(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】脊椎固定具用ロッド
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20240304BHJP
A61F 2/44 20060101ALI20240304BHJP
A61L 31/02 20060101ALI20240304BHJP
A61L 31/04 20060101ALI20240304BHJP
A61L 31/12 20060101ALI20240304BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20240304BHJP
B32B 5/28 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
A61B17/70
A61F2/44
A61L31/02
A61L31/04
A61L31/12
B32B1/08 Z
B32B5/28 A
(21)【出願番号】P 2020163964
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】及川 勝広
(72)【発明者】
【氏名】川村 拓司
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0071570(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0152937(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0304073(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0093819(US,A1)
【文献】特開2015-186641(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106162(US,A1)
【文献】特表2012-501804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0189982(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0005873(US,A1)
【文献】特表2017-538483(JP,A)
【文献】特開2020-137454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0262548(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
A61F 2/44
A61L 31/02
A61L 31/04
A61L 31/12
B32B 1/08
B32B 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定具用ロッドであって、
コア部材と、該コア部材上に設けられた強化繊維層とを含み、該コア部材は短繊維により形成さ
れ、前記強化繊維層は、複数の強化繊維層から構成され、該複数の強化繊維層は、繊維方向が軸長方向を指向する少なくとも1つの軸長繊維層と、該軸長方向の繊維角度に対して5°から85°又は-5°から-85°の範囲の角度で傾斜する少なくとも1つの斜向繊維層を含むことを特徴とする、固定具用ロッド。
【請求項2】
前記強化繊維層上に設けられた被覆層を含む、請求項1に記載の固定具用ロッド。
【請求項3】
前記コア部材は、繊維を含む樹脂で形成されている、請求項1又は2に記載の固定具用ロッド。
【請求項4】
前記繊維は、カーボン、ガラス、アラミド、ボロン又はSiCのいずれかであり、前記樹脂は、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、PA、PC、PPSU、POM、PP、PE、ABS、PS、PAEK又はPEEKのいずれかである、請求項3に記載の固定具用ロッド。
【請求項5】
前記強化繊維層は、繊維強化樹脂であり、繊維として、カーボン、ガラス、ボロン、SiC又はアラミドを用い、樹脂としてエポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、PA、PC、PPSU、POM、PP、PE、ABS、PS、PAEK又はPEEKを用いる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の固定具用ロッド。
【請求項6】
前記強化繊維層の繊維は長繊維である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の固定具用ロッド。
【請求項7】
前記強化繊維層の繊維含有率は、60重量%以上である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の固定具用ロッド。
【請求項8】
前記強化繊維層の繊維方向は引き揃えられており、該層の厚みは、0.02mmから0.25mmの範囲にある、請求項1から
7までのいずれか1項に記載の固定具用ロッド。
【請求項9】
前記強化繊維層が複数の強化繊維層を含む場合、該複数の強化繊維層の少なくとも1つ以上の強化繊維層に使用されている繊維の曲げ弾性率は、前記コア部材の曲げ弾性率よりも大きい、請求項1から
8までのいずれか1項に記載の固定具用ロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎を固定するための固定具に用いる固定具用ロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、脊椎を固定するための固定具として金属を用いた固定具用ロッドが知られている。
【0003】
また、このような固定具用ロッドとして、例えば、特許文献1にポリマーコーティング内に少なくとも部分的に入れられた内部補強されたポリマーコアを備える脊柱椎弓根ロッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属を用いた固定具用ロッドは、一般に固定力や強度に優れるものの、MRI等による撮像の際、磁場中で金属が磁化することで磁場が影響を受け、画像の乱れが発生し、撮影画像による診断が難しいという問題があった。他方で、特許文献1に開示のロッドでは、そのような問題はないものの、繊維密度が低くなってしまうために所望の剛性を付与することが難しく、強度や耐久性に難があるということが判っている。
【0006】
本発明の目的の一つは、スクリュー固定時の破損を低減し、かつ高剛性で変形荷重による耐久性も高い固定具用ロッドを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドは、コア部材と、該コア部材上に設けられた強化繊維層とを含むように構成される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドは、前記強化繊維層上に設けられた被覆層を含むように構成される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記コア部材は、繊維を含む樹脂で形成されている。
