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  • 特許-ポンプ用開口部の仮設足場 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】ポンプ用開口部の仮設足場
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/18 20060101AFI20240304BHJP
   E04G 5/08 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
E04G3/18 A
E04G5/08 Z
E04G5/08 S
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022045453
(22)【出願日】2022-03-22
(65)【公開番号】P2023139757
(43)【公開日】2023-10-04
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000151058
【氏名又は名称】株式会社電業社機械製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000227146
【氏名又は名称】日綜産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】▲廣▼瀬 不二男
(72)【発明者】
【氏名】横山 卓也
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 暁伸
(72)【発明者】
【氏名】田中 聖人
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健治
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-270355(JP,A)
【文献】特開2006-177083(JP,A)
【文献】実開昭56-54695(JP,U)
【文献】特公昭50-8258(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G1/00-7/34
27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプの据付用として躯体に設けられたポンプ用開口部に複数の吊チェーンで水平に設置可能な足場本体を備え、
前記足場本体が、前記ポンプ用開口部内に挿入可能な中央床板部と、
前記中央床板部に基端部が連結され前記基端部を軸にして水平状態の前記中央床板部の外周縁から先端部を離間させた状態に水平面内で回動可能であると共に前記中央床板部の外周縁に沿って折り畳み可能な複数の足場支持部材と、
前記複数の足場支持部材を前記中央床板部の外周縁から前記基端部を離間させた状態で、隣り合う前記足場支持部材間に架け渡され、隣り合う前記足場支持部材間の隙間を閉塞すると共に前記中央床板部と共に前記ポンプ用開口部を閉塞して設置可能な複数の外周床板部材とを備えていることを特徴とするポンプ用開口部の仮設足場。
【請求項2】
請求項1に記載のポンプ用開口部の仮設足場において、
前記足場支持部材が、前記中央床板部の外周縁から前記基端部を離間させた状態で、伸縮可能であることを特徴とするポンプ用開口部の仮設足場。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポンプ用開口部の仮設足場において、
前記外周床板部材が、前記足場支持部材に係止可能に下方に突出した爪部を備えていることを特徴とするポンプ用開口部の仮設足場。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のポンプ用開口部の仮設足場において、
前記ポンプ用開口部の外周の前記躯体の上面に前記ポンプ用開口部上で架け渡し可能な足場吊り下げ支持部と、
前記足場吊り下げ支持部に上部が固定されていると共に下部が前記足場本体に着脱可能に固定された複数の吊り下げ部材とを備えていることを特徴とするポンプ用開口部の仮設足場。
【請求項5】
請求項4に記載のポンプ用開口部の仮設足場において、
前記吊り下げ部材が、前記足場吊り下げ支持部と前記足場本体との間隔を調整可能であることを特徴とするポンプ用開口部の仮設足場。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のポンプ用開口部の仮設足場において、
前記足場吊り下げ支持部から前記足場本体まで達しているタラップ部を備えていることを特徴とするポンプ用開口部の仮設足場。
【請求項7】
請求項6に記載のポンプ用開口部の仮設足場において、
