IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-スピーカ 図1
  • 特許-スピーカ 図2
  • 特許-スピーカ 図3
  • 特許-スピーカ 図4
  • 特許-スピーカ 図5
  • 特許-スピーカ 図6
  • 特許-スピーカ 図7
  • 特許-スピーカ 図8
  • 特許-スピーカ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】スピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
H04R9/02 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022209574
(22)【出願日】2022-12-27
(65)【公開番号】P2023129251
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】202220442469.0
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】毛 路斌
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼ 冬
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 杰
(72)【発明者】
【氏名】李 子昴
【審査官】佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212713(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0213760(US,A1)
【文献】国際公開第2021/007798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/00- 9/18
H04R 7/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカであって、
収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容された発音のための振動システムと、磁気ギャップを有する磁気回路システムとを備え、
前記ハウジングは、環状を呈するフレームと、いずれも前記フレームに固定されかつ互いに間隔を隔てるフロントカバー及びボトムケーシングとを備え、
前記フレーム、前記フロントカバー及び前記ボトムケーシングによって前記収容空間が取り囲まれており、
前記磁気回路システムは、前記フロントカバーに固定された第1磁気ヨークと、前記第1磁気ヨークに固定された磁性鋼アセンブリとを備え、
前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記振動膜に固定されたボイスコイルブラケットと、前記ボイスコイルブラケットにより前記磁気ギャップに挿設されたボイスコイルとを備え、
前記振動膜には、中間位置に位置しかつそれを振動方向に沿って貫通する第1開口が設置され、
前記振動膜は、前記第1開口を取り囲むように形成される内縁と、前記フレームに固定された外縁とをさらに備え、
前記磁気回路システムは、振動方向に沿って延在して前記第1開口を通って、前記内縁と間隔を隔てて設置され、
前記ハウジングは、前記フロントカバーから前記振動膜に向かって延在しかつ前記磁気回路システムを間隔をあけて取り囲む延在部をさらに備え、
前記振動膜の前記内縁は、前記延在部に固定され、
前記ボイスコイルブラケットは、前記振動膜に固定された第1支持部と、前記第1支持部から前記振動膜から離れる方向に向かって折り曲げられて延在する第2支持部と、前記第2支持部の前記第1支持部から離れる一端から前記磁気回路システムに向かって延在する第3支持部とを備え、前記ボイスコイルは、前記第3支持部の前記振動膜に向かう側に固定される、ことを特徴とするスピーカ。
【請求項2】
