(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体
(51)【国際特許分類】
E06B 7/16 20060101AFI20240304BHJP
E05B 15/02 20060101ALI20240304BHJP
E05C 1/06 20060101ALI20240304BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20240304BHJP
E05D 15/10 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
E06B7/16 C
E05B15/02 B
E05C1/06 B
E05D15/06 114A
E05D15/10
(21)【出願番号】P 2023552360
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2022007381
(87)【国際公開番号】W WO2022265247
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0079601
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520460214
【氏名又は名称】シーエス テック カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ソン
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1731775(KR,B1)
【文献】特表2013-540220(JP,A)
【文献】特表2013-540221(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0115958(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0050035(KR,A)
【文献】実公平3-41599(JP,Y2)
【文献】実公昭63-22312(JP,Y2)
【文献】実公平4-20128(JP,Y2)
【文献】実公昭41-23414(JP,Y1)
【文献】実公昭45-6229(JP,Y1)
【文献】特表2022-521447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 15/02
E05C 1/06
E05D 15/06
E05D 15/10
E05D 15/20
E06B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓フレーム及び窓フレームがスライド移動可能に設けられる窓枠と、
窓フレームに回動可能に設けられるハンドルと、
窓フレームの側面に備えられ、ハンドルの動きと連動して上下方向に動く係合部と、
係合部が向き合う窓枠の相対位置に備えられ、係合部の位置によって前記係合部がかかるかまたはかかからない係合案内部と、
前記窓フレームの上面または下面のうちの少なくとも一方に備えられ、ハンドルと連動し、ハンドルの動きによって前記窓フレームを窓枠に水平密着させるかまたは水平密着を解除させる水平移動装置と、を含み、
前記係合案内部は、上部に位置する第1係合領域と、第1係合領域から離隔して第1係合領域よりも下部に位置する第2係合領域と、第1係合領域と第2係合領域との間に備えられる離隔空間部と、を含み、
第1係合領域の垂直中心線と第2係合領域の垂直中心線とは互いにずれて配置され、係合部が第1係合領域または第2係合領域に位置する場合、窓枠の水平密着または水平密着解除を誘導し、係合部が離隔空間部に位置する場合、窓フレームの窓枠に対するスライド移動が可能であり、
前記第1係合領域は、下側及び前側が開口している第1側壁部と、第1側壁部のエッジから内側に延びる第1リブ部と、を含み、
前記第2係合領域は、上側及び前側が開口している第2側壁部と、第2側壁部のエッジから内側に延びる第2リブ部と、を含み、
前記離隔空間部が各係合領域の垂直中心線と直交する水平方向に開放されながら、各係合領域の側壁部とリブ部が互いに離隔配置され、
前記第1係合領域は前記第2係合領域の垂直中心線と重畳されるように一側に斜めに延長される拡張部を含むことを特徴とする、換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項2】
第1係合領域が偏った方向は窓フレームが窓枠に密着する方向に対応し、第1係合領域内の第1係合溝に係合部が位置してかかる場合、窓フレームが窓枠に密着して閉鎖状態になり、ハンドルの位置は下方に位置し、
第2係合領域が偏った方向は窓フレームが窓枠から離隔する方向に対応し、第2係合領域内の第2係合溝に係合部が位置する場合、窓フレームの窓枠に対する密着状態が解除され、窓フレームの側面と窓枠の側面との間に微細な間隔が発生し、係合部が第2係合領域にかかって開放が防止される状態になり、ハンドルの位置は上方に位置することを特徴とする、請求項1に記載の換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項3】
係合部が第1係合領域と第2係合領域との間の離隔空間に位置する場合、ハンドルの位置は地面に平行に配置され、係合部が第1係合領域または第2係合領域と干渉しないので、窓が窓枠に沿ってスライド移動することができることを特徴とする、請求項1に記載の換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項4】
前記水平移動装置は、
固定プレートと、
窓が窓枠に対して密着または離隔する水平方向に前記固定プレートに相対移動可能に配置され、前記窓枠のレールに沿って移動可能に設けられる移動部を備える移動プレートと、
前記固定プレートに連結され、前記窓のハンドルと連結された作動バーの移動によって所定の距離だけ直線移動する直線移動部材と、
前記直線移動部材の直線移動によって前記移動プレートを前記固定プレートに対して水平移動させる一対の動作リンクと、を含み、
前記直線移動部材には、前記作動バーの作動ピンが挿入され、ハンドルを回転させる場合、すぐ前記直線移動部材が移動するようにする作動ホールと、前記動作リンクを互いに連結させる連結ピンが挿入され、前記直線移動部材の移動によって前記連結ピンの移動をガイドするガイドホールとが形成され、
前記係合部及び前記係合案内部が互いに係合され、水平移動装置による窓の窓枠に対する密着状態が解除される場合、窓と窓枠との間の隙間によって換気が可能になるとともに、隙間を形成して窓が制限的に動けるようにし、窓の自由な開放作用を防止することを特徴とする、請求項1に記載の換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項5】
前記動作リンクは、
前記固定プレートに一端が連結され、他端は前記直線移動部材に連結され、前記直線移動部材の直線移動方向に対して所定の動作角度に傾くように配置され、前記直線移動部材の直線移動によって動作角度が変化するように備えられた第1リンクと、
