(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240304BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240304BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240304BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240304BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240304BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20240304BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
G03B17/02
G02B7/04 E
H04N23/57
H04N23/68
(21)【出願番号】P 2022021879
(22)【出願日】2022-02-16
(62)【分割の表示】P 2020036893の分割
【原出願日】2013-06-28
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2012-0071201
(32)【優先日】2012-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ヨ,インジェ
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-143722(JP,A)
【文献】特開2013-024938(JP,A)
【文献】特開2005-292559(JP,A)
【文献】特開2011-090122(JP,A)
【文献】特開2012-008379(JP,A)
【文献】特開2011-065140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00 - 5/08
G02B 7/02 - 7/16
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
G03B 30/00
G03B 17/02
H04N 5/222 - 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
前記回路基板の上に配置されたイメージセンサー部と、
上部壁と、前記上部壁から下に延長された側壁を含む第1ハウジングと、
前記第1ハウジングの下に配置され、前記イメージセンサー部の上に配置された第2ハウジングと、
前記第1ハウジング内に配置されたバレルと、
前記バレルに配置されたレンズアセンブリと、
前記バレル及び前記第1ハウジングと結合される第1弾性部材と、
前記バレルの外側に配置された第1コイルと、
前記第1ハウジングの前記側壁に配置される磁石と、
前記磁石と前記第2ハウジングの間に配置された第2コイルと、
を含み、
前記バレルは、前記磁石と前記第1コイルによって上下方向に移動し、
前記第1ハウジングは、前記磁石と前記第2コイルによって水平方向に移動し、
前記磁石は、前記第1コイルと前記上下方向と垂直な第1方向に重なり、前記第2コイルと前記上下方向である第2方向に重なり、
前記第2方向を基準として、前記磁石の第1幅は、前記第1コイルの領域の幅より大きく、
前記第1方向を基準として、前記磁石の第2幅は、前記第2コイルの領域の幅より小さく、
前記第2ハウジングは、前記第1ハウジングと前記回路基板の間に配置され
、
前記第2ハウジングは、前記回路基板に固定され、
前記回路基板は、前記第1コイル及び前記第2コイルに電気的に連結され、
前記磁石は、前記上部壁と対向する上面と、前記第2コイルを対向する下面を含み、
前記第1コイルは、前記磁石の前記上面よりも前記磁石の前記下面に近く配置される、レンズ駆動装置。
【請求項2】
前記磁石は、前記側壁の内面に配置される、請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記第1コイル、前記第2コイル及び前記磁石は、前記上下方向に前記第1ハウジングの一面と重なる、請求項1または2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記バレルの初期位置において、前記第1コイルの前記領域の前記第2方向への両端は、前記磁石と前記第1方向に重なり、
前記第1コイルは、前記磁石から50μm~1000μm離隔して配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記バレルの初期位置において、前記磁石の前記第2幅の両端は、前記第2コイルの前記領域と前記第2方向に重なる、請求項1から
