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特許7447363生体情報記録装置、および生体情報記録プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】生体情報記録装置、および生体情報記録プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/377 20210101AFI20240304BHJP
【FI】
A61B5/377
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023539045
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(86)【国際出願番号】 JP2022033450
(87)【国際公開番号】W WO2023038028
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】P 2021145252
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002912
【氏名又は名称】住友ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【弁理士】
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】吉水 稔
(72)【発明者】
【氏名】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】福島 由美子
(72)【発明者】
【氏名】貞元 悠郁子
(72)【発明者】
【氏名】伊津野 徹
(72)【発明者】
【氏名】小山 裕昭
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-503261(JP,A)
【文献】国際公開第2019/078328(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0089411(US,A1)
【文献】特開2014-012040(JP,A)
【文献】特開2017-060571(JP,A)
【文献】特開2014-233458(JP,A)
【文献】特表昭58-500933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0538
A61B 5/06 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報センサにより検出される被験者の生体情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得された前記生体情報を記録し、当該生体情報の記録中の任意のタイミングで、前記被験者に実施させるタスクを指定する指定操作が前記被験者を観察する観察者により行われた場合、前記タスクを、前記生体情報と対応付けてさらに記録する記録処理部と、
を備え
前記記録処理部は、前記生体情報の記録中の任意のタイミングで、前記タスクを実行している間に前記被験者に発生するイベントであって、記録されている前記生体情報にノイズをもたらす可能性がある特定の事象としてのイベントを判定する判定操作が前記観察者により行われた場合、前記イベントを、前記生体情報および前記タスクと対応付けてさらに記録する、生体情報記録装置。
【請求項2】
前記生体情報および前記タスクの記録中に、前記生体情報の経時変化が表示される第1領域と、前記タスクの名称が表示される第2領域と、前記判定操作の入力を受け付ける第1ユーザインターフェースが表示される第3領域と、を含む記録画像を表示画面に表示する表示処理部を備える、
請求項に記載の生体情報記録装置。
【請求項3】
前記記録画像は、前記指定操作を改めて行うように前記タスクを変更する変更操作の入力を受け付ける第2ユーザインターフェースが表示される第4領域をさらに含む、
請求項に記載の生体情報記録装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記記録画像を前記表示画面に表示する前に、前記記録画像内において前記第3領域を前記第1領域よりも左側に配置するか右側に配置するかを切り替える切替操作の入力を受け付ける第3ユーザインターフェースが表示される第5領域を含む準備画像を前記表示画面に表示する、
請求項またはに記載の生体情報記録装置。
【請求項5】
前記生体情報は、前記生体情報センサとしての脳波計により検出される脳波を含む、
請求項1に記載の生体情報記録装置。
【請求項6】
生体情報センサにより検出される被験者の生体情報を取得することと、
取得された前記生体情報を記録し、当該生体情報の記録中の任意のタイミングで、前記被験者に実施させるタスクを指定する指定操作が前記被験者を観察する観察者により行われた場合、前記タスクを、前記生体情報と対応付けてさらに記録することと、
前記生体情報の記録中の任意のタイミングで、前記タスクを実行している間に前記被験者に発生するイベントであって、記録されている前記生体情報にノイズをもたらす可能性がある特定の事象としてのイベントを判定する判定操作が前記観察者により行われた場合、前記イベントを、前記生体情報および前記タスクと対応付けてさらに記録することと、
をコンピュータに実行させるための、生体情報記録プログラム。
【請求項7】
前記生体情報および前記タスクの記録中に、前記生体情報の経時変化が表示される第1領域と、前記タスクの名称が表示される第2領域と、前記判定操作の入力を受け付ける第1ユーザインターフェースが表示される第3領域と、を含む記録画像を表示画面に表示すること
を前記コンピュータに実行させるための、請求項に記載の生体情報記録プログラム。
【請求項8】
前記記録画像は、前記指定操作を改めて行うように前記タスクを変更する変更操作の入力を受け付ける第2ユーザインターフェースが表示される第4領域をさらに含む、
請求項に記載の生体情報記録プログラム。
【請求項9】
前記記録画像を前記表示画面に表示する前に、前記記録画像内において前記第3領域を前記第1領域よりも左側に配置するか右側に配置するかを切り替える切替操作の入力を受け付ける第3ユーザインターフェースが表示される第5領域を含む準備画像を前記表示画面に表示すること
を前記コンピュータに実行させるための、請求項またはに記載の生体情報記録プログラム。
【請求項10】
前記生体情報は、前記生体情報センサとしての脳波計により検出される脳波を含む、
