(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】電子タバコカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240304BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240304BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2024019043
(22)【出願日】2024-02-10
(62)【分割の表示】P 2023203715の分割
【原出願日】2019-03-27
【審査請求日】2024-02-10
(31)【優先権主張番号】P 2018060307
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018060310
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-524368(JP,A)
【文献】特表2015-503337(JP,A)
【文献】特表2014-515274(JP,A)
【文献】特開昭51-12999(JP,A)
【文献】特開昭52-10500(JP,A)
【文献】国際公開第2014/016961(WO,A1)
【文献】特開昭50-154499(JP,A)
【文献】米国特許第3431915(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状または円筒形状の外観を呈する電子タバコカートリッジであって、
エアロゾル形成基材と、前記エアロゾル形成基材の下流側に、支持要素、移送部材、マウスピースの順で隣接したものが、包装シートで巻かれて形成されており、
前記エアロゾル形成基材は、円筒状の包装部材と、前記包装部材の内部に充填された電子タバコ用充填物と、を含み、
前記電子タバコ用充填物は、シート状部材を有して構成され、前記エアロゾル形成基材、前記支持要素、前記移送部材、前記マウスピースが隣接配置される一方向を前記電子タバコカートリッジの長手方向とし、前記長手方向を前記電子タバコカートリッジの第1方向としたとき、前記シート状部材に前記第1方向に沿って切込みが形成され、前記切込みは、前記シート状部材の一の表面に前記シート状部材を貫通しない深さで形成され、前記第1方向に沿った方向に、前記包装部材の内径よりも小さい幅で折り畳んで、前記包装部材に充填されている、
ことを特徴とする、電子タバコカートリッジ。
【請求項2】
前記エアロゾル形成基材の上流側に蓋が配置されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項3】
前記エアロゾル形成基材または前記支持要素の側部が、接着剤により前記包装シートに固定されている、
ことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の電子タバコカートリッジ。
【請求項4】
加熱要素を有しない電子タバコ本体に装着されて使用される、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子タバコカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコ用充填物及び電子タバコカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タバコの禁煙の傾向に合わせるために、火炎を用いることなく、タバコの成分を含むカートリッジを加熱して、気化したタバコ成分を吸引することで、タバコを楽しむための電子タバコ製品が普及し始めている。このような電子タバコカートリッジに充填するタバコ充填物の形態としては、エアロゾルフォーマを有するシートを捲縮させ、集合させることの開示がある(特許文献1)。また、シートを折り畳んで円筒体中に収容した喫煙物品の開示がある(特許文献2)。さらに、均質化タバコ材料のギャザー付きシートを備える喫煙物品用ロッドの発明が公知である(例えば特許文献3参照)特許文献3に記載される喫煙物品用ロッドは、均質化タバコ材料の連続シートを捲縮し、ギャザーを付けた後に、ラッパーで取り囲んで連続ロッドを形成する。連続ロッドは、複数の個別ロッドに切断される。特許文献3記載の喫煙物品用ロッドは、均質化タバコ材料の細断片を含むロッドよりも均一な密度を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2017-524368号公報
【文献】国際公開WO2010/113702号公報
【文献】特表2014-515274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、充填物の脱落を防止することができ、使用する際の気流を均一にして安定した吸い心地を維持できる、高品質の電子タバコ用充填物及び電子タバコに好適な電子タバコカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するために、本発明は、シート状部材を有して構成され、電子タバコ長手方向を第1方向、それに垂直な面内方向を第2方向としたとき、前記シート状部材の前記第1方向に沿って切込みが形成されている電子タバコ用充填物が提供される。
【0006】
好ましい形態としては、前記切込みは、前記シート部材を貫通しない深さで形成されている。
【0007】
好ましい形態としては、前記シート状部材は、全体で矩形の一辺に、複数の前記切込みが形成されている。
【0008】
好ましい形態としては、前記複数の切込みは、前記シート状部材の前記第2方向の一方の辺から前記第1方向に沿って形成された第1切込みを含む。
【0009】
好ましい形態としては、前記複数の切込みは、前記シート状部材の他方の辺から前記第1方向に沿って形成され、前記第2方向において前記第1切込みと交互に配置された第2切込みを含む。
【0010】
好ましい形態としては、前記切込みの前記第1方向成分の長さが、前記第2方向成分の長さよりも長くなるように配置されている。
【0011】
好ましい態様としては、包装部材内部に固定されている。
【0012】
更に好ましい態様として、前記第1方向に空気の通路を形成するように充填されている。
【0013】
別の好ましい態様としては、前記シート状部材を折り畳むこと又は巻くことによって、前記空気の通路が形成されている。
【0014】
別の好ましい態様として、一端部からみた充填物の端部形状の面積がほぼ等しい。
【0015】
別の好ましい態様として、一端部からみた充填物の端部形状の面積が、中心部から周辺部に向かって、 小から大になっている。
【0016】
さらに好ましい態様として、前記第2方向に所定の間隔で切込み部分が存在し、前記シート状部材の全体にわたり切込み無部分により繋がっており、前記シート状部材を用いてエアロゾル形成基材とした際に 前記エアロゾル形成基材の一端側と他端側に切込みが存在する。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の別の態様として、上記各態様の電子タバコ用充填物を有する電子タバコカートリッジが提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高品質の電子タバコ用充填物及び電子タバコに好適な充填物及び電子タバコカートリッジを提供することができる。具体的には、充填物の脱落を防止することができ、電子タバコカートリッジを使用する際、切込み部が気流方向を誘導する空気の均一な通路となり、吸い心地を安定させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】電子タバコカートリッジの使用の形態を例示する図である。
【
図2】電子タバコカートリッジの構造の一例を示す図である。
【
図3】エアロゾル形成基材の充填物を例示する図である。
【
図5】実施例による電子タバコ用充填物の製造方法等を示す概略的なフローチ ャートである。
【
図6-1】
図6Aは、厚さ方向に切込みが形成された、非タバコ植物組成物のシートの一部を示す概略的な斜視図であり、
図6Bは、厚さ方向に切込みが形成された、非タバコ植物組成物のシートを示す概略的な平面図である。
【
図6-2】
図6Cは、実施例による電子タバコ用充填物を示す概略的な平面図であり、
図6D及び
図6Eは、変形例による電子タバコ用充填物を示す概略的な平面図である。
【
図6-3】
図6F~
図6Hは、変形例による電子タバコ用充填物を示す概略的な平面図である。
【
図6-4】
図6I及び
図6Jは、変形例による電子タバコ用充填物を示す概略的な平面図である。
【
図7】電子タバコカートリッジの作成法を例示する図である。
【
図8】電子タバコカートリッジの変形例を説明する図である。
【
図10】エアロゾル形成基材の中心部から周辺部を説明する図である。
【
図11】一端側から、直径方向に切込みを形成した例である。
【
図12】一端側から、折り畳んだシートの稜線に略直角となる切込みを形成した例である。
【
図14】切込みを入れたシートを裁断した例である。
【
図15】エアロゾル形成基材の製造装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。また、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
【0021】
本実施例に用いられるシート状の充填物は例えば、以下のようにして作成される。エアロゾル形成材を形成する材料としては、エアロゾルフォーマを担持する担持体、エアロゾルフォーマ及び必要に応じ使用する風味添加剤が挙げられる。
【0022】
エアロゾルフォーマを担持する担持体としては、タバコ植物或いは非タバコ植物の様々な使用部位(例えば、根、茎、葉、花、実、皮、種子、樹木の幹又は樹木の枝など)が用いられ、好ましくは、乾燥粉砕されるなどの形態で用いられる。
【0023】
