(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】無線刺激制御装置、ステント、無線刺激制御システム、無線刺激制御方法、及び無線刺激制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A61N 1/365 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
A61N1/365
(21)【出願番号】P 2023525460
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 JP2022035309
【審査請求日】2023-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522409611
【氏名又は名称】株式会社HICKY
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】家城 博隆
(72)【発明者】
【氏名】近藤 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 大輔
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0092763(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0123880(US,A1)
【文献】国際公開第2019/103704(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0155336(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0367136(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0190089(US,A1)
【文献】国際公開第2021/016562(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0321642(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0023365(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0282216(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーから取得される生体に関する生体情報に基づいて、前記生体の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成する生体解析部と、
電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された前記生体内のステントによる前記ステントの近傍の神経への前記誘導電流を用いた刺激の
タイミングに関する刺激制御情報を、前記生体解析情報に基づいて
前記ステントによる刺激の必要があると判断される場合に、生成する刺激制御部と、
前記誘導電流を生成するための電界又は磁界であって、前記誘導電流を用いた
前記ステントによる刺激に必要な電力量よりも小さい電力量
を前記ステントに給電するための電界又は磁界を前記ステントに供給する無線給電部と、
前記刺激制御情報に基づいて、
前記刺激制御情報が示す前記ステントによる刺激のタイミングで、前記神経への刺激を指示する刺激指示信号を送信する電界又は磁界を、前記誘導電流を生成するための電界又は磁界と独立して前記ステントに供給する刺激指示部
であって、前記無線給電部とは異なる刺激指示部と、
を備える無線刺激制御装置。
【請求項2】
前記刺激制御情報は、前記ステントによる刺激
の持続時間、強度、及び波形の少なくともいずれかに関する情報を含む、請求項1に記載の無線刺激制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無線刺激制御装置と、
体内に導入されるステントであって、
前記ステントの近傍の神経への刺激に用いられる誘導電流を生成するための電界又は磁界に応じて受電する受電部と、
電界又は磁界を用いて送信される、前記神経への刺激を指示する刺激指示信号を、前記誘導電流を生成するための電界又は磁界と独立して受信する刺激指示受信部と、
前記受電部による受電に応じて、前記受電部が受電する前記電界又は磁界に基づいて生成される前記誘導電流を用いて前記神経を刺激する刺激部と、
を備える、ステントと、
を備える無線刺激制御システム。
【請求項4】
コンピュータに、
センサーから取得される生体に関する生体情報に基づいて、前記生体の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成する生体解析部と、
電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された前記生体内のステントによる前記ステントの近傍の神経への前記誘導電流を用いた刺激の
タイミングに関する刺激制御情報を、前記生体解析情報に基づいて
前記ステントによる刺激の必要があると判断される場合に、生成する刺激制御部と、
