(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】高い活性及び長期安定性を有するCO2メタン化反応のための触媒、並びにその方法
(51)【国際特許分類】
B01J 23/83 20060101AFI20240304BHJP
B01J 37/03 20060101ALI20240304BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20240304BHJP
B01J 37/10 20060101ALI20240304BHJP
B01J 35/60 20240101ALI20240304BHJP
C10L 3/08 20060101ALI20240304BHJP
C07C 9/04 20060101ALI20240304BHJP
C07C 1/12 20060101ALI20240304BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240304BHJP
【FI】
B01J23/83 M
B01J37/03 B
B01J37/08
B01J37/10
B01J35/60 G
C10L3/08
C07C9/04
C07C1/12
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2022540780
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 IN2021050061
(87)【国際公開番号】W WO2021152614
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】202021004464
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】514017677
【氏名又は名称】インスティテュート・オブ・ケミカル・テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】Institute of Chemical Technology
【住所又は居所原語表記】Institute of Chemical Technology, Nathalal Parekh Marg, Matunga, Mumbai, Maharashtra 400 019 India
(73)【特許権者】
【識別番号】514017688
【氏名又は名称】オーエヌジーシー・エナジー・センター・トラスト
【氏名又は名称原語表記】ONGC Energy Centre Trust
【住所又は居所原語表記】ONGC Energy Centre Trust, Core-3&4, 8th Floor, SCOPE Minar, Laxmi Nagar, Delhi 110092 India
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤダフ、ガナパティ・ダダサエブ
(72)【発明者】
【氏名】シェジャレ、アシシュ・ディリプ
(72)【発明者】
【氏名】マルカール、ラディカ・サダシフ
(72)【発明者】
【氏名】カッティ、サンジー
(72)【発明者】
【氏名】パラワタル、ダマラジュ
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0105630(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102319574(CN,A)
【文献】特開2017-170430(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0087264(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C10L 3/08
C07C 1/00-409/44
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い活性及び長期安定性(1000時間超)を有する選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒であって、前記触媒が、以下:
-少なくとも一種のアルカリ助触媒金属と
-
ニッケル及び鉄である組み合わせで選択される2種の活性金属と、
-CeO
2-γAl
2O
3の組み合わせを有する前記活性金属の担体と、からなり;
前記触媒が、200~800(m
2/g)の表面積、0.5~2.5(cm
3/g)の細孔容積、及び5~30nmの間の平均細孔直径を有する、
不均一触媒。
【請求項2】
前記アルカリ助触媒金属が、セシウムである、請求項1に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
【請求項3】
前記アルカリ助触媒金属の濃度が、前記担体の総重量を基準として、1~5重量%である、請求項1に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
【請求項4】
前記活性金属の濃度が、前記担体の組合せの総重量を基準として、5~20重量%である、請求項1に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
【請求項5】
前記担体の組合せ、すなわちCeO
2-γAl
2O
3のモル比が、3:2として選択される、請求項1に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
【請求項6】
請求項1に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒の調製方法であって、以下の工程:
工程1)硝酸ニッケル、硝酸鉄、及び硝酸セシウムを、硝酸セリウム及び硝酸アルミニウムの水溶液混合物へと、連続攪拌速度及び363Kの温度において滴加する
ことにより特徴づけられた工程と、
工程2)同時に、Na
2CO
3を前記工程(1)の溶液へと滴加し、2M NaOH溶液の添加によってアルカリ性pHを9~10に維持する工程と、
工程3)水熱処理のために、
ボンベ反応器中において443Kで24時間、前記
工程2の反応混合物を沈殿させる工程と、
工程4)前記溶液を室温まで冷却し、
濾過による沈殿物の分離を可能にする工程と、
工程5)脱イオン水で
前記沈殿物を数回洗浄して、中性pHを達成する工程と、
工程6)
洗浄された前記沈殿物を383Kで12時間乾燥させる工程と、
工程7)空気雰囲気において、温度973Kで5時間、乾燥
させた前記沈殿物をか焼させる工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2水素化によるメタン生成のための不均一触媒に関する。より具体的には、本発明は、1000時間(時)を超えるCO2メタン化方法による連続メタン生成のための長期安定性と共に、高い活性及び選択性を有する新規の不均一触媒担体系を提供する。更に、本発明は、当該触媒を合成する方法を提供する。第2に、本発明はまた、当該新規不均一触媒を用いてCO2をメタンへと変換する、持続可能な方法を提供する。本発明の利点とは、高性能及び長期安定性を有する新規の優れた触媒として持続可能なCO2メタン化方法を提供し、1000時間を超える極めて長期のその安定性に起因して、コークス形成、及び触媒再生又は再充填工程を完全に排除する点である。この研究は、地球温暖化及び関連する気候変動を制御するために、連続する固定床気相反応器内において高活性及び選択的な新規触媒担体系を開発することによる、合成天然ガス(synthetic natural gas:SNG)などの再生可能燃料へのCO2のような工業的に生成された温室効果ガスの直接水素化に焦点を当てている。
