(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】ネットワークのための帯域幅部分管理の方法、および、そのためのコントローラ
(51)【国際特許分類】
H04W 72/541 20230101AFI20240304BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240304BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20240304BHJP
【FI】
H04W72/541
H04W72/0457
H04W28/16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023068405
(22)【出願日】2023-04-19
【審査請求日】2023-04-19
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】王▲ユ▼傑
(72)【発明者】
【氏名】陳凱文
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0399821(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0104416(US,A1)
【文献】特開2008-277973(JP,A)
【文献】特開2000-316183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラによって実行される、ネットワークのための帯域幅部分(BWP)管理の方法であって、
前記方法は、複数のユーザ機器の位置情報を受信する工程を含み、
前記ネットワークは、複数の前記ユーザ機器と通信する複数の基地局を含み、複数の前記ユーザ機器は、第1ユーザ機器と、第2ユーザ機器と、を含み、
前記方法は、複数の前記ユーザ機器の干渉ステータスを得るために、複数の前記ユーザ機器の前記位置情報と複数の前記基地局の位置情報とに基づいて、複数の前記ユーザ機器のうちの任意の2つのユーザ機器の間に干渉が存在するか否かを判定する工程を含み、
前記方法は、少なくとも1つの基地局コンビネーションを生成する工程を含み、
少なくとも1つの前記基地局コンビネーションの各々における、任意の2つの基地局の(1以上の)ユーザ機器の間には、干渉が存在し、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションは、第1基地局コンビネーションを含み、前記第1基地局コンビネーションは、第1基地局と、第2基地局と、を含み、前記第1基地局は、前記第1ユーザ機器と通信し、前記第2基地局は、前記第2ユーザ機器と通信し、前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間には、干渉が存在し、
前記方法は、BWPリソース配分結果を得るために、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションと複数の前記ユーザ機器の前記干渉ステータスとに基づいて、BWPリソース配分を実行する工程を含み、
前記BWPリソース配分結果において、前記第1ユーザ機器は、第1BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第2ユーザ機器は、第2BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第1BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とは異なる、方法。
【請求項2】
下りリンク通信については、前記第2ユーザ機器と前記第1基地局との間の距離から前記第1ユーザ機器と前記第1基地局との間の距離を差し引いた距離が、第1干渉半径未満であるとき、前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間に干渉が存在すると判定され、
上りリンク通信については、前記第1ユーザ機器と前記第2基地局との間の距離から前記第1ユーザ機器と前記第1基地局との間の距離を差し引いた距離が、第2干渉半径未満であるとき、前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間に干渉が存在すると判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1BWP周波数帯域の単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅をP、QまたはNで割ることによって得られ、
P、QおよびNは、整数であり、
Pは、前記第1基地局コンビネーションにおける、特定基地局のユーザ機器の量であり、
前記特定基地局は、前記第1基地局コンビネーションにおいて、最大量のユーザ機器を有し、
Qは、前記第1基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合うユーザ機器の量であり、
Nは、PおよびQから選択される最大数である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワークに対する関係グラフを確立する工程
をさらに含み、
前記関係グラフは、複数のノードと、複数の接続線と、を含み、複数の前記ノードは、第1ノードと、第2ノードと、を含み、複数の前記接続線は、第1接続線を含み、前記第1ノードは、前記第1基地局を表し、前記第2ノードは、前記第2基地局を表し、前記第1接続は、前記第1ノードと前記第2ノードとを接続し、
前記関係グラフは、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションに対応する少なくとも1つの完全グラフを含み、少なくとも1つの前記完全グラフは、前記第1基地局コンビネーションに対応する第1完全グラフを含み、
前記第1完全グラフの複数の前記基地局における互いに干渉し合う複数の前記ユーザ機器は、前記BWPリソース配分結果において、異なるBWP周波数帯域を割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1基地局コンビネーションは、第3基地局をさらに含み、複数の前記ユーザ機器は、第3ユーザ機器をさらに含み、前記第3ユーザ機器は、前記第3基地局と通信し、前記第3ユーザ機器は、第3BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第3BWP周波数帯域は、前記第1BWP周波数帯域とは異なり、かつ、前記第3BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とは異なり、
少なくとも1つの前記基地局コンビネーションは、第2基地局コンビネーションをさらに含み、前記第2基地局コンビネーションは、前記第1基地局と、第4基地局と、を含み、複数の前記ユーザ機器は、第4ユーザ機器をさらに含み、前記第4ユーザ機器は、前記第4基地局と通信し、前記第4ユーザ機器は、第4BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第4BWP周波数帯域は、前記第1BWP周波数帯域とは異なり、かつ、前記第4BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とオーバーラップする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数の前記ユーザ機器についての複数のスループットがサービスレベル合意における所定の要件に適合するか否かを判定する工程、および、
第1BWPスイッチングコマンドを、前記第1基地局を通じて前記第1ユーザ機器へ発信し、第2BWPスイッチングコマンドを、前記第2基地局を通じて前記第2ユーザ機器へ発信する工程
をさらに含み、
前記第1BWPスイッチングコマンドは、前記第1ユーザ機器が前記第1BWP周波数帯域を割り当てられることを示し、
前記第2BWPスイッチングコマンドは、前記第2ユーザ機器が前記第2BWP周波数帯域を割り当てられることを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ネットワークのためのBWP管理を実行するためのコントローラであって、
前記コントローラは、複数のユーザ機器の位置情報を受信するための情報インターフェースを備え、
前記ネットワークは、複数の前記ユーザ機器と通信する複数の基地局を含み、複数の前記ユーザ機器は、第1ユーザ機器と、第2ユーザ機器と、を含み、
前記コントローラは、プロセッサを備え、