3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記磁石は、前記第2方向を基準として
前記上面と
前記下面を含み、
前記バレルの初期位置において、前記第1コイルの前記領域の中心は、前記第2方向に前記磁石の前記上面よりも前記磁石の前記下面に近い、請求項1から
3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングに結合された第2弾性部材をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記第1ハウジングの上部方向から見る時、前記第2コイルは、前記第2ハウジングの外側面から内側に離隔して配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記第2コイルは、前記磁石から50μm~1000μm離隔して配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項10】
前記磁石と前記第1コイルの間の距離は、前記磁石と前記第2コイルの間の距離より長い、請求項1から9のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項11】
前記レンズアセンブリは、物体側に隣接するように配置される第1レンズと、像側に隣接するように配置される第4レンズと、前記第1レンズと前記第4レンズの間に配置される第2レンズと、前記第2レンズと前記第4レンズの間に配置される第3レンズとを含み、
前記第1レンズは、前記物体側に対面する凸面を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置を含む、カメラモジュール。
【請求項13】
請求項12に記載のカメラモジュールを含む、移動通信端末機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、移動通信端末機とPDA及びMP3プレーヤーなどのIT機器をはじめとする自
動車と内視鏡などの製作時、カメラモジュールが搭載されており、このようなカメラモジ
ュールは既存の30万画素(VGA級)で技術が発達するにつれて高画素中心に発達する
と共に、装着対象によって小型化及び薄型化が進められており、低価格の製作費用でオー
トーフォーカシング(AF)、光学ズーム(OPTICAL ZOOM)などの多様な付加機能が具現
可能に変化されている。
【0003】
また、現在製作されるカメラモジュールはワイヤーボンディング方式(COB;Chip O
f Board)、フリップチップ方式(COF;Chip Of Flexible)、及びチップスケールパ
ッケージ方式(CSP;Chip Scale Pakage)により製作されるイメージセンサーモジュ
ールが搭載されて製作されており、主に印刷回路基板(PCB)やフレキシブル印刷回路
基板(FPCB)などの電気的連結手段を通じてメイン基板に接続される形態に構成され
る。
【0004】
しかしながら、最近、一般的な受動素子と同様に、メイン基板上に直接実装可能にする
ことによって、製造工程を簡素化させ、製作コストを低減させることができるカメラモジ
ュールがユーザから求められている。
【0005】
このようなカメラモジュールは、主にCCDやCMOSなどのイメージセンサーがワイ
ヤーボンディングまたはフリップチップ方式により基板に付着された状態で製作されてお
り、前記イメージセンサーを通じて事物のイメージを集光させてカメラモジュール内・外
のメモリ上にデータとして格納され、格納されたデータは電気的信号に変換されて機器内
のLCDまたはPCモニタなどのディスプレイ媒体を通じて映像としてディスプレイされ
る。
【0006】
従来のカメラモジュールは、レンズを通じて入った映像信号を電気的信号に変換するイ
メージセンサーが底面に支持されるハウジングと、前記イメージセンサーに被写体の映像
信号を集めるレンズ群と、前記レンズ群が内部に積層されるバレルの順次的な結合により
構成される。
【0007】
この際、前記ハウジングの下部にはCCDまたはCMOSからなるイメージセンサーを
駆動するための電気部品であるコンデンサと抵抗のチップ部品が付着された実装用基板(
FPCB)が電気的に結合される。
【0008】
このように構成された従来のカメラモジュールは、実装用基板(FPCB)に多数の回
路部品が実装された状態で基板とイメージセンサーとの間に異方導電性フィルム(ACF
:Anisotropic Conductive Film)を挿入し、熱と圧力を加えて通電するように接着固定
し、その反対面に赤外線遮断フィルタ部を付着する。
【0009】
また、多数のレンズ群が内蔵されたバレルとハウジングがねじ結合により仮結合させた
状態で、前述したように、予め組み立てられた実装用基板がハウジングの底面に別途の接
着剤により接着固定される。
【0010】
一方、前記イメージセンサーが付着された実装用基板とバレルとが結合されたハウジン
