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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】半導体基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240304BHJP
   G09F 9/37 20060101ALI20240304BHJP
   G02F 1/16766 20190101ALI20240304BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/37
G02F1/16766
G02F1/1368
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019202547
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021076675
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-061095(JP,A)
【文献】特開2008-304684(JP,A)
【文献】特開平08-018062(JP,A)
【文献】特開2011-118216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0224246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G09G 3/00 - 5/42
G02F 1/16766
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基材と、
前記第1基材上に位置し、第1方向に延出し、前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置された複数のゲート線と、
前記第1基材上に位置し、前記第2方向に延出し、前記第1方向に並んで配置された複数のソース線と、
前記複数のゲート線のうち第1ゲート線及び第2ゲート線、並びに、前記複数のソース線のうち第1ソース線及び第2ソース線に区画される画素と、
前記画素に配置され、前記第1ゲート線及び第1ソース線に電気的に接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1ソース線及び第2ソース線との間に配置された第1画素電極と、前記第1画素電極と前記第2方向において隣り合う第2画素電極と、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタ、並びに前記第1画素電極と電気的に接続する接続電極と、
を備え、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記第1画素電極に接続され、
前記第1ゲート線は、前記第1画素電極に重畳せず、前記第2画素電極に重畳し、
前記接続電極は、前記第1ゲート線を乗り越えて配置される、半導体基板。
【請求項2】
前記第1トランジスタの第1半導体層及び前記第2トランジスタの第2半導体層と、
前記第1半導体層及び第2半導体層上に設けられ、前記第1ゲート線に電気的に接続された補助ゲート電極と、
をさらに備え、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層は前記第1ゲート線上にそれぞれ平行に設けられ、
前記第1トランジスタの第1半導体層及び前記第2トランジスタの第2半導体層は、それぞれ、前記第1ソース線に電気的に接続された第1領域と、前記接続電極に電気的に接続された第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間のチャネル領域と、を有し、
前記第2半導体層の前記第1領域が前記第1ゲート線と重畳する面積は、前記第1半導体層の前記第1領域が前記第1ゲート線と重畳する面積と異なり、
前記補助ゲート電極は、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の両方のチャネル領域に重畳している、請求項に記載の半導体基板。
【請求項3】
前記第1半導体層及び前記第2半導体層それぞれの前記第1領域は、前記第1ソース線と重畳しかつ前記補助ゲート電極と重畳しない領域を有する、請求項に記載の半導体基板。
【請求項4】
前記第1半導体層及び第2半導体層それぞれの前記第2領域は、前記接続電極と重畳しかつ前記補助ゲート電極と重畳しない領域を有する、請求項に記載の半導体基板。
【請求項5】
前記第1半導体層及び第2半導体層それぞれの前記第1領域の端部は、前記第1ソース線の端部及び前記補助ゲート電極の端部との間に位置する、請求項に記載の半導体基板。
【請求項6】
前記第1半導体層及び第2半導体層それぞれの前記第2領域の端部は、前記接続電極の端部及び前記補助ゲート電極の端部との間に位置する、請求項に記載の半導体基板。
【請求項7】
