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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】水槽
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/00 20060101AFI20240304BHJP
   A01K 63/00 20170101ALI20240304BHJP
   B65D 90/08 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
B65D90/00 J
A01K63/00 A
B65D90/08 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020134084
(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公開番号】P2022030235
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 綾
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209950147(CN,U)
【文献】中国実用新案第201341363(CN,Y)
【文献】実公昭30-004883(JP,Y1)
【文献】実開昭51-159637(JP,U)
【文献】国際公開第2005/028321(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3020254(JP,U)
【文献】特開2000-175594(JP,A)
【文献】実開昭47-037600(JP,U)
【文献】実開昭54-146601(JP,U)
【文献】「楽AQUA Switch」取扱説明書,ジェックス株式会社,RL: https://product.gex-fp.co.jp/p_manuals/1876/rakuaquaswitch.pdf?1697201507
【文献】GEX AQUARIUM 楽アクアスイッチホワイト 水換え簡単コンパクト水槽水換えスイッチ付 W21×D22×H23cm 約5L,Amazon,2019年03月08日,URL: https://amzn.asia/d/3KhIx84
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/00
A01K 63/00
B65D 90/08
B65D 88/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角部を有する底部と、前記底部から起立する側面部と、を備える水槽であって、
前記角部から前記角部に接する前記側面部にかけて角面取り部が形成されており、
前記角面取り部は、前記底部側に形成された第1角面取り部と、前記第1角面取り部から前記側面部にかけて形成された第2角面取り部と、を備え、
前記第1角面取り部と接地面との第1角度は、前記第2角面取り部と接地面との第2角度よりも小さく、
前記角面取り部を支点として前記水槽を傾けた際、前記角面取り部は、接地面に対し線又は面で接地する、水槽。
【請求項2】
前記底部は、前記水槽を支える高台部を備え、
前記高台部は、前記角面取り部と近接する位置に近接部を備え、
前記近接部は、前記底部及び前記角面取り部が接する接線と平行である、請求項1に記載の水槽。
【請求項3】
前記側面部の上側に周縁部を備え、
前記周縁部は、前記角面取り部の上方の隅から前記周縁部を横断する排水溝を備える、請求項1又は2に記載の水槽。
【請求項4】
角部を有する底部と、底部から起立する側面部と、を備える水槽であって、
前記角部から前記角部に接する前記側面部にかけて角面取り部が形成されており、
前記角面取り部を支点として前記水槽を傾けた際、前記角面取り部は、接地面に対し線又は面で接地し、
前記側面部の上側に周縁部を備え、
前記周縁部は、前記角面取り部の上方の隅から前記周縁部を横断する排水溝を備え、
前記排水溝の方向は、前記底部及び前記角面取り部が接する接線と直交する、水槽。
【請求項5】
前記周縁部は、前記周縁部の上端から下端に貫通する貫通孔を備える、請求項3又は4に記載の水槽。
【請求項6】
前記水槽の上側で、且つ、前記排水溝よりも低い位置に水抜き孔を備える、請求項3~5のいずれか1項に記載の水槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水槽として、底枠と、底枠と平行に周設された外枠と、底枠の角と外枠の角との間に配置された衝撃吸収用空間と、を備え、外枠は弾性部材で形成されている水槽が知られている(例えば、特許文献1)。そして、外枠の角を支点として水槽を傾けた際、外枠の形状が接地面に沿って衝撃吸収用空間内で変形する。これにより、外枠の角を支点として安定して水槽を傾けることができる。しかし、斯かる水槽は、構成が複雑であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-175594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、簡易な構造で水槽を安定して傾けることができる水槽を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