前記第1リンクと対称的に配置され、一端は前記移動プレートに連結され、他端は前記直線移動部材に連結され、前記直線移動部材の直線移動によって動作角度が変化するように備えられた第2リンクと、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項6】
前記ガイドホールは、
前記直線移動部材の移動方向に平行な直線移動経路と、前記直線移動経路から延び、直線移動経路と異なる方向に延びるように形成される延長移動経路と、を備えることを特徴とする、請求項4に記載の換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項7】
直線移動経路は、
延長移動経路と連通し、係合部が係合案内部の下部溝にかかったとき、第1リンクと第2リンクとを連結する連結ピンが位置する第1直線移動経路と、
第1直線移動経路と連通し、係合部が係合案内部から係合解除されたとき、第1リンクと第2リンクとを連結する連結ピンが位置する第2直線移動経路と、を含むことを特徴とする、請求項6に記載の換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項8】
前記移動プレートに備えられ、複数のコマを含む移動部と、
前記移動プレートに備えられ、移動部の高さを調節する高さ調節部と、を含み、
前記高さ調節部は、
移動部を取り囲み、移動部を貫通して配置される固定軸が挿入される傾斜ガイドホールを備える内部ハウジングと、
前記内部ハウジングを取り囲むように備えられ、前記固定軸が挿入され、上下方向に形成された垂直ガイドホールを備える外部ハウジングと、
前記内部ハウジングと外部ハウジングとをネジで連結し、前記内部ハウジングと外部ハウジングとの間の離隔距離を調節して、傾斜ガイドホール及び垂直ガイドホールに挿入された固定軸の上下方向の高さを調節することにより移動部の高さを調節する高さ調節ネジと、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体。
【請求項9】
固定板と、
前記固定板の前面の上部に位置する第1係合領域と、
第1係合領域から離隔して第1係合領域よりも下部に位置する第2係合領域と、
第1係合領域と第2係合領域との間に備えられる離隔空間部と、を含み、
第1係合領域の垂直中心線と第2係合領域の垂直中心線とは互いにずれて配置され、
前記第1係合領域は、下側及び前側が開口している第1側壁部と、第1側壁部のエッジから内側に延びる第1リブ部と、を含み、
前記第2係合領域は、上側及び前側が開口している第2側壁部と、第2側壁部のエッジから内側に延びる第2リブ部と、を含み、
前記離隔空間部が各係合領域の垂直中心線と直交する水平方向に開放されながら、各係合領域の側壁部とリブ部が互いに離隔配置され、
前記第1係合領域は前記第2係合領域の垂直中心線と重畳されるように一側に斜めに延長される拡張部を含むことを特徴とする、建具組立体用の係合案内部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体に関するものであり、具体的には窓が少し開けられて外部との換気可能な状態でも窓の開放を防止して防犯及び保安の機能を具現することができ、窓を便利に開放することができる水平密着建具組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、建具組立体は室内と室外とを隔離させる壁体の役割を果たすとともに、日光及び外部の新鮮な空気を流入させて室内を換気させることができるようにし、また外部の眺望及び開放感が感じられるようにする役割を果たす。このような建具組立体は、大別して、窓の開閉方式によって、開き戸建具組立体と引き戸建具組立体とに分類される。
【0003】
引き戸建具組立体は、開き戸建具組立体に比べて、開閉操作が便利であり、美麗な利点があるが、窓を閉めた状態で窓枠と窓との間に隙間があるので、気密性、水密性及び耐風圧性の面で性能が落ちるという欠点がある。
【0004】
したがって、前述した引き戸建具組立体の欠点を補うための方案として、窓が閉まった位置で窓の直線移動方向に対して直角の水平方向に窓を移動させて窓枠に密着させることで、窓枠と窓との間の隙間を無くして引き戸建具組立体の気密性能を向上させる水平移動装置が開発されている。
【0005】
例えば、水平移動装置の従来技術として、韓国公開特許第10-2012-0050035号の「水平密着建具」が知られている。前記従来技術の水平移動装置は、窓枠のレールにかかって維持されるローラーハウジングと、前記窓に固定的に取り付けられるベースプレートと、前記ローラーハウジングとベースプレートとを連結するガイドプレート及びリンク部材とからなり、ベースプレート側のガイドプレートに傾斜ガイドホールが形成され、ハードウェアの作動バーには前記傾斜ガイドホールに案内されるガイドピンが備えられて構成されたものである。
【0006】
したがって、ハードウェアの作動バーが直線運動してガイドピンを傾斜ガイドホールに案内することにより、ガイドプレート及びリンク部材を介してローラーハウジングに対してベースプレートを水平方向に近接または離隔させることができ、これにより窓を閉めるときには窓枠と密着させて建具組立体の気密を維持し、窓を開けるときには窓枠から離隔させて容易に開けることができるようにしたものである。
【0007】
また、韓国公開特許第10-2016-0033690号の「固定戸枠上にスライドドアを圧着するための機構」は、窓枠のレールにかかって維持されるガイド部材と、窓に固定的に取り付けられる固定部材とからなり、ガイド部材側に傾斜ガイドホールが形成され、ハードウェアの作動バーには前記傾斜ガイドホールに案内されるガイドピンが備えられて構成されたものであり、前記作動バーが直線運動してガイドピンを傾斜ガイドホールに案内することで、ガイド部材に対して固定部材を水平方向に近接または離隔させることにより、窓を閉めるときには窓枠と密着させて建具組立体の気密を維持し、窓を開けるときには窓枠から離隔させて窓を容易に開けることができるようにしたものである。
【0008】
しかし、従来技術は、もっぱら閉鎖状態または開き状態でのみ具現することができるだけで、換気を行う場合は、不可避に窓の開放状態を維持しなければならないので、保安や防犯に問題があるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0050035号公報
【文献】韓国公開特許第10-2016-0033690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、窓が少し開けられて外部との換気が可能な状態でも窓の開放を防止して外部人の侵入などの問題を解決することにその目的がある。
【0011】
