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  • 特許-学習用定規及びプリント切断方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】学習用定規及びプリント切断方法
(51)【国際特許分類】
   B43L 7/12 20060101AFI20240304BHJP
   B43L 7/00 20060101ALI20240304BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
B43L7/12
B43L7/00 B
B42D15/00 301P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023178548
(22)【出願日】2023-10-17
【審査請求日】2023-12-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・令和5年10月5日乃至10月8日 田中聖蘭が、身近なヒント発明展にて、学習用定規及びプリント切断方法について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523392556
【氏名又は名称】田中 聖蘭
(74)【代理人】
【識別番号】100205523
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩也
(72)【発明者】
【氏名】田中 聖蘭
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3024789(JP,U)
【文献】特開2011-207233(JP,A)
【文献】特開2008-281451(JP,A)
【文献】実開昭49-072345(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L 1/00-12/02
B43L 15/00-27/04
B42D 1/00-15/00
B42D 15/04-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
止孔2及びくりぬき部2を有する定規2と、
止孔3及びくりぬき部3を有する定規3と、
止孔4及びくりぬき部4を有する定規4と、
止孔5を有する暗記用フィルム5と、
を備え、
前記止孔2、前記止孔3、前記止孔4及び前記止孔5を止め具で止め、
前記定規2、前記定規3、前記定規4及び前記暗記用フィルム5が、前記止め具を中心に1点で回動自在に軸支されている、
ことを特徴とする学習用定規。
【請求項2】
前記止孔2、前記止孔3及び前記止孔4の面には、文字数をカウントすることを目的とする文字ガイドが表記されている、
ことを特徴とする請求項1の学習用定規。
【請求項3】
前記止孔2、前記止孔3及び前記止孔4の面には、寸法を測ることを目的とする目盛りが表記されている、
ことを特徴とする請求項1の学習用定規。
【請求項4】
前記暗記用フィルム5の素材は、赤色半透明である、
ことを特徴とする請求項1の学習用定規。
【請求項5】
請求項1の学習用定規を用いて、
前記定規2又は前記定規4と前記定規3をL字状に開き、
前記止め具をプリントの左下角に合わせ、
請求項1の学習用定規の短手方向中央が前記プリントの端にくるように設置し、
前記定規2又は前記定規4と前記定規3で形成されたL字状の内側に沿って線を引き、切断箇所を明示する、
ことを特徴とするプリント切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習に役立つ様々な機能を一体化した定規に関するものである。
【背景技術】
【0002】
印刷物などを所望のサイズに裁断する裁断器として、A版・B版などの縦・横方向サイズ用に枠線がひかれた台部、台部に対し略上下方向に可動できる幅狭な紙押さえ部、そして台に回動自在に軸支された押し切り刃、あるいは、幅狭な紙押さえ部の長手方向に沿って移動が拘束される下方に突出された刃とから構成するものが存在する。裁断機は、裁断対象の印刷物などを台と紙押さえ部との隙間に通して所望サイズの枠線に合わせ紙押さえ部で印刷物を抑え固定し裁断することで、印刷物が所望サイズに裁断できる。
【0003】
さらに、文字数をカウント可能なマス目が入った作業用紙やノートが存在し、上下左右に数字の目盛も表記することで、容易にカウントを行う定規も存在する。
【0004】
裁断機やマス目が入ったノートを使わずに、長尺のものを測定するものとしては、30cm定規や、折りたたみ式の定規が存在する。また、定規の中央に分度器の機能を持たせ、長さだけでなく、角度も測ることができる多機能な定規も存在する。
【0005】
一方、学習用の暗記ツールとしては、暗記シートが存在していた。対象の教科書や参考書などのサイズに合わせ、様々な寸法で、赤、あるいは、緑のシートで同色の印刷物や手書き部を隠すことができる。暗記シートを対象部にかざしたり、離したりすることで、自分の暗記状況を容易に把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実全昭60-026897号
【文献】実全平4-113997号
【文献】特開2012-158040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