前記誘導電流を生成するための電界又は磁界であって、前記誘導電流を用いた
前記ステントによる刺激に必要な電力量よりも小さい電力量
を前記ステントに給電するための電界又は磁界を前記ステントに供給する無線給電部であって、前記刺激制御部とは異なる無線給電部と、
前記刺激制御情報に基づいて、
前記刺激制御情報が示す前記ステントによる刺激のタイミングで、前記神経への刺激を指示する刺激指示信号を送信する電界又は磁界を、前記誘導電流を生成するための電界又は磁界と独立して前記ステントに供給する刺激指示部
であって、前記無線給電部とは異なる刺激指示部と、
を実現させるための無線刺激制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線刺激制御装置、ステント、無線刺激制御システム、無線刺激制御方法、及び無線刺激制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体内に埋め込まれた装置に対して、生体外から電界又は磁界を用いた無線給電により、体内に埋め込まれた装置を制御するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている装置は、生体内に埋め込まれた医療装置本体に設けられた受電コイルに生体外から電磁誘導により無線給電する給電コイルであって、筒状コイルと筒状コイルの外周を囲む環状リングを有する給電コイルにより、医療装置本体に電力を給電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている装置では、操作者による操作によって、体内に埋め込まれた医療装置本体への給電が行われるため、生体の状態に応じた制御は考慮されておらず、操作者や患者の負担となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、生体の状態に応じて制御することが可能な無線刺激制御装置、ステント、無線刺激制御システム、無線刺激制御方法、及び無線刺激制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る無線刺激制御装置は、センサーから取得される、生体に関する生体情報に基づいて、生体の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成する生体解析部と、電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された体内のステントによるステントの近傍の神経への誘導電流を用いた刺激の制御に関する刺激制御情報を、生体解析情報に基づいて生成する刺激制御部と、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステントに供給する無線給電部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る無線刺激制御方法は、コンピュータが、センサーから取得される、生体に関する生体情報に基づいて、生体の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成し、電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された体内のステントによるステントの近傍の神経への誘導電流を用いた刺激の制御に関する刺激制御情報を、生体解析情報に基づいて生成し、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステントに供給する。
【0009】
本発明の一態様に係る無線刺激制御プログラムは、コンピュータに、センサーから取得される、生体に関する生体情報に基づいて、生体の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成する生体解析部と、電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された体内のステントによるステントの近傍の神経への誘導電流を用いた刺激の制御に関する刺激制御情報を、生体解析情報に基づいて生成する刺激制御部と、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステントに供給する無線給電部と、を実現させる。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生体の状態に応じて制御することが可能な無線刺激制御装置、無線刺激制御方法、及び無線刺激制御プログラムを提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態である無線刺激制御システム100における処理の概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態である無線刺激制御システム100の構成を示す図である。
【
図3】記憶部210に記憶される生体情報の例を示す図である。
【
図4】記憶部210に記憶される生体解析情報の例を示す図である。
【
図5】記憶部210に記憶される刺激制御情報の例を示す図である。
【
図6】ステント300による近傍の神経への刺激の例を示した図である。
【