エアロゾルフォーマを担持する担持体或いは結合剤としては、前記のような植物の部位以外に、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばグルコマンナン、デンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天および ペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせも用いられる。
【0024】
エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらは、電子タバコ用充填物に対して、1質量%以 上80質量%以下の量で用いられることが好ましい。10質量%以上40質量%以下とすることが一層好ましい。
【0025】
上記エアロゾルフォーマ担持体及びエアロゾルフォーマのほかに必要に応じ風味を追加する風味添加剤も好ましく用いられる。風味添加剤としては、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス等が挙げられる。
【0026】
さらに、上記材料を用いて、エアロゾル形成材を製造する場合には上記のほかに、水、エチルアルコール、増粘剤等の種々の添加材を加えてもよい。
【0027】
例えば、充填物をシートとして作成する場合には、上記の様なタバコ材料を含むシートを作成し、作成したシートにエアロゾルフォーマを添加する方法、あるいは、エアロゾルフォーマとセルロース繊維とタバコ粉末を組合せてスラリーとしたのちにシートとする方法が挙げられる。
【0028】
本実施例においては、セルロース繊維、結合剤、紅茶、エアロゾルフォーマ及び風味添加剤をスラリーとし、金属板上にキャストを行い、キャストしたスラリーを乾燥し作成したシートを用いる。厚みを0.2mmとした。本発明におけるシートは、厚み0.1 mm以上0.5mm以下が好ましく用いられる。
【0029】
本実施例において使用する、切込みを有するシート状部材を充填物とするエアロゾル形成基材を作成する方法としては以下が挙げられる。
【0030】
一つの方法の例として、所定の切込みを有するシートから、所望の形に加工し、切込みを有するシート状部材としてから、充填物として
図3、
図4、
図12に示すように、包装部材(151)等に充填する方法が挙げられる。他の方法として、
図2、
図5に示すように、作成したシートを所望の形に加工した後に、切込みを形成し、切込みを有するシート状部材としてから、充填物として包装シート(150) 等に充填する方法が挙げられる。更に可能な方法の例としては、作成したシートを所望の形に加工し充填する際の形状とした後に、切込みを形成し、切込みを有するシート状の充填物として包装シート(150)等に充填する方法が挙げられる。更に可能な方法の例としては、作成したシートを所望の形に加工した後に、充填物として包装シート (150)等に充填した後に、切込みを形成し、切込みを有するシート部材状の充填物とする方法が挙げられる。
【0031】
また、シートは切込みを有するものの、切込みの無い部分により繋がっているものである。
【0032】
好ましい作成方法としては、上記シートを作成する工程、切込みを形成する工程、シートを所望の形にする工程、シートを充填する工程が連続的に行われること、或いは2以上の工程を同時に行うことも好ましい方法である。このような工程であると、生産の効率が良いからである。
【0033】
切込みを形成するために使用される手段としては、カッター刃、カミソリの刃、ロータリーカッター等を例示することができ、これらを並列に並べて必要な数の切込みを一挙に形成する方法は好ましい形態の一つである。
【0034】
また、切込みを形成する間隔W(
図9、
図13、
図14に示す)は、シートの厚みよりも大であることが好ましく、例えば、0.5mm以上、10mm以下が好ましい。更に好ましくは、1mm以上であると切込みで区分された領域がちぎれたりせずに安定であり、5mm以下であると、切込みで区分された領域により、
図1に示す加熱要素の挿入時に充填物が挿入方向に移動することを防止でき、本発明の効果をより発揮することができる。
【0035】
シートに形成する切込みの長さについては、例えば
図9を用いて説明すると、Y方向のシートの全長に対して、20%以上であると、
図1に示す加熱 要素(211)の挿入に対して本発明の効果をより効果的に発揮することができ、50%以上であると更に効果的である。また、90%以下であると、 加熱要素(211)の挿入に対して充填物が挿入方向に対して移動してしまうことを防止することができる。90%以下であると、電子タバコカートリッジの使用後に電子タバコ本体より取り出す際においても、使用後の充填物の一部脱落防止に十分効果がある。
【0036】
シートに入れる切込みの間隔及び長さについて説明したが、個々の切込みの間隔W及び長さについて、一枚のシートにおいて変化させた構成でもよい。
【0037】
また、本実施例において、充填物と、
図3、
図4、
図10~
図12に示す包装部材(151)が固定されていると、電子タバコカートリッジの使用後に電子タバコ本体より取り出す際においても、使用後の充填物の脱落に効果がある。電子タバコカートリッジの使用後は、充填物が加熱により劣化し、充填物が
図1に示す加熱要素(211)に貼りつくことがあり、これが使用後の充填物の脱落につながるからである。このような脱落があると、電子タバコ本体内を汚したりして、清掃の頻度が上がったりするためユーザビリティに問題が生じる。
【0038】
図1は、電子タバコカートリッジ(100)の使用形態を例示している。電子タバコカートリッジ(100)は、ユーザーの使用時に電子タバコ本体(200)に装着される。電子タバコ本体(200)には、電子タバコカートリッジ(100)を差し込むための差し込み部(210)が設けられている。
【0039】
差し込み部(210)内の底の中央部には、加熱要素(211)が設けられており、加熱要素(211)は、先端が尖っているピン状又はブレード状の部材を有し、エアロゾル形成基材(110)内に挿入され、エアロゾル形成基材 (110)を加熱する。より具体的には、加熱要素(211)は、電子タバコカートリッジ(100)が電子タバコ本体(200)の差し込み部(210)に刺し込まれる際に、エアロゾル形成基材(110)の中央部に挿入される。
【0040】
加熱要素(211)は、電子タバコ本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力よって直接的又は間接的に発熱する 。この加熱要素(211)の熱によってエアロゾル形成基材(110)が温められることにより、芳香成分を含むエアロゾルが発生する。そして、発生したエアロゾルは、以下で説明する支持要素(300)および移送部材(130)を経てマウスピース(140)へ移送され、ユーザーがマウスピース (140)側から吸い込むことで、芳香成分がユーザーの口内へ届くことになる。以下、本発実施の形態の説明のために電子タバコカートリッジのエアロゾル形成基材(110)側を上流側(10)と称し、マウスピース側を下流側(20)と称する。また、上流側(10)を一端側といい、下流側(20) を他端側ということがある。
【0041】
なお、
図1には、加熱要素(211)がピン状又はブレード状の部材を1本有する場合について図示されているが、別の形態の例としては、加熱要素 (211)がピン状又はブレード状の部材を複数有しているものが例示できる。
【0042】
図2には、電子タバコカートリッジ(100)の構造の一例を示す。
図1に示す加熱要素(211)の挿入される側から、すなわち、上流側(10) から下流側(20)に向かって、エアロゾル形成基材(110)、支持要素 300)、移送部材(130)、マウスピース(140)を含み、例えば棒状または円筒形状の外観を呈する。
【0043】
支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)を支持する。支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)に隣接して配置され、前記支持要素(300)の側部 (160)は電子タバコカートリッジ(100)の周縁に位置する包装シート(150)と接する。側部(160)は、例えば接着剤により包装シート(150)の内面に固定されている。
【0044】
また、支持要素(300)は、好適には、例えばシリコーンを使用して形成されうるが、シリコーンに限定されず、耐熱性に優れた他の材料を使用してもよい。
【0045】
電子タバコカートリッジ(100)の上流側(10)端部には、エアロゾル形成基材(110)が配置され、下流側(20)端部には、マウスピース (140)が配置される。エアロゾル形成基材(110)の配置位置とマウ スピース(140)の配置位置を結ぶ方向、すなわちエアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、移送部材(130)、及び、マウスピース (140)の4つの要素が隣接配置される一方向を電子タバコカートリッジ(100)の長手方向と規定する。
【0046】
エアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、移送部材(130)、及び、マウスピース (140)は、包装シート(150)によって包装されている。なお、電子タバコカートリッジ(100)の長手方向とエアロ ゾル形成基材(110)の長手方向は例えば平行である。また、電子タバコ カートリッジ(100)の長手方向とエアロゾル形成基材(110)の長手方向は、例えば
図6B及び
図6Cに示す電子タバコ用充填物との関係ではY軸方向に平行な方向となる。
【0047】
エアロゾル形成基材(110)は、電子タバコ用充填物を含み、例えば加熱されることによって、電子タバコ用充填物の材料となった植物が有する芳香成分等を含んだエアロゾルを発生する。
【0048】
支持要素(300)は、例えばシリコーンを用いて形成され、エアロゾル形成基材(110)を支持する。支持要素(300)の側部は、例えば接着剤により包装シート(150)の内面に固定されている。なお、支持要素(300)は、シリコーンに限らず、耐熱性に優れた他の材料を用いて形成してもよい。
