(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】操作検出装置
(51)【国際特許分類】
H03K 17/945 20060101AFI20240305BHJP
H03K 17/955 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H03K17/945 B
H03K17/955 G
(21)【出願番号】P 2019168503
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】半田 吉紀
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-2250(JP,A)
【文献】特開2018-66707(JP,A)
【文献】特開2008-111809(JP,A)
【文献】特開2018-37348(JP,A)
【文献】特開2019-2855(JP,A)
【文献】特開2019-75780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V3/08-3/11
G01R31/50-31/74
H03K17/945-17/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が近接されることで該操作者との間で静電容量が変化するセンサ電極、及び前記センサ電極の操作者の近接側とは反対側
において前記センサ電極に対向された対向電極を備える電極部と、
配線により前記センサ電極に接続され、
該配線からの入力に応じた静電容量を検出することで前記センサ電極への操作者の近接及び前記センサ電極との接続状態を検出する検出部と、
前記検出部が前記センサ電極への前記操作者の近接を検出する際、前記対向電極の電位が前記センサ電極の電位と同様の電位となるように前記対向電極を前記検出部に接続し、前記検出部が前記センサ電極との
前記接続状態を検出する際、前記対向電極を接地状態とする接続部と、
前記接続状態として前記検出部と前記センサ電極とを接続する
前記配線に断線が生じているか否かを判定する際、
前記接続部により前記対向電極を接地状態とし、前記検出部に検出される静電容量が、前記配線
の非断線状態において前記検出部に検出される静電容量に基づいて設定している
静電容量を超えている場合に前記配線に断線が
生じていないと判定する判定部と、
を含む操作検出装置。
【請求項2】
前記接続部は、制御されることで前記対向電極を前記センサ電極と同様の電位とする第1の状態と前記対向電極を接地する第2の状態とに切換える切換手段を備え、
前記検出部は、前記切換手段を制御する制御手段を備える請求項1に記載の操作検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式の操作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の入力装置には、スイッチ部にセンサ電極、及びセンサ電極と基準点との間における寄生容量を減少させるためのキャンセル電極が設けられており、センサ電極に対する操作が検出部により検出される。また、入力装置では、制御部がセンサ電極に駆動信号を印加すると共に、キャンセル電極に対して駆動信号と同一波形の信号を印加し、検出部がセンサ電極の静電容量の変化から入力操作が行われたか否かを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、センサ電極と検出部及び制御部とは、電気配線によって接続されている。このため、電気配線に断線等の通電不良(接触不良)が生じることで誤検出が生じる。
【0005】
本発明は、上記事実を鑑みて成されたものであり、誤検出を抑制できる操作検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の操作検出装置は、操作者が近接されることで該操作者との間で静電容量が変化するセンサ電極、及び前記センサ電極の操作者の近接側とは反対側に対向された対向電極を備える電極部と、前記センサ電極に接続され、静電容量を検出することで前記センサ電極への操作者の近接及び前記センサ電極との接続状態を検出する検出部と、前記検出部が前記センサ電極への前記操作者の近接を検出する際、前記対向電極を電位が前記センサ電極と同様の電位となるように前記検出部に接続し、前記検出部が前記センサ電極との接続状態を検出する際、前記対向電極を接地状態とする接続部と、を含む。
