(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】検出装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0232 20140101AFI20240304BHJP
H01L 31/10 20060101ALI20240304BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
H01L31/02 D
H01L31/10 A
H01L27/146 A
(21)【出願番号】P 2019207740
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾関 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】上島 誠司
(72)【発明者】
【氏名】渡部 裕行
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-127945(JP,A)
【文献】特開2003-243640(JP,A)
【文献】特表2019-512762(JP,A)
【文献】特開平05-183141(JP,A)
【文献】特開2019-174963(JP,A)
【文献】特開2015-181022(JP,A)
【文献】特開2011-123876(JP,A)
【文献】特開2013-157347(JP,A)
【文献】特開2013-012696(JP,A)
【文献】特開2018-025408(JP,A)
【文献】特開2019-148814(JP,A)
【文献】特開2019-192921(JP,A)
【文献】特開2009-212120(JP,A)
【文献】特開2009-110452(JP,A)
【文献】特開2014-022675(JP,A)
【文献】国際公開第2019/187729(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0098271(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/119
H01L 31/18-31/20
H01L 27/146-27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に設けられ、半導体層を含む光電変換素子と、
前記光電変換素子に対応して設けられたトランジスタと、
前記光電変換素子の上に設けられた緑色のカラーフィルタと、
を備え
、
前記カラーフィルタは、前記トランジスタの上に設けられ、
前記カラーフィルタにおいて、前記光電変換素子に重畳する領域の膜厚は、前記トランジスタに重畳する領域の膜厚より大きい、検出装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板の上に設けられ、半導体層を含む光電変換素子と、
前記光電変換素子に対応して設けられたトランジスタと、
前記光電変換素子の上に設けられた緑色のカラーフィルタと、
前記光電変換素子及び前記トランジスタの上に設けられた第1有機絶縁膜及び第2有機絶縁膜と、
を備え、
前記カラーフィルタは、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜との間に設けられ、
前記トランジスタに重畳する領域において、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜とが接触している、検出装置。
【請求項3】
前記カラーフィルタは、600nm以上、750nm以下の波長範囲において、20%以下の透過率を有している、請求項1
または2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記カラーフィルタは、1.5μm以上の膜厚を有している、請求項
3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記カラーフィルタは、平面視において、2本の走査線と2本の信号線とで囲まれた領域に設けられている、請求項
2に記載の検出装置。
【請求項6】
さらに、前記トランジスタを覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に設けられた第2絶縁膜と、を備え、
前記光電変換素子の前記半導体層は、
前記基板の上に設けられ、前記第1絶縁膜によって覆われたp型半導体層と、
前記第1絶縁膜に設けられた第1開口部において前記p型半導体層に接触したi型半導体層と、
前記i型半導体層の上に設けられたn型半導体層と、を有し、
前記第2絶縁膜は、有機絶縁膜であり、前記i型半導体層及び前記n型半導体層を覆うとともに、前記n型半導体層まで貫通した第2開口部を有し、
前記カラーフィルタは、前記第2開口部に重畳している、請求項1
または2に記載の検出装置。
【請求項7】
前記p型半導体層は、多結晶シリコンによって形成され、
前記i型半導体層及び前記n型半導体層は、アモルファスシリコンによって形成されている、請求項
6に記載の検出装置。
【請求項8】
