(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】単回使用使い捨て滅菌キット
(51)【国際特許分類】
A61B 50/33 20160101AFI20240304BHJP
【FI】
A61B50/33
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022184787
(22)【出願日】2022-11-18
(62)【分割の表示】P 2019560043の分割
【原出願日】2018-01-17
【審査請求日】2022-11-18
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヒーリー・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ワット・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】グレコ・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】モスザク・デビッド
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-40471(JP,A)
【文献】特開平11-342946(JP,A)
【文献】特開2004-67140(JP,A)
【文献】特表2012-505132(JP,A)
【文献】国際公開第2016/118196(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0138495(US,A1)
【文献】独国実用新案第09101408(DE,U1)
【文献】特表2013-505071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/33
B65D 43/00 - 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単回使用使い捨て外科手術キットであって、
滅菌密封容器であって、
前記滅菌密封容器内に嵌合するように構成された第1のモジュールであって、
複数の締結具開口部を備える単一の骨プレートと、
締結具ハウジングと、を備える、第1のモジュールと、
前記滅菌密封容器内に嵌合するように構成された第2のモジュールであって、
第1の締結機構を備える下部トレイに収容された骨折を固定するために使用される器具と、
前記第1の締結機構と一致して位置合わせされた第2の締結機構を備える蓋と、を備える、第2のモジュールと、を備える、滅菌密封容器、を備え、
前記第2の締結機構が、前記第1の締結機構と係合して前記下部トレイと前記蓋とを一体にロックするように構成されており、
前記下部トレイが矩形形状を有し、前記第1の締結機構が、前記下部トレイの少なくとも2つの角部において互いに対して対角線上の反対側に位置決めされた少なくとも2つの係止タブを含み、
前記蓋が矩形形状を有し、前記第2の締結機構が、互いに対して対角線上の反対側に位置決めされ、前記下部トレイの前記係止タブと一致して位置合わせされた、少なくとも2つの嵌合スロットを含み、
前記係止タブは、タブ部分と前記タブ部分を前記下部トレイに接続する接続部品とを含み、
前記嵌合スロットが、前記接続部品を包囲して前記下部トレイ及び前記蓋を一体にロックするアーム延長部を含み、
前記締結具ハウジングは、前記締結具ハウジングの上部の複数の突起部、前記締結具ハウジングの前記上部から下向きに延在する複数の階段、及び複数の締結具を収容するために前記複数の階段の上面に位置する複数の凹状窪み部を備え、前記複数の締結具はそれぞれヘッド及びシャフトを含む、単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項2】
前記係止タブが、前記係止タブの把持を容易にする隆起部を含む、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項3】
前記下部トレイが、前記器具を収容するための複数の切り欠き領域を含む、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項4】
前記蓋が、前記器具を包囲する複数の切り欠き領域を含む、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項5】
前記下部トレイ及び前記蓋が透明ポリマーから形成されている、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項6】
前記器具が、ドリルビット、Kワイヤ、深さゲージ、ドリルガイド、及びねじ回し、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項7】