前記プロセッサは、複数の前記ユーザ機器の干渉ステータスを得るために、複数の前記ユーザ機器の前記位置情報と複数の前記基地局の位置情報とに基づいて、複数の前記ユーザ機器のうちの任意の2つのユーザ機器の間に干渉が存在するか否かを判定する工程を実行するように構成されており、
前記プロセッサは、少なくとも1つの基地局コンビネーションを生成する工程を実行するように構成されており、
少なくとも1つの前記基地局コンビネーションの各々における、任意の2つの基地局の(1以上の)ユーザ機器の間には、干渉が存在し、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションは、第1基地局コンビネーションを含み、前記第1基地局コンビネーションは、第1基地局と、第2基地局と、を含み、前記第1基地局は、前記第1ユーザ機器と通信し、前記第2基地局は、前記第2ユーザ機器と通信し、前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間には、干渉が存在し、
前記プロセッサは、BWPリソース配分結果を得るために、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションと複数の前記ユーザ機器の前記干渉ステータスとに基づいて、BWPリソース配分を実行する工程を実行するように構成されており、
前記BWPリソース配分結果において、前記第1ユーザ機器は、第1BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第2ユーザ機器は、第2BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第1BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とは異なる、コントローラ。
【請求項8】
下りリンク通信については、前記第2ユーザ機器と前記第1基地局との間の距離から前記第1ユーザ機器と前記第1基地局との間の距離を差し引いた距離が、第1干渉半径未満であるとき、前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間に干渉が存在すると判定され、
上りリンク通信については、前記第1ユーザ機器と前記第2基地局との間の距離から前記第1ユーザ機器と前記第1基地局との間の距離を差し引いた距離が、第2干渉半径未満であるとき、前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間に干渉が存在すると判定される、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記第1BWP周波数帯域の単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅をP、QまたはNで割ることによって得られ、
P、QおよびNは、整数であり、
Pは、前記第1基地局コンビネーションにおける、特定基地局のユーザ機器の量であり、
前記特定基地局は、前記第1基地局コンビネーションにおいて、最大量のユーザ機器を有し、
Qは、前記第1基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合うユーザ機器の量であり、
Nは、PおよびQから選択される最大数である、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記ネットワークに対する関係グラフを確立する工程を実行するようにさらに構成されており、
前記関係グラフは、複数のノードと、複数の接続線と、を含み、複数の前記ノードは、第1ノードと、第2ノードと、を含み、複数の前記接続線は、第1接続線を含み、前記第1ノードは、前記第1基地局を表し、前記第2ノードは、前記第2基地局を表し、前記第1接続は、前記第1ノードと前記第2ノードとを接続し、
前記関係グラフは、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションに対応する少なくとも1つの完全グラフを含み、少なくとも1つの前記完全グラフは、前記第1基地局コンビネーションに対応する第1完全グラフを含み、
前記第1完全グラフの複数の前記基地局における互いに干渉し合う複数の前記ユーザ機器は、前記BWPリソース配分結果において、異なるBWP周波数帯域を割り当てられる、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記第1基地局コンビネーションは、第3基地局をさらに含み、複数の前記ユーザ機器は、第3ユーザ機器をさらに含み、前記第3ユーザ機器は、前記第3基地局と通信し、前記第3ユーザ機器は、第3BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第3BWP周波数帯域は、前記第1BWP周波数帯域とは異なり、かつ、前記第3BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とは異なり、
少なくとも1つの前記基地局コンビネーションは、第2基地局コンビネーションをさらに含み、前記第2基地局コンビネーションは、前記第1基地局と、第4基地局と、を含み、複数の前記ユーザ機器は、第4ユーザ機器をさらに含み、前記第4ユーザ機器は、前記第4基地局と通信し、前記第4ユーザ機器は、第4BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第4BWP周波数帯域は、前記第1BWP周波数帯域とは異なり、かつ、前記第4BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とオーバーラップする、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記プロセッサは、
複数の前記ユーザ機器についての複数のスループットがサービスレベル合意における所定の要件に適合するか否かを判定する工程、および、
第1BWPスイッチングコマンドを、前記第1基地局を通じて前記第1ユーザ機器へ発信し、第2BWPスイッチングコマンドを、前記第2基地局を通じて前記第2ユーザ機器へ発信する工程
を実行するようにさらに構成されており、
前記第1BWPスイッチングコマンドは、前記第1ユーザ機器が前記第1BWP周波数帯域を割り当てられることを示し、
前記第2BWPスイッチングコマンドは、前記第2ユーザ機器が前記第2BWP周波数帯域を割り当てられることを示す、請求項7に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体として、帯域幅部分(bandwidth part:BWP)管理の方法、および、そのためのコントローラに関する。本開示は、より詳細には、ネットワークのためのBWP管理の方法、および、そのためのコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
適用の多様性および可変性のために、プライベート5Gネットワーク(private 5G network)は、動的(dynamic)サービスレベル合意(service-level agreement:SLA)保証(assurance)を満たす必要がある。例えば、移動するユーザ機器は、安定した体感品質(quality of experience:QoE)を有する必要があり、種々のユーザ機器は種々のQoE要件を有し得、ユーザ機器のQoE要件は動的に変化し得る。5G SLA保証の諸要件を満たすために、スライシング技術(slicing technology)がしばしば用いられる。スライシング技術には、ネットワークスライシング(network slicing)、ソフトウェア定義ネットワーク(software defined network:SDN)、およびリソースブロック(resource block:RB)スケジューリング(scheduling)の技術が含まれる。
【0003】
コアネットワーク(core network)のリソースは、ネットワークスライシング技術を通じてスライスすることができる。送信ネットワークのリソースは、SDN技術を通じてスライスすることができる。無線アクセスネットワーク(radio access network:RAN)のリソースは、リソースブロック(RB)スケジューリングを通じてスライスすることができる。基地局の送信リソースの最小単位は、RBである。RBスケジューリングは、種々のQoE要件を有する種々のユーザに種々の量のタイムスロット(time slot)のRBを配分することによって実行される。
【0004】
しかしながら、複数の基地局を有するネットワークでは、RANは、RB配分を考慮するだけであり、変調および符号レート(modulation and code rate)をどのように増加させるのかを考慮しない。送信の信号品質が乏しい場合、低い変調および符号レートが生み出され、その結果、信号送信のスループット(throughput)が低くなる。したがって、信号送信のスループットを増加させるために、変調および符号レートをどのように改善するのかは、産業にとって重要な課題となっている。
