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  • 特許-シート折りたたみ補助具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】シート折りたたみ補助具
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/00 20060101AFI20240304BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
E04G5/00 301E
E04G5/00 301Z
E04G21/32 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021106378
(22)【出願日】2021-06-28
(65)【公開番号】P2023004582
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】515230501
【氏名又は名称】佐藤 良弘
(73)【特許権者】
【識別番号】515230442
【氏名又は名称】佐藤 弘剛
(73)【特許権者】
【識別番号】515230523
【氏名又は名称】佐藤 衛
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100228511
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彩秋
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】弁理士法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良弘
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3198773(JP,U)
【文献】特開2016-047985(JP,A)
【文献】特開2016-023447(JP,A)
【文献】特開平04-125243(JP,A)
【文献】特開2001-152674(JP,A)
【文献】特開2000-192668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/00
E04G 21/32
B65H 45/00
D06F 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の足場支柱間に取り付けられる、ハトメ付きシートを一人の作業者によって折りたたむ際の補助具であって、
角柱状で両端に設けられた取付部によって前記支柱間に橋架される本体と、
前記本体の一方側端部、他方側端部および中間部にそれぞれ固着した一方ガイドと、他方ガイドと、中間ガイドと、
前記各ガイドは、本体の上面に固着されている短辺部と、該短辺部から鉤状に屈曲し、且つ、本体側面と隙間を保って下垂する長辺部と、を有しており、
前記一方ガイドおよび前記中間ガイドとの間に少なくとも2箇所設けられた押止部材と、
前記本体の一方側端部にピンと、を備えており、
前記各ガイドにシートを前記隙間に通して巻着させて折りたたみ、折りたたんだ当該シートの上端部を前記押止部材で前記本体の側面に押し止めることを特徴とするシート折りたたみ補助具。
【請求項2】
前記押止部材は、
前記本体の上面に固着されている支持部長辺と、該支持部長辺から鉤状に屈曲し、且つ、本体側面と隙間を保って下垂する支持部短辺と、からなる支持部と、
前記支持部短辺に貫装され、両端部にそれぞれ前記本体と接触する半球部と、前記半球部に対向して設けられた円盤状のグリップと、側壁から突出するように設けられたストッパーと、を備えていて、前記グリップを把持して回転可能な軸部と、
前記支持部短辺に固着していて、前記ストッパーが嵌合する案内溝を長手方向に有し、前記軸部が挿入されている筒材と、
前記軸部において、前記半球部と前記筒材との間に巻着している付勢部材と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のシート折りたたみ補助具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハトメ付きシートを一人でも折りたたむことが出来る補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
