(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】携帯端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/72415 20210101AFI20240304BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240304BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
H04M1/72415
H04M11/00 301
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2021208265
(22)【出願日】2021-12-22
(62)【分割の表示】P 2017101802の分割
【原出願日】2017-05-23
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 盛一
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-197335(JP,A)
【文献】特表2013-524377(JP,A)
【文献】特開2004-235960(JP,A)
【文献】特開2017-076189(JP,A)
【文献】特開2017-069903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04N 1/00
B41J29/00-29/70
G06F 3/09- 3/12
H03J 9/00- 9/06
H04B 1/60
3/46- 3/493
7/24- 7/26
17/00-17/40
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04Q 9/00- 9/16
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bluetooth通信を行う無線通信部と、情報を表示する表示部とを有する携帯端末において、
操作対象となる装置を登録する手段と、
前記操作対象の装置に関する所定の通知情報を前記表示部に表示させる通知処理を実行する手段と、
前記登録された
操作対象の装置から発信された所定のBluetooth電波
を受信したことに
基づいて前記所定の通知情報を前記表示部に表示させるか否かを示す通知設定を、前記登録された操作対象の装置毎に設定する手段と、を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記Bluetooth通信はBLE通信であり、前記Bluetooth電波はBLE電波であることを特徴とする請求項
1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記Bluetooth電波は、予め登録された機器から送信された電波であることを特徴とする請求項1
又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記Bluetooth電波は、受信時の電波強度が所定の条件を満たす電波であることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記Bluetooth電波は、印刷装置から送信される電波であることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前
記通知処理を実行する手段は、前記
所定の通知情報がユーザによる所定のタッチ操作を受けたことに従って、前記
Bluetooth電波の発信元装置へ所定の情報を送信する処理を実行することを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前
記通知処理を実行する手段は、受信したBluetooth電波に含まれる情報が予め登録された情報と一致するか否かを判別する処理を実行することを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記受信したBluetooth電波に含まれる情報は、前記
Bluetooth電波の発信元装置の機器情報であることを特徴とする請求項
7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記
所定の通知情報は、バックグラウンドで実行されているアプリケーションによって出力される情報であることを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記通知処理を実行する手段は、前記登録された複数の操作対象の装置のうち、前記所定の通知情報を前記表示部に表示させる旨を示す通知設定が設定された装置から発信された所定のBluetooth電波を受信したことに基づいて、前記通知処理を実行することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項11】
