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特許7447008複合強度部材の精査のためのシステム、方法、およびツール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】複合強度部材の精査のためのシステム、方法、およびツール
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20240304BHJP
   G01N 3/00 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
G01M11/00 R
G01N3/00 Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020544259
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019853
(87)【国際公開番号】W WO2019168998
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】62/635,626
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/786,271
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/807,298
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506217391
【氏名又は名称】シーティシー グローバル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CTC GLOBAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ドン、シャオユアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェブ、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ピリング、イアン
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-34400(JP,A)
【文献】特開平7-226117(JP,A)
【文献】特開平7-320552(JP,A)
【文献】特開平11-38283(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0265339(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0090892(US,A1)
【文献】中国実用新案第201667222(CN,U)
【文献】B.Hofer,Fibre optic damage detection in composite structures,Composites,1987年09月,Vol.18, No.4,PP.309-316
【文献】A Malki et al.,Impact and vibration detection in composite materials by using intermodal interference in multimode optical fibers,Applied Optics,1996年09月,Vol.35, No.25,PP.5198-5201
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00-G01M 11/08
G01N 3/00-G01N 3/62
G02B 6/02-G02B 6/10
G02B 6/44
H01B 13/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維補強複合強度部材を含む架空電気ケーブルにおける欠陥を検出するために構成されたシステムであって、
繊維補強複合強度部材と、該強度部材の周囲に配置され、かつ該強度部材によって支持される導電体とを含む架空電気ケーブルであって、該強度部材は少なくとも第1の強度要素を含み、前記第1の強度要素は、
ポリマー結合マトリクスと、
複数の補強繊維であって、繊維補強複合体を形成するように前記結合マトリクスおよび前記複数の補強繊維を包囲する外側層内に機能的に配置された前記複数の補強繊維と、
前記繊維補強複合体内に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の第1の研磨された端面から前記繊維補強複合体の第2の研磨された端面まで延在する少なくとも第1のシングルモード光ファイバとを含み、前記第1のシングルモード光ファイバは第1の端部と第2の端部とを有前記第1のシングルモード光ファイバは前記繊維補強複合体の前記第1の研磨された端面および前記第2の研磨された端面を超えて延在していない、前記架空電気ケーブルと、
前記強度部材の第1の端部に動作可能に接続された光伝送デバイスであって、電源に動作可能に接続され、かつ少なくとも300nmで1700nm以下の波長を有する光を前記第1のシングルモード光ファイバの前記第1の端部に伝送するように構成される光源を含む前記光伝送デバイスと、
前記強度部材の第2の端部に動作可能に接続された光検出デバイスであって、前記第1のシングルモード光ファイバの前記第2の端部を通過した前記光源によって伝送される光を検出するように構成される光検出器を含む前記光検出デバイスとを備え
前記強度部材が、少なくとも約500メートルの長さを有する、システム。
【請求項2】
前記光源は、赤外領域における主波長を有する光を放出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源は、少なくとも800nmの主波長を有する光を放出するように構成されている、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源は、1000nm以下の主波長を有する光を放出するように構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第2のシングルモード光ファイバを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第3のシングルモード光ファイバを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第4のシングルモード光ファイバを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記強度部材の周囲に配置され、かつ前記強度部材によって支持される前記導電体は、複数のアルミニウムストランドを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
電気ケーブルが約3500メートル以下の長さを有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源が発光ダイオード(LED)を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記光検出デバイスは、複合強度部材の端部と光センサとの間に配置され、かつ伝送光を前記光センサ上に合焦させるように構成された凹レンズを含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記光検出器は、CCDセンサおよびCMOSセンサから選択される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
繊維補強複合強度部材と、該強度部材の周囲に配置され、かつ該強度部材によって支持される導電体とを含む架空電気ケーブルを精査する方法であって、該強度部材は、少なくとも第1の強度要素を含み、該強度要素は、結合マトリクスと、複数の補強繊維であって、第1の端面および第2の端面を有する繊維補強複合体を形成するように前記結合マトリクスおよび前記複数の補強繊維を包囲する外側層内に機能的に配置された前記複数の補強繊維と、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第1のシングルモード光ファイバとを含み、前記第1のシングルモード光ファイバは第1の端部と第2の端部とを有しており、
前記繊維補強複合体の前記第1の端面および前記第2の端面を研磨するステップと、前記第1のシングルモード光ファイバは前記繊維補強複合体の前記第1の端面および前記第2の端面を超えて延在しておらず、
前記強度部材の第1の端部に光伝送デバイスを動作可能に取り付けるステップと、前記光伝送デバイスは、電源に動作可能に接続され、かつ少なくとも300nmで1700nm以下の波長を有する光を前記第1のシングルモード光ファイバの前記第1の端部に伝送するように構成される光源を含んでおり、
前記強度部材の第2の端部に光検出デバイスを動作可能に取り付けるステップと、
前記光伝送デバイスに、光を前記第1のシングルモード光ファイバに、かつ前記光検出デバイスに向かって伝送させるようにするステップと、伝送光はインコヒーレントであり、
前記光検出デバイスによってインコヒーレント伝送光の存在を検出するステップとを含み、
前記強度部材が、少なくとも約500メートルの長さを有する、方法。
【請求項14】
前記伝送光が、少なくとも約800nmの主波長を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記伝送光が、約1000nm以下の主波長を有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の強度要素は、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第2のシングルモード光ファイバを含み、光を伝送する前記ステップは、前記第2のシングルモード光ファイバに光を伝送する、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第3のシングルモード光ファイバを含み、光を伝送する前記ステップは、前記第3のシングルモード光ファイバの端部に光を伝送する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第4のシングルモード光ファイバを含み、光を伝送する前記ステップは、前記第4のシングルモード光ファイバの端部に光を伝送する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複合強度部材が、少なくとも約3500メートルの長さを有する、請求項13乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
複合強度部材が、約7500メートル以下の長さを有する、請求項13乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記光伝送デバイスに光を伝送させるステップおよび光の存在を検出するステップの間、前記架空電気ケーブルがスプール上に巻き付けられる、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記光伝送デバイスに光を伝送させるステップおよび光の存在を検出するステップは、前記複合強度部材に前記導電体を撚り合わせた後で、前記架空電気ケーブルを支持塔に設置する前に実行される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記光伝送デバイスに光を伝送させるステップおよび光の存在を検出するステップは、前記架空電気ケーブルを支持塔に設置した後に実行される、請求項13乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
光ファイバがシングルモード光ファイバである、請求項13乃至23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記光伝送デバイスに光を伝送させるステップが、発光ダイオード(LED)を通電することを含む、請求項13乃至24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
光を伝送するステップが、光を伝送しながら前記LEDを機械的に回転させることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記LEDは、少なくとも約5rpmの速度で回転される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
光ファイバへの光の伝送を促進にするために、前記強度部材の第1の端部に屈折率整合ゲルを適用するステップを含む、請求項13乃至27のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、繊維補強複合強度部材の分野、特に、そのような繊維補強複合強度部材の構造健全性試験の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維補強複合強度部材は、重量に対する強度比が比較的高く、かつその他の望ましい特性を有するため、様々な構造的用途での使用に有益である。例えば、多くの伸長繊維補強複合強度部材は、従来利用されていた鋼などの材料に取って代わり、橋梁および鉄道のメッセンジャーワイヤーなどの構造物における引張部材として利用されている。
【0003】
最近出現した繊維補強複合強度部材のそのような用途の1つには、送電および配電用のむき出しの架空電気ケーブル(bare overhead electrical cables)におけるそれらの使用がある。そのような電気ケーブルは、典型的には、中心強度部材に巻き付けられ、かつ中心強度部材によって支持される複数の導電性金属ストランドを含む。従来、強度部材は鋼で製造されていた。近年、強度部材には繊維補強複合材料が利用されている。このような複合材料は、鋼と比較して、軽量化、小型化(より大きい断面積の導体の使用を可能にする)、サーマルサグ(thermal sag)の低減、その他の多くの有利な点を含む顕著な利点を提供する。そのような繊維補強強度部材を有する架空電気ケーブルの一例は、米国カリフォルニア州アーバインのCTCグローバル社(CTC Global Corporation)から入手可能であるACCC(登録商標)むき出しの架空電気ケーブルである。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献1を参照されたい。
【0004】
ほとんどの金属材料とは異なり、繊維補強複合材料は通常、一般に延性が低い。その結果、強度部材および/または電気ケーブルの製造、取り扱いおよび/または設置中に、繊維補強複合強度部材が、構造的に損傷している(例えば、破断する)という懸念が生じ得る。強度部材の小さな破損は、従来の方法では検出するのが困難な場合がある。このことは、架空電気ケーブルの長さが極端であることにより、かつ導電性ストランドが強度部材の周囲に巻き付けられた後、強度部材が視認できないという事実により、架空電気ケーブルに特に当てはまる。
【0005】
強度部材の使用中に繊維補強強度部材の状態を監視するための方法およびシステムが提案されている。例えば、架空電気ケーブルにおける強度部材の温度および歪みは、光時間領域反射率測定法(OTDR:optical time domain reflectometry)などの複雑な技術を使用して、使用中に監視できることが提案されている。しかしながら、そのようなシステムおよび方法は、複雑な機器を必要とし、コヒーレント光源(例えば、レーザー)の使用を必要とし、かつコヒーレント光源と強度部材に取り付けられる光ファイバとの正確な位置合わせを必要とし、いずれも、例えば、送電気ラインおよび配電気ラインが設置される屋外環境における現場で実施するのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7368162号明細書
【発明の概要】
【0007】
本明細書に開示されているのは、繊維補強複合強度部材の精査により複合強度部材が構造的に無傷であるかどうかを確認すること、例えば、強度部材における破断などの欠陥の存在を検出することを可能にするシステム、方法、コンポーネント、およびツールである。システム、方法、コンポーネント、およびツールは、強度部材の製造プロセス、設置中、および/または設置後において、強度部材の比較的簡単かつ低コストの精査を可能にする。
【0008】
本明細書で開示されるシステム、方法、コンポーネント、およびツールは、以下を含むが、これらに限定されない。
(i)繊維補強複合強度部材の欠陥を検出するシステム。
【0009】
(ii)繊維補強複合強度部材の欠陥を検出する方法。
(iii)光源を使用した精査用の繊維補強複合強度要素の作成方法。
(iv)光ファイバを含む伸長繊維補強複合強度部材。
【0010】
(v)伸長構造部材に埋め込まれた光ファイバの端部に光を伝送するためのデバイス。
(vi)伸長構造部材に埋め込まれた光ファイバの端部から発出する光を検出するためのデバイス。
【0011】
(vii)切断および研磨用のツール。
(viii)引張強度部材で使用するように構成された伸長繊維補強複合強度要素の製造方法。
【0012】
