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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】加熱調理器システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20210101AFI20240304BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20240304BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20240304BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20240304BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
F24C7/04 301Z
H05B6/12 324
F24C7/04 301A
F24C15/00 D
F24C15/00 M
F24C7/02 301J
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020014268
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021120605
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 宣章
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-5759(JP,A)
【文献】国際公開第2013/128527(WO,A1)
【文献】特開2017-203570(JP,A)
【文献】特開平9-260044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02、7/04、15/00
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を加熱調理する加熱調理器と、前記加熱調理器で加熱調理する料理メニューに関するレシピ情報を表示する情報端末と、を備え、前記加熱調理器と前記情報端末とがネットワークを介して接続される加熱調理器システムにおいて、
前記加熱調理器は、前記被調理物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱する条件である加熱条件を設定する加熱条件決定手段と、前記加熱条件を表示する表示手段と、前記ネットワークを介して前記情報端末と通信を行なう通信手段と、を備え、
前記情報端末は、前記ネットワークを介して前記加熱調理器と通信を行なう通信手段と、前記レシピ情報を表示するレシピ表示手段と、前記レシピ情報に前記加熱条件を組み入れて前記レシピ表示手段に表示させる加熱情報表示手段と、前記レシピ情報に組み入れられた前記加熱条件を前記通信手段で送信する加熱情報送信手段と、前記加熱情報送信手段が送信した結果を前記レシピ表示手段に表示させる送信結果表示手段と、を備え、
前記情報端末が前記加熱情報送信手段で前記レシピ情報に組み入れられた加熱条件を送信したときに、当該加熱条件を前記加熱調理器が受信できた場合、前記送信結果表示手段は送信できた旨の情報を前記レシピ表示手段に表示させ、当該加熱条件を前記加熱調理器が受信できなかった場合、前記送信結果表示手段は送信できなかった旨の情報を前記レシピ表示手段に表示させ、
前記情報端末が前記加熱情報送信手段で前記レシピ情報に組み入れられた加熱条件を送信するとき、当該加熱条件の送信前に前記加熱調理器の状態の情報を取得し、
前記加熱情報送信手段は、取得した前記加熱調理器の状態の情報に基づき、前記加熱条件を送信するか否かを判断し、
前記送信結果表示手段は、前記加熱情報送信手段の判断に応じて前記レシピ表示手段に表示させる内容を決定し、
前記加熱調理器は、前記被調理物を内部に収容する調理室をさらに備え、
前記加熱調理器の状態の情報は、前記調理室の庫内温度を含んでいることを特徴とする加熱調理器システム。
【請求項2】
前記加熱調理器の状態の情報は、前記加熱調理器の加熱条件の設定状態を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器システム。
【請求項3】
前記加熱調理器の状態の情報は、前記加熱調理器の加熱動作の状態を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器システム。
【請求項4】
前記加熱情報送信手段は、一定の時間内に前記加熱調理器の状態の情報を取得できない場合に、前記加熱調理器の電源が入っていないため、または前記ネットワークの障害のために前記加熱調理器と通信ができないと判断して、前記送信結果表示手段は前記送信できなかった旨の情報を前記レシピ表示手段に表示させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理器システム。
【請求項5】
被調理物を加熱調理する加熱調理器と、前記加熱調理器で加熱調理する料理メニューに関するレシピ情報を表示する情報端末と、を備え、前記加熱調理器と前記情報端末とがネットワークを介して接続される加熱調理器システムの使用方法であって、
前記加熱調理器は、前記被調理物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱する条件である加熱条件を設定する加熱条件決定手段と、前記加熱条件を表示する表示手段と、前記ネットワークを介して前記情報端末と通信を行なう通信手段と、前記被調理物を内部に収容する調理室と、を備え、
前記情報端末は、前記ネットワークを介して前記加熱調理器と通信を行なう通信手段と、前記レシピ情報を表示するレシピ表示手段と、前記レシピ情報に前記加熱条件を組み入れて前記レシピ表示手段に表示させる加熱情報表示手段と、前記レシピ情報に組み入れられた前記加熱条件を前記通信手段で送信する加熱情報送信手段と、前記加熱情報送信手段が送信した結果を前記レシピ表示手段に表示させる送信結果表示手段と、を備える、
加熱調理器システムの通信方法において、
前記情報端末が前記加熱情報送信手段で前記レシピ情報に組み入れられた加熱条件の送信前に前記加熱調理器の状態の情報を取得するステップであって、前記加熱調理器の状態の情報は前記調理室の庫内温度を含んでいるステップと、
前記加熱情報送信手段が、取得した前記加熱調理器の状態の情報に基づき、前記加熱条件を送信するか否かを判断するステップと、
前記送信結果表示手段は、前記加熱情報送信手段の判断に応じて前記レシピ表示手段に表示させる内容を決定するステップと、
前記加熱情報送信手段が前記加熱条件を送信すると判断したときに、前記情報端末が前記加熱情報送信手段で前記レシピ情報に組み入れられた加熱条件を送信するステップと、
前記加熱条件を前記加熱調理器が受信するステップであって、前記加熱条件を前記加熱調理器が受信できた場合は、前記送信結果表示手段は送信できた旨の情報を前記レシピ表示手段に表示させる一方で、前記加熱条件を送信するか否かの前記判断に拘わらず、前記加熱条件を前記加熱調理器が受信できなかった場合は、前記送信結果表示手段は送信できなかった旨の情報を前記レシピ表示手段に表示させるステップと、
を備えることを特徴とする加熱調理器システムの使用方法。
【請求項6】
