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特許7446732現場内情報システム、端末装置、現場内情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】現場内情報システム、端末装置、現場内情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240304BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20240304BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240304BHJP
   E04G 21/00 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
G08B21/02
H04R1/00 317
H04R1/00 327
G08B27/00 Z
E04G21/00 ESW
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019138649
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021022191
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】宇野 昌利
(72)【発明者】
【氏名】三原 泰司
(72)【発明者】
【氏名】松本 政治
(72)【発明者】
【氏名】伊原 広明
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-287846(JP,A)
【文献】特開2000-242873(JP,A)
【文献】特開2013-058872(JP,A)
【文献】特開2010-010945(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221889(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 1/00 - 5/00
35/00 - 99/00
E04G 21/00 - 21/10
G08B 19/00 - 31/00
H03J 9/00 - 9/06
H04B 7/24 - 7/26
H04M 1/00
1/24 - 3/00
3/16 - 3/20
3/38 - 3/58
7/00 - 7/16
11/00 - 11/10
99/00
H04Q 9/00 - 9/16
H04R 1/00 - 1/08
1/12 - 1/14
1/42 - 1/46
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と現場内情報サーバとを有する現場内情報システムであって、
前記現場内情報サーバは、
現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報を記憶する記憶部と、
送信対象の端末装置に前記現場内情報と前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信する送信部と、を有し、
前記端末装置は、
前記現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信する受信部と、
前記受信した前記撮像データを表示する表示部と、
作業者に装着され、骨伝導によって振動を伝搬させる骨伝導振動部と、
前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる駆動部と、
を有する現場内情報システム。
【請求項2】
前記現場内情報サーバは、
現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記測定結果が基準値を超えているか否かを判定する判定部と、
前記測定結果が前記基準値を超えている場合に、前記端末装置に基準値を超えていることを表す現場内情報を前記送信部から送信する第1送信制御部とを有し、
前記端末装置の駆動部は、
前記現場内情報に基づいて、基準値を超えていることを表す音声信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる
請求項1記載の現場内情報システム。
【請求項3】
前記現場内情報サーバは、
緊急事態の発生を表す緊急情報を取得する緊急情報取得部と、
前記緊急情報を現場内情報として前記送信部から送信する第2送信制御部と、を有し、
前記端末装置の駆動部は、
前記現場内情報に基づいて、前記緊急情報に対応する音声信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる
請求項1または請求項2に記載の現場内情報システム。
【請求項4】
前記現場内情報サーバは、
前記端末装置のうち第1の端末装置から送信される音声信号を取得する音声データ取得部と、
前記音声信号を現場内情報として、前記第1の端末装置とは異なる端末装置である第2の端末装置に対して前記送信部から送信する第3送信制御部と、を有し、
前記第2の端末装置の駆動部は、
前記現場内情報に基づいて、前記音声信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の現場内情報システム。
【請求項5】
前記第1の端末装置は、
