(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】文書編集装置、文書編集装置の編集方法、文書編集装置の文書編集プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 11/60 20060101AFI20240304BHJP
G06F 40/166 20200101ALI20240304BHJP
【FI】
G06T11/60 100B
G06F40/166
(21)【出願番号】P 2020185423
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】596091794
【氏名又は名称】株式会社サン・フレア
(74)【代理人】
【識別番号】100192740
【氏名又は名称】鈴木 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】亀谷 展
(72)【発明者】
【氏名】大久保 淳子
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-030792(JP,A)
【文献】特開2010-003198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/60
G06F 40/166
G06F 40/194 - 40/197
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データとテキストデータとを含む文書データを編集するための文書データ編集装置であって、
複数の画像データと該画像データ各々を特定するための画像属性情報とを含む、第一の文書データ及び第二の文書データとを含む複数の文書データを記憶する文書データ記憶手段と、
前記第一の文書データ及び前記第二の文書
データに含まれる前記画像データ及び前記画像属性情報をそれぞれ抽出する画像データ処理手段と、
前記第一の文書データから抽出した複数の画像データである第
一候補画像データ群と、
前記第二の文書データから抽出した複数の画像データである第
二候補画像データ群とを記憶する候補画像データ記憶手段と、
前記第一の文書データに含まれる画像データと前記第一候補画像データ群の対応する第
一候補画像
データとを関連付けると共に、前記第二の文書データに含まれる画像データと前記第
二候補画像データ群の対応する第
二候補画像
データとを関連付け、前記第
一候補画像データ
と対応する
前記第
二候補画像データとを関連付ける関連付け情報を記憶する関連付け情報記憶手段とを備え、
前記画像データ処理手段は、前記関連付け情報記憶手段から読み出した
前記関連付け情報を
用いて、
前記第一候補画像データ群の第一候補画像データと前記第二候補画像データ群の対応する第二候補画像データ
とを前記候補画像データ記憶手段から読み出し、
更に、前記第一候補画像データ群の
読み出された前記第一候補画像データと、前記第
二候補画像データ群の
読み出された前記第二候補画像データと
、前記関連付け情報とを更新する更新処理を実行するための更新開始指示情報を入力するための開始指示部とを画面に表示するための第一の表示情報生成手段と、
表示された前記第
一候補
画像データと、
表示された前記第
二候補画像データと、該
表示された前記第一候補画像データと該
表示された前記第
二候補画像データとの異同情報を入力するための異同入力部とを画面に表示するための第二の表示情報生成手段と、
前記異同入力部から入力された異同情報が異である場合に、前記異同情報に基づいて前記関連付け情報を更新する関連付け情報更新手段と、
前記開始指示部から更新開始指示情報が入力された場合に、
前記関連付け情報及び前記画像属性情報を用いて、前記第二の文書データ中の画像データの一括更新処理を行う一括更新手段
とを備えることを特徴とする文書データ編集装置。
【請求項3】
前記第一の文書データ群は翻訳原文文書のデータであり、前記第二の文書データ群は翻訳原文文書の旧版から作成された旧版の翻訳文文書の文書データであり、
前記第一の候補画像データは前記翻訳原文文書から抽出した画像データを含み、前記第二の候補画像データは前記旧版の翻訳文文書の文書データから抽出した画像データを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の文書データ編集装置。
【請求項4】
複数の画像データとテキストデータとを含む文書データを編集するための文書データ編集装置の編集方法であって、
複数の画像データと該画像データ各々を特定するための画像属性情報とを含む、第一の文書データ及び第二の文書データとを含む複数の文書データを文書データ記憶手段に記憶する文書データ記憶工程と、
前記第一の文書データ及び前記第二の文書
データに含まれる前記画像データ及び前記画像属性情報を画像データ処理手段によりそれぞれ抽出する画像データ処理工程と、
前記第一の文書データから抽出した複数の画像データである第
一候補画像データ群と、
前記第二の文書データから抽出した複数の画像データである第
二候補画像データ群とを候補画像データ記憶手段に記憶する候補画像データ記憶工程と、
前記第一の文書データに含まれる画像データと前記第
一候補画像データ群の対応する
第一候補画像
データとを関連付けると共に、前記第二の文書データに含まれる画像データと前記第
二候補画像データ群の対応する
第二候補画像
データとを関連付け、前
記第一候補画像データ
と対応する前記
第二候補画像データとを関連付ける関連付け情報を関連付け情報記憶手段に記憶する関連付け情報記憶工程とを備え、
前記画像データ処理
工程は、前記関連付け情報記憶手段から読み出した
前記関連付け情報を用いて、前記第一候補画像データ群の第一候補画像データと前記第二候補画像データ群の対応する第二候補画像データ
とを前記候補画像データ記憶手段から読み出し、
更に
、読みだされた前記第一候補画像データと、
読みだされた前記第二候補画像データと
、前記関連付け情報とを更新する更新処理を実行するための更新開始指示情報を入力するための開始指示部とを画面に表示するための第一の表示情報生成工程と、
前記表示された第
一候補
画像データと、前記表示された第
二候補画像データと、該
表示された第一候補画像データと該
表示された第
二候補画像データとの異同情報を入力するための異同入力部とを画面に表示するための第二の表示情報生成工程と、
前記異同入力部から入力された異同情報が異である場合に、前記異同情報に基づいて前記関連付け情報を更新する関連付け情報更新工程と、
前記開始指示部から更新開始指示情報が入力された場合に、
前記関連付け情報及び前記画像属性情報を用いて、前記第二の文書データ中の画像データの一括更新処理を行う一括更新工程
とを備えることを特徴とする文書データ編集装置の編集方法。
【請求項5】
複数の画像データとテキストデータとを含む文書データを編集するための文書データ編集装置の文書データ編集プログラムであって、前記文書データ編集装置を、
複数の画像データと該画像データ各々を特定するための画像属性情報とを含む、第一の文書データ及び第二の文書データとを含む複数の文書データを記憶する文書データ記憶手段と、
前記第一の文書データ及び前記第二の文書
データに含まれる前記画像データ及び前記画像属性情報をそれぞれ抽出する画像データ処理手段と、
前記第一の文書データから抽出した複数の画像データである第
一候補画像データ群と、
前記第二の文書データから抽出した複数の画像データである第
二候補画像データ群とを記憶する候補画像データ記憶手段と、
前記第一の文書データに含まれる画像データと前記第
一候補画像データ群の対応する第
一候補画像
データとを関連付けると共に、前記第二の文書データに含まれる画像データと前記第
二候補画像データ群の対応する第
二候補画像
データとを関連付け、前
記第
一候補画像データ
と対応する前記第
二候補画像データとを関連付ける関連付け情報を記憶する関連付け情報記憶手段
とし
て機能させ、
前記画像データ処理手段は、前記関連付け情報記憶手段から読み出した
前記関連付け情報を用いて、
前記第一候補画像データ群の前記第一候補画像データと前記第二候補画像データ群の対応する前記第二候補画像データと
を前記候補画像データ記憶手段から読み出し、
更
に、読みだされた前記第一候補画像データ
と、読みだされた前記第二候補画像データと
、前記関連付け情報とを更新する更新処理を実行するための更新開始指示情報を入力するための開始指示部とを画面に表示するための第一の表示情報生成手段と、
表示された前記第
一候補
画像データと、
表示された前記第
二候補画像データと、該
表示された第一候補画像データと該
表示された第
二候補画像データとの異同情報を入力するための異同入力部とを画面に表示するための第二の表示情報生成手段と、
前記異同入力部から入力された異同情報が異である場合に、前記異同情報に基づいて前記関連付け情報を更新する関連付け情報更新手段と、
前記開始指示部から更新開始指示情報が入力された場合に、
