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特許7446828ゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20240304BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20240304BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20240304BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/35
A63F13/792
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020011074
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021115276
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2020-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 聡
(72)【発明者】
【氏名】安西 達也
(72)【発明者】
【氏名】苔縄 伸介
【合議体】
【審判長】有家 秀郎
【審判官】古屋野 浩志
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-5855(JP,A)
【文献】特開2019-136557(JP,A)
【文献】特許第6377289(JP,B1)
【文献】特開2018-79358(JP,A)
【文献】特許第5651219(JP,B1)
【文献】【ラストイデア】課金するならスタミナブースト!その理由を徹底解説,攻略大百科[0nline],2019年5月24日,<https://gamepedia.jp/lastidea/archives/542>、[2021年10月14日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
時間の経過に応じて回復するパラメータの現在値を管理する現在値管理手段と、
前記パラメータの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる第1操作に応じて、前記パラメータの回復速度を第1回復速度から前記第1回復速度よりも大きい第2回復速度に変更する速度変更手段と、
前記パラメータにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、前記ユーザによる第2操作に応じて、前記パラメータの上限値を第1上限値から前記第1上限値よりも大きい第2上限値に変更する上限値変更手段、
として機能させ、
前記速度変更手段は、前記パラメータの回復速度が変更されてから速度変更期間が経過すると、前記パラメータの回復速度を前記第1回復速度に戻し、
前記上限値変更手段は、前記パラメータの上限値が変更されてから上限値変更期間が経過すると、前記パラメータの上限値を前記第1上限値に戻し、
前記速度変更期間および前記上限値変更期間は、同時に開始されて、かつ異なるタイミングで終了し、
前記第1操作は、前記回復速度を変更するための第1アイテムを使用する操作であり、
前記第2操作は、前記上限値を変更するための第2アイテムを使用する操作であり、
前記回復速度と前記上限を同時に変更する一の操作により前記第1操作および前記第2操作がなされる、
ことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記パラメータは、ゲームを開始するために必要なパラメータであり、前記ゲームが開始される際に消費され、
前記速度変更期間、および、前記上限値変更期間の少なくとも一方は、前記ゲームの進行にかかわらず、時間の経過に応じて進行する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記現在値管理手段は、前記パラメータの上限値が変更されてから前記上限値変更期間が経過して前記パラメータの上限値が前記第1上限値に戻される際に、前記パラメータの現在値が前記第1上限値よりも大きい場合に前記パラメータの現在値を維持する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記現在値管理手段は、前記パラメータの上限値が変更されてから前記上限値変更期間が経過し、前記パラメータの上限値が前記第1上限値に戻されたあとにおいて、前記パラメータの現在値が前記第1上限値未満である場合には前記パラメータの回復速度に応じて前記パラメータを回復させ、前記パラメータの現在値が前記第1上限値以上である場合には前記パラメータを回復させない、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記パラメータの回復に必要な前記回復速度に応じた回復時間が経過するまでの残り時間を管理する時間管理手段、
としてさらに機能させ、
前記現在値管理手段は、前記回復時間が経過する度に前記パラメータを回復させ、
前記時間管理手段は、前記パラメータの回復速度が変更されてから前記速度変更期間が経過するときの、前記パラメータが前回回復してから経過した時間に応じて、前記速度変更期間が経過したあとに前記パラメータが初めて回復するまでの残り時間を設定する、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第1操作および前記第2操作は、課金の実行を指示する課金操作を含む、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記パラメータは、ゲームを開始するために必要なパラメータであり、前記ゲームが開始される際に消費される、
請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
時間の経過に応じて回復するパラメータの現在値を管理する現在値管理部と、
前記パラメータの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる第1操作に応じて、
前記パラメータの回復速度を第1回復速度から前記第1回復速度よりも大きい第2回復速度に変更する速度変更部と、
前記パラメータにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、前記ユーザによる第2操作に応じて、前記パラメータの上限値を第1上限値から前記第1上限値よりも大きい第2上限値に変更する上限値変更部と、を備え、
前記速度変更部は、前記パラメータの回復速度が変更されてから速度変更期間が経過すると、前記パラメータの回復速度を前記第1回復速度に戻し、
前記上限値変更部は、前記パラメータの上限値が変更されてから上限値変更期間が経過すると、前記パラメータの上限値を前記第1上限値に戻し、
前記速度変更期間および前記上限値変更期間は、同時に開始されて、かつ異なるタイミングで終了し、