現場内作業者に装着され、当該現場内作業者の声帯の振動を検出する骨伝導検出部と、
前記検出された声帯の振動に応じた音声信号を前記現場内情報サーバに送信する送信部と、
を有する請求項4に記載の現場内情報システム。
【請求項6】
現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報を記憶する記憶部と、送信対象の端末装置に前記現場内情報と前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信する送信部と、を有する現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信する受信部と、
前記受信した前記撮像データを表示する表示部と、
作業者に装着され、骨伝導によって振動を伝搬させる骨伝導振動部と、
前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる駆動部と、
を有する端末装置。
【請求項7】
作業者に装着され、当該作業者の生体に伝わる声帯の振動を検出する骨伝導検出部と、
前記検出された振動に応じた音データを生成して現場内情報サーバに送信する送信部と、
前記現場内情報サーバから送信される、他の端末装置において生成された音データを受信する受信部と、を有し、
前記駆動部は、前記受信した音データに応じて前記骨伝導振動部を駆動させる
請求項6記載の端末装置。
【請求項8】
複数の端末装置と現場内情報サーバとを有する現場内情報システムにおける現場内情報提供方法であって、
前記現場内情報サーバの送信部が、送信対象の端末装置に対して、現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報と前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信し、
前記端末装置の受信部が、前記現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信し、
前記端末装置の表示部が、前記受信した前記撮像データを表示し、
前記端末装置の骨伝導振動部が、現場内作業者に装着された部位に対して、骨伝導によって振動を伝搬させ、
前記端末装置の駆動部が、前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる
現場内情報提供方法。
【請求項9】
端末装置における現場内情報提供方法であって、
受信部が、現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報を記憶する記憶部と、送信対象の端末装置に前記現場内情報と前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信する送信部と、を有する現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信し、
表示部が、前記受信した前記撮像データを表示し、
骨伝導振動部が、作業者に装着され、骨伝導によって振動を伝搬させ、
駆動部が、前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場内情報システム、端末装置、現場内情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場では重機、ダンプトラック、建設用機器等に起因する様々な騒音が発生し、良好な音声会話をすることが困難な状況が頻繁に生ずる。
特にトンネルや地下掘削等の坑内における坑内作業関係者は、坑内において作業をする場合、防じんマスクを着用しており、坑内作業関係者の間では、良好な音声会話をすることがさらに困難であるため、手やボディランゲージを利用し意思疎通を行う場合がある。また、坑内において意思疎通を行うための通信装置としては、例えば、特許文献1に記載された通信装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭51-131208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、音声会話が困難な状況において手やボディランゲージも利用して意思疎通を図ろうとしても、勘違いや思い込みによるヒューマンエラーも生じやすく、安全に関わる会話で間違いが発生した場合には重大な事故になる可能性が高い。
また、坑内温度の上昇や粉じん濃度の上昇に伴う環境の変化に対する処置や緊急事態発生時の早期の対応が必要な場合、作業員全員への周知等も時間がかかり、早期対応ができない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、音声会話が困難である環境においても、正確な意思疎通を行いやすい現場内情報システム、端末装置、現場内情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の端末装置と現場内情報サーバとを有する現場内情報システムであって、前記現場内情報サーバは、現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報を記憶する記憶部と、送信対象の端末装置に前記現場内情報と前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信する送信部と、を有し、前記端末装置は、前記現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信する受信部と、前記受信した前記撮像データを表示する表示部と、作業者に装着され、骨伝導によって振動を伝搬させる骨伝導振動部と、前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる駆動部と、を有する。
