(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】統合されたセンサーシステムを有するアウターロータ装置及びその使用
(51)【国際特許分類】
H02K 11/215 20160101AFI20240304BHJP
G01D 5/12 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
H02K11/215
G01D5/12 Q
(21)【出願番号】P 2022516160
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(86)【国際出願番号】 EP2020075466
(87)【国際公開番号】W WO2021048348
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】202019105035.7
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520339518
【氏名又は名称】イービーエム-パプスト ザンクト ゲオルゲン ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】ebm-papst St. Georgen GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hermann-Papst-Strasse 1, 78112 St. Georgen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】キッシュ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】レフラー,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,マーカス
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01541739(EP,A2)
【文献】特開2000-078821(JP,A)
【文献】実開昭61-088480(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0033647(US,A1)
【文献】特開昭58-179150(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02811168(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/00- 11/40
G01D 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロータを受け入れるように構成されているロータハウジング(15)を有し、前記ロータハウジングに設けられている少なくとも1つのセンサーマグネット(30)を有するアウターロータ装置(10)であって、該センサーマグネットが、前記ロータとセンシング上の相関関係にあり、前記ロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されているか配置可能であり、
前記アウターロータ装置(10)が、前記ロータハウジング(15)上に一体的に形成されている少なくとも1つのリング(20)を有し、前記リングが、前記センサーマグネットを受け入れるように構成されている少なくとも1つのポケット(21)を有し、前記センサーマグネット(30)がそのように前記ポケット内に配置されているか配置可能であり、少なくとも1つの空間方向における前記ロータに対する前記センサーマグネットの前記相対的位置が、
少なくとも半径方向に関して、円周方向又は軸方向あるいはそれらの両方に関しても、物質的一体形成によって予め定義されるように、前記リングが、前記ロータハウジングにおける前記ロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されているか配置可能であり、前記リング及び前記ロータハウジングが、幾何学的に対応する周方向表面(15a、20a)を有し、該周方向表面(15a、20a)によって、最大離型度0.1を有する全周にわたる物質的結合界面が設けられていることを特徴とする、アウターロータ装置。
【請求項2】
前記リング(20)が内周面(20a)を有し、該内周面(20a)によって前記リングが前記ロータハウジング(15)の外周面(15a)上に一体的に形成されている、請求項1に記載のアウターロータ装置。
【請求項3】
前記リング(20)及び前記ロータハウジング(15)が、幾何学的に対応する周方向表面(15a、20a)を有し、前記周方向表面(15a、20a)に
物質的結合界面(18)が設けられている、請求項1又は2に記載のアウターロータ装置。
【請求項4】
前記リングと前記ロータハウジングとの間に、
物質的結合界面(18)が画成されており、前記リングと前記ロータハウジングとの間の物質的結合が、該物質的結合界面(18)において
確保されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項5】
前記リングと前記ロータ
ハウジングとの間に嵌合界面(18)が画成されており、該嵌合界面が射出成形によって材料を閉じるように構成されており、該嵌合界面が前記ロータ
ハウジング(15)の外側に画成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項6】
前記アウターロータ装置(10)が、
更なるハウジング部品を追加することによって、
センサーシステム又は前記センサーマグネット(30)あるいはそれらの両方を前記ロータハウジング(15)へと統合するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項7】
前記リング(20)が、追加の物質対物質の要素なしで、
物質対物質の接合において前記ロータハウジングに結合されている、請求項1~
6のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項8】
前記リングが前記ロータ
ハウジングに物理的に結合されている、請求項1~
7のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項9】
前記ロータハウジング(15)が、
前記ロータハウジングの端面部分に配置された
少なくとも1つの穴(16)を有し、前記ポケット(21)又は前記センサーマグネット(30)あるいはそれらの両方が、前記少なくとも1つの穴と半径方向に整列して配置されている、請求項1~
8のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項10】
前記ポケット(21)が、少なくとも4つ又は5つの面で前記センサーマグネット(30)を囲んでいる、請求項1~
9のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項11】
前記ロータ
ハウジング(15)又は前記リング(20)あるいはそれらの両方が、プラスチック材料から作製されている、請求項1~
10のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか1項に記載のアウターロータ装置(10)において、前記アウターロータ装置のロータハウジング(15)に統合されるセンサーのための、
少なくとも1つのセンサーマグネット(30)のための、ポケット(21)としての受け入れキャビティを設けるための、リング(20)の形態の追加のハウジング部品の使用であって、前記追加のハウジング部品(20)が、前記ロータハウジングに対する事前に定義可能な相対的位置における前記受け入れキャビティを有する前記ハウジング部品を前記ロータハウジング(15)上に物質的結合形成するための初期成形プロセスを行うように構成され
、プラスチック材料から作製された固体ハウジング部品の形態で提供され、前記リング及び前記ロータハウジングが、幾何学的に対応する側面(15a、20a)を有し、該側面(15a、20a)に
最大離型度0.1を有する全周にわたる物質的結合界面が設けられているものである、使用。
【請求項13】
前記ロータハウジング(15)に統合されたセンサーを有する請求項1~
12のいずれか1項に記載のアウターロータ装置(10)
を製造する方法であって、
少なくとも1つのセンサーマグネット(30)用の少なくとも1つのポケット(21)を有するリング(20)の形態の追加のハウジング部品をロータハウジング(15)に形成し、それによって少なくとも前記ロータハウジング(15)及び前記リング(20)から一体化ハウジング部を形成する
ように、射出成形の形態の一次成形によって前記リングを前記ロータハウジングの外側面(15a)に結合することによって
前記アウターロータ装置が製造され、前記リング及び前記ロータハウジングが、幾何学的に対応する側面(15a、20a)を有し、該側面(15a、20a)に
最大離型度0.1を有する全周にわたる物質的結合界面が設けられているものである、アウターロータ装置
を製造する方法。
【請求項14】
前記ポケット(21)が、前記センサー又は前記センサーマグネットあるいはそれらの両方の挿入後に、
超音波溶接又はホットスタンプあるいはそれらの両方を適用することによって閉じられる、請求項
13に記載のアウターロータ装置
を製造する方法。
【請求項15】
前記リングが、前記リング又は前記ロータハウジングあるいはそれらの両方の材料を可塑化することによって、前記ロータハウジングに結合されている、請求項13に記載のアウターロータ装置を製造する方法。
【請求項16】
前記リングが、熱硬化性射出成形と、エラストマー射出成形と、多成分射出成形と、インモールド射出成形と、ホットエンボス又は射出圧縮成形又は膨張式フローエンボスと、粉末射出成形と、押出射出成形とからなる群から選択される一次成形プロセスによって、前記ロータハウジングに接合されている、請求項13に記載のアウターロータ装置を製造する方法。
【請求項17】
前記ポケットが5つの面で前記センサーマグネットを囲んでおり、第6の面が、前記リング(20)が形成された後に、超音波溶接又はホットスタンプあるいはそれらの両方によって封止された面である、請求項13に記載のアウターロータ装置を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのロータのためのロータハウジングと、ロータハウジングに設けられた少なくとも1つのセンサーマグネットとを備えたアウターロータ装置であって、センサーマグネットが、ロータとセンシング上の相関関係にあり、ロータに対する事前に定義可能な(vordefinierbarer)相対的位置に配置され得る、アウターロータ装置に関する。特に、本発明は、アウターロータ又はアウターロータハウジングに対してセンサーマグネットを特に有利に配置又は整列させる装置に関する。最後になるが、本発明は、センサー技術をハウジングへと統合するための追加のハウジング部品の使用に関する。特に、本発明は、独立請求項のプリアンブル部(Oberbegriff)に従う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータを有する多くの回転装置では、センサーを統合することが有利である。例えば、アウターロータあるいはアウトランナーロータ(Ausenlauferrotoren)(回転電気機器のアウターロータ設計あるいはアウトランナー設計)の場合、例えば磁場を利用して動作パラメータの監視及び/又は測定値の生成を可能にするセンサーが設けられているならば、非常に有利である。特に、インデックスマグネット(Indexmagneten)又は同様のセンサーを使用して、センサーをアウターロータの外側ケーシングに接着することが既に試験されている。特に、測定技術を応用しているため、それぞれのセンサーを可能な限り正確に、かつ堅牢にハウジングに配置できることが望ましい。
【0003】
このような現状技術に基づき、回転電気機器、特にロータ式の回転電気機器ロータ又はそのハウジングにおけるセンサー技術、特にセンサーマグネットの改良された実装又はより有利な実装に関心が持たれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、センサー、特にセンサーマグネットを、特に好都合な方法でロータ、特にアウターロータに固定することのできる装置を提供することである。特に、本発明の課題は、センサーを特にロータハウジングの穴に対して特に正確に整列及び/又は位置決めできるような方法で統合された磁気センサーを有するアウターロータ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の装置と、請求項19に記載の使用又は請求項20に記載の装置によって解決される。本発明の有利な更なる実施形態は、それぞれの従属請求項に説明されている。以下に説明する実施形態の特徴は、明らかな矛盾が生じない限りは互いに組み合わせることができる。
【0006】
