(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240304BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2022134665
(22)【出願日】2022-08-26
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】三ツ井 麻子
(72)【発明者】
【氏名】岸 愛子
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-140460(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0092486(KR,A)
【文献】特開2022-007432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに実行されるためのプログラムであって、
ユーザが従事した経験のある職種及び従事時間に関する情報を含む職歴関連情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶されたユーザの職歴関連情報が採用基準又は不採用基準を満たす場合に、当該ユーザの採用面接が不要であると判定し、前記記憶部に記憶されたユーザの職歴関連情報が前記採用基準及び前記不採用基準のいずれも満たさない場合に、当該ユーザの採用面接が必要であると判定する判定ステップと、を前記情報処理装置のコンピュータに実行させ、
前記採用基準は、特定の職種の従事時間が予め定められた基準時間以上であることであり、
前記不採用基準は、前記特定の職種の従事時間が前記基準時間に一定の割合を乗じた時間未満であることであるプログラム。
【請求項2】
雇用期間中におけるユーザの勤務状況に基づいて、前記記憶部に記憶された当該ユーザの職歴関連情報を更新する更新ステップ、を前記情報処理装置のコンピュータにさらに実行させるための請求項
1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記判定ステップで、ユーザの採用面接が不要であると判定した場合、当該ユーザを採用予定者としてデータベースに登録する第1登録ステップ、を前記情報処理装置のコンピュータにさらに実行させるための請求項
1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記判定ステップで、ユーザの採用面接が必要であると判定した場合、採用面接結果の入力を受け付け、入力された採用面接結果に応じて当該ユーザを採用予定者として前記データベースに登録する第2登録ステップ、を前記情報処理装置のコンピュータにさらに実行させるための請求項
3に記載のプログラム。
【請求項5】
ユーザの求人への応募を受け付ける応募受付ステップ、を前記情報処理装置のコンピュータにさらに実行させ、
前記応募受付ステップでユーザから求人へ応募がなされる都度、前記判定ステップを前記情報処理装置のコンピュータに実行させるための請求項
1に記載のプログラム。
【請求項6】
予め設定された応募期間の間、ユーザの求人への応募を受け付ける応募受付ステップ、を前記情報処理装置のコンピュータにさらに実行させ、
前記応募期間が終了した後に、前記判定ステップを前記情報処理装置のコンピュータに実行させるための請求項
1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記判定ステップで、当該ユーザの採用面接が不要であると判定した場合、当該ユーザに採用面接不要で採用可能である旨を通知する通知ステップ、を前記情報処理装置のコンピュータにさらに実行させるための請求項
1に記載のプログラム。
【請求項8】
ユーザが過去に従事した経験のある職種及び合計従事時間に関する情報を含む職歴関連情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたユーザの職歴関連情報が採用基準又は不採用基準を満たす場合に、当該ユーザの採用面接が不要であると判定し、前記記憶部に記憶されたユーザの職歴関連情報が前記採用基準及び前記不採用基準のいずれも満たさない場合に、当該ユーザの採用面接が必要であると判定する判定部と、を備え、
前記採用基準は、特定の職種の従事時間が予め定められた基準時間以上であることであり、
前記不採用基準は、前記特定の職種の従事時間が前記基準時間に一定の割合を乗じた時間未満であることである情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新たに就業希望者を雇おうとする求人者に、その就業希望者の過去の勤め先での評価を提示できるようにする就業仲介システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、通信ネットワークを介して就業の仲介を行う就業仲介システムであって、求人者毎に各求人者が定める就業条件の情報を保持する求人者情報保持手段と、求人者の下で働いた者による求人者に対する評価を示す求人者評価情報を保持する求人者評価情報保持手段と、就業希望者が使用する就業希望者端末から就業希望者が希望する就業条件の情報を通信ネットワークを介して受信し、求人者情報保持手段が保持する情報に基づいて、就業希望者が希望する就業条件を満足する就業条件を定めている求人者を選択する求人者選択手段と、求人者選択手段が選択した求人者が定める就業条件の情報を求人者情報保持手段から抽出し、求人者の求人者評価情報を求人者評価情報保持手段から抽出し、就業条件の情報および求人者評価情報を就業希望者端末に送信する求人者情報提示手段とを備えた就業仲介システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるような技術においては、求職者の過去の勤め先での評価だけでは当該求職者の採否を判断することが難しい場合が多々あり得る。このため、求職者の採否の検討に必要な情報を収集するために求職者の採用面接を行うことが一般的であるが、全ての求職者について採用面接を実施すると、採用活動に多大な時間及び費用が必要となる。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、採用活動にかかる時間及び費用を抑制しつつ、求職者の採否の検討に必要な情報の収集を支援可能であるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るプログラムは、情報処理装置のコンピュータに実行されるためのプログラムであって、ユーザが従事した経験のある職種及び従事時間に関する情報、ユーザの勤怠情報、及び、ユーザの勤務についての雇用主による評価情報の少なくとも1つを含む職歴関連情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記記憶部に記憶されたユーザの職歴関連情報と採用基準とに基づいて、当該ユーザの採用を検討するために当該ユーザの採用面接が必要か否かを判定する判定ステップと、が前記情報処理装置のコンピュータに実行される。
【0007】