前記タラップ部の上方であって前記足場吊り下げ支持部上に固定された手すり部を備えていることを特徴とするポンプ用開口部の仮設足場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの据付用として躯体に設けられたポンプ用開口部に設置可能なポンプ用開口部の仮設足場に関するものである。
【背景技術】
【0002】
立軸ポンプや横軸ポンプ等のポンプは、通常、躯体に設けられたポンプ用開口部に設置される。例えば、立軸ポンプは、特許文献1に記載されているように、ポンプ据付床である躯体に設けられたポンプ用開口部廻りにポンプベースを施工し、ポンプベースを介してポンプ本体がポンプ用開口部から吊り下げ支持される。
【0003】
このようなポンプの据付を行うには、ポンプ用開口部廻りで基礎工事及びポンプベースの施工が必要になるため、ポンプ用開口部内に仮設足場を設置する必要がある。
従来、ポンプ用開口部内に仮設足場を設置する場合、ポンプの大きさに伴いポンプ用開口部の大きさも様々であるため、ポンプ用開口部のサイズに応じて設計された仮設足場を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-41465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術において、以下の課題が残されている。
すなわち、従来、ポンプ用開口部のサイズに応じて設計された仮設足場を用いているが、様々なサイズの仮設足場を用意しなければならないという不都合があった。
また、従来は、ポンプ用開口部の下方から作業者が仮設足場を設置しているが、より安全かつ簡易な作業で設置可能なポンプ用開口部の上方からの設置ができる仮設足場が望まれている。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、異なる内径のポンプ用開口部であっても対応できると共に、ポンプ用開口部の上方からの作業で設置可能なポンプ用開口部の仮設足場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るポンプ用開口部の仮設足場は、ポンプの据付用として躯体に設けられたポンプ用開口部に複数の吊チェーンで水平に設置可能な足場本体を備え、前記足場本体が、前記ポンプ用開口部内に挿入可能な中央床板部と、前記中央床板部に基端部が連結され前記基端部を軸にして水平状態の前記中央床板部の外周縁から先端部を離間させた状態に水平面内で回動可能であると共に前記中央床板部の外周縁に沿って折り畳み可能な複数の足場支持部材と、前記複数の足場支持部材を前記中央床板部の外周縁から前記基端部を離間させた状態で、隣り合う前記足場支持部材間に架け渡され、隣り合う前記足場支持部材間の隙間を閉塞すると共に前記中央床板部と共に前記ポンプ用開口部を閉塞して設置可能な複数の外周床板部材とを備えていることを特徴とする。
【0008】
このポンプ用開口部の仮設足場では、中央床板部の外周縁から先端部を離間させた状態に水平面内で回動可能であると共に中央床板部の外周縁に沿って折り畳み可能な複数の足場支持部材と、隣り合う足場支持部材間の隙間を閉塞する複数の外周床板部材とを備えているので、複数の足場支持部材を回動させて足場本体の外径をポンプ用開口部の内径よりも拡大し、複数の外周床板部材で隙間を塞ぐことで、異なる内径であってもポンプ用開口部を閉塞する閉止蓋となる足場を構成することができる。
【0009】
すなわち、ポンプ用開口部の仮設足場を設置する場合、足場支持部材を中央床板部の外周縁に折り畳んだ状態で足場本体をポンプ用開口部内に挿入すると共に、ポンプ用開口部の下部開口より僅かに下方に配置する。この状態で、複数の足場支持部材を回動させて先端部をポンプ用開口部の半径方向外方に離間させることで、足場本体の外径をポンプ用開口部よりも拡大させる。このとき、複数の足場支持部材の先端部がポンプ用開口部外周の躯体下面まで達する。この状態で複数の外周床板部材を、隣り合う足場支持部材間に架け渡し、隣り合う足場支持部材間の隙間を閉塞すると共に中央床板部と共にポンプ用開口部の下部開口を閉塞することで、ポンプ用開口部に仮設足場を設置することができる。
このように、中央床板部が挿入可能なポンプ用開口部であって、複数の足場支持部材を回動させて拡大させた足場本体の外径よりも小さいポンプ用開口部であれば、異なる内径であっても足場を構成することができる。
【0010】
第2の発明に係るポンプ用開口部の仮設足場は、第1の発明において、前記足場支持部材が、前記中央床板部の外周縁から前記基端部を離間させた状態で、伸縮可能であることを特徴とする。
すなわち、このポンプ用開口部の仮設足場では、足場支持部材が、中央床板部の外周縁から基端部を離間させた状態で、伸縮可能であるので、ポンプ用開口部の大きさに合わせて足場支持部材の長さを調整でき、足場本体の外径をさらに拡げることで、より広いポンプ用開口部にも対応可能である。