前記複数の突起部が、前記締結具ハウジングの前記上部から上方へと離れるように延在する、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項8】
前記複数の凹状窪み部が、前記複数の階段の前記上面に一体的に形成されている、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項9】
前記締結具ハウジングが、第1の締結具受け部及び第2の締結具受け部を更に備える、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項10】
前記締結具ハウジングが、前記締結具ハウジングの側壁から延在する第1の空洞部を更に備える、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項11】
前記複数の階段及び前記複数の凹状窪み部が、前記第1の空洞部内に収容されている、請求項10に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項12】
前記締結具ハウジングが、隔壁によって前記第1の空洞部から分離された第2の空洞部を備える、請求項10に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項13】
前記複数の階段及び前記複数の凹状窪み部が、前記第2の空洞部内に位置する、請求項12に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項14】
前記複数の締結具が、千鳥状構成で前記締結具ハウジング内に着座する、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項15】
前記複数の締結具が、前記締結具ハウジング内で同様のシャフト長さの締結具の複数のグループに分けて配置されている、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項16】
前記締結具ハウジングが、締結具長さゲージを更に含む、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【請求項17】
前記締結具ハウジングが射出成形された部分である、請求項1に記載の単回使用使い捨て外科手術キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される様々な例示的実施形態は、概して、単回使用使い捨て滅菌キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の外科手術キットは、典型的には、外来外科センターなどの小規模医療施設で使用するには過剰に高費用な、非滅菌の再利用可能器具セット形態で製造業者によって提供される。このようなキットはまた、時間及びコスト依存的な再処理工程の必要性により、病院における大量の使用期間に関する問題もある。
【0003】
使い捨て整形外科手術キットは、一般に、骨プレート(複数可)及び複数の締結具、並びに締結具のためのハウジングを収容する滅菌キットとして販売されている。キットは更に、ワイヤ、ドリルビット、ドリルガイド、深さゲージ、及びねじ回しを収容することができる。使い捨てキットは、より広範囲の医療施設に、合理化された費用効率の高い器具セットを提供するのに役立つ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
各種の例示の実施形態の簡単な概要が、以下に提示される。以下の概要では、いくつかの単純化及び省略が行われることがあり、これらは、各種の例示の実施形態のいくつかの態様を強調及び紹介するためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。当業者が本発明の概念を作り上げ、使用することができるようにするのに適切な例示の実施形態に関する詳細な説明が、この後の各項に続く。
【0005】
本開示は、概して、単回使用使い捨て滅菌キットに関する。このような滅菌キットの一例は、骨折固定のための骨プレート移植を可能にする単回使用使い捨て整形外科手術滅菌キットである。例示的な滅菌キットとして単回使用使い捨て整形外科手術滅菌キットが用いられるが、下記の本開示に従って他の用途のための滅菌キットを実施することもできる。
【0006】
様々な実施形態は、単回使用使い捨て滅菌キットであって、滅菌密封容器と、複数の締結具開口部を有する単一の骨プレートと、複数の突起部、階段、及び複数の締結具を収容するための凹状窪み部を含む締結具ハウジングと、を備える第1のモジュールと、骨折を固定するために必要な器具を含む第2のモジュールと、を含む、単回使用使い捨て滅菌キットに関する。様々な実施形態では、第1及び第2のモジュールは、滅菌密封容器の2つの別個の切り欠きセクション内に着座する。
