(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】ディスク装置
(51)【国際特許分類】
G11B 33/12 20060101AFI20240304BHJP
G11B 5/60 20060101ALI20240304BHJP
G11B 21/21 20060101ALI20240304BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
G11B33/12 313C
G11B5/60 P
G11B21/21 D
H05K1/02 B
(21)【出願番号】P 2021044837
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 太一
(72)【発明者】
【氏名】劉 佳
(72)【発明者】
【氏名】高澤 昌秀
(72)【発明者】
【氏名】山本 展大
(72)【発明者】
【氏名】徳田 孝太
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-021704(JP,A)
【文献】特開平05-028402(JP,A)
【文献】国際公開第2009/050770(WO,A1)
【文献】特開2013-004160(JP,A)
【文献】特開平04-158308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 33/12
G11B 5/60
G11B 21/21
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号に対応する光を出射する第1の変換装置と、
入射した光に対応する電気信号を生成する第2の変換装置と、
前記第1の変換装置に接合された第1の端部と、前記第2の変換装置に接合された第2の端部と、を有し、前記第1の変換装置が出射した光を前記第2の変換装置へ伝送する光導波路と、
前記第1の変換装置に電気的に接続された第1の部品と、
前記第2の変換装置に電気的に接続され、前記第1の変換装置、前記光導波路、及び前記第2の変換装置を通じて前記第1の部品と通信する、第2の部品と、
筐体と、
前記筐体の内部に位置し、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記筐体の内部に位置し、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
第1のフレキシブルプリント回路板と、
前記磁気ヘッドを移動させるアクチュエータと、
電気信号を増幅するアンプと、
を具備
し、
前記第1の変換装置は、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち一方に対応する光を出射し、
前記第2の変換装置は、前記第1の変換装置が出射した光に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち前記一方を生成し、
前記光導波路の少なくとも一部が可撓性を有し、
前記光導波路の少なくとも一部は、前記第1のフレキシブルプリント回路板に設けられ、
前記第1のフレキシブルプリント回路板は、前記アクチュエータに取り付けられる第1の部分と、前記筐体に取り付けられる第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分との間に設けられた可撓性の第3の部分と、を有し、
前記アンプは、前記第2の部分又は前記第3の部分に設けられ、
前記第1の部品と前記第2の部品とのうち一方は、前記アンプを有し、
前記第1の部品と前記第2の部品とのうち他方は、前記磁気ヘッドを有する、
ディスク装置。
【請求項2】
電気信号に対応する光を出射する第1の変換装置と、
入射した光に対応する電気信号を生成する第2の変換装置と、
前記第1の変換装置に接合された第1の端部と、前記第2の変換装置に接合された第2の端部と、を有し、前記第1の変換装置が出射した光を前記第2の変換装置へ伝送する光導波路と、
前記第1の変換装置に電気的に接続された第1の部品と、
前記第2の変換装置に電気的に接続され、前記第1の変換装置、前記光導波路、及び前記第2の変換装置を通じて前記第1の部品と通信する、第2の部品と、
筐体と、
前記筐体の内部に位置し、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記筐体の内部に位置し、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
第1のフレキシブルプリント回路板と、
前記磁気ヘッドを移動させるアクチュエータと、
電気信号を増幅するアンプと、
を具備し、
前記第1のフレキシブルプリント回路板は、前記アクチュエータに取り付けられる第1の部分と、前記筐体に取り付けられる第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分との間に設けられた可撓性の第3の部分と、を有し、
前記アンプは、前記第2の部分又は前記第3の部分に設けられ、
前記第1の部品と前記第2の部品とのうち一方は、前記アンプを有し、
前記第1の部品と前記第2の部品とのうち他方は、前記磁気ヘッドを有する、
ディスク装置。
【請求項3】
電気信号に対応する光を出射する第1の変換装置と、
入射した光に対応する電気信号を生成する第2の変換装置と、
前記第1の変換装置に接合された第1の端部と、前記第2の変換装置に接合された第2の端部と、を有し、前記第1の変換装置が出射した光を前記第2の変換装置へ伝送する光導波路と、
前記第1の変換装置に電気的に接続された第1の部品と、
前記第2の変換装置に電気的に接続され、前記第1の変換装置、前記光導波路、及び前記第2の変換装置を通じて前記第1の部品と通信する、第2の部品と、
筐体と、
前記筐体の内部に位置し、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記筐体の内部に位置し、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
を具備し、
前記第1の変換装置は、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち一方に対応する光を出射し、
前記第2の変換装置は、前記第1の変換装置が出射した光に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち前記一方を生成し、
前記第1の変換装置、前記第1の端部、及び前記第1の部品と、前記第2の変換装置、前記第2の端部、及び前記第2の部品と、のうち一方は、前記筐体の外部に位置し、
前記第1の変換装置、前記第1の端部、及び前記第1の部品と、前記第2の変換装置、前記第2の端部、及び前記第2の部品と、のうち他方は、前記筐体の内部に位置する、
ディスク装置。
【請求項4】
前記筐体の外部に位置する外在部と、前記筐体の内部に位置する内在部と、前記筐体に設けられた第1の貫通孔を貫通するとともに前記外在部と前記内在部との間に設けられた中間部と、を有する第2のフレキシブルプリント回路板、
をさらに具備し、
前記光導波路のうち少なくとも一部が前記第2のフレキシブルプリント回路板に設けられた、
請求項3のディスク装置。
【請求項5】
前記第2のフレキシブルプリント回路板に設けられ、前記内在部に設けられた内端子と、前記外在部に設けられた外端子と、前記内端子と前記外端子とを接続する延部と、を有する第1の導電部、をさらに具備する
請求項4のディスク装置。
【請求項6】
前記筐体の外部に位置し、前記光導波路の一部が設けられた、第1のコネクタと、
前記筐体の内部に位置し、前記光導波路の一部が設けられた、第2のコネクタと、
をさらに具備し、
前記筐体は、第2の貫通孔が設けられた第1の壁を有し、
前記光導波路は、前記第2の貫通孔を貫通する、
請求項3のディスク装置。
【請求項7】
前記第2の貫通孔を貫通する第2の導電部、
をさらに具備し、
前記第2の導電部の一部は、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタに設けられる、
請求項6のディスク装置。
【請求項8】
前記第2の貫通孔を塞ぐ第2の壁、
をさらに具備し、
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタは、前記第2の壁に設けられ、
前記光導波路は、前記第2の壁を貫通した、
請求項6又は
請求項7のディスク装置。
【請求項9】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうち一方は、前記第2の貫通孔の外に位置する接続部と、前記第2の貫通孔を貫通する貫通部と、を有し、
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうち他方は、前記貫通部に取り付けられた、
請求項6又は
請求項7のディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブのようなディスク装置では、種々の電気信号が、基板の配線パターンやコネクタの端子を含む配線により伝送される。電気信号は、例えば、磁気ヘッドが記録媒体に書き込む情報に対応するライト信号や、磁気ヘッドが記録媒体から読み出した情報に対応するリード信号を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスク装置の記憶容量の増加に伴って、ディスク装置の配線の数も増加する傾向にある。例えば、記憶媒体の数が増やされることで、当該記憶媒体に情報を読み書きする磁気ヘッドの数も増え、当該磁気ヘッドに接続される配線の数も増える。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、配線の数を低減可能なディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態に係るディスク装置は、第1の変換装置と、第2の変換装置と、光導波路と、第1の部品と、第2の部品と筐体と、ディスク状の記録媒体と、磁気ヘッドと、第1のフレキシブルプリント回路板と、アクチュエータと、アンプとを備える。前記第1の変換装置は、電気信号に対応する光を出射する。前記第2の変換装置は、入射した光に対応する電気信号を生成する。前記光導波路は、前記第1の変換装置に接合された第1の端部と、前記第2の変換装置に接合された第2の端部と、を有し、前記第1の変換装置が出射した光を前記第2の変換装置へ伝送する。前記第1の部品は、前記第1の変換装置に電気的に接続される。前記第2の部品は、前記第2の変換装置に電気的に接続され、前記第1の変換装置、前記光導波路、及び前記第2の変換装置を通じて前記第1の部品と通信する。前記記録媒体は、前記筐体の内部に位置し、記録層を有する。