図7】無線刺激制御システム100における処理の一例を示すシークエンスチャートである。
【
図8】無線刺激制御システム100における処理の一例を示すシークエンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である無線刺激制御システム100における処理の概要を示す図である。
【0014】
無線刺激制御システム100は、無線刺激制御プログラムによって実現される情報処理システムであり、体内のステント300による刺激を電界又は磁界を用いて制御する無線刺激制御装置200、及び電界又は磁界に応じて近傍の神経を刺激する体内のステント300を備えるシステムである。
【0015】
無線刺激制御装置200は、例えば、生体に取り付けられるパッド201を含む。まず、無線刺激制御装置200が、センサー(例えば、パッド201に含まれるセンサー)から生体に関する生体情報を取得する。無線刺激制御装置200が、生体情報を解析して、体内のステント300に対し、誘導電流を生成するための電界又は磁界202をステント300にパッド201を通じて供給する。すなわち、この場合、パッド201は、生体情報を取得するセンサーとしての機能及び電界又は磁界を供給する機能をもつ。なお、センサー機能と、電界又は磁界を供給する機能とは、同一の手段(例えば、パッド201)によって実現されてもよく、また、別々の手段によってそれぞれ実現されてもよい。
【0016】
ステント300は、体内(例えば、血管400)内に導入されている。ステント300の近傍には、神経500が存在する。
【0017】
ステント300が、電界又は磁界202に基づいて誘導電流を生成し、神経500への誘導電流を用いた刺激を行う。
【0018】
無線刺激制御システム100は、例えば、睡眠時無呼吸症候群の患者に適用することができる。
【0019】
具体的には、無線刺激制御装置200は、例えば、センサーから、患者の呼吸に関する呼吸情報を取得する。無線刺激制御装置200が、生体情報を解析して、患者の神経500(例えば、横隔神経)の近傍の血管400(例えば、横隔静脈)内に留置されるステント300に対し、誘導電流を生成するための電界又は磁界202をステント300にパッド201を通じて供給する。このとき、無線刺激制御装置200は、例えば、患者の呼吸が停止している場合又は安定していない場合に、電界又は磁界202をステント300に供給する。
【0020】
そして、ステント300が、電界又は磁界202に基づいて誘導電流を生成し、ステント300の神経500への誘導電流を用いた刺激を行う。これにより、患者の横隔膜が動き、患者の呼吸が再開又は安定化する。
【0021】
なお、無線刺激制御システムは、睡眠時無呼吸症候群の患者以外の者にも適用可能である。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態である無線刺激制御システム100の構成を示す図である。無線刺激制御システム100は、無線刺激制御装置200及びステント300を備える。
【0023】
無線刺激制御装置200は、生体情報を解析して、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステント300に供給する情報処理装置である。
【0024】
無線刺激制御装置200は、記憶部210、生体情報取得部220、生体解析部230、刺激制御部240、無線給電部250、刺激指示部260を備える。無線刺激制御装置200に備わる各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0025】
ステント300は、電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された、体内に留置されるステントである。ステント300は、無線刺激制御装置200から供給される電界又は磁界に応じて、誘導電流を用いて近傍の神経を刺激する。
【0026】
ここで、ステント300は、例えば、金属でできた筒状の構造物を含む。ステント300は、当該筒状の構造物によって、例えば、体内の管状部分(例えば、血管等の管腔)を内部から広げることができる。なお、ステント300は、バルーンによって拡張してもよく、また、例えば、血管壁に圧着することによってバルーンなしで拡張(いわゆる、自己拡張)してもよい。
【0027】
また、ステント300は、電流を流す導電体部分と、電流を流さない絶縁体部分を含む。
【0028】
ステント300は、例えば、両端が導電体であり、中央部が絶縁体であってもよい。具体的には、ステント300の両端に取り付けられた電極が、導電体として機能してもよい。
【0029】
ステント300は、受電部310、キャパシタ320、刺激指示受信部330、刺激部340を備える。
【0030】
なお、本実施形態におけるステント300は、ステント本体(例えば、金属でできた筒状の構造物本体)のみからなる物であってもよく、ステント本体(例えば、金属でできた筒状の構造物本体)及び所定の付属物を備えた物であってもよい。すなわち、ステント300における各機能部(例えば、受電部310、キャパシタ320、刺激指示受信部330、刺激部340)の各機能は、ステント本体によって実現されてもよく、また、ステント本体に付属する付属物によって実現されてもよい。本実施形態では、ステント本体、並びにステント本体及び付属物の全体を、単に、ステントと言う。