【0010】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記繊維は、カーボン、ガラス、アラミド、ボロン又はSiCのいずれかであり、前記樹脂は、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、PA、PC、PPSU、POM、PP、PE、ABS、PS、PAEK又はPEEKのいずれかである。
【0011】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記強化繊維層は、繊維強化樹脂であり、繊維として、カーボン、ガラス、ボロン、SiC又はアラミドが用いられ、樹脂としてエポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、PA、PC、PPSU、POM、PP、PE、ABS、PS、PAEK又はPEEKが用いられる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記強化繊維層の繊維は長繊維であるように構成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記強化繊維層の繊維含有率は、60重量%以上であるように構成される。
【0014】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記強化繊維層は、複数の強化繊維層を含み、少なくとも1層は繊維方向が、軸長方向に対して傾斜する斜向繊維層である。
【0015】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記斜向繊維層は、繊維角度が、5°から85°又は-5°から-85°の範囲の角度である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記強化繊維層の繊維方向は引き揃えられており、該層の厚みは、0.02mmから0.25mmの範囲にある。
【0017】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記強化繊維層が複数の強化繊維層を含む場合、該複数の強化繊維層の少なくとも1つ以上の強化繊維層に使用されている繊維の曲げ弾性率は、前記コア部材の曲げ弾性率よりも大きい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の上記各実施形態によれば、スクリュー固定時の破損を低減し、かつ高剛性で変形荷重による耐久性も高い固定具用ロッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドを含む脊椎用固定具10を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドをその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドをその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドの各層を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドをその中心軸に垂直な面で切断した断面を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドの製造に用いる部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る固定具用ロッドの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1を含む脊椎用固定具10を示す図である。図示のように、脊椎用固定具10は、脊椎の骨に固定される複数のスクリュー部材18(図示の例では2つのスクリュー部材18)と、該スクリュー部材18に取付けられ、固定具用ロッドを受け入れる凹部21及び押圧部材22を備える複数のロッド固定部材20(図示の例では2つのロッド固定部材20)と、該複数のロッド固定部材20の凹部21に挿入されかつ押圧部材22により固定される固定具用ロッド1と、を備える。
【0022】
次に、
図2を参照して、脊椎用固定具10に用いる本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1について説明する。
図2は、
図1に示す固定具用ロッド1を同図に示すX-X断面でみたものである。図示のように、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1は、コア部材2と、該コア部材2上に設けられた強化繊維層3とを含むように構成される。
【0023】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1によれば、スクリュー固定時の破損を低減し、かつ高剛性で変形荷重による耐久性も高い固定具用ロッドを提供することが可能となる。より具体的には、中実の二重構造を採用し、後述するように外側層に平均曲げ弾性率の大きい材料を使用しているため、ロッド全体の曲げ剛性やつぶれ強度の優れた固定具用ロッドを提供することが可能となる。ここで、平均曲げ弾性率とは該当する部位全体の曲げ剛性を、該当する部位の二次モーメントで割って算出した値を指す。
【0024】
また、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1は、当該強化繊維層3上に設けられた被覆層を含むように構成される。当該被覆層は、例えば、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、PA、PC、PPSU、POM、PP、PE、ABS、PS、PAEK又はPEEKにより形成されることができるが、これらに限られない。
【0025】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、当該コア部材2は、繊維を含む樹脂で形成されている。また、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、当該繊維は、カーボン、ガラス、アラミド、ボロン又はSiCのいずれかであり、当該樹脂は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル等)、又は熱可塑性樹脂(例えば、PA、PC、PPSU、POM、PP、PE、ABS、PS、PAEK又はPEEK等)であるように構成される。このようにして、コア部材の曲げ剛性の増大化や高強度化が可能となる。
【0026】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、当該強化繊維層3は、繊維強化樹脂であり、繊維として、カーボン、ガラス、ボロン、SiC又はアラミドが用いられ、樹脂として熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル等)、又は熱可塑性樹脂(例えば、PA、PC、PPSU、POM、PP、PE、ABS、PS、PAEK又はPEEK等)が用いられる。このようにして、強化繊維層の曲げ剛性の増大化や高強度化が可能となる。
【0027】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、当該強化繊維層3の繊維は長繊維であるように構成される。強化繊維層3の繊維が長繊維であることにより、さらに曲げ剛性の増大化や高強度化が可能となる。
【0028】