【0011】
第3の発明に係るポンプ用開口部の仮設足場は、第1又は第2の発明において、前記外周床板部材が、前記足場支持部材に係止可能に下方に突出した爪部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプ用開口部の仮設足場では、外周床板部材が、足場支持部材に係止可能に下方に突出した爪部を備えているので、位置ずれを防止することができる。
【0012】
第4の発明に係るポンプ用開口部の仮設足場は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記ポンプ用開口部の外周の前記躯体の上面に前記ポンプ用開口部上で架け渡し可能な足場吊り下げ支持部と、前記足場吊り下げ支持部に上部が固定されていると共に下部が前記足場本体に着脱可能に固定された複数の吊り下げ部材とを備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプ用開口部の仮設足場では、ポンプ用開口部の外周の躯体の上面にポンプ用開口部上で架け渡し可能な足場吊り下げ支持部と、足場吊り下げ支持部に上部が固定されていると共に下部が足場本体に着脱可能に固定された複数の吊り下げ部材とを備えているので、足場本体を吊り下げ支持した状態で、足場吊り下げ支持部をポンプ用開口部上で架け渡すことで、足場本体をポンプ用開口部内に安定した状態で挿入でき、外周床板部材の設置等を含む足場本体の設置作業を安全に行うことができる。なお、足場本体設置後には、吊り下げ部材を足場本体から取り外すことで、足場吊り下げ支持部及び吊り下げ部材をポンプ用開口部から外して足場本体だけにでき、基礎工事やポンプベースの施工等を行うことができる。
【0013】
第5の発明に係るポンプ用開口部の仮設足場は、第4の発明において、前記吊り下げ部材が、前記足場吊り下げ支持部と前記足場本体との間隔を調整可能であることを特徴とする。
すなわち、このポンプ用開口部の仮設足場では、吊り下げ部材が、足場吊り下げ支持部と足場本体との間隔を調整可能であるので、躯体の厚さに合わせて足場吊り下げ支持部と足場本体との間隔を調整することができる。
【0014】
第6の発明に係るポンプ用開口部の仮設足場は、第4又は第5の発明において、前記足場吊り下げ支持部から前記足場本体まで達しているタラップ部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプ用開口部の仮設足場では、足場吊り下げ支持部から足場本体まで達しているタラップ部を備えているので、タラップ部により作業者が容易にポンプ用開口部の外からポンプ用開口部内の足場本体へアクセスすることができる。
【0015】
第7の発明に係るポンプ用開口部の仮設足場は、第6の発明において、前記タラップ部の上方であって前記足場吊り下げ支持部上に固定された手すり部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプ用開口部の仮設足場では、タラップ部の上方であって足場吊り下げ支持部上に固定された手すり部を備えているので、手すり部により作業者が安定してタラップ部に乗り降りすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のポンプ用開口部の仮設足場によれば、中央床板部の外周縁から先端部を離間させた状態に水平面内で回動可能であると共に中央床板部の外周縁に沿って折り畳み可能な複数の足場支持部材と、隣り合う足場支持部材間の隙間を閉塞する複数の外周床板部材とを備えているので、複数の足場支持部材を回動させて足場本体の外径を拡大し、複数の外周床板部材で隙間を塞ぐことで、異なる内径であってもポンプ用開口部内に足場を構成することができる。
したがって、本発明のポンプ用開口部の仮設足場では、ポンプ用開口部の様々なサイズにも対応できると共に、ポンプ用開口部の上方からの作業で設置可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るポンプ用開口部の仮設足場の一実施形態において、足場本体設置後の仮設足場を示す平面図である。
図2】本実施形態において、足場吊り下げ支持部及び吊り下げ部材を取り外す前の状態の仮説足場を示す側面図である。
図3】本実施形態において、足場吊り下げ支持部及び吊り下げ部材を示す平面図である。
図4】本実施形態において、足場支持部材を折り畳んだ状態の中央床板部を示す平面図である。
図5】本実施形態において、外周床板部材(外側コーナー床材(a),内側コーナー床材(b),外側矩形床材(c)及び内側矩形床材(d)を示す平面図である。
図6】本実施形態において、足場支持部材を回動させ伸ばした状態の中央床板部を示す平面図である。
