特許 7446906 内リンクプレート

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-03-01

(45)【発行日】2024-03-11

(54)【発明の名称】内リンクプレート

(51)【国際特許分類】

   F16G 13/02 20060101AFI20240304BHJP

   F16G 13/06 20060101ALI20240304BHJP

【ＦＩ】

F16G13/02 E

F16G13/06 B

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2020082942

(22)【出願日】2020-05-11

(65)【公開番号】P2021110451

(43)【公開日】2021-08-02

【審査請求日】2022-01-05

【審判番号】

【審判請求日】2023-06-07

(31)【優先権主張番号】109100340

(32)【優先日】2020-01-06

(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW

(73)【特許権者】

【識別番号】507395522

【氏名又は名称】桂盟企業股▲分▼有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】110001737

【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】呉瑞章

【合議体】

【審判長】小川 恭司

【審判官】吉田 昌弘

【審判官】内田 博之

(56)【参考文献】

【文献】米国特許出願公開第２０１９／００４８９７３（ＵＳ，Ａ１）

【文献】特開２０１８－１１２３１４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平７－２８５４８６（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

F16G 13/00

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

チェーンに用いられる内リンクプレートであって、
前記チェーンの延伸される方向である長手方向に沿う２つの端部であって、前記チェーンに用いられる外リンクプレートと連結される組付孔が設けられている２つの端部と、
２つの前記端部の間を連結している連結部と、
２つの前記端部と前記連結部とによる裏外相反する内面と外面とを有し、
２つの前記端部における１つの前記端部には前記組付孔の外周から前記１つの端部の外周縁に向かって前記長手方向に沿って延伸される延伸部分が形成され、前記組付孔の中心と前記１つの端部の前記組付孔から離れた外周縁との間の前記長手方向沿いの距離をａとし、前記組付孔の中心と前記１つの端部の前記外周縁との間の前記長手方向に対して直角の幅方向沿いの距離をｂとした時、ａ＞ｂであり、
前記内面において前記端部の周縁には、第１の面取り部が面取りされて設けられ、
前記延伸部分において前記第１の面取り部と前記組付孔との間には、第２の面取り部が前記幅方向沿いに延伸されるように面取りされて設けられ、
前記連結部において、前記幅方向に沿って延伸される溝部が前記内面から前記外面に向かって窪むように設けられており、
前記溝部の前記長手方向の両側のそれぞれには、所定の間隔をおいて互いに平行するインナーエッジとアウターエッジとが前記幅方向に沿って延伸するように設けられており、
前記内面には、前記溝部の前記幅方向の両側において前記幅方向と前記長手方向に沿って延伸される２つの第３の面取り部が面取りされて設けられており、
前記連結部には、２つの前記インナーエッジの間が平らになっている第１の面部が形成されており、前記第１の面部は、その前記幅方向沿いの横幅が前記組付孔の口径の２／３以下であり、
前記内面は、前記端部において前記組付孔を囲むように形成されている環状面部を有する、
ことを特徴とする内リンクプレート。

【請求項2】

前記第２の面取り部は、前記組付孔の形状に倣って前記端部の周縁側に向かってアーク状に膨出するように形成されていることを特徴とする請求項１に記載の内リンクプレート。

【請求項3】

前記延伸部分は、前記第２の面取り部がその上面視で略三日月形状(crescent shape)に形成されるよう、前記端部の周縁側に向かってアーク状に膨出するように形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の内リンクプレート。

【請求項4】

前記内面には、前記端部においてリングフランジが前記組付孔を囲んで前記外面に向かって突き出るように設けられている、ことを特徴とする請求項１～３の何れかの１項に記載の内リンクプレート。

【請求項5】

前記第１の面取り部の面取り角度が前記第２の面取り部の面取り角度より大である、ことを特徴とする請求項１～４の何れかの１項に記載の内リンクプレート。

【請求項6】

２つの前記端部における他の１つの前記端部には、前記組付孔の外周から前記他の１つの端部の外周縁に向かって前記長手方向に沿って延伸される延伸部分が形成され、
前記組付孔の中心と前記他の１つの端部の前記組付孔から離れた外周縁との間の前記長手方向沿いの距離をａとし、前記組付孔の中心と前記他の１つの端部の前記外周縁との間の前記幅方向沿いの距離をｂとした時、ａ＞ｂである、ことを特徴とする請求項１～５の何れかの１項に記載の内リンクプレート。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明はチェーンに関し、特にチェーンに用いられる内リンクプレートに関する。