前記磁気ヘッドは、前記筐体の内部に位置し、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成される。前記アクチュエータは、前記磁気ヘッドを移動させる。前記アンプは、電気信号を増幅する。前記第1の変換装置は、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち一方に対応する光を出射する。前記第2の変換装置は、前記第1の変換装置が出射した光に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち前記一方を生成する。前記光導波路の少なくとも一部が可撓性を有する。前記光導波路の少なくとも一部は、前記第1のフレキシブルプリント回路板に設けられる。前記第1のフレキシブルプリント回路板は、前記アクチュエータに取り付けられる第1の部分と、前記筐体に取り付けられる第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分との間に設けられた可撓性の第3の部分と、を有する。前記アンプは、前記第2の部分又は前記第3の部分に設けられる。前記第1の部品と前記第2の部品とのうち一方は、前記アンプを有する。前記第1の部品と前記第2の部品とのうち他方は、前記磁気ヘッドを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)を示す例示的な斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態のHDDを分解して示す例示的な斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のHDDを分解して
図2と異なる方向から示す例示的な斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態のHDDの構成を示す例示的なブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態のHDDの一部を
図3のF5-F5線に沿って概略的に示す例示的な断面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の底壁及び中継FPCを概略的に示す例示的な平面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係るFPCを概略的に示す例示的な平面図である。
【
図8】
図8は、第3の実施形態に係るHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
【
図9】
図9は、第4の実施形態に係るHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、
図1乃至
図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)10を示す例示的な斜視図である。HDD10は、例えば、電子機器1に搭載され、電子機器1の一部を構成する。言い換えると、電子機器1は、HDD10を有する。
【0010】
HDD10は、ディスク装置の一例であり、記憶装置又は磁気ディスク装置とも称され得る。電子機器1は、例えば、パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ、テレビジョン受像装置、若しくはゲーム機のような、種々のコンピュータ、又は外付けHDD(external hard drive)のような機器である。
【0011】
図2は、第1の実施形態のHDD10を分解して示す例示的な斜視図である。
図2に示すように、HDD10は、筐体11と、複数の磁気ディスク12と、スピンドルモータ13と、クランプバネ14と、複数の磁気ヘッド15と、アクチュエータアセンブリ16と、ボイスコイルモータ(VCM)17と、ランプロード機構18と、フレキシブルプリント回路板(FPC)19と、を有する。磁気ディスク12は、記録媒体の一例である。アクチュエータアセンブリ16は、アクチュエータの一例である。FPC19は、第1のフレキシブルプリント配線板の一例である。
【0012】
筐体11は、ベース21と、内カバー22と、外カバー23とを有する。ベース21は、有底の容器であり、底壁25と側壁26とを有する。底壁25は、第1の壁の一例である。底壁25は、略矩形(四角形)の板状に形成されている。側壁26は、底壁25の外縁から突出している。底壁25と側壁26とは、例えば、アルミニウム合金等の金属材料によって作られ、一体に形成されている。
【0013】
内カバー22及び外カバー23は、例えば、アルミニウム合金等の金属材料によって作られる。内カバー22は、例えば、ネジによって側壁26の端部に取り付けられている。外カバー23は、内カバー22を覆うとともに、例えば溶接によって側壁26の端部に気密に固定されている。
【0014】
筐体11の内部に、収容空間Sが設けられる。収容空間Sは、ベース21及び内カバー22により形成(規定、区画)される。本実施形態の筐体11は、収容空間Sを気密に密封し、収容空間Sと筐体11の外部との間で気体の移動を防止又は低減する。
【0015】
磁気ディスク12、スピンドルモータ13、クランプバネ14、磁気ヘッド15、アクチュエータアセンブリ16、ボイスコイルモータ17、ランプロード機構18、及びFPC19を含む種々の部品が、筐体11の内部の収容空間Sに位置する。収容空間Sと、当該収容空間Sに収容された上記種々の部品とは、ベース21の底壁25及び側壁26と、内カバー22と、により覆われている。
【0016】
内カバー22に通気口22aが設けられる。さらに、外カバー23に、通気口23aが設けられる。ベース21の内部に部品が取り付けられ、ベース21に内カバー22及び外カバー23が取り付けられた後、通気口22a,23aから収容空間Sの空気が抜かれる。さらに、収容空間Sに、空気とは異なる気体が充填される。
【0017】
収容空間Sに充填される気体は、例えば、空気よりも密度が低い低密度ガスや、反応性の低い不活性ガス等である。例えば、ヘリウムが収容空間Sに充填される。なお、他の流体が収容空間Sに充填されても良い。また、収容空間Sは、真空、真空に近い低圧、又は大気圧よりも低い陰圧に保たれても良い。
【0018】
外カバー23の通気口23aは、シール28により塞がれる。シール28は、例えば、金属又は合成樹脂によって作られる。シール28は、通気口23aを気密に密封し、収容空間Sに充填された気体が通気口23aから漏れることを防ぐ。
【0019】
磁気ディスク12は、例えば、上面及び下面のうち少なくとも一方に設けられた磁気記録層を有するディスクである。磁気ディスク12の直径は、例えば、3.5インチであるが、この例に限られない。
【0020】
スピンドルモータ13は、間隔を介して重ねられた複数の磁気ディスク12を支持するとともに回転させる。クランプバネ14は、複数の磁気ディスク12をスピンドルモータ13のハブに保持する。
【0021】
磁気ヘッド15は、磁気ディスク12の記録層に対して、情報の記録及び再生を行う。言い換えると、磁気ヘッド15は、磁気ディスク12に対して情報を読み書きする。磁気ヘッド15は、アクチュエータアセンブリ16に支持される。
【0022】
アクチュエータアセンブリ16は、磁気ディスク12から離間した位置に配置された支持軸31に、回転可能に支持される。VCM17は、アクチュエータアセンブリ16を回転させ、所望の位置に配置する。VCM17によるアクチュエータアセンブリ16の回転により磁気ヘッド15が磁気ディスク12の最外周に移動すると、ランプロード機構18は、磁気ディスク12から離間したアンロード位置に磁気ヘッド15を保持する。
【0023】
アクチュエータアセンブリ16は、アクチュエータブロック35と、複数のアーム36と、複数のヘッドサスペンションアセンブリ37とを有する。ヘッドサスペンションアセンブリ37は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)とも称され得る。
【0024】
アクチュエータブロック35は、例えば、軸受を介して、支持軸31に回転可能に支持される。複数のアーム36は、アクチュエータブロック35から、支持軸31と略直交する方向に突出している。なお、アクチュエータアセンブリ16が分割され、複数のアクチュエータブロック35のそれぞれから複数のアーム36が突出しても良い。
【0025】
複数のアーム36は、支持軸31が延びる方向に、間隔を介して配置される。アーム36はそれぞれ、隣り合う磁気ディスク12の間の隙間に進入可能な板状に形成される。複数のアーム36は、略平行に延びている。
【0026】
アクチュエータブロック35及び複数のアーム36は、例えばアルミニウムにより一体に形成される。なお、アクチュエータブロック35及びアーム36の材料は、この例に限られない。
【0027】
アクチュエータブロック35から突出した突起に、VCM17のボイスコイルが設けられる。VCM17は、一対のヨークと、当該ヨークの間に配置されたボイスコイルと、ヨークに設けられた磁石と、を有する。
【0028】
ヘッドサスペンションアセンブリ37は、対応するアーム36の先端部分に取り付けられ、当該アーム36から突出する。これにより、複数のヘッドサスペンションアセンブリ37は、支持軸31が延びる方向に、間隔を介して配置される。
【0029】
複数のヘッドサスペンションアセンブリ37はそれぞれ、ベースプレート41と、ロードビーム42と、フレキシャ43とを有する。さらに、ヘッドサスペンションアセンブリ37に磁気ヘッド15が取り付けられる。
【0030】
ベースプレート41及びロードビーム42は、例えば、ステンレスにより作られる。なお、ベースプレート41及びロードビーム42の材料は、この例に限られない。ベースプレート41は、板状に形成され、アーム36の先端部に取り付けられる。ロードビーム42は、ベースプレート41よりも薄い板状に形成される。ロードビーム42は、ベースプレート41の先端部に取り付けられ、ベースプレート41から突出する。
【0031】
フレキシャ43は、細長い帯状に形成される。なお、フレキシャ43の形状は、この例に限られない。フレキシャ43は、ステンレス等の金属板(裏打ち層)と、金属板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成され複数の配線(配線パターン)を構成する導電層と、導電層を覆う保護層(絶縁層)と、を有する積層板である。
【0032】
フレキシャ43の一方の端部に、ロードビーム42の上に位置するとともに変位可能なジンバル部(弾性支持部)が設けられる。磁気ヘッド15は、当該ジンバル部に搭載される。フレキシャ43の他方の端部は、FPC19に接続される。これにより、FPC19は、フレキシャ43の配線を介して、磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0033】