【背景技術】
【0002】
合成天然ガス(SNG)は、可変の再生可能エネルギー源から産生される過剰な電気のための有望なエネルギーキャリアの1つである。したがって、メタン(合成天然ガス)は重要な化合物となっており、再生可能エネルギーに基づく電力システムのアップグレードにおいて重要な役割を果たしている。風力及び太陽エネルギーの供給の変動に起因して、電力網を安定化させるために蓄電システムが必要とされている。電力対ガス法で生成される合成天然ガス(SNG)は、その長期貯蔵能力及び天然ガスグリッドの形態である既存インフラに起因して、有望かつ好適な化学エネルギーキャリアである。したがって、SNG(合成天然ガス)とも称される合成再生可能メタンは、既存のガス網に注入されるか、又は貯蔵され、輸送用、又は暖房用途、又は電力対ガス用途の燃料として、需要に応じて利用することができる。触媒的CO2メタン化による再生可能なH2及びCO2からのSNG生成は、CO2排出量を同時に削減することができたため、大きな注目を集めている。過去30年から、SNGの生成のためのCO及びCO2メタン化反応の適用にかなりの努力が費やされてきた。サバティエ反応によるCO2及び再生可能なH2からのCH4の合成(式1)は、遷移、並びにNi、Fe、Coなど、及びRu、Pt、Pd、Rhなどの貴金属系触媒をそれぞれ利用する、周知の方法である。
総括反応
【0003】
【0004】
Ni、Co、Fe、Cu、Ru、Rh、Ir、Pd、及びPtなどの多くの異なる金属が、CO及びCO2メタン化反応のための触媒における活性金属として利用されてきた。Janna V.Veselovskayらによって論文「There are numerous catalysts composition reported for above said methanation process」で論じられているように、触媒を含む市販の粒状ニッケルメタン化触媒NKM-2Vは、23.4重量%のNi、13.3重量%のAl、7.36重量%のCa、0.57重量%のSiを含有し、メタン化方法で使用される。
【0005】
Martinらは、CeO2担持金属触媒が、最大のCO2変換を引き起こし、続いてAl2O3担持触媒によるメタン生成を引き起こすことを示している。一方で、金属粒径が大きいため、シリカは最も低いメタン形成を示した。MCM-41及びZSM-5に担持された金属は、400℃未満においてCO2水素化活性が乏しかった。天然ガスの精製では、CO2及び水などの有毒な不純物を除去する。
【0006】
Bakar及びToemenはまた、Pd/Ru/Ni(2:8:90)/Al2O3触媒を用いて、H2Sガスの存在下におけるメタン化方法を研究した。H2Sを用いずに得られた最大CO2変換は、400℃にて52.95%であり、これは、H2Sガスによる活性部位の被毒のために、後にわずか3.6%のメタン収率で35.03%まで低下した。Hezhi Liuらの論文「Effect of CeO2 addition on Ni/Al2O3 catalysts for methanation of carbon dioxide with hydrogen」では、ベーマイトを含浸することにより調製したニッケル含有量15重量%のNi-CeO2/Al2O3触媒は、H2/CO2モル比4での水素による二酸化炭素のメタン化に対して高活性かつ安定であったことが分かった。しかし、当該触媒は120時間を超える安定性を提供することができない。
【0007】
Mutschlerらは、Ru/Al2O3と共に、Fe、Co、Ni、及びCuなどのプリスチン(pristine)な金属を研究した。全てのCO及びNiの中で、プリスチンな金属がメタンに対して最良の選択性を与えたのに対して、Feは、CO形成に対してより活性であったことが分かった。上記の全ての比較から、Co、Ni、及びRu/Al2O3がサバティエ反応に最も活性であり、Feが逆水性ガスシフト反応に活性であるものと結論付けた。γ-Al2O3はメタン化方法のために広く研究されている担体であるが、その焼結問題のために用途において制限を示す。
【0008】
したがって、Mebrahtuらは、γ-Al2O3担体に混合酸化物などの助触媒を添加することを研究し、その効率が改善したことを見出した。アルミナ-ジルコニア-チタニア-セリア触媒の三元及び四元混合酸化物上で分散したニッケルを調製し、CO2メタン化について研究した。最終触媒は、20%Ni/Al2O3-ZrO2-TiO2へのCeO2などの助触媒の添加が、触媒効率の増加をもたらすことを示した。セリアはベータ型NiO種の保持に役立ち、担体上のその分散を改善する。Ni/CeO2触媒上でのCO及びCO2メタン化について、Le及び共同研究者によって重要な研究が行われた。この触媒の触媒活性は、CeO2担体の表面積の増加と共に増加することが分かった。CeO2担体上におけるNiのより大きな分散及び強いCO2吸着は、CO2メタン化反応のための触媒の最大活性をもたらした。
【0009】
それにもかかわらず、現在報告されている触媒は、CO2メタン化反応に対して許容可能な活性及び選択性を提供しており、工業用途のための従来技術の触媒の主な懸念は、おそらく金属焼結及び/又は炭素形成に起因する触媒失活である。なぜなら、主なCO2メタン化反応(式1)と共に、使用する触媒によっては他に6つの副反応が同時に起こり得るからである。これらの副反応は以下の通りである:
(i)逆水性ガスシフト(Reverse water-gas-shift:RWGS)
【0010】
【0011】
(ii)CO水素化
【0012】
【0013】
(iii)水性ガスシフト反応(Water-gas shift reaction:WGS)
【0014】
【0015】
(iv)ブードワ反応(Boudouard reaction:BR)
【0016】
【0017】
(v)CO2水素化
【0018】
【0019】
(vi)メタン分解(Methane decomposition:MD)
【0020】
【0021】
式1に表示されるように、CO2メタン化とは高度に発熱性の反応である。しかしながら、8電子還元法の高い動力学的障壁のために進行が困難である。この方法は、CO2及びH2原材料から開始し、CO2、CO、H2、CH4、H2O、及びCなどの6種類の生成物の堆積が可能である(おそらく、式2~式7)。式(3~6)に列挙されているように、メタン化方法には4つの独立した反応がある。
【0022】
熱力学的平衡の観点から、CO2及びH2からより良好なCH4収率を得るためには、式2及び式3の反応経路は避けるべきである。逆水性ガスシフト(RWGS)反応とも呼ばれるCO2からCOへの水素化(式2)は、サバティエ反応における重要な中間工程として作用する。したがって、この反応から形成されたCOは、CO2メタン化方法において望ましくない生成物である(式2)。これは更に、触媒の失活につながる可能性がある。
【0023】
