IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メガダイン・メディカル・プロダクツ・インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】流体システムコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
A61B18/12
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019172578
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2020049217
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】16/141,634
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595101687
【氏名又は名称】メガダイン・メディカル・プロダクツ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MegaDyne Medical Products, Inc.
【住所又は居所原語表記】11506 South State Street, Draper, Utah 84020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ダーシー・ダブリュ・グリープ
(72)【発明者】
【氏名】チャド・エス・フランプトン
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02271777(US,A)
【文献】登録実用新案第3012027(JP,U)
【文献】米国特許第03666297(US,A)
【文献】米国特許第03767233(US,A)
【文献】特表2007-525283(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0192643(US,A1)
【文献】特開平08-275957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
A61B 18/04
A61M 39/10
F16L 21/02
F16L 17/025
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自在流体システムコネクタであって、
略円筒形状を有する本体部であって、前記本体部の遠位端と前記本体部の近位端との間に長手方向中心軸に沿って延在する長さを有する、本体部と、
前記本体部の前記遠位端と前記本体部の前記近位端との間において、前記長手方向中心軸が延在する方向おける前記本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールであって、前記本体部の前記長さに沿って互いに間隔をおいて配設された複数の可撓性フィンを有し、前記複数の可撓性フィンの各々、前記長手方向中心軸に垂直な平面内に延在し、前記長手方向中心軸に垂直な断面において円盤形状を有し、前記円盤形状の中心を通る直径を有し、前記長手方向中心軸に沿った幅を有する、シールと、を備え、
前記複数の可撓性フィンの各々、少なくとも、最も内側の屈曲ゾーン、中間の屈曲ゾーン、及び、外側の屈曲ゾーンを含み、前記最も内側の屈曲ゾーンは、前記略円筒形状を有する前記本体部の外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、前記中間の屈曲ゾーンは、前記最も内側の屈曲ゾーンの外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、前記外側の屈曲ゾーンは、前記中間の屈曲ゾーンの外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、
前記最も内側の屈曲ゾーン、前記中間の屈曲ゾーン、及び、前記外側の屈曲ゾーンの剛性は、互いに異なり、
前記円盤形状を有する前記複数の可撓性フィンの外縁を結んだ形状が、円錐台形状を形成するように、前記複数の可撓性フィンの前記直径が前記遠位端側に位置する可撓性フィンから前記近位端側に位置する可撓性フィンに向かって徐々に増加し、
前記外側の屈曲ゾーンの前記剛性が前記中間の屈曲ゾーンの前記剛性よりも大きく、前記中間の屈曲ゾーンの前記剛性が前記最も内側の屈曲ゾーンの前記剛性よりも大きい、自在流体システムコネクタ。
【請求項2】
自在流体システムコネクタであって、
略円筒形状を有する本体部であって、前記本体部の遠位端と前記本体部の近位端との間に長手方向中心軸に沿って延在する長さを有する、本体部と、
前記本体部の前記遠位端と前記本体部の前記近位端との間において、前記長手方向中心軸が延在する方向おける前記本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールであって、前記本体部の前記長さに沿って互いに間隔をおいて配設された複数の可撓性フィンを有し、前記複数の可撓性フィンの各々、前記長手方向中心軸に垂直な平面内に延在し、前記長手方向中心軸に垂直な断面において円盤形状を有し、前記円盤形状の中心を通る直径を有し、前記長手方向中心軸に沿った幅を有する、シールと、を備え、
前記複数の可撓性フィンの各々、少なくとも、最も内側の屈曲ゾーン、中間の屈曲ゾーン、及び、外側の屈曲ゾーンを含み、前記最も内側の屈曲ゾーンは、前記略円筒形状を有する前記本体部の外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、前記中間の屈曲ゾーンは、前記最も内側の屈曲ゾーンの外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、前記外側の屈曲ゾーンは、前記中間の屈曲ゾーンの外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、
前記最も内側の屈曲ゾーン、前記中間の屈曲ゾーン、及び、前記外側の屈曲ゾーンの剛性は、互いに異なり、
前記円盤形状を有する前記複数の可撓性フィンの外縁を結んだ形状が、円錐台形状を形成するように、前記複数の可撓性フィンの前記直径が前記遠位端側に位置する可撓性フィンから前記近位端側に位置する可撓性フィンに向かって徐々に増加し、
前記外側の屈曲ゾーンの前記剛性が前記中間の屈曲ゾーンの前記剛性よりも大きく、前記最も内側の屈曲ゾーンの前記剛性が前記中間の屈曲ゾーンの前記剛性よりも大きい、自在流体システムコネクタ。
【請求項3】
前記複数の可撓性フィンが、最遠位の可撓性フィン、2番目に最遠位の可撓性フィン、最近位の可撓性フィン、及び、2番目に最近位の可撓性フィンを含み、前記最遠位の可撓性フィンと前記2番目に最遠位の可撓性フィンとの間の前記直径の差が、前記最近位の可撓性フィンと前記2番目に最近位の可撓性フィンとの間の前記直径の差よりも小さい、請求項1または2に記載の自在流体システムコネクタ。
【請求項4】
前記複数の可撓性フィンの各々が、遠位方向を向いた遠位面、及び、近位方向を向いた近位面を有し、
前記複数の可撓性フィンの各々、前記複数の可撓性フィンの各々の前記外縁付近に形成されたテーパを含み、
前記テーパが、前記複数の可撓性フィンの各々の前記近位面上または前記遠位面上に形成されている、請求項1または2に記載の自在流体システムコネクタ。
【請求項5】
前記テーパが、前記複数の可撓性フィンの各々前記近位面上に形成されている、請求項に記載の自在流体システムコネクタ。
【請求項6】
前記テーパが、前記複数の可撓性フィンの各々前記遠位面上に形成されている、請求項に記載の自在流体システムコネクタ。
【請求項7】
自在流体システムコネクタであって、
略円筒形状を有する本体部であって、前記本体部の遠位端と前記本体部の近位端との間に長手方向中心軸に沿って延在する長さを有する、本体部と、