【0007】
また、本発明の一態様は、現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報を記憶する記憶部と、送信対象の端末装置に前記現場内情報と前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信する送信部と、を有する現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信する受信部と、前記受信した前記撮像データを表示する表示部と、作業者に装着され、骨伝導によって振動を伝搬させる骨伝導振動部と、前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる駆動部と、を有する。
【0008】
また、本発明の一態様は、複数の端末装置と現場内情報サーバとを有する現場内情報システムにおける現場内情報提供方法であって、前記現場内情報サーバの送信部が、送信対象の端末装置に対して、現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報と前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信し、前記端末装置の受信部が、前記現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信し、前記端末装置の表示部が、前記受信した前記撮像データを表示し、前記端末装置の骨伝導振動部が、作業者に装着された部位に対して、骨伝導によって振動を伝搬させ、前記端末装置の駆動部が、前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる現場内情報提供方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、端末装置における現場内情報提供方法であって、受信部が、現場内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を含む現場内情報を記憶する記憶部と、送信対象の端末装置に前記現場内情報前記現場の入口又は出口を含む領域がカメラにより撮像された撮像データとを送信する送信部と、を有する現場内情報サーバから送信される前記現場内情報と前記撮像データとを受信し、表示部が、前記受信した前記撮像データを表示し、骨伝導振動部が、作業者に装着され、骨伝導によって振動を伝搬させ、駆動部が、前記受信した前記現場内情報に基づく信号に応じて前記骨伝導振動部を駆動させる情報提供方法である。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、この発明によれば、音声会話が困難である環境においても、正確な意思疎通を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の一実施形態による坑内情報システム1の構成を示す概略ブロック図である。
図2】坑内情報システム1の機能を説明する概略機能ブロック図である。
図3】端末装置20の機能を説明する機能ブロック図である。
図4】端末装置20がヘッドセットである場合における外観の一例を示す概略の外観図である。
図5】坑内情報システム1の動作を説明するシーケンス図である。
図6】ある端末装置20から他の端末装置20に対して坑内情報を送信する場合について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による現場内情報システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による坑内情報システム1の構成を示す概略ブロック図である。この実施形態では、現場が坑内である場合を一例とし、現場内情報システムを坑内情報システムとして構成した場合を説明するが、現場は坑内ではなくてもよい。
坑内情報システム1は、坑内情報サーバ10と、端末装置20a、端末装置20b(以下、端末装置を特に識別しない場合には単に端末装置20と称する)と、計測データ収集装置30と、センサ40と、カメラ50と、ネットワーク60とを有しており、トンネル70の坑内に関連する各種情報の送受信を行う。
【0013】
トンネル70は、掘削やコンクリートの打設等の工事が行われている段階のトンネルであり、坑口71から切羽72に向かって工事が進められる。この実施形態において、トンネル70は掘削等の工事を行う場合について説明するが、トンネル70が完成した後において改修工事や点検を行う場合であってもよい。トンネル70は、山岳トンネル、地下鉄のトンネル、シールドトンネル等であってもよい。
トンネル70には、ダクト73が設けられている。ダクト73は、トンネル70内の上部側の横断方向略中央位置に、トンネル70の坑口71から切羽72に延在するように配置されている。ダクト73の坑口71側の端部には、送風機74が設けられている。送風機74は、ダクト73を介して、トンネル70の外部の新鮮な空気(新鮮空気)をトンネル70内に給気する。