【0031】
なお、
図2において、ステント300は、1つのみ示されているが、複数のステント300が体内に存在してもよい。また、ステント300が留置される生体は、限定されないが、例えば、人体であってもよい。また、ステント300が留置される位置は、限定されないが、例えば、血管内であってもよい。
【0032】
続いて、無線刺激制御システム100における処理の詳細について説明する。まず、無線刺激制御装置200における処理の詳細について説明する。
【0033】
記憶部210は、無線刺激制御装置200において処理される情報を記憶する。記憶部210は、例えば、後述する、生体情報、生体解析情報、刺激制御情報を記憶することができる。
【0034】
生体情報取得部220は、センサーから、生体に関する生体情報を取得し、記憶部210に格納する。
【0035】
生体情報取得部220は、例えば、生体の胸部に取り付けられたセンサー又は生体の近く(例えば、生体の背部又は枕元)に設置されるセンサーから、生体情報を取得することができる。また、生体情報取得部220は、例えば、生体の位置する空間内(例えば、生体の寝室内)に設置されるセンサーから、生体情報を取得してもよい。
【0036】
生体情報取得部220は、例えば、生体情報として、生体の呼吸に関する呼吸情報を取得することができる。
【0037】
生体情報は、例えば、時刻情報及びセンサー情報を含む。時刻情報は、例えば、生体情報取得部220がセンサーから生体情報を取得した時刻又はセンサーが生体情報を取得した時刻を示す情報である。
【0038】
センサー情報は、センサーが取得する生体に関する情報である。センサー情報は、例えば、生体の動きを示す加速度に関する加速度情報であってもよい。すなわち、センサーが生体の胸部に取り付けられる場合、センサー情報は胸の上下動を示す加速度情報であってもよい。これにより、センサー情報は、生体の呼吸の有無を検知することができる。
【0039】
なお、センサー情報は、センサーが取得可能な生体に関する情報であればよく、例えば、生体の体温、脈波、血圧、特定の物質(例えば、血中又は呼気の酸素又は二酸化炭素)の濃度等であってもよい。また、センサー情報は、例えば、センサーが送受信する電磁波(例えば、ミリ波レーダー)に基づく情報であってもよい。
【0040】
また、センサーによるセンサー機能は、例えば、生体に取り付けられるパッド201に含まれるセンサーよって実現されてもよく、また、その他の手段によって実現されてもよい。センサーは、生体内にあってよく、生体外にあってもよい。また、センサーは、無線刺激制御装置200に含まれてもよい。また、センサー機能と、後述する無線給電部250による無線給電機能とは、同一の手段(例えば、パッド201)によって実現されてもよく、また、別々の手段によってそれぞれ実現されてもよい。
【0041】
図3は、記憶部210に記憶される生体情報の例を示す図である。記憶部210に記憶される生体情報は、例えば、生体情報ID、時刻情報、センサー情報を含む。生体情報IDは、記憶部210に記憶される生体情報を識別する情報である。
【0042】
生体解析部230は、生体情報に基づいて、生体の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成し、記憶部210に格納する。
【0043】
ここで、生体の状態は、生体情報に対応する生体の状態である。生体の状態は、例えば、呼吸情報に対応する呼吸の状態であってもよい。呼吸の状態は、例えば、呼吸の有無、呼吸の強度、呼吸の安定性等に基づく状態であってもよい。
【0044】
すなわち、生体解析部230は、例えば、呼吸情報に基づいて、生体の呼吸の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成することができる。
【0045】
生体解析情報は、生体情報のそれぞれに対応する情報であってもよく、また、複数の生体情報に対応する情報であってもよい。すなわち、生体解析情報は、生体情報が示す時刻情報ごとに生体情報のそれぞれを解析した情報であってもよく、また、一定の期間における複数の生体情報を解析した情報であってもよい。
【0046】
図4は、記憶部210に記憶される生体解析情報の例を示す図である。記憶部210に記憶される生体解析情報は、例えば、生体情報ID、生体状態情報を含む。
【0047】
生体状態情報は、生体の状態に関する情報である。生体状態情報が生体の呼吸の状態を示す場合、生体状態情報は、例えば、呼吸の有無を示す「呼吸あり」又は「呼吸なし」であってもよく、また、呼吸の強度又は安定性を示す情報であってもよい。
【0048】
なお、
図4では、生体解析情報は、各時刻の生体情報のそれぞれに対応する情報として示されているが、生体解析情報は、一定の期間における複数の生体情報に対応する情報であってもよい。
【0049】
刺激制御部240は、ステント300によるステント300の近傍の神経への誘導電流を用いた刺激の制御に関する刺激制御情報を、生体解析情報に基づいて生成し、記憶部210に格納する。
【0050】
ここで、刺激制御情報は、ステント300による近傍の神経への刺激の制御に関する情報であり、例えば、無線刺激制御装置200が制御する刺激の適否、刺激のタイミング、刺激の詳細に関する情報である。すなわち、ステント300は、刺激制御情報に応じて、刺激制御情報が示す内容の刺激を行う。