少なくとも1つのアウターロータを受け入れるように構成されているロータハウジングを有し、このアウターロータハウジングに設けられている少なくとも1つのセンサーマグネットを有するアウターロータ装置であって、センサーマグネットが、アウターロータとセンシング上の相関関係にあり、アウターロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されている又は配置可能である、アウターロータ装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、アウターロータ装置が、ロータハウジング上に一体的に形成されている少なくとも1つのリングを備えており、リングが、センサーマグネットを受け入れるように設計されている少なくとも1つのポケット(センサーキャビティ)を備えており、センサーマグネットがそのようにポケット内に配置されている又は配置可能であり、少なくとも1つの空間方向におけるロータに対するセンサーマグネットの相対的位置が、特に少なくとも半径方向に関して、円周方向及び/又は軸方向に関しても、物質的あるいは材料的な結合形成(stoffschlussige Anformung)によって予め定義されるように、リングが、ロータハウジングにおけるロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されている又は配置可能であることが提案される。
【0008】
これにより、特にアウターロータのハウジングにおいても、ロータハウジングの外周にセンサーマグネットを取り付ける特に有利な方法が可能になる。特に、センサー技術を特に正確かつ堅牢に統合することができる。ポケットを使用することで、センサーシステムの相対的な半径方向位置及び向き(特に南北の軸線)を、比較的正確かつ再現性のある方法で定義することができる。最後になるが、コスト面でのメリットも達成できる。組み立て時の公差を最小限に抑えることができる。
【0009】
ロータの位置は、ロータハウジングによって、特に回転の軸線を定義する、少なくとも1つの穴を介して、予め定義することができる。したがって、ハウジングに対する相対的な向き及び配置は、ロータに対する相対的な向き及び配置を意味し、その逆も同様であり得る。
【0010】
本発明は、ハウジングを変更する必要なしにセンサーをハウジングに統合するというコンセプトに基づいている。センサー技術を、最初は別個のリングに統合することができ(又は統合可能とすることができ)、このリングは、好ましくは成形によって、好ましくは接着剤を使用することなく、ハウジングに結合される。これにより、特にサプライチェーン又は製造工程が分かれている場合には、一方でセンサーをリングと一緒に提供し、他方でハウジングを提供し、製造工程の最後に両方の部品を(特に自動車製造のように「マリッジ(Hochzeit)」という意味で)結合することが可能になる。センサー技術は、ハウジングの外側に統合されることが好ましい。この配置構造により、射出成形プロセスの実施も容易になる。
【0011】
これに対し、従来はセンサー技術をハウジングの外側に接着するのが一般的であったが、精度、再現性、耐久性、堅牢性、及び同様の要件の面で対応する欠点があった。センサーを保持するためのポケット又はキャビティは設けられていなかった。このため、この設計では、センサーは露出した位置に配置されるという不都合がある。
【0012】
アウターロータ装置とは、一般的に、アウターロータを有する(ステータがロータよりも内側にある)回転電気機器であると理解されている。特に、アウターロータは、固定子(ステータ)が回転子(ロータ)の内側に位置する回転電気機器(特に発電機又は電気モータ)の設計として理解される。応用例としては、整流式DCモータ、又はかご型ロータを有する非同期モータ等が挙げられ、例えば、軸流ファン、ダイナモ、シーリングファン、ジャイロモータ、コンピュータハードウェアのダイレクトドライブ等に使用されている。
【0013】
センサー技術としては、例としてセンサーマグネット技術について言及する。本発明は、他のセンサー技術にも適用可能である。特に、ポケットは、そのサイズ及び形状に関してであれ、又はロータ若しくはハウジングに対する相対的な配置に関してであれ、ほとんど任意の他のセンサー用に設計することもできる。
【0014】
さらに、本発明はロータ装置の応用範囲を広げ得ることも示されている。特に、センサー技術又はセンサー技術を統合することにより、温度変動又は経年変化の影響、又は紫外線等の外部の影響を受けにくくなる。例えば、接着剤の使用を完全に排除することができる。ハウジングからのセンサーの離脱を、非常に高い確実性で防ぐことができる。
【0015】
これまでに実証されてきた技術とは異なり、本発明において、センサーマグネットを、軸方向及び半径方向に(特にマグネットの南北の軸線に対して)、特にハウジングの穴に対して、極めて正確に位置合わせすることが可能になる。これにより、長期間の使用にわたり制御又は調整の面で最適化することのできる堅牢かつ動作信頼性の高い全体的な配置構造が可能になる。
【0016】
ロータハウジングへのセンサーシステムの統合は、例えばロータハウジングの既に決められた円筒形状に対して、追加の(ハウジング)部品のリング形状によって特に有利に確保できることが示されている。当業者は、リング形状から逸脱して、この追加の(ハウジング)部品の他の形状を創案又は使用することもでき、その形状を使用して、センサー技術をポケット又は同様のキャビティ内に提供することもでき、それによって、2つのハウジング部品(ロータハウジング及びリング又は同等の追加部品)の物質的あるいは材料的結合形成(stoffschlussige Anformung)又は一体的結合を同等の方法で実現することができる。この点において、「リング(ring)」という用語は、幾何学的に限定するものではなく、少なくともほぼ円筒形のハウジングについて説明した場合の例示として理解されたい。
【0017】
一実施の形態によれば、リングは内周面を有し、この内周面を介してリングがロータケースの外周面の上に成形される。このような界面は、特に円筒形の表面、又はごくわずかに円錐形に傾いた表面において、高い寸法精度が得られるという利点も提供する。
【0018】
リング及びロータケースは、幾何学的に対応する周方向表面を有することができ、これらの周方向表面によって、特に物質的あるいは材料的な結合界面(stoffschlussige Schnittstelle)が完全に設けられる。
【0019】
一実施の形態例によれば、リングとロータケースとの間に、特に全周にわたって物質的あるいは材料的結合界面が画成されており、この界面において、リングとロータケースとの間のいずれかの物質的結合又は材料的結合(an welcher der Stoffschluss)が、特に、相互に完全に接触するシェル表面において確保される。さらにこれにより、良好な堅牢性及びタイトフィット又は良好な弾性結合が得られる。