前記磁性鋼アセンブリは、前記第1磁気ヨークに固定された第1主磁性鋼と、前記第1磁気ヨークに固定されかつ前記第1主磁性鋼の周側に位置する第1副磁性鋼とを備え、前記第1主磁性鋼と前記第1副磁性鋼は、間隔を隔てて前記磁気ギャップを形成する、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記ボイスコイルブラケットの前記第3支持部には、それを振動方向に沿って貫通する第2開口が設置され、前記第1主磁性鋼の振動方向に沿った投影は、前記第2開口内に収まる、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記ボイスコイルブラケットの第3支持部には、それを振動方向に沿って貫通する第3開口がさらに設置され、前記第1副磁性鋼の振動方向に沿った投影は、前記第3開口内に収まる、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記磁気回路システムは、前記第1主磁性鋼の前記第1磁気ヨークから離れる側に固定された第1ポールプレートと、前記第1ポールプレートの前記第1主磁性鋼から離れる側に固定された第2主磁性鋼とをさらに備え、前記第2主磁性鋼の前記第1ポールプレートから離れる面は、前記ボトムケーシングに当接する、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記磁気回路システムは、前記第1副磁性鋼の前記第1磁気ヨークから離れる側に固定された第2ポールプレートと、前記第2ポールプレートの前記第1副磁性鋼から離れる側に固定された第2副磁性鋼とをさらに備え、前記第2副磁性鋼の前記第2ポールプレートから離れる面は、前記ボトムケーシングに当接し、前記磁気回路システムは、第2磁気ヨークをさらに備え、前記ボトムケーシングは、すなわち前記第2磁気ヨークである、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記第1主磁性鋼と前記第2主磁性鋼は、いずれも振動方向に沿って着磁されかつ同極が対向し、前記第1副磁性鋼と前記第2副磁性鋼は、いずれも振動方向に沿って着磁されかつ同極が対向し、前記第1主磁性鋼の着磁方向は、第1副磁性鋼の着磁方向とは逆である、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記振動膜は、前記内縁を取り囲む内サスペンション部と、前記内サスペンション部を取り囲む中間接続部と、前記中間接続部を取り囲む外サスペンション部とを備え、前記外縁は、前記外サスペンション部を取り囲んで前記フレームに固定される、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記第1支持部は、前記中間接続部に固定され、前記第1支持部と前記第3支持部との延在方向は、いずれも振動方向に垂直であり、前記第2支持部は、振動方向に沿って延在する、ことを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項10】
前記フロントカバーには、それを振動方向に沿って貫通しかつ前記第1開口に対応して設置された第4開口が設置され、前記フロントカバーは、前記第4開口を取り囲むように形成される開口縁部を備え、前記延在部は、前記開口縁部から振動方向に沿って折り曲げて、前記振動膜の前記内縁に固定的に接続されるまで延在する、ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項11】
前記第1磁気ヨークは、前記第4開口内に収容されかつ前記フロントカバーに固定される、ことを特徴とする請求項10に記載のスピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響デバイスに関し、特に携帯型電子製品に応用されるスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカは、電気信号を音響信号に変換するトランスデューサ素子であり、携帯電話、ノートパソコン等の携帯電子デバイスに広く応用される。技術の発展に伴い、携帯電子デバイスも薄型化方向に向かって発展し、これは携帯電子デバイスにスピーカを備える電子部品も小さい厚さを有することを要求して、該薄型化の傾向に適応する。
【0003】
関連技術におけるスピーカは、フレームと、主に振動膜及びボイスコイルで構成された振動システムと、磁気ヨーク及び磁性鋼で構成された磁気回路システムとを備え、振動システムと磁気回路システムは、振動膜の振動方向に沿って間隔を隔てて設置され、振動システムの振動空間は、磁気回路システムの磁気回路空間と部分的に重なり合い、具体的には、ボイスコイルは、磁気ギャップに挿設され、通電された後、磁気ギャップで往復運動することにより振動膜の振動発音を駆動する。
