(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】測位方法、装置、モバイル端末、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01S 19/48 20100101AFI20240304BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
G01S19/48
G01C21/26 P
(21)【出願番号】P 2022571313
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2020105024
(87)【国際公開番号】W WO2022021040
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】521208262
【氏名又は名称】マプサス テクノロジー ホールディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Mapxus Technology Holding Limited
【住所又は居所原語表記】30 de Castro Street,Wickhams Cay 1,P.O.Box 4519,Road Town,Tortola,British Virgin Islands
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 尊裕
(72)【発明者】
【氏名】胡 斯洋
(72)【発明者】
【氏名】方 雄
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲じゅえ▼其
(72)【発明者】
【氏名】陳 欣
(72)【発明者】
【氏名】呉 沛謙
(72)【発明者】
【氏名】張 仲文
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526151(JP,A)
【文献】特表2018-521311(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0332558(US,A1)
【文献】特開2018-032160(JP,A)
【文献】特表2017-520759(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0035263(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103916821(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
19/00 - 19/55
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Androidベースのモバイル端末に適用される測位方法であって、
取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することと、
現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定することと、
プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定することであって、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含むことと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定することと、
前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とすることとを含
み、
上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定することは、
前記プリセット気圧トリガが現在フロア安定状態にあれば、リアルタイムなWi-Fiデータを前回取得した時に確定されたフロアを現在所在フロアとすることと、
前記プリセット気圧トリガが現在フロア切替状態にあれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定することとを含み、
上述の前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定することは、
前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリの中から、現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットを確定することと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータと、前記Wi-Fi信号マップセットにおける各Wi-Fi指紋との第二類似度をそれぞれ確定することであって、前記Wi-Fi信号マップセットのWi-Fi信号マップの各々に複数のWi-Fi指紋が含まれ、1つのWi-Fi信号マップは、1つのフロアに対応することと、
前記第二類似度に従って、予備選定Wi-Fi指紋を確定することと、
前記予備選定Wi-Fi指紋における各Wi-Fi指紋に対応するフロア情報を確定することと、
前記フロア情報に現れる回数の最も多いフロアを現在所在フロアとして確定することとを含むことを特徴とする
測位方法。
【請求項2】
上述の取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することは、
取得した前記リアルタイムなGNSS信号の目標パラメータを確定することと、
事前に得られた信号分類器に前記目標パラメータを入力し、前記信号分類器の出力に従って、現在所在環境を確定することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の測位方法。
【請求項3】
上述の取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定することは、
前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi指紋を確定することと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータと各前記ビルのWi-Fi指紋との第一類似度をそれぞれ確定することと、
前記第一類似度に従って、現在所在ビルを確定することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の測位方法。
【請求項4】
上述の前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定することは、
WKNNアルゴリズム、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、前記第一現在水平座標を確定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の測位方法。
【請求項5】
上述の前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定することは、
カルマンフィルタリングアルゴリズム、前記第一現在水平座標、及び取得した歩行者軌跡に基づいて、前記第二現在水平座標を確定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の測位方法。
【請求項6】
上述の取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することの後に、
現在所在環境が屋外環境であれば、プリセット測位装置によって収集された第三現在水平座標を取得することと、
前記第三現在水平座標及び取得した行動軌跡に基づいて、測位結果を確定することとを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の測位方法。
【請求項7】
上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定する前に、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することを更に含む、ことを特徴とする請求項1~
6の何れか一項に記載の測位方法。
【請求項8】
上述の前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することは、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア安定状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第一瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであって、前記第一瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記スライド気圧シーケンスの平均値を第一定常基準値として確定することと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であるかどうかを判断することと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であると判定することとを含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の測位方法。
【請求項9】
上述の前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することは、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア切替状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第二瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであって、前記第二瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記スライド気圧シーケンスの平均値を動的気圧値として確定することと、