学校や塾などで配られるB5版のプリントをB5サイズのノートに貼り付けやり直しノートを作ると、プリントがはみ出してしまう。これにより、裁断器を利用して所望のサイズにするためには、枠線よりも切断側にプリントをずらす必要がある。新たな枠線を引くことで対応できるが、沢山のプリントを裁断するため、合わせる枠線を間違い、2度手間となってしまうことがある。しかも、裁断器は対象の印刷物の大きさを含包するため大型であり、ある程度の重さを持たせているため、運搬性が悪い。
【0008】
方眼紙などマス目のあるものは、そのマス目の区切りは明確で、上下左右縁に記載された目盛りを見ることで、文字数の確認は容易になる。しかし、目盛りは縁のみのため、縁から離れた位置では、目盛りは全く役に立たない。
【0009】
30cm定規は、ランドセルからはみ出して持ち運ぶため、角の突起で怪我をする可能性がある。このため、安全を確保するためには、収納袋に入れて運搬するなどの対応が必要になる。折りたたみ式定規は収納性が良いので、運搬性もいいが、機能が少ない。
【0010】
教科書や参考書のサイズよりも大きな暗記シートは、ランドセルやカバンの中に入れて運搬する場合、折れ曲がってしまい、平坦でなくなるとともに、白色化してしまい視認性が悪化する。一方、小さい場合は、これらの問題は発生しないものの、隠したい箇所を隠せずに答えが見えてしまったり、どこに挟んだか所在が不明になったりしてしまう。
【0011】
上記のような課題を解決するために、特許文献1乃至3の発明や考案は、様々な形状や構造を備えているが、いずれも文字数をカウントしたり、暗記シートの代用となる定規ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、止孔2及びくりぬき部2を有する定規2と、止孔3及びくりぬき部3を有する定規3と、止孔4及びくりぬき部4を有する定規4と、止孔5を有する暗記用フィルム5と、を備え、前記止孔2、前記止孔3、前記止孔4及び前記止孔5を止め具で止め、前記定規2、前記定規3、前記定規4及び前記暗記用フィルム5が、前記止め具を中心に1点で回動自在に軸支されている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、筆箱などに収納できる収納性を維持したまま、配布されたプリントをノートより若干内側のラインに容易にそろえることができ、プリントをノートからはみ出すことなくきれいに貼り付けることが可能になる。また、文字数指定の問題に対し、解答欄の枠を容易に作成でき、効率よく学習することが可能になる。また、長尺ものの長さ測定や線引きが可能になる。さらに、暗記シートが定規と止め具で回転自在に固定されているため、所在が不明になることはない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る多機能定規の全体図である。
図2】本発明の実施形態に係る多機能定規の分解図の表面である。
図3】本発明の実施形態に係る多機能定規の分解図の裏面である。
図4】本発明の実施形態に係る切断枠の作り方の説明図1である。
図5】本発明の実施形態に係る切断枠の作り方の説明図2である。
図6】本発明の実施形態に係る切断枠の作り方の説明図3である。
図7】本発明の実施形態に係る切断枠の作り方の説明図4である。
図8】本発明の実施形態に係る字数枠の使用方法にかかる説明図である。
図9】本発明の実施形態に係る長定規に変形した際の説明図である。
図10】本発明の実施形態に係る暗記シートの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
<実施形態>
図1に本発明の実施形態に係る多機能定規の全体図を、図2に本発明の実施形態に係る多機能定規の分解図の表面及び図3に本発明の実施形態に係る多機能定規の分解図の裏面をそれぞれに示す。止孔21、31、41及び51を止め具1で止め、短冊状の長さが異なる定規2、定規3,定規4と暗記用フィルム5が1点で回動自在に軸支されている。3種類の定規には、長さが異なるくり抜き部22、32及び42が短手方向中央に構成されている。
【0017】
ここでは一例として、B5版ノートに貼るため定規2と定規3,B6版ノートに貼るため定規3と定規4をそれぞれ組み合わせた場合を示す。定規2、定規3、定規4、及び暗記用フィルム5の幅Wは、定規2、定規3、定規4及び暗記用フィルム5すべて同じサイズが好ましいが、数mm以内であれば異なっていても良い。また幅Wは、普及している定規と同じく30mmが一番好ましいが、特にサイズは定めない。また暗記用フィルム5は、学習用で用いられる赤色半透明の素材であることが好ましい。
【0018】
また、定規2の長さH2、定規3の長さH3、定規4の長さH4、及び暗記用フィルム5の長さH5も特に定めないが、持ち運び等を考慮すると、それぞれH2は260mm前後、H3は190mm前後、H4は120mm前後、H5は150mm前後が好ましい。
【0019】
定規の表面には、図2に示す文字数のカウントを容易にするために、文字数ガイド201乃至204、301乃至304、311乃至313、401及び402を表記しても良いし、裏面に図3に示すように目盛23、33及び43を表記しても良い。
【0020】
図示のように、定規2、定規3及び定規4にはそれぞれ横巾が等しく、縦寸法が異なるくり抜き部22、32及び42が構成されている。くり抜き部22、32及び42は、文字数ガイド201乃至204、301乃至304、311乃至313、401及び402に合わせ、縦寸法を所望の文字数の長さに対応させてもよい。
【0021】