【0004】
しかしながら、関連技術のスピーカにおけるボイスコイルは、振動過程において磁気ヨークと衝突しないが、これらによると、ボイスコイルの振動方向に沿った移動距離は、磁気回路システムにおける磁気ギャップの高さによって制限され、提供可能な振動振幅が限られ、また、ボイスコイルと磁気ヨークとの間の振動方向に沿った高さは十分に利用されず、それだけではなく、磁気回路システムの振動方向に沿った厚さも大きくなり、これは振動方向に沿ってデバイスの設計の高さを増加させ、スピーカの厚さ寸法の薄型化への発展を制限してしまう。
【0005】
したがって、上記問題を解決するために、改良されたスピーカを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、より小さい厚さを有し、磁路性能がより優れ、発音性能がより高いスピーカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明の態様は、以下の通りである。
スピーカであって、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容された発音のための振動システムと、磁気ギャップを有する磁気回路システムとを備え、前記ハウジングは、環状を呈するフレームと、いずれも前記フレームに固定されかつ互いに間隔を隔てるフロントカバー及びボトムケーシングを備え、前記フレーム、前記フロントカバー及び前記ボトムケーシングによって前記収容空間が取り囲まれ、前記磁気回路システムは、前記フロントカバーに固定された第1磁気ヨーク及び前記第1磁気ヨークに固定された磁性鋼アセンブリを備え、前記振動システムは、前記フレームに固定された振動膜と、前記振動膜に固定されたボイスコイルブラケットと、前記ボイスコイルブラケットにより前記磁気ギャップに挿設されたボイスコイルとを備え、前記振動膜には中間位置に位置しかつ振動方向に沿ってそれを貫通する第1開口が設置され、前記振動膜は、前記第1開口を取り囲むように形成される内縁と、前記フレームに固定された外縁とをさらに備え、前記磁気回路システムは、振動方向に沿って延在して前記第1開口を通って、前記内縁と間隔を隔てて設置され、前記ハウジングは、前記フロントカバーから前記振動膜に向かって延在しかつ前記磁気回路システムを間隔をあけて取り囲む延在部をさらに備え、前記振動膜の前記内縁は、前記延在部に固定される。
【0008】
好ましくは、前記ボイスコイルブラケットは、前記振動膜に固定された第1支持部と、前記第1支持部から前記振動膜から離れる方向に向かって折り曲げられて延在する第2支持部と、前記第2支持部の前記第1支持部から離れる一端から前記磁気回路システムに向かって延在する第3支持部とを備え、前記ボイスコイルは、前記第3支持部の前記振動膜に向かう側に固定される。
【0009】
好ましくは、前記磁性鋼アセンブリは、前記第1磁気ヨークに固定された第1主磁性鋼と、前記第1磁気ヨークに固定されかつ前記第1主磁性鋼の周側に位置する第1副磁性鋼とを備え、前記第1主磁性鋼と前記第1副磁性鋼は、間隔を隔てて前記磁気ギャップを形成する。
【0010】
好ましくは、前記ボイスコイルブラケットの前記第3支持部には、それを振動方向に沿って貫通する第2開口が設置され、前記第1主磁性鋼の振動方向に沿った投影は、前記第2開口内に収まる。
【0011】
好ましくは、前記ボイスコイルブラケットの第3支持部には、それを振動方向に沿って貫通する第3開口がさらに設置され、前記第1副磁性鋼の振動方向に沿った投影は、前記第3開口内に収まる。
【0012】
好ましくは、前記磁気回路システムは、前記第1主磁性鋼の前記第1磁気ヨークから離れる側に固定された第1ポールプレートと、前記第1ポールプレートの前記第1主磁性鋼から離れる側に固定された第2主磁性鋼とをさらに備え、前記第2主磁性鋼の前記第1ポールプレートから離れる面は、前記ボトムケーシングに当接する。
【0013】