また、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、当該強化繊維層3の繊維含有率は、60重量%以上であるように構成される。このように、長繊維が高密度に重点された繊維層により、剛性が高く、耐久性に優れた固定具用ロッド1を形成することが可能となる。
【0029】
次に
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1は、コア部材2と、該コア部材2上に設けられた強化繊維層3とを含み、該強化繊維層3は、繊維方向が軸長方向(紙面の前後方向)を指向する軸長繊維層4と、繊維方向が当該軸長方向から斜向した斜向繊維層5とを備えるように構成される。軸長繊維層4は、曲げ剛性や曲げ強度の点で利点を有し、斜向繊維層5は、ねじれ剛性やねじれ強度の点で利点を有することで、コア部材2と強化繊維層3とにより、スクリュー固定時の破損を低減し、かつ高剛性で変形荷重による耐久性も高い固定具用ロッドを提供することが可能となる。
【0030】
また、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、当該強化繊維層3は、複数の強化繊維層を含み、少なくとも1層は繊維方向が、軸長方向に対して傾斜する斜向繊維層であるように構成することができる。このようにして、斜向繊維層5がねじれ剛性やねじれ強度の点で利点を有することで、コア部材2と強化繊維層3とにより、スクリュー固定時の破損を低減し、かつ高剛性で変形荷重による耐久性も高い固定具用ロッドを提供することが可能となる。
【0031】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、当該斜向繊維層は、繊維角度が、5°から85°又は-5°から-85°の範囲の角度である。ねじれ剛性やねじれ強度を考慮すると、最も効果的な斜向繊維層の繊維角度は、±45°程度である。その理由は、±45°におけるせん断弾性率が最大となり、かつねじれ剛性も最大となるためである。
【0032】
また、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1において、前記強化繊維層の繊維方向は引き揃えられており、該層の厚みは、例えば、0.02mmから0.25mmの範囲にある。このようにして、樹脂の密度が均一化され、部位による強度のばらつきを低減することが可能となる。また、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッドにおいて、前記強化繊維層が複数の強化繊維層を含む場合、該複数の強化繊維層の少なくとも1つ以上の強化繊維層に使用されている繊維の曲げ弾性率は、前記コア部材の曲げ弾性率よりも大きい。このようにして、当該強化繊維層に一定の弾性を持たせながら当該コア部材と組み合わせることで、ロッド全体の曲げ剛性やつぶれ強度を高く保持することが可能となる。
【0033】
次に、
図4、5を参照して、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1は、コア部材2と、該コア部材2上に設けられた強化繊維層3とを含むように構成される。当該コア部材2は、PEEK/CF(短繊維)により形成され、外形は約3.0mm程度である。
【0034】
図示のように、当該強化繊維層3は、第1の積層層6と、第2の積層層7と、第3の積層層8とから形成されている。当該第1の積層層6は、UDにガラススクリムを貼り合わせたものであり、UDは、繊維弾性率が30t、レジンコンテントがRC24%、厚みは約0.103mmであり、スクリムは、繊維弾性率が7t、レジンコンテントが28%、厚みが0.012mmであるように構成される。
【0035】
また、当該第2の積層層7は、2つの斜向層を貼り合わせたものであり、斜向層は、繊維弾性率が30t、レジンコンテントがRC30%、厚みは約0.051mmであり、斜向角度は、+45°又は-45°であるように構成される。
【0036】
当該第3の積層層8は、UDにガラススクリムを貼り合わせたものであり、UDは、繊維弾性率が30t、レジンコンテントがRC24%、厚みは約0.103mmであり、スクリムは、繊維弾性率が7t、レジンコンテントが28%、厚みが0.012mmであるように構成される。
【0037】
図5は、
図4に示すような各層が形成された本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1を、
図1に示すX-X断面でみたものである。図示のように、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1は、コア部材2と、該コア部材2上に設けられた強化繊維層3とを含み、該強化繊維層3は、上述の、第1の積層層6と、第2の積層層7と、第3の積層層8とにより形成されている。
【0038】
本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1によれば、スクリュー固定時の破損を低減し、かつ高剛性で変形荷重による耐久性も高い固定具用ロッドを提供することが可能となる。より具体的には、中実の二重構造を採用し、後述するように外側層に平均曲げ弾性率の大きい材料を使用しているため、ロッド全体の曲げ剛性やつぶれ強度の優れた固定具用ロッドを提供することが可能となる。ここで、平均曲げ弾性率とは該当する部位全体の曲げ剛性を、該当する部位の二次モーメントで割って算出した値を指す。
【0039】
次に、本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1の製造方法について説明する。まず、ステップ1として、プリプレグを切断する(プリプレグのカット)。そして、ステップ2として、芯材(例えば、カーボンソリッド(長繊維))を用意する。ステップ3として、該芯材にはコシがないため、
図6(a)に示すV溝レールを使用し、仮止めレジンを塗布して仮止めを行う(仮止め)。ステップ4として、プリプレグの巻き付けを行う。
【0040】
次に、ステップ5において、
図6(b)に示す溝付き矯正型を使用し、キュアを行う。当該矯正型を使用する理由は、上述のステップ4の巻き付け時に僅かに曲がっていることがあるため、これを矯正する必要があるからである。そして、ステップ6において切断を行い、ステップ7においてテープを除去し、最後に、ステップ8において、外径調整のためセンタレスを実施する。
【0041】
このようにして形成された本発明の一実施形態に係る固定具用ロッド1によれば、スクリュー固定時の破損を低減し、かつ高剛性で変形荷重による耐久性も高い固定具用ロッドを提供することが可能となる。より具体的には、中実の二重構造を採用し、後述するように外側層に平均曲げ弾性率の大きい材料を使用しているため、ロッド全体の曲げ剛性やつぶれ強度の優れた固定具用ロッドを提供することが可能となる。ここで、平均曲げ弾性率とは該当する部位全体の曲げ剛性を、該当する部位の二次モーメントで割って算出した値を指す。
【0042】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 固定具用ロッド
2 コア部材
3 強化繊維層
4 軸長繊維層
5 斜向繊維層
6 第1の積層層
7 第2の積層層
8 第3の積層層
10 脊椎用固定具
18 スクリュー部材
20 ロッド固定部材
21 凹部
22 押圧部材