(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】モノリシック電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20240304BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20240304BHJP
H01L 33/32 20100101ALI20240304BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240304BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240304BHJP
H01L 33/56 20100101ALI20240304BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240304BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240304BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240304BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/08 ZNM
H01L33/32
H01L33/00 K
H01L33/50
H01L33/56
G09F9/00 338
G09F9/33
G09F9/00 342
G09F9/30 349Z
G09F9/30 330
H01L21/66 X
H01L21/66 E
H01L21/66 F
(21)【出願番号】P 2022559665
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2021057713
(87)【国際公開番号】W WO2021198009
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-28
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520445406
【氏名又は名称】プレッシー・セミコンダクターズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PLESSEY SEMICONDUCTORS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトマン,ジョン
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0263066(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0076528(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0158706(US,A1)
【文献】特開2012-089646(JP,A)
【文献】特開2016-032110(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0027452(US,A1)
【文献】特開2004-096113(JP,A)
【文献】特表2016-526797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
G09F 9/00-9/46
H01L 21/64-21/66
G01R 31/26-31/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモノリシック電子デバイスを形成および試験する方法であって、
a)モノリシック電子デバイスアレイを形成するステップであって、
犠牲基板上にIII族窒化物を備える共通半導体層を形成するステップと、
前記共通半導体層の前記犠牲基板とは反対側の前記共通半導体層の表面上にモノリシック電子デバイスのアレイを形成するステップであって、前記モノリシック電子デバイスのアレイの各モノリシック電子デバイスは、複数のIII族窒化物層を備える、モノリシック電子デバイスのアレイを形成するステップと、
前記共通半導体層の前記表面とほぼ位置合わせされた平坦化誘電体表面を提供するために、前記モノリシック電子デバイスのアレイの上に平坦化誘電体層を形成するステップと、
前記平坦化誘電体表面から前記犠牲基板まで前記平坦化誘電体層および前記共通半導体層をエッチングすることによってトレンチのグリッドを形成するステップであって、前記トレンチのグリッドは、各モノリシック電子デバイスを取り囲む、トレンチのグリッドを形成するステップと、
前記平坦化誘電体層を貫通して各モノリシック電子デバイスに
複数の第1の電気コンタクトを形成するステップと、
前記共通半導体層の前記表面とほぼ位置合わせされた第1の接合面を形成するために、前記トレンチのグリッドおよび前記平坦化誘電体層の前記平坦化
誘電体表面の上に犠牲誘電体層を形成するステップであって、前記第1の接合面は、前記第1の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第1の開口部を備える、犠牲誘電体層を形成するステップと、を備えるモノリシック電子デバイスアレイを形成するステップと、
b)試験基板を提供するステップであって、前記試験基板は、
前記モノリシック電子デバイスアレイの前記モノリシック電子デバイスの各々に電力を供給するように構成された電子試験回路を備える電子基板と、
前記モノリシック電子デバイスアレイの前記第1の電気コンタクトの配置に対応するように前記電子基板上に配置された複数の第2の電気コンタクトと、を備え、
第2の接合面を提供するために接合誘電体層が前記電子基板上に形成され、前記第2の接合面は、前記第2の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第2の開口部を備える、試験基板を提供するステップと、
c)前記試験基板の前記第2の電気コンタクトを前記モノリシック電子デバイスアレイの前記第1の電気コンタクトと位置合わせし、前記第1および前記第2の電気コンタクトが電気的に接触するように、前記試験基板の前記第2の接合面を前記犠牲誘電体層の前記第1の接合面に接合するステップと、
d)前記モノリシック電子デバイスアレイの前記モノリシック電子デバイスの各々を前記複数の第1および第2の電気コンタクトを介して試験するために、前記試験基板から前記モノリシック電子デバイスアレイに電力を供給するステップと、
e)前記モノリシック電子デバイスの各々を分離するために、前記犠牲基板の厚さを貫通して前記犠牲基板の第1の部分を選択的に除去するステップと、
各モノリシック電子デバイスを前記試験基板から分離するために、前記犠牲誘電体層を除去するステップと、を備える、方法。
【請求項2】
前記接合誘電体層は犠牲接合誘電体層であり、前記犠牲接合誘電体層は、各モノリシック電子デバイスを前記
試験基板から分離するために前記犠牲誘電体層と共に選択的に除去されるように構成されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記犠牲誘電体層を前記除去して各モノリシック電子デバイスを前記試験基板から分離した後、前記試験基板は、複数のモノリシックデバイスを形成および試験する方法において再利用することができる、
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記試験基板の前記電子試験回路は、前記モノリシック電子デバイスの各々に並列に電力を供給するように構成されている、
請求項
1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記モノリシック電子デバイスアレイの各モノリシック電子デバイスは、発光ダイオード(LED)を備える、
請求項
1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
各モノリシック電子デバイスは、前記共通半導体層の前記表面上に複数のLEDサブピクセルを備えるモノリシック発光ダイオード(LED)ピクセルであり、各LEDサブピクセルは、III族窒化物層のスタックを備える、
請求項
1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記モノリシック電子デバイスアレイを前記試験基板に接合した後、前記方法は、
前記モノリシックLEDピクセルの各々のための光抽出特徴部を形成するステップであって、前記LEDサブピクセルの各々と位置合わせされた前記犠牲基板の第2の部分を選択的に除去するステップを備える、光抽出特徴部を形成するステップ、を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記モノリシックLEDピクセルの各々の光抽出特徴部を形成するステップは、
前記LEDサブピクセルの各々と位置合わせされた前記犠牲基板の第2の部分を選択的に除去して、各LEDサブピクセルの容器容積を形成するステップと、
各モノリシックLEDピクセルの前記容器容積のうちの少なくとも1つに第1の色変換層を設けるステップであって、前記第1の色変換層は、第1の波長の光を吸収し、前記第1の波長よりも長い第1の変換光波長の変換光を放射するように構成されている、第1の色変換層を設けるステップと、を備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の変換光波長は、少なくとも500nmおよび/または650nm以下である、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各モノリシックLEDピクセルの前記容器容積のうちの少なくとも1つの他の中に第2の色変換層が設けられ、前記第2の色変換層は、第1の波長の光を吸収し、前記第1の変換光波長よりも長い第2の変換光波長の変換光を放射するように構成されている、
請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
各LEDサブピクセルは、少なくとも380nmおよび/または490nm以下の第1の波長を有する光を生成するように構成されている、
請求項6から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記共通半導体層上の各LEDサブピクセル
の表面積は、100μm×100μm以下の面積を画定することができる、
請求項6から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
試験基板に接合するためのモノリシックデバイスアレイであって、
犠牲基板と、
前記犠牲基板上に設けられたIII族窒化物を備える共通半導体層と、
前記共通半導体層の前記犠牲基板とは反対側の前記共通半導体層の表面上に設けられたモノリシック電子デバイスのアレイであって、前記モノリシック電子デバイスのアレイの各モノリシック電子デバイスは、複数のIII族窒化物層を備える、モノリシック電子デバイスのアレイと、
前記モノリシック電子デバイスのアレイ上に設けられ、前記共通半導体層の前記表面と位置合わせされる平坦化誘電体表面を提供する平坦化誘電体層であって、
前記平坦化誘電体表面から前記犠牲基板まで延在するトレンチのグリッドを画定し、前記トレンチのグリッドは各モノリシック電子デバイスを取り囲む、平坦化誘電体層と、
各モノリシック電子デバイス用の第1の電気コンタクトであって、各モノリシック電子デバイスから前記平坦化誘電体表面まで延在する第1の電気コンタクトと、
前記トレンチのグリッド内および前記平坦化誘電体層の前記平坦化
誘電体表面の上に設けられ、前記共通半導体層の前記表面とほぼ位置合わせされた第1の接合面を提供する犠牲誘電体層であって、前記第1の接合面は、前記第1の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第1の開口部を備える、犠牲誘電体層と、を備える、モノリシックデバイスアレイ。
【請求項14】
前記モノリシック電子デバイス
のアレイの各モノリシック電子デバイスは、発光ダイオード(LED)を備える、
請求項13に記載のモノリシックデバイスアレイ。
【請求項15】
各モノリシック電子デバイスは、前記共通半導体層の前記表面上に複数のLEDサブピクセルを備えるモノリシック発光ダイオード(LED)ピクセルであり、各LEDサブピクセルは、III族窒化物層のスタックを備える、
請求項13または14に記載のモノリシックデバイスアレイ。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか1項に記載の前記モノリシックデバイスアレイに接合するための試験基板であって、
前記モノリシック電子デバイス
のアレイの前記モノリシック電子デバイスの各々に電力を供給するように構成された電子試験回路を備える電子基板と、
前記モノリシック電子デバイス
のアレイの前記第1の電気コンタクトの配置に対応するように前記電子基板上に配置された複数の第2の電気コンタクトと、
第2の接合面を提供するために前記電子基板上に形成された接合誘電体層であって、前記第2の接合面は、前記第2の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第2の開口部を備える、接合誘電体層と、を備える、試験基板。
【請求項17】
前記接合誘電体層は犠牲接合誘電体層であり、前記犠牲接合誘電体層は、各モノリシック電子デバイスを前記
試験基板から分離するために前記犠牲誘電体層と共に選択的に除去されるように構成されている、
請求項16に記載の試験基板。
【請求項18】
前記犠牲接合誘電体層は、モノリシック電子デバイスへの接合のために前記試験基板が再使用され得るように、選択的に除去されるように構成されている、
請求項17に記載の試験基板。
【請求項19】