【0007】
第2の態様の操作検出装置は、第1の態様において、前記接続部は、制御されることで前記対向電極を前記センサ電極と同様の電位とする第1の状態と前記対向電極を接地する第2の状態とに切換える切換手段を備え、前記検出部は、前記切換手段を制御する制御手段を備える。
【発明の効果】
【0008】
第1の態様の操作検出装置では、電極部に操作者が近接されることで該操作者との間で静電容量が変化するセンサ電極、及びセンサ電極の操作者の近接側とは反対側に対向された対向電極が設けられている。検出部は、センサ電極に接続され、検出部は、静電容量を検出する。
【0009】
ここで、接続部は、検出部によりセンサ電極への操作者の近接を検出する際、対向電極を電位がセンサ電極と同様の電位となるように検出部に接続する。また、接続部は、検出部により検出部とセンサ電極との接続状態を検出する際、対向電極を接地状態とする。
【0010】
検出部がセンサ電極への操作者の近接を検出する際、センサ電極と対向電極とが同様の電位とされると、センサ電極と対向電極との間の静電容量が減少する。また、検出部が検出部とセンサ電極との接続状態を検出する際、対向電極を接地状態とすることで、センサ電極と対向電極との間の静電容量が増加する。
【0011】
このため、検出部とセンサ電極との接続状態を検出する際、検出部とセンサ電極とを接続する電気配線に断線等が生じている場合と、断線が生じていない場合とで、検出部で検出される静電容量が大きく異なる。これにより、センサ電極への操作者の近接、及びセンサ電極との接続状態を各々的確に検出できて、検出部による誤検出を抑制できる。
【0012】
第2の態様の操作検出装置では、接続部に切換手段を設けており、切換手段が対向電極をセンサ電極と同様の電位とする第1の状態と、対向電極を接地する第2の状態とに切換る。また、検出部には、切換手段を制御する制御手段が設けられている。
【0013】
これにより、制御手段が切換手段を制御することで、検出部は、センサ電極への操作者の近接、及びセンサ電極との接続状態の検出を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る操作検出装置の概略構成図である。
【
図2】電極部におけるセンサ電極周りの静電容量を示す概略図である。
【
図3】操作検出時におけるセンサ電極周りの静電容量を示す概略図であり、(A)は近接状態を示し、(B)は非近接状態を示している。
【
図4】断線検出時の非断線状態におけるセンサ電極周りの静電容量を示す概略図であり、(A)は近接状態を示し、(B)は非近接状態を示している。
【
図5】断線検出時の断線状態におけるセンサ電極周りの静電容量を示す概略図であり、(A)は近接状態を示し、(B)は非近接状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係る操作検出装置10が概略構成図にて示されている。
図1に示すように、操作検出装置10は、電極部12及びコントローラ14を備えている。操作検出装置10は、静電容量式(自己容量方式)とされており、電極部12には、センサ電極16及び対向電極としてのシールド電極18が用いられている。
【0016】
センサ電極16及びシールド電極18は、各々シート状とされており、センサ電極16とシールド電極18とは、絶縁性シート状のフィルム(誘電体、図示省略)を介して重ねられている。これにより、電極部12は、センサ電極16とシールド電極18とが層状に配置されたシート状に形成されている。
【0017】
また、センサ電極16とシールド電極18とは、互いに対向する面の面積が同様にされているか、センサ電極16よりシールド電極18が広く(大きく)されている。これにより、電極部12では、センサ電極16のシールド電極18側がシールド電極18によって覆われている。このため、電極部12では、センサ電極16のシールド電極18とは反対側の面に人(人体の一部、例えば手や指など)が近接することで、センサ電極16に生じる静電容量が変化する(増加する)。
【0018】