さらに、前記n型半導体層と前記トランジスタとを電気的に接続する透明電極を備えている、請求項
7に記載の検出装置。
【請求項9】
検出装置と、
前記検出装置の上に設けられた表示パネルと、
前記表示パネルの上に設けられ、上面を有するカバー部材と、を備え、
前記表示パネルは、前記上面に向けて緑色の照明光を出射するように構成され、
前記検出装置は、
基板と、
前記基板の上に設けられ、半導体層を含む光電変換素子と、
前記光電変換素子に対応して設けられたトランジスタと、
前記光電変換素子の上に設けられた緑色のカラーフィルタと、を備え、前記カバー部材、前記表示パネル、及び、前記カラーフィルタを介して、前記上面に接触した生体からの反射光を検出するように構成され
、
前記カラーフィルタは、前記トランジスタの上に設けられ、
前記カラーフィルタにおいて、前記光電変換素子に重畳する領域の膜厚は、前記トランジスタに重畳する領域の膜厚より大きい、表示装置。
【請求項10】
検出装置と、
前記検出装置の上に設けられた表示パネルと、
前記表示パネルの上に設けられ、上面を有するカバー部材と、を備え、
前記表示パネルは、前記上面に向けて緑色の照明光を出射するように構成され、
前記検出装置は、
基板と、
前記基板の上に設けられ、半導体層を含む光電変換素子と、
前記光電変換素子に対応して設けられたトランジスタと、
前記光電変換素子の上に設けられた緑色のカラーフィルタと、
前記光電変換素子及び前記トランジスタの上に設けられた第1有機絶縁膜及び第2有機絶縁膜と、を備え、前記カバー部材、前記表示パネル、及び、前記カラーフィルタを介して、前記上面に接触した生体からの反射光を検出するように構成され、
前記カラーフィルタは、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜との間に設けられ、
前記トランジスタに重畳する領域において、前記第1有機絶縁膜と前記第2有機絶縁膜とが接触している、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、検出装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式の検出装置は、例えば光電変換素子としてPINフォトダイオードを備えている。このような光電変換素子を基板上に設ける技術の一例として、基板と半導体層との間に遮光層を設け、ノイズ光の影響を軽減する技術が知られている。
近年、このような光学式の検出装置は、例えば指紋センサや静脈センサ等、生体情報を検出する生体センサとして用いられている。携帯端末機器などの屋外で使用可能な電子機器に搭載される検出装置において、太陽光の影響による誤作動を抑制することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な検出装置及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の検出装置は、
基板と、前記基板の上に設けられ、半導体層を含む光電変換素子と、前記光電変換素子に対応して設けられたトランジスタと、前記光電変換素子の上に設けられた緑色のカラーフィルタと、を備えている。
本実施形態の表示装置は、
検出装置と、前記検出装置の上に設けられた表示パネルと、前記表示パネルの上に設けられ、上面を有するカバー部材と、を備え、前記表示パネルは、前記上面に向けて緑色の照明光を出射するように構成され、前記検出装置は、基板と、前記基板の上に設けられ、半導体層を含む光電変換素子と、前記光電変換素子に対応して設けられたトランジスタと、前記光電変換素子の上に設けられた緑色のカラーフィルタと、を備え、前記カバー部材、前記表示パネル、及び、前記カラーフィルタを介して、前記上面に接触した生体からの反射光を検出するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の検出装置1を備えた表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した検出装置1の一構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、検出素子3の一構成例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態で適用可能なカラーフィルタCFの分光特性の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、検出素子3の他の構成例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、検出素子3の他の構成例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、検出素子3の他の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の検出装置1を備えた表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。表示装置DSPは、検出装置1と、光学層OLと、表示パネルPNLと、カバー部材CVと、を備えている。