第1基材と、前記第1基材上に位置し、第1方向に延出し、前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置された複数のゲート線と、前記第1基材上に位置し、前記第2方向に延出し、前記第1方向に並んで配置された複数のソース線と、前記複数のゲート線のうち第1ゲート線及び第2ゲート線、並びに、前記複数のソース線のうち第1ソース線及び第2ソース線に区画される画素と、前記画素に配置され、前記第1ゲート線及び第1ソース線に電気的に接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第1ソース線及び第2ソース線との間に配置された第1画素電極と、前記第1画素電極と前記第2方向において隣り合う第2画素電極と、を備える半導体基板と、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極と対向した第2基材と、前記第2基材並びに前記第1画素電極及び前記第2画素電極との間に位置し前記第1画素電極及び前記第2画素電極と対向した対向電極と、を備えた対向基板と、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極並びに前記対向電極との間に位置し、前記第1画素電極及び前記第2画素電極並びに前記対向電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタ、並びに、前記第1画素電極に電気的に接続する接続電極と、
を備え、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記第1画素電極に接続され、
前記第1ゲート線は、前記第1画素電極に重畳せず、前記第2画素電極に重畳し、
前記接続電極は、前記第1ゲート線を乗り越えて配置される、表示装置。
【請求項8】
前記表示機能層は、電気泳動層である、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1トランジスタの第1半導体層及び前記第2トランジスタの第2半導体層と、
前記第1半導体層及び第2半導体層上に設けられ、前記第1ゲート線に電気的に接続された補助ゲート電極と、
をさらに備え、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、前記第1ゲート線上に平行に配置され、
前記第1トランジスタの第1半導体層及び前記第2トランジスタの第2半導体層は、それぞれ、前記第1ソース線に電気的に接続された第1領域と、前記接続電極に電気的に接続された第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間のチャネル領域と、を有し、
前記第2半導体層の前記第1領域が前記ゲート線に重畳する面積は、前記第1半導体層の前記第1領域が前記ゲート線に重畳する面積よりも小さく、
前記第2半導体層の前記第2領域が前記ゲート線に重畳する面積は、前記第1半導体層の前記第2領域が前記ゲート線に重畳する面積よりも小さく、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層のそれぞれの前記チャネル領域は前記ゲート線に重畳しており、
前記補助ゲート電極は、前記第1半導体層及び第2半導体層の両方のチャネル領域に重畳している、請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1半導体層及び第2半導体層それぞれの前記第1領域は、前記第1ソース線と重畳しかつ前記補助ゲート電極と重畳しない領域を有する、請求項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1半導体層及び第2半導体層それぞれの前記第2領域は、前記接続電極と重畳しかつ前記補助ゲート電極と重畳しない領域を有する、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1半導体層及び第2半導体層それぞれの前記第1領域の端部は、前記第1ソース線の端部及び前記補助ゲート電極の端部との間に位置する、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1半導体層及び第2半導体層それぞれの前記第2領域の端部は、前記接続電極の端部及び前記補助ゲート電極の端部との間に位置する、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1画素電極と前記第2ソース線を挟んで隣接する第3画素電極と、
をさらに備え、
前記第2ソース線は、前記第1画素電極及び前記第3画素電極に重畳しない、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体基板及び表示装置に関する。
【0002】
表示装置として、例えば電気泳動表示装置が知られている。電気泳動表示装置において、スイッチング素子に薄膜トランジスタを使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-60091号公報
【文献】特開2017-228560号公報
【文献】特開2010-217916号公報
【文献】特開2006-349903号公報
【文献】特開2011-221097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、複数の電流路を利用して駆動を行うことのできる半導体基板及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る半導体基板は、第1基材と、前記第1基材上に位置し、第1方向に延出し、前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置された複数のゲート線と、前記第1基材上に位置し、前記第2方向に延出し、前記第1方向に並んで配置された複数のソース線と、前記複数のゲート線のうち第1ゲート線及び第2ゲート線、並びに、前記複数のソース線のうち第1ソース線及び第2ソース線に区画される画素と、前記画素に配置され、前記第1ゲート線及び第1ソース線に電気的に接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第1ソース線及び第2ソース線との間に配置された第1画素電極と、前記第1画素電極と前記第2方向において隣り合う第2画素電極と、を備え、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記第1画素電極に接続され、前記第1ゲート線は、前記第1画素電極に重畳せず、前記第2画素電極に重畳している。