前記関連付け情報及び前記画像属性情報を用いて、前記第二の文書データ中の画像データの一括更新処理を行う一括更新手段として機能させることを特徴とする文書データ編集プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像とテキストデータとを含む文書データを編集するための文書データ編集装置、文書データ編集方法、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各メーカーで作成される取扱説明書やサービスマニュアルの改訂作業には膨大な工数が必要となっている。特に画像の入替作業は人手による画像の目視確認が必須であり、手作業による数百枚から一千枚に及ぶ画像の確認作業は多大な工数が必要であった。特にグローバルに製品展開しているメーカーでは輸出国別に輸出製品が異なり、同一製品でも法規制対応等で細かい点が異なる場合があり、更に使用言語も輸出先国により異なるため膨大な作業が必要になる。
例えば自動車のサービスマニュアル等で使う画像は自動車会社のサービス部門又はその委託先が開発部門から提供された図面データから作成した図面データを画像化したものや、自ら撮影した画像を用いて画像データを準備していた。
サービスマニュアルは概ね4年に1度のフルモデルチェンジでは基本的に全部を作り直し、マイナーモデルチェンジでは、仕様変更箇所に加えて、メンテナンス作業の方法が変わった個所も画像を撮影しなおしている。又撮影角度や画像の明暗等について問題があれば、作業方法の変更がなくても再度撮影して画像を差し替える必要がある。他にも画像の追加又は差替え要望も少なくない。
このような、1文書あたり最大数千に及ぶ画像を含む文書ファイルの画像の入替作業を行うことを想定した先行技術は見いだせず、例えば特許文献1では文書の決済用の電子印鑑に相当する画像を、決裁者の決済処理後に単に元の文書ファイルに追加した上で、決済済み文書ファイルを新規に登録している処理を行っているだけである。
また、特許文献2に記載の画像データ管理装置も、ドキュメントの各ページに属性情報を付与し、印刷時にこの属性情報もバーコード等で印刷し、特定のページの画像に変更がある場合は、この属性情報に基づいて、ドキュメントの各ページの画像データをページ単位で更新しているが、ドキュメントの改訂や、大量の画像の更新処理を想定したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-169906号公報
【文献】特開2005-262683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサービスマニュアル等のドキュメントにおける画像の入替作業は例えばマイナーモデルチェンジ時に日本語で作成された新規サービスマニュアル(以下新マニュアル)を英語に翻訳する場合を例に挙げて説明すると、以下のようであった。
日本語で作成された新マニュアル(原文文書データ)と、同じ機種の日本語旧マニュアルをテキスト部分の比較ユーティリティソフトウェアを使用して、日本語新マニュアルの加筆変更部分を特定し、例えば加筆変更部分の文字色を変更する、又は下線を引く等識別を容易にする。図については日本語で作成された新マニュアルと、同じ機種の日本語旧マニュアルを目視で比較して新図の追加や図の差替え又は削除の有無を主に目視で確認し、新マニュアルの図について以下の3つに分類する
新規追加図: 文字部分の新規翻訳及びテキストの張り付けが必要
削除図:旧マニュアルには存在したが、新マニュアルには存在しない図
差替え図(テキスト部分の修正のみ、又は図自体の変更を含む)
旧マニュアルから新マニュアルへの画像の追加部分、差し替え部分及び各画像名称とレイアウト箇所の確認をする。画像ファイル名に一定のルールを定める方法は良く用いられる。例えば、画像ファイル名は変更がないものは前年と同じ、途中で追加があったものは例えばfig0002とfig0003の間で追加があればfig0002-01,fig0002-02,のように採番し、差し替えがあればfig0002a,fig0002b,,と命名するなどの方法が考えられる。
多数の画像を準備する場合、画像の入違い等はありうることなので、実際には目視の確認が必要である。そこで旧マニュアル(例えばPDFデータ)と新規マニュアル用に支給された画像ファイルとを目視で比較して、画像の入替要否を確認する必要がある。また、新マニュアル用の画像が別途支給されない場合は、新マニュアルの文書データから抽出して画像同士を比較する必要がある。
画像の入替が必要と判断した場合、手作業で画像の入替をする場合、例えばMicrosoft社製のWord(登録商標)では(1)入替対象の画像の選択、(2)画像の削除、(3)メニュー「挿入」の選択、(4)サブメニュー「図の挿入」、(5)「ファイル名を選択」(6)「▼」を選択(7)「ファイルにリンク」を選択といった7ステップの操作が必要になる。特に(5)のファイル名を選択では同じフォルダ内に多数の画像ファイルがある場合、画像の選択に多大な時間を要する。このような煩雑な作業を1文書あたり例えば2000回以上も繰り返すと多大な時間を要し、作業者の疲労や疲労に伴うミスの発生が課題となっている。
【0005】
この点、例えば、身分証明書の顔写真と氏名、写真番号などをそれぞれ定型フォームの所定位置に配置して印刷することは、いわゆる差込印刷と言われる方法で実行することが可能である。しかし、今回問題となっているページ数の多い文書の異なる位置にある異なる画像の一部を差し替える作業は、従来の差替印刷の方法では対応できなかった。
また、Microsoft社から提供されているWordVBAの関数でWordファイルから画像を読みだす関数が公開されているが、画像には前述した描画レイヤーに属する画像とテキストレイヤーに属する画像の2種類があり、仮に1種類だけだとしても、1つのWordファイルからすべての画像を抽出する場合、特に画像を一意に表す連番であるインデックスを用いてWordファイル中に記憶している場合は、必ずしもWordファイル中の出現順に読みだすことができないという問題もあった。
更に問題なのは、翻訳作業開始時点では、新日本語ファイル(原文)の画像中の文字は日本語であり、旧英語ファイルをベースにした訳文作成作業用のファイルの画像中の文字は英語であるため、2つの画像は完全には一致せず、目視による確認が必須になることである。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、画像を含む大量の文書の翻訳を含む文書改訂時の改訂作業、特に画像データの差替え/追加作業を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の文書編集装置は、
複数の画像データとテキストデータとを含む文書データを編集するための文書データ編集装置であって、
複数の画像データと該画像データ各々を特定するための画像属性情報とを含む、第一の文書データ及び第二の文書データとを含む複数の文書データを記憶する文書データ記憶手段と、
前記第一の文書データ及び前記第二の文書データに含まれる前記画像データ及び前記画像属性情報をそれぞれ抽出する画像データ処理手段と、
前記第一の文書データから抽出した複数の画像データである第一候補画像データ群と、
前記第二の文書データから抽出した複数の画像データである第二候補画像データ群とを
記憶する候補画像データ記憶手段と、
前記第一の文書データに含まれる画像データと前記第一候補画像データ群の対応する第一候補画像データとを関連付けると共に、前記第二の文書データに含まれる画像データと前記第二候補画像データ群の対応する第二候補画像とを関連付け、前記第一候補画像データと対応する前記第二候補画像データとを関連付ける関連付け情報を記憶する関連付け情報記憶手段とを備え、
前記画像データ処理手段は、前記関連付け情報記憶手段から読み出した前記関連付け情報を用いて、前記第一候補画像データと対応する前記第二候補画像データとを前記候補画像データ記憶手段から読み出し、
更に、読み出された前記第一候補画像データと、読み出された前記第二候補画像データと、前記関連付け情報とを更新する更新処理を実行するための更新開始指示情報を入力するための開始指示部とを画面に表示するための第一の表示情報生成手段と、
表示された前記第一候補画像データと、表示された前記第二候補画像データと、該表示された第一候補画像データと該表示された第二候補画像データとの異同情報を入力するための異同入力部とを画面に表示するための第二の表示情報生成手段と、
前記異同入力部から入力された異同情報が異である場合に、前記異同情報に基づいて前記関連付け情報を更新する関連付け情報更新手段と、
前記開始指示部から更新開始指示情報が入力された場合に、
前記関連付け情報及び前記画像属性情報を用いて、前記第二の文書データ中の画像データの一括更新処理を行う一括更新手段とを備える。
上記課題を解決するために、本発明の文書編集装置は、更に 前記異同情報の、同は同一であり、前記異同情報の異は、追加、削除、差替えを含み、前記一括更新手段は、前記同一、前記追加、前記削除、前記差替えのそれぞれに応じて前記文書データを更新し、
前記関連付け情報更新手段は前記同一、前記追加、前記削除、前記差替えのそれぞれに応じて前記関連付け情報を更新する。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の文書データ編集装置の編集方法は、複数の画像データとテキストデータとを含む文書データを編集するための文書データ編集装置の編集方法であって、