図1に示す構成例では、検出装置1及び光学層OLは接着層AD1によって接着され、光学層OL及び表示パネルPNLは接着層AD2によって接着され、表示パネルPNL及びカバー部材CVは接着層AD3によって接着されている。接着層AD1乃至AD3は、透明である。接着層AD1乃至AD3は、省略してもよい。
【0009】
光学層OLは、検出装置1の上に設けられている。光学層OLは、検出装置1に向かう光を屈折するなどして検出装置1への入射効率を向上するためのレンズ層であり、コリメータなどを含んでいる。なお、光学層OLは、省略してもよい。
【0010】
表示パネルPNLは、検出装置1及び光学層OLの上に設けられている。なお、検出装置1は、表示パネルPNLの全面に亘って重畳するように設けられてもよいし、表示パネルPNLの一部に重畳するように設けられてもよい。表示パネルPNLは、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、マイクロLED、ミニLEDなどの自発光型の表示素子DLを備えた表示パネルである。また、表示パネルPNLは、液晶素子や電気泳動素子などの表示素子DLを備えた表示パネルであってもよい。表示パネルPNLにおいて、複数の表示素子DLの間には、光が透過可能な隙間DSが設けられている。表示素子DLとしては、例えば、赤光、緑光、及び、青光をそれぞれ出射する発光素子が用いられる。
【0011】
カバー部材CVは、表示パネルPNLの上に設けられている。カバー部材CVは、例えば、ガラス基板や樹脂基板である。カバー部材CVは、生体等の物体が接触する上面CVAを有している。
図1に示す構成例は、指Fが上面CVAに接触している状態を示している。
【0012】
表示パネルPNLは、上面CVAに向けて所定の色の照明光L1を出射するように構成されている。例えば、表示パネルPNLに設けられた表示素子DLのうち、500nm~550nmの波長の光(緑光)を出射する発光素子が点灯することで、緑色の照明光L1が上面CVAに向けて出射される。なお、照明光L1の色は、緑に限らず、青、青緑等の他の色であってもよい。
【0013】
検出装置1は、検出素子3を備え、カバー部材CV、表示パネルPNL、及び、光学層OLを介して光を検出するように構成されている。例えば、照明光L1のうち、指Fで反射された反射光は、表示素子DLの間の隙間DSを透過し、光学層OLにおいてコリメートされるなどして検出装置1にて検出される。検出装置1の詳細については後述するが、検出装置1は、例えば、光反射型の生体センサであり、指Fで反射された反射光を検出することで、指Fの表面の凹凸(例えば、指紋)を検出することができる。また、検出装置1は、指紋の検出に加えて、指Fの内部で反射された反射光を検出することで、生体に関する情報を検出することもできる。生体に関する情報は、例えば、静脈等の血管像や脈拍、脈波等である。
【0014】
ところで、このような表示装置DSPが屋外で使用される場合、太陽光に含まれる波長のうち、生体を透過する波長の光L2による影響を考慮する必要がある。生体は、600nm~1100nmの波長範囲の光を透過しやすいことが知られている。一方で、検出素子3が備える光電変換素子は、おおよそ400nm~800nmの波長範囲の光を検出可能であり、550nm~600nm付近に感度のピークを有している。但し、光電変換素子は、750nm以上の波長の光、特に800nm以上の波長範囲の光についてはほぼ検出不能(感度ゼロ)である。このように、生体を透過しやすい光の波長と、検出装置1で検出される光の波長とを考慮すると、600nm~750nmの波長範囲の光L2は、生体を透過し、検出装置1におけるノイズ光となりうる。このようなノイズ光は、検出装置1において誤作動を生ずるおそれがあり、信頼性の低下を招く一因となる。
そこで、本実施形態においては、検出装置1は、検出素子3と表示パネルPNLとの間にカラーフィルタCFを備えている。これらの構造については後述する。
【0015】
図2は、
図1に示した検出装置1の一構成例を示す図である。検出装置1は、基板21と、センサ部10と、走査線駆動回路11と、信号線選択回路12と、検出回路13と、を備えている。検出回路13は、例えば基板21に電気的に接続された配線基板14に設けられているが、基板21に設けられてもよい。
【0016】
センサ部10は、複数の検出素子3を備えている。複数の検出素子3は、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。検出素子3は、光電変換素子30を有する光センサである。光電変換素子30は、フォトダイオードであり、照射される光に応じた電気信号を出力する。より具体的には、光電変換素子30は、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードである。光電変換素子30は、走査線駆動回路11から供給されるゲート駆動信号(例えば、リセット制御信号RST、読出制御信号RD)に従って検出を行う。光電変換素子30は、照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路12に出力する。検出装置1は、複数の光電変換素子30からの検出信号Vdetに基づいて生体に関する情報を検出する。
