(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】パケット伝送経路切り替え方法、デバイス、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 45/247 20220101AFI20240304BHJP
【FI】
H04L45/247
(21)【出願番号】P 2022529488
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(86)【国際出願番号】 CN2020130280
(87)【国際公開番号】W WO2021098806
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】201911158723.3
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リウ,グオリヤーン
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0099180(US,A1)
【文献】特表2015-527825(JP,A)
【文献】特開2014-064252(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0093611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/247
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット伝送経路切り替え方法であって、
第1のプロバイダーエッジ(PE)によって、第2のPEが送信するイーサネットセグメント自動検出(ES-AD)ルートを受信するステップであって、前記ES-ADルートは、前記第2のPEと第1のカスタマーエッジデバイス(CE)との間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用される、ステップと、
前記第1のPEによって、前記ES-ADルートに基づいて、前記第2のPEとの間で双方向転送検出(BFD)セッションを確立するステップであって、前記BFDセッションは、前記第1のリンクの接続状況を検出するのに使用される、ステップと、
前記第1のPEによって、前記BFDセッションが切断されている状態にあるという事実に基づいて、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップと、
前記第1のPEによって、前記第1のPEと前記第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを前記第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替えるステップであって、前記第3のPE及び前記第2のPEは、前記第1のCEとの間の接続を個別に確立する、ステップと、を含
み、
前記ES-ADルートは、前記第2のPEの識別情報を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のPEによって、前記BFDセッションが切断されている状態にあるという事実に基づいて、前記第1のリンクが故障しているということを決定する前記ステップは、
前記第1のPEによって、前記第2のPEに、プローブパケットを送信するステップと、
前記第1のPEによって、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットが存在しないという決定に応答して、前記第1のPEによって、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のPEによって、前記第2のPEに、プローブパケットを送信する前記ステップの前に、当該方法は、
前記第1のPEによって、前記プローブパケットのプローブ期間を設定するステップであって、1つのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送するための時間間隔を含む、ステップと、
前記第1のPEによって、N個のプローブ期間の中に、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットが存在しないということを決定するステップであって、Nは、0よりも大きい正の整数である、ステップと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のPEによって、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替える前記ステップは、
前記第1のPEによって、ターゲット関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替えるステップであって、前記ターゲット関連性関係は、前記BFDセッションの状況が前記第3のリンクと関連しているということを示す、ステップを含む、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲット関連性関係は、第1の関連性関係及び第2の関連性関係を含み、前記第1のPEによって、前記ターゲット関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替える前記ステップは、
前記第1のPEによって、前記第1の関連性関係及び前記BFDセッションが前記切断されている状態にあるという前記事実に基づいて、前記第2のリンクが故障しているということを決定するステップであって、前記第1の関連性関係は、前記BFDセッションの前記状況が前記第2のリンクと関連しているということを示す、ステップと、
前記第1のPEによって、前記第2の関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替えるステップであって、前記第2の関連性関係は、前記第2のリンクが前記第3のリンクと関連しているということを示す、ステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
パケット伝送経路切り替え方法であって、
第2のプロバイダーエッジ(PE)によって、第1のカスタマーエッジデバイス(CE)との間で第1のリンクを確立するステップと、
前記第2のPEによって、第1のPEにイーサネットセグメント自動検出(ES-AD)ルートを送信するステップであって、前記ES-ADルートは、前記第2のPEが前記第1のCEとの間での前記第1のリンクの確立に成功しているということを示し、前記ES-ADルートは、前記第2のPEとの間で双方向転送検出(BFD)セッションを確立するように前記第1のPEに指示する、ステップと、
前記第2のPEによって、前記ES-ADルートに基づいて、前記第1のPEとの間で前記BFDセッションを確立するステップであって、前記BFDセッションは、前記第1のリンクの接続状況を検出するのに使用される、ステップと、
前記第2のPEによって、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップと、
前記第1のリンクが故障しているという決定に応答して、前記第2のPEによって、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定するステップと、を含
み、
前記ES-ADルートは、前記第2のPEの識別情報を含む、方法。
【請求項7】
前記第2のPEによって、前記第1のリンクが故障しているということを決定する前記ステップは、
前記第2のPEによって、トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるという事実に基づいて、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップであって、前記トラッキングインターフェイスは、前記第2のPEが前記第1のCEとの間で前記第1のリンクを確立するのに使用するインターフェイスである、ステップを含み、
前記第2のPEによって、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する前記ステップは、
前記第2のPEによって、前記トラッキングインターフェイスの前記故障状態及び第3の関連性関係に基づいて、前記BFDセッションの前記状況を前記切断されている状態に設定するステップであって、前記第3の関連性関係は、前記トラッキングインターフェイスの前記信号状況が前記BFDセッションの前記状況と関連しているということを示す、ステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のPEによって、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する前記ステップは、
前記第1のPEが送信するプローブパケットを前記第2のPEによって受信するステップと、
前記第2のPEによって、前記第1のPEへの前記プローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するステップと、を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のPEによって、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する前記ステップは、
前記第1のPEが送信するプローブパケットを前記第2のPEによって受信するステップであって、前記プローブパケットのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送するための時間間隔を含む、ステップと、
前記第2のPEによって、N個のプローブ期間の中での前記第1のPEへの前記プローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するステップであって、Nは、0よりも大きい正の整数である、ステップと、を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項10】
プロバイダーエッジ(PE)であって、
第2のPEが送信するイーサネットセグメント自動検出(ES-AD)ルートを受信するように構成される受信ユニットであって、前記ES-ADルートは、前記第2のPEと第1のカスタマーエッジデバイス(CE)との間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用される、受信ユニットと、
処理ユニットであって、前記処理ユニットは、
前記ES-ADルートに基づいて、前記第2のPEとの間で双方向転送検出(BFD)セッションを確立し、前記BFDセッションは、前記第1のリンクの接続状況を検出するのに使用され、
前記BFDセッションが切断されている状態にあるという事実に基づいて、前記第1のリンクが故障しているということを決定し、そして、
当該PEと前記第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを当該PEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替える、ように構成され、前記第3のPE及び前記第2のPEは、前記第1のCEとの間の接続を個別に確立する、処理ユニットと、を含
み、
前記ES-ADルートは、前記第2のPEの識別情報を含む、PE。
【請求項11】
当該PEは、送信ユニットをさらに含み、
前記送信ユニットは、前記第2のPEに、プローブパケットを送信するように構成され、
