(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】情報入力装置及びその撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20210101AFI20240304BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240304BHJP
H01H 25/00 20060101ALI20240304BHJP
H01H 89/00 20060101ALI20240304BHJP
G06F 3/0338 20130101ALI20240304BHJP
【FI】
G03B17/02
H04N23/50
H01H25/00 E
G06F3/0338 412
(21)【出願番号】P 2020019729
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】菊池 裕介
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134899(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02458608(EP,A1)
【文献】特開2004-014158(JP,A)
【文献】特開2012-243652(JP,A)
【文献】特開2000-137538(JP,A)
【文献】特表2018-510451(JP,A)
【文献】特開2005-158315(JP,A)
【文献】特開2005-197037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
H01H 25/00 - 25/06
G06F 3/033- 3/039
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作が可能な環状の回転操作部材と、
前記回転操作部材の回転軸と直交する面内において複数方向への傾倒する傾倒操作部材と、
前記傾倒操作部材による傾倒操作を検出する傾倒検出手段と、
前記回転操作部材の回転軸を中心とする回転動作を検知するための回転検知手段と、
を備えた情報入力装置において、
前記傾倒操作部材は、前記回転操作部材の回転軸方向に延在するように形成され、
前記傾倒操作部材の操作面は、前記回転操作部材の回転操作面の環形状の内側に配置され、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転操作部材は、前記傾倒操作部材と対向するように、前記回転操作部材の環形状の内周側に前記回転操作部材の回転軸に対して傾いた第一の斜面が形成され、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記第一の斜面は、前記回転軸方向について前記回転検知手段から離れるに従い、前記回転操作部材の回転軸から離れていき、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転操作部材は、前記第一の斜面の前記回転検知手段の端部に前記回転軸方向について前記回転検知手段から離れるに従い、前記回転操作部材の回転軸から近づいていく第二の斜面が形成され、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記第二の斜面の内側の前記操作面側の端部は、前記傾倒操作部材の径方向の外縁の端部より前記回転軸側に位置し、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転軸方向について前記第二の斜面の前記操作面側の端部は、前記第一の斜面の前記操作面側の端部及び
前記傾倒操作部材の操作面よりも低く、前記傾倒操作部材の前記回転検知手段の側の端部より高く、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記傾倒操作部材を傾倒操作した状態において、前記第二の斜面の内側の端部は、前記傾倒操作部材の径方向の外縁の端部より前記回転軸側に位置しており、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転軸方向について前記傾倒操作部材の傾倒操作面の外縁部から前記回転検知手段の側に向かって延伸する弾性部材を備え、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記傾倒操作部材を傾倒操作しない状態において、前記弾性部材の前記回転検知手段の側の端部は、前記第二の斜面に対して、前記回転軸方向について隙間を有し、
前記傾倒操作部材を傾倒操作した状態において、前記弾性部材の前記回転検知手段の側の端部は、前記第二の斜面に対して接触して圧縮されることで、前記第二の斜面の内側の先端は、前記傾倒操作部材の内縁部に接触せず、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記傾倒操作部材を傾倒操作しない状態において、前記第二の斜面の内側の端部は、前記傾倒操作部材の内縁部に対して、前記回転軸方向について隙間を有することを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報入力装置と、前記情報入力装置へ入力される操作に応じた制御を行う制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラやビデオカメラ等の撮像装置に備え付ける各種情報入力を行う入力装置に関し、特に、傾倒操作による多方向入力が可能な情報入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラおよびビデオカメラ等の電子機器には、多様な操作部材が求められる。
【0003】
例えば静止画や動画等の撮影時の各種設定項目を選択する操作部材として、回転操作可能な回転ダイヤルおよび多方向に傾倒可能な傾倒スイッチを設けたものがある。
【0004】