本開示に係る情報処理装置は、ユーザが過去に従事した経験のある職種及び合計従事時間に関する情報、ユーザの過去の勤怠情報、及び、ユーザの過去の勤務についての雇用主による評価情報の少なくとも1つを含む職歴関連情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたユーザの職歴関連情報と採用基準とに基づいて、当該ユーザの採用を検討するために当該ユーザの採用面接が必要か否かを判定する判定部と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るプログラム及び情報処理装置によれば、採用活動にかかる時間及び費用を抑制しつつ、求職者の採否の検討に必要な情報の収集を支援可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る仲介システムの全体構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る仲介システムが備える端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る仲介システムが備えるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係る仲介システムに記憶される職歴関連情報の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る仲介システムが備える端末に表示される募集情報リストの表示画面例である。
【
図6】実施の形態1に係る仲介システムが備える端末に表示される募集情報詳細の表示画面例である。
【
図7】実施の形態1に係る仲介システムが備える端末に表示される募集情報リストの表示画面例である。
【
図8】実施の形態1に係る仲介システムが備える端末に表示される募集情報詳細の表示画面例である。
【
図9】実施の形態1に係る仲介システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に係るプログラム及び情報処理装置を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1から
図9を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。
図1は仲介システムの全体構成を示す図である。
図2は仲介システムが備える端末の構成を示すブロック図である。
図3は仲介システムが備えるサーバの構成を示すブロック図である。
図4は仲介システムに記憶される職歴関連情報の一例を示す図である。
図5及び
図7は仲介システムが備える端末に表示される募集情報リストの表示画面例である。
図6及び
図8は仲介システムが備える端末に表示される募集情報詳細の表示画面例である。
図9は仲介システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【0012】
図1に示すように、この実施の形態に係る仲介システム400は、サーバ100と、端末200とを備えている。仲介システム400では、サーバ100と端末200とが、ネットワーク300を介して通信可能に接続されている。ここで説明する構成例では、仲介システム400のサーバ100は、ネットワーク300を介して、求人ユーザによる求職ユーザの雇用を仲介するサービス等を提供する。
【0013】
本開示に係る仲介システム400のユーザには、求職ユーザと求人ユーザの2種類が存在する。求職ユーザは、就業を希望する被雇用側のユーザである。求人ユーザは、労働者を雇うことを希望する雇用側のユーザである。サーバ100は、求人ユーザが登録した求人募集情報を求職ユーザが所有する端末200で閲覧できるようにする。また、サーバ100は、求職ユーザの端末200からの求人への応募を受け付け、受け付けた応募情報を求人ユーザに提供する。このようにして、仲介システム400により、求人ユーザによる求職ユーザの雇用が仲介される。
【0014】
ネットワーク300は、1以上の端末200と、1以上のサーバ100とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク300は、端末200がサーバ100に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。ネットワーク300のうちの1つ又は複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0015】
ネットワーク300は、例えば、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(Integrated Service Digital Networks)、無線LAN、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、又は、衛星通信等、もしくは、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク300は、1つ又は複数のネットワーク300を含むことができる。
【0016】
端末200は、本開示に係る実施形態の機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末200は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(例えば、デスクトップPC、ラップトップPC、タブレットPC等)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアント等)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイス等)、又は他種のコンピュータ、又はコミュニケーションプラットホームを含む。また、端末200は情報処理端末と表現されてもよい。
【0017】
サーバ100は、端末200に対して、所定のサービスを提供する機能を備える。サーバ100は、本開示に係る実施形態の機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ100は、例えば、サーバ装置、コンピュータ(例えば、デスクトップPC、ラップトップPC、タブレットPC等)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアント等)、あるいは他種のコンピュータ、又はコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ100は情報処理装置と表現されてもよい。サーバ100と端末200とを区別する必要がない場合は、サーバ100と端末200とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0018】
それぞれの端末200の構成は基本的には同一である。次に、
図2を参照しながら、端末200の構成について説明する。端末200は、端末制御部230、端末記憶部220、端末通信部210、入出力部240、表示部250、マイク260、スピーカ270及びカメラ280を備える。端末200のハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続されている。なお、端末200のハードウェア構成として、ここで説明する全ての構成要素を含むことは必須ではない。例えば、端末200は、カメラ280等の個々の構成要素、又は複数の構成要素を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0019】