前記受信ユニットは、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットを受信していないということを決定するように構成され、
前記処理ユニットは、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットが存在しないということを当該PEが決定するという事実に応答して、前記第1のリンクが故障しているということを決定するように構成される、請求項10に記載のPE。
【請求項12】
前記処理ユニットは、前記プローブパケットのプローブ期間を設定するように構成され、1つのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送するための時間間隔を含み、
前記受信ユニットは、N個のプローブ期間の中に、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットが存在しないということを決定するように構成され、Nは、0よりも大きい正の整数である、請求項11に記載のPE。
【請求項13】
前記処理ユニットは、ターゲット関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替えるように構成され、前記ターゲット関連性関係は、前記BFDセッションの状況が前記第3のリンクと関連しているということを示す、請求項10乃至12のうちのいずれか1項に記載のPE。
【請求項14】
前記ターゲット関連性関係は、第1の関連性関係及び第2の関連性関係を含み、
前記処理ユニットは、
前記第1の関連性関係及び前記BFDセッションが前記切断されている状態にあるという前記事実に基づいて、前記第2のリンクが故障しているということを決定し、前記第1の関連性関係は、前記BFDセッションの前記状況が前記第2のリンクと関連しているということを示し、そして、
前記第2の関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替える、ように構成され、前記第2の関連性関係は、前記第2のリンクが前記第3のリンクと関連しているということを示す、請求項13に記載のPE。
【請求項15】
プロバイダーエッジ(PE)であって、
第1のカスタマーエッジデバイス(CE)との間で第1のリンクを確立するように構成される処理ユニットと、
第1のPEにイーサネットセグメント自動検出(ES-AD)ルートを送信するように構成される送信ユニットであって、前記ES-ADルートは、当該PEと前記第1のCEとの間での前記第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用され、前記ES-ADルートは、当該PEとの間で双方向転送検出(BFD)セッションを確立するように前記第1のPEに指示する、送信ユニットと、を含み、
前記処理ユニットは、さらに、
前記第1のPEとの間で前記BFDセッションを確立し、前記BFDセッションは、前記第1のリンクの接続状況を検出するのに使用され、
前記第1のリンクが故障しているということを決定し、そして、
前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する、ように構成され
、
前記ES-ADルートは、前記PEの識別情報を含む、PE。
【請求項16】
前記処理ユニットは、
トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるという事実に基づいて、前記第1のリンクが故障しているということを決定し、前記トラッキングインターフェイスは、当該PEにおいて、前記第1のCEとの間で前記第1のリンクを確立するのに使用されるインターフェイスであり、そして、
前記トラッキングインターフェイスの前記故障状態及び第3の関連性関係に基づいて、前記BFDセッションの前記状況を前記切断されている状態に設定する、ように構成され、前記第3の関連性関係は、前記トラッキングインターフェイスの前記信号状況が前記BFDセッションの前記状況と関連しているということを示す、請求項15に記載のPE。
【請求項17】
当該プロバイダーエッジは、受信ユニットをさらに含み、
前記受信ユニットは、前記第1のPEが送信するプローブパケットを受信するように構成され、
前記処理ユニットは、前記第1のPEへの前記プローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するように構成される、請求項15又は16に記載のPE。
【請求項18】
前記受信ユニットは、前記第1のPEが送信するプローブパケットを受信するように構成され、前記プローブパケットのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送するための時間間隔を含み、
前記処理ユニットは、N個のプローブ期間の中での前記第1のPEへの前記プローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するように構成され、Nは、0よりも大きい正の整数である、請求項17に記載のPE。
【請求項19】
命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令がコンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータが、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法を実行することを可能とする、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令がコンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータが、請求項6乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法を実行することを可能とする、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
第1のプロバイダーエッジ(PE)、第2のプロバイダーエッジ(PE)、及び少なくとも1つのカスタマーエッジデバイス(CE)を含むパケット伝送経路切り替えシステムであって、前記第1のPEは、請求項10乃至14のうちのいずれか1項に記載のPEであり、前記第2のPEは、請求項15乃至18のうちのいずれか1項に記載のPEである、パケット伝送経路切り替えシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2019年11月22日付で中国国家知的所有権管理局に出願された"パケット伝送経路切り替え方法、デバイス、及びシステム"と題する中国特許出願番号第201911158723.3号に基づく優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
この出願の複数の実施形態は、通信分野に関し、特に、パケット伝送経路切り替え方法、デバイス、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
イーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)は、レイヤ2仮想プライベートネットワーク(VPN)技術である。制御プレーンは、マルチプロトコル境界ゲートウェイプロトコル(MP-BGP)を使用して、EVPNルーティング情報を広告する。データプレーンは、仮想的な且つ拡張可能なローカルエリアネットワーク(VXLAN)カプセル化モードでパケットを転送する。複数のサイトの間での相互作用を実装するために、キャリア基幹ネットワークにおけるプロバイダーエッジデバイス(PE)においてEVPNインスタンスを確立し、各々のサイトのカスタマーエッジデバイス(customer edge device, CE)にアクセスする。
【0004】
EVPNネットワークにおいて、第1のCEと第2のCEとの間に通信接続を確立し、第2のCEは、第1のCEにパケットを送信する。第2のPE、第1のPE、及び第3のPEは、第1のCEと第2のCEとの間での通信のために使用されるパケットを転送するように構成される。第2のPE、第1のPE、及び第3のPEは、互いの間でEVPN隣接関係を確立する。第2のCEは、第1のPEに接続され、第1のPEは、第2のPE及び第3のPEに個別に接続され、第2のPE及び第3のPEは、第1のCEに個別に接続される。第2のCEと第1のPEとの間の接続のタイプは、CEシングルホーミングネットワーキングタイプである。第1のCEと第2のPEとの間の接続のタイプ及び第1のCEと第3のPEとの間の接続のタイプは、CEマルチホーミングネットワーキングタイプである。CEマルチホーミングネットワーキングタイプは、負荷分散をサポートしてもよい。第2のCEが第1のPEにパケットを送信した後に、第1のPEは、第2のPE及び/又は第3のPEにパケットを送信し、そして、その次に、第2のPE及び/又は第3のPEは、第1のCEにデータパケットを転送する。第2のPEと第1のCEとの間で確立されているリンクが故障しているときに、第2のPEは、そのリンクが故障しているということを感知してもよい。この場合には、第2のPEは、第1のPEにイーサネットセグメント自動検出(ES-AD)ルートを送信し、第2のPEが第1のPEに送信するES-ADルートは、第2のPEと第1のCEの間のリンクが故障しているということを示すのに使用される。さらに、第1のPEが、第2のPEが送信するES-ADルートを受信した後に、第1のPEは、第3のPEに、第2のPEに送信されているダウンリンクトラフィックを転送して、パケット伝送経路切り替えを実装する。
【0005】
実際のネットワークの適用においては、第2のPEと第1のCEとの間に確立されている通信リンクが故障しているときに、第2のPEは、第1のPEにES-ADルートを送信し、ES-ADルートは、第2のPEと第1のCEとの間に確立されているリンクが故障しているということを示すのに使用される。この状況で、ES-ADルートの送信の際に遅延が生じる場合に、第1のPEのパケット伝送経路の切り替え速度は遅くなる。
【発明の概要】
【0006】
この出願の複数の実施形態は、パケット伝送経路切り替え方法及び関連するデバイスを提供して、パケット伝送経路を迅速に切り替える。
【0007】
この出願の複数の実施形態のうちの第1の態様は、パケット伝送経路切り替え方法を提供し、その方法は、第1のプロバイダーエッジPEが、第2のPEが送信するイーサネットセグメントES自動検出ADルートを受信するステップであって、前記ES-ADルートは、前記第2のPEと第1のカスタマーエッジデバイスCEとの間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用される、ステップと、前記第1のPEが、前記ES-ADルートに基づいて、前記第2のPEとの間で双方向転送検出(bidirectional forwarding detection, BFD)セッションを確立するステップであって、前記BFDセッションは、前記第1のリンクの接続状況を検出するのに使用される、ステップと、前記第1のPEが、前記BFDセッションが切断されている状態にあるという前記事実に基づいて、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップと、前記第1のPEが、前記第1のPEと前記第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを前記第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替えるステップであって、前記第3のPE及び前記第2のPEは、前記第1のCEとの間の接続を個別に確立する、ステップと、を含む。
【0008】
