(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】電極形成組成物
(51)【国際特許分類】
H01M 4/62 20060101AFI20240304BHJP
H01M 4/525 20100101ALI20240304BHJP
H01M 4/505 20100101ALI20240304BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20240304BHJP
【FI】
H01M4/62 Z
H01M4/525
H01M4/505
H01M4/139
(21)【出願番号】P 2020563769
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2019062551
(87)【国際公開番号】W WO2019219788
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-04-18
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513092877
【氏名又は名称】ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スプレアフィコ, マルコ アルベールト
(72)【発明者】
【氏名】ブルソー, セゴレーヌ
(72)【発明者】
【氏名】アブスレメ, ジュリオ ア.
(72)【発明者】
【氏名】ギエルミ, アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ブリナーティ, ジュリオ
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-223011(JP,A)
【文献】特開平10-233217(JP,A)
【文献】特開平11-086875(JP,A)
【文献】国際公開第2009/063907(WO,A1)
【文献】特開2016-001567(JP,A)
【文献】特表2017-536645(JP,A)
【文献】特開平08-031408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00-4/62
H01M 10/05-10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極形成組成物(C)であって、
a)少なくとも1つの正極活物質(AM)であって、一般式
LiNi
x
Mn
y
Co
z
O
2
又はLiNi
x
Co
y
Al
z
O
2
(式中
、0.5≦x≦1
、0.1≦y≦0.5及び0≦z≦0.5で
ある)
のリチウム含有複合金属酸化物から選択される少なくとも1つの正極活物質(AM)、
b)少なくとも1つのバインダー(B)であって、
(i)フッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位と、
(ii)フルオロアルキルビニルエーテル(FVE)モノマーに由来する繰り返し単位であって、前記(FVE)モノマーは、
- 式CF
2=CFOR
f1(式中、R
f1は、C
1~C
12-フルオロ-(ハロ)アルキル基又はC
1~C
12-パーフルオロ-(ハロ)アルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含む)に従う(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル、
- CF
2=CFOR
OF(式中、R
OFは、C
1~C
6-(ハロ)フルオロオキシアルキル又はC
1~C
6-パー(ハロ)フルオロオキシアルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含み、1つ又は2つ以上のエーテル性酸素原子を含
む)に従う(ハロ)フルオロオキシアルキルビニルエーテル基
からなる群から選択される、繰り返し単位と、
(iii
)式(II)
(式中、R
1、R
2、R
3のそれぞれは、互いに等しいか又は異なり、独立して水素原子又はC
1~C
3炭化水素基であり、及びR
OHは、水素又は少なくとも1つの-COOH基を含むC
1~C
5炭化水素部位である)
の少なくとも1つの親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位と
を含む少なくとも1つのフッ化ビニリデン(VDF)コポリマー[ポリマー(A)]を含み、
前記ポリマー(A)中において、存在する場合、繰り返し単位(ii)及び繰り返し単位(iii)の総量は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して最大で15モル
%である、少なくとも1つのバインダー(B)、
c)少なくとも1つの溶媒(S)
を含む正極形成組成物(C)。
【請求項2】
前記正極活物質(AM)は、
LiNi
0.5Mn
0.3Co
0.2O
2、
LiNi
0.6Mn
0.2Co
0.2O
2、
LiNi
0.8Mn
0.1Co
0.1O
2、
LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2、及び
