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特許7446737ソケットコンタクトアセンブリ、ソケットコンタクト、およびプラグコンタクトアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】ソケットコンタクトアセンブリ、ソケットコンタクト、およびプラグコンタクトアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/15 20060101AFI20240304BHJP
   H01R 13/10 20060101ALI20240304BHJP
   H01R 13/42 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
H01R13/15 Z
H01R13/10 B
H01R13/42 G
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019149600
(22)【出願日】2019-08-19
(65)【公開番号】P2020031054
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】10 2018 214 206.8
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】シェファー,マイク
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ヘルゲ
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-123264(JP,A)
【文献】特開2006-294513(JP,A)
【文献】国際公開第2017/207738(WO,A1)
【文献】特開2019-79739(JP,A)
【文献】特公平4-15594(JP,B2)
【文献】特開2018-125172(JP,A)
【文献】特開2014-199783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/15
H01R 13/10
H01R 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)と、レセプタクル(11)を有するソケットコンタクト(10)とを備えたソケットコンタクトアセンブリ(100)であって、
前記レセプタクル(11)内へプラグコンタクト(1)を差込み方向(S)に差し込むことができ、

前記ソケットコンタクト(10)および前記レセプタクル(11)は、前記ソケットコンタクト(10)の上面(12)および下面(13)をつなぐ側壁(6)を形成するばねデバイス(7)によって、前記差込み方向(S)に交差する少なくとも1つの高さ方向(H)に広がることが可能になるように構成されており、

前記ソケットコンタクトアセンブリ(100)は嵌合部(80)を有し、前記嵌合部(80)によって、広がった後に前記ハウジング(2)と前記ソケットコンタクト(10)との間に嵌合が確立され、前記嵌合部(80)は前記ソケットコンタクト(10)の前記上面(12)に少なくとも設けられている、
ソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項2】
前記嵌合部(80)は、広がっていない状態では嵌合を確立しない、
請求項1に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記ソケットコンタクトアセンブリ(100)は、第1の形状嵌め要素(110)を有しており、
前記第1の形状嵌め要素(110)によって、広がっていない状態で前記ハウジング(2)と前記ソケットコンタクト(10)との間に形状嵌めが確立される、
請求項1または2に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記ソケットコンタクト(10)の前記下面(13)に、前記ハウジング(2)と前記ソケットコンタクト(10)との間に形状嵌めまたは嵌合を確立するための追加の要素が設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記嵌合部(80)は、前記ソケットコンタクト(10)上に備えられた突起(60)である、
請求項1からのいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記突起(60)は、前記ソケットコンタクト(10)の前記上面(12)と一体である、
請求項5に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記突起(60)は、打抜きによって形成されている、
請求項5または6に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記突起(60)は、前記高さ方向(H)に作用するばね力を生成するばね部(61)を備えている、