【0006】
また、一実施形態に係る表示装置は、第1基材と、前記第1基材上に位置し、第1方向に延出し、前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置された複数のゲート線と、前記第1基材上に位置し、前記第2方向に延出し、前記第1方向に並んで配置された複数のソース線と、前記複数のゲート線のうち第1ゲート線及び第2ゲート線、並びに、前記複数のソース線のうち第1ソース線及び第2ソース線に区画される画素と、前記画素に配置され、前記第1ゲート線及び第1ソース線に電気的に接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第1ソース線及び第2ソース線との間に配置された第1画素電極と、前記第1画素電極と前記第2方向において隣り合う第2画素電極と、を備える半導体基板と、前記第1画素電極及び前記第2画素電極と対向した第2基材と、前記第2基材並びに前記第1画素電極及び前記第2画素電極との間に位置し前記第1画素電極及び前記第2画素電極と対向した対向電極と、を備えた対向基板と、前記第1画素電極及び前記第2画素電極並びに前記対向電極との間に位置し、前記第1画素電極及び前記第2画素電極並びに前記対向電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、を備え、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記第1画素電極に接続され、前記第1ゲート線は、前記第1画素電極に重畳せず、前記第2画素電極に重畳している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、表示装置DSPを示す回路図である。
図2図2は、図1に示した画素PXを示す等価回路図である。
図3図3は、表示装置DSPを示す断面図である。
図4図4は、表示装置DSPの第1基板SUB1の一部を示す拡大平面図である。
図5図5は、図4の第1基板SUB1の一部をさらに拡大して示す平面図である。
図6図6は、図5の線A-Bに沿った第1基板SUB1を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る半導体基板及び表示装置について詳細に説明する。
【0009】
まず、本実施形態に係る表示装置DSPについて詳細に説明する。図1は、表示装置DSPを示す回路図である。なお、図1においては、全ての画素PX及び全ての配線について図示していない。
【0010】
図1に示すように、本実施形態では、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交している。ここで言う方向は、図中矢印の指す方向であり、矢印に対して180度反転した方向については逆方向とする。なお、第1方向X及び第2方向Yは、90°以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yとそれぞれ直交している。第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。
【0011】
以下の説明において、第1基板SUB1から第2基板SUB2に向かう方向を上方(あるいは、単に上)とし、第2基板SUB2から第1基板SUB1に向かう方向を下方(あるいは、単に下)とする。「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0012】
表示装置DSPは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DA以外の非表示領域NDAと、を備えている。本実施形態において、非表示領域NDAは、額縁状に形成されている。
図1に示すように、表示装置DSPは、第1基材1、表示領域DAにて第1基材1の上方にマトリクス状に配列された複数個の画素PX、複数本のゲート線Gと、複数本のソース線Sと、複数本の容量配線CWと、を備えている。なおゲート線及びソース線をそれぞれ走査線及び信号線ともいう。
【0013】
本実施形態では、ゲート線Gの数をNとし、それぞれゲート線G_1乃至G_Nとする。ただしゲート線において個々の区別が必要ない場合は、単にゲート線Gと呼ぶ。またソース線Sの数をMとし、それぞれソース線S_1乃至S_Mとする。ただしソース線において個々の区別が必要ない場合は、単にソース線Sと呼ぶ。すなわち表示装置DSPは、N行M列の画素PXを有している。
【0014】
表示装置DSPは、ゲートドライバGD1,GD2、及びソースドライバSDを備えている。ゲートドライバGD1,GD2は後述するゲート線を駆動するように構成され、ゲートドライバGD1、ゲートドライバGD2は非表示領域NDAに配置されている。ソースドライバSDは、後述するソース線を駆動するように構成され、非表示領域NDAに配置されている。