仮設足場に張設されるハトメ付きシート(以下よりシートと呼称する)は、工事中における工具の落下、塗装剤の飛散等を防止するものである。工事完了後、現場撤収の際に最初に行わなければならない作業がシートの取り外し及び折りたたみであり、当該作業か完了しないことには足場の撤去もままならない。
【0003】
前記シートのサイズは一般的に幅1.8m、長さ5.4mのものが主流であり、このサイズのシートを折りたたむには最低でも2人の作業者が必要となってくる。ところが、作業者の人手不足等によってシートの折りたたみを一人で行わなければならない場合もある。そこで文献1のような、一人でもシートの折りたたみが出来るような器具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6195810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献1の発明や従来の方法では、シートの長辺に沿って折りたたんでいるため、強風によってシートが風をはらんではためいてしまい、シートの長辺を上手く重ね合わせることが出来なくなる虞がある。また、文献1の鳩目引掛け体は、番線を折り曲げて形成されているため、折りたたみ途中でシートを引っ張った際に番線が変形したり、破損したりすることも考えられる。
【0006】
そこで本発明は上記事情に鑑み、風が吹く中でも一人でシートを折りたたむことが出来るシート折りたたみ補助具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
既設の足場支柱間に取り付けられる、ハトメ付きシートを一人の作業者によって折りたたむ際の補助具であって、角柱状で両端に設けられた取付部によって前記支柱間に橋架される本体と、前記本体の一方側端部、他方側端部および中間部にそれぞれ固着した一方ガイドと、他方ガイドと、中間ガイドと、前記各ガイドは、本体の上面に固着されている短辺部と、該短辺部から鉤状に屈曲し、且つ、本体側面と隙間を保って下垂する長辺部と、を有しており、前記一方ガイドおよび前記中間ガイドとの間に少なくとも2箇所設けられた押止部材と、前記本体の一方側端部にピンと、を備えており、前記各ガイドにシートを前記隙間に通して巻着させて折りたたみ、折りたたんだ当該シートの上端部を前記押止部材で前記本体の側面に押し止めることを特徴とする。
【0008】
前記押止部材は、前記本体の上面に固着されている支持部長辺と、該支持部長辺から鉤状に屈曲し、且つ、本体側面と隙間を保って下垂する支持部短辺と、からなる支持部と、前記支持部短辺に貫装され、両端部にそれぞれ前記本体と接触する半球部と、前記半球部に対向して設けられた円盤状のグリップと、側壁から突出するように設けられたストッパーと、を備えていて、前記グリップを把持して回転可能な軸部と、前記支持部短辺に固着していて、前記ストッパーが嵌合する案内溝を長手方向に有し、前記軸部が挿入されている筒材と、前記軸部において、前記半球部と前記筒材との間に巻着している付勢部材と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、一本の角柱に長さの異なる金属片を鉤状に接続させたものを折りたたみ用のガイドとして、両端部および中間の3箇所に設置したものをシートの折りたたみ補助具とすれば、前記ガイドにシートを巻着させながら規則正しく、綺麗に折りたたむことが出来るうえに、一人で作業可能なため、労働力の軽減が期待できる。また、既設の足場支柱に設けられた受具に対応する取付部を備えることで、シート折りたたみ補助具を設置する新たな場所を設けなくとも良いため、限られたスペースである工事現場内でもシートを綺麗に折りたたむことが出来る。また、本発明のシート折りたたみ補助具では、折りたたんだシートの上辺を押止部材が強く押し止めていることにより、強風時の作業において折りたたんだシート内に風が吹き込みにくく、風であおられてはためくシートに翻弄されることも無いため、折りたたみ作業に係る労力が従来よりも軽減できる。
【0010】
