43に表示される。販売員は、判定結果を参照することにより、顧客にとって適切な大きさの商品を提案できる。
【0136】
撮像部400は、周囲の画像を撮影し、撮像素子にCMOSエリアセンサやCCDエリアセンサ等が用いられる。画像データ記憶部401は、撮像部400で撮影された画像データを記憶する。
【0137】
通信部410は、販売員端末4の外部とのデータの送受信を行う。
【0138】
図11は、販売員端末4に表示される顧客情報提供画面420と顧客情報項目画面430の画面遷移の例を示す図であり、
図11(a)、
図11(c)及び
図11(e)は顧客情報提供画面420、
図11(b)と
図11(d)は顧客情報項目画面430である。
【0139】
図11(a)に示す顧客情報提供画面420Bの顧客検索欄421に顧客の氏名や電話番号などを入力することにより、顧客を特定して、その顧客に対応する顧客情報330を検索して表示する。顧客の特定は、顧客検索欄421への入力だけでなく、QRコードスキャンボタン422をクリックすることにより、顧客端末3に表示されるQRコードを販売員端末4の撮像部400で読み取ることによっても行うことができる。
図11(b)は顧客情報項目画面430であり、顧客物品表示欄431に表示されている冷蔵庫ボタン432、テレビボタン433又はドライヤーボタン434をクリックすることにより、選択した商品に対応する保有している顧客物品データ351が表示される。
図11(d)の顧客情報項目画面430Aにおいて、冷蔵庫ボタン432をクリックすると、
図11(e)に示す冷蔵庫に対応する顧客情報提供画面420Dが表示される。また、
図11(b)の顧客情報項目画面430の下部には、直近の購入履歴表示欄440やコンサルティング履歴欄442が配置されている。例えば、コンサルティング履歴欄442をクリックすると、
図11(c)に示すようなコンサルティング履歴を表示する顧客情報提供画面420Cが表示される。
【0140】
図12は、販売員端末4に表示される顧客情報項目画面430Bの他の例を示す図である。この顧客情報項目画面430Bには、顧客傾向表示欄448に顧客情報330に記憶されている顧客傾向データ387が表示されている。また、その下方には、顧客情報330に含まれるデータ項目を表示するボタンが配置されている。このデータ項目を表示するボタンをクリックすると、そのデータ項目に対する顧客情報330の提供要求が顧客情報管理サーバ2に向けて送出される。
【0141】
データ項目を表示するボタンは、左右2列に並んでおり、左側の列は顧客の観点から優先順位の高い順に配置されている。また、右側の列は、対象商品の観点から優先順位の高い順に配置されている。上述のように、顧客情報項目画面430Bは、顧客情報管理サーバ2の顧客情報項目画面構成部211で構成される。顧客情報項目画面構成部211は、顧客情報項目画面430Bに配置されるデータ項目の並び順を、顧客情報記憶部26に記憶されている顧客情報330や、商品の種類に応じて変化させるように構成する。例えば、顧客情報330に含まれる顧客傾向データ387が、顧客傾向としてブランド重視の場合、好みのブランドデータ要求ボタン464の優先順位が高くなる。また、結婚や出産などライフイベントが発生した直後であれば、ライフイベントデータ要求ボタン463の優先度が高くなるようにする。予算データ365として記憶されている金額が変更された直後には、予算データ要求ボタン465の優先度を高くする。クーポン登録データ390に使用可能状態のクーポンが多数記憶されているときには、クーポン登録データ要求ボタン490の優先度が高くなるようにするなどである。また、対象商品が冷蔵庫の場合には、設置場所や搬入経路を確認することが必要になるため、物品設置画像データ要求ボタン455や、搬入経路画像データ要求ボタン457の優先順位が高くなる。また、子供の誕生など家族が増えるライフイベントがあれば大容量の冷蔵庫への買替ニーズが発生すると想定され、販売員がその顧客に有用なアドバイスやコンサルティングを行う端緒となるためライフイベントデータ要求ボタン463の優先度が高くなるようにする。
【0142】
この顧客情報項目画面430Bに表示されている好みのブランドデータ要求ボタン464が押下されると、顧客情報330に含まれる好みのブランドデータ364に対する提供要求が販売員端末4から顧客情報管理サーバ2に向けて送出される。顧客情報管理サーバ2では蓄積されているその顧客の好みのブランドデータ364を取り出して、販売員端末4に向けて送出し、販売員端末4がこのデータ364を受信すると表示部43に表示される。
【0143】