第1のPEが、第2のPEが送信するイーサネットセグメントES自動検出ADルートを受信した後に、第1のPEは、そのES-ADルートに基づいて、第2のPEとの間で双方向転送検出BFDセッションを確立する。第2のPEがBFDセッションの状況を切断されている状態に設定しているということを、第1のPEが決定する場合に、その第1のPEは、第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクが故障しているということを決定し、第1のPEは、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと迅速に切り替える。この出願においては、ES-ADルートの送信が遅延するときに、パケット伝送経路切り替え速度が遅くなるという欠陥を回避し、高速のパケット伝送経路切り替えを実装する。
【0009】
第1の態様のある1つの可能な実装において、前記第1のPEが、前記BFDセッションが切断されている状態にあるという前記事実に基づいて、前記第1のリンクが故障しているということを決定する上記のステップは、前記第1のPEが、前記第2のPEに、プローブパケットを送信するステップと、前記第1のPEが、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットを受信していないということを決定するステップと、前記第1のPEが、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットを受信していないということを決定しているという前記事実に応答して、前記第1のPEが、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップと、を含む。
【0010】
この可能な実装において、第1のPEは、第2のPEにプローブパケットを送信し、第1のPEが、第2のPEがプローブパケットに対して返送する応答パケットを受信する場合には、第1のPEと第2のPEとの間のBFDセッションの状況は、接続されている状態であるということが証明される。第1のPEが、第2のPEがプローブパケットに対して返送する応答パケットを受信しない場合には、第1のPEは、BFDセッションの状況が切断されている状態であるということを決定する。この可能な実装は、その解決方法の実装可能性を改善する。
【0011】
第1の態様のある1つの可能な実装において、前記第1のPEが、前記第2のPEに、プローブパケットを送信する上記のステップの前に、当該方法は、前記第1のPEが、前記プローブパケットのプローブ期間を設定するステップであって、1つのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送するための時間間隔を含む、ステップをさらに含み、前記第1のPEが、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットを受信していないということを決定する前記ステップは、前記第1のPEが、N個のプローブ期間の中で、前記第2のPEが前記プローブパケットに対して返送する応答パケットを受信していないということを決定するステップであって、Nは、0よりも大きい正の整数である、ステップを含む。
【0012】
この可能な実装において、第1のPEは、プローブパケットのプローブ期間を構成し、第1のPEは、第2のPEにプローブパケットを周期的に送信してもよい。第1のPEが、あらかじめ設定されているN個の期間の中で、第2のPEがプローブパケットに対して返送する応答パケットを受信する場合には、その第1のPEは、BFDセッションの状況が接続されている状態であるということを決定する。第1のPEが、あらかじめ設定されているN個の期間の中で、第2のPEがプローブパケットに対して返送する応答パケットを受信しない場合には、その第1のPEは、BFDセッションの状況が切断されている状態であるということを決定する。この可能な実装において、第1のPEは、BFDセッションの状況が、切断されている状態であるか否かをより正確に決定することが可能であり、それによって、解決方法の精度を改善する。
【0013】
第1の態様のある1つの可能な実装において、前記第1のPEが、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替える上記のステップは、前記第1のPEが、ターゲット関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替えるステップであって、前記ターゲット関連性関係は、前記BFDセッションの状況が前記第3のリンクと関連しているということを示す、ステップを含む。
【0014】
この可能な実装において、BFDセッションは、第3のリンクとのターゲット関連性関係を有し、第1のPEは、そのターゲット関連性関係に基づいて、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替えることが可能である。この可能な実装は、解決方法の実装可能性を改善する。
【0015】
第1の態様のある1つの可能な実装において、前記ターゲット関連性関係は、第1の関連性関係及び第2の関連性関係を含み、前記第1のPEが、前記ターゲット関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替える上記のステップは、前記第1のPEが、前記第1の関連性関係及び前記BFDセッションが前記切断されている状態にあるという前記事実に基づいて、前記第2のリンクが故障しているということを決定するステップであって、前記第1の関連性関係は、前記BFDセッションの前記状況が前記第2のリンクと関連しているということを示す、ステップと、前記第1のPEが、前記第2の関連性関係に基づいて、前記第2のリンクを介して伝送される前記パケットを前記第3のリンクへと切り替えるステップであって、前記第2の関連性関係は、前記第2のリンクが前記第3のリンクと関連しているということを示す、ステップと、を含む。
【0016】
この可能な実装において、第1のPEは、第1の関連性関係及びBFDセッションが切断されている状態にあるという事実に基づいて、第2のリンクが故障しているということを決定し、そして、その次に、第1のPEは、第2の関連性関係に基づいて、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替える。この可能な実装において、第1のPEは、第1のPEと第2のPEとの間のリンクを介して伝送されるターゲットパケットを第1のPEと第3のPEとの間のリンクへとより正確に切り替えることが可能であり、それによって、解決方法の精度を改善する。
【0017】
この出願の複数の実施形態のうちの第2の態様は、パケット伝送経路切り替え方法を提供し、その方法は、第2のプロバイダーエッジPEが、第1のカスタマーエッジデバイスCEとの間で第1のリンクを確立するステップと、前記第2のPEが、第1のPEにイーサネットセグメントES自動検出ADルートを送信するステップであって、前記ES-ADルートは、前記第2のPEが前記第1のCEとの間での前記第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用され、前記ES-ADルートは、前記第2のPEとの間で双方向転送検出BFDセッションを確立するように前記第1のPEに指示するのに使用される、ステップと、前記第2のPEが、前記第1のPEとの間でBFDセッションを確立するステップであって、前記BFDセッションは、前記第2のPEと前記第1のCEとの間の前記第1のリンクの接続状況を取得するのに使用される、ステップと、前記第2のPEが、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップと、前記第2のPEが、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定するステップと、を含む。
【0018】
上記の方法において、第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクの確立に成功した後に、第2のPEは、第1のPEにES-ADルートを送信してもよい。第2のPEが、第1のPEとの間でBFDセッションを確立し、そして、第2のPEが、第1のリンクが故障しているということを決定する場合に、第2のPEは、そのBFDセッションの状況を切断されている状態に設定し、それによって、第1のPEは、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替える。この出願においては、ES-ADルートの送信が遅延するときに、パケット伝送経路切り替え速度が遅くなるという欠陥を回避し、高速のパケット伝送経路切り替えを実装する。
【0019】
第2の態様のある1つの可能な実装において、前記第2のPEが、前記第1のリンクが故障しているということを決定する上記のステップは、前記第2のPEが、トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるということを決定する場合に、前記第2のPEが、前記第1のリンクが故障しているということを決定するステップであって、前記トラッキングインターフェイスは、前記第2のPEが前記第1のCEとの間で前記第1のリンクを確立するのに使用するインターフェイスである、ステップを含む。前記第2のPEが、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する前記ステップは、前記第2のPEが、前記トラッキングインターフェイスの前記故障状態及び第3の関連性関係に基づいて、前記BFDセッションの前記状況を前記切断されている状態に設定するステップであって、前記第3の関連性関係は、前記トラッキングインターフェイスの前記信号状況が前記BFDセッションの前記状況と関連しているということを示す、ステップを含む。
【0020】
この可能な実装において、第2のPEが、トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるということを決定した後に、第2のPEは、第1のリンクが故障しているということを決定する。第2のPEは、第3の関連性関係に基づいて、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する。この可能な実装は、解決方法の精度を改善する。
【0021】
第2の態様のある1つの可能な実装において、前記第2のPEが、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する上記のステップの後に、当該方法は、前記第2のPEが、前記第1のPEが送信するプローブパケットを受信するステップと、前記第2のPEが、前記第1のPEへの前記プローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するステップと、をさらに含む。
【0022】
この可能な実装において、第2のPEが、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定した後に、第1のPEが送信するプローブパケットを受信するときに、第2のPEは、第1のPEへのプローブパケットに対する応答パケットの返送を停止する。この可能な実装は、解決方法の実装可能性を改善する。
【0023】