従って、一実施形態では、繊維補強複合強度部材の欠陥を検出するように構成されたシステムが開示される。このシステムは、繊維補強複合強度部材を含み、強度部材は少なくとも第1の強度要素を含む。第1の強度要素は、結合マトリクスと、繊維補強複合体を形成するように結合マトリクス内に機能的に(operatively)配置された複数の補強繊維と、繊維補強複合体内に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の第1の端部から繊維補強複合体の第2の端部に延在する少なくとも第1の光ファイバとを含む。光伝送デバイスは、強度部材の第1の端部に動作可能に接続され、光伝送デバイスは、少なくとも約300nmで約1700nm以下の波長を有する光を第1の光ファイバの第1の端部を通過して伝送するように構成される光源を含む。光検出デバイスは、強度部材の第2の端部に動作可能に接続され、光検出デバイスは、第1の光ファイバの第2の端部を通過した光伝送デバイスからの光を検出するように構成される光検出器を含む。
【0013】
前述のシステムは、単独でまたは任意の組み合わせにより実施され得る特徴の改良および/または追加の特徴を有するものとして特徴付けられてもよい。1つの特徴では、光源は、赤外領域において主波長を有する光を放出するように構成される。1つの改良形態では、光源は、少なくとも約800nmの主波長を有する光を放出するように構成される。別の改良形態では、光源は、約1000nm以下の主波長を有する光を放出するように構成される。
【0014】
別の特徴では、強度要素は、繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第2の光ファイバを含む。1つの改良形態では、強度要素は、繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第3の光ファイバを含む。別の改良形態では、強度要素は、繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第4の光ファイバを含む。
【0015】
別の特徴では、電気ケーブルが少なくとも約100メートルの長さを有する。さらに別の特徴では、電気ケーブルが約3500メートル以下の長さを有する。1つの特徴において、導電体が、電気ケーブルを形成するために強度部材の周囲に配置され、かつ強度部材によって支持される。
【0016】
別の特徴では、第1の光ファイバはシングルモード光ファイバである。別の特徴では、光源が発光ダイオード(LED)を含む。別の特徴では、光検出デバイスは、複合強度部材の端部と光センサとの間に配置され、伝送光を光センサ上に合焦させるように構成される凹レンズを含む。別の改良形態では、光センサは、CCDセンサおよびCMOSセンサから選択される。
【0017】
別の実施形態では、繊維補強複合強度部材の精査のための方法が開示される。強度部材は、少なくとも第1の強度要素を含み、強度要素は、結合マトリクスと、繊維補強複合体を形成するように結合マトリクス内に機能的に配置された複数の補強繊維とを含む。少なくとも第1の光ファイバは、繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する。方法は、光伝送デバイスを強度部材の第1の端部に動作可能に取り付けるステップと、光検出デバイスを強度部材の第2の端部に動作可能に取り付けるステップと、光伝送デバイスからの光を第1の光ファイバを通過して光検出デバイスに向かって伝送するステップと、ここで、伝送光がインコヒーレントであり、光検出デバイスによってインコヒーレント伝送光の存在を検出するステップとを含む。
【0018】
前述の方法は、単独でまたは任意の組み合わせにより実施され得る改良および/または追加の方法ステップを有するものとして特徴付けられてもよい。1つの特徴では、伝送光が赤外線領域における波長を有する。1つの改良形態では、伝送光は、少なくとも約800nmの主波長を有する。別の改良形態では、伝送光は、約1000nm以下の主波長を有する。別の特徴において、第1の強度要素は、繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第2の光ファイバを含み、光を伝送するステップは、第2の光ファイバを通過して光を伝送する。別の改良形態では、強度要素は、繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第3の光ファイバを含み、光を伝送するステップは、第3の光ファイバを通過して光を伝送する。別の改良形態では、強度要素は、繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第4の光ファイバを含み、光を伝送するステップは、第4の光ファイバを通過して光を伝送する。
【0019】
別の特徴では、複合強度部材が少なくとも約500メートルの長さを有する。別の改良形態では、複合強度部材が少なくとも約3500メートルの長さを有する。別の特徴では、複合強度部材が約7500メートル以下の長さを有する。別の特徴では、光を伝送するステップおよび光を検出するステップの間、複合強度部材がスプール上に巻き付けられる。別の特徴では、方法は、光を伝送するステップおよび光を検出するステップの前に、複合強度要素を応力試験するステップを含む。
【0020】
別の特徴では、架空電気ケーブルを形成するように導電体が複合強度部材の周囲に撚り合わされる。1つの改良形態では、光を伝送するステップおよび光を検出するステップは、複合強度部材に導電体を撚り合わせた後で、架空電気ケーブルを支持塔に設置する前に実行される。別の改良形態では、光を伝送するステップおよび光を検出するステップは、架空電気ケーブルを支持塔に設置した後に実行される。
【0021】
別の特徴では、光ファイバはシングルモード光ファイバである。別の特徴では、光を伝送するステップが、発光ダイオード(LED)を通電することを含む。1つの改良形態では、光を伝送するステップが、光を伝送しながらLEDを機械的に回転させることを含む。別の改良形態では、LEDは少なくとも約5rpmの速度で回転される。
【0022】
別の特徴では、光ファイバへの光の伝送を促進にするために、強度部材の第1の端部に屈折率整合材料が適用される。
本開示の別の実施形態は、光源を使用した精査用の繊維補強複合強度要素の作成方法に関する。繊維補強複合体は、結合マトリクスと、結合マトリクス内に配置された複数の補強繊維とを含み、少なくとも第1の光ファイバが繊維補強複合体内に配置され、第1の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端部から繊維補強複合体の第2の端部にまで延在する。方法は、伸長繊維補強複合体の第1の端部に接近して伸長繊維補強複合体を切断して、実質的に平坦な第1の切断端面を形成するステップを含む。方法はまた、第1の切断端面を研磨して、研磨された第1の端面を形成するステップを含み、研磨された第1の端面は、繊維補強複合体と、光ファイバの第1の端部とを含む。結果として得られる繊維補強複合強度要素は、インコヒーレント光源によって精査されるように構成されている。
【0023】
前述の方法は、単独でまたは任意の組み合わせによって実施され得る改良および/または追加のステップを有するものとして特徴付けられてもよい。1つの改良形態において、方法は、繊維補強複合体の第2の端部に接近して繊維補強複合体を切断して、実質的に平坦な第2の切断端面を形成するステップと、第2の切断端面を研磨して、研磨された第2の端面を形成するステップとを含み、研磨された第2の端面は、繊維補強複合体と、第1の光ファイバの第2の端部とを含む。
【0024】
別の特徴では、繊維補強複合強度要素が少なくとも約100メートルの長さを有する。さらに別の特徴では、繊維補強複合強度要素が約7500メートル以下の長さを有する。
別の特徴では、繊維補強複合体を切断するステップ(単数または複数)が、電動砥粒付き切刃(powered gritted cutting edge)で切断することを含む。1つの改良形態では、砥粒付き切刃が少なくとも約30μmの砥粒サイズを有する研磨砥粒を含む。別の改良形態では、砥粒付き切刃は、切断ステップ中にモータによって回転される。別の改良形態では、切断ステップ中に第1の端部が切刃に対して実質的に直交して配置されるように、少なくとも切断ステップ中に繊維補強複合体の第1の端部を固定するステップを含む。別の改良形態では、研磨ステップが第1の切断端面を砥粒付き研磨面により研磨することを含む。さらに別の改良形態では、砥粒付き研磨面が、約25μmより粗くない砥粒サイズを有する研磨砥粒を含む。別の改良形態では、研磨ステップの前および/または間に、伸長繊維補強複合体の第1の端部を冷却するステップを含む。
【0025】
別の実施形態では、伸長繊維補強複合強度部材が開示される。強度部材は、長手方向の中心軸を有する少なくとも第1の繊維補強複合強度要素を含む。強度要素は、結合マトリクスと、繊維補強複合体を形成するように結合マトリクス内に配置された複数の補強繊維と、繊維補強複合体内に埋め込まれ、かつ強度要素の第1の端部から強度要素の第2の端部にまで延在する少なくとも第1の伸長し連続した光ファイバとを含む。強度要素の少なくとも第1の端部は第1の端面を含み、第1の端面は繊維補強複合体を含み、第1の光ファイバは繊維補強複合体の第1の端面を超えて延在しない。
【0026】
前述の強度部材は、単独でまたは任意の組み合わせにより実施され得る特徴の改良および/または追加の特徴を有するものとして特徴付けられてもよい。1つの特徴において、強度要素の第2の端部は、第2の端面を含み、第1の光ファイバは、繊維補強複合体の第2の端面を超えて延在しない。
【0027】
別の特徴では、強度要素が、繊維補強複合体内に埋め込まれた少なくとも第2の伸長し連続した光ファイバを含み、第2の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端面を超えて延在しない。1つの改良形態では、強度要素が、繊維補強複合体内に配置された少なくとも第3の伸長し連続した光ファイバを含み、第3の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端面を超えて延在しない。別の改良形態では、強度要素が、繊維補強複合体内に配置された少なくとも第4の伸長し連続した光ファイバを含み、第4の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端面を超えて延在しない。別の改良形態では、光ファイバは、強度要素の長手方向の中心軸の周囲に同心的(concentrically)に配置される。さらに別の改良形態では、強度要素の長手方向の中心軸には光ファイバが存在しない。
【0028】
1つの特徴では、光ファイバ(単数または複数)はシングルモード光ファイバである。別の特徴では、光ファイバ(単数または複数)はガラス光ファイバである。1つの改良形態において、ガラス光ファイバ(単数または複数)は、透過性ガラスコアと、透過性ガラスコアを包囲する単一のポリマーコーティングとを含む。別の改良形態では、単一のポリマーコーティングが少なくとも約1000MPaの弾性率を有する。
【0029】
1つの特徴では、強度部材が少なくとも約100メートルの長さを有する。1つの改良形態では、強度部材が少なくとも約3500メートルの長さを有する。別の特徴では、強度部材が約7500メートル以下の長さを有する。別の特徴では、強度部材がスプール上に巻き付けられている。
【0030】
別の特徴では、強度部材が実質的に円形の断面を有する。1つの改良形態では、強度部材が少なくとも約1.0mmの直径を有する。別の改良形態では、強度部材は、約20mm以下の直径を有する。別の特徴では、補強繊維が長手方向に延在するカーボン繊維を含む。1つの改良形態において、強度部材がカーボン繊維を包囲する絶縁層をさらに含む。別の改良形態では、絶縁層がガラス繊維を含む。別の改良形態では、光ファイバ(単数または複数)がカーボン繊維と絶縁層との間に配置される。
【0031】
1つの特徴では、強度部材が少なくとも約1900MPaの定格引張強度を有する。別の特徴では、強度部材は、約30×10-6/℃以下の熱膨張係数を有する。
別の特徴では、繊維補強複合体の第1の端面が研磨された面である。1つの改良形態では、繊維補強複合体の第2の端面が研磨された面である。さらに別の改良形態では、第1の端面が、強度部材の長手方向の中心軸に実質的に直交している。別の改良形態では、第1の光ファイバの第1の端部は、繊維補強複合体の第1の端面と実質的に同一平面にある。
【0032】
1つの特徴では、強度部材が単一の強度要素を含む。別の特徴では、強度部材が複数の強度要素を含む。
別の特徴では、架空電気ケーブルが開示され、架空電気ケーブルは、任意の特徴および改良を含む、前述の実施形態による強度部材と、強度部材を包囲する導電層とを備える。1つの改良形態では、導電層が、強度部材の周囲に配置された複数の導電性ストランドを含む。
【0033】
別の実施形態では、伸長構造部材に埋め込まれた光ファイバの端部に光を伝送するためのデバイスが開示される。デバイスは、実質的に剛性の構造体と、構造体を少なくとも部分的に貫通して配置されたボアとを含み、ボアは、ボアの第1の端部に開口部を有し、開口部およびボアは、構造部材の全長に亘って埋め込まれた少なくとも第1の光ファイバを有する伸長構造部材の端部を受け入れるように構成されている。光源は、構造体内に少なくとも部分的に配置され、かつボアの第2の端部に近接し、光源は、伸長部材がボアの第1の端部内に配置されたときに、ボア内および伸長部材の端部に向かって光を伝送するように構成される。電源が光源に動作可能に取り付けられている。
【0034】
前述のデバイスは、単独でまたは任意の組み合わせにより実施され得る特徴の改良および/または追加の特徴を有するものとして特徴付けられてもよい。1つの特徴では、光源はインコヒーレント光源である。1つの改良形態では、光源は、発光ダイオード(LED)を含む。別の改良形態では、LEDは、少なくとも約300nmで約1000nm以下の波長範囲内の光を放出するように構成されている。別の改良形態では、LEDは、少なくとも約800nmで約900nm以下の波長範囲内の光を放出するように構成されている。
【0035】
別の特徴では、モータが光源に動作可能に接続され、かつ光源がボア内に光を伝送するときに光源を移動させるように構成されている。1つの改良形態では、モータは、光源の中心軸を中心に光源を回転させるように構成されている。
【0036】
別の特徴では、ストップ要素が、構造部材がボアの第1の端部に配置されたときに、光源と構造部材の端部との間の距離を維持するように設けられている。1つの改良形態では、ストップ要素は、ボア内に配置された肩部を含み、肩部は、肩部を通過して光源に向かう方向への構造部材の移動を防止するように構成されている。1つの改良形態では、ストップ要素は、構造部材の端部と光源との間の距離を少なくとも約0.1mmで約150mm以下に維持するように構成されている。1つの特徴では、剛性の構造体は金属からなる。1つの改良形態では、金属はアルミニウムを含む。
【0037】
本開示による別の実施形態は、伸長構造部材に埋め込まれた光ファイバの端部から発出する光を検出するためのデバイスである。デバイスは、実質的に剛性の構造体と、構造体を少なくとも部分的に貫通して配置されたボアとを含み、ボアは、ボアの第1の端部に開口部を有する。開口部およびボアは、構造部材の全長に亘って埋め込まれた少なくとも第1の光ファイバを有する伸長構造部材の端部を受け入れるように構成される。光検出器が構造体内でボアの第2の端部に近接して配置されている。光検出器は、伸長部材がボアの第1の端部内に配置されたときに、光ファイバからの光を受信しかつ検出するように構成されている。電源が光検出器に動作可能に取り付けられている。
【0038】
前述のデバイスは、単独でまたは任意の組み合わせにより実施され得る特徴の改良および/または追加の特徴を有するものとして特徴付けられてもよい。1つの特徴では、光検出器は、CCDセンサおよびCMOSセンサから選択される。別の特徴では、デバイスは、ボアの第1の端部に配置され、かつ構造部材がボア内に配置されたときに、構造部材の周囲を密封するように構成された遮光要素を備える。1つの改良形態では、遮光要素はエラストマー材料を含む。
【0039】
別の特徴では、デバイスは、構造部材がボアの第1の端部内に配置されたときに、光検出器と構造部材の端部との間の距離を維持するように構成されたストップ要素を備える。1つの改良形態では、ストップ要素は、ボア内に配置された肩部を含み、肩部は、肩部を通過して光検出器に向かう構造部材の移動を防止するように構成される。別の改良形態では、ストップ要素は、構造部材の端部と光検出器との間の距離を少なくとも約5mmで約300mm以下に維持するように構成されている。
【0040】
別の特徴では、デバイスは、光ファイバから発出する光を光検出器に合焦させるように構成されたレンズを含む。別の特徴では、剛性の構造体は金属からなる。1つの改良形態では、金属はアルミニウムを含む。
【0041】
別の実施形態では、切断および研磨用のツールが開示される。ツールは、平面体を含み、平面体は、平面体の少なくとも1つの縁に沿って配置された切刃と、平面体の少なくとも一部を覆う研磨面とを含む。位置合わせ部材が平面体に動作可能に関連付けられ、かつ長手方向軸を有する伸長構造部材を平面体と動作可能に位置合わせするように構成されて、平面体の切刃が、長手方向軸に対して実質的に直交して伸長構造部材を移動および切断して切断面を形成するように構成されるようにする。研磨面は、切刃が伸長構造部材を通過して切断して移動するときに、切断面を研磨するように構成されている。