【0005】
例えば、米国特許US 11,202,234 B1号には、ネットワーク内の複数のセルサイト(cell site)における電力およびトラフィック負荷(traffic load)をモニタリングするための複数の分布/中央ユニット(distribution/central units:DU/CU)のセットを含む要素管理制御ユニットを構成する適応的(adaptive)帯域幅(bandwidth:BW)管理のためのシステムおよび方法が提供されている;これは、BW管理ユニットによって検出されたAC停電およびトラフィック負荷低減の状態のセットに応答して、セルサイトにおけるより小さな複数の帯域幅部分(BWP)のセットへユーザを移動させることによって、複数のセルサイトにおいてBWをユーザのために適応させるように、要素管理システムに結合された当該BW管理ユニットと通信している。また、これは、検出された状態のうちの少なくとも1つの状態に応答して、DU/CUからBW管理ユニットへのデータに基づいて、セルサイトにおけるより小さな複数のBWPのセットの、指定された、より低いBWPへユーザトラフィックを移動させるように指示する一方、動作セルサイトの電力を節約するために、セルサイトにおける他のBWPがシャットダウンする。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、コントローラによって実行される、ネットワークのための帯域幅部分(BWP)管理の方法に関する。当該方法は、以下の複数の工程を含む。複数のユーザ機器の位置情報が受信される。前記ネットワークは、複数の前記ユーザ機器と通信する複数の基地局を含む。複数の前記ユーザ機器は、第1ユーザ機器と、第2ユーザ機器と、を含む。複数の前記ユーザ機器の干渉ステータスを得るために、複数の前記ユーザ機器の前記位置情報と複数の前記基地局の位置情報とに基づいて、複数の前記ユーザ機器のうちの任意の2つのユーザ機器の間に干渉が存在するか否かが判定される。少なくとも1つの基地局コンビネーションが生成される。少なくとも1つの前記基地局コンビネーションの各々における、任意の2つの基地局の(1以上の)ユーザ機器の間には、干渉が存在する。少なくとも1つの前記基地局コンビネーションは、第1基地局コンビネーションを含む。前記第1基地局コンビネーションは、第1基地局と、第2基地局と、を含む。前記第1基地局は、前記第1ユーザ機器と通信し、前記第2基地局は、前記第2ユーザ機器と通信する。前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間には、干渉が存在する。BWPリソース配分結果を得るために、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションと複数の前記ユーザ機器の前記干渉ステータスとに基づいて、BWPリソース配分が実行される。前記BWPリソース配分結果において、前記第1ユーザ機器は、第1BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第2ユーザ機器は、第2BWP周波数帯域を割り当てられる。前記第1BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とは異なる。
【0007】
一実施形態によれば、ネットワークのためのBWP管理を実行するためのコントローラが提供される。当該コントローラは、情報インターフェースと、プロセッサと、を備える。前記情報インターフェースは、複数のユーザ機器の位置情報を受信するように構成されている。前記ネットワークは、複数の前記ユーザ機器と通信する複数の基地局を含む。複数の前記ユーザ機器は、第1ユーザ機器と、第2ユーザ機器と、を含む。前記プロセッサは、以下の手順を実行するように構成されている。複数の前記ユーザ機器の干渉ステータスを得るために、複数の前記ユーザ機器の前記位置情報と複数の前記基地局の位置情報とに基づいて、複数の前記ユーザ機器のうちの任意の2つのユーザ機器の間に干渉が存在するか否かが判定される。少なくとも1つの基地局コンビネーションが生成される。少なくとも1つの前記基地局コンビネーションの各々における、任意の2つの基地局の(1以上の)ユーザ機器の間には、干渉が存在する。少なくとも1つの前記基地局コンビネーションは、第1基地局コンビネーションを含む。前記第1基地局コンビネーションは、第1基地局と、第2基地局と、を含む。前記第1基地局は、前記第1ユーザ機器と通信し、前記第2基地局は、前記第2ユーザ機器と通信する。前記第1ユーザ機器と前記第2ユーザ機器との間には、干渉が存在する。BWPリソース配分結果を得るために、少なくとも1つの前記基地局コンビネーションと複数の前記ユーザ機器の前記干渉ステータスとに基づいて、BWPリソース配分が実行される。前記BWPリソース配分結果において、前記第1ユーザ機器は、第1BWP周波数帯域を割り当てられ、前記第2ユーザ機器は、第2BWP周波数帯域を割り当てられる。前記第1BWP周波数帯域は、前記第2BWP周波数帯域とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る、ネットワークのための帯域幅部分(BWP)管理の方法についてのフローチャートを示す。
【
図3】本開示の一実施形態に係る、コントローラの一例のブロック図を示す。
【
図4】本開示の別の一実施形態に係る、ネットワークのためのBWP管理の方法についてのフローチャートを示す。
【
図5】
図4における方法についてのプライベートネットワークの一例を示す。
【
図6】基地局がインテリジェントコントローラへ発信するリクエストの内容の一例を示す。
【
図7】インテリジェントコントローラがサブスクリプションを確立するために基地局へ発信するリクエストの内容の一例を示す。
【
図8】富化情報データの一例、およびユーザ機器接続情報の一例を示す。
【
図9】BWPリソース配分結果に関する一例を示す。
【
図10】インテリジェントコントローラが基地局を制御するために基地局へ発信する制御メッセージの内容の一例を示す。
【
図11A】基地局がユーザ機器と通信する方法の一例を示す。
【
図11B】基地局がユーザ機器と通信する方法の一例を示す。
【
図12】本開示の一実施形態に係る、工程410において、BWPリソース配分結果を得るために、富化情報データに従って、ネットワークのためのBWPリソース配分を実行するための手順を示す。
【
図13A】工程1202において複数の基地局および複数のユーザ機器を有するネットワークに対する関係グラフを確立するための詳細な工程を示す。
【
図13B】工程1202において複数の基地局および複数のユーザ機器を有するネットワークに対する関係グラフを確立するための詳細な工程を示す。
【
図14B】ネットワークに対する中間的な関係グラフを示す。
【
図14C】ネットワークに対する中間的な関係グラフを示す。
【
図14D】ネットワークに対する中間的な関係グラフを示す。
【
図14E】ネットワークに対する最終的な関係グラフを示す。
【
図15A】下りリンク通信についての距離Dsと距離dsとの間の関係を示す。
【
図15B】上りリンク通信についての距離Ds´と距離ds´との間の関係を示す。
【
図16B】別の例の関係グラフ、および対応する完全グラフを示す。
【
図17】
図12における、BWPリソース配分結果を得る工程1206に関する、詳細なプロセスを示す。
【
図18A】干渉のあるユーザ機器の量および干渉のないユーザ機器の量、ならびに、利用可能なBWP帯域幅のBWP周波数帯域の干渉のあるユーザ機器への配分を示す。
【
図18B】干渉のあるユーザ機器の量および干渉のないユーザ機器の量、ならびに、利用可能なBWP帯域幅のBWP周波数帯域の干渉のあるユーザ機器への配分を示す。
【
図18C】干渉のあるユーザ機器の量および干渉のないユーザ機器の量、ならびに、利用可能なBWP帯域幅のBWP周波数帯域の干渉のあるユーザ機器への配分を示す。
【
図18D】干渉のあるユーザ機器の量および干渉のないユーザ機器の量、ならびに、利用可能なBWP帯域幅のBWP周波数帯域の干渉のあるユーザ機器への配分を示す。
【
図19】完全グラフ{N_A,N_C,N_D}を動作開始グラフに取ることによる配分結果表を示す。
【
図20A】本出願の一実施形態に係る、ネットワークのためのBWP管理の方法についての一適用例を示し、無人航空機(UAV)レーシングフィールドを示す。
【