前記動的気圧値と第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であるかどうかを判断することであって、前記第二定常基準値は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に取得した瞬時気圧と第三瞬時気圧との平均値であり、前記第三瞬時気圧は、最後に瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記動的気圧値と前記第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態のままであると判定することとを含む、ことを特徴とする請求項
7に記載の測位方法。
【請求項10】
上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態のままであると判定する前に、
前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であるかどうかを判断することであって、前記第四瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であれば、気圧が安定傾向にあると判定し、フロア切替状態を終了し、前記プリセット気圧トリガをフロア切替状態からフロア安定状態に調整することとを更に含む、ことを特徴とする請求項
9に記載の測位方法。
【請求項11】
Androidベースのモバイル端末に適用される測位装置であって、前記装置は、屋内外環境識別モジュールと、Wi-Fi指紋測位モジュールと、測位結果融合モジュールとを含み、前記Wi-Fi指紋測位モジュールは、ビル識別サブモジュールと、フロア識別サブモジュールと、水平位置測位サブモジュールとを含み、
前記屋内外環境識別モジュールは、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定するためのものであり、
前記ビル識別サブモジュールは、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定するためのものであり、
前記フロア識別サブモジュールは、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定するためのものであり、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含み、
前記水平位置測位サブモジュールは、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける前記現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定するためのものであり、
前記測位結果融合モジュールは、前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、前記現在所在ビル、前記現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とするためのものである、ことを特徴とする測位装置。
【請求項12】
Androidベースのモバイル端末であって、メモリ及びプロセッサを含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行して、請求項1~1
1の何れか一項に記載の測位方法を実現するためのものである、ことを特徴とするAndroidベースのモバイル端末。
【請求項13】
コンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~12の何れか一項に記載測位方法のステップが実現される、ことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位の技術分野に関し、特に、測位方法、装置、モバイル端末、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルインターネットの発展に伴い、位置ベースのサービスは、より多くのビジネスチャンスをもたらすと同時に、従来の屋外環境からより複雑であるがより一般的な屋内環境への位置取得ニーズの拡大も促進している。屋内測位技術は、水平位置測位のニーズを満たす必要があるだけでなく、より複雑な屋内外環境、ビル、フロアの識別及び切替といった多次元及びマルチシーンの問題に直面する必要がある。
【0003】
既存のフロア識別技術は、主に携帯電話の気圧センサを利用して、所在フロアのリアルタイムな絶対気圧値を取得した後、現地の標準海面気圧記録と比較して、高さ及び所在するフロアを推定するか、又は磁場、加速度計等のセンサを利用して、階段を歩く歩行者の信号特徴を捉えて歩行者の所在するフロアの変化を推定する。屋内外環境の識別については、主に近接センサ、光センサ及び磁場センサ等の様々なセンサを利用して、歩行者の所在する屋内又は屋外の環境を区別して対応する測位モジュールをオンにする。
【0004】
発明者は、本発明を実現する過程において、既存技術に以下の問題が存在し得ることを見い出した。まず、屋内環境の絶対気圧は、屋内の温湿度、空調の冷房又は暖房等の様々な条件からの影響により、屋外の大気圧との間に差異があるため、海面標準大気圧と、収集された絶対気圧値とを利用して、海抜高度及び対応するフロアを計算する方法では、エラー率が高く、次に、階段を歩くシーン以外では、慣性計測センサは、歩行者がエスカレータやエレベータに乗って複数のフロア間で通行する過程をその歩行者自身の信号特徴で識別し難く、実際の使用過程には、大きな制限があり、さらに、屋内外環境の識別の問題について、複数のセンサ信号が協働して識別する技術案は、その複雑度が高く、モバイル端末の計算消費及び電力消費を増加させるとともに、モバイル端末のハードウェア構成により多くの要件を求めているため、かかる方法の実用性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明の目的は、屋内外の測位ニーズを満たすことができるとともに、屋内環境でビル、フロアの自動識別及び水平測位の遂行が可能で、特に測位の複雑度及びフロア識別のエラー率を低減して、測位方法の実用性を向上させることが可能な測位方法、装置、モバイル端末、記憶媒体を提供することにある。その具体的な技術案は、以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様では、本発明は、Androidベースのモバイル端末に適用される測位方法であって、
取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することと、
現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定することと、
プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定することであって、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含むことと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定することと、
前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とすることとを含む、測位方法を開示している。
【0007】
選択的に、上述の取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することは、
取得した前記リアルタイムなGNSS信号の目標パラメータを確定することと、
事前に得られた信号分類器に前記目標パラメータを入力し、前記信号分類器の出力に従って、現在所在環境を確定することとを含む。
【0008】
選択的に、上述の取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定することは、
前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi指紋を確定することと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータと各前記ビルのWi-Fi指紋との第一類似度をそれぞれ確定することと、
前記第一類似度に従って、現在所在ビルを確定することとを含む。
【0009】
選択的に、上述の前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定することは、
WKNNアルゴリズム、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、前記第一現在水平座標を確定することを含む。
【0010】
選択的に、上述の前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定することは、
カルマンフィルタリングアルゴリズム、前記第一現在水平座標、及び取得した歩行者軌跡に基づいて、前記第二現在水平座標を確定することを含む。
【0011】
選択的に、上述の取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することの後に、
現在所在環境が屋外環境であれば、プリセット測位装置によって収集された第三現在水平座標を取得することと、
前記第三現在水平座標及び取得した行動軌跡に基づいて、測位結果を確定することとを更に含む。
【0012】
選択的に、上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定することは、
前記プリセット気圧トリガが現在フロア安定状態にあれば、リアルタイムなWi-Fiデータを前回取得した時に確定されたフロアを現在所在フロアとすることと、
前記プリセット気圧トリガが現在フロア切替状態にあれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定することとを含む。
【0013】
選択的に、上述の前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定することは、
前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリの中から、現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットを確定することと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータと、前記Wi-Fi信号マップセットにおける各Wi-Fi指紋との第二類似度をそれぞれ確定することであって、前記Wi-Fi信号マップセットのWi-Fi信号マップの各々に複数のWi-Fi指紋が含まれ、1つのWi-Fi信号マップは、1つのフロアに対応することと、