コントローラ14には、検出部及び制御手段としての制御部20、及びスイッチ部22、24が形成されており、コントローラ14は、図示しない電源から電力が供給されて動作する。スイッチ部22には、一次側に2つの端子(接点)22A、22Bが形成され、二次側に一つの端子(接点)22Cが形成されており、スイッチ部22は、端子22Cの接続先が端子22A、22Bの間で切換えられる。
【0019】
スイッチ部22は端子22Aが給電側とされ、端子22Aには定電流源(定電流回路)26が接続されて、定電流源26から所定電流が供給される。また、スイッチ部22は端子22Bが検出側とされ、端子22Bには、ADC(Analog-Digital Converter:AD変換器)28の入力側に接続されている。また、ADC28の出力側は制御部20に接続されている。
【0020】
スイッチ部22の端子22Cには、配線(電気配線)30の一端が接続されている。配線30の他端は、電極部12のセンサ電極16に接続されている。このため、端子22Cが給電側の端子22Aと接続されることで、定電流源26がセンサ電極16に接続されてセンサ電極16に給電される。センサ電極16では、給電されることで静電容量に応じた電圧が発生する。
【0021】
また、端子22Cが検出側の端子22Bに接続されることで、センサ電極16がADC28に接続され、センサ電極16に発生した電圧(静電容量)に応じた検出信号(電圧信号)が制御部20に入力される。制御部20に入力される検出信号は、センサ電極16に蓄積された電荷(静電容量)に応じた大きさ(電圧レベル)となっている。制御部20は、入力された検出信号(検出信号から得られる静電容量でもよい)と予め設定しているしきい値とを比較し、センサ電極16に操作者(操作者の手や指)が近接しているか否かを検出する。
【0022】
一方、操作検出装置10には、バッファ部32が設けられており、バッファ部32及びスイッチ部24が接続手段としての接続部34を構成している。バッファ部32には、オペアンプOPが用いられており、オペアンプOPは、シャットダウン機能付きでボルテージフォロワが構成されてコントローラ14の制御部20から供給される電力によって動作される。バッファ部32(オペアンプOP)は、出力側がハイインピーダンスとされている。バッファ部32の入力側は配線30のスイッチ部22(端子22C)側に接続され、バッファ部32の出力側は電極部12のシールド電極18に接続されている。これにより、バッファ部32は、電極部12のシールド電極18をセンサ電極16と同様の電位とするように動作可能になっている。
【0023】
スイッチ部24には、一対の端子(接点)24A、24Bが形成されており、スイッチ部24は、一対の端子24A、24Bの接続(オン)と非接続(オフ)とを切換える。スイッチ部24の一方の端子24Aは接地(接地GNDに接続)され、他方の端子24Bはバッファ部32の出力側に接続されている。これにより、スイッチ部24は、バッファ部32のシールド電極18側を、第2の状態としての接地GNDに対してローインピーダンスとなる接地状態と、第1の状態としての接地GNDに対してハイインピーダンスとなる非接地状態とに切換える。シールド電極18は、端子24Aと端子24Bとが接続されたスイッチ部24のオン状態では接地状態にされる。
【0024】
制御部20には、マイクロコンピュータが用いられており、制御部20は、CPUが、RAMをワークメモリとし、ROMやストレージなどに記憶されたプログラムを読出して実行することで、電極部12を用いた操作検出部及び配線30の接続状態(断線の有無)を検出する断線検出部として機能する。
【0025】
制御部20には、スイッチ部22、24及びバッファ部32が接続されており(バッファ部32との接続の図示は省略)、制御部20は、スイッチ部22、24及びバッファ部32の動作を制御する。
【0026】
ここで、制御部20では、スイッチ部22を給電側とした後、検出側に切換えることで、センサ電極16の静電容量(電圧信号)の検出を行う。制御部20は、センサ電極16に対する操作者の近接を検出(以下、操作検出という)する際、スイッチ部24をオフすると共にバッファ部32を動作させた状態でスイッチ部22を操作する。また、制御部20は、配線30の断線の有無を検出(以下、断線検出という)する際、スイッチ部24をオンすると共に、バッファ部32を非動作させた状態でスイッチ部22を操作する。
【0027】