また、トンネル70の坑口71から切羽72までの間において所定の間隔を空けて無線LANルーターが設置されている。無線LANルーターは、例えばWi-Fi(登録商標),4G(第4世代移動通信システム),5G(第5世代移動通信システム),アドホックなどの通信方式によって、端末装置20と通信を行うとともに、ネットワーク60を介して坑内情報サーバ10と通信を行う。
【0014】
坑内情報サーバ10は、ネットワーク60を介して、端末装置20(端末装置20a、端末装置20b)、計測データ収集装置30、カメラ50と通信を行い、端末装置20に対して各種情報を送信する。この坑内情報サーバ10は、1台のサーバ装置であってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
端末装置20は、坑内作業者に携帯される移動可能な端末装置であり、坑内情報サーバ10と無線によって通信をする。ここで、トンネル70には、坑口71から切羽72までの間において所定の間隔を空けて無線LANルーターが設置されており、端末装置20は、トンネル70内においても、無線LANルーターに無線によって接続することで、ネットワーク60を介して坑内情報サーバ10と通信することができる。ここでは、2つの端末装置20a、端末装置20bが図示されているが、端末装置20は、3台以上であってもよい。
計測データ収集装置30は、各センサ40から送信される測定結果を受信し、受信した測定結果を坑内情報サーバ10に送信する。
【0015】
センサ40は、坑内の環境を測定するセンサであり、トンネル70の坑口71から切羽72の間に所定の間隔を空けて設置される。センサ40の種類としては、例えば、粉じんセンサ、温度センサ、ガスセンサ、風速センサ等がある。センサ40として粉じんセンサを用いる場合、坑内の環境としては、粉じん濃度、単位時間当たりの粉じん量等を測定することができる。センサ40として温度センサを用いる場合、坑内の環境としては、坑内温度等を測定することができる。センサ40として湿度センサを用いる場合、坑内の環境としては、坑内湿度等を測定することができる。センサ40としてガスセンサを用いる場合、坑内の環境としては、所定のガス(CO、CO、O、NOx、メタンガス、等)の濃度を測定することができる。センサ40として風速センサを用いる場合、坑内の環境としては、風速を測定することができる。センサ40を設置する場合、1つの設置箇所に1つまたは複数種類のセンサを設置するようにしてもよい。
また、センサ40を設置する場合、測定したい環境の項目に応じた種類のセンサ40を測定したい位置に設置するようにしても良い。例えば、切羽周辺は粉じんが生じやすいため、粉じんセンサを設置し、作業をしている作業員が多い領域(例えば切羽の後方など)には、粉じんセンサ、ガスセンサ、風速センサ、温度センサ等を設けるようにしてもよい。また、坑口近傍においては、温度センサ、粉じんセンサ等を設けるようにしてもよい。
また、掘削が行われるにつれて、切羽72の坑口71からの距離は、長くなる。掘削により延伸された場所には、新たにセンサ40を設けるようにしてもよい。
また、センサ40は、消費電力量を計測するセンサであってもよい。消費電力量を計測する対象は、トンネル70内に設置された照明機器、吹付機、ドリルジャンボ、吹付プラント、送風機74等であってもよい。
【0016】
カメラ50は、坑口71を含む周辺を撮像する。カメラ50の撮像結果を用いることで、トンネル70内に入坑する作業員や車両80、トンネル70から出る作業者や車両80を確認することができる。
ネットワーク60は、例えばインターネットや公衆回線網等である。
【0017】
図2は、坑内情報システム1の機能を説明する概略機能ブロック図である。
坑内情報サーバ10と、端末装置20(端末装置20a、端末装置20b)と、計測データ収集装置30と、センサ40と、カメラ50が、ネットワーク60を介して通信可能に接続される。
複数のセンサ40(ここでは、センサ40a、センサ40bの2つのセンサ)は、それぞれ一定時間毎に測定を行い、その測定結果を計測データ収集装置30に送信する。
計測データ収集装置30は、それぞれのセンサ40から測定結果を受信し、坑内情報サーバ10に送信する。
カメラ50は、撮像データを坑内情報サーバ10に送信する。
【0018】
坑内情報サーバ10は、通信部101、記憶部102、判定部103、送信制御部104、通話制御部105、制御部106を有する。
通信部101は、ネットワーク60に接続された機器と通信する機能を有しており、例えば、計測データ収集装置30から送信される測定結果を受信する機能(坑内の環境を測定するセンサによって検出された測定結果を取得する機能)、カメラ50から送信される撮像データを受信する機能、緊急事態の発生を表す緊急情報を受信する機能、送信対象の端末装置に坑内情報を送信する機能等を有する。
【0019】
記憶部102は、坑内に関する情報である坑内情報等、各種情報を記憶する。
坑内情報は、坑内に関する情報であればよく、例えば、計測データ収集装置30から受信した測定結果、端末装置20に対して送信する通知情報等である。
記憶部102は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部102は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0020】