前記接合誘電体層と前記電子基板との間に設けられたエッチング停止層をさらに備える、
請求項16から18のいずれか1項に記載の試験基板。
【請求項20】
前記試験基板の前記電子試験回路は、前記モノリシック電子デバイスの各々に並列に電力を供給するように構成されている、
請求項16から19のいずれか1項に記載の試験基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
本開示は、III族窒化物半導体に関する。特に、本開示は、III族窒化物半導体を含む電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
マイクロLEDは、一般に、100μm×100μm以下のサイズを有するLEDとして定義される。マイクロLEDは、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、ARおよびVRアプリケーション用のピコプロジェクタ、ならびに大面積ディスプレイなどの様々なデバイスでの使用に適し得る自発光マイクロディスプレイ/プロジェクタを形成するためのアレイとして構成され得る。
【0003】
マイクロLEDアレイの1つの既知の形態は、III族窒化物から形成された複数のLEDを備える。III族窒化物LEDは、活性発光領域にGaNおよびそのInNとAlNとの合金を含む無機半導体LEDである。III族窒化物LEDは、従来の大面積LED、例えば光発生層が有機化合物である有機発光ダイオード(OLED)よりも著しく高い電流密度で駆動することができ、より高い光出力密度を放射することができる。結果として、所与の方向における光源の単位面積当たりに放射される光の量として定義されるより高い輝度(明るさ)は、マイクロLEDを高い輝度を必要とする、高い輝度それから利益を得る用途に好適なものとする。
【0004】
既知のマイクロLED製造技術は、青色または緑色光を放射するLEDを製造するために、サファイア基板上に1つ以上のGaN層を形成することを含む。赤色光を放射するLEDの場合、既知の製造技術は、GaAs基板上に1つ以上のInAlGaP層を形成することを含む。
【0005】
マイクロLEDを備える大面積ディスプレイは、複数の赤色、緑色、および青色マイクロLEDから形成されてもよい。例えば、4K解像度ディスプレイの場合、ディスプレイごとに約830万ピクセルが提供され得る。したがって、830万個の赤色、緑色、および青色LED(すなわち、ディスプレイごとに合計2,490万個のLED)を設けて単一のディスプレイを形成することができる。赤色、緑色および青色LEDは、ピックアンドプレース技術を使用してディスプレイ基板上に組み立てることができる。ピックアンドプレース技術は、スタンプシステム、レーザ支援システムおよび流体アセンブリを含む。組み立て速度は、毎秒約1千から1万部品まで変化する。したがって、4Kスクリーンの組み立て時間は約1時間である。
【0006】
ピックアンドプレース部品を使用してディスプレイを組み立てる場合、ピックアンドプレース部品の故障率は、ディスプレイの歩留まりに影響を及ぼし得る。例えば、上記の4K解像度のディスプレイの例は、2,490万個のLEDを含む。したがって、このような多数のLEDでは、比較的低い故障率であっても、多数の故障したLEDがディスプレイに含まれることになり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この背景に対して、本発明の目的は、ピックプレースプロセスを使用して組み立てるのに適した電子デバイスを形成する改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本発明者らは、III族窒化物を含むモノリシック電子デバイスなどのピックアンドプレース部品の故障率を低減しようとするためには、ピックアンドプレース組立で使用する前に各部品を試験することが望ましいことを認識した。しかしながら、各部品を個別に試験することは時間がかかる。
【0009】
したがって、複数のモノリシック電子デバイスを形成および試験する方法が提供される。本方法は、
a)モノリシック電子デバイスアレイを形成するステップであって、
犠牲基板上にIII族窒化物を備える共通半導体層を形成するステップと、
共通半導体層の犠牲基板とは反対側の共通半導体層の表面上にモノリシック電子デバイスのアレイを形成するステップであって、モノリシック電子デバイスのアレイの各モノリシック電子デバイスは、複数のIII族窒化物層を備える、モノリシック電子デバイスのアレイを形成するステップと、
共通半導体層の表面とほぼ位置合わせされた平坦化誘電体表面を提供するために、モノリシック電子デバイスのアレイの上に平坦化誘電体層を形成するステップと、
平坦化誘電体表面から犠牲基板まで平坦化誘電体層および共通半導体層をエッチングすることによってトレンチのグリッドを形成するステップであって、トレンチのグリッドは、各モノリシック電子デバイスを取り囲む、トレンチのグリッドを形成するステップと、
平坦化誘電体層を貫通して各モノリシック電子デバイスに第1の電気コンタクトを形成するステップと、
共通半導体層の表面とほぼ位置合わせされた第1の接合面を形成するために、トレンチのグリッドおよび平坦化誘電体層の平坦化表面の上に犠牲誘電体層を形成するステップであって、第1の接合面は、第1の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第1の開口部を備える、犠牲誘電体層を形成するステップと、を備える、モノリシック電子デバイスアレイを形成するステップと、
b)試験基板を提供するステップであって、試験基板は、
モノリシック電子デバイスアレイのモノリシック電子デバイスの各々に電力を供給するように構成された電子試験回路を備える電子基板と、
モノリシック電子デバイスアレイの第1の電気コンタクトの配置に対応するように電子基板上に配置された複数の第2の電気コンタクトと、を備え、
第2の接合面を提供するために接合誘電体層が電子基板上に形成され、第2の接合面は、第2の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第2の開口部を備える、試験基板を提供するステップと、
c)試験基板の前記第2の電気コンタクトをモノリシック電子デバイスアレイの第1の電気コンタクトと位置合わせし、第1および第2の電気コンタクトが電気的に接触するように、試験基板の第2の接合面を犠牲誘電体層の第1の接合面に接合するステップと、
d)モノリシック電子デバイスアレイのモノリシック電子デバイスの各々を複数の第1および第2の電気コンタクトを介して試験するために、試験基板からモノリシック電子デバイスアレイに電力を供給するステップと、
e)モノリシック電子デバイスの各々を分離するために、犠牲基板の厚さを貫通して犠牲基板の第1の部分を選択的に除去するステップと、モノリシック電子デバイスを試験基板から分離するために、犠牲誘電体層を除去するステップと、を備える。
【0010】
第1の態様による方法は、モノリシック電子デバイスアレイを試験基板に接合するステップを含む。したがって、試験基板は、モノリシック電子デバイスが形成される犠牲基板の除去を可能にするためのハンドリング基板を提供する。さらに、試験基板は、モノリシック電子デバイスの各々の試験を製造プロセスに統合することを可能にする。したがって、第1の態様による方法は、デバイス試験を方法に統合することにより、複数のモノリシック電子デバイスを形成および試験するより効率的な方法を提供する。
【0011】
以下の節では、本発明の異なる態様がより詳細に定義される。そのように定義された各態様は、そうでないことが明確に示されていない限り、任意の他の態様と組み合わせることができる。特に、任意選択的または有利であると示された任意の特徴は、任意選択的または有利であると示された任意の他の特徴と組み合わせることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、接合誘電体層は犠牲接合誘電体層であり、犠牲接合誘電体層は、各モノリシック電子デバイスを試験基板から分離するために犠牲誘電体層と共に選択的に除去されるように構成される。いくつかの実施形態では、試験基板は、直接接合(すなわち、融合接合)によって犠牲誘電体層の接合面に接合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、犠牲接合誘電体層は、SiO2またはSiNxを備えることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、犠牲誘電体層を除去して各モノリシック電子デバイスを試験基板から分離した後、試験基板は、複数のモノリシックデバイスを形成および試験する方法において再利用することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、試験基板の電子試験回路は、モノリシック電子デバイスの各々に並列に電力を供給するように構成される。したがって、試験基板は、モノリシックデバイスのアレイを試験するための効率的な方法を提供することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、共通半導体層は、n型ドープIII族窒化物を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、共通半導体層は、GaNおよびn型ドーパント、例えばSiまたはGeを備えてもよい。共通半導体層は、(犠牲基板に垂直な方向に)少なくとも500nmの厚さを有することができる。共通半導体層は、(犠牲基板に垂直な方向に)5μm以下の厚さを有することができる。
【0016】
犠牲基板は、その上でのIII族窒化物層の成長に適した面内格子定数を有する犠牲基板表面を提供するように構成された基板から形成されてもよい。例えば、犠牲基板は、サファイア、またはシリコン基板を備えることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、モノリシック電子デバイスのアレイは、規則的に離間されたアレイとして形成されてもよい。規則的に離間されたアレイは、正方形パッキングまたは六角形パッキングなどの円(または多角形)の密パッキングのための任意の構成に類似し得る。アレイ内の各モノリシック電子デバイスは、一般に楕円形または多角形である共通半導体層上の表面積を有することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、平坦化誘電体層は、複数のパッシベーション層から形成されてもよい。各パッシベーション層は、誘電体、例えば二酸化ケイ素または窒化ケイ素を備えてもよい。平坦化誘電体層は、平坦化誘電体表面の平滑性を改善するため(すなわち、表面粗さを低減するため)に、化学機械研磨プロセスを受けることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、トレンチのグリッドは、犠牲基板の表面上に(モノリシック電子デバイスのアレイ内の隣接するモノリシック電子デバイス間の方向に)少なくとも500nmの幅を有することができる。したがって、トレンチを画定するピクセルは、各モノリシックLEDピクセルを犠牲基板上の隣接するモノリシックLEDピクセルから分離することができる。したがって、トレンチを画定するピクセルは、犠牲基板上の各モノリシックLEDピクセルの周囲を囲む(すなわち、一周する)ことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、犠牲誘電体層は、二酸化ケイ素または窒化ケイ素のうちの1つ以上を備えることができる。犠牲誘電体層は、実質的に連続したギャップ充填層として形成されてもよい。したがって、犠牲誘電体層は、任意のギャップまたは空隙を充填して接合面を提供するために設けられてもよい。したがって、そのように形成された接合面は、共通半導体層の表面と位置合わせされた実質的に連続した平面であってもよい。いくつかの実施形態では、接合面は、共通半導体層の表面に平行である。いくつかの実施形態では、犠牲誘電体層は、平坦化表面上で少なくとも500nmの厚さを有するように形成される。中間構造の不均一な性質のために、他の領域の犠牲誘電体層の厚さはより厚く(またはより薄く)てもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、犠牲誘電体層は、平坦化表面上で2μm以下の厚さを有するように形成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、モノリシック電子デバイスアレイの各モノリシック電子デバイスは、発光ダイオード(LED)を備える。各LEDは、複数のIII族窒化物層から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、各モノリシック電子デバイスは、トランジスタ、コンデンサ、抵抗器、ダイオードを備える群から選択される1つ以上の電子デバイスを備えることができる。例えば、一実施形態では、モノリシック電子デバイスは、トランジスタ、LED、およびコンデンサを備えることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、各モノリシック電子デバイスは、共通半導体層の表面上に複数のLEDサブピクセルを備えるモノリシック発光ダイオード(LED)ピクセルである。各LEDサブピクセルは、III族窒化物層のスタックを備える。モノリシックLEDピクセルは各々、LEDディスプレイにおける組み立てに適していてもよい。モノリシックLEDピクセルの各LEDサブピクセルは、関連する光抽出特徴部を有することができる。したがって、各モノリシックLEDピクセルは、共通半導体層上にモノリシックに形成された複数のLEDデバイスを含むことができる。分離されると、モノリシックLEDピクセルは、例えばピックアンドプレース方法を使用して、ディスプレイを形成するように組み立てることができる。複数のLEDデバイス(LEDサブピクセル)をモノリシックに形成することにより、ディスプレイを形成するために組み立てられる個別部品の数を減らすことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、各LEDサブピクセルは、少なくとも380nmの第1の波長を有する光を生成するように構成されている。したがって、各LEDサブピクセルは、可視光を生成することができる。いくつかの実施形態では、各LEDサブピクセルは、490nm以下の第1の波長を有する光を生成するように構成されている。したがって、各LEDサブピクセルは、実質的に青色の可視光を生成することができる。本開示では、LEDが特定の波長の光を生成するものとして言及される場合、これはLEDによって生成される光のピーク波長を指すことが理解されよう。