前記通知処理を実行する手段は、前記登録された複数の操作対象の装置のうち、前記所定の通知情報を前記表示部に表示させない旨を示す通知設定が設定された装置から発信された所定のBluetooth電波を受信したことに基づいて、前記通知処理を実行しないことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項12】
Bluetooth通信を行う無線通信部と情報を表示する表示部とを有する携帯端末のコンピュータに、
操作対象となる装置を登録する工程と、
前記操作対象の装置に関する所定の通知情報を前記表示部に表示させる通知処理を実行する工程と、
前記登録された
操作対象の装置から発信された所定のBluetooth電波
を受信したことに
基づいて前記所定の通知情報を前記表示部に表示させるか否かを示す通知設定を、前記登録された操作対象の装置毎に設定する工程と、を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
前記Bluetooth通信はBLE通信であり、前記Bluetooth電波はBLE電波であることを特徴とする請求
項12
に記載のプログラム。
【請求項14】
前記Bluetooth電波は、予め登録された機器から送信された電波であることを特徴とする請求項
12又は1
3に記載のプログラム。
【請求項15】
前記Bluetooth電波は、受信時の電波強度が所定の条件を満たす電波であることを特徴とする請求項
12乃至14のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項16】
前記Bluetooth電波は、印刷装置から送信される電波であることを特徴とする請求項
12乃至15のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータに、前記
所定の通知情報がユーザによる所定のタッチ操作を受けたことに従って前記
Bluetooth電波の発信元装置へ所定の情報を送信させる処理を実行させることを特徴とする請求項
12乃至16のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記コンピュータに、前記携帯端末が受信したBluetooth電波に含まれる情報が予め登録された情報と一致するか否かを判別させる処理を実行させることを特徴とする請求項
12乃至17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記受信したBluetooth電波に含まれる情報は、前記
Bluetooth電波の発信元装置の機器情報であることを特徴とする請求項18記載のプログラム。
【請求項20】
前記
所定の通知情報は、バックグラウンドで実行されているアプリケーションによって出力される情報であることを特徴とする請求項
12乃至19のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項21】
前記コンピュータに、前記登録された複数の操作対象の装置のうち、前記所定の通知情報を前記表示部に表示させる旨を示す通知設定が設定された装置から発信された所定のBluetooth電波を受信したことに基づいて、前記通知処理を実行させることを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項22】
前記コンピュータに、前記登録された複数の操作対象の装置のうち、前記所定の通知情報を前記表示部に表示させない旨を示す通知設定が設定された装置から発信された所定のBluetooth電波を受信したことに基づいて、前記通知処理を実行させないことを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末及びプログラムに関し、特に、無線通信を行う携帯端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi-fi等による無線通信を行う携帯端末が知られている。携帯端末は、無線通信による電波(以下、「無線電波」という。)を受信すると、受信した無線電波の電波強度に基づいて無線電波を発信した無線通信装置までの距離を推定する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、携帯端末は無線通信によって無線通信装置のリモート制御を行う。携帯端末は、所定の通知条件を満たした無線通信装置、例えば、上記推定した距離が予め設定された通知可能距離以内の無線通信装置を制御対象装置として認識し、該制御対象装置に指示を行うか否かをユーザに確認する通知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の携帯端末では、ユーザが普段利用しない無線通信装置であっても、上記通知条件を満たした無線通信装置を制御対象装置として認識し、その結果、ユーザが利用しない無線通信装置に関する不要な通知が行われてしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、不要な通知が行われるのを防止することができる携帯端末及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の携帯端末は、Bluetooth通信を行う無線通信部と、情報を表示する表示部とを有する携帯端末において、操作対象となる装置を登録する手段と、前記操作対象の装置に関する所定の通知情報を前記表示部に表示させる通知処理を実行する手段と、前記登録された操作対象の装置から発信された所定のBluetooth電波を受信したことに基づいて前記所定の通知情報を前記表示部に表示させるか否かを示す通知設定を、前記登録された操作対象の装置毎に設定する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不要な通知が行われるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末を含むリモート制御システムの構成を概略的に示すネットワーク図である。