図7】本実施形態において、足場設置後の仮設足場を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明におけるポンプ用開口部の仮設足場の一実施形態を、図1から図7に基づいて説明する。
【0019】
本実施形態におけるポンプ用開口部の仮設足場1は、図1から図4に示すように、ポンプの据付用として躯体2に設けられたポンプ用開口部2aに複数の吊チェーン3で水平に設置可能な足場本体4を備えている。
上記足場本体4は、ポンプ用開口部2a内に挿入可能な中央床板部5と、中央床板部5に基端部が連結され基端部を軸にして水平状態の中央床板部5の外周縁から先端部を離間させた状態に水平面内で回動可能であると共に中央床板部5の外周縁に沿って折り畳み可能な複数の足場支持部材6と、複数の足場支持部材6を中央床板部5の外周縁から基端部を離間させた状態で、隣り合う足場支持部材6間に架け渡され、隣り合う足場支持部材6間の隙間を閉塞すると共に中央床板部5と共にポンプ用開口部2aを閉塞して設置可能な複数の外周床板部材8a~8dとを備えている。
【0020】
上記足場支持部材6は、中央床板部5の外周縁から基端部を離間させた状態で、伸縮可能である。
すなわち、足場支持部材6は、中央床板部5に基端部が回動可能に取り付けられた鋼製の角筒状の基端側部材6aと、基端側部材6a内に収納可能で基端側部材6aの先端から進退可能な鋼製の角筒状の先端側部材6bとを備えている。
中央床板部5の各角部には、一対の足場支持部材6の基端部が取り付けプレート6cを介して回動可能に取り付けられている。
【0021】
上記外周床板部材8a~8dは、足場支持部材6に係止可能に下方に突出した複数の爪部8eを備えている。
外周床板部材8a~8dは、アルミニウム製の板材であって、上記隙間の形状に応じて、図5に示すように、斜め板状の外側コーナー床材8a,略三角形状の内側コーナー床材8b,外側矩形床材8c,内側矩形床材8dの4種類が用いられている。
【0022】
なお、外側コーナー床材8a及び内側コーナー床材8bの爪部8eは、ヒンジ部8fを介して折り曲げ可能になっている。
また、爪部8eは、外側コーナー床材8a,外側矩形床材8c及び内側矩形床材8dの両端部に設けられていると共に、内側コーナー床材8bの互いに直交する2辺に設けられている。
【0023】
また、本実施形態のポンプ用開口部の仮設足場1は、図2及び図3に示すように、ポンプ用開口部2aの外周の躯体2の上面にポンプ用開口部2a上で架け渡し可能な足場吊り下げ支持部9と、足場吊り下げ支持部9に上部がボルト等で固定されていると共に下部が足場本体4にボルト等で着脱可能に固定された複数の吊り下げ部材10とを備えている。
上記足場吊り下げ支持部9は、互いに平行な一対の支持主軸部9aと、一対の支持主軸部9a間に架け渡され両端が固定されている複数の架橋部材9bとを備えている。
本実施形態では、4つの吊り下げ部材10が一対の支持主軸部9aから吊り下げられ、4つの吊り下げ部材10の下端が足場本体4の4つの角部近傍にボルト等で着脱可能に固定されている。
【0024】
上記吊り下げ部材10は、足場吊り下げ支持部9と足場本体4との間隔を調整可能である。
すなわち、吊り下げ部材10には、上下に間隔を空けて複数の取り付け孔10aが形成されており、これらの取り付け孔10aのうち躯体2の厚さに対応した位置に足場吊り下げ支持部9をボルトで固定することで、足場吊り下げ支持部9と足場本体4との間隔を調整することができる。
【0025】
さらに、本実施形態のポンプ用開口部の仮設足場1は、足場吊り下げ支持部9から足場本体4まで達しているタラップ部11と、タラップ部11の上方であって足場吊り下げ支持部9上に固定された手すり部12とを備えている。
なお、上記タラップ部11は、ユニバーサルタラップであって、取り外し可能に取り付けられている。
上記中央床板部5は、鋼製の四角形状の枠部材5aと、枠部材5a内を閉塞するように枠部材5a内に設けられた合板製の四角形状の中央板材5bとを備えている。
なお、足場本体4には、吊チェーン用の複数の吊金具5c,5dが取り付けられている。
【0026】
次に、本実施形態のポンプ用開口部の仮設足場1の設置方法について、説明する。
なお、事前に、躯体2の厚さに合わせて足場吊り下げ支持部9と足場本体4との間隔を吊り下げ部材10により調整しておく。
【0027】
まず、図2及び図3に示すように、足場本体4に吊り下げ部材10を介して足場吊り下げ支持部9を取り付けた状態の仮設足場1を、吊チェーン13で吊しながらポンプ用開口部2aに設置する。すなわち、図4に示すように折り畳んだ状態の足場支持部材6を足場本体4を、ポンプ用開口部2a内に挿入し、さらに、図2及び図3に示すように、足場吊り下げ支持部9をポンプ用開口部2aの外周の躯体2の上面にポンプ用開口部2a上で架け渡す。なお、足場本体4は、ポンプ用開口部2aの下部開口より僅かに下方に配置する。
【0028】