【背景技術】

【0002】

図１は、従来例のチェーンの一部を示す縦断面図であり、図２は、従来例のチェーンに用いられている内リンクプレートを示す斜視図である。この従来例に係るチェーン１は、チェーン１の長手方向にリンクピン１３によって複数の外リンクプレート１１と複数の内リンクプレート１２が直列に連結配置されているリンクユニットが順次にローラー１５によって回動可能にされるように連結された構成になっている。向かい合った外リンクプレート１１、１１と内リンクプレート１２、１２と隣接するローラー１５、１５とによりスプロケットの歯を受け入れるための係合空間１４が形成されている。

【0003】

内リンクプレート１２は、図２に示されているように、チェーンの長手方向沿いの２つの端部１２１、１２１と、該２つの端部１２１、１２１の間を連結している連結部１２２を有し、端部１２１にはリンクピン１３が組み付けられる組付孔１２４が形成されたリングフランジ１２３が向かい側の内リンクプレート１２に突き出るよう設けられている。内リンクプレート１２は、係合空間１４に向かう内面１２６と内面１２６の反対側の外面１２６とを有する。内面１２５は、２つのリングフランジ１２３の間の連結面部分１２８とリングフランジ１２３の周りの環状面部分１２７、１２７とを有する。

【0004】

環状面部分１２７、１２７は単に平らの平面状になっているので、スプロケットの歯が係合空間１４に挿入されると、直ちに端部１２１に突き当たったり引っかかったりする問題点がある。

【0005】

上記従来の問題点を解決すべく、ローラーの外周面に案内傾斜面が設けられたり、内面の周りに案内エリアが設けられたりする構成が提案されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】台湾特許出願公開第２０１７３００４５号公報

【文献】台湾特許出願公開第２００７４１１１９号公報

【文献】台湾特許出願公開第２１０８２５８０２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

上記構成により、チェーンにスプロケットの歯がスムーズに噛み合うことができるが、更にノイズを発生させずに順調に変速できるようにするためになおも改善の余地がある。

【0008】

本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、上記課題を達成することができる内リンクプレートを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記目的を達成するために、本発明は、チェーンに用いられる内リンクプレートであって、前記チェーンの延伸される方向である長手方向に沿う２つの端部であって、前記チェーンに用いられる外リンクプレートと連結される組付孔が設けられている２つの端部と、２つの前記端部の間を連結している連結部と、２つの前記端部と前記連結部とによる裏外相反する内面と外面とを有し、２つの前記端部における１つの前記端部には前記組付孔の外周から前記１つの端部の外周縁に向かって前記長手方向に沿って延伸される延伸部分が形成され、前記組付孔の中心と前記１つの端部の前記組付孔から離れた外周縁との間の前記長手方向沿いの距離をａとし、前記組付孔の中心と前記１つの端部の前記外周縁との間の前記長手方向に対して直角の幅方向沿いの距離をｂとした時、ａ＞ｂであり、前記内面において前記端部の周縁には、第１の面取り部が面取りされて設けられ、前記延伸部分において前記第１の面取り部と前記組付孔との間には、第２の面取り部が前記幅方向沿いに延伸されるように面取りされて設けられ、前記連結部において、前記幅方向に沿って延伸される溝部が前記内面から前記外面に向かって窪むように設けられており、前記溝部の前記長手方向の両側のそれぞれには、所定の間隔をおいて互いに平行するインナーエッジとアウターエッジとが前記幅方向に沿って延伸するように設けられている、ことを特徴とする内リンクプレートを提供する。

【発明の効果】

【0010】

本発明に係る内リンクプレートによれば、スプロケットの歯がよりスムーズに噛み合うようになり、且つノイズを発生させずに順調に変速することができる。

【0011】

本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】従来例のチェーンを示す断面図である。

【図2】従来例の内リンクプレートを示す斜視図である。

【図3】本発明に係る内リンクプレートの第１の実施例を示す斜視図である。

【図4】第１の実施例に係る内リンクプレートを示す上面図である。

【図5】第１の実施例に係る内リンクプレートを示す縦断面図である。

【図6】図５の一部を拡大して示す図である。

【図7】第１の実施例に係る内リンクプレートの一部を幅方向から見た斜視図である。

【図8】第１の実施例に係る内リンクプレートを有するチェーンの構成を示す縦断面図である。

【図9】図８の一部を拡大して示す図である。

【図10】第２の実施例に係る内リンクプレートを示す上面図である。

【図11】第３の実施例に係る内リンクプレートを示す斜視図である。

【図12】図１１の一部を拡大して示す断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、本発明について図面を参照して説明する。なお、同一構成及び機能を有する構成要素については、同一番号を付してその説明を省略する。