前記第1操作は、前記回復速度を変更するための第1アイテムを使用する操作であり、
前記第2操作は、前記上限値を変更するための第2アイテムを使用する操作であり、
前記回復速度と前記上限を同時に変更する一の操作により前記第1操作および前記第2操作がなされる
ことを特徴とする、サーバ装置。
【請求項9】
時間の経過に応じて回復するパラメータの現在値を管理する現在値管理部と、
前記パラメータの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる第1操作に応じて、前記パラメータの回復速度を第1回復速度から前記第1回復速度よりも大きい第2回復速度に変更する速度変更部と、
前記パラメータにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、前記ユーザによる第2操作に応じて、前記パラメータの上限値を第1上限値から前記第1上限値よりも大きい第2上限値に変更する上限値変更部と、を備え、
前記速度変更部は、前記パラメータの回復速度が変更されてから速度変更期間が経過すると、前記パラメータの回復速度を前記第1回復速度に戻し、
前記上限値変更部は、前記パラメータの上限値が変更されてから上限値変更期間が経過すると、前記パラメータの上限値を前記第1上限値に戻し、
前記速度変更期間および前記上限値変更期間は、同時に開始されて、かつ異なるタイミングで終了し、
前記第1操作は、前記回復速度を変更するための第1アイテムを使用する操作であり、
前記第2操作は、前記上限値を変更するための第2アイテムを使用する操作であり、
前記回復速度と前記上限を同時に変更する一の操作により前記第1操作および前記第2操作がなされる
ことを特徴とする、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどの端末装置でプレイされるゲームでは、ゲームの開始または進行などに応じて消費される、様々なパラメータが使用される。例えば、特許文献1には、ゲームのプレイを開始するために消費されるとともに、所定時間の経過により回復するスタミナと呼ばれるパラメータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-134906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、例えば課金して取得したアイテムを使用することで、パラメータを回復させることができる。このように、パラメータを回復させるためには、ユーザに負担が生じる場合があるため、パラメータの回復を効果的に行えることが希求されていると考えられる。
【0005】
そこで、本開示は、ゲームにおいて消費されるパラメータを、より効果的に回復させることを可能とするゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、
コンピュータを、
時間の経過に応じて回復するパラメータの現在値を管理する現在値管理手段と、
前記パラメータの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる第1操作に応じて、前記パラメータの回復速度を第1回復速度から前記第1回復速度よりも大きい第2回復速度に変更する速度変更手段と、
前記パラメータにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、前記ユーザによる第2操作に応じて、前記パラメータの上限値を第1上限値から前記第1上限値よりも大きい第2上限値に変更する上限値変更手段と、
として機能させることを特徴とする、ゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記速度変更手段は、前記パラメータの回復速度が変更されてから速度変更期間が経過すると、前記パラメータの回復速度を前記第1回復速度に戻すことができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記上限値変更手段は、前記パラメータの上限値が変更されてから上限値変更期間が経過すると、前記パラメータの上限値を前記第1上限値に戻すことができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記パラメータは、ゲームを開始するために必要なパラメータであり、前記ゲームが開始される際に消費され、前記速度変更期間、および、前記上限値変更期間の少なくとも一方は、前記ゲームの進行にかかわらず、時間の経過に応じて進行することができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記速度変更期間および前記上限値変更期間は、同一の期間であることができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記現在値管理手段は、前記パラメータの上限値が変更されてから前記上限値変更期間が経過して前記パラメータの上限値が前記第1上限値に戻される際に、前記パラメータの現在値が前記第1上限値よりも大きい場合に前記パラメータの現在値を維持することができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記現在値管理手段は、前記パラメータの上限値が変更されてから前記上限値変更期間が経過し、前記パラメータの上限値が前記第1上限値に戻されたあとにおいて、前記パラメータの現在値が前記第1上限値未満である場合には前記パラメータの回復速度に応じて前記パラメータを回復させ、前記パラメータの現在値が前記第1上限値以上である場合には前記パラメータを回復させないことができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記パラメータの回復に必要な前記回復速度に応じた回復時間が経過するまでの残り時間を管理する時間管理手段、としてさらに機能させ、前記現在値管理手段は、前記回復時間が経過する度に前記パラメータを回復させ、前記時間管理手段は、前記パラメータの回復速度が変更されてから前記速度変更期間が経過するときの、前記パラメータが回復してから経過した時間に応じて、前記速度変更期間が経過したあとに前記パラメータが初めて回復するまでの残り時間を設定することができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記第1操作および前記第2操作は、課金の実行を指示する課金操作を含むことができる。
【0015】
また、第1の側面において、前記第1操作と前記第2操作は、同一の操作であることができる。
【0016】
また、第1の側面において、前記パラメータは、ゲームを開始するために必要なパラメータであり、前記ゲームが開始される際に消費されることができる。
【0017】
第2の側面は、
時間の経過に応じて回復するパラメータの現在値を管理する現在値管理部と、
前記パラメータの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる第1操作に応じて、前記パラメータの回復速度を第1回復速度から前記第1回復速度よりも大きい第2回復速度に変更する速度変更部と、
