(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】三次元造形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20240305BHJP
B22F 10/18 20210101ALI20240305BHJP
B22F 10/85 20210101ALI20240305BHJP
B22F 12/47 20210101ALI20240305BHJP
B22F 12/53 20210101ALI20240305BHJP
B22F 12/57 20210101ALI20240305BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20240305BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20240305BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20240305BHJP
B29C 64/236 20170101ALI20240305BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20240305BHJP
B29C 64/343 20170101ALI20240305BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240305BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240305BHJP
【FI】
B29C64/393
B22F10/18
B22F10/85
B22F12/47
B22F12/53
B22F12/57
B28B1/30
B29C64/118
B29C64/209
B29C64/236
B29C64/321
B29C64/343
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2019214117
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】渡部 学
(72)【発明者】
【氏名】岡本 英司
(72)【発明者】
【氏名】▲角▼谷 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】藤森 康司
(72)【発明者】
【氏名】中村 和英
【審査官】小山 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-187777(JP,A)
【文献】特開2019-188757(JP,A)
【文献】国際公開第2018/166827(WO,A1)
【文献】特開2016-165814(JP,A)
【文献】国際公開第2017/212529(WO,A1)
【文献】特表2021-514311(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/367576(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B22F 1/00-12/90
B28B 1/30
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の層を積層することで三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
ステージと、
ノズル孔が形成されたノズル面を有する吐出部と、
前記ステージと前記ノズル面との相対的な位置を変化させる移動部と、
前記移動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記吐出部から前記材料を吐出する際の前記ステージまたは前記材料の層と前記ノズル面との間隔Gと、前記ノズル面の外径Dpとの関係が下式(1)を満たし、さらに前記ノズル孔の内径Dhと、前記間隔Gとの関係が下式(2)を満たすように前記移動部を駆動させ、
前記材料の各層をn(nは2以上の自然数)としたとき、前記間隔Gは、
前記材料を前記ステージの面に直接吐出する場合(n=2の場合)は前記ステージの面と
前記ノズル面との距離であり、
前記材料(n)を前記材料(n-1)の面に吐出する場合(n=3以上の場合)は
前記材料(n-1)の鉛直方向上面と前記ノズル面との距離であり、
さらに、前記間隔Gは下式(5)及び(6)を満たす、
三次元造形装置。
Dp≦20×G+0.20[mm] ・・・(1)
0<G≦Dh ・・・(2)
G>0 ・・・(5)
G>前記材料における前記材料が吐出される鉛直方向の厚さ ・・・(6)
【請求項2】
請求項1に記載の三次元造形装置であって、