LiNi
0.8Co
0.2O
2
からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物(C)。
【請求項3】
前記正極活物質(AM)は、LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2、LiNi
0.6Mn
0.2Co
0.2O
2及びLiNi
0.8Mn
0.1Co
0.1O
2からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物(C)。
【請求項4】
ポリマー(A)は、
- アクリル酸(AA)、
- (メタ)アクリル酸、及び
これらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1つの親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位を含む、請求項1に記載の組成物(C)。
【請求項5】
ポリマー(A)は、少なくとも1つの親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)のアクリル酸(AA)に由来する繰り返し単位を含む、請求項4に記載の組成物(C)。
【請求項6】
(FVE)モノマーは、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFVE)モノマーであり、前記(PFVE)モノマーは、
- 式CF
2=CFOR
f1’(式中、R
f1’は、C
1~C
12-パーフルオロ-(ハロ)アルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含
む)に従うパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル、及び
- 式CF
2=CFOR
OF’(式中、R
OFは、C
1~C
6パー(ハロ)フルオロオキシアルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含み、1つ又は2つ以上のエーテル性酸素原子を
含む)に従うパー(ハロ)フルオロオキシアルキルビニルエーテル基
からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物(C)。
【請求項7】
(FVE)モノマーは、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.05~10モル
%の量でポリマー(A)に含まれる、請求項1に記載の組成物(C)。
【請求項8】
前記親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.05モル%~2モル
%の量で含まれる、請求項1に記載の組成物(C)。
【請求項9】
ポリマー(A)において、前記親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~1.5モル%の量で含まれ、及び前記(FVE)モノマーは、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~3.8モル%の量で含まれる、請求項7又は8に記載の組成物(C)。
【請求項10】
ポリマー(A)は、
- ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~1.5モル%の、モノマー(MA)に由来する繰り返し単位、
- ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~3.8モル%の、(FVE)モノマーに由来する繰り返し単位、及び
- 94.7重量%~99.6重量
%の、VDFに由来する繰り返し単位
から本質的になる、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物(C)。
【請求項11】
前記溶媒(S)は、
-
アルコール、
-
ケトン、
-
直鎖状又は環状エステル、
-
直鎖状又は環状アミド、及び
- ジメチルスルホキシド
からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物(C)。
【請求項12】
電気化学デバイスのための電極[電極(E)]を製造するためのプロセスであって、
(i)少なくとも1つの表面を有する金属基材を提供する工程、
(ii)請求項1~11のいずれか一項に記載の電極形成組成物(C)を提供する工程、
(iii)工程(i)で提供された前記金属基材の前記少なくとも1つの表面に、工程(ii)で提供された前記組成物(C)を塗布し、それにより、前記少なくとも1つの表面において前記組成物(C)でコーティングされた金属基材を含む組立体を提供する工程、
(iv)工程(iii)で提供された前記組立体を乾燥させる工程
を含むプロセス。
【請求項13】
請求項12に記載の電気化学デバイスのための電極[電極(E)]を製造するためのプロセスを含む、電気化学デバイスを製造するためのプロセスであって、電気化学デバイスが電極(E)を含む
プロセス。
【請求項14】
電気化学デバイスがリチウム二次電池である、請求項
13に記載の
プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月17日出願の欧州特許出願公開第18305615.9号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、コポリマーフッ化ビニリデン/フルオロアルキルビニルエーテルを含む電極形成組成物、それらの製造のためのプロセス及び大容量ニッケルリッチリチウムイオン電池のための電極を製造するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギーの生成及び貯蔵は、長い間、研究及び開発の対象となってきた。充電式電気化学電池及び/又は電気化学コンデンサなど、容易に充電及び放電できるコンパクトな形態の電気エネルギーの貯蔵は、特に重要である。幅広い範囲の電気的要件を有するデバイスに電力を供給するために、高電力で高エネルギーの充電式エネルギー貯蔵デバイスが必要である。このようなデバイスの例としては、ごく数例を挙げると、デジタル通信デバイス、電動工具及びポータブルコンピュータが挙げられる。
【0004】
リチウム電池の電極は、通常、バインダーを粉末状の電極形成材料と混合して製造される。いくつかの現在の市販の電池では、負極形成材料は、グラファイトであり得、正極形成材料は、リチウムニッケルコバルト酸化物(LiNiCoO2)、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(LiNiMnCoO2)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2)などのニッケル含有酸化物であり得る。
【0005】
バインダーは、LiPF6、LiClO4などの電解質をエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの非水溶性溶媒に溶解することによって得られる、電池に存在する非水溶性電解液に対して耐久性を示す必要がある。
【0006】
フッ化ビニリデン系のポリマーなどのフルオロレシンは、正極を形成するためのバインダーとして使用されてきた。特に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、良好な電気化学的安定性と、電極材料及び集電体への高い接着性とをもたらす。従って、PVDFは、電極スラリーに好ましいバインダー材料である。しかしながら、特に正極を形成するためのスラリーの形態で使用される場合、PVDFは、スラリーが多くの場合に急速な粘度増加を受け、ゲルの形成をもたらすという重大な欠点を有する。このゲル化傾向は、導電性補助剤としてカーボンブラックを添加すると特に促進される。
【0007】
米国特許出願公開第20150228969号明細書(UNIST ACADEMY-INDUSTRYRESEARCH CORPORATION)2015年8月13日は、化合物の表面に安定したコーティング層を塗布することによるニッケルリッチ系正極活物質の表面処理により、電池作動時のガス発生を抑制することにより、バインダーとしてVDF-ポリマーを含む電極スラリーのゲル化を防ぐことができる充電式リチウム電池のための正極活物質を開示しており、ここで、コーティング層は、酸化バナジウム、酸化バナジウムリチウム又はこれらの組み合わせを含む。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、ゲル化を防止することができると同時に、柔軟性、接着性及び電気化学的安定性が向上した電極の製造を可能にする正極形成組成物を提供する。
【0009】
本出願人は、ここで、ゲル化を防止することができる電極形成組成物から作製された高エネルギー電極を含む二次電池において優れた性能を保証することが可能であることを発見した。
【0010】
従って、本発明の目的は、正極形成組成物(C)であって、
a)少なくとも1つの正極活物質(AM)であって、一般式(I)
LiNi
xM
1
yM
2
zY
2 (I)
(式中、M
1及びM
2は、互いに同じであるか又は異なり、Co、Fe、Mn、Cr及びVから選択される遷移金属であり、
0.5≦x≦1であり、
y+z=1-xであり、及び
Yは、カルコゲンを示し、好ましくはO及びSから選択される)
のリチウム含有複合金属酸化物から選択される少なくとも1つの正極活物質(AM)、
b)少なくとも1つのバインダー(B)であって、
(i)フッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位と、
(ii)フルオロアルキルビニルエーテル(FVE)モノマーに由来する繰り返し単位であって、(FVE)モノマーは、
- 式CF
2=CFOR
f1(式中、R
f1は、C
1~C
12-フルオロ-(ハロ)アルキル基又はC
1~C
12-パーフルオロ-(ハロ)アルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含む)に従う(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル、
- 式CF
2=CFOR
OF(式中、R
OFは、C
1~C
6-(ハロ)フルオロオキシアルキル又はC
1~C