【0020】
リングとロータハウジングとの間には、射出成形又はゲート加工(Anspritzen)によって材料を閉じるように(fur Stoffschluss durch)されている物質的あるいは材料的界面を画成することができ、物質的あるいは材料的界面はロータハウジングの外側面に画成される。特に射出成形の場合には、短時間で大量に生産することもでき、特にコスト面で有利である。
【0021】
アウターロータ装置は、統合のためにハウジングを変更する必要なしに、更なるハウジング部品(リング)を追加することによって、センサーシステムをハウジングへと統合するように構成されている。センサーシステムを、最初は別個のリング(又は同じ統合機能を有する幾何学的に異なる代替部品)へと統合する(又は後から統合する)ことができ、このリングは、好ましくは成形によって、好ましくは接着剤を使用せずに、ハウジングに結合される。
【0022】
リング及びロータハウジングは、幾何学的に対応する側面を有することができ、これらの側面によって、最大分離度(maximalen Formtrenngrad)0.1の完全な物質的界面が設けられる。この配置構造は、少なくともセンサーシステムを間接的に位置決めするのに有利である。離型度(Formtrenngrad)は、特に2つのハウジング部品に関与し得る。例えば、ロータケースでは、下端に界面用の表面を画成することができ、リングは、例えばロータケースの下端と同じ平面においてロータケースに結合される。周方向の位置のみを調整する必要がある。そのため、高さ方向の位置は、ハウジングの形状によって予め定義することができる。
【0023】
一実施の形態によれば、本アウターロータ装置は、特にリングによって提供される別のハウジング部品(特にリング形状又は同様の対応する形状を有する)を追加することによって、センサーシステムをロータハウジングに統合するように構成されている。これにより、位置合わせだけでなく、センサーシステムの取り付けも単純化される。また、本発明は、追加のハウジング部品(リング)によって、センサーのみによって可能であるよりもはるかに大きい取り付け界面を提供するというコンセプトに基づいている。
【0024】
一実施の形態によれば、リングは射出成形によってロータケースに一体成形される(stoffschlussig an das Rotorgehause angeformt)。これにより、特にリングがハウジングの下面も定義している(Gehauseunterseite mitdefiniert)場合には、界面を大きくすることと比較的堅牢な結合も可能となり、良好な角度忠実性とフラットなアライメントが得られる。
【0025】
リング又は追加ハウジング部品は、追加の物質による結合要素なしで、特に接着剤や粘着剤を使用することなく、特にリング及びロータケースの材料のみが関与して、ロータケースに物質的又は材料的に結合する(stoffschlussig)ことができる。これにより、堅牢な界面が提供され、また長期的な耐用年数及び動作信頼性を最大化することができる。
【0026】
特に、リングは、一次成形プロセスによってロータケースに完全に接合することができる。
【0027】
特に、リングは、物理的に(非化学的に)ロータケースに結合することができ、すなわち化学反応を起こさずに、追加の化学的な結合手段を使用することなく結合することができる。例えば、リング及び/又はロータケースの材料を可塑化することによって、特に圧力を印加することによって、リングをロータケースに結合することができる。
【0028】
一実施の形態例によれば、ロータハウジングは、少なくとも1つの穴、特にロータハウジングの端面部分に配置された穴を有し、ポケット又はセンサーマグネットが、少なくとも1つの穴と半径方向に整列して配置されている。これにより、センサー技術の正確かつ計量学的に最適な統合(messtechnisch optimierte Integration)が可能になる。
【0029】
一実施の形態によれば、ポケットは、周囲又は仕切りの意味において、少なくとも4つの面又は5つの面でセンサーマグネットを囲んでいる。これにより、外部の影響に対する良好な保護も提供される。また、ポケットを使用することで、センサーを比較的正確に位置合わせすることができる。ポケットの内部形状は、特に負の形状の意味において、センサーマグネットに対応するように、幾何学的に、かつ寸法に関しても設計することができる。したがってセンサーをポケットに埋め込むことができ、したがって極めて良好に支持することもできる。位置合わせの公差を最小限に抑えることができる。
【0030】
例えば、ポケットは5つの面でセンサーマグネットを囲み、6つ目の面(特にリング又はロータハウジングの下面)は、リングが形成された後に封止される面、特に超音波溶接及び/又はホットスタンピング(Heisverpragen)によって封止される面である。このような設計により、比較的小規模で簡単な後処理ステップによってセンサーシステムを密閉することが可能になる。さらに、成形した後にのみセンサー技術を選択又は実施してポケットに挿入するという選択肢も残されている。これにより、特に、非常に柔軟なプロセスによって、プロセスに関連する更なる可能性及び技術的バリエーションの可能性が提供される。
【0031】
一実施の形態例によれば、ロータハウジング及び/又はリング(追加のハウジング部品)は、プラスチック材料から作製されている。これにより、本明細書に記載されている有利な製造ステップを容易に適用することができる。任意選択的に、ロータケース及びリングは同じ材料から作製される。
【0032】
上述した課題は、特に、アウターロータ装置のロータハウジングに統合されるセンサー技術、特に少なくとも1つのセンサーマグネット、のための受け入れキャビティ(ポケット)を提供するために、アウターロータ装置において、特に上述したアウターロータ装置において、特にリングの形態の追加のハウジング部品を使用することによっても解決され、追加のハウジング部品は、ロータハウジングに対する事前に定義可能な相対的位置における受け入れキャビティを有するハウジング部品をロータハウジング上に物質的あるいは材料的結合形成するための一次成形プロセスを行うように構成されており、特にモールドオンプロセス(moulding-on process)を行うように構成されており、プラスチック材料から作製された固体ハウジング部品の形態で提供される。これにより、上述した利点が得られる。特に、センサーシステムの相対的に正確な位置決め及び堅牢な結合方法を確保することができる。追加のハウジング部品は、特にロータハウジングのカラーを形成することによって、ロータハウジングの一部となる。
【0033】
