(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】シラン架橋エチレン/α-オレフィンブロックコポリマービーズ発泡体
(51)【国際特許分類】
C08J 9/16 20060101AFI20240304BHJP
C08J 3/24 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
C08J9/16 CES
C08J3/24 A
(21)【出願番号】P 2022519260
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2019108490
(87)【国際公開番号】W WO2021056406
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ユンホン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダン、ジョゼフ ジェイ. アイ.
(72)【発明者】
【氏名】プリエト、ミゲル アルベルトデジーザス
【審査官】加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-533289(JP,A)
【文献】特開2008-163128(JP,A)
【文献】特表2021-535233(JP,A)
【文献】特表2019-500452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/16
C08J 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスであって、
(i)シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(Si-g-OBC)から構成されるペレットを10%~80%のゲル含有量に架橋して、架橋Si-g-OBCペレットを形成することと、
(ii)前記架橋Si-g-OBCペレットを発泡させて、10%~80%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記Si-g-OBCのペレットを水に浸漬することと、
前記Si-g-OBCペレットを10%~80%のゲル含有量に加水分解的に架橋することと、を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記Si-g-OBCのペレットをジブチルスズ溶液に浸すことと、
前記Si-g-OBCペレットを10%~80%のゲル含有量に触媒的に架橋することと、を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記発泡前に、前記Si-g-OBCのペレットを前記10%~80%のゲル含有量に架橋することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記発泡させることが、発泡条件下で前記架橋Si-g-OBCのペレットを発泡剤と接触させることと、
前記架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することと、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
(i)0.200g/cc未満の密度、
(ii)117℃~121.5℃の溶融温度、および
(iii)63~65のJ/gでの融解熱ΔHを有する、架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを焼結することと、
焼結発泡体物品を形成することと、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
(i)アスカーCに従って測定された40.0~41.0の硬度、
(ii)0.190g/cc~0.210g/ccの密度、および
(iii)1分で測定された87.0%~100%の動的回復率を有する、焼結発泡体物品を形成することを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
10%~80%のゲル含有量を有する架橋シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーから構成される発泡体ビーズを含
み、
(i)アスカーCに従って測定された40.0~41.0の硬度、
(ii)0.190g/cc~0.210g/ccの密度、および
(iii)1分で測定された87.0%~100%の動的回復率を有する、焼結発泡体物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、架橋エチレン系ポリマー発泡体に関する。
【0002】
ポリエチレン発泡体は、ミッドソール用途などの履物部品に利用される。エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーおよびポリオレフィンエラストマーを含む架橋エチレン系ポリマーは、化学発泡剤で簡単に発泡させることができるため、伝統的に履物におけるポリエチレン発泡体市場を支配してきた。しかしながら、化学発泡剤は、不快な臭いを発生させ、鋳型を汚染することが知られている。履物産業で使用されるそのような架橋化学発泡プロセスは非常に労働集約的であるため、環境およびコスト節約プロセスを有する代替の発泡技術が追求されている。
【0003】
物理的発泡の一種であるビーズ発泡技術は、自動化を可能にする代替の発泡方法である。化学発泡と比較してビーズ発泡技術の利点としては、不快な臭いがないこと、鋳型への汚染が少ないこと、リサイクルが可能であること、および部品の等方特性が挙げられる。ただし、すべてのポリマーが、ビーズ発泡技術に好適であるというわけではない。
【0004】
ビーズ発泡技術で使用される架橋エチレン系ポリマーは、それらが適切に発泡するために低密度である必要がある。さらに、ポリマーは高温で安定していなければならず、これは発泡体ミッドソールなどの焼結発泡構造体を形成するために必要である。ポリマーはまた、高温に供されても収縮しない発泡体ビーズを形成する必要がある。したがって、低密度であり、高温で安定したままである架橋エチレン系ポリマー組成物が必要とされる。
【0005】
当技術分野は、発泡に好適な密度を示す架橋エチレン系ポリマー組成物の必要性を認識している。当技術分野はまた、高温に供されたときに収縮しない発泡体ビーズ構造体を形成する架橋エチレン系ポリマー組成物の必要性を認識している。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、プロセスを提供する。本プロセスは、(i)シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(Si-g-OBC)から構成されるペレットを10%~80%のゲル含有量に架橋して、架橋Si-g-OBCペレットを形成することと、(ii)架橋Si-g-OBCペレットを発泡させて、10%~80%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することと、を含む。
【0007】
本開示はまた、本プロセスから形成された発泡体ビーズを提供する。一実施形態では、架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズは10%~80%のゲル含有量を有し、発泡体ビーズは0.200g/cc未満の発泡体密度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】比較サンプルおよび本発明の実施例のための発泡ビーズの焼結プラークの断面図の写真である。
【
図2】比較サンプルおよび本発明の実施例のための発泡体ビーズの焼結プラークの断面図の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を提供する。
【
図3】比較サンプルおよび本発明の実施例の時間の関数としての発泡体プラークの厚さの回復率を示すグラフである。
【0009】
定義
元素周期表へのいずれの参照も、CRC Press,Inc.によって1990~1991年に発行されたときのものである。この表における元素の族への参照は、族の番号付けの新しい表記法による。
【0010】
米国特許実務の目的では、任意の参照されている特許、特許出願、または出版物の内容は、特に定義の開示(特に本開示で提供されている任意の定義と矛盾しない範囲で)および当技術分野では一般的な知識に関して、参照によってそれらの全体が組み込まれる(あるいはその同等の米国版がそのように参照によって組み込まれる)。
【0011】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値および上限値を含む、下限値から上限値のすべての値を含む。明示的な値(例えば、1もしくは2、または3~5、または6、または7)を含む範囲の場合。1~7の範囲は、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6などのサブ範囲を含む。
【0012】
相反する記載がない限り、文脈から暗示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、すべての部およびパーセンテージは、重量に基づき、すべての試験方法は、本開示の出願日時点で最新のものである。
【0013】
「発泡剤」は、発泡プロセスを介して組成物中に気泡構造を生成することができる物質である。
【0014】
本明細書で使用される「ブレンド」または「ポリマーブレンド」という用語は、2つ以上のポリマーのブレンドである。そのようなブレンドは、混和性(分子レベルで相分離しない)であってもなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離してもしなくてもよい。そのようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当技術分野で既知の他の方法から決定される1つ以上のドメイン構成を含有してもしなくてもよい。
【0015】
「ブロックコポリマー」または「セグメント化コポリマー」という用語は、線状様式で接合された2つ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、ペンダントまたはグラフト方式ではなく、重合官能基に関して端部と端部とが接合(共有結合)している化学的に区別された単位を含むポリマーを指す。一実施形態では、ブロックは、その中に組み込まれたコモノマーの量またはタイプ、密度、結晶化度の量、結晶化度のタイプ(例えば、ポリエチレン対ポリプロピレン)、そのような組成のポリマーに起因する結晶子サイズ、立体規則性のタイプまたは程度(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)、位置規則性または位置不規則性、長鎖分岐または超分岐を含む分岐の量、均一性、または任意の他の化学的もしくは物理的特性で異なる。ブロックコポリマーは、それらの調製に用いられる触媒と組み合わせたシャトリング剤の効果により、ポリマー多分散性(PDIまたはMw/Mn)およびブロック長分布の両方の特有の分布を特徴とする。