グの接着固定後に前記バレルの前方に被写体(解像度チャート)を一定の距離にして焦点
調整がなされるようになるが、前記カメラモジュールの焦点調整はハウジングにねじ結合
されたバレルの回転による垂直移送量が調節されることによってレンズ群とイメージセン
サーとの間の焦点調節がなされるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、効果的に手ブレを防止するカメラモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態に係るカメラモジュールは、ハウジング、前記ハウジング内に配置され、1
つ以上のレンズを含むレンズアセンブリを収容するレンズバレル、前記ハウジング及び前
記レンズバレルに固定される弾性部材、前記レンズバレルを前記ハウジングに対して相対
移動させる駆動部、及び前記ハウジングに固定されるセンサー部を含む。
【発明の効果】
【0013】
実施形態に係るカメラモジュールは、ハウジングに対してレンズバレルを駆動して揺れ
を補償することができる。即ち、前記駆動部は前記ハウジングに対して、前記レンズバレ
ルを相対移動させて、揺れを補償することができる。
【0014】
特に、実施形態に係るカメラモジュールは、レンズアセンブリにより、センサー部に結
ばれる像が負のディストーションを有するようにすることができる。これによって、前記
レンズバレルの移動により揺れが補正される時、像の外郭部分の誤差を最小化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るカメラモジュールを示す図である。
【
図2】レンズアセンブリ、赤外線遮断フィルタ部、及びセンサー部を含む光学系を示す図である。
【
図3】レンズアセンブリを通じてセンサー部に入射される像が結ばれることを示す図である。
【
図4】レンズアセンブリ、赤外線遮断フィルタ部、及びセンサー部を含む光学系のディストーションを示す図である。
【
図5】手ブレによる像の移動及びその補正を示す図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係るカメラモジュールを示す図である。
【
図7】本発明の更に他の実施形態に係るカメラモジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態の説明において、各レンズ、ユニット、部、ホール、突起、溝、または層など
が各レンズ、ユニット、部、ホール、突起、溝、または層などの“上(on)”に、または
“の下(under)”に形成されるものと記載される場合において、“上(on)”と“の下
(under)”は“直接(directly)”または“他の構成要素を介して(indirectly)”形
成されるものを全て含む。また、各構成要素の上または下部に対する基準は図面を基準と
して説明する。図面での各構成要素のサイズは説明のために誇張することがあり、実際に
適用されるサイズを意味するものではない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るカメラモジュールを示す図である。
図2は、レンズア
センブリ、赤外線遮断フィルタ部、及びセンサー部を含む光学系を示す図である。
図3は
、レンズアセンブリを通じてセンサー部に入射される像が結ばれることを示す図である。
図4は、レンズアセンブリ、赤外線遮断フィルタ部、及びセンサー部を含む光学系のディ
ストーションを示す図である。
図5は、手ブレによる像の移動及びその補正を示す図であ
る。
【0018】
図1から
図5を参照すると、実施形態に係るカメラモジュールは、レンズバレル100
、レンズアセンブリ200、第1弾性部材310、第2弾性部材320、第1ハウジング
410、第2ハウジング420、赤外線遮断フィルタ部500、センサー部600、回路
基板800、及び駆動部710、720、730、740を含む。
【0019】
前記レンズバレル100は、前記レンズアセンブリ200を収容する。前記レンズバレ
ル100は、前記レンズアセンブリ200を収容するための収容溝を含むことができる。
前記収容溝は、前記レンズアセンブリ200と対応する形状を有することができる。
【0020】
前記レンズバレル100は四角筒または円筒形状を有することができる。即ち、前記レ
ンズバレル100の外郭は四角形状または円形状を有することができる。
【0021】
前記レンズバレル100は、前記第1ハウジング410と連結される。より詳しくは、
前記レンズバレル100は前記第1ハウジング410に前記第1弾性部材310を通じて
連結される。即ち、前記レンズバレル100は前記第1ハウジング410に、前記第1弾
性部材310により流動可能に連結できる。
【0022】
また、前記レンズバレル100は、上方(物体側)にオープンされる入光溝を含むこと
ができる。前記入光溝は前記レンズアセンブリ200を露出させる。前記入光溝を通じて