【0051】
刺激制御部240は、生体解析情報に基づいて、例えば、刺激の必要がないと判断される場合(例えば、生体が正常な呼吸をしている場合)、ステント300による刺激を行わないための刺激制御情報を生成することができる。この場合、刺激制御部240は、刺激制御情報を生成しないこととしてもよい。
【0052】
また、刺激制御部240は、生体解析情報に基づいて、例えば、刺激の必要があると判断される場合(例えば、生体の呼吸が停止している場合)、ステント300による刺激を行うための刺激制御情報を生成することができる。この場合、刺激制御部240は、生体解析情報に基づいて、ステント300による刺激の内容を制御してもよい。
【0053】
具体的には、生体解析情報に基づいて評価される生体の状態のパターン(例えば、呼吸のパターン)を解析し、適切なタイミング、持続時間、強度、又は波形でステント300による刺激を行うための刺激制御情報を生成してもよい。すなわち、刺激制御情報は、ステント300による刺激のタイミング、持続時間、強度、及び波形の少なくともいずれかに関する情報を含んでもよい。
【0054】
図5は、記憶部210に記憶される刺激制御情報の例を示す図である。記憶部210に記憶される刺激制御情報は、例えば、刺激制御情報ID、タイミング情報、波形情報を含む。
【0055】
刺激制御情報IDは、記憶部210に記憶される刺激制御情報を識別する情報である。タイミング情報は、ステント300による刺激を行うタイミングを示す情報であり、例えば、刺激を行う時刻を示す情報である。波形情報は、ステント300による刺激の波形(例えば、刺激強度、刺激時間)を示す情報であり、例えば、事前に設定される複数の波形パターンのいずれかを示す情報(例えば、「パターンA」又は「パターンB」)であってもよい。
【0056】
なお、タイミング情報は、生体解析情報に基づく条件を示す情報であってもよい。すなわち、タイミング情報は、生体解析情報に基づく条件(例えば、呼吸の深度に関する条件)が満たされる場合(例えば、呼吸が浅くなったとき)に刺激を行うことを示す情報であってもよい。
【0057】
また、波形は、例えば、刺激の強度又は周期等によって定まるものであってもよい。すなわち、後述するステント300の刺激部340は、波形情報が示す波形に対応する強度又は周期等を備える誘導電流により、近傍の神経を刺激することができる。
【0058】
無線給電部250は、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステント300に供給する。すなわち、無線給電部250は、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、ステント300に対し、無線給電を行う。
【0059】
無線給電部250は、電界又は磁界をステント300に供給して、ステント300による刺激のための電力をステント300に供給する。無線給電部250は、電界又は磁界をステント300に供給して、例えば、電磁誘導、磁界共鳴、電界結合、又は電波受信を活用した無線給電を行うことができる。
【0060】
ここで、無線給電部250は、例えば、生体に取り付けられるパッド201を通じて、ステント300に電界又は磁界を供給してもよく、また、その他の手段で、ステント300に電界又は磁界を供給してもよい。なお、センサーによるセンサー機能と、無線給電部250による無線給電機能とは、同一の手段(例えば、パッド201)によって実現されてもよく、また、別々の手段によってそれぞれ実現されてもよい。
【0061】
また、無線給電部250は、生体解析情報に基づいて、電界又は磁界をステント300に供給することができる。
【0062】
具体的には、無線給電部250は、生体解析情報に基づいて、例えば、刺激の必要があると判断される場合(例えば、生体の呼吸が停止している場合)、電界又は磁界をステント300に供給することができる。
【0063】
また、無線給電部250は、刺激制御情報に基づいて、電界又は磁界をステント300に供給することができる。
【0064】
具体的には、無線給電部250は、刺激制御情報に基づいて、例えば、刺激制御情報(特に、タイミング情報)が示すタイミングでステント300による刺激を行うための電界又は磁界をステント300に供給することができる。
【0065】
また、無線給電部250は、生体解析情報及び刺激制御情報に基づいて、電界又は磁界をステント300に供給することができる。
【0066】
具体的には、無線給電部250は、生体解析情報に基づいて、例えば、刺激の必要があると判断される場合(例えば、生体の呼吸が停止している場合)に、刺激制御情報(特に、タイミング情報)が示すタイミングでステント300による刺激を行うための電界又は磁界をステント300に供給することができる。
【0067】
このように、無線給電部250は、電界又は磁界をステント300に供給して、ステント300による刺激のための電力を供給することができる。これにより、無線刺激制御装置200及びステント300はリード線で繋がっている必要がないため、ステント300を導入される生体(例えば、患者)の動きが、リード線によって制限されることがない。
【0068】