VCM17がアクチュエータアセンブリ16を回転させることで、アクチュエータアセンブリ16のジンバル部に搭載された磁気ヘッド15も支持軸31まわりに移動する。すなわち、アクチュエータアセンブリ16及びVCM17は、磁気ヘッド15を移動させる。
【0034】
図3は、第1の実施形態のHDD10を分解して
図2と異なる方向から示す例示的な斜視図である。
図3に示すように、HDD10は、プリント回路板(PCB)50をさらに有する。PCB50は、ベース21の底壁25の外に配置される。
【0035】
PCB50は、プリント配線板(PWB)51と、PWB51に実装された複数の部品とを含む。PWB51は、例えば、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、多層基板やビルドアップ基板等である。PWB51は、底壁25の外部に取り付けられる。言い換えると、PWB51は、筐体11の外で筐体11に取り付けられる。PWB51は、例えば、ネジによるネジ留め又はフックによるスナップフィットによって底壁25に取り付けられる。
【0036】
図4は、第1の実施形態のHDD10の構成を示す例示的なブロック図である。
図4に示すように、PCB50は、インターフェース(I/F)コネクタ52と、コントローラ53と、サーボコントローラ54と、中継コネクタ55とをさらに有する。コントローラ53は、第1の部品又は第2の部品の一例である。
【0037】
I/Fコネクタ52、コントローラ53、サーボコントローラ54、及び中継コネクタ55は、PWB51に実装されている。また、PWB51には、RAM、ROM、及びバッファメモリのような種々のメモリ、コイル、コンデンサ、及び他の電子部品がさらに実装される。
【0038】
I/Fコネクタ52は、Serial ATAのようなインターフェース規格に準拠したコネクタであり、電子機器1のI/Fコネクタ1aに接続される。これにより、PWB51は、電子機器1のプロセッサ1bに電気的に接続される。プロセッサ1bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、電子機器1の全体を制御する。
【0039】
HDD10は、I/Fコネクタ52を通じて、電子機器1から、電力の供給を受けるとともに、ライトコマンドやリードコマンドのようなアクセスコマンド(制御信号)や種々のデータを受信する。また、HDD10は、I/Fコネクタ52を通じて、電子機器1に種々のデータを送信する。このように、HDD10は、I/Fコネクタ52を通じて電子機器1と有線通信する。なお、HDD10は、電子機器1と無線通信可能であっても良い。
【0040】
コントローラ53は、例えば、リードライトチャネル(RWC)、ハードディスクコントローラ(HDC)、及びプロセッサを含む。コントローラ53は、一つの部品であっても良いし、別々のRWC、HDC、及びプロセッサの総称であっても良い。コントローラ53は、HDD10の全体的な制御を行う。
【0041】
サーボコントローラ54は、スピンドルモータ13及びVCM17を駆動させる。中継コネクタ55は、例えば、収容空間Sに配置された種々の部品への通信及び電力の供給に用いられる。
【0042】
図3に示すように、HDD10は、中継FPC59をさらに有する。スピンドルモータ13は、中継FPC59を通じて、PCB50のサーボコントローラ54に電気的に接続される。スピンドルモータ13は、中継FPC59を介して、サーボコントローラ54から駆動信号を入力されるとともに、PCB50から電力を供給される。
【0043】
中継FPC59は、スピンドルモータ13の近傍に位置するとともにベース21の底壁25を貫通する孔を通り、収容空間Sと筐体11の外部とに亘って延びている。当該孔は、例えば、合成樹脂により封止される。
【0044】
図2に示すFPC19は、例えば、互いに積層された導体層、絶縁層、及び接着層を有し、弾性的に変形可能である。導体層は、例えば銅のような導電性の金属により作られる。絶縁層は、例えばポリイミドのような絶縁性の合成樹脂により作られる。
【0045】
FPC19に、プリアンプ61と中継コネクタ62とが搭載される。このため、プリアンプ61及び中継コネクタ62は、筐体11の内部の収容空間Sに位置する。プリアンプ61は、第1の部品又は第2の部品の一例である。また、プリアンプ61は、アンプの一例でもある。
【0046】
プリアンプ61は、フレキシャ43を通じて、磁気ヘッド15に電気的に接続される。なお、プリアンプ61は、フレキシャ43に実装されても良い。プリアンプ61は、例えば、入力された電気信号を増幅して出力する。
【0047】
中継コネクタ62は、PWB51の中継コネクタ55を介して電力の供給を受ける。本実施形態において、磁気ヘッド15とプリアンプ61とは、中継コネクタ62を介して供給された電力により動作する。
【0048】
HDD10は、中継FPC70と、二つの中継コネクタ71,72とをさらに有する。中継FPC70は、第1のフレキシブルプリント回路板又は第2のフレキシブルプリント回路板の一例である。中継コネクタ71は、第1のコネクタの一例である。中継コネクタ72は、第2のコネクタの一例である。
【0049】
中継FPC70は、FPC19と同じく、例えば、互いに積層された導体層、絶縁層、及び接着層を有し、弾性的に変形可能である。なお、中継FPC70の構成は、FPC19の構成と異なっても良い。
【0050】
中継FPC70は、筐体11の底壁25に取り付けられる。中継コネクタ71,72は、中継FPC70に設けられる。中継コネクタ71は、筐体11の外部に位置する。中継コネクタ71は、PCB50の中継コネクタ55に接続される。中継コネクタ72は、筐体11の内部の収容空間Sに位置する。中継コネクタ72は、FPC19の中継コネクタ62に接続される。
【0051】
筐体11の外部の電子機器1のプロセッサ1b及びPCB50のコントローラ53と、筐体11の内部の磁気ヘッド15及びプリアンプ61とは、中継コネクタ55,62,71,72及び中継FPC70を通じて通信(データの送受信)を行う。なお、本実施形態における通信は、別々の要素の間の情報の送受信を示す。このため、プロセッサ1b、コントローラ53、磁気ヘッド15、及びプリアンプ61は、通信のための信号の変換のような種々の制御を行う必要はない。プロセッサ1b、コントローラ53、磁気ヘッド15、及びプリアンプ61は、一方が信号を出力すると他方が当該信号に対応した信号を入力される関係にあれば良い。
【0052】
以下、本実施形態のHDD10の構造について詳しく説明する。
図5は、第1の実施形態のHDD10の一部を
図3のF5-F5線に沿って概略的に示す例示的な断面図である。
図5に示すように、ベース21の底壁25は、内面25aと、外面25bとを有する。
【0053】
内面25aは、筐体11の内部に向く。内面25aは、筐体11の内部の収容空間Sの一部を形成(規定、区画)する。言い換えると、内面25aは、収容空間Sに面する。内面25aは、収容空間Sに配置されたFPC19のような種々の部品に向く。
【0054】
外面25bは、内面25aの反対側に位置し、筐体11の外部に向く。外面25bは、間隔を介してPCB50に向く。なお、外面25bとPCB50とが互いに接触していても良い。
【0055】
底壁25に、スリット25cが設けられる。スリット25cは、第1の貫通孔の一例である。スリット25cは、底壁25を貫通し、内面25a及び外面25bで開口する。言い換えると、スリット25cは、収容空間Sと筐体11の外とを連通する。
【0056】
図6は、第1の実施形態の底壁25及び中継FPC70を概略的に示す例示的な平面図である。
図6に示すように、スリット25cは、例えば、略矩形(四角形)の孔である。なお、スリット25cの形状は、この例に限られない。
【0057】
図2に示すように、FPC19は、第1の部分19aと、第2の部分19bと、第3の部分19cとを有する。第1の部分19aは、FPC19の一方の端部に設けられる。第2の部分19bは、FPC19の他方の端部に設けられる。
【0058】
第1の部分19aは、例えばネジにより、アクチュエータアセンブリ16のアクチュエータブロック35に取り付けられる。第1の部分19aは、フレキシャ43に電気的に接続される。
【0059】
第2の部分19bは、例えばネジにより、筐体11の底壁25に取り付けられる。
図5に示すように、FPC19の第2の部分19bは、おおよそ底壁25の内面25aに沿って配置される。
【0060】
図2に示すように、第3の部分19cは、第1の部分19aと第2の部分19bとの間に設けられる。第3の部分19cは、略帯状に形成され、可撓性を有する。例えば、第3の部分19cは、アクチュエータアセンブリ16が回転すると、当該回転による第1の部分19aと第2の部分19bとの相対的な移動を吸収するように撓む。
【0061】
図5に示すように、FPC19は、表面19dをさらに有する。表面19dはFPC19の一つの面である。このため、FPC19の第1の部分19a、第2の部分19b、及び第3の部分19cのいずれも、表面19dを部分的に有する。
【0062】
第2の部分19bにおいて、表面19dは、底壁25の内面25aに向く。なお、表面19dは、部分的に底壁25の内面25aに接触しても良い。中継コネクタ62は、第2の部分19bにおいて、表面19dから突出している。
【0063】
PWB51は、内面51aを有する。内面51aは、間隔を介して底壁25の外面25bに向く。内面51aは、底壁25のスリット25cを覆う。さらに、内面51aは、スリット25cを通じてFPC19の表面19dに向く。中継コネクタ55は、内面51aから突出している。
【0064】
中継FPC70は、外在部75と、内在部76と、中間部77とを有する。外在部75、内在部76、及び中間部77は、中継FPC70の一部であり、中継FPC70が延びる方向に並んでいる。
【0065】
外在部75は、例えば、中継FPC70の一方の端部に設けられる。外在部75は、筐体11の外部に位置する。外在部75は、例えば、底壁25の外面25bに沿って延びている。なお、外在部75は、この例に限られない。
【0066】
内在部76は、例えば、中継FPC70の他方の端部に設けられる。内在部76は、筐体11の内部の収容空間Sに位置する。内在部76は、例えば、底壁25の内面25aに沿って延びている。なお、内在部76は、この例に限られない。
【0067】
中間部77は、外在部75と内在部76との間に設けられる。中間部77は、スリット25cを貫通している。筐体11の外部に位置する中間部77の端から、外在部75が延びている。筐体11の内部に位置する中間部77の端から、内在部76が延びている。このように、中継FPC70は、筐体11の内部と外部とに亘って設けられる。
【0068】
外在部75は、内面75aと外面75bとを有する。内面75aは、筐体11の外面25bに向く。外面75bは、内面75aの反対側に位置する。外面75bは、間隔を介してPWB51の内面51aに向く。中継コネクタ71は、外在部75の外面75bから突出している。