第2の態様のある1つの可能な実装において、前記第2のPEが、前記BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する上記のステップの後に、当該方法は、前記第2のPEが、前記第1のPEが送信するプローブパケットを受信するステップであって、前記プローブパケットのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送するための時間間隔を含み、前記2つの隣接するプローブパケットの間の前記時間間隔は、あらかじめ設定されている継続期間である、ステップと、前記第2のPEが、N個のプローブ期間の中での前記第1のPEへの前記プローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するステップであって、Nは、0よりも大きい正の整数である、ステップと、をさらに含む。
【0024】
この可能な実装において、第2のPEが、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定した後に、第2のPEが、第1のPEが送信するプローブパケットを受信するときに、第2のPEは、N個のプローブ期間の中での第1のPEへのプローブパケットの送信を停止する。この可能な実装は、解決方法の実装可能性を改善する。
【0025】
この出願の第3の態様は、プロバイダーエッジを提供する。そのプロバイダーエッジは、第1の態様又は第1の態様のいずれかの可能な実装における方法を実行するように構成される。具体的には、装置は、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行するように構成されるモジュール又はユニットを含む。
【0026】
この出願の第4の態様は、プロバイダーエッジを提供する。そのプロバイダーエッジは、第2の態様又は第2の態様のいずれかの可能な実装における方法を実装するように構成される。具体的には、装置は、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行するように構成されるモジュール又はユニットを含む。
【0027】
この出願の第5の態様は、プロバイダーエッジを提供し、そのプロバイダーエッジは、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、及び通信インターフェイスを含む。そのプロセッサは、メモリ及び通信インターフェイスに結合される。そのメモリは、命令を格納するように構成され、そのプロセッサは、それらの命令を実行するように構成され、通信インターフェイスは、プロセッサの制御の下で、他のネットワーク要素と通信するように構成される。それらの命令がプロセッサによって実行されるときに、そのプロセッサが、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行することを可能とする。
【0028】
この出願の第6の態様は、プロバイダーエッジを提供し、そのプロバイダーエッジは、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、及び通信インターフェイスを含む。そのプロセッサは、メモリ及び通信インターフェイスに結合される。そのメモリは、命令を格納するように構成され、そのプロセッサは、それらの命令を実行するように構成され、通信インターフェイスは、プロセッサの制御の下で、他のネットワーク要素と通信するように構成される。それらの命令がプロセッサによって実行されるときに、そのプロセッサが、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行することを可能とする。
【0029】
この出願の第7の態様は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。そのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラムコードを格納し、そのプログラムコードは、プロバイダーエッジが、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行することを可能とする。
【0030】
この出願の第8の態様は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。そのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラムコードを格納し、プログラムは、プロバイダーエッジが、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行することを可能とする。
【0031】
この出願の第9の態様は、第1のプロバイダーエッジ、第2のプロバイダーエッジ、少なくとも1つのカスタマーエッジデバイスを含むパケット伝送経路切り替えシステムを提供し、その第1のプロバイダーエッジは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおける方法を実装するプロバイダーエッジであり、第2のプロバイダーエッジは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおける方法を実装するプロバイダーエッジである。
【0032】
第3の態様、第5の態様、第7の態様、又はそれらの態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つがもたらす技術的効果については、第1の態様又は第1の態様の複数の異なる可能な実装がもたらす技術的効果を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0033】
第4の態様、第6の態様、第8の態様、又はそれらの態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つがもたらす技術的効果については、第2の態様又は第2の態様の複数の異なる可能な実装がもたらす技術的効果を参照するべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】この出願のある1つの実施形態にしたがったパケット伝送経路切り替えシステムの適用シナリオの概略的な図である。
【
図2】この出願のある1つの実施形態にしたがったパケット伝送経路切り替え方法の概略的なフローチャートである。
【
図3】この出願のある1つの実施形態にしたがったパケット伝送経路切り替え方法の概略的なフローチャートである。
【
図4】この出願のある1つの実施形態にしたがったES-ADルートのパケットフォーマットの概略的な図である。
【
図5】この出願のある1つの実施形態にしたがったプロバイダーエッジの構成の概略的な図である。
【
図6】この出願のある1つの実施形態にしたがったプロバイダーエッジの構成の概略的な図である。
【
図7】この出願のある1つの実施形態にしたがったプロバイダーエッジの構成の他の概略的な図である。
【
図8】この出願のある1つの実施形態にしたがった、プロバイダーエッジの構成の他の概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願の複数の実施形態を説明している。
【0036】
この出願の明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面において、"第1の"及び"第2の"等の語は、同様の対象を判別することを意図しているが、必ずしも、特定の順番又は順序を示すものではない。そのような方法で示されるデータは、適切な状況において互換性があり、それによって、本明細書において説明されているそれらの複数の実施形態は、本明細書において示され又は説明される順序以外の順序で実装されてもよいということを理解すべきである。さらに、"含む"、"包含する"、及びいずれかの他の変形語は、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスが、必ずしも、記載されているステップ又はユニットには限定されず、記載されていない他のステップ又はユニット、或いは、そのようなプロセス、方法、製品、又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい、といったように、非排他的包含を含めることを意味する。
【0037】
この出願の複数の実施形態は、パケット伝送経路切り替え方法を提供して、パケット伝送経路を迅速に切り替える。
【0038】
この出願のそれらの複数の実施形態におけるパケット伝送経路切り替え方法をより良く理解するために、以下の記載は、この出願のそれらの複数の実施形態が適用されるシナリオを説明している。
【0039】
EVPNは、レイヤ2ネットワーク相互接続に適用されるVPN技術である。EVPN技術は、境界ゲートウェイプロトコル(border gateway protocol, BGP)と同様のメカニズムを使用し、BGPに基づいて、新たなネットワーク層到達可能性情報(network layer reachability information, NLRI)、すなわち、EVPN NLRIを定義する。EVPN NLRIは、例えば、また、物理アドレス(media access control, MAC)ルート又はIPルートと称されるType 2ルート、また、包括的マルチキャストルートと称されるType 3ルート、及び、また、IPプレフィックスルートと称されるType 5ルート等のいくつかの新たなBGP EVPNルートタイプを定義する。これらのルートは、レイヤ2ネットワークにおける複数の異なるPEの間でMACアドレスを知りそして広告するのに使用される。
【0040】
複数のPEの間でBGP隣接関係を確立した後に、それらの複数のPEは、互いにES-ADルートを伝送してもよい。そのES-ADルートは、他のPEに、アクセスサイトのMACアドレスへのローカルPEの到達可能性、すなわち、そのPEが、接続されているサイトに到達可能であるか否かを通知することが可能である。ES-ADルートは、主として、高速収束、冗長モード、及びスプリットホライズンのために使用される。
【0041】
BFDは、ネットワークプロトコルであり、そのネットワークプロトコルにより、低オーバーヘッド方式によって、インターフェイス、データリンク、又は伝送エンジンにおける障害を含む複数の隣接する伝送エンジンの間の経路障害を迅速に検出することが可能である。BFDは、いかなるタイプの障害検出もサポートしない物理媒体に対してさえも障害検出を提供することが可能である。BFDは、特定のリンクを介して2つの複数のサイトの間でのセッションを確立する。2つのシステムの間に複数のリンクが存在する場合に、複数のBFDセッションを確立して、それらの複数のリンクの各々をモニタリングすることが可能である。そのセッションは、3方向ハンドシェイクによって確立され、同じ方式によって切断される。
【0042】
BFDセッションは、BFDセッションが接続されている状態にあるということを示す"Up"及びBFDセッションが故障しているか又は切断されている状態にあるということを示す"Down"の2つの状態を有する。
【0043】
図1は、この出願のある1つの実施形態にしたがったパケット伝送経路切り替えシステムの適用シナリオの概略的な図である。
【0044】
図1を参照すると、この出願のこの実施形態によって提供されるパケット伝送経路交換システムは、
第1のPE101、第2のPE102、第3のPE103、第1のCE104、及び第2のCE105を含んでもよい。第1のCE104は、第2のPE102及び第3のPE103にアクセスする。第2のCE105は、第1のPE101にアクセスする。
【0045】
この出願のこの実施形態においては、説明のための例として、3つのPE101、102、103と、2つのCE104及び105のみを使用する。
【0046】
選択的に、実際の適用において、この出願のこの実施形態の適用シナリオは、より多くのPE又はCEを含んでもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない。
【0047】