【0042】
切断および研磨のための前述のツールは、単独でまたは任意の組み合わせにより実施され得る特徴の改良および/または追加の特徴を有するものとして特徴付けられてもよい。1つの特徴では、平面体は実質的に円形である。1つの改良形態において、モータが、平面体に動作可能に接続され、かつ平面体の中心軸を中心に平面体を回転させるように構成される。別の改良形態では、切刃が複数の切断歯を含む。さらに別の改良形態では、切刃が砥粒付きの表面を含む。さらに別の改良形態では、砥粒付き表面は、少なくとも約35μmのサイズを有する研磨砥粒を含む。別の特徴では、研磨面が研磨剤の研磨砥粒を含む。1つの改良形態では、研磨砥粒が約25μm以下のサイズを有する。別の改良形態では、研磨面は、平面体の表面から少なくとも約0.1mmで約1.2mm以下だけ高く位置している。別の特徴では、作動機構は、研磨面を伸長構造部材の端部に向かって押圧するように構成される。1つの改良形態では、作動機構がばねを含む。
【0043】
別の特徴では、バッテリが平面体の移動機構に電力を供給する。1つの改良形態では、バッテリが約18ボルト以下の電圧を有する。別の改良形態では、ツールは、ツールを把持して自由に操作するための把持部材を備える手持ち式ツールである。1つの改良形態では、ツールは、切断および研磨ステップからの塵埃の捕捉のために構成された捕捉機構を備える。
【0044】
別の実施形態によれば、引張強度部材で使用するように構成された伸長繊維補強複合強度要素の製造方法が開示される。方法は、長手方向の中心軸を有する伸長繊維補強複合体を形成するステップを含み、繊維補強複合体は、結合マトリクスと、結合マトリクス内に配置された複数の補強繊維とを含む。繊維補強複合体を形成するステップ中に、少なくとも第1の光ファイバが繊維補強複合体に埋め込まれ、第1の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端部から繊維補強複合体の第2の端部にまで延在する。繊維補強複合体は、繊維補強複合体の第1の端部に接近して切断され、切断により、実質的に平坦な第1の切断端面が形成される。次に、第1の切断端面が研磨されて、研磨された第1の端面を有する伸長繊維補強複合強度要素が形成され、研磨された第1の端面は、繊維補強複合体と光ファイバの第1の端部とを含む。
【0045】
前述の方法は、単独でまたは任意の組み合わせによって実施され得る改良および/または追加のステップを有するものとして特徴付けられてもよい。1つの特徴において、方法は、繊維補強複合体の第2の端部に接近して繊維補強複合体を切断して、実質的に平坦な第2の切断端面を形成するステップと、第2の切断端面を研磨して、研磨された第2の端面を形成するステップとを含み、研磨された第2の端面は、繊維補強複合体と、第1の光ファイバの第2の端部とを含む。
【0046】
別の特徴において、方法は、繊維補強複合体を形成するステップの間に、少なくとも第2の光ファイバを繊維補強複合体に埋め込むステップを含み、第2の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端部から繊維補強複合体の第2の端部にまで延在する。別の改良形態では、方法は、少なくとも第3の光ファイバを繊維補強複合体に埋め込むステップを含み、第3の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端部から繊維補強複合体の第2の端部まで延在する。さらなる改良形態では、方法は、少なくとも第4の光ファイバを繊維補強複合体に埋め込むステップを含み、第4の光ファイバは、繊維補強複合体の第1の端部から繊維補強複合体の第2の端部まで延在する。
【0047】
別の特徴では、光ファイバは、強度要素の長手方向の中心軸の周囲に同心的に配置される。別の改良形態では、強度要素の長手方向の中心軸には光ファイバが存在しない。別の特徴では、強度要素が少なくとも約3500メートルの長さを有する。さらに別の特徴では、強度要素が約7500メートル以下の長さを有する。別の特徴では、この方法は、切断および研磨ステップの前に、繊維補強複合体をスプール上に巻き付けるステップをさらに含む。別の特徴では、補強繊維が長手方向に延在するカーボン繊維を含む。別の特徴では、伸長繊維補強複合体を形成し、光ファイバを埋め込むステップが、引き抜きデバイスを通過して補強繊維および光ファイバ(単数または複数)を引っ張ることを含む。別の改良形態では、繊維補強複合体を切断するステップ(単数または複数)は、電動砥粒付き切刃で切断することを含む。別の特徴では、砥粒付き切刃が少なくとも約30μmのサイズを有する研磨砥粒を含む。別の改良形態では、電動砥粒付き切刃は、切断ステップ中にモータによって回転される。
【0048】
別の特徴では、方法は、第1の端部が切断ステップ中に切刃に対して実質的に直交して配置されるように、繊維補強複合体の第1の端部を固定するステップを含む。別の改良形態では、研磨ステップが第1の切断端面を研磨面により研磨することを含む。さらに別の改良形態では、研磨面が約25μm以下の砥粒サイズを有する研磨砥粒を含む。別の特徴では、方法は、研磨ステップの前および/または間に、繊維補強複合体の第1の端部を冷却するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1A】むき出しの架空電気ケーブルの斜視図である。
図1B】むき出しの架空電気ケーブルの斜視図である。
図2A-2B】架空電気ケーブルで使用するように構成された複合強度要素の断面図である。
図3A-3C】本開示の実施形態による、光ファイバを含む複合強度要素の断面図である。
図3D-3F】本開示の実施形態による、光ファイバを含む複合強度要素の断面図である。
図4】本開示の実施形態による複合強度部材の精査のためのシステムの概略図である。
図5】本開示の実施形態による光伝送デバイスを示す図である。
図6】本開示の実施形態による光検出デバイスを示す図である。
図7A】本開示の実施形態による切断および研磨ツールを示す図である。
図7B】本開示の実施形態による切断および研磨ツールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、繊維補強複合強度部材の精査により複合強度部材の構造健全性を決定することを可能にするシステム、方法、コンポーネントおよびツールに関する。
本開示で使用される用語として、繊維補強複合強度部材は、例えば、鋼と比較して軽量かつ良好な機械的特性(例えば、高い引張強度)などの用途(例えば、むき出しの架空電気ケーブル)において使用される繊維補強複合構造である。繊維補強複合体は、結合マトリクス中に補強繊維を含む。強度部材は、単一の(即ち、1つ以下の)強度要素(例えば、一片の繊維補強複合強度部材)を含んでもよく、または強度部材を形成するために組み合わされた(例えば、ねじれた、撚り合わされた、またはそれ以外に共に束ねられた)複数の複合強度要素から構成されてもよい。従って、本開示は、特に、強度部材が単一の強度要素を含む場合、強度部材および強度要素という用語を交換可能に使用することができる。
【0051】
本明細書に開示される精査のためのシステムおよび方法は、システムおよび方法で使用するため、ならびに同様のシステムおよび方法で使用するために独自に構成された強度部材を組み込むことができる。一実施形態では、繊維補強複合強度部材の精査のためのシステムおよび方法が開示され、複合強度部材は、強度要素内に配置された少なくとも第1の光ファイバを有する繊維補強複合強度要素と、強度要素の第1の端部に動作可能に接続された光伝送デバイスと、強度要素の第2の端部に動作可能に接続された光感知デバイスとを含む。システムおよび方法は、強度部材を精査して、強度部材が構造的に損傷しているかどうかを判定するように構成される。システムおよび方法は、費用効果が高く、強度部材の製造および設置を通じて、いずれの時点でも比較的簡単に実施することができる。
【0052】
本開示によれば、繊維補強複合強度部材は、精査システムおよび方法における強度部材の精査を可能にする1つまたは複数の特性を有することができるが、本明細書に開示された繊維補強複合強度部材の特性は、他のシステムおよび他の方法におけるその使用を可能にすることができる。
【0053】
強度部材は、様々な構造的用途、特に、引張強度部材として利用することができる。1つの特定の実施形態では、伸長繊維補強複合強度部材は、例えば、むき出しの架空電気ケーブルなどの架空電気ケーブルにおいて使用するように構成される。上述したように、電気の伝送および/または配電用の架空電気ケーブルは、典型的には、中心強度部材と、強度部材の周囲に配置され、かつ強度部材によって支持された導電体とを含む。強度部材は伝統的に鋼から製造されてきたが、このような鋼強度部材は、多くの顕著な利点を提供する複合材料、特に、繊維補強複合材料から製造される強度部材に次第に置き換えられつつある。このような繊維補強複合強度部材は、図1Aに示されているように、単一の繊維補強複合強度要素(例えば、単一のロッド)を含み得る。このような構成の例は、上記したハイエル(Hie)他による米国特許第7,368,162号明細書に開示されている。代替的に、複合強度部材は、図1Bに示されるように、強度部材を形成するように操作により組み合わされた(例えば、共にねじられるか、または撚り合わされた)複数の個別の繊維補強複合強度要素(例えば、個別のロッド)から構成されてもよい。このような複数要素の複合強度部材の例としては、マッカロー(McCullough)他による米国特許第6,245,425号明細書に示されている複数要素のアルミニウムマトリクス複合強度部材と、トサカ(Tosaka)他による米国特許第6,015,953号明細書に示されている複数要素のカーボン繊維強度部材と、ダニエル(Daniel)他による米国特許第9,685,257号明細書に示されている複数要素の強度部材とが含まれるが、これらに限定されない。これらの米国特許文献の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。繊維補強複合強度部材に関する他の構成が使用されてもよい。
【0054】
図1Aの実施形態を再び参照すると、架空電気ケーブル120Aは、単一の繊維補強複合強度要素127を含む繊維補強複合強度部材126の周囲に螺旋状に巻き付けられた複数の導電性ストランド124aを含む第1の導電層122aを含む。導電性ストランド124aは、銅またはアルミニウムなどの導電性金属から製造することができ、むき出しの架空電気ケーブルに使用するために、典型的には、アルミニウム、例えば、硬化アルミニウム、焼鈍アルミニウム、および/またはアルミニウム合金から製造される。導電性材料(例えば、アルミニウム)は、送電および/または配電用の架空送電気ラインを形成するために支持塔間に張設されるときに自立するのに十分な機械的特性(例えば、十分な引張強度)を備えていない。従って、架空電気ケーブル120Aは、高い機械的張力の下で架空電気ケーブル120Aが支持塔間に張設されるときに導電層124a/124bを支持するための強度部材126を含む。
【0055】
図1Aに示されるように、導電性ストランド124a/124bは、実質的に台形の断面を有するが、円形断面などの他の構成が採用されてもよい。台形断面のような多角形断面の使用により、例えば、円形断面を有するストランドと比較して、同じ有効ケーブル直径に対して導電性金属の断面面積が有利に増加する。図1Aに示すように、架空電気ケーブル120Aは、典型的には、第1の導電層122aの周囲に螺旋状に巻き付けられた複数の導電性ストランド124bを含む第2の導電層122bを含む。そのような架空電気ケーブルは、架空電気ケーブルの所望の用途に応じて、単一の導電層または3つ以上の導電層を含み得ることが理解されよう。
【0056】
図1Bは、図1Aに示された電気ケーブルと同様の架空電気ケーブル120Bの一実施形態を示しており、ここで、強度部材128は、共に撚り合わされるか、またはねじられて強度部材128を形成する複数の個別の繊維補強強度要素(例えば、強度要素129)を含む。図1Bでは7個の個別の強度要素を含むものとして示されているが、複数要素の強度部材は、特定の用途に適した任意の数の強度要素を含み得ることが理解されよう。
【0057】
図2Aおよび2Bは、繊維補強複合強度要素の2つの例の断面図を示す。図2Aは、熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーなどのポリマーマトリクス中に長手方向に延在するカーボン補強繊維を含む内部コア228Aを有する繊維補強強度要素220Aを示す。内部コア228Aは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの絶縁性(例えば、高誘電率)ポリマーから製造された外側ポリマー層230Aによって包囲されている。層230Aは、内部コア228Aのカーボン繊維を、アルミニウムのガルバニック腐食を引き起こし得る導電層(図1を参照)との接触から保護する。図2Bに示される実施形態では、強度要素220Bは、ポリマーマトリクス内の長手方向に延在するカーボン繊維の内部コア228Bと、ポリマーマトリクス内の絶縁ガラス繊維(例えば、連続ガラス繊維)の外側層230Bとを含む。ガラス繊維の外側層230Bは、カーボン繊維を導電層との接触から強固に保護し、かつ強度要素220Bに対して高い柔軟性を提供して、強度要素220Bに損傷を与えることなく、強度要素および電気ケーブルを保管および輸送のためにスプールに巻き付けることができるようにする。典型的には、強度部材が複数の強度要素から構成される場合、個別の強度要素は、単一要素の強度部材よりもより小さい直径を有することとなる。上記の図1Aおよび1Bを参照されたい。そのような強度部材は、強度要素の束を包囲する層(例えば、ラッピング)を含み得る。全ての強度部材が絶縁層を必要とするわけではないことも理解されよう。
【0058】
上記のように、強度要素が構成される繊維補強複合体は、結合マトリクス中に機能的に配置された補強繊維を含む。補強繊維は、繊維補強複合体の全長に亘って延在する実質的に連続した補強繊維であってもよく、かつ/または結合マトリクスを通じて分散した短い補強繊維(例えば、繊維ウィスカまたは切断された繊維(chopped fibers))を含んでもよい。補強繊維は、カーボン、ガラス、ホウ素、金属酸化物、金属炭化物、アラミド繊維またはフルオロポリマー繊維などの高強度ポリマー、バルサと繊維などを含むがこれらに限定されない広範囲の材料から選択されてもよい。カーボン繊維は、非常に高い引張強度および/または比較的低い熱膨張係数(CTE)のために、多くの用途において特に有利である。
【0059】
結合マトリクスは、例えば、熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーなどのプラスチック(例えば、ポリマー)を含み得る。例えば、結合マトリクスは、半結晶性熱可塑性物質を含む熱可塑性ポリマーを含み得る。有用な熱可塑性樹脂の具体例には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリオキシメチレン(POMまたはアセタール)、ポリアミド(PAまたはナイロン)、ポリエチレン(PE)、フルオロポリマー、および熱可塑性ポリエステルが含まれるが、これらに限定されない。結合マトリクスに有用なポリマー材料の他の例には、付加硬化型フェノール樹脂、例えば、ビスマレイミド(BMI)、ポリエーテルアミド、種々の無水物、またはイミドが含まれる。
【0060】
結合マトリクスは、熱硬化性ポリマーをも含み得る。有用な熱硬化性ポリマーの例には、ベンゾオキサジン、熱硬化性ポリイミド(PI)、ポリエーテルアミド樹脂(PEAR)、フェノール樹脂、エポキシ系ビニルエステル樹脂、ポリシアネート樹脂およびシアネートエステル樹脂が含まれるが、これらに限定されない。例示的な一実施形態では、ビニルエステル樹脂が結合マトリクスに使用される。別の実施形態は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの反応生成物であるエポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)などのエポキシ樹脂の使用を含む。エポキシ樹脂用の硬化剤(例えば、硬化剤(hardeners))は、繊維補強複合強度部材の所望の特性および加工方法に応じて選択することができる。例えば、硬化剤は、脂肪族ポリアミン、ポリアミド、およびこれらの化合物の改変バージョンから選択され得る。無水物およびイソシアネートを硬化剤として使用することもできる。
【0061】
結合マトリクスは、アルミニウムマトリクスなどの金属マトリクスであってもよい。アルミニウムマトリクスの繊維補強複合体の一例は、上記のマッカロー他による米国特許第6,245,425号明細書に示されている。
【0062】