【0024】
モノリシックLEDピクセルを形成するためのいくつかの実施形態では、モノリシック電子デバイスアレイを試験基板に接合した後、方法は、モノリシックLEDピクセルの各々のための光抽出特徴部を形成するステップであって、LEDサブピクセルの各々と位置合わせされた犠牲基板の第2の部分を選択的に除去するステップを備える、光抽出特徴部を形成するステップを備える。
【0025】
したがって、いくつかの実施形態では、III族窒化物を備える共通半導体層上に複数のモノリシック電子デバイス(例えば、LEDサブピクセル)を設けることができる。共通半導体層は、犠牲基板上に形成される。したがって、第1の態様による方法は、犠牲基板および試験基板を提供することによって共通半導体層の両方の主面の処理を可能にする。犠牲基板は、共通半導体層およびモノリシック電子デバイスをその上に形成することができる初期基板を提供する。モノリシック電子デバイスは、続いて、共通半導体層の反対側にさらなるデバイス特徴部(例えば、光抽出特徴部)を形成するために犠牲基板の一部を除去することを可能にするために試験基板に取り付けられてもよい。共通半導体層の両方の主面を加工することにより、複数のモノリシック電子デバイスを共通半導体層上にモノリシックに形成することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、モノリシックLEDピクセルの各々に対して光抽出特徴部を形成することは、各LEDサブピクセルの光抽出効率を高めるように構成された散乱特徴部を有する共通半導体層の表面の第1の部分をパターニングすることを備える。したがって、共通半導体層は、LEDサブピクセルの効率を改善するためにさらに処理されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、モノリシックLEDピクセルの各々の光抽出特徴部を形成することは、LEDサブピクセルの各々と位置合わせされた犠牲基板の第2の部分を選択的に除去して、各LEDサブピクセルの容器容積を形成することと、各モノリシックLEDピクセルの容器容積のうちの少なくとも1つに第1の色変換層を設けることとを備える。第1の色変換層は、第1の波長の光を吸収し、第1の波長よりも長い第1の変換光波長の変換光を放射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の変換光波長は、少なくとも500nmである。したがって、モノリシックLEDピクセルは、第1の波長を有する光を放射するLEDサブピクセルと、第1の変換光波長を有する光を放射するLEDサブピクセルとを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の変換光波長は、650nm以下であってもよい。したがって、モノリシックピクセルは、赤色、緑色、または青色LEDから選択される色を有する可視光を提供するように構成されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、各モノリシックLEDピクセルの容器容積のうちの少なくとも1つの他の中に第2の色変換層が設けられ、第2の色変換層は、第1の波長の光を吸収し、第1の変換光波長よりも長い第2の変換光波長の変換光を放射するように構成される。したがって、第1の態様によるモノリシックLEDピクセルは、3つの異なる波長(第1の波長、第1の変換光波長、第2の変換光波長)を備える光を放射するように構成されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の色変換層および/または第2の色変換層は、蛍光体、有機分子、または量子ドットを備える。したがって、モノリシックLEDピクセルが異なる波長の組み合わせを有する光を放射することができるように、第1および/または第2の色変換層を設けて、第1の波長の光を変換することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、各LEDサブピクセルの各III族窒化物層は、AlInGaN、AlGaN、InGaNおよびGaNのうちの1つ以上を含んでもよい。本明細書で使用される場合、その構成成分による種への言及は、そのすべての利用可能な化学量論を含む。したがって、例えば、AlGaNは、xが1または0に等しくないAlxGa1-xNなど、そのすべての合金を含む。各層の化学量論は、特定の層の機能に応じて変化し得る。
【0031】
例えば、いくつかの実施形態では、各LEDサブピクセルは、III族窒化物層の超格子、光を生成するように構成された活性層、電子ブロッキング層、および1つ以上のp型半導体層を備えることができる。活性層は、1つ以上の量子井戸層を備えることができ、量子井戸層は光を生成するように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、平坦化誘電体層の形成に続いて、平坦化誘電体層の第3の部分を選択的に除去することができ、各LEDサブピクセルのアノードと平坦化誘電体表面との間にアノードコンタクトメタライゼーションを形成することができる。いくつかの実施形態では、平坦化誘電体層の形成に続いて、平坦化誘電体層の第4の部分を選択的に除去することができ、共通半導体層と平坦化誘電体表面との間のモノリシックLEDピクセルごとに共通のカソードコンタクトメタライゼーションが形成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、平坦化誘電体表面の一部を形成する共通カソードコンタクトメタライゼーションの表面は、各モノリシックLEDピクセルを形成するLEDサブピクセルのうちの少なくとも1つと重なる。したがって、モノリシックLEDピクセルの各LEDサブピクセルには、スペース効率の良い方法で電気コンタクトを設けることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、各モノリシックLEDピクセルのLEDサブピクセルのうちの1つは、各モノリシックLEDピクセルの別のLEDサブピクセルよりも大きい表面積を共通半導体層上に有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、各モノリシックLEDピクセルは、共通半導体層上にモノリシックに形成されたLEDアレイの少なくとも3つまたは少なくとも4つのLEDサブピクセルを備える。例えば、一実施形態では、各モノリシックLEDピクセルは、正方形パックアレイの4つのLEDサブピクセルを備えることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、形成されたモノリシックLEDピクセルの各々は、モノリシックマイクロLEDピクセルであってもよい。したがって、LEDサブピクセルの各々は、100μm×100μm以下のサイズを有するマイクロLEDサブピクセルであってもよい。いくつかの実施形態では、共通半導体層上の各LEDサブピクセルの表面積は、100μm×100μm以下の面積を画定することができる。いくつかの実施形態では、共通半導体層上の各LEDサブピクセルの表面積は、50μm×50μm、30μm×30μm、20μm×20μm、または10μm×10μm以下の面積を画定することができる。
【0037】
本開示の第2の態様によれば、第3の態様の試験基板に接合するためのモノリシックデバイスアレイが提供される。モノリシックデバイスアレイは、犠牲基板と、共通半導体層と、モノリシック電子デバイスのアレイと、平坦化誘電体層と、第1の電気コンタクトと、犠牲誘電体層とを備える。共通半導体層はIII族窒化物を備え、犠牲基板上に設けられる。モノリシック電子デバイスのアレイは、共通半導体層の犠牲基板とは反対側の共通半導体層の表面上に設けられる。モノリシック電子デバイスのアレイの各モノリシック電子デバイスは、複数のIII族窒化物層を備える。平坦化誘電体層は、モノリシック電子デバイスのアレイ上に設けられ、共通半導体層の表面と位置合わせされた平坦化誘電体表面を提供する。平坦化誘電体層は、平坦化誘電体表面から犠牲基板まで延在するトレンチのグリッドを画定し、トレンチのグリッドは各モノリシック電子デバイスを取り囲む。第1の電気コンタクトは、モノリシック電子デバイスの各々に設けられる。第1の電気コンタクトは、各モノリシック電子デバイスから平坦化誘電体表面まで延在する。犠牲誘電体層は、トレンチのグリッド内および平坦化誘電体層の平坦化表面の上に設けられて、共通半導体層の表面とほぼ位置合わせされた第1の接合面を提供する。第1の接合面は、第1の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第1の開口部を備える。
【0038】
したがって、本開示の第2の態様は、本開示の第3の態様の試験基板に接合可能に構成されたモノリシックデバイスアレイを提供する。本開示の第2の態様のモノリシックデバイスアレイは、第1の態様の方法の一部として形成されてもよい。本開示の第2の態様は、本開示の第3の態様の試験基板にそれらを接合することによって並列に試験することができるモノリシック電子デバイスのアレイを提供する。モノリシックデバイスアレイは、本開示の第1の態様に関連して上述したモノリシックデバイスアレイの任意の特徴のいずれかを含むことができることが理解されよう。
【0039】
いくつかの実施形態では、モノリシック電子デバイスアレイの各モノリシック電子デバイスは、発光ダイオード(LED)を備える。したがって、第2の態様のモノリシックデバイスアレイは、効率的に試験することができるそのように形成されたモノリシックLEDのアレイを提供する。
【0040】
いくつかの実施形態では、各モノリシック電子デバイスは、共通半導体層の表面上に複数のLEDサブピクセルを備えるモノリシック発光ダイオード(LED)ピクセルであり、各LEDサブピクセルは、III族窒化物層のスタックを備える。
【0041】
本開示の第3の態様によれば、本開示の第2の態様のモノリシックデバイスアレイに接合するための試験基板が提供される。試験基板は、電子基板と、複数の第2の電気コンタクトと、接合誘電体層とを備える。電子基板は、モノリシック電子デバイスアレイのモノリシック電子デバイスの各々に電力を供給するように構成された電子試験回路を備える。複数の第2の電気コンタクトは、モノリシック電子デバイスアレイの第1の電気コンタクトの配置に対応するように電子基板上に配置される。接合誘電体層は、第2の接合面を提供するために電子基板上に形成される。第2の接合面は、第2の電気コンタクトの各々と位置合わせされた第2の開口部を備える。
【0042】
したがって、本開示の第3の態様は、本開示の第2の態様のモノリシックデバイスアレイに接合可能に構成された試験基板を提供する。試験基板は、本開示の第1の態様に記載の方法に従って提供されてもよい。試験基板は、本開示の第1の態様に関連して上述した試験基板の任意選択の特徴のいずれかを含むことができることが理解されよう。
【0043】
いくつかの実施形態では、接合誘電体層は犠牲接合誘電体層である。犠牲接合誘電体層は、各モノリシック電子デバイスを試験基板から分離するために犠牲誘電体層と共に選択的に除去されるように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、犠牲接合誘電体層は、モノリシック電子デバイスへの接合のために試験基板が再使用され得るように、選択的に除去されるように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、接合誘電体層と電子基板との間にエッチング停止層を設けることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、試験基板の電子試験回路は、モノリシック電子デバイスの各々に並列に電力を供給するように構成される。
【0047】
図面の簡単な説明
本開示は、以下の非限定的な図に関連して説明される。本開示のさらなる利点は、詳細をより明確に示すように縮尺通りではない図面と併せて考慮すると、詳細な説明を参照することによって明らかであり、同様の参照番号は、いくつかの図を通して同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルの発光面の等角図を示す。
【
図2】
図1のモノリシックLEDピクセルのコンタクト面の平面図を示す。
【
図3】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第1の中間ステップを示す。
【
図4】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第2の中間ステップを示す。
【
図5】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第3の中間ステップを示す。
【
図6】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第4の中間ステップを示す。
【
図7】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第5の中間ステップを示す。