文献の上記の分析は、これまでに開発された全ての触媒がメタンの良好な収率及び選択性をもたらすことに成功しているが、それでもなお、触媒床での炭素形成を回避し、それによってオンストリーム時間研究に関して触媒に長期安定性を提供することで、より低温におけるCO2の変換の増加の提供にはまだ足りないことを明らかにしている。したがって、文献で提供されている有効な触媒は、いくつかの方法サイクル後に不活性な触媒をもたらす。供給原料中又は反応方法中に炭化水素が存在すると、表面における炭素種の形成が増強され、これにより、触媒表面からの金属粒子の封入又は脱離、及びその漸進的な失活のいずれかが起こることが分かっている。したがって、メタン化方法のための長期安定触媒を提供するという課題は従来技術に残っている。
【0024】
したがって、本発明の目的によれば、本発明の発明者らは、より低温で動作し、CH4に対して高度に選択的であり、かつ全ての実用的な動作条件において安定であり得る新規の触媒系を用いて、中間体COを完全に変換するための触媒を開発した。したがって、メタンの効率的な変換を伴う長期安定触媒及び長期活性触媒は、より効率的かつ持続可能なメタン化方法を可能にする。
【0025】
したがって、本発明の発明者らは、コークスの生成を伴わないCO2メタン化方法条件に対して、長期安定性、非常に高い触媒活性、及び選択性を有する不均一触媒を提供し、それによって、1000時間を超える再生工程を必要としない持続可能なメタン化方法を提供する。本発明は、CeO2-γAl2O3の組合せに全て担持された、ニッケル及び鉄から選択される活性金属並びに安定化金属セシウムを含む、CO2メタン化のための新規触媒を提供する。本発明はまた、当該触媒を調製するための費用効率の高い方法を提供する。
【0026】
したがって、特定の活性金属、安定化金属、及び担体を伴う触媒の本発明は、長期安定性(1000時間超)、最小の副生成物、コークス形成なしと共に、高い活性及び選択性を確保するために開発される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
・本発明の主な目的は、CO2メタン化方法のための、極めて活性、選択的、極めて安定(1000時間超)、かつロバストな触媒担体系の設計及び開発を目的とする。
【0028】
・本発明の第2の目的は、地球温暖化及び関連する気候変動を制御するための、CO2メタン化反応のための持続可能な方法を提供することである。
【0029】
・本発明の更に別の目的は、好ましい温度における高い反応変換及び選択性、コークスを形成せず、金属焼結に対して抵抗性であり、1000時間を超える長期間にわたる高い熱安定性を提供する、不均一CO2メタン化触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、CO2水素化によるメタン生成のための不均一触媒に関する。より好ましくは、本発明は、高い活性及び長期安定性(1000時間超)を有する選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒であって、触媒が、少なくとも1種のアルカリ助触媒金属と、2種の活性金属と、3:2のモル比でCeO2-γAl2O3の組合せを有する活性金属の担体と、からなり;触媒が、200~800(m2/g)の表面積、0.5~2.5(cm3/g)の細孔容積、及び5~30nmの間の平均細孔直径を有するように、合成され、特徴づけられた、不均一触媒を提供する。
【0031】
本発明によれば、本発明は、アルカリ助触媒としてセシウムを含む選択的二酸化炭素メタン化反応に対する不均一触媒を提供し、セシウムの濃度は、担体の総重量を基準として、1~5重量%である。
【0032】
更に、ニッケルと鉄との二酸化炭素メタン化反応の組合せのための活性金属、及び金属の当該組合せは、担体の組合せの総重量を基準として、触媒中に5~20重量%で存在する。
【0033】
第2の実施形態によれば、本発明は、選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒の調製方法が、水熱共沈殿法から選択される方法であって、水熱共沈殿法が、以下の工程:
工程1)硝酸ニッケル、硝酸鉄、及び硝酸セシウムを、硝酸セリウム及び硝酸アルミニウムの水溶液混合物へと、連続撹拌速度及び363Kの温度において、滴加する工程と、
工程2)同時に、Na2CO3を工程(1)の溶液へと滴加し、2M NaOH溶液の添加によってアルカリ性pHを9~10に維持する工程と、
工程3)水熱処理のために、テフロン(登録商標)ライニングボンベ(Teflon lining bomb)反応器(圧力容器)中において443Kで24時間、反応混合物を沈殿させる工程と、
工程4)溶液を室温まで冷却し、沈殿物を濾過によって分離する工程と、
工程5)脱イオン水で沈殿物を数回洗浄して、中性pHを達成する工程と、
工程6)沈殿物を383Kで12時間乾燥させる工程と、
工程7)空気雰囲気において、温度973Kで5時間、乾燥沈殿物をか焼させる工程と、
を含む、方法を提供する。
【0034】
本発明の特徴及び利点のより完全な理解のために、ここで、添付の図面と共に本発明の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、単一金属酸化物触媒のCO
2の変換に対する温度の影響を図示する。
【0036】
【
図2】
図2は、反応条件:触媒重量:3.0g、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、異なる温度における異なる単一金属酸化物触媒に対するCH
4の収率を図示する。
【0037】
【
図3】
図3は、反応条件:触媒重量:3.0g、温度:350℃、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、350℃における単一金属酸化物触媒に対するCH
4及びCOの選択性プロファイルを図示する。
【0038】
【
図4】
図4は、反応条件:触媒重量:3.0g、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、混合金属酸化物触媒に対するCO
2の変換への温度の効果を図示する。
【0039】
【
図5】
図5は、反応条件:触媒重量:3.0g、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、異なる温度における異なる混合金属酸化物触媒に対するCH
4の収率を図示する。
【0040】
【
図6】
図6は、反応条件:触媒重量:3.0g、温度:350℃、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、350℃における混合金属酸化物触媒に対するCH
4及びCOの選択性プロファイルを図示する。
【0041】
【
図7】
図7は、反応条件:触媒重量:3.0g、温度:350℃、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、CO
2のCH
4への変換に対するNi-CeO
2担体上の異なるニッケル負荷の効果を図示する。
【0042】
【
図8】
図8は、反応条件:触媒重量:3.0g、温度:350℃、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、CO
2をCH
4に変換するための単一金属酸化物触媒のオンストリーム時間研究を図示する。
【0043】
【
図9】
図9は、反応条件:触媒重量:3.0g、温度:350℃、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、CO
2をCH
4に変換するための混合金属酸化物触媒のオンストリーム時間研究を図示する。