【
図2】
図1の携帯端末に格納されるテーブルの一例を示す図である。
【
図3】
図1の携帯端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図1のMFPの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図5】
図1の携帯端末に表示される通知の一例を示す図である。
【
図6】
図1の携帯端末によって実行されるログイン情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図1のMFPに表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】
図6のログイン情報送信処理の第1の変形例の手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図1の携帯端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】
図1の携帯端末がMFPから離れる場合を説明するための図である。
【
図11】
図6のログイン情報送信処理の第2の変形例の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末101を含むリモート制御システム100の構成を概略的に示すネットワーク図である。
【0012】
図1において、リモート制御システム100は、携帯端末101、無線通信装置としてのMFP102~MFP104、及びPC105を備える。MFP102~MFP104及びPC105はネットワーク106を介して互いに接続されている。
【0013】
リモート制御システム100では、ユーザは携帯端末101を用いてMFP102~MFP104をリモート制御可能であり、例えば、携帯端末101からMFP102~MFP104にログイン可能である。
【0014】
携帯端末101はスマートフォンやタブレット端末等のユーザが持ち運び可能な通信装置であり、BLEやWi-fi等による無線通信を行う。以下では、BLEによる通信をBLE通信とし、Wi-fiによる通信をWi-fi通信とする。携帯端末101は、例えば、無線通信可能なMFPを検知すると、検知したMFPにログインするためのユーザIDやパスワード等のログイン情報を上記検知したMFPに送信する。上記ログイン情報は携帯端末101に予め格納されている。また、携帯端末101は、電波強度及び距離情報が関連付けされた
図2のテーブル200を格納し、受信した無線通信の電波(以下、「無線電波」という。)の電波強度及びテーブル200に基づいて無線電波の発信元であるMFPまでの距離を推定する。例えば、受信した無線電波の電波強度が60dbmである場合、携帯端末101は受信した無線電波の発信元であるMFPまでの距離を1mと推定する。
【0015】
また、携帯端末101は、ユーザの指示に基づいてユーザが所望する機能を実現するためのアプリケーションモジュール(以下、単に「アプリ」という。)を追加でインストール可能である。本実施の形態では、一例として、携帯端末101からMFP102~MFP104等の無線通信可能なMFPをリモート制御するための図示しないMFPアプリが携帯端末101に既にインストールされていることを前提とする。
【0016】
MFP102~MFP104は画像処理を行う画像処理装置であり、図示しない原稿台に配置された原稿を読み取るスキャン処理や、PC105等から取得した印刷データに基づいて印刷を行う印刷処理を実行する。MFP102~MFP104は携帯端末101と直接BLE通信を行い、また、携帯端末101とアクセスポイント107を介してWi-fi通信を行う。PC105はネットワーク106を介してMFP102~MFP104に印刷データ等を送信する。
【0017】
図3は、
図1の携帯端末101の構成を概略的に示すブロック図である。
【0018】
図3において、携帯端末101は、CPU301、ROM302、RAM303、HDD304、Wi-fi通信部305(受信手段)、BLE通信部306(受信手段)、操作部I/F307、及び操作部308を備える。CPU301、ROM302、RAM303、HDD304、Wi-fi通信部305、BLE通信部306、及び操作部I/F307はシステムバス309を介して互いに接続されている。操作部308は操作部I/F307と接続されている。
【0019】