【0015】
ゲート線Gは、ゲートドライバGDに接続され、第1方向Xに延出し、第2方向Yに並んで配置される。ゲート線Gは、第1方向Xに並んだ複数の画素PXに電気的に接続されている。ソース線Sは、ソースドライバSDに接続され、第2方向Yに延出し、第1方向Xに並んで配置される。ソース線Sは、第2方向Yに並んだ複数の画素PXに電気的に接続されている。容量配線CWは、第1方向X又は第2方向Yに延出している。本実施形態において、容量配線CWは、第2方向Yに延出し、第2方向Yに並んだ複数の画素PXに電気的に接続されている。複数本の容量配線CWは、非表示領域NDAにて束ねられ、ICチップI1に接続されている。
【0016】
ゲートドライバGDは、ゲート線Gに制御信号SGを与え、ゲート線Gを駆動するように構成されている。ソースドライバSDは、ソース線Sに画像信号(例えば、映像信号)Vsigを与え、ソース線Sを駆動するように構成されている。ICチップI1は容量配線CWに定電圧Vpcを与え、容量配線CWは定電位に固定される。また、ICチップI1は、対向電極CEにコモン電圧Vcomを与え、対向電極CEは定電位(コモン電位)に固定される。本実施形態において、対向電極CEは、全ての画素PXで共用されるため共通電極と称され得る。本実施形態において、容量配線CWは、対向電極CEと同電位に設定されているが、対向電極CEと異なる電位に設定されていてもよい。ゲートドライバGD、ソースドライバSD、及びICチップI1は、複数の画素PXを駆動するための駆動部を構成している。
【0017】
図2は、図1に示した画素PXを示す等価回路図である。各々の画素PXは、第1トランジスタTr1と、第2トランジスタTr2と、第1容量C1と、第2容量C2と、を備えている。第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2は、同一導電型、例えばNチャネル型の薄膜トランジスタ(TFT)により構成されている。第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2のそれぞれの半導体層は、酸化物半導体で形成されている。なお、上記半導体層は、低温多結晶シリコンなどの多結晶シリコン、非晶質シリコンなど、酸化物半導体以外の半導体を利用してもよい。そして、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2の各々は、Pチャネル型のTFTにより構成されていてもよい。また、以降の説明は酸化物半導体を用いたトランジスタTrにて説明する。
【0018】
第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2は、それぞれ、第1端子t1、第2端子t2、及び制御端子t3を有している。本実施形態では、制御端子t3はゲート電極として機能し、第1端子t1及び第2端子t2の一方がソース電極として機能し、第1端子t1及び第2端子t2の他方がドレイン電極として機能している。第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2は、電気的にソース線Sと画素電極PEとの間にて並列に接続されている。
【0019】
第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2の各々において、第1端子t1はソース線Sに接続され、第2端子t2は画素電極PEに接続され、制御端子t3はゲート線Gに接続されている。これにより、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2の各々は、ゲート線Gに与えられる制御信号SGにより、導通状態又は非導通状態に切替えられる。画像信号Vsigは、ソース線S及び導通状態の第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2を介して画素電極PEに印加される。
【0020】
第1容量C1及び第2容量C2は、キャパシタである。第1容量C1は、画素電極PEと容量配線CWとの間に接続されている。第2容量C2は、画素電極PEと対向電極CEとの間に接続されている。
【0021】
図3は、表示装置DSPを示す断面図である。ここでは、1つの画素PXに注目している。
図3に示すように、第1基板SUB1は、第1基材1と、第1基材1の上に設けられた下地層10と、下地層10の上に設けられた画素電極PEと、を備えている。第2基板SUB2は、画素電極PEと対向した第2基材2と、第2基材2と画素電極PEとの間に位置し画素電極PEと対向した対向電極CEと、を備えている。対向電極CEは、インジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料で形成されている。
【0022】
本実施形態において、第1基板SUB1は半導体基板であり、第2基板SUB2は対向基板である。第1基材及び第2基材2は、樹脂、ガラス等の絶縁性の材料で形成されている。本実施形態において、第2基材2は、画面側(観察側)に位置し、光透過性を有している。第1基材は、画面の反対側に位置しているため、不透明であってもよいし、透明であってもよい。
【0023】
表示装置DSPの表示機能層DLは、画素電極PEと対向電極CEとの間に位置している。表示機能層DLには、画素電極PEと対向電極CEとの間に印加される電圧がかかる。本実施形態において、表示装置DSPは電気泳動表示装置であり、表示機能層DLは電気泳動層である。表示機能層DLは、X-Y平面内においてほとんど隙間なく配列された複数のマイクロカプセル30によって形成されている。