前記第二類似度に従って、予備選定Wi-Fi指紋を確定することと、
前記予備選定Wi-Fi指紋における各Wi-Fi指紋に対応するフロア情報を確定することと、
前記フロア情報に現れる回数の最も多いフロアを現在所在フロアとして確定することとを含む。
【0014】
選択的に、上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定する前に、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することを更に含む。
【0015】
選択的に、上述の前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することは、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア安定状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第一瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであって、前記第一瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記スライド気圧シーケンスの平均値を第一定常基準値として確定することと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であるかどうかを判断することと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であると判定することとを含む。
【0016】
選択的に、上述の前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することは、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア切替状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第二瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであって、前記第二瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記スライド気圧シーケンスの平均値を動的気圧値として確定することと、
前記動的気圧値と第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であるかどうかを判断することであって、前記第二定常基準値は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に取得した瞬時気圧と第三瞬時気圧との平均値であり、前記第三瞬時気圧は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記動的気圧値と前記第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態のままであると判定することとを含む。
【0017】
選択的に、上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態のままであると判定する前に、
前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であるかどうかを判断することであって、前記第四瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であれば、気圧が安定傾向にあると判定し、フロア切替状態を終了し、前記プリセット気圧トリガをフロア切替状態からフロア安定状態に調整することとを更に含む。
【0018】
第二の態様では、本発明は、Androidベースのモバイル端末に適用される測位装置であって、前記装置は、屋内外環境識別モジュールと、Wi-Fi指紋測位モジュールと、測位結果融合モジュールとを含み、前記Wi-Fi指紋測位モジュールは、ビル識別サブモジュールと、フロア識別サブモジュールと、水平位置測位サブモジュールとを含み、
前記屋内外環境識別モジュールは、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定するためのものであり、
前記ビル識別サブモジュールは、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定するためのものであり、
前記フロア識別サブモジュールは、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定するためのものであり、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含み、
前記水平位置測位サブモジュールは、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける前記現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定するためのものであり、
前記測位結果融合モジュールは、前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、前記現在所在ビル、前記現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とするためのものである、測位装置を開示している。
【0019】
第三の態様では、本発明は、Androidベースのモバイル端末であって、
プロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサ、前記コンピュータプログラムを実行して、前述した測位方法のステップを実現するためのものである、Androidベースのモバイル端末を開示している。
【0020】
第四の態様では、本発明は、コンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前述した測位方法のステップが実現される、コンピュータ読取可能な記憶媒体を更に開示している。
【発明の効果】
【0021】
以上より、本発明は、先ず、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定し、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定し、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定し、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含み、その後、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定すると、次に前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とすることが可能となる。複数のセンサ信号を使用して現在所在環境が屋内か屋外かを確定する既存技術の処理方法と比較して、本願のGNSS信号に基づく信号分類法は、計算が簡単で、ハードウェアの複雑度が低いという利点を有するため、測位方法の実用性が向上し、そして、Wi-Fi指紋識別wl利用してビル、フロアの測位を実現するため、追加のセンサ信号が不要で、計算フローが簡単であり、また、プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア安定状態又はフロア切替状態に従って、現在所在フロアを具体的に確定するため、絶対気圧値又は追加のモバイル端末が不要で、フロア識別の精度が向上し、エラー率が低減するとともに、使用コストがより低く、エレベータ又はエスカレータに乗るシーンや、階段を歩くシーン等の様々な行動シーンに対応可能であり、フロア識別が様々な環境で適用可能となる。また、本願は、先ず、現在の環境が屋内環境であるか屋外環境であるかを確定し、現在の環境が屋内環境であれば、現在所在ビルを確定し、更に現在所在ビルに従って、現在所在フロアを確定し、次に、現在所在フロアに従って水平座標を確定するため、多次元の漸進的な屋内測位方法が形成され、完全な測位フレームワークが構築され、より高い実用性が備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例又は既存技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は既存技術の説明に使用する必要のある図面を簡単に紹介するが、明らかに、以下の説明における図面は、本発明の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を払わずに、これらの図面に従って他の図面を得ることも可能である。
【
図1】
図1は、本発明の実施例に開示の測位方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に開示の具体的な測位方法の部分フローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に開示のビル識別のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に開示の具体的な測位方法の部分フローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に開示のフロア識別のフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の実施例に開示の具体的な測位方法の部分フローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の実施例に開示の気圧トリガの所在状態の確定のフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の実施例に開示の具体的な測位方法のフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施例に開示の測位装置の構造模式図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例に開示の測位装置の動作のフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の実施例に開示のAndroidベースのモバイル端末の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者によって創造的な労働を払わずに得られた他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施例は、測位方法を開示しており、当該測位方法は、Android(アンドロイド(登録商標))ベースのモバイル端末に適用されるものであり、以下のステップS11~S15を含む。