また、本発明は、ハンドルの多様な回転方向のうち窓を開けるのに一番便利な方向に窓がスライド移動して開閉するようにすることで、窓の開閉性能を改善することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するための本発明は、窓フレーム及び窓フレームがスライド移動可能に設けられる窓枠と、窓フレームに回動可能に設けられるハンドルと、窓フレームの側面に備えられ、ハンドルの動きと連動して上下方向に動く係合部と、係合部が向き合う窓枠の相対位置に備えられ、係合部の位置によって前記係合部がかかるかまたはかからない係合案内部と、前記窓フレームの上面または下面のうちの少なくとも一方に備えられ、ハンドルと連動し、ハンドルの動きによって前記窓フレームを窓枠に水平密着させるかまたは水平密着を解除させる水平移動装置と、を含み、前記係合案内部は、上部に位置する第1係合領域と、第1係合領域から離隔して第1係合領域よりも下部に位置する第2係合領域と、第1係合領域と第2係合領域との間に備えられる離隔空間部とを含み、第1係合領域の垂直中心線と第2係合領域の垂直中心線とは互いにずれて配置され、係合部が第1係合領域または第2係合領域に位置する場合、窓枠の水平密着または水平密着解除を誘導し、係合部が離隔空間部に位置する場合、窓フレームの窓枠に対するスライド移動が可能であることを特徴とする換気機能及び水平密着機能を有する建具組立体を提供する。
【0013】
前記第1係合領域は、下側及び前側が開口している第1側壁部と、第1側壁部のエッジから延び、係合部がかかる第1リブ部とを含み、前記第2係合領域は、上側及び前側が開口している第2側壁部と、第2側壁部のエッジから延び、係合部がかかる第2リブ部とを含むことを特徴とする。
【0014】
前記第1係合領域の下側の開口部分は一側に拡張することで、第1係合領域を離脱した係合部が第2係合領域の方向に移動するように案内することを特徴とする。
【0015】
第1係合領域が偏った方向は窓フレームが窓枠に密着する方向に対応し、第1係合領域内の第1係合溝に係合部が位置してかかる場合、窓フレームが窓枠に密着して閉鎖状態になり、ハンドルの位置は下方に回転して位置し、第2係合領域が偏った方向は窓フレームが窓枠から離隔する方向に対応し、第2係合領域内の第2係合溝に係合部が位置する場合、窓フレームの窓枠に対する密着状態が解除され、窓フレームの側面と窓枠の側面との間に微細な間隔が発生し、係合部が第2係合領域にかかって開放が防止される状態になり、ハンドルの位置は上方に回転して位置することを特徴とする。
【0016】
係合部が第1係合領域と第2係合領域との間の離隔空間に位置する場合、ハンドルの位置は地面に平行に配置され、係合部が第1係合領域または第2係合領域と干渉しないので、窓が窓枠に沿ってスライドすることができることを特徴とする。
【0017】
前記水平移動装置は、固定プレートと、窓が窓枠に対して密着または離隔する水平方向に前記固定プレートに相対移動可能に配置され、前記窓枠のレールに沿って移動可能に設けられる移動部を備える移動プレートと、前記固定プレートに連結され、前記窓のハンドルと連結された作動バーの移動によって所定の距離だけ直線移動する直線移動部材と、前記直線移動部材の直線移動によって前記移動プレートを前記固定プレートに対して水平移動させる一対の動作リンクとを含み、前記直線移動部材には、前記作動バーの作動ピンが挿入され、ハンドルを回転させる場合、すぐ前記直線移動部材が移動するようにする作動ホールと、前記動作リンクを互いに連結させる連結ピンが挿入され、前記直線移動部材の移動によって前記連結ピンの移動をガイドするガイドホールとが形成され、前記係合部及び前記係合案内部が互いに係合され、水平移動装置による窓の窓枠に対する密着状態が解除される場合、窓と窓枠との間の隙間によって換気が可能になるとともに、隙間を形成して窓が制限的に動けるようにし、窓の自由な開放作用を防止することを特徴とする。
【0018】
前記動作リンクは、前記固定プレートに一端が連結され、他端は前記直線移動部材に連結され、前記直線移動部材の直線移動方向に対して所定の動作角度に傾くように配置され、前記直線移動部材の直線移動によって動作角度が変化するように備えられた第1リンクと、前記第1リンクと対称的に配置され、一端は前記移動プレートに連結され、他端は前記直線移動部材に連結され、前記直線移動部材の直線移動によって動作角度が変化するように備えられた第2リンクとを含むことを特徴とする。
【0019】
前記ガイドホールは、前記直線移動部材の移動方向に平行な直線移動経路と、前記直線移動経路から延び、直線移動経路と異なる方向に延びるように形成される延長移動経路とを備えることを特徴とする。
【0020】
直線移動経路は、延長移動経路と連通し、係合部が係合案内部の下部溝にかかったとき、第1リンクと第2リンクとを連結する連結ピンが位置する第1直線移動経路と、第1直線移動経路と連通し、係合部が係合案内部から係合解除されたとき、第1リンクと第2リンクとを連結する連結ピンが位置する第2直線移動経路とを含むことを特徴とする。
【0021】
前記移動プレートに備えられ、複数のコマを含む移動部と、前記移動プレートに備えられ、移動部の高さを調節する高さ調節部とを含み、前記高さ調節部は、移動部を取り囲み、移動部を貫通して配置される固定軸が挿入される傾斜ガイドホールを備える内部ハウジングと、前記内部ハウジングを取り囲むように備えられ、前記固定軸が挿入され、上下方向に形成された垂直ガイドホールを備える外部ハウジングと、前記内部ハウジングと外部ハウジングとをネジで連結し、前記内部ハウジングと外部ハウジングとの間の離隔距離を調節して、傾斜ガイドホール及び垂直ガイドホールに挿入された固定軸の上下方向の高さを調節することにより移動部の高さを調節する高さ調節ネジと、を含むことを特徴とする。
【0022】
一方、本発明は、固定板と、前記固定板の前面上部に位置する第1係合領域と、第1係合領域から離隔し、第1係合領域よりも下側に位置する第2係合領域と、第1係合領域と第2係合領域との間に備えられる離隔空間部とを含み、第1係合領域の垂直中心線と第2係合領域の垂直中心線とは互いにずれて配置されることを特徴とする建具組立体用係合案内部を提供する。
【0023】
また、前記第1係合領域は、下側及び前側が開口している第1側壁部と、第1側壁部のエッジから内側に延びる第1リブ部とを含み、前記第2係合領域は、上側及び前側が開口している第2側壁部と、第2側壁部のエッジから内側に延びる第2リブ部とを含むことを特徴とする。
【0024】
前記第1係合領域の下側の開口部分は一側に拡張して拡張部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明によれば、既存の建具組立体が有している閉鎖モード及び開放モードの他にも、換気可能モードを加えることで、換気が可能でありながらも窓が開けられない状態を具現することにより、保安性を強化することができるという利点がある。
【0026】
具体的に説明すると、窓のフレームに装着された係合部が係合案内部に備えられた上部の第1係合領域またはこれと離隔している下部の第2係合領域にそれぞれ備えられた係合溝にかかる。第1係合領域にかかる場合は、窓が窓枠に水平密着して完全なロックになることによって閉鎖モードが具現される。
【0027】
一方、下部の第2係合領域にかかる場合は、水平密着は解除されるが、依然として係合部が第2係合領域にかかっているので、窓は開けられないながらも窓枠と窓との間の隙間を通して室内外の空気が通過することにより換気モードが具現される。
【0028】
一方、係合案内部の第1係合領域と第2係合領域との間には離隔空間が形成され、離隔空間には係合部がかかる部分がないので、使用者が窓を容易にスライド移動させて開放させることができる。