図20B】本出願の一実施形態に係る、ネットワークのためのBWP管理の方法についての一適用例を示し、UAVレーシングフィールドのネットワークに対するブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明には、開示された実施形態の完全な理解が提供されるよう、多数の具体的な詳細が説明の目的のために記載されている。しかしながら、1または複数の実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは明らかであろう。また、図面が簡略化されるよう、周知の構成およびデバイスは、概略的に示されている。
【0010】
図1および
図2を参照する。
図1は、本開示の一実施形態に係る、ネットワークのための帯域幅部分(BWP)管理の方法についてのフローチャートを示し、
図2は、ネットワークに対するブロック図を示す。BWP管理の方法は、コントローラ(例えば、インテリジェントコントローラ(intelligent controller)202)によって実行される。ネットワークのためのBWP管理の方法は、以下の工程を含む。まず、工程102において、複数のユーザ機器の位置情報が受信される。ネットワーク(例えば、プライベートネットワーク204)は、複数のユーザ機器と通信する複数の基地局を含む。複数のユーザ機器は、第1ユーザ機器と、第2ユーザ機器と、を含む。例えば、第1ユーザ機器は、ユーザ機器206であり、第2ユーザ機器は、ユーザ機器208である。
【0011】
その後、工程104において、複数のユーザ機器の干渉ステータス(interference status)を得るために、複数のユーザ機器の位置情報と複数の基地局の位置情報とに基づいて、複数のユーザ機器のうちの任意の2つのユーザ機器の間に干渉が存在するか否かが判定される。次に、工程106において、少なくとも1つの基地局コンビネーション(base station combination)が生成される。少なくとも1つの当該基地局コンビネーションの各々における、任意の2つの基地局の(1以上の)ユーザ機器の間には、干渉が存在する。少なくとも1つの当該基地局コンビネーションは、第1基地局コンビネーションを含む。第1基地局コンビネーションは、第1基地局と、第2基地局と、を含む。例えば、第1基地局は、基地局210であり、第2基地局は、基地局212である。第1基地局は、第1ユーザ機器と通信する。第2基地局は、第2ユーザ機器と通信する。第1ユーザ機器と第2ユーザ機器との間には、干渉が存在する。
【0012】
次に、工程108において、BWPリソース配分結果(BWP resource allocation result)を得るために、少なくとも1つの基地局コンビネーションと複数のユーザ機器の干渉ステータスとに基づいて、BWPリソース配分(BWP resource allocation)が実行される。BWPリソース配分結果において、第1ユーザ機器は、第1BWP周波数帯域を割り当てられ、第2ユーザ機器は、第2BWP周波数帯域を割り当てられる。第1BWP周波数帯域は、第2BWP周波数帯域とは異なる。
【0013】
図3を参照する。
図3は、本開示の一実施形態に係る、コントローラの一例のブロック図を示す。コントローラは、情報インターフェース302と、プロセッサ304と、を含む。情報インターフェース302は、
図1における工程102を実行して、複数のユーザ機器の位置情報を受信するように構成されている。プロセッサ304は、
図1における工程104~工程108を実行するように構成されている。コントローラは、複数のユーザ機器の位置情報を記憶するための記憶装置306をさらに含んでもよい。
【0014】
下りリンク通信(downlink communication)については、第2ユーザ機器と第1基地局との間の距離から第1ユーザ機器と第1基地局との間の距離を差し引いた距離が、第1干渉半径未満であるとき、第1ユーザ機器と第2ユーザ機器との間に干渉が存在すると判定される。
【0015】
上りリンク通信(uplink communication)については、第1ユーザ機器と第2基地局との間の距離から第1ユーザ機器と第1基地局との間の距離を差し引いた距離が、第2干渉半径未満であるとき、第1ユーザ機器と第2ユーザ機器との間に干渉が存在すると判定される。
【0016】
一例では、第1BWP周波数帯域の単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅を整数Pで割ることによって得られる。Pは、第1基地局コンビネーションにおける、特定基地局(particular base station)のユーザ機器の量であり、当該特定基地局は、第1基地局コンビネーションにおいて、最大量のユーザ機器を有する。
【0017】
あるいは、第1BWP周波数帯域の単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅を整数Qで割ることによって得られる。Qは、第1基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合うユーザ機器の量である。
【0018】
別の一例では、第1BWP周波数帯域の単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅を整数Nで割ることによって得られる。Nは、整数Pおよび整数Qから選択される最大数である。Pは、第1基地局コンビネーションにおける、特定基地局のユーザ機器の量であり、当該特定基地局は、第1基地局コンビネーションにおいて、最大量のユーザ機器を有し、Qは、第1基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合うユーザ機器の量である。
【0019】
一例では、ネットワークのためのBWP管理の方法は、以下の工程をさらに含む。まず、ネットワークに対する関係グラフ(relation graph)が確立される。関係グラフは、複数のノードと、複数の接続線と、を含む。複数のノードは、第1ノードと、第2ノードと、を含む。複数の接続線は、第1接続線を含む。第1ノードは、第1基地局を表し、第2ノードは、第2基地局を表す。第1接続は、第1ノードと第2ノードとを接続する。
【0020】
関係グラフは、少なくとも1つの基地局コンビネーションに対応する少なくとも1つの完全グラフ(complete graph)を含む。少なくとも1つの当該完全グラフは、第1基地局コンビネーションに対応する第1完全グラフを含む。第1完全グラフの複数の基地局における互いに干渉し合う複数のユーザ機器は、BWPリソース配分結果において、異なるBWP周波数帯域を割り当てられる。
【0021】
一例では、第1基地局コンビネーションは、第3基地局をさらに含み、複数のユーザ機器は、第3ユーザ機器をさらに含む。第3ユーザ機器は、第3基地局と通信する。第3ユーザ機器は、第3BWP周波数帯域を割り当てられる。第3BWP周波数帯域は、第1BWP周波数帯域とは異なり、かつ、第3BWP周波数帯域は、第2BWP周波数帯域とは異なる。
【0022】
一例では、少なくとも1つの基地局コンビネーションは、第2基地局コンビネーションをさらに含む。第2基地局コンビネーションは、第1基地局と、第4基地局と、を含む。複数のユーザ機器は、第4ユーザ機器をさらに含む。第4ユーザ機器は、第4基地局と通信する。第4ユーザ機器は、第4BWP周波数帯域を割り当てられる。第4BWP周波数帯域は、第1BWP周波数帯域とは異なり、かつ、第4BWP周波数帯域は、第2BWP周波数帯域とオーバーラップする((部分的に)重なり合う)。
【0023】
一例では、ネットワークのためのBWP管理の方法は、以下の工程をさらに含む。複数のユーザ機器についての複数のスループットがサービスレベル合意における所定の要件に適合するか否かが判定される。第1BWPスイッチングコマンド(switching command)が、第1基地局を通じて第1ユーザ機器へ発信され、第2BWPスイッチングコマンドが、第2基地局を通じて第2ユーザ機器へ発信される。第1BWPスイッチングコマンドは、第1ユーザ機器が第1BWP周波数帯域を割り当てられることを示し、第2BWPスイッチングコマンドは、第2ユーザ機器が第2BWP周波数帯域を割り当てられることを示す。
【0024】
図4および
図5を参照する。
図4は、本開示の別の一実施形態に係る、ネットワークのためのBWP管理の方法についてのフローチャートを示し、
図5は、
図4における方法についてのプライベートネットワークの一例を示す。まず、工程402において、複数の基地局が、インテリジェントコントローラに接続される。例えば、基地局(base station)BS1および基地局BS2が、インテリジェントコントローラ502に接続される。
図6は、基地局がインテリジェントコントローラへ発信するリクエストの内容の一例を示す。