請求項5から7のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項9】
前記ばね部(61)は、ばねアーム(62)を備えている、
請求項8に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項10】
前記突起(60)が剛性を有している、
請求項5から9のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項11】
広がった状態(51)で、前記突起(60)は、前記高さ方向(H)に沿って前記ハウジング(2)に引っ掛けられる、
請求項5から10のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項12】
力のかかっていない状態(58)が、広がった状態(51)である、
請求項1から11のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)向けのソケットコンタクト(10)。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載のソケットコンタクトアセンブリ(100)と、
プラグコンタクト(1)と、を備えている、
プラグコンタクトアセンブリ(200)。
【請求項15】
前記プラグコンタクト(1)は、前記ソケットコンタクト(10)を前記高さ方向(H)に広げる、
請求項14に記載のプラグコンタクトアセンブリ(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケットコンタクトアセンブリ、ソケットコンタクト、およびプラグコンタクトアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ソケットコンタクトには、多くの領域に適用分野がある。ソケットコンタクトは、たとえば電気信号を伝送する働きをし、プラグコンタクトを受け取るために装備される。ソケットコンタクトは通常、ハウジング内に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ハウジングとソケットコンタクトとの間のより確実な接続を可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この課題は、ハウジングと、レセプタクルを有するソケットコンタクトとを備えたソケットコンタクトアセンブリであって、レセプタクル内へプラグコンタクトを差込み方向に差し込むことができ、ソケットコンタクトおよびレセプタクルは、差込み方向に交差する少なくとも1つの高さ方向に広がることが可能になるように構成されており、ソケットコンタクトアセンブリは圧力嵌めアセンブリを有し、圧力嵌めアセンブリによって、広がった後にハウジングとソケットコンタクトとの間に圧力嵌めが確立される、ソケットコンタクトアセンブリによって解決される。
【0005】
本発明によるソケットコンタクトは、本発明によるソケットコンタクトアセンブリ向けに構成される。
【0006】
本発明によるプラグコンタクトアセンブリは、本発明によるソケットコンタクトおよび/または本発明によるソケットコンタクトアセンブリ、ならびにプラグコンタクトを備えている。
【0007】
広がった後に生じる圧力嵌めによって、ハウジングとソケットコンタクトとの間の接続がより確実になる。特に、プラグコンタクトアセンブリは、さらなる耐振動性を得ることができる。
【0008】
本発明による解決策は、それぞれ本質的に有利であり、所望される場合は互いに組み合わせることができる、以下のさらなる展開例および構成によってさらに改善することができる。
【0009】
簡単な取付けおよび簡単な解放を可能にするために、広がっていない状態では、圧力嵌めアセンブリによって圧力嵌めを確立することができない。
【0010】
ソケットコンタクトアセンブリは、第1の形状嵌めアセンブリを有することができ、第1の形状嵌めアセンブリによって、確実な接続を得るために、広がっていない状態でハウジングとソケットコンタクトとの間に形状嵌めが確立される。
【0011】
ソケットコンタクトアセンブリは、第2の形状嵌めアセンブリを有することができ、第2の形状嵌めアセンブリによって、広がった後にハウジングとソケットコンタクトとの間に形状嵌めが確立される。
【0012】
第2の形状嵌めアセンブリは、圧力嵌めアセンブリのいくつかの部分を構成することができる。さらに、圧力嵌めアセンブリは、第2の形状嵌めアセンブリのいくつかの部分を構成することができる。このときこれらの要素は2重の機能を有しており、ソケットコンタクトアセンブリを特に小型にすることができる。
【0013】
簡単な取付けおよび簡単な解放を可能にするために、広がっていない状態では、第2の形状嵌めアセンブリによって形状嵌めを確立することができない。
【0014】
圧力嵌めアセンブリおよび/または第2の形状嵌めアセンブリは、広げることによって起動することができる。広がっていない状態から広がった状態へ遷移する場合、ハウジング上およびソケットコンタクト上の対応する圧力嵌め要素は、互いに相互作用して圧力嵌めを確立することができる。広がっていない状態から広がった状態へ遷移する場合、ハウジング上およびソケットコンタクト上の対応する形状嵌め要素は、互いに係合して形状嵌めを確立することができる。特に、これは自動的に生じることができる。