請求項に記載の生体情報記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報記録装置、および生体情報記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被験者の脳波を検出するように被験者の頭部に装着される脳波計のような生体情報センサが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9867571号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の生体情報センサは、たとえば認知機能のチェックなどのために課される、精神的または肉体的な負荷となりうるテストまたは課題のような1以上のタスクを実施している被験者の生体情報を記録するように使用されうる。この場合、生体情報とタスクとを簡単に対応づけて記録することができれば望ましい。
【0005】
そこで、本開示が解決しようとする課題の一つは、生体情報とタスクとを簡単に対応付けて記録することが可能な生体情報記録装置、および生体情報記録プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例としての生体情報記録装置は、生体情報センサにより検出される被験者の生体情報を取得する取得処理部と、取得処理部により取得された生体情報を記録し、当該生体情報の記録中に、被験者に実施させるタスクを指定する指定操作が被験者を観察する観察者により行われた場合、タスクを、生体情報と対応付けてさらに記録する記録処理部と、を備える。
【0007】
また、本開示の他の一例としての生体情報記録プログラムは、生体情報センサにより検出される被験者の生体情報を取得することと、取得された生体情報を記録し、当該生体情報の記録中に、被験者に実施させるタスクを指定する指定操作が被験者を観察する観察者により行われた場合、タスクを、生体情報と対応付けてさらに記録することと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の生体情報記録装置および生体情報記録プログラムによれば、生体情報とタスクとを簡単に対応付けて記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかる脳波記録装置および脳波計の概要を示した例示的かつ模式的な図である。
図2図2は、実施形態にかかる脳波記録装置の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図3図3は、実施形態にかかるトップ画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図4図4は、実施形態にかかる準備画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図5図5は、実施形態にかかる右利き用の記録画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図6図6は、実施形態にかかる左利き用の記録画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図7図7は、実施形態にかかる履歴画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図8図8は、実施形態にかかる確認画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図9図9は、実施形態にかかるデータの記録形式の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図10図10は、実施形態にかかるタスクの記録形式の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図11図11は、実施形態においてトップ画像が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
図12図12は、実施形態において準備画像が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
図13図13は、実施形態において記録画像が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
図14図14は、実施形態において履歴画像が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
図15図15は、実施形態において確認画像が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
図16図16は、実施形態にかかる脳波記録装置を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示にかかる生体情報記録装置、および生体情報記録プログラムの実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に制限されるものではない。
【0011】
また、本開示では、「第1」、「第2」などの序数が必要に応じて使用されるが、これらの序数は、識別の便宜のために使用されるものであり、特定の優先順位を示すものではない。
【0012】
<実施形態>
図1は、実施形態にかかる脳波記録装置100および脳波計200の概要を示した例示的かつ模式的な図である。脳波記録装置100は、本開示の「生体情報記録装置」の一例であり、脳波計200は、本開示の「生体情報センサ」の一例である。
【0013】
図1に示されるように、脳波記録装置100と脳波計200とは、互いに無線通信を行うように構成される。脳波記録装置100は、たとえばスマートフォンのような、表示画面101を有する携帯端末として構成される。また、脳波計200は、たとえば被験者Xの頭部に装着されるウェアラブル端末として構成される。
【0014】
実施形態において、脳波記録装置100は、たとえば認知機能のチェックなどのために課される、精神的または肉体的な負荷となりうるテストまたは課題のような1以上のタスクを実施している被験者Xの生体情報としての脳波を記録するように使用される。脳波記録装置100は、次の図2に示されるような機能を有する。
【0015】
図2は、実施形態にかかる脳波記録装置100の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。図2に示されるように、実施形態にかかる脳波記録装置100は、入力受付部110と、取得処理部120と、記録処理部130と、表示処理部140と、を含んでいる。
【0016】
入力受付部110は、脳波記録装置100に対する操作の入力を受け付ける。操作の入力は、たとえば、脳波記録装置100を使用するユーザ(たとえば被験者Xを観察する観察者)によって、表示画面101上に設けられるタッチパネル(不図示)を介して行われる。
【0017】
取得処理部120は、脳波計200により検出される被験者Xの脳波を取得する。そして、記録処理部130は、取得処理部120により取得された脳波を記録する。
【0018】
ここで、実施形態において、表示処理部140は、下記の図3図8に示されるような画像を表示画面101に表示可能に構成される。
【0019】