【0017】
なお、本明細書において、第1方向X及び第2方向Yは、基板21と平行な方向である。第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交していてもよいし、90度以外の角度で交差してもよい。また、第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yと直交する方向であり、基板21の法線方向である。
【0018】
図3は、検出素子3を示す回路図である。検出素子3は、光電変換素子30と、第1トランジスタ(リセットトランジスタ)Mrstと、第2トランジスタ(読出トランジスタ)Mrdと、第3トランジスタ(ソースフォロワトランジスタ)Msfと、を備えている。また、検出素子3には、検出駆動線(走査線)として第1走査線(リセット制御走査線)GLrst及び第2走査線(読出制御走査線)GLrdが設けられ、信号読出用の配線として第1信号線(出力信号線)SLが設けられている。第1走査線GLrst及び第2走査線GLrdは、
図2に示した走査線駆動回路11に接続されている。第1走査線GLrstはリセット制御信号RSTが供給される配線であり、第2走査線GLrdは読出制御信号RDが供給される配線である。第1信号線SLは、
図2に示した信号線選択回路12に接続されている。信号線選択回路12は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路12は、選択された第1信号線SLと検出回路13とを接続する。これにより、信号線選択回路12は、光電変換素子30の検出信号Vdetを検出回路13に出力する。
【0019】
なお、
図3では1つの検出素子3を示しているが、第1走査線GLrst、第2走査線GLrd、及び、第1信号線SLは、複数の検出素子3に接続されている。具体的には、第1走査線GLrst及び第2走査線GLrdは、
図2に示した第1方向Xに延出し、第1方向Xに配列された複数の検出素子3に接続されている。また、第1信号線SLは、
図2に示した第2方向Yに延出し、第2方向Yに配列された複数の検出素子3に接続されている。
【0020】
第1トランジスタMrst、第2トランジスタMrd、及び、第3トランジスタMsfは、1つの光電変換素子30に対応して設けられている。検出素子3が有する複数のトランジスタは、一例では、それぞれn型TFT(薄膜トランジスタ)で構成されているが、これに限定されず、各トランジスタは、それぞれp型TFTで構成されてもよい。
【0021】
光電変換素子30のアノードには、基準電位VCOMが印加される。光電変換素子30のカソードは、ノードN1に接続されている。ノードN1は、容量素子Csと、第1トランジスタMrstのソース電極及びドレイン電極の一方と、第3トランジスタMsfのゲート電極と、にそれぞれ接続されている。また、ノードN1には、寄生容量Cpが存在する。光電変換素子30に光が照射された場合、光電変換素子30から出力された信号(電荷)は、容量素子Csに蓄積される。
【0022】
第1トランジスタMrstのゲート電極は、第1走査線GLrstに接続されている。第1トランジスタMrstのソース電極及びドレイン電極の他方には、リセット電位Vrstが供給される。第1トランジスタMrstがリセット制御信号RSTに応答してオン(導通状態)になると、ノードN1の電位がリセット電位Vrstにリセットされる。基準電位VCOMは、リセット電位Vrstよりも低い電位を有しており、光電変換素子30は、逆バイアス駆動される。
【0023】
第3トランジスタMsfは、電源電位VDDが供給される端子と第2トランジスタMrd(ノードN2)との間に接続されている。第3トランジスタMsfのゲート電極は、ノードN1に接続されている。第3トランジスタMsfのゲート電極には、光電変換素子30で発生した信号(電荷)が供給される。これにより、第3トランジスタMsfは、光電変換素子30で発生した信号(電荷)に応じた信号電圧を第2トランジスタMrdに出力する。
【0024】
第2トランジスタMrdは、第3トランジスタMsfのソース電極(ノードN2)と第1信号線SL(ノードN3)との間に接続されている。第2トランジスタMrdのゲート電極は、第2走査線GLrdに接続されている。第2トランジスタMrdが読出制御信号RDに応答してオンになると、第3トランジスタMsfから出力される信号、すなわち、光電変換素子30で発生した信号(電荷)に応じた信号電圧が、検出信号Vdetとして第1信号線SLに出力される。
【0025】
なお、
図3に示す例では、第1トランジスタMrst及び第2トランジスタMrdは、それぞれ、2つのトランジスタが直列に接続されて構成されたいわゆるダブルゲート構造である。但し、この例に限定されず、第1トランジスタMrst及び第2トランジスタMrdは、シングルゲート構造でもよく、3つ以上のトランジスタが直列に接続されてもよい。また、1つの検出素子3の回路は、第1トランジスタMrst、第2トランジスタMrd、及び、第3トランジスタMsfの3つのトランジスタを有する構成に限定されない。検出素子3は、2つのトランジスタを有していてもよく、4つ以上のトランジスタを有していてもよい。