【0069】
内在部76は、内面76aと外面76bとを有する。内面76aは、筐体11の内面25aに向く。外面76bは、内面76aの反対側に位置する。外面76bは、間隔を介してFPC19の表面19dに向く。中継コネクタ72は、内在部76の外面76bから突出している。
【0070】
中継FPC70は、接着剤78により、底壁25に固定される。接着剤78は、外在部75の内面75aを底壁25の外面25bに固定し、内在部76の内面76aを底壁25の内面25aに固定する。さらに、接着剤78は、中間部77とスリット25cの内面との間に充填される。接着剤78は、例えば、金属フィラーが混入され、当該接着剤78を気体が通過することを抑制できる。これにより、接着剤78は、スリット25cを気密に封止する。
【0071】
HDD10は、通信部80をさらに有する。通信部80は、二つの部品の間で、光を用いて通信を行う。本実施形態では、通信部80は、筐体11の外部のコントローラ53と、筐体11の内部のプリアンプ61との間で通信を行う。通信部80は、二つの変換装置81,82と、光導波路83とを有する。通信部80は、複数の光導波路83を有しても良い。変換装置81,82はそれぞれ、第1の変換装置又は第2の変換装置の一例である。
【0072】
変換装置81,82はそれぞれ、例えば、光源と、受光素子と、変換ICとを有する。本実施形態の変換装置81,82において、光源、受光素子、及び変換ICは、一体に形成される。なお、変換装置81,82の光源、受光素子、及び変換ICは、互いに別々の部品であっても良い。
【0073】
変換装置81,82の光源は、例えば、レーザダイオード(LD)又は発光ダイオード(LED)である。受光素子は、例えば、フォトダイオード又はフォトトランジスタである。変換ICは、例えば、入力された電気信号に対応した光を光源から出射させ、受光素子に入射した光に対応した電気信号を出力する。変換ICは、多重化を行っても良い。すなわち、変換装置81,82はそれぞれ、電気信号に対応する光を出射し、入射した光に対応する電気信号を生成する。なお、変換装置81,82のうち一方が光源を有して光の出射を行い、他方が受光素子を有して電気信号の生成を行っても良い。
【0074】
変換装置81は、PWB51に実装される。変換装置81は、PWB51の配線を通じて、コントローラ53に電気的に接続される。なお、変換装置81とコントローラ53との間の配線に、他の部品が介在しても良い。
【0075】
変換装置82は、FPC19に実装される。変換装置82は、FPC19の配線を通じて、プリアンプ61に電気的に接続される。なお、変換装置82とプリアンプ61との間の配線に、他の部品が介在しても良い。
【0076】
光導波路83は、例えば、透明なコア層(core)と、当該コア層を囲むクラッド層(cladding)とを有する。コア層の屈折率と、クラッド層の屈折率とは、互いに異なる。このため、光導波路83は、コア層に入射した光を、コア層とクラッド層との境界面で全反射して伝送する。なお、光導波路83は、この例に限られない。
【0077】
光導波路83は、例えば、FPC19及びPWB51のような基板の内部に設けられるか、シート状に形成されるか、又は棒状に形成される。なお、光導波路83は、この例に限られない。また、棒状の光導波路83は、光ファイバと称され得る。
【0078】
光導波路83は、二つの端部83a,83bを有する。端部83a,83bはそれぞれ、第1の端部又は第2の端部の一例である。一方の端部83aは、変換装置81に接合される。他方の端部83bは、変換装置82に接合される。
【0079】
本実施形態における接合は、二つの部品が、互いに取り付けられるとともに、互いに固定されることを示す。例えば、端部83a,83bは、変換装置81,82に、直接的に取り付けられ、又は他の部品を介して間接的に取り付けられている。端部83a,83bと変換装置81,82とは、当該取付により、互いに固定され、相対的な移動を抑制される。
【0080】
光導波路83は、例えば、端部83a,83bのうち一方から入射した光を、端部83a,83bのうち他方から出射する。このため、光導波路83は、変換装置81,82の一方が出射した光を他方へ伝送する。
【0081】
変換装置81と変換装置82との間を、単一の光導波路83が接続しても良いし、光導波路83に含まれる複数の光導波路が接続しても良い。光導波路83が複数の光導波路を含む場合、当該複数の光導波路は、例えばコネクタにより、互いに接合される。これにより、光導波路83は、全体としての光導波路83の端部83a,83bの間で、光を伝送することができる。
【0082】
本実施形態において、光導波路83は、第1の光導波路91と、第2の光導波路92と、第3の光導波路93と、第4の光導波路94と、第5の光導波路95と、第6の光導波路96と、第7の光導波路97とを有する。なお、光導波路83は、この例に限られない。
【0083】
第1の光導波路91は、例えば、PWB51に設けられる。なお、第1の光導波路91は、PWB51とは別の部品であっても良い。第1の光導波路91は、光導波路83の端部83aを有する。このため、第1の光導波路91は、変換装置81に接合される。さらに、第1の光導波路91は、PCB50の中継コネクタ55に接合される。
【0084】
例えば、第1の光導波路91は、PWB51の複数の層のうち一層に設けられる。第1の光導波路91は、例えば両端部を除き、PWB51の内面51aを形成する絶縁層に覆われる。第1の光導波路91に含まれる端部83aは、絶縁層に設けられた開口により露出され、変換装置81の光源及び受光素子に面する。変換装置81は、例えば半田付けによりPWB51に固定されている。このため、端部83aは、PWB51及び半田を介して間接的に変換装置81に固定されている。端部83aは、この例に限られず、例えば、変換装置81に直接的に接合されても良い。
【0085】
第2の光導波路92は、例えば、FPC19に設けられる。なお、第2の光導波路92は、FPC19とは別の部品であっても良い。第2の光導波路92は、可撓性を有する。このため、第2の光導波路92は、FPC19の屈曲に追従して曲がることができる。
【0086】
第2の光導波路92は、光導波路83の端部83bを有する。このため、第2の光導波路92は、変換装置82に接合される。さらに、第2の光導波路92は、FPC19に実装された中継コネクタ62に接合される。
【0087】
例えば、第2の光導波路92は、FPC19の複数の層のうち一層に設けられる。第2の光導波路92は、例えば両端部を除き、FPC19の表面19dを形成する絶縁層に覆われる。第2の光導波路92に含まれる端部83bは、絶縁層に設けられた開口により露出され、変換装置82の光源及び受光素子に面する。変換装置82は、例えば半田付けによりFPC19に固定されている。このため、端部83bは、FPC19及び半田を介して間接的に変換装置82に固定されている。端部83bは、この例に限られず、例えば、変換装置82に直接的に接合されても良い。
【0088】
第3の光導波路93は、中継FPC70に設けられる。第3の光導波路93は、例えば、中継FPC70の複数の層のうち一層に設けられる。第3の光導波路93は、外端子93aと、内端子93bと、延部93cとを有する。
【0089】
外端子93aは、中継FPC70の外在部75の外面75bに設けられる。内端子93bは、内在部76の外面76bに設けられる。例えば、外端子93a及び内端子93bは、外面75b,76bを形成する中継FPC70の絶縁層の開口により露出される。延部93cは、外在部75、内在部76、及び中間部77に亘って延び、外端子93aと内端子93bとを接続する。
【0090】
第1乃至第3の光導波路91~93は、例えば、エッチングを用いて基板の層の所望の部分にコア層及びクラッド層を形成することにより設けられる。これにより、第1乃至第3の光導波路91~93は、一般的なPWB及びFPCにおける配線パターンと同様の工程により形成され得る。なお、第1乃至第3の光導波路91~93は、他の方法により形成されても良い。
【0091】
第4の光導波路94は、中継コネクタ55に設けられる。第4の光導波路94は、例えば、合成樹脂又は他の材料により作られたプラグ状又はソケット状の中継コネクタ55に取り付けられる。
【0092】
第4の光導波路94の一方の端部は、第1の光導波路91に接合される。例えば、中継コネクタ55は、ネジ又は接着剤により、PWB51の内面51aに固定されている。このため、第4の光導波路94の一方の端部は、中継コネクタ55、ネジ又は接着剤、及びPWB51を介して、第1の光導波路91に間接的に固定されている。第4の光導波路94は、この例に限られず、例えば、第1の光導波路91に直接的に接合されても良い。
【0093】
例えば、第4の光導波路94の端部から出射した光は、第1の光導波路91の端部で約90°曲がるように反射され、第1の光導波路91により伝送される。また、第1の光導波路91により伝送される光は、第1の光導波路91の端部で約90°曲がるように反射され、第4の光導波路94の端部に入射する。
【0094】
第5の光導波路95は、中継コネクタ62に設けられる。第5の光導波路95は、例えば、合成樹脂又は他の材料により作られたプラグ状又はソケット状の中継コネクタ62に取り付けられる。
【0095】
第5の光導波路95の一方の端部は、第2の光導波路92に接合される。例えば、中継コネクタ62は、ネジ又は接着剤により、FPC19の表面19dに固定されている。このため、第5の光導波路95の一方の端部は、中継コネクタ62、ネジ又は接着剤、及びFPC19を介して、第2の光導波路92に間接的に固定されている。第5の光導波路95は、この例に限られず、例えば、第2の光導波路92に直接的に接合されても良い。
【0096】
例えば、第5の光導波路95の端部から出射した光は、第2の光導波路92の端部で約90°曲がるように反射され、第2の光導波路92により伝送される。また、第2の光導波路92により伝送される光は、第2の光導波路92の端部で約90°曲がるように反射され、第5の光導波路95の端部に入射する。
【0097】
第6の光導波路96は、中継コネクタ71に設けられる。第6の光導波路96は、例えば、合成樹脂又は他の材料により作られたプラグ状又はソケット状の中継コネクタ71に取り付けられる。
【0098】
第6の光導波路96の一方の端部は、第3の光導波路93の外端子93aに接合される。例えば、中継コネクタ71は、ネジ又は接着剤により、外在部75の外面75bに固定されている。このため、第6の光導波路96の一方の端部は、中継コネクタ71、ネジ又は接着剤、及び中継FPC70を介して、第3の光導波路93に間接的に固定されている。第6の光導波路96は、この例に限られず、例えば、第3の光導波路93に直接的に接合されても良い。
【0099】
