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特許7447263ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信/受信するためのネットワーク構造及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信/受信するためのネットワーク構造及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/43 20220101AFI20240304BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20240304BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20240304BHJP
【FI】
H04L47/43
H04W28/06 110
H04W88/04
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022531575
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2020128267
(87)【国際公開番号】W WO2021109821
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】201911223143.8
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲沖▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 志▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 峰
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0294692(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0191330(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0155493(US,A1)
【文献】特開2011-172142(JP,A)
【文献】特開2008-135855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 47/43
H04W 28/06
H04W 88/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法であって、前記ネットワークがシリアルネットワークを備え、前記方法は、
前記シリアルネットワーク内のネットワーク要素が前のネットワーク要素によって送信された前記前のネットワーク要素における転送対象パケットを受信するとき、前記ネットワーク要素が前記ネットワーク要素における送信対象パケットを送信する必要があるならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳することができるかどうかを判定するステップであって、前記ネットワーク要素が前記シリアルネットワーク内の中間ネットワーク要素である、ステップと、
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳することができるならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳し、前記ネットワーク要素における転送対象パケットを取得するステップと、
前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを前記ネットワーク要素の次のネットワーク要素に送信するステップと、
を含
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳することができるかどうかを判定する前記ステップは、
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとが重畳された後に取得される送信時間が、前記ネットワーク要素の前記次のネットワーク要素の受信時間許容範囲を満たすかどうかを判定するステップと、
前記受信時間許容範囲が満たされるならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳することができると決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記受信時間許容範囲が満たされないならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとが前記ネットワーク要素の前記次のネットワーク要素に別々に送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳し、前記ネットワーク要素における転送対象パケットを取得する前記ステップは、
前記転送対象パケットが重畳されていないときに、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定するステップと、
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳方式で重畳し、前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを取得するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定する前記ステップは、
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプが前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプとは異なるとともに、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージ長さも前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージ長さとは異なるならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを第1の重畳方式で重畳し、前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを取得するステップ、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の重畳方式はメッセージタイプ+メッセージ長さ+メッセージデータの重畳方式である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定する前記ステップは、
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプが前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプとは異なるが、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージ長さが前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージ長さと同じならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを第2の重畳方式で重畳し、前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを取得するステップ、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の重畳方式はメッセージタイプ+メッセージデータの重畳方式である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定する前記ステップは、