【0016】
「組成物」という用語は、組成物を構成する材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0017】
「備える」、「含む」、「有する」という用語、およびそれらの派生語は、それが具体的に開示されているかどうかにかかわらず、任意の追加の構成成分、ステップ、または手順の存在を除外することを意図しない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求されるすべての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、あらゆる続く記述の範囲からあらゆる他の成分、ステップ、または手順を除く。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないあらゆる成分、ステップ、または手順も除く。「または」という用語は、特に明記しない限り、列挙されたメンバーを個別に、ならびに任意の組み合わせで指す。単数形の使用には、複数形の使用が含まれ、またその逆も含まれる。
【0018】
「エチレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント(重量%)超の重合エチレンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に少なくとも1つのコモノマーを含有し得る。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマー、およびエチレンコポリマー(エチレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。「エチレン系ポリマー」および「ポリエチレン」という用語は、互換的に使用され得る。エチレン系ポリマー(ポリエチレン)の非限定的な例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)および線状ポリエチレンが挙げられる。線状ポリエチレンの非限定的な例としては、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、多成分エチレン系コポリマー(EPE)、エチレン/a-オレフィンマルチブロックコポリマー(オレフィンブロックコポリマー(OBC)としても知られている)、シングルサイト触媒線状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、実質的に線状または線状のプラストマー/エラストマー、および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。一般に、ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒などの不均一触媒システム、第4族遷移金属、およびメタロセン、非メタロセン金属中心、ヘテロアリール、ヘテロ価アリールオキシエーテル、ホスフィンイミンなどの配位子構造を含む均一触媒システムを使用して、気相、流動床反応器、液相スラリープロセス反応器、または液相溶液プロセス反応器で生成され得る。不均一触媒および/または均一触媒の組み合わせもまた、単一反応器または二重反応器の構成のいずれかに使用され得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、「発泡体ビーズ」という用語は、不活性ガス(例えば、CO2またはN2)などの発泡剤の存在下で、ポリマー粒子の最高溶融温度(Tm)の±30℃以内の温度で、50バール~200バールの圧力にて、ポリマー粒子(例えば、ペレット、粒状粒子、好ましくはペレット)を飽和させることによって形成される発泡ポリマー粒子を指す。飽和は、典型的には、ポリマー粒子の直径が、発泡前の元の直径に対して少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも100%増加するような時間で起こる。典型的には、飽和時間は、0.1~2.0時間である。
【0020】
「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されたポリマーである。この総称は、2つの異なるモノマーから調製されたポリマー、および3つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマー、例えばターポリマー、テトラポリマーなどを指すために通常用いられるコポリマーを含む。
【0021】
「オレフィン系ポリマー」または「ポリオレフィン」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合オレフィンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含み得る。オレフィン系ポリマーの非限定的な例は、エチレン系ポリマーである。
【0022】
「ポリマー」は、同じまたは異なるタイプに関わらず、重合形態で、ポリマーを作り出す多数および/または繰り返しの「単位」または「マー単位」を提供することから重合される、モノマーを重合することにより調製された化合物である。したがって、ポリマーという総称は、1つのタイプのモノマーのみから調製されたポリマーを指すために通常用いられるホモポリマーという用語、および少なくとも2つのタイプのモノマーから調製されたポリマーを指すために通常用いられるコポリマーという用語を包含する。それはまた、例えばランダム、ブロックなどのすべての形態のコポリマーを包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」および「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、それぞれ、エチレンまたはプロピレンと、1つ以上の追加の重合性α-オレフィンモノマーとを重合することから調製された上述のコポリマーを示す。ポリマーは、多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「で作製され」、特定のモノマーまたはモノマータイプに「基づいて」、特定のモノマー含有量を「含有する」などと称されるが、この文脈では、「モノマー」という用語は、特定のモノマーの重合残留物を指し、非重合種を指すものではないと理解されることに留意する。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものを指す。
【0023】
「プロピレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合プロピレンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有し得る。プロピレン系ポリマーには、プロピレンホモポリマー、およびプロピレンコポリマー(プロピレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)が含まれる。「プロピレン系ポリマー」および「ポリプロピレン」という用語は、互換的に使用され得る。
【0024】
「焼結」は、ビーズを液化点まで溶融させることなく、熱および/または圧力によって、融合した発泡体ビーズの塊を圧縮して、物品に形成するプロセスである。
【0025】
「焼結発泡構造体」という用語は、本明細書に記載されるように、典型的には真空下において、熱源の存在下で発泡体ビーズを圧縮することによって形成される発泡構造体を指す。典型的には、熱源は、0.5バール以上の蒸気圧の蒸気である。鋳型の充填は、典型的には、1atm未満の圧力等の真空を使用して行われる。
【0026】
試験方法
焼結発泡構造体のアスカーC硬度を、ASTM D2240に従って、20cm(長さ)×10cm(幅)×1~2cm(厚さ)のプラーク(2つのスキン層を備えた元の焼結発泡構造体)に対して測定した。各実施例について1つのサンプルを試験した。各サンプルを、サンプルの表面全体(すなわち、サンプルに沿った異なる位置)で少なくとも3回(各測定の間に5秒の待ち時間で)測定した。平均を記録した。
【0027】
g/10分でのメルトインデックス(MI)(I2)は、ASTM D1238(190℃/2.16kg)に従って測定される。結果は、10分(g/10分)当たりの溶出グラム数で報告される。
【0028】
示差走査熱量測定(DSC)
広範囲の温度にわたるポリマーの溶融、結晶化、およびガラス転移挙動を測定するために、示差走査熱量測定(DSC)が使用される。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)およびオートサンプラーを装備するTA Instruments Q2000 DSCを使用して、この分析を行った。試験中、50ml/分の窒素パージガス流量を使用した。各サンプルを薄いフィルムに190℃で溶融プレスし、次いで、溶融したサンプルを室温(25℃)まで空冷した。3~10mg、直径6mmの試験片を冷却したポリマーから取り出し、重さを量り、軽量のアルミニウム皿(50mg)に置き、圧着して閉じた。次いで、その熱的特性を決定するために分析を行った。
【0029】
サンプルの熱挙動は、サンプルの温度を上下させて、熱流量対温度プロファイルを作成することによって決定した。最初に、サンプルを10.00℃/分で200.0℃に加熱し、その熱履歴を除去するために5分間等温に保った。次に、サンプルを10℃/分の冷却速度で-80℃まで冷却し、-80℃で5分間等温に保った。次に、サンプルを10℃/分の加熱速度で200℃まで加熱した(これは「第2の加熱」勾配である)。冷却曲線および第2の加熱曲線が記録された。決定した値は、外挿される溶融開始Tmおよび外挿される結晶化開始Tcである。(1グラム当たりのジュール単位の)融解熱(Hf)、および以下の等式を使用して計算されたポリエチレンサンプルの結晶化度%:結晶化度%=((Hf)/292J/g)x100。
【0030】
融解熱(Hf)(溶融エンタルピーとしても知られている)およびピーク溶融温度は、第2の加熱曲線から報告した。
【0031】
溶融転移の開始と終了との間のベースラインを最初に引くことによって、融点TmをDSC加熱曲線から決定した。次いで、溶融ピークの低温側のデータに接線を描いた。この線が、ベースラインと交差する場所が、外挿された溶融開始(Tm)である。これは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,277-278(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)に記載されている通りである。
【0032】
発泡体密度は、シンカーを使用して水中でポリマー発泡体の軽量を伴うASTM D792-00に従って測定される。結果は、g/ccで記録される。