【0014】

（チェーン）
本発明に係るチェーン８３は、リンクピン８２によって複数の外リンクプレート８１と複数の内リンクプレート２が並列に連結配置されているリンクユニットが順次にローラーによって回動可能に直列されるように直列する方向である長手方向Ｄ１に沿って連結されて延伸されるようになっている。内リンクプレート２は本発明に係る内リンクプレート２であって対になって向かい合うように配置され、向かい合った外リンクプレート８１、８１と連列連結されており、隣接するローラーとによりスプロケット９の歯９１を受け入れるための係合空間８４が形成されている。

【0015】

（第１の実施例）
図３は本発明に係る内リンクプレート２の第１の実施例を示す斜視図、図４は図３の上面図、図５は図３の縦断面図である。図示の如く、内リンクプレート２は、図８を参照して向かい側の内リンクプレート２に対して対面する内面６と、外リンクプレート８１と隣接するように内面６と反対側の外面７とを有する略扁平状になっており、長手方向Ｄ１沿いに互いに離隔している２つの端部３、３と、２つの端部３、３の間を連結している連結部４と、を有する。

【0016】

２つの端部３、３は互いに長手方向Ｄ１の外向きに突き出て略半楕円形状になっており、それぞれにはリングフランジ５が組付孔３１１を取り囲んで外面７に向かって突き出るように設けられており、リンクピン８２によって外リンクプレート８１（図８参照）と連結される。端部３の内面６側には、リングフランジ５の外周に囲む孔側部分３１と、孔側部分３１から他の端部３から離れるように、つまり当該端部３の外周縁に向かって長手方向Ｄ１に沿って延伸されている延伸部分３２とが形成されている。

【0017】

図４、図５を参照すると、符号３１２で示される組付孔３１１の中心と端部３の組付孔３１１から離れた外周縁との間の長手方向Ｄ１沿いの距離をａとし、組付孔３１１の中心３１２と端部３の外周縁との間の長手方向Ｄ１に対しての直角の幅方向Ｄ２沿いの距離をｂとした時、ａ＞ｂである。

【0018】

内面６は、各端部３において、リングフランジ５を囲む環状面部６６と、各端部３の延伸部分３２において環状面部６６から外向きに接続して面取りされている第１の面取り部６１と、環状面部６６と第１の面取り部６１との間に長手方向Ｄ１沿いに接続延伸されるように面取りされている第２の面取り部６２と、連結部４において環状面部６６、６６の間に幅方向Ｄ２に沿って延伸されるように切り欠かれた１つの溝部６７と、環状面部６６、６６から溝部６７の幅方向Ｄ２の両側にかけて幅方向Ｄ２と長手方向Ｄ１に沿って延伸されるように面取りされている２つの第３の面取り部６５とが設けられている。

【0019】

溝部６７は、連結部４における溝部６７の長手方向Ｄ１の両側のそれぞれにおいて、所定の間隔をおいて互いに平行する２つのインナーエッジ６７１ａと２つのアウターエッジ６７１ｂとが幅方向Ｄ２に沿って延伸するように、２つのインナーエッジ６７１ａの間が平らになっている溝面としての第１の面部６３と、１つのインナーエッジ６７１ａとその隣接するアウターエッジ６７１ｂとの間に切り欠かれて所定の勾配が形成されている溝壁としての２つの第２の面部６４と、が形成されている。図４、図５に示されているように、溝部６７は、その幅方向Ｄ２沿いの上面視での横幅よりもその長手方向Ｄ１沿いの上面視での縦幅が大であるように設けられており、第１の面部６３の幅方向Ｄ２沿いの横幅６３１が組付孔３１１の口径３１３の２／３以下である。

【0020】

２つの第１の面取り部６１はそれぞれ、内面６から外面７へ延伸するように対応する環状面部６６から対応する端部３の外周縁に向けて傾斜するように形成されている。

【0021】

２つの第２の面取り部６２はそれぞれ、延伸部分３２において環状面部６６から外面７に向けて傾斜するように形成されており、その上面視で組付孔３１１の形状に倣って端部３の周縁側に向かってアーク状に膨出するように形成されている。