端末通信部210は、ネットワーク300を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。端末通信部210は、ネットワーク300を介して、サーバ100との通信を実行する機能を有する。端末通信部210は、端末送信部211及び端末受信部212を含んでいる。端末送信部211は、各種データを端末制御部230からの指示に従って、サーバ100に送信する。端末受信部212は、サーバ100から送信された各種データを受信し、端末制御部230に伝達する。また、端末通信部210を端末通信I/F(インタフェース)と表現する場合もある。また、端末通信部210が物理的に構造化された回路で構成される場合には、端末通信回路と表現する場合もある。
【0020】
入出力部240は、入力部及び出力部を含む。入力部は、端末200に対する各種操作を入力する装置である。出力部は、端末200で処理された処理結果を出力する装置である。入出力部240は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、入力部と出力部に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。
【0021】
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を端末制御部230に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。入力部は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0022】
出力部は、端末制御部230で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。出力部は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ(音声出力)、レンズ(例えば3D(Three Dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンター等を含む。
【0023】
表示部250は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。表示部250は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(例えば、液晶ディスプレイやOELD(Organic Electroluminescence Display)等)、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中等(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部250は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0024】
なお、入出力部240がタッチパネルを有する場合、入出力部240と表示部250とは、略同一の大きさ及び形状で対向して配置されていてもよい。
【0025】
端末制御部230は、プログラム内に含まれたコード又は命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、例えば、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、端末制御部230は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0026】
端末制御部230は、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、プロセッサコア(Processor Core)、マルチプロセッサ(Multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含む。
【0027】
端末記憶部220は、端末200が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。端末記憶部220は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等各種の記憶媒体を含む。また、端末記憶部220は、メモリ(Memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0028】
端末200は、プログラムを端末記憶部220に記憶し、このプログラムを実行することで、端末制御部230が、端末制御部230に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、端末記憶部220に記憶されるプログラムは、端末200に、端末制御部230が実行する各機能を実現させる。換言すれば、端末200においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、端末200のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、端末200が備える各部の機能が実現される。なお、このプログラムは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0029】
マイク260は、音声データの入力に利用される。スピーカ270は、音声データの出力に利用される。カメラ280は、動画像データ及び/又は静止画像データの取得に利用される。
【0030】
次に、
図3を参照しながら、サーバ100の構成について説明する。サーバ100は、サーバ制御部130、サーバ記憶部120及びサーバ通信部110を備えている。サーバ100のハードウェアの各構成要素は、例えば、バスを介して相互に接続されている。
【0031】
サーバ制御部130は、プログラム内に含まれたコード又は命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、例えば、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。サーバ制御部130は、代表的には中央処理装置(CPU)であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGA等であってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、サーバ制御部130は、これらに限定されない。
【0032】
サーバ記憶部120は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。サーバ記憶部120は、HDD、SSD、フラッシュメモリ等各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、サーバ記憶部120は、これらに限定されない。また、サーバ記憶部120は、メモリ(Memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0033】
サーバ通信部110は、ネットワーク300を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。サーバ通信部110は、ネットワーク300を介して、端末200との通信を実行する機能を有する。サーバ通信部110は、サーバ送信部111及びサーバ受信部112を含んでいる。サーバ送信部111は、各種データをサーバ制御部130からの指示に従って、端末200に送信する。また、サーバ通信部110は、端末200から送信された各種データを受信し、サーバ制御部130に伝達する。また、サーバ通信部110をサーバ通信I/F(インタフェース)と表現する場合もある。また、サーバ通信部110が物理的に構造化された回路で構成される場合には、サーバ通信回路と表現する場合もある。