【0029】
水平密着閉鎖モードでは、ハンドルが下方に向かい、開放モードではハンドルが水平に配置され、換気モードではハンドルが上方に向かう位置を取る。水平状態でハンドルを握って引っぱると窓が容易に開けられるので、開放の容易性または便宜性を極大化することができる。
【0030】
特に、閉鎖モードから開放モードへの転換やその反対の転換、または換気モードから開放モードへの転換やその反対の転換をハンドルの90度回転のみで容易になし得るので、使用者の便宜性を向上させる。
【0031】
一方、直線移動部材に備えられる直線移動経路は長く形成され、直線移動経路が第1直線移動経路と第2直線移動経路とに区分されている。換気可能モードでは、リンクを連結する結合ピンが第1直線移動経路に位置し、開放モードでは、結合ピンが第2直線移動経路に位置することにより、換気可能モードを実質的に円滑に具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】本発明による建具組立体の水平密着が解除された状態の側断面図である。
【
図3】本発明による建具組立体の水平密着状態の側断面図である。
【
図4】本発明による建具組立体の係合部及び係合案内部の斜視図である。
【
図5】本発明による建具組立体の係合案内部の斜視図及び正面図である。
【
図6】本発明による建具組立体の係合部と係合案内部との間の相互動作過程を示す斜視図である。
【
図7】本発明による建具組立体の係合部と係合案内部との間の相互動作過程を示す正面図である。
【
図8】本発明による建具組立体の水平移動装置が取り付けられた状態を示す図である。
【
図9】本発明による建具組立体の水平移動装置の上部斜視図である。
【
図10】本発明による建具組立体の水平移動装置の部分解斜視図である。
【
図11】本発明による建具組立体の水平移動装置を上から見た全体分解斜視図である。
【
図12】本発明による建具組立体の直線移動部材の平面図である。
【
図13】本発明による建具組立体の水平移動装置を覆して示した全体分解斜視図である。
【
図14】本発明による建具組立体の水平移動装置を覆して示した斜視図である。
【
図15】本発明による建具組立体の水平移動装置を覆して示した斜視図である。
【
図16】本発明による建具組立体の水平移動装置の側面図である。
【
図17】本発明による建具組立体の水平移動装置の底面図である。
【
図18】本発明による建具組立体の換気モードの際の水平移動装置の状態を示す図である。
【
図19】本発明による建具組立体の開放可能モードの際の水平移動装置の状態を示す図である。
【
図20】本発明による建具組立体の閉鎖モードの際の水平移動装置の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は多様に変更することができ、さまざまな実施例を有することができるが、ここでは特定の実施例を図面に例示して説明しようとする。
【0034】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0035】
第1、第2などの序数を含む用語を多様な構成要素を説明するのに使うことができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。
【0036】
前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使われる。
【0037】
例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範疇内で第2構成要素は第1構成要素と名付けることができ、同様に第1構成要素も第2構成要素と名付けることができる。
【0038】
及び/またはという用語は複数の関連した項目の組合せまたは複数の関連した項目のいずれか項目を含む。
【0039】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と言及された場合には、その他の構成要素に直接連結されているかまたは接続されていることもあるが、中間にさらに他の構成要素が存在することもあると理解されなければならないであろう。
【0040】
一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」または「直接接続されている」と言及された場合には、中間にさらに他の構成要素が存在しないと理解されなければならないであろう。
【0041】
本出願で使用した用語はただ特定の実施例を説明するために使用したものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。
【0042】
単数の表現は、文脈上特に他の指示がない限り、複数の表現を含む。
【0043】
本出願で、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せが存在することを示そうとするものであるだけで、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0044】
以下、添付図面に基づいて実施例を詳細に説明する。図面符号に関係なく、同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照符号を付け、これについての重複説明は省略する。
【0045】
本発明による、水平密着機能を有する建具組立体(以下、「建具組立体」と言う)10は、レールが形成され、窓が動ける開口部21を有する窓枠20と、窓枠20の内部に着座し、スライド移動することができる窓30とからなる。
【0046】
窓30は、その縁部に窓フレーム31が設けられ、窓フレーム31の一面には回転可能なハンドル40が備えられる。ハンドル40は上下方向に180度回転可能である。ハンドル40の位置による窓の状態は次のようである。
【0047】
ハンドル40の端部41(回動部42の反対側)が上方に回転すると、窓30は換気可能状態になる。窓フレーム31と窓枠20との間の水平密着状態ではなく、窓フレーム31が窓枠20の何の部位とも干渉しない状態になる。窓30と窓枠20との間の配置関係は
図2のようである。
【0048】
この場合、後述する窓30の係合部300(
図4参照)が窓枠20の係合案内部200の第2係合領域204(
図5参照)にかかっている状態になるので、窓30がスライド移動することができなくて開放することができない。
【0049】
それにもかかわらず、窓フレーム31と窓枠20との間に狭い隙間が発生することができ、この隙間を通して内外部の空気が通過しながら換気の機能を果たすことができる。
【0050】
窓フレーム31を開放方向に動かそうとすると、窓フレーム31ががたつきながら動こうとするが、結果的に上述した係合部300と係合案内部200の第2係合領域204との係合関係によって開放することができない。
【0051】
したがって、この状態で窓30が動く距離は係合部30が係合案内部の内部に入った状態で少しは動くが、結局はかかってそれ以上移動することができないときまでの距離程度(例えば、0.5~1cm)になる。
【0052】