特に有利な架空電気ケーブル用の複合強度部材の1つの構成は、カリフォルニア州アーバインのCTCグローバル社(CTC Global Corporation)から入手可能であり、かつ上記のハイエル(Hiel)他による米国特許第7,368,162号明細書に示されているACCC(登録商標)複合構成である。ACCC(登録商標)電気ケーブルの商業的実施形態では、強度部材は、ポリマーマトリクスに配置された実質的に連続した補強カーボン繊維の内部コアを含む実質的に円形の断面の単一要素の強度部材である。カーボン繊維のコアは、ポリマーマトリクス中に配置され、かつ周囲の導電性アルミニウムストランドからカーボン繊維を絶縁するように選択されガラス繊維の堅固な絶縁層によって包囲されている。図2Bを参照されたい。ガラス繊維はまた、カーボン繊維よりも高い弾性率を有し、かつ曲げ性を提供するため、強度部材および電気ケーブルは、保管および輸送のためにスプールに巻き付けることができる。
【0063】
架空電気ケーブルにおいて有用な繊維補強複合強度部材は、いくつかの点で特徴付けられ得る。1つ特徴は、強度部材の長さであり得る。例えば、架空電気ケーブル用の強度部材は、典型的には非常に長い長さで製造される。特定の特徴では、製造されたときの強度部材は、少なくとも約1000メートル、例えば、少なくとも約3500メートルなど、例えば、少なくとも約5000メートルなど、またはさらに少なくとも約7500メートルの長さを有し得る。しばしば、強度部材の製造直後に、強度部材は、典型的には、強度部材の保管および/または輸送のためにスプール(例えば、ボビン)上に巻き付けられ、例えば、電気ケーブルを形成するために強度部材が導電体と撚り合わされる撚り加工設備への輸送のために巻き付けられる。本開示の強度部材は、その長さについて特定の上限を有していないが、実際問題として、保管/輸送スプールは、約9000メートル以下、例えば、約8000メートル以下の強度部材の最大容量を有するであろう。スプールの最大容量は、スプールに巻き付けられる強度部材の直径(または、例えば、強度部材を構成する強度要素の数)に依存することが理解されるであろう。
【0064】
繊維補強複合強度部材の長さはまた、電気ケーブルが形成されるとき、例えば、強度部材が導電体と撚り合わされるときに特徴付けられてもよい。上記したように、これは、典型的には、強度部材がスプールから引っ張られ、導電体(例えば、導電性ストランド)と撚り合わされ、こうして形成された電気ケーブルが、電気ケーブルの保管および/または輸送のために別のスプールに巻き付けられる撚り加工中に生じる。導電性ストランドは、強度部材の容積に加えて容積を追加するため、スプールに格納可能な電気ケーブルの長さは、強度部材のみの場合と比較して短くなる。従って、例えば、この状態における電気ケーブルの長さおよび強度部材の長さは、典型的には、約4500メートル以下、例えば、約4000メートル以下である。
【0065】
電気ケーブルおよびその下にある繊維補強複合強度部材の長さは、電気ケーブルが電気ラインを形成するために支持塔上に設置される場合にも特徴付けられ得る。電気ラインを形成するために、電気ケーブルはスプールから引き出され、電気ケーブルが地上から安全な距離で懸架されるように、支持塔(例えば、パイロン)に動作可能に取り付けられる。電気ケーブルは、電気ラインの経路に沿って特定の間隔で切断され、導電性スプライスおよび/またはデッドエンド構造などのケーブルハードウェアを使用して再接続する必要がある。電気ケーブルの長さは、隣接する2つの支持塔間の距離と同じくらい短くてもよいか(例えば、電気ラインが曲がる場合)、またはハードウェアを使用して切断して再接続する前に、いくつかの支持塔にまたがってもよい。従って、設置された電気ケーブルおよびその下にある強度部材は、少なくとも約50メートル、例えば、少なくとも約100メートルなど、例えば、少なくとも約250メートル以上など、または少なくとも約500メートル以上の長さを有してもよい。いくつかの電気ラインは、最大で約3000メートルの長さを有してもよく、例えば、単一のスパンで河川または谷を横切って張設されたライン、または複数のスパンを形成する複数の塔によって懸架された連続した地形を横切るラインがある。
【0066】
上記のように、繊維補強複合強度部材は、直径の範囲、例えば、円形断面の直径、非円形断面の有効直径、または強度部材を形成する複数の撚り合わされた、またはねじられた複合強度要素の有効直径を有することができる。直径に関して特定の下限はないが、直径は、典型的には、少なくとも約1mm、例えば、少なくとも約2mmまたは少なくとも約3mmなどである。同様に、強度部材の直径に関して特定の上限はないが、直径は、典型的には、約30mm以下、例えば、約20mm以下など、約15mm以下、例えば、約11mm以下などである。
【0067】
架空電気ケーブルで使用するように構成された繊維補強複合強度部材は、支持塔に高い機械的張力下で安全に設置するために必要な最小引張強度という点でも特徴付けられる。これに関して、強度部材は、少なくとも約1900MPa、例えば、少なくとも約2000MPaなど、例えば、少なくとも約2050MPaなどの引張強度を有することが一般に望ましい。できるだけ高い引張強度を有することが典型的に望ましいので、強度部材の引張強度に関して実際的な上限はない。結果として、引張強度の上限は、利用可能な材料、例えば、利用可能な補強繊維の引張強度によってのみ制限される。現在入手可能な補強繊維の引張強度を考慮すると、引張強度の実際的な上限は約3500MPaである。
【0068】
引張強度は繊維補強複合強度部材の主要な特性の1つであるが、架空電気ケーブルなどの特定の用途で使用するには、他の特性が望ましい場合がある。例えば、架空電気ラインにおける強度部材は、電気ラインが過熱したときのラインサグの発生を低減するために、低い熱膨張係数(CTE)を有することも望ましい。例えば、強度部材は、約30×10-6/℃以下、例えば、約20×10-6/℃以下など、例えば、約10×10-6/℃以下など、例えば、約7.5x10-6/℃以下など、例えば、約5x10-6/℃以下など、またはさらに約2.5x10-6/℃以下のCTEを有し得る。1つの特徴では、強度部材のCTEは、約2.0×10-6/℃以下である。いくつかの実施形態では、強度部材は、約-0.5×10-6/℃までのような、僅かに負のCTEを有してもよい。
【0069】
繊維補強強度部材の前述の特性は、架空電気ケーブルでの使用に望ましいものとして開示されているが、同様の特性は、本明細書で開示される強度部材がブリッジケーブルおよびメッセンジャーケーブルなどの他の構造で使用される場合にも望ましい場合がある。
【0070】
本開示によれば、繊維補強複合強度部材は少なくとも1つの繊維補強複合強度要素を含み、強度要素は少なくとも1つの伸長し連続した光ファイバを含む。光ファイバは、繊維補強複合体内(例えば、結合マトリクス内)に埋め込まれてもよく、かつ強度要素の第1の端部から強度要素の第2の端部まで延在してもよい。光ファイバは、強度要素の第1の端部から強度要素の第2の端部に光を伝送するように構成される。光ファイバ(単数または複数)の適切な選択、光ファイバ(単数または複数)の配置、および繊維補強複合強度要素の端部の準備により、強度要素の構造健全性を評価、例えば、強度要素を含む強度部材の構造健全性を評価するために、本明細書に開示されたシステムおよび方法を使用して強度要素を精査することができる。単一の光ファイバを利用することができるが、本明細書に開示されるシステムおよび方法の有効性は、繊維補強複合体内に離間した関係で複数の光ファイバを含むようにすることによって改善され得る。従って、本開示は、光ファイバ(例えば、複数の光ファイバ)の使用に言及し得るが、本開示はそのように限定されない。
【0071】
本明細書で使用される「光ファイバ」という用語は、入射光をファイバの全長に亘って伝送するように構成された伸長し連続したファイバを指す。典型的には、光ファイバは、透過性コア(transmissive core)と、例えば、光ファイバの外部を通過する透過性コアからの光の損失を低減するために異なる材料(例えば、異なる屈折率を有する)から製造されたコアを包囲するクラッド層とを含む。これは、例えば、均質な組成を有し、かつ典型的には、繊維トウ(即ち、個々のフィラメントの撚られていない束)として複合材料中に配置される構造繊維(例えば、構造ガラス繊維)とは対照的である。
【0072】
強度要素に使用される光ファイバは、例えば、シングルモード光ファイバまたはマルチモード光ファイバとすることができる。シングルモード光ファイバは、約125μmの直径のクラッドで包囲された小径の透過性コア(例えば、直径が約9μm)を有する。シングルモードファイバは、1つのモードの光のみを伝搬させることができるように構成されている。マルチモード光ファイバは、複数のモードの光を伝搬させることができる、より大きな透過性コア(例えば、直径が約50μm以上)を有する。精査のためのシステムおよび方法が実質的に任意のタイプの光ファイバを使用することができるということが本発明の利点であり、シングルモード光ファイバは、マルチモード光ファイバと比較して比較的低コストであることに関して好ましいものとなり得る。光ファイバは、全体が1つまたは複数のポリマーから製造され得る。しかしながら、ポリマー光ファイバは、強度要素の製造および/または使用に耐えるのに十分な耐熱性を有していない場合があり、現在、シングルモードのガラスファイバを利用することが好ましい。
【0073】
光ファイバは、強度要素の全長に亘って直線的に配置され得る。換言すれば、光ファイバは、長手方向に配向され、かつ強度要素の中心の長手方向軸と共線であってもよい。代替構成では、1つまたは複数の光ファイバは、非線形であってもよく、即ち、強度要素の中心の長手方向軸に対して巻き付けられてもよい(例えば、螺旋状にねじられてもよい)。
【0074】
本開示による繊維補強複合強度要素の1つの特徴は、強度要素の少なくとも一つの端部が、光ファイバを繊維補強複合体から区分け(例えば、分離)する必要なしに、繊維補強複合体内に配置された光ファイバへの、強度要素を通過する光(例えば、赤外光)の伝送を容易にするように構成された端面を有することである。光ファイバは非常に小さい(例えば、外側のコーティングを含めて直径が約250μmのみである)ため、繊維補強複合体内に簡単に配置(例えば、視覚的に配置)することは困難である。本開示によれば、精査システムおよび実施する方法に関して、光ファイバ(例えば、光ファイバの端部)を光ファイバを包囲する繊維補強複合体から分離する必要はない。即ち、強度要素は、光ファイバが繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の端面を超えて延在しないように構成され得る。ほとんどの用途では、強度要素の各端部(例えば、第1および第2の端部)は、光が第1の端部において強度要素内に伝送され、第2の端部において強度要素から送出されて検出されることを可能にするように構成されることが望ましい。
【0075】
別の特徴では、強度要素の端面は非常に滑らかであるとして説明することができる。例えば、端面は、研磨された端面(例えば、隆起、擦り傷、または他の小さな表面特徴を除去するために研磨された端面)として特徴付けられてもよい。以下で説明するように、強度要素の端面は、比較的細かい砥粒で研磨して、強度要素を切断ブレードで切断することによって生じ得る表面特徴を除去することができる。
【0076】
別の特徴では、強度要素の端面は、強度要素の中心の長手方向軸に対して実質的に直交しているとして説明することができる。即ち、端面は、長手方向軸に対して90°または90°にごく近くに配向された平面として特徴付けられ得る。本明細書で使用される場合、実質的に直交するとは、端面が長手方向軸に対して少なくとも90°の±5°以内に配向されることを意味する。1つの特徴では、端面は、強度要素の長手方向軸に対して90°の±2°以内に配向されている。例えば、端面は、例えば、長手方向軸に対して90°の±0.5°以内など、長手方向軸に対して90°の±1°以内に配向されてもよい。このような直交端面は、例えば、複合体の端部を切断するために使用される切断ブレードに対してそのような直交位置に複合体が保持される(例えば、把持される)間に、繊維補強複合体の端部を切断することによって形成され得る。強度要素の長手方向軸に対して直角関係を有する端面を形成することにより、光源が光ファイバに直接(例えば、物理的に)結合されていることを必要とせず、かつ光ファイバが複合体内に配置されている(例えば、視覚的に識別される)ことを必要とせずに、光ファイバ内外への光の伝送を可能にすることができることを見出した。そのような端面を形成するために使用され得るツールの一例を以下に説明する。
【0077】
強度要素の精査のために本明細書に開示されたシステムおよび方法は、強度要素の構造健全性を評価するために、例えば、強度要素(例えば、繊維補強複合体)が、例えば、強度要素の製造または取り扱いからの、何らかの破損または他の同様の欠陥を含むかどうかを決定するために使用することができる。信頼性のある評価を提供するために、かつ強度要素のサイズおよび構成(例えば、直径および/または断面)に応じて、強度要素が繊維補強複合体内に埋め込まれた少なくとも第2の伸長し連続した光ファイバを含むことが望ましいこともあり得る。強度要素は、信頼性のある評価を提供するために、例えば、繊維補強複合体の破壊が光ファイバをも破壊(例えば、破損)する確率、例えば、光ファイバの光伝送を大幅に低下または遮断する確率を高めるために、少なくとも第3の光ファイバまたは少なくとも第4の光ファイバを含み得る。複数の光ファイバは、単一の強度要素が強度部材として使用される場合に特に有用である。光ファイバは、上記の特性に適合すること、例えば、光ファイバが繊維補強複合体の端面(単数または複数)を超えて延在しないことが望ましい。
【0078】
繊維補強複合強度要素が3本以上の光ファイバを含む場合、光ファイバは、強度要素の長手方向の中心軸の周囲に同心的に配置されてもよく、かつ長手方向軸から等距離および/または互いに等距離に配置されてもよい。これは、強度要素の断面全体に光ファイバを均一に分布させることにより、繊維補強複合体の欠陥を検出するシステムおよび方法の能力を高めることができる。特定の一実施形態では、強度要素は、長手方向軸の周囲に同心的に配置され、かつ互いに対してほぼ等間隔で、例えば、強度要素の断面の周囲に約90°の角度で配置される少なくとも4本の光ファイバを含む。1つの特徴において、強度要素の長手方向の中心軸には光ファイバが存在せず、例えば、強度要素は、中心に配置された光ファイバを含まない。中心軸に沿って光ファイバを配置することは、精査システムおよび方法の有効性に有意義な貢献をしないと考えられている。これは、破損が強度要素の中心軸の近くを進行する確率が低く、またごく近くを進行することなく中心軸の周囲に間隔を置いて配置された1つまたは複数の光ファイバを破壊する確率が非常に低いからである。
【0079】
強度要素が、カーボン繊維を含むコアなどの補強繊維の中心複合コアと、結合マトリクス内のガラス繊維の層などの中心コアを包囲する絶縁層とを含む上記の実施形態では、光ファイバは、繊維補強複合体内の異なる位置に、即ち、中心コアと絶縁層との境界においてコアの中心軸からの異なる距離で、かつ/または中心軸に対して異なる角度で、有利に埋め込まれ得る。この境界に配置することにより、強度要素で破損が発生したときに、光ファイバが破壊される確率が高くなり得る。
【0080】
図3Aから3Fを参照すると、本開示の実施形態による強度要素の断面図が示されている。強度要素326A~326Fの繊維補強セクションの構成は、図2Bに示される強度要素と同様であり、かつ絶縁材料の外側層によって包囲された高張力繊維の内部コア(例えば、ガラス繊維を含む外側層によって包囲されたカーボン繊維を含む内部コア)を含む。図3Aに示すように、強度要素326Aは、中心軸の周囲に、中心軸から離間して強度要素426内に同心的に配置された4本の光ファイバ323a~dを含む。図3Aに示されるように、ファイバ323a~dは、内部コア328Aと外側層330Aとの間の境界329Aに、またはそのごく近くに配置される。4本の光ファイバはまた、中心軸の周囲に等間隔で配置され、例えば、約90°間隔で放射状に配置される。図3Bに示されるように、光ファイバ323e~gは、強度要素326Bの外面のごく近くに配置され、約120°の間隔で放射状に配置される。外面のごく近くに配置することは、外面で発生する(例えば、引き起こされる)破損を早期に検出するために有利であり得る。しかしながら、光ファイバ323e~gは、例えば、外部導電層との直接接触によってそれらが露出して損傷を受けるほど外面に近接して配置されるべきではない。図3Cは、強度要素326Cの実施形態を示しており、4本の光ファイバ323h~323kが内部コア328C内に埋め込まれている。図3Dは、5本の光ファイバが内部コア328Dと外側層330Dとの間の境界329Dに配置されている強度要素326Dの実施形態を示している。5本の光ファイバは、強度要素の中心軸から実質的に等距離にあり、かつ実質的に等間隔に、即ち、約72°の間隔で放射状に配置されている。図3Dは、強度要素が5本以上の光ファイバを含む任意の数の光ファイバを含み得ることを示している。図3Eは、第1のグループの光ファイバが強度要素の中心軸から第1の距離に配置され、第2のグループの光ファイバが中心軸から第2の距離に配置される強度要素326Eの実施形態を示し、第2の距離は第1の距離とは異なる。図3Fは、光ファイバが強度要素326Fの中心軸に沿って配置され、かつ中心軸から離間した光ファイバによって包囲されている強度要素326Fの実施形態を示している。図3A~3Fに示される強度要素内の光ファイバの配置は、可能な配置の単なる例であり、本開示は、これらの特定の配置に限定されないことが理解されよう。
【0081】