次に、躯体2上から作業者がタラップ部11を使って足場本体4まで降り、図6に示すように、各足場支持部材6を折り畳み状態から中央床板部5から基端部を離間させた状態まで回動させる。なお、同じ角部に基端部が取り付けられた隣り合う一対の足場支持部材6は、互いに90度となるように回動させ展開させ(中央床板部5が平面視で井の字状となる。)、足場本体4の外径をポンプ用開口部2aの内径よりも拡大させる。このとき、基端側部材6aの先端から先端側部材6bを引き出して伸ばしておく。すなわち、複数の足場支持部材6を回動させて先端部をポンプ用開口部2aの半径方向外方に離間させることで、足場本体4の外径をポンプ用開口部2aよりも拡大させる。このとき、複数の足場支持部材6の先端部がポンプ用開口部2a外周の躯体2下面まで達する。
【0029】
次に、隣り合う足場支持部材6間に、対応する形状の外周床板部材8a~8dを架け渡さし、隣り合う足場支持部材6間の隙間を閉塞する。このとき、外周床板部材8a~8dの爪部8eを足場支持部材6に引っ掛けた状態で外周床板部材8a~8dの設置を行う。これにより、外周床板部材8a~8dが、中央床板部5と共にポンプ用開口部2aの下部開口を閉塞する。
この状態で、足場本体4とポンプ用開口部2aの内周面とを、図7に示すように、吊金具5c及びアンカー(図示略)を介して複数の吊チェーン3でつなぎ、足場本体4を吊して支持する。
また、足場本体4と外部のクレーン等とを、吊金具5dを介して複数の吊チェーンでつなぎ、足場本体4を吊して支持しても構わない。
【0030】
さらに、足場本体4が吊り下げ支持された状態で、手すり部12及びタラップ部11と共に吊り下げ部材10及び足場吊り下げ支持部9を足場本体4から取り外すことで、作業者が足場本体4上でポンプ用開口部2a廻りでの基礎工事やポンプベースの施工等を行うことが可能になる。
このように、中央床板部5が挿入可能なポンプ用開口部2aであって、複数の足場支持部材6を回動させて拡大させた足場本体4の外径よりも小さいポンプ用開口部aであれば、異なる内径であっても足場を構成することができる。
なお、上記設置の手順と逆に行うことで、仮設足場1の撤去を行うことができる。
【0031】
このように本実施形態のポンプ用開口部の仮設足場1では、中央床板部5の外周縁から先端部を離間させた状態に水平面内で回動可能であると共に中央床板部5の外周縁に沿って折り畳み可能な複数の足場支持部材6と、隣り合う足場支持部材6間の隙間を閉塞する複数の外周床板部材8a~8dとを備えているので、複数の足場支持部材6を回動させて足場本体4の外径をポンプ用開口部2aの内径よりも拡大し、複数の外周床板部材8a~8dで隙間を塞ぐことで、異なる内径であってもポンプ用開口部2aを閉塞する閉止蓋となる足場を構成することができる。
【0032】
また、足場支持部材6が、中央床板部5の外周縁から基端部を離間させた状態で、伸縮可能であるので、ポンプ用開口部2aの大きさに合わせて足場支持部材6の長さを調整でき、足場本体4の外径をさらに拡げることで、より広いポンプ用開口部2aにも対応可能である。
また、外周床板部材8a~8dが、足場支持部材6に係止可能に下方に突出した爪部8eを備えているので、位置ずれを防止することができる。
【0033】
さらに、本実施形態のポンプ用開口部の仮設足場1では、ポンプ用開口部2aの外周の躯体2の上面にポンプ用開口部2a上で架け渡し可能な足場吊り下げ支持部9と、足場吊り下げ支持部9に上部が固定されていると共に下部が足場本体4に着脱可能に固定された複数の吊り下げ部材10とを備えているので、足場本体4を吊り下げ支持した状態で、足場吊り下げ支持部9をポンプ用開口部2a上で架け渡すことで、足場本体4をポンプ用開口部2a内に安定した状態で挿入でき、外周床板部材8a~8dの設置等を含む足場本体4の設置作業を安全に行うことができる。
【0034】
また、吊り下げ部材10が、足場吊り下げ支持部9と足場本体4との間隔を調整可能であるので、躯体2の厚さに合わせて足場吊り下げ支持部9と足場本体4との間隔を調整することができる。
さらに、足場吊り下げ支持部9から足場本体4まで達しているタラップ部11を備えているので、タラップ部11により作業者が容易にポンプ用開口部2aの外からポンプ用開口部2a内の足場本体4へアクセスすることができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、中央床板部の中央板部や外周床板部材をメッシュ状の板材で形成し、その上をシート等で覆っても構わない。
【符号の説明】
【0036】
1…仮設足場、2…躯体、2a…ポンプ用開口部、3…吊チェーン、4…足場本体、5…中央床板部、6…足場支持部材、8a~8d…外周床板部材、8e…爪部、9…足場吊り下げ支持部、10…吊り下げ部材、11…タラップ部、12…手すり部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7