【0007】
様々な追加の実施形態は、滅菌密封容器を備える単回使用使い捨て整形外科手術キットであって、滅菌密封容器は、滅菌密封容器内に嵌合するように構成された第1のモジュールあって、複数の締結具開口部を含む単一の骨プレートと、締結具ハウジングであって、締結具ハウジングの上部の複数の突起部、締結具ハウジングの上部から下向きに延在する複数の階段、及び複数の締結具を収容するために複数の階段の上面に位置する複数の凹状窪み部を備える、締結具ハウジングと、を備える、第1のモジュールを備え、複数の締結具はそれぞれヘッド及びシャフトを含む、単回使用使い捨て整形外科手術キットに関する。
【0008】
様々な追加の実施形態は、第1のモジュールを備える単回使用使い捨て整形外科手術キットであって、第1のモジュールは、複数の締結具開口部を含む単一の骨プレートと、締結具ハウジングであって、締結具ハウジングの上部の複数の突起部、締結具ハウジングの上部から下向きに延在する複数の階段、及び複数の締結具を収容するために複数の階段の上面に位置する複数の凹状窪み部を備える、締結具ハウジングと、を備え、複数の締結具はそれぞれヘッド及びシャフトを含む、単回使用使い捨て整形外科手術キットに関する。キットは、骨折を固定するために用いられる器具を含む第2のモジュールを更に備える。
【0009】
様々な追加の実施形態は、第1のモジュールを備える単回使用使い捨て整形外科手術キットであって、第1のモジュールは、複数の締結具開口部を含む単一の骨プレートと、締結具ハウジングであって、締結具ハウジングの上部の複数の突起部、締結具ハウジングの上部から下向きに延在する複数の階段、及び複数の締結具を収容するために複数の階段の上面に位置する複数の凹状窪み部を備える、締結具ハウジングと、を備え、複数の締結具はそれぞれヘッド及びシャフトを含む、単回使用使い捨て整形外科手術キットに関する。キットの様々な実施形態では、複数の突起部は、締結具ハウジングの上部から上方へと離れるように延在し、複数の凹状窪み部は、複数の階段の上面に一体的に形成されている。キットは、骨折を固定するために用いられる器具を含む第2のモジュールを更に含む。
【0010】
様々な実施形態は、第1のウェル及び第2のウェルを含む第1のモジュールに関する。様々な実施形態では、締結具ハウジングは第1のウェル内に含まれ、骨プレートは第2のウェル内に含まれる。
【0011】
第1のモジュールが、締結具が締結具ハウジングに螺入することを防ぐために、締結具ハウジングの上部から上方に延在する複数の突起部を有し、締結具ハウジングの第1及び第2の空洞部内に含まれる複数の階段及び複数の凹状窪み部を有する、ワンショット射出成形された締結具ハウジングを含む、様々な実施形態が説明される。様々な実施形態では、複数の凹状窪み部は、階段の上面と一体的に形成されている。様々な実施形態では、複数の突起部、複数の階段、及び複数の凹状窪み部は、共働して輸送及び取り扱い中の締結具の角形成又はジャミングを防止する。
【0012】
第1のモジュールの様々な実施形態では、複数の締結具は、締結具ハウジング内で締結具の複数のグループに分けて配置されている。複数のグループの第1のグループは、第1のシャフト長さを有する締結具のみを含み、複数のグループの第2のグループは、第1のシャフト長さとは異なる第2のシャフト長さを有する締結具のみを含む。複数のグループの第1のグループの締結具は、複数のグループのうちの第2のグループの締結具から分離される。様々な実施形態では、締結具ハウジングは、締結具の複数のグループのうちの第1のグループを収容するための第1の締結具受け部と、締結具の複数のグループのうちの第2のグループを収容するための第2の締結具受け部と、を含んでもよい。様々な実施形態では、締結具は、千鳥状構成で締結具ハウジング内に着座する。締結具のヘッドは、骨プレートの締結具開口部と嵌合するように寸法決めされている。一実施形態では、締結具のヘッド及びシャフトは、両方ともねじ山を含む。
【0013】
第1のモジュールの様々な実施形態では、締結具の長さは、含まれる骨プレート及び解剖学的調査に基づく。締結具は、第1のサイズのヘッド又は第2のサイズのヘッドを含んでもよい。骨プレートの締結具開口部の全ては、第1のサイズのヘッド又は第2のサイズのヘッドのいずれかを受容するように寸法決めされていてもよい。キットは44個以下の締結具を含んでもよく、締結具のそれぞれが7つの異なるシャフト長さのうちの1つを有していてもよい。締結具は、締結具ハウジング内で、それぞれが同じシャフト長さを有する4個以下の締結具の複数のグループに分けて配置されていてもよい。
【0014】