【0026】
図4は、検出素子3の一構成例を示す平面図である。1つの検出素子3は、一点鎖線で囲むように、光電変換素子30の他に、2つの走査線(第1走査線GLrst、及び、第2走査線GLrd)と、4つの信号線(第1信号線SL、第2信号線(電源信号線)SLsf、第3信号線(リセット信号線)SLrst、及び、第4信号線(基準信号線)SLcom)と、を備えている。第1走査線GLrst及び第2走査線GLrdは、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに並んでいる。第2信号線SLsf、第1信号線SL、第3信号線SLrst、及び、第4信号線SLcomは、それぞれ第2方向Yに延出し、この順に第1方向Xに並んでいる。第2信号線SLsfは電源電位VDDの信号線であり、第3信号線SLrstはリセット電位Vrstの信号線であり、第4信号線SLcomは基準電位VCOMの信号線である。
【0027】
光電変換素子30は、2つの走査線(第1走査線GLrst及び第2走査線GLrd)と、2つの信号線(第3信号線SLrst及び第4信号線SLcom)とで囲まれた領域に設けられている。光電変換素子30は、光起電力効果を有する半導体層を含んでいる。具体的には、光電変換素子30の半導体層は、i型半導体層31、n型半導体層32、及び、p型半導体層33を有している。i型半導体層31、及び、n型半導体層32は、例えば、アモルファスシリコン(a-Si)によって形成され、p型半導体層33は、例えば、多結晶シリコンによって形成されている。なお、半導体層の材料は、これに限定されず、アモルファスシリコンが多結晶シリコンや微結晶シリコン等に置換されてもよいし、多結晶シリコンがアモルファスシリコンや微結晶シリコン等に置換されてもよい。n型半導体層32は、アモルファスシリコンに不純物がドープされてn+領域を形成する。p型半導体層33は、多結晶シリコンに不純物がドープされてp+領域を形成する。i型半導体層31は、例えば、ノンドープの真性半導体であり、n型半導体層32及びp型半導体層33よりも低い導電性を有している。p型半導体層33は、コンタクトホールH11を介して第4信号線SLcomと電気的に接続されている。これにより、光電変換素子30のp型半導体層33には、第4信号線SLcomを介して基準電位VCOMが供給される。
【0028】
下部電極35は、光電変換素子30の半導体層と重なる領域に設けられている。下部電極35は、コンタクトホールH12を介して第4信号線SLcomと電気的に接続されている。これにより、下部電極35は、p型半導体層33と同じ基準電位VCOMが供給され、下部電極35とp型半導体層33との間の寄生容量を抑制することができる。
【0029】
第1トランジスタMrst、第3トランジスタMsf、及び、第2トランジスタMrdは、第1信号線SLと第2信号線SLsfとの間において、第2方向Yに配列されている。また、これらの3つのトランジスタと、1つの光電変換素子30とは、第1信号線SL及び第3信号線SLrstを挟んで、第1方向Xに隣り合っている。
【0030】
第1トランジスタMrstは、半導体層61を備えている。半導体層61の一端は、第3信号線SLrstと電気的に接続されている。半導体層61の他端は、接続電極CNと電気的に接続されている。第3信号線SLrstのうち、半導体層61と接続される部分がソース電極として機能し、接続電極CNのうち、半導体層61と接続される部分がドレイン電極として機能する。半導体層61は、第1走査線GLrstと交差している。第1走査線GLrstのうち、半導体層61と重なる部分がゲート電極として機能する。
【0031】
第3トランジスタMsfは、半導体層65を備えている。半導体層65の一端は、第2信号線SLsfと電気的に接続されている。半導体層65の他端は、ノードN2と電気的に接続されている。第2信号線SLsfのうち、半導体層65と接続される部分がドレイン電極として機能し、ノードN2のうち、半導体層65と接続される部分がソース電極として機能する。ゲート線GLsfの一端は、接続電極CNと電気的に接続されている。ゲート線GLsfの他端は、第2方向Yに並んで設けられる2つの分岐された部分を有している。半導体層65は、2つに分岐されたゲート線GLsfと交差している。ゲート線GLsfのうち、半導体層65と重なる部分がゲート電極として機能する。つまり、第1トランジスタMrstは、接続電極CN及びゲート線GLsfを介して、第3トランジスタMsfのゲート電極に電気的に接続されている。
【0032】
第2トランジスタMrdは、半導体層71を備えている。なお、