【0015】
ソケットコンタクトは、高さ方向に互いに反対側に位置する上面および下面を有することができ、上面および下面は、広げられたとき、広がっていない状態より互いから大きい間隔を有する。上面と下面との間の高さは、広げることによって増大させることができる。特にこの高さはまた、プラグコンタクトを差し込むことによって増大させることができる。
【0016】
簡単に作製することができる実施形態では、圧力嵌めアセンブリおよび/または第2の形状嵌めアセンブリは、ソケットコンタクト上に突起を備えることができる。
【0017】
別法または追加として、圧力嵌めアセンブリおよび/または第2の形状嵌めアセンブリの場合、ハウジング上に突起が存在することもできる。
【0018】
有利な構成では、突起は、ソケットコンタクトの上面または下面と一体とすることができる。これにより、取扱いおよび/または作製を簡略化することができる。
【0019】
突起が打抜きによって形成される場合、突起は簡単なプロセスステップによって生成することができる。たとえば、突起は、上面もしくは下面から打ち抜くことができ、かつ/または上面もしくは下面の一部を形成することができる。
【0020】
確実な接触を可能にするために、突起は、高さ方向に作用するばね力を生成するばね部を備えることができる。
【0021】
特に、ばね部は、ばねアームを備えることができる。そのような構成により、ばね力に対する明確なパラメータを特に簡単に形成および供給することができる。
【0022】
特に、ばねアームの自由端は、小型の構成を可能にするために、差込み方向に交差する方を向くことができる。ばねアームは、差込み方向に交差して延びることができる。
【0023】
有利な構成では、ばね部は、互いの方を向いている2つのばねアームを備えることができる。そのような構成は、確実かつ簡単に作製することができる。
【0024】
さらなる構成では、突起は剛性を有することができる。これにより、接続の確実な確立を可能にすることができる。
【0025】
第1の形状嵌めおよび/または第2の形状嵌めは、差込み方向および/またはその逆方向に作用することができる。対応する形状嵌め要素は、差込み方向および/またはその逆方向の動きを阻止することができる。形状嵌め要素は特に、止め具とすることができる。
【0026】
別法または追加として、第1の形状嵌めおよび/または第2の形状嵌めは、横断方向に作用することができ、横断方向は、差込み方向および/または高さ方向に対して斜めであり、特に直交している。これにより、確実性をさらに改善することができる。
【0027】
有利な構成では、力のかかっていない状態を、広がった状態とすることができる。これによりたとえば、力が作用していない場合、ソケットコンタクトがハウジングとの形状嵌めを自動的に確立することを保証することができる。
【0028】
別法として、広がっていない状態は、力を作用させることによって実現することができる。たとえばソケットコンタクトは、たとえば使用者または機械によって圧縮することができる。そのような圧縮された広がっていない状態で、ソケットコンタクトは、ハウジング内へ簡単に導入可能とすることができる。次いで力の作用が減少した場合、ソケットコンタクトとハウジングとの間で形状嵌めを自動的に得ることができる。
【0029】
プラグコンタクトは、ソケットコンタクトを高さ方向に広げることができる。ソケットコンタクトはまず、プラグコンタクトによって広がった状態に移行することができる。プラグコンタクトがまだ導入されていない場合、ソケットコンタクトをさらに広げることはできない。特に、広がっていない状態は、力のかかっていない状態とすることができ、広がっていない状態では、ハウジングとソケットコンタクトとの間にいかなる形状嵌めおよび/または圧力嵌めもまだ存在しない。
【0030】
別法として、力のかかっていない状態は、すでに広がった状態とすることができ、プラグコンタクトをともに差し込むことによって、ソケットコンタクトをさらに広げることもできる。次いで、第1の広がった状態ですでに存在している形状嵌めおよび/または圧力嵌めは、プラグコンタクトを導入することによってさらに改善することができる。
【0031】
広がった状態で、接続をさらに改善し、特に振動挙動を改善するために、高さ方向に沿って突起をハウジングに引っ掛けることができる。広がっていない状態では、締付けが存在することができない。
【0032】
構造的に簡単な構成では、広がった状態において、突起の外端に位置する1つの締付け面で、ソケットコンタクトをハウジングに引っ掛けることができる。これは、高さ方向に対する外端とすることができる。
【0033】
さらなる構成では、圧力嵌めアセンブリおよび/または第2の形状嵌めアセンブリは、凹部を備えることができる。凹部は、たとえばハウジング上に配置することができる。別法として、凹部は、ソケットコンタクト上に配置することもできる。
【0034】