【0049】
図示する支持要素(300)は、中心部に気流の通し穴を備える。エアロゾル形成基材(110)で発生したエアロゾルは気流の通し穴を通過してマ ウスピース (140)方向へ流れる。なお、側部に気流の通し穴や切り欠きなどを備える支持要素(300)とすることも可能である。
【0050】
移送部材(130)は、中空の管状部材または電子タバコカートリッジ(100)長手方向に捲縮されたポリマーシートを巻いたもの等を用いて構成され、例えばマウスピース(140)方向へ流れるエアロゾルを冷却する。
【0051】
マウスピース (140)は、例えば紙等を用いて形成される。微粒子を取り除くセルロースアセテートフィルター等を含んでいてもよい。マウスピー ス (140)のフィルターを通過した芳香成分は、ユーザーによって吸引される。
【0052】
なお、移送部材(130)を省略し、構成要素の数を少なくすることができる。移送部材(130)を省略した場合、通気性が向上し、発生したエア ロゾルが下流側(20)に流れやすくなるため、ユーザーが芳香成分を吸引 しやすくなる。
【0053】
一例として、移送部材(130) を省略し、電子タバコカートリッジ(100)の長手方向に長さを長くしたマウスピース (140)を、支持要素(300)に隣接させる構成とする。その場合、例えばセルロースアセテートフィルターに冷却機能を兼ねさせることが可能である。
【0054】
さらに、包装シート(150)が、電子タバコ用充填物を巻く包装部材を兼ねる構成としてもよい。エアロゾルの気流が安定するため、ユーザーが芳香成分を吸い込みやすくなる。
【0055】
図3に示すように、エアロゾル形成基材(110)として製造された充填物(111)は、シートを巻いたものを例として、電子タバコカートリッジの断面の略中心軸(112)の周りにシートを巻いて巻物として作成したものを充填物とした例を示している。ここでは、円筒状に形成した包装部材(151)に充填した例を示している。包装部材(151)としては、タバコ紙等の紙を円筒状に形成したものを用いることができる。また、包装シート (150) が包装部材(151)を兼ねてもよい。これにより、気流が安定し、ユーザーがエアロゾル形成基材(110)からの芳香成分を吸い込みやすくなる。
【0056】
図4 (1)~(4)は、シートを充填物として充填する形態の例を、説明する図である。
図4の各々は、エアロゾル形成基材(110)を上流側(10)から見た図である。或いは、電子タバコカートリッジの長手方向の中心線に垂直な面での断面を示すものであってもよい。
【0057】
図4(1)は、シートを海苔巻きのように巻いて巻物の形態として作成したものを、包装部材(151)に充填し充填物(111)とした例を示している。
【0058】
図4(2)は、シートを略包装部材(151)の内径とほぼ等しいか、若干小さい寸法で折り畳んで折り畳んだ形態のシートとして、折り畳み線の方向を電子タバコカートリッジの長手方向に沿った方向とするように、包装部材(151)に充填し充填物(111)としたものである。
【0059】
図4(3)は、シートを包装部材(151)の内径よりも大きい寸法で折り畳んで、更にその全体を略中央部で折る又は湾曲させて充填したものである。前記折り畳み線の方向を電子タバコカートリッジの長手方向に沿った方向とするように充填したものとなる。
【0060】
図4(4)は、シートを略包装部材(151)の内径よりも小さい幅で折り畳んで、例えば所謂捲縮処理も含むが、折り畳み線の方向を電子タバコカートリッジの長手方向に沿った方向とするように充填したものである。もちろん捲縮したシートを、前記
図4(1)~(3)のように、巻物の形態とするか、折り畳んだ形態のシートとするか、折り畳んだものを折るか又は湾曲させた形態のシートとし、前記
図4(1)~(3)のように充填物とすることも好ましい。
【0061】
図5は、実施例による電子タバコ用充填物の製造方法等を示す概略的なフローチャートである。
図5を参照し、実施例による電子タバコ用充填物の製造方法等を説明する。
【0062】
実施例による電子タバコ用充填物の製造方法においては、ステップS101で材料を準備する。ステップS102においては、準備された材料を混合して、非タバコ植物組成物を形成する。そしてステップS103においては ステップS102で形成された非タバコ植物組成物を加工し、電子タバコ用充填物を得る。
【0063】
なお、ステップS103で得られた電子タバコ用充填物を用いて、電子タバコカートリッジを製造することができる。この工程をステップS104とする。
【0064】
テップS101の材料を準備する工程は、ステップS101a、ステップS101b、及び、ステップS101cの3工程を含む。ステップS101aは芳香の元となる非タバコ植物等を乾燥、粉砕する工程、ステップS101bはメントールを溶解する工程、ステップS101cはエアロゾルフォーマ等の材料を準備する工程である。ステップS101a~ステップS 101cの実施順序は問わない。並行して実施することもできる。
【0065】
ステップS101aの非タバコ植物等を乾燥、粉砕する工程について説明する。非タバコ植物を乾燥した後、粉砕する。乾燥は、例えばオーブンで加熱することで行う。乾燥温度は、60℃以上80℃以下であることが好ましい。この温度範囲では、必要とする芳香成分の散逸(昇華)を避けながら、所望の水分量へ到達させやすい。65℃以上である場合、更に所望の水分量へ到達させやすい。75℃以下である場合、必要とする芳香成分の散逸を一層防止可能である。
【0066】
粉砕は、例えば攪拌型粉砕機を用いて実施する。原料となる非タバコ植物の使用部位(葉、種子、乾燥果実、茎、樹皮、根など)から非タバコ植物組成物を構成するために所望の粉砕物に加工する。その際、例えばステップS101cで準備されるエアロゾルフォーマや水等の成分を吸収または担持したりするのに都合のよいように、水分量を調整することが好ましい。
【0067】
なお、乾燥を要しない非タバコ植物等の場合は、乾燥を行わず粉砕することができる。また、原材料をそのまま使用可能であって乾燥も粉砕も要しない場合は、ステップS101aを省略してステップS102の混合工程に投入可能である。
【0068】
なお、乾燥、粉砕後の非タバコ植物等の水分量は5質量%以下とするのが好ましい。こうすることで、ステップS102の混合工程におけるスラリー化が容易となる。3質量%以下であると一層好ましい。また、乾燥、粉砕後の非タバコ植物等の水分量は、0.1質量%以上であることが好ましい。水等となじみのよい状態を保つことができる。
【0069】
なお、ステップS101aの乾燥、粉砕工程は、乾燥粉砕物を篩分けする篩工程を含んでもよい。篩工程を導入することで、非タバコ植物等を所望の粒度としてステップS 102の混合工程に投入することができる。
【0070】
実施例においては、紅茶の葉をオーブンを用いて70℃で乾燥させた後、攪拌型粉砕機を使用して粉砕し、80メッシュの篩を通過させた。水分量は 2質量%であった。
【0071】
次に、ステップS101bのメントールを溶解する工程について説明するステップS101bにおいては、メントール、低級アルコール及び非水溶性架橋ポリマーを秤量して混合しメントールを溶解する。低級アルコールにメントールを溶解した後、非水溶性架橋ポリマーを添加し混合することが好ましい。メントール、低級アルコール及び非水溶性架橋ポリマーを混合すると、メントールの散逸抑制の効果が得られる。
【0072】
メントールは、天然物から得られたものに限られず、合成物でもよい。また、薄荷、 ミント、ハッカ油その他メントールを含む材料を使用することもできる。
【0073】
低級アルコールは、メントールを溶解する溶媒であり、エチルアルコールが特に好ましく用いられる。
【0074】
非水溶性架橋ポリマーとは非架橋のポリマーが水に可溶であるものに架橋を施し、水に不溶となり膨潤するものを意図している。もちろん、低級アルコールに溶解せず、膨潤することが好ましく、そのようなものが選択される。このような非水溶性架橋ポリマーは、親水性部分と疎水性部分を有しており、親水性部分が膨潤に寄与し、親水性部分がメントールに配向することによりメントールの散逸が抑制されると考えられる。非水溶性架橋ポリマーの好ましい例としては、ポリビニルピロリドンの架橋物であるポリビニルポリピロリドン、水溶性の多糖類に架橋を施し非水溶性とした架橋多糖類として、多糖類をエポキシ架橋したもの、エステル架橋したもの、エーテル架橋したものが挙げられる。
【0075】
なお、メントールとともにエタノール及びポリビニルポリピロリドンを用いた場合に、メントールの散逸が抑制されるという効果が顕著に得られた。
【0076】
メントールは、所望の風味を目標とした量を添加すれば足りる。メントールの好ましい風味付けの一つの目安は、ステップS103で得られる電子タバコ用充填物のメントール含有量が、0.1質量%以上10質量%以下であることである。0.2質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
【0077】
電子タバコ用充填物の形成にあたっては、メントール100質量部に対して、非水溶性架橋ポリマーの添加量は10質量部以上2000質量部以下が好ましい範囲であり、50質量部以上600質量部以下であることが一層好ましい。換言すれば、電子タバコ用充填物中、非水溶性架橋ポリマーの含有量は、メントールの含有量の0.1倍以上20倍以下であることが好ましく0.5倍以上6倍以下であることが一層好ましい。
【0078】
メントールの散逸抑止という効果を奏するためには、電子タバコ用充填物中、非水溶性架橋ポリマーは、2質量%以上存在していることが好ましく、4質量%以上存在していることが一層好ましい。このような量を存在させることで、メントールの散逸を抑制しながら長期の保存が可能となり、長期保存後においても、メントールの清涼感を楽しむことができる。また、電子タバコ用充填物中、非水溶性架橋ポリマーの含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%を超えない範囲が一層好ましい。10質量%以内であると、非植物由来のポリフェノール等に由来する風味を保つことが可能である。