図4に示す構成例では、半導体層71は、半導体層65と一体的に形成されているが、半導体層65とは分離されていてもよい。半導体層71の一端は、ノードN2と電気的に接続されている。半導体層71の他端は、第1信号線SLと電気的に接続されている。ノードN2のうち、半導体層71と接続される部分がドレイン電極として機能し、第1信号線SLのうち、半導体層71と接続される部分がソース電極として機能する。第2走査線GLrdは、第2方向Yに並んで設けられる2つの分岐された部分を有している。半導体層71は、第2走査線GLrdの2つの分岐された部分と交差している。第2走査線GLrdのうち、半導体層71と重なる部分がゲート電極として機能する。このような構成で、第2トランジスタMrd及び第3トランジスタMsfは、第1信号線SLと電気的に接続されている。
【0033】
光電変換素子30の上に設けられた上部電極34は、透明電極であり、n型半導体層32と電気的に接続されている。上部電極34と一体的に形成された接続配線34aは、接続電極CNと電気的に接続されている。つまり、光電変換素子30のカソード(n型半導体層32)は、上部電極34及び接続電極CNを介して、第1トランジスタMrst及び第3トランジスタMsfと電気的に接続されている。
【0034】
なお、
図4に示す光電変換素子30及び各トランジスタの平面構成は、あくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、複数のトランジスタが第2方向Yに並んで配置される構成に限定されず、一部のトランジスタが他のトランジスタと第1方向Xに隣り合って配置される等、異なる位置に設けられていてもよい。
【0035】
図5は、
図4のA-B線に沿った断面図である。なお、
図5では、検出素子3が有する3つのトランジスタのうち、第1トランジスタMrstの断面構造を示しているが、第2トランジスタMrd及び第3トランジスタMsfの断面構造も第1トランジスタMrstと同様である。ここに示す第1トランジスタMrstは、ゲート電極が半導体層の下側に設けられたボトムゲート構造であるが、ゲート電極が半導体層の上側に設けられたトップゲート構造でもよく、ゲート電極が半導体層の上側及び下側に設けられたデュアルゲート構造でもよい。
【0036】
基板21は、ガラス基板や樹脂基板等の絶縁基板である。ゲート電極として機能する部分を含む第1走査線GLrst、及び、ゲート線GLsfは、基板21の上に設けられ、絶縁膜22によって覆われている。絶縁膜23は、絶縁膜22の上に設けられている。
【0037】
半導体層61は、絶縁膜23の上に設けられ、絶縁膜24によって覆われている。絶縁膜25は、絶縁膜24の上に設けられている。半導体層61は、例えば、多結晶シリコンであるが、微結晶酸化物半導体、アモルファス酸化物半導体、低温多結晶シリコン等であってもよい。半導体層61は、チャネル領域61aと、高濃度不純物領域61b、61cと、低濃度不純物領域61d、61eと、を有している。チャネル領域61aは、例えば、ノンドープの真性半導体または低不純物領域であり、高濃度不純物領域61b、61c及び低濃度不純物領域61d、61eよりも低い導電性を有している。チャネル領域61aは、半導体層61のうち、第1走査線GLrstと重畳する領域に相当する。低濃度不純物領域61d、62eは、チャネル領域61aと高濃度不純物領域61b、61cとの間にそれぞれ設けられている。
【0038】
第3信号線SLrst、及び、接続電極CNは、絶縁膜25の上に設けられ、絶縁膜26によって覆われている。なお、
図4に示したように、半導体層61に重畳する領域においては、第3信号線SLrstと接続電極CNとの間に第1信号線SLが設けられているが、
図5では第1信号線SLの図示を省略している。
第3信号線SLrstは、絶縁膜24及び25を貫通するコンタクトホールH1において、半導体層61の高濃度不純物領域61bに接触している。接続電極CNは、絶縁膜24及び25を貫通するコンタクトホールH2において、半導体層61の高濃度不純物領域61cに接触している。また、接続電極CNは、絶縁膜22乃至25を貫通するコンタクトホールH3において、ゲート線GLsfに接触している。
絶縁膜22乃至26は、無機絶縁膜であり、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物等によって形成されている。
【0039】
第3トランジスタMsfの半導体層65は、半導体層61と同様に、絶縁膜23の上に設けられ、絶縁膜24によって覆われている。第2信号線SLsfは、第3信号線SLrst及び接続電極CNと同様に、絶縁膜25の上に設けられ、絶縁膜26によって覆われている。第2信号線SLsfは、絶縁膜24及び25を貫通するコンタクトホールH4において、半導体層65に接触している。
【0040】
下部電極35は、基板21の上に設けられ、絶縁膜22によって覆われている。下部電極35は、第1走査線GLrst及びゲート線GLsfと同一材料である不透明な金属材料によって形成されている。光電変換素子30は、絶縁膜23の上に設けられ、下部電極35と重畳している。下部電極35は、遮光層として機能し、基板21を透過した光の光電変換素子30への侵入を抑制している。
【0041】
i型半導体層31は、p型半導体層33とn型半導体層32との間に設けられている。本実施形態では、絶縁膜23の上において、p型半導体層33、i型半導体層31、及び、n型半導体層32がこの順に積層されている。なお、絶縁膜23の上において、n型半導体層32、i型半導体層31、及び、p型半導体層33の順に積層されてもよい。