【0033】
焼結発泡構造体の発泡体密度は、20cm(長さ)×10cm(幅)×1~2cm(厚さ)(2つのスキン層を有する元の焼結発泡構造体)の寸法を有するプラークをグラムで計量し、プラークの長さ、幅、および厚さを使用してプラークの体積(立方センチメートル、cm3)を決定することによって測定される。結果(重量/体積)は、g/cm3(g/cc)で記録される。
【0034】
ゲル含有量は、以下の様式で得られる。ペレットまたはビーズの標本を120メッシュの金属メッシュバッグに置き、600mlのキシレンで5時間煮沸する。600mlのキシレン中のペレットまたはビーズの総重量は、約2gである。5時間煮沸した後、メッシュバッグを取り出し、真空オーブン内で120℃で2時間乾燥させ、次に計量する。結果は、材料の総重量に基づいてパーセント(%)で記録される。ゲルのパーセントは、通常、架橋レベルの増加とともに増加する。
【0035】
エネルギー損失の特性評価のための動的機械分析(DMA)試験。機器:RSA-G2、TA Instruments。形状:圧縮固定具、15mmディスク、方法周波数掃引、周波数:0.1~100rad/秒、温度:25℃、ひずみ:10%。DMA試験中に、Tan(delta)が記録され、これは、損失弾性率と貯蔵弾性率との比率、つまり弾性特徴評価である。
【0036】
動的圧縮永久歪み試験(スキンをオンにした状態):器材:MTS810。
【0037】
ビーズ発泡体の焼結プラークは、以下の試験条件で動的圧縮永久歪み試験に使用される:圧縮ひずみ:50%、圧縮領域サイズ:
【数1】
50mm、圧縮周波数:1Hz、予圧:5N、サイクル:10,000サイクル、試験温度:23℃。10,000サイクル後、プラークは、MTSプレートからすばやく切り離され、圧縮円形領域の直径に沿って切断される。1分後、圧縮プラークの厚さは、ノギスを使用して測定される。元のプラークの厚さに対する1分での厚さの比率は、即時回復率として定義される(したがって、即時圧縮永久歪み=2*(1-即時回復率))。時間の経過に伴う回復率は、一定時間後の厚さを測定することによって得られる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、プロセスを提供する。本プロセスは、(i)シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(Si-g-OBC)から構成されるペレットを10%~80%のゲル含有量に架橋して、架橋Si-g-OBCペレットを形成することと、(ii)架橋Si-g-OBCペレットを発泡させて、10%~80%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することと、を含む。
【0039】
(a)ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー
本プロセスは、シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーから構成される架橋ペレットを含む。ベースポリマーは、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーである。
【0040】
「エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー」という用語は、重合形態にあるエチレンおよび1つの共重合性C4-C8α-オレフィンコモノマーからなるエチレン/C4-C8α-オレフィンマルチブロックコポリマーを指し、このポリマーは、化学的または物理的特性が異なる2つの重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントを特徴とし、ブロックは、線状様式で接合(または共有結合)している、すなわち、ポリマーは、重合エチレン性官能基に関して端部同士接合している化学的に区別された単位を含む。ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーには、2つのブロック(ジブロック)および3つ以上のブロック(マルチブロック)を持つブロックコポリマーが含まれる。C4-C8α-オレフィンは、ブテン、ヘキセン、およびオクテンから選択される。ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、スチレン(すなわち、スチレンを含まない)、および/またはビニル芳香族モノマー、および/または共役ジエンを含まないか、そうでなければそれらを除外する。コポリマー中の「エチレン」または「コモノマー」の量を指す場合、これは、その重合単位を指すことが理解される。いくつかの実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、次の式によって表すことができる:(AB)n;式中、nは少なくとも1であり、好ましくは2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100以上等の1より大きい整数であり、「A」は硬質ブロックまたはセグメントを表し、「B」は軟質ブロックまたはセグメントを表す。AおよびBは、実質的に分岐または実質的に星形の方式とは対照的に、実質的に線状方式で、または線状様式で、連結または共有結合される。他の実施形態では、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。言い換えれば、ブロックコポリマーは、通常、以下のような構造を有さない:AAA-AA-BBB-BB。一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、異なるコモノマーを含む第3のタイプのブロックを有さない。別の実施形態では、ブロックAおよびブロックBの各々は、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマーまたはコモノマーを有する。言い換えれば、ブロックAもブロックBも、ブロックの残りの部分とは実質的に異なる組成を有する先端セグメントなど、別個の組成の2つ以上のサブセグメント(またはサブブロック)を含まない。
【0041】
好ましくは、エチレンは、全塩基エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの大部分モル分率を含み、すなわち、エチレンは、全塩基エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの少なくとも50重量%を含む。より好ましくは、エチレンは、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%を構成し、全ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの実質的な残りは、C4-C8α-オレフィンコモノマーを含む。一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、50重量%、または60重量%、または65重量%~80重量%、または85重量%、または90重量%のエチレンを含有する。多くのベースエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの場合、組成物は、全ベースエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの80重量%超のエチレン含有量、および全ベースエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの10重量%~15重量%、または15重量%~20重量%のオクテン含有量を含む。
【0042】
ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、様々な量の「硬質」セグメントおよび「軟質」セグメントを含む。「硬質」セグメントは、エチレンが、ポリマーの重量に基づいて、90重量%超、または95重量%、または95重量%超、または98重量%超、最大100重量%の量で存在する重合単位のブロックである。言い換えれば、硬質セグメント中のコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量に基づいて、10重量%未満、または5重量%、または5重量%未満、または2重量%未満であり、最低でゼロであり得る。いくつかの実施形態では、硬質セグメントは、エチレンに由来するすべてまたは実質的にすべての単位を含む。「軟質」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)が、ポリマーの重量に基づいて、5重量%超、または8重量%超、または10重量%超、または15重量%超である重合単位のブロックである。一実施形態では、軟質セグメントのコモノマー含有量は、20重量%を超える、または25重量%を超える、または30重量%を超える、または35重量%を超える、または40重量%を超える、または45重量%を超える、または50重量%を超える、または60重量%を超え、最大100重量%であり得る。
【0043】
軟質セグメントは、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの総重量の1重量%、または5重量%、または10重量%、または15重量%、または20重量%、または25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%~55重量%、または60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%、または80重量%、または85重量%、または90重量%、または95重量%、または99重量%でベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー中に存在し得る。逆に、硬質セグメントは、同様の範囲で存在することができる。軟質セグメントの重量百分率および硬質セグメントの重量百分率は、DSCまたはNMRから得られたデータに基づいて計算することができる。そのような方法および計算は、例えば、USP7,608,668に開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特に、硬質および軟質セグメントの重量パーセントおよびコモノマー含有量は、USP7,608,668の第57欄~第63欄に記載されるように決定され得る。
【0044】
ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、線状様式で接合(または共有結合)した2つ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と称される)を含み、すなわち、それはペンダントまたはグラフト化された方式ではなく、重合エチレン性官能基に関して端と端で接合している化学的に区別された単位を含有する。一実施形態では、ブロックは、組み込まれたコモノマーの量もしくは種類、密度、結晶化度の量、かかる組成のポリマーに起因する結晶子サイズ、タクティシティの種類もしくは程度(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)、部位規則性もしくは部位不規則性、分岐(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)の量、均一性、または他の任意の化学的もしくは物理的特性が異なる。連続モノマー付加、流動触媒、またはアニオン重合技術によって製造されるインターポリマーを含む、先行技術のブロックインターポリマーと比較して、本発明のベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、一実施形態では、シャトリング剤とそれらの調製において使用される複数の触媒との組み合わせの効果により、ポリマー多分散性(PDIまたはMw/MnまたはMWD)、多分散ブロック長分布、および/または多分散ブロック数分布の両方の特有の分布を特徴とする。
【0045】
一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、連続プロセスで製造され、1.7~3.5、または1.8~3、または1.8~2.5、または1.8~2.2の多分散指数(Mw/Mn)を有する。バッチまたは半バッチプロセスで製造される場合、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、1.0~3.5、または1.3~3、または1.4~2.5、または1.4~2のMw/Mnを有する。
【0046】
加えて、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、ポアソン分布ではなく、シュルツ・フロリー分布に適合するPDI(またはMw/Mn)を有する。本発明のベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、多分散ブロック分布と並んでブロックサイズの多分散分布の両方を有する。これにより、改善された区別可能な物理的特性を有するポリマー生成物が形成される。多分散ブロック分布の理論的利益は、Potemkin,Physical Review E(1998)57(6),pp.6902-6912,およびDobrynin,J.Chem.Phvs.(1997)107(21),pp.9234-9238において以前にモデル化され、考察されている。
【0047】
一実施形態では、本発明のベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、ブロック長の最確分布を有する。
【0048】
好適なベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの非限定的な例は、米国特許第7,608,668号に開示されており、その全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0049】
一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、硬質セグメントおよび軟質セグメントを有し、スチレンを含まず、(i)エチレンと(ii)C4-C8α-オレフィンと(任意の添加剤と)のみからなり、1.7~3.5のMw/Mn、摂氏度での少なくとも1つの融点Tm、およびグラム/立方センチメートルでの密度dを有すると定義され、ここで、Tmおよびdの数値は、次の関係に対応し: Tm>-2002.9+4538.5(d)-2422.2(d)2、式中、密度dは、0.850g/cc、または0.860g/cc、または0.870g/cc~0.875g/cc、または0.877g/cc、または0.880g/cc、または0.890g/ccであり、融点Tmは、110℃、または115℃、または120℃~122℃、または125℃、または130℃、または135℃である。
【0050】
一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、0.850g/cc、または0.860g/cc、または0.865g/cc、または0.870g/cc~0.877g/cc、または0.880g/cc、または0.900g/ccの密度を有する。別の実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、0.850g/cc~0.900g/cc、または0.865g/cc~0.900g/cc、または0.865g/cc~0.890g/ccの密度を有する。
【0051】
一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、110℃、または115℃、または120℃~122℃、または125℃、または130℃、または135℃の融点Tmを有する。別の実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、110℃~135℃、または115℃~130℃、または120℃~130℃の融点Tmを有する。
【0052】
一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、0.1g/10分、または0.5g/10分~1.0g/10分、または2.0g/10分、または5g/10分、または10g/10分、または50g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。別の実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、0.1g/10分~50g/10分、または0.5g/10分~10g/10分、または0.5g/10分~5g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0053】
一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、ベースエチレン/1-オクテンマルチブロックコポリマー(エチレンおよびオクテンコモノマーのみからなる)であり、以下の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:(i)1.7、もしくは1.8~2.2、もしくは2.5、もしくは3.5のMw/Mn、ならびに/または(ii)0.850g/cc、もしくは0.860g/cc、もしくは0.865g/cc、もしくは0.870g/cc~0.877g/cc、もしくは0.880g/cc、もしくは0.900g/ccの密度、ならびに/または(iii)115℃、もしくは118℃、もしくは119℃、もしくは120℃~121℃、もしくは122℃、もしくは125℃の融点Tm、ならびに/または(iv)0.1g/10分、もしくは0.5g/10分~1.0g/10分、もしくは2.0g/10分、もしくは5g/10分、もしくは10g/10分、もしくは50g/10分のメルトインデックス(I2)、ならびに/または(v)50重量%~85重量%の軟質セグメント、および50重量%~15重量%、もしくは40重量%~15重量%の硬質セグメント、ならびに/または(vi)軟質セグメント中、10mol%、もしくは13mol%、もしくは14mol%、もしくは15mol%~16mol%、もしくは17mol%、もしくは18mol%、もしくは19mol%、もしくは20mol%のC4-C12α-オレフィン、ならびに/または(vii)硬質セグメント中、0.5mol%、もしくは1.0mol%、もしくは2.0mol%、もしくは3.0mol%~4.0mol%、もしくは5mol%、もしくは6mol%、もしくは7mol%、もしくは9mol%のオクテン、ならびに/または(viii)300%分・1の変形速度、21℃で、ASTM D1708に従って測定される場合の50%、もしくは60%~70%、もしくは80%、もしくは90%の弾性回復率(Re)、ならびに/または(ix)ブロックの多分散分布およびブロックサイズの多分散分布、ならびに/または(x)50、もしくは60、もしくは65、もしくは70、もしくは75~80、もしくは85、もしくは90のショアA硬度。さらなる実施形態では、ベースエチレン/1-オクテンマルチブロックコポリマーは、上の特性(i)~(x)のすべてを有する。
【0054】
一実施形態では、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、ベースエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーである。ベースエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、米国ミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから入手可能な商品名INFUSE(商標)で販売されている。
【0055】
ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、本明細書で考察される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0056】
(b)加水分解性シランモノマー
本プロセスは、シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの提供を含む。言い換えれば、シランは、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー上にグラフトされる。
【0057】
一実施形態では、シランは、加水分解性シランモノマーである。「加水分解性シランモノマー」は、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーにグラフトして、シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーを形成するシラン含有モノマーである。
【0058】
加水分解性シランモノマーは、以下の構造(1)を有する。
【化1】
式中、R
1は水素原子またはメチル基であり、xは0または1であり、nは0、または1~4、または6、または8、または10、または12の整数であり、各R
2は、独立して、1個~12個の炭素原子を有するアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アラロキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、1個~12個の炭素原子を有する脂肪族アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ)、アミノ基もしくは置換アミノ基(例えば、アルキルアミノ、アリールアミノ)、または1個~6個の炭素原子を有する低級アルキル基等の加水分解性有機基であるが、ただし、3つのR
2基のうちの1つ以下はアルキルである。
【0059】