これにより、操作検出装置10では、制御部20が操作検出を行いながら、予め設定された時間間隔で断線検出を行う。
【0028】
以下に、操作検出装置10を用いた操作検出及び断線検出を説明する。
操作検出装置10は、例えば、図示しない車両に設けられる。電極部12は、車両操舵において操作者としての乗員(運転者)が把持するステアリングホイールのリム部(操作体、図示省略)に設けられる。電極部12は、シールド電極18がリム部の中心部に配置される導電性を有する金属製のリム芯金側とされて、リム部の外周に配設されステアリングホイール周方向に延設され皮革などの加飾材によって被覆されて用いられる。これにより、乗員がステアリングホイール(リム部)を把持するか指を接触させる操作を行うことで、電極部12のセンサ電極16に乗員の手(又は指)が近接される。
【0029】
操作検出装置10の制御部20は、センサ電極16に発生する電圧又は電圧変化(静電容量又は静電容量の変化)を検出することで、乗員がステアリングホイールを把持しているか否かの操作検出を行う。また、操作検出装置10の操作検出は、ステアリングホイールにおいてセンサ電極16の部分に乗員がタッチ操作をしたか否かを検出するものでもよい。
【0030】
ここで、
図2には、操作検出装置10におけるセンサ電極16周りに生じる静電容量の概略が示されている。また、
図3(A)及び
図3(B)には、操作検出時の概略が示され、
図4(A)及び
図4(B)には、配線30の非断線状態における断線検出時の概略が示され、
図5(A)及び
図5(B)には、配線30に断線状態における断線検出時の概略が示されている。なお、
図3(A)、
図4(A)及び
図5(A)は、操作者(操作者の指)が近接された状態が示され、
図3(B)、
図4(B)及び
図5(B)は、操作者の非近接状態が示されている。
【0031】
図2に示すように、電極部12では、配線30に寄生容量Cp1が生じると共に、センサ電極16には、接地GNDとの間に寄生容量Cp2が生じ、シールド電極18には、接地GNDとの間に寄生容量Cp3が生じる。
【0032】
また、センサ電極16では、操作者が近接されることで、操作者との間に静電容量Ctが生じる。さらに、センサ電極16には、シールド電極18との間に静電容量Cccが生じる。この静電容量Cccは、センサ電極16の全面にシールド電極18が対向されていることで、寄生容量Cp1、Cp2に比して大きな静電容量となり得るシールド機能を有する。
【0033】
制御部20は、操作検出を行う際、スイッチ部24をオフすると共に、バッファ部32を動作させる。これにより、
図3(A)及び
図3(B)に示すように、コントローラ14のスイッチ部22(端子22C)がバッファ部32を介してシールド電極18に接続される。
【0034】
ここで、制御部20がスイッチ部22を給電側としてコントローラ14からセンサ電極16に給電すると、バッファ部32がセンサ電極16とシールド電極18とを同様の電位(略同電位)にする。このため、センサ電極16とシールド電極18との間の静電容量Cccが略ゼロとみなせる。また、センサ電極16の寄生容量Cp2がシールド電極18により抑制される。
【0035】
これにより、
図3(B)に示すように、操作者がセンサ電極16への非近接状態では、センサ電極16側に生じる静電容量Cは、寄生容量Cp1と寄生容量Cp2との合成容量よりも少なくなる。また、
図3(A)に示すように、操作者のセンサ電極16への近接状態では、センサ電極16側に生じる静電容量Cは、非近接状態(
図3(B)参照)の静電容量にセンサ電極16と操作者との間に生じる静電容量Ctを合成した容量となる。これにより、近接時のセンサ電極16の静電容量Cは、非近接時のセンサ電極16の静電容量Cよりも大きく増加し、センサ電極16には多くの電荷が蓄積される。
【0036】
制御部20は、スイッチ部22を給電側から検出側に切換えて、静電容量Cに応じて蓄積された電荷によって生じる検出信号(電圧信号)を検出する。この際、バッファ部32の出力側がハイインピーダンスとなっていることで、シールド電極18に蓄積された電荷が、制御部20で検出される電圧信号に影響するのが抑制される。
【0037】
制御部20は、検出信号(又は検出信号に応じた静電容量)を予め設定したしきい値と比較する。これにより、操作検出装置10では、センサ電極16に対する操作者の操作(操作者がセンサ電極16に近接しているか否か)を高精度で検出できる。