ハンドル40が地面に対して水平に配置されると、窓30は開放可能状態になる。窓フレーム31と窓枠20との間の水平密着状態ではなく、窓フレーム31が窓枠20の何の部位とも干渉しない状態になる。窓30と窓枠20との間の配置関係はやはり
図2のようである。
【0053】
したがって、使用者が太矢印の方向に窓30を移動させると、窓フレーム31がレールに沿って移動して開放状態になる。すなわち、
図2のように、窓フレーム31が
図2の左側方向または窓枠20の外側方向に配置され、窓枠20の中間領域から離隔した状態になる。
【0054】
使用者は水平に配置されたハンドル40を握って開放方向(太矢印方向)に移動させると、窓30が開放方向に移動することができ、反対に使用者が水平に配置されたハンドル40を握って閉鎖方向(太矢印の反対方向)に移動させると、窓30が閉鎖方向に移動することができる。
【0055】
ここで、未説明符号1100は後述する水平移動装置であり、22は水平移動装置に備えられたコマが着座するレールである。
【0056】
一方、ハンドル40の端部41(回動部42の反対側)が下方に回転すると、窓30は閉鎖状態になる。窓フレーム31と窓枠20との間の水平密着状態になり、窓枠20にある係合案内部200の第1係合領域203に窓30の係合部300がかかる状態になる。
【0057】
すなわち、
図3のように、窓30が、
図2の状態と比較して、相対的に一側に(
図3の右側)移動して、窓枠20の中央部にある壁(図示せず)またはリブ(図示せず)に密着する状態になる。
【0058】
図4に示すように、ハンドル40は、公知の所定の連結構造を介して垂直作動バー32と連動する。垂直作動バー32は前記窓フレーム31の側面に備えられ、ハンドル40の回転によって上方または下方に動ける長帯形のバー(bar)である。
【0059】
垂直作動バー32には係合部300が突設され、係合部300は、胴部301と、胴部301の外径よりも大きく形成されて段差をなす係合突起302とを含む。未説明符号303はレンチ孔である。
【0060】
窓30の閉鎖機能を具現するために、ハンドル40を下方に回転(点線矢印)させると、垂直作動バー32及びこれに連結された係合部300が上昇する。
【0061】
窓30の換気機能を具現するために、ハンドル40を上方に回転(実線矢印)させると、垂直作動バー32及びこれに連結された係合部300が下降する。
【0062】
窓30のスライド移動が可能になって開放または閉鎖動作ができるようにハンドル40を水平方向に位置させると、垂直作動バー32及びこれに連結された係合部300は、前記換気機能の際の垂直作動バー32及びこれに連結された係合部300の位置と、閉鎖機能の際の垂直作動バー32及びこれに連結された係合部300の位置との中間に位置する。
【0063】
係合部300の対向側には係合案内部200が備えられる。
図5に示すように、係合案内部200は窓枠20の内側面に固定される。係合案内部200は、ネジが挿入される挿入ホール202a、202b、202cを有する固定板201と、固定板201の前面の上側領域に位置する「∩」字形の第1係合領域203と、第1係合領域203よりも下側に配置され、第1係合領域203から離隔している「∪」字形の第2係合領域204とを備える。
【0064】
そして、第1係合領域203と第2係合領域204との間には離隔空間部Sが形成されている。
【0065】
第1係合領域203は、窓30が窓枠20に水平に密着するように案内する役割を果たす。
【0066】
第1係合領域203は、下側及び前側が開口している第1側壁部203aと、第1側壁部203aのエッジから内側に延び、係合部300がかかる第1リブ部203bとを含む。
【0067】
したがって、第1リブ部203bによって段差構造が形成され、この段差部分に係合部300の係合突起302がかかることにより前方に抜け出ることができず、この状態では窓30がスライド移動することが防止される。
【0068】
第1リブ部203b及び第1側壁部203aによって、係合部300がかかる第1係合溝203dが形成され、第1係合溝203dの開口部は下方に開口している。
【0069】
そして、第1係合領域203の下側の開口部に隣接した側壁及びリブ部が一側に斜めに拡張した拡張部203cを備える。この拡張部203cは、第1係合領域203を離脱した係合部300が第2係合領域204の方向に移動することができるように案内する。
【0070】
第2係合領域204は、窓30が窓枠20に対して水平移動して密着解除された状態を維持するように支持する役割を果たす。この状態で、上述した換気モードが可能である。
【0071】
第2係合領域204は、上側及び前側が開口している第2側壁部204aと、第2側壁部204aのエッジから内側に延び、係合部300がかかる第2リブ部204bとを含む。
【0072】
したがって、第2リブ部204bによって段差構造が形成され、この段差部分に係合部300の係合突起302がかかることにより、前方に抜け出ることができず、この状態では窓30がスライド移動することが防止される。
【0073】
第2リブ部204b及び第2側壁部204aによって、係合部300がかかる第2係合溝204dが形成され、第2係合溝204dの開口部は上方に開口している。
【0074】
そして、第2係合領域204の上側の開口部分の内側の両面には傾斜部204cまたは面取部が備えられる。これは、係合部300が下降してから第2係合溝204dの内部に容易に進入するように案内するためのものである。
【0075】
一方、第1係合溝203d及び第2係合溝204dはいずれも後面が開いていることが好ましい。これは、係合案内部200の重さ及び材料量を減らすためである。
【0076】
第1係合領域203及び第2係合領域204の間には離隔空間部Sが備えられている。よって、係合部300が第1係合領域203から離脱して下降するかまたは係合部300が第2係合領域204から離脱して上昇して離隔空間部Sに位置する状態で、使用者が窓30をスライド移動させるために外力を加えれば(例えば、ハンドルを握って開放方向に引っぱると)、係合部300が係合案内部200にかかることがないので、窓30が円滑にスライド移動して開放することができる。
【0077】
第1係合領域203の垂直中心線C1と第2係合領域204の垂直中心線C2とは互いにずれて配置されるので、係合部300が第1係合領域203または第2係合領域204に位置する場合、窓枠の水平密着または水平密着解除を誘導する。そして、係合部300が離隔空間部Sに位置する場合、窓フレームの窓枠に対するスライド移動が可能である。
【0078】
図6(a)及び
図7(a)に示すように、係合部300が第1係合溝203dに位置する場合、窓30は窓枠20に水平密着しており、係合部300の係合突起302は第1リブ部203b(
図5参照)にかかっているので、窓30は絶対開けられることができず、窓30と窓枠20との間の水平間隔もない。
【0079】
この状態では、外部空気の流入が完全に遮断される。
【0080】
この状態で、ハンドル40を上方に徐々に回転させてハンドル40が水平状態になると、窓30の水平密着状態が解除され、
図6(b)及び
図7(b)に示すように、係合部300が離隔空間部Sに位置する。
図6(b)では係合部300が遮られて見えないが、その位置はおよそ取付ホール202cの前側になる。