前記本体部の前記遠位端と前記本体部の前記近位端との間において、前記長手方向中心軸が延在する方向おける前記本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールであって、前記本体部の前記長さに沿って互いに間隔をおいて配設された複数の可撓性フィンを有し、前記複数の可撓性フィンの各々、前記長手方向中心軸に垂直な平面内に延在し、前記長手方向中心軸に垂直な断面において円盤形状を有し、前記円盤形状の中心を通る直径を有し、前記長手方向中心軸に沿った幅を有する、シールと、を備え、
前記複数の可撓性フィンの各々、少なくとも、最も内側の屈曲ゾーン、中間の屈曲ゾーン、及び、外側の屈曲ゾーンを含み、前記最も内側の屈曲ゾーンは、前記略円筒形状を有する前記本体部の外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、前記中間の屈曲ゾーンは、前記最も内側の屈曲ゾーンの外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、前記外側の屈曲ゾーンは、前記中間の屈曲ゾーンの外周に隣接しており、前記長手方向中心軸を中心とした円盤状であり、
前記最も内側の屈曲ゾーン、前記中間の屈曲ゾーン、及び、前記外側の屈曲ゾーンの剛性は、互いに異なり、
前記円盤形状を有する前記複数の可撓性フィンの外縁を結んだ形状が、円錐台形状を形成するように、前記複数の可撓性フィンの前記直径が前記遠位端側に位置する可撓性フィンから前記近位端側に位置する可撓性フィンに向かって徐々に増加し、
前記複数の可撓性フィンの各々が、フィン延在部を備え、前記フィン延在部は、前記可撓性フィンの前記外縁または前記外縁付近に配設され、前記フィン延在部は、前記複数の可撓性フィンの前記外縁よりも、前記長手方向中心軸から離れた位置まで延在し、前記長手方向中心軸に沿った前記フィン延在部の幅は、前記可撓性フィンの前記幅よりも小さく、前記フィン延在部の剛性は、前記可撓性フィンの剛性よりも小さい、自在流体システムコネクタ。
【請求項8】
前記複数の可撓性フィンの各々が、前記本体部の前記長手方向中心軸に垂直に配設されている、請求項1、2、及び、7の何れか1項に記載の自在流体システムコネクタ。
【請求項9】
前記複数の可撓性フィンの各々が、前記本体部の前記長手方向中心軸に対して垂直でない角度で配設されている、請求項1、2、及び、7の何れか1項に記載の自在流体システムコネクタ。
【請求項10】
前記複数の可撓性フィンの各々が、前記本体部の周囲で周囲方向に延在している、請求項1、2、及び、7の何れか1項に記載の自在システムコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気外科用システムで使用される排煙システムなどの流体システムに関する。より具体的には、本開示は、ホースを排液デバイスに接続するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
当業者には知られているように、現在の外科技術では通常、組織を切断し、外科手技を実施する上で発生する出血を凝固させるために、高周波(radio frequency、RF)電力が用いられている。この種の手術は、電気外科手術として知られている。電気外科手術は広く使用され、組織の切断及び凝固の両方のための単一外科用器具の使用を含む、多くの利点をもたらす。単極の電気外科用発生器システムは、ハンドピースと導電性電極又はチップとを有する電気外科用器具などの形態をなし、手術を実施するために外科医によって手術部位で患者に当てられる活性電極と、患者を再び発生器に接続するための戻り電極とを有する。
【0003】
電気外科用器具の電極又はチップは、焼灼によって組織を切断する又は凝固させる外科的効果を生み出すため、高度な電流密度を有する高周波電流を発生させるように、患者との接触点においては小さいものとなっている。戻り電極は、電気外科用器具の電極又はチップに供給される高周波信号と同じ高周波信号を搬送し、その高周波信号が患者を通過した後、電気外科用発生器に戻る経路を提供する。
【0004】
電気外科用器具は、組織を切断するため、並びに/又は標的組織の中及び/若しくは付近の血管を焼灼するために、患者の標的組織に電気エネルギーを伝達する。この切断/焼灼は、煙が空気中に放出されることをもたらし、これは不快であり、かつ施術者の視界に対して障害となり得る。したがって、多くの電気外科用システムは、もたらされる煙を捕捉し、それを、施術者及び/又は患者から離れたフィルタ及び排気ポートを通して導く排出システムを採用し得る。
【0005】
排煙システムは、典型的には、ホースの一端が接続されたハンドピース又はワンドを含む。ホースの第2の端部は、吸引を作り出して煙をハンドピース又はワンド内にホースを通して引き込む排出デバイスに接続することができる。典型的な排煙システムが直面する一般的な問題は、ホースを排煙デバイスに安全かつ気密に接続することである。典型的なハンドピース又はワンド上のホースには、排煙デバイスに接続するための任意の数の異なるコネクタが付設され得る。同じく、典型的な排煙デバイスには、ホースが接続される任意の数の異なるレセプタクル又は接続機構が付設され得る。ホースコネクタと排煙デバイスのレセプタクル/接続機構とが、不適合であるか、又は確実かつ気密に相互接続されないことが非常に多い。その結果、ハンドピース又はワンドが吸引の低減に見舞われることがあり、煙がホースと排煙デバイスとの間の不良な接続部で不所望に流出することがある。
【0006】
本明細書において特許請求される主題は、いずれかの不利益を解消するか、又は上記のような環境においてのみ機能する実施形態に限定されるものではない。むしろこの背景技術は単に、本明細書に記載されるいくつかの実施形態が実施され得る、1つの代表的な技術分野を例示するために提示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、電気外科用システムで使用される排煙システムなどの流体システムに関する。より具体的には、本開示は、ホースを排液デバイスに接続するためのデバイスに関する。ホースコネクタは、一般に、レセプタクルの固有の幾何学的形状又は他の特徴に起因して、唯一の又は限られた数の排液デバイスレセプタクルと適合するように設計されている。本開示の流体システムコネクタは、コネクタと任意の数の排出デバイスレセプタクルとの間の自在適合性を可能にする。
【0008】
本開示の実施形態では、自在流体システムコネクタは、本体部と、本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールと、を含む。シールは、本体部の長さに沿って配設された複数の可撓性フィンを有し、各フィンは直径を有する。このような実施形態では、複数のフィンが円錐台形状を形成するように、フィンの直径は、コネクタの遠位端からコネクタの近位端まで増加してもよい。加えて、各フィンは、各ゾーンが剛性を有する、複数の屈曲ゾーンを有してもよい。
【0009】
本開示の実施形態では、自在流体システムコネクタは、本体部と、本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールと、を含む。シールは、本体部の長さに沿って配設された複数の可撓性フィンを有しており、各フィンが直径を有している。このような実施形態では、複数のフィンが円錐台形状を形成するように、フィンの直径が、コネクタの遠位端からコネクタの近位端まで増加してもよい。また、シールは、シールの内表面の周囲に配設された複数の凹部を含んでもよい。本体部は、シール及び本体部が互いに接合されるとき、シールの凹部と位置が対応している複数のリブを含んでもよい。この実施形態では、本体部のリブは、シールの凹部を係合させてシールを本体部の周囲に保持する。
【0010】