前記パラメータにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、前記ユーザによる第2操作に応じて、前記パラメータの上限値を第1上限値から前記第1上限値よりも大きい第2上限値に変更する上限値変更部と、
を備えることを特徴とする、サーバ装置である。
【0018】
第3の側面は、
時間の経過に応じて回復するパラメータの現在値を管理する現在値管理部と、
前記パラメータの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる第1操作に応じて、前記パラメータの回復速度を第1回復速度から前記第1回復速度よりも大きい第2回復速度に変更する速度変更部と、
前記パラメータにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、前記ユーザによる第2操作に応じて、前記パラメータの上限値を第1上限値から前記第1上限値よりも大きい第2上限値に変更する上限値変更部と、
を備えることを特徴とする、ゲームシステムである。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、ゲームにおいて消費されるパラメータを、より効果的に回復させることを可能とするゲームプログラム、サーバ装置およびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の一実施形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】ゲーム装置のディスプレイに表示される、スタミナの状態を表す画像の一例を示す図である。
図3】上限値変更手段によりスタミナの上限値が変更されたあとにおいて、ディスプレイに表示されるスタミナの状態を示す画像の一例を示す図である。
図4】ディスプレイに表示されるスタミナの第1回復速度を表す画像の一例を示す図である。
図5】スタミナの回復速度が速度変更手段により第2回復速度に変更されたあとにおいて、ディスプレイに表示される回復速度を表す画像を示す図である。
図6】ユーザが変更操作を行ってから、上限値変更期間および速度変更期間が経過するまでにおける、サーバ装置が実施する処理の流れを示すフローチャートである。
図7図6に示す処理が終了したあとにおける、サーバ装置が実施する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態]
本開示の一実施形態に係るゲームシステム1について、図1を参照して説明する。
【0022】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0023】
本実施形態に係るゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのアクションゲームである。このゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。
【0024】
また、本実施形態では、ゲーム装置5にて実行されるゲームは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐する複数のクエストで構成されるアクションゲームである。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。
【0025】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0026】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
【0027】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0028】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0029】
<ゲームシステム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5のそれぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0030】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0031】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0032】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221などが記憶されている。
【0033】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、スタミナに関するデータなどが、対応づけて記憶されている。ここで、スタミナは、ゲームを開始するために必要であり、ゲームが開始される際に消費されるパラメータである。また、スタミナに関するデータは、例えば、スタミナの現在値、上限値、回復速度、上限値または回復速度が変更されてから経過した時間、スタミナが回復してから経過した時間などの各種のデータを含む。
【0034】
ここで、消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0035】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0036】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、現在値管理手段233、上限値変更手段234、速度変更手段235、および時間管理手段236として機能する。
【0037】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたクエスト実行要求およびアカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報などが挙げられる。
【0038】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0039】
―現在値管理手段―
現在値管理手段233は、時間の経過に応じて回復するスタミナの現在値を管理する。本実施形態では、現在値管理手段233は、ゲームが開始される際に、スタミナを消費する。具体的には、現在値管理手段233は、ユーザがゲームをプレイする際に1つのクエストを選択した場合には、選択したクエストを開始するために必要なスタミナを消費する。例えば、現在値管理手段233は、クエストが開始される際に、スタミナの現在値を30だけ減少させることができる。
【0040】
図2は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される、スタミナの状態を表す画像610の一例を示す図である。画像610の中央には、16/75と表示されている。右側の数値(75)はスタミナの上限値を示し、左側の数値(16)はスタミナの現在値を示している。