例えば、第6の光導波路96の端部から出射した光は、外端子93aで約90°曲がるように反射され、第3の光導波路93により伝送される。また、第3の光導波路93により伝送される光は、外端子93aで約90°曲がるように反射され、第6の光導波路96の端部に入射する。
【0100】
中継コネクタ55,71が互いに接続されると、第4の光導波路94と第6の光導波路96とが、中継コネクタ55,71を介して互いに接合される。これにより、第4の光導波路94と第6の光導波路96とが互いに光を伝送可能になる。
【0101】
第7の光導波路97は、中継コネクタ72に設けられる。第7の光導波路97は、例えば、合成樹脂又は他の材料により作られたプラグ状又はソケット状の中継コネクタ72に取り付けられる。
【0102】
第7の光導波路97の一方の端部は、第3の光導波路93の内端子93bに接合される。例えば、中継コネクタ72は、ネジ又は接着剤により、内在部76の外面76bに固定されている。このため、第7の光導波路97の一方の端部は、中継コネクタ72、ネジ又は接着剤、及び中継FPC70を介して、第3の光導波路93に間接的に固定されている。第7の光導波路97は、この例に限られず、第3の光導波路93に直接的に接合されても良い。
【0103】
例えば、第7の光導波路97の端部から出射した光は、内端子93bで約90°曲がるように反射され、第3の光導波路93により伝送される。また、第3の光導波路93により伝送される光は、内端子93bで約90°曲がるように反射され、第7の光導波路97の端部に入射する。
【0104】
中継コネクタ62,72が互いに接続されると、第5の光導波路95と第7の光導波路97とが、中継コネクタ62,72を介して互いに接合される。これにより、第5の光導波路95と第7の光導波路97とが互いに光を伝送可能になる。
【0105】
通信部80において、変換装置81,82は、電気信号を光信号に変換し、光導波路83を通じて光信号を伝送し、光信号を電気信号に変換する。これにより、通信部80は、光導波路83を通じた光信号の有線通信を行うことができる。
【0106】
変換装置81,82は、例えば、共通の通信方式に基づいて信号の変換及び生成を行う。さらに、変換装置81,82の光源は、互いの受光素子が検知可能な周波数の光を出射する。なお、変換装置81,82は、可視光に限らず、赤外線又は紫外線を出射しても良い。
【0107】
以上の通信部80を介して、コントローラ53とプリアンプ61とは互いに通信を行う。本実施形態において、通信部80は、コントローラ53とプリアンプ61との間で、磁気ディスク12から読み出されたデータに対応する電気信号(リード信号)と、書き込み対象のデータに対応する電気信号(ライト信号)と、を伝送する。
【0108】
例えば、プリアンプ61は、データの読み出し時に、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出したデータに対応する電気信号(リード信号)を増幅して出力する。通信部80は、プリアンプ61によって増幅されたリード信号をコントローラ53のRWCに供給する。
【0109】
さらに、プリアンプ61は、通信部80を通じてコントローラ53のRWCから供給された書き込み対象のデータに対応する電気信号(ライト信号)を増幅する。プリアンプ61は、当該信号を磁気ヘッド15に供給する。
【0110】
一方、コントローラ53のHDCは、例えば、I/Fコネクタ52を通じて電子機器1との間で行われるデータの送受信の制御、バッファメモリの制御、及び読み出されたデータの誤り訂正処理を行う。
【0111】
コントローラ53のRWCは、例えば、HDCから供給される書き込み対象のデータを変調して、通信部80を通じてプリアンプ61に供給する。さらに、RWCは、磁気ディスク12から読み出されるとともにプリアンプ61から通信部80を通じて供給された信号を復調し、デジタルデータとしてHDCへ出力する。
【0112】
コントローラ53のプロセッサは、例えば、CPUである。プロセッサは、例えば、ROM及び磁気ディスク12に予め記憶されたファームウェアに従って、HDD10の全体的な制御を行う。例えば、プロセッサは、ROM及び磁気ディスク12のファームウェアをRAMにロードし、ロードされたファームウェアに従って、磁気ヘッド15、サーボコントローラ54、プリアンプ61、変換装置81,82、RWC、HDC、及び他の部品の制御を実行する。
【0113】
HDD10は、通電部100をさらに有する。通電部100は、第2の導電部の一例である。通電部100は、複数の部品の間を電気的に接続する。本実施形態では、通電部100は、筐体11の外部のPCB50と、筐体11の内部の磁気ヘッド15及びプリアンプ61とを電気的に接続する。
【0114】
通電部100は、導体層101,102,103と、ピン104,105,106,107とを有する。導体層103は、第1の導電部の一例である。導体層101,102,103及びピン104,105,106,107は、銅のような導電体により作られる。
【0115】
導体層101は、PWB51に設けられる。導体層101は、PWB51に実装される各電子部品の間を電気的に接続する。例えば、導体層101は、I/Fコネクタ52、コントローラ53、サーボコントローラ54、及び変換装置81と、中継コネクタ55とを電気的に接続する。
【0116】
導体層102は、FPC19に設けられる。導体層102は、例えば、中継コネクタ62と変換装置82とを電気的に接続する。さらに、導体層102は、中継コネクタ62とフレキシャ43とを電気的に接続する。これにより、中継コネクタ62は、導体層102及びフレキシャ43を介して、磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0117】
導体層103は、中継FPC70に設けられる。導体層103は、
図5に示す外端子103a及び内端子103bと、
図6に示す延部103cとを有する。
図5に示すように、外端子103aは、中継FPC70の外在部75に設けられる。内端子103bは、内在部76に設けられる。延部103cは、外在部75、内在部76、及び中間部77に亘って延び、外端子103aと内端子103bとを接続する。
【0118】
ピン104は、中継コネクタ55に設けられ、導体層101に接続される。ピン105は、中継コネクタ62に設けられ、導体層102に接続される。ピン106は、中継コネクタ71に設けられ、導体層103の外端子103aに接続される。ピン107は、中継コネクタ72に設けられ、導体層103の内端子103bに接続される。これにより、導体層103は、中継コネクタ71,72のピン106,107を電気的に接続する。
【0119】
中継コネクタ55,71が互いに接続することで、ピン104,106が互いに電気的に接続される。中継コネクタ62,72が互いに接続することで、ピン105,107が互いに電気的に接続される。これにより、通電部100は、筐体11の外部のFPC19と、筐体11の内部の磁気ヘッド15及びプリアンプ61とを、電気的に接続する。
【0120】
磁気ヘッド15及びプリアンプ61は、通電部100とI/Fコネクタ52とを通じて、電子機器1から電力の供給を受ける。言い換えると、磁気ヘッド15、プリアンプ61、及び変換装置81,82は、中継コネクタ55,62,71,72を通じてPCB50から電力を供給される。なお、通電部100は、電力の供給(電源)に限らず、グランド(接地)又は制御のための複数の配線を有しても良い。また、通電部100は、FPC19に搭載された部品とPCB50との間のデータ通信のための配線を有しても良い。
【0121】
以下、本実施形態のHDD10の動作の一例について説明する。例えば、書き込み動作において、
図4の電子機器1のプロセッサ1bが、I/Fコネクタ1a,52を介して、コントローラ53にライトコマンド及び書き込み対象のデータを入力する。コントローラ53のRWCは、ライトコマンドに基づき、書き込み対象のデータに対応するライト信号を、通信部80の変換装置81に入力する。
【0122】
変換装置81の変換ICは、入力されたライト信号を駆動信号に変換し、光源へ出力する。変換装置81の光源は、当該駆動信号に対応した光を、光導波路83の端部83aに向かって出射する。言い換えると、変換装置81は、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)に対応する光を出射する。
【0123】
光導波路83は、端部83aに入射した光を、端部83bへ伝送する。光導波路83は、当該光を、端部83bから変換装置82の受光素子へ向かって出射する。すなわち、光導波路83は、筐体11の外部に位置する端部83aに入射した光を、筐体11の内部に位置する端部83bから出射する。
【0124】
変換装置82の受光素子に光が入射すると、受光素子は、当該光に対応する出力信号を変換ICへ出力する。変換装置82の変換ICは、出力信号をライト信号に変換(復元)し、プリアンプ61へ出力する。言い換えると、変換装置82は、変換装置81が出射した光に対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)を生成する。
【0125】
プリアンプ61は、ライト信号を増幅して磁気ヘッド15に出力する。磁気ヘッド15は、当該ライト信号に含まれる書き込み対象のデータを、磁気ディスク12の記憶層に書き込む。
【0126】
さらに、
図4のコントローラ53は、ライトコマンドに基づき、VCM17のような種々の部品を制御する。例えば、コントローラ53からの制御に基づき、サーボコントローラ54がVCM17を制御する。サーボコントローラ54は、例えば、通電部100を通じて、VCM17へ信号を出力する。なお、サーボコントローラ54は、通信部80を通じて、VCM17へ信号を出力しても良い。
【0127】
一方、読み出し動作において、電子機器1のプロセッサ1bが、I/Fコネクタ1a,52を介して、コントローラ53にリードコマンドを入力する。コントローラ53は、リードコマンドに基づいて、磁気ヘッド15に磁気ディスク12の記憶層からデータを読み出させる。
【0128】
磁気ヘッド15が読み出し対象のデータを読み出すと、プリアンプ61は、読み出したデータに対応するリード信号を増幅し、変換装置82の変換ICに出力する。変換装置82の変換ICは、入力されたリード信号を駆動信号に変換し、光源へ出力する。変換装置82の光源は、当該駆動信号に対応した光を、光導波路83の端部83bに向かって出射する。言い換えると、変換装置82は、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)に対応する光を出射する。
【0129】
光導波路83は、端部83bに入射した光を、端部83aへ伝送する。光導波路83は、当該光を、端部83aから変換装置81の受光素子へ向かって出射する。すなわち、光導波路83は、筐体11の内部に位置する端部83bに入射した光を、筐体11の外部に位置する端部83aから出射する。
【0130】