複数の画像データと該画像データ各々を特定するための画像属性情報とを含む、第一の文書データ及び第二の文書データとを含む複数の文書データを文書データ記憶手段に記憶する文書データ記憶工程と、
前記第一の文書データ及び前記第二の文書データに含まれる前記画像データ及び前記画像属性情報を画像データ処理手段によりそれぞれ抽出する画像データ処理工程と、
前記第一の文書データから抽出した複数の画像データである第一候補画像データ群と、
前記第二の文書データから抽出した複数の画像データである第二候補画像データ群とを
候補画像データ記憶手段に記憶する候補画像データ記憶工程と、
前記第一の文書データに含まれる画像データと前記第一候補画像データ群の対応する第一候補画像データとを関連付けると共に、前記第二の文書データに含まれる画像データと前記第二候補画像データ群の対応する第二候補画像とを関連付け、前記第一候補画像データと対応する前記第二候補画像データとを関連付ける関連付け情報を関連付け情報記憶手段に記憶する関連付け情報記憶工程とを備え、
前記画像データ処理工程は、前記関連付け情報記憶手段から読み出した前記関連付け情報を用いて、前記第一候補画像データと対応する前記第二候補画像データとを前記候補画像データ記憶手段から読み出し、
更に、読み出された前記第一候補画像データと、読み出された前記第二候補画像データと、前記関連付け情報とを更新する更新処理を実行するための更新開始指示情報を入力するための開始指示部とを画面に表示するための第一の表示情報生成工程と、
表示された前記第一候補画像データと、表示された前記第二候補画像データと、該表示された前記第一候補画像データと該表示された前記第二候補画像データとの異同情報を入力するための異同入力部とを画面に表示するための第二の表示情報生成工程と、
前記異同入力部から入力された異同情報が異である場合に、前記異同情報に基づいて前記関連付け情報を更新する関連付け情報更新工程と、
前記開始指示部から更新開始指示情報が入力された場合に、
前記関連付け情報及び前記画像属性情報を用いて、前記第二の文書データ中の画像データの一括更新処理を行う一括更新工程
とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の文書データ編集プログラムは、
複数の画像データとテキストデータとを含む文書データを編集するための文書データ編集装置の文書データ編集プログラムであって、前記文書データ編集装置を、
複数の画像データと該画像データ各々を特定するための画像属性情報とを含む、第一の文書データ及び第二の文書データとを含む複数の文書データを記憶する文書データ記憶手段と、
前記第一の文書データ及び前記第二の文書データに含まれる前記画像データ及び前記画像属性情報をそれぞれ抽出する画像データ処理手段と、
前記第一の文書データから抽出した複数の画像データである第一候補画像データ群と、
前記第二の文書データから抽出した複数の画像データである第二候補画像データ群とを
記憶する候補画像データ記憶手段と、
前記第一の文書データに含まれる画像データと前記第一候補画像データ群の対応する第一候補画像とを関連付けると共に、前記第二の文書データに含まれる画像データと前記第二候補画像データ群の対応する第二候補画像データとを関連付け、前記第一候補画像データと対応する前記第二候補画像データとを関連付ける関連付け情報を記憶する関連付け情報記憶手段として機能させ、
画像データ処理手段は、前記関連付け情報記憶手段から読み出した前記関連付け情報を用いて、前記第一候補画像データと前記対応する第二候補画像データとを前記候補画像データ記憶手段から読み出し、
更に読み出された前記第一候補画像データと、読み出された前記第二候補画像データと、前記関連付け情報とを更新する更新処理を実行するための更新開始指示情報を入力するための開始指示部とを画面に表示するための第一の表示情報生成手段と、
表示された前記第一候補候補画像データと、表示された前記第二候補画像データと、該表示された前記第一候補画像データと該表示された前記第二候補画像データとの異同情報を入力するための異同入力部とを画面に表示するための第二の表示情報生成手段と、
前記異同入力部から入力された異同情報が異である場合に、前記異同情報に基づいて前記関連付け情報を更新する関連付け情報更新手段と、
前記開始指示部から更新開始指示情報が入力された場合に、
前記関連付け情報及び前記画像属性情報を用いて、前記第二の文書データ中の画像データ の一括更新処理を行う一括更新手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至請求項4に記載の発明によれば、現在の画像と候補画像を各1枚読み出して対比表示し、操作者は両者を目視確認して異同の区分のみを入力し、休憩時間開始前や別件の対応時等の区切りの良いところで、一括更新することができるので、入力された異同に関係なく、次の画像と候補画像をスピーディーに表示し、次々に異同を入力し、所望のタイミングで一括更新を行うことができるので、更に画像の入替作業を効率的に進めることができる。また、文書データに含まれる画像データを一括読出しし、複数の操作者による文書データの一括更新処理を、タイミングをずらして実行することで、所望の人数により並行して画像の入替作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の文書データ編集装置のハードウェア構成図である。
【
図2】本発明の文書データ編集装置の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の文書データ編集プログラムのメインフローチャートである。
【
図4】本発明の文書データ編集プログラムの前処理部分のフローチャートである。
【
図5】
図4のフローチャートのステップS400の詳細フローチャートである。
【
図6】本発明の文書データ編集プログラムの後処理部分のフローチャートである。
【
図7】
図3のメインフローチャート実行時の画面である。
【
図8】
図4の前処理のフローチャートのステップS410の新・旧画像の対比表示用の画面である。
【
図9】
図6の後処理のフローチャートのステップS640で表示される追加画像挿入位置指定用の画面である。
【
図10】本発明の
図2の画像属性情報262の原文側のデータ例及び
図2の画像属性情報296の原文側のデータ例を示す表である。
【
図11】本発明の
図2の画像属性情報262の訳文側のデータ例及び
図2の画像属性情報296の訳文側のデータ例を示す表である。
【
図12】本発明の
図2の関連付け情報281のデータ例(複写先文書ファイル名と複写元文書ファイル名の指定後)の表である。
【
図13】本発明の
図2の関連付け情報281のデータ例(関連付け中)の表である。
【
図14】本発明の
図2の関連付け情報281のデータ例(関連付け完了後、一括更新前)の表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の文書データ編集装置のハードウェア構成図である。
CPU21とROM22とRAM23とビデオグラフィックアダプタ(VGA)24とLANアダプタ25とキーボード26とマウス27とHDD28とDVD-ROMドライブ29はそれぞれシステムバス20を介して接続されている。
【0012】
なお、これらと各構成要素とシステムバス20との間にインタフェース部が存在する場合があるが図では省略されている。CPU21は本発明の情報処理装置全体の制御を司り、具体的には起動時にはROM22から起動プログラム(ブートローダ)を読み込んでハードウェアのチェック及び初期化を行い、その後HDD28からシステムプログラムを読み出してRAM23にロードし、オペレーティングシステム(OS)を立ち上げる。更にCPU21はユーザの操作に応じてアプリケーションプログラム及び
図7及び
図8のような画面を表示するためのデータをHDD28からRAM23にロードし、実行する。HDD28はフラッシュメモリなどの半導体記憶装置、いわゆるSSDでも良い。
図3乃至
図6に示す各フローチャート及び
図7及び
図8に示す画面は上記アプリケーションプログラムの一部であり、CPU21の制御のもとで処理を実行する。
【0013】
ROM22は起動プログラム(Bootプログラム)を記憶しており、RAM23はいわゆるメインメモリとしてオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムの実行領域用、各種変数や配列等を記憶するワークエリアとして使用する。VGA24は表示装置30に接続して画面表示を行うためのビデオグラフィックアダプタであり、LANアダプタ25は無線又はLANケーブルを外部のネットワークと接続しデータの送受信を行う。キーボード26及びマウス27はユーザの操作を入力する入力手段として機能する。又HDD28には各種プログラム(オペレーティングシステム、本発明の
図3乃至
図6に記載のフローチャートを実行する各アプリケーションプログラム及び後述する各文書データ及び各画像データ、及びこれらのデータを表示装置30に表示するための
図7及び
図8に示すHTMLの画面のレイアウト情報)や各種テーブル(