判定部103は、坑内情報に含まれる測定結果が基準値を超えているか否かを判定する。基準値は、記憶部102に予め記憶しておき、これを利用するようにしてもよい。基準値は、センサ40の種類に応じた値が記憶されている。例えば、センサ40が粉じんセンサである場合、基準値は、粉じんの基準値が用いられる。センサ40が温度センサである場合、基準値は、温度の基準値が用いられる。
【0021】
送信制御部104は、判定部103の判定結果に基づいて、通知が必要な判定結果である場合には、判定結果に応じた坑内情報(通知情報)を通信部101によって送信する。例えば、送信制御部104は、判定部103の判定結果に基づいて、測定結果が基準値を超えている場合、端末装置20に対して、基準値を超えていることを表す坑内情報(通知情報)を通信部101によって送信したり、測定結果が基準値未満である場合に、端末装置20に対して、基準値未満であることを表す坑内情報(通知情報)を送信する。
【0022】
また、送信制御部104は、緊急情報を坑内情報として通信部101から送信することもできる。緊急情報は、複数の端末装置20のうち、いずれかの端末装置20から緊急情報を送信する指示が入力された場合には、他の端末装置20に対して緊急情報を通信部101から送信する。緊急情報の送信する指示の入力は、いずれの端末装置20が行ってもよいし、例えば、トンネル70内における作業を管理する管理者が利用する端末装置20(例えばタブレット端末等)から、管理者が入力するようにしてもよい。管理者は、トンネル70内またはトンネル70の外に設置された現場事務所において、端末装置20を利用することができる。
【0023】
通話制御部105は、端末装置20のうち第1の端末装置から送信される音声信号を取得する音声データ取得機能と、音声信号を坑内情報(通知情報)として、第1の端末装置とは異なる端末装置である第2の端末装置に対して通信部101によって送信する機能とを有する。これにより、複数の端末装置20の間で、音声による通話をすることができる。
【0024】
図3は、端末装置20の機能を説明する機能ブロック図である。端末装置20の種類はどのような種類でもよいが、この図においては、端末装置20は、骨伝導を利用したヘッドセットである場合について説明する。
端末装置20は、通信部201、記憶部202、骨伝導検出部203、骨伝導振動部204、駆動部205、制御部206を有し、坑内作業者に装着される。
通信部201は、坑内情報サーバ10から送信される坑内情報を受信する機能、検出された声帯の振動に応じた音声信号を前記坑内情報サーバに送信する機能とを有する。
記憶部202は、各種情報を記憶する。
記憶部202は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部202は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0025】
骨伝導検出部203は、装着された坑内作業者の声帯の振動を、当該坑内作業者の生体表面において検出する。具体的には、骨伝導検出部203は、例えば、坑内作業者が発話内容を骨伝導を利用して検出する。
【0026】
骨伝導振動部204は、駆動部205によって駆動されることで振動する。また、骨伝導振動部204は、坑内作業者に装着された部位に振動を与えることで、骨伝導によって振動を伝搬させる。
【0027】
駆動部205は、受信した坑内情報に基づく信号に応じて骨伝導振動部204を駆動させる。駆動部205は、坑内情報に基づいて、基準値を超えていることを表す音声信号に応じて骨伝導振動部204を駆動させる。駆動部205は、坑内情報に基づいて、緊急情報に対応する音声信号に応じて骨伝導振動部204を駆動させる駆動部205は、坑内情報に基づいて、音声信号に応じて骨伝導振動部204を駆動させる。
制御部206は、端末装置20の各部を制御する。
【0028】
図4は、端末装置20が頭部に装着されるヘッドセットである場合における外観の一例を示す概略の外観図である。
端末装置20は、本体部250と、本体部250に信号線260を介して接続される骨伝導検出部203とを有する。
【0029】
本体部250は、ヘッドバンド251が坑内作業者の後頭部側を回り込むようにし、ヘッドバンド251の一端側に取り付けられた骨伝導振動部204aが坑内作業者の右側の耳近傍の頭蓋骨に、ヘッドバンドのもう一端側に取り付けられた骨伝導振動部204bが坑内作業者の左側の耳近傍の頭蓋骨に接触するように装着される。ここでは、図3に示す骨伝導振動部204が、骨伝導振動部204a、骨伝導振動部204bのように2つ備えられている。
ヘッドバンド251の右側アームには、バッテリー収容部252、ボリュームキー253が設けられている。バッテリー収容部252には、例えば、電源としての充電池が収容されており、端末装置20の各部に電源が供給される。ボリュームキー253は、骨伝導振動部204から聞こえる音の音量を上げるまたは下げるように調整可能な操作子である。
【0030】
ヘッドバンド251の左側アームには、収容部254が設けられている。収容部254には、通信部201、記憶部202、駆動部205、制御部206等が収容される。
アタッチメント用接続端子255は、外部の機器に電気的に接続するための端子である。
【0031】
骨伝導検出部203は、端末装置20の本体部250に信号線260によって接続され、バンドあるいはベルト等によって、坑内作業者の顎部あるいは頸部に装着される。
【0032】