上述のように、例えば、端面を研磨することによって、光ファイバ内外への光の伝送を可能にするために、滑らかな端面を形成することが有利であり得る。多くの市販の光ファイバは、透過性コアおよびクラッド層を包囲する2つ以上のポリマー層(即ち、ガラスコアを保護するための比較的柔らかいポリマー材料の内側層、およびより硬いポリマーの外側層)を含むことが分かっている。より柔らかいポリマー層の機能は、特定の用途における光ファイバの微小曲げによる光損失を低減することである。しかしながら、光ファイバの端部を含む強度要素の端面を研磨すると、研磨プロセスの機械的作用および/または研磨プロセスによって発生した熱により、柔らかいポリマー層が変位し、光ファイバの透過性ガラスコアを少なくとも部分的に覆うことが分かった。変位したポリマーによる少量の被覆であっても、光ファイバ内へのおよび/または光ファイバ外への光の伝送が阻害される可能性がある。従って、1つの特徴では、光ファイバはより柔らかいポリマー層を含んでいない。例えば、光ファイバは、光の伝送のための透過性ガラスコアおよびクラッド層と、ガラスコアおよびクラッドを包囲する例えば介在材料層のない単一の保護(例えば、硬質)ポリマー層とを含み得る。その結果、変位したポリマーによりガラスコアの端部が覆われる事態が低減または排除されて、光ファイバ内外への光の伝送が改善される。1つの特徴では、単一の保護ポリマー層は、約4500MPaまでのように、少なくとも約1000MPaの引張弾性率を有する。そのようなポリマーの例には、アクリレート系ポリマーおよびポリイミドが含まれ得る。別の特徴では、光ファイバは、ポリマー(例えば、保護)層を含まなくてもよい。
【0082】
上記した強度要素は、上記の米国特許に記載されている方法を含む、当業者に既知の手段によって製造することができる。1つの特定の実施形態では、強度要素は、連続補強繊維(例えば、カーボン繊維およびガラス繊維)トウが結合マトリクス材料を通過して(例えば、エポキシ樹脂浴を通過して)引っ張られる引き抜き成形プロセスによって形成され、その後、結合マトリクス材料が硬化されて繊維を結合して、繊維補強複合体を形成する。光ファイバは、繊維トウ(例えば、カーボン繊維トウおよびガラス繊維トウ)と同様の方法で、製造業者によってスプール上に連続的な長さ(例えば、数千メートルもの長さ)で供給される。従って、光ファイバは、大きな困難を伴うことなく、補強繊維とともに引き抜き成形プロセスに組み込むことができる。
【0083】
従って、本開示の一実施形態は、強度部材で使用するように構成された伸長繊維補強複合強度要素の製造方法に関する。この方法は、長手方向の中心軸を有し、かつ結合マトリクスと、結合マトリクス内に配置された複数の補強繊維とを含む伸長繊維補強複合体を形成するステップを含み得る。少なくとも第1の光ファイバは、例えば、複合体の形成中に、繊維補強複合体内に埋め込まれて、光ファイバは複合体の第1の端部から複合体の第2の端部にまで延在することとなる。例えば、光ファイバは、結合マトリクスから硬化される樹脂に補強繊維トウが含浸される引き抜き成形プロセスに統合されてもよい。光ファイバは、典型的には、補強繊維トウと同様の方法でスプール(ボビン)上に提供されるため、同様の方法で引き抜き成形システムを通過して引っ張ることができる。一実施形態では、光ファイバには1つまたは複数のポリマー層が設けられ、光ファイバが補強繊維と組み合わされて樹脂に含浸される前に、ポリマー層が除去される。例えば、光ファイバは、ポリマー層を除去する(例えば、揮発させる)ために熱処理ステップが施される。一実施形態では、熱処理ステップは、光ファイバが補強繊維と混合される直前に、レーザーを光ファイバに向けることを含む。
【0084】
上記のように、光ファイバは、直線的に(例えば、強度要素の中心長手方向軸と同一直線上に)配向されるか、または強度要素の中心長手方向軸に対して巻き付けられてもよい(例えば、螺旋状に巻き付けられてもよい)。
【0085】
十分な長さの繊維補強複合体を(例えば、引き抜き成形により)形成した後、複合体を複合体の第1の端部に接近して切断して、実質的に平坦な第1の切断端面を形成する。切断端面が研磨されて、研磨された第1の端面を有する伸長繊維補強複合強度要素を形成し、研磨された第1の端面は繊維補強複合体と光ファイバの第1の端部を含む。前述の方法の結果として、光ファイバを含む強度要素の研磨された端部は、例えば、光ファイバを周囲の繊維補強複合体から物理的に分離する必要なしに、光ファイバを通過するように光を効率的に受信および送信する機能を有することとなる。
【0086】
上記で説明したように、強度要素は、1本または複数本(例えば、4本以上)の光ファイバを含み、複数本の光ファイバは、周囲の複合体の破損またはその他の欠陥によって光ファイバが破壊される確率を高めるように構成される(例えば、繊維補強複合体内に埋め込まれる)。従って、前述の方法は、上述したように、複数本の光ファイバ、例えば、2本以上の光ファイバを埋め込むことを含み得る。
【0087】
引き抜き成形プロセスでは、結合マトリクスが十分に硬化した後、引き抜き成形された繊維補強複合体は、典型的には、スプール上に集められる。繊維トウおよび光ファイバの長さは、スプール上に保管できる複合体の長さを大幅に超えるため、スプールの保管容量を超える前に、伸長複合体は最終的に切断される。典型的には、そのような切断は、単純な剪断動作(例えば、ボルトカッターの使用など)または歯付き(鋸歯状)のこぎりによって行われ、その結果、繊維補強複合体の粗い裂片状の端部が形成される。一実施形態によれば、強度要素がスプール上に配置されている間に、強度要素を精査することが望ましい場合がある。従って、繊維補強複合体は、複合体の第1の端部および第2の端部の両方が露出されるようにスプール上に巻き付けられてもよく、例えば、スプールにおける側部開口部を通過して一端または両端がスプールに巻き付けられた複合体のバルクから分離されるように巻き付けられてもよい。従って、一実施形態では、繊維補強複合体の少なくとも一端、好ましくは両端を切断および研磨して、(例えば、上記したような)強度要素を形成して、強度要素がスプールに配置されている間に、精査システムおよび方法が強度要素に適用され得るようにする。
【0088】
一実施形態では、強度要素の製造業者は、強度要素が出荷される前に(例えば、強度要素が強度要素から形成された強度部材を導電体と撚り合わせて電気ケーブルを形成するための撚り設備に出荷される前に)、強度要素を「応力試験」することが所望される場合がある。そのような応力試験は、1つのスプールから強度要素を巻き戻し、強度要素を別のスプールに巻き付けることを含み、この場合、強度要素は、2つのスプール間の1つまたは複数のホイール(例えば、小さな滑車)に通される。ホイールのサイズおよび配置を適切に選択することにより、既知の応力が強度要素に印加され、強度要素がその既知の応力下で破損しないことを確認する(例えば、強度要素に重大な製造上の欠陥がないことを確認する)。従って、一実施形態によれば、強度要素の精査のためのシステムおよび方法は、応力要素が応力試験に合格したかどうかを決定するために(例えば、応力試験中に強度要素が破損したかどうかを決定するために)、応力試験後に強度要素に適用される。例えば、本システムおよび方法は、強度要素が第2のスプール上に巻き付けられている応力試験の後に適用することができる。強度要素が、精査システムおよび方法を使用して応力試験に合格したことが決定された場合、スプールに巻き付けられた強度要素は、撚りのために出荷されてもよい。
【0089】
いずれにせよ、一実施形態では、上述したように、直交端面を形成する可能性が高い方法で切断ステップが実行され得る。例えば、切断ステップは、機械作動型(例えば、電動型)切刃により繊維補強複合体を切断することを含み得る。切刃に研磨砥粒(即ち、高硬度微粒子材料)が存在することによって主に材料を切断するものである砥粒付き切刃は、一般に、切断歯を含む切刃よりも好ましい。繊維補強複合体を切断するために微細な切断歯を使用することは排除されないが、切断歯は研磨砥粒よりも粗い表面を残し、切断ステップ後の研磨ステップがより困難になる(例えば、より多くの時間を要する)と考えられている。1つの特徴において、砥粒付き切刃は、超微細またはより粗いサイズ、例えば、少なくとも約30μm(約600砥粒)、例えば、少なくとも約40μm(約360砥粒)または少なくとも約68μm(約220砥粒)のサイズを有する研磨砥粒を含む。切断砥粒の選択は、切刃の速度(例えば、回転速度)および迅速な切断および研磨に対する要望、即ち、粗い砥粒はより速く切断することができるが、より長い後続の研磨時間を必要とすることになることを考慮して行うことができることが理解されよう。
【0090】
上記の特定の特徴で説明したように、実質的に直交する端面を形成するために、切断ステップは、第1の端部が切断ステップ中に切刃に対して(例えば、切断ブレードに対して)実質的に直交して配置されるように、繊維補強複合体の第1の端部を固定する(例えば、機械的に固定する)ことを含み得る。例えば、繊維補強複合体は、複合体が切刃に対して直角に配置され、かつ切断ステップ中に任意の有意義な方法で軸外に移動することができないように、機械的にクランプされてもよい。
【0091】
切断後、滑らかな端面を提供するために端面が研磨される。例えば、研磨ステップは、切断端面を研磨面により研磨することを含み得る。例えば、研磨面は、超微細サイズ、例えば、約25μm(800砥粒)以下、またはさらに約22μm(1000砥粒)以下の砥粒サイズを有する研磨砥粒を含み得る。別の方法で特徴付けられるように、研磨ステップは、切断ステップで使用される研磨砥粒よりも小さい研磨砥粒を用いて実施されてもよい。
【0092】
上記したように、いくつか光ファイバは、マイクロベンド損失を低減するために製造業者により軟質ポリマー層を備えて提供され、そのような軟質ポリマーは、切断および/または研磨ステップ中に光ファイバの透過性コアの端部を覆う場合がある。光ファイバがそのような層を含む場合、そのような被覆を低減または除去する1つの技術は、軟質ポリマー層を一時的に硬化させて、変位して光ファイバの透過性コアを被覆しやすくなることを低減することである。例えば、端面は、ポリマー層を硬化させるために、切断および研磨ステップの前および/または間に冷却されてもよい。1つの特徴では、端面は、冷却液体または冷却ガスを端面に当てることによって冷却される。例としては、切断および研磨ステップの前および/または間に、圧縮ガス(例えば、圧縮窒素ガス、二酸化炭素ガス、炭化水素ガス、フレオンなど)を端面に当てることが含まれる。
【0093】
強度要素の端面を形成する方法は、例えば、切刃および研磨面を使用して、繊維補強複合体の端部を機械的に切断および研磨することを含むものとして上記で説明されている。しかしながら、所望の端面を有する強度要素は、他の手段によって形成され得ることが考えられる。例えば、ウォータージェットまたはレーザーを使用して、本明細書に開示されている精査システムおよび方法における効果的な光伝送に関して望ましい特性を有する端面を得ることができる。
【0094】
上記は、強度要素に埋め込まれた光ファイバ内外への光の伝送を可能にするように構成された(例えば、切断および研磨された)端面(単数または複数)を有する強度要素の製造について説明している。これにより、強度要素の製造業者は、エンドユーザに出荷されるか、また強度要素を導体と撚り合わせて電気ケーブルを形成する施設などの仲介者に出荷される前に、強度要素を精査することができる。システムおよび方法は、製造業者に加えて、または製造業者の代わりに、他の時点で実施することもできる。そのような実施は、エンドユーザおよび/または仲介者が、前述の説明に従って強度要素の端部を準備することも必要となる場合がある。例えば、上記したように、強度部材(例えば、1つまたは複数の強度要素を含む)が導電体と撚り合わされて電気ケーブルを形成する場合、強度部材がスプールから引き出されて、導電性ストランドと撚り合わされる。導電性ストランドは、強度部材の容積に加えて容積を追加するため、スプールに格納可能な電気ケーブルの長さは、強度部材のみのスプール容量と比較して短くなる。従って、強度部材は、例えば、電気ケーブルのスプールがその容量に達したときなど、ある時点で切断される必要がある。その結果、ストランダは、ストランダまたはストランダの顧客が電気ケーブルがスプール上に巻き付けられた後に電気ケーブルを精査できるように、前述の方法に従って強度部材の端部を準備することを所望する場合がある。
【0095】
同様に、上記で説明したように、補強部材が設置されている場合(例えば、補強部材を含む架空電気ケーブルが支持塔に架設されている場合)、支持塔間の距離に対応するために、特に、電気ラインのルーティングにおけるターン(例えば、角度)を考慮して、電気ケーブルの全長に亘って何度も切断する必要がある。従って、いくつかの実施形態では、支持塔への電気ケーブルの設置中に、前述の方法に従って強度要素(単数または複数)を切断および研磨することができる。
【0096】
本開示の一実施形態では、特に、強度要素を切断および研磨するために有用なツールが開示される。このツールは、繊維補強複合体の端部を1つのステップで切断および研磨するように構成されているため、切断および研磨して精査用の強度要素を形成する際の労力の量およびエラーの可能性を低減することができる。ツールは、平面体を含み、平面体は、平面体の少なくとも1つの縁に沿った切刃と、平面体の少なくとも一部を覆う研磨面とを有する。位置合わせ部材は、平面体に動作可能に関連付けられ、かつ長手方向軸を有する伸長繊維補強複合体を平面体に動作可能に位置合わせするように構成されて、平面体の切刃が、長手方向軸に対して実質的に直交して複合体を移動および切断して切断面を形成するように構成され、研磨面が、切刃が複合体を通過して移動するときに、切断面を研磨するように構成されるようにする。
【0097】
切断および研磨を実行する平面体は、様々な形態(例えば、ベルト研磨機に見られるような連続的に移動する多角形表面)をとることができる。1つの特徴では、平面体は、実質的に円形であり、かつ繊維補強複合体を切断するために(例えば、電気モータによって)回転される。これに関して、モータは、平面体に動作可能に接続されてもよく、この場合、モータは、平面体の中心軸を中心に平面体を急速に回転させるように構成される。切刃は複数の刃断歯を含むことができるが、複合体の粗いおよび/または裂片状の端部の形成を最小限に抑えるために、上述したように、砥粒付き表面を備えた切刃を形成することが有利である。1つの特徴において、砥粒付き切刃は、超微細またはより粗いサイズ、例えば、少なくとも約30μm(約600砥粒)、例えば、少なくとも約40μm(約360砥粒)または少なくとも約68μm(約220砥粒)のサイズを有する研磨砥粒を含む。研摩切断砥粒の選択は、切刃の速度(例えば、回転速度)および迅速な切断および研磨に対する要望、即ち、粗い研摩砥粒はより速く切断することができるが、より長い研磨時間を必要とすることになることを考慮して行うことができることが理解されよう。
【0098】
平面体は、平面体の全表面またはその一部のみを覆う研磨面を含む。研磨面は、超微細サイズ、例えば、約25μm(800砥粒)以下、またはさらに約22μm(1000砥粒)以下の砥粒サイズを有する研磨砥粒を含み得る。別の方法で特徴付けられるように、研磨面は、切刃上で使用される研磨砥粒よりも細かい研磨砥粒を含み得る。1つの特徴では、研磨面は少なくとも2つの異なる研磨砥粒サイズを含み、この場合、より粗い砥粒が研磨面の外側部分の近くに適用され、より細かい砥粒が研磨面の中心部分の近くに適用される。このようにして、切断面は、最初により粗い研磨砥粒に接触してより大きな表面特徴を迅速に除去し、次に、より細かい研磨砥粒に接触してより小さな表面特徴を除去することができる。
【0099】
研磨面による繊維補強複合体の端面上への少量の圧力の印加を可能にするために、研磨面は、平面体の下層表面よりもわずかに高く位置していてもよい。例えば、研磨面は、少なくとも約0.1mm(例えば、少なくとも約0.3mmなど)で約1.2mm以下(例えば、約1.0mm以下など)だけ平面体の表面よりも高く位置していてもよい。例えば、研磨面は、特に滑らかな平面に取り付けられる(例えば、接着される)薄い基板(例えば、紙基板)上に配置された研磨砥粒を含み得る。代替的に、または隆起した研磨面に加えて、ツールは、研磨される繊維補強複合体の端部に向かって研磨面を押圧するように構成された機構(例えば、ばね)を含み得る。
【0100】
ツールは、好都合には、手持ち式ツール、例えば、様々な環境においてオペレータによって運搬および操作され得るツールであり得る。例えば、架空電気ケーブルを設置する際には、オペレータが地上の高い位置、多くの場合は垂直に移動可能なバケット内にいる間に、電気ケーブルを切断する必要がある。そのような狭いスペースで簡単に携行でき、オペレータが操作できるツールを提供することは、大きな利点を提供する。これに関して、ツールは、平面体の移動機構(例えば、切刃および研磨面の移動機構)に電力を供給するためのバッテリを含み得る。バッテリは、例えば、再充電可能なバッテリであり得る。例えば、ツールの携帯性および使い易さを向上させるために、約2アンペア時から約12アンペア時の範囲の容量を有するバッテリが利用され得る。別の特徴では、バッテリは、約12ボルトから約20ボルトの電圧を有し得る。これらの特性を有するバッテリは、オペレータが容易に携行し、かつ操作することができる形態にツールを維持しながら、ツールが適切な時間に亘って確実に動作するのに十分な電力を供給することができる。
【0101】