図2に示す文書データ記憶部260の各データ、関連情報記憶部280のデータ、更新情報記憶部285のデータ、候補画像データ記憶部290のデータ)を記憶している。DVD-ROMドライブ29は各種プログラムを記憶したDVD-ROMやDVD-Rを読み込むためのドライブであり、各種データ類をDVD-Rに書き出すことも可能である。DVD-ROMドライブ29はブルーレイディスクを読書き可能なBDドライブであっても良い。表示装置30は具体的には例えば液晶ディスプレイ又はCRTであり、VGA24とケーブルを介して接続されており、後述するプログラム実行時の画面を表示する。以上で
図1の説明を終わる。
【0014】
次に本発明で処理の対象となる文書データ及び画像データの概要について説明する。
前提条件として顧客支給物は、
1)新文書の原文文書データ(新英語版サービスマニュアルの原文)
2)旧文書の原文文書データ(旧英語版サービスマニュアルの原文)
3)旧文書の訳文文書データ(新英語版サービスマニュアルの翻訳文用ワークファイル)である。
フルモデルチェンジのタイミングで全面的に文書データを作り直す場合等で画像が別途支給されている場合は、更に
4)新文書の英語ファイル用画像
を含み、翻訳方向は日英翻訳とする。
【0015】
なお、翻訳作業の前に翻訳のベースとなる旧文書の英語ファイルに、日本語の追記部分を追加し、又は変更部分を差替えるものとする。
旧文書の英語ファイルに日本語の追記/変更部分を追加/差替えした日本語部分を翻訳する上記の方法はテキスト及び図面の差替え、追加部分が少ない場合に効率的でミスの発生が少ない方法であり、この方法の他に、追記/変更部分が多い場合は、新文書の日本語ファイルのデータに旧文書の英語ファイルから流用できる部分をコピーして手作業で差し替える方法も可能である。この場合は新文書の日本語ファイルが訳文作成用の作業ふぁいるになる。
【0016】
以下文書データの処理の説明を行うが、以下の実施例ではMicrosoft社製のワープロソフトであるWord(登録商標)で使用している文書フォーマットを処理の対象とする場合を例に説明する。
Word文書に含まれる1つの文字、図、段落、ブックマークなどの要素のことをオブジェクトという。またWordの文書は、文字列レイヤーと描画レイヤーの2つのレイヤーを含んでいる。本文のテキストは文書中の文字列レイヤーに含まれ、図は、位置がアンカー設定範囲内に固定され文書中の描画レイヤーに含まれるいわゆるShapeオブジェクトと、文書中の文字列レイヤーに含まれ位置の固定/非固定が可能ないわゆるInlineShapeオブジェクトがある。図には画像データなどのラスタデータやCADデータに用いられるベクタデータが含まれる。
【0017】
Shapeオブジェクトでは、図形のTopプロパティとLeftプロパティによって、図形の垂直方向と水平方向の位置が決まり、RelativeHorizontalPositionプロパティとRelativeVerticalPositionプロパティによって、配置の基準(アンカー設定している段落、アンカー設定している段落を含んでいる列、余白、またはページの端からの位置)が決まる。InlineShapeオブジェクトの位置(ページ番号及び行番号)を決めるためには、Rangeプロパティを使ってRangeオブジェクトを取得してから、RangeオブジェクトのInformationプロパティを使ってページ番号・行番号を取得することができる。
本発明の処理の大きな流れとしては、追加画像又は差替え画像が別途所定のフォルダに保存されていることを前提に
1)原文である新版日本語ファイルと訳文作成用のワークファイルである旧版英文ファイルからそれぞれ画像を抽出する(前処理)、
2)それぞれのファイルでの画像の出現順と、ファイルでの画像の出現順を比較し、順序が正しくないものはその順序を修正する(
図7の画面の画像順修正入力)。
3)原文側の画像と訳文側の画像とを対比表示して、同一、差替え、挿入、削除を判定し、両者の画像の関連付け情報を更新し、その後、関連付け情報に基づいて、同一と判定された画像を除いて、訳文側の画像を一括更新する。
【0018】
図2は本発明の機能ブロックを説明する図である。
図2では、
図1で説明した本発明の処理を実行するためのプログラム及びオペレーティングシステムの記憶手段は図示されていない。情報処理装置200は典型的にはいわゆるパーソナルコンピュータであるが、これに限らずWordデータを読込み可能であり、本発明のプログラムを実行可能なタブレット、スマートフォン等でも勿論かまわない。
入力装置210はパーソナルコンピュータでは例えば
図1に示すキーボード26、マウス27であり、タブレットやスマートフォンではタッチパネルの他、これらパーソナルコンピュータ、タブレットやスマートフォンが音声認識処理部250及び音声認識データ記憶部270を備える場合にはマイクロフォンでも良い。
音声認識データ記憶部270は例えばハードディスク又はフラッシュメモリなどで構成される記憶装置であり、予め操作者の音声データ及び変換辞書(認識した音声テキストを仮名漢字変換又は英単語に変換する辞書)を記憶し、入力装置210に相当するマイクロフォンから入力した音声データを音声認識処理部250で音声認識データ記憶部270に記憶した操作者の音声データと照合して音声データを認識し、更に変換辞書と照合して、認識したデータを仮名漢字変換又は英単語に変換し関連付け情報更新部及び一括更新部230に送る。
【0019】
キーボード26からの入力情報(キー押下情報)、又はマウス27からの入力情報(マウスの位置情報及びボタン押下情報)はオペレーティングシステムを介して、関連付け情報更新部及び一括更新部230に送られる。
文書データ記憶部260は本発明の例えばサービスマニュアル又は取扱説明書などの文書データを記憶し、文書データはテキストデータ261、画像属性情報262、画像データ263を含む。画像属性情報262は画像の名称又は画像を一意に特定するインデックス、画像の種類(例えばJPEG等の画像のフォーマット、画像が属するレイヤー(描画レイヤー又は文字列レイヤー))、画像の位置を含む。
候補画像データ記憶部290は、新たに作成する新文書の英語ファイル用の候補画像データ295及び画像属性情報296を記憶している。画像属性情報296は記憶している項目と内容は画像属性情報262と同一であるが、画像属性情報262と画像データ263とテキストデータが同一の物理ファイル(文書データ)に含まれているのに対して、候補画像データ295及び画像属性情報296とは別々の物理ファイルである点が異なる。関連付け情報記憶部280は文書データ記憶部260の画像データ263と候補画像データ記憶部290の候補画像データ295のそれぞれの画像のうちの特定の各1画像を関連付ける関連付け情報281を記憶している。
画像データ処理部240は、文書データ読出更新部からの要求に基づいて、文書データ記憶部260に記憶されている画像データ263の読み出し及び更新と、候補画像データ290に記憶されている各画像データの読み出し及び更新を行う。更新情報記憶手段285は関連付け情報更新部及び一括更新部230が直接実行した各種読出し処理又は更新処理(画像属性情報296、画像属性情報262、テキストデータ261、関連付け情報281、又は更新情報286に対する読み出し処理又は更新処理)又は画像データ処理部240を介して実行した画像データ263の更新処理及び候補画像データ記憶部290の各画像データの更新情報286を記憶している。候補画像データ295は候補画像データ記憶部290内のそれぞれの文書別のフォルダに記憶され、各候補画像データのファイル名は画像データ263の対応する文書データ内の画像データ260の対応する画像データ(抽出元の画像データ)のファイル名と一致している。
関連付け情報更新部及び一括更新部230は、入力装置210からの入力又は音声認識処理部250からの入力に基づいて、
図3乃至
図7に記載の各種処理を実行する。具体的には画像データ処理部240を介した画像データ(画像データ263及び候補画像データ295)の読み出し又は更新、テキストデータ261、画像属性情報262、関連付け情報281、更新情報286の読み出し又は更新を行い、処理結果に基づいて表示情報を生成するために必要な情報を表示情報生成部220に引き渡す。
表示情報生成部220は関連付け情報更新部及び一括更新部230から引渡された情報とHDD28に記憶されている画面表示用のHTML等の表示レイアウト情報とに基づいて表示装置30に画面を表示させるための表示情報を生成して、表示装置30に画面を表示させる。
【0020】
次に
図3は本発明の文書編集装置のプログラムのメインフローチャートである。
書編集装置のプログラムの起動後、ステップS300では
図7に示す画像順修正入力画面700が表示され、処理をステップS310に進める。以下、
図3の各ステップの処理の説明と共に
図7の関係するボタンについても説明する。
ステップS310では、
図7の文書参照ボタン725又は画像参照ボタン726が押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、処理をステップS315に進め、押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS320に進める。