請求項1に記載の加熱調理器システムが備える加熱調理器および情報端末のマイクロコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、
前記加熱調理器の前記マイクロコンピュータを前記加熱条件決定手段として機能させ、
前記情報端末の前記マイクロコンピュータを前記加熱情報表示手段および前記送信結果表示手段として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末と加熱調理器との間で無線通信を可能にする加熱調理器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱条件を設定するための操作パネルを備え、この操作パネルを用いて加熱条件を設定して加熱調理を行なう加熱調理器が知られている。ここで、選択すると加熱調理器が自動的に加熱調理を行なう自動調理のレシピ情報は、加熱調理器の加熱条件と共に当該加熱調理器の記憶手段に記憶されており、操作パネルから特定の自動調理のレシピ情報を選択すると、そのレシピ情報に対応する加熱条件で加熱調理器が自動的に加熱調理を行なう。
【0003】
しかしながら加熱調理器の記憶手段には容量に制限があるため、この記憶手段に記憶される自動調理のレシピ情報の数も制限されてしまい、また新規の自動調理のレシピ情報をこの記憶手段に追加で記憶させることが困難であった。そこで本出願人は、通信部を備えた加熱調理器と、この通信部との無線通信を可能にする情報端末とを備え、当該情報端末により加熱条件の通信データを加熱調理器に送信して加熱調理を行なう加熱調理器システムを提案している(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-027705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の加熱調理器システムでは、例えば加熱調理器の調理室の庫内温度が90℃以上である場合、レンジ加熱において調理室の庫内温度が90℃以上では耐熱容器内の材料への影響が大きいために加熱できない構成になっている。また加熱調理器の加熱調理中は、情報端末により加熱条件の通信データを加熱調理器に送信しても加熱条件が受信できない構成になっている。そのため、情報端末により加熱条件の通信データを加熱調理器に送信しても加熱条件が受信できずに加熱調理器で加熱調理できない場合があるが、情報端末により送信したユーザは、加熱調理器が加熱条件を受信したかどうかを知る手段がない、という不満があった。
【0006】
そこで本発明は上記事情に鑑み、加熱調理器が加熱条件を受信したかどうかを知ることができる加熱調理器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被調理物を加熱調理する加熱調理器と、前記加熱調理器で加熱調理する料理メニューに関するレシピ情報を表示する情報端末と、を備え、前記加熱調理器と前記情報端末とがネットワークを介して接続される加熱調理器システムにおいて、前記加熱調理器は、前記被調理物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱する条件である加熱条件を設定する加熱条件決定手段と、前記加熱条件を表示する表示手段と、前記ネットワークを介して前記情報端末と通信を行なう通信手段と、を備え、前記情報端末は、前記ネットワークを介して前記加熱調理器と通信を行なう通信手段と、前記レシピ情報を表示するレシピ表示手段と、前記レシピ情報に前記加熱条件を組み入れて前記レシピ表示手段に表示させる加熱情報表示手段と、前記レシピ情報に組み入れられた前記加熱条件を前記通信手段で送信する加熱情報送信手段と、前記加熱情報送信手段が送信した結果を前記レシピ表示手段に表示させる送信結果表示手段と、を備え、前記情報端末が前記加熱情報送信手段で前記レシピ情報に組み入れられた加熱条件を送信したときに、当該加熱条件を前記加熱調理器が受信できた場合、前記送信結果表示手段は送信できた旨の情報を前記レシピ表示手段に表示させ、当該加熱条件を前記加熱調理器が受信できなかった場合、前記送信結果表示手段は送信できなかった旨の情報を前記レシピ表示手段に表示させ、前記情報端末が前記加熱情報送信手段で前記レシピ情報に組み入れられた加熱条件を送信するとき、当該加熱条件の送信前に前記加熱調理器の状態の情報を取得し、前記加熱情報送信手段は、取得した前記加熱調理器の状態の情報に基づき、前記加熱条件を送信するか否かを判断し、前記送信結果表示手段は、前記加熱情報送信手段の判断に応じて前記レシピ表示手段に表示させる内容を決定し、前記加熱調理器は、前記被調理物を内部に収容する調理室をさらに備え、前記加熱調理器の状態の情報は、前記調理室の庫内温度を含んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
発明によれば、ユーザが情報端末の加熱情報送信手段で加熱条件を送信した後でレシピ表示手段を確認すれば、レシピ表示手段に送信できた旨の情報または送信できなかった旨の情報がレシピ表示手段に表示されるので、加熱調理器が加熱条件を受信したか否かを速やかに確認することができる。
【0009】
発明によれば、ユーザが最新の加熱調理器の状態の情報を知ることができるため、ユーザが、この最新の加熱調理器の状態で加熱条件を再度送信するか否かを判断することができる。
【0010】
発明によれば、庫内温度が判定温度以上に高温である場合に、送信できなかった旨の情報をレシピ表示手段に表示させることができ、庫内温度が判定温度以上に高温である場合に出来が悪くなる調理の実施の禁止をユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態において、加熱調理器システムの概要を示す説明図である。
図2】同上、加熱調理器の正面図である。
図3】同上、加熱調理器の扉を開けた時の正面前方から見た図である。
図4】同上、加熱調理器の側面から見た縦断面図である。
図5】同上、加熱調理器のキャビネットやオーブン後板を外した状態の正面前方から見た図である。
図6】同上、側面から見たマイクロ波発生装置とその周辺の要部縦断面図である。
図7】同上、加熱調理器の主な電気的構成を示すブロック図である。
図8】同上、情報端末の正面図である。
図9】同上、情報端末の主な電気的構成を示すブロック図である。
図10】同上、サーバの主な電気的構成を示すブロック図である。
図11】同上、情報端末でブラウザソフトを立ち上げたときに表示部に表示されるレシピ情報を含むWebページを示す図である。
図12】同上、加熱条件送信時の流れを示すフロー図である。
図13】同上、情報端末の表示部の画面の変遷を示す図である。
図14】同上、加熱調理器の表示手段の画面の変遷を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態における加熱調理器システム100の全体構成を概略的に示したものである。同図において、1は被調理物の加熱調理を可能にした加熱調理器、2は無線端末となるアクセスポイントとしての無線LANルータであり、加熱調理器1は無線LANルータ2に接続されている。無線LANルータ2は、ここには図示しないネットワークへのアクセス手段としての機能を有し、無線LANルータ2を経由して、加熱調理器1と、ネットワークに接続するクラウド3上のサーバ4との間で、相互に各種データのやり取りを行なう構成となっている。なお本実施形態では、無線LANルータ2に接続するのは加熱調理器1のみであるが、本発明ではこれに限定されず、複数種類や同一種類の加熱調理器が無線LANルータ2に接続されてもよく、加熱調理機以外の機器、例えば冷蔵庫や洗濯機などが無線LANルータ2に接続されてもよい。この場合、これらの複数種類の加熱調理器や加熱調理機以外の機器はそれぞれ個々に独立した構成であり、無線LANルータ2との通信範囲で任意の場所に設置することができる。