まず、表示処理部140は、脳波記録装置100と脳波計200との接続(ペアリング)が確立した場合に、次の図3に示されるようなトップ画像300を表示画面101に表示する。
【0020】
図3は、実施形態にかかるトップ画像300の一例を示した例示的かつ模式的な図である。図3に示されるように、トップ画像300は、少なくとも5つの領域310、320、330、340、および350を含んでいる。
【0021】
領域310には、脳波記録装置100と脳波計200との接続を解除する操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)311が表示される。領域320には、現在表示されているトップ画像300を後述する準備画像400(図4参照)に切り替える操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)321が表示される。領域330には、現在表示されているトップ画像300を後述する履歴画像700(図7参照)に切り替える操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)331が表示される。
【0022】
また、領域340には、所定のタスクを実施している被験者Xにおいて発生しうるイベントを設定する操作の入力を受け付けるユーザインターフェースが表示される。イベントとは、タスクを実行している間に被験者Xに発生する、記録されている脳波にノイズをもたらす可能性がある特定の事象である。図3に示される例では、瞬き、体動、あくび、会話、および笑いといった5つのイベントが設定されている。脳波記録装置100のユーザは、領域340を介して所定の操作を入力することで、瞬き、体動、あくび、会話、および笑いとは異なる新たなイベントを追加的に設定したり、瞬き、体動、あくび、会話、および笑いのうち少なくとも1つを他のイベントに変更したりすることが可能である。
【0023】
また、領域350には、脳波の記録時に被験者Xに実施させるべきタスクを設定する操作の入力を受け付けるユーザインターフェースが表示される。図3に示される例では、閉眼・安静、開眼・安静、HAM-D、MADRS、およびNバック課題といった少なくとも5つのイベントが設定されている。脳波記録装置100のユーザは、領域350を介して所定の操作を入力することで、閉眼・安静、開眼・安静、HAM-D、MADRS、およびNバック課題とは異なる新たなタスクを追加的に設定したり、閉眼・安静、開眼・安静、HAM-D、MADRS、およびNバック課題のうち少なくとも1つを他のタスクに変更したりすることが可能である。
【0024】
実施形態において、表示処理部140は、領域320に表示されたユーザインターフェース(ボタン)321が操作された場合、次の図4に示されるような準備画像400を、トップ画像300から切り替えて表示画面101に表示する。
【0025】
図4は、実施形態にかかる準備画像400の一例を示した例示的かつ模式的な図である。図4に示されるように、準備画像400は、少なくとも6つの領域410、420、430、440、450、および460を含んでいる。
【0026】
領域410には、現在表示されている準備画像400をトップ画像300(図3参照)に戻す操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)411が表示される。
【0027】
また、領域420には、脳波の記録時に被験者Xに実施させるべきタスクを指定する指定操作を入力する操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)が表示される。脳波記録装置100のユーザは、領域420のユーザインターフェースの選択による指定操作を行うことで、トップ画像300の領域350(図3参照)において設定されたタスクと、被験者に何のタスクも実施させないためのタスク無しというタスクと、から1つのタスクを選択することが可能である。脳波記録装置100のユーザは、領域420を介して1つのタスクを選択した上で、その1つのタスクを実施するように被験者Xに指示する。
【0028】
また、領域430には、脳波の記録に関わる測定オプションを設定する操作の入力を受け付けるユーザインターフェースが表示され、領域440には、測定オプションのプリセットを選択する操作の入力を受け付けるユーザインターフェースが表示される。脳波記録装置100のユーザは、領域430および440を介して所定の操作を入力することで、脳波の記録時に使用するノッチフィルタのオンオフ、時定数、HPFの周波数、およびLPFの周波数を設定することが可能である。
【0029】
また、領域450には、脳波記録装置100のユーザの利き手を選択する操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)451が表示される。領域450は、本開示の「第5領域」の一例であり、ユーザインターフェース451は、本開示の「第3ユーザインターフェース」の一例である。脳波記録装置100のユーザは、領域450のユーザインターフェース451を介して所定の操作を入力することで、脳波、タスク、およびイベントの記録時に、後述する右利き用の記録画像500(図5参照)を表示画面101に表示するか、後述する左利き用の記録画像600(図6参照)を表示画面101に表示するか、を選択的に切り替えることが可能である。
【0030】
また、領域460には、現在表示されている準備画像400を、脳波、タスク、およびイベントの記録のための後述する記録画像500(図5参照)または記録画像600(図6参照)に切り替えるためのユーザインターフェース(ボタン)461が表示される。
【0031】
たとえば、実施形態において、表示処理部140は、領域450のユーザインターフェース451を介してユーザの利き手が右手であると選択された上で領域460のユーザインターフェース461に対する操作が入力された場合、次の図5に示されるような記録画像500を、準備画像400から切り替えて表示画面101に表示する。これに伴い、記録処理部130は、脳波の記録を開始する。
【0032】
図5は、実施形態にかかる右利き用の記録画像500の一例を示した例示的かつ模式的な図である。図5に示されるように、記録画像500は、少なくとも5つの領域510、520、530、540、および550を含んでいる。
【0033】
領域510には、被験者Xの脳波の経時変化がグラフの形式で表示される。領域510は、本開示の「第1領域」の一例である。図5に示される例では、右脳の脳波の経時変化と、左脳の脳波の経時変化と、の2種類の経時変化が領域510に表示されている。これは、実施形態では、一例として、右脳の脳波を検出する用の電極と、左脳の脳波を検出する用の電極と、の2つの電極を含む脳波計200が使用される、ということを意味している。記録処理部130は、記録画像500が表示画面101に表示されている間、領域510に表示された経時変化を示す脳波を記録する。
【0034】