【0022】

図６、図７を参照すると、第１の面取り部６１の面取り角度６１１は第２の面取り部６２の面取り角度６２１より大であり、延伸部分３２において第２の面取り部６２はその上面視で略三日月形状(crescent shape)に形成されている。なお、実施の際、第２の面取り部６２の面取り角度６２１はこの例に制限されず、必要に応じて変更することがあり、延伸部分３２の形状及びサイズも変更することがある。

【0023】

図３、８、９を参照すると、組付孔３１１の中心位置はそのままに、内リンクプレート２の長さが延長されるように、つまり、端部３において延伸部分３２が長手方向Ｄ１に沿って突き出されるように設けられているので、チェーン８３が回りながらスプロケット９の歯９１が係合空間８４に入り込む時、スプロケット９の歯９１が真っ先に端部３の延伸部分３２に当たることにより、スプロケット９の歯９１が延伸部分３２に案内されて係合空間８４へ安定して係合するようになり、スプロケット９の歯９１が係合されたチェーン８３が列になり、スプロケット９の歯９１を素早く位置決めして保持させることができ、スプロケット９の歯９１のチェーン８３への噛み合わせ時間を短くすることができる。また、第２の面取り部６２が設けられていることにより、内リンクプレート２とスプロケット９の歯９１との接触面積を大きくすることができ、ノイズの発生を抑えることができる。

【0024】

第２の面取り部６２の面取り角度６２１が小さい場合、その勾配面が長くなることによって、第２の面取り部６２の勾配面によってスプロケット９の歯９１を案内させて滑らかに係合空間８４へ入り込ませることができる。これによってスプロケット９とチェーン８３との伝動がより一層順調になる。第１の面部６３の幅方向Ｄ２の横幅６３１が小になると、第３の面取り部６５の面取り面積が大きくなり、その勾配面がより緩やかになる。これによって、スプロケット９の歯９１を係合空間８４へ係入させることがより順調になり、順調に変速することがより簡単になる。

【0025】

なお、自転車の場合、チェーン８３が前後に並んだスプロケット９とフライホイールとの間に設けられている時、図９に示されている一点鎖線によって囲まれた面積が最大になる（チェーン８３がスプロケット９の最大チェーンリングとフライホイールの最大チェーンリングとを回っている、又はスプロケット９の最小チェーンリングとフライホイールの最小チェーンリングとが合わせられている）と、チェーン８３が後ろ側のフライホイールと前側のスプロケット９のチェーンリングと噛み合う際に起こる干渉を抑制することができ、ノイズの発生を抑えることができる。

【0026】

（第２の実施例）
図１０は本発明に係る内リンクプレート２の第２の実施例を示す斜視図である。この例においては、前記第１の実施例と違うのは、１つの端部３の延伸部分３１だけに第１の面取り部６１と第２の面取り部６２とが形成されている点にある。

【0027】

これによって２つの端部３の１つだけに第１の面取り部６１と第２の面取り部６２とが形成されているが、上記実施例と同様に、スプロケット９の歯９１を係合空間８４へ安定して係合するように案内させる効果を奏することができる。

【0028】

（第３の実施例）
図１１、図１２には本発明に係る内リンクプレート２の第３の実施例を示している。本実施例の前記第１の実施例との違いは、第１の面取り部６１と第２の面取り部６２とが切れ目なく続くように１つの面取り部として形成されている点にある。図１２を参照すると、第１の面取り部６１の面取り角度６１１と第２の面取り部６２の面取り角度６２１とは同じである。

【0029】

これによって上記実施例と同様に、スプロケット９の歯９１を係合空間８４へ安定して係合するように案内させる効果を奏することができ、また、機械的応力（ストレス）の集中を解消することができる。

【0030】

以上のように、本発明に係る内リンクプレートによれば、延伸部分３２が形成されており、組付孔３１１の中心３１２と端部３の外周縁との間の長手方向Ｄ１沿いの距離ａが組付孔３１１の中心３１２と端部３の外周縁との間の幅方向Ｄ２沿いの距離ｂ以上であり、第１の面取り部６１と第２の面取り部６２とが形成されているので、スプロケット９の歯９１を係合空間８４へ安定して係合するように案内させることができ、スプロケット９の歯９１とチェーン８３との噛み合わせによるノイズの発生を抑えることができ、スムーズな変速を図ることができる。