【0081】
図6(a)及び
図7(a)のような水平密着状態でハンドル40を90度回転させて水平状態に変換させると、水平密着が解除され、
図6(b)及び
図7(b)のような開放可能状態になり、その過程で係合部300が下降して拡張部203cの方向に移動し、その状態で垂直方向に下降する。
【0082】
その後、離隔空間部Sに位置するようになる。
【0083】
係合部300が離隔空間部Sに位置すると、係合部300がかかる部位がないので、窓が容易にスライド移動して開放することができる。
【0084】
一方、その状態で上方に90度回転させてハンドル40が上側に位置させると、
図6(c)及び図(c)に示すように、係合部300が第2係合領域204に位置する。
【0085】
係合部300は下降して第2係合溝204dに進入し、係合突起302は第2リブ部204bにかかるので、前方(窓の開放方向)への離脱が防止される。
【0086】
ただ、水平密着状態が解除されて窓枠20と窓30とが水平に離隔しているので、少しの隙間が発生し、また、窓30を動かそうとすると、がたつきながら少し搖れることがあり得る。
【0087】
窓30の側面と窓枠20の内側面との間に隙間が発生するので、この隙間を通して換気が可能である。
【0088】
窓30の水平密着動作または水平密着解除動作を引き起こす水平移動装置1100について説明する。
【0089】
図8は、窓フレーム31の下部領域を除去し、その内部にある部品の構造を示す図である。窓フレーム31の下部には、垂直作動バー31と連結される水平作動バー34が窓フレーム31の長手方向に沿って配置される。
【0090】
窓フレーム31のコーナー部には「L」字形の折曲された第1連結作動バー33が備えられて垂直作動バー34と垂直作動バー32とを連結する。
【0091】
一方、水平移動装置1100は複数が離隔して備えられ、それぞれの水平移動装置1100にはそれぞれ水平作動バー34が連結され、それぞれの水平作動バー34は水平に配置される第2連結作動バー35によって連結されて一緒に動くことができる。
【0092】
水平作動バー34は水平移動装置1100と連結され、特に水平移動装置1100の直線移動部材1130と連結される。
【0093】
したがって、ハンドル40を回転させると、垂直作動バー32及び係合部300が上下運動し、よって、水平作動バー34が水平運動し、これに連結された直線移動部材1130も水平運動する。
【0094】
一方、
図9~
図11に示すように、水平移動装置1100は、窓30に連結される固定プレート1110と、窓30が窓枠20に対して密着または離隔する水平方向に前記固定プレート1110に相対移動可能に配置され、前記窓枠のレール(図示せず)に沿って移動可能に設けられる移動部1178を備える移動プレート1120とを含む。
【0095】
そして、固定プレート1110に連結され、前記窓30の作動バー(図示せず)の移動によって所定の距離だけ直線移動する直線移動部材1130、及び前記直線移動部材1130の直線移動によって移動プレート1120を前記固定プレート1110に対して水平移動させる動作リンク1140、1150を含むことができる。
【0096】
固定プレート1110は窓30に固定的に取り付けられ、固定プレート1110に移動プレート1120が移動可能に配置される。
【0097】
前記移動プレート1120は、窓30が窓枠20に対して密着または離隔する水平方向に移動可能に前記固定プレート1110に配置される。また、前記移動プレート1120には前記窓枠のレール(図示せず)に沿って移動可能に設けられる移動部1178を備えることができる。
【0098】
したがって、ハンドル40(
図1参照)を下げてその端部が下方に向かうように操作して窓30が窓枠40に密着して動けないように固定させることは、移動プレート1120と固定プレート1110との間の相対水平移動によってなされる。
【0099】
この場合、移動プレート1120は前述した移動部1178によって窓枠20のレール(図示せず)に連結された状態であるので、固定プレート1110が窓枠20に密着する方向に相対移動するようになる。
【0100】
結局、固定プレート1110が連結された窓30が窓枠20に密着するようになる。
【0101】
一方、ハンドル40を上げてその端部が上方に向かうようにするか、または水平状態に操作する場合は、前記固定プレート110が窓枠20から離隔する方向に相対移動することにより、窓枠20と窓30との間の密着状態が解除される。
【0102】
固定プレート1110は、移動プレート1120を移動可能に案内するガイド部1112を備えることができる。
【0103】
すなわち、ガイド部1112によって前記移動プレート120の両端部を垂直方向(長手方向)に拘束し、移動プレート1120は水平方向に移動可能にガイド部1112に収容される。
【0104】
したがって、後述するように、直線移動部材1130の移動によって移動プレート1120と固定プレート1110とは互いに相対移動が可能になる
【0105】
一方、固定プレート1110の下面に前述した移動プレート1120が配置された場合、固定プレート1110の上面には直線移動部材1130が連結されることができる。
【0106】
直線移動部材1130は窓に取り付けられる水平作動バー34と連動して水平作動バー34の移動方向と同じ方向に移動するように設けられることができる。
【0107】
この場合、窓水平移動操作区間、すなわちハンドル40の回転操作によって窓30が実質的に水平移動を開始して窓枠20に密着するときまでの区間で、水平作動バー34と連動するようになっている。
【0108】
水平作動バー34と直線移動部材1130との連動構造のために、本実施例では、前記直線移動部材1130に、作動バー34の作動ピン(図示せず)が挿入されて案内される作動ホール1132が形成されることができる。
【0109】
作動ホール1132が円形に形成される場合、窓のハンドル40を回転させるとき、すぐ前記直線移動部材1130が移動するか、または窓のハンドル40の回転と同時に前記直線移動部材1130が移動するようにすることができる。
【0110】
したがって、窓のハンドルを従来のように180度回転させるものではなく、90度のみ回転させても窓を窓枠に密着させるか(開放可能モードからロックモードへの変換の際)または窓を窓枠から離隔(ロックモードから開放可能モードへの変換の際)させることができる。
【0111】
一方、固定プレート1110と直線移動部材1130とは第1リンク1140を介して連結され、移動プレート1120と直線移動部材1130とは第2リンク1150を介して連結されることができる。
【0112】
例えば、第1リンク1140の一端は固定プレート1110に連結され、他端は直線移動部材1130に連結される。また、第2リンク1150の一端は移動プレート1120に連結され、他端は前記直線移動部材1130に連結される。
【0113】
ここで、直線移動部材1130を基準に、第1リンク1140及び第2リンク1150は互いに対称状に配置される。これにより、直線移動部材1130の直線移動方向に対して傾き、所定の角度の動作角度を有するように設けられる。
【0114】