同様に、例えば、顧客情報項目画面430Bに表示されているライフイベントデータ要求ボタン463が押下されると、顧客情報330に含まれるライフイベントデータ363に対する提供要求が顧客情報管理サーバ2に向けて送出され、顧客情報管理サーバ2から顧客情報330に含まれるライフイベントデータ363が送られてくる。
【0144】
また、同様に、予算データ要求ボタン465が押下されると、顧客情報管理サーバ2から予算データ365が送られてくる。そして、クーポン登録データ要求ボタン490が押下されると、顧客情報管理サーバ2からクーポン登録データ390が送られてくる。また、物品設置画像データ要求ボタン455が押下されると、物品設置画像データ355に対する提供要求が顧客情報管理サーバ2に向けて送出され、顧客情報管理サーバ2から物品設置画像データ355と設置場所寸法データ356が送られてくる。さらに、搬入経路画像データ要求ボタン457が押下されると、搬入経路画像データ357に対する提供要求が顧客情報管理サーバ2に向けて送出され、顧客情報管理サーバ2から搬入経路画像データ357と搬入経路空間形状データ358が送られてくる。
【0145】
図13は、管理者端末5の概略機能ブロック図である。管理者端末5は、管理者により操作され、顧客情報管理サーバ2を重点的に管理することで顧客情報管理システム1全体の管理を行う。この管理者端末5は、制御部50、表示部51、入力部52、商品情報送出部53、店舗内フロアマップ情報送出部54、ビーコンID送出部55及び通信部510を含むように構成される。管理者端末5には、PC、スマートホン又はタブレットなどの情報端末を用いることができる。
【0146】
制御部50は、図示しないCPU、不揮発性記憶装置である補助記憶装置、RAMを含むように構成される。CPUは、プログラムの実行等やこの管理者端末5を構成する各要素の制御などを行う。
【0147】
表示部51は、画面表示を行う。入力部52は、入力を行うための入力装置で構成され、キーボードやマウス、タッチパネルなどが用いられる。通信部510は、管理者端末5の外部とのデータの送受信を行う。
【0148】
商品情報送出部53は、様々な商品及びその商品の様々な種類について、商品の仕様寸法データ531及び搬入必要寸法データ535と商品識別番号532との組み合わせを含む商品情報530を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。送出される商品情報530は、顧客情報管理サーバ2に記憶される。
【0149】
店舗内フロアマップ情報送出部54は、店舗8の所在位置の位置情報、店舗8内の各商品フロアの位置情報及び店舗8内の各商品フロアにおける取扱商品の情報を含む店舗内フロアマップ情報を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。顧客端末3の位置情報と店舗内フロアマップ情報とを突き合わせることにより、顧客端末3の入店や出店を検出したり、顧客端末3を所持している顧客が店舗8内をどのように移動したり、どの商品フロアに滞在していたりという情報を求めることができる。
【0150】
ビーコンID送出部55は、各ビーコン端末6に対して、ビーコンIDを通知する。また、ビーコンIDの情報と、そのビーコンIDに対応する位置情報(緯度、経度)を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する。ビーコンIDに対応する位置情報を顧客情報管理サーバ2に記憶させておくことにより、顧客端末3が受信したビーコンIDが分かれば、その顧客端末3の位置情報を求めることができる。
【0151】
図14は、ビーコン端末6の概略機能ブロック図である。ビーコン端末6は、制御部60、管理者端末5から送られてくるビーコンIDを受け付けるビーコンID受付部61、受け付けたビーコンIDを記憶するビーコンID記憶部62、店舗8内に設置されている位置情報が付加されているビーコンIDの情報を含むビーコン信号を発信するビーコン信号発信部63及び通信部64を含んでいる。
【0152】
図15は、店舗精算端末7の概略機能ブロック図である。店舗精算端末7は、制御部70、表示部71、入力部72、バーコードリーダなどの商品情報読取部73、キャッシュレジスタ機能を有する清算手段74、購入商品の購入商品コード382(購入商品の商品識別番号)、購入金額384及び購入日時385が含まれる店舗精算情報を記憶する精算情報記憶部75、店舗精算情報を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する精算情報送出部76及び通信部79を含んでいる。
【0153】
次に、本発明の実施の形態に係る顧客情報管理システム1の動作について説明する。
【0154】