【0038】
一方、制御部20は、断線検出を実行する際、スイッチ部24をオンすると共に、バッファ部32の動作を停止させる。これにより、
図4(A)、
図4(B)、
図5(A)及び
図5(B)に示すように、シールド電極18は、センサ電極16と電気的に切離されて接地状態とされる。シールド電極18が接地状態とされることで、センサ電極16には、寄生容量Cp2、Cp3に比して大きな静電容量Cccが生じる。
【0039】
配線30が非断線状態かつ操作者の非近接状態において、スイッチ部22が給電側に切換えられた後に検出側に切換えられると、制御部20には、寄生容量Cp1~Cp3に静電容量Cccを加えた静電容量Cに応じた検出信号が入力される(
図4(B)参照)。また、配線30が非断線状態かつ操作者の近接状態において、制御部20には、配線30が非断線状態かつ操作者の非近接状態の静電容量に静電容量Ctが加えられた検出信号が入力される(
図4(A)参照)。
【0040】
これに対し、
図5(A)及び
図5(B)に示すように、配線30に断線が生じると、コントローラ14とセンサ電極16とが電気的に切り離される。これにより、制御部20には、操作者の近接及び非近接にかかわらず、配線30の寄生容量Cp1に応じた検出信号が入力される。これにより、制御部20は、検出信号から配線30の断線を判断できる。
【0041】
このように操作検出装置10は、センサ電極16への操作者の近接を検出する際、接続部34がセンサ電極16とシールド電極18とを同様の電位にする。これにより、センサ電極16に生じる寄生容量Cp2や静電容量Cccを抑制できて、操作者の近接の有無を精度よく検出できる。しかも、接続部34は、スイッチ部24のオフ/オフとバッファ部32の作動/作動停止により、シールド電極18の電位をセンサ電極16の電位と同様になる非接地状態と、接地状態とに切換えられるので、操作検出の合間に断線検出を行うのを容易にできる。
【0042】
また、操作検出装置10では、配線30の断線検出時に接続部34がシールド電極18を接地状態とする。これにより、操作者の近接、非近接にかかわらずセンサ電極16側に生じる静電容量を大きくでき、配線30の断線状態と非断線状態との間の静電容量の差を大きくできて、配線30の断線検出を精度よく検出できる。
【0043】
また、操作検出装置10では、操作検出を行いながら、操作検出の合間に断線検出を行う。これにより、操作検出装置10は、操作者がセンサ電極16に近接しているにもかかわらず配線30に断線が生じたために、静電容量(電圧信号)が小さくなっていることで、操作者が近接していないと誤判定してしまうのを防止できる。したがって、操作検出装置10は、操作者の操作検出を高精度で検出できる。
【0044】
さらに、操作検出装置10では、接続部34にスイッチ部24及びバッファ部32を設け、センサ電極16の静電容量(電圧信号)を検出する制御部20が、スイッチ部24及びバッファ部32を制御して、操作検出及び断線検出を行う。これにより、操作検出装置10では、操作検出と断線検出を的確に切換えて、操作検出及び断線検出を行うことができる。
【0045】
なお、以上説明した本実施形態では、電極部12をステアリングホイールに設けて、乗員がステアリングホイールを把持しているか否か、又はセンサ電極16の部分へのタッチ操作がなされたか否かを検出するように説明した。しかしながら、電極部が設けられる操作体は、シフトレバーなどであってもよく、車両において乗員が触れて操作する各種の操作体を適用できる。また、操作検出装置は、操作体への乗員の接触を検出してもよく、センサ電極に対するタッチ操作を検出してもよい。
【0046】
また、操作検出装置は、車両のみでなく、各種の装置において操作者が触れて操作する操作体に設けてもよく、操作検出装置は、各種の装置においてセンサ電極の部分にタッチ操作がなされたか否かを検出してもよい。
【符号の説明】
【0047】
10・・・操作検出装置、12・・・電極部、16・・・センサ電極、18・・・シールド電極(対向電極)、20・・・制御部(検出部、制御手段)、24・・・スイッチ部(接続手段、切換手段)、30・・・配線、32・・・バッファ部(接続手段、切換手段)、34・・・接続部(接続手段)。