ステップS11は、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することである。
【0025】
実際の応用では、先ず、取得したリアルタイムなGNSS(Global Navigation Satellite System、グローバルナビゲーション衛星システム)信号に従って、現在所在環境を確定する必要がある。ここで、前記リアルタイムなGNSS信号は、北斗(Beidou)信号、GPS(Global Positioning System、グローバル測位システム)信号を含むが、これらに限定されない。
【0026】
上述の取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することは、取得した前記リアルタイムなGNSS信号の目標パラメータを確定することと、事前に得られた信号分類器に前記目標パラメータを入力し、前記信号分類器の出力に従って、現在所在環境を確定することとを含む。ここで、前記目標パラメータは、信号対雑音比パラメータであってもよい。具体的には、先ず、取得したリアルタイムなGNSS信号の信号対雑音比パラメータを確定し、その後、事前に得られた信号分類器に前記信号対雑音比パラメータを入力し、前記信号分類器の出力に従って、現在所在環境を確定してもよい。
【0027】
実際の応用では、前記信号分類器を利用して、取得したリアルタイムなGNSS信号を分類して、現在所在環境を確定する前に、屋内環境及び屋外環境で収集された複数組のGNSS信号を訓練サンプルとしてそれぞれ利用し、訓練サンプルにおけるGNSS信号の信号対雑音比パラメータを抽出して、訓練サンプルにおけるGNSS信号の信号対雑音比パラメータを決定木アルゴリズムに基づく訓練モデルに入力し、訓練を完成した後、前記信号分類器を得る必要もある。
【0028】
ステップS12は、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定することである。
【0029】
現在所在環境が確定された後、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定する。具体的には、前記Wi-Fi情報マップライブラリには、事前に収集された異なるビルのWi-Fi情報マップが含まれ、1棟のビルには、1つ又は複数のWi-Fi情報マップが対応しており、1つのフロアには、1つのWi-Fi信号マップに対応しており、1つのWi-Fi信号マップは、同一フロアにおける複数のWi-Fi指紋をシーケンシャルに記録するデータセットであり、Wi-Fi指紋の測位計算に既知の水平座標でのWi-Fi信号特徴を提供可能である。同一ビル内において、各々のフロアには、1つのWi-Fi信号マップが独立して対応している。
【0030】
ステップS13は、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定することであり、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含む。
【0031】
現在所在ビルが確定された後、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定する必要もあり、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含む。前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア安定状態であれば、現在はフロア未変化状態にあることを示し、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であれば、現在はフロア変化状態にあることを示す。
【0032】
具体的には、上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定することは、前記プリセット気圧トリガが現在フロア安定状態にあれば、リアルタイムなWi-Fiデータを前回取得した時に確定されたフロアを現在所在フロアとすることと、前記プリセット気圧トリガが現在フロア切替状態にあれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定することとを含む。つまり、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア安定状態であれば、アルタイムなWi-Fiデータを前回取得した時に確定されたフロアをそのまま現在所在フロアとしてもよい一方で、前記プリセット気圧トリガが現在フロア切替状態にあれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定する。
【0033】
それに応じて、上述のプリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定する前に、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することを更に含む。
【0034】
実際の応用では、前記プリセット気圧トリガの所在状態がフロア安定状態の場合、フロア識別アルゴリズムをオフにしておき、前記プリセット気圧トリガによって、所在状態がフロア切替状態であることを検出されれば、フロア識別アルゴリズムをオンにしてもよい。このように気圧の変化をフロア識別アルゴリズムの補助的なトリガメカニズムとして、歩行者が確実にフロア切替状態にある時にフロア識別を行うことで、計算頻度が効果的に制御され、計算オーバーヘッド及びエネルギー消費を削減するとともに、識別エラー率を効果的に低減することができる。
【0035】
ステップS14は、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定することである。
【0036】
現在所在フロアが確定された後、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定する必要もある。つまり、現在所在フロアが確定された後、現在所在フロアでの具体的な位置は、まだ不明であり、第一現在水平座標を更に確定する必要がある。
【0037】
具体的には、WKNN(Weighted K-Nearest Neighbor、加重K近傍)アルゴリズム、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、前記第一現在水平座標を確定してもよい。つまり、先ず、前記リアルタイムなWi-Fiデータと、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップ内の各Wi-Fi指紋との間の類似度を計算し、その後、計算された類似度に基づいて、現在所在フロアにおける各Wi-Fi指紋に対応する水平座標の重みを確定し、確定された重み、及び現在所在フロアにおける各水平座標に基づいて、第一現在水平座標を確定してもよい。例えば、現在フロアに対応するWi-Fi信号マップには、それぞれA、B、Cとなる3つのWi-Fi指紋が含まれ、各々のWi-Fi指紋には、現在所在フロアの1つの水平座標が対応しており、リアルタイムなWi-FiデータとAとの類似度が0.4、リアルタイムなWi-FiデータとBとの類似度が0.5、リアルタイムなWi-FiデータとCとの類似度が0.6として計算されると、Aに対応する水平座標の重みは0.2667、Bに対応する水平座標の重みは0.3333、Cに対応する水平座標の重みは0.4となる。
【0038】
ステップS15は、前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とすることである。
【0039】
具体的な実施過程では、前記第一現在水平座標が確定された後、前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とする必要もある。
実際の応用では、上述の前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定することは、カルマンフィルタリングアルゴリズム、前記第一現在水平座標、及び取得した歩行者軌跡に基づいて、前記第二現在水平座標を確定することを含む。歩行者軌跡を内在的な慣性予測値とし、第一現在水平座標を外在的な計測値とし、カルマンフィルタリングアルゴリズムに基づいて両者を融合させ、歩行者の水平位置座標の最適推定を行って、前記第二水平座標を得る。
【0040】
それに応じて、先に前記歩行者軌跡を取得する必要がある。屋内環境に入った後、初期化測位状態に入る。つまり、所在ビル、フロア及び最初の水平座標を順に確定し、最初の水平座標を歩行者軌跡推算の初期位置として連続測位を行って、前記歩行者軌跡を得る。
【0041】
Wi-Fiデータに従って確定された第一現在水平座標、及び取得した歩行者軌跡に基づいて、第二現在水平座標を確定することで、前記第二現在水平座標の位置をより精確にすることができ、Wi-Fi測位だけ又は歩行者軌跡測位だけに頼ることによる大きな誤差の問題が解決される。
【0042】