ソケットコンタクトを広げることは、たとえばプラグコンタクトが導入されるとき、レセプタクルを広げることと同期して行うことができる。
【0035】
簡単に広げることを可能にするために、ソケットコンタクトは、プラグコンタクトに対して法線方向の接触力を生成するばねデバイスを備えることができ、ばねデバイスは、少なくともコンタクト素子を取り囲むベース本体のいくつかの部分によって形成される。
【0036】
特に、ベース本体の少なくとも1つの側壁を、ばねデバイスとして構成することができる。
【0037】
本発明について、図面を参照して有利な構成に基づいて、例として以下により詳細に説明する。この例に示す有利なさらなる展開例および構成は、それぞれ互いに独立しており、特有の応用例においてどのように必要であるかに応じて、互いに自由に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ケーブルに取り付けられたソケットコンタクトの第1の実施形態の概略斜視図である。
図2図1に示した第1の実施形態のベース本体の概略斜視図である。
図3図2に示したベース本体に属するコンタクト本体の概略斜視図である。
図4】ソケットコンタクトの第2の実施形態についての概略斜視図である。
図5図4に示した第2の実施形態の詳細図である。
図6】ハウジングおよびプラグコンタクトとともに示すソケットコンタクトのさらなる実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
ソケットコンタクト10の第1の実施形態が、図1に示されている。ソケットコンタクト10は、打抜きおよび曲げ加工によって金属薄板から形成されたベース本体3を備える。ソケットコンタクト10の側壁6は、ばねデバイス7によって形成されており、ばねデバイス7は、上面12が下面13に対して高さ方向Hに沿って動くことを可能にする。ソケットコンタクト10は、高さ方向Hに沿って広げたり圧縮したりすることができる。この場合は特に、プラグコンタクト1(図1にはそれほど詳細には示されていない)を差込み方向Sに沿ってソケットコンタクト10内へ差し込むことができるレセプタクル11の内幅も変わる。特に、プラグコンタクト1を導入することで、ソケットコンタクト10およびレセプタクル11が広げられ、それによって広がった状態へ移ることができる。
【0040】
図1は、力のかかっていない状態58を示しており、図示の例では、すでに第1の広がった状態51である。プラグコンタクト1を導入することによって、ソケットコンタクト10およびレセプタクル11をさらに広げることができ、第2の広がった状態へ移ることができる。圧縮によって、たとえば上面12および下面13でともに押圧することによって、ソケットコンタクト10を高さ方向Hに圧縮することができ、その結果、ハウジング2内へ導入することができる。この圧縮によって、ソケットコンタクト10は広がっていない状態へ移ることができる。力が取り除かれた場合、ソケットコンタクト10は、再び図示の第1の広がった状態51へ自動的に戻ることができる。
【0041】
代替構成では、図1の構成はまた、広がっていない状態50に対応することができ、ソケットコンタクト10はまず、プラグコンタクト1を差し込むことによって広がった状態へ移行することができる。
【0042】
ソケットコンタクト10は、導体8を有するケーブル5に取り付けられる。ソケットコンタクト10を介して、プラグコンタクト1へ電気信号または電力を伝送することができる。
【0043】
前面領域において、ソケットコンタクト10は、ロック要素111を備えた第1の形状嵌めアセンブリ110を有する。この第1の形状嵌めアセンブリ110により、ソケットコンタクト10を広がっていない状態で対応するハウジング2内に保持することが可能になる。ソケットコンタクト10がハウジング2内へ導入されたとき、ロック要素111は自動的にロックされ、結果として形状嵌めを確立する。
【0044】
ソケットコンタクト10は、後面領域内に、第2の形状嵌めアセンブリ120をさらに保有する。第2の形状嵌めアセンブリ120は、広がった状態51で形状嵌めを確立するように構成される。広がっていない状態では、第2の形状嵌めアセンブリ120の領域内にそのような形状嵌めが存在しておらず、したがってソケットコンタクト10をハウジング2内へ、たとえば後壁内のスロットを通って、簡単に押し込むことができる。この場合、ソケットコンタクト10は典型的に、差込み方向Sの逆方向にハウジング2内へ押し込まれる。第2の形状嵌めアセンブリ120は次いで、差込み方向Sおよびその逆方向に作用する形状嵌めを確立する。対照的に、第1の形状嵌めアセンブリ110における形状嵌めは、差込み方向Sにのみ作用する。
【0045】
追加として、第1の形状嵌めアセンブリ110および第2の形状嵌めアセンブリ120上に、横断方向Qおよびその逆方向に作用する形状嵌め要素150が存在することができ、横断方向Qは、高さ方向Hおよび差込み方向Sに直交して延びる。その結果、ソケットコンタクト10をハウジング2内でさらに良好に固定することができる。形状嵌め要素150は、止め面または突起を備えることができる。