本開示の実施形態では、自在流体システムコネクタは、本体部と、本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールと、を含む。シールは、コネクタの遠位端に向かって下方にテーパ状をなす円錐台形状を形成する外縁を有する複数の可撓性フィンを含む。この実施形態はまた、フィンの外縁を少なくとも部分的に取り囲む外側の円錐台状シェルを含んでもよい。フィンは、複数のフィンが本体部の周囲で半径方向にらせん状をなすように湾曲していてもよい。
【0011】
この「発明の概要」は、「発明を実施するための形態」において以下に更に説明される簡潔な形態で概念の選択を紹介するために提供される。この「発明の概要」は、特許請求対象の主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、また特許請求対象の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。開示された実施形態の追加の特徴及び利点は、以下の説明に記載され、一部はその説明から明らかとなるか、又は本開示の実践によって習得され得る。これら及び他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるか、又は本開示の実践によって習得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上記及び他の利点及び特徴を更に明確にするために、本発明のより具体的な説明が、添付の図面に例示されるその特定の実施形態を参照することによって提供される。これらの図面は、本発明の単なる例示の実施形態を描き、したがって、その範囲の限定とみなされるものではないことが理解される。本発明は、以下の添付図面の使用により、更に具体的かつ詳細に記載及び説明される。
図1】例示的な電気外科用システムを示す。
図2】例示的な自在流体システムコネクタの側面図を排液デバイスレセプタクルと共に示す。
図3】排液デバイスレセプタクル内に挿入された例示的な自在流体システムコネクタの側面図を示す。
図4】例示的な自在流体システムコネクタの斜視図を示す。
図5A】例示的な自在流体システムコネクタの側面図を示す。
図5B】例示的な自在流体システムコネクタの別の側面図を示す。
図6図5A及び図5Bに示す自在コネクタの断面図を示し、この観察平面は、コネクタのフィンを通過する。
図7A】コネクタのシール及び本体部を含む例示的な自在流体システムコネクタの斜視分解図を示す。
図7B】自在流体システムコネクタの例示的なシールの断面図を示す。
図7C】自在流体システムコネクタの例示的な本体部の断面図を示す。
図7D】例示的な自在流体システムコネクタの断面図を示す。
図8】角度付きフィンを有する例示的な自在流体システムコネクタの断面図を示す。
図9】角度付きフィンを有する例示的な自在流体システムコネクタの断面図を示す。
図10】例示的な自在流体システムコネクタの正面斜視図を示す。
図11図10に示す自在流体システムコネクタの背面斜視図を示す。
図12A図10に示す自在流体システムコネクタの背面図を示す。
図12B】部分的に圧縮された状態にある、図10に示す流体システムコネクタの背面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、煙を生成するか、又は使用中に煙を生成させる、電気外科用器具及び他の手持ち式器具に関連する排煙デバイスに関する。図1は、例えば、例示的な電気外科用システム100を示す。図示の実施形態は、信号発生器102と、電気外科用器具104と、リターン電極106と、を含む。発生器102は、一実施形態では、高周波電気エネルギーを生成する高周波発生器である。電気外科用器具104に、ユーティリティ導管108が連結されている。図示の実施形態では、ユーティリティ導管108は、発生器102から電気外科用器具104に電気エネルギーを伝達するケーブル110を含む。図示のユーティリティ導管108はまた、捕捉/収集された煙及び/又は流体を手術部位から離れる方向に、例えば排煙デバイス120まで搬送するバキュームホース112を含む。いくつかの実施形態では、バキュームホース112はまた、流体又は気体を手術部位に送達するために使用され得る。それに加えて、図1に示す実施形態など、いくつかの実施形態では、ケーブル110は、バキュームホース112の少なくとも一部分を通じて、電気外科用器具104まで延び得る。
【0014】
一般に、電気外科用器具104は、ハンドピース又はペンシル114、電極先端116、及び入口又はノズル122を含む。電気外科用器具104は、組織を切断するため、並びに/又は標的組織の中及び/若しくは付近の血管を焼灼するために、患者の標的組織に電気エネルギーを伝達する。具体的に言えば、電極チップ116に密着した患者の細胞物質の加熱を引き起こすために、放電が電極チップ116から患者に供給される。この加熱は、電気外科用器具104を使用して電気外科手術を実施することが可能となるように、適度に高い温度で生じる。電気外科手技中に作り出された煙は、ノズル122を通して電気外科用器具104に引き込まれ、バキュームホース112を通して排煙デバイス120に伝達される。回路を完成させ、かつ患者の体内に流れるエネルギーのための波形発生器102への戻り電気経路を提供するために、リターン電極106がケーブル118によって波発生器102に接続されている。
【0015】
実際には、電気外科用システム100などのシステムの様々な構成要素は、一般的に、互いに別個に取得され、その後完全なシステムに組み立てられる。例えば、病院又は他の外科的現場は、発生器102及び/又は排煙デバイス120を、これらの構成要素がシステム構成要素のうちで最も高価であり、かつ/又は最も長い寿命を有し得るため、このようなシステムの中心的存在として取得してもよい。一方、病院又は外科的現場は、電気外科用器具(例えば、器具104(関連するユーティリティ導管108を含む)及び戻り電極(例えば、電極106)を、それらの使い捨ての性質又はこれらの構成要素のより短い寿命に起因して、定期的又は周期的に取得してもよい。
【0016】
多様な提供者から入手可能である広範囲の電気外科用器具及び戻り電極を理由に、病院又は外科的現場は、病院又は外科的現場がどの電気外科用器具及び/又は戻り電極を使用するかを変更してもよい。予想できるように、新しい電気外科用器具及び/又は戻り電極に切り替えるときに、いくつかの課題が生じる可能性がある。例えば、病院又は外科的現場が新しい電気外科用器具に切り替えたい場合に、新しい電気外科用器具の、既存のシステム構成要素(例えば、発生器102及び/又は排煙デバイス120)との適合性を確認する必要がある。
【0017】
考慮される必要があるが、看過されることが余りにも多い適合性の一領域は、バキュームホースと排煙デバイスとの接続機構が、バキュームホースが確実かつ気密に排煙デバイスに接続されることを可能にするかどうかである。場合によっては、バキュームホースと排煙デバイスとの接続機構は、確実な接続を作り出すために正確に嵌合しないねじ山であってもよい。他の場合では、接続機構は、確実な接続を作り出すのに互いに十分に対応しない(例えば、角度、サイズ、長さなど)摩擦嵌合機構(例えば、テーパ)であってもよい。更に他の場合では、接続機構は、互いに完全に異なっていてもよい(例えば、一方の構成要素はねじ山を有し、他方の構成要素は摩擦嵌合テーパを有する)。
【0018】
バキュームホース112と排煙デバイス120との接続不良は、煙や他の流体が接続部から漏出することにつながる可能性がある。このような(例えば、排煙デバイス120とバキュームホース112との接続機構間の)不適合性の結果として、病院及び外科的現場は、新しい電気外科用器具への変更が望まれる場合であっても、同じ電気外科用器具を使用し続ける以外の選択肢が少ない場合が多い。
【0019】