、前記レンズアセンブリ200に映像が入射される。
【0023】
前記レンズアセンブリ200は、前記レンズバレル100内に配置される。より詳しく
は、前記レンズアセンブリ200は前記収容溝内に配置される。前記レンズアセンブリ2
00は、前記収容溝に挿入される。前記レンズアセンブリ200は、円形の外郭形状を有
することができる。より詳しくは、前記レンズアセンブリ200は、トップ側から見て円
形状を有することができる。これとは異なり、前記レンズアセンブリ200は、トップ側
から見て矩形を有することができる。
【0024】
前記レンズアセンブリ200は多数個のレンズ210、220、230、240を含む
。例えば、前記レンズアセンブリ200は、第1レンズ210、第2レンズ220、第3
レンズ230、及び第4レンズ240を含むことができる。前記第3レンズ230、前記
第2レンズ220、及び前記第1レンズ210は順に積層できる。
【0025】
また、前記レンズ210、220、230、240の間には第1スペーサ及び第2スペ
ーサが介在できる。前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは前記レンズ210、220
、230、240の間の間隔を互いに離隔させることができる。
【0026】
以上、前記レンズアセンブリ200は4個のレンズを含むと説明したが、これに限定さ
れるものではない。即ち、前記レンズアセンブリ200は1つから3個のレンズを含むか
、または5個以上のレンズを含むことができる。
【0027】
図2を参照すると、前記レンズアセンブリ200、前記赤外線遮断フィルタ部500、
及び前記センサー部600は光学系を構成する。
【0028】
前記第1レンズ210、前記第2レンズ220、前記第3レンズ230、及び前記第4
レンズ240は、物体側から上側に順に配置される。被写体映像を獲得するために被写体
の映像情報に該当する光は、前記第1レンズ210、第2レンズ220、第3レンズ23
0、第4レンズ240、及び前記赤外線遮断フィルタ部500を通過して前記センサー部
600に入射される。
【0029】
前記第1レンズ210は正(+)の屈折能(power)を有し、前記第2レンズ220は
負(-)の屈折能を有し、前記第3レンズ230は正(+)の屈折能を有し、前記第4レ
ンズ240は負(-)の屈折能を有することができる。また、前記第1レンズ210、前
記第2レンズ220、前記第3レンズ230、及び前記第4レンズ240は、ガラスまた
はプラスチックで形成できる。
【0030】
前記第1レンズ210の物体側面(R1)は凸形状を有し、前記第1レンズ210の上
側面(R2)は凸または凹形状、または平面でありうる。また、前記第1レンズ210の
物体側面(R1)は非球面または球面でありうる。前記第1レンズ210は光軸近くにお
いて両凸形状のものが好ましい。
【0031】
前記第1レンズ210の上側面(R2)の曲率は、次の<数式1>を満たすことができ
る。
【0032】
<数1>
0≦R<0.01
【0033】
より詳しくは、前記第1レンズ210の上側面(R2)の曲率は、次の<数式7>を満
たすことができる。
【0034】
<数7>
0≦R<0.001
【0035】
より詳しくは、前記第1レンズ210の上側面(R2)の曲率は0でありうる。
【0036】
即ち、前記第1レンズ210の上側面(R2)は非常に小さい曲率を有する。前記第1
レンズ210の上側面(R2)は平面を含むことができる。前記第1レンズ210の上側
面(R2)は平面またはほぼ平面に近い曲面でありうる。前記第1レンズ210の上側面
(R2)は平面に近いので、実施形態に係る小型光学系の公差が減少できる。
【0037】
前記第2レンズ220は、メニスカス形状を有することができる。前記第2レンズ22
0の物体側面(R3)は凹形状を有し、前記第2レンズ220の上側面(R4)は凹形状
でありうる。即ち、前記第2レンズ220は両凹形状を有することができる。また、前記
第2レンズ220の物体側面(R3)及び上側面(R4)は球面または非球面でありうる
。前記第2レンズ220は物体側に凹面が向かったメニスカス形状のものが好ましい。
【0038】
前記第3レンズ230は光軸の近くにおいて上側の面が凸面であり、正のパワーを有し
ている。前記第3レンズ230の物体側の面は、例えば光軸の近くにおいて凹面でありう
る。
【0039】
前記第3レンズ230の物体側面(R5)は凹形状を有し、前記第3レンズ230の上
側面(R6)は凸形状を有することができる。また、前記第3レンズ230の物体側面(
R5)及び上側面(R6)は球面または非球面でありうる。
【0040】
前記第3レンズ230の焦点距離は、次の<数式2>を満たすことができる。
【0041】
<数2>
0.5<f3/F<1.0
【0042】
ここで、f3は前記第3レンズ230の有効焦点距離であり、Fは実施形態に係る小型