図16は、顧客情報管理システム1の動作の流れを示す図であり、顧客端末3からの顧客入力データ350を顧客情報330として顧客情報管理サーバ2が記憶するまでの流れと、顧客情報管理サーバ2が販売員端末4に顧客情報330を提供する流れを示す図である。
【0155】
まず、顧客が顧客IDなどを自ら所持する顧客端末3に入力することにより、顧客端末3が顧客IDやパスワードなどの顧客識別情報340を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する(ステップS100)。顧客情報管理サーバ2が、顧客識別情報340を受け付け(ステップS200)、顧客IDやパスワードなどを認証すると、顧客端末3は顧客情報管理サーバ2にログインした状態になり接続が確立する。
【0156】
顧客情報管理サーバ2は、顧客に顧客入力データ350の入力を促すため、クーポンを発行し(ステップS201)、発行されたクーポンの内容を通知するクーポン発行画面321を顧客端末3に提供する(ステップS202)。
【0157】
顧客端末3がクーポン発行画面を受け付けると画面に表示される(ステップS101)。このクーポンは、顧客が顧客端末3に顧客入力データ350の入力を行い、入力された顧客入力データ350が顧客情報管理サーバ2に受け付けられるまでは使用できない状態(無効状態)に設定されている。このため、発行されたクーポンを使用できる状態にすることも動機付けとなり、顧客は、顧客入力データ350の入力を行い顧客情報管理サーバ2に向けて送出する(ステップS102)。
【0158】
顧客情報管理サーバ2が顧客入力データ350を受け付けると(ステップS203)、受け付けた顧客入力データ350が顧客情報330として記憶されるとともに、クーポンが使用可能状態(有効状態)に設定される(ステップS204)。そして、クーポンが使用可能状態に設定されたこと通知するクーポン発行画面321Aが顧客端末3に提供される(ステップS205)。顧客端末3がこのクーポン発行画面321Aを受け付けると画面に表示され、顧客が確認できるようになっている(ステップS103)。
【0159】
以上が、顧客端末3から送出される顧客入力データ350を顧客情報330として顧客情報管理サーバ2が記憶するまでの流れとなる。
【0160】
以下に、販売員端末4に顧客情報330を提供する流れを説明する。
【0161】
販売員が、店舗8に訪れる顧客に対し商品説明やコンサルティングを行う際、販売員端末4に顧客情報330を表示させるため、販売員自らの所持する販売員端末4に顧客IDなどを入力する。この操作により、販売員端末4が顧客IDなどの顧客識別情報340を顧客情報管理サーバ2に向けて送出する(ステップS300)。顧客情報管理サーバ2は、送出された顧客識別情報340を受け付ける(ステップS206)。この処理により、顧客情報330を読み出す対象となる顧客を特定される。
【0162】
次に、販売員端末4は、顧客情報項目画面を通して顧客情報330の提供要求を送出する(ステップS301)。顧客情報管理サーバ2が、この提供要求を受け付ける(ステップS207)と、提供要求に応じた顧客情報330を顧客情報記憶部26から取り出して、取り出した顧客情報330を販売員端末4に向けて提供する(ステップS208)。
【0163】
販売員端末4では、この顧客情報330を受け付けて(ステップS302)、画面に表示する(ステップS303)。販売員は、販売員端末4に表示される顧客情報330を閲覧し、そこから情報を読み取り、その顧客に対して適切な商品の提案を行う。
【0164】
販売員が、ある商品について顧客物品の設置場所に設置できるか否かを判定したい場合には、その商品に対応する商品識別番号532を販売員端末4から顧客情報管理サーバ2に向けて送出する(ステップS304)。顧客情報管理サーバ2が、商品識別番号532を受け付ける(ステップS209)と、商品設置判定部223において、その商品が顧客物品の設置場所に設置できるか否かの判定が行われる(ステップS210)。その後、その商品が顧客物品の設置場所に設置できるか否かの判定結果が販売員端末4に向けて提供される(ステップS211)。
【0165】
管理者端末5が、判定結果を受け付けると、その判定結果が画面に表示される(ステップS305)。販売員は、この判定結果を参照することにより、商品が設置場所に設置可能か否かを容易に認識することができ、その顧客に対して適切な大きさの商品の提案を行うことができる。
【0166】
次に、本発明の実施の形態の効果について説明する。
【0167】
本実施の形態によれば、顧客物品の設置状態又は顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データ355が販売員端末4に提供されるため、販売員は物品設置画像データ355を参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。また、顧客情報330を取得するための聞き取り時間を短縮できる。