関連する技術として特許文献1の情報入力装置が提案されている。
【0005】
図7は、特許文献1の情報入力装置701を搭載した電子機器700を示す外観図である。
【0006】
情報入力装置701は、回転操作部材702および傾倒操作部材703の2種類の操作部材で構成される。
【0007】
特許文献1の情報入力装置701では、回転操作部材702を円環形状とし、この回転操作部材702の中心位置に、傾倒させて情報を入力することが可能な円形状の傾倒操作部材703を備える。
【0008】
これにより、2種類の情報を入力することが可能な情報入力装置701を、右手親指で操作できるだけの大きさを確保しつつ、電子機器700に対して配置することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、前述のカメラおよびビデオカメラ等の電子機器は小型化が進んでおり、電子機器に搭載される操作部材に対しても、従来の回転操作と傾倒操作の2つの操作が可能、かつ小型化することが求められる。
【0011】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、回転操作と傾倒操作の2つの操作が可能であることと小型化の2つの要求を両立することが困難であり、
図7を参照して理由を説明する。
【0012】
704は、LCD等の表示装置であり、電子機器700の各種機能やパラメータ設定、画像の再生、情報表示を行う。
【0013】
表示装置704は、その視認性を確保するため大きいことが望ましい。
【0014】
そのため、電子機器700を小型化、特にX方向に小型化する場合、一点鎖線で示される各種操作部材の配置可能範囲Sを狭める必要があるので、撮影時の各種機能やパラメータ設定を選択する操作部材は、小型化する必要がある。
【0015】
情報入力装置701を小型化すると、傾倒操作部材703の操作面が小さくなり、傾倒操作部材703を傾倒操作する際にユーザーの指が回転操作部材702に接触しやすくなる。
【0016】
ユーザーの指が回転操作部材702に接触すると、傾倒操作が阻害されてしまうため、情報入力装置701の操作性は悪化する。
【0017】
よって、特許文献1に示す情報入力装置701の構成では、回転操作と傾倒操作の2つの操作が可能、かつ小型化することが困難である。
【0018】
そこで、本発明の目的は、回転操作と傾倒操作の2つの操作が可能、かつ小型化が可能な情報入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明は、回転操作が可能な環状の回転操作部材と、
前記回転操作部材の回転軸と直交する面内において複数方向への傾倒する傾倒操作部材と、
前記傾倒操作部材による傾倒操作を検出する傾倒検出手段と、
前記回転操作部材の回転軸を中心とする回転動作を検知するための回転検知手段と、
を備えた情報入力装置において、
前記傾倒操作部材は、前記回転操作部材の回転軸方向に延在するように形成され、
前記傾倒操作部材の操作面は、前記回転操作部材の回転操作面の環形状の内側に配置され、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転操作部材は、前記傾倒操作部材と対向するように、前記回転操作部材の環形状の内周側に前記回転操作部材の回転軸に対して傾いた第一の斜面が形成され、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記第一の斜面は、前記回転軸方向について前記回転検知手段から離れるに従い、前記回転操作部材の回転軸から離れていき、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転操作部材は、前記第一の斜面の前記回転検知手段の端部に前記回転軸方向について前記回転検知手段から離れるに従い、前記回転操作部材の回転軸から近づいていく第二の斜面が形成され、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記第二の斜面の内側の前記操作面側の端部は、前記傾倒操作部材の径方向の外縁の端部より前記回転軸側に位置し、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転軸方向について前記第二の斜面の前記操作面側の端部は、前記第一の斜面の前記操作面側の端部及び前記傾倒操作部材の操作面よりも低く、前記傾倒操作部材の前記回転検知手段の側の端部より高く、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記傾倒操作部材を傾倒操作した状態において、前記第二の斜面の内側の端部は、前記傾倒操作部材の径方向の外縁の端部より前記回転軸側に位置しており、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記回転軸方向について前記傾倒操作部材の傾倒操作面の外縁部から前記回転検知手段の側に向かって延伸する弾性部材を備え、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記傾倒操作部材を傾倒操作しない状態において、前記弾性部材の前記回転検知手段の側の端部は、前記第二の斜面に対して、前記回転軸方向について隙間を有し、
前記傾倒操作部材を傾倒操作した状態において、前記弾性部材の前記回転検知手段の側の端部は、前記第二の斜面に対して接触して圧縮されることで、前記第二の斜面の内側の先端は、前記傾倒操作部材の内縁部に接触せず、
前記回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、前記傾倒操作部材を傾倒操作しない状態において、前記第二の斜面の内側の端部は、前記傾倒操作部材の内縁部に対して、前記回転軸方向について隙間を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、回転操作と傾倒操作の2つの操作が可能、かつ小型化が可能な情報入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】(a)本発明の第1の実施形態による情報入力装置を搭載した電子機器の外観図。(b)本発明の第1の実施形態による情報入力装置を搭載した電子機器の構成図。