CPU301はROM302に格納されたプログラムを実行して携帯端末101全体を統括的に制御する。CPU301は、例えば、ROM302に格納された上記MFPアプリの制御プログラムを実行して上記MFPアプリを起動させ、MFP102~MFP104をリモート制御する。ROM302はCPU301によって実行されるプログラムや設定データを格納する。RAM303はCPU301の主メモリとして、また、各データの一時格納領域として用いられる。HDD304は画像データ等を格納する。Wi-fi通信部305はMFP102~MFP104やPC105等とWi-fi通信を行う。BLE通信部306はMFP102~MFP104等とBLE通信を行う。操作部I/F307は操作部308及びシステムバス309を接続する。操作部308はユーザによるタッチ操作を検知可能なタッチパネル式の図示しない表示部を備え、当該表示部には各操作画面が表示される。
【0020】
次に、MFP102~MFP104の構成について説明する。なお、本実施の形態では、MFP102~MFP104は同様の構成であり、以下では、一例として、MFP102を用いてその構成を説明する。
【0021】
図4は、
図1のMFP102の構成を概略的に示すブロック図である。
【0022】
図4において、MFP102は、CPU401、ROM402、RAM403、HDD404、Wi-fi通信部405、BLE通信部406、プリンタI/F407、プリンタ408、スキャナI/F409、及びスキャナ410を備える。また、MFP102は、操作部I/F411、操作部412、及びネットワークI/F413を備える。CPU401、ROM402、RAM403、HDD404、Wi-fi通信部405、BLE通信部406、プリンタI/F407、スキャナI/F409、操作部I/F411及びネットワークI/F413はシステムバス414を介して互いに接続されている。プリンタ408はプリンタI/F407と接続され、スキャナ410はスキャナI/F409と接続され、操作部412は操作部I/F411と接続されている。
【0023】
CPU401は、ROM402に格納されたプログラムを実行してMFP102全体を統括的に制御する。ROM402はCPU401によって実行されるプログラムや設定データを格納する。RAM403はCPU401の主メモリとして、また、各データの一時格納領域として用いられる。HDD404は印刷データやスキャン画像等を格納する。Wi-fi通信部405は携帯端末101やPC105等とWi-fi通信を行う。BLE通信部406は携帯端末101等とBLE通信を行う。プリンタI/F407はプリンタ408及びシステムバス414を接続する。プリンタ408はPC105から取得した印刷データやスキャナ410によって生成されたスキャン画像に基づいて用紙に印刷を行う。スキャナI/F409はスキャナ410及びシステムバス414を接続する。スキャナ410は図示しない原稿台に配置された原稿を読み取り、読み取った情報に基づいてスキャン画像を生成する。操作部I/F411は操作部412及びシステムバス414を接続する。操作部412はユーザによるタッチ操作を検知可能なタッチパネル式の図示しない表示部やキーボードを備え、上記表示部には各操作画面が表示される。
【0024】
次に、リモート制御システム100において、携帯端末101からMFP102~MFP104にログインする際の処理について説明する。
【0025】
リモート制御システム100では、携帯端末101が、例えば、MFP102から無線電波を受信し、MFP102までの距離が予め設定された通知可能距離以内といった所定の通知条件を満たすと、ログイン通知を行う(通知手段)。具体的に、携帯端末101は
図5の通知501を操作部308に表示する。通知501はMFP102にログインするか否かをユーザに確認するメッセージを含む。その後、ユーザによって通知501がタッチ操作されると、携帯端末101はMFP102にログインするためのログイン情報をMFP102に対して送信し、MFP102は取得したログイン情報に基づいてログイン処理を行う。すなわち、リモート制御システム100では、ユーザが利用するMFPであるか否かに関わらず、上記通知条件を満たしたMFPのログイン通知が操作部308に表示される。このため、例えば、ユーザが普段利用しないMFPが上記通知条件を満たした場合、リモート制御システム100では、ユーザが利用しない他のMFPに関する不要な通知が行われてしまうという問題が生じる。
【0026】
これに対応して、本実施の形態では、受信した無線電波の発信元であるMFP102がMFPアプリに登録済みである場合に通知501が操作部308に表示される。
【0027】
図6は、
図1の携帯端末101によって実行されるログイン情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0028】
図6の処理は、CPU301がROM302に格納された上記MFPアプリの制御プログラムを実行することによって行われ、MFP102~MFP104やMFP102~MFP104以外の他のMFP等から無線電波が発信されていることを前提とする。また、
図6の処理では、一例として、予め実行された登録処理により、MFP102~MFP104が上記MFPアプリに登録されていることを前提とする。登録処理では、携帯端末101が、登録対象のMFPと無線通信で接続し、接続したMFPから発信された無線電波に含まれるMACアドレスやIPアドレス等の機器情報を取得し、取得した機器情報を上記MFPアプリに登録する。