また、領域520には、現在のタスクの名称が表示される。領域520は、本開示の「第2領域」の一例である。領域520に表示されるタスクの名称は、準備画像400の領域420を介した指定操作により指定され、脳波記録装置100のユーザが被験者Xに対して実施を指示したタスクの名称に対応する。また、領域520に表示されるタスクの名称は、領域510に表示された脳波の経時変化を示すグラフ上に、タスクが開始したタイミングを識別可能な形で表示される。実施形態において、記録処理部130は、記録画像500が表示画面101に表示されている間、領域520に表示されたタスクを、脳波と対応付けて記録する。
【0035】
また、領域530には、タスクを実施中の被験者Xに発生するイベントを判定する判定操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)531が表示される。領域530は、本開示の「第3領域」の一例であり、ユーザインターフェース531は、本開示の「第1ユーザインターフェース」の一例である。図5に示される例では、図1に示される例と同様の5つのイベントが領域530に表示されている。脳波記録装置100のユーザは、タスクを実施中の被験者Xを観察し、被験者Xにおいてイベントが発生する毎に、そのイベントに対応したユーザインターフェース531を選択することが可能である。この場合、記録処理部130は、ユーザインターフェース531が選択される毎に、選択されたユーザインターフェース531に対応するイベントを、脳波およびタスクと対応付けて記録する。なお、判定操作により判定されたイベントの名称は、領域510に表示された脳波の経時変化を示すグラフ上に、イベントが発生したタイミングを識別可能な形で表示される。
【0036】
また、領域540には、被験者Xに実施させるべきタスクの指定操作を改めて行うようにタスクを変更するための変更操作(タスク変更操作)の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)541が表示される。領域540は、本開示の「第4領域」の一例であり、ユーザインターフェース541は、本開示の「第2ユーザインターフェース」の一例である。記録処理部130は、ユーザインターフェース541を介してタスク変更操作が入力されることで新たなタスクが指定された場合、その新たなタスクを脳波と対応付けて記録する。
【0037】
また、領域550には、終了操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)551が表示される。記録処理部130は、ユーザインターフェース551を介して終了操作が入力された場合、脳波、タスク、およびイベントの記録を終了する。
【0038】
なお、実施形態において、表示処理部140は、準備画像400(図4参照)において領域450のユーザインターフェース451を介してユーザの利き手が左手であると選択された上で領域460のユーザインターフェース461に対する操作が入力された場合、上述した記録画像500ではなく、次の図6に示されるような記録画像600を、準備画像400から切り替えて表示画面101に表示する。
【0039】
図6は、実施形態にかかる左利き用の記録画像600の一例を示した例示的かつ模式的な図である。図6に示されるように、記録画像600は、一部の領域の配置が異なっているだけで、基本的には上述した記録画像500(図5参照)と同様である。
【0040】
すなわち、記録画像600は、少なくとも、上述した5つの領域510、520、530、540、および550(図5参照)とそれぞれ同様の5つの領域610、620、630、640、および650を含んでいる。領域630、640、および650にそれぞれ表示されるユーザインターフェース(ボタン)631、641、659も、領域530、540、および550にそれぞれ表示されるユーザインターフェース531、541、および551(図5参照)と同様である。
【0041】
ここで、記録画像600においては、判定操作の入力を受け付けるユーザインターフェース631が表示された領域630と、終了操作の入力を受け付けるユーザインターフェース651が表示された領域650とが、脳波の経時変化が表示される領域610よりも左側に位置している。これは、上述した記録画像500における領域510、530、および650の左右の位置関係とは逆である(図5参照)。図6に示されるような位置関係によれば、利き手が左手のユーザにとって判定操作および終了操作を行うことが容易となり、図5に示されるような位置関係によれば、利き手が右手のユーザにとって判定操作および終了操作を行うことが容易となる。
【0042】
図3に戻り、実施形態において、表示処理部140は、領域330に表示されたユーザインターフェース(ボタン)331が操作された場合、次の図7に示されるような履歴画像700を、トップ画像300から切り替えて表示画面101に表示する。
【0043】
図7は、実施形態にかかる履歴画像700の一例を示した例示的かつ模式的な図である。図7に示されるように、履歴画像700は、少なくとも2つの領域710および720を含んでいる。
【0044】
領域710には、現在表示されている履歴画像700をトップ画像300(図3参照)に戻す操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)711が表示される。
【0045】
また、領域720には、記録済のデータが一覧表示されている。脳波記録装置100のユーザは、領域720を介して所定の操作を入力し、領域720に一覧表示されたデータから1つのデータを選択することができる。この場合、表示処理部140は、選択されたデータの内容をユーザに確認させるために、次の図8に示されるような確認画像800を、履歴画像700から切り替えて表示画面101に表示する。
【0046】
図8は、実施形態にかかる確認画像800の一例を示した例示的かつ模式的な図である。図8に示されるように、確認画像800は、少なくとも4つの領域810、820、830、および840を含んでいる。
【0047】
領域810には、現在表示されている確認画像800を履歴画像700(図7参照)に戻す操作の入力を受け付けるユーザインターフェース(ボタン)811が表示される。また、領域820には、履歴画像700において選択されたデータの内容(たとえば脳波、タスク、およびイベントの対応関係)の少なくとも一部がグラフの形式で表示される。図8に示される例では、記録された脳波(の少なくとも一部)がグラフの形式で表示されるとともに、記録されたタスクおよびイベントが、タスクが開始したタイミングおよびイベントが発生したタイミングを識別可能な形でグラフ上に表示されている。
【0048】
また、領域830および840には、それぞれ、領域810に表示するデータを変更する操作の入力を受け付けるユーザインターフェース831および841が表示される。たとえば、脳波記録装置100のユーザは、領域840のユーザインターフェース841を介して所定の操作を入力することで、領域810に何秒分のデータを表示するかを選択することが可能であり、領域830のユーザインターフェース831を介して所定の操作を入力することで、現在のところ領域810の範囲内に収まっていないデータを領域810の範囲内に表示させることが可能である。