6-パー(ハロ)フルオロオキシアルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含み、1つ又は2つ以上のエーテル性酸素原子を含み、及び好ましくは、R
OFは、式-CF
2OR
f2又はCF
2CF
2OR
f2(式中、R
f2は、C
1~C
6-(ハロ)フルオロアルキル又はC
1~C
6-パー(ハロ)フルオロアルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含む)の基である)に従う(ハロ)フルオロオキシアルキルビニルエーテル基
からなる群から選択される、繰り返し単位と、
(iii)任意選択的に、式(II)
(式中、R
1、R
2、R
3のそれぞれは、互いに等しいか又は異なり、独立して水素原子又はC
1~C
3炭化水素基であり、及びR
OHは、水素又は少なくとも1つの-COOH基を含むC
1~C
5炭化水素部位である)
の少なくとも1つの親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位と
を含む少なくとも1つのフッ化ビニリデン(VDF)コポリマー[ポリマー(A)]を含み、
前記ポリマー(A)において、存在する場合、繰り返し単位(ii)及び繰り返し単位(iii)の総量は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して最大で15モル%、好ましくは最大で7モル%、より好ましくは最大で4モル%である、少なくとも1つのバインダー(B)、
c)少なくとも1つの溶媒(S)
を含む正極形成組成物(C)である。
【0011】
第2の例では、本発明は、電気化学デバイスのための電極[電極(E)]を製造するためのプロセスにおける本発明の電極形成組成物(C)の使用に関し、前記プロセスは、
(i)少なくとも1つの表面を有する金属基材を提供する工程、
(ii)上記で定義された電極形成組成物(C)を提供する工程、
(iii)工程(i)で提供された金属基材の少なくとも1つの表面に、工程(ii)で提供された組成物(C)を塗布し、それにより、少なくとも1つの表面において前記組成物(C)でコーティングされた金属基材を含む組立体を提供する工程、
(iv)工程(iii)で提供された組立体を乾燥させる工程
を含む。
【0012】
第3の例では、本発明は、本発明のプロセスによって得ることができる電極(E)に関する。
【0013】
第4の例では、本発明は、本発明の電極(E)を含む電気化学デバイスに関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
正極活物質(AM)は、好ましくは、YがOである式(I)の化合物である。
【0015】
好ましい実施形態では、M1は、Mnであり、M2は、Coである。
【0016】
別の好ましい実施形態では、M1は、Coであり、M2は、Alである。
【0017】
このような活物質の例は、LiNixMnyCozO2(以下ではNMCと呼ばれる)及びLiNixCoyAlzO2(以下ではNCAと呼ばれる)を含む。
【0018】
具体的には、LiNixMnyCozO2に関して、マンガン、ニッケル及びコバルトの含有比を変動させて、電池の電力及びエネルギーの性能を調整できる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、活物質(AM)は、上記で定義される式(I)の化合物であり、ここで、0.5≦x≦1、0.1≦y≦0.5及び0≦z≦0.5である。
【0020】
式(I)の好適な正極活物質(AM)の非限定的な例は、特に、
LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2、
LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2、
LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、
LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、及び
LiNi0.8Co0.2O2
を含む。
【0021】
特に有利であることが判明している活物質(AM)は、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2及びLiNi0.8Mn0.1Co0.1O2である。
【0022】
「二フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位」(一般にフッ化ビニリデン1,1-ジフルオロエチレン、VDFとしても示される)という用語は、式CF2=CH2の繰り返し単位を示すことを意図している。
【0023】
「少なくとも1つの親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)」という用語は、ポリマー(A)が、上述したように1つ又は2つ以上の親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位を含み得ることを意味するものと理解される。本明細書の残りの部分では、表現「親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)」及び「モノマー(MA)」は、本発明の目的のために、複数形及び単数形の両方、即ち1つ又は2つ以上の両方の親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)を指すものと理解される。