ステップS315では、文書参照ボタン725が押下された場合は、文書ファイルの保存フォルダを参照する不図示の画面が表示され、選択したい原文ファイル又は訳文ファイルをマウスの右ボタンをクリックして表示されるメニューにて選択すると文書データ表示エリア710に文書データの最初のページが表示され、処理をステップS300に戻す。画像参照ボタン726が押下された場合は、Windows(登録商標)のエクスプローラ類似の不図示の画面で後述する前処理で抽出された画像を保管しているフォルダを表示し、先頭の画像を選択すると抽出画像表示エリア720に選択された画像が表示され、処理をステップS300に戻す。文書データと抽出画像の両方が表示された状態で文書データ表示エリア710中の画像の表示順と、抽出画像表示エリア720の画像の表示順とを見比べて、画像の順序が違う場合は後述する画像順変更処理(ステップS335)を実行することになる。
ステップS320では、
図7の前ページボタン711、次ページボタン712、前画像ボタン721、又は次画像ボタン722のいずれかが押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、処理をステップS325に進め、押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS330に進める。
ステップS325では、前ページボタン711が押下された場合には、文書データ表示エリア710に文書データの前のページが表示され、次ページボタン712が押下された場合には、文書データ表示エリア710に文書データの次のページが表示され、処理をステップS300に戻す。前画像ボタン721が押下された場合には、抽出画像表示エリア720に現在表示された画像の1つ前の画像が表示され、次画像ボタン722が押下された場合には、抽出画像表示エリア720に現在表示された画像の1つ次の画像が表示され、処理をステップS330に進める。
【0021】
ステップS330では、前画像と入替ボタン723、又は次画像と入替ボタン724のいずれかが押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、処理をステップS335に進め、押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS340に進める。
ステップS335では、前画像と入替ボタン723が押下された場合には、1つ前の画像と現在表示されている画像のファイル名とシーケンスNoとを入替える。具体的には1)1つ前の画像の画像のファイル名とシーケンスNoと現在表示されている画像の関連付け情報281(
図12の全項目をRAMのワークエリアに保存、2)関連付け情報281から1つ前の画像の画像のファイル名とシーケンスNoと現在表示されている画像の行を削除、3)RAMのワークエリアに保存した、1つ前の画像の画像のファイル名とシーケンスNoと現在表示されている画像の関連付け情報281の全項目のうち、シーケンスNo以外を入替えた2行分のデータを関連付け情報281に追加する。3)RAMのワークエリアに保存した、1つ前の画像の画像のファイル名とシーケンスNoと現在表示されている画像の関連付け情報281の全項目のうち、シーケンスNo以外を入替えた2行分のデータを関連付け情報281に追加する。
【0022】
ここで
図10乃至
図12ついて説明する。まず
図10は候補画像データ記憶部290に記憶されている原文側文書(第一の文書)から抽出された画像属性情報ファイル296のデータ例であり、このデータの内容は文書データ記憶部の文書データ内の画像属性情報262と一致している。画像データ263が文書データ記憶部260から抽出され、候補画像データ295として記憶される候補画像データの抽出時(前処理時、つまり
図3のステップS365及び
図4のステップS400実行時)に、画像属性情報ファイルも画像属性情報262から抽出され、候補画像データ記憶部290の原文側候補画像データ記憶用フォルダに記憶されるからである。文書ファイル名は画像が属する文書(例えばSVMN20j.docx)を意味し、更新年月日時刻は、最終更新年月日時分秒を表す。ここでSVMN20j.docxはサービスマニュアル2020年版の日本語版であり、この文書ファイルを原文のベースとしてテキストと画面の文字部分を各国向けの言語に翻訳し、各国向けのサービスマニュアルを作成することになる。翻訳文作成用の文書ファイルについては
図11で説明する。
図10の説明に戻る。シーケンスNoは、原文文書データの画像1つ1つについて付けられた一意の連番である。種別は、各画像が前述のShape画像か、InlineShape画像であるかを示す情報である。画像名/Indexは、Shape画像については、例えばfig0001のような画像名(ここで画像の種類は画像フォーマットに記載されたPNGファイル(.pngで終わる画像ファイル)でありエクステンションは省略されている)であり、InlineShape画像の場合は、画像のインデックス(画像を特定するための一意の番号)である。例えばfig0002の物理ファイル名はfig0002.pngである。ここでpngは可逆圧縮が可能な画像フォーマットの一種であり、gifは対応できる色数は少ないものの、可逆圧縮が可能でファイルサイズが小さいことが特徴の画像フォーマットの一種である。この例では、fig0002-2はfig0002.pngの後に挿入された追加画像であることを示している。追加画像が複数ある場合は、fig0002-3のように命名される。更にfig0003-Aは、fig0003の差替え画像であることを意味している。fig0003-Aが更に差し替えられた場合は、fig0003-Bとなる。画像フォーマットは前述のように画像の種別を表し、また物理ファイル名のエクステンション部分を意味する。ページは、画像がある文書のページを意味し、位置は、Shape画像の場合ページの左上隅を基準とした位置(単位cm)を意味し、InlineShape画像の場合、行数と何文字目かを意味する。
図11は本発明の
図2の画像属性情報262の訳文側文書(第二の文書)の画像データ263から抽出された候補画像データの画像名称等を記憶する画像属性情報ファイル例を示す表である。つまり、訳文側文書の画像データ263が文書データ記憶部260から抽出され、候補画像データ295として記憶される候補画像データの抽出時に、画像属性情報296も画像属性情報262から抽出され、候補画像データ記憶部290の訳文側候補画像データ用のフォルダと同一のフォルダに記憶される。原文側の画像属性情報296と訳文側の処理の画像属性情報296は、属する画像名/Indexが追加又は削除された画像や、差替えられた画像があるため一致しない。また、原文側と訳文側に同一の画像がある場合でも日本語と英文の違いにより、原文側と訳文側の同じ画像のページ数や行数が異なっている。また、文書を2019年度に新規作成したことから、この年度の文書をベースにしている訳文側文書画像名には-2や―Aなどの枝番が付されていない。
【0023】
次に
図12は本発明の
図2の関連付け情報281のデータ例の表であり、
図2の候補画像データ記憶部290のそれぞれの文書用の候補画像データ295の候補画像データを読みだしてRAM23のワークエリアに記憶し、関連付け情報記憶部280の関連付け情報281の候補画像データの各画像データのファイル名を
図8に示す異同判定入力画面にシーケンスNoは原文側文書ファイルの画像データのシーケンスNoであり、複写先/新画像名は、原文側文書データの複写元画像名/Indexに対応する、訳文側文書データのShape画像の画像名である。複写先文書ファイル名は、原文側文書データのファイル名に対応する訳文側文書データのファイル名であり、複写先Indexは、訳文側文書データの対応するInlineShape画像のインデックス番号である。複写元画像名/Indexは、原文側文書データのShape画像の画像名又はInlineShape画像のインデックス番号である。種別は
図10の場合と同じである。複写先文書ファイル名は、原文側文書データのファイル名であり、更新フラグは、原文側文書データの画像に対応する訳文側の画像が同一でない場合は1、同一の場合は0となる。画像ステータスは、原文側文書データの画像と対応する訳文側文書データの画像とが同一である場合は「同一」、削除された場合は「削除」、差替えられた場合は「差替え」、原文側文書データにない画像が追加された場合は「追加」となる。勿論、実際のデータとして、例えば「同一」の場合は「S」又は1、「削除」の場合は「D」又は2、「差替え」の場合は「C」又は3、「追加」の場合は「A」又は「4」で各場合を区別できるようにして記憶しても良い。以上で
図12の説明を終わる。
プログラムの説明に戻る。ステップS335の実行後、処理をステップS300に戻す。次画像と入替ボタン724が押下された場合には、1つ後の画像と現在表示されている画像のファイル名とシーケンスNoとを入替える。具体的処理は前述の3つの処理を同様に実行し、処理をステップS300に戻す。
【0024】