加水分解性シランモノマーは、2,5-ジメチル-2,5,-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサンなどの好適な量の有機過酸化物を使用することによって、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーにグラフトされて、シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーが形成され得る。
【0060】
好適な加水分解性シランモノマーの非限定的な例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルまたはガンマ(メタ)アクリロキシアリル基等のエチレン性不飽和ヒドロカルビル基、および例えば、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルボニルオキシ、またはヒドロカルビルアミノ基等の加水分解性基を含むシランモノマーが挙げられる。好適な加水分解性基の非限定的な例としては、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロプリオニルオキシ基、およびアルキル基またはアリールアミノ基が挙げられる。一実施形態では、加水分解性シランモノマーは、不飽和アルコキシシランであり、これは、ベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーにグラフトされ得る。これらの加水分解性シランモノマーおよびそれらの調製方法は、参照により本明細書に組み込まれるUSP5,266,627により完全に記載されている。適切な加水分解性シランモノマーの非限定的な例としては、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン(VTES)、ビニルトリアセトキシシラン、およびガンマ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0061】
好適な有機過酸化物の非限定的な例としては、ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(BIBP)、ジアルキルペルオキシド、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なジアルキルペルオキシドの非限定的な例としては、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-アミルペルオキシ)-ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tertブチルペルオキシ)ヘキシン-3,2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-アミルペルオキシ)ヘキシン-3、a,a-ジ[(tert-ブチルペルオキシ)-イソプロピル]-ベンゼン、ジ-t-アミルペルオキシド(DTAP)、l,3,5-トリ-[(tert-ブチルペルオキシ)-イソプロピル]ベンゼン、1,3-ジメチル-3-(tert-ブチルペルオキシ)ブタノール、l,3-ジメチル-3-(tert-アミルペルオキシ)ブタノール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
一実施形態では、過酸化物は、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-ヘキサンである。
【0063】
一実施形態では、加水分解性シランモノマーはVTMSであり、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーはエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーである。
【0064】
A.シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(Si-g-OBC)。
本組成物は、シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(Si-g-OBC)を含む。「シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー」は、加水分解性シランモノマーが共有結合したエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーである。加水分解性シランモノマーは、ペンダントをポリマー鎖に結合させるか、またはポリマー鎖内に結合させることができる。一実施形態では、Si-g-OBCは、例えば、各々が参照によって本明細書に組み込まれる、USP3,225,018および4,574,133に記載されているように、本発明の発泡体ビーズにインターポリマーを組み込む前に押出などのプロセスによって、加水分解性シランモノマー(ビニルシランモノマーなど)がベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックインターポリマーの骨格にグラフトされるシオプラス(Sioplas)プロセスなどのプロセスによって形成される。
【0065】
一実施形態では、Si-g-OBCは、Si-g-OBCの総重量に基づいて、0.1重量%、または0.5重量%~1.0重量%、または1.05重量%、または1.1重量%、または1.2重量%~1.5重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%のシランを含有する。別の実施形態では、Si-g-OBCは、Si-g-OBCの総重量に基づいて、0.1重量%~5.0重量%、もしくは0.5重量%~3.0重量%、もしくは0.5重量%~2.0重量%のシラン、または0.5重量%~1.2重量%のシランを含有する。
【0066】
一実施形態では、本プロセスは、Si-g-OBCをペレット化するステップを含む。ペレットは、2.0mm、または2.3mm~3.0mm、または3.5mmの直径、および2.0mm、または2.3mm~3.0mm、または3.5mmの長さを有し得る。一実施形態では、Si-g-OBCはペレットの形態であり、各ペレットは2.3mm~3.0mmの直径および2.3mm~3.0mmの長さを有する。
【0067】
i.Si-g-OBCから構成されるペレットを10%~80%のゲル含有量に架橋する。
本プロセスは、Si-g-OBCペレットを10%~80%のゲル含有量に架橋することを含む。Si-g-OBCは架橋剤によって架橋される。
【0068】
「架橋剤」は、Si-g-OBCのポリマー鎖にわたってSi-O-Si結合を形成し、それによってポリマーを架橋することができる薬剤である。好適な架橋剤の非限定的な例としては、水(例えば、蒸気、液体形態)が挙げられる。架橋プロセスは、触媒によって助長され得る。架橋に好適な触媒の非限定的な例としては、溶媒中のジブチルスズジラウレートが挙げられる。
【0069】
一実施形態では、架橋は、発泡体ビーズ形成の前に起こる。
【0070】
一実施形態では、架橋は、Si-g-OBCのペレットを水に浸漬することによって、Si-g-OBCペレットを加水分解的に架橋することを含む。一実施形態では、Si-g-OBCペレットは、50℃、または60℃、または65℃、または70℃~80℃、または95℃の温度の水に浸漬される。別の実施形態では、Si-g-OBCペレットは、50℃~95℃、または65℃~85℃、または70℃~80℃の温度の水に浸漬される。一実施形態では、Si-g-OBCペレットは、70℃の水に浸漬される。ゲル含有量は、Si-g-OBCペレットの水中への浸漬時間を制御することによって制御される。
【0071】
一実施形態では、本プロセスは、Si-g-OBCのペレットを、50℃~95℃、または60℃~90℃、または70℃~85℃の温度の水に、1日~7日、または2日~7日、または3日~7日の期間浸漬することと、Si-g-OBCペレットを10%~80%、または20%~75%、または30%~70%、または35%~65%のゲル含有量に架橋することと、を含む。
【0072】
一実施形態では、本プロセスは、Si-g-OBCのペレットをジブチルスズ溶液に浸すことによってSi-g-OBCペレットを触媒的に架橋して、浸したSi-g-OBCペレット(触媒架橋)を得ることを含む。一実施形態では、Si-g-OBCペレットは、Si-g-OBCペレットの重量に基づいて、0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%~0.6重量%、または0.65重量%、または0.7重量%、または0.8重量%、または0.9重量%、または1.0重量%のジブチルスズ溶液で浸される。別の実施形態では、Si-g-OBCペレットは、Si-g-OBCペレットの重量に基づいて、0.1重量%~1.0重量%、または0.3重量%~0.8重量%、または0.5重量%~0.7重量%のジブチルスズ溶液に浸される。一実施形態では、浸されたSi-g-OBCペレットは、その後、5日、または6日~7日、または8日間空気に曝露される。
【0073】
一実施形態では、本プロセスは、Si-g-OBCのペレットを、Si-g-OBCペレットの重量に基づいて、0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%~0.6重量%、または0.65重量%、または0.7重量%、または0.8重量%、または0.9重量%、または1.0重量%のジブチルスズ溶液に1分、または2分、または33分~4分、または5分の期間浸し、続いて浸したペレットを5日、または6日~7日、または8日の期間空気に曝露することと、Si-g-OBCペレットを10%~80%、または20%~75%、または30%~70%、または35%~65%のゲル含有量に架橋することと、を含む。
【0074】
一実施形態では、架橋Si-g-OBCは、10%~80%のゲル含有量を有する。別の実施形態では、架橋Si-g-OBCは、20%~75%、または30%~70%、または35%~65%、または35%~70%のゲル含有量を有する。
【0075】
発泡ステップの前に、10%~80%の架橋Si-g-OBCゲル含有量が得られる。一実施形態では、Si-g-OBCの10%~80%のゲル含有量は、発泡ステップが行われる少なくとも1分前、または少なくとも2分前、または少なくとも3分前、または少なくとも4分前、または少なくとも5分前に得られる。
【0076】
一実施形態では、Si-g-OBCは、
Si-g-OBCの総重量に基づいて、0.1重量%、もしくは0.5重量%~1.0重量%、もしくは1.05重量%、もしくは1.1重量%、もしくは1.2重量%~1.5重量%、もしくは2.0重量%、もしくは3.0重量%、もしくは4.0重量%、もしくは5.0重量%のシラン、および/または