【0042】
具体的には、p型半導体層33は、半導体層61及び65と同様に、絶縁膜23の上に設けられ、絶縁膜24乃至26によって覆われている。絶縁膜24及び25は、p型半導体層33と重畳する位置において、p型半導体層33まで貫通した開口部OP11を有している。絶縁膜26は、第1トランジスタMrstを含む複数のトランジスタを覆うとともに、絶縁膜25の上に設けられている。絶縁膜26は、開口部OP11の内壁を構成する絶縁膜24及び絶縁膜25の側面を覆っている。また、絶縁膜26は、p型半導体層33と重畳する位置において、p型半導体層33まで貫通した開口部OP12を有している。i型半導体層31は、絶縁膜26の上に設けられ、開口部OP12においてp型半導体層33に接触している。n型半導体層32は、i型半導体層31の上に設けられ、i型半導体層31に接触している。
【0043】
絶縁膜27は、絶縁膜26の上に設けられている。また、絶縁膜27は、光電変換素子30を覆っている。つまり、絶縁膜27は、i型半導体層31及びn型半導体層32を覆っている。また、絶縁膜27は、n型半導体層32まで貫通した開口部OP2を有している。このような絶縁膜27は、透明な有機絶縁膜であり、例えばアクリル樹脂等の有機材料によって形成されている。絶縁膜27は、絶縁膜26よりも厚い。
【0044】
上部電極34は、絶縁膜27の上に設けられ、絶縁膜28によって覆われている。上部電極34は、例えばインジウム錫酸化物等の透明導電材料によって形成された透明電極である。上部電極34は、絶縁膜27の表面に倣って設けられ、絶縁膜27に設けられた開口部OP2において、n型半導体層32に接触している。また、上部電極34から延出した接続配線34aは、絶縁膜27に設けられたコンタクトホールH5において接続電極CNに接触し、ゲート線GLsfと電気的に接続されている。
【0045】
絶縁膜28は、上部電極34を覆うとともに、絶縁膜27の上に設けられている。絶縁膜29は、絶縁膜28の上に設けられている。絶縁膜28は、透明な無機絶縁膜である。絶縁膜28は、光電変換素子30への水分の侵入を抑制する保護層として設けられている。絶縁膜29は、透明な有機絶縁膜である。絶縁膜29は、検出素子3の表面を平坦化するように形成されている。
【0046】
緑色のカラーフィルタCFは、絶縁膜29の上に設けられている。このようなカラーフィルタCFは、少なくとも光電変換素子30の上に設けられている。また、カラーフィルタCFは、開口部OP11、OP12、OP2に重畳している。
図5に示す構成例では、カラーフィルタCFは、光電変換素子30の上のみならず、第1トランジスタMrstの上にも設けられており、検出素子3の全体を覆っている。さらには、カラーフィルタCFは、
図2に示した複数の検出素子3に亘って設けられ、センサ部10のほぼ全体を覆っている。
【0047】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な有機絶縁膜である。つまり、カラーフィルタCFは、透明な有機絶縁膜である絶縁膜29とオーバーコート層OCとの間に挟持されている。
【0048】
図6は、本実施形態で適用可能なカラーフィルタCFの分光特性の一例を示す図である。横軸は波長(nm)であり、縦軸は規格化された透過率(%)である。ここでは、膜厚が異なる3つのカラーフィルタCFを用意し、それぞれの分光特性を測定した。なお、いずれのカラーフィルタも、同一材料で形成されている。図中のAは、1.5μmの膜厚を有するカラーフィルタCFの分光特性を示す。図中のBは、2.0μmの膜厚を有するカラーフィルタCFの分光特性を示す。図中のCは、2.5μmの膜厚を有するカラーフィルタCFの分光特性を示す。
【0049】
いずれのカラーフィルタCFにおいても、500nm以上、580nm以下の波長範囲においては、60%以上の透過率が得られ、概ね520nm以上、550nm以下の波長範囲において80%以上の透過率が得られることが確認された。
【0050】
また、1.5μm以上の膜厚を有するいずれのカラーフィルタCFにおいても、600nm以上、750nm以下の波長範囲においては、透過率が20%以下であることが確認された。特に、カラーフィルタCFの膜厚が大きくなるほど透過率が低下する傾向が確認された。2.0μm以上の膜厚を有するカラーフィルタCFについては、600nm以上、750nm以下の波長範囲においては、透過率が10%以下であった。また、2.5μm以上の膜厚を有するカラーフィルタCFについては、600nm以上、800nm以下の波長範囲においては、透過率が20%以下であり、600nm以上、750nm以下の波長範囲においては、透過率が10%以下であった。
【0051】
このように、緑色のカラーフィルタCFは、光電変換素子30で検出される波長の光L1に対して高い透過性を有する一方で、生体を透過してノイズ光となりうる波長の光L2に対しては高い遮光性を有している。
【0052】
なお、カラーフィルタCFの膜厚が3μm以上であれば、光L2に対する透過率が概ねゼロとなる一方で、光L1に対する透過率の低下が懸念される。このため、カラーフィルタCFの膜厚は、3μm以下とすることが望ましい。