刺激指示部260は、刺激制御情報に基づいて、ステント300の近傍の神経への刺激を指示する刺激指示信号を送信する電界又は磁界をステント300に供給する。
【0069】
ここで、刺激指示信号は、電界又は磁界(例えば、電磁誘導)により、無線刺激制御装置200からステント300に送信される信号である。ステント300は、刺激指示信号に基づいて、近傍の神経への刺激を行うことができる。
【0070】
なお、無線刺激制御装置200は、刺激指示部260を備えていなくてもよい。この場合、無線刺激制御装置200は、無線給電部250による無線給電を、刺激指示信号に代えることができる。すなわち、後述するステント300の刺激部340は、無線給電部250による無線給電に応じて(すなわち、例えば、後述するステント300の受電部310の受電に応じて)、ステント300の近傍の神経を刺激することができる。
【0071】
続いて、ステント300における処理の詳細について説明する。
【0072】
受電部310は、ステント300の近傍の神経への刺激に用いられる誘導電流を生成するための電界又は磁界に応じて受電する。受電部310は、例えば、無線刺激制御装置200の無線給電部250が供給する電界又は磁界に応じて受電する。
【0073】
受電部310は、例えば、金属コイルであり、電磁誘導により、電界又は磁界に応じた電力を受電することができる。受電部310は、例えば、ステント300に含まれる筒状の構造物の内側に取り付けられてもよく、また、ステント300のその他の箇所に取り付けられてもよい。
【0074】
キャパシタ320は、受電部310による受電に応じて、電気を蓄える。キャパシタ320は、例えば、キャパシタ、コンデンサ、又はバッテリーと呼称される部品によって実現されてもよい。キャパシタ320は、例えば、ステント300に含まれる筒状の構造物の内側に取り付けられてもよい。
【0075】
なお、ステント300は、キャパシタ320を備えていなくてもよい。この場合、ステント300は、後述するように、受電部310の受電に応じた電気を蓄えることなく、受電部310による受電に応じて、刺激部340による刺激を行ってもよい。
【0076】
刺激指示受信部330は、電界又は磁界を用いて送信される、近傍の神経への刺激を指示する刺激指示信号を受信する。刺激指示受信部330は、例えば、無線刺激制御装置200の刺激指示部260が供給する電界又は磁界によって送信される刺激指示信号を受信することができる。
【0077】
刺激指示受信部330は、例えば、ステント300に備わるIC(Integrated Circuit)チップにより実現されてもよい。ICチップは、例えば、ステント300に含まれる筒状の構造物の内側に取り付けられてもよい。
【0078】
刺激部340は、受電部310による受電に応じて、電界又は磁界に基づいて生成される誘導電流を用いて、ステント300の近傍の神経を刺激する。
【0079】
具体的には、刺激部340は、受電部310による受電に応じて、例えば、ステント300の一方の導電体部分(例えば、電極)からもう一方の導電体部分へ電流を流す。このとき、例えば、導電体部分の一方は、リード線を介して受電部310と繋がっている。そのため、受電部310による受電に応じて、リード線を介して当該導電体部分の一方に電流が流れる。そして、ステント300の近傍の神経を経由して、もう一方の導電体部分の他方へ電流が流れる。
【0080】
より具体的には、例えば、ステント300の両端が導電体であり、中央部が絶縁体であり、ステント300の一端の導電体部分からもう一端の導電体部分に電流が流れる場合、電流は中央部の絶縁体部分を流れることができないため、電流は、近傍の神経を経由して流れる。これにより、当該近傍の神経が刺激される。
【0081】
また、電流は、複数のステント300のそれぞれの導電体部分の間を流れてもよい。1つのステントの導電体部分と別のステントの導電体部分に電流が流れる場合、電流は、近傍の神経を経由して流れる。これにより、当該近傍の神経が刺激される。
【0082】
刺激部340が刺激する近傍の神経は、限定されないが、例えば、横隔神経、舌下神経、迷走神経、又は仙骨神経であってもよい。
【0083】
刺激部340は、受電部310が受電した電力を蓄えることなく、受電部310による受電に応じて、刺激を行うことができる。すなわち、この場合、受電部310による受電が、刺激部340による刺激のスイッチとなる。
【0084】
また、刺激部340は、刺激指示信号に応じて、近傍の神経を刺激することができる。すなわち、刺激指示受信部330が刺激指示信号を受信すると、刺激部340は、刺激指示信号に応じて、キャパシタ320に蓄えられた電力を放出する。これにより、近傍の神経を刺激することができる。
【0085】
また、刺激部340は、キャパシタ320に蓄えられる蓄電量が、所定の閾値であって、受電部310による単位時間あたりの受電量よりも大きい所定の閾値に達した場合に、近傍の神経を刺激することができる。
【0086】
すなわち、受電部310は、刺激部340による刺激に必要な受電量よりも小さい受電量を単位時間あたりに受電してキャパシタ320に蓄電される。そして、蓄電量が所定の閾値に達した際に、刺激部340が近傍の神経を刺激する。これにより、受電部310による単位時間あたりの受電量(すなわち、例えば、無線刺激制御装置200の無線給電部250による単位時間あたりの給電量)を小さくしつつも、刺激部340による刺激を行うことができる。