10%~80%、もしくは20%~75%、もしくは30%~70%、もしくは35%~65%、もしくは35%~70%のゲル含有量を含有し、Si-g-OBCは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)110℃、もしくは115℃、もしくは117℃、もしくは118℃~119℃、もしくは120℃、もしくは121℃、もしくは122℃、もしくは123℃、もしくは124℃、もしくは125℃の融点Tm、および/または
(b)0.05g/10分、もしくは0.10g/10分、もしくは0.50g/10分~1.0g/10分、もしくは2.0g/10分、もしくは2.5g/10分、もしくは3.0g/10分、もしくは4.0g/10分、もしくは5.0g/10分のメルトインデックス(I2)、および/または
(c)40J/g、もしくは50J/g、もしくは60J/g~64J/g、もしくは65J/g、もしくは66J/g、もしくは67J/g、もしくは70J/g、もしくは75J/g、もしくは80J/gの融解熱Hf。
【0077】
Si-g-OBCは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0078】
出願者は、80%を超えるゲル含有量を有するSi-g-OBCは、Si-g-OBCが一緒に溶融および融合し、単一の均一な構造体を形成することができないため、溶融加工して、構造体を形成することができないことを発見した。
【0079】
ii.架橋Si-g-OBCペレットを発泡させて、10%~80%のゲル含有量を有するSi-g-OBC発泡体ビーズを形成する。
本プロセスは、架橋Si-g-OBCを発泡剤で発泡させて、10%~80%のゲル含有量を有する発泡体ビーズを形成することを含む。架橋Si-g-OBCは、本明細書に開示される任意のSi-g-OBCであり得る。
【0080】
「発泡剤」は、発泡プロセスを介して組成物中に気泡構造を生成することができる物質である。好適な発泡剤の非限定的な例は、物理的発泡剤である。好適な物理的発泡剤の非限定的な例には、窒素(N2)、炭素ガス(例えば、CO、CO2など)、ヘリウム、およびアルゴンなどの不活性ガス;メタン、プロパン、およびブタン(例えば、イソブタン)、ペンタンなどの炭化水素;ならびにジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、モノクロロペンタフルオロエタン、ならびにトリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が含まれる。
【0081】
一実施形態では、物理的発泡剤は、二酸化炭素(CO2)である。好適な二酸化炭素の非限定的な例は、超臨界二酸化炭素である。超臨界二酸化炭素は、その臨界温度(31.10℃)および臨界圧力(7.39MPa)以上で保持される流動状態の二酸化炭素である。
【0082】
一実施形態では、発泡剤は、化学発泡剤を除く物理的発泡剤である。
【0083】
Si-g-OBCペレットを発泡剤と接触させて、発泡体ビーズを形成するための方法の非限定的な例としては、(a)本組成物を発泡剤と接触させ、オートクレーブ内で接触した組成物の急激な圧力低下(減圧)または温度上昇を経て、発泡体ビーズを形成すること、および(b)水中ペレット化を伴う発泡体押出を介することが挙げられる。
【0084】
「発泡体組成物」は、気泡構造を有するポリマー系組成物である。言い換えれば、天然状態で発泡剤と接触する前において、ポリマー系組成物は気泡構造を含まず、発泡剤との接触および減圧後には、ポリマー系組成物は気泡構造を有する発泡体組成物である。気泡は、開放気泡、独立気泡、またはそれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、気泡は、均一な、または実質的に均一な気泡サイズを有する。
【0085】
「発泡体ビーズ」は、架橋Si-g-OBCを含有する発泡構造体であり、この発泡体ビーズは、4mm、または5mm~6mm、または7mmの直径、および4mm、または5mm~6mm、または7mmの長さを有する。
【0086】
一実施形態では、発泡剤は、発泡される組成物の0.001重量部、または0.005重量部~0.05重量部、または0.10重量部の量で存在する。別の実施形態では、発泡剤は、本組成物と発泡剤との合計重量に基づいて、0.1重量、または0.5重量、または1.0重量~2.0重量、または5.0重量、または8.0重量、または10.0重量の量で存在する。
【0087】
一実施形態では、本プロセスは、100℃、または110℃、または115℃、または120℃~125℃、または130℃、または135℃の温度で10%~80%のゲル含有量を有するSi-g-OBCのペレットを物理的発泡剤と接触させることを含む。
【0088】
一実施形態では、10%~80%のゲル含有量に架橋されたSi-g-OBCのペレットは、架橋Si-g-OBCのペレットを物理的発泡剤に浸すことによって、物理的発泡剤(例えば、超臨界二酸化炭素)と接触する。
【0089】
一実施形態では、10%~80%のゲル含有量に架橋されたSi-g-OBCのペレットは、オートクレーブ内でペレットを発泡剤で含浸させることを介して、物理的発泡剤(例えば、超臨界二酸化炭素)と接触する。含浸は、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの融点の±0℃~±10℃、または±30℃以内の温度で起こる。さらなる実施形態では、含浸は、95℃、または100℃、または105℃、または115℃、または120℃~125℃、または130℃、または135℃の温度で起こる。一実施形態では、含浸は、5MPa、または8MPa、または10MPa、または11MPa~12MPa、または13MPa、または15MPa、または20MPa、または25MPa、または30MPaの圧力、および0.5時間、または1.0時間~1.5時間、または2.0時間、または3.0時間の飽和時間で物理的発泡剤を用いて起こる。飽和時間に続いて、オートクレーブを25℃および0.1MPaに減圧する。減圧中、含浸組成物ペレットは、膨張して、架橋Si-g-OBCを含有する発泡体ビーズが形成される。
【0090】
一実施形態では、Si-g-OBCのペレットは、発泡ステップが始まる前に10%~80%のゲル含有量に架橋される。
【0091】
一実施形態では、10%~80%のゲル含有量を有するSi-g-OBCから構成される発泡体ビーズは、0.200g/cc未満の密度を有する。別の実施形態では、発泡体ビーズは、0.120g/cc、または0.125g/cc~0.130g/cc、または0.135g/cc、または0.140g.cc、または0.150g/cc、または0.180g/cc、または0.185g/cc、または0.188g/cc、または190g/cc、または0.195g/cc、または0.199g/ccの発泡体密度を有する。すべての他の特徴が等しい場合、発泡体密度がより低いことは、組成物が改善された発泡能力を有することを示す。
【0092】
一実施形態では、発泡体ビーズは、10%~80%、または20%~75%、または30%~70%、または35%~65%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBCのペレットから形成される。
【0093】
一実施形態では、10%~80%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズは、0g/10分、または0.01g/10分、または0.20g/10分~0.30g/10分、または0.5g/10分、または1g/10分、または1.05g/10分、または1.10g/10分、または1.20g/10分、または1.3g/10分、または1.4g/10分のメルトインデックスを有する。
【0094】
一実施形態では、発泡体ビーズは、110℃、または115℃~120℃、または125℃、または130℃、または135℃の少なくとも1つの融点Tmを有する。
【0095】
一実施形態では、10%~80%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズは、40J/g、または50J/g、または60J/g~64J/g、または65J/g、または66J/g、または67J/g、または70J/g、または75J/g、または80J/gの融解熱Hfを有する。別の実施形態では、発泡体ビーズは、40J/g~80J/g、または50J/g~75J/g、または55J/g~70J/gの融解熱Hfを有する。
【0096】
一実施形態では、発泡体ビーズは、架橋Si-g-OBC、および任意選択的に添加剤を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらのみからなり、架橋Si-g-OBCは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)10%~80%、または20%~75%、または30%~70%、または35%~65%のゲル含有量、かつ
発泡体ビーズは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(i)0.200g/cc未満、もしくは0.120g/cc~0.140g/cc、もしくは0.125g/cc~0.135g/ccの密度、および/または
(ii)117℃~121.5℃の溶融温度、および/または
(iii)63~65のJ/gでの融解熱、Hf。
【0097】
一実施形態では、発泡体ビーズは、架橋Si-g-OBC、および任意選択的に添加剤を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらのみからなり、発泡体ビーズは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)10%~80%、または20%~75%、または30%~70%、または35%~65%、または35%~70%のゲル含有量、かつ
(i)0.120g/cc、もしくは0.125g/cc~0.130g/cc、もしくは0.135g/cc、もしくは0.140g.cc、もしくは0.150g/cc、もしくは0.180g/cc、もしくは0.185g/cc、もしくは0.188g/cc、もしくは190g/cc、もしくは0.195g/cc、もしくは0.199g/ccの密度、および/または
(ii)110℃、もしくは115℃~120℃、もしくは125℃、もしくは130℃、もしくは135℃の溶融温度、および/または
(iii)40J/g、もしくは50J/g、もしくは60J/g~64J/g、もしくは65J/g、もしくは66J/g、もしくは67J/g、もしくは70J/g、もしくは75J/g、もしくは80J/gのJ/gでの融解熱Hf。
【0098】
本開示はまた、本プロセスから形成された発泡体ビーズを提供する。発泡体ビーズは、本明細書に開示されている任意の発泡体ビーズであり得る。一実施形態では、架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズは10%~80%のゲル含有量を有し、発泡体ビーズは0.200g/cc未満の発泡体密度を有する。
【0099】