光学系の全体焦点距離である。
【0043】
より詳しくは、前記第3レンズ230の焦点距離は、次の<数式4>を満たすことがで
きる。
【0044】
<数4>
0.6<f3/F<0.9
【0045】
前記第4レンズ240はメニスカス形状を有することができる。前記第4レンズ240
の物体側面(R7)は凸形状を有し、前記第4レンズ240の上側面(R8)は凹形状を
有することができる。また、前記第4レンズ240の物体側面(R7)及び上側面(R8
)は非球面でありうる。
【0046】
また、前記第4レンズ240は、少なくとも1つ以上の非球面変曲点を含んで形成され
る。
【0047】
この際、前記第4レンズ240の物体側面(R7)に1つ以上の非球面変曲点が形成で
きる。また、前記第4レンズ240の上側面(R8)に1つ以上の非球面変曲点(CP)
が形成できる。前記第4レンズ240に形成された前記非球面変曲点は受光素子70に入
射される主光線の最大射出角を調節することができる。
【0048】
前記第4レンズ240の焦点距離は、次の<数式3>を満たすことができる。
【0049】
<数3>
-10<f4/F<-0.5
【0050】
ここで、f4は前記第4レンズ240の有効焦点距離であり、Fは実施形態に係る小型
光学系の全体焦点距離である。
【0051】
より詳しくは、前記第4レンズ240の焦点距離は、次の<数式5>を満たすことがで
きる。
【0052】
<数5>
-1<f4/F<-0.5
【0053】
上面(R11)である前記受光素子70がCCD(Charge Coupled Device)またはC
MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーの場合、各ピクセルで光
量が確保される角度があり、前記角度が異なれば光量が確保されないので画面の周辺部が
暗くなる現象(shading)が表れる。
【0054】
したがって、前記第4レンズ240の上側面(R8)に非球面変曲点を形成して主光線
の最大射出角を調節することによって、画面の周辺部が暗くなる現象を防止することがで
きる。
【0055】
前記光学系は、以下の<数式6>を満たすことができる。
【0056】
<数6>
1<ttl/F<1.3
【0057】
ここで、ttlは前記第1レンズ210の物体側面から上側面までの距離であり、Fは
全体有効焦点距離である。
【0058】
前記光学系が前記のように設計される場合、前記光学系は負のディストーションを有す
ることができる。即ち、
図3及び
図4に示すように、前記光学系は負のディストーション
を有することができる。
【0059】
例えば、前記光学系において、フィールド高さ(field height)が0Fから1.0Fの
場合、前記センサー部600の像のディストーションが0%から-2%でありうる。
【0060】
より詳しくは、前記光学系において、フィールド高さ(field height)が0.7Fから
1.0Fの場合、前記センサー部600の像のディストーションが0%から-2%であり
うる。
【0061】
これとは異なり、前記光学系において、フィールド高さ(field height)が0Fから1
.0Fの場合、前記センサー部600の像のディストーションが-2%から-5%であり
うる。
【0062】
より詳しくは、前記光学系において、フィールド高さ(field height)が0.7Fから
1.0Fの場合、前記センサー部600の像のディストーションが-2%から-5%であ
りうる。
【0063】
前記第1弾性部材310は、前記第1ハウジング410内に配置される。前記第1弾性
部材310は、前記第1ハウジング410に固定される。また、前記第1弾性部材310
は、前記第1レンズ210バレル100に固定される。前記第1弾性部材310は、前記
レンズバレル100を前記第1ハウジング410に、流動可能に固定させる。
【0064】
前記第1弾性部材310は、スプリングなどを含むことができる。より詳しくは、前記
第1弾性部材310は、板型スプリングを含むことができる。
【0065】
前記第1ハウジング410は、前記レンズバレル100を収容する。前記第1ハウジン
グ410は、前記レンズバレル100に前記第1弾性部材310を通じて連結される。
【0066】
前記第1ハウジング410は、プラスチックまたは金属で形成できる。前記第1ハウジ
ング410は、四角の筒形状を有することができる。
【0067】
前記第2ハウジング420は、前記第1ハウジング410を収容する。即ち、前記第1
ハウジング410は、前記第2ハウジング420内に配置される。前記第1ハウジング4
10及び前記第2ハウジング420は、前記第2弾性部材320により互いに連結される
。
【0068】
前記第1ハウジング410は前記第2ハウジング420内に、前記第2弾性部材320
により、流動可能に固定される。即ち、前記第1ハウジング410は浮遊状態で前記第2
ハウジング420内に配置できる。
【0069】
