(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】テープカッター
(51)【国際特許分類】
B26D 1/02 20060101AFI20240304BHJP
B65H 35/07 20060101ALI20240304BHJP
B26D 7/02 20060101ALI20240304BHJP
B26D 1/04 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
B26D1/02 F
B65H35/07 G
B26D7/02 D
B26D1/04 Z
(21)【出願番号】P 2019032576
(22)【出願日】2019-02-26
【審査請求日】2021-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】510057143
【氏名又は名称】株式会社エスアンドイーコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【氏名又は名称】松下 恵三
(72)【発明者】
【氏名】松田 博明
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-237327(JP,A)
【文献】特開2017-185554(JP,A)
【文献】実開昭48-000786(JP,U)
【文献】特開平04-161326(JP,A)
【文献】特開2017-189978(JP,A)
【文献】特開2017-189398(JP,A)
【文献】米国特許第05819419(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/02 - 1/18
B65H 35/04 - 35/07
B26D 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻回され一面は布状面で他の一面は離型紙で構成されたテープを必要量切出すためのテープカッターであって、
テープを切断するための刃先がV字状の両刃の切断刃を含む切断刃部と、
一面又は他の一面を載置して他面又は一面側からの切断刃を受けるためのテープ載置面を有するテープ載置面部と、
テープ載置面上のテープの他面又は一面側からテープ上に配置されテープの巻回軸と略平行方向に前記切断刃部をスライドさせるためのスライド機構部と、
前記スライド機構部を介して切断刃部をテープの他面又は一面に対して押圧するためにスライド機構部側から庇状にテープ端部側に向けて配置される押圧庇部と、
を有し、
前記押圧庇部には切断されたテープの成形をするための成形刃を有する成形刃部をさらに有するテープカッター。
【請求項2】
テープ載置面部の央部にテープを流し込むためのテープ流規制部をさらに有する請求項1に記載のテープカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻回され一面は布状面で他の一面は離型紙で構成されたテープを必要量切出すためのテープカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
上記したテープは、通常、粘着剤が一体化された布状部分の粘着剤を覆うように離型紙を積層して成っていて、布状部分の粘着剤とは反対側の布状面がテープの一面を成し、粘着剤を覆う離型紙がテープの他の面を成している。このテープは、円筒状の巻回軸に巻回されて保持され、必要量切出して医療やスポーツのテーピングに使用される。
従来、このようなテープを必要量切出すためのテープカッターとしては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
このテープカッターは、巻回軸に巻回されたテープの端部を導入可能な隙間を形成して対向する上下の板部と、刃先が下板部側に配向された切断刃を保持するカッター部を備えており、カッター部は、上板部に開口形成されたテープ幅方向のガイド部に沿って移動するようになっている。
【0004】
このテープカッターでは、上下の板部間の隙間からテープの端部を必要量引き出し、この状態で上下の板部でテープ両面から挟持する。