【0049】
なお、実施形態において、記録処理部130は、たとえば次の図9に示されるような形式で各種のデータを記録する。
【0050】
図9は、実施形態にかかるデータの記録形式の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
【0051】
図9に示されるように、記録処理部130は、各種のデータを表900のような形式で記録する。図9に示される例では、左脳の脳波の値(Ch1-Left)と、右脳の脳波の値(Ch2-Right)と、タスクの識別番号(Task Number)と、イベントの名称(Event)と、ノイズの有無(Noise)と、これら5項目のデータが取得されたタイミング(Time Stamp)と、の合計6項目のデータが表900として対応付けられている。
【0052】
なお、図9に示される表900では、タスクの名称が直接的に記録されるのではなく、タスクの識別番号が記録されている。このため、実施形態では、タスクの識別番号とタスクの名称との対応関係が、次の図10に示されるような形式で記録されている。
【0053】
図10は、実施形態にかかるタスクの記録形式の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
【0054】
図10に示されるように、実施形態では、タスクの識別番号(Task Number)とタスクの名称(Task Name)とが、表1000として対応付けられている。表示処理部140は、この表1000と上述した表900(図9参照)とに基づいて、上述した確認画像800(図8参照)を表示画面101に表示する。
【0055】
このように、実施形態にかかる脳波記録装置100は、各種の画像を表示画面101に表示し、ユーザ(被験者Xを観察する観察者)の操作の入力を受け付けることで、脳波、タスク、およびイベントの対応関係を記録したり、記録したデータをユーザに確認させたりすることが可能である。
【0056】
以下、実施形態にかかる脳波記録装置100が実行する処理の流れを説明する。
【0057】
図11は、実施形態においてトップ画像300(図3参照)が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的な図である。
【0058】
図11に示される例では、まず、ステップS1101において、入力受付部110は、切断操作が入力されたか否かを判定する。切断操作とは、トップ画像300(図3参照)における領域310のユーザインターフェース311を介して入力される、脳波記録装置100と脳波計200との接続を解除する操作のことである。
【0059】
ステップS1101において、切断操作が入力されたと判定された場合、処理が終了する。一方、ステップS1101において、切断操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1102に処理が進む。
【0060】
そして、ステップS1102において、入力受付部110は、準備画像400(図4参照)への移行操作が入力されたか否かを判定する。準備画像400への移行操作とは、トップ画像300(図3参照)における領域320のユーザインターフェース321を介して入力される操作のことである。
【0061】
ステップS1102において、準備画像400(図4参照)への移行操作が入力されたと判定された場合、ステップS1103に処理が進む。そして、ステップS1103において、表示処理部140は、表示画面101に表示する画像を、現在表示しているトップ画像300(図3参照)から準備画像400に切り替える。そして、準備画像400への切り替えが完了すると、図11に示される処理が終了し、図12に示される処理(詳細は後述する)へと処理が移行する。
【0062】
一方、ステップS1102において、準備画像400(図4参照)への移行操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1104に処理が進む。そして、ステップS1104において、入力受付部110は、履歴画像700(図7参照)への移行操作が入力されたか否かを判定する。履歴画像700への移行操作とは、トップ画像300(図3参照)における領域330のユーザインターフェース331を介して入力される操作のことである。
【0063】
ステップS1104において、履歴画像700(図7参照)への移行操作が入力されたと判定された場合、ステップS1105に処理が進む。そして、ステップS1105において、表示処理部140は、表示画面101に表示する画像を、現在表示しているトップ画像300(図3参照)から履歴画像700に切り替える。そして、履歴画像700への切り替えが完了すると、図11に示される処理が終了し、図14に示される処理(詳細は後述する)へと処理が移行する。
【0064】
一方、ステップS1104において、履歴画像700(図7参照)への移行操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1106に処理が進む。そして、ステップS1106において、入力受付部110は、その他の設定変更操作が入力されたか否かを判定する。その他の設定変更操作とは、トップ画像300(図3参照)における領域340および350などを介して入力される操作のことである。
【0065】
ステップS1106において、設定変更操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1101に処理が戻る。一方、ステップS1106において、設定変更操作が入力されたと判定された場合、ステップS1107に処理が進む。そして、ステップS1107において、表示処理部140は、入力された設定変更操作に応じて設定を変更し、必要に応じてトップ画像300(図3参照)の表示内容を変更する。そして、ステップS1101に処理が戻る。
【0066】
図12は、実施形態において準備画像400(図4参照)が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的な図である。
【0067】
図12に示される例では、まず、ステップS1201において、入力受付部110は、戻り操作が入力されたか否かを判定する。戻り操作とは、準備画像400(図4参照)における領域410のユーザインターフェース411を介して入力される操作のことである。
【0068】
ステップS1201において、戻り操作が入力されたと判定された場合、ステップS1202に処理が進む。そして、ステップS1202において、表示処理部140は、表示画面101に表示する画像を、現在表示している準備画像400(図4参照)からトップ画像300(図3参照)に切り替える。そして、トップ画像300への切り替えが完了すると、図12に示される処理が終了し、図11に示される処理へと処理が移行する。