【0044】
【
図10】
図10は、反応条件:触媒重量:3.0g、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、CO
2のCH
4への変換に対するCeO
2-Al
2O
3のモル比の効果を図示する。
【0045】
【
図11】
図11は、反応条件:触媒重量:3.0g、温度:350℃、H
2流量:30mL/分、CO
2流量:21mL/分、圧力:0.1MPaで実施した、CO
2をCH
4に変換するための新規のCs-Ni-Fe/CeO
2-γAl
2O
3触媒のオンストリーム時間研究を図示する。
【0046】
【
図12】
図12は、オンストリーム時間研究における担体系の比較を図示する。
【0047】
【
図13】
図13は、本発明によるオンストリーム時間研究に対する、アルカリ助触媒金属の有無と、及びγAl
2O
3効果の有無との比較を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、CeO2及びγAl2O3を含む塩基性金属酸化物と、ニッケル及び鉄から選択される活性金属との組合せを有する金属酸化物の安定な担体系を含み、更にアルカリ助触媒を含む、選択的CO2水素化によるメタン生成のための新規アルカリ助触媒多機能不均一触媒に関する。更に、本発明はまた、触媒が水熱共沈殿法によって調製される、新規不均一系の調製方法を提供する。
【0049】
驚くべきことに、本発明にかかるCO2を有する排気ガスを処理するための選択的触媒メタン化触媒は、固定床気相反応条件下において非常に長い時間(1000時間超)にわたり触媒床上での炭素の形成及び堆積を防止しながら、CO2変換を改善することを可能にすることで、供給原料変換率、生成物収率に影響を及ぼすことなく、したがってコスト効率が高い触媒床をより長い時間使用することを見出した。
【0050】
本発明はまた、当該新規不均一性及びアルカリ助触媒多機能触媒の存在下においてメタンを合成する方法であって、当該触媒が固定床気相反応器内で選択的触媒CO2メタン化反応を行う、方法を提供する。
【0051】
より好ましくは、本発明で提供される新規の不均一性は、水熱共沈殿技術の組合せを用いることにより、CeO2-γAl2O3担体上に担持されたセシウム助触媒ニッケルと鉄活性金属との組合せを含んでいる。この新しい触媒は、CO2メタン化反応のための従来の触媒-担体の組合せに関連する、全ての起こり得る困難に対処した。合わせたCeO2-γAl2O3担体は、そこからメタン生成のための活性を有するニッケル及び鉄などの活性金属の安定な担体を提供し、CO2からメタンガスへの変換率の望ましいバランスと、同時に、当該生成設備における持続可能性のための触媒の長期活性安定性とを呈示する。
【0052】
したがって、本発明の一実施形態によれば、当該新規に合成された不均一系、すなわちCs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3は最大1000時間まで安定したままであり、これは、コークス形成のない最高の活性(85%のCO2変換及び84.2%のCH4収率)及び安定性(99.5%のCH4選択性及び1000時間のTOS)を示し、合成/代替天然ガス(SNG)を生成するためのCO2の費用効果的かつ持続可能な利用に対するその有効性が証明された。
【0053】
したがって、本発明は、CeO2-γAl2O3の組合せから選択される安定化担体材料上に担持されたセシウムから選択される安定化金属と共に、ニッケル及び鉄から選択される活性金属を含む、CO2メタン化のための長期安定かつ活性な触媒を提供し、ここで、当該組合せは、1:1、2:1、及び3:2、好ましくは3:2のモル比から選択される。
【0054】
したがって、本発明は、250~350℃の範囲で所与の温度にてより長い時間にわたり高い反応物変換率を効率的に提供している、効果的なメタン化方法のための新規触媒組成物を提供する。より好ましくは、新規の触媒を用いて行うことができる反応時間は、900時間超、より好ましくは1000時間超である。当該触媒は、活性であり、細孔内又は触媒の表面上におけるコークス形成なしに物理的に安定であり、また金属焼結に対して耐性でもあり、それによって、触媒失活が抑制される。
【0055】
一実施形態によれば、金属負荷の安定な担体は、3:2のモル比から選択される塩基性金属酸化物の組合せである。そして、塩基性金属酸化物は、CeO2及びγAl2O3から選択される。
【0056】
もう1つの実施形態によれば、当該担体上に添加された活性金属は、ニッケル及び鉄から選択される遷移金属の組合せから選択される。実施形態の1つによれば、当該新規組成物中の当該金属のパーセンテージは、安定した担体の組合せ(CeO2-γAl2O3)の総重量を基準として、5~20重量%の範囲である。ここで、各金属濃度は、安定した担体の組合せ(CeO2-γAl2O3)の総重量を基準として、5~20重量%まで変化し得る。
【0057】
もう1つの実施形態によれば、当該触媒担体系は、当該触媒組成物中にアルカリ助触媒金属としてセシウムを添加することによって安定化される。当該新規組成物中の当該アルカリ助触媒金属のパーセンテージは、安定した担体の組合せ(CeO2-γAl2O3)の総重量を基準として、1~5重量%の範囲である。
【0058】
もう1つの実施形態によれば、本発明はまた、当該長期活性CO2メタン化触媒を調製する方法と、当該長期活性、選択的、及び安定な触媒を用いてSNGを調製する持続可能な方法とを提供する。
【0059】
本発明は、例示として与えられる以下の例の助けを借りて更に説明される。
【例】
【0060】
例1:触媒合成:いくつかの触媒を合成し、CO2メタン化反応について研究した。この反応は、3つの部分、すなわち、単一金属酸化物、混合金属酸化物、及びアルカリ助触媒混合金属酸化物に分割されている。
【0061】
(A)単一金属酸化物:全ての単一金属酸化物触媒、換言すれば、Ni/Al2O3、Ni/CeO2、Ni/ZrO2、Fe/Al2O3、Fe/CeO2、Cu/Al2O3、及びCu/CeO2は、初期湿潤含浸(incipient wetness impregnation)技術によって合成されている。
【0062】
初期湿潤含浸技術による合成方法:Al2O3、CeO2、及びZrO2などの異なる担体上の単元系金属(monometallic)Ni、Fe、及びCu触媒を、10重量%の意図された総金属負荷での触媒挙動に対する異なる担体の特徴の役割を最適化するために初期湿潤含浸技術によって調製した。担体上に活性金属(Ni、Fe、及びCu)を負荷する前に、空気雰囲気下における担体材料(Al2O3、CeO2、及びZrO2)のか焼を行った。上記担体上におけるNi、Fe、及びCu触媒(10重量%)の初期湿潤含浸のために、ニッケル、鉄、及び硝酸銅の水溶液を利用した。この方法では、完全な細孔充填のために、溶液を24時間連続撹拌しながら含浸を行った。粘着性の固体材料の形成時に添加を停止した。これは、吸着した溶液の体積が担体の細孔容積と同じになった時であった。含浸が完了し、10重量%の負荷が達成されると、材料を383Kで12時間乾燥させ、更に、空気雰囲気下において773Kで3時間か焼した。か焼した触媒を更にプレスし、粉砕し、0.08e0.35mmのサイズを有する顆粒にふるい分けした。最後に、担体上の10重量%負荷の全ての単一金属酸化物触媒、換言すれば、Ni/Al2O3、Ni/CeO2、Ni/ZrO2、Fe/Al2O3、Fe/CeO2、Cu/Al2O3、及びCu/CeO2は、CO2メタン化反応を行う準備ができていた。