したがって、前記直線移動部材1130の直線移動によって動作角度が変化することにより、固定プレート1110と移動プレート1120とが相対移動することができる
【0115】
ここで、第1リンク1140と第2リンク1150とは直線移動部材1130を間に挟んでそれぞれ直線移動部材1130の両側にそれぞれ配置されて直線移動部材1130に対して同じ位置条件になり、第1リンク1140及び第2リンク1150の長さは同一になって前記移動プレート1120と前記固定プレート110とが水平方向(窓の移動方向と直交する方向)に相対移動することができる。
【0116】
この場合、第1リンク1140の一端には第1連結ホール1141が形成され、第1ヒンジピン1144が第1連結ホール1141を貫通して固定プレート1110の第1固定ホール1113に固定されることができる。
【0117】
第2リンク1150の一端には第2連結ホール1151が形成され、第2ヒンジピン1154が移動プレート120の第2固定ホール1126を貫通して第2連結ホール1151に固定されることができる。
【0118】
ここで、固定プレート1110には、前記第2ヒンジピン1154が通過するように、長孔形の凹部1115が形成されることができる。
【0119】
すなわち、第2ヒンジピン1154は凹部1115を単純に通過するように配置され、固定プレート1110には締結または連結されない。
【0120】
また、第1リンク1140及び第2リンク1150の他端は、直線移動部材1130を貫通して設けられる一つの連結ピン1128によって連結される。すなわち、連結ピン1128は第1リンク1140の他端に形成された第3連結ホール1142及び第2リンク1150の他端に形成された第4連結ホール1152を連結させる。
【0121】
したがって、直線移動部材1130の移動によって加わる力を第1リンク1140及び第2リンク1150の一端に連結された固定プレート1110及び移動プレート1120に最大限に均一な力で伝達することができるようにする。
【0122】
直線移動部材1130には、第1リンク1140と第2リンク1150とを互いに連結させる連結ピン1128が挿入され、直線移動部材1130の移動によって連結ピン1128の移動をガイドするガイドホール1310が形成されることができる。
【0123】
ガイドホール1131は、直線移動部材1130が移動するとき、第1リンク1140と第2リンク1150とを互いに連結させる連結ピン1128をガイドする役割を果たすようになる。
【0124】
そして、連結ピン1128の上部には固定ワッシャ1155が備えられることで、連結ピン1128とガイドホール1310との間の離脱を防止する。
【0125】
図12に示すように、前記ガイドホール1131は、前記直線移動部材1130の移動方向に平行な直線移動経路1131b、1131cと、直線移動経路1131b、1131cと異なる方向に延設された延長移動経路1131aとを備えることができる。
【0126】
延長移動経路1131aの形成方向は直線移動経路1131b、1131cに対して直交または垂直方向であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0127】
後述するが、延長移動経路1131aに連結ピン1128が位置する場合には窓の閉鎖モードになり、第1直線移動経路1131bに連結ピン1128が位置する場合は開放モードになり、第2直線移動経路1131cに連結ピン1128が位置する場合は開放可能モードになる。
【0128】
移動プレート1120に備えられる移動部1178は、窓枠20のレール(図示せず)に沿って移動可能に設けられるガイドローラー3200及びコマ1179を含むことができる。
【0129】
一方、窓のサイズ及び窓枠のサイズが規格化して提供される場合も、小さい公差などによって誤差が発生することがある。この場合、前記窓に備えられた移動部1178が前記窓枠20のレールに正確に接触しないことがあり、これは窓の移動を妨げる要因として作用する。
【0130】
したがって、本発明による建具組立体の移動部1178は、前記移動プレート1120に備えられ、移動部1178の高さを調節する高さ調節部1190を備えることができる。
【0131】
高さ調節部1190によって、コマ1179を含む移動部1178の高さを調節することにより、窓枠のレールに移動部1178が正確に接触するようにすることができる。
【0132】
図13及び
図14に示すように、移動部1178がコマ1179から構成された場合、前記コマ1179は一対で構成されることができ、両側にコマ支持板1171を備えることができる。
【0133】
前記コマ支持板1171は、前記コマ1179が一列に配置された場合、コマ1179を両側で回転可能に支持する役割を果たすようになる。
【0134】
ここで、コマ支持板1171には、コマ1179の回転軸1174、1177が貫通して連結される貫通ホール1172、1173が形成されることができる。一対のコマ1179を備える場合、回転軸1174、177及び貫通ホール1172、1173も一対が形成されることができる。
【0135】
さらに、コマ支持板1171の中央部には、コマ支持板1171を固定する支持軸1176が貫通して配置されることができる。前記支持軸1176は前記コマ支持板1171の中央貫通ホール1170を貫通して配置されることができる。
【0136】
一方、突出部1122は移動プレート1120から移動部1178に向かって突設され、移動部1178の支持軸1176が貫通する。高さ調節部1190は突出部1122と連結され、高さ調節の作用をする。
【0137】
突出部1122は移動プレート1120と一体に形成されているものを示したが、別個の結合構造であっても可能である。
【0138】
突出部1122には、移動部1178の支持軸1176が垂直上下方向に移動するようにガイドし、支持軸1176が貫通する垂直ガイドホール1124が形成されることができる。
【0139】
垂直ガイドホール1124は垂直または上下方向に形成され、後述するように支持軸1176が上下に移動する場合にガイドする役割を果たすことができる。
【0140】
一方、突出部1122の端部には、ガイドローラー3200を支持する支持ピン3201が装着されて固定される支持ホール1123が備えられる。
【0141】
高さ調節部1190は、「コ」字形に具現され、コマ1179及びコマ支持板1171を取り囲む内部ハウジング1191と、内部ハウジング1191を取り囲む外部ハウジング1192とを含む。
【0142】
そして、内部ハウジング1191と外部ハウジング1192とは、相互間の間隔調節ができるように、調節ネジ1193によって連結され、外部ハウジング1192の外側には、調節ネジ1193に結合され、調節ネジ1193の動きをガイドするとともに強度を補強するガイド板1194が備えられ、ガイド板1194にはガイド溝1194aが一側が開放した形態に形成される。ガイド溝1194aは調節ネジ1193の螺糸山が通過する。
【0143】
内部ハウジング1191には傾いた傾斜案内孔1191aが備えられ、外部ハウジング1192には垂直案内孔1192aが備えられ、支持軸1176が傾斜案内孔1191a及び垂直案内孔1192aを貫通して配置される。
【0144】