前記第2ハウジング420は、前記回路基板800に固定される。前記第2ハウジング
420は、前記回路基板800に締結できる。前記第2ハウジング420は、金属または
プラスチックで形成できる。
【0070】
前記第2弾性部材320は、前記第1ハウジング410及び前記第2ハウジング420
に連結される。前記第2弾性部材320は、前記第1ハウジング410を前記第2ハウジ
ング420に流動可能に固定させる。前記第2弾性部材320は、スプリングなどを含む
ことができる。より詳しくは、前記第2弾性部材320は、板型スプリングを含むことが
できる。
【0071】
前記赤外線遮断フィルタ部500は、前記第2ハウジング420内に配置される。前記
赤外線遮断フィルタ部500は前記回路基板800に固定され、前記第2ハウジング42
0に固定できる。前記赤外線遮断フィルタ部500は、入射される赤外線をフィルタリン
グする。前記赤外線遮断フィルタ部500は、前記センサー部600に流入する過度な長
波長の光を遮断することができる。
【0072】
前記赤外線遮断フィルタ部500は、光学ガラスにチタニウムオキサイド及びシリコン
オキサイドが交互に蒸着されて形成できる。赤外線を遮断するために、前記チタニウムオ
キサイド及び前記シリコンオキサイドの厚さは適切に調節できる。
【0073】
前記センサー部600は、前記第2ハウジング420内に収容される。前記センサー部
600は、CCDイメージセンサーまたはCMOSイメージセンサーを含む。また、前記
センサー部600は前記イメージセンサーと連結される回路基板800をさらに含む。前
記センサー部600は入射される映像を電気的な信号に変更させる。
【0074】
前記センサー部600は、前記回路基板800に固定される。前記センサー部600は
、前記回路基板800に実装できる。前記センサー部600は、前記回路基板800に電
気的に連結される。
【0075】
前記センサー部600の撮像領域のサイズは2.5mm×4.0mmでありうる。また
、前記センサー部600の単位ピクセルの横及び縦サイズは2μm以下でありうる。
【0076】
前記回路基板800は、前記第2ハウジング420の底を覆うことができる。前記回路
基板800は、前記第2ハウジング420に結合される。前記回路基板800は、印刷回
路基板800(printed circuit board;PCB)でありうる。前記回路基板800は、
前記センサー部600と電気的に連結できる。前記回路基板800は、前記センサー部6
00を駆動するための信号を印加することができる。また、前記回路基板800は、前記
センサー部600からの信号の印加を受けることができる。
【0077】
前記回路基板800には前記センサー部600が実装される。より詳しくは、前記セン
サー部600は、前記回路基板800に固定できる。即ち、前記センサー部600は、前
記回路基板800を通じて前記第2ハウジング420に固定できる。
【0078】
また、前記回路基板800は、前記駆動部710、720、730、740に電気的に
連結できる。即ち、前記回路基板800を通じて前記駆動部710、720、730、7
40を駆動するための信号が前記駆動部710、720、730、740に印加できる。
【0079】
前記駆動部710、720、730、740は、前記第1ハウジング410に対して、
前記レンズバレル100を駆動する。また、前記駆動部710、720、730、740
は、前記第2ハウジング420に対して、前記第1ハウジング410を駆動する。
【0080】
前記駆動部710、720、730、740は磁気力により前記レンズバレル100及
び前記第1ハウジング410を移動させることができる。前記駆動部710、720、7
30、740は、第1駆動部710、第2駆動部720、第3駆動部730、及び第4駆
動部740を含むことができる。前記駆動部710、720、730、740は磁気力に
より前記レンズバレル100を前記ハウジング400に対して相対移動させることができ
る。この際、前記磁気力は前記レンズアセンブリ200の光軸OAに対して傾斜する方向
に作用することができる。
【0081】
前記第1駆動部710は、前記レンズバレル100に付着される。前記第1駆動部71
0は、前記レンズバレル100に固定できる。前記第1駆動部710は、前記レンズバレ
ル100の外側に配置できる。
【0082】
前記第1駆動部710は、コイルを含むことができる。前記第1駆動部710は前記回
路基板800を通じて駆動信号の印加を受けることができる。前記第1駆動部710は電
気的な信号により磁場を生成させることができる。
【0083】
前記第1駆動部710は基準水平面に対して傾斜する方向に前記第2駆動部720に引
力または斥力を印加することができる。この際、前記第1駆動部710は前記基準水平面
に対して、約+20゜から約+70゜の角度に、前記第2駆動部720に磁気力を印加す