PEは、キャリアネットワークのエッジに位置する。PEの一端は、キャリアネットワークに接続され、他端は、ネットワークを介して、VPNデバイスに接続され、そのVPNデバイスは、1つ又は複数のCEに接続される。
【0048】
CEは、PEに接続されて、ユーザと直接的に対面するVPNデバイスである。
【0049】
EVPNの場合には、CEは、PEに対してマルチホームであってもよく又はシングルホームであってもよい。
図1に示されているように、第2のCEと第1のPEとの間の接続のタイプは、CEシングルホーミングネットワーキングタイプである。第1のCEと第2のPEとの間の接続のタイプ及び第1のCEと第3のPEとの間の接続のタイプは、CEマルチホーミングネットワーキングタイプに属する。CEマルチホーミングネットワーキングは、負荷分散をサポートしてもよい。
【0050】
第1のCE104は、通常、無線ネットワークを介して第2のPE102及び第3のPE103に接続されるか、又は、もちろん、有線ネットワークを介して接続されてもよい。有線ネットワークを介して接続を実行する場合には、通常は、光ネットワークを使用する。無線ネットワークを介して接続を実行する場合には、具体的な接続タイプは、セルラ無線ネットワーク、Wi-Fiネットワーク、又は他のタイプの無線ネットワークであってもよい。
【0051】
第2のCE105及び第1のPE101は、通常、無線ネットワークを介して接続されるか、又は、もちろん、有線ネットワークを介して接続されてもよい。有線ネットワークを介して接続を実行する場合には、通常は、光ネットワークを使用する。無線ネットワークを介して接続を実行する場合には、具体的な接続タイプは、セルラ無線ネットワーク、Wi-Fiネットワーク、又は他のタイプの無線ネットワークであってもよい。
【0052】
第1のCE104と第2のCE105との間に通信接続を確立し、第2のCE105は、第1のCE104にパケットを送信する。第2のPE102、第1のPE101、及び第3のPE103は、第1のCE104と第2のCE105との間の通信のために使用されるパケットを転送するように構成され、第2のPE102、第1のPE101、及び第3のPE103は、互いの間でEVPN隣接関係を確立する。
【0053】
第2のPEが第1のPEにパケットを送信した後に、第1のPEは、第2のPE及び/又は第3のPEにパケットを送信し、その次に、第2のPE及び/又は第3のPEは、第1のCEにデータパケットを転送する。
【0054】
図1において説明されているパケット伝送経路切り替えシステムに基づいて、この出願のこの実施形態によって提供されるパケット伝送経路切り替え方法を説明する。
【0055】
図2を参照すると、この出願のある1つの実施形態にしたがったパケット伝送経路切り替え方法のある1つの実施形態は、以下のステップを含む。
【0056】
201: 第2のPEは、第1のCEとの間で第1のリンクを確立する。
【0057】
第2のPEと第1のCEとの間のリンクの確立に成功した後に、第2のPEと第1のCEの間に確立されているリンクは、第1のリンクと呼ばれる。
【0058】
202: 第2のPEは、第1のPEにES-ADルートを送信する。
【0059】
第2のPEは、第1のPEにES-ADルートを送信し、ES-ADルートは、第2のPEが第1のCEとの間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用され、ES-ADルートは、さらに、第1のPE及び第2のPEが双方向転送検出BFDセッションを確立しているということを示すのに使用されてもよい。
【0060】
203: 第1のPEは、ES-ADルートに基づいて、第2のPEとの間でBFDセッションを確立する。
【0061】
第1のPEは、ES-ADルートに基づいて、第2のPEとの間でBFDセッションを確立し、そのBFDセッションは、第1のリンクの接続状況を検出するのに使用される。
【0062】
204: 第2のPEは、第1のPEとの間でBFDセッションを確立する。
【0063】
第2のPEは、第1のPEとの間でBFDセッションを確立し、BFDセッションは、第1のリンクの接続状況を検出するのに使用される。第1のリンクの接続状況の変化に基づいて、また、それに対応して、BFDセッションの状況を変更してもよい。
【0064】
205: 第2のPEは、第1のリンクが故障しているということを決定する。
【0065】
206: 第2のPEは、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する。
【0066】
第2のPEが、第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクが故障しているということを決定するときに、第2のPEは、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する、すなわち、第1のPEからのBFDセッションを切断し、そして、さらに、第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクが故障しているということを第1のPEに通知する。
【0067】
207: 第1のPEは、BFDセッションが切断されている状態にあるという事実に基づいて、第1のリンクが故障しているということを決定する。
【0068】
208: 第1のPEは、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替える。
【0069】
第1のPEが、BFDセッションの状況が切断されている状態であるということを決定する場合に、第1のPEは、第1のリンクが故障しているということを決定してもよい。この場合には、第1のPEは、パケットの伝送経路を切り替えてもよく、第1のPEは、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替える。第3のPE及び第2のPEは、第1のCEとの間の接続を個別に確立する。
【0070】
この出願のある1つの実施形態において、この出願は、パケット伝送経路切り替え方法を開示する。その方法は、第1のPEが、第2のPEが送信するイーサネットセグメントES自動検出ADルートを受信した後に、第1のPEは、ES-ADルートに基づいて、第2のPEとの間で双方向転送検出BFDセッションを確立する。第1のPEが、第2のPEがBFDセッションの状況を切断されている状態に設定しているということを決定する場合に、第1のPEは、第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクが故障しているということを決定し、第1のPEは、迅速に、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替える。この出願において、ES-ADルートの送信が遅延するときに、パケット伝送経路切り替え速度が遅くなるという欠陥を回避し、高速パケット伝送経路切り替えを実装する。
【0071】
この出願のこの実施形態において、第2のPEが、ステップ205において、第1のリンクが故障しているということを決定するステップについて、以下の複数の実施形態において、具体的な決定方式を詳細に説明する。同様に、第2のPEが、ステップ206において言及されているように、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定するステップについて、また、以下の複数の実施形態において、具体的な実行方式を詳細に説明する。
【0072】
図3を参照すると、この出願のある1つの実施形態にしたがったパケット伝送経路切り替え方法のある1つの実施形態は、以下のステップを含む。
【0073】
2001: 第2のPEは、第1のCEとの間で第1のリンクを確立する。
【0074】
第1のCEと第2のCEとの間に通信接続を確立し、第2のCEは、第1のCEにパケットを送信する。第2のPE、第1のPE、及び第3のPEは、第1のCEと第2のCEとの間の通信のために使用されるパケットを転送するように構成される。第2のPE、第1のPE、及び第3のPEは、互いの間でEVPN隣接関係を確立する。
【0075】
第2のPE及び第3のPEは、第1のCEに対してデュアルホームとなっている。第2のPEが第1のCEのMACアドレスを知るときに、第2のPEは、第1のCEとの間でリンクを確立し、第2のPEと第1のCEの間で確立されるリンクは、第1のリンクと称される。第1のリンクの確立に成功した後に、第2のCEが第1のCEに送信するパケットは、第1のリンクを介して伝送されてもよい。
【0076】
2002: 第2のPEは、第1のPEにES-ADルートを送信する。
【0077】
第1のリンクの確立に成功しているときに、第2のPEは、第1のPEにES-ADルートを送信するように指示され、そのES-ADルートは、第2のPEが第1のCEとの間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用されてもよい。
【0078】
選択的に、
図4に示されているように、ES-ADルートのパケットフォーマットは、ルート識別器(route distinguisher)、イーサネットセグメント識別子(ethernet segment identifier, ESI)、イーサネットタグID(ethernet tag ID)、及びマルチプロトコルラベル切り替え(multi-protocol label switching, MPLS)ラベルを含んでもよい。
【0079】
RDは、EVPNインスタンスを識別するのに使用される。選択的に、そのフィールドは、EVPNインスタンスの中で設定されているRD値であってもよく、又は、PEにおいて設定されているソースIPアドレスの組み合わせであってもよい。例えば、X.X.X.X:0は、本明細書においてある1つの例として使用されるにすぎないか、又は、他の実装であってもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない。
【0080】
ESIは、PEとCEとの間の接続のために定義される一意の識別子を表すのに使用される。選択的に、ESIは、EVPNアクセス側の物理リンクの識別子を示すのに使用されてもよく、或いは、ESIは、EVPNアクセス側の論理リンクの識別子を示してもよく、又は、他のコンテンツを示してもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない。
【0081】
イーサネットタグIDは、すべて、Fに固定される。MPLSラベルの値は、0に固定される。
【0082】
加えて、ES-ADルートは、第1のPEが第2のPEとの間で双方向転送検出BFDセッションを確立しているということを示すのに使用されてもよい。
【0083】
2003: 第1のPEは、ES-ADルートに基づいて、第2のPEとの間でBFDセッションを確立する。
【0084】
BFDセッションは、ネットワーク検出メカニズムであり、そのネットワーク検出メカニズムは、ネットワークにおけるリンク又はIPルートの転送接続状況を迅速に検出し又はモニタリングするように構成される。この実施形態において、BFDセッションは、第2のPEを使用することによって、第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクの接続状況を検出するのに使用される。
【0085】
ES-ADルートを受信した後に、そのES-ADルートは、第2のPEとの間でBFDセッションを動的に確立するように第1のPEに指示する。BFDセッションの確立は、双方向確立プロセスである。したがって、第1のPEと第2のPEとの間での交渉によってBFDセッションを確立する必要がある。
【0086】