【0079】
使用する低級アルコールは、メントール100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましい。さらに100質量部以上であると、メントールを溶解しつつ、非水溶性架橋ポリマーの混合を十分に行うことができる2000質量部以下であると、後工程において低級アルコールの残留を少なくすることができ、効率的な製造工程とすることが可能である。
【0080】
実施例においては、
メントール 100質量部、
エチルアルコール 200質量部、
ポリビニルポリピロリドン 200質量部、
を秤量し、メントールをエチルアルコールに溶解させて、メントールエチルアルコール溶液を得た後、メントールエチルアルコール溶液にポリビニルポリピロリドンを加え、攪拌混合して、メントール/エチルアルコール/ポリビニルポリピロリドン混合物を得た。
【0081】
ステップS101cのエアロゾルフォーマ等の材料を準備する工程について説明する。ステップS101cにおいては、エアロゾルフォーマ、風味添加剤、保存料、結着剤または増粘剤等が準備される。
【0082】
また、必要に応じて食品の保存料を添加することができる。保存料として、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム等を使用可能である。
【0083】
結着剤または増粘剤等として、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム及びローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラナギン、寒天及びペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類を用いることができる。これらを組み合わせて使用してもよい。
【0084】
実施例においては、グリセリン、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースを準備した。さらに、キシリトール100質量部と水400質量部を攪拌混合して得たキシリトール水溶液、及び、グルコマンナンを準備した。
【0085】
次に、ステップS102について説明する。ステップS102においては ステップS101で準備した材料を秤量して混合し、例えば非タバコ植物組成物のスラリーを得る。
【0086】
ステップS102の混合工程においては、 通常の混合機を使用可能である。例えば、混合槽中の材料を攪拌羽根にて、剪断力を加えつつ混合するような混合機が好ましく用いられる。
【0087】
非タバコ植物の粉砕乾燥物、メントール溶解物、エアロゾルフォーマ、結着剤または増粘剤、必要に応じて水等が混合され、非タバコ植物組成物が得られる。
【0088】
実施例においては、
紅茶葉の乾燥粉砕物 100質量部、
メントール/エチルアルコール/ポリビニルポリピロリドン混合物 25質量部、
グリセリン 30質量部、
プロピレングリコール 30質量部、
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4質量部、
メチルセルロース 15質量部、
キシリトール水溶液 8質量部、
グルコマンナン 1質量部、
を混合機に投入し、15分間混合を行って非タバコ植物組成物を形成した。
【0089】
ステップS103について説明する。ステップS103においては、ステップS102で形成された非タバコ植物組成物を加工し、電子タバコ用充填物を得る。
【0090】
ステップS103では、まず、ステップS102で得られた非タバコ植物組成物をシート状に成形する。シートの平面形状は任意である。
【0091】
実施例においては、非タバコ植物組成物をシート状に成形するために、3本ロールミル(実施例7に付記)を使用した。3本ロールミルを用いると、狭いロール間に押し込まれることによる圧縮と、ロール速度差によるせん断により、混練、分散などを行いながら、ドクターブレードにより所望の厚さのシートとすることができる。なお、非タバコ植物組成物をシート状に成形するために、3本ロールミルのほか、プレスローラやプレス機を好適に使用可能である。
【0092】
非タバコ植物組成物をシート状に成形する工程においては、必要に応じ、非タバコ植物、エアロゾルフォーマ、風味添加剤、保存料、結着剤または増粘剤、水等を添加してもよい。
【0093】
なお、電子タバコ用充填物の製造において使用される水は、殺菌あるいは微生物を除去したものを使用することが好ましい。逆浸透膜あるいはイオン交換等により得られた純水を用いることも好ましい。
【0094】
実施例においては、非タバコ植物組成物を3本ロールミルに投入し、シートの状態を見ながら純水を20質量部を加え、ドクターブレードをロールに押し当ててシート状物を採取する工程を8回繰り返して、最終的なシート状非タバコ植物組成物を得た。
【0095】
非タバコ植物組成物をシート状に成形する工程で、得られるシートの厚さは、好ましくは0.1mm以上1.0mm以下であり、一層好ましくは0.1mm以上0.5mm以下である。実施例においては、非タバコ植物組成物を厚さ約0.3mmのシート状に成形した。
【0096】
一つの方法の例として、
図3、
図4、
図10~
図12に示すように、包装部材(151)等に充填する方法が挙げられる。他の方法として、
図2、
図7に示すように、所定の切込みを有するシートから、所望の形に加工し、切込みを有するシート状部材としてから、充填物(111)として作成したシートを所望の形に加工した後に、切込みを形成し、切込みを有するシート状部材としてから、充填物(111)として包装シート(150)等に充填する方法が挙げられる。更に可能な方法の例としては、作成したシートを所望の形に加工し充填する際の形状とした後に、切込みを形成し、切込みを有するシート状の充填物(111)として包装シート(150)等に充填する方法が挙げられる。更に可能な方法の例としては、作成したシートを所望の形に加工した後に、充填物として包装シート(150)等に充填した後に、切込みを形成し、切込みを有するシート部材状の充填物とする方法が挙げられる。また、シートは切込みを有するものの、切込みの無い部分により繋がっているものである。
【0097】
続いて、シート状に成形された非タバコ植物組成物に切込みを入れる。切込みは、シートの厚さ方向に、シートを貫通しない深さ、例えばシートの厚さの半分ほどの深さまで形成する。切込みの形成は、例えばカッター等、一例として回転刃方式のロータリーカッターを用いて行うことができる。
【0098】
なお、切込みの形成は、非タバコ植物組成物をシート状に成形する工程と同時に行ってもよい。
【0099】
図6Aは、厚さ方向に切込みが形成された、非タバコ植物組成物のシートの一部を示す概略的な斜視図である。
図6Aに示す例においては、シートの厚さ方向はZ軸方向に平行な方向であり、シートには、Z軸正方向側の表面から、厚さ方向の中央付近まで、複数の切込み(F)が形成されている。各切込み(F)は、Y軸方向に延在している。
【0100】
図6Bに、厚さ方向に切込みが形成された、非タバコ植物組成物のシートの概略的な平面図を示す。
図6Bに示す例においては、Y軸方向に沿う長さ約12mmの複数の切込み(F)が、X軸方向に沿って端部を相互に隣接させる態様で、Z軸正方向側の表面から形成されている。
【0101】
実施例による電子タバコ用充填物は、例えば
図6Bに示す点線及び一点鎖線に沿って、非タバコ植物組成物のシートを切断することで得られる。切断にはカッター等、一例として回転刃方式のロータリーカッターを使用する。
【0102】
図6Cは、実施例による電子タバコ用充填物を示す概略的な平面図である。
図6Cに示す電子タバコ用充填物は、Z軸方向に沿う長さすなわち厚さが約0.3mmのシートであり、X軸方向に沿う長さが約75mm、Y軸方向に沿う長さが約12mmの略矩形の平面形状を有する。実施例による電子タバコ用充填物は、Z軸正方向側の表面から厚さ方向に、深さが約0.15mmである複数の切込み(F)を備える。各切込み(F)は、矩形状の電子タバコ用充填物の一方の長辺すなわちX軸方向に沿う辺から、短辺の延在方向すなわちY軸方向に約6mmの長さに形成されている。複数の切込み(F) は、X軸方向に一定の間隔を隔てて配置されている。
【0103】
なお、電子タバコ用充填物の形状やサイズは様々に変更可能である。例えば、短辺に対し長辺が2倍~20倍程度となる矩形の平面形状とすることができる。
【0104】
図6D~
図6Jに、変形例による電子タバコ用充填物の概略的な平面図を示す。
【0105】
図6Dに示す例は、各切込み(F)が、矩形状の電子タバコ用充填物の方の長辺から他方の長辺まで、Y軸方向に沿って形成されている点で、
図6Cに示す実施例と異なる。
【0106】
図6Eに示す例は、非タバコ植物組成物シートのX軸負方向側の半分領域においては、各切込み(F)は、一方の長辺すなわちY軸正方向側の長辺から、Y軸負方向に約6mmの長さに形成されており、X軸正方向側の半分領域においては、各切込み(F)は、他方の長辺すなわちY軸負方向側の長辺から、Y軸正方向に約6mmの長さに形成されている点で、
図6Cに示す実施例と異なる。
【0107】
図6Fに示す例は、一方の長辺すなわちY軸正方向側の長辺から、Y軸負方向に約6mmの長さに形成された切込み(F)と、他方の長辺すなわちY軸負方向側の長辺から、Y軸正方向に約6mmの長さに形成された切込み(F)が、X軸方向に交互に配置された電子タバコ用充填物である。
【0108】
図6Gに示す例は、Y軸方向に沿う切込み(F)が、X軸方向とY軸方向の双方に交差する斜め方向に沿って配置された電子タバコ用充填物である。
【0109】
図6Hに示す例は、
図6C~
図6Gに示す例とは異なり、Y軸方向に平行でなく、斜め方向に沿って形成された切込み(F)を備える電子タバコ用充填物である。なお、各切込み(F)のY軸方向成分の長さはX軸方向成分の長さより長い。
【0110】
図6C~