【0034】
なお、サーバ100は、ハードウェア構成として、入出力部及びディスプレイを備えてもよい。入出力部は、サーバ100に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をサーバ制御部130に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。ディスプレイは、代表的にはモニタ(例えば、液晶ディスプレイやOELD等)で実現される。この場合、例えば、サーバ100のハードウェアは、ディスプレイを取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0035】
サーバ100は、プログラムをサーバ記憶部120に記憶し、このプログラムを実行することで、サーバ制御部130が、サーバ制御部130に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、サーバ記憶部120に記憶されるプログラムは、サーバ100に、サーバ制御部130が実行する各機能を実現させる。換言すれば、サーバ100においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、サーバ100のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、サーバ100が備える各部の機能が実現される。なお、このプログラムは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0036】
なお、端末200の端末制御部230、及び/又は、サーバ100のサーバ制御部130は、制御回路を有するCPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよいし、そうでなくてもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、本開示に係る実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0037】
また、本開示に係る実施形態のプログラム(例えば、ソフトウェアプログラム、コンピュータプログラム、又はプログラムモジュール)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、されなくてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。また、プログラムは、本開示に係る実施形態の機能の一部を実現するためのものであってもよいし、そうでなくてもよい。さらに、本開示に係る実施形態の機能を記憶媒体に既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0038】
記憶媒体は、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カード、又はドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、もしくは、これらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムを記憶可能であれば、どのようなデバイス又は媒体であってもよい。また、記憶媒体をメモリ(Memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0039】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ100及び/又は端末200に提供されてもよいし、されなくてもよい。プログラムが伝送媒体を介して提供される場合、サーバ100及び/又は端末200は、例えば、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することが可能である。
【0040】
また、本開示に係る実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。また、サーバ100及び/又は端末200における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。また、端末200における処理の少なくとも一部を、サーバ100により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、端末200の端末制御部230の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、サーバ100で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。また、サーバ100における処理の少なくとも一部を、端末200により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、サーバ100のサーバ制御部130の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、端末200で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
【0041】
なお、本開示のプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)等のオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5等のマークアップ言語等を用いて実装され得る。
【0042】
この実施の形態に係る仲介システム400においては、
図3に示すように、サーバ100のサーバ記憶部120は、募集情報記憶部121、職歴関連情報記憶部122及び採用予定者情報記憶部123を含んでいる。募集情報記憶部121は、採用を行う求人ユーザが入力した募集要項、募集期間等の募集情報を求人として記憶する。募集情報には、勤務地、勤務日時、時給、業務内容、応募者に求める条件、必要人数、応募期限等が含まれている。応募者に求める条件については、公開情報と非公開情報とが含まれていてもよい。例えば、最低限として求める条件(例えば、調理の経験あり等)や、持っていると好ましいスキル等の情報は公開情報としてもよい。また、例えば、後述するユーザの勤怠情報について条件や、ユーザの勤務についての雇用主による評価情報についての条件等は、非公開情報としてもよい。
【0043】
また、募集情報として、採用者決定手続きに関する情報が含まれていてもよい。この場合、採用者決定手続きとして、具体的に例えば、応募者は無条件で採用する、応募者の情報を閲覧して求人ユーザが最終的に採否を決定する、必要に応じて応募者の採用面接を行って採否を決定する等を挙げることができる。
【0044】
求人ユーザは、当該求人ユーザが所持する端末200を用いて、募集情報を入力する。入力された募集情報は、当該端末200の端末送信部211からネットワークを介してサーバ100に送信される。サーバ100のサーバ受信部112は、端末200から送信された募集情報を受信する。そして、募集情報記憶部121は、サーバ100が受信した募集情報を記憶する。
【0045】