図6に示すように、基地局BS1は、リクエストID(Request ID)1をインテリジェントコントローラ502へ発信し、基地局BS2は、リクエストID2をインテリジェントコントローラ502へ発信する。例えば、基地局BS1は、リクエストID1を発信することによって、基地局BS1のノードID(Node ID)「gNB1」、および基地局BS1がサポートする無線アクセスネットワーク(RAN)ファンクション(function)について、インテリジェントコントローラ502に通知する。例えば、基地局BS1は、BWP、モニタリング、およびトラフィックステアリング(traffic steering)のRANファンクションをサポートする。
【0025】
その後、工程404において、インテリジェントコントローラによって、基地局へのサブスクリプション(subscription)が確立される。
図7は、インテリジェントコントローラがサブスクリプションを確立するために基地局へ発信するリクエストの内容の一例を示す。
図7に示すように、インテリジェントコントローラ502は、リクエストID1を基地局BS1へ発信する。例えば、インテリジェントコントローラ502は、RANファンクション「BWP」がサブスクリプトされ(subscripted)、RANファンクション「BWP」についてサブスクリプトされたアクションが、複数の基地局において複数のBWPリソースを再配分する(re-allocate)ことと、現在の通信のために複数のBWPリソースを複数のユーザ機器に割り当てることとを含むことを、基地局BS1に通知する。
【0026】
工程406において、複数のユーザ機器が、複数の基地局に接続される。例えば、
図5に示すように、ユーザ機器(user equipment)UE1およびユーザ機器UE2が、基地局BS2に接続され、ユーザ機器UE3およびユーザ機器UE4が、基地局BS1に接続される。次に、工程408において、インテリジェントコントローラ502によって、富化情報(enrichment information:EI)データが、例えばEIサーバ(
図5に示さず)から、定期的に受信される。例えば、富化情報データは、複数のユーザ機器の位置情報と、複数の基地局の位置情報と、を含む。
図8は、富化情報データの一例、およびユーザ機器接続情報の一例を示す。
図8に示すように、複数のユーザ機器の位置情報は、タイムスタンプと、各ユーザ機器の座標値Xおよび座標値Yと、を含んでもよい。複数の基地局の位置情報は、各基地局の座標値Xおよび座標値Yを含んでもよい。ユーザ機器接続情報は、ユーザ機器IDと、複数のユーザ機器の各々が接続された複数の基地局のノードIDと、を含む。あるいは、複数のユーザ機器の位置情報は、複数のユーズ機器によって提供される全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)位置情報であってもよい。
【0027】
工程410において、BWPリソース配分結果を得るために、インテリジェントコントローラ502によって、富化情報データに従って、ネットワークのためのBWPリソース配分が実行される。
図9は、BWPリソース配分結果に関する一例を示す。
図9に示すように、BWPリソース配分結果において、例えば、ユーザ機器UE1およびユーザ機器UE2は、第1BWP周波数帯域を割り当てられ、ユーザ機器UE3およびユーザ機器UE4は、第2BWP周波数帯域を割り当てられ、第1BWP周波数帯域は、第2BWP周波数帯域とは異なる。例えば、BWP ID1のBWP周波数帯域は、0(周波数単位)を起点として50(周波数単位)の帯域幅を有し、BWP ID2のBWP周波数帯域は、50(周波数単位)を起点として50(周波数単位)の帯域幅を有する。ユーザ機器UE1およびユーザ機器UE2は、BWP ID1を割り当てられ、ユーザ機器UE3およびユーザ機器UE4は、BWP ID2を割り当てられる。すなわち、ユーザ機器UE1およびユーザ機器UE2は、0~50(周波数単位)のBWP周波数帯域を割り当てられ、ユーザ機器UE3およびユーザ機器UE4は、50~100(周波数単位)のBWP周波数帯域を割り当てられる。
【0028】
工程412において、インテリジェントコントローラ502によって、BWPリソース配分結果が、複数の制御メッセージを通じて複数の基地局へ発信される。
図10は、インテリジェントコントローラが基地局を制御するために基地局へ発信する制御メッセージの内容の一例を示す。
図10に示すように、インテリジェントコントローラ502は、基地局BS2に対する制御メッセージ(リクエストID1)を基地局BS2へ発信し、また、インテリジェントコントローラ502は、基地局BS1に対する制御メッセージ(リクエストID2)を基地局BS1へ発信する。例えば、インテリジェントコントローラ502は、RANファンクション「BWP」がサブスクリプトされ、RANファンクション「BWP」についてサブスクリプトされたアクションが、複数の基地局において複数のBWPリソースを再配分することと、現在の通信のために複数のBWPリソースを複数のユーザ機器に割り当てることとを含むことを、基地局BS2に通知する。複数の基地局において複数のBWPリソースを再配分することのアクションに対するサブアクション(sub-action)は、
図9に示すように、BWP ID1およびBWP ID2についての定義を含む。現在の通信のために複数のBWPリソースを複数のユーザ機器に割り当てることのアクションに対するサブアクションは、ユーザ機器UE1およびユーザ機器UE2にBWP ID1を割り当てることを含む。
【0029】
基地局BS1に対する制御メッセージ(リクエストID2)において、現在の通信のために複数のBWPリソースを複数のユーザ機器に割り当てることのアクションに対するサブアクションが、ユーザ機器UE3およびユーザ機器UE4にBWP ID2を割り当てることを含む点で、これは、基地局BS2に対する制御メッセージ(リクエストID1)とは異なる。
【0030】
工程414において、複数の基地局によって、BWPリソース配分結果に従って、複数のBWP配分メッセージが複数のユーザ機器へ発信される。例えば、基地局BS2は、BWP ID1によって定められるBWP周波数帯域(BWP周波数帯域0~50(周波数単位))を使用することによって、当該基地局BS2がユーザ機器UE1およびユーザ機器UE2と通信するという複数のBWP配分メッセージを発信し、基地局BS1は、BWP ID2によって定められるBWP周波数帯域(BWP周波数帯域50~100(周波数単位))を使用することによって、当該基地局BS1がユーザ機器UE3およびユーザ機器UE4と通信するという複数のBWP配分メッセージを発信する。
図11Aおよび
図11Bは、基地局がユーザ機器と通信する方法の一例を示す。
図11Aおよび
図11Bに示すように、ユーザ機器UE1およびユーザ機器UE2は、周波数0~50のBWP周波数帯域で基地局BS2と通信し、ユーザ機器UE3およびユーザ機器UE4は、周波数50~100のBWP周波数帯域で基地局BS1と通信する。ユーザ機器UE2およびユーザ機器UE3が対応する基地局と通信するために同じ周波数帯域を使用する場合に、ユーザ機器UE2とユーザ機器UE3との間に干渉が存在することがあっても、ユーザ機器UE2およびユーザ機器UE3が対応する基地局と通信するために異なる周波数帯域を使用する状況下では、干渉は存在しないだろう。
【0031】
図12を参照する。本開示の一実施形態に係る、工程410において、BWPリソース配分結果を得るために、富化情報データに従って、ネットワークのためのBWPリソース配分を実行するための手順が示されている。まず、工程1202において、複数の基地局および複数のユーザ機器を有するネットワークに対する関係グラフが確立される。その後、工程1204において、複数の基地局コンビネーションが生成される。次に、工程1206において、BWPリソース配分結果が取得される。その後、工程1208において、サービスレベル合意(SLA)に適合するBWPリソース配分結果を見出す。
図12における各工程について、以下により詳細に説明する。
【0032】
図13Aおよび
図13Bを参照する。工程1202において複数の基地局および複数のユーザ機器を有するネットワークに対する関係グラフを確立するための詳細な工程が示されている。工程1302において、パラメータi=1、パラメータj=1、およびパラメータk=1と設定される。i、j、およびkは、整数である。次に、工程1304において、ネットワーク内の全てのユーザ機器を含むユーザ機器リストから、ユーザ機器UE(i)が動作基準点(operation reference point)として選択される。ユーザ機器リスト(user equipment list)UEL={UE_1,UE_2,UE_3,UE_4,UE_5,UE_6,UE_7}であるとする。
図14Aを参照する。
図14Aは、ネットワークの一例を示す。ユーザ機器UE_1が選択されるとし、UE(i)=UE(1)=US_1であるとする。ユーザ機器UE_1が、動作基準点として用いられる。
【0033】