【
図8】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第6の中間ステップを示す。
【
図9】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第7の中間ステップを示す。
【
図10】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第8の中間ステップを示す。
【
図11】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第9の中間ステップを示す。
【
図12】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第10の中間ステップを示す。
【
図13】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第11の中間ステップを示す。
【
図14】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第12の中間ステップを示す。
【
図15】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第13の中間ステップを示す。
【
図16】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第14の中間ステップを示す。
【
図17】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第15の中間ステップを示す。
【
図18】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを形成する方法における第16の中間ステップを示す。
【
図19】本開示の一実施形態によるモノリシックLEDピクセルを示す。
【
図20】
図4の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図21】
図5の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図22】
図7の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図23】
図9の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図24】
図10の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図25】犠牲誘電体層をさらに含む
図10の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図26】
図11の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図27】
図13の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図28】
図14の中間ステップに対応する線B-B’に沿った試験基板ステップの断面を示す。
【
図29】
図17の中間ステップに対応する線B-B’に沿った中間ステップの断面を示す。
【
図30】線B-B’に沿ったモノリシックLEDピクセルの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
詳細な説明
本開示によれば、モノリシック電子デバイスを形成および試験する方法が提供される。本開示の第1の実施形態によれば、形成および試験されるモノリシック電子デバイスは、モノリシックLEDピクセル1である。もちろん、本開示はモノリシックLEDピクセルの形成に限定されず、モノリシックLEDピクセル1の代わりに他のモノリシック電子デバイスが形成されてもよいことが理解されよう。例えば、本開示によるモノリシック電子デバイスは、コンデンサ、トランジスタ、抵抗器、ダイオード、LEDのうちの1つ以上を備えることができる。例えば、一実施形態では、各モノリシック電子デバイスは、共通半導体層102上に形成されたLEDおよびトランジスタを備えることができる。トランジスタは、各モノリシック電子デバイスがLEDおよび関連する駆動トランジスタを提供するように構成されるように、LEDへの駆動電流を制御するように構成されてもよい。
【0050】
本開示の第1の実施形態によれば、モノリシックLEDピクセル1は、複数のLEDサブピクセル10、20、30を備えることができる。第1の実施形態のモノリシックLEDピクセル1の等角概略図を
図1に示す。
図1のモノリシックLEDピクセルは、3つのLEDサブピクセル10、20、30を備える。3つのLEDサブピクセル10、20、30は各々、異なる(ピーク)波長の光を放射するように構成される。
【0051】
モノリシックLEDピクセル1の平面図を
図2に示す。次に、モノリシックLEDピクセル1の形成方法について、
図3~
図19、および
図20~
図30を参照して説明する。
図3~
図19は、モノリシックLEDピクセル1を形成する方法の中間ステップ中の
図2に示す線A-A’に沿ったモノリシックLEDピクセル1の断面を示す。
図20~
図30は、モノリシックLEDピクセル1を形成する方法の中間ステップ中の
図2に示す線B-B’に沿ったモノリシックLEDピクセル1の断面を示す。
【0052】
第1の実施形態によるモノリシックLEDピクセル1を形成する方法は、LEDサブピクセル100の中間アレイの形成を備える。LEDサブピクセル100の中間アレイは、犠牲基板101上に形成された複数のLEDサブピクセル103を備える。
【0053】
LEDサブピクセル100の中間アレイを形成するために、III族窒化物を備える共通半導体層102が犠牲基板101の第1の主面131上に形成される。したがって、モノリシックLEDピクセル1を形成する方法は、III族窒化物を備える共通の半導体102層を犠牲基板101上に形成するステップを備える。
【0054】
犠牲基板101は、シリコン基板、炭化ケイ素基板、またはサファイア基板を備えてもよい。
図3の実施形態では、犠牲基板101は、その上に形成された複数のIII族窒化物バッファ層を有するシリコン基板を備える。
【0055】
図3に示すように、犠牲基板101の表面に、共通半導体層102を略連続膜として形成してもよい。したがって、共通半導体層102は、犠牲基板101の表面の実質的にすべてを覆う。共通半導体層102は、n型ドープIII族窒化物半導体を備えてもよい。例えば、
図3の実施形態では、共通半導体層102はGaNを備える。
図3の共通半導体層102は、任意の適切なn型ドーパント、例えばSiまたはGeでn型ドープされてもよい。共通半導体層102は、金属有機化学気相成長(MOCVD)または分子線エピタキシ(MBE)などのIII族窒化物を形成するための任意の適切な方法によって犠牲基板101上に形成されてもよい。
【0056】
次に、共通半導体層102の表面132上にLEDサブピクセルのアレイを形成することができる。LEDサブピクセルのアレイは、共通半導体層102の犠牲基板101とは反対側に形成される。各LEDサブピクセル103は、III族窒化物層のスタックを備える。LEDサブピクセルのアレイを形成するための様々な方法が当業者に知られている。
【0057】
図3の実施形態では、LEDサブピクセルのアレイは、III族窒化物層140の連続スタックから形成される。III族窒化物層140のそのように堆積された連続スタックは、共通半導体層102の第2の主面132の実質的に全てを覆う。続いて、選択的除去プロセスを使用してIII族窒化物層140の連続スタックをパターニングして、LEDサブピクセル103のアレイを画定することができる。1つの可能な選択的除去プロセスは、リソグラフィプロセスを使用してIII族窒化物層140の連続スタックをマスク層でコーティングすることと、選択的に除去されるIII族窒化物層140の連続スタックの領域をエッチングすることとを備える。結果として得られるLEDサブピクセル103のアレイの一例を、本開示の
図4に示す。
【0058】
いくつかの実施形態では、例えば
図3に示すように、III族窒化物層140の連続スタックは、III族窒化物層の超格子155、光を生成するように構成された活性層156、電子ブロッキング層157、および1つ以上のp型半導体層158を備えることができる。活性層は、1つ以上の量子井戸層を備えることができ、量子井戸層は光を生成するように構成される。
図3の実施形態では、各LEDサブピクセルの活性層は、少なくとも380nm、490nm以下の波長を有する光を生成するように構成される。
【0059】
したがって、III族窒化物層140の連続スタックから形成される各LEDサブピクセル103は、III族窒化物層の超格子155、光を生成するように構成された活性層156、電子ブロッキング層157、および1つ以上のp型半導体層158を備えることができる。LEDサブピクセルの各層の形成は、例えば、少なくとも英国特許第1811109.6号明細書でさらに論じられているように、当業者に知られている。
【0060】
図3および
図4の実施形態は、LEDサブピクセルのアレイを画定するために選択的除去プロセスを使用するが、本開示の方法はそのようなLEDサブピクセルに限定されないことが理解されよう。例えば、選択領域成長法を使用して、III族窒化物層のスタックを備えるLEDサブピクセルのアレイを画定することができる。適切な選択領域成長法のさらなる詳細は、少なくとも英国特許第1811109.6号明細書に見出すことができる。
【0061】
図4に示すように、各LEDサブピクセル103は、共通半導体層102から延在するメサ構造を形成する。LEDサブピクセル103の各々は、共通半導体層102上の他のLEDサブピクセル103から離間されている。
図4に示すように、各LEDサブピクセル103間の間隔は異なっていてもよい。
図4の実施形態では、同じモノリシックLEDピクセル1のサブピクセルを形成するように意図された隣接するLEDサブピクセル103間の間隔は、異なるモノリシックLEDピクセルの隣接するLEDサブピクセル間の間隔よりも小さくてもよい。
【0062】
複数のLEDサブピクセル103の形成に続いて、中間アレイ100は、LEDサブピクセル103の各々への第1の電気コンタクトを含むようにさらに処理されてもよい。当業者は、半導体デバイスへの電気コンタクトを形成するための様々な方法を認識していることが理解されよう。したがって、第1の電気コンタクトは、モノリシックLEDピクセルを形成する方法の間の様々な段階で形成されてもよい。したがって、モノリシック電子デバイスのモノリシック形成および試験に関する本開示は、第1の電気コンタクトの特定の配置または第1の電気コンタクトを形成する方法に限定されない。
【0063】
第1の実施形態によれば、各LEDサブピクセル103への第1の電気コンタクトは、複数のコンタクト層から形成されてもよい。コンタクト層は、各LEDサブピクセル103から平坦化誘電体表面まで延在してもよい。コンタクト層は、複数のステップで形成されてもよい。例えば、
図5に示すように、共通半導体層102上に複数の第1のコンタクト層106を形成してもよい。第1のコンタクト層106は、共通半導体層102への電気コンタクトを提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、各モノリシックLEDピクセル1に対して単一の第1のコンタクト層(すなわち、共通コンタクト)を設けることができ、またはいくつかの実施形態では、各LEDサブピクセル103に対して第1のコンタクト層106を設けることができる。
図5に示すように、第1のコンタクト層106は、LEDサブピクセル103ごとに設けられる。第1のコンタクト層106は、共通半導体層102へのオーミックコンタクトを形成するための任意の適切な材料を備えてもよい。例えば、第1のコンタクト層106は、チタン、アルミニウム、窒化チタン、金または銅のうちの1つ以上を備えてもよい。
図5の実施形態において、第1のコンタクト層106は、第1のコンタクト層106が共通半導体層102上のLEDサブピクセル103間の空間に設けられるように、熱蒸着を使用して堆積され、リソグラフィ法を使用してパターニングされてもよい。
図5の実施形態では、第1のコンタクト層106と共通半導体層102との間のコンタクトの導電性を改善するために、第1のコンタクト層106を形成した後にアニールしてもよい。
【0064】
次に、複数のLEDサブピクセル103の上に第1のパッシベーション層107が形成されてもよい。第1のパッシベーション層107は、誘電体などの絶縁層を備えてもよい。例えば、
図5の実施形態では、第1のパッシベーション層107は、二酸化ケイ素または窒化ケイ素を備えてもよい。第1のパッシベーション層107は、プラズマ化学気相成長法、化学気相成長法、物理気相成長法、蒸着または原子層堆積を使用して形成されてもよい。
【0065】
第1のパッシベーション層107の形成に続いて、リソグラフィおよびエッチングなどの選択的除去プロセスを使用して、第1のパッシベーション層107を貫通する複数の開口部が形成されてもよい。複数の開口部は、LEDサブピクセル103の共通半導体層102およびp型半導体層への電気接続を形成するための領域を提供するために設けられてもよい。例えば、
図5の実施形態では、第1のパッシベーション層107内の複数の第1の開口部141は、第1のコンタクト層106と接触するカソードコンタクト層109(すなわち、共通半導体層102への電気接続)の形成を可能にするために設けられ、複数の第2の開口部142は、LEDサブピクセル103のp型半導体層と電気的に接触するアノードコンタクト層108の形成を可能にするために形成される。
【0066】