【0069】
一方、ステップS1201において、戻り操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1203に処理が進む。そして、ステップS1203において、入力受付部110は、記録開始操作が入力されたか否かを判定する。記録開始操作とは、準備画像400(図4参照)における領域460のユーザインターフェース461を介して入力される操作のことである。
【0070】
ステップS1203において、記録開始操作が入力されたと判定された場合、ステップS1204に処理が進む。そして、ステップS1204において、表示処理部140は、表示画面101に表示する画像を、現在表示している準備画像400(図4参照)から記録画像500(図5参照)または記録画像600(図6参照)に切り替える。そして、記録画像500または600への切り替えが完了すると、図12に示される処理が終了し、図13に示される処理(詳細は後述する)へと処理が移行する。
【0071】
一方、ステップS1203において、記録開始操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1205に処理が進む。そして、ステップS1205において、入力受付部110は、指定操作が入力されたか否かを判定する。指定操作とは、準備画像400(図4参照)における領域420を介して入力される操作のことである。
【0072】
ステップS1205において、指定操作が入力されたと判定された場合、ステップS1206に処理が進む。そして、ステップS1206において、表示処理部140は、今後の記録開始操作に応じて記録が開始される脳波の測定値と対応付けて記録すべきタスクを設定し、必要に応じて準備画像400(図4参照)の表示内容を変更する。そして、ステップS1201に処理が戻る。
【0073】
一方、ステップS1205において、指定操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1207に処理が進む。そして、ステップS1207において、入力受付部110は、(切替操作を含む)その他の設定変更操作が入力されたか否かを判定する。その他の設定変更操作とは、準備画像400(図4参照)における領域430、440、および450を介して入力される操作のことである。ここでは、領域450のユーザインターフェース451を介して入力される操作を、脳波、タスク、およびイベントの記録時において表示画面101に右利き用の記録画像500(図5参照)を表示するか左利き用の記録画像600(図6参照)を表示するかを切り替える操作であるという意味で、切替操作と表現している。
【0074】
ステップS1207において、設定変更操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1201に処理が戻る。一方、ステップS1207において、設定変更操作が入力されたと判定された場合、ステップS1208に処理が進む。そして、ステップS1208において、表示処理部140は、入力された設定変更操作に応じて設定を変更し、必要に応じて準備画像400(図4参照)の表示内容を変更する。そして、ステップS1201に処理が戻る。
【0075】
図13は、実施形態において記録画像500(図5参照)または記録画像600(図6参照)が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的な図である。上述した通り、記録画像500または600のいずれが表示されるかは、たとえば図12のステップS1207において入力された切替操作に応じて切り替わる。
【0076】
図13に示される例では、まず、ステップS1301において、記録処理部130は、取得処理部120により取得される脳波の測定値と、たとえば図12のステップS1205において入力された指定操作により指定されたタスクと、を対応付けて記録する。このとき、表示処理部140は、記録中のデータを、記録画像500(図5参照)の領域510内、または記録画像600(図6参照)の領域610内に表示する。
【0077】
そして、ステップS1302において、入力受付部110は、終了操作が入力されたか否かを判定する。終了操作とは、記録画像500(図5参照)における領域550のユーザインターフェース551、または記録画像600(図6参照)における領域650のユーザインターフェース651を介して入力される操作のことである。
【0078】
ステップS1302において、終了操作が入力されたと判定された場合、ステップS1303に処理が進む。そして、ステップS1303において、記録処理部130は、現時点までのデータの記録結果を、たとえば上述した表900(図9参照)のような形式で保存する。そして、処理が終了する。
【0079】
一方、ステップS1302において、終了操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1304に処理が進む。そして、ステップS1304において、入力受付部110は、判定操作が入力されたか否かを判定する。判定操作とは、記録画像500(図5参照)における領域530のユーザインターフェース531、または記録画像600(図6参照)における領域630のユーザインターフェース631を介して入力される操作のことである。
【0080】
ステップS1304において、判定操作が入力されたと判定された場合、ステップS1305に処理が進む。そして、ステップS1305において、記録処理部130は、判定操作により判定されたイベントを、記録中の脳波の測定値およびタスクと対応付けて記録する。このとき、表示処理部140は、記録されたイベントを、記録画像500(図5参照)の領域510内、または記録画像600(図6参照)の領域610内に表示する。そして、ステップS1301に処理が戻る。
【0081】
一方、ステップS1305において、判定操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1306に処理が進む。そして、ステップS1306において、入力受付部110は、タスク変更操作が入力されたか否かを判定する。タスク変更操作とは、記録画像500(図5参照)における領域540のユーザインターフェース541、または記録画像600(図6参照)における領域640のユーザインターフェース641を介して入力される操作のことである。
【0082】
ステップS1306において、タスク変更操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1301に処理が戻る。一方、ステップS1306において、タスク変更操作が入力されたと判定された場合、ステップS1307に処理が進む。そして、ステップS1307において、記録処理部130は、記録しているタスクを変更し、表示処理部140は、記録画像500(図5参照)の領域520内、または記録画像600(図6参照)の領域620内の表示内容を変更する。このとき、表示処理部140は、記録画像500の領域510内、または記録画像600の領域610内に表示するタスクも変更する。そして、ステップS1301に処理が戻る。