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプが前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプと同じであるが、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージ長さが前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージ長さとは異なるならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを第3の重畳方式で重畳し、前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを取得するステップ、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の重畳方式はメッセージ長さ+メッセージデータの重畳方式である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定する前記ステップは、
前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージタイプが前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージタイプと同じであるとともに、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットのメッセージ長さが前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットのメッセージ長さと同じであるならば、前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを第4の重畳方式で重畳し、前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを取得するステップ、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記第4の重畳方式はメッセージデータ+メッセージデータの重畳方式である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記シリアルネットワーク内の前記ネットワーク要素が前記前のネットワーク要素によって送信される前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットを受信するとき、前記ネットワーク要素によって送信される必要がある前記ネットワーク要素における前記送信対象パケットがないならば、ルデータパケットと前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットとを重畳し、前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを取得するステップと、
前記ネットワーク要素における前記転送対象パケットを前記ネットワーク要素の前記次のネットワーク要素に送信するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための方法であって、前記ネットワークがシリアルネットワークを備え、前記方法は、
前記シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素が、前のネットワーク要素によって送信された前のネットワーク要素における転送対象パケットを受信するとき、前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットの重畳方式を決定するステップであって、前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットは、請求項1から12のいずれか一項に記載のネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための法を使用することによって前記最後のノードネットワーク要素に送信される、ステップと、
前記重畳方式と一致するカプセル化解除方式で前記前のネットワーク要素における前記転送対象パケットをカプセル化解除し、前記シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得するステップであって、前記他のネットワーク要素は、前記シリアルネットワーク内の前記最後のノードネットワーク要素以外のネットワーク要素である、ステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
シリアルネットワークを備えるネットワークであって、前記シリアルネットワークは、連続的に接続される、第1のノードネットワーク要素、複数の中間ネットワーク要素、及び、最後のノードネットワーク要素を備え、
前記中間ネットワーク要素は、請求項1から12のいずれか一項に記載のネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための法を使用することによって、前記中間ネットワーク要素における転送対象パケットを前記最後のノードネットワーク要素に向けて連続的に送信し、
前記最後のノードネットワーク要素は、請求項13に記載されるネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための法を使用することによって、前のネットワーク要素によって送信され、前最後のネットワーク要素において受信された転送対象パケットをカプセル化解除し、前記シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得する、
ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、参照によりその全体が本願に組み入れられる、2019年12月3日付で中国特許庁に出願された「ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信/受信するためのネットワーク構造及び方法」なる名称の中国特許出願第201911223143.8号に基づき優先権を主張する。
【0002】
この出願は、ネットワーク通信技術の分野に関し、特に、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信/受信するためのネットワーク構造及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレスブロードバンド技術の急速な発展に伴い、複数のデバイスが共同でネットワーク化される場合があり、また、ネットワーク化後に取得されるネットワーク内の各ノードデバイスはネットワーク要素と称される。ネットワーク要素は、無線方式、電力ケーブル、又は、ネットワークケーブルなどの物理的技術を使用することによって直接的又は間接的に接続され得る。図1は、従来技術におけるシリアルネットワークのネットワーク構造の概略図である。
【0004】
図1を参照すると、シリアルネットワークは、ネットワーク要素N1、ネットワーク要素N2、及び、ネットワーク要素N3を含む。ネットワーク要素N1とネットワーク要素N2との間に直接的な接続が確立され、また、ネットワーク要素N2とネットワーク要素N3との間に直接的な接続が確立される。2つの直接的な接続は、無線接続方式(例えば、無線周波数通信)又は有線接続方式(例えば、電源ケーブル又はネットワークケーブル)であってもよい。ネットワーク要素N1とネットワーク要素N3との間には、ネットワーク要素N2を使用することによって間接的な接続が確立される。ネットワーク要素N1、ネットワーク要素N2、及びネットワーク要素N3において、2つの直接的な接続されるネットワーク要素は、同じプロトコルスタック(例えば、TCP/IPプロトコルスタック)を使用する必要がある。
【0005】
ネットワーク要素N3によってメッセージを受信するケースが一例として用いられる。
【0006】