【0017】
5は、加熱調理器1で加熱調理する料理メニューに関するレシピ情報の表示を可能にする情報端末、6は無線端末となるアクセスポイントであり、情報端末5はネットワークへのアクセス手段としての機能を有し、アクセスポイント6を経由して、情報端末5とサーバ4との間で、相互に各種データのやり取りを行なう構成となっている。なお無線LANルータ2とアクセスポイント6とが同一のものであってもよい。
【0018】
次に図2図7に基づいて、加熱調理器1となるオーブンレンジの構成を説明すると、11は略矩形箱状に構成される本体で、この本体11は、製品となるオーブンレンジの外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット12を備えている。また13は、本体1の前面に設けられ、前面の略全域を覆う開閉自在な扉である。
【0019】
扉13の上部には、縦開きの扉13を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル14を備えており、扉13の下部には、表示や報知や操作のための操作パネル部15を備えている。操作パネル部15は、設定内容や調理の進行状況などを表示する表示手段16の他に、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする操作手段17が配設される。
【0020】
操作手段17は、調理の開始を指示するための調理開始指示手段17aと、設定の取り消しや調理の中止を指示するための取消し指示手段17bと、料理メニューを選択するための料理メニュー選択手段17cと、加熱調理の調理工程を選択するための調理工程選択手段17dと、加熱調理における設定を手動で設定する手動加熱を選択するための手動加熱選択手段17eと、手動加熱の時間を設定するための手動時間設定手段17fと、で構成される。料理メニュー選択手段17cおよび手動時間設定手段17fは、ユーザが回転操作をすることにより各種設定を可能にするダイヤル18であり、状況に応じて料理メニューの選択と、手動加熱の時間の設定とで使い分けられるように、それぞれの機能を兼用している。また扉13の内部で操作パネル部15の後側には、図示しないが、表示手段16や操作手段17などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板が配置される。本体1の下部には、加熱調理器1と無線LANルータ2との間の無線通信を可能とする送受信部として搭載され、ネットワークを介して外部との情報交換を行なう、例えば通信モジュールなどの通信手段19が配設される。
【0021】
本体11の左右側面と上面を形成するキャビネット12は、本体11ひいてはオーブンレンジの底面を形成するオーブン底板21を覆うように、本体11の前面を形成するオーブン前板22と、本体11の後面を形成するオーブン後板23との間に設けられる。また本体11には、加熱調理すべき被調理物Sを内部に収容する調理室24と、調理室24の温度を検出する温度検出素子たるサーミスタ25が設けられる。調理室24の前面はオーブン前板22に達していて、被調理物Sを出し入れするために開口しており、この開口を扉13で開閉する構成となっている。また温度検出手段となるサーミスタ25は、調理室24内部において、扉3の近傍に配設される。
【0022】
調理室24の内面を形成する周壁は、天井壁24aと、底壁24bと、左側壁24cと、右側壁24dと、奥壁24eとからなる。調理室24の奥壁24eは、その中央に吸込み口26を備えており、吸込み口26の周囲には複数の吹出し口27を備えている。また、調理室24の上壁面となるドーム状の天井壁24aに対向して、本体11の上部には、調理室24の上方から被調理物Sを輻射加熱するグリル用の上ヒータ28が設けられ、本体1の底部には、調理室24内に電波であるマイクロ波を供給するために、マグネトロンを含むマイクロ波発生装置29が設けられる。これにより、上ヒータ28への通電に伴う熱放射によって、調理室24内に収容した被調理物Sを上方向からグリル加熱し、またマイクロ波発生装置29への通電動作により、調理室24内に収容した被調理物Sにマイクロ波を放射して、被調理物Sをレンジ加熱する構成となっている。
【0023】
調理室24の左側壁24cと右側壁24dには、調理室24の内部に金属製の角皿31を吊設状態で収納保持するために、左右一対の棚支え32を上下二段に備えている。ここで使用する角皿31は、上面を開口した有底凹状で、その他は無孔に形成される収容部31Aと、収容部31Aの上端より外側水平方向に延設されるフランジ部31Bとにより構成される。またフランジ部31Bには、角皿31を通して熱風の流通を可能にする通気孔31Cが開口形成される。図3では、調理室24の内部で下段の棚支え32に角皿31のフランジ部31Bを載せて、収容部31Aに被調理物Sを載せた状態を示しているが、調理に応じて角皿31を上段の棚支え32にだけ載せたり、2枚の角皿31を上段と下段の棚支え32に各々載せたりしてもよく、角皿31に代えて、焼き網(図示せず)などの別な付属品を収容保持してもよい。また上述したマイクロ波発生装置29によるレンジ加熱では、調理室24の内部に角皿31や焼き網などを入れずに、調理室24の内部で被調理物Sをレンジ加熱の可能な容器(図示せず)に入れて加熱調理することができる。
【0024】
34は、本体1の内部において、調理室24の室外後方から下方にかけて具備されるオーブン加熱用の熱風ユニットである。この熱風ユニット34は、被調理物Sの加熱手段として、奥壁24eに取付けられる凸状のケーシング36と、空気を加熱する熱風ヒータ37と、調理室24内に加熱した空気を送り込んで循環させる熱風ファン38と、熱風ファン38を所定方向に回転させる電動の熱風モータ39と、熱風モータ39からの駆動力を熱風ファン38に伝達する伝達機構40と、により概ね構成される。奥壁24eとケーシング36との間の内部空間として、調理室24の室外後方に形成された加熱室41には、熱風ヒータ37と熱風ファン38がそれぞれ配設される一方で、本体1の内部に形成された調理室24とオーブン底板21との間の下部空間42には、熱風モータ39が配設される。そして、熱風ユニット34全体を後側外方から覆うように、本体1の後部にオーブン後板23が配設される。
【0025】
本実施形態の熱風ファン38は、軸方向に取り入れた空気を、回転時の遠心力によって、軸方向と直角な放射方向に吐き出すいわゆる遠心ファンとして設けられており、管状の熱風ヒータ37は熱風ファン38の放射方向を取り囲んで配置される。発熱部でもある熱風ヒータ37は、例えばシーズヒータ、マイカヒータ、石英管ヒータやハロゲンヒータなどを用いる。前述した吸込み口26や熱風吹出し口27は、調理室24と加熱室41との間を連通する通風部として機能するものである。
【0026】
そして本実施形態では、熱風モータ39への通電に伴い熱風ファン38が回転駆動すると、調理室24の内部から吸込み口26を通して吸引された空気が、熱風ファン38の放射方向に吹出して、通電した熱風ヒータ37により加熱され、熱風が吹出し口27を通過して、調理室24内に供給される。これにより、調理室24の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室24内の被調理物Sを熱風コンベクション加熱する構成となっている。