【0053】
本実施形態によれば、カラーフィルタCFは、光電変換素子30と表示パネルPNLとの間に設けられ、生体で反射された緑色の反射光を透過するとともに、生体を透過した外光を遮光する。これにより、外光に起因した検出装置1における誤作動が抑制される。したがって、信頼性の低下を抑制することができる。
【0054】
また、カラーフィルタCFは、透明な有機絶縁膜である絶縁膜29とオーバーコート層OCとの間に設けられている。このため、たとえカラーフィルタCFが光電変換素子30やトランジスタなどの性能に悪影響を及ぼす不純物を含んでいたとしても、この不純物の漏出を抑制することができる。
【0055】
比較例として、カラーフィルタCFに代えて、光学層OLと表示パネルPNLとの間にIRカットフィルタを設けた場合、一般的なIRカットフィルタは、数百ミクロンの厚さを有している。また、IRカットフィルタを接着するための接着層も追加する必要がある。
本実施形態によれば、数μmの膜厚のカラーフィルタCFを追加することでIRカットフィルタと同等の遮光性能が得られ、また、IRカットフィルタを接着する接着層を省略することができる。このため、比較例と比べて、表示装置DSPの総厚を低減することができる。また、比較例と比べて、部材点数を削減することができ、コストを削減することができる。
【0056】
図7は、検出素子3の他の構成例を示す断面図である。なお、
図7は、
図4のA-B線に沿った断面図に相当する。
図7に示す構成例は、
図5に示した構成例と比較して、絶縁膜29を省略し、カラーフィルタCFが絶縁膜28の上に直接設けられた点で相違している。つまり、カラーフィルタCFは、無機絶縁膜である絶縁膜28に接触し、オーバーコート層OCで覆われている。また、カラーフィルタCFは、光電変換素子30に重畳する領域において、開口部OP11及びOP12と、開口部OP2とで形成された凹部に充填され、検出素子3の表面を平坦化するように形成されている。カラーフィルタCFにおいて、光電変換素子30に重畳する領域の膜厚T1は、第1トランジスタMrstに重畳する領域の膜厚T2より大きい。
このような構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。加えて、検出素子3の表面を平坦化するべくカラーフィルタCFを設けることで、光電変換素子30に重畳する領域の膜厚T1が大きくなり、ノイズ光に対して高い遮光性を実現することができる。
また、絶縁膜29を省略したことで、製造工程が簡素化され、製造コストを削減することができる。
【0057】
図8は、検出素子3の他の構成例を示す平面図である。
図8に示す構成例は、
図5に示した構成例と比較して、カラーフィルタCFが光電変換素子30に重畳する領域に設けられる一方で第1トランジスタMrstに重畳する領域には設けられていない点で相違している。
図8に示す構成例では、カラーフィルタCFは、第1走査線GLrst及び第2走査線GLrdと、第3信号線SLrst及び第4信号線SLcomとで囲まれた領域に設けられている。また、カラーフィルタCFは、光電変換素子30の全体に重畳し、第3信号線SLrst及び第4信号線SLcomにも重畳している。また、カラーフィルタCFは、第1トランジスタMrstのみならず、第2トランジスタMrd及び第3トランジスタMsfのいずれにも重畳していない。
【0058】
図9は、検出素子3の他の構成例を示す断面図である。
図9は、
図8のA-B線に沿った断面図に相当する。カラーフィルタCFは、絶縁膜29の上において島状に形成され、光電変換素子30に重畳している。オーバーコート層OCは、光電変換素子30に重畳する領域ではカラーフィルタCFを覆うとともに、第1トランジスタMrstに重畳する領域では絶縁膜29に接触している。
このような構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。なお、
図8及び
図9に示した構成例では、カラーフィルタCFは、絶縁膜29の上に設けられたが、
図7を参照して説明した構成例のように、絶縁膜29を省略して、カラーフィルタCFが光電変換素子30に重畳する領域の凹部に充填されてもよい。
【0059】
上記の本実施形態において、例えば、絶縁膜29は第1有機絶縁膜に相当し、オーバーコート層OCは第2有機絶縁膜に相当する。絶縁膜24乃至26は第1絶縁膜に相当し、絶縁膜27は第2絶縁膜に相当する。開口部OP11及びOP12は第1開口部に相当し、開口部OP2は第2開口部に相当する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制することが可能な検出装置及び表示装置を提供することができる。
【0061】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
DSP…表示装置 1…検出装置 PNL…表示パネル
21…基板 30…光電変換素子
31…i型半導体層 32…n型半導体層 33…p型半導体層
CF…(緑色)カラーフィルタ
Mrst、Msf、Mrd…トランジスタ