ネットワーク要素N1によって送信されるメッセージ1を受信するケース:ネットワーク要素N1がネットワーク要素N3にメッセージ1を送信する必要があるならば、メッセージはネットワーク要素N2によってネットワーク要素N3に転送される。ネットワーク要素N1とネットワーク要素N3との間のネットワークが図1に示されるシリアルネットワークであるか又は他の複雑なメッシュネットワークであるかどうかにかかわらず、ネットワーク要素N3は、ネットワーク要素N1によって送信されるメッセージ1を1回受信する必要がある。
【0007】
ネットワーク要素N2によって送信されるメッセージ2を受信するケース:ネットワーク要素N3にメッセージ2を送信する必要があるならば、ネットワーク要素N2はネットワーク要素N3にメッセージ2を直接送信する。ネットワーク要素N2とネットワーク要素N3との間のネットワークが図1に示されるシリアルネットワークであるか又は他の複雑なメッシュネットワークであるかどうかにかかわらず、ネットワーク要素N3は、ネットワーク要素N2によって送信されるメッセージ2を1回受信する必要がある。
【0008】
メッセージ1及びメッセージ2がネットワーク要素N3に到達する時間許容がネットワーク要素N3にとって許容できる範囲内にあるならば、ネットワーク要素N3はメッセージ受信を2回行なう必要がある。その結果、ネットワーク要素N3の受信モジュールは2回動作する必要がある。ネットワーク要素N3とネットワーク要素N2との間で無線接続(例えば、Wi-Fi接続)が確立されるならば、ネットワーク要素N3は2つのWi-Fi無線周波数信号を受信する必要がある。ネットワーク要素N3がバッテリ給電式端末デバイス(例えば、携帯電話)であるならば、ネットワーク要素N3は受信のために2倍の電力を消費する。特に、携帯電話が特定の省電力状態にあるとき、携帯電話は2つのメッセージを受信する際に2回起動されるため、非常に明らかな電力損失がある。メッセージ1をネットワーク要素N3に転送することに加えて、ネットワーク要素N2はメッセージ2をネットワーク要素N3に送信する必要がある。その結果、ネットワーク要素N2は2回メッセージ送信を実行する。しかしながら、2回のメッセージ送信によって引き起こされる電力損失は、幾つかのバッテリ給電式デバイスにとって許容できるものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
これを考慮して、本出願の実施形態は、シリアルネットワーク内のネットワーク要素間でメッセージを送信/受信するプロセスにおいて比較的高い電力消費があるという従来技術の問題を解決するために、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信/受信するためのネットワーク構造及び方法を提供する。
【0010】
一態様によれば、この出願の一実施形態は、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法を提供する。ネットワークはシリアルネットワークを含み、方法は、シリアルネットワーク内のネットワーク要素が前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するとき、ネットワーク要素が現在のノードにおける送信対象パケットを送信する必要があるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるかどうかを判定するステップであって、ネットワーク要素がシリアルネットワーク内の中間ネットワーク要素である、ステップと、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップと、現在のノードにおける転送対象パケットをネットワーク要素の次のネットワーク要素に送信するステップとを含む。
【0011】
想定し得る設計において、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるかどうかを判定するステップは、
現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとが重畳された後に取得される送信時間が、ネットワーク要素の次のネットワーク要素の受信時間許容範囲を満たすかどうかを判定するステップと、
受信時間許容範囲が満たされるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができると決定するステップと、
を含む。
【0012】
想定し得る設計において、受信時間許容範囲が満たされないならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとがネットワーク要素の次のネットワーク要素に別々に送信される。
【0013】
想定し得る設計において、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップは、
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定するステップと、
現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳方式で重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップと、
を含む。
【0014】
想定し得る設計において、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定するステップは、
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプとは異なるとともに、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さも前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さとは異なるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを第1の重畳方式で重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップ、
を含む。
【0015】
想定し得る設計では、第1の重畳方式はメッセージタイプ+メッセージ長さ+メッセージデータの重畳方式である。
【0016】
想定し得る設計では、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定するステップは、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプとは異なるが、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さと同じならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを第2の重畳方式で重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップ、を含む。
【0017】
想定し得る設計では、第2の重畳方式はメッセージタイプ+メッセージデータの重畳方式である。
【0018】
想定し得る設計では態、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定するステップは、
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプと同じであるが、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さとは異なるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを第3の重畳方式で重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップ、
を含む。
【0019】
想定し得る設計では、第3の重畳方式はメッセージ長さ+メッセージデータの重畳方式である。
【0020】
想定し得る設計では、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、重畳方式を決定するステップは、