【0063】
(B)混合金属酸化物:混合金属酸化物触媒の異なる組合せ、換言すれば、Ni-Fe/CeO2-Al2O3、Ni-Cu/CeO2-Al2O3、Ni-Fe/CeO2-ZrO2、及びNi-Cu/CeO2-ZrO2触媒を、水熱共沈殿法により調製した。
【0064】
(C)アルカリ助触媒混合金属酸化物:アルカリ助触媒多機能Cs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒を、後述する水熱共沈殿法によって調製した。
【0065】
水熱共沈殿技術による合成方法:混合金属酸化物触媒の異なる組合せ、換言すれば、Ni-Fe/CeO2-Al2O3、Ni-Cu/CeO2-Al2O3、Ni-Fe/CeO2-ZrO2、及びNi-Cu/CeO2-ZrO2、並びにアルカリ助触媒多機能Cs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒を、水熱共沈殿法により調製した。Cs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3を除く上記の全ての混合金属酸化物触媒を、Ce/Alモル比を3:1に維持することによって調製した。Cs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒のCe/Alモル比は3:2に維持した。説明のために、水熱共沈殿技術によるCs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒の調製について更に論じる。CO2を合成天然ガス(SNG)へと変換するための、Cs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3と略記されるCs助触媒Ni-Fe/CeO2-Al2O3混合酸化物のワンポット合成は、以下の通りである。この触媒は、水熱及び共沈殿(水熱共沈殿)技術の組合せによって合成され、ここで、担体のモル比、換言すればCe/Alは、3:2に維持された。この手順では、硝酸塩の形態であるNi(10重量%)、Fe(10重量%)、及びCs(5重量%)を、363Kで連続撹拌を維持しながら、担体塩の水溶液、すなわち硝酸Ce及び硝酸Alへと滴加した。同時に、他方の端部から、沈殿目的のためにNa2CO3の滴加えを行った。同時に、2M NaOH溶液を添加することによって、方法全体を通して9~10のアルカリ性pHを維持した。このような滴加処理は、担体の格子構造中における活性金属の均一な分布を確実にする。その後、溶液をテフロンライニングボンベ反応器(圧力容器)に移し、沈殿のため443Kに維持し(24時間)、次いで、室温で自然冷却させた。次に、沈殿物を濾過し、脱イオン水で数回洗浄して中性pHを達成し、383Kで12時間乾燥させた。乾燥した材料を細粉まで粉砕し、更に、空気雰囲気において973Kで5時間か焼した。最後に、材料を再び細粉まで粉砕し、30~60サイズのメッシュを用いて0.3~0.6mmの微粒子サイズにふるい分けして、新規触媒を得た。換言すれば、より高い活性、選択性、及び安定性のためのCO2メタン化反応に対するCs助触媒Ni-Fe/CeO2-Al2O3を得た。
【0066】
(D)触媒のBET表面積及び多孔度を決定するためのN2吸着脱着データによる触媒の特徴づけ:
【0067】
【0068】
例2:以下を用いるCO2メタン化反応による不均一触媒の存在下におけるメタンの合成方法:
新規のアルカリ助触媒混合金属酸化物、すなわちCs助触媒Ni-Fe/CeO2-Al2O3[Cs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3]を含む例1で調製した触媒を、CO2メタン化反応に使用した。
【0069】
380及び19mmの長さ及び内径を有する、下降モードで動作する固定床気相反応器(fixed bed vapour phase reactor:FBVPR)を、それぞれ実験に使用した。全ての実験は大気圧(0.1MPa)下で行った。まず触媒を、水素流下において固定流量で1時間還元した(723K)。次に、適切なモル比(1:4)のCO2とH2との混合物を、所定の流量でMFCを通じて反応器に通した。CO2及びH2流量を、±1cm3/分の精度で所望の値に調節した。±1Kの精度を有する温度調節器(West 6100p、ドイツ)を用いて温度を制御した。圧力変換器(範囲0~50MPa)は圧力を測定した(不確実性±0.01MPa)。TCD及びFIDを使用して、ガス状及び液体生成物をそれぞれ分析した。測定の正確さを確認するために繰り返された実験はほとんどなかった(誤差±2%)。
【0070】
【0071】
ここで、CO2変換を以下のように定義した:
【0072】
【0073】
式中、[CO2]in及び[CO2]outは、CO2の入口及び出口モル流量(mol h-1)を表す。
【0074】
CH4収率を以下のように定義した:
【0075】
【0076】
式中、[CH4]outは、CH4の出口モル流量(mol h-1)を表す。
【0077】
h-1における気体空間速度(Gas hourly space velocity:GHSV)を以下のように定義した:
【0078】
【0079】
CH4選択性を以下のように定義した:
【0080】
【0081】
種々の生成物Scの選択性を以下のように定義した:
【0082】
【0083】
式中、種i=CH4、CO2、及びCO
炭素収支を以下のように定義した:
【0084】
【0085】
式中、FCin及びFCoutは、システム内の反応物及び生成物の入口及び出口モル流量(molh-1)である。
【0086】
例3:メタン生成分析:例1で合成した全ての触媒を、CO2の変換、異なる生成物の選択性、及びメタンの収率を含む様々なパラメータに関して、メタンの合成について評価した。データを表3に示す。
【0087】
(A)単一金属酸化物の使用:このように選択された活性金属は、Ni、Fe及びCuであったが、一方で担体は、Al2O3、CeO2、及びZrO2として選択された。これらの研究は、最高のCO2変換、最高のCH4収率、選択性、及び長期安定性を呈する、最良の触媒担体系を決定するために行われた。選択された触媒は、Ni/Al2O3、Ni/CeO2、Ni/ZrO2、Fe/Al2O3、Fe/CeO2、Cu/Al2O3、及びCu/CeO2である。CO2水素化中に形成される主な反応生成物は、CH4、CO、及びH2Oである。メタン以外の炭化水素化合物は見られなかった。
【0088】
(B)混合金属酸化物:本発明は、単一の系において活性触媒及び安定な担体としての二重の役割を果たす相乗効果のために、2つの活性金属及び担体の特徴を組み合わせるための、混合金属酸化物触媒の合成及び適用に焦点を当てている。ここで、2つの金属は、2つの担体と共に組み合わされている。第1に、CeO2が共通の担体として選択され、一方でAl2O3及びZrO2は他の担体であった。担体は3:1の比で得られ、CeO2は3とされた。同様に、従来の文献に基づいて、一般的な触媒としてNiが選択された。選択された他の触媒はFe及びCuであった。選択された触媒は、Ni-Fe/CeO2-Al2O3、Ni-Cu/CeO2-Al2O3、Ni-Fe/CeO2-ZrO2、及びNi-Cu/CeO2-ZrO2である。
【0089】