ステップS340では、削除ボタン705が押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、処理をステップS345に進め、押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS350に進める。ステップS345では、関連付け情報281の全項目のうち、削除された画像に該当する行の画像ステータスを「削除」とし更新フラグを「1」とし複写先/新画像名、複写先文書ファイル名、複写先Indexを削除し、関連付け情報281の削除された元の情報及びシーケンスNoを含む行の全項目をRAM23のワークエリアに保存し、取消ボタン706が押下された場合には1つ前の元状態に戻せるようにする。処理をステップS300に戻す。
ステップS350では、取消ボタン706が押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、処理をステップS355に進め、押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS360に進める。ステップS355では、RAM23のワークエリアに保存されている元の情報(複写先/新画像名、複写先文書ファイル名、複写先Index)を、シーケンスNoをキーにして、書き戻す。処理をステップS300に戻す。
【0025】
ステップS360では、前処理ボタン701が押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、処理をステップS365に進め、押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS370に進める。ステップS365では、
図4及び
図5に示すフローチャートを実行する。
ステップS370では、後処理ボタン702が押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、処理をステップS375に進め、後処理(
図6に示すフローチャート)を実行する。後処理ボタン702が押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS380に進める。
ステップS380では、終了ボタン707が押下されたかを判定し、押下されたと判定した場合は、S390に処理を進める。後処理ボタン702が押下されなかったと判定した場合は、処理をステップS300に戻す。
ステップS390では、開いている文書ファイルと抽出画像ファイルを閉じて、RAM23のワークエリアをクリアし、処理を終了する。
【0026】
図4は、本発明の前処理を示すフローチャートである。前処理では2つの対象文書(今回翻訳するための原文文書ファイルである新日本語文書ファイルと、英訳文作成のベースとなる訳文文書ファイルである旧英語文書ファイルから画像を抽出し、この2つの文書の画像を
図8の画面に対比表示し、目視確認した結果が入力されると、対比表示された2つの画像を関連付ける処理を行う。なお、新日本語文書ファイルおよび旧英語文書ファイルの両方とも、画像位置は重ならないようにレイアウトされるものとする。通常は複数の画像が重なるようにレイアウトされることはなく、また、仮に重なった場合、画像毎に付与される、インデックスが変わってしまう可能性があるためである。
まず、ステップS400では、文書データ記憶部260の原文側文書ファイル(新日本語ファイル)と訳文側文書ファイルからそれぞれ、内部の画像データ263を抽出して画像属性情報262の対応する画像の名称を付けてRAM23に記憶し、ハードディスク28の候補画像データ記憶部290の原文側画像用のフォルダに原文側の候補画像データ295として記憶する。画像の抽出の後、画像属性情報も画像属性情報262から抽出され、候補画像データ記憶部290に画像属性情報296として記憶される。原文側の画像属性情報ファイルのデータ例を
図10に示す。ステップS400の処理の詳細は後述する
図5で説明する。
次に、ステップS410では、
図8に示す画面に、2つの画像(最初の段階では原文側訳文側の2つの文書ファイルのそれぞれ最初の画像)を表示し、ボタン操作又はマウス操作の入力待ち状態になる。
【0027】
ここで
図8の画面について説明する。
図8の画面では、異同判定入力画面800の中に原文側画像810と訳文側画像820が横1列の左右に表示されている。これに限らず、上下に2段に2つの画像が並んで表示することも可能である。この2つの画像の任意の点でマウスのポインタをドラッグすることで拡大表示時には、拡大画像の表示領域を変更することができる。例えばマウスのポインタを中央付近から右下にドラッグした場合は拡大画像の左上部分が表示され、マウスのポインタを画像下端中央付近から上にドラッグした場合、拡大画像の下部分が表示される。マウス操作に対応する部分の処理については、後のステップS435にて説明する。
【0028】
この2つの画像についてそれぞれ前画像/次画像を表示させるための2つの操作ボタン(原文側:前画像表示ボタン811、次画像表示ボタン812、訳文側:前画像表示ボタン821、次画像表示ボタン822)と、2つの画像の関係を判定した結果(同一、差替え、追加、削除)を入力する4つの判定入力ボタン(同一ボタン801、差替えボタン802、追加ボタン803、削除ボタン804)が表示されている。更に原文側画像を縮小表示するための縮小ボタン815と拡大表示するための拡大ボタン816、訳文側画像を縮小表示するための縮小ボタン825と拡大表示するための拡大ボタン826を備えている。取消ボタン806は、直前の操作を取り消すためのボタン(UNDOボタン)であり、終了ボタン807は開いている各ファイルで変更が保存されていないファイルを更新した後各ファイルを閉じて処理を終了するためのボタンである。以上で
図8の画面の説明を終わる。
ステップS410でボタン押下操作(例えばマウスのポインタを
図8の画面のボタン位置に置いた状態でのマウスの左ボタンの押下操作)又はその他のマウス操作を検知するとCPUは操作内容をその都度操作ログ(一意のシーケンス番号、操作内容(ボタンの種類又はドラッグした画像表示エリアと始点・終点のXY座標)、取消フラグ(初期値はオフ、取消ボタン806の押下によりON))としてRAM23のワークエリアに記憶し、処理をステップS420に進める。なお、特定のショートカットキーを各ボタンの押下操作に割り当てることで、ショートカットキーにより各ボタンの押下操作と同様の操作を行うこともできる。
ステップS420では、RAM23のワークエリアに記憶している操作判定入力があったか否かを判定する。判定入力とは、同一ボタン801、差替えボタン802、追加ボタン803、削除ボタン804のいずれか1つが押下されたことを意味する。判定入力があったと判定した場合は、処理をステップS440に進める。他方判定入力がなかったと判定した場合は、処理をステップS430に進める。
【0029】
ステップS430では、表示画像の変更があったかを判定する。表示画像の変更とは、
図8の画面で前画像ボタン811、次画像ボタン812、前画像ボタン821、次画像ボタン822のいずれかが押下された場合を意味する。表示画像の変更があったと判定した場合は処理をステップS436に進め、押下されたボタンに応じた画像(前画像ボタン811の場合は新日本語ファイルの前画像・次画像ボタン812の場合は同ファイルの次画像、又は前画像ボタン821の場合は旧英語ファイルの前画像、次画像ボタン822の場合は同ファイルの次画像)をRAM23から読みだして表示すると共に現在表示されている画像の複写元画像名又はIndex番号と複写先/新画像名をRAMのワークエリアに記憶し、処理をステップS410に進める。表示画像の変更がなかったと判定した場合は処理をステップS435に進め、その他の処理を実行する。その他の処理とは
図8の画面で画像表示エリア810又は画像表示エリア820でのマウスのドラッグ操作、又は縮小ボタン815、拡大ボタン816、縮小ボタン825、拡大ボタン826のいずれか1つが押下された場合を意味する。ステップS436の表示画像変更処理により各画像が最初に表示された時点では、画像の全体が表示されており、この時点では縮小表示処理は実行できない、拡大処理により、画像の一部分が拡大表示されている場合は、縮小表示処理が実行可能となる。マウスドラッグによる拡大画像の表示位置変更、拡大/縮小処理を実行した後処理をステップS410に戻す。
次にステップS440では、判定入力が追加画像判定か、すなわち、
図8の画面で追加ボタン803が押下されたかが判定され、追加ボタン803が押下されたと判定された場合は処理をステップS445に進め、追加ボタン803が押下されなかったと判定された場合は処理をステップS450に進める。
【0030】
ステップS445では、RAMのワークエリアに記憶した現在表示している訳文側の画像の複写先文書ファイルの画像名又はIndexと現在表示している訳文側のファイル名をキーとし、更新フラグを「1」とし、画像ステータスを「追加」として、関連付け情報281の該当行を更新し、処理をステップS480に進める。
次にステップS450では、判定入力が同一画像判定か、すなわち、
図8の画面で追加ボタン803が押下されたかが判定され、同一ボタン801が押下されたと判定された場合は処理をステップS460に進め、同一ボタン801が押下されなかったと判定された場合(差替えボタン802又は削除ボタン804のいずれかが押下された場合)は処理をステップS470に進める。