請求項2の発明によれば、付勢部材を巻着させた軸部を、当該軸部に備えられたグリップを把持して手前側に引くことにより、前記軸部とシート折りたたみ補助具の本体の間に隙間が生じ、当該隙間にシートの上辺を挟入することが出来る。更に、前記付勢部材が縮退したことで復元力が生じ、前記グリップから手を離せばその復元力でシートを強く押し止めることが出来る。また、前記軸部を、案内溝を有した筒材に挿入させ、軸部側面に当該案内溝を摺動するストッパーを設けることにより、軸部を手前側に引っ張って、且つ、捻って回転させると、前記案内溝から脱落したストッパーが前記筒材の端部に係合し、付勢部材の縮退により生じる復元力を抑制することができ、シート折りたたみ補助具の本体と、軸部の間の隙間を維持することが可能になる。また、シートと軸部の接触部を半球部とすることにより、シートとの接触面積が限りなく小さくなるため、シートを引き抜くだけで簡単にシート折りたたみ補助具から抜脱することができ、シートや軸部に無理な力が掛からずシート折りたたみ補助具やシートが傷んでしまうことが無い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のシート折りたたみ補助具の全体図である。
図2】本発明のシート折りたたみ補助具における押止部材の拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のII-II’断面を示した断面図である。
図3】本発明のシート折りたたみ補助具において、(a)はシートを折りたたんでいる最中の一方ガイド付近の拡大図で、(b)は(a)と同じく他方ガイド付近の拡大図である。
図4】本発明のシート折りたたみ補助具の使用を説明する説明図である。
図5】本発明のシート折りたたみ補助具を用いてシートを折りたたむ手順を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下より、本発明のシート折りたたみ補助具1の実施の形態について詳説する。なお、一方側及び他方側とは、図1中に示す方向である。
本実施の形態におけるシート折りたたみ補助具1は、図1に示すように、長さ約1.8mのアルミ製角柱である本体2と、当該本体2の一方側及び他方側の両端それぞれに備えられた取付部6、6と、前記本体2の一方側および他方側端部と中間部にそれぞれ幅約3cmの鉤状の不等辺アングルを用いた一方ガイド3、他方ガイド4、中間ガイド5が設けられおり、このうち前記一方ガイド3と前記中間ガイド5の間に2つの押止部材7、7とが備えられている。前記一方ガイド3、他方ガイド4および中間ガイド5は、金属製の不等辺アングルを利用しており、各々短辺部3a、4a、5aが前記本体2の上面に固着し、各々長辺部3b、4b、5bが前記本体2と隙間を保って、且つ、手前側に向かって下垂している。
また、前記本体2の一方側最端部にはワイヤー9で繋縛されたピン8が備えられており、当該ピン8を貫装する図示しない貫通孔も設けてある。なお、本実施の形態において前記取付部6はくさびが用いられているが、くさびをクランプに変更することも可能である。
【0013】
前記押止部材7は、図2(a)および(b)に示すように、前記各ガイド同様に金属製の不等辺アングルを用いた鉤状の支持部7aが角柱状の本体2に固着しており、このうち支持部長辺7abが前記本体2の上面に固着し、支持部短辺7aaが本体2と隙間を保ちつつ手前側に向かって下垂している。下垂する支持部短辺7aaには図示しない貫通孔が設けてあり、当該貫通孔を手前側から覆うように案内溝7gを有した筒材7fが溶接されている。該筒材7fに挿入するように、手前側から本体2に向かって軸部7bが貫装されてあって、断面視すると支持部短辺7aaによって当該軸部7bが二分されている。前記軸部7bには、手前側端部に円盤形のグリップ7cと、本体2側の端部に半球部7dと、側壁にストッパー7eとがそれぞれ備えられており、前記半球部7dは本体2の側壁に接近していて、前記ストッパー7eは前記筒材7fの案内溝7gに嵌挿されている。また、前記軸部7bのうち、支持部短辺7aaを挟んで本体2側の半分には付勢部材7hが巻着している。
【0014】
上記のように構成された押止部材7は、支持部短辺7aaに貫装された軸部7bを、当該軸部7bに設けられたグリップ7cを把持して手前側に引っ張ることにより、前記半球部7dを備えた本体2側端部が引き寄せられる。また、軸部7bの側壁に着設されているストッパー7eも、軸部7bが引っ張られる動きに伴って筒材7fの案内溝7g内を手前側に摺動する。(図2(a)~(b)参照)