図6Hに示す例における切込み(F)は、Z軸正方向側の表面から厚さ方向に形成されているが、Z軸負方向側の面(裏面)から厚さ方向に形成されていてもよい。
【0111】
図6I及び
図6Jに、Z軸正方向側及びZ軸負方向側の双方の面から切込み(F)が形成されている例を示す。両図には、Z軸正方向側から形成された切込み(F)を実線で、Z軸負方向側から形成された切込み(F)を点線で示した。
【0112】
図6Iに示す例においては、一方の長辺すなわちY軸正方向側の長辺から伸びる切込み(F)はZ軸正方向側の面から形成され、他方の長辺すなわちY軸負方向側の長辺から伸びる切込み(F)はZ軸負方向側の面から形成されている。他方の長辺から伸びる切込み(F)がZ軸負方向側(縦軸に関して下側)の面から形成される点で、
図6Fに示す例と相違する。
【0113】
図6Jには、Z軸正方向側から斜め方向に形成された切込み(F)と、Z軸負方向側から斜め方向に形成された切込み(F)が、平面視上、交差する例を示した。
図6Jに示す例においても、各切込み(F)のY軸方向成分の長さはX軸方向成分の長さより長い。
【0114】
図7を参照し、ステップS104の電子タバコカートリッジを製造する工程について説明する。
図7には、以上のように形成されたエアロゾル形成基材(110)、移送部材(130)、マウスピース(140)と以下に例示の支持要素(300)を、エアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、移送部材(130)、マウスピース(140)の順で隣接させ、タバコ紙等の包装シート(150)で巻きロッドを形成する様子を示す。この際、支持要素の側部(160)には若干の接着剤を施してある、電子タバコカートリッジ(100)である。また、エアロゾル形成基材(110)の側部に接着剤を施し、包装シート(150)と固定するのもよい。
【0115】
電子タバコカートリッジを製造する際には、例えば
図6Bの点線に沿って、Y軸方向に非タバコ植物組成物のシートを切断し、切断されたシートを単数枚または複数枚、包装部材であるタバコ紙で巻いて、一例として外径約6.9mmであり、Y軸方向に長い巻物を作製する。そしてこの巻物を、カッターで12mmの長さに切断し、エアロゾル形成基材(110)を得る。巻物の切断は、
図6Bの一点鎖線に沿って行う。
【0116】
エアロゾル形成基材(110)は、例えば
図6Cに示す実施例による電子タバコ用充填物、具体的には、矩形の短辺が12mmであり、短辺の延在方向と平行な方向に切込み(F)が形成されている非タバコ植物組成物のシートが、円筒状にされた包装部材の内部に配置されたものである。包装部材の内部においては、例えば
図6Cに示す電子タバコ用充填物が、長さ12mmのエアロゾル形成基材(110)の長手方向の一端から他端まで配置されている。電子タバコ用充填物の矩形の短辺の延在方向は、例えばエアロゾル形成基材(110)の長手方向と略平行である。
【0117】
なお、矩形の短辺が12mm未満である電子タバコ用充填物のシートを、エアロゾル形成基材(110)の長手方向に隣接して配置する、または一部重畳して配置する等してエアロゾル形成基材(110)を形成することもできる。
【0118】
エアロゾル形成基材(110)の質量は例えば0.29g程度であり、エアロゾル形成基材(110)の容積に対する電子タバコ用充填物の体積充填率は、0.60程度である。電子タバコ用充填物の充填率は、ユーザーに与える芳香の強さやユーザーの吸引しやすさ等を考慮して決定することができる。エアロゾル形成基材(110)の容積に対する電子タバコ用充填物の体積充填率は、0.55以上0.65以下であることが好ましい。
【0119】
エアロゾル形成基材(110)に加え、支持要素(300)、移送部材(130)、及び、マウスピース(140)を準備する。そしてこれら4つの要素をこの順に一方向に沿って隣接配置し、タバコ紙等の包装シート(150)で巻いて電子タバコカートリッジを製造する。この際、エアロゾル形成基材(110)は、電子タバコ用充填物の切込み(F)が形成されている方の長辺側が電子タバコカートリッジの端部側すなわち支持要素(300) とは反対側となるように配置される。また、支持要素(300)の側面には若干の接着剤を配置しておく。なお、予め円筒形に形成した包装シート(150)中に4つの要素を順に挿入してもよい。
【0120】
こうして、実施例による電子タバコカートリッジが製造される。
【0121】
図6-1~
図6-4に示す実施例による電子タバコ用充填物はシート状であり、シートの厚さ方向に、シートを貫通しない深さまで切込み(F)が形成されている。
【0122】
実施例による電子タバコカートリッジ(100)のエアロゾル形成基材(110)は、実施例による電子タバコ用充填物を用いて形成される。実施例による電子タバコカートリッジ(100)においては、電子タバコカートリッジ(100)の長手方向すなわちエアロゾル形成基材(110)の長手方向と、電子タバコ用充填物に形成された切込み(F)の延在方向は、例えば略平行である。
【0123】
また、実施例による電子タバコカートリッジ(100)においては、電子タバコ用充填物の切込み(F)が形成されている辺側が電子タバコカートリッジ(100)の上流側(10)、すなわち電子タバコカートリッジ(100)が電子タバコ本体(200)に装着されて使用される際、加熱要素(211)が挿入される側に配置されるように、エアロゾル形成基材(110) が配設されている。
【0124】
このため、実施例による電子タバコカートリッジ(100)を電子タバコ本体(200)に装着する際、加熱要素(211)をエアロゾル形成基材(110)内にスムーズに導入することができる。
【0125】
また、エアロゾル形成基材(110)で発生したエアロゾルがマウスピース(140)方向へ流れやすくなる。
【0126】
実施例による電子タバコ用充填物及び電子タバコカートリッジは高品質の電子タバコ用充填物及び電子タバコカートリッジである。
【0127】
なお、
図6H及び
図6Jに示す変形例による電子タバコ用充填物、すなわち斜め方向に、Y軸方向成分の長さがX軸方向成分の長さより長い切込み(F)が形成されている電子タバコ用充填物を用いて電子タバコカートリッジ(100)を構成する場合、例えば電子タバコ用充填物におけるY軸方向が、電子タバコカートリッジ(100)の長手方向と平行となるように、エアロゾル形成基材(110)の作製及び電子タバコカートリッジ(100)の製造を行う。
【0128】
変形例による電子タバコ用充填物を用いて製造した電子タバコカートリッジ(100)においても、加熱要素(211)は工アロゾル形成基材(110)内にスムーズに導入される。
【0129】
なお、電子タバコカートリッジ(100)において、電子タバコ用充填物は、切込み(F)のカートリッジ長手方向成分の長さが、該長手方向に垂直な面内方向成分の長さよりも長くなるように配置されればよい。
【0130】
以上、実施例等に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0131】
例えば、実施例等においては、切込み(F)を直線状に形成したが、曲線状に形成してもよい。実施例等と同様に、切込み(F)のY軸方向成分の長さをX軸方向成分の長さより長くする。
【0132】
また、実施例による電子タバコカートリッジ(100)において、エアロゾル形成基材(110)の上流側(10)に蓋を配置してもよい。これにより、電子タバコ用充填物の芳香の散逸を抑制することができるとともに、例えば電子タバコカートリッジ(100)を輸送する際、電子タバコ用充填物が電子タバコカートリッジ(100)から脱落することを防止可能である。
【0133】
蓋は、フィルター、紙、スポンジ等で形成することが可能である。なお、例えば蓋に単数本または複数本の切込みを入れることで加熱要素(211) の挿入を容易にすることができる。加熱要素(211)が挿入される場所に、円または多角形等の誘導穴を設けてもよい。
【0134】
さらに、実施例による電子タバコカートリッジ(100)において、エアロゾル形成基材(110)と支持要素(300)の間に隔壁部材を設けることもできる。隔壁部材は、例えば通気性のよいフィルター、紙等で形成可能である。加熱要素(211)が挿入された際には破壊されるものが好ましい。隔壁部材を設けることで、電子タバコカートリッジ(100)の輸送時等に、電子タバコ用充填物が電子タバコカートリッジ(100)内で移動することを防止可能である。
【0135】
なお、実施例による電子タバコカートリッジ(100)は、加熱要素を有しない電子タバコ本体に装着されて使用されることもできる。
【0136】
次に、本発明の電子タバコカートリッジの使用例を詳細に説明する。電子タバコカートリッジ(100)は、
図2に示すように、例えば棒状又は円筒形状の外観をしている。電子タバコカートリッジ(100)の内部は、一端にエアロゾル形成基材(110)が設けられ、他端のマウスピース(140)に向けて、支持要素(300)、移送部材(130)が、この順序で配置されている。そして、
図2、
図7に示すように、これらを包装シート (150)によって包装されている。
【0137】
エアロゾル形成基材(110)は、電子タバコ用充填物を有する。エアロゾル形成基材(110)は、加熱により充填物の元になった植物が有する芳香成分を含むエアロゾルを発生する。
【0138】
エアロゾル形成基材(110)としての充填物は、シートを巻いたり、折り畳んだりする形態で使用される。シートを集合させる際に、巻き込んだり、畳み込んだり、或いは、圧縮又は収縮させた状態は、巻いたり、折り畳み込んだりする形態に含まれる。前記シートは、しわ付け、ひだ付け、などの処理をされたものであることも好ましい。
【0139】
支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)を支持する。支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)に隣接して配置され、中心部又は側部に気流の通し穴や切り欠きなどを有して、エアロゾル形成基材 (110)から発生したエアロゾルをマウスピース(140)方向へ流すことができる。