アノードコンタクト層108は、LEDサブピクセル103のp型半導体層上の第2の開口部142内に形成されてもよい。アノードコンタクト層108は、LEDサブピクセル103のp型半導体層へのオーミックコンタクトを形成するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アノードコンタクト層は、ニッケル、銀、チタン、または窒化チタンのうちの1つ以上を備えることができる。第2のコンタクト層108は、蒸着技術を使用して形成され、リソグラフィ法を使用してパターニングされてもよい。したがって、アノードコンタクト層108は、LEDサブピクセル103の各々のp型半導体層の各々と位置合わせされたパッシベーション層内の複数の第2の開口部142と位置合わせして設けられてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、各モノリシックLEDピクセル1の共通半導体層102は、クロストーク低減特徴部を提供するためにさらに処理されてもよい。例えば、
図1の実施形態では、共通半導体層102は、各LEDサブピクセル間に入る各モノリシックLEDピクセル1の領域内の共通半導体層102の一部を除去するための選択的除去プロセスを受ける。したがって、モノリシックLEDピクセル1の2つの隣接するLEDサブピクセル103の間の共通半導体層102の一部(すなわち、隣接するLEDサブピクセル103によって覆われていない)を選択的に除去することができる。そのようなクロストーク低減特徴部の一例が
図6に示されており、クロストーク低減トレンチ111が選択的除去プロセスによって形成される。
図6に示すように、選択的除去プロセス(すなわち、エッチングプロセス)を使用して、クロストーク低減トレンチ111を共通半導体層102の第2の表面132から犠牲基板101の第1の表面131までエッチングする。クロストーク低減トレンチは、モノリシックLEDピクセル1の一部を構成する隣接するLEDサブピクセル103の間の領域に設けられる。効果的には、クロストーク低減トレンチ111は、各サブピクセル103に対応する共通半導体層102の領域を分離するように作用する。これにより、一方のLEDサブピクセル103からの光が共通半導体層102を横切って移動し、別のLEDサブピクセル103の光抽出特徴部を通って放射されるのを防止または低減することができる。
【0068】
クロストーク低減トレンチ111は、当業者に知られている任意の適切なリソグラフィおよびエッチング技術、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)または誘導結合プラズマエッチング(ICP)を使用して形成することができる。
【0069】
任意選択のクロストーク低減特徴部の形成に続いて、平坦化誘電体層がLEDサブピクセル100の中間アレイの上に形成される。LEDサブピクセルの中間アレイのトポロジー(例えば、クロストーク低減特徴部、LEDサブピクセル130)および電気コンタクトを形成するプロセスに起因して、平坦化誘電体層は、もう1つのプロセスステップで形成されてもよい。
図7、
図8、および
図9は、第1の実施形態による平坦化誘電体層を形成する方法の一例を提供する。当業者は、平坦化誘電体層を形成する他の方法が当業者に知られていることを理解するであろう。
【0070】
第1の実施形態によれば、第2のパッシベーション層112は、
図6に示すLEDピクセルの中間アレイの上に形成されてもよい。第2のパッシベーション層112は、絶縁誘電体、例えば二酸化ケイ素または窒化ケイ素を備えてもよい。第2のパッシベーション層112は、第1のパッシベーション層107と同様に形成されてもよい。モノリシックLEDピクセル1が形成される犠牲基板101の第1の表面131とほぼ位置合わせされた第1の平坦化表面215を提供するために、第2のパッシベーション層112は中間構造体の上に形成すされてもよい。第2のパッシベーション層112は、クロストーク低減トレンチ111を充填し、かつLEDサブピクセル103の露出面を越えて延在するように形成されてもよい。
【0071】
第2のパッシベーション層112の形成に続いて、アノードおよび/またはカソードコンタクト層108、109への電気コンタクトを形成するための第1のコンタクトメタライゼーション114を形成するために、複数の第3の開口部143が第2のパッシベーション層112内に形成されてもよい。複数の第3の開口部は、パッシベーション表面215から第1および/または第2のコンタクト層106、108まで延在してもよい。そのような第1のコンタクトメタライゼーションの例が
図8に示されており、第1のコンタクトメタライゼーション114が第2のコンタクト層108の各々に対して形成されている。
【0072】
第1の実施形態による平坦化誘電体層の形成の一部として、例えば
図9に示すように、第3のパッシベーション層115がパッシベーション表面215上に形成される。第3のパッシベーション層115は、第2のパッシベーション層112と同様に形成されてもよい。第3のパッシベーション層115は、第3のパッシベーション層115の第2のパッシベーション層112とは反対側の第3のパッシベーション層表面217を提供する。
【0073】
第2のパッシベーション層112と同様に、第3のパッシベーション層115は、コンタクトメタライゼーションを提供するためにLEDサブピクセルの各々と位置合わせされた複数の第4の開口部144をさらに備えてもよい。続いて、各LEDサブピクセル103のp型半導体層との電気コンタクトを形成するために、第4の開口部144を第2のコンタクトメタライゼーション117で充填してもよい。第2のコンタクトメタライゼーション117の各々は、導電層のマルチスタックを備えてもよい。例えば、第2のコンタクトメタライゼーション117は、チタン、タングステン、金、および銅のうちの1つ以上を備えてもよい。
【0074】
第3のパッシベーション層115および様々なコンタクトメタライゼーションの形成に続いて、第3のパッシベーション層表面217は、化学機械研磨などの研磨プロセスを使用してさらに平坦化されてもよい。CMPプロセスを提供することにより、第3のパッシベーション層表面217の表面粗さを低減して、LEDサブピクセル100の中間アレイの試験基板200への接合を改善することができる。このように、化学機械研磨プロセスは、表面の平滑性を改善し、エッチングおよびコンタクトメタライゼーション堆積プロセスの結果として形成され得た表面の欠陥または凹凸を低減するために提供され得る。
【0075】
したがって、この実施形態の
図7、
図8、および
図9に示すプロセスは、LEDサブピクセルのアレイ上に平坦化誘電体層を形成して、共通半導体層102の第2の表面132とほぼ位置合わせされた平坦化誘電体表面(すなわち、第3のパッシベーション層表面217)を提供する方法を提供する。
図7、
図8、および
図9はまた、モノリシックデバイスの各々への第1の電気コンタクトの形成を示す。
図7、
図8、および
図9に示すように、第1のコンタクト層は、複数のコンタクトメタライゼーション層114、117から形成されてもよい。第1のコンタクト層はまた、各LEDサブピクセル103への電気コンタクトを改善するためのアノードまたはカソードのコンタクト層を含んでもよい。第1の実施形態は、第1の電気コンタクトの形成の一例であることが理解されよう。したがって、第1の電気コンタクトは、当業者に知られているように、様々な他の方法で設けられてもよい。例えば、電気コンタクトの形成は、LEDサブピクセル100の中間アレイ上に平坦化誘電体層が形成された後に提供されてもよい。
【0076】
複数のLEDサブピクセル103の上に平坦化誘電体表面217が形成された後、LEDサブピクセル100の中間アレイは、トレンチのグリッド(すなわち、ピクセル画定トレンチ118)をエッチングすることによって複数のモノリシックLEDピクセル1に部分的に分割される。ピクセル画定トレンチ118は、平坦化誘電体層を形成する層を平坦化誘電体表面217から犠牲基板101まで選択的に除去することによって形成される。トレンチ118を画定するピクセルの形成の一例を、本開示の
図10に示す。
図10に示すように、各モノリシックLEDピクセル1は、少なくとも2つのLEDサブピクセル103を備える。ピクセル画定トレンチ118は、上述したクロストーク低減トレンチ111と同様の方法で形成されてもよい。ピクセル画定トレンチ118の形成に続いて、複数のモノリシックLEDピクセル1が、犠牲基板101の存在に起因して固定配置のままであることが理解されよう。したがって、複数のモノリシックピクセル1は、犠牲基板101の存在に起因して、LEDサブピクセル100の中間アレイの一部として依然として取り扱われ、位置合わせされ得る。
【0077】
トレンチ118を画定するピクセルの形成に続いて、ピクセルトレンチおよび平坦化誘電体表面217上に犠牲誘電体層121が形成され、共通半導体層102の表面とほぼ位置合わせされた接合面221を形成する。
【0078】
第1の実施形態による方法では、犠牲誘電体層121の形成前にエッチング停止層119を設けてもよい。例えば、
図11に示すように、ピクセル画定トレンチ118および平坦化誘電体表面217の上にエッチング停止層119が実質的に連続した層として形成される。エッチング停止層119は、それを貫通して形成された複数の第5の開口部145を有することができる。エッチング停止層119の第5の開口部145の各々は、平坦化誘電体表面217に存在する任意のコンタクトメタライゼーション117と位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層119は、二酸化ケイ素または窒化ケイ素を備えてもよい。エッチング停止層119は、犠牲誘電体層121が除去される後続のエッチングプロセスに耐える誘電体層を提供するように構成されてもよい。したがって、エッチング停止層119は、犠牲誘電体層121がその後に除去される選択的除去ステップのプロセス耐性を高めることができる。
【0079】
(任意選択の)エッチング停止層119の形成に続いて、トレンチ118を画定するピクセルおよび平坦化表面の上に犠牲誘電体層121を形成して、接合面を形成することができる。犠牲誘電体層121の形成は、複数の層が形成される多段プロセスを備えることができる。犠牲誘電体層121は、二酸化ケイ素および窒化ケイ素のうちの1つ以上を備えることができる。
図11に示すように、複数のLEDサブピクセル103への電気接続を可能にするために、犠牲誘電体層121内に複数の第6の開口部146を形成することもできる。第6の開口部146の各々は、接合面から犠牲誘電体層の厚さを貫通して下の層(例えば、コンタクトメタライゼーション117)まで延在してもよい。犠牲誘電体層121内の複数の第6の開口部146は、コンタクトメタライゼーション117の各々の少なくとも一部と位置合わせされてもよい。
【0080】
犠牲誘電体層121の形成に続いて、化学機械研磨プロセスを使用して接合面221をさらに平坦化することができる。したがって、犠牲誘電体層121は、犠牲基板101上の複数のモノリシックLEDピクセル1を試験基板200に接合するために、共通半導体層102の第2の表面132と位置合わせされるほぼ平坦な表面を提供することができる。
【0081】
試験基板200の一例を
図12に示す。試験基板200は、犠牲誘電体層121の接合面221が接合され得る表面を提供する。
【0082】
本開示の第1の実施形態によれば、試験基板200は、
図11に示すLEDサブピクセル100の中間アレイの接合面221と接触する試験基板表面210を提供する。
【0083】
いくつかの実施形態では、例えば
図12に示すように、試験基板200は電子基板201を備える。いくつかの実施形態では、電子基板201は、シリコンウェハ、または電子回路の形成に適した他の任意の他の基板を備えることができる。
図12に示す実施形態などのいくつかの実施形態では、複数の電子層202、203、204、205を電子基板201の表面に設けることができる。複数の電子層は、第1の電子基板201上に電子接続および/または回路を形成するために、金属層202、204および絶縁層203、205を備えてもよい。試験基板200は、モノリシックLEDピクセル1のための回路を試験するように構成される。試験基板200については、以下でより詳細に説明する。電子層202、203、204、205は、CVD、PECVD、熱蒸着、PVD、またはALDなどの任意の適切な技術を使用して第1の電子基板201上に堆積されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、試験基板200は、犠牲試験誘電体層206を備えることができる。犠牲試験誘電体層206は、接合のために試験基板200の試験基板表面210を提供することができる。犠牲試験誘電体層206は、モノリシックLEDピクセル1を試験基板200から分離するために、犠牲誘電体層121と共に少なくとも部分的に除去されるように構成されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、例えば
図12に示すように、試験基板200はまた、試験エッチング停止層207を備えてもよい。試験エッチング停止層207は、犠牲試験誘電体層206と試験基板200の他の層201、202、203、204、205との間に設けられてもよい。試験エッチング停止層207は、犠牲試験誘電体層206を選択的に除去するために使用される選択的除去プロセスに対してより耐性のある表面を提供するように構成されてもよい。したがって、試験エッチング停止層207は、試験基板200の他の層を選択的除去プロセスから保護するように構成された層を提供する。したがって、試験エッチング停止層207は、試験基板200の再利用性を改善することができる。
【0086】