この時、軸部7bに巻着し、且つ、半球部7dと支持部短辺7aa間に挟入されている付勢部材7hが縮退し、前記半球部7dと本体2の側面の間に隙間が生じる。すると、縮退した付勢部材7hは復元力によって元に戻ろうとするため、グリップ7cを把持したまま軸部7bを捻って回せば、軸部7bの側壁に設けられたストッパー7eが前記筒材7fの案内溝7gの延長線上から外れて当該筒材7fの端部に係合し、前記付勢部材7hの復元力を抑制して、本体2と半球部7dとの隙間を維持することが出来る。
【0015】
以下より、上記のように構成されたシート折りたたみ補助具の使用方法について、図2乃至図5を用いて詳説する。
第一工程として、2本の足場支柱300、300間にシート折りたたみ補助具1を架橋する(図4参照)。この時、足場支柱300はくさび式足場を使用しており、シート折りたたみ補助具1の両端に設けられた取付部6、6のくさびを足場支柱300、300の受具に差し込んで固定している。また、本体2の一方側先端部にワイヤー9でもって繋縛されているピン8を、同じく一方側端部に設けられている図示しない貫通孔に挿入しておく。(図3(b)参照)
【0016】
第二工程として、複数のハトメ200を周縁部に有したシート100を前記シート折りたたみ補助具1に取り付ける。本実施の形態で用いるシート100の大きさは、長さが約5.4m、幅が約1.8mの大きさで、ハトメ200が0.45m間隔にて設けられている。また、シート100の四隅の内一つの角には、シート100の上下方向および裏表を判別するためのマーク400が縫い付けられている。(図5(a)参照)
当該シート100の短辺部において、ハトメ200の設置数は5箇所であり、このうちちょうど真ん中に位置するハトメ200を、第一工程にて図示しない貫通孔に挿入したピン8に引掛けて半分に折りたたむ。(図4(a)、図3(b)および図5(a)~(b)参照)この時、前記マーク400が、足場支柱300側を向いていて且つ、一方側の角になるようシート100を設置する。(図4(a)参照)その後、下垂しているシート100の長辺同士を重ねて位置を調節しながら、2箇所の押止部材7、7で折り目を押さえるようにして、シート100をシート折りたたみ補助具1の本体2の側面に押し止める。(図2(a)、(b)、図4(a)および図5(a)~(b)参照)この時、シート100の折り目部分は、シート折りたたみ補助具1の一方ガイド3、他方ガイド4および中間ガイド5の各々長辺部3b、4b、5bと本体2との間に生じている隙間に挟入させる。(図3(a)、(b)および図4(a)参照)本工程終了時のシート100の大きさは、長さ5.4m、幅0.9mである。
【0017】
第三工程として、前段にて長辺同士を重ねて細長く半分に折りたたんだシート100のうち、前記ピン8にハトメ200を引掛けていない方の短辺側、つまり他方側に位置し、折りたたんで重なった部分を作業者Mが掴んで、図4(b)に示す矢印の方向に移動しながら前記一方ガイド3および他方ガイド4にシート100を巻着させて三つ折り状にする。(図4(a)、(b)および図5(b)、(c)参照)三つ折り状に折りたたんだシート100の上辺は前段と同様に、2箇所の押止部材7、7によって本体2の側面に押し止められる。この時、当該押止部材7の付勢部材7hによる付勢力がシート100の上辺を強く押さえるため、シート100の三つ折り状態は解けることなく維持される。なお、シート100の上辺は前段と同様に、中間ガイド5の長辺部5bと本体2との間に生じる隙間に挟入されている。(図4(b)参照)本工程終了時のシート100の大きさは、長さ1.8m、幅0.9mである。
【0018】
第四工程として、前段にて三つ折り状態にしたシート100を、中間ガイド5を用いて更に半分に折りたたむ。(図5(c)~(d)参照)この時、図3(a)に示したように他方ガイド4に巻着しているシート100を下方向にずらして他方ガイド4から外す。外した後、前記他方ガイド4に巻着していた端部を第三工程と同様に作業者Mが掴み、一方側へ重ね合わせて半分に折りたたむ。本工程終了時のシート100の大きさは、長さと幅共に0.9mである。
【0019】