架橋Si-g-OBCのペレットを発泡剤と接触させて、発泡体組成物を形成するステップは、本明細書で考察される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0100】
発泡体組成物を含有する発泡体ビーズを形成するステップは、本明細書で考察される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0101】
架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを焼結して、焼結発泡体物品を形成する
一実施形態では、本プロセスは、架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを焼結することと、焼結発泡体物品を形成することとを含む。
【0102】
焼結発泡体物品は、架橋Si-g-OBC発泡体ビーズの焼結を介して形成される。焼結の非限定的な方法としては、スチームチェスト(steam-chest)成形が挙げられる。スチームチェスト成形は、80℃、もしくは90℃~100℃、もしくは110℃の温度および/または0.1MPa、もしくは0.2MPa~1.0MPa、もしくは1.2MPaの圧力で起こる。特定の理論に縛られるものではないが、Si-g-OBCの高い溶融温度(110℃~125℃)および/またはベースエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの高い溶融温度(110℃~125℃)によって、発泡体ビーズが収縮せずに(すなわち、発泡体密度が増加することなく)スチームチェスト成形の高温に耐えることが可能になると考えられる。対照的に、エチレン酢酸ビニルコポリマー(例えば、Formosa Plastics Corporationから入手可能な80℃の融点を有するTAISOX(商標)7360M)およびポリオレフィンエラストマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能な77℃の融点を有するENGAGE(商標)8003)などの、より低い融点を有するポリマーから形成された発泡体ビーズは、スチームチェスト成形による収縮(つまり、発泡体密度の増加)を示すことが知られている。
【0103】
一実施形態では、焼結発泡体物品は、10%~80%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズから形成される。一実施形態では、焼結発泡体物品は、20%~75%、または30%~70%、または35%~65%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズから形成される。
【0104】
一実施形態では、架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズから構成される焼結発泡体物品は、0.250g/cc未満の密度を有する。別の実施形態では、焼結発泡体物品は、0.120g/cc、または、または0.140g.cc、または0.150g/cc、または0.170g/cc、または0.180g/cc~0.185g/cc、または190g/cc、または0.195g/cc、または0.200g/cc、または0.210g/cc、または0.220g/cc、または0.230g/cc、または0.240g/cc、または0.245g/cc、または0.249g/ccの密度を有する。
【0105】
一実施形態では、架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズから構成される焼結発泡体物品は、50%、または55%、または60%、または61%~62%、または70%、または80%、または90%、または100%の動的回復率を有する。別の実施形態では、焼結発泡体物品は、50%~100%、または60%~100%、または70%~100%、または80%~100%、または85%~95%の動的回復率を有する。
【0106】
一実施形態では、架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズから構成される焼結発泡体物品は、アスカーCに従って測定された、35.0、または36.0、または39.0~40.0、または40.5、または41.0、または42.0、または43.0、または45.0、または49.0、または50.0、または51.0、または55.0の硬度を有する。別の実施形態では、焼結発泡体物品は、アスカーCに従って測定された、35.0~55.0、または39.0~51.0、または40.0~41.0の硬度を有する。
【0107】
一実施形態では、架橋Si-g-OBCおよび10%~80%のゲル含有量から構成される発泡体ビーズから構成される焼結発泡体物品は、以下の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(i)アスカーCに従って測定された40.0~41.0の硬度、および/または
(ii)0.190g/cc~0.210g/ccの密度、および/または
(iii)1分で測定された87.0%~100%の動的回復率。
【0108】
一実施形態では、焼結物品は、架橋Si-g-OBC発泡ビーズ、および任意選択的に添加剤を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらのみからなり、架橋Si-g-OBC発泡体ビーズは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:
(a)10%~80%、または20%~75%、または30%~70%、または35%~65%、または35%~70%のゲル含有量、かつ
Si-g-OBC発泡ビーズを含有する焼結発泡体物品は、以下の特性のうちの1つ以上を有する:
(i)アスカーCに従って測定された、35.0、もしくは36.0、もしくは39.0~40.0、もしくは40.5、もしくは41.0、もしくは42.0、もしくは43.0、もしくは45.0、もしくは49.0、もしくは50.0、もしくは51.0、もしくは55.0の硬度、および/または
(ii)0.120g/cc、もしくは、もしくは0.140g.cc、もしくは0.150g/cc、もしくは0.170g/cc、もしくは0.180g/cc~0.185g/cc、もしくは190g/cc、もしくは0.195g/cc、もしくは0.200g/cc、もしくは0.210g/cc、もしくは0.220g/cc、もしくは0.230g/cc、もしくは0.240g/cc、もしくは0.245g/cc、もしくは0.249g/ccの密度、および/または
(iii)50%、もしくは55%、もしくは60%、もしくは61%~62%、もしくは70%、もしくは80%、もしくは90%、もしくは100%の動的回復率。
【0109】
一実施形態では、焼結発泡体物品は、35%~65%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズから形成され、焼結発泡体物品は、92%~98%の動的回復率を有する。
【0110】
一実施形態では、焼結発泡体物品は、45%~55%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBCから構成される発泡体ビーズから形成され、焼結発泡体物品は、94%~96%の動的回復率を有する。
【0111】
本焼結発泡体物品から作製された好適な物品の非限定的な例としては、履物(例えば、履物のミッドソール)、包装、スポーツ用品、建築材料、および断熱材が挙げられる。
【0112】
発泡体ビーズから焼結物品を形成するステップは、本明細書で考察される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0113】
本プロセスは、本明細書で考察される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0114】
一例として、これに限定されないが、本開示のいくつかの実施形態について以下の実施例において以下に詳細に説明される。
【実施例】
【0115】
1.材料
実施例で使用される材料が、以下の表1に示される。
【表1】
【0116】
2.シラングラフト化エチレン/aマルチブロックコポリマー(Si-g-OBC)。
Si-g-OBCから構成される架橋ペレットは、最初にSi-g-OBCを生成する必要がある。シラングラフト化INFUSE(商標)D9130.05(Si-g-OBC)を生成するための手順は、40mmの直径、48のL/D、12バレルZSK-40コペリオン二軸スクリュー押出機で行われる。このラインには、135kWのモーターが装備されており、1200回転/分(RPM)の最高速度を有する。INFUSE D9130.05のペレットは、重量フィーダーの損失によって二軸スクリュー押出機に供給される。ポリマーの酸化を防ぐために、配合プロセス中に第2のバレルに窒素を供給して、システムから酸素を一掃する。溶融物の排出温度は、溶融物の流れに直接置く手持ちの熱電対を使用して測定される(ホッパーからダイまでのバレル設定温度は、23/60/60/60/190/230/230/230/230/190/190/180℃であった)。シラン(XIAMETER OFS-6300)と過酸化物(LUPEROX101)との混合物が形成され、液体ポンプを通してバレル6の押出機に注入される。
【0117】
溶融物中の揮発性成分および残留シランの濃度を最小限に抑えるために、真空システムを使用して、プロセス中、バレル11で溶融物から残留揮発性成分を除去する。0.065~0.070MPaの真空を使用する。
【0118】
16個の穴のダイを有する水中ペレット製造機を使用して、Si-g-OBCペレットを生成する。ペレット化中のペレット「鎖」の形成を抑制するために、16個の穴のうち12個を塞ぐ。6枚羽根のペレット化ハブを使用する。
【0119】
得られたSi-g-OBCは、シラングラフト化エチレン/オクテンマルチブロックコポリマー(以下、Si-g-OBCと呼ぶ)の総重量に基づいて、様々なグラフト化シラン率(0.56~1.08%)を有する。シラングラフト率は、全内容が参照によって本明細書に組み込まれるChuanmei Jiao et al.,Silane Grafting and Crosslinking of Ethylene-Octene Copolymer,41 European Polymer J.1204(2005)に従って、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を使用して測定される。得られたSi-g-OBCのメルトインデックスが測定される。表2は、得られたSi-g-OBCのシラングラフト率およびメルトインデックスを列挙する。
【表2】
【0120】
3.Si-g-OBCペレットの架橋
Si-g-OBCペレットの浸漬を、(I)および(II)の2つの手順を介して実施した。
手順(I)。Si-g-OBCで構成されるペレットを、加水分解的架橋のために70℃の水に1日~7日間浸漬する。ゲル含有量を、浸漬時間を制御することによって制御した。所望のゲル含有量に達した後、浸漬架橋を停止した。