犠牲試験誘電体層206および試験エッチング停止層207は、二酸化ケイ素および窒化ケイ素の少なくとも1つ以上を備える誘電体層のスタックとして形成されてもよい。犠牲試験層206は、電子基板201の表面に垂直な方向に少なくとも50nmの厚さで形成されてもよい。いくつかの実施形態では、犠牲試験誘電体層206の厚さは、1μm以下であってもよい。試験エッチング停止層207は、電子基板201の表面に垂直な方向に少なくとも20nmの厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、試験エッチング停止層207の厚さは、100nm以下であってもよい。
【0087】
本開示のいくつかの実施形態では、試験基板200は、犠牲基板101の発光面130がさらに処理されている間に複数のモノリシックLEDピクセル1が保持される基板を提供することができる。
【0088】
図13に示すように、試験基板は、モノリシック電子デバイスアレイのモノリシック電子デバイスの各々に電力を供給するように構成された電子試験回路を備える電子基板201を備えることができる。試験基板はまた、LEDサブピクセルの中間アレイのコンタクトメタライゼーション117の配置に対応するように電子基板201上に配置された複数の試験基板電気コンタクトを備えてもよい。いくつかの実施形態では、犠牲試験誘電体層206は、試験接合面を提供するために電子基板201上に形成され、試験接合面は、試験基板電気コンタクトの各々と位置合わせされた開口部を備える。
【0089】
接合プロセスに続いて、試験基板200は、LEDサブピクセル103の各々を試験するために試験基板200からLEDサブピクセルのアレイに電力を供給することによってモノリシック電子デバイスの各々(例えば、LEDサブピクセル103の各々)を試験するように構成されてもよい。このように、試験基板200は、試験基板電気コンタクトとLEDサブピクセルの中間アレイのコンタクトメタライゼーションとの間に電気回路を形成することができる。したがって、LEDサブピクセル103の各々は、モノリシックLEDピクセル1を形成する方法に組み込まれた試験プロセスを使用して並列に試験することができる。
【0090】
そのような実施形態では、試験基板200とモノリシックLEDピクセル1の各々との間に電気接続を形成することができる。互いに接触させる2つの基板間に電気接続を形成するための様々な方法が当業者に知られている。このような第1の実施形態による方法の一例を
図13および
図14に示す。
【0091】
図13に示すように、試験基板200の試験基板表面210には、複数の第7の開口部212が形成されてもよい。第7の開口部の各々は、試験基板表面210から試験基板200の電子層205、203のうちの1つ以上まで延在する。複数の第7の開口部212の各々は、LEDサブピクセル103の各々の金属コンタクトの1つと位置合わせされてもよい。すなわち、試験基板200上の第7の開口部212の配置は、LEDサブピクセル100の中間アレイに設けられた第6の開口部146の配置に対応する。
【0092】
いくつかの実施形態では、例えば
図13に示すように、試験基板200の第7の開口部212内に複数の導電性コンタクト部分208を形成することができる。導電性コンタクト部分208の各々は、試験表面210を越えて試験基板200に垂直な方向に電子層203、205から延在してもよい。したがって、導電性コンタクト部分208は、試験表面210から突出してもよい。導電性コンタクト部分208は、試験表面210が
接合面と接触するときに、導電性コンタクト部分212が、LEDサブピクセル100の中間アレイの様々なコンタクトメタライゼーションと試験基板200の第2のコンタクトとの間に電気接続を形成するように、試験表面210から延在するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、導電性コンタクト部分208は、金属コンタクト、例えばチタン、金、銅またはスズのうちの1つ以上を備えることができる。
【0093】
本開示の第1の実施形態の形成方法によれば、試験基板200を犠牲誘電体層121の接合面221に接合することができる。
図14は、試験基板200がLEDサブピクセル100の中間アレイに接合される例を示す。試験基板200は、位置合わせ接合器(図示せず)を使用して接合面221に接合されてもよい。位置合わせ接合器は、接合面221が試験表面210に平行に配置されることを可能にし、また、試験基板200の導電性コンタクト部分212が犠牲誘電体層121の第6の開口部146と位置合わせされることを可能にする。次いで、位置合わせ接合器は、2つの表面を接触させるように構成され、それによって犠牲誘電体層121が試験基板200の試験基板表面210との接合を形成する。いくつかの実施形態では、位置合わせ接合器は、試験基板表面210と接合面221との間に形成される接合を改善するために、熱および圧力のうちの1つ以上を加えることができる。
【0094】
例えば、いくつかの実施形態では、位置合わせ接合器は、試験基板200をLEDサブピクセル100の中間アレイに接合するために少なくとも10kNの圧縮力を加えることができる。いくつかの実施形態では、位置合わせ接合器は、少なくとも20kN、30kN、または40kNの圧縮力を加えることができる。より大きな圧縮力を加えることによって、基板間の接合を形成する信頼性を向上させることができる。いくつかの実施形態では、プレスは、接合中の基板破壊または基板の他の望ましくない変形のリスクを低減するために、45kN以下の圧縮力を加えることができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、位置合わせ接合器はまた、試験基板200および/またはLEDサブピクセル100の中間アレイを加熱するように構成されてもよい。例えば、位置合わせ接合器は、試験基板200および/またはLEDサブピクセル100の中間アレイを少なくとも100℃の温度まで加熱するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、位置合わせ接合器は、試験基板200および/またはLEDサブピクセル100の中間アレイを少なくとも200℃、300℃、400℃、または500℃の温度まで加熱するように構成されてもよい。位置合わせ接合器は、圧縮下で温度を保持するように構成されてもよく、任意選択的に一定期間温度を保持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、期間は、少なくとも1分、2分、5分、10分または1時間であり得る。したがって、プレスを使用して、試験基板200とLEDサブピクセル100の中間アレイとの間の界面における直接的な融合接合の形成を改善することができる。
【0096】
2つの基板を互いに接合するための様々な方法が知られている。例えば、
図14の実施形態では、犠牲誘電体層121は、犠牲試験誘電体層206と直接接合を形成する。他の実施形態では、試験基板200を接合面221に接合するために、試験基板200および/またはLEDサブピクセル100の中間アレイの一方または両方に異なる接合技術および接合層を設けることができる。位置合わせ接合器はまた、導電性コンタクト部分212と各LEDサブピクセル103の第1および第2のコンタクトとの間に電気接続を形成するように構成されてもよい。
【0097】
第1の実施形態では、
図14に示すように、犠牲誘電体層121および犠牲試験誘電体層206は、それぞれ犠牲基板101および電子基板201にわたって実質的に連続した層として延在してもよいことが理解されよう。したがって、犠牲誘電体層121および犠牲試験誘電体層206は、ウエハを互いにしっかりと接合するために、LEDサブピクセル100の中間アレイの接合面のかなりの部分の上に直接接合を形成する。さらに、導電性コンタクト部分208を介して、試験基板200の電子層203、205とLEDサブピクセル30の各々との間に低抵抗コンタクト接合を形成することができる。
【0098】
LEDサブピクセル100の中間アレイが試験基板200に接合されると、LEDサブピクセル100の中間アレイを試験することができる。このように、モノリシック電子デバイスアレイの各モノリシック電子デバイスは、複数の第1および第2の電気コンタクトを介して試験基板200からモノリシック電子デバイスアレイ(すなわち、LEDサブピクセル100の中間アレイ)に電力を供給することによって試験することができる。試験手順については、
図29を参照して以下でより詳細に説明する。
【0099】
試験手順に加えて、各モノリシックLEDピクセル1の発光面をさらに処理して、各モノリシックLEDピクセル1を分離し、モノリシックLEDピクセル1の各々の光抽出特徴部を形成することができる。試験手順は、モノリシックLEDピクセル1の各々を試験基板200から除去する前の任意の時点で実行することができる。
【0100】
したがって、第1の実施形態を形成する方法は、モノリシックLEDピクセルの各々を分離するためのピクセル画定トレンチ118のグリッドと位置合わせされた犠牲基板101の厚さを介して犠牲基板101の第1の部分を選択的に除去するステップをさらに備える。例えば、
図15に示すように、犠牲基板101の第1の部分を除去して、発光面130に垂直な方向に犠牲基板101の厚さを貫通する複数の第8の開口部148を画定する。
第8の開口部は、当業者に知られている任意の選択的除去プロセス、例えば、犠牲基板101のリソグラフィおよびエッチングを備えるプロセスを使用して形成することができる。ピクセル画定トレンチおよび犠牲基板101の第1の部分は、各モノリシックLEDピクセル1を取り囲む。したがって、ピクセル画定トレンチ118と位置合わせされた犠牲基板101の第1の部分を除去することによって、犠牲基板101は、モノリシックLEDピクセル1の各々を互いに接続しなくなる。むしろ、犠牲誘電体層121と試験基板200との間に形成される接合は、試験基板200上のモノリシックLEDピクセル1の各々の相対位置を維持するように作用する。
【0101】
第1の実施形態を形成する方法はまた、モノリシックLEDピクセル1の各々の光抽出特徴部を形成するステップを備える。いくつかの実施形態では、モノリシックピクセル1の各々の光抽出特徴部は、モノリシックLEDピクセルの各々から抽出される光の効率を改善することができる。いくつかの実施形態では、光抽出特徴部は、モノリシックLEDピクセル1の各々によって放射される光を変調することができる。例えば、光抽出特徴部は、モノリシックLEDピクセル1が少なくとも2つの異なる(ピーク)波長の光を出力することができるように、モノリシックLEDピクセル1のLEDサブピクセルのうちの1つ以上に色変換層を提供することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、例えば
図15に示すように、モノリシックLEDピクセル1の各サブピクセルの第1の光抽出
特徴部は、LEDサブピクセル103の各々と位置合わせされた犠牲基板101の第2の部分を選択的に除去することによって形成される。
【0103】
犠牲基板101の第2の部分は、発光面130に垂直な方向に犠牲基板101の厚さを貫通して選択的に除去することができる。このように、犠牲基板101の第2の部分を除去して、犠牲基板101の厚さを貫通する複数の第9の開口部149を画定する。犠牲基板101の第2の部分を除去することによって、各LEDサブピクセル103の発光領域は、発光面130を介してより効率的に光を出力することができる。
【0104】
選択的に除去される犠牲基板101の第2の部分の各々は、LEDサブピクセル103の各々と位置合わせされる。したがって、各モノリシックLEDピクセル1は、犠牲基板101の厚さを貫通して複数の第9の開口部149を画定するように選択的に除去された犠牲基板101の複数の第2の部分を有することができる。選択的に除去される第2の部分の数は、モノリシックLEDピクセル1ごとのLEDサブピクセル103の数に対応する。
図15に示すように、第9の開口部149の面積は、少なくとも各LEDサブピクセルの発光面積と同じ大きさであってもよい。したがって、各LEDサブピクセルによって生成された光は、各LEDサブピクセルのそれぞれの第9の開口部149を通って導かれてもよい。
【0105】
図15に示すように、犠牲基板101の残りの部分は、各LEDサブピクセルの発光面の各々を他のLEDサブピクセル103の他の発光面から効果的に分離する。したがって、いくつかの実施形態では、犠牲面101の残りの部分は、LEDサブピクセル間のクロストークを低減または排除することができる。
【0106】
図15の実施形態において、犠牲基板101の第2の部分は、各LEDサブピクセルのための容器容積151を形成するために選択的に除去されてもよい。したがって、容器容積は、
図15に示す複数の第9の開口部149に対応してもよい。容器容積151は、犠牲誘電体層101および共通半導体層102の表面の露出した第1の部分170を貫通して形成された第9の開口部149によって画定された容積であってもよい。容器容積151の各々は、色変換層が設けられ得る容積を提供するために設けられてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、例えば
図16に示すように、各モノリシックLEDピクセル1の容器容積151のうちの少なくとも1つに第1の色変換層160を設けることができる。第1の色変換層160は、第1の波長の光を吸収し、第1の波長よりも長い第1の変換光波長の変換光を放射するように構成されてもよい。したがって、第1の色変換層160は、その上にそれが設けられるLEDサブピクセルによって放射された光を異なるより長い波長の光に変換するために設けられてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、第1の色変換層160は、蛍光体、有機分子、または複数の量子ドットを備えてもよい。表面積が1mm2を超える容器容積を有するLEDサブピクセルアレイの場合、蛍光体の粒径が大きいほど有利であり得る。表面積が1mm2を超える容器容積を有するLEDサブピクセルアレイの場合、例えばモノリシックマイクロLEDピクセルの場合、粒径が小さいため、量子ドットを備える色変換層を使用することが有利であり得る。量子ドットを含む色変換材料は当業者に公知である。色変換層として使用するのに適した量子ドットのさらなる詳細は、少なくともGuan-Syun Chenらによる「monolithic Red/Green/Blue Micro-LEDs with HBR and DBR structures」に見出すことができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、第1の色変換層160は、LEDサブピクセルの容器容積151を完全に満たしてもよい。他の実施形態では、第1の色変換層160は、LEDサブピクセルの容器容積を部分的に満たしてもよい。例えば、