締結具ハウジングが締結具の複数のグループのそれぞれのシャフト長さを示すラベルを含み得る様々な実施形態を説明する。締結具ハウジングは、ユーザが複数の締結具のそれぞれの長さを判定するのを助けるための締結具長さゲージを含んでもよい。
【0015】
滅菌性を確保するために骨プレート、締結具、及び締結具ハウジングが二重滅菌バリア内に収容されている、第1のモジュールの様々な実施形態を説明する。
【0016】
様々な更なる実施形態は、滅菌密封容器を備える単回使用使い捨て外科手術キットであって、滅菌密封容器は、滅菌密封容器内に嵌合するように構成された第1のモジュールであって、複数の締結具開口部を含む単一の骨プレートと、締結具ハウジングと、を備える、第1のモジュールと、滅菌密封容器内に嵌合するように構成された第2のモジュールであって、第1の締結機構を備える下部トレイに収容された骨折を固定するために使用される器具と、第1の締結機構と一致して位置合わせされた第2の締結機構を備える蓋と、を備える、第2のモジュールと、を備え、第1の締結機構はタブ部分及び嵌合スロットのうちの一方であり、第2の締結機構はタブ部分及び嵌合スロットのもう一方であり、第2の締結機構は、第1の締結機構と係合するように構成されている、単回使用使い捨て外科手術キットに関する。
【0017】
様々な更なる実施形態は、滅菌密封容器を備える単回使用使い捨て外科手術キットであって、滅菌密封容器は、滅菌密封容器内に嵌合するように構成されたモジュールであって、第1の締結機構を備える下部トレイ内に収容された外科用器具と、第1の締結機構と一致して位置合わせされた第2の締結機構を備える蓋と、を備える、モジュールを備え、第1の締結機構はタブ部分及び嵌合スロットのうちの一方であり、第2の締結機構はタブ部分及び嵌合スロットのもう一方であり、第2の締結機構は、第1の締結機構と係合するように構成されている、単回使用使い捨て外科手術キットに関する。
【0018】
第2のモジュールが骨折を固定するために必要な器具を備える、様々な追加の実施形態を説明する。様々な実施形態では、モジュールは、締結具ヘッドに係合するように適合された使い捨てトルク制限ねじ回しを備え、トルク制限停止部を更に備える。モジュールは、深さゲージ、Kワイヤ、ドリルビット、及びドリルガイドを更に備えてもよい。
【0019】
モジュールの様々な実施形態では、器具は、下部トレイ内に臨床使用のおおよその順序で提示される。様々な実施形態では、下部トレイは、器具を収容するための複数の切り欠き領域を含む。様々な実施形態では、下部トレイは、使用中により容易に取り外すために外科用器具が下部トレイの床の上方に着座することを可能にする複数の仕切りを更に含む。器具のハンドル及び持ち上げ領域は、ユーザに向かって方向付けられていてもよい。
【0020】
モジュールの様々な実施形態では、下部トレイは、トレイの少なくとも2つの角部上で対角線上に位置合わせされた係止タブを含んでもよい。様々な実施形態では、係止タブは、タブの把持を容易にする隆起部を含む。
【0021】
モジュールの様々な実施形態では、下部トレイは蓋によって覆われ、蓋は、器具を包囲する複数の切り欠き領域を含む。様々な実施形態では、蓋は、蓋の少なくとも2つの角部内に存在する嵌合スロットを含んでもよい。こうした嵌合スロットは、トレイ上に含まれる係止タブと一致して位置合わせされてもよい。様々な実施形態では、嵌合スロットは、係止タブを包囲して下部トレイ及び蓋を一体にロックするアーム延長部を含んでもよい。
【0022】
様々な実施形態では、第1のモジュール及び第2のモジュールは、滅菌密封容器から取り外し可能であってもよい。滅菌密封容器は、第1及び第2のモジュールの取り外しを補助するための切り欠き部を含んでもよい。
【0023】
器具トレイが器具のみの滅菌キットのためにも使用され得るように、器具が、骨プレート、締結具、及び締結具ハウジングとは別個にパッケージ化され得る、キットの様々な実施形態が説明される。
【0024】
様々な実施形態では、滅菌容器、第1のモジュール、及び第2のモジュールは、全て熱成形プラスチック材料から製造され得る。様々な実施形態では、滅菌容器、第1のモジュール、及び第2のモジュールは、全て透明ポリマーから形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
種々の例示の実施形態をよりよく理解するために、添付図面を参照する。
【
図1】骨プレート、締結具ハウジング、及び複数の締結具を備える第1のモジュールと、骨折を固定するために必要な器具を備える第2のモジュールと、を備える滅菌容器の実施形態を示す、使い捨ての単回使用整形外科手術キットの実施形態の上面斜視図である。
【
図2A】右上及び左下角部に係止タブを含む下部トレイと、下部トレイを覆う蓋とを備え、蓋は下部トレイ上の係止タブと整列して嵌合する右上及び左下角部の嵌合スロットを含む、第2のモジュールの実施形態の上面斜視図である。下部トレイは、骨折を固定するために必要な器具を収容するための切り欠き部を含む。蓋は、器具を封入するための切り欠き部を含む。