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプと同じであるとともに、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さと同じであるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを第4の重畳方式で重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップ、
を含む。
【0021】
想定し得る設計では、第4の重畳方式はメッセージデータ+メッセージデータの重畳方式である。
【0022】
想定し得る設計では、方法は、シリアルネットワーク内のネットワーク要素が前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するときに、ネットワーク要素によって送信される必要がある現在のノードにおける送信対象パケットがないならば、ヌルデータパケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップと、現在のノードにおける転送対象パケットをネットワーク要素の次のネットワーク要素に送信するステップとを更に含む。
【0023】
他の態様によれば、この出願の一実施形態は、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための方法を更に提供する。ネットワークはシリアルネットワークを含み、方法は、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素が、前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するとき、前のノードにおける転送対象パケットの重畳方式を決定するステップであって、前のノードにおける転送対象パケットは、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための前述の方法を使用することによって最後のノードネットワーク要素に送信される、ステップと、重畳方式と一致するカプセル化解除方式で前のノードにおける転送対象パケットをカプセル化解除し、シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得するステップであって、他のネットワーク要素は、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素以外のネットワーク要素である、ステップとを含む。
【0024】
更に他の態様によれば、この出願の一実施形態は、シリアルネットワークを含むネットワーク構造を更に提供する。シリアルネットワークは、連続的に接続される、第1のノードネットワーク要素、複数の中間ネットワーク要素、及び、最後のノードネットワーク要素を含む。中間ネットワーク要素は、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための前述の方法を使用することによって、現在のノードにおける転送対象パケットを最後のノードネットワーク要素に連続的に送信する。最後のノードネットワーク要素は、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための前述の方法を使用することによって、前のネットワーク要素によって送信される現在のノードにおける受信された転送対象パケットをカプセル化解除し、シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得する。
【0025】
従来技術と比較して、技術的解決策は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0026】
この出願の実施形態で提供されるネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法によれば、ネットワーク構造内のシリアルネットワークにおいて、中間ネットワーク要素(シリアルネットワーク内の最初のノードネットワーク要素及び最後のノードネットワーク要素以外のネットワーク要素)は、前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信し、また、現在のノードにおける送信対象パケットを送信する必要があるならば、中間ネットワーク要素は、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するために、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳した後、現在のノードにおける転送対象パケットを中間ネットワーク要素のネットワーク要素に送信する。そのようなパケット送信方法において、シリアルネットワーク内の中間ネットワーク要素は、1つの転送対象パケット(すなわち、前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケット)のみを受信すればよく、1つの転送対象パケット(すなわち、現在のノードにおける転送対象パケット)を送信する。したがって、パケット送信/受信プロセスにおける各中間ネットワーク要素の電力消費量を低減することができる。
【0027】
更に、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳するために、重畳方式は、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプに基づいて決定される。現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及び/又はメッセージ長さが同じであるとき、重畳後に取得される現在のノードにおける転送対象パケットによって占められる空間を減らすことができる重畳方式が使用される。
【0028】
この出願の実施形態で提供されるネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための方法によれば、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素(すなわち、最終的にメッセージを受信するネットワーク要素)は、1つの転送対象パケット(すなわち、最後のノードネットワーク要素の前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケット)のみを受信すればよく、また、前のノードにおける転送対象パケットの重畳方式に基づいて前のノードにおける転送対象パケットをカプセル化解除し、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素以外のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得する。そのようなパケット受信方法において、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素は、1つの転送対象パケットのみを受信すればよく、他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケット内のメッセージデータを取得するためにカプセル化解除を1回行う。したがって、パケット受信及びパケットカプセル化解除プロセスにおける最後のノードネットワーク要素の電力消費量が低減される。
【0029】
この出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態に関する添付図面について簡単に説明する。以下の説明における添付図面が単にこの出願の幾つかの実施形態を示すにすぎず、当業者が創造的な努力を伴うことなくこれらの添付図面から他の図面を導出できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来技術におけるシリアルネットワークのネットワーク構造の概略図である。