表示装置DSPの粘着層ALは、画素電極PEと表示機能層DLとの間に位置している。
【0024】
マイクロカプセル30は、例えば20μm~70μm程度の粒径を有する球状体である。図示した例では、スケールの関係上、1つの画素電極PEと対向電極CEとの間に、多くのマイクロカプセル30が配置されているが、1辺の長さが百~数百μm程度の矩形状、又は多角形状の画素PXにおいては、1個~10個程度のマイクロカプセル30が配置されている。
【0025】
マイクロカプセル30は、分散媒31と、複数の黒色粒子32と、複数の白色粒子33とを備えている。黒色粒子32及び白色粒子33は、電気泳動粒子と称される場合もある。マイクロカプセル30の外殻部(壁膜)34は、例えば、アクリル樹脂等の透明な樹脂を用いて形成されている。分散媒31は、マイクロカプセル30内において、黒色粒子32と、白色粒子33とを分散させる液体である。黒色粒子32は、例えば、アニリンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。白色粒子33は、例えば、二酸化チタン等の白色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。これらの顔料には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。また、黒色粒子32及び白色粒子33の代わりに、例えば赤色、緑色、青色、イエロー、シアン、マゼンタなどの顔料を用いてもよい。
【0026】
上記構成の表示機能層DLにおいて、画素PXを黒表示させる場合、画素電極PEが対向電極CEよりも相対的に高電位に保持される。すなわち、対向電極CEの電位を基準電位としたとき、画素電極PEが正極性に保持される。これにより、正に帯電した黒色粒子32が対向電極CEに引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子33が画素電極PEに引き寄せられる。その結果、対向電極CE側からこの画素PXを観察すると黒色が視認される。一方、画素PXを白表示させる場合には、対向電極CEの電位を基準電位としたとき、画素電極PEが負極性に保持される。これにより、負に帯電した白色粒子33が対向電極CE側へ引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子32が画素電極PEに引き寄せられる。その結果、この画素PXを観察すると白色が視認される。
【0027】
なお、本実施形態において、画素電極PEは、粘着層ALに接している。但し、画素電極PEと粘着層ALとの間に絶縁性の保護層が介在し、保護層で画素電極PEが保護されていてもよい。
【0028】
図4は、表示装置DSPの第1基板SUB1の一部を示す拡大平面図である。図5は、図4の第1基板SUB1の一部をさらに拡大して示す平面図である。
図4に示すように、ゲート線Gは、第1方向Xに延在している。ソース線Sは、第2方向Yに延在し、ゲート線Gと交差している。画素電極PEは、互いに電気的に接続された第1画素電極PE1及び第2画素電極PE2を有している。ゲート線Gは、第1画素電極PE1と交差している。第2画素電極PE2は、第2方向Yにおいてゲート線Gに間隔を置いて位置している。
【0029】
第1トランジスタTr1の第1半導体層SC1及び第2トランジスタTr2の第2半導体層SC2は、それぞれ、ソース線Sに電気的に接続された第1領域R1と、第2接続電極EL2を介して画素電極PEに電気的に接続された第2領域R2と、第1領域R1と第2領域R2との間のチャネル領域RCと、を有している。第1半導体層SC1と第2半導体層SC2はそれぞれ長辺および短辺を有し、略同形状(略同面積)の半導体層を、互いに平行に配置されている。第1半導体層SC1及び第2半導体層SC2のそれぞれのチャネル領域RCの全体は、同一のゲート線Gに重畳している。本実施形態において、より詳細には、図5に示すように、第2半導体層SC2のチャネル領域RCの全体及び第1半導体層SC1の全体は、同一のゲート線Gに重畳している。第2半導体層SC2のチャネル領域RC以外の一部は、ゲート線Gに重畳しない、と言い換えることもできる。第2半導体層SC2については、第2半導体層SC2のチャネル領域RCがゲート線Gに重畳していればトランジスタとして機能するため、後述するように少しでもゲート電極とソース線S及び第2接続電極EL2とで形成される容量による負荷を低減するため、ゲート線Gから第2半導体層SC2のチャネル形成領域を除く一部(具体的には第1領域R1の一部及び第2領域R2の一部)をゲート線Gから露出させるようにしている。言い換えると、ゲート線Gの第2半導体層SC2、ソース線S、及び第2接続電極EL2と重なる面積を小さくなるようにしている。また、ゲート線Gに一部重ならない領域を有する半導体層は第1半導体層SC1であってもよく、その場合は、第2半導体層SC2の全体が同一のゲート線Gに重なることになる。
【0030】
また、上述の略同形状(略同面積)の「略」については、設計思想としては同形状(同面積)としているものの、理想的な均一の同形状(同面積)に製造することは難しいため製造プロセスにより生じる多少の形状および面積のばらつきを意味するものである。
【0031】