そして、上板部のガイド部に沿ってカッター部を移動させることにより、テープを幅方向に切断するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記したテープカッターにおいて、上板部のガイド部に沿ってカッター部を移動させることで、上下の板部間の隙間から引き出したテープを切断することはできるものの、上下の板部によるテープの挟持の仕方が弱いと、ガイド部に沿って移動するカッター部の切断刃に対してテープが切断抵抗により引きずられてしまい、切断面が歪んで波打ったり毛羽立ったりしてしまうという問題があった。
【0007】
また、切断面が歪まないようにテープをしっかり挟持するべく、上板部を下板部に強く押し付けようとする場合には、上板部のガイド部に沿ったカッター部の移動が、上板部を押す指や手のひらに少なからず妨げられることとなる。すなわち、上板部を押さえる位置を変えながらカッター部を移動させなくてはならないので、テープの切断動作が煩雑さを伴う上、カッター部の移動が途切れ途切れになる分だけ、シャープな切断面が得られないという問題があり、これを解決することが従来の課題となっている。
【0008】
本発明は、上記した従来の課題を解決するために成されたものであり、切断面を歪ませることなく、必要量のテープを簡単に切断することが可能であるテープカッターを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のテープカッターを提供する。
すなわち、本発明における第1の発明は、ロール状に巻回され一面は布状面で他の一面は離型紙で構成されたテープを必要量切出すためのテープカッターであって、テープを切断するための切断刃を含む切断刃部と、一面又は他の一面を載置して他面又は一面側からの切断刃を受けるためのテープ載置面を有するテープ載置面部と、テープ載置面上のテープの他面又は一面側からテープ上に配置されテープの巻回軸と略平行方向に前記切断刃部をスライドさせるためのスライド機構部と、前記スライド機構部を介して切断刃部をテープの他面又は一面に対して押圧するためにスライド機構部側から庇状にテープ端部側に配置される押圧庇部と、を有する構成としている。
【0010】
また、本発明における第2の発明は、前記押圧庇部には切断されたテープの成形をするための成形刃を有する成形刃部をさらに有する構成としている。
【0011】
さらに、本発明における第3の発明は、テープ載置面部の央部にテープを流し込むためのテープ流規制部をさらに有する構成としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、巻回軸に巻回されたテープの端部を波打たせることなく、必要な分だけ簡単に切断することが可能であるという非常に優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】実施形態1のテープカッターを巻回軸に巻回されたテープにセットした状態の全体斜視図
【
図1C】実施形態1のテープカッターを巻回軸に巻回されたテープにセットした状態の側面図
【
図1D】実施形態1のテープカッターにおける切断刃部を
図1C矢印方向から見た断面図
【
図1E】実施形態1のテープカッターにおける切断刃部の組み立て要領説明図
【
図1F】実施形態1のテープカッターによりテープを切断する際のテープ引出し時の全体斜視図
【
図1G】実施形態1のテープカッターによるテープ切断時の全体斜視図
【
図2B】
図2Aにおける楕円内の部分を上方から見た一部を破断して示す部分拡大平面図
【
図2C】実施形態2のテープカッターにおける成形刃部によるテープ成形切断時の部分斜視図
【
図3A】実施形態3におけるテープカッターのテープ載置面部であるベース部を仰視した状態の斜視図
【
図3B】
図3Aにおける円内の部分を正面から見た部分拡大断面図
【
図3C】実施形態3におけるテープカッターのテープ載置面部であるベース部をテープロール体に取り付けた状態の正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<実施形態1>
<概要>
【0015】
本実施形態のテープカッターは、切断刃を含む切断刃部と、テープを載置するテープ載置面を有するテープ載置面部と、テープ載置面に載置されたテープ上に配置されてテープの巻回軸と略平行方向に切断刃部をスライドさせるスライド機構部を備えていて、テープ載置面上のテープに対して切断刃部を押し付けるための押圧庇部をスライド機構部側からテープ端部側に庇状に配置したことを特徴とする。
【0016】