追加のハウジング部品は、特に射出工程の形態における独自の成形工程によって、ハウジングに統合する、又はハウジング上に成形することができる。
【0034】
前述した課題は、特に、少なくとも1つのロータを受け入れるように構成されているロータハウジングと、ロータハウジングに設けられた少なくとも1つのセンサーマグネットとを有するアウターロータ装置であって、センサーマグネットが、ロータとセンシング上の相関関係にあり、かつ、ロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されている又は配置可能であり、アウターロータ装置が、ロータハウジング上に一体的に形成されている少なくとも1つのリングを有し、リングが、センサーマグネットを受け入れるように構成されている少なくとも1つのポケットを有し、センサーマグネットが、そのようにポケット内に配置されている又は配置可能であり、センサーマグネットの相対的位置がロータとセンシング上の相関関係にあり、かつロータに対する事前に定義可能な相対的位置にあるように、リングが、ロータハウジングにおけるロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されている又は配置可能であり、少なくとも1つの空間方向におけるロータに対するセンサーマグネットの相対的位置が、特に少なくとも半径方向に関して、更には円周方向及び/又は軸方向に関して、物質的あるいは材料的結合形成によって予め定義されており、リング及びロータハウジングが、幾何学的に対応する側面を有し、これらの側面によって物質的な結合界面が、特に完全に設けられており、リングが、追加の材料結合要素なしに、特に接着剤又は糊を使用することなく、特にリングの単数又は複数の材料、リング及びロータハウジングの物質又は材料を含むだけで、物質的あるいは材料的結合方法においてロータハウジングに結合されており、リングが、熱硬化性射出成形、エラストマー射出成形、多成分射出成形、インモールド射出成形、ホットエンボス又は射出圧縮成形又は膨張式フローエンボス(Quellflusspragen)、粉末射出成形、押出射出成形の群から選択される一次成形プロセスによって、ロータハウジングに物質的に結合されている、アウターロータ装置によっても解決される。これにより、先に述べた多数の利点が得られる。特に、追加のハウジング部品又はリングを、特に信頼性が高く正確かつ操作上安全な方法で、ハウジングに結合することができ、それによって、極めて狭い許容範囲内でセンサー技術を位置決め又は実装することができる。
【0035】
上述した課題は、ロータハウジングに統合されたセンサーを有するアウターロータ装置、特に、センサー、特にセンサーマグネットのための少なくとも1つのポケット(受け入れキャビティ)を有するリングの形態の追加のハウジング部品をロータハウジングに形成し、それによって少なくともロータハウジング及びリングから一体的なハウジング部を形成することによって、特に、射出成形の形態の一次成形によって(特にいわゆる「インジェクション成形」(injection molding)によって)リングをロータハウジングの外周面に結合することによって製造される、上述したアウターロータ装置によっても解決される。この結果、上述した利点が得られる。特に、非常に良好な再現性を有する標準化可能な手順を、厳密に事前に定義可能なプロセスパラメータを用いて実現することができ、また、大量生産向けに実現することができる。特に、追加のハウジング部品(リング)は、それぞれのセンサーに合わせて事前にカスタマイズすることができ、物質的嵌合界面の設計に影響を与えることなく個別に提供することができるため、このプロセスは、ポケット内に設けるセンサーの種類とはほぼ無関係に実施することができる。
【0036】
特にリングが固体設計(massiven Ausgestaltung)されているため、ポケットは、リング内の相対的位置において、特定の用途に合わせて個別に最適化することができる(例えば、ロータまでの測定距離を短くするために、できるだけ半径方向内側に配置する等)。センサーマグネットをポケットへと挿入するかどうか又はそのタイミングは、特定の用途に合わせて個別に決定することができる。例えば、リングが成形又は射出された後にセンサーマグネットがポケットへと挿入され、そして、ポケットが封止される、特に全ての空間方向において密閉される(好ましくはポケットの一面、特に下面のみを封止する必要がある)。
【0037】
一体的に(stoffschlussig)ロータハウジングに取り付けられたリングは、特にハウジングの下端部において、ハウジングのカラーを形成することができる。
【0038】
一実施の形態によれば、センサー又はセンサーマグネットを挿入した後、特に超音波溶接及び/又はホットスタンプを使用して、ポケットを封止する。このプロセスステップは、任意選択的に、最初の成形又は射出と組み合わせて行うことができ、任意選択的に、それとは独立して行うこともできる。ポケットを閉じるステップ、特にポケットの下面を閉じるステップは、任意選択的に、他のプロセスによって行うこともできる。特に、センサーマグネットが既にポケット内に幾何学的に予め定義された位置に配置されている場合(例えばポケットの幾何学的形状によりセンサーマグネットを所定の方向に配置する必要が生じる場合)、封止は単にポケットをふさぐ、場合によってはセンサーマグネットの消失を回避する機能を果たすのみであり、したがって当業者は、ポケットを封止するための方法を特定の用途に合わせてほぼ自由にかつ個別に選択することができる。閉じる方法は、センサーマグネットがポケットに配置されるかどうか又はそのタイミングにも依存する。ポケットを閉じるステップは、特に、必要に応じてポケットにアクセスできるようにする場合には、任意選択的に、可逆的に閉じるようにしてもよい。
【0039】
これに対して、インデックスマグネットを有するロータ装置は、これまで、例えば以下の工程によって製造されてきた。
・マグネット(単数又は複数)及びハウジングを活性剤で濡らす。
・少なくとも1つのマグネットを、装置によって位置決め又は固定する。
・特に周方向表面に対するマグネットの所望の相対的位置に影響を与えないように、装置を慎重に取り外す。
・少なくとも1つのマグネット(例えば立方体のマグネット)を周方向表面に接着する。
・例えばUV光を使用して硬化させることができる。
しかしながら、このような方法は、センサーマグネットを正確に位置決めできない、取り付けに比較的多くの時間を要する、及び/又は、例えば温度又は湿度の変動によって接合及び硬化中に最適なプロセスパラメータが維持されない、という欠点を有する。
【0040】