水槽は、角部を有する底部と、底部から起立する側面部と、を備える水槽であって、前記角部から前記角部に接する前記側面部にかけて角面取り部が形成されており、前記角面取り部を支点として前記水槽を傾けた際、前記角面取り部は、接地面に対し線又は面で接地する。
【0006】
斯かる構成によれば、角面取り部を支点として水槽を傾けることができる。これにより、簡易な構造で水槽を安定して傾けることができる。
【0007】
また、水槽において、前記底部は、前記水槽を支える高台部を備え、前記高台部は、前記角面取り部と近接する位置に近接部を備え、前記近接部は、前記水槽の下面視において、前記角面取り部と平行である、という構成でもよい。
【0008】
斯かる構成によれば、高台部を備える水槽であっても、近接部を支点として水槽を傾けることができる。これにより、簡易な構造で水槽を安定して傾けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る水槽の斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係る水槽の正面図である。
図3図3は、同実施形態に係る水槽の左側面図である。
図4図4は、同実施形態に係る水槽の上面図である。
図5図5は、同実施形態に係る水槽の下面図である。
図6図6は、図5のVI-VI線要部拡大断面図である。
図7図7は、同実施形態に係る水槽を傾けた図である。
図8図8は、同実施形態に係る水槽をさらに傾けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態に係る水槽について、図1図8を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0011】
図1は、一実施形態に係る水槽1の斜視図であり、図2は、同実施形態に係る水槽1の正面図である。そして、図3は、同実施形態に係る水槽1の左側面図であり、図4は、同実施形態に係る水槽1の上面図である。また、図5は、同実施形態に係る水槽1の下面図である。
【0012】
図1図5に示すように、水槽1は、角部P1を有する底部2と、底部2から起立する側面部3と、側面部3の上側に配置された周縁部4と、を備える。一実施形態に係る水槽1は、上部が開口した略直方体状に形成されている。しかし、斯かる形状に限定されず、例えば、上部が開口した円柱状に形成されていてもよい。そして、例えば、水槽1は、周縁部4を備えないという、構成でもよい。
【0013】
また、一実施形態に係る水槽1は、生物(例えば、メダカ)の飼育に用いられるが、これに限定されない。例えば、水槽1は、水を貯める容器として用いられてもよい。
【0014】
図6は、図5のVI-VI線拡大断面図であり、図7及び図8は、水槽1を傾けた図である。図5図8に示すように、底部2は、底部本体21と、水槽1を支える高台部22と、を備える。しかし、斯かる構成に限定されず、例えば、底部2は、高台部22を備えない、という構成でもよい。
【0015】
一実施形態おいては、底部本体21の角部P1から角部P1と接する側面部3にかけて角面取り部5が形成されている。そして、角面取り部5を支点として水槽1を傾けた際、角面取り部5は、接地面X1に対し線又は面で接地する。斯かる構成によれば、角面取り部5を支点として線又は面で接地面X1に接地した状態で水槽1を傾けることができる。これにより、簡易な構造で水槽1を安定して傾けることができる。なお、斯かる構成に限定されず、例えば、底部本体21の各角部から各角部と接する側面部3にかけて複数の角面取り部5が形成されている、という構成でもよい。
【0016】
一実施形態に係る角面取り部5は、底部本体21の下側から側面部3にかけて形成された平面状の第1角面取り部5aと、側面部3に形成された平面状の第2角面取り部5bと、を備える。そして、第1角面取り部5aと接地面X1との第1角度θ1は、第2角面取り部5bと接地面X1との第2角度θ2よりも小さい。斯かる構成によれば、水槽1を傾ける角度によって、支点となる第1角面取り部5aと第2角面取り部5bとを変えることができる。これにより、傾けた水槽1の角度に適した平面を有する面取り部5を支点とすることができ、安定して水槽1を傾けることができる。なお、斯かる構成に限定されず、例えば、角面取り部5は、丸面取りやその他の面取りとの組み合わせなどによって形成されている、という構成でもよい。
【0017】
高台部22は、底部本体21から下方に突出するリブであり、底部本体21の外周面の内側に配置される。そして、高台部22は、角面取り部5と近接する位置に近接部22aを備える。一実施形態に係る近接部22aは、底部2及び角面取り部5が接する接線L1と平行である。斯かる構成によれば、近接部22aを支点として線で接地面X1に接地した状態で水槽1を傾けることができる。これにより、簡易な構造で水槽1を安定して傾けることができる。また、近接部22aと角面取り部5とを接地面X1に接地させることにより、より安定して水槽1を傾けることができる。
【0018】
図1図4に示すように、側面部3は、側面部3の上側で、且つ、後述する排水溝41のよりも低い位置に配置された段差部31と、段差部31上に配置された水抜き孔32と、を備える。そして、段差部31は、角面取り部5が形成されていない隅に配置される。斯かる構成によれば、水槽1の中の水位が上がった際、水抜き孔32から水を排出することができる。これにより、水が水槽1からあふれ出ることを防止でき、例えば、水槽1の中の生物が水槽1の外に飛び出すことを防止することができる。なお、斯かる構成に限定されず、例えば、側面部3は、段差部31を備えず、水抜き孔32が直接配置される、という構成でもよい。また、例えば、段差部31及び水抜き孔32は、一隅にのみ配置される、という構成でもよい。