そして、内部ハウジング1191の短辺側の内部には調節ネジ1193が回転可能に締結されることができるナット形態のネジ支持部1195が備えられており、外部ハウジング1192の短辺及び内部ハウジング1191の短辺には、調節ネジ1193が貫通する外部貫通孔1192b及び内部貫通孔1191bがそれぞれ備えられている。
【0145】
外部貫通孔1192b及び内部貫通孔1191bには共に螺糸山タップが形成されることが好ましい。
【0146】
したがって、使用者が調節ネジ1193を回せば、外部ハウジング1192と内部ハウジング1191との間の距離が変わり、傾斜案内孔1191aと垂直案内孔1192aとが相対移動し、その間に挟まった支持軸1176が傾斜案内孔1191aに沿って上下に移動する。
【0147】
すなわち、
図15及び
図16の状態で、調節ネジ1193を回すことにより、外部ハウジング1192に内部ハウジング1191が近くなれば、支持軸1176が傾斜案内孔1191aの傾斜面の下部領域に位置し、垂直案内孔1192aに沿って下方に下降する。
【0148】
これにより、固定プレート1120/移動プレート1130とコマ1179との間の間隔が大きくなって水平移動装置1100の全高が高くなる。
【0149】
反対に、調節ネジ1193を回すことで外部ハウジング1192から内部ハウジング1191が遠くなると、支持軸1176が傾斜案内孔1191aの傾斜面の上部領域に位置し、垂直案内孔1192aに沿って上方に上昇する。
【0150】
よって、固定プレート1120/移動プレート1130とコマ1179との間の間隔が小さくなって水平移動装置1100の全高が低くなる。
【0151】
先に、直線移動部材1130のガイドホール1131は、直線移動部材1130の移動方向に平行な直線移動経路1131b、1131cと、直線移動経路1131b、1131cから延び、直線移動経路1131b、1131cと異なる方向に延設される延長移動経路1131aとを備えると説明した。
【0152】
図7及び
図10~
図12に示すように、直線移動経路1131b、1131cは延長移動経路1131aと連通し、係合部300が係合案内部200の下部溝213にかかったとき、第1リンク1140と第2リンク1150とを連結する連結ピン1154が位置する第1直線移動経路1131bと、第1直線移動経路1131bと連通し、係合部300が係合案内部200から係合解除されたとき、第1リンク1140と第2リンク1150とを連結する連結ピン1154が位置する第2直線移動経路1131cとを含む。
【0153】
連結ピン1128が延長移動経路1131aに位置すると、水平密着状態及び閉鎖状態またはモードであり、ハンドル40の端部41は下方に向かう(
図1参照)。
【0154】
連結ピン1128が第1直線移動経路1131bに位置すると、水平密着状態解除及び開放可能状態またはモードであり、ハンドル40の端部41は水平方向に向かう。
【0155】
連結ピン1128が第2直線移動経路1131cに位置すると、水平密着状態解除及び換気可能状態であり、ハンドル40の端部は上方に向かう。
【0156】
図18のように、窓が換気状態にある状態で使用者がハンドル40を上から下に180度回転させると、前記直線移動部材1130が矢印(点線)方向に移動する。
【0157】
この場合、
図20のように、直線移動部材1130が移動するのに伴い、前記第1リンク1140と第2リンク1150とを連結する連結ピン1128が前記直線移動部材1130のガイドホール1131の案内によって、直線移動部材1130の移動方向に移動して延長移動経路1131aに配置され、前記第1リンク1140と第2リンク1150との動作角度θ2が大きくなり、移動プレート1120と固定プレート1110とが相対移動して距離が遠くなる。
【0158】
移動プレート1120と固定プレート1120とが互いに相対運動して相対的に遠くなると、移動プレート1120は前述した移動部1178によって窓枠のレールに連結された状態であるので、固定プレート1110が窓枠20に密着するようになる(
図3状態)。
【0159】
垂直作動バー32は最大限に上昇した状態になり、よって係合部300も最大限に上昇して係合案内部200の第1係合領域203の第1係合溝203dにかかる(
図6(a)及び
図7(a)の状態)。これを第1位置と定義することができる。
【0160】
その状態で、使用者が開放可能モードを活用するために、
図20の状態でハンドル40を90度上方に回転させてハンドル40を水平状態にすると、
図19に示すように、直線移動部材1130が矢印(実線)方向に移動する。
【0161】
この場合、連結ピン1128が直線移動部材1130の延長移動経路1131aを離脱して第1直線移動経路1131bに位置する。そして、第1リンク1140と第2リンク1150との動作角度θ1が小さくなり、移動プレート1120と固定プレート1110とが相対移動することによって距離が近くなる。
【0162】
移動プレート1120と固定プレート1110とが近くなると、移動プレート1120は前述した移動部1178によって窓枠のレールに連結された状態であるので、前記固定プレート1110が前記窓枠から離れる(
図2の状態)。
【0163】
すると、垂直作動バー32は閉鎖状態よりも少し下降した状態になり、よって係合部300は係合案内部200の第1係合領域203を逸脱して離隔空間部Sに位置する。よって、開放可能状態になる(
図6(b)及び
図7(b)状態)。これを第2位置と言える。この状態では、係合部300が係合案内部200によって拘束されないので、窓30を自由にスライド移動させて開放することができる。
【0164】
この状態で、使用者が換気モードを活用するために、
図19の状態でハンドル40を上方に90度回転させてハンドル端部41が上方に向かう状態にすると、
図18に示すように、直線移動部材1130が矢印(実線)方向に移動する。
【0165】
この場合、連結ピン1128が第1直線移動経路1131bを離脱して第2直線移動経路1131cに位置する。第1リンク1140と第2リンク1150との動作角度θ1は開放可能モード状態と同一であり、水平密着状態の解除も維持される(
図2参照)。
【0166】
すると、垂直作動バー32は開放可能モード状態よりも下降した状態になり、よって係合部300は離隔空間部S上の位置よりも下方に移動して第2係合領域204に進入する(
図6(c)及び
図7(c)の状態)。これを第3位置と言える。
【0167】
したがって、この状態では、係合部300が第2係合領域204にかかってスライド移動方向に移動することが制限されるので、窓30が開けられることはなく、水平密着状態が解除されるので、換気は可能である。
【0168】
以上のように、本発明を図面に示した実施例に基づいて説明したが、これは本発明を説明するためのものであるだけで、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば発明の詳細な説明から多様な変形または均等な実施例が可能であるというのが理解可能であろう。
【0169】
したがって、本発明の真正な権利範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって決定されなければならない。