【0046】
第2の形状嵌めアセンブリ120は、ソケットコンタクト10上に突起60を備える。図示の実施形態では、突起60は、上面12に取り付けられており、高さ方向Hに上面12に対して突出する。
【0047】
突起60は、上面12と一体であり、打抜きまたはエンボス加工によって上面から形成されている。突起60の図示の例はブリッジ構成を有し、ストリップ状部分が連続的に形成されている。
【0048】
別法または追加として、突起60は下面13に存在することもでき、この突起60は、形状嵌めアセンブリ120の一部である。
【0049】
図1に示すソケットコンタクト10はまた、図2に示すベース本体3の横に、図3に示すコンタクト本体4を備える。コンタクト本体4は、プラグコンタクト1に接触する働きをし、この目的でいくつかのコンタクト素子40、41を保有する。いくつかのコンタクト素子40は、剛性のコンタクト素子40として形成されており、さらなるコンタクト素子41は、可撓性のコンタクト素子41として形成され、コンタクト面を有しており、高さ方向Hの逆方向に撓むことができるようにタング上に配置される。
【0050】
図1および図2に示す突起60は、特に高さ方向Hに沿って、剛性に構成されており、すなわち実質的に可撓性をもたない。その結果、形状嵌めを特に確実にすることができる。
【0051】
同時に突起60は、圧力嵌めアセンブリ80の一部であり、それによって、プラグコンタクト1がソケットコンタクト10内へ導入された場合、ソケットコンタクト10をハウジング2内に圧力嵌めで保持することができる。
【0052】
図4図6は、ソケットコンタクト10の第2の実施形態を示す。ここでも、ベース本体3の側壁6がばねデバイス7によって形成され、それによってソケットコンタクト10およびレセプタクル11が高さ方向Hに拡大することが可能になる。この場合ばねデバイス7は、相互に接続された脚部またはばねアームによって形成される。
【0053】
第2の実施形態もまた、形状嵌め要素51を備えた第1の形状嵌めアセンブリ111を、ロック要素111の形態で保有する。
【0054】
同時に圧力嵌めアセンブリ80に属する第2の形状嵌めアセンブリ120は、第1の実施形態の場合とはやや異なる形で構成される。第2の形状嵌めアセンブリ120はこの場合も、ベース本体3の上面12から高さ方向Hに隔置される。しかしこの実施形態では、第2の形状嵌めアセンブリ120は、ばねの撓みを可能にする2つのばねアーム62を保有する。2つのばねアーム62は横断方向Qに沿って延び、互いの方を向いている。2つのばねアーム62間には間隙が存在し、横断方向Qの形状嵌めを可能にするために、この間隙内へ、たとえばハウジング2の形状嵌め要素をロックすることができる。
【0055】
図6は、ハウジング2内に配置されたソケットコンタクト10を示す。2つの突起60がそれぞれ、第2の形状嵌めアセンブリ120の一部および圧力嵌めアセンブリ80の一部であり、図4および図5に示した実施形態よりそれぞれソケットコンタクト10の上面12または下面13からさらに隔置されており、ハウジング2内のレセプタクルまたは凹部70内へ突出している。その結果、ソケットコンタクト10とハウジング2との間に、差込み方向Sに作用する形状嵌めが実現される。代替構成では、ハウジング2上にも突起が存在することができ、この突起は、ソケットコンタクト10上の突起60と相互作用し、結果として形状嵌めを生成する。
【0056】
図6に示す状態は、この場合も第1の広がった状態51であり、プラグコンタクト1を差込み方向Sにレセプタクル11内へ押し込むことによって、第2の広がった状態52へ移行することができる。この第2の広がった状態では、突起60の外端65に位置する締付け面68を、レセプタクル70内の対応する締付け面78に引っ掛けることができ、その結果、圧力嵌めにより、ソケットコンタクト10がハウジング2により強く連結されるため、振動挙動に好ましい影響を与えることができる。その結果、特にソケットコンタクト10に対するプラグコンタクト1の動きを低減させることができ、したがってコンタクト面が受ける摩耗度がより低くなる。
【符号の説明】
【0057】
1 プラグコンタクト
2 ハウジング
3 ベース本体
4 コンタクト部材
5 ケーブル
6 側壁
7 ばねデバイス
8 導体
10 ソケットコンタクト
11 レセプタクル
12 上面
13 下面
15 高さ
40 剛性のコンタクト素子
41 可撓性のコンタクト素子
50 広がっていない状態
51 第1の広がった状態
52 第2の広がった状態
58 力のかかっていない状態
60 ソケットコンタクト上の突起
61 ばね部
62 ばねアーム
65 突起の外端
68 締付け面
70 ハウジング内の凹部
78 締付け面
80 圧力嵌めアセンブリ
100 ソケットコンタクトアセンブリ
110 第1の形状嵌めアセンブリ
111 ロック要素
120 第2の形状嵌めアセンブリ
150 形状嵌め要素
200 プラグコンタクトアセンブリ
H 高さ方向
S 差込み方向
Q 横断方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6