以下でより詳細に説明するように、本開示の実施形態は、電気外科用器具と排煙デバイスとの実質的に任意の組み合わせの間の確実かつ気密な接続を可能にする、自在コネクタに関する。その結果、本明細書に開示するような自在コネクタを装備した電気外科用器具は、実質的に任意の利用可能な排煙デバイスと共に安全かつ効果的に使用することができる。それに加えて、実質的に任意の利用可能な電気外科用器具は、電気外科用器具を実質的に任意の利用可能な排煙デバイスと共に安全かつ効果的に使用することができるように、本明細書に開示する自在コネクタを装備するか、又はそれを後付けすることができる。
【0020】
なお、先へ進む前に、本明細書では、煙の排出及びこのような機能を促進する構成要素について言及する。「煙」についての言及は単に簡潔性と利便性のためであり、開示及び特許請求する実施形態を煙の排出のみに限定することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、開示及び特許請求する実施形態は、液体、気体、蒸気、煙、又はそれらの組合せを含めて、実質的に任意のタイプの流体を排出するために用いられ得る。それに加えて、単純に流体を排出するのではなく、少なくとも一部の実施形態は、手術部位など、所望の位置に流体を送達するために用いられ得ると考えられる。本明細書で使用するとき、用語「流体」は、気体、バルク液体、及び/又は液体蒸気を含み、これには、外科部位から取得され又は外科部位内に導入される、生物学的由来又は他による液体(例えば、水、生理食塩水、リンパ液、血液、滲出液、化膿性排出物、及び/又は他の流体)を含むことができる。
【0021】
それに加えて、本明細書では、開示する自在コネクタが接続され得る、関連するバキュームホースを有する電気外科用器具に言及する。開示する自在コネクタは、ハンドピース又は電気外科用器具以外の他の用具に関連するバキュームホースに接続され得ることが理解されるであろう。例えば、バキュームホース及び開示する自在コネクタは、歯科用器具(例えば、ドリル、研磨ツール、スケーラー、圧縮空気ツール、吸引ツール、灌水ツール、キャリー(carries)検出ツール、ウォーターフロッシングツール(water flossing tool)(例えば、ウォーターピック))、はんだ付け工具(例えば、加熱工具、煙収集工具、はんだ除去工具)、高速研削及び研磨工具(例えば、ドレメル製の工具、彫刻工具、マニキュア工具、歯科研削盤/研磨機)、レーザー処置器具、レーザー外科用器具、光プローブ、吸引ハンドル(例えば、ヤンカウアー(Yankauer))、ブラスト工具(例えば、サンドブラスト、グリットブラスト)、衝撃波治療ツール、超音波治療ツール、超音波プローブツール、超音波外科用ツール、接着剤塗布器具、グルーガン、空気圧ピペット、溶接工具、高周波シワ治療ハンドピース、水晶体(phaco)ハンドピース、剪断機、シェーバー、又はレーザーハンドピース、マイクロドリルハンドピース、バキュームハンドピース、小部品処理ハンドピース、入れ墨針ハンドル、スモールトーチハンドピース、エレクトロジー(electrology)ハンドピース、低速の研削、研磨及び彫刻工具、永久メイクアップハンドピース、電気プローブハンドピース、強磁性外科用ハンドピース、外科用プラズマハンドピース、アルゴンビーム外科用ハンドピース、外科用レーザーハンドピース、外科用吸引器具(例えば、脂肪吸引カニューレ)、外科用吸引カニューレ、微細皮膚擦傷ハンドピース、光ファイバーカメラハンドル、マイクロカメラハンドピース、pHプローブハンドピース、光ファイバー及びLED光源ハンドピース、水治療(hydrosurgery)ハンドピース、整形外科用シェーバー、カッター、バールハンドピース、木材燃焼ツール、電動ドライバー、電子パッドスタイラスなどと接続して使用され得る。
【0022】
ここで、排煙デバイス120及び排煙デバイス120に選択的に接続され得る自在コネクタ130の部分断面図を示す図2に注意を向ける。より具体的には、図2は、排煙デバイス120の入口又はレセプタクル132の断面図を示す。それに加えて、自在コネクタ130は、電気外科用器具104又は別のハンドピース若しくは器具と関連付けられ得るバキュームホース112に接続されている。
【0023】
図2に示すレセプタクル132は、利用可能な排煙デバイスのレセプタクル内に一般的に見られる機構を含む。例えば、レセプタクル132は、外部開口部134及び内部開口部136を含む。外部開口部134は、バキュームホースコネクタがレセプタクル132に挿入されることを可能にするように構成されている。内部開口部136は、排煙デバイス120とバキュームホース112との間の流体連通を可能にし、それにより、バキュームホース112内の煙を排煙デバイス120に引き込むことができる。
【0024】
図示したレセプタクル132はまた、開口部134、136とテーパ状壁138上に形成されたねじ山140との間に延在するテーパ状壁138を含む。テーパ壁138及びねじ山140は、レセプタクル132内にバキュームホースコネクタを固定することを意図した一般的な接続機構である。例えば、テーパ壁138は、バキュームホースコネクタがレセプタクル132に挿入されたときに摩擦嵌合が作り出されるように、バキュームホースコネクタのテーパに対応するテーパを有していてもよい。同様に、ねじ山140は、バキュームホースコネクタ上の対応するねじ山と嵌合してもよい。ただし、本明細書の他の箇所に記載するように、レセプタクル132内の接続機構は、特定のバキュームホースコネクタと共に使用するように設計されてもよく、全てのバキュームホースコネクタに適していない場合がある。その結果、異なるバキュームホースコネクタを使用することにより、レセプタクル132とバキュームホースコネクタとの間に確実かつ気密なシールがもたらされない場合がある。
【0025】
図2に示す自在コネクタ130は、そのレセプタクル又は接続機構の特定の構成にかかわらず、多様な排煙デバイスと共に使用するように設計されている。より具体的には、自在コネクタ130は、多様なレセプタクル内に確実に受容され、それらのレセプタクルと気密シールを作り出すように構成されている。
【0026】
図示した自在コネクタ130は、近位端151と遠位端153とを有する本体部150と、本体部150の長さの一部分上又は一部分の周りに配設されたシール152と、を含む。シール152は、本体部150の長さに沿って複数のフィン154を含んでおり、各フィン154は本体部150の周囲で周囲方向に延在している。以下により詳細に記載するように、フィン154の少なくとも一部は、フィンがレセプタクル132のテーパ状壁138に適合し、それにより自在コネクタ130とレセプタクル132との間に確実かつ気密な接続を作り出すことができるように、可撓性であり得る。
【0027】
フィン154は一緒になって、概して円錐状又は円錐台状の形状を有する。換言すれば、フィン154は、フィンの外縁が円錐台形状を形成するように、本体部150の長さに沿って増加する直径を有する。具体的には、自在コネクタ130の遠位端153に隣接するフィン154は、第1の直径を有し、次に最遠位のフィン154は、第1の直径よりも大きい第2の直径を有し、3番目に最遠位のフィン154は、第2の直径よりも大きい第3の直径を有し、最近位のフィン154は、第3の直径よりも大きい第4の直径を有する。
【0028】
図示した実施形態では、第1の直径と第2の直径との間の差は、第2の直径と第3の直径との間の差とほぼ同じである。換言すれば、3つの最遠位のフィン154は、概して揃ったテーパを有するプロファイルを有する。ただし、第3の直径と第4の直径との間の差は、第1の直径と第2の直径と第3の直径との間の差よりも大きい。その結果、複数のフィン154のプロファイルテーパは、自在コネクタ130の近位端付近で急になる。
【0029】
シール152を4つのフィン154で示しているが、シール152は、4つより少ないか又は4つより多いフィン154を含んでいてもよいことが理解されるであろう。同様に、フィン154の直径は、実施形態ごとに相違していてもよい。例えば、いくつかのフィンは、互いに類似又は同一の直径を有していてもよい。いくつかの実施形態では、隣接するフィンの直径間の差は全て、互いに同じであっても異なっていてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0030】