職歴関連情報記憶部122は、求職ユーザの職歴関連情報を記憶する。求職ユーザの職歴関連情報には、当該ユーザが従事した経験のある職種及び従事時間に関する情報、当該ユーザの勤怠情報、及び、当該ユーザの勤務についての雇用主による評価情報の少なくとも1つが含まれている。
【0046】
ユーザが従事した経験のある職種としては、例えば、事務、接客、レジ打ち、品出し、調理、配達・運搬等を挙げることができる。ユーザの勤怠情報とは、例えば、遅刻、欠席、就業開始時間直前でのキャンセル等についての情報である。ユーザの勤務についての雇用主による評価情報は、求職ユーザの就業が終了した際に、求人ユーザによってなされる当該求職ユーザについての評価に関する情報である。ユーザの勤務についての雇用主による評価情報として、具体的に例えば、ユーザの業務スキルに関する評価、ユーザの人柄に関する評価、ユーザを再度雇いたいか否かの評価等を挙げることができる。ユーザの業務スキル及び人柄に関する評価は、それぞれ例えば最低評価の「1」から最高評価の「5」までの5段階で評価がなされる。また、ユーザを再度雇いたいか否かの評価は、例えば「再度雇いたい」、「再度雇いたくない」及び「どちらでもない」の3段階で評価がなされる。職歴関連情報記憶部122に記憶される求職ユーザの職歴関連情報には、当該ユーザの基本情報、例えば、氏名、年齢、性別、住所等や、当該ユーザが自己申告した職歴、スキルに関する情報が含まれていてもよい。
【0047】
図4を参照しながら、職歴関連情報記憶部122に記憶される求職ユーザの職歴関連情報の一例について説明する。同図に示すのは、ある1人の求職ユーザについての職歴関連情報の具体的な例である。図示の例では、職歴関連情報にユーザが従事した経験のある業種及び職種、勤務日時が含まれている。職種及び勤務日時から、当該ユーザの従事経験がある職種と職種ごとの従事時間とを求めることができる。また、同図に示す例では、ユーザの勤務についての雇用主による評価情報として、当該ユーザの業務スキル評価、人柄評価及び再度雇いたいか否かの評価が含まれている。さらに、雇用主が任意に入力可能なコメントも職歴関連情報記憶部122に記憶される情報に含まれている。なお、再度雇いたいか否かの評価の「Y」は「再度雇いたい」を表し、「N」は「再度雇いたくない」を表している。
【0048】
採用予定者情報記憶部123は、後述する判定部133により採用であると判定された求職ユーザを採用予定者として記憶する。以上のようにして、サーバ記憶部120には、募集情報記憶部121、職歴関連情報記憶部122及び採用予定者情報記憶部123により、仲介サービスに必要な情報のデータベースが構築されている。
【0049】
この実施の形態に係る仲介システム400においては、サーバ100は、サーバ制御部130により実現される機能として、募集情報管理部131、応募受付部132、判定部133、採用予定者情報管理部134及び職歴関連情報管理部135を備えている。募集情報管理部131は、サーバ記憶部120の募集情報記憶部121に記憶されている募集情報を管理する。例えば、募集情報管理部131は、求人ユーザが所持する端末200から送信された募集情報をサーバ受信部112が受信すると、サーバ100が受信した募集情報で募集情報記憶部121に記憶されている情報を更新する。
【0050】
また、募集情報管理部131は、応募期間中の募集情報を求職ユーザが閲覧可能な状態にする。求職ユーザは、当該求職ユーザが所持する端末200でサーバ100にアクセスすることで、応募期間中の募集情報を閲覧することができる。募集情報管理部131は、例えばサーバ記憶部120の職歴関連情報記憶部122に記憶されている、求職ユーザのユーザ情報を確認し、当該ユーザに合った求人募集をリコメンドする機能を有していてもよい。
【0051】
募集情報を閲覧した求職ユーザは、就業を希望する募集があれば、自身の端末200を操作して、当該募集に応募することができる。サーバ100の応募受付部132は、求職ユーザの端末200でなされた応募操作に応じて、指定された募集情報への応募を受け付ける処理を行う。
【0052】
次に、求職ユーザが募集情報の閲覧及び募集への応募を行う際の仲介システム400における処理の一例について説明する。求職ユーザが端末20において、募集情報リストの閲覧操作をすると、当該端末200の端末送信部211は、サーバ100に募集情報リスト送信リクエストを送信する。サーバ受信部112が募集情報リスト送信リクエストを受信すると、サーバ100の募集情報管理部131は、当該募集情報リスト送信リクエストに係る求職ユーザに提示可能である募集情報を募集情報記憶部121に記憶されている募集情報からリストアップし、募集情報リストを作成する。そして、サーバ送信部111は、募集情報管理部131により作成されたされた募集情報リストを、リクエスト送信元の端末200に送信する。端末受信部212が募集情報リストを受信すると、端末200の端末制御部230は、受信した募集情報リストを当該端末200の表示部250に表示させる。このようにして、端末200の表示部250には、求職ユーザが閲覧可能な募集情報がリスト形式で表示される。
【0053】
図5に示すのは、募集情報リストの表示画面例である。同図に示す表示画面例では、募集情報が時給順にソートされたリスト形式で表示されている。募集情報のソート順は、時給順に限らず、他に例えば、勤務先の50音順や勤務予定日時が近い順等であってもよい。また、求職ユーザが端末200を操作することでソート順を変更できるようにしてもよい。図示の例では、それぞれの募集情報について、勤務先、時給、勤務予定日時、業務内容、採用条件が表示されている。なお、この募集情報リストの表示画面において、所望の条件を入力することで、表示部250に表示する募集情報を絞り込めるようにしてもよい。また、端末200からサーバ100に募集情報リスト送信リクエストを送信する際に、所望の検索条件を併せて送信してもよい。この場合、募集情報管理部131は、募集情報記憶部121に記憶されている募集情報のうち検索条件に合致するものだけをリストアップして、募集情報リストを作成する。
【0054】
求職ユーザが端末200を操作し、表示部250に表示された募集情報リストのうちの1つの募集情報を選択すると、表示部250の表示画面は、選択された募集情報の詳細表示画面に遷移する。募集情報の選択は、具体的に例えば、所望の募集情報をタップしたり、クリックしたりすることで行うことができる。表示された募集情報リストのうちの1つの募集情報を選択する操作が端末200でなされると、当該端末200の端末送信部211は、選択された募集情報の送信リクエストをサーバ100に送信する。サーバ受信部112が募集情報送信リクエストを受信すると、サーバ100の募集情報管理部131は、当該募集情報の詳細情報を募集情報記憶部121に記憶されている募集情報から取得する。そして、サーバ送信部111は、募集情報管理部131により取得された募集情報を、リクエスト送信元の端末200に送信する。端末受信部212が募集情報を受信すると、端末200の端末制御部230は、受信した募集情報の詳細を当該端末200の表示部250に表示させる。
【0055】
図6に示すのは、募集情報リストの詳細情報の表示画面例である。同図に示す表示画面例では、募集情報の詳細情報として、勤務先、時給、勤務予定日時、業務内容、採用条件に加えて、さらに勤務地の住所、連絡先等が表示されている。また、図示の例では、応募ボタン501が表示されている。求職ユーザが端末200を操作し、応募ボタン501を押下すると、当該端末200の端末送信部211は、当該募集情報の応募受付リクエストをサーバ100に送信する。サーバ受信部112が募集情報の応募受付リクエストを受信すると、サーバ100の応募受付部132は、応募受付リクエストに係る募集情報への応募を受け付ける処理を行う。