(C)本発明による新規のアルカリ助触媒混合金属酸化物触媒担体組成物:このセクションでは、新規の触媒担体系、すなわちCs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3が、CH4の増強された長期生成のために採用されている。Ni及びFe(NiFe2O4)の相乗効果は、解離及びCO2水素化を増加させ、CeO2-γAl2O3及びNi-Fe活性部位に吸着されたCO2のC=O結合を弱めた。
【0090】
CeO2-Al2O3(モル比3:2)を含む担体系の組合せと、Ni-Fe(各10%)の活性金属の組合せとを350℃で有する触媒組成の場合、初期の試験で観察された相乗効果が明確に対処された。
【0091】
システムにおける各金属の役割は、触媒の全体的な性能に影響を及ぼすのに重要である。表からは、1000時間の反応時間で、CO2の変換は85~64%で安定したままであったことが観察された。これは、反応体分子が触媒部位に効果的かつ強い吸着を示すことで、最長期間(1000時間)にわたって非常に高い変換が得られることを示唆している。この新規に合成されたCs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒組成物はまた、これまでに合成された全ての触媒の中で最も高いCH4選択性(99~99.5%)と、ほぼ約0のCO選択性とを示した。
【0092】
【0093】
例4:CO
2変換率に対する温度の影響:反応に対する温度の影響を研究するために、最大CO
2変換のための最適温度を推定することが望まれた。ここで、研究のために選択された温度範囲は、250~450℃の間で変化した(
図1)。
図1から分かるように、全ての触媒について、CO
2の変換率は250℃から350℃へと有意に増加した。興味深いことに、全ての触媒について、変換率は350~450℃超でゆっくり増加した。350~450℃の間では、CO
2変換は、250℃~350℃に上昇した速度と同じ速度では増加しなかった。これは、350℃を超えてCO
2変換が徐々に増加していることを意味する。このパターンは全ての単一金属酸化物触媒について観察された。したがって、350℃が、合成された全ての触媒についてCO
2メタン化反応を行うための最適温度であるものと結論付けられた。
【0094】
図1より、全ての触媒の中で、Ni/Al
2O
3及びFe/Al
2O
3が、350℃でそれぞれ、78.6及び75.1%の最高CO
2変換率を呈したことが観察された。CO
2の変換率は、Ni/Al
2O
3(最高)>Fe/Al
2O
3>Ni/CeO
2>Fe/CeO
2>Cu/Al
2O
3>Cu/CeO
2>Ni/ZrO
2の順に低下した。
【0095】
図2より、全ての調査した触媒について、250~450℃から温度が上昇するにつれて、CH
4の収率が増加したことが観察された。250~350℃からの温度上昇は、研究した全ての単一金属酸化物のより高い収率に有意な影響を及ぼす。しかしながら、温度を350~450℃から上昇させた場合、全ての触媒の収率の上昇に有意な効果は観察されなかった。全ての触媒の中で、Al
2O
3担体上のNi及びFe系触媒は、350℃で最高のCH
4収率(それぞれ、71%及び69%)を示した。CeO
2担体上のNi及びFe系触媒もまた、350℃で高いCH
4収率(それぞれ、69%及び64%)を示した。同じ温度で、Al
2O
3及びCeO
2担体上のCu系触媒は、それぞれ、49%及び43%の比較的低いCH
4収率を示した。Ni/ZrO
2触媒は32%の最低CH
4収率を有する。したがって、全ての単一金属酸化物は、高いCH
4収率を達成するために、Ni/Al
2O
3(最高)>Fe/Al
2O
3>Ni/CeO
2>Fe/CeO
2>Cu/Al
2O
3>Cu/CeO
2>Ni/ZrO
2の順で維持された。
【0096】
図3より、CO
2メタン化反応に対する高いCH
4及び低いCO選択性の観点からの単一金属酸化物の優位性は、Ni/CeO
2(最高)>Ni/ZrO
2>Fe/CeO
2>Cu/CeO
2>Fe/Al
2O
3>Ni/Al
2O
3>Cu/Al
2O
3の順を示すと述べることができる。
【0097】
図4より、Ni-Fe/CeO
2-Al
2O
3触媒を含む触媒組成物は、研究した全ての温度範囲で最大のCO
2変換を示し、Ni-Cu/CeO
2-Al
2O
3触媒が次点であったことが観察された。増強した活性は、CeO
2-Al
2O
3担体によるCO
2吸着の増強と、Ni種及びFe種における活性化との並行する寄与によって説明され得る。350℃では、CO
2変換率は、Ni-Fe/CeO
2-Al
2O
3(最大82.63%)>Ni-Cu/CeO
2-Al
2O
3(76.43%)>Ni-Fe/CeO
2-ZrO
2(66.71%)>Ni-Cu/CeO
2-ZrO
2(54.38%)の順で得られた。これらの結果は、本発明者らの研究の最初の部分で報告された単一金属酸化物と比較して有望である。単一金属酸化物、すなわち350℃でのNi/Al
2O
3触媒に対する最高のCO
2変換率は、これはNi-Fe/CeO
2-Al
2O
3触媒より4.03%低い、78.6%として得られた。このような高い変換率は、活性かつ安定した担体を有する2種の金属の相乗効果、好ましい金属合金形成のための均一な金属分布、小さな微結晶サイズ、及び触媒の活性部位へのより良好なアクセスをもたらす高い表面積に起因し得る。CeO
2-ZrO
2担体は、CeO
2-Al
2O
3担体よりもCO
2変換に関して最も活性の低い担体であった。これは、CeO
2が基本的であり、かつ非常に安定した担体であるためであり得る。Al
2O
3担体は、単一金属酸化物の場合に見られたように、最も高い活性(Ni/Al
2O
3)を提供した。したがって、CeO
2をAl
2O
3と3:1のモル比で組み合わせることは、単一系の活性で安定な触媒のための良好なアプローチであった。ZrO
2もまた塩基性担体であり、Ni/ZrO
2触媒を用いて単一金属酸化物で行われた研究でもまた証明されたAl
2O
3担体ほど活性ではなく、熱的に安定ではない。
【0098】
様々な生成物の形成に対する触媒の効果を研究するために、換言すればCH
4及びCOで、250℃~450℃で試験を行い、それらの選択性及び収率を評価した。250、300、350、400、及び450℃でのCH
4及びCO形成の速度は、Ni-Fe/CeO
2-Al
2O
3触媒についてはそれぞれ、92、94、97、97、95、及び7、5、2、2、4であり、Ni-Cu/CeO
2-Al
2O
3触媒についてはそれぞれ、88、91、94、95、91、及び11、8、5、4、8であり、Ni-Cu/CeO
2-ZrO
2触媒についてはそれぞれ、91、92、96、97、95、及び8、7、3、2、4であり、Ni-Fe/CeO
2-ZrO
2触媒についてはそれぞれ、80、81、83、83、80、及び19、18、16、16、19であったことが分かった。結果から分かるように、上記の全ての混合酸化物について、CH
4選択性は最高400℃までの温度で着実に増加し、その後(450℃)CO形成の上昇に起因して減少し始める。中でも、Ni-Fe/CeO
2-Al
2O
3は、ニッケル及び酸化鉄の粒径を減少させ、炭素堆積に対してより良好に耐性であり、より強い熱安定性であり、及びより低い還元温度である表面積の増加を助けるAl
2O
3中のCeO
2の添加に特に起因して、最も低いCO形成(350及び400℃で、それぞれ、2.8及び2.3%)を提供した。この触媒担体系により、最高のCH
4選択性及び最低のCO形成が得られた。CH