【0121】
手順(II)。Si-g-OBCから構成されるペレットを、室温で溶媒n-オクチルトリエトキシシラン(DBTDL/n-オクチルトリエトキシシラン=3/10)中のDBTDLの触媒溶液に浸す。この触媒溶液の0.65重量%(ペレットの重量に基づく)を密封可能なフルオロプラスチックボトル中に置き、続いて計量したSi-g-OBCペレットを添加した。均一な分布および添加剤をSi-g-OBCペレットへ完全に浸すことを確実にするために、ボトルを最初に1分間タンブルし、次にランニングローラー(モデルNo.88881004、Thermo Scientific)に置いて、さらに均一化する。浸した後、7日間の水分架橋のために、浸したペレットを空気に曝露する。
【0122】
表3は、様々な比較サンプル(CS)および本発明の実施例(IE)のビーズ発泡体の調製に使用されるポリマーペレットの特性を提供する。Si-g-OBCペレットに関して、表3は、架橋が得られた方法、手順(I)、または手順(II)を特定する。ペレットのゲル含有量を表3に提供する。サンプルCS3の1.3%のゲル含有量は、微量であり、エラーバーの範囲と見なされる。この1.3%のゲル含有量は、架橋ゲル含有量とは見なされない。非常に少量のシランが触媒の不在かつ低温で別のシラン分子と反応した場合のCS3の微量のゲル含有量は、シラングラフト後に生じる。DSCの結果は、架橋後に融解熱がわずかに減少したことを示した。CS4ペレットの場合、比較的高度な架橋が達成されたため、Tmおよび融解熱がより大幅に減少した。
【表3】
【0123】
4.オートクレーブバッチ発泡によるSi-g-OBC発泡体ビーズの調製
CS1~4およびIE-6~7のペレットを、加熱ユニットおよびガス注入バルブを備えたオートクレーブに供給する。オートクレーブをポリマー溶融温度まで加熱する。同時に、発泡剤(この場合、高圧CO
2)を飽和のためオートクレーブに注入する(0.5時間~2時間)。オートクレーブの圧力は、ポリマーの種類によって変化する。典型的な範囲は、50~200バールである。ポリマーがCO
2で飽和された後、急速な減圧が起こり、発泡ビーズが調製される。調製された発泡ビーズをビーズの内側と外側との間でガス交換が可能になるように、数日間室温でコンディショニングする。Si-g-OBC発泡体ビーズの特性を下の表4に提供する。
【表4】
【0124】
表4は、Si-g-OBCで構成される発泡ビーズの特性を提供する。発泡温度は、ポリマーのTmに関連し、ポリマーの分子量にも関連する。温度が低すぎると、ポリマーの粘度が高くなりすぎるため、膨張率が低くなりすぎるか、またはまったく膨張しない。温度が高すぎると、ポリマーの結晶相が溶融するためにペレットが互いにくっつき、そのため自由流動性のビーズが形成されない。高すぎる温度で発泡ステップを行うことに関連する他の課題は、ポリマーの粘度が低くなりすぎて、気泡構造を保持できず、発泡体の収縮または気泡の崩壊が観察されることである。表4からわかるように、同様のビーズ密度を達成するために、比較的より高い発泡温度がより高いゲル含有量を有するペレットに必要であった(表4に示す)。これは、部分的に架橋することによって引き起こされるより高い粘度によって説明することができる。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーのみで構成される(シラングラフトを含まない)ペレットの場合、0.18g/ccを下回るビーズ密度に達することは困難であった。この意味で、シラングラフト(表2に示すように、鎖カップリングによるメルトインデックスの低減)および架橋が、ペレットの発泡性を改善した。
【0125】
架橋Si-g-OBCおよび非架橋Si-g-OBCから構成される発泡ビーズの溶融挙動も表4に要約する。DSCの結果は、架橋後、融解熱が減少したことを示した。CS1~CS4およびIE6~IE7の発泡体ビーズは各々、100ミクロン未満の均一な気泡サイズを有した。
【0126】
5.焼結性能
図1および
図2に示すように、発泡ビーズのゲル含有量を増加すると、ビーズの焼結性能が改善することが予想外に見出された。
図2では、IE7は、焼結発泡体プラークの断面で見るとほとんどボイドがなく、ビーズ(3つのビーズ)間の界面がはるかに良好に融合したことを示す。特定の理論に縛られるものではないが、10%~80%のゲル含有量が、より良好な防縮性をもたらし、そのためビーズの収縮を防ぎ、焼結プラークのボイドの減少を導くと考えられる。ただし、ゲル含有量が80%を超えると、ポリマー鎖の移動度が低減しすぎるため、ビーズは焼結不能になる。これが、CS4のビーズ(ゲル含有量が95.5%)がまったくプラークに焼結できない理由の説明となる。
【0127】
6.架橋Si-g-OBC発泡体ビーズの焼結および焼結発泡体物品の形成。
焼結発泡体物品を形成するために、スチームチェスト手順を使用して表4の発泡体ビーズを焼結する。スチームチェスト手順は、発泡体ビーズをスチームチェスト成形に真空吸引することから始まる。次に、高圧蒸気を鋳型に注入して、ビーズの表面を加熱/溶融する。同時に、ビーズ内焼結を達成するために鋳型を閉じる。蒸気圧は、ビーズに使用されているポリマーの種類に依存する。手順の最後のステップは、水冷却プロセスおよび水を除去するための真空プロセスである。全体のサイクル時間は、2~5分である。
【0128】
上記の方法を使用して焼結発泡体物品のサンプルを形成し、それらの特性を分析する。表5は、下の試験で使用した焼結発泡物品の調製に使用したサンプルを要約する。
【表5】
【0129】
表6は、スチームチェストによって調製されたSi-g-OBCで構成される焼結発泡体物品の特性を列挙する。
【表6】
【0130】
表6の比較サンプルCS3-1の場合、CS3の発泡体ビーズ(表4から)をジブチルスズ溶液に浸して、CS3発泡体ビーズを84.5%のゲル含有量に架橋し、発泡体ビーズCS3-1を形成した。続いて、84.5%のゲル含有量を有する発泡体ビーズCS3-1を焼結して、表6の焼結発泡体物品CS3-1を形成した。
【0131】
図3は、表6に提供した焼結発泡体物品の動的回復の結果を提示する。ここで、即時動的圧縮永久歪みの値は、1分での回復率から得られる(即時動的圧縮永久歪み=2*(1-1分での回復率))。
図3では、回復時間1分での回復率が主要性能指標である。CS1(非焼結、非架橋OBCで作製される)は、1分で82%の回復率の最も乏しい即時動的圧縮永久歪みを有した。サンプルCS2はシラングラフトされているが、非架橋であり(ゲル2.3%)、1分で87%の回復率を示す。CS3サンプルは、1分で89%の回復率を取得する。予想外に、発泡ステップの前に10~80%のゲル含有量に架橋されたIE6およびIE7サンプルは、1分でそれぞれ93%および98%の回復率の最良の即時動的圧縮永久歪みを有することが見出された。長い回復時間(1分を超える)を見ると、IE6およびIE7は、発泡体ビーズ手順後に非架橋または架橋された他のサンプルと比較して、より短い時間でほぼ100%回復した。これは、発泡ステップの前にSi-g-OBCポリマーを10%~80%のゲル含有量に架橋すると、高性能の焼結発泡体物品がもたらされることを示す。
【0132】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および例示に限定されず、実施形態の部分、および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の変更された形態を、以下の特許請求の範囲の範疇に該当するものとして含むことが、特に意図されている。
本発明は以下の態様を包含する。
[1]
プロセスであって、
(i)シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(Si-g-OBC)から構成されるペレットを10%~80%のゲル含有量に架橋して、架橋Si-g-OBCペレットを形成することと、
(ii)前記架橋Si-g-OBCペレットを発泡させて、10%~80%のゲル含有量を有する架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することと、を含む、プロセス。
[2]
前記Si-g-OBCのペレットを水に浸漬することと、
前記Si-g-OBCペレットを10%~80%のゲル含有量に加水分解的に架橋することと、を含む、[1]に記載のプロセス。
[3]
前記Si-g-OBCのペレットをジブチルスズ溶液に浸すことと、
前記Si-g-OBCペレットを10%~80%のゲル含有量に触媒的に架橋することと、を含む、[1]に記載のプロセス。
[4]
前記発泡前に、前記Si-g-OBCのペレットを前記10%~80%のゲル含有量に架橋することを含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載のプロセス。
[5]
前記発泡させることが、発泡条件下で前記架橋Si-g-OBCのペレットを発泡剤と接触させることと、
前記架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することと、を含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載のプロセス。
[6]
(i)0.200g/cc未満の密度、
(ii)117℃~121.5℃の溶融温度、および
(iii)63~65のJ/gでの融解熱ΔHを有する、架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを形成することを含む、[1]~[5]のいずれか一項に記載のプロセス。
[7]
前記架橋Si-g-OBC発泡体ビーズを焼結することと、
焼結発泡体物品を形成することと、を含む、[1]~[6]のいずれか一項に記載のプロセス。
[8]
(i)アスカーCに従って測定された40.0~41.0の硬度、
(ii)0.190g/cc~0.210g/ccの密度、および
(iii)1分で測定された87.0%~100%の動的回復率を有する、焼結発泡体物品を形成することを含む、[7]に記載のプロセス。
[9]
10%~80%のゲル含有量を有する架橋シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーを含む、発泡体ビーズ。
[10]
(i)0.200g/cc未満の密度、
(ii)117℃~121.5℃の溶融温度、および
(iii)63~65のJ/gでの融解熱ΔHを含む、[9]に記載の発泡体ビーズ。
[11]
10%~80%のゲル含有量を有する架橋シラングラフト化エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーから構成される発泡体ビーズを含む、焼結発泡体物品。
[12]
(i)アスカーCに従って測定された40.0~41.0の硬度、
(ii)0.190g/cc~0.210g/ccの密度、および
(iii)1分で測定された87.0%~100%の動的回復率を含む、[11]に記載の焼結発泡体物品。