ることができる。より詳しくは、前記第1駆動部710は前記基準水平面(R)に対して
、約+30゜から約+50゜の角度に、前記第2駆動部720に磁気力を印加することが
できる。
【0084】
前記第2駆動部720は、前記第1ハウジング410に付着される。より詳しくは、前
記第2駆動部720は前記第1ハウジング410に固定できる。より詳しくは、前記第2
駆動部720は前記第1ハウジング410の内側に固定できる。
【0085】
前記第2駆動部720は磁性体を含む。前記第2駆動部720は、プレート形状を有す
ることができる。即ち、前記第2駆動部720は板型磁石でありうる。
【0086】
前記第1駆動部710及び前記第2駆動部720は互いに隣接する。前記第1駆動部7
10及び前記第2駆動部720は非常に小さい間隔で離隔できる。前記第1駆動部710
及び前記第2駆動部720の間の間隔は約50μmから約1000μmでありうる。前記
第1駆動部710及び前記第2駆動部720は互いに対向できる。これによって、前記第
1駆動部710及び前記第2駆動部720の間に磁気力が発生できる。
【0087】
前記第1駆動部710及び前記第2駆動部720は、前記第1ハウジング410に対し
て、前記レンズバレル100を相対移動させる。より詳しくは、前記第1駆動部710及
び前記第2駆動部720は、前記第1ハウジング410に対して、前記レンズアセンブリ
200の光軸方向に、前記レンズバレル100を相対移動させることができる。
【0088】
前記第3駆動部730は、前記第1ハウジング410に付着される。より詳しくは、前
記第3駆動部730は、前記第1ハウジング410に固定できる。より詳しくは、前記第
3駆動部730は、前記第1ハウジング410の外側に固定できる。
【0089】
前記第3駆動部730は、磁性体を含む。前記第3駆動部730は、プレート形状を有
することができる。即ち、前記第3駆動部730は、板型磁石でありうる。
【0090】
前記第4駆動部740は、前記第2ハウジング420に付着される。より詳しくは、前
記第4駆動部740は、前記第2ハウジング420に固定される。前記第4駆動部740
は、前記第2ハウジング420の内側に配置できる。
【0091】
前記第4駆動部740は、コイルを含むことができる。前記第4駆動部740は、前記
回路基板800を通じて駆動信号の印加を受けることができる。前記第4駆動部740は
電気的な信号により磁場を生成させることができる。
【0092】
前記第3駆動部730及び前記第4駆動部740は互いに隣接する。前記第3駆動部7
30及び前記第4駆動部740は、非常に小さい間隔で離隔できる。前記第3駆動部73
0及び前記第4駆動部740の間の間隔は約50μmから約1000μmでありうる。前
記第3駆動部730及び前記第4駆動部740は、互いに対向できる。これによって、前
記第3駆動部730及び前記第4駆動部740の間に磁気力が発生できる。
【0093】
前記第3駆動部730及び前記第4駆動部740は、前記第2ハウジング420に対し
て、前記第1ハウジング410を相対移動させる。より詳しくは、前記第3駆動部730
及び前記第4駆動部740は、前記第2ハウジング420に対して、前記レンズアセンブ
リ200の光軸に対して水平方向に、前記第1ハウジング410を相対移動させることが
できる。
【0094】
結局、前記駆動部710、720、730、740は、前記レンズアセンブリ200を
前記センサー部600に対して、前記光軸方向及び前記光軸に対して水平方向に相対移動
させることができる。
【0095】
例えば、揺れにより被写体が水平方向に移動する場合、前記第3駆動部730及び前記
第4駆動部740により前記第1ハウジング410がチルティングされるか、または水平
移動することができる。これによって、前記レンズアセンブリ200及び前記センサー部
600の間の水平相対位置が互いに調節できる。
【0096】
また、前記第1駆動部710及び前記第2駆動部720により前記レンズアセンブリ2
00及び前記センサー部600の間の焦点距離が調節できる。
【0097】
特に、前記光学系は負のディストーションを有するので、水平方向への揺れによる像の
移動が最小化し、これに従う補正の誤差が減少できる。
【0098】
即ち、
図5に示すように、本実施形態に係るカメラモジュールは揺れにより前記センサ
ー部600で像が移動する時、前記駆動部710、720、730、740は前記レンズ
バレル100を像の移動方向に対して反対方向に移動させる。例えば、前記駆動部710
、720、730、740は、前記レンズバレル100を水平移動またはチルティングを
通じて揺れによる像の移動を原位置させる。
【0099】
この際、前記光学系は負のディストーションを有するので、像の外郭部分で、前記レン
ズバレル100の移動に従う像の誤差が最小化できる。
【0100】
即ち、本実施形態に係るカメラモジュールの光学系は負のディストーションを有するの