【0027】
続いて、被調理物Sを加熱する加熱手段として、マイクロ波加熱手段としてのマイクロ波発生装置29と、その周辺の細部構造について説明する。調理室24の底壁24bは、金属板材44に形成された凹状のアンテナ収納部45の上面開口を、セラミック板などのマイクロ波が透過可能な底板46で覆うことで構成される。マイクロ波が透過不能な金属板材44は、底壁24bの周囲部のみならず、左側壁24cや、右側壁24dや、奥壁24eを一体的に形成するもので、底板46を除く調理室24の内面は、全てマイクロ波が透過不能な材料で形成される。
【0028】
マイクロ波発生装置29は、マイクロ波の供給源となるマグネトロン(図示せず)の他に、本体1内部の下部空間42において、マグネトロンで発振されたマイクロ波をアンテナ収納部45の直下に導く導波管47と、導波管47の下方に配設されるアンテナモータ48と、その下端部が導波管47の内部に配置され、アンテナモータ48の回転軸に取付け固定されるアンテナホルダ49と、アンテナホルダ49内に挿入固定される円柱状のケーブル軸50と、その中心にケーブル軸50の上端部が取付け固定され、アンテナ収納部45の内部で回動可能に設けられるアンテナ51と、により主に構成される。アンテナ収納部45の上面開口を底板46で塞いだ状態では、調理室24の底壁24bを形成する平板状の底板46に対向して、アンテナ51の全体が底板46と平行に配置される。
【0029】
図7は、上記の加熱調理器1の主な電気的構成を図示したものである。同図において、61は制御手段としてのマイクロコンピュータであり、このマイクロコンピュータ61は、メモリなどの記憶手段62の他にも、周知のように、演算処理手段としてのCPUや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
【0030】
マイクロコンピュータ61の入力ポートには、前述した操作手段17の他に、調理室24内の温度を検出するサーミスタ25などの温度検出手段64と、熱風モータ39の回転を検出する熱風モータ回転検出手段65と、扉3の開閉状態を検出する扉開閉検出手段66と、マイクロ波発生装置29を構成するアンテナ51の原点位置を検出するアンテナ位置検出手段67とが、それぞれ電気的に接続される。
【0031】
マイクロコンピュータ61の出力ポートには、前述した表示手段16や通信手段19の他に、マイクロ波発生装置29のマグネトロンやその駆動手段を含むマイクロ波加熱手段71と、グリル加熱用の上ヒータ28やオーブン加熱用の熱風ヒータ37をそれぞれ通断電させるリレーなどのヒータ加熱手段72と、調理室24内にマイクロ波を放射するアンテナ51を回転させるアンテナモータ48を駆動させるためのアンテナ駆動手段73と、熱風モータ39を回転駆動させるための熱風モータ駆動手段74と、図示しないブザーで調理の終了などを使用者に報知するためのブザー報知手段75が、それぞれ電気的に接続される。
【0032】
マイクロコンピュータ61は、操作手段17からの操作信号と、温度検出手段64や、熱風モータ回転検出手段65や、扉開閉検出手段66や、アンテナ位置検出手段67からの各検出信号とを受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、マイクロ波加熱手段71と、ヒータ加熱手段72と、アンテナ駆動手段73と、熱風モータ駆動手段74と、ポンプ駆動手段75に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段6に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶手段62に記録したプログラムを、マイクロコンピュータ61が読み取ることで実現している。
【0033】
記憶媒体62は、様々な加熱調理を実行するための被調理物Sの材料などを含む調理情報である料理メニューを記憶するための料理メニュー記憶手段77と、様々な加熱調理を実行するための本体1の加熱条件などを含む調理情報である調理工程を記憶するための調理工程記憶手段78と、本体1の識別情報を記憶するための識別情報記憶手段79とを備えている。マイクロコンピュータ61は、操作手段17の料理メニュー選択手段17cおよび調理工程選択手段17dが適宜操作されると、その中から選択された一乃至複数の料理メニューおよび調理工程を、これから加熱調理を行なう特定の料理メニューおよび調理工程として設定し、これらの料理メニューおよび調理工程に従う所定の手順で被調理物Sを自動的に加熱調理する構成となっている。またマイクロコンピュータ61は、操作手段17の手動加熱選択手段17e、調理工程選択手段17dおよび手動時間設定手段17dが適宜操作されると、設定されたグリル加熱、レンジ加熱、オーブン加熱などの調理工程および設定された時間で、被調理物Sを加熱調理する構成となっている。本体1の識別情報は本体1を識別するための固有の情報である。本実施形態では本体1の型番や製造番号を採用しており、この識別情報は本体1が工場から出荷されるまでの間に識別情報記憶手段78に記憶されるが、これに限定されない。
【0034】
次に上記構成の加熱調理器1について、その作用を詳しく説明する。予め調理室24内に被調理物Sを入れた状態で、ハンドル4を手で握りながら扉3を閉め、それと前後して、図示しない電源プラグをコンセントに差し込んで通電すると、本体1は加熱が行われていない切状態となる。ここで、操作手段7により特定の料理メニューおよび調理工程を選択操作した後に、調理開始指示手段17aを操作して被調理物Sの加熱調理開始を指示すると、マイクロコンピュータ61の記憶手段に組み込まれた制御プログラムに従って、選択した料理メニューおよび調理工程に対応して生成された制御信号が、マイクロコンピュータ61の出力ポートから所定のタイミングで出力され、被調理物Sが加熱調理される。
【0035】
ここで、例えばオーブン加熱のメニューを選択した場合、マイクロコンピュータ61は温度検出手段64からの検出信号を受けて、調理室24内が設定した温度に加熱されるように、ヒータ加熱手段72と熱風モータ駆動手段74に各々制御信号を送出し、熱風ヒータ37と熱風モータ39の通断電を制御する。これにより、熱風モータ39に発生した回転力が熱風ファン38に伝達し、熱風ファン38が加熱室41の内部で回転して、その回転速度が熱風モータ回転検出手段65によりマイクロコンピュータ61に取り込まれる。また熱風ファン38の回転により、調理室24から吸込み口26を通して加熱室41に吸込んだ空気を通電した熱風ヒータ37側に送り出し、ここで加熱された空気が吹出し口27を通して調理室24に熱風として供給することで、調理室24内の被調理物Sが熱風コンベクション加熱される。
【0036】
またレンジ調理のメニューを選択した場合、マイクロコンピュータ61は温度検出手段64からの検出信号を受けて、被調理物Sが設定した温度に加熱されるように、アンテナ位置検出手段67からの検出信号で、アンテナ51の原点位置を確認しながら、マイクロ波加熱手段71とアンテナ駆動手段73に適切な制御信号をそれぞれ送出する。これにより、マイクロ波発生装置29のマグネトロンやアンテナ51が動作して、回転するアンテナ51の表面から発生したマイクロ波が調理室24内に供給され、調理室24内の被調理物Sが高周波加熱される。