【0024】
式(III)の親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)の非限定的な例は、特に、
- アクリル酸(AA)、
- (メタ)アクリル酸、及び
これらの混合物
を含む。
【0025】
ここで、親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)は、好ましくは、以下の式(III):
(式中、R
1、R
2及びR
3のそれぞれは、互いに等しいか又は異なり、独立して水素原子又はC
1~C
3炭化水素基である)
に従う。
【0026】
更により好ましくは、親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)は、アクリル酸(AA)である。
【0027】
式(II)の親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)がポリマー(A)に含まれる場合、それは、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して典型的には0.05モル%~2モル%、好ましくは0.1~1.8モル%、より好ましくは0.2~1.5モル%の量で含まれる。
【0028】
(FVE)モノマーは、好ましくは、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFVE)モノマーであり、(PFVE)モノマーは、
- 式CF2=CFORf1’(式中、Rf1’は、C1~C12-パーフルオロ-(ハロ)アルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含み、好ましくはCF3、-C2F5、-C3F7又はC5F11などのC1~C6-パーフルオロアルキル基から選択され、より好ましくは、- Rf1は、CF3である)に従うパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル、
- 式CF2=CFOROF’(式中、ROFは、C1~C6-パー(ハロ)フルオロオキシアルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含み、1つ又は2つ以上のエーテル性酸素原子を含み、及び好ましくは、ROF’は、式-CF2ORf2’又は-CF2CF2ORf2’(式中、Rf2’は、C1~C6-パー(ハロ)フルオロアルキル基であり、任意選択的にフッ素と異なる少なくとも1つのハロゲン原子を含み、好ましくは、Rf2’は、-CF3である)の基である)に従うパー(ハロ)フルオロオキシアルキルビニルエーテル基
からなる群から選択される。
【0029】
式CF2=CFORf1’に従う好ましいパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテルは、特に、Rf1’が過フッ素化アルキル基-CF3(パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE))、-C2F5(パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE))、C3F7(パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE))又は-C4F9若しくはC5F11基であるものを含む。
【0030】
式CF2=CFOROF’に従う好ましいパー(ハロ)フルオロオキシアルキルは、特に、ROF’が式-CF2ORf2’の基であり、Rf2’が、-CF2CF3,-CF2CF2-O-CF3及び-CF3などのC1~C3パーフルオロ(オキシ)アルキル基であるものを含む。
【0031】
本発明のポリマー(A)に含まれる、(PFVE)モノマーに由来する繰り返し単位は、より好ましくは、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)に由来する。
【0032】
(FVE)モノマーに由来する繰り返し単位は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して好ましくは0.05~10モル%、より好ましくは0.1~7モル%、更により好ましくは0.2~3.8モル%の量でポリマー(A)に含まれる。
【0033】
前記ポリマー(A)中の繰り返し単位(ii)及び(iii)の総量は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して最大で15モル%、好ましくは最大で7モル%、より好ましくは最大で4モル%であることが必要である。
【0034】
本発明者らは、ポリマー(A)が直鎖状の半結晶性コポリマーである場合に最良の結果が得られることを見出した。
【0035】
「直鎖状」という用語は、(VDF)モノマー、(メタ)アクリルモノマー及びフルオロアルキルビニルエーテル(FVE)からの繰り返し単位の実質的に直鎖状の配列からなるコポリマーを示すことを意図しており、従って、ポリマー(A)は、グラフトポリマー及び/又は櫛状ポリマーと区別できる。