上述した課題は、ハウジングに統合されたセンサー技術を有するアウターロータロータ装置、特に上述したアウターロータ装置を製造する方法であって、少なくとも1つのセンサーマグネットが、ロータとセンシング上の相関関係にあり、かつ、ロータに対する事前に定義可能な相対的位置において、アウターロータ装置の少なくとも1つのロータを受け入れるロータハウジングに配置され、特にリングの形態の少なくとも1つの追加のハウジング部品が、ロータハウジング上に一体的に形成され、追加のハウジング部品が、中にセンサーマグネットが収容される、又は収容できる少なくとも1つのポケットを有し、追加のハウジング部品(したがってポケットも)が、ロータに対するポケット又はセンサーマグネットの相対的位置が事前に定義されるように形成されることにより、ロータハウジングにおけるロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置され、少なくとも1つの空間方向におけるロータに対するセンサーマグネットの相対的位置が、特に少なくとも半径方向に関して、円周方向及び/又は軸方向に関しても、物質的あるいは材料的結合形成によって予め定義される方法によっても解決される。これにより、上に述べた利点が得られる。
【0041】
成形は、特に次のプロセス、すなわち、熱硬化性射出成形、エラストマー射出成形、多成分射出成形、インモールド射出成形、ホットエンボス又は射出圧縮成形又は膨張式フローエンボス、粉末射出成形、押出射出成形のうちの1つによって行うことができる。
【0042】
一実施の形態によれば、このプロセスは、センサーマグネットを挿入すること、及び/又は、特に超音波溶接及び/又はホットスタンプによってポケットを閉じることも含む。
【0043】
本発明は、以下の図面に更に詳細に説明されており、それぞれの図面に明示的に記載されていない参照符号については、別の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1A】一実施形態例によるアウターロータ装置の概略的な上面図である。
【
図1B】一実施形態例によるアウターロータ装置の概略的な側面図である。
【
図2A】一実施形態の更なる例によるアウターロータ装置を示す上面図である。
【
図2B】
図2Aに示した一点鎖線の中心軸(semicentre axis)に沿って切断した側面図において、一実施形態の更なる例によるアウターロータ装置を示す図である。
【
図3A】現状技術によるアウターロータの側面図である。
【
図3B】現状技術によるアウターロータの側面図である。
【
図3C】現状技術によるアウターロータの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1A、
図1Bには、アウターロータ装置10の第1の実施形態を概略的に示しており、ロータ又はアウターロータは明示的には示していない。ロータハウジング15は、回転対称であり、少なくともほぼ円筒形の外周面を有する。ハウジング15には、その上端面に3つの穴16が設けられており、少なくともほぼ中央の1つの穴16と、その半径方向に配置されている、特に半径方向に互いに整列している2つの相対的に小さい穴とである。穴の数は一例として選択されている。これらの穴16は、例えば、ロータ及び/又はアウターロータを配置するための機能を担うことができる。穴16はいずれも、例えば、正面側に設けられたハウジング15の側面の一部に設けられており、例えば、貫通孔及び/又は止まり穴として設計されている。
【0046】
ハウジング15上にリング20(追加のハウジング部品)が成形されている。結合は、リング20の内側側面20aとハウジング15の外側側面15aとが互いに接触する物質的結合界面18を介して確保される。物質的結合界面18は、全体にわたり設けられることが好ましい。両方の表面部分15a、20aは、少なくともほぼ円筒形であり、場合によってはわずかに円錐形でもあり、互いに対応するように幾何学的に設計されている。
【0047】
リングにはポケット又はキャビティ21が設けられており、その中にセンサーマグネット30(又は代替のセンサー技術)が収容される。ポケット21又はセンサーマグネット30は、3つの穴16全てと半径方向に整列している。この例では、ポケット21は、リングの半径方向内側に比較的遠くに設けられている。ポケット21は、6つの面のうち5つの面についてセンサーマグネット30のための囲いを画成しており、6つ目の面(ここでは下面又は前下側面)では、センサーの挿入後に(可逆的に取り外し可能なセンサーを用いて、又は、物質的に封止すること(stoffschlussiges Abschotten)によって不可逆的にも)ポケットを閉じることができる。
【0048】
図1Bでは、相互に接触又は融合又は接合している側面15a、20aが、(物質的界面18を表すように意図されている)点線によって識別されている。
【0049】
図2A、
図2Bには、アウターロータ装置10が一体型ポケット21を有する更なる実施形態を示してあり、この一体型ポケット21は、一体型(好ましくはワンピース型)のハウジング部品においてリング20をロータハウジング15に成形することによって設けることができる。これにより、センサーセンブリを特に高い信頼性で動作するように固定することができ、また、比較的正確に位置決めして整列させることができる。リング20は、射出成形後に、ハウジングのカラーを形成する。これにより、相対的な位置決めを容易にすることができる。任意選択的に、リング20は、他のハウジング機能、例えば(
図2Aの孔によって示されているように)ハウジング全体の締結機能を担うこともできる。このように追加のハウジング部に機能を統合することで、更なるバリエーションが可能になり、特に半径方向におけるセンサーシステムの有利な相対的位置を達成することができる。
【0050】
ポケット21は、少なくともほぼ矩形の断面形状を有する。半径方向の延在部分r21は、例えば、リング20の半径方向の厚さの30%~70%の範囲内である。ポケット21は、リング20の半径方向の延在部分(半径方向の厚さ)に対して、少なくとも半径方向のほぼ中央においてリングに統合されている。リング20は、固体材料(例えばプラスチック)から作製される固体部品として設計されていることが好ましい。ロータハウジング15又は少なくともその外側も、プラスチックから作製することができる。
【0051】
3つの穴16は、少なくともほぼ整列している。センサーマグネット30は、穴16と少なくともほぼ整列している。ポケット21は、穴16と少なくともほぼ整列している。3つの穴16は、ポケットと半径方向に整列するように配置されている。リング20は、一方では周方向位置に関して、他方では高さ位置(特に、リング20の下端面及びハウジング15の下端面の両方によって画成されるハウジング15の平面状の下面)に関しても、比較的正確な相対的配置又は整列を可能にする。