第1のPEが、第2のPEが送信するES-ADルートを受信した後に、そのES-ADルートは、第2のPEの識別情報を含むため、第1のPEは、ES-ADルートの中に含まれる識別情報を取得することが可能である。
【0087】
識別情報は、第2のPEのIPアドレスを含んでもよく、又は、第2のPEと第1のCEとの間で確立されている第1のリンクのESIを含んでもよく、又は、第1のPEの識別情報に関連する他の情報であってもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない。
【0088】
第1のPEは、ES-ADルートの中の識別情報を取得し、その識別情報に基づいて、第2のPEのリモート識別子を生成してもよい。第1のPEは、さらに、ローカル識別子を生成してもよい。第1のPEは、そのローカル識別子及びリモート識別子に基づいて、BFD制御パケットを生成する。第1のPEは、ES-ADルートの中の識別情報及び第1のPEが生成するリモート識別子に基づいて、第2のPEにBFD制御パケットを送信し、そして、第2のPEと交渉して、BFDセッションを確立する。
【0089】
選択的に、制御パケットは、ローカル識別子及びリモート識別子のみならず、BFDセッションに関連する他のコンテンツを含んでもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない
【0090】
2004: 第2のPEは、第1のPEとの間でBFDセッションを確立する。
【0091】
BFDセッションは、双方向確立プロセスであるため、第1のPEと第2のPEの間でBFDセッションを確立する動作が存在し、第1のPE及び第2のPEDの双方は、同じBFDセッションを確立する。
【0092】
ステップ2003において第1のPEがES-ADルートに基づいて第2のPEとの間で確立するBFDセッションは、このステップにおいて第2のPEが第1のPEとの間で確立するBFDセッションと同じである。
【0093】
第2のPEは、第1のPEが送信するBFD制御パケットを受信し、そして、その次に、BFD制御パケットの中に含まれる第1のPEのローカル識別子を取得する。第2のPEは、第1のPEのローカル識別子を使用することによって、第1のPEと交渉して、BFDセッションを確立する。
【0094】
2005: 第1のPEは、BFDセッションのプローブパケットのプローブ期間を設定する。
【0095】
プローブ期間は、連続して2つのプローブパケットを伝送する時間間隔であり、プローブ期間の継続期間は、あらかじめ設定されている継続期間である。選択的に、そのプローブ期間は、3ミリ秒であってもよく、プローブ期間は、10ミリ秒であってもよく、又は、プローブ期間は、他の時間であってもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない。
【0096】
2006: 第1のPEは、第2のPEにプローブパケットを送信する。
【0097】
この実施形態において、BFDセッションの主たる操作モードは、非同期モードである。このモードにおいては、第1のPEは、第2のPEに、BFDセッションのプローブパケットを周期的に送信する。第1のPEが第2のPEにプローブパケットを送信する期間は、ステップ2005において第1のPEが構成するプローブ期間であるということを理解することが可能である。
【0098】
2007: 第2のPEが、トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるということを決定する場合に、第2のPEは、第1のリンクが故障しているということを決定する。
【0099】
第2のPEは、トラッキングインターフェイスを使用することによって、第1のCEとの間で第1のリンクを確立する。第2のPEは、下位層チップの中にリンク故障認識モジュールを含み、下位層チップの中のリンク故障認識モジュールは、トラッキングインターフェイスの信号状況を感知することが可能である。第1のリンク接続が正常である場合には、トラッキングインターフェイスの信号状況は、接続されている状態となる。第1のリンク接続が故障している場合には、トラッキングインターフェイスの信号状況は、故障状態となり、下位層チップの中のリンク故障認識モジュールは、トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるということを感知し、第2のPEは、第1のリンクが故障しているということを決定する。
【0100】
2008: 第2のPEは、トラッキングインターフェイスの故障状態及び第3の関連性関係に基づいて、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する。
【0101】
第3の関連性関係は、トラッキングインターフェイスの信号状況が、BFDセッションの状況と関連しているということを示し、トラッキングインターフェイスの信号状況が、接続されている状態であるときに、第2のPEは、BFDセッションの状況を接続されている状態に設定する。トラッキングインターフェイスの信号状況が、故障状態であるときに、第2のPEは、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する。
【0102】
BFDセッションの状況が、接続されている状態であるときに、BFDセッションの状況は、Up状態として表示される。第2のPEが、トラッキングインターフェイスの故障状態及び第3の関連性関係に基づいて、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定するときに、第2のPEは、BFDセッションの状況をDown状態に切り替える。
【0103】
2009: 第2のPEは、N個のプローブ期間の中での第1のPEへのプローブパケットに対する応答パケットの返送を停止する。
【0104】
下位層チップの中のリンク故障認識モジュールが、トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるということを感知している場合に、第2のPEがBFDセッションの状況を切断されている状態に設定した後に、第2のPEは、N個のプローブ期間の中での第1のPEへのプローブパケットに対する応答パケットの返送を停止する。
【0105】
Nの具体的な数は、前もってユーザによって決定される。Nは、3であってもよく、Nは、5であってもよく、Nは、他の値であってもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない。
【0106】
2010: 第1のPEが、N個のプローブ期間の中で、応答パケットを受信していないということを決定する場合に、第1のPEは、BFDセッションの状況が切断されている状態であるということを決定する。
【0107】
第1のPEが、N個の連続するプローブ期間の中でプローブパケットに対して返送される応答パケットを受信しない場合に、BFDセッションの状況はDownとなると考えられる、すなわち、第2のPEは、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定すると考えられる。
【0108】
2011: 第1のPEは、BFDが切断されている状態にあるという事実及び第1の関連性関係に基づいて、第2のリンクが故障しているということを決定する。
【0109】
この実施形態において、第1のPEは、ターゲットエントリにBFDセッションの識別子を追加する。
【0110】
選択的に、ターゲットエントリは、アクティブ/スタンバイ関係エントリ又は負荷分散エントリであってもよく、又は、他のエントリであってもよい。このことは、本明細書においては特に限定されない。
【0111】
第2のPE及び第3のPEが、シングルアクティブモードにある第1のCEに対してデュアルホームとなっているときに、ターゲットエントリは、アクティブ/スタンバイ関係エントリとなる。第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクは、プライマリリンクであり、第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクは、バックアップリンクである。プライマリリンク接続が正常であるときに、第2のCEが第1のCEに送信するパケットは、プライマリリンクによってのみ伝送される。言い換えると、第2のCEが第1のCEに送信するパケットは、第2のリンクによってのみ伝送される。プライマリリンク接続が故障しているときに、第2のCEが第1のCEに送信するパケットは、バックアップリンクによってのみ伝送される。言い換えると、第2のCEが第1のCEに送信するパケットは、第3のリンクによってのみ伝送される。
【0112】
アクティブ/スタンバイ関係エントリにBFDセッションの識別子を追加して、BFDセッションの状況が、第2のリンクとの間で第1の関連性関係を有するということを示す。BFDセッションの状況が、切断されている状態であるときに、アクティブ/スタンバイ関係エントリの中のBFDセッションの識別子は、Down状態であり、第1のPEは、第1の関連性関係に基づいて、第2のリンクが故障しているということを決定し、第1のPEは、もはや、そのルートの次のホップのターゲットとして第2のPEを使用しない。
【0113】
第2のPE及び第3のPEが、デュアルアクティブモードにある第1のCEに対してデュアルホームとなっているときに、ターゲットエントリは、負荷分散エントリである。第2のPEと第1のCEとの間の第2のリンク接続が正常であるときに、選択的に、第2のCEが第1のCEに送信するパケットは、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクによって伝送されてもよく、又は、第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクによって伝送されてもよい。第2のリンク接続が故障しているときに、第2のCEが第1のCEに送信するパケットは、第3のリンクによってのみ伝送される。
【0114】
負荷分散エントリにBFDセッションの識別子を追加して、BFDセッションの状況が、第2のリンクとの間で第1の関連性関係を有するということを示す。BFDセッションの状況が、切断されている状態であるときに、負荷分散エントリの中のBFDセッションIDの識別子は、Down状態である。第1のPEは、第1の関連性関係に基づいて、第2のリンクが故障しているということを決定し、第1のPEは、もはや、そのルートの次のホップのターゲットとして第2のPEを使用しない。
【0115】
2012: 第1のPEは、第2の関連性関係に基づいて、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替える。
【0116】
第2のPE及び第3のPEは、第1のPEに対してデュアルホームとなっているので、第1のPEが第1のCEに転送するパケットは、第2のリンクを介して第1のCEに送信されてもよく、又は、第3のリンクを介して第1のCEに送信されてもよい。したがって、第2のリンク及び第3のリンクの双方は、アクティブ/スタンバイ関係エントリ又は負荷分散エントリにかかわらず、第2の関連性関係を有する。第1のPEが、第2のリンクが故障しているということを決定した後に、第1のPEは、第2の関連性関係に基づいて、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替える。
【0117】
上記の記載は、パケット伝送経路切り替え方法を説明している。以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願のある1つの実施形態によって提供されるプロバイダーエッジを説明する。そのプロバイダーエッジは、上記の実施形態における第1のPEであってもよく、又は、上記の実施形態における第2のPEであってもよい。