次にステップS460では、ステップS450で差替えボタン802が押下された場合(原文側の画像が新たに別の画像に差替えられて現在原文側に表示されており、現在表示されている訳文側の画像を原文側の画像に差替える必要があると判断された結果、差替えボタン802が押下された場合)は、RAMのワークエリアに記憶している現在表示している原文側の画像の画像名又はIndexを訳文側にコピーして(
図13のシーケンスNo.00006の行を参照)、現在表示している訳文側の画像の画像名又はIndexを更新し、現在表示している原文側の画像の種別(ShapeかInlineShapeか)を訳文側の種別とし、更新フラグを「1」とし、画像ステータスを「差替え」として、関連付け情報281の該当行を更新し、更にハードディスク28の候補画像データ記憶部290の画像属性情報296の差替え前の画像の位置情報はそのままに、差替え前の画像の画像名又はIndexを差替え後の画像の画像名又はIndexに更新して、処理をステップS480に進める。他方、ステップS450で削除ボタン804が押下された場合(現在訳文側に表示されている画像が原文側には存在せず、現在表示されている訳文側の画像を削除する必要があると判断された場合)は、ステップS470では、現在開いている訳文側のファイル名を複写先文書ファイル名とし、現在表示している訳文側の画像の画像名又はIndexに基づいて、更新フラグを「1」とし、画像ステータスを「削除」、原文側の種別と画像名/Indexを空白として(
図13のシーケンスNo.00007の行を参照)、関連付け情報281の該当する行を更新し、更にハードディスク28の候補画像データ記憶部290の画像属性情報296の削除対象の画像ファイルの削除フラグを1として、処理をステップS480に進める。
【0031】
次にステップS470では、RAMのワークエリアに記憶した現在表示している訳文側の画像の新画像名又はIndexをキーにして、関連付け情報281の該当する行の更新フラグを「0」、画像ステータスを「同一」に更新し、処理をステップS480に進める。
ステップS480では、
図8の終了ボタン807が押下されたかを判定し、押下された場合は、処理をステップS490に進め、押下されていない場合は、処理をステップS410に戻す。ステップS490では、開いている各ファイルを閉じて、処理を
図3のステップS300に戻す。
【0032】
次に、
図8の画面で、ステップS420で4つの判定入力(両画像の同一、差替え、追加、削除の各判定入力)がどのような基準で入力されるかについて説明する。前提として、原文文書データから抽出した各画像データの順序と、訳文文書データから抽出した各画像データの順序とは一致しているものとする。ただし、原文文書データにはある画像と同一の画像が訳文文書データにある場合(同一画像)の他、原文文書データの特定の画像が訳文文書データでは他の画像に差替えられている場合(画像の差替え)原文文書データにはない画像が訳文文書データに追加されている場合(画像の追加)、原文文書データにはある画像が訳文文書データにはない(画像の削除)場合がある。
【0033】
ケース1)原文書側の画像と、訳文側の画像が同一であれば、「同一」判定を選択すべきであることは明らかであり、「同一」ボタンが押下される。ここでは画像の文字部分の翻訳が未だされていないことから、文字部分の差異は無視して、画像の文字部分以外の部分が同一かどうかにより判断され入力される。
原文側画像A1と訳文側画像B1が同一
原文側画像A2と訳文側画像B2が同一 :A2とB2は同一判定
原文側画像A3と訳文側画像B3が同一
ある画像A2とB2が不同一であった場合は、次画像を表示しないと、差替えなのか、追加なのか、削除なのかは判明しない。
ケース2)着目する原文側画像と、訳文側画像を、それぞれ次画像にした場合に両方の画像が一致していれば、差替え画像である。
A)着目する1つ前の原文側画像A1と訳文側画像B1が同一
B)着目する原文側画像A2と訳文側画像BNは不一致
C)着目する1つ後の原文側画像A3と1つ後の訳文側画像B3が同一
関連付け情報は、訳文側画像BNは原文側画像A2の差替え画像となる。
ケース3)着目する1つ前の原文側画像A1と訳文側画像B1が同一で(A))、原文側画像と、訳文側画像を、それぞれ次画像にした場合に両方の画像が不一致であり(B))、着目する原文側の画像のみを次画像にした場合に両方の画像が一致していれば(C))、訳文側の画像は、追加画像である。訳文側の画像が追加された場合、原文側画像としてA2が既に表示されているからである。
A)着目する1つ前の原文側画像A1と訳文側画像B1が同一
B)着目する原文側画像A2と訳文側画像BN :BNはA2と不一致
C)原文側画像A2はそのままの場合、訳文側画像の1つ後の画像B2と同一
追加画像BNは「B1とB2の間に追加」が関連付け情報となる。
ケース4)着目する1つ前の原文側画像A1と訳文側画像B1が同一で(A))、原文側の画像と訳文側の画像をそれぞれ次画像にした場合、原文側はA2、訳文側がB3になり(B))、更に原文側のみを次画像にした場合にA3が表示され、A3とB3両方が一致していれば、着目する原文側の画像A2に対して、訳文側の画像がB2でなくB3が表示されたことから、B2が削除されたことがわかる。訳文側画像が削除された場合、訳文側の画像としてB1の次にB3が表示されているからである。
A)着目する1つ前の原文側画像A1と訳文側画像B1が同一
B)着目する原文側画像A2に対応する訳文側画像B3(B2が削除)
C)原文側画像のみ次画像にするとA3と画像B3が同一
B2が削除が関連付け情報となる。
【0034】
上記の4通りのうち、差替え及び追加及び削除の場合に、訳文のベースとなる旧英語文書ファイルの画像データの更新が必要になる。なお、削除の場合は中身が空の新画像と差替えるのと技術的には同じなので、削除は差替えの一種とみなすことも可能である。
上記説明では、簡単のために、画像削除、画像差替え、画像追加が各々1回発生した場合について説明したが、これらが、ミックスして複数画像で連続して発生する場合であっても、旧英語側の画像の次画像のボタンを押下し、新日本語側の画像のボタンを適切な回数押下することにより差替え、旧英語文書側の画像と新日本語文書側の画像の関連付けが可能になる。
【0035】
次に
図5について説明する。
図5は
図4のステップS400(前処理)の詳細処理を示すフローチャートである。
図5では、新版日本語文書と翻訳作業用ワークファイルである旧版英語文書からの画像及び当該画像の位置情報の抽出処理を実行する。
まずステップS501では原文である原文側文書データ(Wordのdocxファイルとする。以後Wordファイルと称する)を圧縮解凍ソフトである7-Zipで開き、処理をステップS502に進める。ステップS502では、解凍したWordファイルのembeddingsフォルダ内の画像ファイルを抽出し、別途作成した画像フォルダに保存し、処理をステップS503に進める。ステップS503ではTopプロパティとLeftプロパティを読みだして、図形の垂直方向と水平方向の位置が決まり、RelativeHorizontalPositionプロパティとRelativeVerticalPositionプロパティによって、配置の基準(アンカー設定している段落、アンカー設定している段落を含んでいる列、余白、またはページの端からの位置)が決まるので、これを前述の画像属性情報262に記憶し画像名、種別、ページ、行、列の5項目を1行とする
図10(原文側文書データの場合)又は
図11(訳文側文書データの場合)の画像属性情報262に記憶し、処理をステップS504に進める。
ステップS504では、画像フォルダ内の画像名と上記ワークファイルの画像名を突き合わせて、全Inline画像の処理が終了したかを判定し、終了していない場合は、処理をステップS503に戻す。全Inline画像の処理が終了している場合は処理をステップS505に進める。
【0036】
ステップS505では、Wordファイルのmediaフォルダ内の画像ファイルを抽出し、別途作成した画像フォルダに保存し、処理をステップS506に進める。
ステップS506では、一旦開いたWordファイルを閉じて、各Shape画像について、各画像の位置(ページ番号と行番号)を、Rangeプロパティを使ってRangeオブジェクトを取得してから、RangeオブジェクトのInformationプロパティを使って取得し、画像名、種別、ページ、行、列の5項目を1行とする
図10(原文側文書データの場合)又は
図11(訳文側文書データの場合)の画像属性情報296に記憶し、処理をステップS507に進める。
ステップS507では、画像フォルダ内の画像名と上記ワークファイルの画像名を突き合わせて、全Shape画像の処理が終了したかを判定し、終了していない場合は、処理をステップS506に戻す。全Shape画像の処理が終了している場合は処理をステップS508に進める。
ステップS508では、全文書ファイル(原文側文書ファイルおよび訳文側文書ファイル)の処理が終了しているかを判定し、訳文側文書データの処理が終了していない場合は、処理をステップS509に進める。訳文側文書データの処理も終了している場合は、処理をステップS510に進める。ステップS509では、原文側文書ファイル(新日本語文書ファイル)を閉じ、訳文側文書ファイル(旧英語文書ファイル)を開き、処理をステップS502に戻す。ステップS510では、訳文側文書データを閉じて処理を終了する。以上で