【0041】
現在値管理手段233は、時間の経過に応じて、スタミナを回復させることができる。具体的には、現在値管理手段233は、回復時間が経過する度に、スタミナの現在値を回復値だけ増加させることができる。例えば、回復時間が3分であり、回復値が1である場合には、現在値管理手段は、3分が経過する度に、スタミナの現在値を1だけ増加させることができる。なお、回復時間および回復値は、スタミナの回復速度に応じて変化し得る。
【0042】
また、現在値管理手段233は、上限値までスタミナを回復させることができる。ここでは、図2に示す例のように、上限値が75であり、現在値が16である場合について説明する。この場合、現在値管理手段233は、時間が177分だけ経過すると、スタミナの現在値を合計59だけ増加させて上限値の75にすることができる。現在値管理手段233は、スタミナの現在値が上限値に達すると、スタミナを回復させなくなる。
【0043】
―上限値変更手段―
上限値変更手段234は、スタミナにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、ユーザによる上限値変更操作(第2操作)に応じて、スタミナの上限値を第1上限値から第2上限値に変更する。また、上限値変更手段234は、上限値を変更してから上限値変更期間が経過すると、スタミナの上限値を第2上限値から第1上限値に戻す。上限値変更期間は、例えば、1週間程度の期間であってよい。
【0044】
ここで、第2上限値は、第1上限値よりも大きい。本実施形態では、第1上限値は、図2に示した上限値の75であり、第2上限値は、第1上限値よりも100だけ大きい175であるものとする。
【0045】
図3は、上限値変更手段234によりスタミナの上限値が変更されたあとにおいて、ディスプレイ61に表示されるスタミナの状態を示す画像620の一例を示す図である。画像620の中央には、16/175と表示されている。従って、図3に示すスタミナの上限値は、図2に示したスタミナの上限値よりも100だけ大きくなっている。また、画像620には、「+100」の文字を示す画像622が表示されている。画像622は、上限値の変化量を示している。ユーザは、画像622を確認することにより、上限値変更期間が経過して上限値が戻る際における、上限値の変化量を認識することができる。
【0046】
―速度変更手段―
速度変更手段235は、スタミナの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる速度変更操作(第1操作)に応じて、スタミナの回復速度を第1回復速度から第2回復速度に変更する。また、速度変更手段235は、回復速度を変更してから速度変更期間が経過すると、スタミナの回復速度を第2回復速度から第1回復速度に戻す。速度変更期間は、例えば、1週間程度の期間であってよい。
【0047】
ここで、第2回復速度は、第1回復速度よりも大きい。本実施形態では、スタミナは、回復速度に応じた回復時間が経過する度に回復値だけ回復する。本実施形態では、第1回復速度に応じた回復時間が3分であり、第2回復速度に応じた回復時間が1分であり、いずれの回復速度においても回復値が1であるものとする。
【0048】
例えば、回復速度が第1回復速度であるときには、3分の回復時間が経過する度にスタミナの現在値が1だけ増加する。また、回復速度が第2回復速度であるときには、1分の回復時間が経過する度に、スタミナの現在値が1だけ増加する。従って、回復速度が第1回復速度から第2回復速度に変更されると、回復値が1に維持されたまま回復時間が3分の1に短縮される。この結果、回復速度が3倍に加速される。
【0049】
図4は、ディスプレイ61に表示されるスタミナの第1回復速度を表す画像630を示す図である。画像630における左側には、時計マークの画像とともに「3:00m」の文字が表示されている。「3:00m」の文字は、スタミナが回復するために必要な回復時間が3分であることを示している。また、画像630における右側には、ハートマークの画像とともに「+1」の文字が表示されている。「+1」の文字は、回復値を示している。つまり、画像630は、3分が経過する度に、スタミナが1だけ回復することを示している。
【0050】
図5は、スタミナの回復速度が速度変更手段235により第2回復速度に変更されたあとにおいて、ディスプレイ61に表示される回復速度を表す画像640を示す図である。図4に示した画像630と異なり、時計マークの画像には「1:00m」の文字が表示されている。「1:00m」の文字は、スタミナが回復するために必要な回復時間が1分であることを示している。さらに、画像640には、「-2:00m」の文字を表示する画像642が表示されている。この画像642は、回復速度の変化量を示している。ユーザは、画像642を確認することにより、速度変更期間が経過して回復速度が戻る際における、回復速度の変化量を認識することができる。
【0051】
―時間管理手段―
時間管理手段236は、回復時間が経過するまでの残り時間を管理する。また、時間管理手段236は、上限値変更期間および速度変更期間が経過するまでの残り時間を管理することもできる。さらに、時間管理手段236は、必要に応じて、回復時間、上限値変更期間または速度変更期間が経過するまでの残り時間を、現在値管理手段233、上限値変更手段234、または速度変更手段235に通知することができる。
【0052】
ここで、速度変更期間および上限値変更期間は、スタミナを消費することによって開始されるゲームの進行にかかわらず、時間の経過に応じて進行するものとする。例えば、クエストの進行が停止されている状況においても、速度変更期間および上限値変更期間は進行する。また、本実施形態では、速度変更期間および上限値変更期間は、同一の期間であるものとする。
【0053】
時間管理手段236は、スタミナの回復速度が変更されてから速度変更期間が経過するときの、スタミナが回復してから経過した時間に応じて、速度変更期間が経過したあとにスタミナが初めて回復するまでの残り時間を設定する。
【0054】
例えば、速度変更手段235により回復時間が3分から1分に変更されているものとする。さらに、スタミナが回復してから15秒経過しており、スタミナが回復するまでの残り時間が45秒になっているときに、速度変更期間が経過するものとする。このとき、時間管理手段236は、次にスタミナが回復するまでの残り時間を、経過した15秒に応じた時間に設定することができる。例えば、時間管理手段236は、速度変更期間が経過したあとの回復時間である180秒(3分)から15秒を差し引いた165秒を、次にスタミナが回復するまでの残り時間として設定することができる。なお、この165秒が経過してスタミナが回復したあとには、3分が経過する度にスタミナが回復する。
【0055】
このように、本実施形態では、速度変更期間が経過したあとに初めてスタミナが回復するための残り時間が、速度変更期間においてスタミナが回復してから経過した時間を引き継いだ時間となる。このため、速度変更期間が経過する際に、速度変更期間において費やされた時間が無駄になることが抑制される。
【0056】