図16に示すように、第1の色変換層160は、第1の容器容積の全容積を実質的に満たす。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1の色変換層は、約380nm~490nmの第1の波長を有する光を、少なくとも500nm~650nmの第1の変換光波長を有する第1の変換光にまず変換するように構成されてもよい。すなわち、第1の色変換層160は、LEDサブピクセル103によって生成された実質的に青色の可視光を、前記LEDサブピクセルによって出力される実質的に緑色の可視光に変換するように構成されてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、例えば
図16に示すように、各モノリシックLEDピクセル1は、第2の色変換層161をさらに備えてもよい。第2の色変換層161は、各モノリシックLEDピクセル1の容器容積のうちの少なくとも1つの他の部分に設けられてもよい。第2の色変換層161は、第1の波長の光を吸収し、第1の変換光波長よりも長い第2の変換光波長の変換光を放射するように構成されてもよい。したがって、モノリシックLEDピクセル1にさらなる光の色を提供するために、第1の色変換層160に加えて第2の色変換層161を設けることができる。すなわち、色変換層を有さないLEDサブピクセル、第1の色変換層160を備えるLEDサブピクセル、および第2の色変換層161を備えるLEDサブピクセルを備えるモノリシックLEDピクセル1は、3つの異なるピーク波長を備える光を出力することができる。例えば、
図16の実施形態では、モノリシックLEDピクセル1は、実質的に赤色、緑色および青色の成分を含む可視光を出力するように構成されてもよい。
【0112】
第2の色変換層161は、蛍光体または複数の量子ドットを備えてもよい。したがって、第2の色変換層161は、第1の色変換層160と同様の方法で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の色変換層は、少なくとも380nm~490nmまでの波長を有する第1の光を、少なくとも550nm~680nm以下の第2の変換光波長を有する第2の変換光に変換するように構成されてもよい。
【0113】
図1および
図2に戻ると、
図3~
図16に示す断面は、モノリシックLEDピクセル1内に含まれる3つのLEDサブピクセルのうちの2つを示していることが理解されよう。したがって、他のLEDサブピクセル(
図16には示さず)は、第1または第2の色変換層160、161を含まなくてもよいことが理解されよう。
【0114】
いくつかの実施形態では、容器容積151は、色変換層の代わりに光散乱媒体(図示せず)を備える。例えば、
図1に示す実施形態では、Bサブピクセルは、第1の波長を有する光を放射するように構成される。したがって、Bサブピクセル用の容器容積151は、色変換層160、161を含まない。
図1の実施形態において、Bピクセルの容器容積151は、光散乱媒体を含む。光散乱媒体は、Bピクセルによって出力された光がランバート配光、または120度(またはそれ以上)の半値全幅(FWHM)を有するように光を散乱するように構成され得る。したがって、光散乱媒体は、B LEDサブピクセルから放射される光の光抽出効率および視野角を改善するために提供され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、犠牲基板101の第2の部分は、共通半導体層102の表面の第1の部分170が露出するように、犠牲基板の厚さを貫通して選択的に除去されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば
図16に示すように、モノリシックLEDピクセル1の各々に対して第3の光抽出特徴部を形成することができる。第3の光抽出特徴部は、共通半導体層102の表面の第1の部分170をパターニングして、各LEDサブピクセルの光抽出効率を高めるように構成された光散乱特徴部171を形成することによって形成されてもよい。
【0116】
例えば、
図16の実施形態では、共通半導体層102の第1の部分170の領域を選択的に除去してテクスチャ加工表面を形成することによって、光散乱特徴部171が形成される。共通半導体層102と容器容積の各々との間の界面にテクスチャ加工表面を設けることは、共通半導体層102と容器容積151との間の界面で生じる全内部反射を低減するのに役立ち得る。したがって、共通半導体層102の表面の第1の部分170のパターニングによって形成される光散乱特徴部171は、各LEDサブピクセルの光抽出効率を高めるように構成される。すなわち、各LEDサブピクセルによって出力される光の量は、共通半導体層102と容器容積との間の界面で反射される光の割合を減少させることによって増加させることができる。
図16の実施形態では、共通半導体層102の表面の第1の部分170をパターニングするために選択的除去プロセスが使用されるが、他の実施形態では、発光ダイオードからの光抽出効率を改善することを目的とした反射防止コーティングまたは他の同様の光学コーティングが提供されてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、例えば
図17に示すように、各モノリシックLEDピクセル1のLEDサブピクセルのいくつかの上にポンプ光反射器積層体180を設けることができる。ポンプ光反射器積層体は、第1および/または第2の色変換層160、161を備えるLEDサブピクセルの容器容積の上に設けられてもよい。ポンプ光反射器積層体は、第1の波長のポンプ光を吸収し、第1および/または第2の波長色変換波長の波長を有する光を透過するように構成されてもよい。効果的には、ポンプ光反射器積層体は、第1の波長の波長を含む狭い波長阻止帯域と、第1および/または第2の変換光波長を含む通過帯域とを有するように構成された帯域阻止フィルタである。
【0118】
適切なポンプ光反射器積層体の一例は、分布ブラッグ反射器であってもよい。適切な分布ブラッグ反射器の例は、米国特許第11/508,166号明細書に見出すことができる。当然のことながら、色変換層を含まないLEDサブピクセル(すなわち、第1の波長を放射するLEDサブピクセル
)であって、ポンプ光反射器積層体は前記LEDサブピクセルの上に設けられていなくてもよいことが理解されよう。
図17の実施形態では、第1および第2の色変換層160、161を含む容器容積151にわたって、1つのポンプ光反射器積層体180が設けられている。例えば、
図17の実施形態では、ポンプ光反射器積層体は、TiO
2(屈折率約2.6)とSiO
2(屈折率約1.5)との交互層を備えてもよい。他の実施形態では、容器容積151の各々に対して異なるポンプ光反射器積層体を設けることができる。
【0119】
光抽出特徴部の形成に続いて、各モノリシックLEDピクセル1を試験基板200から分離するために、犠牲誘電体層121を選択的に除去することができる。例えば、
図18に示すように、犠牲誘電体層121は選択的に除去されている。第1の実施形態の製造方法によれば、犠牲試験誘電体層206も選択的に除去されている。エッチング停止層119および試験エッチング停止層207は、モノリシックLEDピクセル1の他の層および試験基板200を保護するために、選択的除去プロセスがより確実に終了し得る表面を提供する。
【0120】
犠牲誘電体層121の除去後、各モノリシックLEDピクセルは、発光面130と、平坦化誘電体表面217とを含むことが理解されよう。発光面130および平坦化誘電体表面は、平坦化誘電体層、共通半導体層、および犠牲基板の側壁表面によって画定される側壁によって分離される。これらの側壁表面は、モノリシックLEDピクセル1を形成する方法の間に実行された早期のエッチングプロセスの結果として形成される。したがって、平坦化誘電体層、共通半導体層、および犠牲基板は、モノリシックLEDピクセル1の各々の発光面を囲むエッチングされた側壁を画定する。
【0121】
図18に示すように、犠牲誘電体層121の除去後も、モノリシックLEDピクセル1は、複数の導電性コンタクト部分208によって試験基板に接続され得る。導電性コンタクト部分208とモノリシックLEDサブピクセル1の各々との間の接続は、比較的弱いことが理解されよう。したがって、
図18に示すように、モノリシックLEDサブピクセル1は各々、試験基板から持ち上げられて、導電性コンタクト部分208とモノリシックLEDピクセル1との間のコンタクトを破壊してもよい。例えば、ピックアンドプレース質量移送機は、モノリシックLEDピクセルの各々
を順番に除去することができる。犠牲誘電体層121の除去後の各モノリシックLEDピクセル1間の間隔は、各モノリシックLEDピクセル1をより容易に操作するためのピックアンドプレース質量移送機のための空間を提供することができる。
【0122】
このように、本開示の第1の実施形態によれば、モノリシックLEDピクセル1が提供される。LEDピクセル1は、犠牲基板101と、共通半導体層102と、LEDサブピクセルのアレイと、平坦化誘電体層とを備える。共通半導体層102は、犠牲基板101上に設けられたIII族窒化物を備える。LEDサブピクセルのアレイは、共通半導体層102の犠牲基板101とは反対側の共通半導体層102の表面上に設けられる。LEDサブピクセルのアレイの各LEDサブピクセルは、III族窒化物層のスタックを備える。LEDサブピクセルのアレイ上に設けられた平坦化誘電体層は、共通半導体層102の表面とほぼ位置合わせされた平坦化誘電体表面217を提供する。平坦化誘電体層、共通半導体層102、および犠牲基板101は、モノリシックLEDピクセル103の発光面を囲むエッチングされた側壁を画定する。モノリシックLEDピクセル1は、LEDサブピクセルの各々と位置合わせされた犠牲基板の厚さを貫通して設けられた第1の開口部を備える光抽出特徴部をさらに備える。
【0123】
第1の実施形態によるモノリシックLEDピクセル1の一例を
図1および
図2に示す。線A-A’に沿ったモノリシックLEDピクセル1の断面を
図19に示す。モノリシックLEDピクセル1のさらなる特徴は、第1の実施形態のモノリシックLEDピクセル1を形成する方法に関して上述した様々な層の機能から明らかになるであろう。
【0124】
次に、
図2に示すB-B’線に沿った断面を参照して、第1の実施形態によるモノリシックLEDピクセル1の形成方法について説明する。
【0125】
図2の平面図に示すように、モノリシックLEDピクセル1は、4つのコンタクトメタライゼーション117を備える。コンタクトメタライゼーション117のうちの3つは、アノードコンタクトメタライゼーション、A
R、A
G、A
Bであり、3つのLEDサブピクセル103の各々に対して1つである。したがって、
図2に示すモノリシックLEDピクセル1は、赤、緑、および青のLEDサブピクセルR、G、Bの各々に対して、1つのアノードコンタクトメタライゼーションA
R、A
G、A
Bを含む。アノードコンタクトメタライゼーションA
R、A
G、A
Bの各々は、3つのLEDサブピクセル103R、G、Bのそれぞれのアノードへの電気接続を形成するように構成される。
【0126】
さらに、
図2に示すように、モノリシックLEDピクセル1は、共通カソードコンタクトメタライゼーションC
Cを含む。共通カソードコンタクトメタライゼーションC
Cは、LEDサブピクセル103のカソードの各々への電気接続を提供するように構成される。したがって、共通カソードコンタクトメタライゼーションC
Cは、共通半導体層102に対する単一のコンタクトポイント、または第1の実施形態などのいくつかの実施形態では、共通半導体層に対する複数のコンタクトポイントを備えてもよい。したがって、モノリシックLEDピクセル1は、LEDサブピクセルR、G、Bの各々が他のLEDサブピクセルR、G、Bから独立して制御され得るように、各LEDサブピクセルに対して共通カソードコンタクトメタライゼーションC
CおよびアノードコンタクトメタライゼーションA
R、A
G、A
Bを備えることができる。
【0127】
図2に示すように、コンタクトメタライゼーションC
C、A
R、A
G、A
Bは、モノリシックLEDピクセル1がピックアンドプレースプロセスの一部としてさらなる基板上に実装され得るように層内に設けられる。さらに、共通カソードコンタクトメタライゼーションC
CをモノリシックLEDピクセル1に統合するために、共通カソードは、LEDサブピクセルのうちの1つ以上と重なるように配置されてもよい。このような配置の例を、
図2に示すB-B’線に沿った断面を参照して説明する。
【0128】
図20は、線B-B’に沿った本開示の第1の実施形態を形成する方法の中間ステップを示す。
図20に示すように、犠牲基板101が設けられる。犠牲基板101上には、共通半導体層102が設けられる。次いで、共通半導体層102上に複数のLEDサブピクセル103が形成される。したがって、
図20の図は、本開示の
図4に示す図の代替図である。
図20および
図1の図から、
図20に示すLEDサブピクセル103は、モノリシックLEDピクセル1の他のLEDサブピクセル103とは異なる表面積を有することが理解されよう。例えば、