本実施形態のテープカッターは梃の原理を利用しており、力点である押圧庇部を指先で押すと、支点となるスライド機構部を介して作用点である切断刃部の切断刃がテープ載置面上のテープに強く押し付けられることとなるので、この状態でスライド機構部により切断刃部をテープの巻回軸と略平行方向にスライドさせることで、テープをシャープに切断することができる。
この際、切断刃の押し付けは押圧庇部を指先で押すだけで成されるので、押圧庇部を押す指に妨げられることなく切断刃部を円滑にスライドさせることができるという効果を奏する。
<構成>
【0017】
本実施形態に係るテープカッターは、円筒状の巻回軸に巻回されて保持されたテープを必要量切出すのに用いられるものである。
図1Aに示すように、このテープカッター0100は、円筒状の巻回軸0191にテープ0192を巻回して成るテープロール体0190に取り付くベース部(テープ載置面部)0110と、テープロール体0190から引き出したテープ0192をベース部0110とともに挟持する押さえ板部0120と、テープ0192を切断するための切断刃部0130と、この切断刃部0130をテープロール体0190の巻回軸0191と略平行を成す方向(図示矢印方向)にスライドさせるためのスライド機構部0150とを備えている。
【0018】
ベース部0110は、合成樹脂から成る横長の板状を成しており、テープロール体0190に対してテープ0192の幅寸法を上回る長手方向を巻回軸0191の方向に合わせてセットされる。
【0019】
ここで、テープ0192は、粘着剤が一体化された布状部分に対して粘着剤を覆うように離型紙を積層して成っており、この実施形態において、テープロール体0190から引き出したテープ0192の布状面(テープの一面)0193とは反対側の離型紙(テープの他の面)0194がベース部0110に接触する。
【0020】
そこで、
図1Bに示すように、テープ0192の離型紙0194が接触するベース部0110の図示上面を平滑なテープ載置面0111として形成することで、テープロール体0190から引き出したテープ0192が引っ掛かったりするのを防ぐようにしている。なお、テープ載置面0111に接するテープ0192の面は布状面0193であってもよい。
【0021】
この際、
図1Cにも示すように、テープ載置面0111のテープ導入側(
図1B左上側、
図1C左側)の側縁は、テープ排出側(
図1B右下側、
図1A,C右側)の側縁の面取りによる傾斜面0112よりも勾配の緩い長い傾斜面0113として形成してある。
【0022】
つまり、テープ載置面0111のテープ導入側に勾配の緩い長い傾斜面0113を配置することで、テープロール体0190から引き出したばかりの丸まろうとするテープ0192をテープ載置面0111に馴染ませるようにしている。
【0023】
また、ベース部0110におけるテープ載置面0111の両側縁間には、後述する切断刃部0130の切断刃0131の刃先が入り込む溝0114がベース部0110の長手方向に沿って形成されている。
【0024】
このベース部0110とともにテープ0192を挟持する押さえ板部0120は、ベース部0110と同様に、合成樹脂から成る横長の板状を成すものである。
【0025】
この実施形態において、押さえ板部0120の両端部におけるテープ導入側には、長手方向に沿う軸孔0121がそれぞれ形成されており、一方、ベース部0110の両端部におけるテープ導入側には、長手方向に沿う支持軸0115が形成されている。
【0026】
この押さえ板部0120は、両端部の軸孔0121をベース部0110の両端部の支持軸0115にそれぞれ嵌め込むことで、ベース部0110に対して支持軸0115周り(矢印方向)に回動自在となっている。
【0027】
そして、ベース部0110に対して押さえ板部0120を開いた状態(
図1Bに仮想線で示す状態)で、ベース部0110及び押さえ板部0120の間の隙間からテープ0192をテープ載置面0111上に引き込み、この状態で押さえ板部0120を閉じてベース部0110に重ねることで(
図1Aに示す状態とすることで)、テープ0192を挟持するようになっている。
【0028】
切断刃部0130は、
図1Cに示すように、テープ0192を切断するための切断刃0131及び合成樹脂から成るホルダ0140を具備している。この場合、切断刃0131には、
図1Dに示すように、刃先がV字状の両刃を採用しており、この切断刃0131は、合成樹脂から成るケース0132に保持されている。
【0029】