【0037】
さらに、グリル調理のメニューを選択した場合、マイクロコンピュータ61は温度検出手段64からの検出信号を受けて、調理室24内が設定した温度に加熱されるように、ヒータ加熱手段72により上ヒータ28の通断電を制御し、調理室24内の被調理物Sが上方向からグリル加熱される。
【0038】
図8および図9は、本実施形態における情報端末5の構成を示している。情報端末5は、例えば電話機能を付加したスマートフォンや、電話機能を有しないタブレットなどのユーザが保有する機器であり、少なくとも操作部81と、表示部82と、通信手段83と、出力部84と、端末制御部85とを備えている。操作部81は、ユーザからのタッチ操作が可能なタッチパネルなどで構成され、表示部82の前面に配置される。なお、このようなタッチパネルと共に、あるいはタッチパネルに代えて、ユーザからの押動操作が可能な押ボタンを操作部81としてもよい。また表示部82は、カラーの液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどで構成される。
【0039】
通信手段83は、アクセスポイント6を経由して、ネットワークを介して情報端末5とサーバ4との相互通信を可能とする送受信部として搭載される。なお、ここでのネットワークはインターネットであるが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、専用回線などを利用してもよい。出力部84は、情報端末5に予め組み込まれた内臓スピーカーなどで構成される。
【0040】
端末制御部85は周知のように、端末記憶手段86としてのメモリや演算処理手段としてのCPUを備えており、端末制御部85の機能を実現するためのプログラムを端末記憶手段86に記録し、これをCPUが読み出すことでその機能を実行する構成となっている。本実施形態では端末制御部85の端末記憶手段86に記録されるプログラムとして、プラグラム起動時に表示部82に表示された、加熱調理器1に対応する表示要素を操作部81で選択動作すると、その表示要素に対応する固有のURL(Uniform Resource Locator)情報から、ネットワークを介してサーバ4にアクセスし、そのURLに対応する固有のWeb(Wirld Wide Web)ページをサーバ4から取得して表示部82に表示させるブラウザソフトや、情報端末5の固有の識別情報、例えば電話番号、を記憶する識別情報記憶手段87を備えている。端末制御部85が機能するブラウザソフトは、単にWebページを表示部に表示させるだけでなく、サーバ4から送信された情報に従って、例えばアラームで報知するなど出力部84を作動させる出力制御部としての機能も有する。その他、情報端末5が備える様々な機能や構成については、本発明と直接的な関連性が薄いため説明を省略する。
【0041】
図10は、本実施形態におけるサーバ4の主な電気的構成を示している。サーバ4は、加熱調理器1に関する各種サービスを、前述したネットワークを介してユーザの情報端末5に提供するWebサーバとして構成され、ネットワークに接続して、無線LANルータ2やアクセスポイント6を介して加熱調理器1および情報端末5との間で情報の授受を行なう通信手段91と、メモリおよびCPUを備えたサーバ制御部92と、加熱調理器1や情報端末5に関する種々の情報を記憶蓄積するサーバ記憶手段93と、現在時刻を計時するカウンタとしての計時手段94と、を主に備えている。
【0042】
なお図1の本実施形態では、ユーザの保有する1台の情報端末5と1台の加熱調理器1とが、ネットワークを介してサーバ制御部92に接続した加熱調理器システム100の構成を示しているが、別なユーザが保有する情報端末5や加熱調理器1についても、ここでは図示しないが同様に、ネットワークを介してサーバ制御部92に接続される。そのため加熱調理器システム100では、個々のユーザがどの情報端末5と加熱調理器1とを利用しているのかを識別するために、ユーザが加熱調理器システム100の利用を開始する際に、識別番号記憶手段79から加熱調理器1の識別番号をサーバ制御部92に送信し、また識別情報記憶手段87から情報端末5の識別番号をサーバ制御部92に送信することにより、ユーザ自身が利用する情報端末5と加熱調理器1とを特定するそれぞれの識別情報を、サーバ記憶手段93の識別番号記憶手段95に予め記憶登録する構成となっている。
【0043】
サーバ制御部92は、予めメモリに記録したプログラムをCPUが読み出すことにより、後述するレシピ情報提供部98としての機能および調理工程提供部99としての機能を実行する構成となっている。また通信手段91と同様に、サーバ制御部92との間で各種の情報の授受が行われるサーバ記憶手段93には、前述した識別番号記憶手段95の他に、加熱調理器1の料理メニューに関するレシピ情報を記憶保存するレシピ情報記憶手段96と、加熱調理器1の調理工程に関する情報を記憶保存する調理工程記憶手段97と、がそれぞれ設けられる。
【0044】
図8に基づいて、レシピ情報記憶手段96に記憶するレシピ情報を説明すると、料理名96aや、メニューの完成状態を撮影した写真のデータ96bだけでなく、使用するすべての食材(材料)とその分量96cや、下準備や作り方や調理の注意点・ポイントなどを示す説明データ96d~96iを含んでいる。また調理工程記憶手段97に記憶する調理工程に関する情報を説明すると、加熱調理に使用する、例えばレンジ加熱、オーブン加熱、グリル加熱などの加熱の種類、出力、温度などを示すデータ97a~97cや加熱の時間を示すデータ97d,97eなどの加熱条件を含んでいる。そして本実施形態では情報端末5に調理工程に関する情報を表示する際は、これらの調理工程に関する情報に関連する説明データ96d,96g,96iと併せて表示される構成となっている。また調理工程に関する情報が併せて表示されている説明データ96d,96g,96iには、表示部82に表示された調理工程に関する情報のデータ97a~97eで、説明データ96d,96g,96iごとに加熱調理器1に加熱調理を開始させる「送信」の表示要素81a~81cも併せて表示される構成となっている。
【0045】
レシピ情報提供部98は、情報端末5でブラウザソフトが立ち上がったことを当該情報端末5からネットワークと通信手段91を順に通して受け取ると、レシピ情報記憶手段96に記憶される複数のレシピ情報を情報端末5に送信し、当該ブラウザソフトと連携して、料理メニューとして情報端末5の表示部82に表示させる機能を有する。またユーザにより、表示された複数の料理メニューから加熱調理器1で使用する料理メニューが選択されたことを当該情報端末5からネットワークと通信手段91を順に通して受け取ると、その選択された料理メニューに関する、レシピ情報記憶手段96に記憶されるレシピ情報のデータ96a~96jおよび調理工程記憶手段97に記憶される調理工程に関する情報97a~97eを情報端末5に送信し、ブラウザソフトと連携して、レシピ情報のデータ96a~96j、調理工程に関する情報のデータ97a~97eおよび「送信」の表示要素81a~81cを情報端末5の表示部82に表示させる機能を有する。このように構成することで、情報端末5の端末記憶手段86にレシピ情報を記憶させる必要がなく、そのためレシピ情報記憶手段96や調理工程記憶手段97に新規や追加のレシピ情報を記憶させ、不要なレシピ情報を削除することで、調理器システム100で使用可能なレシピ情報の追加や管理ができる。なお当該ブラウザソフトでは、調理工程に関する情報のデータ97a~97eが情報端末5の表示部82に表示されているとき、「送信」の表示要素81a~81cを選択操作する前に、情報端末5の操作部81で調理工程に関する情報のデータ97a~97eの内容を変更できる機能を有する。