【0031】

以上、本発明についていくつかの実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者には理解されるところである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[１] チェーンに用いられる内リンクプレートであって、前記チェーンの延伸される方向である長手方向に沿う２つの端部であって、前記チェーンに用いられる外リンクプレートと連結される組付孔が設けられている２つの端部と、２つの前記端部の間を連結している連結部と、２つの前記端部と前記連結部とによる裏外相反する内面と外面とを有し、２つの前記端部における１つの前記端部には前記組付孔の外周から前記１つの端部の外周縁に向かって前記長手方向に沿って延伸される延伸部分が形成され、前記組付孔の中心と前記１つの端部の前記組付孔から離れた外周縁との間の前記長手方向沿いの距離をａとし、前記組付孔の中心と前記１つの端部の前記外周縁との間の前記長手方向に対して直角の幅方向沿いの距離をｂとした時、ａ＞ｂであり、前記内面において前記端部の周縁には、第１の面取り部が面取りされて設けられ、前記延伸部分において前記第１の面取り部と前記組付孔との間には、第２の面取り部が前記幅方向沿いに延伸されるように面取りされて設けられ、前記連結部において、前記幅方向に沿って延伸される溝部が前記内面から前記外面に向かって窪むように設けられており、前記溝部の前記長手方向の両側のそれぞれには、所定の間隔をおいて互いに平行するインナーエッジとアウターエッジとが前記幅方向に沿って延伸するように設けられている、ことを特徴とする内リンクプレート。
[２] 前記第２の面取り部は、前記組付孔の形状に倣って前記端部の周縁側に向かってアーク状に膨出するように形成されていることを特徴とする[１]に記載の内リンクプレート。
[３] 前記延伸部分は、前記第２の面取り部がその上面視で略三日月形状(crescent shape)に形成されるよう、前記端部の周縁側に向かってアーク状に膨出するように形成されていることを特徴とする[１]又は[２]に記載の内リンクプレート。
[４] 前記内面には、前記溝部の前記幅方向の両側において前記幅方向と前記長手方向に沿って延伸される２つの第３の面取り部が面取りされて設けられていることを特徴とする[１]～[３]の何れかの１項に記載の内リンクプレート。
[５] 前記連結部には、２つの前記インナーエッジの間が平らになっている第１の面部が形成されており、前記第１の面部は、その前記幅方向沿いの横幅が前記組付孔の口径の２／３以下である、ことを特徴とする[１]～[４]の何れかの１項に記載の内リンクプレート。
[６] 前記内面は、前記端部において前記組付孔を囲むように形成されている環状面部を有することを特徴とする[１]～[５]の何れかの１項に記載の内リンクプレート。
[７] 前記内面には、前記端部においてリングフランジが前記組付孔を囲んで前記外面に向かって突き出るように設けられている、ことを特徴とする[１]～[６]の何れかの１項に記載の内リンクプレート。
[８] 前記第１の面取り部の面取り角度が前記第２の面取り部の面取り角度より大である、ことを特徴とする請求項[１]～[７]の何れかの１項に記載の内リンクプレート。
[９] 前記第１の面取り部の面取り角度と前記第２の面取り部の面取り角度とが同じである、ことを特徴とする[１]～[７]の何れかの１項に記載の内リンクプレート。
[１０] ２つの前記端部における他の１つの前記端部には、前記組付孔の外周から前記他の１つの端部の外周縁に向かって前記長手方向に沿って延伸される延伸部分が形成され、前記組付孔の中心と前記他の１つの端部の前記組付孔から離れた外周縁との間の前記長手方向沿いの距離をａとし、前記組付孔の中心と前記他の１つの端部の前記外周縁との間の前記幅方向沿いの距離をｂとした時、ａ＞ｂである、ことを特徴とする[１]～[９]の何れかの１項に記載の内リンクプレート。

【産業上の利用可能性】

【0032】

本発明に係る内リンクプレートは、例えば変速のためのチェーンに有用である。

【符号の説明】

【0033】

２ 内リンクプレート
３ 端部
３１ 孔側部分
３１１ 組付孔
３１２ 中心
３１３ 口径
３２ 延伸部分
４ 連結部
５ リングフランジ
６ 内面
６１ 第１の面取り部
６１１、６２１ 面取り角度
６２ 第２の面取り部
６３ 第１の面部
６３１ 横幅
６４ 第２の面部
６５ 第３の面取り部
６６ 環状面部
６７ 溝部
６７１ａ インナーエッジ
６７１ｂ アウターエッジ
７ 外面
８１ 外リンクプレート
８２ リンクピン
８３ チェーン
８４ 係合空間
９ スプロケット
９１ 歯
Ｄ１ 長手方向
Ｄ２ 幅方向
ａ、ｂ 距離

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】