自在コネクタ130の本体部150は、ねじ山155を任意選択的に含んでいてもよい。ねじ山155は、自在コネクタ130の遠位端153付近に配設されていてもよく、レセプタクル132内にねじ山140を係合させるように構成されていてもよい。
【0031】
図2に引き続き注意を払い、ここで図3にも注意を向ける。図3は、バキュームホース112を排煙デバイス120に接続するために、レセプタクル132に挿入された自在コネクタ130を示す。分かるように、フィン154の外側先端部は、自在コネクタ130がレセプタクル132に挿入されると、テーパ状壁138を係合させ、後方に(例えば、自在コネクタ130の近位端に向かって)屈曲する。フィン154とテーパ状壁138との係合により、相互間に気密シールが作り出される。その結果、バキュームホース112から排煙デバイス120に搬送された煙は、テーパ状壁138とフィン154との間に流出することができない。それに加えて、フィン154とテーパ状壁138との間の摩擦により、自在コネクタ130をレセプタクル132内に確実に保持することができる。
【0032】
自在コネクタ130の挿入に応じてフィン154が曲がる程度は、フィン154及びレセプタクル132の相対寸法、並びに自在コネクタ132に適用される力の大きさに依存することが理解されるであろう。図3で分かるように、自在コネクタ130の近位端151に向かって大きくなるフィンなどのいくつかのフィン154は、より遠位のフィン154よりも大きい程度で屈曲する。場合によっては、図3に示す最遠位のフィン154などの、1つ又は2つ以上のフィン154は、全く屈曲しなくてもよい。
【0033】
このように、様々な直径及びサイズの少なくとも1つ又は2つ以上のフィン154がレセプタクル132のテーパ状壁138を係合させるため、自在コネクタ130は、様々なサイズ、テーパ、及び形状のレセプタクル132と適合し得る。また、1つ又は2つ以上のフィン154がテーパ状壁138の内側ねじ付き表面に屈曲及び/又は適合し得るため、自在コネクタ130が、ねじ付き機構を有するレセプタクル132内に気密シールを形成し得ることも理解されるであろう。
【0034】
自在コネクタ130をより詳細に示すために、図4は、例示的な分離した自在コネクタ130の斜視図を示す。図示した自在コネクタ130は、少なくとも部分的に本体部150の周囲に延在する複数のリブ154を有するシール152を含み、複数のリブ154は、本体部150の長さに沿って配設され、円錐台形状を形成するように直径が相違している。加えて、流体通路156は、本体部150の内部空間を通って遠位端153から近位端151まで延在している。本体部150はまた、図2及び図3を参照して上述したものと同様に、遠位端153付近にねじ付き機構155を含む。更に、ホース保持リップ158は、近位端151に配設されている。本明細書に記載するバキュームホース112などのホースは、保持リップ158の上に延在して、流体通路156とバキュームホース112との間に気密な嵌合を形成することができる。バキュームホース112は、バキュームホース112と保持リップ158との間の摩擦により、自在コネクタ130の本体部150に固定することができる。
【0035】
加えて、本体部150は、本体部150から近位方向に延在して、ユーザが、レセプタクル内へと自在コネクタ130を把持し及び押し/ねじり、又はレセプタクルから外へと自在コネクタ130を引き出す/ねじることを支援する、1つ又は2つ以上のタブ160を含んでいてもよい。図2図5B図7A図7C図9、及び図10に示すタブ160は、本体部150と一体的に形成されているが、本体部150とは別個に形成され、本体部150に緊密に連結されてもよい。また、自在コネクタ130の1つ又は2つ以上の他の実施形態では、タブの数、形状、サイズ、及び構成が相違していてもよい。例えば、図5Aに示す実施形態では、本体部150は、2つの概ね矩形のタブ160を含む。別の実施形態では、本体部150は、円形、三角形、又は任意の他の形状であり得る1つのタブ160又は3つ以上のタブ160を含んでいてもよい。タブ160は、自在コネクタ130をレセプタクル内に挿入する、又は自在コネクタ130をレセプタクルから引き出すとき、ユーザが自在コネクタ130を把持するのを支援してもよい。レセプタクルがねじ付き機構を含む場合に、タブ160は、ユーザが必要に応じて自在コネクタ130をより容易にねじ山140上にねじり合わせるか、又はねじ山140からねじり取ることを可能にし得る。参照のために、図5Bは、相応に回転するタブ160及びねじ山155を示すために90度回転させた自在コネクタ130の側面図を示す。
【0036】
図5Aを再び参照すると、自在コネクタ130のシール152はまた、フィン154のうちの1つ又は2つ以上の周囲に配設されたフィン延在部162を含んでいてもよい。図5Aに示すように、フィン延在部162は、フィン154の外縁又は外縁付近に配設されており、かつフィン154の外縁を越えて半径方向外向きに延在する材料を含んでいてもよい。フィン延在部162は、それらがフィン154よりも低剛性であるように、フィン154よりも薄くてもよい。簡潔に図4を再び参照すると、フィン延在部162は、それらが配設された各フィン154の周囲で周囲方向に延在しているのが分かる。一実施形態では、フィン延在部154は、フィン154の周囲に部分的にのみ延在してもよい。別の実施形態では、各フィンは、各フィンから延在する2つ以上又はゼロ個のフィン延在部162を有してもよく、これには、フィン154の全周囲に、及び/又は記載したように部分的にのみ周囲に延在するフィン延在部162が含まれる。加えて、1つ又は2つ以上の実施形態は、シール152の、1つのフィン154上のみフィン延在部162を含んでもよく、全てのフィン154上にフィン延在部162を含んでもよく、いずれのフィン154上にもフィン延在部162を含まなくてもよく、又はいくつかのフィン154上にのみにフィン延在部162を含んでもよい。
【0037】
フィン延在部162は、相違するレセプタクル132サイズにおける自在コネクタ130の嵌合を改善するために、可撓性フィン154のうちの1つ又は2つ以上の近位縁に付加されていてもよい。フィン延在部162によって提供される利点は、フィン154上のフィン延在部162上の直径、厚さ、及び位置に依存する。例えば、フィン延在部162がフィン154の近位面上にある実施形態では、フィン延在部162は、自在コネクタ130をレセプタクル132に押し込むために必要とされる挿入力を実質的に変化させないことがある。ただし、この構成では、保持力及び抽出力を大幅に増加させ、自在コネクタ130の改善された機能性、並びにより広い範囲のレセプタクル132のサイズ及び構成にわたるより良好な適合を提供してもよい。
【0038】
より大きい、より厚いフィン154の近位面上のより薄いフィン延在部162の位置はまた、フィン延在部162がフィン154から後方に押し戻されて離れる際に、挿入時の更なる干渉を防止する。一方、挿入されると、自在コネクタ130をレセプタクルから引き出すために、フィン延在部162が折り返されるように強制されると、保持力及び抽出力が著しく増加し得る。この折り畳み動作は、自在コネクタ130のフィン154とレセプタクル132との間の全体的な干渉を増加させ、使用中の保持力及び抽出力を増加させる。また、上述したように、自在コネクタ130の1つ又は2つ以上の実施形態は、各フィン154上に2つ以上のフィン延在部162を含んでいてもよく、フィン延在部162の直径、厚さ、及び位置を調整して、自在コネクタ130の適合性及び機能性を改善するために、必要な挿入力、保持力、及び抽出力を変更してもよい。
【0039】