図2】この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法の特定の実施形態の概略フローチャートである。
図3図2に示されるネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法が適用可能なシリアルネットワークのネットワーク構造の概略図である。
図4A】この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法におけるパケット重畳方式の概略パケット図である。
図4B】この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法における他のパケット重畳方式の概略パケット図である。
図4C】この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法における更に他のパケット重畳方式の概略パケット図である。
図4D】この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法における更に他のパケット重畳方式の概略パケット図である。
図5】この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための方法の特定の実施形態の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この出願の技術的解決策をより良く理解するために、以下、添付図面を参照してこの出願の実施形態について詳しく説明する。
【0032】
説明される実施例がこの出願の実施形態の全てではなく単なる一部にすぎないことは明らかなはずである。創造的な努力を伴うことなくこの出願の実施形態に基づいて当業者によって得られる全ての他の実施形態は、この出願の保護範囲内に入るものとする。
【0033】
この出願の技術的解決策が適用可能なネットワーク構造は、スター型トポロジーネットワーク、バス型トポロジーネットワーク、リング型トポロジーネットワーク、及び、ツリー型トポロジーネットワークを含む。スター型トポロジーネットワークは、中央ノードと、ポイントツーポイントリンクを介して中央ノードに接続される局とを含む。バス型トポロジーネットワークでは、単一の送信ラインが送信媒体として使用され、また、全ての曲が、対応するハードウェアインタフェースを介して送信媒体(すなわち、バス)に直接に接続される。リング型トポロジーネットワークでは、ポイントツーポイントリンクが閉じたリングを形成する。ツリー型トポロジーネットワークは、バス型トポロジーネットワークから発展したものであり、分岐を伴う少なくとも1つのルートを含み、幾つかのサブ分岐に更に拡張することができる。
【0034】
前述のネットワーク構造に基づいて複数のデバイスがネットワーク化された後、ネットワーク内の各ノードにおけるデバイスがネットワーク要素と称される。無線通信技術の発展に伴い、デバイスは、様々なネットワーク構造において有線通信方式又は無線通信方式で接続され得る。
【0035】
前述のネットワーク構造のいずれか1つにおいて、幾つかのネットワークは、通常、シリアルネットワーク(例えば、図1に示されるネットワーク構造)である。この出願の技術的解決策は、主に、様々なネットワーク構造におけるシリアルネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信/受信する方式に適用可能である。
【0036】
図2は、この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法の特定の実施形態の概略フローチャートである。図2を参照すると、方法は以下のステップを含む。
【0037】
ステップ201:シリアルネットワーク内のネットワーク要素が前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するとき、ネットワーク要素が現在のノードにおける送信対象パケットを送信する必要があるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるかどうかを判定し、ネットワーク要素はシリアルネットワーク内の中間ネットワーク要素である。
【0038】
ステップ202:現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0039】
ステップ203:現在のノードにおける転送対象パケットをネットワーク要素の次のネットワーク要素に送信する。
【0040】
前述したように、この実施形態におけるネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法は、ネットワーク構造におけるシリアルネットワークに適用可能である。この実施形態の理解を容易にするために、まず最初に、この実施形態が適用可能なシリアルネットワークについて簡単に説明する。
【0041】
図3は、図2に示されるネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法が適用可能なシリアルネットワークのネットワーク構造の概略図である。図3を参照すると、シリアルネットワークは、連続的に接続されるj個のネットワーク要素、すなわち、ネットワーク要素N1、ネットワーク要素N2、ネットワーク要素N3、ネットワーク要素N4、...、ネットワーク要素Nj-1、及び、ネットワーク要素Njを含む。jの特定の値は、実際の用途では、シリアルネットワーク内のノードの数量に基づいて決定されてもよい。図3に示されるシリアルネットワークでは、ネットワーク要素N1が第1のノードネットワーク要素であり、ネットワーク要素N2、ネットワーク要素N3、...、及びネットワーク要素Nj-1が中間ネットワーク要素であり、ネットワーク要素Njが最後のノードネットワーク要素である。シリアルネットワークでは、ネットワーク要素N2がネットワーク要素Njにパケットを送信する必要があるならば、ネットワーク要素N2によって送信されるパケットは、ネットワーク要素Njに到達する前に、ネットワーク要素N3、ネットワーク要素N4、...、及びネットワーク要素Nj-1に順次に到達する必要がある。
【0042】
この実施形態において、ステップは、シリアルネットワーク内の中間ネットワーク要素によって行われる。この実施形態におけるパケット送信方法は、図3のネットワーク要素N3が中間ネットワーク要素として使用される例を用いることによって説明される。
【0043】
ステップ201で説明されたように、シリアルネットワーク内のネットワーク要素が、前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するとき、ネットワーク要素が現在のノードにおける送信対象パケットを送信する必要があるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるかどうかが判定される。
【0044】
図2及び図3を参照すると、ネットワーク要素N3が、ネットワーク要素N2(すなわち、ネットワーク要素N3の前のネットワーク要素)によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するとき、ネットワーク要素N3が現在のノードにおける送信対象パケットを送信する必要があるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるかどうかが判定される。
【0045】
具体的には、このステップは以下を含む。
【0046】
ステップ2011:現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとが重畳された後に取得される送信時間がネットワーク要素の次のネットワーク要素の受信時間許容範囲を満たすかどうかを判定する。
【0047】
ステップ2012:受信時間許容範囲が満たされるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができると決定する。
【0048】