一方、ホルダ0140は、平型の直方体形状を成すもので、このホルダ0140の下部に突出状態で一体に形成された刃保持ブロック0142を有している。この刃保持ブロック0142は下方に向けて開口しており、切断刃0131を保持するケース0132は、この刃保持ブロック0142に嵌合保持されている。
【0030】
切断刃部0130をスライドさせるためのスライド機構部0150は、押さえ板部0120における両側縁間に長手方向に沿って形成された底のないスライド溝0151を具備しており、この実施形態において、ケース0132を介して切断刃部0130の切断刃0131を保持した刃保持ブロック0142がスライド機構部0150の構成要素も兼ねるようにしている。
【0031】
具体的には、両刃である切断刃0131の刃先を押さえ板部0120の長手方向に沿わせた状態で刃保持ブロック0142をスライド溝0151に摺動自在に嵌合するようにしている。
【0032】
すなわち、刃保持ブロック0142を有するホルダ0140をスライド溝0151に沿って移動させることで、切断刃部0130の切断刃0131をテープロール体0190の巻回軸0191と略平行を成す方向にスライド(往復移動)させることができるようにしている。
【0033】
この際、ホルダ0140の下部における刃保持ブロック0142の両脇(押さえ板部0120の両側縁側)に、押さえ板部0120の上面に形成された湾曲面0122上を滑動するスライド面0143,0143を形成することで、ホルダ0140のスライド溝0151に沿う移動を円滑で且つ安定して行えるようにしている。
【0034】
加えて、押さえ板部0120の湾曲面0122において、スライド溝0151の両側にガイド溝0152,0152を形成すると共に、ホルダ0140のスライド面0143,0143に押さえ板部0120のガイド溝0152,0152に摺動自在に嵌り込む突条0145,0145を形成することで、ホルダ0140のスライド溝0151に沿う移動をより円滑で且つ安定して行えるようにしている。
【0035】
さらに、ホルダ0140の上部には、操作つまみ0146を突出状態で一体に配置しており、これにより、ホルダ0140の移動をより一層楽に行えるようにしている。
【0036】
この実施形態において、ホルダ0140の刃保持ブロック0142に対する切断刃0131のケース0132の取り付けは、以下のようにして行っている。すなわち、
図1Eに示すように、ベース部0110に対して押さえ板部0120を開いた状態で、押さえ板部0120のスライド溝0151にホルダ0140の刃保持ブロック0142を挿入する。そして、この状態で、ホルダ0140の刃保持ブロック0142の開口から切断刃0131のケース0132を嵌め込んで、溶着又は接着剤により接合する。
【0037】
ここで、ホルダ0140の刃保持ブロック0142の開口から嵌合する切断刃0131のケース0132における下端には、水平方向の鍔0133が配置してあり、これにより、ホルダ0140及び切断刃0131のケース0132のスライド溝0151からの離脱を防いでいる。
【0038】
なお、スライド溝0151における刃保持ブロック0142の摺動が、がたつきなくそして円滑に行えるように、スライド溝0151を有する押さえ板部0120及び刃保持ブロック0142を有するホルダ0140のうちの少なくともいずれか一方に、合成樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを用いることが望ましい。
【0039】
また、この実施形態において、押さえ板部0120のテープ排出側の側縁には、スライド機構部0150側からテープ0192の端部側に向けて庇状に延出する押圧庇部0160が配置されている。この押圧庇部0160は、スライド機構部0150を介して切断刃部0130の両刃である切断刃0131の刃先をテープ0192の布状面0193に対して押し付けるようになっている。
【0040】
つまり、この実施形態において、押圧庇部0160を指先で押圧した状態では、押さえ板部0120を回動自在に支持するベース部0110の支持軸0115が梃の支点となり、押圧庇部0160が力点となって、作用点である切断刃0131の刃先がテープ0192を貫通してベース部0110の溝0114に入り込むようになっている。
【0041】
この実施形態に係るテープカッター0100において、テープ0192をテープロール体0190から引き出して切断する場合は、まず、