このように、端末装置20は、本体部250がヘッドバンド251によって坑内作業者の頭部を挟み込むように装着され、骨伝導検出部203がバンドあるいはベルト等によって、坑内作業者の顎部あるいは頸部にベルトに装着されるため、坑内作業者が各種作業を行ったとしても、端末装置20が脱落等せずに利用すること可能である。
【0033】
また、端末装置20は、骨伝導を利用して音声の検出及び坑内作業者に対する音の伝達を行うことができる。ここでは骨伝導方式を用いているため、外部の騒音(掘削音、重機の駆動音等)については集音されにくい一方、坑内作業者の声は検出しやすいため、周囲の雑音を抑えつつ坑内作業者の音声を検出することができる。また、坑内作業者は、防じんマスクを着用して作業を行う場合があるが、このような防じんマスクを着用していることで口元が覆われている場合であっても、周囲からの雑音を抑えつつ骨伝導を利用して音声検出をすることができ、明瞭に音声を検出することができ、容易に会話をすることができる。
【0034】
図5は、坑内情報システム1の動作を説明するシーケンス図である。
センサ40は、坑内の環境を測定し(ステップS101)、測定結果を計測データ収集装置30に送信する(ステップS102)。ここでは、センサ40は、坑口71側の端部近傍からトンネル70内部の切羽72付近までの間において複数設置されているため、各センサ40が所定の計測タイミングが到来すると、測定を行い、測定結果を計測データ収集装置30に送信する。
【0035】
計測データ収集装置30は、各センサ40から送信される測定結果をそれぞれ受信し(ステップS201)、一時記憶した後、所定の送信タイミングが到来すると、記憶した測定結果を送信する(ステップS202)。この送信は、所定の送信タイミングが到来する毎に行われる。所定の送信タイミングは、任意に決定されてもよく、数秒毎であってもよいし、数分毎であってもよい。
【0036】
坑内情報サーバ10は、計測データ収集装置30から送信される測定結果を受信すると(ステップS301)、記憶部102に記憶した後、測定結果が基準値を超えているか否かを判定する(ステップS302)。この判定は、センサ40の種別に応じた基準値を記憶部102から読み出し、測定結果が基準値を超えているか否か(あるいは測定結果が基準値未満であるか否か)について、判定部103によって判定される。例えば、判定部103は、温度センサであるセンサ40から測定結果が得られた場合には、測定結果である温度が基準値である温度を超えているか否かを判定する。超えている場合、制御部106は、温度が基準値を超えていることを表す坑内情報を生成する。ここで姿勢される坑内情報は、例えば、「坑内の温度が○○℃です。基準値を超えました。注意して下さい」等のメッセージである音声データである。このようなメッセージは、判定結果と、メッセージとを対応付けたデータを記憶部102に予め記憶しておき、判定部103の判定結果に応じたメッセージを、記憶部102から読み出すことによって、制御部106が行う生成処理を実現するようにしてもよい。
送信制御部104は、生成された構内情報を各端末装置20に送信する(ステップS303)。一方、超えていなければ、制御部106は、坑内情報の生成は行わずに、他のセンサ40からの検出結果に対して基準値を用いた判定を行い、それぞれの測定結果について判定が終了したら、次のセンサ40からの測定結果を受信する。
【0037】
端末装置20は、坑内情報サーバ10から構内情報を受信すると(ステップS401)、受信した坑内情報に基づく信号に応じて骨伝導振動部204を駆動させる(ステップS402)。これにより、坑内情報に応じた振動が骨伝導によって坑内作業者に対して伝達される。これにより、坑内作業者は、坑内情報に含まれる「坑内の温度が基準値を超えました。注意して下さい」という音声データを聞くことができる。このメッセージに基づいて、坑内作業者は、空調機(冷房等)が正常に稼動しているか否かを確認したり、場合によっては、安全な場所に避難する等の対応をすることができる。また、骨伝導振動部204によってメッセージを聞くことができるため、周囲の騒音からの影響を受けにくい状態でメッセージを聞き取ることができる。
【0038】
なお、端末装置20の記憶部202に、坑内情報としてのメッセージを識別するメッセージIDと音声データとを対応付けて記憶しておき、坑内情報サーバ10から坑内情報としてメッセージIDを受信し、端末装置20が、このメッセージIDに対応する音声データを記憶部202から読み出し、この音声メッセージが表す音声信号に応じて骨伝導振動部204を駆動させるようにしてもよい。
また、音声メッセージは、人が発話した音声をデータ化した音声データであってもよいし、合成音声によって得られた音声データであってもよい。
また、坑内作業者に対して伝達される坑内情報は、音で表現できればよいため、音声であってもよいし、メッセージを着信したことを表す着信音、警告音等の音であってもよい。
【0039】
この実施形態によれば、センサ40の測定結果に基づいて坑内情報を端末装置20に送信するようにしたので、安全に起因するデータを収集することができ、トンネル70内の環境において何らかの周知が必要な状態になったことを検知し、人手を介することなく、坑内作業者に各種情報を提供することができる。
【0040】