<上限値変更期間が経過した後における現在値管理手段233による処理>
現在値管理手段233は、スタミナの上限値が変更されてから上限値変更期間が経過して、スタミナの上限値が第1上限値に戻される際に、スタミナの現在値が第1上限値よりも大きい場合にはスタミナの現在値を維持する。
【0057】
ここでは、上述した例と同様に、第1上限値が75であり、第2上限値が175であるものとして説明する。上限値変更期間が経過するとき、スタミナの上限値が175から75に戻される。このとき、スタミナの現在値が175である場合には、現在値管理手段233は、第1上限値の75に変更せず、スタミナの現在値を175に維持する。
【0058】
本実施形態では、現在値管理手段233は、上限値変更期間が経過する際に、スタミナの現在値を上限値よりも大きい値に維持することができる。これにより、ユーザは、上限値変更期間が経過する際に、スタミナの現在値が減少(例えば、第1上限値まで減少)しないため、上限値変更期間が経過する際にユーザに損した気持ちが生じることを抑制できる。
【0059】
また、本実施形態では、現在値管理手段233は、スタミナの上限値が変更されてから上限値変更期間が経過し、スタミナの上限値が第1上限値に戻されたあとにおいて、スタミナの現在値が第1上限値未満である場合には回復速度に応じてスタミナを回復させる。一方、スタミナの現在値が第1上限値以上である場合には、現在値管理手段233は、スタミナを回復させない。
【0060】
例えば、上限値変更期間が経過して上限値が第1上限値の75に戻され、スタミナが100に維持されているものとする。現在値管理手段233は、スタミナが100に維持されている状態で回復時間が経過したとき、スタミナを回復させない。このとき、時間管理手段236は、管理しているスタミナが回復するまでの残り時間の進行を停止してもよい。
【0061】
一方、クエストなどが開始されることによりスタミナが消費され、スタミナの現在値が第1上限値の75を下回っている場合には、現在値管理手段233は、回復時間が経過する度にスタミナを回復させることができる。
【0062】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0063】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0064】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0065】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0066】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0067】
ユーザは、例えば、タッチパッド63をタッチすることで、課金の実行を指示する課金操作を行うことができる。本実施形態では、ユーザは、課金操作を行うことにより、スタミナの上限値を変更するためのアイテム、または回復速度を変更するためのアイテムを使用することが可能になる。
【0068】
なお、本実施形態では、課金操作を行うことにより取得されるアイテム(以下、「変更アイテム」とも称する。)を使用する操作を行うことにより、ユーザは、スタミナの上限値および回復速度を変更させることができる。このように、本実施形態では、上限値変更操作および速度変更操作は、課金して変更アイテムを取得する操作と、変更アイテムを使用する操作を含む。
【0069】
さらに、本実施形態では、上限値変更操作と速度変更操作は、同一の操作となっており、上述した変更アイテムを使用する操作により、スタミナの上限値および回復速度が同時に変更される。以下では、上限値変更操作と速度変更操作を特に区別しないとき、単に「変更操作」とも称する。
【0070】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0071】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム装置5の動作を制御する。
【0072】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562および報知制御手段563として機能する。
【0073】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0074】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、クエスト実行要求、課金による変更アイテム取得の要求、上限値の変更要求および回復速度の変更要求などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータに関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0075】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0076】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介し介した操作に応じて、ゲームにおいてクエストを開始させる。
【0077】
―報知制御手段-
報知制御手段563は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御およびスピーカ62の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段563は、ゲーム中に、図2および図3に示した上限値を表す画像610,620、または図4および図5に示したスタミナの回復速度を表す画像630,640をディスプレイ61に表示させる。
【0078】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図6は、ユーザが変更操作を行ってから、上限値変更期間および速度変更期間が経過するまでにおける、サーバ装置2が実施する処理の流れを示すフローチャートである。
【0079】
図6に示す処理は、予めユーザが課金操作を行うことにより取得した変更アイテムを、ユーザが使用する変更操作を行うことにより、ゲーム装置5からサーバ装置2に、スタミナの上限値および回復速度を変更する要求が送信されることで開始される。
【0080】
まず、制御部23は、スタミナの上限値および回復速度を変更する要求を受け付ける(ステップst101)。
【0081】
次いで、制御部23は、スタミナの上限値を大きくするとともに、スタミナの回復速度を大きくする(ステップst103)。具体的には、上限値変更手段234は、スタミナの上限値を第1上限値から第2上限値に変更する。さらに、速度変更手段235は、スタミナの回復速度を第1回復速度から第2回復速度に変更する。ここで、第1上限値は75であり、第2上限値は175であるものとする。また、スタミナの回復速度が第1回復速度であるとき、3分が経過する度にスタミナが回復し、スタミナの回復速度が第2回復速度であるとき、1分が経過する度にスタミナが回復するものとする。
【0082】