【
図2】本発明の第1の実施形態による情報入力装置の分解斜視図。
【
図3】(a)本発明の第1の実施形態による情報入力装置の断面図。(b)本発明の第1の実施形態による情報入力装置を傾倒操作した様子を示す断面図。
【
図4】本発明の第2の実施形態による情報入力装置の断面図。
【
図5】(a)防塵構成を備えた操作部材の一例(インロー構成)の断面図。(b)
図5(a)のキートップを傾けた場合を示す断面図。
【
図6】(a)防塵構成を備えた操作部材の一例(ゴムでチャージ構成)の断面図。(b)
図6(a)のキートップを傾けた場合を示す断面図。
【
図7】特許文献1の情報入力装置を搭載した電子機器を示す外観図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
以下、
図1から
図3を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0024】
(デジタルカメラの外観図)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態による情報入力装置200を搭載した電子機器の外観図である。
【0025】
本発明における電子機器は、一例としてデジタルカメラとし、以下、電子機器をカメラ100と称する。
【0026】
図1(a)は、カメラ100を背面側から見た図である。
【0027】
本実施例の情報入力装置200は、回転操作系215および傾倒操作系214で構成される。
【0028】
回転操作系215および傾倒操作系214は、カメラの各種機能やパラメータを設定するために用いられる。
【0029】
(ブロック図)
図1(b)は、カメラ100およびレンズユニット150の構成を示すブロック図である。
【0030】
レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。
【0031】
図1(b)において、1枚のレンズ155が示されているが、レンズ155は複数枚であってもよい。
【0032】
通信端子6はレンズユニット150がカメラ100側と通信を行うために設けられている。
【0033】
通信端子10はカメラ100がレンズユニット150側と通信を行うために設けられている。
【0034】
レンズユニット150は、通信端子6および通信端子10を介してシステム制御部50と通信する。
【0035】
そして、レンズシステム制御回路154は、駆動回路152を介して絞り151の制御を行い、AF駆動回路153を介してレンズ155の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0036】
次に、カメラ100の内部構成について説明する。
【0037】
図1(b)において、表示部28は、画像やカメラ100の各種設定を表示する背面モニタである。
【0038】
表示部28は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の任意のディスプレイであってよい。
【0039】
ユーザーは、回転操作系215および傾倒操作系214を操作することで、表示部28に表示された画像を送る、またカメラ100の各種設定を変更することができる。
【0040】
表示部28は、タッチ操作を検出することが可能なタッチパネル70aが一体となって構成される。
【0041】
タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルを適用可能である。
【0042】
方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式ものがあるが、いずれの方式が適用されてもよい。
【0043】
ファインダ16は、レンズユニットを通して得られた被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型の接眼ファインダである。
【0044】
ユーザーは、ペンタプリズム14とファインダ16とを介して、フォーカシングスクリーン13上に結像した像を観察することで、レンズユニット150を通して得られた被写体の光学像の焦点状態や構図を確認できる。
【0045】
ファインダ16には、撮像部22で得られた画像信号を表示する電子ビューファインダ(EVF)が適用されてもよい。
【0046】
この場合、フォーカシングスクリーン13およびペンタプリズム14を省略することができる。
【0047】
また、ファインダ16の内部のファインダ内表示部41を駆動するファインダ内表示部駆動回路42が、システム制御部50に接続されている。
【0048】
AEセンサ17は、レンズユニット150、クイックリターンミラー(ミラー12)を介してフォーカシングスクリーン13上に結像した被写体の輝度を測光する。
【0049】
焦点検出部11は、ミラー12を介して入射する像を撮像し、システム制御部50にデフォーカス量を示す情報を出力する位相差検出方式のオートフォーカスセンサである。
【0050】
以下、オートフォーカスを「AF」と表記することがある。
【0051】
システム制御部50は、デフォーカス量を示す情報に基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。
【0052】
AFの方法は、位相差AFでなくてもよく、例えば、コントラストAFでもよい。
【0053】
また、位相差AFは、焦点検出部11を用いずに、撮像部22の撮像面で検出されたデフォーカス量に基づいて行われてもよい(撮像面位相差AF)。
【0054】
ミラー12は、露光やライブビュー撮影、動画撮影等の際にシステム制御部50から指示に基づいて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。
【0055】