【0029】
図6において、まず、CPU301は、無線電波を受信すると(ステップS601でYES)、受信した無線電波に含まれる機器情報を取得し(ステップS602)、取得した機器情報をRAM303に格納する。次いで、CPU301は取得した機器情報が上記MFPアプリに登録済みであるか否かを判別する(ステップS603)(判別手段)。
【0030】
ステップS603の判別の結果、取得した機器情報が上記MFPアプリに未登録であるとき、CPU301はステップS601の処理に戻る。一方、ステップS603の判別の結果、取得した機器情報が上記MFPアプリに登録済みであるとき、CPU301は受信した無線電波の電波強度に基づいて無線電波の発信元であるMFPまでの距離を推定する(ステップS604)(距離推定手段)。次いで、CPU301は通知条件を満たすか否かを判別する(ステップS605)。具体的に、CPU301は推定した距離が予め設定された通知可能距離、例えば、30cm以下であるか否かを判別する。ステップS605では、推定した距離が30cm以下である場合、CPU301は通知条件を満たすと判別する。一方、推定した距離が30cmより遠い場合、CPU301は通知条件を満たさないと判別する。
【0031】
ステップS605の判別の結果、通知条件を満たさないとき、CPU301はステップS601の処理に戻る。一方、ステップS605の判別の結果、通知条件を満たすとき、CPU301はノーティフィケーション機能によって通知501を操作部308に表示する(ステップS606)。CPU301はノーティフィケーション機能により、上記MFPアプリをバックグランドで実行させたままメッセージを出力可能である。その後、操作部308において、通知501がユーザによってタッチ操作されると(ステップS607でYES)、CPU301は、無線電波を発信したMFP、例えば、MFP102にログイン情報を送信し(ステップS608)、本処理を終了する。MFP102は、受信したログイン情報に基づいて認証処理を行い、認証処理が成功すると、ログイン状態に移行する。MFP102では、ログイン状態へ移行前、MFP102の操作部412に
図7(a)のログイン設定画面701が表示される。このとき、MFP102は操作部412の操作によるジョブの実行指示を受け付け不可能である。一方、MFP102では、ログイン状態に移行すると、操作部412の表示がログイン設定画面701から
図7(b)の操作画面702に切り替わり、MFP102は操作画面702の操作によるジョブの実行指示を受け付け可能となる。
【0032】
上述した
図6の処理によれば、受信した無線電波の発信元であるMFPがMFPアプリに登録済みである場合に通知501が操作部308に表示される。すなわち、ユーザが利用しない他のMFPが通知条件を満たしても、ユーザにとって不要な他のMFPの通知501が操作部308に表示されることはない。これにより、不要な通知が行われるのを防止することができる。
【0033】
また、上述した
図6の処理では、通知501は、受信した無線電波の発信元であるMFPに携帯端末101からログインするか否かをユーザに確認するログイン通知である。これにより、不要なログイン通知が行われるのを防止することができる。
【0034】
さらに、上述した
図6の処理では、無線通信はBLE通信及びWi-fi通信であるので、BLE通信やWi-fi通信による電波の発信元であるMFPの不要な通知が行われるのを防止することができる。
【0035】
以上、本発明について、上述した実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、通知501はダイアログによる通知であっても良い。
【0036】
また、上述した実施の形態では、通知501はログイン通知に限られず、印刷の実行指示等のリモート制御に関する指示を行うか否かをユーザに確認する通知であっても良い。
【0037】
さらに、上述した実施の形態では、上記MFPアプリに登録済みのMFPに対し、通知501を操作部308に表示するか否かをユーザに設定させても良い。
【0038】
例えば、MFP102~MFP104を上記MFPアプリに登録済みであるが、MFP102~MFP104の各機能の違い等により、ユーザが用途に応じて利用するMFPを使い分ける場合がある。この場合、ユーザにとって、登録済みであるMFPであっても、利用しないMFPのログイン通知が行われないのが好ましい。
【0039】
これに対応して、本実施の形態では、登録済みであるMFPに対し、ログイン通知を行うか否かをユーザに設定させる。
【0040】
図8は、
図6のログイン情報送信処理の第1の変形例の手順を示すフローチャートである。
【0041】
図8の処理は、CPU301がROM302に格納された上記MFPアプリの制御プログラムを実行することによって行われ、MFP102~MFP104やMFP102~MFP104以外の他のMFP等から無線電波が発信されていることを前提とする。また、
図8の処理では、一例として、予め実行された登録処理により、MFP102~MFP104が上記MFPアプリに登録され、且つMFP102のみがログイン通知を行う旨が予め設定されていることを前提とする。本実施の形態では、ユーザは、登録済みである各MFPに対し、携帯端末101の操作部308に表示された