その後、工程1306において、ユーザ機器UE_1と通信する基地局BS(i)のネイバーリスト(neighbor list)NL(i)が取得される。例えば、
図14Aに示すように、基地局BS_Dがユーザ機器UE_1と通信しており、そのため、基地局BS(i)(=BS(1))は基地局BS_Dである。例えば、基地局BS_DのネイバーリストNL(i)がNL(1)であり、NL(1)={BS_A,BS_B,BS_C,BS_E,BS_F,BS_G}であり、基地局BS_A、基地局BS_B、基地局BS_C、基地局BS_E、基地局BS_F、基地局BS_Gは、基地局BS_Dに隣接する基地局であるとする。
【0034】
次に、工程1308において、ネイバーリストNL(i)から基地局BS(k)が選択される。基地局BS_AがBS(k)として選択されるとする。その後、工程1310において、基地局BS(k)と通信する複数のユーザ機器から、ユーザ機器UE(j)が選択される。ユーザ機器UE_3およびユーザ機器UE_4が基地局BS_Aと通信しているため、ユーザ機器UE_4がUE(j)として選択されるとする。
【0035】
その後、工程1312において、ユーザ機器UE(i)とユーザ機器UE(j)との間の干渉距離(interference distance)が干渉半径(interference radius)未満であるか否かが判定される。下りリンク通信については、ユーザ機器UE(i)と基地局BS(k)との間の距離(distance)Dsからユーザ機器UE(j)と基地局BS(k)との間の距離dsを差し引いた距離(すなわち、
図15Aに示すように、Ds-ds)が第1干渉半径未満であるとき、ユーザ機器UE(i)とユーザ機器UE(j)との間の干渉距離が干渉半径未満であり、ユーザ機器UE(j)とユーザ機器UE(i)との間に干渉が存在すると判定される。
【0036】
上りリンク通信については、ユーザ機器UE(j)と基地局BS(i)との間の距離Ds´からユーザ機器UE(j)と基地局BS(k)との間の距離ds´を差し引いた距離(すなわち、
図15Bに示すように、Ds´-ds´)が第2干渉半径未満であるとき、ユーザ機器UE(i)とユーザ機器UE(j)との間の干渉距離が干渉半径未満であり、ユーザ機器UE(j)とユーザ機器UE(i)との間に干渉が存在すると判定される。ユーザ機器UE(j)とユーザ機器UE(i)との間に干渉が存在するとき、スループットは低減する。例えば、
図14Aに示すように、ユーザ機器UE_1とユーザ機器UE_4との間に干渉が存在するか否かを判定するために、ユーザ機器UE_1とユーザ機器UE_4との間の干渉距離が干渉半径未満であるか否かが判定される。
【0037】
工程1312は、下りリンク通信および上りリンク通信について、別々に実行することができる。すなわち、複数の基地局が複数のユーザ機器との下りリンク通信を実行しているとき、工程1312は、下りリンク通信についての基準に従って実行される。また、複数のユーザ機器が複数の基地局と上りリンク通信を実行しているとき、工程1312は、上りリンク通信についての基準に従って実行される。
【0038】
工程1312における判定がYesである場合には、工程1314に移る。工程1312における判定がNoである場合には、工程1316に移る。工程1314において、ネットワークに対する関係グラフが確立され、基地局BS(i)についてのノードと基地局BS(k)についてのノードとを接続する接続が設けられ、ユーザ機器UE(i)と干渉するユーザ機器UE(j)が記録される。例えば、
図14Bを参照すると、ネットワークに対する中間的な関係グラフが示されている。ユーザ機器UE(i)(UE_1)とユーザ機器UE(j)(UE_4)との間に干渉が存在するため、基地局BS(k)(BS_A)についてのノードN_Aと基地局BS(i)(BS_D)についてのノードN_Dとが、接続1402によって接続される。そして、ユーザ機器UE_4がユーザ機器UE_1と干渉するものとして記録される。
【0039】
工程1316において、基地局BS(k)と通信し、かつ工程1312の干渉判定が実行されていない他のユーザ機器が存在するか否かが判定される。Yesである場合、工程1318に移り、Noである場合、工程1320に移る。工程1318において、パラメータjの値が1だけ加えられる。工程1318の後、工程1310に移り、基地局BS(k)と通信する複数のユーザ機器から、ユーザ機器UE(j)(j=2)が選択される。例えば、ユーザ機器UE_3が、ユーザ機器UE(j)(j=2)として選択される。そして、工程1312が実行され、ユーザ機器UE_1とユーザ機器UE_3との間の干渉距離が干渉半径未満であるか否かが判定される。判定がNoであるとすると、工程1316に移る。工程1316における判定がNoであるとすると、工程1320に移る。
【0040】
工程1320において、通信する任意のユーザ機器に関して工程1312の干渉判定が実行されていない、ネイバーリストNL(i)内の他の基地局が存在するか否かが判定される。Yesである場合、工程1322が実行され、パラメータkに1が加えられ、パラメータj=1と設定される。Noである場合、工程1324に移る。工程1322の後、工程1308に移り、基地局BS(k)(k=2)がネイバーリストNL(i)から選択される。基地局BS_CがBS(k)(k=2)として選択されるとする。その後、工程1310において、基地局BS(k)(k=2)と通信する複数のユーザ機器からユーザ機器UE(j)(j=1)が選択される。ユーザ機器UE_5およびユーザ機器UE_6が基地局BS_Cと通信しているため、ユーザ機器UE_5がUE(j)(j=1)として選択されるとする。次に、工程1312において、ユーザ機器UE(i)(i=1)(すなわち、US_1)とユーザ機器UE(j)(j=1)(すなわち、US_5)との間の干渉距離が干渉半径未満であるか否かが判定される。判定がYesであるとすると、工程1314に移る。工程1314において、ネットワークに対する関係グラフが確立され、基地局BS(i)(BS_D)についてのノード(ノードN_D)と基地局BS(k)(BS_C)についてのノード(ノードN_C)とを接続する接続(
図14Cにおける接続1404)が設けられ、ユーザ機器UE(i)(UE_1)と干渉するユーザ機器UE(j)(UE_5)が記録される。
【0041】
その後、工程1316に移り、基地局BS(k)(BS_C)と通信し、かつ工程1312の干渉判定が実行されていない他のユーザ機器が存在するか否かが判定される。基地局(BS_C)と通信し、かつ工程1312の干渉判定が実行されていないユーザ機器UE_6が判定される。したがって、工程1318、工程1310、工程1312、および工程1314が、ユーザ機器UE_6に関して実行される。その後、工程1316および工程1320が実行され、ネイバーリストNL(i)(現在、基地局BS_DのネイバーリストNL(i)はNL(1)であり、NL(1)={BS_A,BS_B,BS_C,BS_E,BS_F,BS_G}である)内の他の基地局(例えば、基地局BS_B、基地局BS_E、基地局BS_F、および基地局BS_Gのうちの1つ)が選択され、工程1308~工程1320が実行される。ネイバーリストNL(i)内の基地局の全てが選択され、関連するプロセスが実行されるまで、上記の工程が再帰的に実行される。
【0042】
工程1324において、動作基準点として選択されていないユーザ機器が、ユーザ機器リスト内に存在するか否かが判定される。ユーザ機器リストUEL={UE_1,UE_2,UE_3,UE_4,UE_5,UE_6,UE_7}であるこの例では、ユーザ機器UE_1のみが動作基準点として選択されており、ユーザ機器UE_2~ユーザ機器UE_7は動作基準点として選択されていない。したがって、工程1324の判定はYesとなり、工程1326に移る。工程1326において、パラメータiが1だけ加えられる。次に、工程1304に移り、ネットワーク内の全てのユーザ機器を含むユーザ機器リスト(例えば、ユーザ機器リストUEL={UE_1,UE_2,UE_3,UE_4,UE_5,UE_6,UE_7})から、ユーザ機器UE(i)(=UE(2))が動作基準点として選択される。ユーザ機器UE_2が動作基準点として選択され、工程1306~工程1322が実行されるとする。
【0043】
ユーザ機器リスト内のユーザ機器の全てが動作基準点として選択され、工程1306~工程1322が実行された後、結果として得られた関係グラフが、
図14Dに示す関係グラフ1406であるとする。ユーザ機器UE_1がユーザ機器UE_4と干渉し、ユーザ機器UE_4がユーザ機器UE_5と干渉し、ユーザ機器UE_1がユーザ機器UE_6と干渉し、ユーザ機器UE_1がユーザ機器UE_2と干渉し、ユーザ機器UE_2がユーザ機器UE_4と干渉するという結果が示されるとする。したがって、