ミラー12は、レンズ155から入射した光束をファインダ16側と撮像部22側とに切替えるためのミラーである。
【0056】
ミラー12は、通常時は、ファインダ16へと光束を導くよう反射させるように配置されている。
【0057】
撮影が行われる場合やライブビュー表示が行われる場合には、ミラー12は、撮像部22へと光束を導くように上方に跳ね上がり光束中から待避する(ミラーアップ)。
【0058】
また、ミラー12は、中央部が光の一部を透過できるようにハーフミラーとなっており、光束の一部を、焦点検出を行うための焦点検出部11に入射するように透過させる。
【0059】
フォーカルプレーンシャッタ(シャッタ21)は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を制御するために用いられる。
【0060】
撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。
【0061】
A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0062】
画像処理部24は、A/D変換器23が出力したデータ(デジタル信号のデータ)、またはメモリ制御部15が出力したデータに対し所定の処理を行う。
【0063】
所定の処理としては、例えば、画素補間や縮小といったリサイズ処理や色変換処理等がある。
【0064】
また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。
【0065】
システム制御部50は、演算結果に基づいて露光制御や測距制御等を行う。
【0066】
これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。
【0067】
また、画像処理部24は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。
【0068】
演算処理により得られる演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理が行われる。
【0069】
メモリ32は、撮像部22が撮像した画像データ(A/D変換器23により変換されたデジタルデータ)や、表示部28に表示するための画像データを記憶する。
【0070】
メモリ32は、所定枚数の静止画像、所定時間の動画像および音声データを記憶するための十分な記憶容量を有している。
【0071】
メモリ32は、メモリカード等の着脱可能な記録媒体でも、内蔵メモリであってもよい。
【0072】
D/A変換器19は、メモリ32に記憶されている画像表示用データをデジタル信号からアナログ信号に変換して表示部28に出力する。
【0073】
これにより、表示部28に画像が表示される。
【0074】
姿勢検出部55は、カメラ100の角度による姿勢を検出するためのセンサである。
【0075】
不揮発性メモリ56は、システム制御部50によって電気的に消去および記録をすることが可能なメモリであり、例えばEEPROM等が適用される。
【0076】
不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、カメラ100を動作させるためのプログラム等が記憶される。
【0077】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサを内蔵し、カメラ100全体を制御する。
【0078】
システム制御部50のプロセッサが、不揮発性メモリ56に記憶されているプログラムを実行することで、カメラ100の各種制御が行われる。
【0079】
システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数や変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。
【0080】
また、システム制御部50は、メモリ32やD/A変換器19、表示部28等を制御することで表示制御も行う。
【0081】
システムタイマ53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測するタイマである。
【0082】
モード切り替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを、複数のモード(静止画撮影モードや動画撮影モード等)のうち何れかかに切り替えるために用いられるスイッチである。
【0083】
静止画撮影モードには、Pモード(プログラムAE)やMモード(マニュアルモード)等が含まれる。
【0084】
モード切り替えスイッチ60でメニュー画面に一旦切り換えが行われた後に、メニュー画面に含まれるこれらのモードのうち何れかに、切り替えられるような構成を採用することもできる。
【0085】
同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0086】
Mモードでは、絞り数値やシャッター速度、ISO感度をユーザーが設定でき、ユーザーによる設定の露出で撮影が行われる。
【0087】
シャッターボタン103は、撮影指示を行うための指示部である。
【0088】
第1シャッタースイッチ62は、カメラ100に設けられたシャッターボタン103の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。
【0089】
第1シャッタースイッチ信号SW1が発生すると、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作が開始する。
【0090】
また、AEセンサ17による測光も行われる。
【0091】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン103の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。
【0092】