図20に示すLEDサブピクセルGは、モノリシックLEDピクセル1の他のLEDサブピクセルR、Bの表面積の少なくとも2倍である。LEDサブピクセルGの表面積の増加は、他のLEDサブピクセルR、Bに対して共通半導体層102の表面と位置合わせされたLEDサブピクセルGの1つの寸法を伸長することによってもたらされる。すなわち、
図20に示すLEDサブピクセル103は、モノリシックLEDピクセル1を形成する他のLEDサブピクセル103とは異なるサイズである。第1の実施形態では、3つのLEDサブピクセル103のうちの最大のものとして、実質的に緑色の可視光を出力するLEDサブピクセル103Gが設けられる。
【0129】
次に、
図21に示すように、LEDサブピクセル103間の領域で共通半導体層102上に複数の第1のコンタクト層106を形成する。第1のコンタクト層106は、共通半導体層102への電気接続を提供するように構成されている。
図20に示すように、LEDサブピクセル103の両側に複数の第1のコンタクト層が設けられている。
【0130】
さらに、複数のLEDサブピクセル103の上に第1のパッシベーション層107が形成されている。第1のパッシベーション層107には、第1のコンタクト層106の各々と位置合わせされた複数の第1の開口部141が形成されている。次いで、カソードコンタクト層109が、第1のパッシベーション層107の第1の開口部141内に形成される。したがって、カソードコンタクト層109は、第1のコンタクト層106上に設けられている。第1のパッシベーション層107には、複数の第2の開口部142も形成されている。第2の開口部の各々は、LEDサブピクセル103のうちの1つと位置合わせされる。複数の第2の開口部142には、LEDサブピクセル103の各々のアノードへの電気接続を形成するために、アノードコンタクト層108が形成されている。したがって、
図21に示す中間構造は、
図5に示す中間構造の代替図である。
【0131】
カソードコンタクト層109およびアノードコンタクト層108の形成に続いて、平坦化誘電体層が形成される。上述したように、平坦化誘電体層を形成するプロセスの一部は、各モノリシックLEDピクセル1のLEDサブピクセル103の各々に電気接続を行うことを可能にするコンタクトメタライゼーション117の形成を含む。
図22に示すように、平坦化誘電体層は、複数のパッシベーション層から構築されてもよい。例えば、
図22に示すように、第2のパッシベーション層112がLEDサブピクセル103のアレイの上に形成される。次いで、アノードコンタクト層108およびカソードコンタクト層109への電気接続を形成するための第1のコンタクトメタライゼーション114の形成を可能にするために、複数の第3の開口部143が第2のパッシベーション層112に形成されてもよい。
図22に示すように、複数の第1のコンタクトメタライゼーション114は第3の開口部143内に設けられている。
図22に示すように、複数の第1のコンタクトメタライゼーション114は、第2のパッシベーション層112を貫通してアノードコンタクト層108まで延在し、さらなる第1のコンタクトメタライゼーション114は、第2のパッシベーション層112を貫通してカソードコンタクト層109まで延在する。
【0132】
次に、
図23に示すように、第3のパッシベーション層115が第2のパッシベーション層112の上に形成される。第3のパッシベーション層115には、第4の開口部144が形成されている。第4の開口部144は、各LEDサブピクセル103および共通カソードへの電気コンタクトごとに第2のコンタクトメタライゼーション117が提供される第3のパッシベーション層の領域を画定する。
図23の実施形態に示すように、共通カソードコンタクトメタライゼーションC
Cは、共通半導体層102に垂直な平面内でLEDサブピクセル103と重なる第3のパッシベーション層115の第4の開口部144内に設けられる。LEDサブピクセルのうちの1つ以上と重なる共通カソードコンタクトメタライゼーションC
Cを提供することによって、共通カソードコンタクトメタライゼーションは、より空間効率的な方法でモノリシックLEDピクセル1内に設けられ得る。すなわち、共通カソードコンタクトメタライゼーションC
Cは、モノリシックLEDピクセル1の発光面の一部に重なる。その結果、モノリシックLEDピクセルの発光面130のより大きな割合は、共通カソードコンタクトメタライゼーションC
Cのための空間を提供するように別様に提供される必要がある非発光面部分ではなく、各LEDサブピクセルの発光素子によって占められる。
【0133】
図23にも示すように、
図23に示すLEDサブピクセルGのためのアノードコンタクトメタライゼーションを形成するために、アノードコンタクトメタライゼーションA
Gが第4の開口部144のうちの別の開口部に設けられる。したがって、第1の電気コンタクトは、LEDサブピクセルの各々に設けられる。
図23に示すように、各LEDサブピクセルには、モノリシックLEDピクセルごとにアノード第1の電気コンタクトおよび共通カソード第1の電気コンタクトが設けられる。もちろん、他の実施形態では、第1の電気コンタクトの数は、モノリシック電子デバイスの特定の特徴に依存する。
【0134】
図23に示す構造は、線B-B’に沿って見た、本開示の
図9に示すものと同じ中間構造であることが理解されよう。したがって、第3のパッシベーション層115ならびにカソードおよびアノードコンタクトメタライゼーションは、モノリシックLEDピクセル1のための平坦化誘電体表面を形成することが理解されよう。
【0135】
アノードおよびカソードコンタクトメタライゼーションの形成に続いて、モノリシックLEDピクセル1を形成する方法は、
図10および
図11に関連して上述したように継続する。これにより、
図24に示すように、ピクセル画定トレンチ118が形成される。
図25において、エッチング停止層119および犠牲誘電体層121は、
図3から
図11に関連して上述したように、LEDサブピクセル100の中間アレイを形成するために、ピクセル画定トレンチ118および平坦化誘電体層の上に形成される。
【0136】
次に、LEDサブピクセル100の中間アレイが、上述のように試験基板200に接合される。
図27は、モノリシックLEDピクセル1の線B-B’と位置合わせされる試験基板の部分に対応する試験基板200の断面を示す。したがって、試験基板200は、電子基板201および複数の電子層202、203、204、205を含む。第1の実施形態では、試験基板200はまた、試験エッチング停止層207および犠牲試験誘電体層206を含む。
【0137】
図27に示すように、試験基板200は、モノリシックLEDピクセル1の各々を試験するように構成されている。
図27に示すように、複数の電子層202、203、204、205は、アノードコンタクトメタライゼーションA
G A
B A
RおよびカソードコンタクトメタライゼーションC
Cへの電気接続を提供するように配置される。
【0138】
例えば、試験基板200は、第1の導電層203および第2の導電層205を備える。導電層の各々は、導電性材料、例えば金、アルミニウム、銅などの金属を備えてもよい。
【0139】
試験基板はまた、第1の絶縁層202および第2の絶縁層204を備えてもよい。第1および第2の絶縁層202、204は、任意の適切な誘電性材料、例えば二酸化ケイ素を備えてもよい。第1の絶縁層202は、第1の導電層203が設けられ得る表面を提供してもよい。次いで、第1の導電層203を封入するために、第1の導電層203の上に第2の絶縁層204が設けられてもよい。次いで、第2の絶縁層204の上に第2の導電層205が形成されてもよい。したがって、電子層202、203、204、205のスタックは、LEDサブピクセルの中間アレイのアノードコンタクトメタライゼーションAG AB ARおよびカソードコンタクトメタライゼーションCCの各々への電気接続を提供するようなパターンで形成されてもよい。したがって、試験基板200の複数の電子層202、203、204、205は、LEDサブピクセル100の中間アレイに接合することができる各LEDサブピクセル用の電気試験回路を提供するように構成されてもよい。すなわち、試験基板がLEDサブピクセル100の中間アレイに接合されると、複数の電子層202、203、204、205は、LEDサブピクセル103の各々に電力を供給するように構成される。
【0140】
図27に示すように、LEDサブピクセル100の中間アレイに設けられたアノードコンタクトメタライゼーションA
G A
B A
RおよびカソードコンタクトメタライゼーションC
Cの配置に対応する複数の第7の開口部212が、試験基板表面210内に形成される。次いで、複数の導電性コンタクト部分208が、試験基板200の第7の開口部212の各々内に形成される。
【0141】
上述したように、LEDサブピクセル100の中間アレイは、試験基板200に接合されるように構成される。線B-B’に沿って互いに接合されているLEDサブピクセル100の中間アレイおよび試験基板200の図を
図28に示す。したがって、
図28から、カソードコンタクト層109は、カソードコンタクトメタライゼーションC
Cを介して試験基板の第1の導電層203に電気的に接続されることが理解されよう。LEDサブピクセルG用のアノードコンタクト層108は、アノードコンタクトメタライゼーションA
Gを介して試験基板の第2の導電層205に電気的に接続される。
【0142】
LEDサブピクセル100の中間アレイを試験基板200に接合した後、LEDサブピクセル100の中間アレイの発光面130をさらに処理して、光抽出特徴部を形成することができる。例えば、
図29に示すように、容器容積151が犠牲基板101内に形成される。容器容積151は、第1の色変換材料160で充填され、ポンプ光反射器180は、容器容積151の上に設けられる。このように、
図29に示す構造は、
図17に示す構造とは別の図である。
【0143】
最後に、例えば
図30に示すように、各モノリシックLEDピクセル1は、例えば質量移送ピックアンドプレース機を使用して試験基板200から除去することができる。
【0144】
犠牲誘電体層121を除去し、各モノリシックLEDピクセル1を試験基板200から解放する前に、各LEDサブピクセルを試験することができる。試験手順の一部として、試験基板の第1および第2の導電層203、205は電源に接続されてもよい。したがって、電圧は、LEDサブピクセル100の中間アレイの各LEDサブピクセルを通る電流を駆動するために、第1および第2の導電層203、205にわたって印加されてもよい。第1の実施形態によれば、試験手順は、LEDサブピクセルの中間アレイ内のLEDの各々を同時に点灯するように構成される。次いで、試験分析装置、例えばカメラまたは他の感光センサは、LEDサブピクセル100の中間アレイのLEDサブピクセルから放射された光を検出することができる。次いで、試験分析装置によって記録された情報(例えば、カメラによって記録された画像)をプロセッサによって使用して、LEDサブピクセル103のいずれかが動作していないかどうかを判定することができる。1つ以上の非動作LEDサブピクセル103を含むと識別される中間アレイ100内の任意のモノリシックLEDピクセル1を識別することができ、その後のピックアンドプレースプロセスでは使用しない。したがって、試験基板200は、モノリシックLEDピクセル1のアレイが並列に試験されることを可能にする。このような並列試験プロセスは、試験基板200から除去された後に各モノリシックLEDピクセル1を試験するよりも効率的である。したがって、モノリシックLEDピクセル1の各々の並列試験のプロセスは、モノリシックLEDピクセル1を製造する方法に統合することができる。
【0145】
もちろん、本開示は上記の試験手順に限定されないことが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、試験基板は、モノリシック電子デバイスの各々を独立して試験するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、試験手順は、所定の電圧が印加されたときに各モノリシック電子デバイスを通って予想される量の電流が流れることを確認することを含むことができる。したがって、試験基板200をLEDサブピクセルの中間アレイに接合した後、試験手順をいつでも実行することができる。
【0146】
図30に示すように、モノリシックLEDピクセル1を試験基板200から除去した後、試験基板200の試験回路は実質的に変化しない。したがって、試験基板200は、モノリシックLEDピクセル1のさらなる製造プロセスに再利用することができる。試験基板200が犠牲試験誘電体層からLEDサブピクセル100の中間アレイに接合するための表面を含むいくつかの実施形態では、犠牲試験誘電体層は、その再使用の前に試験基板200上に再び形成される必要があり得る。
【0147】
これにより、本開示の第1の実施形態によるモノリシックLEDピクセル1が提供される。いくつかの実施形態では、モノリシックLEDピクセルの各々は、モノリシックマイクロLEDピクセルであってもよい。したがって、LEDサブピクセルの各々は、100μm×100μm以下のサイズを有するマイクロLEDサブピクセルであってもよい。いくつかの実施形態では、共通半導体層上の各LEDサブピクセルの表面積は、100μm×100μm以下の面積を画定することができる。いくつかの実施形態では、共通半導体層上の各LEDサブピクセルの表面積は、50μm×50μm、30μm×30μm、20μm×20μm、または10μm×10μm以下の面積を画定することができる。
【0148】
本発明の好ましい実施形態を本明細書で詳細に説明したが、本発明または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく変形が可能であることは当業者には理解されよう。