好ましくは、前記磁気回路システムは、前記第1副磁性鋼の前記第1磁気ヨークから離れる側に固定された第2ポールプレートと、前記第2ポールプレートの前記第1副磁性鋼から離れる側に固定された第2副磁性鋼とをさらに備え、前記第2副磁性鋼の前記第2ポールプレートから離れる面は、前記ボトムケーシングに当接し、前記磁気回路システムは、前記第2磁気ヨークをさらに備え、前記ボトムケーシングは、すなわち前記2磁気ヨークである。
【0014】
好ましくは、前記第1主磁性鋼と前記第2主磁性鋼は、いずれも振動方向に沿って着磁されかつ同極が対向し、前記第1副磁性鋼と前記第2副磁性鋼は、いずれも振動方向に沿って着磁されかつ同極が対向し、前記第1主磁性鋼の着磁方向と第1副磁性鋼の着磁方向は逆である。
【0015】
好ましくは、前記振動膜は、前記内縁を取り囲む内サスペンション部と、前記内サスペンション部を取り囲む中間接続部と、前記中間接続部を取り囲む外サスペンション部とを備え、前記外縁は、前記外サスペンション部を取り囲んで前記フレームに固定される。
【0016】
好ましくは、前記第1支持部は、前記中間接続部に固定され、前記第1支持部と前記第3支持部との延在方向は、いずれも振動方向に垂直であり、前記第2支持部は、振動方向に沿って延在する。
【0017】
好ましくは、前記フロントカバーには、それを振動方向に沿って貫通しかつ前記第1開口に対応して設置された第4開口が設置され、前記フロントカバーは、前記第4開口を取り囲むように形成される開口縁部を備え、前記延在部は、前記開口縁部から振動方向に沿って折り曲げて、前記振動膜の前記内縁に固定的に接続されるまで延在する
【0018】
好ましくは、前記第1磁気ヨークは、前記第4開口内に収容されかつ前記フロントカバーに固定される。
【発明の効果】
【0019】
本発明のスピーカは、ハウジング、振動システム及び磁気回路システムを備え、前記ハウジングは、フレームと、いずれもフレームに固定されかつ互いに間隔を隔てるフロントカバー及びボトムケーシングとを備え、磁気回路システムは、フロントカバーに固定された第1磁気ヨークと、第1磁気ヨークに固定された磁性鋼アセンブリとを備え、振動システムは、フレームに固定された振動膜と、振動膜に固定されたボイスコイルブラケットと、前記ボイスコイルブラケットにより磁気ギャップに挿設されたボイスコイルとを備え、振動膜には、中間位置に位置しかつそれを振動方向に沿って貫通する第1開口が設置され、振動膜は、第1開口を取り囲むように形成される内縁及びフレームに固定された外縁をさらに備え、磁気回路システムは、振動方向に沿って延在して第1開口を通って、内縁と間隔を隔てて設置され、ハウジングは、フロントカバーから振動膜に向かって延在しかつ磁気回路システムを間隔をあけて取り囲む延在部をさらに備え、振動膜の内縁は、前記延在部に固定され、振動膜に第1開口が設置されることにより、磁気回路システムと振動膜は、振動方向に垂直な平面に独立して設置され、ボイスコイルは、ボイスコイルブラケットにより磁気ギャップ内に挿設され、それによって、磁気回路空間と振動空間は真の相互分離を図れ、振動システムは、デバイスの厚さが減少する場合、依然として十分な振動空間を保持することができ、スピーカが良好な発音性能を有するとともに、より薄型化の設計要求を満たすことに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明におけるスピーカの構成を示す斜視図である。
図2】本発明におけるスピーカの構成を示す斜視図である。
図3図1におけるA-A線に沿った断面図である。
図4図1におけるB-B線に沿った断面図である。
図5】本発明のスピーカにおける振動膜の構成を示す斜視図である
図6】本発明のスピーカにおけるボイスコイルブラケットの構成を示す斜視図である。
図7】本発明のスピーカにおけるフロントカバー及び延在部の構成を示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施例におけるスピーカの構成を示す斜視図である。
図9図8におけるC-C線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は図面及び具体的な実施形態を参照して、本発明の技術案を明確で、完全に説明する。
【0022】
図1図7に示すように、本発明は、スピーカ100を提供し、当該スピーカ100は、収容空間10を有するハウジング1と、収容空間10内に収容された振動発音のための振動システム2と、振動システム2の振動発音を駆動する磁気回路システム3とを備える。