第2シャッタースイッチ信号SW2が発生すると、システム制御部50は、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体90に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0093】
電源スイッチ72は、カメラ100の電源をONとOFFとに切り替える操作部材である。
【0094】
電源制御部83は、電池検出回路やDC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成される。
【0095】
電源制御部83は、電池の装着の有無や電池の種類、電池残量の検出等を行う。
【0096】
また、電源制御部83は、検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体90を含む各部へ供給する。
【0097】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、或いはNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0098】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体90とのインターフェースである。
【0099】
記録媒体90は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0100】
(情報入力装置200の分解斜視図)
図2は、本発明の第1の実施形態による情報入力装置200の分解斜視図である。
【0101】
本実施例の情報入力装置200の回転操作系215は、回転ダイヤル202および支持部材210、遮光板207、プリント配線板209に実装された一対のフォトインタラプタ208で構成される。
【0102】
回転ダイヤル202は、円環状に形成され、回転する操作部材としてカメラ100に設けられる。
【0103】
支持部材210は、回転ダイヤル202を回転可能に支持するための支持部材である。
【0104】
遮光板207は、支持部材210の裏面側に固定され、回転ダイヤル202および支持部材210と一体となって回転する。
【0105】
回転ダイヤル202の下部には、プリント配線板209が配置されており、プリント配線板209には、透過型光センサとして一対のフォトインタラプタ208および可動スイッチ206が実装されている。
【0106】
遮光板207は、その回転に伴ってフォトインタラプタ208を遮光状態または非遮光状態にする遮光壁207aが設けられている。
【0107】
フォトインタラプタ208は、遮光壁207aが内部を通過して遮光状態と非遮光状態を切り替えることで、回転ダイヤル202の回転を検出することが可能である。
【0108】
回転ダイヤル202の回転検知方法は、例えば、特開2017-91613に開示された従来技術を採用すればよく、詳しい説明は省略する。
【0109】
本実施例の情報入力装置200の傾倒操作系214は、キートップ201およびプリント配線板209に実装された可動スイッチ206(傾倒検出手段)、防滴部材204、摺動部材205で構成される。
【0110】
キートップ201は、回転ダイヤル202の回転軸である軸O方向に延在するように略軸状に形成され、傾倒する操作部材としてカメラ100に設けられる。
【0111】
キートップ201は、その傾倒中心P(詳細は後述)と回転ダイヤル202の回転軸である軸Oが一致するように、回転ダイヤル202内部に設けられる。
【0112】
また、キートップ201は、可動スイッチ206の軸部206aに嵌合しており、キートップ201を傾倒することで、プリント配線板209に実装された可動スイッチ206へ8方向の傾倒操作を入力することが可能である。
【0113】
204は、防滴部材であり、キートップ201外周の一部に設けられた凹部201aに嵌合保持される。
【0114】
キートップ201を動かすと、防滴部材204も共に動いて嵌合状態を維持する。
【0115】
さらに、防滴部材204は、回転ダイヤル202と支持部材210によって挟まれることで、回転ダイヤル202内部を封止し、情報入力装置200内部への水や塵埃の侵入を防ぐことができる。
【0116】
205は、回転ダイヤル202に装着される摺動部材である。
【0117】
摺動部材205は、回転ダイヤル202が回転する際の摩擦を軽減し、回転ダイヤル202を防滴部材204に対して摺動可能とする。
【0118】
203は、カメラ100の外装カバーであり、図の-Z方向がカメラ100外部となる。
【0119】
支持部材210および回転ダイヤル202によって外装カバー203の突出部203bを挟み込むことで、情報入力装置200は、外装カバー203に形成された穴部203aに対して支持される。
【0120】
(情報入力装置200の断面図)
図3は、本発明の第1の実施形態による情報入力装置200の断面図であり、
図1におけるA-A断面図である。
【0121】
図3(a)は、キートップ201が傾倒していない状態を示しており、
図3(b)は、キートップ201を任意の方向に傾倒した状態を示している。
【0122】
図3(b)において、キートップ201は、可動スイッチ206の傾倒可能範囲における最大傾倒角度θ1まで傾倒されている。
【0123】
回転操作と傾倒操作の両操作性を確保するため、本実施例では、回転ダイヤル202の回転操作面202bとキートップ201の傾倒操作面201bを略同一平面上に配置する。
【0124】
これは、以下の理由による。
【0125】
まず、回転操作面202bよりも傾倒操作面201bが-Z方向に高い場合、回転ダイヤル202を一周回転させる際に、ユーザーの指がキートップ201と接触しやすい。
【0126】
その結果、回転操作中に意図せず傾倒操作を入力する誤操作が発生する可能性が高くなり、情報入力装置200の操作性が悪化する。
【0127】
また、回転操作面202bよりも傾倒操作面201bが-Z方向に低い場合、傾倒操作の際に、ユーザーは指を回転ダイヤル202の内部に挿入する必要がある為、ユーザーの指が回転ダイヤル202に接触しやすい。