【0140】
マウスピース(140)は、移送部材(130)に隣接し、電子タバコカートリッジ(100)の下流側(20)に配置される。マウスピース(140)は、微粒子を取り除くフィルターとして、例えばセルロースアセテートフィルターを含んでいてもよい。マウスピース(140)のフィルターを通過した香気成分は、ユーザーによって吸引される。
【0141】
移送部材(130)の有無を比較すると、移送部材(130)を入れていない方が通気性はよく、発生した芳香成分を吸引しやすい。他方、移送部材 (130)を入れ、発生したエアロゾルを冷やすことができる機能を追加するのも好ましい。移送部材(130)を追加する代わりに、マウスピースを延長して、支持要素(300)に隣接或いは接する構成とすることも好ましい。マウスピースに使用するフィルターに冷却の機能を兼ねさせることができ、部品点数を減らすことができるからである。移送部材(130)としては、中空の管状部材を用い、電子タバコカートリッジ長手方向に、捲縮されたポリマーシートを巻いたもの等を使用することができる。
【0142】
図8(1)は、エアロゾル形成基材(110)と支持要素(300)が接触する構成を示しており、安定的にエアロゾル形成基材(110)を支持することができるので好ましい形態である。また、構成が単純であるから製造上の利点も大きい。
【0143】
図8(3)は、エアロゾル形成基材(110)と支持要素(300)の間に隔壁部材(180)を設け、隔壁部材(180)を介して接するような構成とするものである。隔壁部材(180)は、例えば、通気性の良い、フィルター、紙などが挙げられ加熱要素(211)が挿入された際には破壊するようなものが好ましい。このような隔壁部材を設けると輸送時等の物流での影響でエアロゾル形成基材(110)が電子タバコカートリッジ内で移動してしまうことを避けることに効果がある。
【0144】
図8(3)は、エアロゾル形成基材(110)の加熱要素(211)が挿入される側に蓋(170)をする構成も好ましい。このようにすると、エアロゾル形成基材(110)の芳香の散逸の防止に効果がある。さらに、輸送時等の物流での影響でエアロゾル形成基材(110)が電子タバコカートリッジから外側に脱落することを避けることができるという効果がある。 蓋(170)の材質としては、フィルター、紙、スポンジなどが挙げられる。なお、加熱要素が挿入される場合は、蓋(170)に1本又はそれ以上の切込みを入れること、或いは、加熱要素が挿入される場所に、円又は多角形の誘導穴を設けることも好ましい形態である。
【0145】
電子タバコカートリッジとして好ましい具体的な一つの形態としては、以下である。
【0146】
エアロゾル形成基材(110)においては、充填物をタバコ紙等で包装した略円筒形状であって、前記略円筒の底面或いは上面の直径が、6.5mm以上7.5mm以下であり、前記略円筒の高さが10.0mm以上15.0mm以下であり好ましくは、11.0mm以上13.0mm以下である。
【0147】
さらに、充填物が棒状又は短冊状であって、前記電子タバコカートリッジの長手方向に沿って充填されており、かつ、充填物の長さが前記略円筒の高さと略等しいことが好ましい。すなわち、10.0mm以上15.0mm以下であり、11.0mm以上13.0mm以下であることが好ましい。
【0148】
また、支持要素(300)においては、外径は前記エアロゾル形成基材(110)の略円筒の底面或いは上面の直径とほぼ等しいことが好ましい。また、その長さは、9.0mm以上11.0mm以下である。
【0149】
また、マウスピース(140)は、長さが20.0mmを越え、好ましくは21.0mm以上であって、25.0mm以下であることが好ましい。
【0150】
さらに、エアロゾル形成基材の体積充填率が、0.55以上0.65以下であることが好ましい。
【0151】
本発明に用いられる、エアロゾル形成基材として用いられる非タバコ植物としては、以下である。
【0152】
原料となる非タバコ植物について説明する。本実施形態でも使用できる非タバコ植物は、タバコ以外の植物であれば特に制限はない。植物の使用部位としては、 例えば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根などを含む)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮などを含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊などを含む)、樹木の幹や枝など様々な部位を使用できる。
【0153】
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク、塊茎としては、コンニャク、シクラメン、アネモネ、べゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)、その他として、カブ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、クズが挙げられる。茎としては、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコンが挙げられる。
【0154】
上記イモ類或いは以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、充填物(111)の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム性向上、保存安定性向上等を図ることで可能である。
【0155】
植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、樹液からはアラビアガム、カラヤガム、果実からはペクチン、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン、大豆多糖類を得ることができる。さらに、カチオン化グアーガム、のように変性して使用できる。
【0156】
海藻からは、カッパカラギナン、イオタカラギナン、ラムダカラギナンの3タイプに分類されるカラギナン、寒天、アルギン酸を得ることができ、カラギナン金属塩、アルギン酸N aなどの塩としても用いられる。
【0157】
具体例を挙げると、例えばハーブやスパイスとして使用されている植物としては、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシ-ド、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、 タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、 ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、プラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホ-スラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用できる。 また、 ミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
【0158】
また、例えば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
【0159】
また、茶類を使用できる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なるお茶になる。具体的には、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらお茶については飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用できる。
【0160】
上記に、使用できる植物の具体例として、昆布をあげたが、他にも植物として、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズ夕、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメも当然に使用することができる。
【0161】
上記に、使用できる植物の具体例として、玄米をあげたが、米の他の品種として、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)も当然に使用することができ、粉或いは糠としても使用することができる。
【0162】
さらに、使用できる植物の具体例として、麦をあげたが、麦類の他の例として、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦とも)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ (種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)も当然に使用できる。
【0163】
さらに、使用できる植物の具体例として、黒豆をあげたが、菽穀類(マメ科)としての他の例は、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウキマメクラスタマメグラスピー (英:Lathyrus sativus)、ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、 べニバナインゲン、ホースグラム(英:Macrotyloma uniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、レンズマメ(ヘントウ)も当然に使用できる。
【0164】
さらに、使用できる植物の具体例として、ソバをあげたがその他の植物の例として、 アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバも当然に利用することができる。