【
図2B】係止タブ及び嵌合スロット構成の実施形態の上面斜視詳細図である。
【
図2C】係止タブ及び嵌合スロット構成の実施形態の側面斜視詳細図である。
【
図3】第2のモジュールの下部トレイ部分の実施形態の上面斜視図である。
【
図3A】第2のモジュールの下部トレイ部分上に含まれる係止タブの実施形態の上面斜視詳細図である。
【
図4】器具切り欠き部及び嵌合スロットを示す、第2のモジュールの蓋部分の一実施形態の底面斜視図である。
【
図4A】第2のモジュールの蓋部分上に収容された嵌合スロットの一実施形態の底面斜視詳細図である。
【
図5】締結具ハウジング及び骨プレートのためのウェルを備えるトレイを含む第1のモジュールの一実施形態の上面斜視図である。締結具ハウジングは第1のウェル内に含まれ、骨プレートは第2のウェル内に含まれる。
【
図6】締結具ハウジングの一実施形態の上面斜視図である。
【
図6A】締結具ハウジングの一実施形態の上面図である。
【
図6B】締結具ハウジングの上部の複数の突起部、並びにそれぞれ複数の階段を含む第1及び第2の空洞部、及び階段の上面に着座する複数の凹状窪み部を示す、締結具ハウジングの一実施形態の正面図である。
【
図6C】締結具ハウジングの上部に含まれる締結具長さゲージの一実施形態の上面図である。
【
図6D】締結具ハウジングの上部に含まれる複数の突起部及び第1の空洞部に含まれる階段の断面図を示す、締結具ハウジングの一実施形態の側面図である。
【
図7】第2のモジュールを収容するための切り欠き部分を有する滅菌密封容器の一実施形態の上面斜視図である。
【
図7A】第1のモジュールを収容するための切り欠き部分を有する滅菌密封容器の一実施形態の上面斜視図である。
【0026】
理解を容易にするため、同一の参照番号が、実質的に同一若しくは類似の構造、及び/又は実質的に同一若しくは類似の機能を有する構成要素を示すために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本説明及び図面は、本発明の原理を例示する。このため、当業者は、本明細書には明示的に説明又は提示されていないが、本発明の原理を具体化し、本発明の範囲内に包含される様々な構成を考案することが可能であることを理解されたい。更に、本明細書中に示される全ての実施例は、本発明の原理、及び本技術を推し進めるために本発明者(複数可)によって寄与された概念を理解する際に読者を支援する教育的目的であることが主に明白に意図されており、このような詳細に示された実施例や条件に限定されないものとして解釈されるべきである。また、用語「又は」は、本明細書中で使用される場合、特段の指示(例えば、「又は他方」あるいは「又は代替的に」)がなければ、非排他的論理和(すなわち、及び/又は)を指す。また、いくつかの実施形態を、1つ又は複数の他の実施形態と組み合わせて新しい実施形態を形成することができるため、本明細書中に記載される様々な実施形態は、必ずしも相互に排他的ではない。
【0028】
使い捨て単回使用滅菌キットの以下の実施形態を説明する。キットは、概して、第1及び第2のモジュールを収容するための切り欠き部分を備える滅菌密封容器を備える。第1のモジュールは締結具ハウジングと骨プレートとを備え、第2のモジュールは骨折を固定するために必要な器具を備える。第1及び第2のモジュールは、以下の図面でより詳細に説明される。
【0029】
図1は、第1のモジュール110と第2のモジュール120とを収容するための切り欠き部分を有する滅菌トレイ100を備える、開放構成にある滅菌キットの実施形態を示す。滅菌トレイ100、第1のモジュール110、及び第2のモジュール120は、例えばグリコール変性ポリエチレンテレフタレートなどの数多くのポリマーのうちの任意の1つから熱成形される。滅菌トレイ100は、4つのトレイ側部101~104によって画定される矩形形状を有し得るが、機能的、経済的、審美的、又はその他の理由によって他の形状が望ましい場合もある。滅菌トレイ100はトレイ底部105を含む。滅菌トレイ100は、トレイ底部105の内側及び/又はトレイ側部102、104の内側から延在して切り欠き部107、108を形成し得るいくつかの一体的に形成された仕切り106によって区画分けされ、一体的に形成された仕切りは、第1及び第2のモジュールを互いから分離させる。第1のモジュール110は、締結具ハウジング130及び骨プレート140を収容するためのウェル111、112を備える。第1のモジュール110は、締結具ハウジング130及び骨プレート140の上部に位置するプラスチックカバー113を更に備えている。
【0030】