【0019】
一実施形態に係る周縁部4は、側面部3の上側から外側に周設される。そして、周縁部4は、水槽1を傾けて水を排出する排水溝41と、水槽用具(不図示)を保持する保持孔42と、周縁部4の外周から下方に突出するフランジ部43と、を備える。
【0020】
排水溝41は、角面取り部5の上方に位置する側面部3の隅から周縁部4を横断する溝である。斯かる構成によれば、水槽1を傾けた際、排水溝41に沿って水を排出することができる。これにより、例えば、作業者が水槽1を傾けた際、水と共に生物を排出するリスクを下げることができる。一実施形態に係る排水溝41は、円弧状であるが、斯かる形状に限定されず、例えば、V字状でもよい。
【0021】
一実施形態において、排水溝41の方向は、接線L1と直交する。斯かる構成によれば、水槽1を傾ける方向と排水溝41の方向とを一致させることができ、水槽1を傾けた方向に水槽1の中の水を排出することができる。これにより、例えば、水槽1の水を狙った位置に排出することができる。
【0022】
保持孔42は、周縁部4の上端から下端に貫通する貫通孔である。一実施形態に係る保持孔42は、周縁部4の左右にそれぞれ配置され、丸孔と長孔とを繋げた形状である。斯かる構成によれば、不図示の水槽用具(例えば、スポイト、フィッシュネットやピンセットなど)を保持孔42に挿すことにより、水槽用具を保持孔42に保持させることができる。これにより、例えば、作業者は、水槽用具の整理が容易になる。なお、斯かる構成に限定されず、例えば、保持孔42は、周縁部4の前後にそれぞれ配置される、という構成でもよい。また、例えば、保持孔42は、丸孔や長孔単体であってもよく、長方形、その他の幾何学形状を組み合わせた形状の孔であってもよい。
【0023】
以上より、一実施形態に係る水槽1は、角部P1を有する底部2と、底部2から起立する側面部3と、を備える水槽1であって、角部P1から角部P1に接する側面部3にかけて角面取り部5が形成されており、角面取り部5を支点として水槽1を傾けた際、角面取り部5は、接地面X1に対し線又は面で接地する。
【0024】
斯かる構成によれば、角面取り部5を支点として線又は面で接地面X1に接地した状態で水槽1を傾けることができる。これにより、簡易な構造で水槽1を安定して傾けることができる。
【0025】
また、一実施形態に係る水槽1においては、底部2は、水槽1を支える高台部22を備え、
高台部22は、角面取り部5と近接する位置に近接部22aを備え、近接部22aは、底部2及び角面取り部5が接する接線L1と平行である、という構成である。
【0026】
斯かる構成によれば、近接部22aを支点として線で接地面X1に接地した状態で水槽1を傾けることができる。これにより、簡易な構造で水槽1を安定して傾けることができる。また、近接部22aと角面取り部5とを接地面X1に接地させることにより、より安定して水槽1を傾けることができる。
【0027】
また、一実施形態に係る水槽1においては、側面部3の上側に周縁部4を備え、周縁部4は、角面取り部5の上方の隅から周縁部4を横断する排水溝41を備える、という構成である。
【0028】
斯かる構成によれば、水槽1を傾けた際、排水溝41に沿って水を排出することができる。これにより、例えば、作業者が水槽1を傾けた際、水と共に生物を排出するリスクを下げることができる。
【0029】
また、一実施形態に係る水槽1においては、排水溝41の方向は、前記接線L1と直交する、という構成である。
【0030】
斯かる構成によれば、水槽1を傾ける方向と排水溝41の方向とを一致させることができ、水槽1を傾けた方向に水槽1の中の水を排出することができる。これにより、例えば、水槽1の水を狙った位置に排出することができる。
【0031】
また、一実施形態に係る水槽1においては、周縁部4は、周縁部4の上端から下端に貫通する貫通孔(保持孔42)を備える、という構成である。
【0032】
斯かる構成によれば、水槽用具を保持孔42に挿すことにより、水槽用具を保持孔42に保持させることができる。これにより、例えば、作業者は、水槽用具の整理が容易になる。
【0033】
また、一実施形態に係る水槽1においては、水槽1の上側で、且つ、排水溝41よりも低い位置に水抜き孔32を備える、という構成である。
【0034】
斯かる構成によれば、水槽1の中の水位が上がった際、水抜き孔32から水を排出することができる。これにより、水が水槽1からあふれ出ることを防止でき、例えば、水槽1の中の生物が水槽1の外に飛び出すことを防止することができる。
【0035】
なお、水槽1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、水槽1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1…水槽、2…底部、21…底部本体、22…高台部、22a…近接部、3…側面部、31…段差部、32…水抜き孔、4…周縁部、41…排水溝、42…保持孔、43…フランジ部、5…角面取り部、5a…第1角面取り部、5b…第2角面取り部、X1…接地面、P1…角部、L1…接線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8