図14Dにおける対応する関係グラフ1406には、ノードN_Aが接続1408によってノードN_Bに接続され、ノードN_Aが接続1410によってノードN_Cに接続され、ノードN_Bが接続1412によってノードN_Dに接続され、ノードN_Aが接続1402によってノードN_Dに接続され、ノードN_Cが接続1404によってノードN_Dに接続されることが示されている。
【0044】
工程1324の判定がNoである場合、工程1328に移る。工程1328において、基地局の(1以上の)ユーザ機器がネットワーク内の他の基地局のいずれのユーザ機器とも干渉しない当該基地局が選択される。選択された基地局についてのノードは、関係グラフ内に与えられる。例えば、ユーザ機器UE_7がネットワーク内の他の基地局のユーザ機器UE_1~ユーザ機器UE_6のうちのいずれのユーザ機器とも干渉しないとすると、ユーザ機器UE_7に対応する基地局BS_Gが選択される。そして、
図14Eに示すように、基地局BS_GについてのノードN_Gが関係グラフ内に追加される。基地局BS_Gのユーザ機器UE_7はネットワーク内の他のいずれのユーザ機器(すなわち、ユーザ機器UE_1~ユーザ機器UE_6)とも干渉しないため、基地局BS_GについてのノードN_Gは孤立しており、ノードN_Gは他のいずれのノードにも接続されていない。
【0045】
図12における、複数の基地局コンビネーションを生成する工程1204は、
図16Aおよび
図16Bにおいて、より詳細に説明される。
図16Aは、
図14Eの関係グラフ、および対応する完全グラフを示し、
図16Bは、別の例の関係グラフ、および対応する完全グラフを示す。各基地局コンビネーションにおいて、各基地局コンビネーションにおける任意の2つの基地局の(1以上の)ユーザ機器の間に干渉が存在することは、完全グラフに対応する。完全グラフでは、あらゆるノードが、(1以上の)接続によって、(1以上の)他の全てのノードに接続されている。例えば、
図16Aの関係グラフは、完全グラフ{N_A,N_C,N_D}、{N_A,N_B,N_D}、{N_G}を含み、
図16Bの関係グラフは、完全グラフ{N_A}、{N_C,N_D}、{N_B,N_D,N_E}を含む。
【0046】
図17において、
図12における、BWPリソース配分結果を得る工程1206が、より詳細に説明される。工程1702において、パラメータp=1およびパラメータq=1と設定される。pおよびqは、整数である。工程1704において、完全グラフCG(p)が動作開始グラフ(operation starting graph)に取られる。例えば、完全グラフCG(p)={N_A,N_C,N_D}である。次に、工程1706において、単位帯域幅が計算される。単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅を整数Nで割ることによって計算される。Nは、整数Pおよび整数Qから選択される最大数である。Pは、完全グラフCG(p)に係る基地局コンビネーションにおける、特定基地局のユーザ機器の量である。特定基地局は、完全グラフCG(p)に係る基地局コンビネーションにおいて、最大量のユーザ機器を有する。Qは、完全グラフCG(p)に係る基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合うユーザ機器の量である。
【0047】
例えば、
図14Aに示すように、完全グラフCG(p)={N_A,N_C,N_D}において、基地局BS_Aのユーザ機器の量は、2(ユーザ機器UE_3およびユーザ機器UE_4)であり、基地局BS_Cのユーザ機器の量は、2(ユーザ機器UE_5およびユーザ機器UE_6)であり、基地局BS_Dのユーザ機器の量は、1(ユーザ機器UE_1)である。したがって、Pの値は、2、2、および1のうち、最大値である2である。
【0048】
上述したように、ユーザ機器UE_1がユーザ機器UE_4と干渉し、ユーザ機器UE_4がユーザ機器UE_5と干渉し、ユーザ機器UE_1がユーザ機器UE_6と干渉するため、完全グラフCG(p)に係る基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合うユーザ機器の量は、4(UE_1、UE_4、UE_5、UE_6に対応)である。したがって、Qの値は、4である。Nは、P(=2)およびQ(=4)から選択される最大数であるため、Nの値は、Q、すなわち4に等しい。単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅をN(=4)で割ることにより計算される。すなわち、単位帯域幅は、利用可能なBWP帯域幅の1/4である。
【0049】
工程1708において、利用可能なBWP帯域幅が、完全グラフCG(p)の各基地局におけるユーザ機器の量に従って配分される。
図18A~
図18Dを参照する。まず、干渉のあるユーザ機器の量と干渉のないユーザ機器の量とが計算され、次に、干渉のある複数のユーザ機器に、利用可能なBWP帯域幅のBWP周波数帯域が配分される。
【0050】
例えば、完全グラフCG(p)に係る基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合う複数のユーザ機器がグループ化される。すなわち、ユーザ機器UE_1、ユーザ機器UE_4、ユーザ機器UE_5、ユーザ機器UE_6がグループ化される。ユーザ機器UE_1、ユーザ機器UE_4、ユーザ機器UE_5、ユーザ機器UE_6の各々は、1つの単位帯域幅、すなわち、利用可能なBWP帯域幅の1/4が配分される。例えば、ユーザ機器UE_1は、BWP周波数帯域(frequency band)FB_3を割り当てられ、ユーザ機器UE_4は、BWP周波数帯域FB_4を割り当てられ、BWP周波数帯域FB_3は、BWP周波数帯域FB_4とは異なる。ユーザ機器UE_1およびユーザ機器UE_4は、それぞれ、異なるBWP周波数帯域FB_3およびFB_4で基地局BS_Dおよび基地局BS_Aと通信するため、ユーザ機器UE_1とユーザ機器UE_4との間の干渉は発生しない。
【0051】
ユーザ機器UE_5およびユーザ機器UE_6は互いに直交する信号で同じ基地局BS_Cと通信するため、ユーザ機器UE_5およびユーザ機器UE_6は、同じBWP周波数帯域を共有することができる。したがって、ユーザ機器UE_5は、BWP周波数帯域FB_1およびBWP周波数帯域FB_2を割り当てられ、一方、ユーザ機器UE_6も、BWP周波数帯域FB_1およびBWP周波数帯域FB_2を割り当てられる。ユーザ機器UE_4およびユーザ機器UE_5は、それぞれ、異なるBWP周波数帯域FB_4、ならびにFB_1およびFB_2で基地局BS_Aおよび基地局BS_Cと通信するため、ユーザ機器UE_4とユーザ機器UE_5との間の干渉は発生しない。同様に、ユーザ機器UE_1とユーザ機器UE_6との間の干渉は発生しない。
【0052】
その後、干渉のない(1以上の)ユーザ機器には、干渉のある(1以上の)ユーザ機器に割り当てられていない(1以上の)BWP周波数帯域が割り当てられる。例えば、ユーザ機器UE_3は、ユーザ機器UE_1、ユーザ機器UE_4、ユーザ機器UE_5、およびユーザ機器UE_6のグループと干渉しないため、ユーザ機器UE_3には、ユーザ機器UE_4に割り当てられていないBWP周波数帯域FB_1~FB_3が割り当てられる。
【0053】
その後、工程1710が実行される。工程1710において、完全グラフCG(q)が(1以上の)他の完全グラフから選択され、利用可能なBWP帯域幅が、完全グラフCG(q)の各基地局におけるユーザ機器の量と完全グラフCG(p)のBWP帯域幅配分結果とに従って、配分される。選択される完全グラフCG(q)は、完全グラフCG(p)と(1以上の)最大重複ノード(maximum overlapped node)を有する。例えば、完全グラフ{N_A,N_B,N_D}が、完全グラフCG(q)として選択される。例えば、完全グラフCG(q)に係る基地局コンビネーションにおける、互いに干渉し合う複数のユーザ機器がグループ化される。すなわち、ユーザ機器UE_1、ユーザ機器UE_2、およびユーザ機器UE_4がグループ化される。
【0054】
ユーザ機器UE_2は、ユーザ機器UE_1およびユーザ機器UE_4と干渉するため、ユーザ機器UE_2には、ユーザ機器UE_1およびユーザ機器UE_4に割り当てられていないBWP周波数帯域FB_1およびBWP周波数帯域FB_2が割り当てられる。ユーザ機器UE_2およびユーザ機器UE_1は、それぞれ、異なるBWP周波数帯域FB_1およびFB_2、ならびにFB_3で基地局BS_Bおよび基地局BS_Dと通信するため、ユーザ機器UE_1とユーザ機器UE_2との間の干渉は発生しない。
【0055】