本明細書に記載するフィン延在部162に加えて、フィン154のうちの1つ以上はまた、フィン154の外縁又は外縁付近にテーパ164を含んでいてもよい。図5Bは、各フィン154の近位面上に配設されたテーパ164を有するフィン154を示す。テーパ164は、フィン154の近位面の下方に部分的に延在してもよい。一実施形態では、テーパ164は、フィン154の面の下方に全面的に延在してもよく、及び/又は様々な角度で角度をなしてもよい。また、1つ又は2つ以上の他の実施形態では、フィン154のうちの1つ又は全ては、各フィン154の遠位面上にテーパ164を有していてもよい。更に別の実施形態では、フィン154のうちの1つ以上は、フィン154の両面にテーパ164を有していてもよい。本明細書に記載する様々なテーパ164及び構成は、テーパ164と構成との組み合わせを有する多様なフィン154を形成するために、1つ又は2つ以上の他の実施形態において組み合わされてもよいことが理解されるであろう。
【0040】
本明細書に記載する様々なテーパ164、フィン延在部164、及びフィン154の他の特徴は、フィン154が、図3に示し、上述したように、レセプタクル132のテーパ状壁138に対して偏向、屈曲、又は別の方法で適合する方法に影響を及ぼし得る。すなわち、各テーパ64の角度及び/又はサイズからもたらされる各フィン154の材料厚さ、並びに各フィン延在部162の厚さ、数、及びサイズは、各フィン154の剛性に影響を及ぼし得る。加えて、これらの機構は、各フィン154が1つ又は2つ以上の屈曲ゾーン166を有し、各屈曲ゾーンは隣接する屈曲ゾーン166とは異なる剛性を有し得る。
【0041】
図6は、明確化のために点線の間に示す、複数の屈曲ゾーン166a~cを有するフィン154の断面図を示す。点線は、屈曲ゾーン境界線を表している。図示した実施形態では、フィン154は、フィン154の周囲に半径方向に構成された3つの屈曲ゾーン166a~cを含む。1つ又は2つ以上の他の実施形態では、フィン154は、1つ、2つ、又は3つより多い屈曲ゾーン166を有していてもよい。加えて、フィン154の各屈曲ゾーン166は、他よりも大きくても小さくてもよく、又はそれらは全て同じ半径を有していてもよい。
【0042】
図6に示す実施形態などの一実施形態では、各屈曲ゾーン166a~cは、隣接する屈曲ゾーン166a~cとは異なる剛性を有していてもよい。例えば、最内の屈曲ゾーン166aは、中間屈曲ゾーン166bよりも高剛性でも低剛性でもよく、最も外側の屈曲ゾーン166cは、中間屈曲ゾーン166b及び/又は最内屈曲ゾーン166aよりも高剛性でも低剛性でもよい。一実施形態では、屈曲ゾーン166a~cは、フィン154の中心に向かって外縁から半径方向内向きに剛性を増加させてもよい。別の実施形態では、屈曲ゾーン166a~cは、フィン154の中心に向かって外縁から半径方向内向きに剛性を減少させてもよい。更に別の実施形態では、屈曲ゾーン166a~cは、フィン154の面にわたって剛性を交互にして、フィン154上に剛性のブルズアイパターンを形成してもよい。
【0043】
ここでも、図6は、3つの屈曲ゾーン166a~cを有するフィン154を示しているが、屈曲ゾーン166の数が1つ又は2つ以上の他の実施形態において3つより多いか、又は3つより少なくてもよいことが理解されるであろう。加えて、1つ又は2つ以上の他の実施形態は、フィン154の中心からフィン154の外縁まで半径方向外向きに延在する屈曲ゾーン166を含んでいてもよく、その場合、複数のそのような屈曲ゾーンは、フィン154の外周の周囲に並んで配設されている。このようにして、フィン154の剛性は、フィン154の外周の周囲で相違してもよい。
【0044】
様々な屈曲ゾーン166a~c間の境界を示す図6の点線は、例示目的で提示され、隣接する屈曲ゾーン166間の剛性の離散的な遷移のみを示すことを意味するものではない。フィン154の一実施形態は、相互間の剛性の急峻な遷移を有する離散的な屈曲ゾーン166を含んでいてもよいが、1つ又は2つ以上の他の実施形態は、相互間の剛性の緩慢な遷移を有する複数の屈曲ゾーン166、又は急峻な遷移と緩慢な遷移との組み合わせを含んでいてもよい。ここでも、様々な屈曲ゾーン166は、本明細書に記載する様々な特徴及び/又はそれら特徴の組み合わせ、すなわちテーパ164、材料厚さ、フィン延在部162、並びにフィン154及びフィン延在部162の材料特性からもたらされてもよい。
【0045】
例えば、図5Bに示すものなどの一実施形態では、テーパ164がその近位面上で始まる場合に、フィン154の外縁において剛性の急峻な変化が生じてもよい。別の例として、緩慢な連続的な剛性変化がフィン154に沿って生じてもよく、この場合に、テーパ164は、フィン154が中心付近でより厚く、フィン154の外縁に向かってより薄くなるように、フィン154の下方まで全体にわたって延在する。前述の説明から、任意の数の剛性プロファイル及び屈曲ゾーン構成が、フィン154の幾何学的形状、厚さ、材料、及び他の特徴を変更することによって達成可能であることが理解されるであろう。
【0046】
本明細書に記載する屈曲ゾーン166の様々な組み合わせは、図3に示すレセプタクル132内に自在コネクタ130がどのように保持されるかに影響を及ぼしてもよい。すなわち、各屈曲ゾーン166の相違する剛性は、各フィン154をそのゾーン内で異なる程度に変形させ、したがって、各屈曲ゾーン構成に固有であるレセプタクル132に挿入されたときにフィン154の変形プロファイルを形成してもよい。したがって、フィン154上の屈曲ゾーン166の構成を変更することによって、レセプタクルねじ、レセプタクルテーパ角、及びレセプタクルサイズなどの多様なレセプタクル機構に最良に適合するフィン変形プロファイルを達成することができる。
【0047】
図7Aに移ると、シール152及び本体部150を有する自在コネクタ130の分解図が示されている。シール152は、シール152が少なくとも部分的に本体部150の周りに配設されるように、本体部150が通過する通路168を含む。一実施形態では、本体部150は、シール152とは別個に形成されてもよく、シール152よりも剛性の高い材料を含んでいてもよい。例えば、本体部150は、ABSプラスチック材料、又は任意の他の好適に剛性のポリマー、又は金属、複合材、ガラス、セラミックなどであるがこれらに限定されない他の材料を含んでいてもよい。
【0048】
シール152は、約35~80ポイントのデュロメータ硬度、ショアAを有する可撓性高分子弾性体材料を含んでいてもよい。一実施形態では、シール152は、約45~65ポイントのデュロメータ硬度、ショアAを有する可撓性高分子弾性体材料を含んでいてもよい。一実施形態では、シール152は、約50~60ポイントであって好ましくは約55ポイントのデュロメータ硬度、ショアAを有する可撓性高分子弾性体材料を含んでいてもよい。
【0049】
また、複数のフィン154と、フィン154が延在する起点のシール152の他の部分と、を含むシール152の様々な部分は、異なるデュロメータ硬度を有する材料を含んでいてもよい。例えば、一実施形態では、シール152は、上記のショアAポイント範囲の内側又は外側のいずれかにおいて異なるデュロメータ硬度を各々が有するフィン154を含んでいてもよい。別の実施形態では、複数のフィン154のうちの1つ以上は、実質的に同じデュロメータ硬度を有していてもよく、一方、同じシール152の1つ又は2つ以上の他のフィン154は、異なるデュロメータ硬度を有していてもよい。更に、複数のフィン154のうちの1つ又は2つ以上は、異なるデュロメータ硬度を有する屈曲ゾーンを有していてもよい。更に別の実施形態では、フィン154のうちの1つ又は2つ以上のデュロメータ硬度は、フィン154が延在するシール152の部分のデュロメータ硬度よりも大きくても小さくてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、シール152の様々な部分は、上記のショアAポイント範囲内及び/又は外側のいずれかにおいて、任意の数のデュロメータ硬度値及びそれらデュロメータ硬度値の組み合わせをもたらす異なる材料を含んでいてもよい。
【0050】