また、この実施形態において、センサ40の測定結果を用いて坑内情報を生成するようにしたが、カメラ50の撮影画像に基づいて、坑内情報を生成するようにしてもよい。例えば、カメラ50の撮影画像から、トンネル70に入坑する坑内作業者を検出したり、トンネル70から出てくる坑内作業者を検出し、検出結果に応じた坑内情報を生成するようにしてもよい。例えば、カメラ50の撮影画像から、画像の特徴量に基づいて坑内作業者することで、トンネル70内にいる坑内作業者がだれであるかを特定(顔画像や、体の動きに基づいて坑内作業者を特定したり、ヘルメット等に記載された氏名から文字認識をすることで坑内作業者を特定)し、坑内作業者が入坑したことを坑内情報で通知したり、坑内作業者がトンネル70の外に出たことを坑内情報で通知するようにしてもよい。
【0041】
図6は、ある端末装置20から他の端末装置20に対して坑内情報を送信する場合について説明するシーケンス図である。
この図において、坑内情報サーバ10は、各無線LANルーターに接続されている端末装置20を検出する(ステップS311)。坑内情報サーバ10は、複数の無線LANルーターのうちどの無線LANルーターが、トンネル70のどの位置に設置されているかの情報を記憶部102に記憶している。例えば、記憶部102は、トンネル70の坑口71からの距離と無線LANルーターの識別情報とを対応付けて記憶している。端末装置20は、自端末装置20から通信可能な位置にある無線LANルーターと定期的に通信をすることで接続確認をしている。その際に、端末装置20から無線LANルーターに通知される端末装置20の端末識別情報(例えば、MACアドレス等)を検出することで、どの端末装置20が、どの無線LANルーターに接続されているかを特定することができ、トンネル70のどのあたりに端末装置20が存在するかを特定することができる。
また、トンネル70は、掘削が行われるにつれて、切羽72の坑口71からの距離は、長くなるため、掘削がある程度進むと、切羽72近傍に新たに無線LANルーターを設置し、その無線LANルーターの識別情報と切羽72からの距離とを記憶部102に記憶しておく。
【0042】
複数の端末装置20のうち、坑内作業者の管理者が携帯するタブレット端末は、当該管理者によってタッチパネル等を介して入力される通信相手を指定する入力を受け付ける(ステップS411)。例えば、送信先となる坑内作業者を個別に特定する情報であってもよいし、送信先となる複数の端末装置をグループによって指定する情報であってもよい。グループで指定する場合には、組織や所属に応じたグループを指定するようにしてもよいし、「切羽近傍」あるいは坑口71と切羽72との間において覆工の工事を行う「覆工工事エリア」等、工事が行われているエリアを特定するようにしてもよい。
また、タブレット端末である端末装置20は、タッチパネルを介して入力される指示に応じて坑内情報を生成する(ステップS412)。ここで入力される情報としては任意であるが、例えば、坑内作業者に対する作業指示を入力することができる。また、この端末装置20は、各センサ40によって測定された測定結果を坑内情報サーバ10から取得して画面上に表示することができ、管理者が、この測定結果を参照しつつ、坑内の環境に応じた指示(例えば休憩時間にしっかり水分をとることを表す指示等)、坑内の環境に関する情報(例えば、トンネル70内の温度がやや高めであることを表すメッセージ)、坑内の環境に関連した安全性を高めるための情報(例えば、車両が坑口71から入坑したことを知らせるメッセージ等)を入力することもできる。また、端末装置20は、管理者の指示に応じて、緊急事態の発生を知らせるメッセージ(安全なエリアに移動させるための指示等)を入力することもできる。
端末装置20は、坑内情報の生成指示が入力された後、送信指示が入力されると、坑内情報サーバ10に通信相手を示す情報と坑内情報とを送信する(ステップS413)。
【0043】
坑内情報サーバ10は、端末装置20から通信相手を示す情報と坑内情報とを受信すると(ステップS312)、通信相手として指示された端末装置に対して構内情報を送信する(ステップS313)。ここでは、通信相手の端末装置として端末識別情報が指定されていた場合には、指定された端末識別情報に対応する端末装置20に対して坑内情報を送信する。また、通信相手としてグループが指定されていた場合には、そのグループに属する端末装置に対して坑内情報を送信する。「切羽近傍」のグループが指定されていた場合には、現在の切羽位置については、工事の作業工程データなどを参照することで、坑口71からの距離を特定し、その距離近傍に存在する無線LANルーターの識別情報を特定し、その無線LANルーターに現在接続されている端末装置を示す端末識別情報を記憶部102を参照することで特定し、その端末識別情報に対応する端末装置20に坑内情報を送信する。これにより、切羽近傍にいる各坑内作業者に対して坑内情報を送信することができる。
また、「○○班」等のグループが指定された場合には、記憶部102に、グループとそのグループに属する端末装置の端末識別情報とを予め記憶しておくことで、この記憶領域を参照し、指定されたグループに属する各端末装置20に対して坑内情報を送信することができる。
【0044】
相手の端末として指定された各端末装置20は、それぞれ、坑内情報サーバ10から送信される坑内情報を受信し(ステップS421、ステップS431)、受信した坑内情報に基づく信号に応じて骨伝導振動部204を駆動させる(ステップS422、ステップS423)。これにより、坑内情報を受信した端末装置20を装着した坑内作業者に対して、骨伝導によって坑内情報に応じた音声メッセージ等が伝達される。
【0045】