次に、工程1712が実行される。工程1712において、配分結果が記録される。次に、工程1714に移る。工程1714において、利用可能なBWP帯域幅がまだ配分されていない他の完全グラフが存在するか否かが判定される。完全グラフ{N_G}の利用可能なBWP帯域幅がまだ配分されていないため、工程1714の判定は、Yesである。次に、工程1716に移り、パラメータqの値が1だけ加えられる。次に、工程1710に移る。
【0056】
工程1710において、完全グラフ{N_G}が、完全グラフCG(q)(q=2)として選択される。ユーザ機器UE_7は、他の基地局の他のいずれのユーザ機器とも干渉しないため、利用可能なBWP帯域幅の全てを、ユーザ機器UE_7に割り当てることができる。すなわち、
図18Cおよび
図18Dに示すように、ユーザ機器UE_7には、BWP周波数帯域FB_1~FB_4が割り当てられる。
【0057】
工程1714の判定がNoである場合、工程1718に移る。工程1718において、ネットワークのための配分結果が記録される。すなわち、全ての基地局の全てのユーザ機器についての配分結果が記録される。次に、工程1720において、まだ動作開始グラフに取られていない完全グラフが存在するか否かが判定される。例えば、完全グラフ{N_A,N_B,N_D}および完全グラフ{N_G}はまだ動作開始グラフに取られていないため、判定はYesであり、工程1722に移る。工程1722において、パラメータpの値が1だけ加えられ、工程1704に移る。工程1704において、例えば、完全グラフ{N_A,N_B,N_D}が動作開始グラフに取られ、工程1706~工程1720が繰り返される。
【0058】
SLAに適合するBWPリソース配分結果を見出す、
図12の工程1208を、以下、より詳細に説明する。
図19は、完全グラフ{N_A,N_C,N_D}を動作開始グラフに取ることによる配分結果表を示す。
図19における配分結果表は、ユーザ機器IDと、割り当てられた対応するBWP帯域幅(利用可能なBWP帯域幅の割合)とを示す。
図19における配分結果表に従って、変調および符号レートとスループットとがSLAの要件を満たすか否かが判定される。SLAの要件が満たされると、配分結果が受け付けられ、次に、
図4の工程412が実行される。
【0059】
一部の実施形態では、SLAの要件が満たされると、
図17におけるプロセスを終了することができる。例えば、第1完全グラフ{N_A,N_C,N_D}を動作開始グラフに取ることによる配分結果がSLAの要件を満たすことができる場合に、
図17におけるプロセスを終了することができる(例えば、方法を工程1720で停止することができる)。一部の実施形態では、動作開始グラフに取られた全ての完全グラフについて、
図17におけるプロセスが完了され、次いで、
図4の工程412を実行するための最良の配分結果が採択される。
【0060】
図20Aおよび
図20Bは、本出願の一実施形態に係る、ネットワークのためのBWP管理の方法についての一適用例を示す。
図20Aは、無人航空機(unmanned aerial vehicle:UAV)レーシングフィールド(racing field)を示し、
図20Bは、UAVレーシングフィールドのネットワークに対するブロック図を示す。UAVレーシングフィールドのフィールドサイズは、60m×30mであるとし、UAVレーシングフィールドは、2つの基地局を有する5G(第5世代(fifth generation))フィールドであるとし、帯域幅は、時分割複信(time-division duplexing:TDD)で100MHzであるとする。この例では、4つのUAVが同時に飛行するとする。
【0061】
図20Bに示すように、コントローラは、オープンRAN(open RAN:O-RAN)ニアリアルタイム(real time:RT)RANインテリジェントコントローラ(RAN intelligent controller:RIC)2002によって実装される。RIC2002は、例えば、富化情報(EI)インターフェース(enrichment information interface)2004と、EIハンドラ(EI handler)2006と、BWPアプリケーション(BWP application)2008と、サブスクリプションマネージャ(subscription manager)2010と、送信インターフェース(transmission interface)2012と、を含む。EIインターフェース2004は、EIデータ(例えば、UAV位置データ)を受信する。EIハンドラ2006は、EIデータを処理する。BWPアプリケーション2008は、ネットワークのためのBWP管理の方法に関する計算を実行する。サブスクリプションマネージャ2010は、基地局のBWPファンクションをサブスクライブする(subscribe)ように構成されている。送信インターフェース2012は、プライベートネットワーク2014の複数の基地局2016と通信するように構成されている。プライベートネットワーク2014は、複数の基地局2016(例えば、gNB(次世代ノードB(Next Generation Node B)))と、複数のUAV2018と、を含む。
【0062】
図21を参照する。
図21は、
図20Aおよび
図20BのUAVレーシングフィールドのネットワークに対するシーケンス図の一例である。まず、基地局2016は、RIC2002と基地局2016との間の接続が確立されたことを送信インターフェース2012に通知するためのメッセージを送信する。次に、BWPアプリケーション2008は、新たな基地局がアタッチされた(attached)ことをRIC2002が検出したということを基地局2016に通知するためのメッセージを送信する。さらに、BWPアプリケーション2008は、サブスクリプションの実行のコマンドを、サブスクリプションマネージャ2010へ送信する。次に、サブスクリプションマネージャ2010は、サブスクリプションの実行のコマンドを基地局2016へ発信し、基地局2016は、サブスクリプションの受け付けを返す。
【0063】
その後、UAV2018は、UAV2018が基地局2016に接続されたことを基地局2016に通知するためのメッセージを発信する。UAV2018は、UAV2018の位置データをEIサーバ2020(
図20Aおよび
図20Bには示さず)へ定期的に報告(report)する。EIサーバ2020は、UAV2018の位置データをEIインターフェース2004へ通知し、EIインターフェース2004は、UAV2018の位置データをELハンドラ2006へ送信し、EIハンドラ2006は、UAV2018の位置データをBWPアプリケーション2008へ送信する。BWPアプリケーション2008は、本出願の一実施形態に係るネットワークのためのBWP管理の方法に従って、UAV2018の位置データに従って複数のBWPリソースを配分する。BWPアプリケーション2008は、配分結果に従ってBWPスイッチングコマンドを基地局2016へ発信し、基地局2016は、BWPスイッチングコマンドをUAV2018へ発信する。
【0064】
ネットワークのためのBWP管理の方法、およびそのためのコントローラによって、変調および符号レートを増加させることができる。これにより、少なくとも1つの基地局コンビネーションを動的に生成し、少なくとも1つの基地局コンビネーションと複数のユーザ機器の干渉ステータスとに基づいてBWPリソース配分を実行することによって、信号送信のスループットが改善される。得られたBWPリソース配分結果によって、プライベート5Gネットワークが、動的SLA保証を満たすようにすることができ、高い体感品質(QoE)を達成することができる。さらに、移動するユーザ機器が安定したQoEを有し得、種々のユーザ機器に対する種々のQoE要件が満たされ得、ユーザ機器の動的に変化したQoE要件が満たされ得る。
【0065】
当業者にとって、開示された実施形態に対して、様々な修正および変形を行うことができることは明らかであろう。本明細書および実施例が単に例示的なものに過ぎないと見なされ、本開示の真の範囲が以下の特許請求の範囲およびその均等物によって示されることが意図される。
【要約】 (修正有)
【課題】ネットワークのための帯域幅部分(BWP)管理の方法及びそのためのコントローラを提供する。
【解決手段】方法では、複数のユーザ機器の干渉ステータスを得るために、複数のユーザ機器の位置情報と、複数の基地局の位置情報とに基づいて、複数のユーザ機器の間に干渉が存在するか否かが判定される。少なくとも1つの基地局コンビネーションの各々における、任意の2つの基地局の(1以上の)ユーザ機器の間には、干渉が存在する。第1基地局コンビネーションにおける、第1ユーザ機器と第2ユーザ機器との間には、干渉が存在する。方法ではさらに、BWPリソース配分結果を得るために、少なくとも1つの基地局コンビネーションと複数のユーザ機器の干渉ステータスとに基づいて、BWPリソース配分が実行される。第1ユーザ機器は、第1BWP周波数帯域を割り当てられ、第2ユーザ機器は、第2BWP周波数帯域を割り当てられる。
【選択図】
図1