【0056】
サーバ100の判定部133は、応募受付部132が応募を受け付けると、応募した求職ユーザの採否について判定する。まず、判定部133は、募集情報記憶部121に記憶されている募集情報に基づいて、当該募集の採用基準を特定する。採用基準は、例えば、当該募集における、採用者決定手続きや応募者に求める条件に基づいて特定される。具体的に例えば、応募者を無条件で採用する場合、採用基準は応募することになる。そして、判定部133は、応募者は採用であると判定する。
【0057】
また、求人ユーザが応募者の情報を確認して採否を決定する場合、判定部133は、応募者の基本情報及び職歴関連情報の一方又は両方を職歴関連情報記憶部122から取得する。そして、サーバ送信部111は、取得した情報を、当該募集を出稿した求人ユーザの端末200に送信する。求人ユーザは、端末200で受信した応募者の情報を確認し、当該応募者の採否を決定する。求人ユーザは決定した採否を端末200に入力し、端末200は当該応募者の採否情報をサーバ100に送信する。そして、判定部133は、サーバ受信部112が受信した採否情報に従って、当該応募者の採否を判定する。なお、複数人の求職ユーザから応募があった場合は、複数の応募者の情報をリストにして求人ユーザに提示してもよい。
【0058】
また、必要に応じて応募者の採用面接を行って採否を決定する場合、判定部133は、まず、募集情報記憶部121に記憶されている募集情報に基づいて、当該募集の採用基準を特定する。判定部133は、例えば、当該募集において応募者に求める条件に基づいて採用基準を特定する。そして、判定部133は、特定した採用基準と職歴関連情報記憶部122に記憶されたユーザの職歴関連情報とに基づいて、当該ユーザの採用を検討するために当該ユーザの採用面接が必要か否かを判定する。
【0059】
この場合、判定部133は、応募者の職歴関連情報が採用基準を満たしている場合、当該応募者は採用面接不要で採用であると判定する。また、判定部133は、応募者の職歴関連情報が、採用基準を満たしていない場合、当該応募者の採用を検討するために当該応募者の採用面接が必要であると判定する。
【0060】
判定部133による判定結果は、サーバ送信部111から当該募集を出した求人ユーザの端末200に送信される。求人ユーザは、この判定結果により、応募者である求職ユーザの採用を検討するために当該ユーザの採用面接が必要か否かを確認できる。そして、求人ユーザは、必要であると判定された場合だけ求職ユーザの採用面接を行えばよい。
【0061】
このようにすることで、職歴関連情報記憶部122に記憶されている情報だけから採否が判断できる求職ユーザについては採用面接を行うことなく、採用を行うことができるとともに、職歴関連情報記憶部122に記憶されている情報だけからでは採否を判断が難しい求職ユーザについては、求人ユーザが採用面接を行って、採否の検討に必要な情報を求職ユーザから直接に得ることができる。したがって、採用活動にかかる時間及び費用を抑制しつつ、求人ユーザが、求職ユーザの採否の検討に必要な情報を収集することを支援可能である。
【0062】
なお、判定部133は、採用基準に加えて不採用基準も用いて、ユーザの採用を検討するために当該ユーザの採用面接が必要か否かを判定してもよい。換言すれば、判定部133は、採用基準と不採用基準と職歴関連情報記憶部122に記憶されたユーザの職歴関連情報とに基づいて、当該ユーザの採用を検討するために当該ユーザの採用面接が必要か否かを判定してもよい。
【0063】
この場合、判定部133は、応募者の職歴関連情報が採用基準を満たしている場合、当該応募者は採用面接不要で採用であると判定する。また、判定部133は、応募者の職歴関連情報が不採用基準を満たしている場合、当該応募者は採用面接不要で不採用であると判定する。そして、判定部133は、応募者の職歴関連情報が、採用基準及び不採用基準のいずれも満たしていない場合、当該応募者の採用を検討するために当該応募者の採用面接が必要であると判定する。
【0064】
次に、採用基準及び不採用基準と、面接要否の判定について、具体例を挙げながら説明する。第1の例として、応募者に求める条件が特定の職種について一定以上の従事時間であることである場合、この応募者に求める条件を採用基準とし、不採用基準を、採用基準の従事時間に一定の割合(例えば1/5)を乗じた時間に基づいて設定する。具体的に例えば、応募者に求める条件が「調理業務の従事時間が40時間以上」である場合、採用基準を「調理業務の従事時間が40時間以上」とし、不採用基準を「調理業務の従事時間が8時間未満」とする。
【0065】
この第1の例では、判定部133は、応募者の調理業務の従事時間が採用基準を満たす40時間以上である場合、当該応募者は採用面接不要で採用であると判定する。また、判定部133は、応募者の調理業務の従事時間が不採用基準を満たす8時間未満である場合、当該応募者は採用面接不要で不採用であると判定する。そして、判定部133は、応募者の調理業務の従事時間が採用基準及び不採用基準のいずれも満たさない場合、すなわち、応募者の調理業務の従事時間が8時間以上40時間未満である場合、当該応募者の採用を検討するために当該応募者の採用面接が必要であると判定する。
【0066】
この場合、採用基準に条件をさらに追加してもよい。例えば、採用基準として、調理業務の従事時間が40時間以上であることに加えて、無断欠勤の履歴がないことを採用条件としてもよい。また、人柄評価が5段階の「3」以上、及び、再度雇いたいか否かの評価で「再度雇いたい」が50%以上の一方又は両方を満たすことをさらに採用条件に追加してもよい。
【0067】
第2の例は、応募者に求める条件に複数の条件が含まれている場合、満たしている条件の数により、採用条件及び不採用条件を定めるものである。例えば、応募者に求める条件として以下の第1条件から第5条件の5つの条件があるとする。
【0068】
・第1条件:調理業務の従事時間が8時間以上
・第2条件:無断欠勤の履歴がない
・第3条件:人柄評価が5段階の「3」以上
・第4条件:接客業務の従事時間が8時間以上
・第5条件:再度雇いたいか否かの評価で「再度雇いたい」が50%以上
【0069】
そして、採用条件は、これら5つの条件の全てに当てはまることとする。また、不採用条件は、当てはまる条件の数が1つ以下とする。この場合、判定部133は、応募者の職歴関連情報が5つの条件の全てを満たす場合、当該応募者は採用面接不要で採用であると判定する。また、判定部133は、応募者の職歴関連情報が満たしている条件の数が1つ以下の場合、当該応募者は採用面接不要で不採用であると判定する。そして、判定部133は、応募者の職歴関連情報が満たしている条件の数が2つ以上4つ以下の場合、当該応募者の採用を検討するために当該応募者の採用面接が必要であると判定する。
【0070】
この第2の例においては、それぞれの条件について重み付けをして評価を行ってもよい。例えば、前述した第1条件から順に重要であるとした場合、それぞれの条件に当てはまる場合に以下の点数を加算する。そして、判定部133は、それぞれの応募者について、合計点数に基づいて採用面接の要否、採用不採用を判定してもよい。
【0071】
・第1条件:5点
・第2条件:4点
・第3条件:3点
・第4条件:2点
・第5条件:1点
【0072】