前記制御部は、前記間隔Gが下式(3)を満たすように前記移動部を駆動させる、三次元造形装置。
0.05[mm]≦G≦0.20[mm] ・・・(3)
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の三次元造形装置であって、
前記吐出部は、前記ノズル面の外径Dpが下式(4)を満たすように構成されている、
三次元造形装置。
0. 50[mm]≦Dp≦2.20[mm] ・・・(4)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、三次元造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ノズルから吐出された溶融材料を造形台の上に積層して三次元造形物を造形する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した装置では、ステージまたは材料の層の上にノズルから材料を吐出する際にステージまたは材料の層とノズルとの間隔を小さくすることによって、滑らかな表面を有する三次元造形物を造形できる。しかし、上述した間隔を小さくすると、造形中の三次元造形物にノズルが干渉して、三次元造形物の表面が粗くなる場合があることを本願の発明者らは見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、材料の層を積層することで三次元造形物を造形する三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は、ステージと、ノズル孔が形成されたノズル面を有する吐出部と、前記ステージと前記ノズル面との相対的な位置を変化させる移動部と、前記移動部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記吐出部から前記材料を吐出する際の前記ステージまたは前記材料の層と前記ノズル面との間隔Gと、前記ノズル面の外径Dpとの関係が下式(1)を満たすように前記移動部を駆動させる。
Dp≦20×G+0.20[mm] ・・・(1)
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図6】三次元造形物が造形される様子を模式的に示す説明図。
【
図8】三次元造形物の寸法精度の良否を調べた試験結果を示す表。
【
図12】三次元造形物の寸法精度の良否を調べた試験結果を示すグラフ。
【
図13】造形中の三次元造形物にノズルが干渉する様子を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における三次元造形装置100の概略構成を示す説明図である。
図1には、互いに直交するX,Y,Z方向に沿った矢印が表されている。X方向およびY方向は、水平方向に沿った方向であり、Z方向は、鉛直方向に沿った方向である。他の図においても、X,Y,Z方向に沿った矢印が、適宜、表されている。
図1におけるX,Y,Z方向と、他の図におけるX,Y,Z方向とは、同じ方向を表している。
【0008】
本実施形態における三次元造形装置100は、造形ユニット200と、ステージ300と、移動部400と、制御部500とを備えている。造形ユニット200は、ノズル孔62が設けられたノズル面63を有している。三次元造形装置100は、制御部500の制御下で、ノズル面63とステージ300との相対的な位置を変化させつつノズル孔62から造形材料を吐出することによって、ステージ300の上に造形材料の層を積層して所望の形状の三次元造形物を造形する。尚、造形材料のことを溶融材料と呼ぶこともある。造形ユニット200の具体的な構成については後述する。
【0009】
ステージ300は、ノズル面63に対向する造形面310を有している。造形面310の上に三次元造形物が造形される。本実施形態では、造形面310は、水平方向、つまり、X,Y方向に平行に設けられている。ステージ300は、移動部400によって支持されている。
【0010】
移動部400は、ノズル面63と造形面310との相対的な位置を変化させる。本実施形態では、移動部400は、ステージ300を移動させることによって、ノズル面63と造形面310との相対的な位置を変化させる。本実施形態における移動部400は、3つのモーターが発生させる動力によって、ステージ300をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成されている。各モーターは、制御部500の制御下で駆動される。尚、移動部400は、ステージ300を移動させずに造形ユニット200を移動させることによって、ノズル面63と造形面310との相対的な位置を変化させるように構成されてもよい。また、移動部400は、ステージ300と造形ユニット200との両方を移動させることによって、ノズル面63と造形面310との相対的な位置を変化させるように構成されてもよい。