【0087】
なお、ステント300は、各機能部を生体外で組み立てた後、生体内に導入されてもよく、また、一部の機能部を備えるステント300を生体内に導入した後、所定の技術により、他の機能部を生体内で組み立ててもよい。
【0088】
図6は、ステント300による近傍の神経への刺激の例を示した図である。
図6は、ステント300、血管400、及び神経500の位置関係を模式的に示している。
【0089】
ステント300は、筒状の金属であり、例えば、血管400内に存在している。電界又は磁界202を用いた受電部310による受電に応じて、ステント300の導電体部分に電流601が流れる。当該電流が近傍の神経500を経由することにより、当該近傍の神経が刺激される。
【0090】
図7は、無線刺激制御システム100における処理の一例を示すシークエンスチャートである。
図7は、無線刺激制御装置200による無線給電に応じて、ステント300による刺激が行われる場合の処理の一例を示すシークエンスチャートである。
【0091】
まず、無線刺激制御装置200の生体情報取得部220が、センサーから生体情報を取得する(S701)。生体解析部230が、生体情報に基づいて、生体解析情報を生成する(S702)。刺激制御部240が、生体解析情報に基づいて、刺激制御情報を生成する(S703)。無線給電部250が、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステント300に供給する(S704a)。
【0092】
続いて、ステント300の受電部310が、無線刺激制御装置の無線給電部250から供給される電界又は磁界に応じて、受電する(S704b)。ステント300の刺激部340が、受電部310の受電に応じて、電界又は磁界に基づいて生成される誘導電流を用いて、近傍の神経を刺激する(S705)。
【0093】
図8は、無線刺激制御システム100における処理の一例を示すシークエンスチャートである。
図8は、無線刺激制御装置200による刺激指示信号に応じて、ステント300による刺激が行われる場合の処理の一例を示すシークエンスチャートである。
【0094】
まず、無線刺激制御装置200の生体情報取得部220が、センサーから生体情報を取得する(S801)。生体解析部230が、生体情報に基づいて、生体解析情報を生成する(S802)。刺激制御部240が、生体解析情報に基づいて、刺激制御情報を生成する(S803)。
【0095】
続いて、無線給電部250が、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステント300に供給する(S804a)。ステント300の受電部310が、無線刺激制御装置の無線給電部250から供給される電界又は磁界に応じて、受電する(S804b)。このとき、受電した電力は、ステント300のキャパシタ320に蓄えられてもよい。
【0096】
そして、無線刺激制御装置200の刺激指示部260が、刺激制御情報に基づいて、ステント300の近傍の神経への刺激を指示する刺激指示信号を送信する電界又は磁界をステント300に供給する(S805a)。ステント300の刺激指示受信部330が刺激指示信号を受信し、刺激部340が近傍の神経を刺激する(S805b)。
【0097】
次に、無線刺激制御システム100の具体的な適用例について説明する。
【0098】
無線刺激制御システム100は、例えば、睡眠時無呼吸症候群の患者の治療に適用することができる。
【0099】
具体的には、無線刺激制御装置200の生体情報取得部220は、センサーから、患者の呼吸に関する呼吸情報を取得する。そして、生体解析部230は、呼吸情報に基づいて、患者の呼吸の状態を解析し、生体解析情報を生成する。
【0100】
ステント300は、例えば、患者の横隔神経に近い血管内に導入される。なお、ステント300は、生体の呼吸に関与している他の神経(例えば、迷走神経)に近い血管内に導入されてもよい。ステント300の刺激部340は、無線刺激制御装置200の処理に応じて、近傍の神経(例えば、横隔神経)を刺激する。これにより、患者の正常な呼吸が促される。
【0101】
睡眠時無呼吸症候群の患者の治療においては、リード線を備えるステントを体内に導入した上で、体外の装置からステントに対し、リード線を介した給電及び刺激制御を行う手法が知られている。しかしながら、当該手法では、リード線を備えるステントを体内に導入するため、患者の動きが制限され、患者の負担が大きくなる。無線刺激制御システム100は、無線刺激制御装置200による無線給電によりステント300を制御するため、リード線は必要なく、患者の負担が軽減される。また、無線刺激制御システム100は、生体解析情報に基づいてステント300を制御するため、操作者の操作の負担が軽減される。
【0102】
また、睡眠時無呼吸症候群の患者の治療に用いられる陽圧換気療法と比べ、患者の負担が小さい。陽圧換気療法では、患者は、口にマスクを装着する必要があるため、特に睡眠時において、患者の負担が大きくなる。無線刺激制御システム100は、体内に導入されたステント300に対し、電界又は磁界を用いた無線制御により睡眠時無呼吸症候群の治療を行うため、患者の負担が軽減される。