図9の操作画面901の切り替えスイッチ902(設定手段)を操作して、ログイン通知を行うか否かを設定可能である。切り替えスイッチ902をオンに設定すると、ログイン通知を行う旨が設定され、切り替えスイッチ902をオフに設定すると、ログイン通知を行わない旨が設定される。各MFPにおける切り替えスイッチ902の設定情報(以下、「ログイン通知設定情報」という。)はRAM303に格納される。
【0042】
図8において、まず、CPU301はステップS601~S603の処理を行う。
【0043】
ステップS603の判別の結果、取得した機器情報が上記MFPアプリに未登録であるとき、CPU301はステップS601の処理に戻る。一方、ステップS603の判別の結果、取得した機器情報が上記MFPアプリに登録済みであるとき、CPU301は取得した機器情報が示すMFPのログイン通知設定情報を取得する(ステップS801)。次いで、CPU301は取得したログイン通知設定情報に基づいてログイン通知を行うか否かを判別する(ステップS802)。
【0044】
ステップS802の判別の結果、ログイン通知を行うとき、CPU301はステップS604以降の処理を行う。すなわち、本実施の形態では、MFP102~MFP104が上記MFPアプリに登録済みであっても、切り替えスイッチ902によりログイン通知が行われる旨が予め設定されたMFP102が通知条件を満たした場合のみ通知501が操作部308に表示される。一方、ステップS802の判別の結果、ログイン通知を行わないとき、CPU301はステップS601の処理に戻る。
【0045】
上述した実施の形態では、登録済みであるMFPに対し、ログイン通知を行うか否かがユーザによって設定される。これにより、ユーザが用途に応じて利用するMFPを使い分ける場合に、登録済みであるが用途に合わないMFPの不要な通知が行われるのを防止することができる。
【0046】
また、上述した実施の形態では、通知501が操作部308に表示される前、更に通知501が操作部308に表示された直後に、無線電波の発信元であるMFPまでの距離が推定されても良い。
【0047】
上述した
図6及び
図8の処理では、例えば、
図10(a)に示すように、MFP102が通知条件を満たす場合、ステップS604の処理により、通知501が操作部308に表示される。その後、
図10(b)に示すように、通知条件を満たさない距離までMFP102から携帯端末101が離れても、携帯端末101の操作部308には通知501が表示され続ける。このとき、携帯端末101はMFP102に対してログイン情報を送信することができないので、携帯端末101の操作部308から通知501が削除されるのが好ましい。
【0048】
これに対応して、本実施の形態では、通知501が操作部308に表示される前、更に通知501が操作部308に表示された直後に、無線電波の発信元であるMFPまでの距離が推定される。
【0049】
図11は、
図6のログイン情報送信処理の第2の変形例の手順を示すフローチャートである。
【0050】
図11の処理は、CPU301がROM302に格納された上記MFPアプリの制御プログラムを実行することによって行われ、MFP102~MFP104やMFP102~MFP104以外の他のMFP等から無線電波が発信されていることを前提とする。また、
図11の処理でも、一例として、予め実行された登録処理により、MFP102~MFP104が上記MFPアプリに登録され、且つMFP102のみがログイン通知を行う旨が予め設定されていることを前提とする。
【0051】
図11において、まず、CPU301はステップS601~S603、S801、S802、及びS604~S607の処理を行う。操作部308において、通知501がユーザによってタッチ操作されると(ステップS607でYES)、CPU301は受信した無線電波の電波強度に基づいて無線電波の発信元であるMFPまでの距離を推定する(ステップS1101)。次いで、CPU301は通知条件を満たすか否かを判別する(ステップS1102)。
【0052】
ステップS1102の判別の結果、通知条件を満たさないとき、CPU301はステップS601の処理に戻る。一方、ステップS1102の判別の結果、通知条件を満たすとき、CPU301はステップS608以降の処理を行う。
【0053】
上述した実施の形態では、通知501が操作部308に表示される前、更に通知501が操作部308に表示された直後に、無線電波の発信元であるMFPまでの距離が推定される。これにより、ログイン情報を送信することができないにも関わらず通知501が操作部308に表示されるといった不要な通知が行われるのを防止することができる。
【0054】
本発明は、上述の実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、該システム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0055】
101 携帯端末
102~104 MFP
301 CPU
308 操作部
501 通知
902 切り替えスイッチ