【0023】
ここで、ハウジング1は、環状を呈するフレーム11と、いずれもフレーム11に固定されたフロントカバー12及びボトムケーシング13とを備え、フロントカバー12とボトムケーシング13とは、間隔を隔てて設置され、両者は、それぞれフレーム11の両端に固定されて、フレーム11と共に取り囲んで収容空間10を形成する。フロントカバー12には音出し孔121が開設され、振動システム2から発した音波は、当該音出し孔121を介して外界に伝播する。
【0024】
図2図4に示すように、振動システム2は、フレーム11に固定された振動膜21と、振動膜21に固定されたボイスコイルブラケット22と、ボイスコイルブラケット22に固定されたボイスコイル23と、振動膜21に固定されたドーム部24とを備える。図5に示すように、振動膜21には中間位置に位置しかつそれを振動方向に沿って貫通する第1開口211が設置され、それに応じて、振動膜21は、第1開口211を取り囲むように形成される内縁212と、内縁212を取り囲む内サスペンション部213と、内サスペンション部213を取り囲む中間接続部214と、中間接続部214を取り囲む外サスペンション部215と、外サスペンション部215を取り囲む外縁216とを順に備え、当該外縁216は、フレーム11に固定され、そのうち、ドーム部24は、中間接続部214のフロントカバー12に向かう面に固定される。
【0025】
磁気回路システム3は、フロントカバー12に固定された第1磁気ヨーク31と、第1磁気ヨーク31の収容空間10に向かう側に固定された磁性鋼アセンブリ32とを備える。具体的には、磁性鋼アセンブリ32は、第1磁気ヨーク31に固定された第1主磁性鋼321と、第1磁気ヨーク31に固定されかつ第1主磁性鋼321の周側に位置する第1副磁性鋼322とを備え、当該第1主磁性鋼321と第1副磁性鋼322は、間隔を隔てて磁気ギャップ323を形成し、ボイスコイル23は、ボイスコイルブラケット22により該磁気ギャップ323内に挿設される。好ましくは、磁性鋼アセンブリ32は、第1主磁性鋼321の第1磁気ヨーク31から離れる側に固定された第1ポールプレート324と、第1ポールプレート324の前記第1主磁性鋼から離れる側に固定された第2主磁性鋼325とを備え、第2主磁性鋼325の第1ポールプレートから離れる面は、ボトムケーシング13に当接し、本発明において、磁気回路システム32は、第1副磁性鋼322の第1磁気ヨークから離れる側に固定された第2ポールプレート326をさらに備え、また、磁気回路システム32は、第2磁気ヨークをさらに備え、ボトムケーシング13は、すなわち第2磁気ヨークであり、つまり、ボトムケーシング13は導磁材質であり、磁気回路システム3の磁力線を収束させ、磁気回路システム3の導磁性能を増加することができる。図8及び図9に示すように、本発明の他の実施例において、磁気回路システム3は、第2ポールプレート326の第1副磁性鋼から離れる側に固定された第2副磁性鋼327を備え、第2副磁性鋼327の第2ポールプレート326から離れる面は、ボトムケーシング13に当接することで、さらに磁気回路システム3の磁界性能を強化し、ここで、第1主磁性321と第2主磁性鋼325は、いずれも振動方向に沿って着磁されかつ同極が対向し、第1副磁性鋼322と第2副磁性鋼327は、いずれも振動方向に沿って着磁されかつ同極が対向し、第1主磁性321の着磁方向と第1副磁性鋼322の着磁方向は、逆ある。
【0026】
本発明において、磁気回路システム3における第1磁気ヨーク31は、フロントカバー12に固定され、かつ磁気回路システム3は、振動方向に沿って延在して振動膜21における第1開口211を通って振動膜21の内縁212と間隔を隔てて設置され、また、ハウジング1は、フロントカバー12から振動膜に向かって延在しかつ磁気回路システム3を間隔をあけて取り囲む延在部14をさらに備え、振動膜21の内縁212は、当該延在部14に固定されて、振動膜21の内側への支持を図ることができる。本実施例において、延在部14は、リング状構造を呈し、他の実施例において、延在部14は、複数の互いに間隔を隔てて環状に囲設された構造であってもよい。
【0027】