ツールは、例えば、手持ち式ドリルと同様に、オペレータによるグリップおよびツールの自由な操作を可能にするためのグリップ部分(例えば、ハンドル)をも含み得る。
特定の繊維補強複合体は、切刃および研磨面が塵埃の形で表面から材料を除去するときに、オペレータに危険を及ぼす可能性のある材料(例えば、カーボン繊維)を含む場合がある。1つの特徴では、ツールは、切断および研磨中に発生する塵埃を捕捉するように構成された機構を含む。例えば、機構は、平面体が移動するとき(例えば、平面体が回転するとき)に、塵埃を捕獲するために部分真空が生成されるように、平面体に結合されてもよい。
【0102】
本明細書に記載される切断および研磨ツールは、多種多様な用途を有し得、上記のような強度要素を形成するための繊維補強複合体の切断および研磨に限定されないことが理解されよう。
【0103】
内部に配置された1つまたは複数の光ファイバを有する上記の強度要素は、多くの異なる用途、特に、様々な構造における引張強度部材としての用途において使用することができる。本開示の一実施形態では、強度要素は、架空電気ケーブル用の強度部材で使用される。
【0104】
一実施形態では、繊維補強複合強度部材(例えば、架空電気ケーブルと共に使用するように構成された部材)の精査方法が開示される。強度部材は、繊維補強複合体から形成された強度要素を含み、複合体は、結合マトリクスと、結合マトリクス内に機能的に配置された複数の補強繊維とを含む。上述したように、少なくとも第1の光ファイバは複合体に埋め込まれ、かつ繊維補強複合体の全長に亘って延在する。精査方法は、光伝送デバイスを強度部材の第1の端部に動作可能に取り付けるステップと、光検出デバイスを強度部材の第2の端部に動作可能に取り付けるステップと、光伝送デバイスからの光を第1の光ファイバを通過して光検出デバイスに向けて伝送するステップと、伝送光を光検出デバイスによって検出するステップとを含む。1つの特徴では、1つまたは複数の光ファイバからの伝送光が検出されない場合、1つまたは複数の光ファイバからの伝送光がないことは、強度部材の構造健全性が損なわれていることを示し得るため、強度部材の構造健全性についてさらなる評価を行うことができる。
【0105】
伝送光は、広いスペクトルに亘って光を含み得る。例えば、可視光(例えば、約400nm~約700nmの波長を有する)は、複合強度要素のより短い長さに対して、または光源の光度が非常に高い場合に適している。しかしながら、可視光は、ほとんどの用途、特に長い距離では減衰しすぎる場合がある。
【0106】
有利には、伝送光の波長は、主に赤外領域にあり得る。例えば、伝送光の波長(例えば、ピーク波長)は、少なくとも約700nm、例えば少なくとも約800nmであり得る。さらに、伝送光の波長は、約1200nm以下、例えば、約1000nm以下などであり得る。約1200nmを超える波長を有する光は、CCDまたはCMOS光センサなどの従来の光センサを使用して、強度要素の第2の端部で検出することが困難であると考えられている。光源が、例えば、レーザーなどのコヒーレント(例えば、単相)光源と比較して、インコヒーレント光源であり得ることは、特に有利である。レーザーは、コヒーレント光の直径が小さいため、個々の光ファイバへの強い結合を必要とするので、レーザーの使用は困難である。対照的に、本明細書に開示される方法は、発光ダイオード(LED)、ハロゲンランプなどのインコヒーレント光源を有利に使用することができる。
【0107】
1つの特徴では、光源はLEDであり、光を伝送するステップは、例えば、バッテリまたは他の電源を使用して、LEDを通電することを含む。LEDは適度に安価で、かつ機械的に堅固である。強度要素は、強度要素の断面にわたって異なる位置に配置されたいくつかの光ファイバを含み得るので、強度要素の反対側の端部での検出のために十分な光が全ての光ファイバに伝送されるように、強度要素の実質的に断面全体に向けて光を伝送することが望ましい。1つの特徴では、これは、光が伝送されている間に光源(例えば、LED)を移動させることによって達成される。例えば、光源は、光が伝送されているときに、回転(例えば、モータを使用して機械的に回転)または作動(例えば、前後に移動、または振動)され得る。1つの特定の特徴では、光源は、光が強度要素の端部に向かって伝送されているとき、少なくとも約5rpm(毎分回転数)、例えば、少なくとも約10rpmなどの速度で回転される。
【0108】
一実施形態では、強度要素は、上記のような特性を実質的に有することができ、かつ上記のように製造することができる。例えば、強度要素の端面は、繊維補強複合体および光ファイバ(単数または複数)を含み得、この場合、光ファイバ(単数または複数)は、端面を超えて延在しない。端面は研磨されてもよい。
【0109】
代替的に、または上記に加えて、屈折率整合材料(例えば、ゲルなどの流体)を端面(例えば、光ファイバの端部)上に配置して、光ファイバへのおよび/または光ファイバからの光伝送を増強することができる。屈折率整合材料は、別の材料、例えば、光ファイバの透過性コアの屈折率と同じかまたは非常に類似した屈折率を、波長の減少がより高い屈折率をもたらすような関心波長において有する流体材料である。一実施形態では、方法は、光の伝送前に、強度要素の端面に少量の屈折率整合ゲルを配置することを含み、この場合、屈折率整合ゲルは、光ファイバコアの屈折率と実質的に同じ屈折率を有する。一実施形態では、屈折率整合材料は、少なくとも約1.40である屈折率、例えば、少なくとも約1.42、またはさらには少なくとも約1.44などの屈折率を有する。屈折率整合材料の屈折率は、約1.50以下、例えば、約1.48以下であってもよい。端面に配置された少量の屈折率整合ゲルでも、光ファイバへの光の伝送を大幅に向上させ得ることが分かっている。
【0110】
精査方法は、強度要素の製造後(例えば、強度要素がスプール上に配置されたとき)に実施され得る。また、上記したように、応力試験(例えば、曲げ試験)の後に実施されてもよい。これは、最終製品の製造後に(例えば、強度要素(単数または複数)を導体と撚り合わせた後に)実施されてもよく、また、電気ケーブルの構造健全性を確保するために、設置後に(例えば、架空電気ケーブルの設置後に)実施されてもよい。
【0111】
別の実施形態では、強度要素の精査のためのシステムが開示される。それに限定されないが、システムは、強度要素の精査のための前述の方法を実施するために使用され得る。例えば、システムは、繊維補強強度部材(例えば、架空電気ケーブルの構成要素である強度部材)の欠陥を検出するように構成され得る。この実施形態では、システムは、架空電気ケーブルを含み、架空電気ケーブルは、繊維補強複合強度部材を含む。強度部材は、結合マトリクスと、繊維補強複合体セクションを形成するために結合マトリクス内に機能的に配置される複数の補強繊維と、強度部材の全長に亘って繊維補強複合体セクション内に完全に配置された少なくとも第1の光ファイバとを含む。導電体が電気ケーブルを形成するために強度部材の周囲に配置され、かつ強度部材によって支持される。光伝送デバイスは、強度部材の第1の端部に動作可能に接続され、光伝送デバイスは、光ファイバの第1の端部に光を伝送するように構成された光源を含む。例えば、光は、少なくとも約300nmかつ約1700nm以下の波長を有し得る。光検出デバイスは、強度部材の第2の端部に動作可能に接続され、かつ光ファイバの第2の端部を通過した光伝送デバイスからの光を検出するように構成された光センサを含む。
【0112】
上述したように、光源は、赤外領域の波長を有する光、例えば、少なくとも約700nm(少なくとも約800nmなど)の波長を有する光を放出するように構成され得る。さらに、光源は、約1200nm以下、例えば、約1000nm以下などの波長を有する光を放出するように構成され得る。光源は、ハロゲンランプまたはLEDを含むがこれらに限定されない任意の有用なインコヒーレント光源であり得る。有利には、光源は、光が伝送される領域(例えば、断面積)を増加させるように組み立てられた複数のLED(例えば、LEDパネル)を含み得る。光源はまた、光源が光を伝送するときに光源を移動(例えば、回転または振動)させるように構成されたモータなどの機構に動作可能に取り付けられてもよい。このようにして、実質的に均一な光の列またはビームが強度要素の端面に向かって伝送され、強度要素内の各光ファイバが、強度要素の第2の端部で検出されるに十分な量の光を受け取る可能性が実質的に増加する。
【0113】
光源には、任意の従来の手段によって電力が供給され得る。一実施形態では、光源には、バッテリ、例えば、再充電可能なバッテリによって電力が供給される。例えば、光源の携帯性および使い易さを向上させるために、約2アンペア時から約12アンペア時の範囲の容量を有するバッテリが利用され得る。別の特徴では、バッテリは、約12ボルトから約20ボルトの電圧を有し得る。これらの特性を有するバッテリは、オペレータが容易に携行し、かつ操作することができる形態に光源を維持しながら、光源が適切な時間に亘って確実に動作するのに十分な電力を供給することができる。
【0114】
光源はまた、使用中、強度要素の端部から離間されてもよい。離間しているにもかかわらず、上述したように、強度要素の端部の構造により、光源からの光は、光ファイバ(単数または複数)を通過することができる。1つの特徴では、光源(例えば、光源の前面)は、使用中、強度要素の端面から少なくとも約0.1mm、例えば、少なくとも約1.0mmだけ離間されている。別の特徴では、光源は、端面から約150mm以下、例えば、約100mm以下、例えば、約30mm以下だけ離間されている。
【0115】
強度部材は、少なくとも約2本、少なくとも約3本、または少なくとも約4本の光ファイバなどの、複合体内に配置された複数の光ファイバを有する強度要素を含む、上記の1つまたは複数の強度要素を含み得る。強度部材は、上述したようにある範囲の長さを有してもよく、かつ強度部材の製造および設置の間の異なる時点で実施されてもよい。
【0116】
光検出デバイスは、伝送光を検出するための光センサを含み得る。ユーザが(肉眼などで)光を直接検査することが可能な場合もあるが、光センサを含む光検出デバイスは、比較的弱い光の検出を可能にし、リモート分析および/またはアーカイブ目的のための画像および/またはデータの記録を可能にし得る。例えば、光センサは、電荷結合デバイス(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスであり得る。光検出デバイスは、例えば、複合強度部材の端部と光センサとの間に配置され、伝送光を光センサ上に合焦させるように構成された凹レンズを含み得る。光センサはまた、センサによって作成された画像を分析および/または表示するためのコンピューティングデバイスに接続され得る。接続は、有線接続であってもよく、または、例えば、アンテナの使用を介して可能になる無線接続であってもよい。
【0117】
前述のシステムまたは同様のシステムで使用できる光伝送デバイスおよび光検出デバイスの非限定的な例を以下に説明する。
一実施形態では、伸長構造部材(例えば、本明細書に記載の強度要素)に埋め込まれた光ファイバの端部に光を伝送するためのデバイスが開示される。デバイスは、実質的に剛性の構造体と、構造体を少なくとも部分的に貫通して配置されたボアとを含み、ボアは、ボアの第1の端部に開口部を有する。開口部およびボアは、構造部材の全長に亘って埋め込まれた少なくとも第1の光ファイバを有する伸長構造部材の端部を受け入れるように構成されている(例えば、形成され、かつサイズが設定されている)。デバイスは、構造本体内に少なくとも部分的に配置され、かつボアの第2の端部に近接する光源を含み、光源は、伸長部材がボアの第1の端部内に配置されたときに、光をボア内におよび伸長部材の端部に向かって伝送するように構成される。電源(例えば、バッテリ)は、光源に動作可能に取り付けられている。
【0118】
1つの特徴では、光源は、例えば、レーザーなどのコヒーレント光源(例えば、単相光源)とは対照的に、インコヒーレント光源である。光源は、例えば、ハロゲンランプまたはLEDであってもよく、1つの特徴において、光源は、LEDを含む。LEDは、少なくとも約300nmで約1200nm以下の波長範囲内(例えば、少なくとも約700nmで約1000nm以下の範囲の波長など)の光を放出するように構成され得る。約1200nmを超える波長は、従来の光検出手段を使用して検出することが困難であると考えられている。1つの特定の特徴では、LEDは、少なくとも約800nmで約900nm以下の主波長など、主に赤外線領域において光を放出するように構成される。
【0119】
別の特徴では、デバイスは、光源に動作可能に接続されたモータを含み、モータは、光源を振動させるか、または光源の中心軸を中心に光源を回転させるなどにより、光源がボア内に光を伝送するときに、光源を移動させるように構成されている。
【0120】
別の特徴では、デバイスは、構造部材がボアの第1の端部内に配置されたときに、光源と構造部材の端部との間の距離を維持するように構成されたストップ要素を含む。そのような構成は、オペレータが強度要素の端部を光源と直接接触させることを防止し、光源への損傷の可能性を低減する。ストップ要素は、構造部材の端部と光源との間の距離を少なくとも約0.1mm(例えば、少なくとも約1.0mmなど)で約150mm以下(例えば、約100mm以下または約30mm以下)に維持するように構成され得る。例えば、ストップ要素は、ボア内に配置された肩部(例えば、段差)を含み、肩部は、部材がボア内に挿入されたときに、肩部を通過する構造部材の移動を防止するように構成されている。ストップ要素はまた、強度要素の端部と光源との間に配置された透明な(例えば、ガラス)プレートを備えてもよく、強度要素は、ガラスプレートに対して押し上げられ得る。これに関して、必要に応じて、ガラスプレートと強度要素との間に透明なゲルを適用して、プレートを通過した光ファイバ(単数または複数)への光の伝送を促進するようにしてもよい。ストップ要素はまた、光源に組み込まれてもよく、この場合、例えば、発光面は透明プレートの背後に配置される。
【0121】
ボアは、単一のサイズ(例えば、不変直径)を有してもよく、または、例えば、様々な直径の強度要素に対応するインサートスリーブを設けることによって、調整可能な直径のボアが提供されてもよい。
【0122】
耐久性を提供するが、比較的軽量を維持するために、デバイス本体は、軽量金属などの金属から製造され得る。1つの特徴では、本体はアルミニウムで製造されている。
別の実施形態では、伸長構造部材に埋め込まれた光ファイバの端部から発出する光を検出するように構成されたデバイスが開示される。デバイスは、実質的に剛性の構造体と、構造体を少なくとも部分的に貫通して配置されたボアとを含む。ボアは、ボアの第1の端部に開口部を有し、開口部およびボアは、構造部材の全長に亘って埋め込まれた少なくとも第1の光ファイバを有する伸長構造部材の端部を受け入れるように構成されている(例えば、形成され、かつサイズが設定されている)。光センサは、構造体内でボアの第2の端部に近接して配置され、光センサは、伸長部材がボアの第1の端部内に配置されたときに、光ファイバから光を受信しかつ検出するように構成されている。電源が光センサに動作可能に取り付けられてもよい。
【0123】
1つの特徴では、光センサは、CCDセンサおよびCMOSセンサから選択される。別の特徴では、遮光要素がボアの第1の端部に配置される。遮光要素は、迷光(例えば、外光)がボアに入って、光センサが光ファイバからの光を検出する能力を妨げることを防止するように構成される。例えば、遮光要素は、構造部材がボア内に配置されたときに、構造部材の周囲を密封するように構成された、エラストマー材料などの材料であってもよい。
【0124】
光伝送デバイスと同様に、光検出デバイスは、構造部材がボアの第1の端部内に配置されたときに、光センサと構造部材の端部との間の距離を維持するためのストップ要素を含み得る。ストップ要素は、例えば、ボア内に配置された肩部(例えば、段差)を含み、肩部は、肩部を通過する構造部材の移動を防止するように構成される。ストップ要素は、構造部材の端部と光センサとの間の距離を、少なくとも約5mm(例えば、少なくとも約10mm)で約300mm以下(例えば、約200mm以下または約100mm以下)に維持するように構成され得る。
【0125】
1つの特徴では、デバイスは、光ファイバから発出する光を光センサ上に合焦させるように構成された凹レンズなどのレンズをも含む。これに関して、光センサと構造部材の端部との間の距離を維持する前述のストップ要素は、構造部材の端部とレンズとの間の適切な距離を維持して、レンズの効率を高め得る。
【0126】
光伝送デバイスと同様に、光検出デバイスの本体は、アルミニウムなどの軽量金属を含む金属から製造されてもよい。
以下の図は、本開示による別個の実施形態を示しており、そのような実施形態を例示することのみを意図しており、それ以外に本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0127】