【0165】
さらに、使用できる植物の具体例として、シイタケをあげたが、キノコ類としては、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、ハラタケが挙げられる。
【0166】
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ植物として使用することが可能である。植物としてまた、例えば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
【0167】
さらに、漢方薬として知られているものも好ましく用いられる。例えば、以下である。藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、ソウ角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)。
【0168】
さらに、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、所謂エキスも使用することができる、抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
【0169】
以下、本発明を具体的に説明する。以下の実施例にて作成した電子タバコカートリッジを
図1の挙げるような電子タバコ本体にて評価をする。使用する電子タバコ本体の概略を説明する。
【0170】
加熱要素(211)は、幅4.5mm、先端までの長さ12mm、厚みは0.4mmである。差し込み部(210)の内径は、7mmであり、電子タバコカートリッジの外形にほぼ等しい。前記加熱要素(211)は、電子タバコ本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力よって発熱し、およそ370℃となる。そして、内臓の制御システムにより、14回の吸引によって1本の電子タバコカートリッジの消費が終了する。なお、本実施例の電子タバコカートリッジを差し込んだ際に、電子タバコ本体の下流側から外側に現れる電子タバコカートリッジ部分はおよそ20mmである。
【0171】
(実施例1 )
セルロース繊維、結合剤、紅茶、エアロゾルフォーマ及び風味添加剤をスラリーとし、金属板上にキャストを行い、キャストしたスラリーを乾燥し、シートを作成した。厚みを0.2mmとした。上記得られたシートを、縦12mm、横120mmに裁断をした。質量は0.29gであった。
図9に示すように、縦方向(Y方向)の三分の二の場所(A)から切り絵用カッターで間隔W4mmおきに三分の二に相当する縦方向長さ8mmの切込み(F) を入れた。これを横方向(X方向)に繰り返し切込み(F)を入れていった。
【0172】
電子タバコカートリッジとしては、
図2及び
図7に示すような構成とするエアロゾル形成基材(110)は、直径7mmで高さ12mmの円筒状とした包装部材(151)に充填物を充填して形成される。また、支持要素(300)として、その中心に貫通穴を有する中空状管を用いる。管の底面の直径は7mmであり、中空部を形成する貫通穴の直径は、3mmであり、材質はセルロースアセテートである。支持要素(300)は、加熱要素(211)が挿入された場合に、挿入する力に抗してエアロゾル形成基材(110)を支持する機能を有するとともに、発生したエアロゾルがユーザーの口に届くよう上流側(10)から下流側(20)に前記エアロゾルを導く機能として貫通穴を有している。
【0173】
移送部材(130)としては、ギャザー付きのポリマーシートを底面直径7mmで、高さを18mmとした円柱状となるように紙巻したものを用いる。移送部材(130)は、発生したエアロゾルがユーザーの口に届くよう上流側(10)から下流側(20)に導く機能を有するとともに、エアロゾルの温度を適正に保つ機能を有している。
【0174】
マウスピース(140)としては、フィルターを底面の直径7mm、高さ7mmの円柱状となるように紙巻したものを用いた。以上を
図2及び
図7のように、包装シート(150)で巻き電子タバコカートリッジとする。
【0175】
上記のように切込み(F)を入れた充填物(111)を巻くことにより巻物とし、前記包装部材(151)に充填物として充填し、エアロゾル形成基材(110)とした。このように形成されたエアロゾル形成基材(110) は、シートとシートの間隙が空気の通路となっており、前記空気の通路を電子タバコカートリッジの長手方向に形成することとなる。なお、充填する際には、前記充填物側面に接着剤をつけているため、包装部材(151)と接着していることとなる。なお、切込み(F)を入れた側を上流側(10)となるようにして充填してある。以上のようにして、電子タバコカートリッジを得た。
【0176】
尚、本実施例の場合、一端部に現れるシートの端部形状は、長辺4mmであり、短辺0.2mmの略長方形の面が変形し、やや湾曲した状態となっている。しかしながら、
図10にあるように各々の一端部からみたエアロゾル形成基材の中心部(B)から周辺部(C)に向かって観察される前記シートの端部形状の面積が、略等しいものとなっているという特徴がある。
【0177】
このような特徴があると、加熱要素(211)を挿入した際に、挿入の方向にかかわらず一定の抵抗をもって、装着が可能となる。また、加熱により発生したエアロゾルについても、形成された空気の通路が均一であるため、吸い心地が安定したものとなっている。また、使用後においての、充填物の一部の脱落はなく、充填物の脱落もなかった。
【0178】
(実施例2)
実施例1と同様の切込みを入れた充填物(111)を準備した。前記切込み(F)を入れたシートを折り畳み、前記包装部材(151)に充填し、充填物とした。このように形成された充填物は、シートとシートの間が空気の通路となっており、前記空気の通路を電子タバコカートリッジの長手方向に形成することとなる。なお、充填する際には、充填物側面に接着剤をつけているため、包装部材(151)と接着していることとなる。なお、切込みを入れた側を上流側となるようにして充填してある。以上のようにして、実施例1と同様にして電子タバコカートリッジを得た。
【0179】
尚、本実施例の場合、一端部に現れるシートの端部形状は、長辺4mmであり、短辺0.2mmの略長方形の面が変形した状態となっている。しかしながら、
図10にあるように、各々の一端部からみたエアロゾル形成基材の中心部(B)から周辺部(C)に向かって観察されるシートの端部形状の面積が、ほぼ等しいものとなっているという特徴がある。
【0180】
このような特徴があると、加熱要素(211)を挿入した際に、挿入の方向にかかわらず一定の抵抗をもって、装着が可能となる。また、加熱により発生したエアロゾルについても、形成された空気の通路が均一であるため、吸い心地が安定したものとなっている。また、使用後においての、充填物の一部の脱落はなく、充填物の脱落もなかった。
【0181】
(実施例3)
セルロース繊維、結合剤、紅茶、エアロゾルフォーマ及び風味添加剤をスラリーとし、金属板上にキャストを行い、キャストしたスラリーを乾燥し、シートを作成した。厚みを0.2mmとした。裁断したシートを巻くことにより巻物とし、前記包装部材(151)に充填し、充填物とした。このように形成された充填物は、シートとシートの間が空気の通路となっており、前記空気の通路を電子タバコカートリッジの長手方向に形成することとなる。なお、充填する際には、充填物側面に接着剤をつけているため、包装部材(151)と接着していることとなる。
【0182】
その後に、一端から切り絵用カッターによって切込み(D1、D2、D3)を直径方向に入れた。切込み(D1、D2、D3)の入れ方を
図11に示すように、直径方向に三等配となるように行った。切込み深さはおよそ8mmである。以上のようにして、実施例1と同様にして電子タバコカートリッジを得た。
【0183】
尚、本実施例の場合、各々の一端部からみたエアロゾル形成基材の中心部 (B)から周辺部(C)に向かって観察されるシートの端部形状の面積が、小から大になっているという特徴がある。このような構造においては、加熱要素(211)を挿入する際に、中心部の抵抗が小であることに本構成特有の効果がある。また、使用後においての、充填物の一部の脱落はなく、充填物の脱落もなかった。
【0184】
(実施例4 )
セルロース繊維、結合剤、紅茶、エアロゾルフォーマ及び風味添加剤をスラリーとし、金属板上にキャストを行い、キャストしたスラリーを乾燥し、シートを作成した。厚みを0.2mmとした。上記得られたシートを、縦12mm、横120mmに裁断をした。裁断したシートを折り畳み、前記包装部材(151)に充填し、充填物とした。このように形成された充填物は、シートとシートの間が空気の通路となっており、前記空気の通路を電子タバコカ-トリッジの長手方向に形成することとなる。なお、充填する際には、充填物側面に接着剤をつけているため、包装部材(151)と接着していることとなる。
【0185】
その後に一端からカッターによって切込みを入れた。切込みは、折り畳んだ充填物(111)の稜線に略直角となるよう、
図12に示すように3か所の切込み(G1、G2、G 3)を入れた。切込み深さはおよそ8mmである。以上のようにして、 実施例1と同様にして電子タバコカートリッジを得た。また、使用後においての、充填物の一部の脱落はなく、充填物の脱落もなかった。
【0186】
(実施例5)
セルロース繊維、結合剤、紅茶、エアロゾルフォーマ及び風味添加剤をスラリーとし、金属板上にキャストを行い、キャストしたスラリーを乾燥し、シートを作成した。厚みを0.2mmとした。上記得られたシートを、縦12mm、横120mmに裁断をし、短手方向(Y方向)に実質的に平行な波形を有するように捲縮を行った。波形の一周期は4mmである。上記のように捲縮をしたシートを巻くことにより巻物とし、前記包装部材(151)に充填し、充填物とした。このように形成された充填物は、シートとシートの間 が空気の通路となっており、前記空気の通路を電子タバコカートリッジの長手方向に形成することとなる。なお、充填する際には、充填物側面に接着剤をつけているため、包装部材(151)と接着していることとなる。