ここでm列目のソース線S_m及びn行目のゲート線G_nに接続される第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2を、トランジスタTr_(m,n)とする(ただし、nは1以上N-1以下の自然数、mは1以上M-1以下の自然数である)。トランジスタTr_(m,n)を含み、ソース線S_m、ソース線S_m+1、ゲート線G_n、ゲート線G_n+1によって区画される画素PXを、画素PX(m,n)とする。
【0032】
またトランジスタTr_(m,n-1)を含み、ソース線S_m、ソース線S_m+1、ゲート線G_n-1、ゲート線G_nによって区画される画素PXを、画素PX(m,n-1)とする。画素PX(m,n)と画素PX(m,n-1)は、ゲート線G_nを挟んで隣接しており、ゲート線G_nに対して互いに対向している。
【0033】
なお以下主にm列目の画素について述べるため、特に必要でなければ列を示す「m」は省略する。
【0034】
画素PX(m,n)の第1画素電極PE1を第1画素電極PE1_n、画素PX(m,n-1)の第1画素電極PE1を第1画素電極PE1_n-1とする。第1画素電極PE1_n-1は、ゲート線G_nを挟んで第1画素電極PE1_nと隣接している。第1画素電極PE1_n及び第1画素電極PE1_n-1は、ゲート線G_nに対して互いに対向している。なお第1画素電極PE1_nは、ゲート線G_nに重畳しており、ゲート線G_n+1には重畳していない。
【0035】
画素PX(m,n)の第2画素電極PE2を第2画素電極PE2_n、画素(m,n-1)の第2画素電極PE2を第2画素電極PE2_n-1とする。第2画素電極PE2_n-1は、ゲート線G_nを挟んで第2画素電極PE2_nと隣接している。第2画素電極PE2_n及び第2画素電極PE2_nは、ゲート線G_nに対して互いに対向している。なお第2画素電極PE2_nは、第1画素電極PE1_nに重畳しており、ゲート線G_n及びゲート線G_n+1には重畳していない。
【0036】
第1画素電極PE1_nと第2画素電極PE2_nを合わせて画素電極PE_n、第1画素電極PE1_n-1と第2画素電極PE2_n-1を合わせて画素電極PE_n-1とする。図4に示すように、画素電極PE_nは、ソース線S_m及びソース線S_m+1との間に配置されており、ソース線S_m及びソース線S_m+1のいずれとも重畳していない。換言すると、ソース線Sは、画素電極PEと第1方向Xで隣り合う画素電極PEとの間に配置され、画素電極PEのいずれにも重畳していない。より具体的には、m列n行目の画素電極PE_nを画素電極PE_(m,n)とすると、画素電極PE_(m,n)は、ソース線S_m+1を挟んで画素電極PE_(m+1,n)と隣接しており、ソース線S_m+1に対して互いに対向している。ソース線S_m+1は、画素電極PE_(m,n)及び画素電極PE_(m+1,n)のいずれとも重畳していない。
【0037】
なお画素電極PE_n及び画素電極PE_n-1は、第2方向Yにおいて隣り合っていると言える。また画素電極PE_nは、ゲート線G_nに重畳しており、ゲート線G_n+1には重畳していない。
【0038】
このように画素電極PEとソース線Sを重畳させないことで、ソース線Sに対する寄生容量を小さくすることができる。
【0039】
画素PX(m,n)の第1接続電極EL1は、ゲート線G_nに重畳し、第1方向Xにソース線S_m及びソース線S_m+1に間隔を置いて位置している。
画素PX(m,n)の第2接続電極EL2は、第2方向Yに延在している。画素PX(m,n)の第2接続電極EL2の一端部は、ゲート線G_nに重畳する領域において、ソース線S_mと第1接続電極EL1との間に位置し、各々の半導体層SCの第2領域R2に重畳している。画素PX(m,n)の第2接続電極EL2の他端部は、ゲート線G_nを乗り越えて配置され、1行前の画素PX(m,n-1)の第2画素電極PE2_n-1に重畳している。
【0040】
ゲート線G_nに制御信号SGが印加された場合、ゲート線G_nと画素電極PE_n(第1画素電極PE1_n及び第2画素電極PE2_n)との間で、容量カップリングが発生する可能性がある。しかしながらゲート線G_nに印加された制御信号SGに応じて表示に寄与する画素電極は、1行前の画素電極PE_n-1(第1画素電極PE1_n-1及び第2画素電極PE2_n-1)である。換言すると、画素電極PE_n-1を駆動するトランジスタTrは、1行後のゲート線G_nに接続されたトランジスタTr(m,n)である。
同様に、画素電極PE_nを駆動するトランジスタTrは、1行後のゲート線G_n+1に接続されたトランジスタTr(m,n+1)である。
【0041】
よってトランジスタTr(m,n)がオン状態からオフ状態になる際、容量カップリングに起因して突き抜け電圧(フィードスルー電圧ともいう)が生じたとしても、画素電極PE_n-1においてはその影響が低減される。よって画素PXの画素電位が変動するのを防ぐことができる。
【0042】
容量電極OEは、半導体層SC、ソース線S、第1接続電極EL1、及び第2接続電極EL2に間隔を置いて位置し、第1画素電極PE1及び第2画素電極PE2にそれぞれ重なっている。本実施形態において、容量電極OEの全体は、平面視にて、第1画素電極PE1の内側に位置し、かつ、第2画素電極PE2の内側に位置している。
画素PX(m,n)の容量電極OEを容量電極OE_n、画素PX(m,n-1)の容量電極OEを容量電極OE_n-1とする。容量電極OE_n-1は、ゲート線G_nを挟んで容量電極OE_nと隣接する。容量電極OE_n及び容量電極OE_n-1は、ゲート線G_nに対して互いに対向している。