【0118】
図5に示されているように、この出願のこの実施形態によって提供されるプロバイダーエッジ30のある1つの実施形態は、受信ユニット301及び処理ユニット302を含む。
【0119】
受信ユニット301は、第2のPEが送信するイーサネットセグメントES自動検出ADルートを受信するように構成され、ES-ADルートは、第2のPEと第1のCEとの間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用される。
【0120】
処理ユニット302は、ES-ADルートに基づいて、第2のPEとの間で双方向転送検出BFDセッションを確立し、BFDセッションは、第1のリンクの接続状況を検出するのに使用され、さらに、BFDセッションが切断されている状態にあるという事実に基づいて、第1のリンクが故障しているということを決定し、そして、したがって、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替える、ように構成され、第3のPE及び第2のPEは、それぞれ、第1のCEとの間の接続を確立する。
【0121】
この出願のこの実施形態において、受信ユニット301が、第2のPEが送信するイーサネットセグメントES自動検出ADルートを受信した後に、処理ユニット302は、そのES-ADルートに基づいて、第2のPEとの間で双方向転送検出BFDセッションを確立する。処理ユニット302が、第2のPEがBFDセッションの状況を切断されている状態に設定しているということを決定する場合に、その処理ユニット302は、第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクが故障しているということを決定する。その処理ユニット302は、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと迅速に切り替える。この出願においては、ES-ADルートの送信が遅延するときに、パケット伝送経路切り替え速度が遅くなるという欠陥を回避し、高速のパケット伝送経路切り替えを実装する。
【0122】
ある1つの可能な実施形態において、
送信ユニットが、第2のPEに、プローブパケットを送信した後に、受信ユニット301が、第2のPEがプローブパケットに対して返送する応答パケットを受信していないということを決定する場合に、受信ユニット301は、BFDセッションの状況が切断されている状態であるということを決定するように処理ユニット302に指示してもよい。
【0123】
ある1つの可能な実施形態において、処理ユニット302は、さらに、プローブパケットのプローブ期間を構成するように構成され、1つのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送する時間間隔を含む。受信ユニット301は、N個のプローブ期間の中で、応答パケットを受信していないということを決定してもよく、Nは、0よりも大きい正の整数である。
【0124】
ある1つの可能な実施形態において、処理ユニット302は、ターゲット関連性関係に基づいて、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替えるように構成され、ターゲット関連性関係は、BFDセッションの状況が第3のリンクと関連しているということを示す。
【0125】
ある1つの可能な実施形態において、ターゲット関連性関係は、第1の関連性関係及び第2の関連性関係を含む。処理ユニット302は、第1の関連性関係及びBFDセッションが切断されている状態にあるという事実に基づいて、第2のリンクが故障しているということを決定するように構成されてもよく、第1の関連性関係は、BFDセッションの状況が第2のリンクと関連しているということを示す。処理ユニット302は、さらに、第2の関連性関係に基づいて、第2のリンクを介して伝送されるパケットを第3のリンクへと切り替えるように構成されてもよく、第2の関連性関係は、第2のリンクが第3のリンクと関連しているということを示す。
【0126】
受信ユニット301は、
図2におけるステップ202において送信されるES-ADルート及び
図3におけるステップ2002において送信されるES-ADルートを受信してもよいということを理解することが可能である。
【0127】
処理ユニット302は、
図2におけるステップ203、ステップ207、及びステップ208、及び、
図3におけるステップ2003、ステップ2005、ステップ2010、ステップ2011、及びステップ2012において実行される動作を実行してもよい。
【0128】
送信ユニットは、
図3におけるステップ2006において実行される動作を実行してもよい。
【0129】
プロバイダーエッジ30の複数のモジュールの間での情報交換及び実行プロセス等の内容は、この出願の方法の複数の実施形態の概念と同じ概念に基づいているため、その内容の技術的効果は、本発明の方法の実施形態の技術的効果と同じであるということに留意すべきである。具体的な内容については、この出願のそれらの方法の実施形態における上記の説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0130】
図6に示されているように、この出願のこの実施形態によって提供されるプロバイダーエッジ40のある1つの実施形態は、処理ユニット401及び送信ユニット402を含む。
【0131】
処理ユニット401は、第1のクライアントエッジデバイスCEとの間で第1のリンクを確立するように構成されてもよい。送信ユニット402は、第1のPEにイーサネットセグメントES自動検出ADルートを送信するように構成されてもよく、ES-ADルートは、第2のPEが、第1のCEとの間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用され、ES-ADルートは、第1のPEが、第2のPEとの間で双方向転送検出BFDセッションを確立しているということを示すのに使用される。処理ユニット401は、さらに、第1のPEとの間でBFDセッションを確立するように構成されてもよく、BFDセッションは、第1のリンクの接続状況を検出するのに使用され、それによって、処理ユニット401は、第1のリンクが故障しているということを決定し、そして、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定することが可能である。
【0132】
ある1つの可能な実施形態において、処理ユニット401は、トラッキングインターフェイスの信号状況が故障状態であるということを決定するように構成されてもよい。この場合には、処理ユニットは、第1のリンクが故障しているということを決定し、トラッキングインターフェイスは、第2のPEにおいて、第1のCEとの間で第1のリンクを確立するのに使用されるインターフェイスである。処理ユニットは、さらに、トラッキングインターフェイスの故障状態及び第3の関連性関係に基づいて、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定してもよく、第3の関連性関係は、トラッキングインターフェイスの信号状況がBFDセッションの状況と関連しているということを示す。
【0133】
ある1つの可能な実施形態において、当該デバイスは、受信ユニットをさらに含む。受信ユニットは、さらに、第1のPEが送信するプローブパケットを受信するように構成され、処理ユニット401は、さらに、第1のPEへのプローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するように構成される。
【0134】
ある1つの可能な実施形態において、受信ユニットは、第1のPEが送信するプローブパケットを受信するように構成され、プローブパケットのプローブ期間は、2つのプローブパケットを連続して伝送する時間間隔を含む。処理ユニット401は、さらに、N個のプローブ期間の中での第1のPEへのプローブパケットに対する応答パケットの返送を停止するように構成され、Nは、0よりも大きい正の整数である。
【0135】
プロバイダーエッジ40の複数のモジュールの間での情報交換及び実行プロセス等の内容は、この出願のそれらの複数の方法の実施形態の概念と同じ概念に基づいているため、それらの内容の技術的効果は、本発明のそれらの複数の方法の実施形態の技術的効果と同じであるということに留意すべきである。具体的な内容については、この出願のそれらの複数の方法の実施形態における上記の説明を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0136】
処理ユニット401は、
図2におけるステップ201、ステップ204、ステップ205、及びステップ206、及び、
図3におけるステップ2001、ステップ2004、ステップ2007、ステップ2008、及びステップ2009において実行される動作を実行してもよいということを理解することが可能である。
【0137】
送信ユニット402は、
図2におけるステップ202及び
図3におけるステップ2002において実行される動作を実行してもよい。
【0138】
受信ユニットは、
図3におけるステップ2006において送信されるプローブパケットを受信してもよい。
【0139】
図7は、この出願のある1つの実施形態にしたがったプロバイダーエッジの構成の概略的な図である。プロバイダーエッジ500は、プロセッサ502、通信インターフェイス503、メモリ501、及びバス504を含む。通信インターフェイス503、プロセッサ502、及びメモリ501は、バス504によって互いに接続される。バス504は、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect, PCI)バス又は拡張産業標準アーキテクチャ(extended industry standard architecture, EISA)バス等であってもよい。バスは、アドレスバス、データバス、及び制御バス等に分類されてもよい。表現を容易にするために、
図7におけるバスを表すのに1つのみの太線を使用しているが、この1つの太線は、バスが1つのみ存在し又は1つのみのタイプのバスが存在するということを意味するものではない。プロバイダーエッジ500は、
図5に示されている実施形態におけるプロバイダーエッジの機能を実装してもよい。プロセッサ502及び通信インターフェイス503は、上記の方法の例において、プロバイダーエッジの対応する機能を実行してもよい。
【0140】
通信インターフェイス503は、プロバイダーエッジ500が
図3におけるステップ2006において実行される動作を実行するのを支援するように構成され、また、
図2におけるステップ202及び
図3におけるステップ2002において送信されるES-ADルートを受信してもよい。プロセッサ502は、プロバイダーエッジ500が、
図2におけるステップ203、ステップ207、及びステップ208、及び、
図3におけるステップ2003、ステップ2005、ステップ2010、ステップ2011、及びステップ2012において実行される動作を実行するのを支援するように構成される。メモリ501は、プロバイダーエッジ500のプログラムコード及びデータを格納するように構成される。
【0141】
以下の記載は、
図7を参照して、プロバイダーエッジの構成要素を詳細に説明する。
【0142】
メモリ501は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ、或いは、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)等の不揮発性メモリ、或いは、上記のタイプのメモリの組み合わせであってもよい。メモリ501は、プログラムコード、構成ファイル、又はこの出願における方法を実装することが可能である他のコンテンツを格納するように構成される。