なお、上述した実施形態において、タブレット端末である端末装置から他の端末装置20に対して坑内情報を送信する場合について説明したが、図4に示すヘッドセットである端末装置20あるいはタブレット端末である端末装置20から、ステップS411に示すように通信相手を指定した後、坑内情報の生成として「通話」を指定すると、通信相手として特定された端末装置20に対して通話要求を送信するようにしてもよい。この通話要求を受信した端末装置20において、通話に対して応答する旨の指示が入力されると、通話要求元の端末装置20と通話要求先の端末装置20との間で音声通信を行うことができる。ここでは、発話された内容は、骨伝導検出部203によって検出され、検出結果に応じた音声データが一方の端末装置20からもう一方の端末装置20に対して送信される。音声データを受信した端末装置20は、音声データに応じた信号で骨伝導振動部204を駆動させることで、骨伝導によって音声を伝達することができる。これにより、端末装置20どうしで会話をすることができる。
【0046】
以上説明した実施形態によれば、坑内作業関係者の会話にリスクコミュニケーションシステムを構築することができる。これは、騒音等が激しい場所でも、例えば,骨伝導ヘッドセットを利用することにより防じんマスク上からでも容易に、かつクリアに会話が可能となる。
さらに、この会話は、坑内無線通信システム(例えばWi-Fi(登録商標),4G,5G,アドホックなど)を利用し、坑内情報サーバ10に接続することにより、あらゆる情報を得ることができる。例えば、(1)坑内環境測定結果の異常値を即座に受け取ることができる。(2)切羽付近の入坑者を確認することができる。(3)緊急事態の発生をすぐに伝えること(知ること)ができる。(4)坑内作業関係者がいつでも会話することも可能である。
【0047】
トンネルの坑内作業関係者が常時、密に会話できることは、坑内安全を考えた場合には有効である。また、坑内情報サーバ10に集まる環境測定情報や坑内作業員の入坑管理情報を坑内無線通信システムにより容易に得ることができること、また、緊急時に明確な指示や報告を即座にやり取りできること等は実際に作業を行う者に大きな安心を与え坑内作業の安全に大きく寄与する。
【0048】
また、上述した実施形態において、端末装置20がタブレット端末あるいはスマートフォンである場合、そのタブレット端末は、カメラ50によって撮像された画像を坑内情報サーバ10から受信して画面上に表示するようにしてもよい。また、タブレット端末等からカメラの撮影方向の変更やズームイン、ズームアウトをするための操作入力をするようにしてもよい。この指示に応じて、坑内情報サーバ10が、カメラ50の撮影方向を変更したり、ズームイン、ズームアウトを遠隔で行うようにしてもよい。これにより、タブレット端末等である端末装置20によって、坑口71近傍の様子を把握することができるため、トンネル70に入る坑内作業者や車両、トンネル70から出る坑内作業者や車両の様子を確認することが可能となる。
【0049】
また、センサ40によって消費電力量を測定する場合、過去の一定範囲における時刻毎の消費電力量をグラフなどによって端末装置20の画面上に表示するようにしてよい。
【0050】
また、端末装置20は、スマートフォンであり、スマートフォンに対する音の入力やスマートフォンからの音の出力を、上述したヘッドセットによって行ってもよい。すなわち、スマートフォンとヘッドセットの組み合わせを端末装置20として用いることもできる。この場合、スマートフォンから通話相手を選択し、入力するようにしてもよい。
【0051】
無線LANルーターに接続される端末装置20を特定することで、端末装置20の位置を把握することも可能である。例えば、坑口71近傍の無線LANルーターに接続される端末装置20トンネル70に入る坑内作業者や、トンネル70から出る坑内作業者を坑内情報サーバ10において位置情報を記憶しておき、これを元に、入坑者を管理することもできる。また、車両に端末装置20を搭載しておくことで、車両についても、位置を管理することもできる。
【0052】
上述した実施形態における坑内情報サーバ10、端末装置20をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0053】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。さらに、この発明の実施形態では現場が坑内である場合について説明したが、現場内情報システムは、トンネルや地下掘削等の坑内での適用に限られるものではなく、ビル等の建築構造物や橋梁等の他の土木構造物の建設現場でも適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…坑内情報システム、10…坑内情報サーバ、20,20a,20b…端末装置、30…計測データ収集装置、40,40a,40b…センサ、50…カメラ、60…ネットワーク、70…トンネル、71…坑口、72…切羽、73…ダクト、74…送風機、80…車両、101…通信部、102…記憶部、103…判定部、104…送信制御部、105…通話制御部、106…制御部、201…通信部、202…記憶部、203…骨伝導検出部、204…骨伝導振動部、204a…骨伝導振動部、204b…骨伝導振動部、205…駆動部、206…制御部、250…本体部、251…ヘッドバンド、252…バッテリー収容部、253…ボリュームキー、254…収容部、255…アタッチメント用接続端子、260…信号線
図1
図2
図3
図4
図5
図6