【0011】
制御部500は、1以上のプロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースとを備えるコンピューターによって構成されている。本実施形態では、制御部500は、主記憶装置上に読み込んだプログラムや命令をプロセッサーが実行することによって、造形ユニット200と移動部400との動作を制御して、三次元造形物を造形するための造形処理を実行する。動作には、造形ユニット200とステージ300との三次元の相対的な位置を変化させることが含まれる。尚、制御部500は、コンピューターではなく、複数の回路の組み合わせによって構成されてもよい。
【0012】
造形ユニット200は、材料MRの供給源である材料供給部20と、材料MRを可塑化して造形材料にする可塑化部30と、上述したノズル孔62およびノズル面63を有する吐出部60とを備えている。「可塑化」とは、熱可塑性を有する材料に熱が加わり溶融することを意味する。また、「溶融」とは、熱可塑性を有する材料が融点以上の温度に加熱されて液状になることのみならず、熱可塑性を有する材料がガラス転移点以上の温度に加熱されることにより軟化し、流動性が発現することをも意味する。
【0013】
材料供給部20は、造形材料を生成するための材料MRを可塑化部30に供給する。本実施形態では、ペレット状に形成されたABS樹脂が材料MRとして用いられる。本実施形態では、材料供給部20は、材料MRを収容するホッパーとして構成されている。材料供給部20の下方には、材料供給部20と可塑化部30との間を接続する供給路22が設けられている。材料供給部20に収容された材料MRは、供給路22を介して、可塑化部30に供給される。
【0014】
可塑化部30は、材料供給部20から供給された材料MRを可塑化して造形材料にして、吐出部60に供給する。可塑化部30は、スクリューケース31と、駆動モーター32と、フラットスクリュー40と、バレル50と、加熱部58とを備えている。スクリューケース31は、フラットスクリュー40を収容する筐体である。スクリューケース31の下端部にはバレル50が固定されており、スクリューケース31とバレル50とによって囲まれた空間にフラットスクリュー40が収容されている。
【0015】
フラットスクリュー40は、その中心軸RXに沿った方向の高さが直径よりも小さい略円柱形状を有している。フラットスクリュー40は、中心軸RXがZ方向に平行になるようにスクリューケース31内に配置されている。フラットスクリュー40の上面41側は駆動モーター32に接続されており、駆動モーター32が発生させるトルクによって、フラットスクリュー40は、スクリューケース31内にて中心軸RXを中心に回転する。フラットスクリュー40は、上面41とは反対側に、溝部45が形成された溝形成面42を有している。バレル50は、フラットスクリュー40の溝形成面42に対向するスクリュー対向面52を有している。スクリュー対向面52の中央には、吐出部60に連通する貫通孔56が設けられている。
【0016】
図2は、フラットスクリュー40の構成を示す斜視図である。
図2には、技術の理解を容易にするために、
図1とは上下逆向きにフラットスクリュー40が表されている。
図2には、フラットスクリュー40の中心軸RXの位置が一点鎖線で示されている。フラットスクリュー40の溝形成面42の中央部47は、溝部45の一端が接続されている窪みとして構成されている。中央部47は、
図1に表されたバレル50の貫通孔56に対向する。中央部47は、中心軸RXと交差する。本実施形態では、溝部45は、中央部47から、フラットスクリュー40の外周に向かって弧を描くように渦状に延びている。溝部45は、螺旋状に延びるように構成されてもよい。溝形成面42には、溝部45の側壁部を構成し、各溝部45に沿って延びている凸条部46が設けられている。溝部45は、フラットスクリュー40の側面43に形成された材料導入口44まで連続している。この材料導入口44は、材料供給部20の供給路22を介して供給された材料MRを受け入れる部分である。材料導入口44から溝部45内に導入された材料MRは、フラットスクリュー40の回転によって溝部45内を中央部47に向かって搬送される。
【0017】
図2には、3つの溝部45と、3つの凸条部46とを有するフラットスクリュー40が表されている。フラットスクリュー40に設けられる溝部45や凸条部46の数は、3つには限定されない。フラットスクリュー40には、1つの溝部45のみが設けられてもよいし、2以上の複数の溝部45が設けられてもよい。また、溝部45の数に合わせて任意の数の凸条部46が設けられてもよい。