4の収率に関しては、4つの混合酸化物触媒全てについて同様の効果が見られ、Ni-Fe/CeO
2-Al
2O
3触媒について350(80%)~400℃(83%)の温度で最高の収率が得られた。他の3つの触媒、換言すればNi-Cu/CeO
2-Al
2O
3、Ni-Fe/CeO
2-ZrO
2、及びNi-Cu/CeO
2に対するCH
4収率は、350℃ではそれぞれ72、64、及び45%と、400℃ではそれぞれ76、68、及び49%とであった(
図5及び
図6)。
【0099】
例5:CO
2変換に対するニッケル負荷の影響:最大CO
2変換のために、触媒中の活性金属として使用される最適なNi負荷を決定することもまた、重要であった。研究された多くの単一金属酸化物触媒の中から、Ni/CeO
2触媒を選択して、CO
2変換に対するニッケル負荷の効果を研究した。様々な単一金属酸化物の中からこの研究のためにNi/CeO
2触媒を選択した理由は、CO
2メタン化反応について、50時間の良好な変換及び最高の安定性を示したことである。5、10、15、及び20重量%などの様々なNi負荷は、CeO
2担体上で350℃にて研究された(
図7)。Niの負荷が増加するにつれて、CO
2変換もまた増加することが分かった。最大変換率は10重量%(71.1%)及び15重量%(73.3%)の金属負荷で得られ、これは、活性部位へのより良好な分散及びアクセスに起因すると考えられた。
図7から分かるように、CO
2変換率は10重量%~15重量%から実質的に増加していない。CO
2変換率における上昇は、10重量%のNi/CeO
2触媒における5重量%添加では2%しか観察されず、経済的ではないように見えた。Ni負荷を5重量%~10重量%から増加させた場合、CO
2変換の有意な増加(21%)が観察された。これとは対照的に、本発明者らが金属負荷を15重量%~20重量%増加させた際、CO
2変換において急激な低下が認められた。これは、活性金属負荷が最適レベルを超えて増加すると、担体表面上に凝集物又は集塊物が形成されるという事実に起因し得る。これは、金属粒子及び微結晶サイズの増加をもたらす。活性金属の微結晶サイズが増加すると、担体上のその分散が減少し、これにより、反応物の吸着及び活性化を主に担う触媒表面上の表面活性部位が閉塞される。触媒活性は反応の速度である。充分に分散した触媒の場合、反応速度は露出した触媒部位に比例するが、集塊物形成に起因する金属微結晶サイズの増加のために担体表面上の活性部位の分散が影響を受けた場合、触媒活性もまた低下する。触媒活性部位の近傍の環境を変化させるものはどれも、その活性を変化させることができる。
【0100】
例6:触媒の長期安定性を確認するためのオンストリーム時間研究(Time on stream studies:TOS):選択した触媒担体系のCO2の変換によって長期安定性を評価するための研究を、350℃で行った。見てとれるように、異なる触媒は同じ反応温度(350℃)にて異なる変換を示した。
【0101】
図8より、特に、担体としてCeO
2を含む全ての金属は、Al
2O
3(30時間)及びZrO
2(8時間)を担持した触媒と比較して、同様のCO
2変換を長期間呈することにより、より高い安定性(40時間超)を示した。CeO
2系触媒のこの挙動は、Ceが材料の熱安定性を高め、炭素の形成を抑制するのを助け、したがって触媒の寿命を延ばすことが知られているという事実に起因し得る。Ni/Al
2O
3及びFe/Al
2O
3などのアルミナ担持触媒は、最大30時間で最も高い変換率を示した。30時間の反応時間後、アルミナ担持触媒のCO
2変換率の実質的な低下が観察された。Fe/Al
2O
3触媒はNi/Al
2O
3触媒よりもわずかに良好な安定性を示した。その変換率は、反応時間の最大45時間まではNi/Al
2O
3触媒よりもわずかに低かったが、45時間後、Fe/Al
2O
3触媒の変換率はNi/Al
2O
3触媒よりも高く観察され、最大70時間までより高いままであった。Fe/Al
2O
3触媒のこの挙動は、Feが、その活性部位にCOを効率的に吸着し、それをCH
4に変換することができる極めて一般的なフィッシャー・トロプシュ(F-T)触媒であるという事実に起因する。Cu系触媒は、その変換率(Cu/Al
2O
3及びCu/CeO
2について、それぞれ、55%及び47%)及び安定性(Cu/Al
2O
3及びCu/CeO
2について、それぞれ、23時間及び42時間)が、Ni及びFe系触媒よりも比較的はるかに低かったため、より魅力的な結果は示さなかった。Ni/ZrO
2触媒は、変換率(33%)及び安定性(最大8時間まで)の点で、最も好ましくない触媒として注目された。全ての触媒の中で、Ni/CeO
2は、最大50時間まで同様のCO
2変換(65%超)でTOS研究に対して最良の性能を示し、ほぼ50時間ではFe/CeO
2触媒(63%超)が続いた。単一金属酸化物の安定性は、Ni/CeO
2(最大50時間)~Fe/CeO
2(最大50時間)>Cu/CeO
2(45時間)>Fe/Al
2O
3(37時間)>Ni/Al
2O
3(30時間)>Cu/Al
2O
3(23時間)>Ni/ZrO
2(8時間)の降順で示される。
【0102】
図9及び
図12から分かるように、異なる触媒は、同じ反応温度で異なる変換率及び時間安定性を示した。特に、担体としてCeO
2及びAl
2O
3を有するNi及びFe系触媒(Ni-Fe/CeO
2-Al
2O
3)は、最大200時間の長期安定性を示し、全体を通して同様の変換を報告した。5分及び200時間でのNi-Fe/CeO
2-Al
2O
3触媒のCO
2変換率は、それぞれ、84%及び82%であることが分かった。最大200時間まで、CO
2変換の減少はわずか2%であった。他の触媒では、長期間にわたってそのような安定した変換は得られなかった。高い活性及び安定な触媒の背後にある理由は、主に、CeO
2-Al
2O
3担体の組合せである。最も重要な希土類酸化物の1つであるセリアは、Ce
3+とCe
4+との間の変質を介して酸素を吸収及び放出することができる。このため、安定性を高めるために、多くの触媒反応において有効成分として広く使用されている。セリアは、Ni及びFe系触媒の性能を改善するための構造的及び電子的助触媒として採用されてきた。セリアは、Al
2O
3の熱安定性を改善しただけでなく、担体上の金属Ni及びFeの分散もまた促進することができた。Ni-Cu/CeO
2-Al
2O
3及びNi-Fe/CeO
2-ZrO
2触媒は、それぞれ、最大160時間及び140時間まで安定であった。Ni-Cu/CeO
2-ZrO
2触媒は、反応時間の5分間で64.6%の最高変換率を呈示し、その後最大25時間まで連続的に減少した(51.2%)。125時間の反応時間で、Ni-Cu/CeO
2-ZrO
2触媒について27%のCO
2変換しか得られず、これは、CO
2メタン化反応のための活性で安定な触媒としてのその非効率性を証明した。
【0103】
本発明の進歩性によれば、システムにおける各金属の役割は、触媒の全体的な性能に影響を及ぼすのに重要である。
図11及び
図13から、CO
2の変換は最大1000時間まで安定したままであったが、一方でアルカリ助触媒Csを含まない触媒では、CO
2の変換は200時間後に低下し、300時間以内に50%に達したことが観察された(
図13)。更に、最大1000時間の反応時間で、CO
2の変換は85~64%で安定したままであった。これは、反応体分子が触媒部位に効果的かつ強い吸着を示すことで、最長期間(1000時間)にわたって非常に高い変換が得られることを示唆している。この新規に合成されたCs-Ni-Fe/CeO