【0052】
図2Bは、ロータケース15に対するリング20の相対的な配置を詳細に示しており、ハウジングの開口部の底部に向かって(すなわち軸方向に)、リング20はハウジングの縁部とわずかに重なっている。これは、例えば、ハウジング15全体の取り付け界面に関して有用であり、特に、取り付け界面が可能な限りリング20の下側によってのみ定義される場合に有用であり得る。
【0053】
特に、ポンプ又はファン技術の分野における用途の場合、モールドオンリング20を含むハウジング15の寸法は、例えば以下のとおりである。
外径(シース外面) 約30mm~50mm
リング20の半径方向延在部分 約2mm~5mm
リングの外径 約35mm~60mm
小さい穴16の直径 約1.5mm~2.5mm
ポケット21の半径方向延在部分 約1mm~4mm
ポケット21の円周方向延在部分 約2mm~6mm
【0054】
図2Bには、離型(Formtrennung)の平面Eも示してある。界面18については、(特に、利用可能な他のミリメートル又はサイズの仕様との関連において)例えば最大0.1の許容離型度(ein zulassiger Formtrenngrad von maximal)を定義することができる。位置及びサイズの許容差は、特にDIN ISO 2768及び/又はISO 14405に従って定義することもできる。測定されないドラフト角度は、例えば0.5°~1.5°の範囲内、特に約1°である。
【0055】
図3A、
図3B、
図3Cは、現状技術による、穴6を有するハウジング5を備え、ハウジング表面の外側にセンサーが取り付けられている又は接着されているアウターロータ1の例を示している。センサーマグネット3は、ハウジング5の外側に設けられており、ハウジングから半径方向に突出しているため、半径方向の凹凸又は突出部が形成されている。アウターロータ1の他の部品に対してセンサーマグネット3を相対的に位置決めすることは、比較的困難であるか、又は比較的不正確なままである(不利に高い位置公差、又は組み立て誤差がある)。センサーマグネット3のこの配置及び取り付けは、例えば、物体との接触若しくは衝突、又は衝突する部品による離脱に関しても、むしろ不利である。
【0056】
図3Cは、センサーマグネット3の北-南(N-S)方向を拡大して示している。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~21の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
少なくとも1つのロータを受け入れるように構成されているロータハウジング(15)を有し、前記ロータハウジングに設けられている少なくとも1つのセンサーマグネット(30)を有するアウターロータ装置(10)であって、該センサーマグネットが、前記ロータとセンシング上の相関関係にあり、前記ロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されているか配置可能であり、
前記アウターロータ装置(10)が、前記ロータハウジング(15)上に一体的に形成されている少なくとも1つのリング(20)を備えており、前記リングが、前記センサーマグネットを受け入れるように構成されている少なくとも1つのポケット(21)を備えており、前記センサーマグネット(30)がそのように前記ポケット内に配置されているか配置可能であり、少なくとも1つの空間方向における前記ロータに対する前記センサーマグネットの前記相対的位置が、特に少なくとも半径方向に関して、円周方向又は軸方向あるいはそれらの両方に関しても、物質的一体形成によって予め定義されるように、前記リングが、前記ロータハウジングにおける前記ロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されているか配置可能であることを特徴とする、アウターロータ装置。
(請求項2)
前記リング(20)が内周面(20a)を有し、該内周面(20a)によって前記リングが前記ロータハウジング(15)の外周面(15a)上に一体的に形成されている、請求項1に記載のアウターロータ装置。
(請求項3)
前記リング(20)及び前記ロータハウジング(15)が、幾何学的に対応する周方向表面(15a、20a)を有し、前記周方向表面(15a、20a)によって、特に周方向に完全に物質的結合界面(18)が設けられている、請求項1又は2に記載のアウターロータ装置。
(請求項4)
前記リングと前記ロータハウジングとの間に、特に周方向に完全に物質的結合界面(18)が画成されており、前記リングと前記ロータハウジングとの間の物質的結合が、該物質的結合界面(18)において、特に相互に完全に接触している周方向表面(15a、20a)において確保されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項5)
前記リングと前記ロータケースとの間に嵌合界面(18)が画成されており、該嵌合界面が射出成形によって材料を閉じるように構成されており、該嵌合界面が前記ロータケース(15)の外側に画成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項6)
前記リング及び前記ロータケースが、幾何学的に対応する周方向表面(15a、20a)を有し、前記周方向表面(15a、20a)によって、最大形状分離度0.1を有する全周にわたる結合界面が設けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項7)
前記アウターロータ装置(10)が、特に前記リング(20)によって提供される更なるハウジング部品を追加することによって、前記センサーシステム又は前記センサーマグネット(30)を前記ロータハウジング(15)へと統合するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項8)
前記リング(20)が、射出成形によって前記ロータハウジング(15)上に一体的に形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項9)
前記リング(20)が、追加の物質対物質の要素なしで、特に接着剤又は糊なしで、特に前記リング及び前記ロータハウジングの1種類又は複数種類の物質又は材料を含むだけで、物質対物質の接合により前記ロータハウジングに結合されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項10)