【0083】
図14は、実施形態において履歴画像700(図7参照)が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的な図である。
【0084】
図14に示される例では、まず、ステップS1401において、入力受付部110は、戻り操作が入力されたか否かを判定する。戻り操作とは、履歴画像700(図7参照)における領域710のユーザインターフェース711を介して入力される操作のことである。
【0085】
ステップS1401において、戻り操作が入力されたと判定された場合、ステップS1402に処理が進む。そして、ステップS1402において、表示処理部140は、表示画面101に表示する画像を、現在表示している履歴画像700(図7参照)からトップ画像300(図3参照)に切り替える。そして、トップ画像300への切り替えが完了すると、図14に示される処理が終了し、図11に示される処理へと処理が移行する。
【0086】
一方、ステップS1401において、戻り操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1403に処理が進む。そして、ステップS1403において、入力受付部110は、選択操作が入力されたか否かを判定する。選択操作とは、履歴画像700(図7参照)における領域720を介して入力される操作のことである。
【0087】
ステップS1403において、選択操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1401に処理が戻る。一方、ステップS1403において、選択操作が入力されたと判定された場合、ステップS1404に処理が進む。そして、ステップS1404において、表示処理部140は、表示画面101に表示する画像を、現在表示している履歴画像700(図7参照)から確認画像800(図8参照)に切り替える。そして、確認画像800への切り替えが完了すると、図14に示される処理が終了し、次の図15に示される処理へと処理が移行する。
【0088】
図15は、実施形態において確認画像800(図8参照)が表示されている場合に実行される処理を示した例示的かつ模式的な図である。
【0089】
図15に示される例では、まず、ステップS1501において、入力受付部110は、戻り操作が入力されたか否かを判定する。戻り操作とは、確認画像800(図8参照)における領域810のユーザインターフェース811を介して入力される操作のことである。
【0090】
ステップS1501において、戻り操作が入力されたと判定された場合、ステップS1502に処理が進む。そして、ステップS1502において、表示処理部140は、表示画面101に表示する画像を、現在表示している確認画像800(図8参照)から履歴画像700(図7参照)に切り替える。そして、履歴画像700への切り替えが完了すると、図15に示される処理が終了し、図14に示される処理へと処理が移行する。
【0091】
一方、ステップS1501において、戻り操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1503に処理が進む。そして、ステップS1503において、入力受付部110は、その他の表示内容の変更操作が入力されたか否かを判定する。その他の表示内容の変更操作とは、確認画像800(図8参照)における領域830のユーザインターフェース831および領域840のユーザインターフェース841を介して入力される操作のことである。
【0092】
ステップS1503において、表示内容の変更操作が入力されていないと判定された場合、ステップS1501に処理が戻る。一方、ステップS1503において、表示内容の変更操作が入力されたと判定された場合、ステップS1504に処理が進む。そして、ステップS1504において、表示処理部140は、入力された表示内容の変更操作に応じて、確認画像800(図8参照)の領域820内の表示内容を変更する。そして、処理が終了する。
【0093】
以上説明したように、実施形態にかかる脳波記録装置100は、取得処理部120と、記録処理部130と、を含んでいる。取得処理部120は、脳波計200により検出される被験者Xの脳波を取得する。記録処理部130は、取得処理部120により取得された脳波を記録し、当該脳波の記録中に、被験者Xに実施させるタスクを指定する指定操作が被験者Xを観察する観察者により行われた場合、タスクを、脳波と対応付けてさらに記録する。
【0094】
上記の構成によれば、たとえば脳波の記録の完了後にどのタイミングでどのタスクが実施されていたかを事後的に記録する場合と異なり、脳波の記録中にリアルタイムで指定操作を行うだけで、脳波とタスクとを簡単に対応付けて記録することができる。
【0095】
また、実施形態において、記録処理部130は、脳波およびタスクの記録中に、被験者Xにおいて発生するイベントを判定する判定操作が観察者により行われた場合、イベントを、脳波およびタスクと対応付けてさらに記録する。
【0096】
上記の構成によれば、たとえば脳波およびタスクの記録の完了後にどのタイミングでどのイベントが発生していたかを事後的に記録する場合と異なり、脳波およびタスクの記録中にリアルタイムで判定操作を行うだけで、脳波およびタスクに加えてイベントも簡単に対応付けて記録することができる。つまり、1人の観察者が、被験者に認知テストなどのタスクを実施させながら、リアルタイムに、被験者に発生したイベント(たとえば瞬きなど)を同時に記録することができる。したがって、脳波の記録において、ノイズまたはアーチファクトなど容易に特定することができる。また、この場合、観察者は、脳波計と被験者の行動や動作の両方を見ながら作業することができるので、作業効率を高めることができる。
【0097】
なお、実施形態において、脳波記録装置100は、表示処理部140を含んでいる。表示処理部140は。脳波およびタスクの記録中に、脳波の経時変化が表示される領域510(または610)と、タスクの名称が表示される領域520(または620)と、判定操作の入力を受け付けるユーザインターフェース531(または631)が表示される領域530(または530)と、を含む記録画像500(または600)を表示画面101に表示する。
【0098】
上記の構成によれば、脳波およびタスクと対応付けて記録すべきイベントの判定を視覚的に簡単に行うことができる。
【0099】
なお、実施形態において、記録画像500(または600)は、指定操作を改めて行うようにタスクを変更する変更操作の入力を受け付けるユーザインターフェース541(または641)が表示される領域540(または640)をさらに含む。
【0100】
上記の構成によれば、脳波と対応付けて記録すべきタスクの変更を視覚的に簡単に行うことができる。
【0101】