このような第2の例によれば、当てはまる条件数又は点数により、応募者の相対評価が可能になる。このため、特に応募者が採用予定人数よりも多い場合等に、相対評価がよい応募者から順に採用面接を行うことが可能であり、さらに効率的な採用活動を支援することができる。また、相対評価が低い応募者については一旦保留として、例えば応募期間の終了時に採用予定人数の応募が集まらなかった場合に採用面接を行う等の柔軟な対応も可能である。なお、この第2の例においては、採用条件及び採用面接の要否判定条件の一方又は両方において、必須条件を設定してもよい。例えば、前述した第1条件から第5条件のうちで第2条件を必須条件とする。この場合、応募者の職歴関連情報が満たしている条件の数が2つ以上であっても、第2条件が満たされていないければ、判定部133は、当該応募者は採用面接不要で不採用であると判定する。
【0073】
第3の例も、第2の例と同じく、応募者に求める条件に複数の条件が含まれている場合である。そして、この第3の例では、複数の条件のそれぞれについて満たしているか否かの組み合わせにより、採用条件及び不採用条件を定める。例えば、応募者に求める条件として、第1条件:調理業務の従事時間が50時間以上、第2条件:人柄評価が5段階の「3」以上、の2つの条件があるとする。この場合、これらの各条件を満たしているか否かについて、以下の4つの組み合わせが考えられる。
【0074】
・第1条件及び第2条件の両方を満たしている。
・第1条件を満たしているが、第2条件は満たしていない。
・第1条件は満たしていないが、第2条件は満たしている。
・第1条件及び第2条件の両方とも満たしていない。
【0075】
例えば、応募者の職歴関連情報が両方の条件を満たしている場合、判定部133は、当該応募者は採用面接不要で採用であると判定する。また、判定部133は、応募者の職歴関連情報が両方の条件のいずれも満たしていない場合、当該応募者は採用面接不要で不採用であると判定する。そして、判定部133は、応募者の職歴関連情報が両方の条件のいずれか一方のみを満たしている場合、当該応募者の採用を検討するために当該応募者の採用面接が必要であると判定する。
【0076】
この第3の例では、前述した第1条件、第2条件とは別に不採用条件を設定してもよい。例えば、不採用条件として、調理業務の従事時間が8時間未満、及び、人柄評価が5段階の「1」以下のいずれか一方又は両方を満たすこと、という条件を設定することが考えられる。そして、第1条件及び第2条件の両方とも満たしていない場合、不採用条件を満たしていないのであれば、直ちに不採用とするのではなく、第2の例において説明したように一旦保留としてもよい。
【0077】
なお、職歴関連情報のうちユーザの勤務についての雇用主による評価情報については、当該評価を行った雇用主がどの求人ユーザであるのかを加味できるようにしてもよい。例えば、求人ユーザ自身が過去に行った評価を重視したり、特定の求人ユーザ(例えば有名企業、大手企業等)による評価を重視したりしてもよい。また、長い就業期間における評価を短い就業期間における評価よりも重視できるようにしてもよい。
【0078】
さらに、業種、業態ごとに評価値を算出できるようにしてもよい。すなわち、判定を行う対象の求人と同じ業種や同じ職種での評価情報を抽出して判定に用いるようにしてもよい。これにより、業種、業態による評価傾向の違い等に左右されずに判定することができる。例えば、人柄に関する評価が厳しい業種の求人ユーザの場合、他業種の雇用主が行った評価値を元に判定すると、当該求人ユーザが本当に望むラインを下回るような求職ユーザも条件に合致してしまう。判定対象の求人と同業種・同職種での評価情報を抽出して判定に用いることで、このようなミスマッチを抑制できる。
【0079】
なお、職歴関連情報記憶部122に記憶される求職ユーザの職歴関連情報には、当該ユーザを過去に雇用した雇用主(求人ユーザ)の情報や、当該ユーザが過去に勤務した店舗名等がさらに含まれていてもよい。この場合、採用条件及び採用面接の要否判定条件の一方又は両方に当該求人と同一の店舗での過去勤務経験があるか否かを含むようにしてもよい。このようにすることで、例えば、過去に同一店舗の勤務経験があり、習熟度の高い求職ユーザを選別できる。
【0080】
採用予定者情報管理部134は、採用予定者情報記憶部123に記憶されている採用予定者の情報を管理する。例えば、採用予定者情報管理部134は、判定部133により採用であると判定された求職ユーザを採用予定者として採用予定者情報記憶部123に記憶させる。すなわち、判定部133が、応募者である求職ユーザの職歴関連情報が採用基準を満たしており、当該ユーザの採用面接が不要であると判定した場合、採用予定者情報管理部134は、当該求職ユーザを採用予定者としてサーバ記憶部120のデータベースに登録する。この際、募集情報管理部131は、採用予定者が決まった募集について、採用予定人数を1人減らす。
【0081】
また、判定部133により採用面接が必要である判定された場合、採用予定者情報管理部134は、求人ユーザによる当該求職ユーザの採用面接結果の入力を受け付ける。そして、入力された採用面接結果が採用であれば、採用予定者情報管理部134は、当該求職ユーザを採用予定者として採用予定者情報記憶部123に記憶させる。一方、入力された採用面接結果が不採用であれば、採用予定者情報記憶部123には記憶されない。すなわち、採用予定者情報管理部134は、入力された採用面接結果に応じて当該求職ユーザを採用予定者としてサーバ記憶部120のデータベースに登録する。
【0082】
職歴関連情報管理部135は、職歴関連情報記憶部122に記憶されている職歴関連情報を管理する。雇用期間中における求職ユーザの勤務状況に基づいて、職歴関連情報記憶部122に記憶されている当該ユーザの職歴関連情報を更新する。例えば、職歴関連情報管理部135は、採用された求職ユーザの出退勤記録に基づいて、当該ユーザの従事経験のある職種及び従事時間に関する情報、並びに、当該ユーザの勤怠情報を更新する。
【0083】
また、職歴関連情報管理部135は、当該ユーザの勤務についての雇用主による評価情報の入力を受け付け、入力された情報に基づいて、職歴関連情報記憶部122に記憶されている職歴関連情報を更新する。例えば、求職ユーザを採用した雇用主である求人ユーザは、当該求職ユーザのスキル、勤務中における態度、人柄(快活さ、丁寧さ、迅速さ、正確さ)等について、例えば4~5段階程度で評価する。また、雇用主である求人ユーザが、総合的に見て、当該求職ユーザをもう一度採用したいか否かを評価できるようにしてもよい。
【0084】
この実施の形態に係る仲介システム400において、判定部133による判定処理を行うタイミングについて、次に説明する。判定部133は、応募受付部132が求人への応募を受け付ける都度、当該応募に係る求職ユーザについての採否、採用面接要否を判定してもよい。このようにすることで、応募した求職ユーザを長時間にわたって待たせることなく、採否や採用面接についての連絡を行うことができる。
【0085】
また、応募受付部132が予め設定された応募期間の間、求人への応募を受け付ける場合、判定部133は、当該応募期間が終了した後に応募期間中になされた応募について一括して採否、採用面接要否を判定してもよい。このようにすることで、複数の応募者についての相対評価を加味した判定を行いやすくすることができる。
【0086】