変換装置81の受光素子に光が入射すると、受光素子は、当該光に対応する出力信号を変換ICへ出力する。変換装置81の変換ICは、出力信号をリード信号に変換(復元)し、コントローラ53へ出力する。このように、変換装置81は、変換装置82が出射した光に対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)を生成する。
【0131】
コントローラ53のRWCは、リード信号を復調し、当該リード信号に含まれる読み出し対象のデータを、I/Fコネクタ1a,52を通じて電子機器1に出力する。これにより、電子機器1は、磁気ディスク12から読み出されたデータを取得する。
【0132】
以上のように、本実施形態では、コントローラ53、変換装置81、及び光導波路83の端部83aが筐体11の外部に位置し、プリアンプ61、変換装置82、及び光導波路83の端部83bが筐体11の内部に位置する。そして、筐体11の外部のコントローラ53と、筐体11の内部のプリアンプ61とは、変換装置81,82及び光導波路83を通じて互いに通信する。
【0133】
以上のHDD10の動作において、筐体11の内部のプリアンプ61と、筐体11の外部のコントローラ53と、の間のデータの送受信は、通信部80による光信号の有線通信により行われる。一方、筐体11の内部の磁気ヘッド15、VCM17、及びFPC19への電力の供給は、通電部100を通じて行われる。このため、中継コネクタ55,62,71,72において、電力供給のためのピン104~107が設けられるが、データの送受信のためのピンは省略可能である。
【0134】
中継コネクタ55,62,71,72に、データの送受信のためのピンが設けられても良い。この場合、FPC19とPWB51との間のデータの送受信は、部分的に通信部80による光信号の有線通信により行われ、部分的に中継コネクタ55,62,71,72を通じた電気信号の有線通信により行われ得る。例えば、少ないデータの送受信が、中継コネクタ55,62,71,72を通じた電気信号の有線通信により行われ得る。
【0135】
以上説明された第1の実施形態に係るHDD10において、変換装置81は、電気信号に対応する光を出射する。変換装置82は、入射した光に対応する電気信号を生成する。光導波路83は、変換装置81に接合された端部83aと、変換装置82に接合された端部83bと、を有し、変換装置81が出射した光を変換装置82へ伝送する。コントローラ53は、変換装置81に電気的に接続される。プリアンプ61は、変換装置82に電気的に接続され、変換装置81、光導波路83、及び変換装置82を通じてコントローラ53と通信する。すなわち、コントローラ53とプリアンプ61とは、光を用いた通信でデータを伝送する。光を用いた通信は、電気信号を用いた通信よりも伝送容量(ビットレート)が高い。このため、HDD10は、電気信号を用いた通信によりデータを伝送する場合に比べ、伝送容量を向上させることと、配線の数を低減することと、が可能となる。例えば、筐体11の外部のコントローラ53と内部のプリアンプ61とは、光を用いた通信によりデータを伝送することで、筐体11の外部と内部との間に亘って設けられる配線の数を低減することができる。これにより、HDD10は、例えば、筐体11の内部と外部とを連通するスリット25cの大きさを小さくすることができ、スリット25cを通って筐体11の内部のガスが漏れることを抑制できる。
【0136】
従来において、例えば、底壁25を貫通する孔を中継基板が塞ぎ、当該中継基板に筐体11の内部と外部との間の通信のためのコネクタが設けられることがある。HDD10の記憶容量が増大するに従って、コネクタのピン(配線)が増加し、コネクタが大型化する虞がある。コネクタが大きくなると、中継基板が大型化し、中継基板の細孔や筐体11と中継基板との間の接着剤を通じたガスの漏れが生じる虞がある。さらに、コネクタの位置決め精度の低下、及び大型のコネクタを新たに設計するための設計コストの増大、が生じる虞がある。一方、本実施形態のHDD10は、上述のように、配線の数を低減することが可能となる。このため、HDD10は、例えば、中継基板及びコネクタを小型化又は省略でき、ひいてはガスの漏れ、部品間の位置決め精度の低下、及び設計コストの増大、を抑制できる。
【0137】
磁気ヘッド15は、筐体11の内部に位置し、磁気ディスク12に対して情報を読み書きするように構成される。変換装置81は、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)に対応する光を出射する。また、変換装置82は、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)に対応する光を出射する。変換装置82は、変換装置81が出射した光に対応したライト信号を生成する。また、変換装置81は、変換装置82が出射した光に対応したリード信号を生成する。すなわち、HDD10において、光を用いた通信は、ライト信号又はリード信号の伝送に用いられる。これにより、HDD10は、例えば、アクセス速度を高速化することができる。
【0138】
光導波路83の少なくとも一部は、可撓性を有する。これにより、HDD10の設計の自由度が向上する。例えば、曲げられた光導波路83が変換装置81,82の間に介在することで、変換装置81,82の光源と受光素子とが向き合う必要がなくなる。
【0139】
光導波路83の少なくとも一部は、中継FPC70に設けられる。これにより、HDD10の設計の自由度が向上する。例えば、中継FPC70が、光導波路83と、当該中継FPC70に設けられた導体層103と、により、光の伝送と、電気信号の伝送又は電力の供給と、の両方を行うことができる。
【0140】
変換装置81、端部83a、及びコントローラ53が筐体11の外部に位置する。変換装置82、端部83b、及びプリアンプ61が筐体11の内部に位置する。これにより、筐体11の外部のコントローラ53と内部のプリアンプ61とは、光を用いた通信によりデータを伝送することで、筐体11の外部と内部との間に亘って設けられる配線の数を低減することができる。従って、HDD10は、例えば、筐体11の内部と外部とを連通するスリット25cの大きさを小さくすることができ、当該スリット25cを通って筐体11の内部のガスが漏れることを抑制できる。
【0141】
中継FPC70は、筐体11の外部に位置する外在部75と、筐体11の内部に位置する内在部76と、筐体11に設けられたスリット25cを貫通するとともに外在部75と内在部76との間に設けられた中間部77と、を有する。光導波路83のうち少なくとも一部が中継FPC70に設けられる。これにより、HDD10は、中継基板が不要となるとともに、スリット25cを小さくすることができる。従って、HDD10は、例えば、筐体11の内部のガスの漏れを抑制できる。さらに、HDD10は、部品間の位置決め精度の低下、及び設計コストの増大、を抑制できる。
【0142】
導体層103は、中継FPC70に設けられる。導体層103は、外在部75に設けられた外端子103aと、内在部76に設けられた内端子103bと、外端子103aと内端子103bとを接続する延部103cと、を有する。これにより、筐体11の外部のコントローラ53は筐体11の内部のプリアンプ61に対し、中継FPC70の光導波路83を通じて光を用いて通信することができ、且つ中継FPC70の導体層103を通じて電力を供給することができる。これにより、筐体11の内部の部品は、導体層103を通じて安定した電力を供給されることができる。
【0143】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、
図7を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0144】
図7は、第2の実施形態に係るFPC19を概略的に示す例示的な平面図である。
図7に示すように、第2の実施形態において、プリアンプ61は、FPC19の第2の部分19bに設けられる。なお、プリアンプ61は、第3の部分19cに設けられても良い。
【0145】
第2の部分19bは、第1の部分19aよりも大きい。一般的に、HDD10の記憶容量が増大すると、例えば、プリアンプ61の個数又は大きさと、プリアンプ61に接続される配線の数と、が増大する。比較的大きい第2の部分19bにプリアンプ61が実装されることで、FPC19における配線の設計が容易となり得る。
【0146】
さらに、第2の実施形態において、HDD10は、通信部110を有する。通信部110は、通信部80と同じく、二つの部品の間で光を用いて通信を行う。通信部110は、プリアンプ61と、磁気ヘッド15との間で通信を行う。プリアンプ61及び磁気ヘッド15は、第2の実施形態における第1の部品又は第2の部品の一例である。
【0147】
通信部110は、二つの変換装置111,112と、光導波路113とを有する。通信部110は、複数の光導波路113を有しても良い。変換装置111,112はそれぞれ、第1の変換装置又は第2の変換装置の一例である。
【0148】
変換装置111,112はそれぞれ、変換装置81,82と同じく、光源と、受光素子と、変換ICとを有する。このため、変換装置111,112はそれぞれ、電気信号に対応する光を出射し、入射した光に対応する電気信号を生成する。なお、変換装置111,112は、変換装置81,82と異なっても良い。
【0149】
変換装置111,112はそれぞれ、FPC19に実装される。変換装置111は、FPC19の配線を通じて、中継コネクタ62及び変換装置82に電気的に接続される。変換装置112は、FPC19の配線を通じて、フレキシャ43に電気的に接続される。このため、変換装置112は、フレキシャ43を通じて磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0150】
光導波路113は、光導波路83と同じく、コア層に入射した光を、コア層とクラッド層との境界面で全反射して伝送する。光導波路113は、FPC19に設けられ、可撓性を有する。なお、光導波路113は、光導波路83と異なっても良い。
【0151】
光導波路113は、二つの端部113a,113bを有する。端部113a,113bはそれぞれ、第1の端部又は第2の端部の一例である。一方の端部113aは、変換装置111に接合される。他方の端部113bは、変換装置112に接合される。
【0152】
光導波路113は、変換装置111,112の一方が出射した光を他方へ伝送する。変換装置111と変換装置112との間を、単一の光導波路113が接続しても良いし、光導波路113に含まれる複数の光導波路が接続しても良い。
【0153】
通信部110において、変換装置111,112は、電気信号を光信号に変換し、光導波路113を通じて光信号を伝送し、光信号を電気信号に変換する。これにより、通信部110は、光導波路113を通じた光信号の有線通信を行うことができる。
【0154】