【0187】
一端から切り絵用カッターによって切込み(D1、D2、D3)を直径方向に入れた。切込み(D1、D2、D3)の入れ方を
図11に示すように 直径方向に三等配となるように行った。切込み深さはおよそ8mmである。切込み深さはおよそ8mmである。以上のようにして、実施例1と同様にして電子タバコカートリッジを得た。
【0188】
尚、本実施例の場合、各々の一端部からみたエアロゾル形成基材の中心部 (B)から周辺部(C)に向かって観察されるシートの端部形状の面積が、小から大になっているという特徴がある。このような構造においては、加熱要素(211)を挿入する際に、中心部の抵抗が小であることに本構成特有の効果がある。
【0189】
また、使用後においての、充填物の一部の脱落はなく、充填物の脱落もなかった。捲縮を行っているためと考えられるが、加熱要素(211)を挿入した際に、挿入の方向にかかわらず一定の抵抗をもって、装着が可能となり、吸い心地が安定したものとなっている。
【0190】
(実施例6)
セルロース繊維、結合剤、紅茶、エアロゾルフォーマ及び風味添加剤をスラリーとし、金属板上にキャストを行い、キャストしたスラリーを乾燥し、シートを作成した。厚みを0.2mmとした。上記得られたシートを、縦12mm、横120mmに裁断をし、短手方向(Y方向)に実質的に平行な波形を有するように捲縮を行った。波形の一周期は4mmである。上記のように捲縮をしたシートを折り畳んで、前記包装部材(151 )に充填し、充填物とした。このように形成された充填物は、シートとシートの間が空気の通路となっており、前記空気の通路を電子タバコカートリッジの長手方向に形成することとなる。なお、充填する際には、充填物側面に接着剤をつけているため、包装部材(151)と接着していることとなる。
【0191】
その後に、一端からカッターによって切込みを入れた。切込みは、折り畳んだ充填物(111)に略直角となるよう
図12に示すように3か所の切込み(G1、G2、G3)を入れた。切込み深さはおよそ8mmである。以上のようにして、実施例1と同様にして電子タバコカートリッジを得た。また、使用後においての、充填物の一部の脱落はなく、充填物の脱落もなかった。捲縮を行っているためと考えられるが、加熱要素(211)を挿入した際に 、挿入の方向にかかわらず一定の抵抗をもって、装着が可能となり、吸い心地が安定したものとなっている。
【0192】
(実施例7)
本実施例においては、一端に切込みの入ったシートを特に連続的に生産するのに適した構成について説明をする。セルロース繊維、結合剤、紅茶、エアロゾルフォーマ及び風味添加剤をスラリーとし、金属板上にキャストを行い、キャストしたスラリーを乾燥し、シートを作成した。上記得られたシートを、幅120mmの連続するシートとし、ロール状に巻き取った。前記ロールから、連続するシートをロールロータリーカッターに供給し、部分的な切込みを入れた。
【0193】
本実施例での切込みの入れ方は
図13に示してある。X方向に120mmのシートに、X方向に間隔Wで切込みを作成する。Y方向に長さHの周期で、切込み無部分H1及び切込み部分H2を周期的に形成する。また、隣り合う切込みはH3だけずらして形成している。ここのように形成したシートを長さH周期に裁断した例を
図14に示す。
【0194】
図14では、X方向においては、幅Wの間隔で切込み部分と切込み無部分が存在しており、形成したシート全体にわたり切込み無部分により繋がっている状態である。さらに、Y方向において、X方向の辺が2つあるが、前記 2つの辺に切込みが存在する状態となっている。すなわち、本実施例の切込みのあるシートを用いて、包装部材(151)に充填しエアロゾル形成基材とすると、上面及び下面のどちらも切込みを有する充填物を充填したものとなる。このようにエアロゾル形成基材を形成する方法によれば、連続的な生産に適したものとなる。 ぜならば、エアロゾル形成基材についてどちらの方向をも使用することができるため、電子タバコカートリッジの自動組み立てに適するからである。
【0195】
本実施例においては、上記のような具体例で説明したが、このような方法に限定はされない。連続的な生産において、形成したシート全体にわたり切込み無部分により繋がっている状態とするためには、切込みの長さH2が、Y方向のシートの幅より小であることを要する。一端側及び他端側の双方に切込みを作成するように前記切込みの配置をすることにより達成することができる。すなわち、電子タバコカートリッジの長手方向の軸を横断する方向に、所定の間隔で切込み部分が存在するシート状の部材であって、前記シート状の部材の全体にわたり切込み無部分により繋がっており、前記シート状部材を用いてエアロゾル形成基材とした際に、前記エアロゾル形成基材の一端側と他端側に切込みが存在するものを作成することができる。
【0196】
ここでは、間隔Wを4mmとし、長さHを12mm、H1を4mm、H2を8mm、H3を2mmとしている。本実施例においては、長さHについては、エアロゾル形成基材の電子タバコカートリッジの長手方向の長さと、充填物の前記長手方向の長さとをそろえるために12mmとしている。以上のようにして、実施例1と同様にして電子タバコカートリッジを得た。また、使用後においての、充填物の一部の脱落はなく、充填物の脱落もなかった。捲縮を行っているためと考えられるが、加熱要素(211)を挿入した際に、挿入の方向にかかわらず一定の抵抗をもって、装着が可能となり、吸い心地が安定したものとなっている。
【0197】
実施例7の形態に好ましい製造方法を説明する。例として、エアロゾル形成基材の製造装置(600)の概略を
図15にあげる。回転可能なボビンを備えるシートの供給装置(610)から、シートを供給し、供給されたシートに所定の切込みを入れる。ロータリーカッターなどの切込み形成装置(620)で所定の切込みを作成する。引き続き所望の切込みを入れたシートを集合させる漏斗などの集合装置(630)に導き、巻き込みや畳み込み、圧縮又は収縮をさせシートを集合させる。このように作成されたシートを集合させたものは、シートとシートの間が空気の通路となっており、前記空気の通路を電子タバコカートリッジの長手方向に沿って形成することとなるものが好ましい。他方前記シートを包装部材(151)に充填するために、包装部材となる包装用紙のロールを備える包装部材供給装置(670)から、包装用紙が供給され集合装置(630)で集合されたシートを包装する。この包装工程は、包装装置(640)により実行される。包装装置(640) においては、前記集合されたシートを、前記包装シートにより包装し、包装用紙の端部の重なり部分に熱溶着させるための接着剤の塗布、加熱による接着、冷却を行い、連続的に、前記包装用紙により包装された集合されたシートが連続的に形成され、切断装置(650)により、個々のエアロゾル形成基材(110)とされる。なお、図示しないが、シートの供給装置(610)の上流側で、非タバコ植物組成物をシート状に成形するために、3本ロールミルを使用する。
【0198】
尚、集合装置(630)或いは包装装置(640)で作成された、集合シートを包装部材で包装したものは、ベルト駆動装置(660)により、集合装置(630)から切断装置(650)まで導かれる。ベルト駆動装置(660)に用いられるベルトは、ガーニチャベルトが好ましく用いられる。このように形成されたエアロゾル形成基材(110)の一端側と他端側には切込みが形成されており、かつ、形成したシート全体にわたり切込み無部分により繋がっている状態となっている。
【0199】
以上説明したように本発明によれば以下の効果を奏する。
電子タバコカートリッジに加熱要素(211)の挿入を安定に行うことができる。これに伴い、吸い心地が安定し、ひいては、電子タバコカートリッジの破損、ひいては、加熱要素(211)の破損を防止することができる。
【0200】
また、電子タバコカートリッジの使用後において、エアロゾル形成基材の充填物の脱落をも防止することができる。
【0201】
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【産業上の利用可能性】
【0202】
例えば実施例による電子タバコカートリッジ(100)は、加熱要素を備える電子タバコ用のカートリッジとして好適に利用される。
【符号の説明】
【0203】
10 上流側(一端側)
20 下流側(他端側)
100 電子タバコカートリッジ
110 エアロゾル形成基材
111 充填物
130 移送部材
140 マウスピース
150 包装シート
151 包装部材
170 蓋
180 隔壁部材
200 電子タバコ本体
210 差し込み部
211 加熱要素
300 支持要素
600 エアロゾル形成基材の製造装置
610 シートの供給装置
620 切込み形成装置
630 集合装置
640 包摂装置
650 切断装置
660 ベルト駆動装置
670 包摂部材供給装置
160 側部
112 略中心軸
F 切込み
W 切込みの間隔
D1~D3 切込み
G1~G3 切込み
B エアロゾル形成基材の中心部
C エアロゾル形成基材の周辺部
【要約】
【課題】本発明の目的は、電子タバコカートリッジを提供することにある。
【解決手段】 棒状または円筒形状の外観を呈する電子タバコカートリッジであって、エアロゾル形成基材と、エアロゾル形成基材の下流側に、支持要素、移送部材、マウスピースの順で隣接したものが、包装シートで巻かれて形成されており、エアロゾル形成基材は、円筒状の包装部材と、包装部材の内部に充填された電子タバコ用充填物と、を含み、電子タバコ用充填物は、シート状部材を有して構成され、エアロゾル形成基材、支持要素、移送部材、マウスピースが隣接配置される一方向を電子タバコカートリッジの長手方向とし、長手方向を電子タバコカートリッジの第1方向としたとき、シート状部材に第1方向に沿って切込みが形成され、切込みは、シート状部材の一の表面にシート状部材を貫通しない深さで形成され、第1方向に沿った方向に、包装部材の内径よりも小さい幅で折り畳んで、包装部材に充填されている、
ことを特徴とする、電子タバコカートリッジ。
【選択図】
図2