次いで、時間管理手段236は、回復時間が経過しているか否かを判定する(ステップst105)。具体的には、時間管理手段236は、スタミナが前回回復したタイミングから、第2回復速度に応じた回復時間(1分)が経過しているか否かを判定する。回復時間が経過していないと判定された場合(ステップst105:NO)、ステップst105が繰り返される。一方、回復時間が経過していると判定された場合(ステップst105:YES)、ステップst107に進む。
【0083】
ステップst105においてYESと判定された場合、現在値管理手段233は、スタミナの現在値が第2上限値未満であるか否かを判定する(ステップst107)。スタミナの現在値が第2上限値以上であると判定された場合(ステップst107:NO)、ステップst105に戻る。一方、スタミナの現在値が第2上限値未満であると判定された場合(ステップst107:YES)、ステップst109に進む。
【0084】
ステップst107においてYESと判定された場合、現在値管理手段233は、スタミナを回復する(ステップst109)。具体的には、現在値管理手段233は、回復値(例えば、1)だけスタミナの現在値を増加させる。
【0085】
次いで、時間管理手段236は、上限値変更期間および速度変更期間が経過したか否かを判定する(ステップst111)。ここでは、上限値変更期間および速度変更期間は、同一の期間である。これらの変更期間が経過していないと判定された場合(ステップst111:NO)、ステップst105に戻る。一方、これらの変更期間が経過したと判定された場合(ステップst111:YES)、ステップst113に進む。
【0086】
ステップst111においてYESと判定されると、上限値変更手段234は、スタミナの上限値を第1上限値に戻し、速度変更手段235は、スタミナの回復速度を第1回復速度に戻す(ステップst113)。
【0087】
次いで、現在値管理手段233は、スタミナの現在値を維持する(ステップst113)。このとき、スタミナの現在値が第1上限値よりも大きい場合であっても、現在値管理手段233は、スタミナの現在値を維持する。ここでは、現在値管理手段233は、スタミナの現在値を175に維持する。
【0088】
現在値管理手段233がスタミナの現在値を維持すると、図6に示す処理が終了する。
【0089】
図7は、図6に示す処理が終了したあとにおける、サーバ装置2が実施する処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
まず、時間管理手段236は、スタミナが回復するまでの残り時間を設定する(ステップst201)。具体的には、時間管理手段236は、図6に示したステップst113における、スタミナが前回回復してから経過した時間に応じて、スタミナが次に回復するまでの残り時間を設定する。ここでは、ステップst113の処理が行われるときに、スタミナが前回回復してから経過した時間が15秒であるものとする。この場合には、時間管理手段236は、スタミナが次に回復するまでの残り時間を、回復時間の180秒(3分)から15秒を引いた165秒に設定する。
【0091】
次いで、時間管理手段236は、回復時間が経過しているか否かを判定する(ステップst203)。回復時間が経過していないと判定された場合(ステップst203:NO)、ステップst203が繰り返される。一方、回復時間が経過したと判定された場合(ステップst203:EYS)、ステップst205に進む。
【0092】
ステップst203においてYESと判定されると、現在値管理手段233は、スタミナの現在値が第1上限値未満である否かを判定する(ステップst205)。スタミナの現在値が第1上限値以上であると判定された場合(ステップst205:NO)、ステップst203に戻る。一方、例えばクエストなどが実行されることによりスタミナが消費されており、スタミナの現在値が第1上限値未満であると判定された場合(ステップst205:YES)、ステップst207に進む。
【0093】
ステップst205においてYESと判定されると、現在値管理手段233は、スタミナを回復させる(ステップst207)。例えば、現在値管理手段233は、スタミナの現在値を1だけ増加させる。
【0094】
現在値管理手段233がスタミナを回復させると、図7に示す処理は終了する。なお、図7に示す処理が終了したあとにおいても、回復時間が経過する度にスタミナは回復する。
【0095】
以上をまとめると、本開示のゲームプログラムは、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、時間の経過に応じて回復するスタミナ(パラメータ)の現在値を管理する現在値管理手段233と、スタミナの回復速度の変更を指示するための、ユーザによる速度変更操作(第1操作)に応じて、スタミナの回復速度を第1回復速度から第1回復速度よりも大きい第2回復速度に変更する速度変更手段235と、スタミナにおける時間の経過に応じた回復の上限値を変更させるための、ユーザによる上限値変更操作(第2操作)に応じて、スタミナの上限値を第1上限値から第1上限値よりも大きい第2上限値に変更する上限値変更手段234と、として機能させるものである。
【0096】
<効果>
本実施形態によれば、ユーザがより効果的にスタミナを回復させることができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、上限値変更期間が経過する際に、スタミナの現在値が第1上限値よりも大きい場合であってもスタミナが維持されるため、ユーザに損した気持ちが生じることを抑制することができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、速度変更期間が経過する際に、速度変更期間において費やされた時間が無駄になることが抑制される。
【0099】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0100】
上記実施形態では、第2上限値は、第1上限値よりも大きい値であるものとして説明した。これに限らず、第2上限値は、第1上限値よりも小さい値であってもよい。すなわち、上限値変更手段234は、パラメータの上限値をいかなる値にも変更することができる。
【0101】
また、上記実施形態では、速度変更手段235が、回復時間を短縮することによりパラメータの回復速度を大きくするものとして説明した。これに限らず、速度変更手段235は、回復時間を変更せずに、回復値を大きくすることで回復速度を大きくしてもよい。
【0102】
例えば、第1回復速度では、回復時間が3分であり、回復値が1であるとする。この場合、速度変更手段235は、回復速度を第2回復速度に変更するときに、回復時間を3分に維持しつつ、第1回復速度に応じた回復値(ここでは1)よりも大きい値に、回復値を変更することができる。例えば、速度変更手段235が回復値を3に変更する。これにより、図5を参照して説明した例と同様に、パラメータが3分につき3だけ回復するようになる。なお、速度変更手段235は、回復値を、3に限らず、いかなる値に変更してもよい。