図1の実施形態では、第2のモジュール120は、ドリルビット121と、Kワイヤ122と、深さゲージ123と、可変角度ドリルガイド124と、同軸ドリルガイド125と、トルク制限ねじ回し126と、トルク制限停止部127とを備える。
【0031】
図2Aは、第2のモジュール220の一実施形態の上面斜視図を示す。第2のモジュールは、下部トレイ250と、下部トレイ250の上部に着座するように位置決めされた蓋260とを備える。下部トレイ250及び蓋260は、図示のように、トレイ250の左上角部及び右下角部において互いの対角線上の反対側に位置決めされた係止タブ251を使用して一体にロックされる。下部トレイ250及び蓋260のいずれか1つ又は両方は、第2のモジュール220を開けることなしにその中に含まれた構成要素を見ることができるように、透明ポリマーから形成されてよい。
【0032】
図2B及び
図2Cは、係止タブ251の一実施形態のより詳細な図を示す。下部トレイ250の2つの角部において互いの対角線上の反対側に位置決めされた係止タブ251は、係止タブ251を受容するために蓋260上に一致して位置決めされた嵌合スロット261内に係止する。
【0033】
図3は、下部トレイ350の一実施形態の上面斜視図を示す。下部トレイ350は、4つのトレイ側部352~355によって画定される略矩形形状を有し得るが、機能的、経済的、審美的、又はその他の理由によって他の形状が望ましい場合もある。下部トレイ350は、骨折を固定するために必要な器具121~127が内部に配置される切り欠き領域357を形成する仕切り356によって区画分けされる。仕切り356は、器具121~127が下部トレイ350の床の上方に着座することを可能にするように位置決めされる。下部トレイ350は、左上角部及び右下角部において対角線上に位置決めされた係止タブ351を含む。
【0034】
図3Aは、係止タブ351の一実施形態のより詳細な図を示す。係止タブは、タブ部分351aよりも狭い接続部品351bによって下部トレイ350に接続されるタブ部分351aを含む。タブ部分351aはまた、係止タブ351の把持を容易にする隆起部351cを含む。
【0035】
図4は、蓋460の一実施形態の底面斜視図を示す。蓋460は、4つの側面462~465によって画定される略矩形形状を有し得るが、機能的、経済的、審美的、又はその他の理由によって他の形状が望ましい場合もある。蓋460は、骨折を固定するために必要な器具121~127に外嵌する切り欠き領域467を形成する仕切り466によって区画分けされる。蓋切り欠き領域467は、下部トレイ切り欠き領域357と一体に嵌合して、個々の器具を包囲する。蓋460は、係止タブ351が挿入されて下部トレイ350及び蓋460を一体に係止する嵌合スロット461を含む。
【0036】
図4Aは、接続部品351bを包囲し、下部トレイ350のタブ部分351aを蓋460の嵌合スロット461内に係止させるアーム延長部461aを含む、嵌合スロット461のより詳細な図を示す。
【0037】
図5は、第1のモジュール510の一実施形態の上面斜視図を示す。第1のモジュールは、略矩形形状を有するトレイ511の形態であってもよいが、機能的、経済的、審美的、又はその他の理由によって他の形状が望ましい場合もある。トレイ511は、第1のウェル512と第2のウェル513とを含む。第1のウェル512は締結具ハウジング530を含み、第2のウェル513は骨プレート540を含む。
【0038】
図6は、締結具ハウジング630の上面斜視図を示す。締結具ハウジング630は、複数の締結具の増分長さを測定するためのサイズラベル631aによって構成され、ラベル化された、締結具長さゲージ631を含む。増分長さは、例えば、2mm刻みで10mm~30mmの範囲であってよい。
図6Cでより詳細に示されるように、締結具長さゲージ631は、チャネル631b及び座部631cを有する。締結具長さゲージ631を使用すると、外科医は、選択した締結具の長さを、締結具を患者に埋め込む前に迅速に確認し、締結具が骨を適切に係合するのに十分な長さのものであるが、骨から離れて軟組織の中まで突出するほどは長くないことを確実にすることができる。
【0039】
図6及び
図6Aは、締結具ハウジング630が、第1の複数の締結具を収容するための複数の第1の締結具受け部632と、第2の複数の締結具を収容するための複数の第2の締結具受け部633とを含む、締結具ハウジング630の上面斜視図を示す。第1及び第2の受け部632、633のそれぞれは、第1の複数の締結具及び第2の複数の締結具をそれぞれ緩く保持するような大きさ及び形状である。
【0040】