第五工程として、前段にて長さと幅共に0.9mに折りたたんだシート100をシート折りたたみ補助具1から取り外し、更に縦に半分に折りたたむ。折りたたんだシート100をシート折りたたみ補助具1からシート100を取り外すには、第二工程時においてピン8に引掛けたハトメ200を予め外しておき、その後図4(c)に示すように、押止部材7、7によってシート折りたたみ補助具1から下垂しているシート100の両端を把持し、一気に下方へ引き抜く。すると、一方ガイド3および中間ガイド5から巻着しているシート100が引き抜かれると共に、シート100を本体2の側面に押し止めていた押止部材7、7からも引き抜かれる。この時、押止部材7では前述したように付勢部材7hの付勢力によってシート100の上辺が本体2の側面に強く押し止められているが、シート100の表面に接触しているのは図3(b)に示すように軸部7bに備えられた半球部7dであり、シート100との接触面積は限りなく小さい。このため、シート100が下方に引き抜かれる際、付勢部材7hの付勢力に抑えられることなく押止部材7から抜脱することが出来る。そして引き抜いた後、縦半分に折り曲げ、最終的に長さ0.45m、幅0.9mの長方形状に折りたたむ。(図5(d)~(e)参照)
【0020】
第六工程として、前段にて長さ0.45m、幅0.9mの長方形状に折りたたんだシート100を半分に、且つ、手前に折り返して長さと幅共に0.45mの長方形状に折りたたむ。(図5(f)参照)ここで、シート100の上下方向および裏表を判別するマーク400は、本工程に至るまでの間、常に一方側の足場支柱300に対向する位置にあったため、折りたたむ工程の間においてシート100の中に折り込まれてしまうことが無い。この状態で、図5(f)のように一辺が0.45mの正方形状になるようシート100を折りたたむことで、前記マーク400を最後まで表面に露出させることが出来る。このように折りたたんだシート100は、マーク400を確認し易いよう図5(g)のように裏表ひっくり返した後、作業車等へと片付ける。
【0021】
以上のように構成され、使用する本発明のシート折りたたみ補助具1であれば、従来は二人必要であったシート100の折りたたみを作業者一人ですべて行うことが出来るため、労働力の軽減に繋がる。加えて、既設の足場支柱300に取り付けることが出来るため、シート折りたたみ補助具1を設置するための器具や場所を改めてセッティングする必要が無く、手軽に使用することが可能である。また、本発明のシート折りたたみ補助具1は、図1に示すように、全体の形状が細長い1本の角柱であるため、場所を取らずに保管することができ、持ち運びの際も片手または両手で簡単に持ち運ぶことが可能である。
【0022】
また、文献1のように長辺に沿って細長く折りたたむ方法では、風が吹いている中での作業においてシート100が風を受けて膨らんでしまうと、その長さ故にシート100のはためきがコントロール出来ず、きれいに、且つ、正確に折りたたむことが出来なくなる。一方で、本発明のシート折りたたみ補助具1は、折りたたんだシート100の一部を押止部材7によって押し止めていることに加えて、金属製アングルを用いた一方ガイド3、他方ガイド4および中間ガイド5にシート100を巻着しており、作業者Mが掴んでいるシート100の端部を引っ張れば各ガイドによって巻張するため、折りたたんだシート100の内側に風が入り込まず、大きくはためくことが無い。よって、より綺麗に且つ正確にシート100を折りたたむことが出来る。
【0023】
また、本発明のシート折りたたみ補助具1は、山折り状に折りたたんだシート100の折り目部分を前記押止部材7、7で押し止めていて、且つ、各ガイド3、4、5に巻着させているため、ハトメ200が押止部材7や各ガイド3、4、5と接触することが無い。とすれば、シート100を抜脱する際に、ハトメ200とそれらが係合してしまう虞が生じないため、よりスムーズに作業を行うことが出来る。
【0024】
本発明のシート折りたたみ補助具1は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で適宜変更できる。例えば、本発明のシート折りたたみ補助具1を既設の足場支柱300に固定するための取付部6は、上記実施の形態においてくさび式足場に対応するためくさびとしているが、当該箇所をクランプに変更することも可能である。また、シート折りたたみ補助具1全体の材質をアルミ以外の金属や、樹脂等を用いても良い。
【符号の説明】
【0025】
1 シート折りたたみ補助具
2 本体
3 一方ガイド
3a 短辺部
3b 長辺部
4 他方ガイド
4a 短辺部
4b 長辺部
5 中間ガイド
5a 短辺部
5b 長辺部
6 取付部
7 押止部材
7a 支持部
7aa 支持部短辺
7ab 支持部長辺
7b 軸部
7c グリップ
7d 半球部
7e ストッパー
7f 筒材
7g 案内溝
7h 付勢部材
8 ピン
9 ワイヤー
100 シート
200 ハトメ
300 足場支柱
400 マーク
図1
図2
図3
図4
図5