以上の通信部110を介して、プリアンプ61と磁気ヘッド15とは互いに通信を行う。本実施形態において、通信部110は、プリアンプ61と磁気ヘッド15との間で、リード信号とライト信号とを伝送する。
【0155】
書き込み動作において、コントローラ53から出力されたライト信号が、通信部80を通じてプリアンプ61に入力される。なお、第2の実施形態のHDD10において、通信部80が省略され、ライト信号が通電部100を通じてプリアンプ61に入力されても良い。
【0156】
プリアンプ61は、ライト信号を増幅し、通信部110の変換装置111に入力する。変換装置111は、ライト信号に対応する光を、光導波路113の端部113aへ向かって出射する。
【0157】
光導波路113は、端部113aに入射した光を、端部113bへ伝送する。光導波路113は、当該光を、端部113bから変換装置112の受光素子へ向かって出射する。
【0158】
例えば、アクチュエータアセンブリ16の回転に伴って、FPC19に設けられた光導波路113は曲がる。しかし、光導波路113は、FPC19とともに曲がったとしても、光を変換装置111から変換装置112へ伝送することができる。
【0159】
変換装置112の受光素子に光が入射すると、変換装置112は、変換装置111が出射した光に対応したライト信号を生成する。変換装置112は、ライト信号を、フレキシャ43を通じて磁気ヘッド15に出力する。磁気ヘッド15は、当該ライト信号に含まれる書き込み対象のデータを、磁気ディスク12の記憶層に書き込む。
【0160】
一方、読み出し動作において、磁気ヘッド15は、読み出し対象のデータを読み出すと、フレキシャ43を通じてリード信号を変換装置112に出力する。変換装置112は、リード信号に対応する光を、光導波路113の端部113bへ向かって出射する。
【0161】
光導波路113は、端部113bに入射した光を、端部113aへ伝送する。光導波路113は、当該光を、端部113aから変換装置111の受光素子へ向かって出射する。
【0162】
変換装置111の受光素子に光が入射すると、変換装置111は、変換装置112が出射した光に対応したリード信号を生成する。変換装置111は、リード信号を、FPC19の配線を通じてプリアンプ61に出力する。プリアンプ61は、リード信号を増幅し、例えば通信部80を通じて、コントローラ53に出力する。
【0163】
以上説明された第2の実施形態のHDD10において、光導波路113の少なくとも一部は、可撓性を有する。これにより、HDD10の設計の自由度が向上する。例えば、光導波路113が筐体11とアクチュエータアセンブリ16との相対的な移動に追従して撓むことができる。
【0164】
光導波路113の少なくとも一部は、FPC19に設けられる。これにより、HDD10の設計の自由度が向上する。例えば、FPC19が、光導波路113と、当該FPC19に設けられた配線と、により、光の伝送と、電気信号の伝送又は電力の供給と、の両方を行うことができる。
【0165】
FPC19は、アクチュエータアセンブリ16に取り付けられる第1の部分19aと、筐体11に取り付けられる第2の部分19bと、第1の部分19aと第2の部分19bとの間に設けられた可撓性の第3の部分19cと、を有する。プリアンプ61は、第2の部分19b又は第3の部分19cに設けられる。アクチュエータアセンブリ16に取り付けられる第1の部分19aの大きさは、アクチュエータアセンブリ16の大きさにより制約される。このため、例えば、第1の部分19aにプリアンプ61を実装すること、及び第1の部分19aにプリアンプ61に接続される配線を設けること、が困難になる場合がある。一方、第2の部分19b及び第3の部分19cの大きさは、アクチュエータアセンブリ16の大きさによっては制約されない。このため、FPC19におけるプリアンプ61の配置の自由度が向上し、ひいてはHDD10の設計の自由度が向上する。一方で、プリアンプ61が第2の部分19b又は第3の部分19c設けられると、プリアンプ61と磁気ヘッド15との間の距離が長くなる。しかし、本実施形態では、プリアンプ61と磁気ヘッド15とは、光を用いた通信でデータの伝送を行う。光を用いた通信は、電気信号を用いた通信に比べて、距離による損失が少ない。これにより、HDD10は、プリアンプ61と磁気ヘッド15の間の距離が長くなっても、プリアンプ61と磁気ヘッド15との間の通信における損失が生じることを抑制できる。
【0166】
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、
図8を参照して説明する。
図8は、第3の実施形態に係るHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図8に示すように、第3の実施形態において、底壁25に、スリット25cの代わりに、貫通孔25dが設けられる。貫通孔25dは、第2の貫通孔の一例である。
【0167】
貫通孔25dは、底壁25を貫通し、内面25a及び外面25bで開口する。言い換えると、貫通孔25dは、収容空間Sと筐体11の外とを連通する。貫通孔25dは、例えば、略矩形(四角形)の孔である。なお、貫通孔25dの形状は、この例に限られない。
【0168】
第3の実施形態のHDD10は、中継FPC70の代わりに、中継基板120を有する。中継基板120は、第2の壁の一例である。中継基板120は、例えば、合成樹脂又はセラミックスのような絶縁体により作られた略四角形の板である。なお、中継基板120は、この例に限られない。中継基板120は、内面120aと、外面120bとを有する。
【0169】
内面120aは、筐体11の内部に向く略平面である。内面120aは、筐体11の内部の収容空間Sの一部を形成(規定、区画)する。内面120aは、収容空間Sに配置されたFPC19のような部品に向く。
【0170】
外面120bは、内面120aの反対側に位置し、筐体11の外部に向く略平面である。外面120bの面積は、貫通孔25dの開口面積よりも大きい。外面120bは、筐体11の内部から貫通孔25dを覆う。外面120bの一部は、底壁25の内面25aと向かい合う。外面120bの他の一部は、貫通孔25dを通じて筐体11の外に露出され、貫通孔25dを通じてPWB51の内面51aに向く。
【0171】
例えば、接着剤121が、向かい合う底壁25の内面25aと中継基板120の外面120bとの間に設けられる。接着剤121は、底壁25の内面25aと、中継基板120の外面120bとを、互いに固定する。接着剤121は、例えば、金属フィラーが混入され、当該接着剤121を気体が通過することを抑制できる。
【0172】
接着剤121は、貫通孔25dの縁に沿って設けられ、底壁25の内面25aと中継基板120の外面120bとの間の隙間を全周に亘って塞ぐ。これにより、中継基板120は、貫通孔25dを気密に塞ぐ。なお、中継基板120は、半田のような他の手段により底壁25に固定されても良い。
【0173】
第3の実施形態において、中継コネクタ71,72は、中継基板120に設けられる。中継コネクタ71は、中継基板120の外面120bから突出し、筐体11の外に位置する。中継コネクタ72は、中継基板120の内面120aから突出し、筐体11の内部の収容空間Sに位置する。
【0174】
中継コネクタ71は、貫通孔25dを貫通する。このため、中継コネクタ71に設けられた第6の光導波路96及びピン106は、貫通孔25dを貫通する。なお、第6の光導波路96及びピン106は、貫通孔25dを貫通せず、貫通孔25dの内部に収容されても良い。しかし、第6の光導波路96を含む光導波路83は、貫通孔25dを貫通し、筐体11の内部と筐体11の外部とに亘って設けられる。また、ピン106を含む通電部100は、貫通孔25dを貫通し、筐体11の内部と筐体11の外部とに亘って設けられる。
【0175】
第3の実施形態において、通信部80は、第3の光導波路93の代わりに、第8の光導波路125を有する。第8の光導波路125は、中継基板120を貫通した状態で、中継基板120に固定されている。
【0176】
例えば、第8の光導波路125は、略棒状に形成される。第8の光導波路125は、中継基板120に設けられた孔を貫通し、合成樹脂又は接着剤により中継基板120に固定される。なお、第8の光導波路125は、この例に限られない。
【0177】
第8の光導波路125の一方の端部は、第6の光導波路96に接合される。例えば、中継コネクタ71は、中継基板120の外面120bに固定されている。このため、第8の光導波路125は、中継基板120及び中継コネクタ71を介して、第6の光導波路96に間接的に固定されている。第8の光導波路125は、この例に限られず、例えば、第6の光導波路96に直接的に接合されても良い。
【0178】
第8の光導波路125の他方の端部は、第7の光導波路97に接合される。例えば、中継コネクタ72は、中継基板120の内面120aに固定されている。このため、第8の光導波路125は、中継基板120及び中継コネクタ72を介して、第7の光導波路97に間接的に固定されている。第8の光導波路125は、この例に限られず、例えば、第7の光導波路97に直接的に接合されても良い。
【0179】
第3の実施形態において、通電部100は、導体層103の代わりに、貫通導体126を有する。貫通導体126は、例えば、ビア(via)を含む。貫通導体126は、中継基板120を貫通し、ピン106,107に接続される。
【0180】
以上説明された第3の実施形態のHDD10において、筐体11の外部に位置する中継コネクタ71と、筐体11の内部に位置する中継コネクタ72とに、光導波路83の一部が設けられる。筐体11は、貫通孔25dが設けられた底壁25を有する。光導波路83は、貫通孔25dを貫通する。すなわち、光導波路83において、変換装置81と変換装置82との間に、コネクタを用いた接続構造が設けられる。これにより、変換装置81と変換装置82とに単一の光導波路83が直接的に接合する場合に比べ、光導波路83は、筐体11の内部と外部とに分かれた変換装置81,82を、中継コネクタ71,72を用いて容易に通信可能に接続することができる。
【0181】
通電部100は、貫通孔25dを貫通する。通電部100の一部は、中継コネクタ71及び中継コネクタ72に設けられる。これにより、筐体11の外部の部品は、内部の部品に、中継コネクタ71と中継コネクタ72とを通じ、光導波路83を介して光を用いて通信することができ、且つ通電部100を介して電力を供給することができる。これにより、筐体11の内部の部品は、中継コネクタ71及び中継コネクタ72を通じて安定した電力を供給されることができる。
【0182】
中継基板120は、貫通孔25dを塞ぐ。筐体11の外部に位置する中継コネクタ71と、筐体11の内部に位置する中継コネクタ72と、は中継基板120に設けられる。光導波路83は、中継基板120を貫通する。例えば、中継基板120に中継コネクタ71及び中継コネクタ72が取り付けられた状態で、当該中継基板120が底壁25に取り付けられる。これにより、中継コネクタ71及び中継コネクタ72は、筐体11に容易に取り付けられることができる。