図3Aから3Fを参照すると、本開示の実施形態による強度要素の断面図が示されている。強度要素326A~326Fの繊維補強セクションの構成は、図2Bに示される強度要素と同様であり、かつ絶縁材料の外側層によって包囲された高張力繊維の内部コア(例えば、ガラス繊維を含む外側層によって包囲されたカーボン繊維を含む内部コア)を含む。図3Aに示すように、強度要素326Aは、中心軸の周囲に、中心軸から離間して強度要素426内に同心的に配置された4本の光ファイバ323a~dを含む。図3Aに示されるように、ファイバ323a~dは、内部コア328Aと外側層330Aとの間の境界329Aに、またはそのごく近くに配置される。4本の光ファイバはまた、中心軸の周囲に等間隔で配置され、例えば、約90°間隔で放射状に配置される。図3Bに示されるように、光ファイバ323e~gは、強度要素326Bの外面のごく近くに配置され、約120°の間隔で放射状に配置される。外面のごく近くに配置することは、外面で発生する(例えば、引き起こされる)破損を早期に検出するために有利であり得る。しかしながら、光ファイバ323e~gは、例えば、外部導電層との直接接触によってそれらが露出して損傷を受けるほど外面に近接して配置されるべきではない。図3Cは、強度要素326Cの実施形態を示しており、4本の光ファイバ323h~323kが内部コア328C内に埋め込まれている。図3Dは、5本の光ファイバが内部コア328Dと外側層330Dとの間の境界329Dに配置されている強度要素326Dの実施形態を示している。5本の光ファイバは、強度要素の中心軸から実質的に等距離にあり、かつ実質的に等間隔に、即ち、約72°の間隔で放射状に配置されている。図3Dは、強度要素が5本以上の光ファイバを含む任意の数の光ファイバを含み得ることを示している。図3Eは、第1のグループの光ファイバが強度要素の中心軸から第1の距離に配置され、第2のグループの光ファイバが中心軸から第2の距離に配置される強度要素326Eの実施形態を示し、第2の距離は第1の距離とは異なる。図3Fは、光ファイバが強度要素326Fの中心軸に沿って配置され、かつ中心軸から離間した光ファイバによって包囲されている強度要素326Fの実施形態を示している。図3A~3Fに示される強度要素内の光ファイバの配置は、可能な配置の単なる例であり、本開示は、これらの特定の配置に限定されないことが理解されよう。
【0128】
本開示による精査システムの一実施形態は、図4に概略的に示されている。概略的に特徴付けられると、システム440は、光伝送デバイス450、光感知デバイス460、および例えば、上述したような強度要素426を含む。
【0129】
図4に示されるように、強度要素426は、4本の長手方向に延在する光ファイバを含み、そのうちの2本の光ファイバ432a/432bが図4において視認可能である。光ファイバは、シングルモード光ファイバであり、かつ強度要素426内に配置される(例えば、図3Aに示されるように、中心軸434からオフセットされる)。
【0130】
図5を参照すると、光伝送デバイス550がより詳細に示されている。デバイス550は、精査光を伝送するための光送信機552を含む。送信機552は、電源568に動作可能に結合された光源566を含む。光源566は、約850nmの主波長を有する発光ダイオード(LED)である。電源568は、例えば、架空電気ケーブルの設置中または設置直後など、現場での移動性および使用の利便性を図るためのバッテリである。LED光源566は、光源566からの十分な量の光が光ファイバ(単数または複数)の各々に入射するように(例えば、モータ(図示せず)を介して)回転するように構成される。光伝送デバイス550の部品は、例えば、アルミニウムなどの金属またはプラスチックから製造された本体558内に封入(例えば、封止)されて、現場での使用中に部品を損傷から保護する。本体558は、ボア560を含み、ボア560は、第1の端部において強度要素をボア560内に受け入れるように構成された開口部を有する。肩部564は、強度要素がボアを貫通して、強度要素が光源566(図4を参照)と接触する点に達するのを防止するようにサイズが設定されている。換言すれば、肩部564は、強度要素の端部と光源566との間の所定の距離を維持する。
【0131】
図4を再び参照すると、システムは、光伝送デバイス450とは反対側の架空電気ケーブル420の端部に配置された光検出デバイス460をも含む。光検出デバイスは、図6により詳細に示されている。デバイス660は、光伝送デバイスからの光を検出するための光センサ664を含む。光伝送デバイスと同様に、光検出デバイス660の部品は、例えば、アルミニウムなどの金属またはプラスチックから製造された本体658内に封入(例えば、封止)されて、現場での使用中に部品を損傷から保護する。本体658は、ボア670を含み、ボア670は、第1の端部において強度要素をボア670内に受け入れるように構成された開口部を有する。ボア670に通じる開口部の上に配置されているのは、貫通する開口部を有するエラストマー材料から製造された光シールド676である。強度部材がボア670に挿入されると、光シールド676は内側に移動して、強度要素の周囲に光シールを形成して、外部環境からボア670に侵入する迷光の量を減少させる。
【0132】
肩部674は、強度要素の端部と光センサ664との間の所定の距離を維持するように、強度要素がボア670を貫通して、強度要素が光センサ664(図4を参照)と接触する点に達するのを防止するようにサイズが設定されている。光センサは、例えば、デジタルカメラで見られるようなCCD/CMOSセンサである。図6に示すように、光検出デバイス660は、光源から受けた光を光センサ664に向ける凹レンズ662を含む。しかしながら、そのような凹レンズは、適切な光検出のために必要ではない可能性がある。
【0133】
図7Aおよび7Bは、本開示の実施形態による、強度要素または同様のワークピースを切断および研磨するためのツール700を図示する。ツール700は、切刃708および研磨面706を含む、平坦で回転可能なブレード704を含む。研磨面706は、ブレード704の表面714よりわずかに(例えば、約1mm)高く位置している。位置合わせ部材710は、ツール本体702に取り付けられ、かつ切断ブレード704に対して強度要素720を移動させる(例えば、軸716を中心に旋回させる)ように構成されている。位置合わせ部材710は、切刃708が、強度要素720の長手方向軸に対して実質的に直交して強度要素720を切断することができるように、強度要素720を切断ブレード704と整列させる。切刃が強度要素を通って移動すると、研磨面706は、強度要素720の新たに切断された表面を研磨する。ツール700は、作動ボタン712を使用して切断ブレード704を作動させることができるユーザによって把持されるように構成される。再充電可能なバッテリ718は、ツールに電力を供給する。
【0134】
強度要素の精査のためのシステム、方法およびツールの様々な実施形態が詳細に説明されているが、それらの実施形態の修正および適応が生じることは、当業者には明らかである。しかしながら、そのような修正および適応は、本開示の技術思想および範囲内にあることが明示的に理解される。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]繊維補強複合強度部材の欠陥を検出するために構成されたシステムであって、
繊維補強複合強度部材であって、該強度部材は少なくとも第1の強度要素を含み、前記第1の強度要素は、
結合マトリクスと、
繊維補強複合体を形成するように前記結合マトリクス内に機能的に配置された複数の補強繊維と、
前記繊維補強複合体内に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の第1の端部から前記繊維補強複合体の第2の端部まで延在する少なくとも第1の光ファイバとを含む、前記繊維補強複合強度部材と、
前記強度部材の第1の端部に動作可能に接続された光伝送デバイスであって、少なくとも約300nmで約1700nm以下の波長を有する光を前記第1の光ファイバの第1の端部を通過して伝送するように構成される光源を含む前記光伝送デバイスと、
前記強度部材の第2の端部に動作可能に接続された光検出デバイスであって、第1の光ファイバの第2の端部を通過した前記光伝送デバイスからの光を検出するように構成される光検出器を含む前記光検出デバイスとを備えるシステム。
[付記2]前記光源が、赤外領域において主波長を有する光を放出するように構成される、付記1に記載のシステム。
[付記3]前記光源が、少なくとも約800nmの主波長を有する光を放出するように構成される、付記1または2に記載のシステム。
[付記4]前記光源が、約1000nm以下の主波長を有する光を放出するように構成される、付記1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
[付記5]強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第2の光ファイバを含む、付記1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
[付記6]前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第3の光ファイバを含む、付記5に記載のシステム。
[付記7]前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第4の光ファイバを含む、付記6に記載のシステム。
[付記8]導電体が、前記強度部材の周囲に配置され、かつ前記強度部材によって支持されて、電気ケーブルを形成している、付記1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
[付記9]電気ケーブルが少なくとも約100メートルの長さを有する、付記1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
[付記10]電気ケーブルが約3500メートル以下の長さを有する、付記1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
[付記11]前記第1の光ファイバは、シングルモード光ファイバである、付記1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
[付記12]前記光源が発光ダイオード(LED)を含む、付記1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
[付記13]前記光検出デバイスは、複合強度部材の端部と光センサとの間に配置され、かつ伝送光を前記光センサ上に合焦させるように構成された凹レンズを含む、付記1乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
[付記14]光センサは、CCDセンサおよびCMOSセンサから選択される、付記1乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
[付記15]繊維補強複合強度部材を精査する方法であって、該強度部材は、少なくとも第1の強度要素を含み、該強度要素は、結合マトリクスと、繊維補強複合体を形成するように前記結合マトリクス内に機能的に配置された複数の補強繊維と、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第1の光ファイバとを含み、
強度部材の第1の端部に光伝送デバイスを動作可能に取り付けるステップと、
強度部材の第2の端部に光検出デバイスを動作可能に取り付けるステップと、
前記光伝送デバイスから第1の光ファイバを通過して前記光検出デバイスに向かって光を伝送するステップと、伝送光はインコヒーレントであり、
前記光検出デバイスによってインコヒーレント伝送光の存在を検出するステップとを含む方法。
[付記16]前記伝送光が赤外領域における波長を有する、付記15に記載の方法。
[付記17]前記伝送光が少なくとも約800nmの主波長を有する、付記15または16に記載の方法。
[付記18]前記伝送光が、約1000nm以下の主波長を有する、付記15乃至17のいずれか一項に記載の方法。
[付記19]前記第1の強度要素は、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第2の光ファイバを含み、光を伝送する前記ステップは、前記第2の光ファイバを通過して光を伝送する、付記15乃至18のいずれか一項に記載の方法。
[付記20]前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第3の光ファイバを含み、光を伝送する前記ステップは、前記第3の光ファイバを通過して光を伝送する、付記19に記載の方法。
[付記21]前記強度要素が、前記繊維補強複合体に埋め込まれ、かつ前記繊維補強複合体の全長に亘って延在する少なくとも第4の光ファイバを含み、光を伝送する前記ステップは、前記第4の光ファイバを通過して光を伝送する、付記20に記載の方法。
[付記22]複合強度部材が、少なくとも約500メートルの長さを有する、付記15乃至20のいずれか一項に記載の方法。
[付記23]複合強度部材が、少なくとも約3500メートルの長さを有する、付記15乃至22のいずれか一項に記載の方法。
[付記24]複合強度部材が、約7500メートル以下の長さを有する、付記15乃至23のいずれか一項に記載の方法。
[付記25]光を伝送するステップおよび光を検出するステップの間、複合強度部材はスプール上に巻き付けられている、付記15乃至22のいずれか一項に記載の方法。
[付記26]光を伝送するステップおよび光を検出するステップの前に、複合強度要素を応力試験するステップをさらに含む、付記15乃至25のいずれか一項に記載の方法。
[付記27]架空電気ケーブルを形成するように導電体が複合強度部材の周囲に撚り合わされる、付記15乃至25のいずれか一項に記載の方法。
[付記28]光を伝送するステップおよび光を検出するステップは、前記複合強度部材に前記導電体を撚り合わせた後で、前記架空電気ケーブルを支持塔に設置する前に実行される、付記27に記載の方法。
[付記29]光を伝送するステップおよび光を検出するステップは、前記架空電気ケーブルを支持塔に設置した後に実行される、付記27に記載の方法。
[付記30]光ファイバがシングルモード光ファイバである、付記15乃至29のいずれか一項に記載の方法。
[付記31]光を伝送するステップが、発光ダイオード(LED)を通電することを含む、付記15乃至30のいずれか一項に記載の方法。
[付記32]光を伝送するステップが、光を伝送しながら前記LEDを機械的に回転させることを含む、付記31に記載の方法。
[付記33]前記LEDは、少なくとも約5rpmの速度で回転される、付記32に記載の方法。
[付記34]光ファイバへの光の伝送を促進にするために、前記強度部材の第1の端部に屈折率整合ゲルを適用するステップを含む、付記15乃至33のいずれか一項に記載の方法。
[付記35]光源を使用した精査用の繊維補強複合強度要素の作成方法であって、
伸長繊維補強複合体の第1の端部に接近して伸長繊維補強複合体を切断するステップと、
前記繊維補強複合体は、結合マトリクスと、前記結合マトリクス内に配置された複数の補強繊維とを含み、
少なくとも第1の光ファイバが前記繊維補強複合体内に配置され、前記第1の光ファイバは、前記繊維補強複合体の第1の端部から前記繊維補強複合体の第2の端部まで延在しており、
前記切断により、実質的に平坦な第1の切断端面が形成されており、
前記第1の切断端面を研磨して、前記繊維補強複合体および光ファイバの第1の端部を含む研磨された第1の端面を形成し、インコヒーレント光源によって精査するように構成された繊維補強複合強度要素を形成するステップとを含む方法。
[付記36]前記繊維補強複合体の第2の端部に接近して前記繊維補強複合体を切断するステップと、前記切断により、実質的に平坦な第2の切断端面が形成されており、
前記第2の切断端面を研磨して、前記繊維補強複合体および前記第1の光ファイバの第2の端部を含む研磨された第2の端面を形成するステップとを含む、付記35に記載の方法。
[付記37]前記繊維補強複合強度要素が、少なくとも約100メートルの長さを有する、付記35または36に記載の方法。
[付記38]前記繊維補強複合強度要素が、約7500メートル以下の長さを有する、付記35乃至37のいずれか一項に記載の方法。
[付記39]前記繊維補強複合体を切断するステップが、電動砥粒付き切刃で切断することを含む、付記35乃至38のいずれか一項に記載の方法。
[付記40]砥粒付き切刃が、少なくとも約30μmの砥粒サイズを有する研磨砥粒を含む、付記39に記載の方法。
[付記41]前記電動砥粒付き切刃が、前記切断するステップ中にモータによって回転される、付記39または40に記載の方法。
[付記42]少なくとも前記切断するステップ中に前記繊維補強複合体の第1の端部を固定して、前記切断するステップ中に前記第1の端部が切刃に対して実質的に直交して配置されるようにするステップをさらに含む、付記39乃至41のいずれか一項に記載の方法。
[付記43]研磨するステップが、前記第1の切断端面を砥粒付き研磨面により研磨することを含む、付記35乃至42のいずれか一項に記載の方法。
[付記44]前記砥粒付き研磨面が、約25μmより粗くない砥粒サイズを有する研磨砥粒を含む、付記43に記載の方法。
[付記45]研磨するステップの前および/または間に、前記伸長繊維補強複合体の第1の端部を冷却するステップをさらに含む、付記35乃至44のいずれか一項に記載の方法。
[付記46]伸長繊維補強複合強度部材であって、
長手方向の中心軸を有する少なくとも第1の繊維補強複合強度要素を備え、強度要素は、
結合マトリクスと、
繊維補強複合体を形成するように前記結合マトリクス内に配置された複数の補強繊維と、