【0036】
本発明のより好ましい実施形態では、ポリマー(A)において、親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~1.5モル%の量で含まれ、及び(FVE)モノマーに由来する繰り返し単位は、ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~3.8モル%の量で含まれる。
【0037】
ポリマー(A)中のモノマー(MA)、モノマー(FVE)及びVDF繰り返し単位の平均モルパーセントの決定は、任意の好適な方法によって実施することができ、NMRが好ましい。
【0038】
ポリマー(A)は、VDFと異なる1つ以上のフッ素化コモノマー(F)に由来する繰り返し単位を更に含み得る。
【0039】
「フッ素化コモノマー(F)」という用語は、少なくとも1つのフッ素原子を含むエチレン性不飽和コモノマーを意味することが本明細書によって意図される。
【0040】
好適なフッ素化コモノマー(F)の非限定的な例としては、特に、以下が挙げられる:
(a)C2~C8フルオロ及び/又はパーフルオロオレフィン、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペンタフルオロプロピレン及びヘキサフルオロイソブチレン、
(b)C2~C8水素化モノフルオロオレフィン、例えばフッ化ビニル、1,2-ジフルオロエチレン及びトリフルオロエチレン、
(c)式CH2=CH-Rf0(式中、Rf0は、C1~C6パーフルオロアルキル基である)のパーフルオロアルキルエチレン、
(d)クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのクロロ-、及び/又はブロモ-、及び/又はヨード-C2~C6フルオロオレフィン。
【0041】
1つ以上のフッ素化コモノマー(F)が存在する場合、ポリマー(A)は、典型的には、0.1~10モル%、好ましくは0.3~5モル%、より好ましくは0.5~3モル%の、前記フッ素化コモノマー(F)に由来する繰り返し単位を含む。
【0042】
それにもかかわらず、ポリマー(A)が前記更なるコモノマー(F)を含まない実施形態が好ましい。
【0043】
特定の実施形態によれば、ポリマー(A)は、VDF及び(FVE)モノマーに由来する繰り返し単位から本質的になる。
【0044】
他の実施形態によれば、ポリマー(A)は、VDF、(FVE)モノマー及び(MA)モノマーに由来する繰り返し単位から本質的になる。
【0045】
本発明のより好ましい実施形態では、親水性(メタ)アクリルモノマー(MA)は、上記で定義された式(III)の親水性(メタ)アクリルモノマーであり、更により好ましくはアクリル酸(AA)であり、及び(FVE)モノマーは、(PFVE)モノマーであり、更により好ましくはPMVEであり、及びポリマー(A)は、VDF-AA-PMVEターポリマーである。
【0046】
- ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~1.5モル%の、モノマー(MA)に由来する繰り返し単位、
- ポリマー(A)の繰り返し単位の総モルに対して0.2~3.8モル%の、(FVE)モノマーに由来する繰り返し単位、及び
- 94.7重量%~99.6重量%、より好ましくは96.0重量%~98.3重量%の、VDFに由来する繰り返し単位
から本質的になるポリマー(A)を使用すると、優れた結果が得られている。
【0047】
鎖末端、欠陥又は他の不純物タイプの部位は、これらがその特性を損なうことなく、ポリマー(A)に含まれ得ることが理解される。
【0048】
好ましくは、25℃でジメチルホルムアミドにおいて測定されたポリマー(A)の固有粘度は、0.20l/g~0.60l/g、好ましくは0.25l/g~0.50l/g、より好ましくは0.25g/l~0.35g/lに含まれる。
【0049】
より好ましくは、25℃でジメチルホルムアミドにおいて測定されたポリマー(A)の固有粘度は、約0.30l/gである。
【0050】
ポリマー(A)は、典型的には、例えば国際公開第2007/006645号パンフレット及び国際公開第2007/006646号パンフレットに記載されている手順に従い、VDFモノマー、少なくとも1つの水素化(メタ)アクリルモノマー(MA)、少なくとも1つのモノマー(FVE)及び任意選択的に少なくとも1つのコモノマー(F)の乳化重合又は懸濁重合によって得ることができる。
【0051】
重合反応は、一般的に、25~150℃の温度において、130バールまでの圧力で実施される。
【0052】
ポリマー(A)は、典型的には、粉末の形態で提供される。
【0053】
本発明のプロセスは、モノマー(MA)がポリマー(A)のVDF骨格全体にわたって実質的にランダムな分布を有するポリマー(A)を提供する。
【0054】
溶媒(S)の選択は、ポリマー(A)を可溶化するのに適していることを条件として特に限定されない。
【0055】
溶媒(S)は、典型的には、
- メチルアルコール、エチルアルコール及びジアセトンアルコールなどのアルコール、
- アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びイソホロンなどのケトン、
- イソプロピルアセテート、n-ブチルアセテート、メチルアセトアセテート、ジメチルフタレート及びγ-ブチロラクトンなどの直鎖状又は環状エステル、
- N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及びN-メチル-2-ピロリドンなどの直鎖状又は環状アミド、及び
- ジメチルスルホキシド
からなる群から選択される。
【0056】
本発明による電極形成組成物(C)は、導電性付与添加剤及び粘度調整剤などの任意選択的な添加剤を含み得る。
【0057】
本発明の電極形成組成物を塗布及び乾燥することによって形成された得られた複合電極層の導電性を改善するために、導電性付与添加剤を添加することができる。
【0058】
導電性付与添加剤は、典型的には、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト粉末、グラファイト繊維などの炭素質材料並びにニッケル及びアルミニウム粉末又は繊維などの金属粉末又は繊維からなる群から選択される。
【0059】
好ましい正極形成組成物(C)は、
a)(a)+(b)+(c)の総重量に対して80~98重量%、好ましくは90~97重量%の量の正極活物質(AM)と、
b)(a)+(b)+(c)の総重量に対して0.5~10重量%、好ましくは1~5重量%の量のバインダー(B)と、
c)溶媒(S)と、
(a)+(b)+(c)の総重量に対して1~10重量%、好ましくは2~5重量%の量の、導電性付与添加剤としてのカーボンブラックと
を含む。
【0060】
更なる例において、本発明は、上記で定義された組成物(C)を調製するためのプロセスであって、
- バインダー(B)を溶媒(S)の一部と混合する工程、
- 活物質(AM)、任意選択的に導電性付与添加剤及び残留溶媒(S)を添加する工程、
- 得られた懸濁液を混合する工程
を含むプロセスを提供する。
【0061】
本発明による電極形成組成物(C)は、好ましくは、50~90重量%の範囲の全固形分を有し、より好ましくは、全固形分は、65~75重量%の範囲である。
【0062】
第2の例では、本発明は、電気化学デバイスのための電極[電極(E)]を製造するためのプロセスにおける本発明の電極形成組成物(C)の使用に関し、前記プロセスは、
(i)少なくとも1つの表面を有する金属基材を提供する工程、
(ii)上記で定義された電極形成組成物(C)を提供する工程、
(iii)工程(i)で提供された金属基材の少なくとも1つの表面に、工程(ii)で提供された組成物(C)を塗布し、それにより、少なくとも1つの表面において前記組成物(C)でコーティングされた金属基材を含む組立体を提供する工程、
(iv)工程(iii)で提供された組立体を乾燥させる工程
を含む。
【0063】
本発明の方法の工程(iv)下において、乾燥は、大気圧下又は真空下のいずれかで行われ得る。代わりに、乾燥は、例えば、典型的には特に水分が除かれた(0.001%v/v未満の水蒸気含有量)不活性ガス下などの改善された雰囲気下で行うことができる。
【0064】
乾燥温度は、本発明の電極(E)からの1つ以上の溶媒(S)の蒸発による除去を達成するように選択されるであろう。
【0065】
第3の例では、本発明は、上記で定義されたプロセスによって得ることができる電極(E)に関する。
【0066】
第4の例では、本発明は、本発明の電極(E)を含む電気化学デバイスに関する。
【0067】
特に、本発明は、
- 正極と、
- 負極と
を含む二次電池に更に関し、ここで、正極は、本発明の電極(E)である。
【0068】
参照により本明細書中に組み込まれる任意の特許、特許出願及び刊行物の開示が、ある用語を不明確とし得る程度まで本出願の記載と対立する場合、本記載が優先するものとする。
【0069】
ここで、本発明は、その目的が単に例示的であり、本発明の範囲を限定するものではない以下の実施例によってより詳細に例示される。
【実施例】
【0070】
原料
ポリマー(比較):25℃においてDMFで0.30l/gの固有粘度を有するVDF-AA(1.0モル%)ポリマー。
【0071】
ポリマー(A-1):25℃においてDMFで0.294l/gの固有粘度を有するVDF-AA(1.0モル%)-PMVE(1.7モル%)ポリマー。
【0072】
ポリマー(A-2):25℃においてDMFで0.31l/gの固有粘度を有するVDF-AA(0.9モル%)-PMVE(0.6モル%)ポリマー。
【0073】
開始剤:Arkemaから市販されているイソドデカンにおけるt-アミル-パーピバレート(イソドデカンにおけるt-アミルパーピバレートの75重量%溶液)。
【0074】
懸濁剤(B):Alcotex AQ38、Alcotex80の38g/l水溶液:80%の加水分解高分子量ポリビニルアルコール、SYNTHOMERから市販。
【0075】
活物質AM1:LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、EcoPro Co.,Ltd.から市販。
【0076】
活物質AM2:LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2、Umicore SAから市販。