当業者であれば、ネットワーク内のネットワーク要素間の通信効率を確保するために、パケット転送プロセスにおいて、パケットを受信するための最大時間範囲(すなわち、受信時間許容範囲)がそれぞれのネットワーク要素ごとに設定される必要があることが分かる。図3を更に参照すると、例えば、ネットワーク要素4の受信時間許容範囲は、20 ms以下に設定される(言い換えると、最大受信時間許容範囲が20 msを超えない)。ネットワーク要素3は、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとが重畳された後に取得される送信時間が20 ms以下であるかどうか、言い換えると、ネットワーク要素4(すなわち、ネットワーク要素3の次のネットワーク要素)の受信時間許容範囲が満たされるかどうかを判定する必要がある。
【0049】
ステップ202で説明したように、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとが重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0050】
具体的には、受信時間許容範囲が満たされるならば、現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳することができると決定される。現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するために重畳される。
【0051】
この実施形態では、このステップは以下を含む。
【0052】
ステップ2021:現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長とに基づいて、重畳方式を決定する。
【0053】
ステップ2022:現在のノードにおける送信対象パケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳方式で重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0054】
当業者であれば、パケットはネットワーク内で交換されて送信されるデータユニットであり、また、パケットは送信されるべきメッセージ(又はデータ)を含むことが分かる。パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さは、サービスタイプによって異なる。この実施形態では、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さと、前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプ及びメッセージ長さとに基づいて、特定の重畳方法が決定される。
【0055】
重畳方式については、特定の実施形態に関連して以下で詳細に説明する。
【0056】
第1の重畳方式
図4Aは、この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法におけるパケット重畳方式の概略パケット図である。
【0057】
図4Aを参照すると、前のノードにおける転送対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値11であり、メッセージ長さは16ビットであり、メッセージデータは0101111001110110であり、また、現在のノードにおける送信対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値16であり、メッセージ長さは32ビットであり、メッセージデータは01011110011101100101111001110110である。
【0058】
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプが前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプとは異なり、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さも前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さとは異なることが分かる。したがって、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、第1の重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0059】
具体的には、第1の重畳方式は、メッセージタイプ(Type、略してT)+メッセージ長さ(Length、略してL)+メッセージデータ(Value、略してV)の重畳方式である。すなわち、重畳プロセスでは、現在のノードにおける送信対象パケット内及び前のノードにおける転送対象パケット内のそれぞれのメッセージタイプ、メッセージ長さ、及び、メッセージデータが保持され、また、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、T+L+Vの重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。現在のノードにおける転送対象パケットのパケット構造が図4Aに示される。
【0060】
第2の重畳方式
図4Bは、この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法における他のパケット重畳方式の概略パケット図である。
【0061】
図4Bを参照すると、前のノードにおける転送対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値11であり、メッセージ長は16ビットであり、メッセージデータは0101111001110110であり、また、現在のノードにおける送信対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値16であり、メッセージ長は16ビットであり、メッセージデータは1,000,011,001,101,110である。
【0062】
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプは前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプとは異なるが、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さは前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さと同じであることが分かる。したがって、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、第2の重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0063】
具体的には、第2の重畳方式は、メッセージタイプ(T)+メッセージデータ(V)の重畳方式である。すなわち、重畳プロセスでは、メッセージ長さが同じであり(すなわち、メッセージ長さがデフォルト値である)、したがって、重畳後に取得される現在のノードにおける転送対象パケットではメッセージ長さを省くことができ、現在のノードにおける送信対象パケット内及び前のノードにおける転送対象パケット内のそれぞれのメッセージタイプ及びメッセージデータのみが保持され、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、T+Vの重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。現在のノードにおける転送対象パケットのパケット構造が図4Bに示される。
【0064】
第3の重畳方式
図4Cは、この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法における更に他のパケット重畳方式の概略パケット図である。
【0065】