【0128】
その結果、傾倒操作中に意図せず回転操作を入力する誤操作が発生する可能性が高くなり、情報入力装置200の操作性が悪化する。
【0129】
これらのような誤操作を防ぐためには、回転操作面202bと傾倒操作面201bが互いにZ方向に同じ高さであることが望ましい。
【0130】
以上の理由により、本実施例では、回転操作面202bと傾倒操作面201bを略同一平面上に配置する。
【0131】
その結果、前述のような意図しない傾倒操作および回転操作を防止することができる。
【0132】
また、
図3に示すように、回転ダイヤル202は、内周上の点Qと点Rを結ぶように傾斜角度θ2の第一の斜面202aが形成されている。
【0133】
点Qは、キートップ201の外形に対して離すように配置される。
【0134】
これにより、ユーザーがキートップ201を傾倒した際に、キートップ201と回転ダイヤル202、またはキートップ201を操作するユーザーの指と回転ダイヤル202が接触しにくい。
【0135】
すなわち、キートップ201の傾倒操作を妨げることが少ない。
【0136】
一方で、点Rは、キートップ201外形の近傍に配置される。
【0137】
点Rにおいて、傾倒中心Pの近傍であることからキートップ201の傾倒可能範囲が小さい、また、傾倒操作面201bよりもZ方向に低い位置であるため、ユーザーの指が接触することがない。
【0138】
そのため、点Rをキートップ201外形の近傍に配置することができ、回転ダイヤル202の内径を小さくすることができる。
【0139】
これにより、キートップ201の傾倒可能範囲と干渉しにくく、かつ回転ダイヤル202を径方向(X方向)に小型化することが可能である。
【0140】
情報入力装置は、回転操作部材の回転軸を中心とする回転動作を検知するための回転検知手段208を有する。
【0141】
傾倒操作部材201は、回転操作部材202の回転軸に対する傾倒操作を検出可能な傾倒検出手段206に対して支持される。
【0142】
回転軸と直交する面内において複数方向への傾倒入力作用を及ぼす傾倒操作部材201は、回転操作が可能な円環状の回転操作部材の回転軸方向に延在するように形成されている。
【0143】
傾倒操作部材201の傾倒操作面201bは、回転操作部材202の回転操作面202bの円環形状の内側に配置されている。
【0144】
回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、回転操作部材202は、傾倒操作部材と対向するように、回転操作部材の円環形状の内周側に回転操作部材202の回転軸に対して傾いた第一の斜面202aが形成されている。
【0145】
回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、第一の斜面は、回転軸方向について回転検知手段から離れるに従い、回転操作部材の回転軸から離れている。
【0146】
以上の構成により、本実施例の情報入力装置200は、回転操作と傾倒操作の2つの操作が可能、かつ小型化することができる。
【実施例2】
【0147】
以下、
図4を参照して、実施例1の構成に対して、情報入力装置200をさらに小型化するための構成について説明する。
【0148】
(情報入力装置200の断面図)
図4は、本発明の第2の実施形態による情報入力装置の断面図である。
【0149】
なお、第1の実施形態で説明した情報入力装置200と同じ部分については、同じ符号を付与し、本実施形態での説明は省略する。
【0150】
図3を参照すると、実施例1の情報入力装置200は、その構成の最も外側にフォトインタラプタ208が配置されている。
【0151】
実施例1の情報入力装置200の大きさは、フォトインタラプタ208の配置によって決まっており、
図3に示す線分L1で表すことができる。
【0152】
よって、フォトインタラプタ208を
図3に示す配置から、さらに回転ダイヤル202の径方向(X方向)内側に配置することで、情報入力装置200を小型化することが可能である。
【0153】
そこで、本実施例の情報入力装置200は、フォトインタラプタ208を可動スイッチ206の下部、かつ可動スイッチ206の外形よりも回転ダイヤル202の径方向(X方向)内側に配置する。
【0154】
また、
図4に示すように本実施例の情報入力装置200は、回転ダイヤル202の回転を検出するための手段として、フォトインタラプタ208ではなく、フォトリフレクタ212を使用する。
【0155】
フォトインタラプタ208を使用した場合、情報入力装置200の組み立て方向であるZ方向に対して、フォトインタラプタ208内部への遮光板207の挿入方向(X方向)が直交する。
【0156】
その結果、情報入力装置200の一方向からの組み立てが困難となるためである。
【0157】
本実施例の情報入力装置200の回転操作系218は、回転ダイヤル202および支持部材216、反射部材213、プリント配線板217に実装された一対のフォトリフレクタ212、保持手段としての台座219で構成される。
【0158】
図4において、フォトリフレクタ212は、回転方向を検知するためにプリント配線板217に一対実装されるが、他方は不図示である。
【0159】
フォトリフレクタ212は、その照射方向が軸Oに対して直交するように、プリント配線板217を介して台座219に接着固定される。
【0160】
本実施例では、フォトリフレクタ212は、照射方向が軸Oに対して直交するように配置されるが、軸Oに対して並行するように配置してもよい。
【0161】
反射部材213は、フォトリフレクタ212と対向する面に、白と黒が周方向に交互に塗装された検知パターン(不図示)が設けられている。
【0162】
また、反射部材213は、支持部材216の裏側に固定され、回転ダイヤル202および支持部材216と一体となって回転する。
【0163】
回転ダイヤル202が回転すると、フォトリフレクタ212と対向する検知パターン(不図示)が白または黒に交互に切り替わる。