【0103】
回復値が変更されたあとにおいて、ディスプレイ61には、変更後の回復値を示す画像が表示されてもよい。例えば、図5に示したハートマークとともに、変更後の回復値を示す画像がディスプレイ61に表示されてもよい。さらに、ディスプレイ61には、回復値の変化量を示す画像(例えば、「+2」を示す画像)が表示されてもよい。回復値の変化量を示す画像は、例えば、ディスプレイ61において、変更後の回復値を示す画像の付近に表示され得る。
【0104】
なお、速度変更手段235は、パラメータの回復速度を変更する際に、回復速度および回復値を同時に変更してもよい。この場合、速度変更手段235は、回復速度および回復値の変化量を適宜調整することにより、回復速度を第1回復速度から所望の第2回復速度に変更することができる。
【0105】
また、上記実施形態では、第2回復速度は、第1回復速度よりも大きい速度であるものとして説明した。これに限らず、第2回復速度は、第1回復速度よりも小さい速度であってもよい。すなわち、上限値変更手段234は、第1回復速度を、いかなる速度にも変更することができる。
【0106】
また、上記実施形態では、上限値変更操作と速度変更操作が同一の操作であるものとして説明した。これに限らず、上限値変更操作と速度変更操作は、異なる操作であってもよい。すなわち、ユーザは、上限値変更操作のみを行うことで上限値のみを変更させることができ、速度変更操作のみを行うことで回復速度のみを変更させることもできる。
【0107】
また、上記実施形態では、上限値変更手段234は、ユーザによる上限値変更操作に応じてパラメータの上限値を変更するものとして説明した。これに限らず、上限値変更手段234は、上限値変更操作が行われない場合にも、所定の第1変更条件が成立したときに、パラメータの上限値を変更してもよい。例えば、第1変更条件は、予め指定された期間(ゴールデンウィークなど)に入ることであって良い。
【0108】
また、上記実施形態では、上限値変更手段234は、パラメータの上限値が変更されてから上限値変更期間が経過したときに、パラメータの上限値を第1上限値に戻すものとして説明した。これに限らず、上限値変更手段234は、上限値変更期間が経過していない場合にも、所定の第2変更条件が成立したときに、上限値を第1上限値に戻してよい。例えば、所定のゲーム内アイテムの保有数や消費数が閾値を上回った場合、または、下回った場合に、上限値変更手段234は、上限値を第1上限値に戻してよい。
【0109】
また、上記実施形態では、現在値管理手段233は、上限値変更期間が経過してパラメータの上限値が戻される際に、パラメータの現在値を維持するものとして説明した。現在値管理手段233がパラメータの現在値を維持するタイミングは、上限値変更期間が経過してパラメータの上限値が第1上限値に戻されるタイミングに限られない。現在値管理手段233は、上限値変更期間が経過していない場合にも、上記の第2変更条件が成立することで上限値が第1上限値に戻されるときに、パラメータの現在値を維持してもよい。このとき、上限値は、ユーザによる上限値変更操作に限らず、上記の第1変更条件が成立することで変更されていてもよい。
【0110】
なお、現在値管理手段233は、回復速度が変更されているか否かにかかわらず、パラメータの現在値を維持することができる。
【0111】
また、上記実施形態では、現在値管理手段233は、上限値変更期間が経過してパラメータの上限値が戻されたあとに、パラメータの現在値が第1上限値未満である場合に限り、パラメータを回復させる(ステップst205、st207)ものとして説明した。パラメータの現在値が第1上限値未満である場合に限り、現在値管理手段233がパラメータを回復させる状況は、上限値変更期間が経過してパラメータの上限値が戻されたあとに限られない。
【0112】
例えば、現在値管理手段233は、上記の第2変更条件が成立することで上限値が戻されたあとにおいても、パラメータの現在値が第1上限値未満である場合に限りパラメータを回復させてもよい。すなわち、現在値管理手段233は、上限値が変更される条件にかかわらず、パラメータの現在値が第1上限値未満である場合に限りパラメータを回復させることができる。このとき、上限値は、ユーザによる上限値変更操作が行われることに限らず、上記の第1変更条件が成立することで変更されていてもよい。
【0113】
なお、現在値管理手段233は、回復速度が変更されているか否かにかかわらず、パラメータの現在値が第1上限値未満である場合に限り、パラメータを回復させることができる。
【0114】
また、上記実施形態では、回復時間が1分あるいは3分であるものとして説明したが、回復時間はこれらの時間に限定されるものではない。さらに、上記実施形態では、回復値が1であるものとして説明したが、回復値はこの値に限定されるものではない。
【0115】
また、上記実施形態では、上限値変更期間と速度変更期間が同一の期間であるものとして説明した。これに限らず、上限値変更期間と速度変更期間は異なる期間であってもよい。例えば、上限値変更期間と速度変更期間が同時に開始された場合に、上限値変更期間と速度変更期間が異なるタイミングで終了してもよい。あるいは、上限値変更期間と速度変更期間は、異なるタイミングで開始されてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、上限値変更期間および速度変更期間が、上限値または回復速度の変更が行われてから1週間程度の期間であるものとして説明した。これに限らず、上限値変更期間および速度変更期間は、変更が行われてから1ヶ月間など、いかなる期間であってもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、上限値変更期間および速度変更期間が、ゲームの進行にかかわらず、時間の経過に応じて進行するものとして説明した。これに限らず、上限値変更期間および速度変更期間は、ゲームの進行に基づき進行してもよい。例えば、上限値変更期間および速度変更期間は、ゲームの進行が停止している場合には、進行しなくてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、課金操作に基づき取得されたアイテムを使用することにより上限値変更操作および速度変更操作が行われるものとして説明した。これに限らず、上限値変更操作または速度変更操作は、課金操作そのものであってもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、上限値変更操作および速度変更操作は、課金操作を含むものとして説明した。これに限らず、上限値変更操作および速度変更操作は、課金操作を含まなくてもよい。例えば、ユーザは、無償で取得したアイテムを使用することにより、上限値変更操作または速度変更操作を行うこともできる。
【0120】