図7Aはまた、本体部150から半径方向外向きに突出し、本体部150の外周を少なくとも部分的に取り囲む複数のリブ172を有する本体部150を示す。図7Aに示す実施形態では、リブ172は、本体部150から離れる方向に延在する様々な高さを有する。リブ172はまた、概ね矩形の断面プロファイルを有するように示されている。1つ又は2つ以上の他の実施形態は、図7Aの本体部150に示すものよりも多い又は少ないリブ150を含んでいてもよい。1つ又は2つ以上の他の実施形態はまた、三角形、円形などの他の断面プロファイルを有するリブ172を含んでいてもよい。1つ又は2つ以上の他の実施形態は、リブ172間の様々な高さ及び空間の本体部150及び/又はリブ172の外周の周囲全体に延在するリブ172を含んでいてもよい。
【0051】
図7B及び図7Cは、図7Aに示すシール152及び本体部150の断面図を示す。図7Bに示すように、シール152は、少なくとも部分的にシール152の内部表面170の外周の周囲に延在する、シール152の内部表面170内に延在する複数の凹部174を含んでいてもよい。凹部174は、シール152を少なくとも部分的に本体部150の周りに配置することにより、シール152の凹部172内に延在する複数のリブ172がもたらされるように、図7Cに示す本体部150のリブ172と位置が対応していてもよい。したがって、一実施形態では、図7Bの断面図に示すような凹部174の断面形状は、使用中にリブ172がシール152を少なくとも部分的に本体部150の周りに保持するように、リブ172の断面形状に対応していてもよい。
【0052】
これらの線に沿って、図7Dは、凹部174内に延在してそれと嵌合するリブ172と共に保持されたシール152を有する本体部150の断面図を示す。一実施形態では、図7Dに示すように、リブ172及び凹部174のうちの1つ又は2つ以上は、フィン154と位置が対応していてもよく、1つ又は2つ以上は、対応していなくてもよい。一実施形態では、シール152及び本体部150は、上述のように別々に製造され、合わせて組み立てられてもよい。一実施形態では、シール152及び本体部150は、成形又は他の製造プロセスなどによって一体的に形成されてもよい。一実施形態では、フィン154は、シール152の残りの部分と同じ材料を含むか又は異なる材料を含むかのいずれかの単一のピースとしてシール152と共に形成されてもよい。更に別の実施形態では、フィン154は、シール152の残りの部分と同じ又は異なる材料で別個に形成され、製造中にシールに固定されてもよい。
【0053】
各リブ172及び対応する凹部174の高さはまた、リブ172が延在し得るフィン154の可撓性に影響を及ぼしてもよい。例えば、上述したように、本体部150及びリブ172は、シール152及びフィン154よりも剛性の高い材料を含んでいてもよい。こうして、フィン154内へとリブ172が更に延在すると、その領域におけるフィン154の剛性が大きくなる。したがって、リブ172は、上述のように、フィン154の屈曲ゾーン166を生成又は変更してもよい。同じく、テーパ状リブ172は、リブ172が半径方向外向きに延在するにつれてリブ154がより細くテーパ状をなすようにリブ172が延在するフィン154の屈曲の緩慢な変化を引き起こしてもよい。
【0054】
上述の自在コネクタ130の様々な実施形態は、本体部150の流体通路156の中央長手方向軸176に対して概ね垂直な平面内に延在するフィン154を有するシール152を含む。ただし、1つ又は2つ以上の他の実施形態は、長手方向中心軸176に対して垂直でない角度で本体部150から半径方向外向きに延在するフィン154を含んでいてもよい。例えば、図8は、フィン154が長手方向中心軸176に対して垂直でない角度で近位方向に後方に延在する、自在コネクタ130の実施形態の断面図を示す。また、例えば、図9は、長手方向中心軸176に対して垂直でない角度で遠位方向に前方に延在するフィン154を有する自在コネクタ130の実施形態の断面図を示す。
【0055】
一実施形態では、リブ172は、角度付きフィン154に対応するように角度付けされていてもよい。一実施形態では、フィン154及び/又はリブ172は、図に示すものよりも大きい程度又は小さい程度に角度付けされていてもよい。一実施形態では、単一のシール152のフィン154は各々、互いに異なる角度をなし、遠位方向に、垂直に、近位方向に、又はこれらの組み合わせのいずれかで延在していてもよい。フィン154の角度は、自在コネクタ130をレセプタクル132に挿入し、かつそこから取り外すのに必要な力に影響を及ぼし得る。
【0056】
例えば、近位方向に後方に延在するフィン154を有する、図8に示す実施形態では、レセプタクルに挿入して気密な接続を形成するために必要とする力が、レセプタクル312から自在コネクタ130を取り外すのに必要な力よりも小さくなり得る。これは、この実施形態のフィン154が、取り外されるときにレセプタクル138のテーパ状壁138に対して、図3に示すように、フィン154の角度にわたってより大きい程度に変形する必要があり得るからである。逆に、前方に遠位方向に延在するフィン154を有する、図9に示す実施形態では、レセプタクルに挿入して気密な接続を形成するために必要とする力が、レセプタクル132から自在コネクタ130を取り外すのに必要な力よりも大きくなり得る。
【0057】
図10に移ると、自在コネクタ130の別の実施形態の斜視図が示されている。この実施形態では、外側の円錐台状シェル178は、フィンの外縁を少なくとも部分的に取り囲んで、シール152の外側表面を形成している。図11は、図10に示す実施形態の後方斜視図を示す。フィン154は各々、本体部150の長さに沿って配設されており、複数のフィン154が本体部150の外周の少なくとも一部分の周囲で半径方向にらせん状をなすように湾曲している。シール152及び本体部150の材料は、他の実施形態に関して上述したシール152及び本体部150について記載した材料と同様であってもよい。こうして、図10図12Bに示す実施形態の円錐台状シェル178及びフィン154は、可撓性高分子弾性体材料を含んでいてもよい一方、本体部150は、ABSプラスチックなどのより剛性の高い材料を含んでいてもよい。
【0058】
したがって、図10図12Bに示す自在コネクタ130がレセプタクル132に挿入されると、円錐台状のシェル178は収縮してもよく、フィン154は、自在コネクタ130の本体部150に向かって半径方向内向きに圧潰してもよい。弾性フィン154は、レセプタクル132のテーパ状壁138と対向する力を作り出して、円錐台状シェル178とレセプタクルのテーパ状壁138との間の摩擦により、レセプタクル132内に円錐台状シェル178の外面を保持する。
【0059】
図10及び図11に示す実施形態をより良く理解するために、図12A及び図12Bは、図10及び図11に示す自在コネクタ130の背面図を示す。図12Aの自在コネクタ130は、円錐台状シェル178が収縮しておらず、かつ湾曲したフィン154が完全に延在するように、レセプタクルに挿入されていない。上述したように、及び図12Bに示すように、レセプタクルのテーパ状壁が円錐台状シェル178の外部に対して半径方向内向きに力を及ぼし、可撓性円錐台状シェル178が収縮し、湾曲したフィン154が本体部150に向かって圧潰する。こうして、フィン154は、本体部に向かってより大きな角度で湾曲し、フィン154の弾性は、自在コネクタ130が摩擦によりレセプタクル内に保持されるように、レセプタクルのテーパ状壁に外向きの力を及ぼす。
【0060】
円錐台状シェル178と本体部150の長さに沿って長手方向に延在する複数のフィン154とは、本体部150の長さに沿って異なる程度に変形してもよい。例えば、円錐台状シェル178のテーパ角度が、レセプタクルのテーパ状壁のテーパ角度と一致しない場合、円錐台状シェル178の遠位端は、レセプタクルのテーパ角を収容するために、近位端よりも大きく収縮してもよく、又はその逆であってもよい。円錐台状シェル178はまた、ねじ山などの他のレセプタクル機構の周囲で変形して、気密シールを形成してもよい。このようにして、図10~12Bに示す自在コネクタの実施形態は、広範囲のレセプタクル内に気密シールを形成することができる。