2-γAl
2O
3触媒組成物はまた、これまでに合成された全ての触媒の中で最も高いCH
4選択性(99~99.5%)と、ほぼ約0のCO選択性とを示した。
【0104】
最悪の触媒失活方法の1つであるCO被毒は、CO2メタン化方法における全ての金属触媒にとって特に重大な問題である。RWGS反応又は直接解離を介したCOへのCO2解離工程中に、吸着されたCO分子が反応中間体として生成され、COが更にCH4に変換されず出口ガス流中に出る場合、触媒活性部位を遮断することによって反応を妨げる。したがって、COメタン化はCO2メタン化反応における速度決定工程と称される。セシウム助触媒Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒担体系は、ほぼ約100%のCH4及び約0のCO選択性が得られるように、この特定の反応のために設計及び開発され、これは、触媒に対するCO被毒効果を緩和することによって非常に長期安定性(1000時間)を示すのに役立った。その長期安定性を制限するこの新規合成触媒ほど、出口ガス流中にこのような低いCO濃度を示した触媒はなかった。単一触媒における、Ni及びFe、高度に選択的及び活性な担体(それぞれ、CeO2-γAl2O3)、並びにCsのようなアルカリ助触媒の相乗効果は、この触媒を、100時間超にわたり高度に活性、選択的、及び安定にした。この新たに合成されたCs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒の非常に高い活性、選択性、及び安定性には多くの理由があり、これらは反応機構の部に示されている。
【0105】
例7:CO
2変換に対する触媒担体系中のCeO
2-Al
2O
3モル比の組合せの効果:CO
2変換に対する様々な比の効果を研究することによって、CeO
2-Al
2O
3の最適なモル比を決定することが望まれた。Ni-Fe/CeO
2-Al
2O
3を、250~450℃の範囲の様々な温度で、1:1、2:1、3:1、及び3:2などの異なるモル比のCeO
2-Al
2O
3で評価した。
図10から観察されるように、CeO
2の比率が1から3に増加するにつれて、CO
2の変換率もまた全ての温度で上昇した。温度の影響に関して
図4から分かるように、350及び400℃で最も高いCO
2変換率が得られ、ここで、変換率は、1:1(CeO
2-Al
2O
3)のモル比での65.8%(350℃)から3:2(CeO
2-Al
2O
3)のモル比で85.4%(350℃)まで上昇した。これは、Ce
3+及びCe
4+イオンによるその酸化還元特性に起因して、より多量のCeO
2がより良好な触媒活性に寄与したことを示している。AlにCeを添加すると、同時に、副生成物であるCOの選択性が低下した。また、CeO
2の添加は、より多くの細孔をブロックせず、又は触媒の表面積及び細孔容積を減少させなかった。これは、活性金属の分散を増加させることによって触媒の表面積を増加させる、添加されたCeの効果から生じ得る。加えて、2のモル比で使用されたAl
2O
3は、Al
2O
3の高い機械的強度に起因して、CeO
2とのより良好な触媒活性を示した。したがって、Al:Ce(1:3及び2:3)のモル比を有するCeO
2担体上のAl
2O
3の添加は、それぞれ、機械的強度及び炭素堆積の影響に対する耐性を増強することによって、触媒の全体的な性能をもたらすことができるという結論を引き出すことができる。
【0106】
これらの温度後、CO2変換の実質的な増加はなく、したがって、最大のCO2変換を得るために350℃及び3:2のモル比(CeO2-Al2O3)で動作することは経済的かつ自明である。
【0107】
したがって、本意図の重要な目的及び目標は、CH4の最も高い選択性を達成するために、非常に長期間(1000時間超)にわたるNi-Fe/CeO2-Al2O3触媒の活性、中間体のより少ない形成、及びコークス形成に対するより強い耐性を増強することであった。前のセクションで述べた以前の知見に基づいて、本発明者らは、CeO2-γAl2O3担体上のセシウム助触媒Ni-Fe触媒の新規な組合せを合成し、これは、メタンガスの合成において長期安定性を有するCs-Ni-Fe/CeO2-γAl2O3触媒であると略される。本発明の前述した説明は、単に本発明を例示するために設定されており、限定することを意図するものではない。本発明の趣旨及び実体を組み込んだ開示の実施形態の修正が当業者に想起され得るので、本発明は、本開示の範囲内の全てを含むと解釈されるべきである。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
高い活性及び長期安定性(1000時間超)を有する選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒であって、前記触媒が、以下:
-少なくとも1種のアルカリ助触媒金属と、
-2種の活性金属と、
-CeO
2
-γAl
2
O
3
の組合せを有する活性金属の担体と、からなり;
触媒が、200~800(m
2
/g)の表面積、0.5~2.5(cm
3
/g)の細孔容積、及び5~30nmの間の平均細孔直径を有するように、合成され、特徴づけられた、
不均一触媒。
[2]
前記アルカリ助触媒金属が、セシウムである、[1]に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
[3]
前記アルカリ助触媒金属の濃度が、前記担体の総重量を基準として、1~5重量%である、[1]に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
[4]
前記活性金属が、ニッケル及び鉄である組合せで選択される、[1]に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
[5]
前記活性金属の濃度が、前記担体の組合せの総重量を基準として、5~20重量%である、[1]に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
[6]
前記担体の組合せ、すなわちCeO
2
-γAl
2
O
3
のモル比が、3:2として選択される、[1]に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒。
[7]
[1]に記載の選択的二酸化炭素メタン化反応のための不均一触媒の調製方法が、水熱共沈殿法から選択される方法であって、以下の工程:
工程1)硝酸ニッケル、硝酸鉄、及び硝酸セシウムを、硝酸セリウム及び硝酸アルミニウムの水溶液混合物へと、連続撹拌速度及び363Kの温度において、滴加する工程と、
工程2)同時に、Na
2
CO
3
を前記工程(1)の溶液へと滴加し、2M NaOH溶液の添加によってアルカリ性pHを9~10に維持する工程と、
工程3)水熱処理のために、テフロンライニングボンベ(Teflon lining bomb)反応器(圧力容器)中において443Kで24時間、前記反応混合物を沈殿させる工程と、
工程4)前記溶液を室温まで冷却し、沈殿物を濾過によって分離する工程と、
工程5)脱イオン水で沈殿物を数回洗浄して、中性pHを達成する工程と、
工程6)沈殿物を383Kで12時間乾燥させる工程と、
工程7)空気雰囲気において、温度973Kで5時間、乾燥沈殿物をか焼させる工程と、
を含む、方法。