【0046】
調理工程提供部99は、情報端末5で「送信」の表示要素81a~81cが選択操作されたことを当該情報端末5からネットワークと通信手段91を順に通して受け取ると、その選択操作された「送信」の表示要素81a~81cの関連する調理工程に関する情報のデータ97a~97eを加熱調理器1に送信する機能を有する。例えば、「送信」の表示要素81aが選択操作された場合は調理工程に関する情報のデータ97aおよび97dが加熱調理器1に送信され、「送信」の表示要素81bが選択操作された場合は調理工程に関する情報のデータ97bが加熱調理器1に送信され、「送信」の表示要素81cが選択操作された場合は調理工程に関する情報のデータ97cおよび97eが加熱調理器1に送信される。また前述されたようにブラウザソフトで調理工程に関する情報のデータ97a~97eの内容が変更された場合は、変更後の調理工程に関する情報のデータ97a~97eが加熱調理器1に送信される。
【0047】
次に図8図11図14を参照して、本実施形態の加熱調理器システム100に係る作用を詳しく説明する。
【0048】
情報端末5でブラウザソフトを立ち上げると、レシピ情報提供部98は、レシピ情報記憶手段96に記憶される複数のレシピ情報、例えばレシピ情報のデータ96k~96mを情報端末5に送信し、ブラウザソフトと連携して、例えば図11のように複数のレシピ情報を含むWebページを情報端末5の表示部82に表示させる。ここで、例えばレシピ情報のデータ96k~96mを選択操作する、レシピ情報のデータ96kをスワイプ操作して所望のレシピ情報のデータを選択操作する、「お気に入りレシピ」にレシピ情報のデータが登録されている場合はそのレシピ情報のデータを選択操作する、操作部81を用いて検索用の表示要素81dに文字などを入力後に「検索」の表示要素81eを選択操作してレシピ情報のデータを検索して選択操作する、などの操作を行なって所望のレシピ情報のデータを選択操作すると、レシピ情報提供部98は、その選択された料理メニューに関する、前述した図8の画面を情報端末5の表示部82に表示させる。なおレシピ情報の検索や選択については、本発明と直接的な関連性が薄いため説明を省略する。
【0049】
ここで、加熱条件である調理工程に関する情報を送信した場合の作用について、主に図12に基づいて説明する。ここでは図8に示すようにハンバーグの料理メニューを選択した場合を例に挙げており、サーバ4のレシピ情報提供部98がレシピ情報記憶手段96からハンバーグのレシピ情報を情報端末5に送信し、料理メニューとして情報端末5の表示部82に表示させている。
【0050】
図8では、作りかたの「1」である下準備を示す説明データ96dと併せて、「レンジ600W」という加熱の種類、出力を示すデータ97aおよび「2分」という加熱の時間を示すデータ97dおよび「送信」の表示要素81aが表示されており、データ97aおよび97dは操作部81を使用して適宜変更が可能である。なお加熱の種類、出力、温度などを示すデータ97a~97cは判定温度の情報も含まれており、この判定温度は、加熱条件に応じて加熱を禁止するために加熱条件を送信しない庫内温度の値が設定されている。ここで、説明データ96dの通りに材料を耐熱容器に入れ、この耐熱容器を調理室24に配置し、ハンドル14を手で握りながら扉13を閉めるとステップS1に移行する。
【0051】
ステップS1では、図13の(a)に示されるように、ユーザの手Hにより、説明データ96dに対応する「送信」の表示要素81aを選択操作するとステップS2に移行する。
【0052】
ステップS2では、表示部82の上に配設された操作部81から端末制御部85に操作信号が送信され、端末制御部85はこの操作信号を受信すると、通信手段83からネットワークおよび通信手段91を介してサーバ制御部92に加熱調理器1の状態の情報を要求する「状態要求」の信号を送信する。そして「状態要求」の信号を受信したサーバ制御部92は、マイクロコンピュータ61に「状態要求」の信号を送信する。この「状態要求」の信号が、通信手段91からネットワークおよび通信手段19を介してマイクロコンピュータ61が受信するとステップS3に移行する。
【0053】
ステップS3では、マイクロコンピュータ61が本体1の調理室24内の庫内温度の検出信号を温度検出手段64から受信する。またマイクロコンピュータ61は、操作手段7により料理メニューおよび調理工程が選択操作されているかを確認して加熱条件が設定された加熱条件設定状態か否かを判断し、また扉開閉検出手段66からの検出信号を受信して扉13が開かれているか否かを判断する。そしてマイクロコンピュータ61は、熱風モータ回転検出手段65や、扉開閉検出手段66や、アンテナ位置検出手段67からの各検出信号を受信し、また選択した料理メニューおよび調理工程に対応して生成された制御信号が、マイクロコンピュータ61の出力ポートから出力されているか否かを確認して、現在の本体1の加熱動作状態、例えば扉13が開いているか否か、グリル加熱、レンジ加熱、オーブン加熱を行なっているか否かを判断する。その後マイクロコンピュータ61は、庫内温度および判断結果の情報を「庫内温度、加熱条件設定状態、加熱動作状態、応答」の信号として、通信手段19からネットワークおよび通信手段91を介してサーバ制御部92に送信してステップS4に移行する。
【0054】
ステップS4では、応答の信号を受信したサーバ制御部92が、この応答の信号を端末制御部85に送信する。この応答の信号が、通信手段91からネットワークおよび通信手段83を介して端末制御部85が受信するとステップS5に移行する。
【0055】
ステップS5では端末制御部85が、ステップS2で「状態要求」の信号を送信してから一定の時間以内にステップS4で応答の信号を受信したか否かを判断する。ここで端末制御部85が、一定の時間以内にステップS4で応答の信号を受信したと判断すると、ステップS7に移行する。
【0056】
その一方で端末制御部85が、一定の時間以内にステップS4で応答の信号を受信されておらず、応答が一定時間戻ってこなかったと判断すると、加熱調理器1の本体11の電源が入っていない、またはネットワークの障害で通信ができないと判断し、ステップS6に移行する。ステップS6で端末制御部85は、ブラウザソフトと連携して、図13の(c-1)に示されるように、「通信できないため送信できませんでした」という通信障害で送信不可の表示要素82aをポップアップさせ、併せて表示要素82a以外の画面を暗くするように表示部82の表示を行なう。このように構成することにより、加熱調理器1と通信ができないということを、ユーザが情報端末5で知ることができる。表示要素82aの表示後、ステップS1に戻る。
【0057】
ステップS7では端末制御部85が、受信した応答における調理室24内の庫内温度の検出信号に基づいて、現在の加熱調理器1の調理室24の庫内温度が、「送信」の表示要素81aを選択操作したときの加熱条件で加熱調理できる判定温度以上であるか否かを判断する。ここで端末制御部85が、調理室24の庫内温度がこの加熱条件で加熱調理できる判定温度を下回っており、当該加熱条件で加熱調理できると判断すると、ステップS9に移行する。
【0058】