【0164】
この検知パターン(不図示)の切り替わりを一対のフォトリフレクタ212で検知することで、回転ダイヤル202の回転を検知する。
【0165】
回転検知手段208を情報入力装置200内に配置するための保持部材219と、回転検知手段208から照射される照射光を反射するための反射面を有する反射手段213を備えている。
【0166】
回転検知手段208は、反射型光センサ212であり、回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、回転検知手段208は、傾倒検出手段206の外形よりも回転操作部材202の径方向の内側に配置されている。
【0167】
回転検知手段208は、その検知方向が回転操作部材202の回転軸と直交するように保持部材上に配置されている。
【0168】
反射手段213は、その反射面が回転検知手段208と対向するように配置される。
【0169】
以上の構成により、本実施例の情報入力装置200は、実施例1の構成に対してさらに小型化することができる。
【実施例3】
【0170】
以下、
図5を参照して、実施例1の構成に対して、情報入力装置200に適した防塵構成について説明する。
【0171】
(情報入力装置200に適した防塵構成)
図1から
図3で説明した実施例1の構成を採用することで、回転操作と傾倒操作の2つの操作が可能、かつ小型化することができる。
【0172】
しかしながら、第一の斜面202aを設けることで、所謂すり鉢状の形状になり、情報入力装置200の外部からゴミや粉塵などの異物を誘い込みやすい懸念がある。
【0173】
その結果、回転ダイヤル202と防滴部材204や摺動部材205にゴミや粉塵が挟みこまれることにより回転ダイヤル202の操作性悪化や動作不良を発生させてしまう可能性がある。
【0174】
図5(a)は、防塵構成を備えた操作部材の一例(インロー構成)の断面図ある。
【0175】
201cは、キートップのフランジ部であり、202cは、回転ダイヤルの第二の斜面であり、第一の斜面202aに対して折り返し(折り返し部202d)V字形状を形成している。
【0176】
これにより第一の斜面202aにゴミがついても回転ダイヤル202内の折り返し部202dでせき止めることが可能になっている。
【0177】
外端部Xkは軸Oを基準とした、キートップの最外端部のX座標位置であり、内側端部Xdは回転ダイヤルの内側端部のX座標位置である。
【0178】
下端部Zkは軸Oと直交したと基準線Oxを基準とした、キートップのフランジ部201cの下端部のZ座標位置であり、上端部Zdは回転ダイヤルの第二の斜面202cの上端部のZ座標位置である。
【0179】
径方向(X方向)において、キートップのフランジ部201cの外端部Xkが第二の斜面202cの内側端部Xdよりも径方向(X方向)に部分的に重なるように形成する(オーバーラップ量Lx1)。
【0180】
これによりZ方向からゴミや粉塵の挟み込みを防ぎ、回転ダイヤル202の操作性悪化や動作不良を発生させてしまうことを防止することができる。
【0181】
また、Z方向において、第二の斜面202cの上端部Zdとキートップのフランジ部201cの下端部ZkもZ方向に部分的に重なるように形成する(オーバーラップ量Lz)。
【0182】
これにより径方向(X方向)からゴミや粉塵の挟み込みを防ぎ、回転ダイヤル202の操作性悪化や動作不良を発生させてしまうことを防止することができる。
【0183】
(キートップを傾けた場合を示す断面図)
図5(b)は、
図5(a)のキートップを傾けた場合を示す断面図である。
【0184】
ユーザーがキートップ201を傾倒操作した際に、フランジ部201cと第二の斜面202cは傾倒操作した時の外端部Xkの変化量をΔXkとした場合、Xk―ΔXk>Xdとなるように形成する。
【0185】
すなわち、キートップのフランジ部201cの外端部Xkが第二の斜面の内側端部Xdよりも径方向(X方向)に部分的に重なる関係性(オーバーラップ量Lx2、Lx3)は維持される。
【0186】
また、実施例3においては、回転ダイヤルの202の第一の斜面202aにキートップ201が接触することによる傷を防止するためにキートップのフランジ部201cは第一の斜面202aに接触しないようにしている。
【0187】
回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、回転操作部材202は、第一の斜面202aの回転検知手段の端部に回転軸方向について回転検知手段から離れるに従い、回転操作部材の回転軸から近づいていく第二の斜面202cが形成されている。
【0188】
回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、第二の斜面202cの内側の傾倒操作面201b側の端部は、傾倒操作部材201の径方向の外縁の端部より前記回転軸側に位置している。
【0189】
回転軸方向について第二の斜面202cの傾倒操作面側の端部は、第一の斜面202aの傾倒操作面201b側の端部及び傾倒操作部材201の傾倒操作面201bよりも低く、傾倒操作部材201の回転検知手段側の端部より高い。
【0190】
回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、傾倒操作部材を傾倒操作した状態において、第二の斜面202cの内側の端部は、傾倒操作部材201の径方向の外縁の端部より回転軸側に位置している。
【0191】
以上の構成によれば、ゴミや粉塵の挟み込みを防ぎ、回転ダイヤル202の操作性悪化や動作不良を発生させてしまうことを防止することができる。
【実施例4】
【0192】
以下、
図6を参照して、実施例3の構成に対して、さらに防塵性能を向上した構成について説明する。
【0193】
径方向(X方向)の防塵構成に関しては実施例3と同様のため説明は省略する。
【0194】
(防塵構成を備えた操作部材の一例(ゴムでチャージ構成)の断面図)
図6(a)は、防塵構成を備えた操作部材の一例(ゴムでチャージ構成)の断面図である。