【0168】
また、本実施の形態によれば、顧客物品の設置場所の寸法である設置場所寸法データ356が販売員端末4に提供されるため、販売員は設置場所寸法データ356を参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。
【0169】
また、本実施の形態によれば、顧客建物の入口から顧客物品の設置場所までの搬入経路が撮影された搬入経路画像データ357が販売員端末4に提供されるため、販売員は搬入経路画像データ357を参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。
【0170】
また、本実施の形態によれば、搬入経路を形成する搬入経路空間形状である搬入経路空間形状データ358が販売員端末4に提供されるため、販売員は搬入経路空間形状データ358を参照することにより、商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援する情報が提供される。
【0171】
また、本実施の形態によれば、設置場所寸法データ356及び搬入経路空間形状データ358と、商品の仕様寸法データ531、搬入必要寸法データ535が比較されて、商品が顧客物品の設置場所に設置できるか否かが判定される。この判定結果に基づいて、販売員は商品が設置できるか否かを判断できる。このように、顧客に対して適切な商品の提案ができるように販売員を支援できる。
【0172】
また、本実施の形態によれば、顧客情報330には、ライフイベントデータ363、好みのブランドデータ364、商品購入履歴データ360、予算データ365、店舗8での滞在時間データ366、顧客建物データ367、保有している顧客物品データ351のうち、少なくとも何れか一つが含まれており、顧客情報330が販売員端末4に提供されるため、販売員は顧客情報330を参照することにより、顧客に対して適切な商品の提案ができる。また、この顧客情報330を参照することにより、販売員は、商品だけでなく適切なサービスの提案も可能になる。また、顧客情報を取得するための聞き取り時間を短縮できる。
【0173】
また、本実施の形態によれば、顧客端末3の位置情報と、店舗内フロアマップ情報とを用いて、顧客端末3の来店滞在時間374や、顧客端末3の商品フロア滞在時間375が計測され顧客情報330として記憶される。顧客からの入力によらない客観的な店舗滞在時間のデータを収集できる。また、来店滞在時間374を参照してその顧客の購入意欲の強さを推測したり、商品フロア滞在時間375を参照してその顧客が興味を持っている商品を推しはかったりすることができる。
【0174】
また、本実施の形態によれば、店舗精算端末7から送出される、購入商品の購入商品コード382(購入商品の商品識別番号)及び購入金額384が含まれる店舗精算情報が顧客情報330として記憶される。顧客からの入力によらない客観的な商品購入履歴データを収集できる。また、店舗精算情報を参照することにより、購入後の商品の買い替え時期や、その顧客の商品の選択傾向を推測できる。
また、本実施の形態によれば、顧客に有用な情報である顧客有用情報が発行され、顧客に通知されるため、この顧客有用情報の通知を契機に、顧客が顧客入力データ350を入力するようになる。
【0175】
また、本実施の形態によれば、顧客入力データ350が入力されることを条件にクーポンが使用可能状態に設定されるため、クーポンを欲する顧客が顧客入力データ350を入力する動機付けとなる。
また、本実施の形態によれば、商品購入の際に役立つ情報や商品広告の情報を含む顧客サポート情報が発行され、顧客に通知されるため、この顧客サポート情報の通知をきっかけに、顧客が顧客入力データを入力するようになる。
【0176】
また、本実施の形態によれば、顧客情報330に基づいて顧客傾向が分類される。顧客傾向を参照することにより、販売員は、その顧客に適した商品の提案を行うことができる。
【0177】
また、本実施の形態によれば、顧客情報330の提供要求を入力するために販売員端末4に表示される顧客情報項目画面430は、顧客情報記憶部26に記憶されている顧客情報330又は商品の種類に応じて、顧客情報330に含まれるデータ項目の並び順が変化するように構成される。このようになっているため、販売員は、重要性の高いデータ項目を容易に認識でき、そのデータ項目を参照することにより、顧客に適した提案を行うことが可能となる。
【0178】
また、本実施の形態によれば、顧客情報330に基づいて推薦商品が選択されるため、販売員は、顧客への商品の提案を円滑に行える。
【0179】