その一方で、例えば調理室24の庫内温度が90℃以上である場合、レンジ加熱において調理室24の庫内温度が90℃以上では耐熱容器内の材料への影響が大きいために加熱できない構成になっているため、端末制御部85は、「レンジ600W」という加熱の種類、出力を示すデータ97aでの加熱条件では加熱調理できないと判断する。また例えば、レシピ情報のデータ96aがパンなどの発酵である場合、調理室24の庫内温度が60℃以上になってしまうとイースト菌が死んでしまうため、調理室24の庫内温度が判定温度である60℃以上の場合、端末制御部85は、この加熱条件で加熱調理できる判定温度以上であり、当該加熱条件では加熱調理できないと判断する。これらの場合はステップS8に移行し、端末制御部85がブラウザソフトと連携して、図13の(c-2)に示されるように、「庫内が高温のため送信できませんでした」という高温で送信不可の表示要素82bをポップアップさせ、併せて表示要素82b以外の画面を暗くするように表示部82の表示を行なう。このように構成することにより、庫内温度が判定温度以上に高温である場合に出来が悪くなる調理の実施の禁止をユーザに知らせることができる。表示要素82bの表示後、ステップS1に戻る。
【0059】
なお例えば、説明データ96iに示されるように予熱終了後にオーブン加熱を行なう加熱工程である場合などでは、端末制御部85が、受信した応答における調理室24内の庫内温度の検出信号に基づいて、現在の加熱調理器1の調理室24の庫内温度が、「送信」の表示要素81aを選択操作したときの加熱条件で加熱調理できる判定温度以下であるか否かを判断するように構成してもよい。この場合、判定温度以下であると判断されたときにステップ7でポップアップする表示要素82bは、「庫内が低温のため送信できませんでした」という低温で送信不可の表示要素で表示される。
【0060】
ステップS9では端末制御部85が、受信した応答における判断結果の情報に基づいて、現在の加熱調理器1が加熱条件設定状態であるか否かを判断し、扉13が開かれているか否かを判断し、そして加熱動作状態であるか否かを判断する。ここで端末制御部85が、加熱調理器1は加熱条件が設定されておらず加熱条件設定状態ではないと判断し、扉13が開かれていないと判断し、そして加熱調理器1が加熱動作状態ではないと判断すると、ステップS11に移行する。
【0061】
その一方で端末制御部85が、加熱調理器1は加熱条件が設定されており加熱条件設定状態である、扉13が開かれている状態である、加熱調理器1が加熱動作状態である、のいずれかの状態であると判断すると、端末制御部85は、現在、加熱調理器1が別のユーザに使用されている、または加熱調理器1がすでに加熱調理中であると判断してステップS10に移行し、端末制御部85がブラウザソフトと連携して、図13の(c-3)に示されるように、「レンジを使用中のため送信できませんでした」という使用中で送信不可の表示要素82cをポップアップさせ、併せて表示要素82c以外の画面を暗くするように表示部82の表示を行なう。このように構成することにより、現在、加熱調理器1で操作している別のユーザを優先することができ、ユーザが情報端末5で加熱調理器1の別の設定を行なうことを防止することができる。また加熱調理器1がすでに加熱調理中である場合、加熱調理器1は別の加熱調理ができないため、加熱条件を送信しても加熱調理器1が受信できないということを、ユーザが情報端末5で知ることができる。表示要素82cの表示後、ステップS1に戻る。
【0062】
ステップS11では、端末制御部85が通信手段83からネットワークおよび通信手段91を介してサーバ制御部92に、説明データ96dに対応する「レンジ600W」という加熱の種類、出力を示すデータ97aおよび「2分」という加熱の時間を示すデータ97dを加熱条件として送信する。そして、これらのデータ97aおよび97dを受信したサーバ制御部92の調理工程提供部99は、加熱条件である調理工程に関する情報のデータとして、これらのデータ97aおよび97dを加熱調理器1に送信する。これらのデータ97aおよび97dが、通信手段91からネットワークおよび通信手段19を介してマイクロコンピュータ61が受信するとステップS12に移行する。
【0063】
ステップS12ではマイクロコンピュータ61が、受信した加熱条件である調理工程に関する情報のデータ97aおよび97dに基づいて、「レンジ600W」で「2分」加熱調理を行なうための設定を行なう。そしてマイクロコンピュータ61は、図14の(a)に示されるような「0」のみの表示から、図14の(b)に示されるような、「600W」「2分00秒」の表示に加えて、「レンジ」の表示要素16a、レンジ加熱のときに表示される「金属×」の表示要素16bおよびマイクロ波の表示要素16cの表示に切り換えるように表示手段16を制御する。設定が完了して表示手段16の表示を切り換えた後、ステップS13に移行する。
【0064】
ステップS13ではマイクロコンピュータ61が、「加熱条件設定完了、応答」の信号を通信手段19からネットワークおよび通信手段91を介してサーバ制御部92に送信する。その後、ステップS14に移行する。
【0065】
ステップS14では、応答の信号を受信したサーバ制御部92が、この応答の信号を端末制御部85に送信する。この応答の信号が、通信手段91からネットワークおよび通信手段83を介して端末制御部85が受信するとステップS15に移行する。
【0066】
ステップS15では端末制御部85が、ステップS11でデータ97aおよび97dを送信してから一定の時間以内にステップS14で応答の信号を受信したか否かを判断する。ここで端末制御部85が、一定の時間以内にステップS14で応答の信号を受信したと判断すると、ステップS16に移行する。
【0067】
その一方で端末制御部85が、一定の時間以内にステップS14で応答の信号を受信されておらず、応答が一定時間戻ってこなかったと判断すると、加熱調理器1の本体11の電源が入っていない、またはネットワークの障害で通信ができないと判断し、ステップS17に移行する。ステップS17で端末制御部85は、ブラウザソフトと連携して、図13の(c-1)に示されるように、「通信できないため送信できませんでした」という通信障害で送信不可の表示要素82aをポップアップさせ、併せて表示要素82a以外の画面を暗くするように表示部82の表示を行なう。このように構成することにより、加熱調理器1が調理工程に関する情報のデータ97a~97eを受信していないことをユーザが速やかに確認することができ、また加熱調理器1と通信ができないということを、ユーザが情報端末5で知ることができる。表示要素82aの表示後、ステップS1に戻る。
【0068】
ステップS16では、端末制御部85がブラウザソフトと連携して、図13の(b)に示されるように、「送信しました」という加熱開始準備完了の表示要素82dをポップアップさせ、併せて表示要素82b以外の画面を暗くするように表示部82の表示を行なう。このように構成することで、加熱調理器1が調理工程に関する情報のデータ97a~97eを受信したことをユーザが速やかに確認することができる。その後、加熱調理器1の調理開始指示手段17aを押圧操作すると、加熱調理器1ではステップS12で加熱条件の設定が完了しているため、加熱調理器1で600Wのレンジ加熱を2分行なう加熱調理が開始される。このときマイクロコンピュータ61は、図14の(c)に示されるように「レンジ」の表示要素16aおよびマイクロ波の表示要素16cを点滅させるように表示手段16を制御し、加熱調理器1が加熱中であることを示している。
【0069】