以上より、本発明は、先ず、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定し、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定し、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定し、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含み、その後、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定すると、次に前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とすることが可能となる。複数のセンサを使用して現在所在環境が屋内か屋外かを確定する既存技術の処理方法と比較して、本願以GNSS信号本願のGNSS信号に基づく信号分類法は、計算が簡単で、ハードウェアの複雑度が低いという利点を有するため、測位方法の実用性が向上し、Wi-Fi指紋識別を利用してビル、フロアの測位を実現するため、追加のセンサ信号が不要で、計算フローが簡単であり、また、プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア安定状態又はフロア切替状態に従って、現在所在フロアを具体的に確定するため、絶対気圧値又は追加のモバイル端末が不要で、フロア識別の精度が向上し、エラー率が低減するとともに、使用コストがより低く、エレベータ又はエスカレータに乗るシーンや、階段を歩くシーン等の様々な行動シーンに対応可能であり、フロア識別が様々な環境で適用可能となる。また、本願は、先ず、現在の環境が屋内環境であるか屋外環境であるかを確定し、現在の環境が屋内環境であれば、現在所在ビルを確定し、更に現在所在ビルに従って、現在所在フロアを確定し、次に、現在所在フロアに従って水平座標を確定するため、多次元の漸進的な屋内測位方法が形成され、完全な測位フレームワークが構築され、より高い実用性が備えられる。
【0043】
図2に示すように、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定することは、具体的には、以下のステップS21~S23を含んでもよい。
ステップS21は、現在所在環境が屋内環境であれば、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi指紋を確定することである。
現在所在環境が確定された後、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定する。具体的には、先に前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi指紋を確定する必要がある。
【0044】
前記Wi-Fi情報マップライブラリには、事前に収集された異なるビルのWi-Fi情報マップが含まれ、1棟のビルには、1つ又は複数のWi-Fi情報マップが対応しており、1つのフロアには、1つのWi-Fi信号マップが対応しており、1つのWi-Fi信号マップは、同一フロアにおける複数のWi-Fi指紋をシーケンシャルに記録するデータセットであるため、Wi-Fi指紋の測位計算に既知の水平座標でのWi-Fi信号特徴を提供可能である。同一ビル内において、各々のフロアには、1つのWi-Fi信号マップが独立して対応している。そのため、先に前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi指紋を確定する必要がある。
【0045】
具体的には、プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi信号マップに基づいて、ビル内のすべてのAP(ACCESS POINT、アクセスポイント)について当該ビル内でのRSSI(Received Signal Strength Indication、受信信号強度指示)平均値を計算し、各々のビルには、ビル単位のWi-Fi指紋が1つ形成される。ここで、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける任意のビルのWi-Fi指紋を確定することは、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける当該ビルに対応する各Wi-Fi信号マップ内のWi-Fi指紋の平均値を計算して、当該ビルに対応するWi-Fi指紋を得ることを含む。
【0046】
ステップS22は、前記リアルタイムなWi-Fiデータと各前記ビルのWi-Fi指紋との第一類似度をそれぞれ確定することである。
【0047】
前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルに対応するWi-Fi指紋が確定された後、前記リアルタイムなWi-Fiデータと、各前記ビルのWi-Fi指紋との第一類似度をそれぞれ計算する必要もある。前記第一類似度の確定過程における類似度アルゴリズムについて、ここでは具体的に限定せず、実際の状況に応じて決定可能である。
【0048】
ステップS23は、前記第一類似度に従って、現在所在ビルを確定することである。
【0049】
前記第一類似度が確定された後、前記第一類似度に従って、現在所在ビルを確定する。具体的には、最も大きな第一類似度に対応するビルを現在所在ビルとして確定する。
【0050】
屋内では連続測位を行う必要があるため、屋内連続測位状態では、もし現在所在ビルが前回の結果と一致していれば、当該状態を維持し、一致していなければ、屋内初期測位状態に入る。
【0051】
図3にビル識別のフローチャートを示す。プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi信号マップを検索してから、各ビルのWi-Fi信号マップを圧縮して、ビル単位のWi-Fi指紋を得る。つまり、ビル内のすべてのAPについて当該ビル内でのRSSI平均値を計算し、各々のビルには、ビル単位のWi-Fi指紋が1つ形成される。その後、前記リアルタイムなWi-Fiデータと各ビルのWi-Fi指紋との間の類似度を計算し、最も大きな類似度に対応するビルを現在のビルとして確定し、現在のビルがWi-Fiデータを前回取得した時に確定されたビルであるかどうかを判断する。そうであれば、現在のビルを出力し、連続測位状態を維持し、そうでなければ、現在のビルを出力し、初期測位状態に移行する。
【0052】
図4に示すように、前記プリセット気圧トリガが現在フロア切替状態にあれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定することは、具体的には、以下のステップS31~S35を含む。
ステップS31は、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリの中から、現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットを確定することである。
【0053】
現在所在ビルが確定された後、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定する必要もある。前記プリセット気圧トリガが現在フロア切替状態にあれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定する。
【0054】
具体的には、先に前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリの中から、現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットを確定する必要がある。現在所在ビルが1つ又は複数のフロアを含み、各々のフロアに1つのWi-Fi信号マップが対応し得るため、現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットを確定する必要があり、前記Wi-Fi信号マップセットには、1つ又は複数のWi-Fi信号マップが含まれてもよい。
【0055】
ステップS32は、前記リアルタイムなWi-Fiデータと、前記Wi-Fi信号マップセットにおける各Wi-Fi指紋との第二類似度をそれぞれ確定することであり、前記Wi-Fi信号マップセットのWi-Fi信号マップの各々に複数のWi-Fi指紋が含まれ、1つのWi-Fi信号マップは、1つのフロアに対応する。
【0056】
前記Wi-Fi信号マップセットが確定されると、前記リアルタイムなWi-Fiデータと、前記Wi-Fi信号マップセットにおける各Wi-Fi指紋との第二類似度をそれぞれ確定可能となり、前記Wi-Fi信号マップセットのWi-Fi信号マップの各々に複数のWi-Fi指紋が含まれ、1つのWi-Fi信号マップは、1つのフロアに対応する。
【0057】
例えば、現在所在ビルに3つのフロアが含まれ、各々のフロアに対応するWi-Fi信号マップに3つのWi-Fi指紋が含まれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータとこれらの9個のWi-Fi指紋との間の第二類似度をそれぞれ計算する必要がある。
【0058】
ステップS33は、前記第二類似度に従って、予備選定Wi-Fi指紋を確定することである。
【0059】
前記第二類似度が確定されると、前記第二類似度に従って、プリセットWi-Fi指紋を確定可能となる。具体的には、前記第二類似度を降順でソートしてから、先頭のk個の第二類似度に対応するWi-Fi指紋を前記予備選定Wi-Fi指紋として確定してもよく、kは、1以上の正の整数であり、kの具体的な値については、実際の状況に応じて決定可能であり、ここでは具体的に限定しない。
【0060】
ステップS34は、前記予備選定Wi-Fi指紋における各Wi-Fi指紋に対応するフロア情報を確定することである。
【0061】
前記予備選定Wi-Fi指紋が確定された後、前記予備選定Wi-Fi指紋における各Wi-Fi指紋に対応するフロア情報を確定する必要もある。具体的には、前記予備選定Wi-Fi指紋における各Wi-Fi指紋に対応するフロアが現在所在ビルのどのフロアであるかを確定することとなる。
【0062】
ステップS35は、前記フロア情報に現れる回数の最も多いフロアを現在所在フロアとして確定することである。
【0063】
前記フロア情報が得られると、前記フロア情報に現れる回数の最も多いフロアを現在フロアとして確定可能となる。例えば、前記予備選定Wi-Fi指紋に5つのWi-Fi指紋が含まれ、その内の3つのWi-Fi指紋は、対応するフロアが6階であり、残りの2つのWi-Fi指紋は、対応するフロアが5階であれば、現在所在フロアは、6階となる。
【0064】
屋内環境に入った直後、測位は、初期測位状態にあり、フロア、ビル及び水平座標を取得する必要があり、このとき、前記プリセット気圧トリガの所在状態を判断する必要がなく、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットにそのまま従って、所在フロアを確定してもよい。
【0065】