さらに、判定部133は、求職ユーザによる求人への応募を応募受付部132が受け付ける前に、仮に当該求職ユーザが応募したとした場合の採否、採用面接要否を判定してもよい。例えば、サーバ受信部112が前述の募集情報リスト送信リクエストを受信して募集情報管理部131が募集情報リストを作成する際に、判定部133は、仮に当該求職ユーザが募集情報リストの募集に応募したとした場合の採否、採用面接要否を判定する。そして、判定部133の判定結果が採用である場合、サーバ送信部111は、当該ユーザの端末200に対し、募集情報リストとともに採用面接不要で採用可能である旨の特別オファーを送信してもよい。換言すれば、サーバ100は、ユーザの職歴関連情報が採用基準を満たしており、当該ユーザの採用面接が不要であると判定部133が判定した場合、当該ユーザに採用面接不要で採用可能である旨を通知してもよい。また、募集情報管理部131は、採用面接が不要であると判定された募集情報のみを抽出して募集情報リストを作成してもよい。一方、判定部133の判定結果が不採用である場合、募集情報管理部131は、当該ユーザの端末200に送信する募集情報リストから、判定結果が不採用の募集情報を除外してもよい。このようにすることで、応募しても採用される可能性が極めて低い募集については、はじめから求職ユーザに提示しないようにできる。
【0087】
図7に示すのは、募集情報リストの表示画面例である。同図に示す表示画面例では、募集情報リストのうちで、判定部133の判定結果が採用である募集情報に特別オファーメッセージ502が表示されている。この特別オファーメッセージ502により、当該募集については採用面接不要で採用可能である旨を求職ユーザに通知できる。
【0088】
他に例えば、サーバ受信部112が前述の募集情報送信リクエストを受信した際に、判定部133は、仮に当該求職ユーザが当該リクエストに係る募集情報に応募したとした場合の採否、採用面接要否を判定してもよい。この場合、判定部133の判定結果が採用である場合、サーバ送信部111は、当該ユーザの端末200に対し、募集情報の詳細とともに採用面接不要で採用可能である旨の特別オファーを送信してもよい。一方、判定部133の判定結果が不採用である場合、当該求職ユーザの端末200の表示部250に表示されている募集情報の詳細画面において、当該募集への応募操作ができない(例えば、前述の応募ボタン501が表示されない)ようにしてもよい。
【0089】
図8に示すのは、募集情報詳細の表示画面例である。同図に示す表示画面例では、判定部133の判定結果が採用である募集情報の詳細画面に特別オファーメッセージ502が表示されている。この特別オファーメッセージ502により、当該募集については採用面接不要で採用可能である旨を求職ユーザに通知できる。
【0090】
次に、
図9のフロー図を参照しながら、この実施の形態に係る仲介システム400の動作例について説明する。まず、ステップS10において、求人ユーザが端末200を操作して募集情報を入力すると、入力した募集情報が端末200からサーバ100に送信される。続くステップS11において、サーバ100の募集情報管理部131は、サーバ受信部112が受信した募集情報を募集情報記憶部121に記憶させて、募集情報記憶部121に記憶されている募集情報を更新する。そして、募集情報管理部131は、応募期間中の募集情報を公開し、求職ユーザが閲覧可能な状態にする。さらに続くステップS12において、端末200で募集情報を閲覧した求職ユーザが募集に応募すると、サーバ100の応募受付部132は、求職ユーザの端末200でなされた応募操作に応じて、指定された募集情報への応募を受け付ける処理を行う。ステップS12の後、サーバ制御部130は次にステップS13の処理を行う。
【0091】
ステップS13においては、サーバ制御部130の判定部133は、ステップS12において応募受付部132で受け付けた応募の求職ユーザの職歴関連情報が、当該応募の採用基準を満たしているか否かを判定する。採用基準を満たしている場合、ステップS14において、判定部133は当該ユーザは採用であり、当該ユーザの採用面接が不要であると判定する。そして、続くステップS15において、採用予定者情報管理部134は、当該ユーザを採用予定者としてデータベースに登録する。
【0092】
一方、ステップS13で、採用基準を満たしていない場合、ステップS16において、判定部133は、ステップS12において応募受付部132で受け付けた応募の求職ユーザの職歴関連情報が、当該応募の不採用基準を満たしているか否かを判定する。不採用基準を満たしている場合、ステップS17において、判定部133は当該ユーザは不採用であり、当該ユーザの採用面接が不要であると判定する。そして、続くステップS18において、サーバ送信部111から当該ユーザの端末200に、不採用の旨の通知を送信する。
【0093】
一方、ステップS16で、不採用基準を満たしていない場合、ステップS19において、判定部133は、当該ユーザは採用でも不採用でもなく、当該ユーザの採用面接が必要であると判定する。そして、続くステップS20において、サーバ送信部111から当該ユーザの端末200に、採用面接を案内する通知を送信する。
【0094】
ステップS20の後、仲介システム400は次にステップS21の処理を行う。すなわち、ステップS21で求人ユーザが端末200を操作して採用面接結果を入力すると、入力した募集情報が端末200からサーバ100に送信される。続くステップS22において、サーバ100の採用予定者情報管理部134は、サーバ受信部112が受信した採用面接結果が採用であれば、当該ユーザを採用予定者としてデータベースに登録する。
【0095】
ステップS15又はS22の後、仲介システム400は次にステップS23の処理を行う。ステップS23においては、職歴関連情報管理部135は、採用された求職ユーザの雇用期間中における勤務状況に基づいて、職歴関連情報記憶部122に記憶されている当該ユーザの職歴関連情報を更新する。
【0096】
以上のように構成された、本開示に係るプログラム及び情報処理装置は、被雇用側の求職ユーザに雇用側の求人ユーザが登録した募集情報を提供し、就業を希望する求職ユーザの求人ユーザによる雇用を仲介するためのプログラム及び情報処理装置において活用することができる。
【符号の説明】
【0097】
100 サーバ
110 サーバ通信部
111 サーバ送信部
112 サーバ受信部
120 サーバ記憶部
121 募集情報記憶部
122 職歴関連情報記憶部
123 採用予定者情報記憶部
130 サーバ制御部
131 募集情報管理部
132 応募受付部
133 判定部
134 採用予定者情報管理部
135 職歴関連情報管理部
200 端末
210 端末通信部
211 端末送信部
212 端末受信部
220 端末記憶部
230 端末制御部
240 入出力部
250 表示部
260 マイク
270 スピーカ
280 カメラ
300 ネットワーク
400 仲介システム
501 応募ボタン
502 特別オファーメッセージ
【要約】
【課題】採用活動にかかる時間及び費用を抑制しつつ、求職者の採否の検討に必要な情報の収集を支援可能であるプログラム等を提供する。
【解決手段】情報処理装置のコンピュータに実行されるためのプログラムであって、ユーザが従事した経験のある職種及び従事時間に関する情報、ユーザの勤怠情報、及び、ユーザの勤務についての雇用主による評価情報の少なくとも1つを含む職歴関連情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、記憶部に記憶されたユーザの職歴関連情報と採用基準とに基づいて、当該ユーザの採用を検討するために当該ユーザの採用面接が必要か否かを判定する判定ステップと、が情報処理装置のコンピュータに実行される。
【選択図】
図3