その後ユーザが、作りかたの「1」である説明データ96dと同様に、作りかたの「2」~「7」である説明データ96e~96iに順番に従って作業を進め、料理のメニューであるハンバーグの調理を完成させる。
【0070】
以上のように本実施形態の加熱調理器システム100は、被調理物Sを加熱調理する加熱調理器1と、加熱調理器1で加熱調理する料理メニューに関するレシピ情報を表示する情報端末5と、加熱調理器1と情報端末5とを接続するネットワークおよび当該ネットワークに接続するクラウド3上のサーバ4と、を備え、加熱調理器1は、被調理物Sを加熱する加熱手段としてのマイクロ波加熱手段71、ヒータ加熱手段72、アンテナ駆動手段73および熱風モータ駆動手段74と、マイクロ波加熱手段71、ヒータ加熱手段72、アンテナ駆動手段73および熱風モータ駆動手段74で加熱する条件である加熱条件を含む調理情報である調理工程を設定する加熱条件決定手段としてのマイクロコンピュータ61と、加熱条件を表示する表示手段16と、ネットワークを介して情報端末5の通信手段83と通信を行なう通信手段19と、を備え、情報端末5は、ネットワークを介して加熱調理器1の通信手段19と通信を行なう通信手段83と、レシピ情報を表示するレシピ表示手段としての表示部82と、レシピ情報に加熱条件としての調理工程に関する情報のデータ97a~97eを組み入れて表示部82に表示させる加熱情報表示手段としての端末制御部85およびブラウザソフトと、調理工程に関する情報のデータ97a~97eを通信手段83で送信する加熱情報送信手段としての端末制御部85と、端末制御部85が送信した結果を表示させる送信結果表示手段としての端末制御部85およびブラウザソフトと、を備え、情報端末5が端末制御部85で調理工程に関する情報のデータ97a~97eを送信したときに、調理工程に関する情報のデータ97a~97eを加熱調理器1が受信できた場合、端末制御部85およびブラウザソフトは送信できた旨の情報である加熱開始準備完了の表示要素82dを表示部82に表示し、調理工程に関する情報のデータ97a~97eを加熱調理器1が受信できなかった場合、端末制御部85およびブラウザソフトは送信できなかった旨の情報である通信障害で送信不可の表示要素82aを表示部82に表示するように構成される。
【0071】
この場合、ユーザが情報端末5の操作部81で「送信」の表示要素81aを選択操作した後で表示部82を確認すれば、表示部82に加熱開始準備完了の表示要素82dまたは通信障害で送信不可の表示要素82aが表示されるので、加熱調理器1が調理工程に関する情報のデータ97a~97eを受信したか否かを速やかに確認することができる。
【0072】
また本実施形態の加熱調理器システム100は、情報端末5が端末制御部85で調理工程に関する情報のデータ97a~97eを送信するとき、調理工程に関する情報のデータ97a~97eの送信前に加熱調理器1の状態の情報である「庫内温度、加熱条件設定状態、加熱動作状態、応答」の信号を取得し、端末制御部85は、取得した「庫内温度、加熱条件設定状態、加熱動作状態、応答」の信号の情報に基づき、調理工程に関する情報のデータ97a~97eを送信するか否かを判断し、端末制御部85およびブラウザソフトは、端末制御部85の判断に応じて、表示させる内容である、高温で送信不可の表示要素82b、または使用中で送信不可の表示要素82bのどちらを表示部82に表示させるかを決定するように構成される。
【0073】
この場合、ユーザが最新の加熱調理器1の状態の情報を知ることができるため、ユーザが、この最新の加熱調理器1の状態で、調理工程に関する情報のデータ97a~97eを再度送信するか否かを判断することができる。
【0074】
また本実施形態では、加熱調理器1が被調理物Sを内部に収容する調理室24をさらに備えており、「庫内温度、加熱条件設定状態、加熱動作状態、応答」の信号の情報は調理室24の庫内温度を含むように構成される。そのため庫内温度が判定温度以上に高温である場合に、高温で送信不可の表示要素82bを表示部82に表示させることができ、例えばレンジ加熱において調理室24の庫内温度が90℃以上の場合など、庫内温度が判定温度以上に高温である場合に出来が悪くなる調理の実施の禁止をユーザに知らせることができる。
【0075】
また本実施形態では、「庫内温度、加熱条件設定状態、加熱動作状態、応答」の信号の情報は加熱調理器1の加熱条件の設定状態を含んでおり、他のユーザが加熱調理器1の操作手段7により料理メニューおよび調理工程を選択操作しているときに、ユーザが情報端末5で加熱調理器1の別の設定を行なうことを防止することができる。
【0076】
また本実施形態では、「庫内温度、加熱条件設定状態、加熱動作状態、応答」の信号の情報は加熱調理器1の加熱動作の状態を含んでおり、加熱調理器1がすでに加熱調理中である場合、加熱条件を送信しても加熱調理器1が受信できないということを、ユーザが情報端末5で知ることができる。
【0077】
また本実施形態では、情報端末5の端末制御部85が「状態要求」の信号を送信した後で、一定の時間内に「庫内温度、加熱条件設定状態、加熱動作状態、応答」の信号を取得できない場合、端末制御部85は加熱調理器1の電源が入っていないため、またはネットワークの障害のために加熱調理器1と通信ができないと判断して、表示部82に通信障害で送信不可の表示要素82a表示させるように構成される。
【0078】
この場合、加熱調理器1と通信ができないということを、ユーザが情報端末5で知ることができる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、ステップS6、S8、S10、S16およびS17で、端末制御部85が表示要素82a~82dを表示部82の表示させるときに、併せて出力部84からアラームなどの音声で報知するように端末制御部85およびブラウザソフトを構成してもよい。またステップS12でマイクロコンピュータ61が加熱調理を行なうための設定を完了した後に、そのまま加熱調理器1の加熱調理が開始され、加熱調理器1の調理開始指示手段17aの操作を不要にしてもよい。そして図8に示された、「送信」の表示要素81aが選択操作される前に作りかたの「4」や「7」の説明データ96gや96iと併せて表示された「送信」の表示要素81bや81cが選択操作された場合、端末制御部85は、作りかたの「1」~「7」が順番に作業されていないと判断して、注意喚起の表示要素をポップアップさせるように表示部82の表示を制御してもよい。さらに本実施形態の各部の構成や形状は、図示したものに限定されず、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 加熱調理器
5 情報端末
3 クラウド(ネットワーク)
4 サーバ(ネットワーク)
16 表示手段
19 通信手段
24 調理室
61 マイクロコンピュータ(加熱条件決定手段)
71 マイクロ波加熱手段(加熱手段)
72 ヒータ加熱手段(加熱手段)
73 アンテナ駆動手段(加熱手段)
74 熱風モータ駆動手段(加熱手段)
82 表示部(レシピ表示手段)
82a 送信不可の表示要素(送信できなかった旨の情報)
82d 加熱開始準備完了の表示要素(送信できた旨の情報)
83 通信手段
85 端末制御部(加熱情報表示手段、加熱情報送信手段、送信結果表示手段)
97a~97e 調理工程に関する情報のデータ(加熱条件)
100 加熱調理器システム
S 被調理物
図1
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