また、図6に示すように、ボイスコイルブラケット22は、振動膜21に固定された第1支持部221と、第1支持部221から振動膜21から離れる方向に向かって折り曲げられて延在する第2支持部222と、第2支持部222の第1支持部221から離れる一端から磁気回路システム3に向かって延在する223とを備え、ボイスコイル23は、第3支持部223に固定される。具体的には、図3図7に示すように、磁気回路システム3がフロントカバー12の位置からボトムケーシング13に固定されるまで延在するため、磁気回路システム3が振動システム2の正常動作に影響することが回避され、ボイスコイルブラケット22の第3支持部223にはそれを振動方向に沿って貫通する第2開口224が設置され、第1主磁性鋼321の振動方向に沿った投影は、当該第2開口224内に収まり、すなわち、理解できるように、ボイスコイル23がボイスコイルブラケット22及び振動膜21を振動させるように駆動する場合、第2開口224は、第1主磁性鋼321を逃がすことに用いることができ、これによって発音衝突が振動システム2の正常な動作に影響を与えることを回避でき、同様に、ボイスコイルブラケット22の第3支持部223には、それを振動方向に沿って貫通する第3開口225がさらに設置され、第1副磁性鋼322の振動方向に沿った投影は、当該第3開口225内に収まり、第2開口224と同じであり、第3開口225の作用は、同様に第1副磁性鋼322を逃がすことに用いられる。第2開口224と第3開口225とは、互いに間隔を隔てる。好ましくは、第1主磁性鋼321、第1ポールプレート324及び第2主磁性鋼325は、振動方向に沿った投影面積が等しく、それに応じて、第1副磁性鋼322、第2ポールプレート326及び第2副磁性鋼327は、振動方向に沿った投影面積が等しい。好ましくは、ボイスコイルブラケット22の第1支持部221は、振動膜21の中間接続部214に固定され、かつ第1支持部221と第3支持部223との延在方向は、いずれも振動方向に垂直であり、第2支持部222は、振動方向に沿って延在する。
【0028】
本実施例において、フロントカバー12にはそれを振動方向に沿って貫通する第4開口122が設置され、当該第4開口122は、振動膜21における第1開口211に対応し、フロントカバー21は、当該第4開口122を取り囲むように形成される開口縁部123を備え、延在部14は、開口縁部123から振動方向に沿って折り曲げて、振動膜21の内縁212に固定的に接続されるまで延在し、理解されるように、磁気回路システム3の第1磁気ヨーク31は、当該第4開口122内に収容されかつフロントカバー12に固定される。
【0029】
本発明のスピーカは、ハウジング、振動システム及び磁気回路システムを備え、前記ハウジングは、フレームと、いずれもフレームに固定されかつ互いに間隔を隔てるフロントカバー及びボトムケーシングとを備え、磁気回路システムは、フロントカバーに固定された第1磁気ヨークと、第1磁気ヨークに固定された磁性鋼アセンブリとを備え、振動システムは、フレームに固定された振動膜と、振動膜に固定されたボイスコイルブラケットと、前記ボイスコイルブラケットにより磁気ギャップに挿設されたボイスコイルとを備え、振動膜には、中間位置に位置しかつそれを振動方向に沿って貫通する第1開口が設置され、振動膜は、第1開口を取り囲むように形成される内縁及びフレームに固定された外縁をさらに備え、磁気回路システムは、振動方向に沿って延在して第1開口を通って、内縁と間隔を隔てて設置され、ハウジングは、フロントカバーから振動膜に向かって延在しかつ磁気回路システムを間隔をあけて取り囲む延在部をさらに備え、振動膜の内縁は、前記延在部に固定され、振動膜に第1開口が設置されることにより、磁気回路システムと振動膜は、振動方向に垂直な平面に独立して設置され、ボイスコイルは、ボイスコイルブラケットにより磁気ギャップ内に挿設され、それによって、磁気回路空間と振動空間は真の相互分離を図れ、振動システムは、デバイスの厚さが減少する場合、依然として十分な振動空間を保持することができ、スピーカが良好な発音性能を有するとともに、より薄型化の設計要求を満たすことに有利である。
【0030】
上述したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱しない範囲において種々変更可能であるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9