【0183】
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態について、
図9を参照して説明する。
図9は、第4の実施形態に係るHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図9に示すように、第4の実施形態のHDD10では、第3の実施形態のHDD10から中継基板120が省略されている。
【0184】
第4の実施形態の中継コネクタ71は、接続部131と、貫通部132とを有する。接続部131は、底壁25の外面25bから突出し、筐体11の外部に位置する。接続部131は、中継コネクタ55に接続される。貫通部132は、接続部131から延びており、貫通孔25dを貫通する。貫通部132の一部は、底壁25の内面25aから突出している。
【0185】
中継コネクタ71は、例えば、接着剤135により、底壁25に固定される。接着剤135は、接続部131を底壁25の外面25bに固定する。さらに、接着剤135は、貫通部132と貫通孔25dの内面との間に充填される。接着剤135は、例えば、金属フィラーが混入され、当該接着剤135を気体が通過することを抑制できる。これにより、接着剤135は、貫通孔25dを気密に封止する。
【0186】
第4の実施形態の中継コネクタ72は、中継コネクタ71の貫通部132に取り付けられる。例えば、中継コネクタ72は、スナップフィットで貫通部132に取り付けられる。さらに、中継コネクタ72は、接着剤により底壁25の内面25aに固定されても良い。
【0187】
中継コネクタ72が貫通部132に取り付けられることで、中継コネクタ71に設けられた第6の光導波路96と、中継コネクタ72に設けられた第7の光導波路97とが互いに接合される。さらに、中継コネクタ71,72に設けられたピン106,107が互いに接続される。
【0188】
第4の実施形態の中継コネクタ71は、例えば、貫通孔25dに貫通部132を挿入することで、底壁25に取り付けられる。さらに、中継コネクタ72は、底壁25の内面25aから突出した貫通部132にスナップフィットにより取り付けられる。このように、中継コネクタ71,72は、底壁25に簡単に取り付けられ得る。
【0189】
以上の説明では、中継コネクタ71に接続部131及び貫通部132が設けられる。しかし、中継コネクタ72が接続部131及び貫通部132を有しても良い。この場合、中継コネクタ71は、中継コネクタ72の貫通部132に取り付けられる。
【0190】
以上説明された第4の実施形態のHDD0において、中継コネクタ71,72のうち一方は、貫通孔25dの外に位置する接続部131と、貫通孔25dを貫通する貫通部132と、を有する。中継コネクタ71,72のうち他方は、貫通部132に取り付けられる。これにより、HDD10は、例えば、中継基板120が不要となり、貫通孔25dを小さくすることができる。従って、HDD10は、貫通孔25dを通じて、筐体11の内部のガスが漏れることを抑制できる。
【0191】
以上の複数の実施形態において、光導波路83は筐体11の内部と外部とに亘って設けられ、光導波路113は筐体11の内部に設けられる。HDD10は、この例に限られず、筐体11の外部に設けられた光導波路を有しても良い。例えば、HDD10は、PWB51に設けられた光導波路を有しても良い。
【0192】
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、ディスク装置は、第1の変換装置と、第2の変換装置と、光導波路と、第1の部品と、第2の部品とを備える。前記第1の変換装置は、電気信号に対応する光を出射する。前記第2の変換装置は、入射した光に対応する電気信号を生成する。前記光導波路は、前記第1の変換装置に接合された第1の端部と、前記第2の変換装置に接合された第2の端部と、を有し、前記第1の変換装置が出射した光を前記第2の変換装置へ伝送する。前記第1の部品は、前記第1の変換装置に電気的に接続される。前記第2の部品は、前記第2の変換装置に電気的に接続され、前記第1の変換装置、前記光導波路、及び前記第2の変換装置を通じて前記第1の部品と通信する。すなわち、第1の部品と第2の部品とは、光を用いた通信でデータを伝送する。光を用いた通信は、電気信号を用いた通信よりも伝送容量(ビットレート)が高い。このため、ディスク装置は、電気信号を用いた通信によりデータを伝送する場合に比べ、伝送容量を向上させることと、配線の数を低減することと、が可能となる。例えば、筐体の外部の部品と内部の部品とは、光を用いた通信によりデータを伝送することで、筐体の外部と内部との間に亘って設けられる配線の数を低減することができる。これにより、ディスク装置は、例えば、筐体の内部と外部とを連通する貫通孔と、当該貫通孔を塞ぐ壁と、の大きさを小さくすることができ、当該貫通孔及び壁を通って筐体の内部のガスが漏れることを抑制できる。
【0193】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0194】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
電気信号に対応する光を出射する第1の変換装置と、
入射した光に対応する電気信号を生成する第2の変換装置と、
前記第1の変換装置に接合された第1の端部と、前記第2の変換装置に接合された第2の端部と、を有し、前記第1の変換装置が出射した光を前記第2の変換装置へ伝送する光導波路と、
前記第1の変換装置に電気的に接続された第1の部品と、
前記第2の変換装置に電気的に接続され、前記第1の変換装置、前記光導波路、及び前記第2の変換装置を通じて前記第1の部品と通信する、第2の部品と、
を具備するディスク装置。
[2]
筐体と、
前記筐体の内部に位置し、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記筐体の内部に位置し、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
をさらに具備し、
前記第1の変換装置は、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち一方に対応する光を出射し、
前記第2の変換装置は、前記第1の変換装置が出射した光に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号と、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号と、のうち前記一方を生成する、
[1]のディスク装置。
[3]
前記光導波路の少なくとも一部が可撓性を有する、[2]のディスク装置。
[4]
第1のフレキシブルプリント回路板、
をさらに具備し、
前記光導波路の少なくとも一部は、前記第1のフレキシブルプリント回路板に設けられた、
[3]のディスク装置。
[5]
前記磁気ヘッドを移動させるアクチュエータと、
電気信号を増幅するアンプと、
をさらに具備し、
前記第1のフレキシブルプリント回路板は、前記アクチュエータに取り付けられる第1の部分と、前記筐体に取り付けられる第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分との間に設けられた可撓性の第3の部分と、を有し、
前記アンプは、前記第2の部分又は前記第3の部分に設けられ、
前記第1の部品と前記第2の部品とのうち一方は、前記アンプを有し、
前記第1の部品と前記第2の部品とのうち他方は、前記磁気ヘッドを有する、
[4]のディスク装置。
[6]
前記第1の変換装置、前記第1の端部、及び前記第1の部品と、前記第2の変換装置、前記第2の端部、及び前記第2の部品と、のうち一方は、前記筐体の外部に位置し、
前記第1の変換装置、前記第1の端部、及び前記第1の部品と、前記第2の変換装置、前記第2の端部、及び前記第2の部品と、のうち他方は、前記筐体の内部に位置する、
[2]のディスク装置。
[7]
前記筐体の外部に位置する外在部と、前記筐体の内部に位置する内在部と、前記筐体に設けられた第1の貫通孔を貫通するとともに前記外在部と前記内在部との間に設けられた中間部と、を有する第2のフレキシブルプリント回路板、
をさらに具備し、
前記光導波路のうち少なくとも一部が前記第2のフレキシブルプリント回路板に設けられた、
[6]のディスク装置。
[8]
前記第2のフレキシブルプリント回路板に設けられ、前記内在部に設けられた内端子と、前記外在部に設けられた外端子と、前記内端子と前記外端子とを接続する延部と、を有する第1の導電部、をさらに具備する[7]のディスク装置。
[9]
前記筐体の外部に位置し、前記光導波路の一部が設けられた、第1のコネクタと、
前記筐体の内部に位置し、前記光導波路の一部が設けられた、第2のコネクタと、
をさらに具備し、
前記筐体は、第2の貫通孔が設けられた第1の壁を有し、
前記光導波路は、前記第2の貫通孔を貫通する、
[6]のディスク装置。
[10]
前記第2の貫通孔を貫通する第2の導電部、
をさらに具備し、
前記第2の導電部の一部は、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタに設けられる、
[9]のディスク装置。
[11]
前記第2の貫通孔を塞ぐ第2の壁、
をさらに具備し、
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタは、前記第2の壁に設けられ、
前記光導波路は、前記第2の壁を貫通した、
[9]又は[10]のディスク装置。
[12]
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうち一方は、前記第2の貫通孔の外に位置する接続部と、前記第2の貫通孔を貫通する貫通部と、を有し、
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうち他方は、前記貫通部に取り付けられた、
[9]又は[10]のディスク装置。
【符号の説明】
【0195】
10…ハードディスクドライブ(HDD)、11…筐体、12…磁気ディスク、15…磁気ヘッド、16…アクチュエータアセンブリ、19…FPC、19a…第1の部分、19b…第2の部分、19c…第3の部分、25…底壁、25c…スリット、25d…貫通孔、53…コントローラ、61…プリアンプ、70…中継FPC、71,72…中継コネクタ、75…外在部、76…内在部、77…中間部、81,82…変換装置、83…光導波路、83a,83b…端部、93…第3の光導波路、100…通電部、103…導体層、103a…外端子、103b…内端子、103c…延部、111,112…変換装置、113…光導波路、113a,113b…端部、120…中継基板、125…第8の光導波路、126…貫通導体、131…接続部、132…貫通部。