また、本実施の形態によれば、顧客情報330に含まれる商品購入履歴データ360には顧客が過去に購入した商品の記録データやその顧客が過去に契約したサービスの記録データ含まれており、これらの記録データが販売員端末4に提供される。販売員はそのデータを参照することにより、その顧客に対して適切な商品やサービスの提案ができる。
【符号の説明】
【0180】
1…顧客情報管理システム、2…顧客情報管理サーバ、31,32,・・・3n,3…顧客端末、41,42,・・・4j,4…販売員端末、5…管理者端末、61,62,・・・6m,6…ビーコン端末、7…店舗精算端末、8…店舗、9…ネットワーク、20…制御部、21…顧客識別情報受付部、22…顧客入力画面提供部、23…顧客入力データ受付部、24…設置場所寸法計測部、25…搬入経路空間形状計測部、26…顧客情報記憶部、200…店舗内フロアマップ情報記憶部、201…顧客端末位置情報受付部、202…店舗滞在データ計測部、204…店舗精算情報受付部、205…顧客傾向分類部、210…対象商品種類受付部、211…顧客情報項目画面構成部、212…顧客情報項目画面提供部、213…提供要求受付部、214…情報提供部、220…商品情報受付部、221…商品情報記憶部、222…商品識別番号受付部、223…商品設置判定部、224…設置判定結果提供部、230…推薦商品選択部、240…クーポン発行部、241…クーポン発行画面提供部、242…顧客サポート情報発行部、243…顧客サポート情報画面提供部、244…有用情報発行部(クーポン発行部240,顧客サポート情報発行部242)、270…通信部、30…制御部、31…顧客識別情報送出部、32…顧客入力画面受付部、33…表示部、34…入力部、35…撮像部、36…画像データ記憶部、37…顧客入力データ送出部、38…クーポン発行画面受付部、39…GPSモジュール、300…ビーコン信号受信部、301…位置情報送出部、310…通信部、40…制御部、41…顧客識別情報送出部、42…顧客情報項目画面受付部、43…表示部、44…入力部、45…提供要求送出部、46…顧客情報受付部、47…商品識別番号送出部、48…設置判定結果受付部、400…撮像部、401…画像データ記憶部、410…通信部、50…制御部、51…表示部、52…入力部、53…商品情報送出部、54…店舗内フロアマップ情報送出部、55…ビーコンID送出部、510…通信部、60…制御部、61…ビーコンID受付部、62…ビーコンID記憶部、63…ビーコン信号発信部、64…通信部、70…制御部、71…表示部、72…入力部、73…商品情報読取部、74…清算手段、75…精算情報記憶部、76…精算情報送出部、79…通信部、320,320A,320B,320C,320D,320E,320F,320G、320H…顧客入力画面、321,321A,321B…クーポン発行画面、330…顧客情報、340…顧客識別情報、350…顧客入力データ、351…保有している顧客物品データ、355…物品設置画像データ、356…設置場所寸法データ、357…搬入経路画像データ、358…搬入経路空間形状データ、360…商品購入履歴データ、363…ライフイベントデータ、364…好みのブランドデータ、365…予算データ、366…店舗での滞在時間データ、367…顧客建物データ、370…店舗収集データ、371…店舗滞在データ、372…来店時間、374…来店滞在時間、375…商品フロア滞在時間、380…店舗商品購入履歴データ、381…購入店舗コード、382…購入商品コード(購入商品の商品識別番号)、383…購入数量、384…購入金額、385…購入日時、387…顧客傾向データ、390…クーポン登録データ、395…冷蔵庫買い替えクーポン、396…LED電球取替クーポン、397…MicroSDカードクーポン、530…商品情報、531…商品の仕様寸法データ、532…商品識別番号、535…商品の搬入必要寸法データ
【要約】
【課題】顧客に対して適切な提案ができるように販売員を支援する顧客情報管理システムを提供する。
【解決手段】この顧客情報管理システムは、顧客情報を蓄積し、販売員端末からの提供要求に応じて顧客情報を提供する。顧客端末から入力される顧客入力データを顧客情報として記憶し、販売員端末からの提供要求に応じて蓄積されている顧客情報を販売員端末に提供する。顧客入力データには、顧客物品の設置状態又は顧客物品の設置予定場所が撮影された物品設置画像データ355が含まれる。この物品設置画像データ355を用いて顧客物品の設置場所の寸法を計測して求めた設置場所寸法データ356が顧客情報として記憶される。物品設置画像データ355と設置場所寸法データ356は、販売員端末からの要求に応じて販売員端末に提供される。また、設置場所寸法データ356と、商品の仕様寸法データとが比較され、商品が設置できるか否か判定される。
【選択図】
図10