【0195】
キートップ201のフランジ部201aの先端に弾性部材としてゴム部201dを形成する。
【0196】
その際、キートップのゴム部201bと回転ダイヤル202の第一の斜面202aとのZ方向の隙間を微小にして形成する。
【0197】
微小隙間の推奨としては回転ダイヤル202と、キートップ201が接触しない最小値に設定することが望ましい。
【0198】
これにより径方向(X方向)からゴミや粉塵の挟み込みを防ぎ、回転ダイヤル202の操作性悪化や動作不良を発生させてしまうことを防止することができる。
【0199】
隙間を微小にすることにより実施例3で説明した構成よりもゴミや粉塵の侵入経路を制限することができるため、より高い防塵性能が見込める。
【0200】
なお、ゴム部201bは、フランジ部201aに対して二色成形としても、両面テープ等で貼り付けて形成してもかまわない。
【0201】
(キートップを傾けた場合を示す断面図)
図6(b)は、
図6(a)のキートップを傾けた場合を示す断面図である。
【0202】
ユーザーがキートップを傾倒操作した場合、詳細部612に示すように、ゴム部201bで形成することにより第二の斜面202cに対して、ゴム部201bの一部はZ方向に圧縮され、密閉構造となりゴミや粉塵の挟み込みを防止することができる。
【0203】
この際、弾性部材のため第二の斜面202cとゴム部201bは圧縮状態でも回転ダイヤルに傷はつかない。
【0204】
一方で、隙間が空く圧縮されない部分613に関しても、第二の斜面202cの上端部Zdとキートップのゴム部201bの下端部ZkはZ方向でも部分的に重なるようにゴム部201bは形成される(オーバーラップ量Lz)。
【0205】
これにより径方向(X方向)からのゴミや粉塵の挟み込みを防止することができる。
【0206】
以上の構成によれば、ユーザーがキートップ201を傾倒操作した際でも、回転ダイヤル202に傷をつけずに径方向(X方向)からゴミや粉塵の挟み込みを防ぎ、回転ダイヤル202の操作性悪化や動作不良を発生させてしまうことを防止することができる。
【0207】
回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、回転軸方向について傾倒操作部材201の傾倒操作面201bの外縁部から前記回転検知手段側に向かって延伸する弾性部材201bを備えている。
【0208】
回転操作部材の回転軸と直交する方向から見た場合、傾倒操作部材を傾倒操作しない状態において、弾性部材201bの回転検知手段側の端部は、第二の斜面202cに対して、回転軸方向について隙間を有する
本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0209】
(変形例)
実施例1~4において、
図2のような傾倒操作部材201の傾倒操作面201bが回転操作部材202の回転操作面202bの円環形状の内側に配置されている情報入力装置200を説明してきた。
【0210】
【0211】
回転操作部材202の回転操作面202bの円環形状の内側に配置されている操作手段として、光学トラッキングポインターでも良い。
【0212】
光学トラッキングポインターのユーザの指が置かれる操作面が回転操作部材の回転操作面の円環形状の内側に配置されている形態でも良い。
【0213】
光学トラッキングポインター(光入力デバイスの一例であり、以下「OTP」と呼ぶ)は、指の指紋などの模様の動きを光学的に検知するタッチ操作部材である。
【0214】
特開平11―345076号公報、特登録4374049号公報、US6552713号公報に記載のOTPが転用できる。
【0215】
OTPは、タッチ操作の検出、2次元方向に相対的に移動する物(例えば指)の検知を行い、指などの移動に関する移動情報を出力する。OTPは、発光部と、光学式位置検出素子(ともに図示せず)とを有している。発光部はAF-ONボタンおよびシャッターボタンの操作面に載置された指に向かってボタン内部から光を照射する。
【0216】
そして、指の指紋などの模様からの反射光を光学式位置検出素子により測定する。光学式位置検出素子は例えばイメージセンサーなどにより実現可能である。
【0217】
本変形例では、一例として、特開平11-345076号公報などに記載の画像処理を用いて、指の移動方向、移動量を画像追跡して、指の動きを示す信号を生成するようにしてもよい。
【0218】
OTPの出力である相対的に移動する指の移動情報を用いることによって、ファインダー視野内表示器に表示された測距点枠および表示部に表示可能な測距点枠の位置を移動させることができる。
【0219】
なお、ファインダー視野内表示器又は表示部に表示可能で、かつ移動させることが可能な表示体は、測距点枠に限られない。例えば、OTPからの移動情報を用いて、再生された画像を次の再生画像に切り替える操作を行うようにしてもよい。
【0220】
さらには、メニュー画面において選択を行うためのカーソルの移動、カメラのシャッタースピード、ISO感度、絞り、および露出補正などの設定値の切り替えなどに用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0221】
本発明の電子機器は、撮像装置であるデジタルカメラに限定されない。複写機、レーザービームプリンタ(LBP)、インクジェットプリンタにも適用できる。
【0222】
また、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、等の携帯可能な小型のコンピューターであるモバイルにも適用できる。
【0223】
他にも、自動車、医療機器、ゲームにも適用できる。
【0224】
また、医療機器として、ハンディーX線の把持部に本発明の傾倒操作手段を配置して、傾倒操作の微調整が可能とできる。
【符号の説明】
【0225】
200 情報入力装置
201 キートップ
201b 傾倒操作面
202 回転ダイヤル
202a 第一の斜面
202b 回転操作面
202c 第二の斜面
206 可動スイッチ
208 フォトインタラプタ