【0061】
本発明は、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。記載される実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲に相当する意味及び範囲内に含まれる全ての変更が、それの範囲内に包含されるものである。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 自在流体システムコネクタであって、
本体部であって、前記本体部の遠位端と前記本体部の近位端との間に延在する長さを有する、本体部と、
前記本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールであって、前記本体部の前記長さに沿って配設された複数の可撓性フィンを有し、各フィンが直径を有する、シールと、を備え、
各フィンが複数の屈曲ゾーンを含み、各屈曲ゾーンが剛性を有し、
前記複数のフィンが前記本体部の前記長さに沿って円錐台形状を形成するように、前記フィンの前記直径が前記遠位端から前記近位端まで増加する、自在流体システムコネクタ。
(2) 前記複数のフィンが3つのフィンを含み、最遠位のフィンと2番目に最遠位のフィンとの間の前記直径の差が、最近位のフィンと2番目に最近位のフィンとの間の前記直径の差よりも小さい、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(3) 各フィンがテーパを含む、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(4) 前記テーパが、各フィンの近位面上に形成されている、実施態様3に記載の自在流体システムコネクタ。
(5) 前記テーパが、各フィンの遠位面上に形成されている、実施態様3に記載の自在流体システムコネクタ。
【0063】
(6) 各フィンが、第1の屈曲ゾーン及び第2の屈曲ゾーンを含み、前記第1の屈曲ゾーンが、前記フィンの外縁を含む前記フィンの第1の外側リング部分を含み、前記第2の屈曲ゾーンが、前記第1の屈曲ゾーンから半径方向内向きに配設された前記フィンの内側リング部分を含む、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(7) 前記第2の屈曲ゾーンが、前記第1の屈曲ゾーンよりも剛性である、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(8) 各フィンが、前記フィンの同心リング部分として前記フィンの周囲に半径方向に配設された3つの屈曲ゾーンを含む、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(9) 前記屈曲ゾーンの前記剛性が、前記フィンの中心に向かって増加している、実施態様8に記載の自在流体システムコネクタ。
(10) 前記屈曲ゾーンの前記剛性が、前記フィンの中心に向かって減少している、実施態様8に記載の自在流体システムコネクタ。
【0064】
(11) 前記屈曲ゾーンの前記剛性が、前記フィンの中心に向かってゾーンごとに互いに交互になり、前記フィン上に剛性のブルズアイパターンを形成している、実施態様8に記載の自在流体システムコネクタ。
(12) 1つ又は2つ以上のフィン延在部を更に備え、各フィン延在部が、少なくとも部分的に前記フィンの外周の周囲でフィンから半径方向外向きに延在している、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(13) 各フィンが、前記本体部の長手方向中心軸に垂直に配設されている、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(14) 各フィンが、前記本体部の長手方向中心軸に対して垂直でない角度で配設されている、実施態様1に記載の自在流体システムコネクタ。
(15) 各フィンが、前記本体部の周囲で周囲方向に延在している、実施態様1に記載の自在システムコネクタ。
【0065】
(16) 流体システムコネクタであって、
本体部であって、
前記本体部の遠位端と前記本体部の近位端との間に延在する長さと、
前記本体部の前記長さに沿って配設された複数のリブであって、各リブが、少なくとも部分的に前記本体部の周囲に延在し、前記本体部から半径方向外向きに延在している、複数のリブと、を含む、本体部と、
前記本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールであって、
前記本体部の前記長さに沿って配設された複数の可撓性フィンであって、前記複数のフィンの外縁が、前記遠位端に向かって下向きにテーパ状をなす円錐台形状を形成している、複数の可撓性フィンと、
前記シールの内表面から半径方向外向きに延在する複数の凹部であって、各凹部が少なくとも部分的に前記シールの前記内表面の外周の周囲に配設されている、複数の凹部と、を含む、シールと、を備え、
前記複数のリブは、前記リブが前記凹部と嵌合して前記本体部の周りに前記シールを保持するように、前記複数の凹部と位置が対応している、流体システムコネクタ。
(17) 前記本体部が、前記シールよりも剛性である、実施態様16に記載の流体システムコネクタ。
(18) 前記本体部がABSプラスチックを含む、実施態様16に記載の流体システムコネクタ。
(19) 前記シールが、約35~80ポイントのデュロメータ硬度、ショアAを有する可撓性高分子弾性体を含む、実施態様16に記載の流体システムコネクタ。
(20) 前記シールが、約45~65ポイントのデュロメータ硬度、ショアAを有する可撓性高分子弾性体を含む、実施態様16に記載の流体システムコネクタ。
【0066】
(21) 前記シールが、約50~60ポイントのデュロメータ硬度、ショアAを有する可撓性高分子弾性体を含む、実施態様16に記載の流体システムコネクタ。
(22) 前記リブが前記本体部から半径方向外向きに延在するにつれて、前記リブがより薄くテーパ状をなしている、実施態様16に記載の流体システムコネクタ。
(23) 前記本体部が、前記本体部から近位方向に延在する1つ又は2つ以上のタブを更に含み、前記タブが、前記流体システムコネクタの操作を支援するように構成されている、実施態様16に記載の流体システムコネクタ。
(24) 流体システムコネクタであって、
本体部であって、前記本体部の遠位端と前記本体部の近位端との間に延在する長さを有する、本体部と、
前記本体部の少なくとも一部分の周りに配設されたシールであって、
複数の可撓性フィンであって、前記フィンの外縁が前記遠位端に向かって下方にテーパ状をなす前記本体部の前記長さに沿った円錐台形状を形成するように、前記本体部の長さに沿って配設され、各フィンは、前記複数のフィンが前記本体部の少なくとも一部分の周囲で半径方向にらせん状をなすように湾曲している、複数の可撓性フィンと、
少なくとも部分的に前記複数のフィンの周囲に配設され、前記フィンの前記外縁に接続された外側円錐台状シェルと、を含む、シールと、を備える、流体システムコネクタ。
(25) 各フィンが、前記本体部の前記長さに沿って長手方向に配設されている、実施態様24に記載の流体システムコネクタ。
【0067】
(26) 各フィンが第1の厚さを含み、前記円錐台状シェルが第2の厚さを含み、前記第2の厚さが前記第1の厚さよりも大きい、実施態様24に記載の流体システムコネクタ。
(27) 前記円錐台状シェルの外表面に外力が加えられると、各フィンの前記曲率が増加して、各フィンを前記本体部に向けて圧潰させる、実施態様24に記載の流体システムコネクタ。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B