【0143】
プロセッサ502は、コントローラの制御センターであり、中央処理ユニット(CPU)であってもよく、或いは、特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよく、或いは、例えば、1つ又は複数のディジタル信号プロセッサ(DSP)或いは1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のこの出願の複数の実施形態を実装するように構成される1つ又は複数の集積回路であってもよい。
【0144】
通信インターフェイス503は、他のPEとの間で通信するように構成される。
【0145】
ある1つの例において、通信インターフェイス503は、第2のPEが送信するES-ADルートを受信するように構成され、ES-ADルートは、第2のPEが第1のCEとの間での第1のリンクの確立に成功しているということを示すのに使用される。
【0146】
ある1つの可能な実装において、プロセッサ502は、メモリ501の中に格納されているソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを起動し又は実行し、メモリ501の中に格納されているデータを呼び出して、以下の機能を実行する。
【0147】
第2のPEと第1のCEとの間の第1のリンクが故障している場合に、プロセッサ502は、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを、第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクに迅速に切り替える。
【0148】
図8は、この出願のある1つの実施形態にしたがった他のデバイスの構成の概略的な図である。そのデバイスは、プロバイダーエッジである。このプロバイダーエッジ600は、プロセッサ602、通信インターフェイス603、メモリ601、及びバス604を含む。通信インターフェイス603、プロセッサ602、及びメモリ601は、バス604によって互いに接続される。バス604は、周辺構成要素相互接続(
PCI)バス又は拡張産業標準アーキテクチャ(
EISA)バス等であってもよい。バスは、アドレスバス、データバス、及び制御バス等に分類されてもよい。表現を容易にするために、
図8におけるバスを表すのに1つのみの太線を使用しているが、この1つの太線は、バスが1つのみ存在し又は1つのみのタイプのバスが存在するということを意味するものではない。プロバイダーエッジ600は、
図6に示されている実施形態におけるプロバイダーエッジの機能を実装してもよい。プロセッサ602及び通信インターフェイス603は、上記の方法の例において、プロバイダーエッジの対応する機能を実行してもよい。
【0149】
通信インターフェイス603は、プロバイダーエッジ600が
図2におけるステップ202及び
図3におけるステップ2002において実行される動作を実行するのを支援するように構成され、また、
図3におけるステップ2006において送信されるプローブパケットを受信してもよい。プロセッサ602は、プロバイダーエッジ600が、
図2におけるステップ201、ステップ204、ステップ205、及びステップ206、及び、
図3におけるステップ2001、ステップ2004、ステップ2007、ステップ2008、及びステップ2009において実行される動作を実行するのを支援するように構成される。
【0150】
以下の記載は、
図8を参照して、プロバイダーエッジの構成要素を詳細に説明する。
【0151】
メモリ601は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ、或いは、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)等の不揮発性メモリ、或いは、上記のタイプのメモリの組み合わせであってもよい。メモリ601は、プログラムコード、構成ファイル、又はこの出願における方法を実装することが可能である他のコンテンツを格納するように構成される。
【0152】
プロセッサ602は、コントローラの制御センターであり、中央処理ユニット(CPU)であってもよく、或いは、特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよく、或いは、例えば、1つ又は複数のディジタル信号プロセッサ(DSP)或いは1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のこの出願の複数の実施形態を実装するように構成される1つ又は複数の集積回路であってもよい。
【0153】
通信インターフェイス603は、他のPEとの間で通信するように構成される。
【0154】
ある1つの例において、通信インターフェイス603は、第1のPEが送信するプローブパケットを受信するように構成される。
【0155】
ある1つの可能な実装において、プロセッサ602は、メモリ601の中に格納されているソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを起動し又は実行し、メモリ601の中に格納されているデータを呼び出して、
第1のPEとの間でBFDセッションを確立する機能、第1のリンクが故障しているということを決定する機能、及び、BFDセッションの状況を切断されている状態に設定する機能を実行し、それによって、第1のPEは、第1のPEと第2のPEとの間の第2のリンクを介して伝送されるパケットを、第1のPEと第3のPEとの間の第3のリンクへと切り替え、パケット伝送経路の高速切り替えを実装する。
【0156】
この出願は、さらに、パケット伝送経路切り替えシステムを提供する。そのパケット伝送経路切り替えシステムは、
図7におけるPE及び
図8におけるPEを含み、
図7及び
図8に示されている構成及び機能を有する。
【0157】
ある1つの可能な設計において、プロバイダーエッジは、メモリをさらに含み、メモリは、プロバイダーエッジに必要なプログラム命令及びデータを格納するように構成される。パケット伝送経路切り替えシステムは、チップ及び他の個別の構成要素を含んでもよい。
【0158】
ある1つの可能な設計において、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。そのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータ実行可能な命令を格納する。デバイスの少なくとも1つのプロセッサが、それらのコンピュータ実行可能な命令を実行するときに、そのデバイスは、
図2及び
図3におけるいくつかの実施形態の中で説明されている方法を実行する。
【0159】
当業者は、この明細書において開示されている複数の実施形態の中で説明されている複数の例と関連して、電子ハードウェアによって又はコンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアとの組み合わせによって、ユニット及びアルゴリズムステップを実装することが可能であるということを認識することが可能である。それらの複数の機能が、ハードウェアによって実行されるか又はソフトウェアによって実行されるかは、それらの複数の技術的解決方法の特定の用途及び設計上の制約条件によって決まる。当業者は、特定の用途の各々について、複数の異なる方法を使用して、それらの説明されている機能を実装してもよいが、その実装がこの出願のそれらの複数の実施形態の範囲を超えるものであると解釈されるべきではない。
【0160】
当業者は、説明を便利且つ簡単にするために、上記のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、上記の複数の方法の実施形態における対応するプロセスを参照するべきであるということを明確に理解することが可能である。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0161】
この出願によって提供される複数の実施形態のうちのいくつかにおいては、他の方式によって、開示されているシステム、装置、及び方法を実装してもよいということを理解すべきである。例えば、説明されている装置の実施形態は、ある1つの例であるにすぎない。例えば、説明されている複数の装置の実施形態は、複数の例であるにすぎない。例えば、ユニットへの分割は、論理的な機能の分割であるにすぎず、実際の実装の際には他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素を組み合わせ又は一体化して、他のシステムとしてもよく、或いは、いくつかの特徴を無視し又は実行しなくてもよい。加えて、いくつかのインターフェイスを使用して、それらの示され又は説明されている相互結合、直接結合、又は通信接続を実装してもよい。電子的な形態、機械的な形態、又は他の形態によって、複数の装置又は複数のユニットの間の間接的な結合又は通信接続を実装してもよい。
【0162】
複数の個別の部分として説明される複数のユニットは、物理的に分離していてもよく又は物理的に分離していなくてもよく、また、複数のユニットとして示される複数の部分は、複数の物理的なユニットとなっていてもよく又は複数の物理的なユニットとなっていなくてもよく、1つの場所に位置していてもよく、又は、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。実際の要件に応じて、それらの複数のユニットのうちの一部又はすべてを選択して、それらの複数の実施形態の複数の技術的解決方法の目的を達成してもよい。
【0163】
加えて、この出願の複数の実施形態における複数の機能ユニットを一体化して、1つの処理ユニットとしてもよく、又は、それらの複数のユニットの各々は、物理的に単独で存在していてもよく、或いは、2つ又はそれ以上のユニットを一体化して、1つのユニットとしてもよい。
【0164】
複数の機能が、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、且つ、独立している製品として販売され又は使用されるときに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中にそれらの機能を格納してもよい。そのような理解に基づいて、この出願の複数の技術的解決方法は、本質的に、或いは、従来技術に寄与する部分又はそれらの複数の技術的解決方法のうちの一部は、ソフトウェア製品の形態で実装されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体の中に格納され、いくつかの命令を含み、それらのいくつかの命令は、この出願のそれらの複数の実施形態の中で説明されている複数の方法の複数のステップのすべて又は一部を実行するように、(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスであってもよい)コンピュータデバイスに指示する。上記の記憶媒体は、プログラムコードを格納することが可能であるUSBフラッシュドライブ、取り外し可能なハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、又は光ディスク等のいずれかの媒体を含む。
【0165】
上記の説明は、この出願の具体的な実装であるにすぎず、この出願の保護の範囲を限定することを意図してはいない。この出願の中で開示されている技術的範囲の中で当業者が容易に理解することができるいずれかの変形又は置換は、この出願の保護の範囲に属するものとする。したがって、この出願のそれらの複数の実施形態の保護の範囲は、特許請求の範囲の保護の範囲にしたがうものとする。