前記繊維補強複合体内に埋め込まれ、かつ前記強度要素の第1の端部から前記強度要素の第2の端部まで延在する少なくとも第1の伸長し連続した光ファイバとを含み、
前記強度要素の少なくとも前記第1の端部は第1の端面を含み、前記第1の端面は前記繊維補強複合体を含み、第1の光ファイバは前記繊維補強複合体の第1の端面を超えて延在しない、伸長繊維補強複合強度部材。
[付記47]前記強度要素の第2の端部は、第2の端面を含み、前記第1の光ファイバは、前記繊維補強複合体の第2の端面を超えて延在しない、付記46に記載の強度部材。
[付記48]前記強度要素が、前記繊維補強複合体内に埋め込まれた少なくとも第2の伸長し連続した光ファイバを含み、第2の光ファイバは前記繊維補強複合体の前記第1の端面を超えて延在しない、付記46または47に記載の強度部材。
[付記49]前記強度要素が、前記繊維補強複合体内に配置された少なくとも第3の伸長し連続した光ファイバを含み、第3の光ファイバは前記繊維補強複合体の前記第1の端面を超えて延在しない、付記48に記載の強度部材。
[付記50]前記強度要素が、前記繊維補強複合体内に配置された少なくとも第4の伸長し連続した光ファイバを含み、第4の光ファイバは前記繊維補強複合体の前記第1の端面を超えて延在しない、付記49に記載の強度部材。
[付記51]前記光ファイバは、前記強度要素の長手方向の中心軸の周囲に同心的に配置される、付記49または50に記載の強度部材。
[付記52]前記強度要素の長手方向の中心軸には光ファイバが存在しない、付記46乃至51のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記53]前記光ファイバがシングルモード光ファイバである、付記46乃至52のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記54]前記光ファイバがガラス光ファイバである、付記46乃至53のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記55]前記ガラス光ファイバが、透過性ガラスコアと、透過性ガラスコアを包囲する単一のポリマーコーティングとを含む、付記54に記載の強度部材。
[付記56]前記単一のポリマーコーティングが少なくとも約1000MPaの弾性率を有する、付記55に記載の強度部材。
[付記57]強度部材が少なくとも約100メートルの長さを有する、付記46乃至56のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記58]強度部材が少なくとも約3500メートルの長さを有する、付記57に記載の強度部材。
[付記59]強度部材が約7500メートル以下の長さを有する、付記46乃至58のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記60]強度部材がスプールに巻き付けられている、付記46乃至59のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記61]強度部材が実質的に円形の断面を有する、付記46乃至60のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記62]強度部材が少なくとも約1.0mmの直径を有する、付記61に記載の強度部材。
[付記63]強度部材が約20mm以下の直径を有する、付記61または62に記載の強度部材。
[付記64]前記補強繊維が長手方向に延在するカーボン繊維を含む、付記46乃至63のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記65]前記カーボン繊維を包囲する絶縁層をさらに備える、付記64に記載の強度部材。
[付記66]前記絶縁層がガラス繊維を含む、付記65に記載の強度部材。
[付記67]前記光ファイバが前記カーボン繊維と前記絶縁層との間に配置される、付記65または66に記載の強度部材。
[付記68]前記強度部材が少なくとも約1900MPaの定格引張強度を有する、付記46乃至67のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記69]前記強度部材は、約30×10 -6 /℃以下の熱膨張係数を有する、付記46乃至68のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記70]前記繊維補強複合体の第1の端面が研磨された面である、付記46乃至69のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記71]前記繊維補強複合体の第2の端面が研磨された面である、付記47乃至70のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記72]前記第1の端面が、強度部材の長手方向の中心軸に実質的に直交する、付記46乃至71のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記73]前記第1の光ファイバの第1の端部は、前記繊維補強複合体の前記第1の端面と実質的に同一平面にある、付記46乃至72のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記74]強度部材が単一の強度要素を含む、付記46乃至73のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記75]強度部材が複数の強度要素を含む、付記46乃至73のいずれか一項に記載の強度部材。
[付記76]架空電気ケーブルであって、
付記46乃至75のいずれか一項に記載の強度部材と、
前記強度部材を包囲する導電層とを備える架空電気ケーブル。
[付記77]前記導電層が、前記強度部材の周囲に配置された複数の導電性ストランドを含む、付記76に記載の架空電気ケーブル。
[付記78]伸長構造部材に埋め込まれた光ファイバの端部に光を伝送するためのデバイスであって、
実質的に剛性の構造体と、
前記構造体を少なくとも部分的に貫通して配置され、かつボアの第1の端部に開口部を有するボアと、前記開口部および前記ボアは、構造部材の全長に亘って埋め込まれた少なくとも第1の光ファイバを有する伸長構造部材の端部を受け入れるように構成されており、
前記構造体内に少なくとも部分的に配置され、かつ前記ボアの第2の端部に近接する光源と、前記光源は、伸長部材が前記ボアの前記第1の端部内に配置されたときに、前記ボア内および前記伸長部材の端部に向かって光を伝送するように構成されており、
前記光源に動作可能に取り付けられた電源とを備えるデバイス。
[付記79]前記光源がインコヒーレント光源である、付記78に記載のデバイス。
[付記80]前記光源が発光ダイオード(LED)を含む、付記79に記載のデバイス。
[付記81]前記LEDは、少なくとも約300nmで約1000nm以下の波長範囲内の光を放出するように構成される、付記80に記載のデバイス。
[付記82]前記LEDは、少なくとも約800nmで約900nm以下の波長範囲内の光を放出するように構成される、付記81に記載のデバイス。
[付記83]前記光源に動作可能に接続され、かつ前記光源が前記ボア内に光を伝送するときに前記光源を移動させるように構成されるモータをさらに備える、付記78乃至82のいずれか一項に記載のデバイス。
[付記84]前記モータは、前記光源の中心軸を中心に前記光源を回転させるように構成される、付記83に記載のデバイス。
[付記85]前記構造部材が前記ボアの前記第1の端部内に配置されたときに、前記光源と前記構造部材の端部との間の距離を維持するためのストップ要素をさらに備える、付記78乃至84のいずれか一項に記載のデバイス。
[付記86]前記ストップ要素は、前記ボア内に配置された肩部を含み、前記肩部は、前記肩部を通過して前記光源に向かう方向への前記構造部材の移動を防止するように構成される、付記85に記載のデバイス。
[付記87]前記ストップ要素は、前記構造部材の端部と前記光源との間の距離を少なくとも約0.1mmで約150mm以下に維持するように構成される、付記85または86に記載のデバイス。
[付記88]前記剛性の構造体が金属からなる、付記78乃至87のいずれか一項に記載のデバイス。
[付記89]前記金属がアルミニウムを含む、付記88に記載のデバイス。
[付記90]伸長構造部材に埋め込まれた光ファイバの端部から発出する光を検出するためのデバイスであって、
実質的に剛性の構造体と、
前記構造体を少なくとも部分的に貫通して配置され、かつボアの第1の端部に開口部を有するボアと、前記開口部および前記ボアは、構造部材の全長に亘って埋め込まれた少なくとも第1の光ファイバを有する伸長構造部材の端部を受け入れるように構成されており、
前記構造体内で前記ボアの第2の端部に近接して配置された光検出器と、前記光検出器は、伸長部材が前記ボアの前記第1の端部内に配置されたときに、前記光ファイバからの光を受信しかつ検出するように構成されており、
前記光検出器に動作可能に取り付けられた電源とを備えるデバイス。
[付記91]前記光検出器は、CCDセンサおよびCMOSセンサから選択される、付記90に記載のデバイス。
[付記92]前記ボアの前記第1の端部に配置され、前記構造部材が前記ボア内に配置されたときに、前記構造部材の周囲を密封するように構成された遮光要素をさらに備える、付記90または91に記載のデバイス。
[付記93]前記遮光要素がエラストマー材料を含む、付記92に記載のデバイス。
[付記94]前記構造部材が前記ボアの前記第1の端部内に配置されたときに、前記光検出器と前記構造部材の端部との間の距離を維持するように構成されたストップ要素をさらに備える、付記90乃至93のいずれか一項に記載のデバイス。
[付記95]前記ストップ要素は、前記ボア内に配置された肩部を含み、前記肩部は、前記肩部を通過して前記光検出器に向かう前記構造部材の移動を防止するように構成される、付記94に記載のデバイス。
[付記96]前記ストップ要素は、前記構造部材の端部と前記光検出器との間の距離を少なくとも約5mmで約300mm以下に維持するように構成される、付記94乃至95のいずれか一項に記載のデバイス。
[付記97]前記光ファイバから発出する光を前記光検出器上に合焦させるように構成されたレンズをさらに備える、付記90乃至96のいずれか一項に記載のデバイス。
[付記98]前記剛性の構造体が金属からなる、付記90乃至97のいずれか一項に記載のデバイス。
[付記99]前記金属がアルミニウムを含む、付記98に記載のデバイス。
[付記100]切断および研磨用のツールであって、
平面体であって、
前記平面体の少なくとも1つの縁に沿って配置された切刃と、
前記平面体の少なくとも一部を覆う研磨面とを含む前記平面体と、
前記平面体に動作可能に関連付けられた位置合わせ部材とを備え、該位置合わせ部材は、長手方向軸を有する伸長構造部材を前記平面体に動作可能に位置合わせするように構成されて、前記平面体の前記切刃が、長手方向軸に対して実質的に直交して前記伸長構造部材を移動および切断して切断面を形成するように構成され、前記研磨面が、前記切刃が前記伸長構造部材を通過して切断および移動するときに、前記切断面を研磨するように構成されるようにする、ツール。
[付記101]前記平面体が実質的に円形である、付記100に記載のツール。
[付記102]前記平面体に動作可能に接続され、前記平面体の中心軸を中心に前記平面体を回転させるように構成されたモータをさらに含む、付記101に記載のツール。
[付記103]前記切刃が複数の刃断歯を含む、付記100乃至102のいずれか一項に記載のツール。
[付記104]前記切刃が砥粒付き表面を含む、付記100乃至102のいずれか一項に記載のツール。
[付記105]前記砥粒付き表面が少なくとも約35μmのサイズを有する研磨砥粒を含む、付記104に記載のツール。
[付記106]前記研磨面が研磨剤の研磨砥粒を含む、付記100乃至105のいずれか一項に記載のツール。
[付記107]前記研磨砥粒が約25μm以下のサイズを有する、付記106に記載のツール。
[付記108]前記研磨面は、前記平面体の表面から少なくとも約0.1mmで約1.2mm以下だけ高く位置している、付記100乃至107のいずれか一項に記載のツール。
[付記109]前記伸長構造部材の端部に向かって前記研磨面を押圧するように構成された作動機構をさらに含む、付記100乃至108のいずれか一項に記載のツール。
[付記110]前記作動機構がばねを含む、付記109に記載のツール。
[付記111]前記平面体の移動機構に動力を供給するためのバッテリをさらに含む、付記100乃至110のいずれか一項に記載のツール。
[付記112]前記バッテリが約18ボルト以下の電圧を有する、付記111に記載のツール。
[付記113]前記ツールは、前記ツールを把持して自由に操作するための把持部材を備える手持ち式ツールである、付記100乃至111のいずれか一項に記載のツール。
[付記114]切断および研磨ステップからの塵埃の捕捉のために構成された捕捉機構をさらに含む、付記100乃至113のいずれか一項に記載のツール。
[付記115]引張強度部材で使用するように構成された伸長繊維補強複合強度要素の製造方法であって、
長手方向の中心軸を有する伸長繊維補強複合体を形成するステップと、前記繊維補強複合体は結合マトリクスと、結合マトリクス内に配置された複数の補強繊維とを含んでおり、
前記繊維補強複合体を形成するステップ中に、少なくとも第1の光ファイバを繊維補強複合体に埋め込むステップと、前記第1の光ファイバは、前記繊維補強複合体の第1の端部から前記繊維補強複合体の第2の端部まで延在しており、
前記繊維補強複合体の第1の端部に接近して前記繊維補強複合体を切断するステップと、切断により、実質的に平坦な第1の切断端面が形成され、
前記第1の切断端面を研磨して、研磨された第1の端面を有する伸長繊維補強複合強度要素を形成するステップとを含み、研磨された第1の端面は、前記繊維補強複合体と光ファイバの第1の端部を含む、方法。
[付記116]前記繊維補強複合体の第2の端部に接近して前記繊維補強複合体の第2の切断を行うステップと、第2の切断により、実質的に平坦な第2の切断端面が形成され、
前記第2の切断端面を研磨して、前記繊維補強複合体と前記第1の光ファイバの第2の端部とを含む第2の研磨された端面を形成するステップとをさらに含む、付記115に記載の方法。
[付記117]前記繊維補強複合体を形成するステップの間に、少なくとも第2の光ファイバを前記繊維補強複合体に埋め込むステップを含み、前記第2の光ファイバは、前記繊維補強複合体の第1の端部から前記繊維補強複合体の第2の端部まで延在する、付記115または116に記載の方法。
[付記118]前記繊維補強複合体を形成するステップの間に、少なくとも第3の光ファイバを前記繊維補強複合体に埋め込むステップを含み、前記第3の光ファイバは、前記繊維補強複合体の第1の端部から前記繊維補強複合体の第2の端部にまで延在する、付記117に記載の方法。
[付記119]前記繊維補強複合体を形成するステップの間に、少なくとも第4の光ファイバを前記繊維補強複合体に埋め込むステップを含み、前記第4の光ファイバは、前記繊維補強複合体の第1の端部から前記繊維補強複合体の第2の端部にまで延在する、付記118に記載の方法。
[付記120]前記光ファイバは、前記強度要素の長手方向の中心軸の周囲に同心的に配置される、付記118または119に記載の方法。
[付記121]強度要素の長手方向の中心軸には光ファイバが存在しない、付記115乃至120のいずれか一項に記載の方法。
[付記122]強度要素が少なくとも約3500メートルの長さを有する、付記115乃至121のいずれか一項に記載の方法。
[付記123]強度要素が約7500メートル以下の長さを有する、付記115乃至122のいずれか一項に記載の方法。
[付記124]切断および研磨ステップの前に、前記繊維補強複合体をスプール上に巻き付けるステップをさらに含む、付記115乃至123のいずれか一項に記載の方法。
[付記125]前記補強繊維が長手方向に延在するカーボン繊維を含む、付記115乃至124のいずれか一項に記載の方法。
[付記126]前記伸長繊維補強複合体を形成し、前記光ファイバを埋め込むステップが、引き抜きデバイスを通過して前記補強繊維および前記光ファイバを引っ張ることを含む、付記115乃至125のいずれか一項に記載の方法。
[付記127]前記繊維補強複合体を切断するステップが、電動砥粒付き切刃で切断することを含む、付記115乃至126のいずれか一項に記載の方法。
[付記128]砥粒付き切刃が少なくとも約30μmのサイズを有する研磨砥粒を含む、付記127に記載の方法。
[付記129]前記電動砥粒付き切刃は、前記切断するステップ中にモータによって回転される、付記127乃至128のいずれか一項に記載の方法。
[付記130]前記第1の端部が切断ステップ中に切刃に対して実質的に直交して配置されるように、前記繊維補強複合体の第1の端部を固定するステップをさらに含む、付記127乃至129のいずれか一項に記載の方法。
[付記131]研磨ステップが、前記第1の切断端面を研磨面により研磨することを含む、付記130に記載の方法。
[付記132]前記研磨面が約25μm以下の砥粒サイズを有する研磨砥粒を含む、付記131に記載の方法。
[付記133]研磨ステップの前および/または間に、前記繊維補強複合体の前記第1の端部を冷却するステップをさらに含む、付記115乃至132のいずれか一項に記載の方法。
図1A
図1B
図2A-2B】
図3A-3C】
図3D-3F】
図4
図5
図6
図7A
図7B