【0043】
接続配線NWは、第2方向Yに延在し、ゲート線Gと交差し、ソース線Sと交差していない。接続配線NWは、ゲート線Gを挟んで第2方向Yに隣り合う2個の容量電極OEを接続している。接続配線NWは後述する補助ゲート電極AEと同層に形成されている。本実施形態において、第2方向Yに並ぶ複数の接続配線NW及び複数の容量電極OEは、電気的に接続され、容量配線CWを形成している。
【0044】
補助ゲート電極AEは、平面視にて、第1接続電極EL1に重畳している。補助ゲート電極AEは、平面視にて、第1半導体層SC1及び第2半導体層SC2の両方のチャネル領域RCに重畳している。第1半導体層SC1及び第2半導体層、並びに、補助ゲート電極AEの重畳する位置の詳細については、後述する。
【0045】
図5は、ゲート線G、第1半導体層SC1、第2半導体層SC2、ソース線S、第1接続電極EL1、第2接続電極EL2、及び補助ゲート電極AEを示す図である。
図5に示すように、第2半導体層SC2の第1領域R1において、第1領域R1とチャネル領域RCの境界を境界BD1、境界BD1と第1方向Xで対向する端部を端部EG1とする。第2半導体層SC2の第2領域R2において、第2領域R2とチャネル領域RCの境界を境界BD2、境界BD2と第1方向Xで対向する端部を端部EG2とする。なおここでは、第2半導体層SC2、ソース線S、補助ゲート電極AEとの位置関係について述べるが、第1半導体層SC1、ソース線S、補助ゲート電極AEとの位置関係も同様である。
【0046】
第2半導体層SC2のチャネル領域RCは、補助ゲート電極AEと完全に重畳している。
【0047】
第2半導体層SC2の第1領域R1は、ソース線Sとは完全に重畳している。第1領域R1の一部は補助ゲート電極AEと重畳しており、別の一部は重畳していない。すなわち、第1領域R1は、ソース線Sと重畳しかつ補助ゲート電極AEと重畳しない領域を有している。また第1領域R1の端部EG1は、ソース線Sの端部と一致しておらず、補助ゲート電極AEの端部とも一致していない。第1領域R1の端部EG1は、ソース線Sの端部及び補助ゲート電極AEの端部との間に位置している。
【0048】
第2半導体層SC2の第2領域R2は、第2接続電極EL2とは完全に重畳している。第2領域R2の一部は補助ゲート電極AEと重畳しており、別の一部は重畳していない。すなわち、第2領域R2は、第2接続電極EL2と重畳しかつ補助ゲート電極AEと重畳しない領域を有している。また第2領域R2の端部EG2は、第2接続電極EL2の端部と一致しておらず、補助ゲート電極AEの端部とも一致していない。第2領域R2の端部EG2は、第2接続電極EL2の端部及び補助ゲート電極AEの端部との間に位置している。
【0049】
補助ゲート電極AEと、ソース線S及び第2接続電極EL2と重畳する領域が大きいと、電極同士の間及び電極と半導体層との間で不要な寄生容量が発生してしまう。しかしながら図5に示す構成では、補助ゲート電極AEとソース線S及び第2接続電極EL2と重畳する領域は小さい。よって不要な寄生容量は小さくなり、ソース線Sへの負荷が減少する。
【0050】
図4に示すように、第3接続電極EL3は、補助ゲート電極AEに間隔を置いて位置し、第2接続電極EL2及び第1画素電極PE1に重なっている。
【0051】
ゲート線G及び第2画素電極PE2は、同一の材料で形成されている。ソース線S、第1接続電極EL1、第2接続電極EL2、容量電極OE、は、同一の材料で形成されている。補助ゲート電極AE及び第3接続電極EL3、及び接続配線NWは、同一の材料で形成されている。ゲート線G、第2画素電極PE2、ソース線S、第1接続電極EL1、第2接続電極EL2、容量電極OE、接続配線NW、補助ゲート電極AE、及び第3接続電極EL3は、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Ag(銀)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Cu(銅)、Cr(クロム)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
【0052】
図6は、図5の線A-Bに沿った第1基板SUB1を示す断面図である。
第2半導体層SC2などの半導体層SCは、絶縁層12の上に設けられている。絶縁層12は、ソース線S側の面である第1表面12sを有している。第2半導体層SC2などの半導体層SCは、第1表面12sに接している。ソース線S、第1接続電極EL1、及び第2接続電極EL2は、半導体層SCが形成された絶縁層12の上に設けられている。ソース線Sは、第2半導体層SC2などの半導体層SCの第1領域R1の上に位置し、第1領域R1に接し、第1領域R1に電気的に接続されている。第2接続電極EL2は、第2半導体層SC2などの半導体層SCの第2領域R2の上に位置し、第2領域R2に接し、第2領域R2に電気的に接続されている。
【0053】
絶縁層12、半導体層SC、ソース線S、第1接続電極EL1、及び第2接続電極EL2が形成された絶縁層12の上に、絶縁層13が形成されている。補助ゲート電極AEは、絶縁層13の上に設けられている。
【0054】
補助ゲート電極AEは、少なくとも半導体層SCのチャネル領域RCに対向している。補助ゲート電極AEは、ゲート線Gとともに第1半導体層SC1や上記第2半導体層SC2を挟んでいる。例えば、第1トランジスタTr1において、ゲート線G及び補助ゲート電極AEは、それぞれゲート電極として機能している。第1トランジスタTr1は、デュアルゲート構造の薄膜トランジスタである。ゲート線Gの一部、第1半導体層SC1、補助ゲート電極AEなどは、第1トランジスタTr1を構成している。上述のように半導体層を上下のゲート電極で駆動することにより、トランジスタを2倍の電流で駆動することが可能である。