図1Fに示すように、テープロール体0190に対してベース部0110の長手方向を巻回軸0191の方向に合わせてセットする。
【0042】
次いで、ベース部0110に対して押さえ板部0120を開いた状態で、ベース部0110及び押さえ板部0120の間の隙間からテープ0192をテープ載置面0111上に引き込む。
続いて、この状態で押さえ板部0120を閉じてベース部0110に重ねてテープ0192を挟持する(
図1Aに示す状態)。なお、
図1Fでは、押さえ板部0120のガイド溝0152や切断刃部0130やスライド機構部0150をいずれも省略している。
【0043】
そして、この挟持状態において、
図1Gに示すように、押さえ板部0120の押圧庇部0160を指先で白抜き矢印方向に押すと、スライド機構部0150を介して切断刃部0130の切断刃0131がベース部0110のテープ載置面0111上のテープに強く押し付けられることとなるので、切断刃0131の刃先がテープ0192を貫通してベース部0110の溝0114に入り込む。
【0044】
この状態において、切断刃部0130のホルダ0140の操作つまみ0146を指で摘まんで、スライド機構部0150のスライド溝0151に沿ってホルダ0140を直線で示す状態から一点鎖線で示す状態を経て二点鎖線で示す状態となるまで図示矢印方向にスライドさせると、テープ0192の歪みのない切断面が得られることとなる。
なお、この実施形態において、切断刃0131に両刃を採用しているので、ホルダ0140を上記とは反対方向にスライドさせても切断することができる
【0045】
特に、この実施形態では、ベース部0110とともにテープ0192を挟持する押さえ板部0120の開閉軸(ベース部0110の支持軸0115)が、切断刃0131の刃先が移動するテープ0192の幅方向に沿わせてあるので、上記したように、梃の原理で切断刃0131をテープ0192の幅方向全域においてテープ載置面0111上のテープ0192に強く押し付けることができ、その結果、テープ0192が切断刃0131に引きずられることがほとんど生じない。
【0046】
この際、切断刃0131の押し付けは押圧庇部0160を指先で押すだけで成されるので、押圧庇部0160を押す指に妨げられることなく切断刃部0130を円滑にスライドさせ得ることとなる。
【0047】
また、ホルダ0140の下部における刃保持ブロック0142の両脇に、押さえ板部0120の上面に形成された湾曲面0122上を滑動するスライド面0143,0143を配置しているので、切断刃部0130のスライド溝0151に沿う移動を円滑で且つ安定して行い得ることとなる。
【0048】
さらに、押さえ板部0120におけるスライド溝0151の両側にガイド溝0152,0152を形成すると共に、ホルダ0140にこれらのガイド溝0152,0152に摺動自在に嵌り込む突条0145,0145を形成しているので、ホルダ0140のスライド溝0151に沿う移動をより円滑で且つ安定して行い得ることとなる。
<効果>
【0049】
本実施形態により、従来技術に対して、必要量のテープ0192を簡単に、そして、切断面を歪ませることなくシャープに切断することができる。
<実施形態2>
<概要>
【0050】
本実施形態は実施形態1を基本とし、切断されたテープの成形をするための成形刃を有する成形刃部を押圧庇部に配置することを特徴としている。
このように、成形刃部を押圧庇部に配置しているので、必要量のテープの切断のみならず、切断されたテープの成形をも行うことができるという効果を奏する。
<構成>
【0051】
本実施形態において、先の実施形態と相違するところは、
図2A,
図2Bに示すように、押さえ板部0220に配置した押圧庇部0260の付け根部分に、成形刃部を構成するテープ挿入溝0261が形成されている点と、このテープ挿入溝0261の奥部に同じく成形刃部を構成する成形刃0262が設けられている点と、テープ挿入溝0261の挿入口部にテープ押さえ0263が設置されている点にあり、他の構成は先の実施形態と同じである。
【0052】
すなわち、この実施形態では、
図2Cに示すように、切断されたテープ0292の端部を指で摘まんでテープ挿入溝0261に引き込み、テープ挿入溝0261の奥部における成形刃0262で成形切断するものとなっている。
【0053】
この際、テープ挿入溝0261の挿入口に位置するテープ押さえ0263は、押圧庇部0260側に圧入されて