締結具ハウジング630は、射出成形を用いて、左側壁639aから成形された隔壁639bまで延在し、複数の第1の締結具受け部632の直下に位置する第1の空洞部634を形成するように作られてもよい。締結具ハウジング630は、成形された隔壁639bによって第1の空洞部から分離された、複数の第2の締結具受け部633の直下に位置する第2の空洞部635を更に含んでよい。第1の空洞部634及び第2の空洞部635は、締結具ハウジング630の成形壁部によって3つの側面で包囲されており、第4の側面は締結具のシャフトが見えるように開放されている。
【0041】
図6B及び
図6Dに示すように、締結具ハウジング630は、締結具ハウジング630の上部から上方に離れるように延在する複数の突起部637を更に含む。第1の空洞部634及び第2の空洞部635はそれぞれ、締結具ハウジングの上部から下方へと延在する複数の階段636と、階段636の上面に着座する複数の凹状窪み部638とを含む。一実施形態では、締結具のヘッドは、複数の突起部637の上部に着座し、一方で締結具のシャフトの小部分は複数の凹状窪み部638内に着座する。階段636は、締結具を、千鳥状構成で締結具ハウジング630内に着座させる。複数の突起部637と、複数の階段636と、複数の凹状窪み部638と、は組み合わせで、輸送及び取り扱い中の締結具の角形成又はジャミングを防止するように働く。
【0042】
第1の複数の締結具は、第1の締結具受け部632内で7つ以下の締結具の複数のグループに分けて配置されてもよく、第2の複数の締結具は、第2の締結具受け部633内で4つ以下の締結具の複数のグループに分けて配置されてもよい。各グループは、多くの異なる締結具長さのうちの特定の1つに対応する。
図6に示すように、受け部632及び受け部633は、各グループが同じシャフト長さの締結具を最大で4つ含み得るように、グループに分けて配置される。
【0043】
キットが開けられると、ユーザは、各締結具の露出端を容易に把持して、締結具ハウジング630から取り出すことができる。交互に(alternately)、ユーザは、好適な駆動器具を使用して、締結具ハウジング630から各締結具を取り出すことができる。各単回使用キットは、特定の外科的適応に必要な数だけの締結具を含み、余分はわずかとなり得るため、第1の締結具受け部632及び第2の締結具受け部633の多くは空になる可能性がある。
【0044】
図7及び
図7Aは、第1のモジュール710及び第2のモジュール720が収容されている、滅菌トレイ700内に含まれる切り欠き部分を示す。
【0045】
当業者ならば、本明細書中のいかなる図表又は概略図も、本発明の原理を具体化する例示的な構造の概念的な図面を代表しているにすぎないことを理解されたい。
【0046】
様々な例示の実施形態が、特にそれらの特定の例示の態様を参照しながら詳細に説明されてきたが、本発明は、他の実施形態も可能であり、またその詳細については、種々の明白な点において修正が可能であることを理解されたい。当業者にはすでに明らかなように、本発明の趣旨及び範囲内に留めながら変形及び修正を実施することが可能である。更に、様々な実施形態からの様々な構成要素は、本発明の趣旨及び範囲内にある他の実施形態を形成するように組み合わされることができる。したがって、前述の開示、説明、及び図面は、単に例示的な目的のみのためであって、本発明を何ら限定するものではなく、本発明は、特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) 単回使用使い捨て外科手術キットであって、
滅菌密封容器であって、
前記滅菌密封容器内に嵌合するように構成されたモジュールであって、
第1の締結機構を備える下部トレイ内に収容された外科用器具と、
前記第1の締結機構と一致して位置合わせされた第2の締結機構を備える蓋と、を備える、モジュールを備える、滅菌密封容器、を備え、前記第1の締結機構がタブ部分及び嵌合スロットのうちの一方であり、前記第2の締結機構が前記タブ部分及び前記嵌合スロットのうちのもう一方であり、前記第2の締結機構が、前記第1の締結機構と係合するように構成されている、単回使用使い捨て外科手術キット。
(2) 前記第1の締結機構が、前記下部トレイの少なくとも2つの角部において互いに対して対角線上の反対側に位置決めされた少なくとも2つのタブ部分を含む、実施態様1に記載のキット。
(3) 前記第2の締結機構が、互いに対して対角線上の反対側に位置決めされ、前記下部トレイの前記タブ部分と一致して位置合わせされた、少なくとも2つの嵌合スロットを含む、実施態様1に記載のキット。
(4) 前記嵌合スロットが、前記タブ部分を包囲して前記下部トレイ及び前記蓋を一体にロックするアーム延長部を含む、実施態様3に記載のキット。
(5) 前記タブ部分が、前記タブの把持を容易にする隆起部を含む、実施態様2に記載のキット。
【0048】
(6) 前記下部トレイが、前記外科用器具を収容するための複数の切り欠き領域を含む、実施態様1に記載のキット。