【0055】
なお、第2トランジスタTr2は、上記第1トランジスタTr1と同様の断面構造を有している。ゲート線G、ソース線S、及び補助ゲート電極AEは、第1基材1の上方に位置している。第1トランジスタTr1や上記第2トランジスタTr2も、第1基材1の上方に位置している。ただし、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2のいずれかの半導体層SCは、第2半導体層SC2であり、第2半導体層SC2のチャネル領域RCを除く一部のゲート線Gと重なる面積は、第1半導体層SC1のチャネル領域RCを除く一部の同一のゲート線Gと重なる面積と異なる。
【0056】
絶縁層13及び補助ゲート電極AEの上に、絶縁層14が形成されている。絶縁層11、絶縁層12、及び絶縁層13は、何れも、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁層に相当している。絶縁層11、絶縁層12、及び絶縁層13は、それぞれが単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。絶縁層14は、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁層に相当している。第1基材1の上方において、絶縁層11から絶縁層14まで上述した下地層10を構成している。
【0057】
第1画素電極PE1は、第1基材1、ゲート線G、及びソース線Sの上方に位置している。本実施形態において、第1画素電極PE1は、絶縁層14の上に設けられている。第1画素電極PE1は、光反射層FLと透明導電層TLとの積層体で構成されている。光反射層FLは、絶縁層14の上に設けられている。光反射層FLは、Al、Ti、Ag、Mo、W、Cu、Crなどの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。本実施形態の光反射層FLは、光反射導電層である。また、この実施形態に限らず、第1画素電極PE1は、光反射層FL1もしくは透明導電層TLのいずれか一つで構成されるものであってもよい。
【0058】
透明導電層TLは、絶縁層14及び光反射層FLの上に設けられ、光反射層FLに接している。本実施形態において、上記第2容量C2は、第1画素電極PE1と対向電極CEとの間に形成される容量に相当している。
【0059】
また図5に示すように、第1方向Xにおけるソース線Sの長さを長さBS、第2接続電極EL2の長さを長さBEL,第2半導体層SC2の第1領域R1がソース線Sと重畳する長さを長さBR1、第1領域R1が補助ゲート電極AEと重畳する長さを長さBP1、第1半導体層SC1の第2領域R2が第2接続電極EL2と重畳する長さを長さBR2、第2領域R2が補助ゲート電極AEと重畳する長さを長さBP2とする。
また、第2半導体層SC2のチャネル領域RCにおけるチャネル長及びチャネル幅をそれぞれL及びWとする。
また第1半導体層SC1に係る長さについても、第2半導体層SC2と同様である。
【0060】
上述した実施形態の半導体基板は、上述した第1基板SUB1に限らず、各種の半導体基板に適用可能である。
また、上述した実施形態の表示装置DSPは、上述した電気泳動表示装置に限らず、各種の表示装置に適用可能である。例示すると、表示装置DSPは、液晶表示装置であってもよい。その場合、表示機能層DLは液晶層である。液晶層は、例えば、高分子分散液晶(PDLC: polymer dispersed liquid crystal)を利用していてもよい。
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1…第1基材、2…第2基材、10…下地層、11…絶縁層、12…絶縁層、12s…第1表面、13…絶縁層、14…絶縁層、30…マイクロカプセル、31…分散媒、32…黒色粒子、33…白色粒子、AE…補助ゲート電極、AL…粘着層、BD1…境界、BD2…境界、BP1…長さ、BP2…長さ、BR1…長さ、BR2…長さ、C1…第1容量、C2…第2容量、CE…対向電極、CW…容量配線、DA…表示領域、DL…表示機能層、DSP…表示装置、EG1…端部、EG2…端部、EL1…第1接続電極、EL2…第2接続電極、EL3…第3接続電極、FL…光反射層、G…ゲート線、GD…ゲートドライバ、GD1…ゲートドライバ、GD2…ゲートドライバ、I1…ICチップ、L…チャネル長、NDA…非表示領域、NW…接続配線、OE…容量電極、PE…画素電極、PE1…第1画素電極、PE2…第2画素電極、PX…画素、R1…第1領域、R2…第2領域、RC…チャネル領域、S…ソース線、SC…半導体層、SC1…第1半導体層、SC2…第2半導体層、SD…ソースドライバ、SG…制御信号、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、TL…透明導電層、Tr…トランジスタ、Tr1…第1トランジスタ、Tr2…第2トランジスタ、Vcom…コモン電圧、Vpc…定電圧、Vsig…画像信号、W…チャネル幅、t1…第1端子、t2…第2端子、t3…制御端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6