図4Cを参照すると、前のノードにおける転送対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値11であり、メッセージ長さは16ビットであり、メッセージデータは0101111001110110であり、また、現在のノードにおける送信対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値11であり、メッセージ長さは32ビットであり、メッセージデータは01011110011101100101111001110110である。
【0066】
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプは前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプと同じであるが、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さは前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さとは異なることが分かる。したがって、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、第3の重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0067】
具体的には、第3の重畳方式は、メッセージ長 さ(L)+メッセージデータ(V)の重畳方式である。すなわち、重畳プロセスでは、メッセージタイプが同じであり(すなわち、メッセージタイプがデフォルトタイプ値である)、したがって、重畳後に取得される現在のノードにおける転送対象パケットではメッセージタイプを省くことができ、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットにおけるそれぞれのメッセージ長さ及びメッセージデータのみが保持され、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、L+Vの重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。現在のノードにおける転送対象パケットのパケット構造が図4Cに示される。
【0068】
第4の重畳方式
図4Dは、この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法における更に他のパケット重畳方式の概略パケット図である。
【0069】
図4Dを参照すると、前のノードにおける転送対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値11であり、メッセージ長さは16ビットであり、メッセージデータは0101111001110110であり、また、現在のノードにおける送信対象パケットについて、メッセージタイプはタイプ値11であり、メッセージ長さは16ビットであり、メッセージデータは0101001011100111である。
【0070】
現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプは前のノードにおける転送対象パケットのメッセージタイプと同じであり、また、現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージ長さも前のノードにおける転送対象パケットのメッセージ長さと同じであることが分かる。したがって、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、第4の重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0071】
具体的には、第4の重畳方式は、メッセージデータ(V)+メッセージデータ(V)の重畳方式である。すなわち、重畳プロセスでは、メッセージタイプが同じであり(すなわち、メッセージタイプがデフォルトタイプ値である)、メッセージ長さが同じであり(すなわち、メッセージタイプがデフォルト値である)、したがって、重畳後に取得される現在のノードにおける転送対象パケットではメッセージタイプ及びメッセージ長さを省くことができ、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットにおけるそれぞれのメッセージデータのみが保持され、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、V+Vの重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。現在のノードにおける転送対象パケットのパケット構造が図4Dに示される。
【0072】
4つの重畳方式では、第1の重畳方式以外の3つの重畳方式において、前のノードにおける転送対象パケット及び現在のノードにおける送信対象パケットのメッセージタイプ及び/又はメッセージ長さは同じであり、したがって、メッセージタイプ及びメッセージ長さのいずれか又は両方は、重畳後に取得される現在のノードにおける転送対象パケットでは省かれる。したがって、現在のノードにおける転送対象パケットによって占められる空間が削減される。
【0073】
反対に、ステップ2011における決定結果が「いいえ」であるなら、すなわち、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットが重畳された後に取得される送信時間が受信時間許容範囲を満たさなかったならば、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットを重畳することができないと決定される。この場合、現在のノードにおける送信対象パケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、ネットワーク要素の次のネットワーク要素に別々に送信される。
【0074】
更に、この実施形態において、方法は、以下のステップ、すなわち、
シリアルネットワーク内のネットワーク要素が前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するとき、ネットワーク要素によって送信される必要がある現在のノードにおける送信対象パケットがないならば、ヌルデータパケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得するステップと、
現在のノードにおける転送対象パケットをネットワーク要素の次のネットワーク要素に送信するステップと、
を更に含む。
【0075】
具体的には、ネットワーク要素によって送信される必要がある現在のノードにおける送信対象パケットがないならば、前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信すると、ネットワーク要素は、最後のノードネットワーク要素のための正しいカプセル化解除を容易にするべく、ヌルデータパケットと前のノードにおける転送対象パケットとを重畳し、現在のノードにおける転送対象パケットを取得する。ヌルデータパケットは、そのメッセージデータがヌルであるパケットである。
【0076】
重畳プロセスでは、ヌルデータパケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、メッセージタイプ及びメッセージ長さの両方が異なり、したがって、ヌルデータパケット及び前のノードにおける転送対象パケットは、第1の重畳方式で重畳され、現在のノードにおける転送対象パケットを取得し得る。
【0077】
シリアルネットワーク内のパケットに関しては、通常、1つのメッセージタイプ及び1つのメッセージ長さのみが使用されることに留意すべきである。したがって、この実施形態では、中間ネットワーク要素が前のノードにおける転送対象パケットと現在のノードにおける送信対象パケットとの重畳方式を決定した後、シリアルネットワーク全体の各中間ネットワーク要素は、この重畳方式で前のノードにおける転送対象パケットと現在のノードにおける送信対象パケットとを重畳する。
【0078】