図5にフロア識別のフローチャートを示す。まず、初期測位状態にあるかどうかを判断する。そうであれば、気圧トリガの状態判断をスキップして、フロア識別アルゴリズムをそのまま利用してフロア識別を行う。つまり、ビルの識別結果に従って、現在所在ビルの各フロアのWi-Fi信号マップをロードし、各フロアに対応する各Wi-Fi指紋とリアルタイムなWi-Fiデータとの類似度を計算して、類似度の最も大きな先頭のk個のWi-Fi指紋に現れる頻度の最も多いフロアを現在フロアとして確定し、現在フロアを更新する。ここで、kは、1以上の正の整数である。連続測位状態にあれば、プリセット気圧トリガによってフロア識別アルゴリズムのオンがトリガされたかどうかを判断し、フロア識別アルゴリズムのオンがトリガされていなければ、最後の計算結果のままを現在フロアとする。フロア識別アルゴリズムのオンがトリガされたのであれば、フロア識別アルゴリズムを利用してフロア識別を行う。
【0066】
図6に示すように、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定することは、具体的には、以下のステップS41~S48を含んでもよい。
ステップS41は、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア安定状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第一瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであり、前記第一瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧である。
【0067】
具体的な実施過程では、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア安定状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第一瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとし、前記第一瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧である。例えば、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア安定状態であれば、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得したN-1個の瞬時気圧を第一瞬時気圧とし、その後、第一瞬時気圧及び前記リアルタイムな瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとし、N個の瞬時気圧を含むスライド気圧シーケンスを1つ形成する。Nは、1以上の正の整数であり、Nの値は、実際の状況に応じて決定可能であり、ここでは具体的に限定しない。
【0068】
ステップS42は、前記スライド気圧シーケンスの平均値を第一定常基準値として確定することである。
【0069】
前記スライド気圧シーケンスが得られた後、前記スライド気圧シーケンスの平均値を計算して、前記スライド気圧シーケンスの平均値を第一定常基準値とする。
【0070】
ステップS43は、前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であるかどうかを判断することである。
【0071】
前記第一定常気圧値が確定されると、前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であるかどうかを判断することが可能となる。つまり、第一定常基準値に対する現在取得されているリアルタイムな瞬時気圧値の変動が閾値を超えるかどうかを判断して、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であるか、それともフロア安定状態であるかを確定する。
【0072】
ステップS44は、前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であると判定することである。
【0073】
前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であるかどうかを判断する。前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であると判定する。前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値未満であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア安定状態のままであると判定する。
【0074】
ステップS45は、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア切替状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第二瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであり、前記第二瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧である。
【0075】
具体的な実施過程では、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア切替状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第二瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとし、前記第二瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧である。つまり、例えば、前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア切替状態であれば、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得したN-1個の瞬時気圧を第二瞬時気圧とし、その後、第二瞬時気圧及び前記リアルタイムな瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとする。
【0076】
ステップS46は、前記スライド気圧シーケンスの平均値を動的気圧値として確定することである。
【0077】
前記スライド気圧シーケンスが得られると、前記スライド気圧シーケンスの平均値を動的気圧値として確定して、現在所在状態を判断することが可能となる。
【0078】
ステップS47は、前記動的気圧値と第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であるかどうかを判断することであり、前記第二定常基準値は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に取得した瞬時気圧と第三瞬時気圧との平均値であり、前記第三瞬時気圧は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧である。
【0079】
前記動的気圧値が得られた後、前記動的気圧値と第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であるかどうかを判断する必要もあり、前記第二定常基準値は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に取得した瞬時気圧と第三瞬時気圧との平均値であり、前記第三瞬時気圧は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧である。つまり、前記プリセット気圧トリガがフロア安定状態にある場合、1つの瞬時気圧が取得され、この瞬時気圧は、フロア切替が現れ始めることを示していれば、この瞬時気圧が取得される前に最後に取得した瞬時気圧と、最後に瞬時気圧が取得される前に取得したN-1個の瞬時気圧との平均値を第二定常基準値として確定し、その後の呼び出しのために前記第二定常基準値を記憶する。
【0080】
ここで、前記第一閾値と前記第二閾値とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0081】
ステップS48は、前記動的気圧値と前記第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態のままであると判定することである。
【0082】
前記動的気圧値と第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であるかどうかが判断された後、前記動的気圧値と前記第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であると判定する。前記動的気圧値と前記第二定常基準値との間の差分が第二閾値未満であれば、気圧の異常変動とし、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア安定状態のままであると判定する。
【0083】
プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態のままであると判定する前に、前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であるかどうかを判断することであって、前記第四瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であれば、気圧が安定傾向にあると判定し、フロア切替状態を終了し、前記プリセット気圧トリガをフロア切替状態からフロア安定状態に調整することとを更に含む。つまり、リアルタイムな瞬時気圧と第二定常基準値との間の差分が継続して第二閾値以上である場合、フロア切替状態を維持するとともにフロア識別アルゴリズムをオンに維持するが、先頭のN-1個の気圧データの平均値と現在のリアルタイムな瞬時気圧との間の差分が第三閾値未満の場合、環境気圧が安定傾向にあり、フロアの変化が終了したと見なし、このとき、フロア切替状態からフロア安定状態に移行して、フロア識別アルゴリズムをオフにする。
【0084】
前記第一閾値、前記第二閾値及び前記第三閾値は、実際の応用シーンに応じて決定可能であり、ここでは具体的に限定しない。
【0085】