(7) 前記下部トレイは、前記外科用器具が前記トレイの床の上方に着座することを可能にする複数の仕切りを含む、実施態様6に記載のキット。
(8) 前記蓋が、前記器具を包囲する複数の切り欠き領域を含む、実施態様1に記載のキット。
(9) 前記下部トレイ及び前記蓋が透明ポリマーから形成されている、実施態様1に記載のキット。
(10) 前記外科用器具が、ドリルビット、Kワイヤ、深さゲージ、ドリルガイド、及びねじ回し、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様1に記載のキット。
【0049】
(11) 単回使用使い捨て外科手術キットであって、
滅菌密封容器であって、
前記滅菌密封容器内に嵌合するように構成された第1のモジュールであって、
複数の締結具開口部を備える単一の骨プレートと、
締結具ハウジングと、を備える、第1のモジュールと、
前記滅菌密封容器内に嵌合するように構成された第2のモジュールであって、
第1の締結機構を備える下部トレイに収容された骨折を固定するために使用される器具と、
前記第1の締結機構と一致して位置合わせされた第2の締結機構を備える蓋と、を備える、第2のモジュールと、を備える、滅菌密封容器、を備え、前記第1の締結機構がタブ部分及び嵌合スロットのうちの一方であり、前記第2の締結機構が前記タブ部分及び前記嵌合スロットのうちのもう一方であり、前記第2の締結機構が、前記第1の締結機構と係合して前記下部トレイと前記蓋とを一体にロックするように構成されている、単回使用使い捨て外科手術キット。
(12) 前記第1の締結機構が、前記下部トレイの少なくとも2つの角部において互いに対角線上の反対側に位置決めされた少なくとも2つのタブ部分を含む、実施態様11に記載のキット。
(13) 前記第2の締結機構が、互いに対して対角線上の反対側に位置決めされ、前記下部トレイの前記タブ部分と一致して位置合わせされた、少なくとも2つの嵌合スロットを含む、実施態様12に記載のキット。
(14) 前記嵌合スロットが、前記タブ部分を包囲して前記下部トレイ及び前記蓋を一体にロックするアーム延長部を含む、実施態様13に記載のキット。
(15) 前記タブ部分が、前記タブの把持を容易にする隆起部を含む、実施態様12に記載のキット。
【0050】
(16) 前記下部トレイが、前記器具を収容するための複数の切り欠き領域を含む、実施態様11に記載のキット。
(17) 前記下部トレイは、前記器具が前記トレイの床の上方に着座することを可能にする複数の仕切りを含む、実施態様16に記載のキット。
(18) 前記蓋が、前記器具を包囲する複数の切り欠き領域を含む、実施態様11に記載のキット。
(19) 前記下部トレイ及び前記蓋が透明ポリマーから形成されている、実施態様11に記載のキット。
(20) 前記器具が、ドリルビット、Kワイヤ、深さゲージ、ドリルガイド、及びねじ回し、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様11に記載のキット。
【0051】
(21) 前記締結具ハウジングは、前記締結具ハウジングの上部の複数の突起部、前記締結具ハウジングの前記上部から下向きに延在する複数の階段、及び複数の締結具を収容するために前記複数の階段の上面に位置する複数の凹状窪み部を備え、前記複数の締結具はそれぞれヘッド及びシャフトを含む、実施態様11に記載のキット。
(22) 前記複数の突起部が、前記締結具ハウジングの前記上部から上方へと離れるように延在する、実施態様21に記載のキット。
(23) 前記複数の凹状窪み部が、前記複数の階段の前記上面に一体的に形成されている、実施態様21に記載のキット。
(24) 前記締結具ハウジングが、第1の締結具受け部及び第2の締結具受け部を更に備える、実施態様11に記載のキット。
(25) 前記締結具ハウジングが、前記締結具ハウジングの側壁から延在する第1の空洞部を更に備える、実施態様11に記載のキット。
【0052】
(26) 前記複数の階段及び前記複数の凹状窪み部が、前記第1の空洞部内に収容されている、実施態様25に記載のキット。
(27) 前記締結具ハウジングが、隔壁によって前記第1の空洞部から分離された第2の空洞部を備える、実施態様25に記載のキット。
(28) 前記複数の階段及び前記複数の凹状窪み部が、前記第2の空洞部内に位置する、実施態様27に記載のキット。
(29) 前記複数の締結具が、千鳥状構成で前記締結具ハウジング内に着座する、実施態様21に記載のキット。
(30) 前記複数の締結具が、前記締結具ハウジング内で同様のシャフト長さの締結具の複数のグループに分けて配置されている、実施態様21に記載のキット。
【0053】
(31) 前記締結具ハウジングが、締結具長さゲージを更に含む、実施態様11に記載のキット。
(32) 前記締結具ハウジングが射出成形された部分である、実施態様11に記載のキット。