この実施形態で提供されるネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法では、シリアルネットワーク内の中間ネットワーク要素が、1つの転送対象パケット(すなわち、前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケット)のみを受信すればよく、1つの転送対象パケット(すなわち、現在のノードにおける転送対象パケット)を送信することが分かる。したがって、パケット送信/受信プロセスにおける各中間ネットワーク要素の電力消費量を低減することができる。
【0079】
図5は、この出願の一実施形態に係るネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための方法の特定の実施形態の概略フローチャートである。
【0080】
図5を参照すると、パケット受信方法は以下のステップを含む。
【0081】
ステップ501:シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素が、前のネットワーク要素によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信するとき、前のノードにおける転送対象パケットの重畳方式を決定し、前のノードにおける転送対象パケットは、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための前述の方法に基づいて最後のノードネットワーク要素に送信される。
【0082】
ステップ502:重畳方式と一致するカプセル化解除方式で前のノードにおける転送対象パケットをカプセル化解除し、シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得し、他のネットワーク要素は、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素以外のネットワーク要素である。
【0083】
この実施形態では、パケット受信方法の各ステップが、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素によって実行されることに留意すべきである。図3に示されるシリアルネットワークのネットワーク構造の概略図を更に参照すると、ネットワーク要素Njは、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素である。前のネットワーク要素(すなわち、ネットワーク要素Nj-1)によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信すると、ネットワーク要素Njは、前のノードにおける転送対象パケットの重畳方式を決定する。前述したように、シリアルネットワークでは、通常、1つのパケット重畳方式のみが使用される。したがって、ネットワーク要素N2によってネットワーク要素Nj-2に既に送信されたパケットによって使用される重畳方式は、ネットワーク要素Nj-1によって送信された前のノードにおける転送対象パケットによって使用される重畳方式に基づいて決定され得る。
【0084】
更に、重畳方式を決定した後、最後のノードネットワーク要素は、重畳方式と一致するカプセル化解除方式で前のノードにおける転送対象パケットをカプセル化解除し、シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される各転送対象パケットの中のメッセージデータを取得する。
【0085】
具体的には、図3を更に参照すると、ネットワーク要素Njは、ネットワーク要素Nj-1によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを受信し、また、決定された重畳方式と一致するカプセル化解除方式で前のノードにおける転送対象パケットをカプセル化解除する。ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための方法の実施形態から分かるように、ネットワーク要素Nj-1によって送信された前のノードにおける転送対象パケットは、ネットワーク要素Nj-1に向けてネットワーク要素N1によってネットワーク要素Njに送信される必要がある全ての転送対象パケットを含む。これらのパケットは、パケット送信方法の実施形態において重畳方式で重畳され、ネットワーク要素Nj-1によって送信された前のノードにおける転送対象パケットを取得する。
【0086】
したがって、ネットワーク要素Nj-1によって送信された前のノードにおける受信された転送対象パケットをカプセル化解除した後、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素として機能するネットワーク要素Njは、ネットワーク要素N1によってネットワーク要素Nj-1に送信される必要がある転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得することができる。
【0087】
この実施形態で提供されるパケット受信方法では、シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットにおけるメッセージデータを取得するために、シリアルネットワーク内の最後のノードネットワーク要素は、1つの転送対象パケットのみを受信すればよく、カプセル化解除を1回行うことが分かる。したがって、パケット受信及びパケットカプセル化解除プロセスにおける最後のノードネットワーク要素の電力消費量が低減される。
【0088】
この出願の一実施形態はネットワーク構造を更に提供する。ネットワーク構造は、スター型トポロジーネットワーク、バス型トポロジーネットワーク、リング型トポロジーネットワーク、及び、ツリー型トポロジーネットワークであってもよい。ネットワーク構造はシリアルネットワークを含む。シリアルネットワークは、連続的に接続される、第1のノードネットワーク要素、複数の中間ネットワーク要素、及び、最後のノードネットワーク要素を含む。中間ネットワーク要素は、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを送信するための前述の方法に基づいて、現在のノードにおける転送対象パケットを最後のノードネットワーク要素に順次に送信する。最後のノードネットワーク要素は、ネットワーク内のネットワーク要素間でパケットを受信するための前述の方法に基づき、前のネットワーク要素によって送信される現在のノードにおける受信された転送対象パケットをカプセル化解除し、シリアルネットワーク内の他のネットワーク要素によって送信される転送対象パケットのそれぞれの中のメッセージデータを取得する。
【0089】
この出願の実施形態で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、この出願を限定しようとするものではない。文脈において別段明確に定められなければ、この出願の実施形態及び添付の請求項で用いられる単数形の用語「1つの(a)」及び「その(the)」は複数形も含むことを意図している。
【0090】
この明細書における用語「及び/又は」は、単に関連付けられた対象物を説明するための関連付け関係を説明するにすぎず、3つの関係が存在し得ることを表わすことが理解されるべきである。例えば、A及び/又はBは、以下の3つのケース、すなわち、Aのみが存在するケース、A及びBの両方が存在するケース、及び、Bのみが存在するケースを表わし得る。加えて、この明細書中における文字「/」は、一般に、関連する対象物間の「又は」の関係を示す。
【0091】
前述の説明は、単にこの出願の実施形態の例にすぎず、この出願を限定しようとするものではない。この出願の思想及び原理から逸脱することなくなされるいかなる修正、等価な置換、又は、改良も、この出願の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0092】
1、2、3、4、N1、N2、N3、N4、Nj、Nj-1、Nj-2 ネットワーク要素
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5