図7にプリセット気圧トリガの動作のフローチャートを示す。ここで、前述した第一閾値と第二閾値とは、同じであり、何れもmhPaであり、第三閾値は、nhPaである。前記プリセット気圧トリガがフロア安定状態にある場合、基準定常気圧を計算し、その後、リアルタイムな瞬時気圧と第一定常基準気圧との間の差分がmhPaよりも大きいかどうかを判断する。そうであれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であると判定し、フロア識別アルゴリズムをオンにして、動的気圧値を計算し、動的気圧値と第二定常基準値との間の差分がmhPaよりも大きいかどうかを判断し、そうでなければ、気圧の変動による誤判定とし、フロア安定状態に戻して、フロア識別アルゴリズムをオフにする。そうであれば、フロア切替状態を継続して、フロア識別アルゴリズムをオンに維持する。動的気圧値を更新して、現在瞬時気圧と直前の動的気圧値との間の差分がnhPa未満であるかどうかを判断する。ここで、前記直前の動的気圧値は、現在瞬時気圧の前のN-1個の気圧データの平均値であり、そうでなければ、フロア切替状態を継続して、フロア識別アルゴリズムをオンに維持する。そうであれば、フロア安定状態に戻して、フロア識別アルゴリズムをオフにする。
【0086】
図8に示すように、本発明の実施例は、具体的な測位方法を開示しており、当該測位方法は、Androidベースのモバイル端末に適用されるものであり、以下のステップS51~S57を含む。
ステップS51は、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定することである。
【0087】
ステップS52は、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定することである。
【0088】
ステップS53は、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定することであり、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含む。
【0089】
ステップS54は、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定することである。
【0090】
ステップS55は、前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とすることである。
【0091】
ステップS51~ステップS55の具体的な実施過程は、前述の実施例に開示された内容を参照可能であり、ここでは繰り返し述べない。
【0092】
ステップS56は、現在所在環境が屋外環境であれば、プリセット測位装置によって収集された第三現在水平座標を取得することである。
【0093】
現在所在環境が確定された後、現在所在環境が屋外環境であれば、プリセット測位装置によって収集された第三現在水平座標を取得する。ここで、前記プリセット測位装置は、GPSを含むが、これに限定されない。
【0094】
ステップS57は、前記第三現在水平座標及び取得した行動軌跡に基づいて、測位結果を確定することである。
【0095】
前記第三水平座標が取得された後、前記第三現在水平座標及び取得した行動軌跡に基づいて、測位結果を確定する必要もある。具体的には、カルマンフィルタリングアルゴリズム、前記第三現在水平座標、及び取得した行動軌跡に従って、測位結果を確定してもよい。
【0096】
屋外状態になった直後、初期測位状態に入り、プリセット測位装置だけで最初の水平座標を取得して当該位置で歩行者軌跡推算を初期化し、その後、連続測位状態に入る。連続測位状態では、プリセット測位装置によって収集された水平座標及び歩行者軌跡をカルマンフィルタに基づいて処理して、屋外環境での最終測位結果を得る。
【0097】
図9に示すように、本発明の実施例は、上記に対応して、測位装置を更に開示しており、当該測位装置は、Androidベースのモバイル端末に適用されるものであり、屋内外環境識別モジュール11と、Wi-Fi指紋測位モジュール12と、測位結果融合モジュール13とを含み、前記Wi-Fi指紋測位モジュールは、ビル識別サブモジュール121と、フロア識別サブモジュール122と、水平位置測位サブモジュール123とを含み、
前記屋内外環境識別モジュール11は、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定するためのものであり、
前記ビル識別サブモジュール121は、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定するためのものであり、
前記フロア識別サブモジュール122は、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定するためのものであり、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含み、
前記水平位置測位サブモジュール123は、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける前記現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定するためのものであり、
前記測位結果融合モジュール13は、前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、前記現在所在ビル、前記現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とするためのものである。
【0098】
以上より、本発明は、先ず、取得したリアルタイムなGNSS信号に従って、現在所在環境を確定し、現在所在環境が屋内環境であれば、取得したリアルタイムなWi-Fiデータ及びプリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、現在所在ビルを確定し、プリセット気圧トリガの現在所在状態に従って、現在所在フロアを確定し、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態は、フロア安定状態及びフロア切替状態を含み、その後、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、第一現在水平座標を確定すると、次に前記第一現在水平座標及び取得した歩行者軌跡に基づいて第二現在水平座標を確定し、現在所在ビル、現在所在フロア、及び前記第二現在水平座標を測位結果とすることが可能となる。複数のセンサを使用して現在所在環境が屋内か屋外かを確定する既存技術の処理方法と比較して、本願のGNSS信号に基づく信号分類法は、計算が簡単で、ハードウェアの複雑度が低いという利点を有するため、測位方法の実用性が向上し、Wi-Fi指紋識別を利用してビル、フロアの測位を実現するため、追加のセンサ信号が不要で、計算フローが簡単であり、また、プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア安定状態又はフロア切替状態に従って、現在所在フロアを具体的に確定するため、絶対気圧値又は追加のモバイル端末が不要で、フロア識別の精度が向上し、エラー率が低減するとともに、使用コストがより低く、エレベータ又はエスカレータに乗るシーンや、階段を歩くシーン等の様々な行動シーンに対応可能であり、フロア識別が様々な環境で適用可能となる。また、本願は、先ず、現在の環境が屋内環境であるか屋外環境であるかを確定し、現在の環境が屋内環境であれば、現在所在ビルを確定し、更に現在所在ビルに従って、現在所在フロアを確定し、次に、現在所在フロアに従って水平座標を確定するため、多次元の漸進的な屋内測位方法が形成され、完全な測位フレームワークが構築され、より高い実用性が備えられる。
【0099】
具体的には、前記屋内外環境識別モジュール11は、
取得した前記リアルタイムなGNSS信号の目標パラメータを確定することと、
事前に得られた信号分類器に前記目標パラメータを入力し、前記信号分類器の出力に従って、現在所在環境を確定することのために使用される。
【0100】
具体的には、前記ビル識別サブモジュール121は、
前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリに従って、前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける各ビルのWi-Fi指紋を確定することと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータと各前記ビルのWi-Fi指紋との第一類似度をそれぞれ確定することと、
前記第一類似度に従って、現在所在ビルを確定することのために使用される。
【0101】
さらに、前記水平位置測位サブモジュール123は、
WKNNアルゴリズム、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在フロアに対応するWi-Fi信号マップに従って、前記第一現在水平座標を確定するために使用される。
【0102】
具体的には、前記測位結果融合モジュール13は、
カルマンフィルタリングアルゴリズム、前記第一現在水平座標、及び取得した歩行者軌跡に基づいて、前記第二現在水平座標を確定するために使用される。
【0103】
さらに、前記測位装置は、
現在所在環境が屋外環境であれば、第三現在水平座標を収集するためのプリセット測位装置を更に含み、
それに応じて、前記測位結果融合モジュール13は、前記第三現在水平座標及び取得した行動軌跡に基づいて、測位結果を確定するために使用される。
【0104】
前記フロア識別サブモジュール122は、前記プリセット気圧トリガが現在フロア安定状態にあれば、リアルタイムなWi-Fiデータを前回取得した時に確定されたフロアを現在所在フロアとすることと、
前記プリセット気圧トリガが現在フロア切替状態にあれば、前記リアルタイムなWi-Fiデータ、及び前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリにおける現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットに従って、現在所在フロアを確定することのために使用される。
【0105】
さらに、前記フロア識別サブモジュール122は、
前記プリセットWi-Fi信号マップライブラリの中から、現在所在ビルに対応するWi-Fi信号マップセットを確定することと、