図2B矢印方向に回動可能に支持されており、テープ挿入溝0261にテープ0292を引き込む際に、このテープ押さえ0263でテープ0292を押さえ板部0220に押し付けることで、テープ0292の引き込み動作の安定化を図っている。
<効果>
【0054】
本実施形態では、成形刃部を押圧庇部0260に配置しているので、切断直後のテープ0292を素早く必要サイズに必要形状に成形することができる。
<実施形態3>
<概要>
【0055】
本実施形態は、先の実施形態1,2を基本とし、テープ載置面部の央部にテープを流し込むためのテープ流規制部をさらに設けたことを特徴としている。
このように、テープ流規制部を設けることで、幅寸法の異なるテープの切断にも対応可能となる。
<構成>
【0056】
本実施形態において、先の実施形態1,2と相違するところは、
図3Aに示すように、テープロール体0390に取り付くテープ載置面部であるベース部0310の下面に、テープロール体0390から引き出した一点鎖線で示すテープ0392をベース部0310の中心線CL上(央部)に流し込むためのテープ流規制部0370をさらに設けた点にあり、他の構成は先の実施形態1,2と同じである。
【0057】
テープ流規制部0370は、ベース部0310の下面に形成した一対の開口0311,0311と、
図3Bにも示すように、開口0311に下方から仮想線で示すように挿入して係止される脚0380を具備している。
【0058】
一対の開口0311,0311は、ベース部0310の長手方向の同一直線L1上において、
図3Cに示すように、ベース部0310の中心線CLから等しい間隔d1の位置に形成されている。
つまり、この一対の開口0311,0311に脚0380,0380を取り付けて、これらの脚0380,0380間にテープロール体0390が嵌り込むようにして、ベース部0310をテープロール体0390に取り付けることで、テープロール体0390から引き出したテープ0392をベース部0310の中心線CL上(央部)に流し込むことができるようになっている。
【0059】
この際、テープロール体0390の両端部には、巻回軸0391の両端に固定されるプレート0398,0398を配置するようにしており、テープロール体0390に対するベース部0310の取り付けは、脚0380に形成された湾曲状突起0380aをプレート0398に形成された円孔0398aに嵌合させることで成されるようになっている
【0060】
また、テープ流規制部0370は、ベース部0310の下面において、先の一対の開口0311,0311を配置した長手方向の直線L1とは別の直線L2上に、他の一対の開口0312,0312を設けており、これらの開口0312,0312の中心線CLからの各間隔d2は、開口0311、0311の中心線CLからの間隔d1よりも小さく設定されている。
【0061】
つまり、これらの他の一対の開口0312,0312に脚0380,0380を取り付けることで、上記テープロール体0390とはテープ幅の異なる(テープ幅の小さい)仮想線で示すテープロール体0395から引き出したテープ0392も、ベース部0310の中心線CL上(央部)に流し込むことができるようになっている。すなわち、幅寸法の異なるテープの切断にも対応可能としている。
【0062】
この仮想線で示すテープロール体0395に対するベース部0310の取り付けも、脚0380の湾曲状突起0380aをプレート0399の円孔0399aに嵌合させることで成されるようになっている。
【0063】
なお、テープロール体0390,0395に対するベース部0310の取り付けは、プレート0398,0399を用いて行う仕様に限定されるものではなく、例えば、円孔を有するケースにテープロール体0390,0395を収容した上で、このケースを介してベース部0310を取り付けるようにしてもよい。
<効果>
【0064】
本実施形態では、幅寸法の異なるテープロール体0390,0395からのテープの切断にも対応することができる。
【符号の説明】
【0065】
0100 テープカッター
0110,0310 ベース部(テープ載置面部)
0111 テープ載置面
0130 切断刃部
0131 切断刃
0150 スライド機構部
0160 押圧庇部
0191 テープの巻回軸
0192,0292,0392 テープ
0193 布状面(テープの一面)
0194 離型紙(テープの他の面)
0261 テープ挿入溝(成形刃部)
0262 成形刃(成形刃部)
0370 テープ流規制部