また、上記実施形態では、時間管理手段236は、速度変更期間が経過するときに、パラメータが回復してから経過した時間から回復時間を差し引くことで算出した時間を、次に回復するまでの残り時間に設定するものとして説明した。これに限らず、時間管理手段236は、第2回復速度に応じた回復時間と、パラメータが回復してから経過した時間の比に応じて、速度変更期間が経過したあとに初めてパラメータが回復するまでの残り時間を設定してもよい。より具体的には、時間管理手段236は、1からこの比を差し引いて得た値に回復時間に乗ずることで得た時間を、残り時間に設定することができる。
【0121】
例えば、第2回復速度に応じた回復時間が1分であり、速度変更期間が経過するときに、パラメータが回復してから20秒経過しているものとする。このとき、パラメータが回復してから経過した時間の回復時間に対する比は、3分の1である。速度変更期間が経過して回復速度が第1回復速度に戻るとき、時間管理手段236は、パラメータが回復するまでの残り時間を、第1回復速度に応じた回復時間(3分)の3分の2(1から3分の1を引いた値)に設定することができる。つまり、時間管理手段236は、回復時間の3分の2である2分を、残り時間に設定することができる。
【0122】
また、上記実施形態では、時間管理手段236は、変更期間が経過するときに、パラメータが回復してから経過した時間に応じて、変更期間が経過したあとにパラメータが最初に回復するまでの残り時間を設定するものとして説明した。これに限らず、時間管理手段236は、変更期間が経過するときに、変更期間が経過したあとにパラメータが最初に回復するまでの残り時間を、パラメータが回復してから経過した時間にかかわらない時間に設定してもよい。
【0123】
例えば、時間管理手段236は、変更期間が経過したあとにパラメータが最初に回復するまでの残り時間を、回復速度に応じた回復時間に設定してもよい。すなわち、時間管理手段236は、変更期間が経過したあとに、残り時間を引き継がなくてもよい。例えば、時間管理手段236は、変更期間が経過したあとにパラメータが最初に回復するまでの残り時間を、回復速度に応じた回復時間(例えば3分)に設定することができる。
【0124】
あるいは、現在値管理手段233は、変更期間が経過するときに、パラメータが回復してから経過した時間(あるいは、回復時間が経過するまでの残り時間)にかかわらず、パラメータを回復させてもよい。
【0125】
また、スタミナの上限値また回復速度を変更するための変更アイテムの効力は、上記実施形態で説明した例に限られない。互いに異なる効力を有する複数の種類の変更アイテムが用意され得る。すなわち、ユーザは、変更される上限値の大きさ、変更される回復速度の大きさ、または変更期間の異なる複数の変更アイテムを適宜選択して、変更操作を行うことができる。このとき、複数の変更アイテムが使用された場合に、選択された複数の変更アイテムの効力が重複しないものとすることができる。例えば、最も大きい効力を有する変更アイテムの効力のみが発揮されてもよい。
【0126】
また、変更期間の間に、ユーザによる変更操作に応じて、パラメータの上限値または回復速度がさらに変更されてもよい。この場合、パラメータの上限値または回復速度がさらに大きくなるように変更される場合に限り、上限値変更手段234または速度変更手段235は、パラメータの上限値または回復速度を変更してもよい。例えば、上限値が175に変更されている場合には、上限値を175よりも大きい値に変更するための上限値変更操作が行われた場合に限り、上限値変更手段234は上限値を変更してもよい。
【0127】
また、変更期間の間にパラメータの上限値または回復速度が変更される場合には、ゲーム装置5のディスプレイ61には、ユーザの注意を喚起するためのダイアログが表示されてもよい。ディスプレイ61に、例えば、「下位版の効力は消滅するがいいか?」という文字を示すダイアログが表示されてもよい。ユーザは、このダイアログを確認したうえで、パラメータの上限値または回復速度を変更することができる。
【0128】
また、変更期間の間に同一の効果を有する変更操作が行われた場合には、変更期間の残り時間が延長されてもよい。例えば、上限値を1ヶ月間100だけ増加させる(例えば、75から175)上限値変更操作が行われ、上限値が変更されているとする。上限値が変更されてから時間が経過して、上限値変更期間が経過するまでの時間が例えば3日になったときに、上限値を1ヶ月間100だけ増加させる上限値変更操作が再度行われる。このとき、時間管理手段236は、上限値変更期間が経過するまでの時間を3日から1ヶ月と3日に延長できる。また、時間管理手段236は、速度変更期間において速度変更操作が行われる場合にも、速度変更期間の残り時間を延長できる。
【0129】
また、時間管理手段236は、変更期間の残り時間が所定の条件を満たした場合に限り、変更操作に応じて変更期間を延長してもよい。例えば、変更期間の残り時間が変更期間の所定の割合(例えば2割)以下の時間になった場合に限り、時間管理手段236は、変更期間の残り時間を延長してもよい。例えば、変更期間が30日である場合には、変更期間が経過するまでの残り時間が変更期間の2割である6日以下になったときに限り、時間管理手段236は、変更期間の残り時間を延長することができる。
【0130】
上記実施形態では、ゲームがアクションゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0131】
上記実施形態には、パラメータがクエストなどを開始するために消費されるスタミナであるものとして説明した。しかし、本発明の実施形態はこれには限られない。パラメータは、例えば、クエストなどのゲームが開始されたあと(すなわち、ゲーム中)に用いられるパラメータであってもよい。例えば、パラメータは、プレイヤキャラクタのHP(ヒットポイント)、MP(マジックポイント)、またはSP(スキルポイント)などの各種のパラメータであってもよい。ここで、「HP」は、プレイヤキャラクタの体力を示す。また、「MP」は、プレイヤキャラクタの魔法力を示し、この値が0(ゼロ)になると、例えばプレイヤキャラクタが呪文を使用できなくなる。さらに、「SP」は、プレイヤキャラクタに特定のスキルを発動させるか否かの指標となるポイントである。
【0132】
上記実施形態では、主にサーバ装置2が本開示のゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムの手段、すなわち、現在値管理手段233、上限値変更手段234、速度変更手段235、時間管理手段236などが、サーバ装置単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0133】
例えば、ゲーム装置5の制御部56が、現在値管理手段233、上限値変更手段234、速度変更手段235、時間管理手段236を備えていてもよい。
【0134】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置(コンピュータ)
5 ゲーム装置(コンピュータ)
22 記憶部
23 制御部
54 操作部
56 制御部
63 タッチパッド
233 現在値管理手段
234 上限値変更手段
235 速度変更手段
236 時間管理手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7