また、実施形態において、表示処理部140は、記録画像500(または600)を表示画面101に表示する前に、記録画像500(または600)内において領域530(または630)を領域510(または620)よりも左側に配置するか右側に配置するかを切り替える切替操作の入力を受け付けるユーザインターフェース451が表示される領域450を含む準備画像400を表示画面101に表示する。
【0102】
上記の構成によれば、準備画像400を用いた切替操作により、右利きのユーザが判定操作を行いやすい記録画像500と、左利きのユーザが判定操作を行いやすい記録画像600と、を簡単に選択することができる。
【0103】
最後に、上述した実施形態にかかる脳波記録装置100のハードウェア構成について説明する。実施形態にかかる脳波記録装置100は、たとえば次の図16に示されるようなハードウェア構成を有するコンピュータ1600によって実現される。
【0104】
実施形態にかかる脳波記録装置100を実現するコンピュータ1600のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【0105】
図16に示されるように、コンピュータ1600は、プロセッサ1610と、メモリ1620と、ストレージ1630と、入出力インターフェース(I/F)1640と、通信インターフェース(I/F)1650と、を備えている。これらのハードウェアは、バス1660に接続されている。
【0106】
プロセッサ1610は、たとえばCPU(Central Processing Unit)として構成され、コンピュータ1600の各部の動作を統括的に制御する。
【0107】
メモリ1620は、たとえばROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含み、プロセッサ1610により実行されるプログラムなどの各種のデータの揮発的または不揮発的な記憶、およびプロセッサ1610がプログラムを実行するための作業領域の提供などを実現する。
【0108】
ストレージ1630は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)を含み、各種のデータを不揮発的に記憶する。
【0109】
入出力インターフェース1640は、たとえばキーボードおよびマウスなどのような入力装置(不図示)からコンピュータ1600へのデータの入力と、たとえばコンピュータ1600からディスプレイおよびスピーカなどのような出力装置(不図示)へのデータの出力と、を制御する。
【0110】
通信インターフェース1650は、コンピュータ1600が他の装置と有線または無線で通信を実行することを可能にする。
【0111】
実施形態にかかる脳波記録装置100が有する機能(図2参照)は、プロセッサ1610がメモリ1620またはストレージ1630に予め記憶された脳波記録プログラムを実行した結果として、ハードウェアとソフトウェアとの協働による機能モジュール群として実現される。ただし、実施形態では、図2に示される機能モジュール群のうち一部または全部が、専用に設計された回路(circuitry)のようなハードウェアのみによって実現されてもよい。
【0112】
なお、上述した脳波記録プログラムは、必ずしもメモリ1620またはストレージ1630に予め記憶されている必要はない。たとえば、上述した脳波記録プログラムは、フレキシブルディスク(FD)のような各種の磁気ディスク、またはDVD(Digital Versatile Disk)のような各種の光ディスクなどといった、コンピュータで読み取り可能な媒体にインストール可能な形式または実行可能な形式で記録されたコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0113】
また、上述した脳波記録プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布されてもよい。すなわち、上述した記録プログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納された状態で、ネットワーク経由でのダウンロードを受け付ける、といった形で提供されてもよい。
【0114】
<変形例>
上述した実施形態では、記録される生体情報が脳波である構成が例示されている。しかしながら、本開示の技術は、脳波以外の、たとえば心拍などのような生体情報を記録する構成にも適用可能である。
【0115】
また、上述した実施形態では、生体情報記録装置の一例として、スマートフォンのような携帯端末として構成された脳波記録装置100が例示されている。しかしながら、本開示の技術は、脳波記録装置100が非携帯端末として構成されていてもよい。
【0116】
また、上述した実施形態では、生体情報の記録中に、被験者に実施させるタスクを指定する指定操作が被験者を観察する観察者により行われる場合を示したが、指定操作を行う主体は、観察者に限られず、機械装置によって行われてもよい。この機械装置は、たとえば、被験者の全体像を撮影するカメラと、少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータとを備える。このプロセッサは、たとえば、被験者に実施させるタスクを任意に指定することで指定操作を行い、指定したタスクをコンピュータの入出力インターフェース(I/F)にて表示するとともに、タスクの情報を記録処理部に転送し、記録する。これにより、タスクの情報を正確に記録することができる。
【0117】
また、上述した実施形態では、生体情報およびタスクの記録中に、被験者において発生するイベントを判定する判定操作が観察者により行われる場合を示したが、この判定操作も、上記の指定操作と同様に、観察者ではなく機械装置によって行われてもよい。この機械装置は、たとえば、被験者の全体像を撮影するカメラと、少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータとを備える。このプロセッサは、たとえば、カメラからの映像を元に被験者において発生するイベントを判定することで判定操作を行い、判定操作を記録処理部に転送し、記録する。これにより、イベントの判定操作を正確に記録することができる。
【0118】
以上、本開示のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
100 生体情報記録装置
101 表示画面
120 取得処理部
130 記録処理部
140 表示処理部
200 脳波計
400 準備画像
450 領域(第5領域)
451 ユーザインターフェース(第2ユーザインターフェース)
500、600 記録画像
510、610 領域(第1領域)
520、620 領域(第2領域)
530、630 領域(第3領域)
531、631 ユーザインターフェース(第1ユーザインターフェース)
540、640 領域(第4領域)
541、641 ユーザインターフェース(第2ユーザインターフェース)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16