前記リアルタイムなWi-Fiデータと、前記Wi-Fi信号マップセットにおける各Wi-Fi指紋との第二類似度をそれぞれ確定することであって、前記Wi-Fi信号マップセットのWi-Fi信号マップの各々に複数のWi-Fi指紋が含まれ、1つのWi-Fi信号マップは、1つのフロアに対応することと、
前記第二類似度に従って、予備選定Wi-Fi指紋を確定することと、
前記予備選定Wi-Fi指紋における各Wi-Fi指紋に対応するフロア情報を確定することと、
前記フロア情報に現れる回数の最も多いフロアを現在所在フロアとして確定することのために使用される。
【0106】
前記測位装置は、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態及び取得したリアルタイムな瞬時気圧に従って、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態を確定するための気圧トリガ状態確定モジュールを更に含む。
【0107】
具体的には、前記気圧トリガ状態確定モジュールは、
前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア安定状態であれば、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第一瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであって、前記第一瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記スライド気圧シーケンスの平均値を第一定常基準値として確定することと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であるかどうかを判断することと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と前記第一定常基準値との間の差分が第一閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態であると判定することのために使用される。
【0108】
具体的には、前記気圧トリガ状態確定モジュールは、
在前記プリセット気圧トリガにおける保存済み状態がフロア切替状態時、前記プリセット気圧トリガによって取得されたリアルタイムな瞬時気圧及び第二瞬時気圧をスライド気圧シーケンスとすることであって、前記第二瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記スライド気圧シーケンスの平均値を動的気圧値として確定することと、
前記動的気圧値と第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であるかどうかを判断することであって、前記第二定常基準値は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に取得した瞬時気圧と第三瞬時気圧との平均値であり、前記第三瞬時気圧は、前記プリセット気圧トリガが前記フロア切替状態になる前に最後に瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記動的気圧値と前記第二定常基準値との間の差分が第二閾値以上であれば、前記プリセット気圧トリガの現在所在状態がフロア切替状態のままであると判定することのために使用される。
【0109】
また、前記気圧トリガ状態確定モジュールは、
前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であるかどうかを判断することであって、前記第四瞬時気圧は、前記リアルタイムな瞬時気圧が取得される前に取得した予め設定された数の瞬時気圧であることと、
前記リアルタイムな瞬時気圧と第四瞬時気圧の平均値との間の差分が第三閾値未満であれば、気圧が安定傾向にあると判定し、フロア切替状態を終了し、前記プリセット気圧トリガをフロア切替状態からフロア安定状態に調整することのために更に使用される。
【0110】
具体的な実施過程では、前記測位装置は、歩行者軌跡を確定するための歩行者軌跡推算モジュールを更に含む。
【0111】
図10に測位のフローチャートを示す。まず、屋内外環境識別モジュールで、現在が屋内環境か、それとも屋外環境かを確定する。屋外環境であれば、GPS測位モジュール(つまり、前記プリセット測位装置)、歩行者軌跡推算モジュール及び測位結果融合モジュールをオンにして、初期測位状態に入る。初期測位状態では、GPS測位モジュールだけで最初の水平座標を取得して当該位置で歩行者軌跡推算モジュールを初期化し、その後、連続測位状態に入る。連続測位状態では、カルマンフィルタに基づいて構築された測位結果融合モジュールは、GPS測位と歩行者軌跡推算モジュールとのそれぞれによって得られた測位結果を処理して、屋外環境での最終測位結果を得る。屋内環境であれば、Wi-Fi指紋測位モジュール、歩行者軌跡推算モジュール及び測位結果融合モジュールをオンにした後、まず初期測位状態に入る。初期測位状態では、順にビル識別サブモジュール、フロア測位サブモジュール、水平位置測位サブモジュールで現在所在するビル、フロア及び最初の水平座標を計算し、その後、当該水平座標を歩行者軌跡推算モジュールの初期位置として連続測位状態に入る。連続測位状態では、ビル識別サブモジュールは、オン及び計算を維持するのに対して、フロア測位サブモジュールは、その気圧トリガのトリガ結果に応じてフロア識別計算をオン又はオフにする。水平位置測位サブモジュールは、オン及び計算を維持し、且つ計算結果と歩行者軌跡推算結果とを測位結果融合モジュールによって処理した後、歩行者の水平座標を得る。最後に、現在のビル、フロア及び水平座標を総合的な測位結果として出力する。
【0112】
図11に示すように、本発明の実施例は、Androidベースのモバイル端末を更に開示しており、当該モバイル端末は、
プロセッサ21及びメモリ22を含み、
前記メモリ22は、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記プロセッサ21は、前記コンピュータプログラムを実行して、前述の実施例に開示された測位方法のステップを実現するためのものである。
【0113】
上述測位方法の具体的な過程は、前述の実施例に開示された対応する内容を参照可能であり、ここでは繰り返し述べない。
【0114】
また、本発明の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前述の実施例に開示された測位方法のステップが実現される、コンピュータ読取可能な記憶媒体を更に開示している。
【0115】
上述測位方法の具体的な過程は、前述の実施例に開示された対応する内容を参照可能であり、ここでは繰り返し述べない。
【0116】
本明細書における各実施例は、漸進的な方式で説明されており、各実施例は、他の実施例との相違点に重点を置いて説明し、各実施例間の同一部分又は類似部分については、互いに参照すればよい。実施例に開示の装置については、実施例に開示の方法に対応しているため、簡単に説明されているが、関連部分は、方法の説明部分を参照すればよい。
【0117】
当業者であれば、本明細書に開示の実施例に関連して記載された各例示のユニット及びアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現可能であるのを更に認識でき、ハードウェアとソフトウェアの交換可能性を明らかに説明するために、上記の説明において、機能に従って各例示の構成及びステップを一般的に記載した。これらの機能は、ハードウェアで実行されるか、それともソフトウェアで実行されるかは、技術案の特定の適用と設計の制約条件に依存する。当業者は、各々の特定の適用に対して、記載された機能を実現するために異なる方法を使用可能であるが、このような実現は、本発明の範囲を超えるものとして見なされるべきではない。
【0118】
本明細書に開示の実施例に関連して記載された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサーによって実行されるソフトウェアモジュール、又は両者の組み合わせで直接実施されることが可能である。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、内部メモリ、読取専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブル可能なROM、電気的消去可能なプログラマブルROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、あるいは技術分野で公知の他の形式の任意の記憶媒体に格納されることが可能である。
【0119】
最後に、説明すべきなのは、本明細書では、例えば、第一及び第二といった関係を表す用語は、1つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作から区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間に何らかの実際の関係又は順序が存在することを要求又は暗示するものではない。さらに、「含む」、「含有する」という用語又はそれらのあらゆる変形は、非排他的包含をカバーするように意図され、それにより、一連の要素を含む過程、方法、物品、もしくはモバイル端末はそれらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素をさらに含み、又はこのような過程、方法、物品もしくはモバイル端末が固有する要素をさらに含む。これ以上の制限なしに、「1つの・・・を含む」という語句によって限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品もしくはモバイル端末には、別の同一の要素も存在することを排除するものではない。
【0120】
以上、本発明が提供する測位方法、装置、モバイル端末、記憶媒体について詳しく紹介しし、本明細書では、具体的な例を使用して本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は、本発明の方法及びその核心的な思想の理解を助けるためのものに過ぎない。さらに、当業者にとって、本発明の思想によれば、具体的な実施形態及び適用範囲に変更があり得る。上記を纏めて、本明細書の内容は、本開示を制限するものとして理解されるべきではない。