図2には、材料導入口44が3箇所に形成されたフラットスクリュー40が表されている。フラットスクリュー40に設けられる材料導入口44の位置は、3箇所に限定されない。フラットスクリュー40には、材料導入口44が1箇所にのみ設けられてもよいし、2箇所以上の複数の位置に設けられてもよい。
【0018】
図3は、バレル50の構成を示す上面図である。上述したとおり、スクリュー対向面52の中央には、吐出部60に連通する貫通孔56が形成されている。スクリュー対向面52における貫通孔56の周りには、複数の案内溝54が形成されている。それぞれの案内溝54は、一端が貫通孔56に接続され、貫通孔56からスクリュー対向面52の外周に向かって渦状に延びている。それぞれの案内溝54は、造形材料を貫通孔56に導く機能を有している。尚、スクリュー対向面52には、案内溝54が設けられていなくてもよい。
【0019】
図1に示すように、バレル50には、材料MRを加熱するための加熱部58が埋め込まれている。加熱部58は、バレル50に埋め込まれるのではなく、例えば、バレル50の下方に配置されてもよい。本実施形態では、加熱部58は、電力の供給を受けて発熱するヒーターによって構成されている。加熱部58の温度は、制御部500によって制御される。溝部45内を搬送される材料MRは、フラットスクリュー40の回転によるせん断と加熱部58からの熱によって可塑化されて、ペースト状の造形材料になる。造形材料は、貫通孔56から吐出部60に供給される。
【0020】
吐出部60は、可塑化部30から供給された造形材料を吐出する。吐出部60は、ノズル61と、流路65と、開閉機構70とを備えている。ノズル61は、吐出部60の下端部に設けられている。ノズル61は、上述したノズル面63とノズル孔62とを有している。流路65は、バレル50の貫通孔56とノズル孔62とに連通し、貫通孔56からノズル孔62に向かって造形材料が流れる。流路65を流れた造形材料は、ノズル孔62から吐出される。
【0021】
図4は、ノズル61の構成を示す斜視図である。本実施形態では、ノズル61は、中心軸CLを中心とした円形のノズル面63と、中心軸CLを中心とした円形のノズル孔62とを有している。本実施形態では、ノズル孔62の内径Dhは0.20mmであり、ノズル面63の外径Dpは0.50mmである。
【0022】
図1に示すように、開閉機構70は、流路65を開閉して、ノズル孔62からの造形材料の吐出を制御する。本実施形態では、開閉機構70は、バタフライバルブによって構成されている。開閉機構70は、軸状部材である駆動シャフト72と、駆動シャフト72の回転に応じて流路65を開閉する弁体73と、駆動シャフト72を回転させるバルブ駆動部74とを備えている。
【0023】
駆動シャフト72は、造形材料の流れ方向に交差するように流路65の途中に取り付けられている。本実施形態では、駆動シャフト72は、流路65内の造形材料の流れ方向に対して垂直な向きであるY方向に平行になるように取り付けられている。駆動シャフト72は、Y方向に沿った中心軸を中心にして回転可能である。
【0024】
弁体73は、流路65内において回転する板状部材である。本実施形態では、弁体73は、駆動シャフト72の流路65内に配置されている部位を板状に加工することによって形成されている。弁体73を、その板面に垂直な方向から見たときの形状は、弁体73が配置されている部位における流路65の開口形状とほぼ一致する。
【0025】
バルブ駆動部74は、制御部500の制御下で駆動シャフト72を回転させる。バルブ駆動部74は、例えば、ステッピングモーターによって構成される。駆動シャフト72の回転によって弁体73が流路65内において回転する。
【0026】
バルブ駆動部74によって、流路65における造形材料が流れる方向に対して弁体73の板面が垂直に保持された場合、流路65からノズル61への造形材料の供給が遮断され、ノズル61からの造形材料の吐出が停止される。バルブ駆動部74によって駆動シャフト72が回転されて、流路65における造形材料が流れる方向に対して弁体73の板面が鋭角に保持されると、流路65からノズル61への造形材料の供給が開始され、弁体73の回転角度に応じた吐出量の造形材料がノズル61から吐出される。
図1に表されているように、バルブ駆動部74によって、流路65における造形材料が流れる方向に対して弁体73の板面が平行に保持された場合、流路65の流路抵抗が最も低い状態になる。この状態では、ノズル61からの単位時間あたりの造形材料の吐出量が最大となる。このように、開閉機構70は、造形材料の吐出のON/OFFを切り替えるとともに、造形材料の吐出量の調整を実現できる。
【0027】
図5は、本実施形態における造形処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、三次元造形装置100に設けられた操作パネルや三次元造形装置100に接続されたコンピューターに対して所定の開始操作がユーザーによって行われた場合に、制御部500によって実行される。