前記リングが、一次成形プロセスによって前記ロータハウジングに物質的結合されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項11)
前記リングが前記ロータケースに物理的に結合されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項12)
前記リングが、前記リング又は前記ロータケースあるいはそれらの両方の材料を可塑化することによって、特に圧力を加えることによって、前記ロータケースに結合されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項13)
前記リングが、熱硬化性射出成形と、エラストマー射出成形と、多成分射出成形、インモールド射出成形と、ホットエンボス又は射出圧縮成形又は膨張式フローエンボスと、粉末射出成形と、押出射出成形とからなる群から選択される一次成形プロセスによって、前記ロータケースに接合されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項14)
前記ロータハウジング(15)が、少なくとも1つの穴(16)、特に前記ロータハウジングの端面部分に配置された穴を有し、前記ポケット(21)又は前記センサーマグネット(30)が、前記少なくとも1つの穴と半径方向に整列して配置されている、請求項1~13のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項15)
前記ポケット(21)が、少なくとも4つ又は5つの面で前記センサーマグネット(30)を囲んでいる、請求項1~14のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項16)
前記ポケットが5つの面で前記センサーマグネットを囲んでおり、第6の面が、前記リング(20)が形成された後に後から封止された面、特に、超音波溶接又はホットスタンプあるいはそれらの両方によって封止された面である、請求項1~15のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項17)
前記ロータケース(15)又は前記リング(20)あるいはそれらの両方が、プラスチック材料から作製されている、請求項1~16のいずれか1項に記載のアウターロータ装置。
(請求項18)
少なくとも1つのロータを受け入れるように構成されているロータハウジング(15)を有し、前記ロータハウジングに設けられている少なくとも1つのセンサーマグネット(30)を有するアウターロータ装置(10)であって、該センサーマグネットが、前記ロータとセンシング上の相関関係にあり、前記ロータに対する事前に定義可能な相対的位置に配置されているか配置可能であり、
前記アウターロータ装置(10)が、前記ロータハウジング(15)上に一体的に形成されている少なくとも1つのリング(20)を備えており、前記リングが、前記センサーマグネットを受け入れるように構成されている少なくとも1つのポケット(21)を備えており、前記センサーマグネット(30)がそのように前記ポケット内に配置されているか配置可能であり、少なくとも1つの空間方向における前記ロータに対する前記センサーマグネットの相対的位置が、特に少なくとも半径方向に関して、円周方向又は軸方向あるいはそれらの両方に関しても、前記物質的一体形成によって予め定義されるように、前記リングが、前記ロータハウジングにおける前記ロータに対する事前に定義可能な前記相対的位置に配置されているか配置可能であり、前記リング(20)及び前記ロータハウジング(15)が、幾何学的に対応する周方向表面(15a、20a)を有し、前記周方向表面(15a、20a)によって、特に周方向に完全に、物質的界面(18)が設けられており、前記リング(20)が、追加の物質的結合要素なしに、特に接着剤又は糊なしに、特に前記リング(20)の1種類又は複数種類の材料、前記リング及び前記ロータハウジングの物質又は材料を含むだけで、前記ロータハウジングに物質的に接合されており、前記リングが、熱硬化性射出成形と、エラストマー射出成形と、多成分射出成形と、インモールド射出成形と、ホットエンボス又は射出圧縮成形又は膨張式フローエンボスと、粉末射出成形と、押出射出成形との群から選択される一次成形プロセスによって前記ロータハウジングに物質的に接合されていることを特徴とする、アウターロータ装置。
(請求項19)
アウターロータ装置(10)において、特に、請求項1~18のいずれか1項に記載のアウターロータ装置(10)において、前記アウターロータ装置のロータハウジング(15)に統合されるセンサー技術のための、特に少なくとも1つのセンサーマグネット(30)のための、ポケット(21)としての受け入れキャビティを設けるための、特にリング(20)の形態の追加のハウジング部品の使用であって、前記追加のハウジング部品(20)が、前記ロータハウジングに対する事前に定義可能な相対的位置における前記受け入れキャビティを有する前記ハウジング部品を前記ロータハウジング(15)上に物質的結合形成するための初期成形プロセスを行うように構成されており、特に射出成形プロセスを行うように構成されており、プラスチック材料から作製された固体ハウジング部品の形態で提供されるものである、使用。
(請求項20)
前記ロータハウジング(15)に統合されたセンサーを有するアウターロータ装置、特に、請求項1~18のいずれか1項に記載のアウターロータ装置であって、前記センサー用、特に、少なくとも1つのセンサーマグネット(30)用の少なくとも1つのポケット(21)を有するリング(20)の形態の追加のハウジング部品をロータハウジング(15)に形成し、それによって少なくとも前記ロータハウジング(15)及び前記リング(20)から一体化ハウジング部を形成することによって製造される、特に、射出成形の形態の一次成形によって前記リングを前記ロータハウジングの外周面(15a)に結合することによって製造される、アウターロータ装置。
(請求項21)
前記ポケット(21)が、前記センサー又は前記センサーマグネットの挿入後に、特に超音波溶接又はホットスタンプあるいはそれらの両方を適用することによって封止される、請求項20に記載のアウターロータ装置。
【符号の説明】
【0057】
1 現状技術によるアウターロータ
3 標準ハウジング用センサーマグネット
5 現状技術によるロータハウジング
6 穴
10 アウターロータ装置
15 ロータケース
15a シェル外面
16 穴
18 物質的界面又は結合面
20 リング又はカラー、特にプラスチックリング
20a 内面領域
21 リングのポケット又はキャビティ
30 センサー又はセンサーシステム、特にセンサーマグネット
E- 離型のレベル
N 北
S 南
r21 ポケットの半径方向の延在部分