【0103】
すなわち、本発明の一実施形態は、無線刺激制御装置200を用いる、睡眠時無呼吸症候群の患者の治療のための無線刺激制御方法であって、無線刺激制御装置200が、センサーから生体情報として取得される、患者の呼吸に関する呼吸情報に基づいて、患者の呼吸の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成し、電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された体内のステント300によるステント300の近傍の神経への誘導電流を用いた刺激の制御に関する刺激制御情報を、生体解析情報に基づいて生成し、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステント300に供給する、無線刺激制御方法である。
【0104】
また、本発明の一実施形態は、無線刺激制御装置200及びステント300を用いる、睡眠時無呼吸症候群の患者の治療のための無線刺激制御方法であって、センサーから生体情報として取得される、患者の呼吸に関する呼吸情報に基づいて、患者の呼吸の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成し、電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された体内のステント300によるステント300の近傍の神経への誘導電流を用いた刺激の制御に関する刺激制御情報を、生体解析情報に基づいて生成し、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステント300に供給し、体内に導入されるステント300が、電界又は磁界に応じて受電し、受電に応じて、電界又は磁界に基づいて生成される誘導電流を用いて近傍の神経を刺激する、無線刺激制御方法である。
【0105】
なお、無線刺激制御システム100は、その他の疾患の治療に適用されてもよい。
【0106】
以上、本発明の一実施形態について説明した。無線刺激制御装置200は、センサーから取得される生体情報に基づいて生成される生体解析情報、及び、生体解析情報に基づいて生成される、ステント300による刺激の制御に関する刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界をステント300に供給することができる。これにより、無線刺激制御装置200は、生体の状態に応じて制御することができる。
【0107】
また、無線刺激制御装置200は、近傍の神経への刺激を指示する刺激指示信号を送信する電界又は磁界を、ステント300に供給することができる。これにより、無線給電の有無とは独立して、ステント300に対し刺激指示を行うことができる。
【0108】
また、無線刺激制御装置200は、ステント300による刺激のタイミング、持続時間、強度、及び波形の少なくともいずれかに関する情報を含む刺激制御情報を生成することができる。これにより、無線刺激制御装置200は、ステント300による近傍の神経を刺激の詳細を制御することができる。
【0109】
また、無線刺激制御装置200は、センサーから生体情報として取得される呼吸情報に基づいて、睡眠時無呼吸症候群の患者の呼吸の状態を解析した生体解析情報を生成し、ステント300による横隔神経への刺激を制御することができる。これにより、生体の状態に応じて、睡眠時無呼吸症候群の患者の治療の制御を行うことができる。
【0110】
また、ステント300は、誘導電流を生成するための電界又は磁界に応じて受電して、誘導電流を用いて近傍の神経を刺激することができる。これにより、リード線なく、体内のステント300が近傍の神経を刺激することができる。
【0111】
また、ステント300は、電界又は磁界を用いて送信される刺激指示信号に基づいて、近傍の神経を刺激することができる。これにより、ステント300は、無線刺激制御装置200の制御に基づいて、近傍の神経を刺激することができる。
【0112】
また、無線刺激制御システム100は、本発明の一実施形態にかかる無線刺激制御装置200及びステント300を備える。これにより、生体の状態に応じて、体内のステント300による刺激を制御することができる。
【0113】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0114】
100 無線刺激制御システム、200 無線刺激制御装置、210 記憶部、220 生体情報取得部、230 生体解析部、240 刺激制御部、250 無線給電部、260 刺激指示部、300 ステント、310 受電部、320 キャパシタ、330 刺激指示受信部、340 刺激部
【要約】
センサーから取得される、生体に関する生体情報に基づいて、生体の状態を解析した結果を示す生体解析情報を生成する生体解析部と、電界又は磁界に基づいて誘導電流を生成可能に構成された体内のステントによるステントの近傍の神経への誘導電流を用いた刺激の制御に関する刺激制御情報を、生体解析情報に基づいて生成する刺激制御部と、生体解析情報及び刺激制御情報の少なくともいずれかに基づいて、誘導電流を生成するための電界又は磁界を前記ステントに供給する無線給電部と、を備える無線刺激制御装置。