【0077】
導電性付与添加剤:C-NERGY(商標)SUPER C65、Imerys Graphite&Carbonから市販。
【0078】
ポリマー(A)の固有粘度の決定
固有粘度(η)[dl/g]は、Ubbelhode粘度計を用い、ポリマー(A)を約0.2g/dlの濃度でN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させることによって得られた溶液の、25℃での滴下時間に基づいて、以下の式:
(式中、cは、ポリマー濃度[g/dl]であり、η
rは、相対粘度、即ち試料溶液の滴下時間と溶媒の滴下時間との間の比であり、η
spは、比粘度、即ちη
r-1であり、Γは、ポリマー(A)について3に対応する実験因子である)
を用いて測定した。
【0079】
DSC分析
DSC分析は、ASTM D3418規格に従って実行し、融点(Tf2)は、10℃/分の加熱速度で測定した。
【0080】
実施例1:ポリマー(A)及び比較ポリマーの調製:
650rpmの速度で作動するインペラを備えた4リットルの反応器に脱塩水及び1.5g/kgのMni(設定点温度前に反応器に添加されたモノマーの初期量)の懸濁剤(表1に詳述される)を順に導入した。反応器を一連の真空(30mmHg)でパージし、11℃で窒素をパージした。次いで、5.0gの開始剤を導入した。880rpmの速度でアクリル酸(AA)及びパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)を導入した。最後に、フッ化ビニリデン(VDF)を反応器に導入した。本発明によるポリマー(A)の調製に使用されるポリマー(A)中(及び比較ポリマー(比較)中)のAA、PMVE及びVDFの量を表1に報告する。反応器を55℃での設定点温度まで徐々に加熱し、圧力を120バールに固定した。表1に記載されているAAの濃度で水溶液におけるアクリル酸を重合中に供給することにより、圧力を常に120バールに等しく保った。この供給後、それ以上の水溶液を導入せず、圧力が低下し始めた。大気圧に達するまで反応器を脱気することによって重合を止めた。表2に記載されているようにモノマーの変換に達した。次いで、こうして得たポリマーを回収し、脱塩水で洗浄し、65℃で一晩中乾燥させた。
【0081】
【0082】
表2に重合の時間及び収率並びに得られたポリマーの特性を報告する。
【0083】
【0084】
実施例2:電極形成組成物の調製のための一般的な手順
電極形成組成物は、ポリマー(比較)、ポリマー(A-1)及びポリマー(A-2)をそれぞれN-メチルピロリドン(NMP)に溶解し、SpeedMixer(遠心ミキサー)を使用して室温で機械的に攪拌しながら8重量%の濃度にすることにより調製し、次いで所定量の正極活物質、導電性物質及び残留NMPをNMPにおけるポリマーの溶液に添加し、平らなPTFEディスクを備えたDispermatデバイスを用いて完全に混合した。得られたスラリーの総固形分濃度は、70重量%又は75重量%であった。表3において、実施例2で調製した電極形成組成物の詳細を報告する。
【0085】
【0086】
実施例3:電極形成組成物のゲル化評価
組成物(C-1)及び(C-3)を調製し、その後、これらの外観を確認するために視覚的に観察した。
【0087】
48時間までの様々な経過時間における組成物の流動性特性を、PET箔(湿潤厚さ50μm)に同じものをキャストする能力及び品質の観点から評価した。結果を表4に報告する。
【0088】
【0089】
組成物(C-1)は、その調製から4時間後にすでに良好な品質のキャストができなかった。組成物に塊が生じ始め、これを使用することができなかった。対照的に、組成物(A-2)は、少なくとも調製から48時間後まで良好な安定性を示した。
【0090】
上記を考慮して、本発明による正極形成組成物(C)は、ポリマー(A)を含むバインダー(B)の存在により、ゲル化に対する改善された耐性を特徴とすることが見出された。
【0091】
実施例4:電極の調製
正極は、実施例2で得られた電極形成組成物(C-4)、(C-5)又は(C-6)を厚さ20μmのアルミ箔に塗布して、20mg/cm2の乾燥した正極コーティングの塊を得ることにより得られた。溶媒を90℃の温度でオーブンにおいて乾燥させて完全に蒸発させて、帯の形状の正極を作製した。
【0092】
こうして得られた正極(それぞれ電極(E1)、(E2)及び(E3))は、以下の組成を有した:97重量%の活物質AM2、1重量%のポリマー(A)、2重量%の導電性材料。
【0093】
正極接着性評価
正極(E1)、(E2)及び(E3)をストライプ(長さ10cm、幅2.5cm)に切断し、厚さ2mmの硬質アルミニウム箔に寸法2.5×8cmの両面接着テープを使用して適用し、電極のコーティングされた側は、アルミニウム板に面した。電極の一部がテープに接着しないようになっているため、各ストライプの一端が両面接着テープと接触せず、箔から引っ張ることができる。
【0094】
各試験片は、両面接着テープから試料を剥がすのに必要な力の測定を可能にする動力計により、180°の角度で箔から引っ張られた。剥離速度は、T=25℃で300mm/分である。結果を表5に要約する。
【0095】