図5の説明を終わる。
【0037】
図6は
図7の画面で後処理ボタン702が押下された場合に実行される、画像データを訳文側のファイル(旧版英語ファイル)に挿入する後処理(
図3のステップS375)のフローチャートである。
ステップS610では、関連付け情報281をRAM23のワークエリアに読みだして記憶し、シーケンスNoの逆順でソートする。シーケンスNoの逆順でソートする理由は、画像の挿入をする際に、シーケンスNo順に挿入した場合、新規追加画像等により、後続の画像の挿入位置が変わってしまう可能性があるためである。逆順のソートの完了後、
図1に示すハードディスク28の候補画像データ記憶部290の画像属性情報296の位置情報と
図13に示す関連付け情報281の画像名とページ及び位置に基づいて、関連付け情報281の画像ステータスが「同一」である画像を除いた各画像に対応するIncludePictureフィールドコードを生成してRAM23のワークエリアに記憶し、処理をステップS620に進める。
【0038】
ステップS620では、画像ステータスが「差替え」である画像について訳文側文書データの画像データ263にIncludePictureフィールドコードを用いて画像を挿入し、画像属性情報262を例えば
図13のシーケンスNo00006のfig0003からfig0003-Aに更新する。このステップでは、関連付け情報281の画像ステータスが「追加」である、新規追加画像は挿入されない。差替え画像は所定の位置に旧画像があり、それが新画像に差替えられるが、それと異なり新規追加画像は訳文側文書データに含まれず、画像属性情報262にもページ、行、列の挿入位置を特定する情報が含まれないからである。処理をステップS630に進める。次にステップS630では、関連付け情報281の画像ステータスが「追加」であり、かつ画像属性情報296で位置が未指定の画像があるかが判定され、「追加」あり、かつ画像属性情報296で位置が未指定の画像がある場合は処理をステップS640に進める。「追加」の画像がない場合は、処理をステップS650に進める。
【0039】
ステップS640では
図13に示す関連付け情報281から、画像ステータスが「追加」の行(例えば
図13のシーケンスNo00004のfig0002-2を含む行)のデータ(画像名/Index等)が抽出され、RAM23のワークエリアに記憶され、
図9追加画像位置指定画面900が表示される。リスト参照ボタン926が押下されると、RAM23のワークエリアに記憶された追加画像のデータを用いて
図9の画面の追加画像リスト表示エリア930に画像名/Indexと、画像の位置(ページ、ページ上の位置)を示すの画像リストが表示される。リストの各行には画像名又はIndexと、挿入済であることを示す文字又はアイコンと、が表示される。ページ上の位置は当初は未指定であるため空欄である。ここで
図9の画面について説明する。
図9の追加画像位置指定画面900における各ボタンの選択操作は、マウスのカーソル位置とマウスイベント(マウス左ボタン押下、マウス右ボタン押下、右ボタン押下により表示されたメニューの特定行の選択、マウスカーソルのドラッグ操作等)により判定され、その操作と操作により選択された追加画像の画像名又はIndexは操作履歴情報として、RAM23のワークエリアに発生順に記憶され、操作に応じた処理がCPU21の制御のもとに実行される。追加画像参照ボタン927が押下されると、追加画像が記憶されているフォルダを選択する不図示のWindowsエクスプローラに類似の小画面が表示され、フォルダを選択する。追加画像リスト表示エリア930の下にある前ページボタン931が押下された場合、追加画像リスト表示エリアの現在表示されている画像リストより前の画像(
図13の複写先文書のシーケンスNo.の小さい番号の画像)がある場合は前の画像のリストが表示され、次ページボタン932が押下された場合は、後の画像のリストが表示される。文書参照ボタン925が押下されると、画像を追加する対象の文書ファイル(ここでは訳文側の文書ファイル)を指定するための不図示のWindowsのエクスプローラに類似した小画面が表示され、追加対象の画面を選択することができる。選択後文書データ表示エリア910には訳文側の文書ファイルの文書データが1ページ分表示され、前ページボタン911が押下されると前のページが表示され、次ページボタン912が押下されると次のページが表示される。マウス操作にて追加画像リスト930の特定の行を左ボタンでクリックすると左ボタンを押下した座標に応じて選択された画像が特定され、特定された画像が追加画像表示エリア920に表示される。前画像ボタン921が押下されると、追加画像表示エリア920に現在表示されている追加画像の1つ前の画像が表示され、次画像ボタン922が押下されると、現在表示されている追加画像の1つ後の追加画像が表示される。取消ボタン906が押下されると、RAM23に記憶された操作履歴情報を参照して、1つ前の操作が取り消される。削除ボタン905が押下されると、追加画像表示エリア920に表示されている画像の画像属性情報296の
図11におけるページ情報と位置情報が削除され未指定の状態に戻り、関連付け情報281の該当する行の更新FLGが1となり、画像ステータスが「削除」に更新される。これらの更新情報は、更新情報286にも記憶され、
図9で取消ボタン906が押下されると、更新情報286を参照して、画像属性情報296及び関連付け情報281のそれぞれ該当行が元に戻される。
【0040】
更に訳文側文書データの1ページ分を表示する画面910の所望の挿入位置でマウスの右ボタンをクリックして表示されるメニューで「挿入」を選択すると、マウスの指定位置に基づいてページ数及びそのページにおける位置が特定され、候補画像データ記憶部290の画像属性情報296の各画像の画像名/Indexとその位置情報が更新される。この位置情報及び候補画像データ295を用いて、画像属性情報262が更新され訳文側文書データの画像データ263にIncludePictureフィールドコードを用いて画像を挿入し、画像属性情報262に、追加画像(例えば
図14のシーケンスNo00004のfig0002-2)及びその指定された位置情報が追加される。
なお、
図910の文書データ表示エリアで挿入位置が指定された時点で、その都度候補画像データ記憶部290の画像属性情報296の各画像の画像名/Indexとその位置情報に基づいて、追加画像表示エリア920に表示されている追加画像の情報を含むフィールドコードを生成し、クリックに伴うマウスイベントの座標に基づいて訳文側文書の指定位置(ページと行および文字数、又はページとページ左上からのセンチメートル単位の位置)が特定されマウスの指定位置に選択された画像を挿入し、この位置情報を用いて、ハードディスク28の候補画像データ記憶部290の画像属性情報296を更新(追加画像の画像名/Index及び種別、位置情報が追加)すると共に、この候補画像データ記憶部290の画像属性情報296の各画像の画像名/Indexとその位置情報に基づいて、その都度、訳文側文書データの画像データ263に追加画像(例えば
図14のシーケンスNo00004のfig0002-2)を挿入しても良いし(本フローチャートの処理)、1画像単位の追加画像の挿入を行わず、全ての追加画像の位置指定の終了後、訳文側文書データの画像データ263に一括して追加画像を挿入しても良い。また、
図9の画面で削除ボタン905が押下されると、追加画像表示エリア920に表示されている画像が削除される。具体的には画像属性情報296の
図11におけるページ情報と位置情報が削除され未指定の状態に戻り、
図13又は
図14に示す関連付け情報281の追加画像表示エリア920に表示されている画像に相当する行(複写先文書ファイルの画像名/Indexが表示中の画像の画像名/Indexと一致する行)の更新FLGが1、画像ステータスが「削除」に更新される。これらの更新情報は、更新情報286にも記憶され、
図9で取消ボタン906が押下されると、更新情報286を参照して、画像属性情報296及び関連付け情報281のそれぞれ該当行が元に戻される。
【0041】
以上で
図9の説明を終わる。フィールドコードを挿入後、処理をステップS650に進める。全ての追加画像の挿入が終了するか、この画面で終了ボタン907が押下されると、処理をステップS660に進め、全ての追加画像の挿入が終了していないか又は終了ボタン907が押下されていない場合は処理をステップS640に戻す。
ステップS660では、対象対象の文書の全ての追加画像の処理が終わったかを判定し、終わっていない場合は、処理をステップS620に戻す。対象対象の文書の全ての画像の処理が終わったと判定した場合には処理をステップS670に進める。
ステップS670では、処理対象の訳文側文書データおよび関連付け情報281と画像属性情報262を閉じ、RAM23のワークエリアに記憶されているワークファイルを消去して、処理を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明を文書編集装置及び文書作成プログラムに実装することで、サービスマニュアルや取扱い説明書等の翻訳及び編集作業に用いて作業効率を改善することができる。