くり抜き部22、32及び42に沿って線を引くとともに、文字数ガイドの目盛に合わせて印を付けることで、文字数指定の解答欄を容易に作成できる。ここでは、くり抜き部22、32及び42を長方形の形状に連続としているが、正方形の窓枠のように、一文字ずつ独立させても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0022】
<実施例1>
次に、プリント切断方法について、図4及び図5を用いて説明する。図4図5にB5版プリント6に対する定規の使い方を示す。図4に示すように定規2と定規3をL字状に開き、回転軸をプリント6の左下角に合わせるとともに、定規の短手方向中央がプリント6の端にくるように設置する。
【0023】
定規2と定規3で形成されたL字状の内側に沿って線を引くことで、切断箇所を明示する。さらに、図5のように、このL字状を維持したまま180度回転し、プリント6の右上角に止め具を合わせ、逆L字状の内側に沿って線を引くことで、切断箇所を明示できる。
【0024】
<実施例2>
図6図7にB6版プリント7に対する定規の使い方を示す。定規3と定規4を利用して、B5版と同様に切断箇所を明示できる。ここではB5版、B6版を対象にしたが、所望のプリントサイズにあわせてもよいし、3種類以上を組み合わせても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0025】
<実施例3>
図8は文字数指定の問題に対する解答欄の作成に関する説明図である。前述のとおり、3種類の定規2,定規3,定規4には、くり抜き部22、32及び42を備え、表面には文字数ガイド201乃至204、301乃至304、311乃至313、401及び402が表記されている。
【0026】
図示のように、くり抜き部22に「この発明は学習をスムーズに進め」という文字を重ねると、文字数ガイド201乃至204で文字数が15文字であることが容易に判別できる。なお一例として、学習に頻繁に用いられる方眼10mmのノートに書いた文字をベースにして、くり抜き部22、32及び42、表面には文字数ガイド201乃至204、301乃至304、311乃至313、401及び402を用意しても良いし、他の大きさをベースとしても良い。
【0027】
<実施例4>
図9に長尺ものの長さを測る場合を示す。定規2に対して、定規3を180度回転させると、定規の裏面に記載された目盛が連続となり、一例であるが42cmの定規へ変形可能である。
【0028】
<実施例5>
図10に暗記用フィルム5の使用方法を示す。3種類の定規は同一姿勢とし、暗記用フィルム5のみ、90度回転させる。定規の長手方向の縁をノート端に押し付けながら上下させることで、横書きの行に沿って暗記用フィルム5を移動させることができ、利便性が向上する。縦書きの場合は、全体を90度回転させることで、ノートの上端に沿わせればよい。
【0029】
ここで、暗記用フィルムの短手方向の幅を定規と同じとしているが、折れ難い材料にすれば、定規の幅よりも幅広の暗記用フィルムを設置できる。
【0030】
ここでは、簡単なため、3種類の定規と暗記用フィルム5を止め具1で回動自在に固定している。ねじなどの公知の技術を利用することで着脱が容易となる。あるいは、回転部を逆V字形状とし、例えば、暗記用フィルム5の逆V字部に磁石を追加するとともに、他の定規の逆V字部を鉄製とすることで、着脱が容易となる。
【0031】
さらに、ここで記載した機能の他、公知技術であるペーパーナイフ機能や分度器機能、遮光版機能なども搭載できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0032】
1...止め具
2...定規大
3...定規中
4...定規小
5...暗記用フィルム
6...B5版プリント
7...B6版プリント
21..止孔(定規大)
22..くり抜き部(定規大)
23..目盛り(定規大)
31..止孔(定規中)
32..くり抜き部(定規中)
33..目盛り(定規中)
41..止孔(定規小)
42..くり抜き部(定規小)
43..目盛り(定規小)
51..止孔(暗記用フィルム)
201.文字数ガイド1(定規大)
202.文字数ガイド2(定規大)
203.文字数ガイド3(定規大)
204.文字数ガイド4(定規大)
301.文字数ガイド1(定規中)
302.文字数ガイド2(定規中)
303.文字数ガイド3(定規中)
304.文字数ガイド4(定規中)
311.文字数ガイド5(定規中)
312.文字数ガイド6(定規中)
313.文字数ガイド7(定規中)
401.文字数ガイド1(定規小)
402.文字数ガイド2(定規小)
【要約】      (修正有)
【課題】従来より様々な形状や構造を備えているが、いずれも文字数をカウントしたり、暗記シートの代用となる定規ではなかった。
【解決手段】止孔及びくりぬき部を有する定規2と、定規3と、定規4と、止孔を有する暗記用フィルム5とを備え、前記止孔を止め具1で止め、前記定規2、定規3、定規4及び暗記用フィルム5が、前記止め具を中心に1点で回動自在に軸支されている、ことを特徴とする学習用定規によって、筆箱などに収納できる収納性を維持したまま、プリントをノートより少し内側のラインに容易にそろえることができ、また、文字数指定の問題に対し、解答欄の枠を容易に作成でき、効率よく学習することが可能になる。そして、長尺のものの長さ測定や線引きが可能になる。さらに、暗記シートが定規と止め具で回転自在に固定されているため、所在が不明になることはない。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10