で、光軸から遠ざかるほど、揺れによる像の移動距離が大きくなることを防止することが
できる。
【0101】
特に、本実施形態に係るカメラモジュールは、撮像領域の外郭部分の映像揺れを最小化
し、揺れ補正効果を極大化することができる。
【0102】
図6は、本発明の他の実施形態に係るカメラモジュールを示す図である。本実施形態で
は、前述したカメラモジュールを参考する。即ち、先の実施形態でのカメラモジュールに
対する説明は変更された部分を除いて、本実施形態に対する説明に本質的に結合できる。
【0103】
図6を参照すると、本実施形態に係るカメラモジュールは、第1ハウジング410が省
略できる。また、弾性部材を通じて第2ハウジング420がレンズバレル100に直ぐ連
結されることがある。この際、前記弾性部材はレンズアセンブリ200の光軸に対して傾
斜する方向に、前記レンズバレル100及び前記第2ハウジング420を連結させること
ができる。
【0104】
また、前記レンズバレル100には第1駆動部710が付着される。前記第1駆動部7
10は磁性体を含むことができる。
【0105】
また、前記第2ハウジング420の内側には第4駆動部740が付着される。前記第4
駆動部740は、コイルを含むことができる。
【0106】
また、前記回路基板800上には第5駆動部750が付着される。より詳しくは、前記
第5駆動部750は、前記第1駆動部710及び前記回路基板800の間に介在できる。
前記第5駆動部750は、コイルを含むことができる。
【0107】
また、前記第4駆動部740及び前記第5駆動部750は、前記回路基板800に電気
的に連結できる。
【0108】
前記レンズバレル100は、前記第1駆動部710及び前記第4駆動部740の間の磁
気力により前記光軸と直交する水平方向に駆動できる。また、前記レンズバレル100は
、前記第1駆動部710及び前記第5駆動部750の間の磁気力により前記光軸方向に駆
動できる。
【0109】
即ち、前記レンズバレル100は、前記第1駆動部710及び前記第4駆動部740に
より前記水平方向に駆動できる。また、前記第1駆動部710及び前記第5駆動部750
により前記レンズバレル100は前記光軸方向に駆動できる。
【0110】
本実施形態に係るカメラモジュールは簡単な構造で、揺れ補正及び自動焦点調節を遂行
することができる。
【0111】
図7は、本発明の更に他の実施形態に係るカメラモジュールを示す図である。本実施形
態では前述したカメラモジュールを参考する。即ち、先の実施形態でのカメラモジュール
に対する説明は変更された部分を除いて、本実施形態に対する説明に本質的に結合できる
。
【0112】
図7を参照すると、本実施形態に係るカメラモジュールでは、第3駆動部730が省略
され、第4駆動部740が第2駆動部720に隣接することができる。より詳しくは、前
記第4駆動部740は第2駆動部720及び回路基板800の間に介在できる。
【0113】
これによって、第1ハウジング410は第2駆動部720及び第4駆動部740の間の
斥力または引力により相対移動できる。より詳しくは、レンズバレル100は、第1駆動
部710及び第2駆動部720の間の斥力または引力により駆動され、前記第1ハウジン
グ410は前記第2駆動部720及び前記第4駆動部740の間の磁気力により駆動でき
る。即ち、前記第1駆動部710及び前記第4駆動部740は、前記第2駆動部720を
互いに共有することができる。
【0114】
これによって、本実施形態に係るカメラモジュールは、第3駆動部730を省略し、必
要とする部品を減らし、簡単な構造を有することができる。
【0115】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施
形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるものではない。延いては、各実施形
態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者
により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、この
ような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである
。
【0116】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発
明を限定するのでない。本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、多様な変形及び応
用が可能であることが同業者にとって明らかである。例えば、実施形態に具体的に表れた
各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も
、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。