【0028】
まず、制御部500は、ステップS110にて、三次元造形物を造形するための造形データを取得する。造形データとは、ステージ300の造形面310に対するノズル面63の移動経路や、ノズル孔62から造形面310に造形材料を吐出する目標位置や、ノズル孔62から吐出される造形材料の吐出量等に関する情報が表されたデータである。造形データは、例えば、三次元造形装置100に接続されたコンピューターにインストールされたスライサーソフトによって作成される。スライサーソフトは、三次元CADソフトや三次元CGソフト等を用いて作成された三次元造形物の形状を表す形状データを読み込み、三次元造形物の形状を所定の厚みの層に分割して、層ごとの造形データを作成する。スライサーソフトに読み込まれる形状データには、STL形式やAMF形式等のデータが用いられる。スライサーソフトによって作成された造形データは、GコードやMコード等によって表されている。制御部500は、三次元造形装置100に接続されたコンピューターや、USBメモリー等の記録媒体から造形データを取得する。
【0029】
次に、ステップS120にて、制御部500は、造形材料の生成を開始する。制御部500は、フラットスクリュー40の回転、および、加熱部58の温度を制御することによって、材料MRを可塑化させて造形材料を生成する。尚、造形材料は、この処理が行われる間、生成され続ける。
【0030】
図6は、三次元造形物OBが造形される様子を模式的に示す説明図である。
図7は、
図6におけるVII-VII線断面図である。
図5から
図7までを参照して、ステップS130にて、制御部500は、移動部400を制御してノズル面63と造形面310との相対的な位置を変化させつつ、ノズル孔62から造形面310の目標位置に向かって造形材料を吐出することによって、造形面310の上に三次元造形物OBの1層目LY1を造形する。その後、ステップS140にて、制御部500は、三次元造形物OBの全ての層の造形が完了したか否かを判定する。制御部500は、造形データを用いて、三次元造形物OBの全ての層の造形が完了したか否かを判断できる。ステップS140にて、三次元造形物OBの全ての層の造形が完了したと判断されなかった場合、制御部500は、ステップS130に処理を戻り、ノズル孔62から1層目LY1に向かって造形材料を吐出することによって、1層目LY1の上に2層目LY2を造形する。一方、ステップS140にて、三次元造形物OBの全ての層の造形が完了したと判断された場合、制御部500は、この処理を終了する。制御部500は、ステップS140にて三次元造形物OBの全ての層の造形が完了したと判断されるまで、ステップS130の処理を繰り返して造形材料の層を積層することによって三次元造形物OBを造形する。
【0031】
本実施形態では、制御部500は、造形処理において、間隔Gとノズル面63の外径Dpとの関係が下式(1)を満たし、かつ、間隔Gとノズル孔62の内径Dhとの関係が下式(2)を満たし、かつ、間隔Gが下式(3)を満たすように移動部400を駆動させる。
Dp≦20×G+0.20[mm] ・・・(1)
0<G≦Dh ・・・(2)
0.05[mm]≦G≦0.20[mm] ・・・(3)
間隔Gは、ノズル孔62から造形材料を吐出する際の造形面310または造形材料の層とノズル面63との間隔を表している。1層目LY1を造形する場合には、間隔Gは、造形面310に垂直な方向における造形面310とノズル面63との間隔を表す。n層目LYnを造形する場合には、間隔Gは、造形面310に垂直な方向におけるn-1層目LYn-1の上面とノズル面63との間隔を表す。ここで、nは、2以上の自然数である。例えば、2層目LY2を造形する場合には、間隔Gは、1層目LY1の上面とノズル面63との間隔を表す。本実施形態では、制御部500は、間隔Gが0.05mmに保たれるように移動部400を駆動させる。造形データに表された造形面310に対するノズル面63の移動経路に関する情報に、間隔Gに関する情報が含まれており、制御部500は、造形データに従って移動部400を駆動させる。ノズル面63の外径Dpとノズル孔62の内径Dhに関する情報は、造形データを作成する際に、ユーザーによって入力される。制御部500は、造形材料の線幅Wが0.30mmに保たれるように吐出量を制御する。本実施形態では、上述したとおり、ノズル孔62の内径Dhは、0.20mmであり、ノズル面63の外径Dpは、0.50mmである。そのため、ノズル面63の外径Dpは下式(4)を満たす。
0.50[mm]≦Dp≦2.20[mm] ・・・(4)
【0032】
図8は、三次元造形物OBの寸法精度の良否を調べた試験結果を示す表である。
図8には、左から順に、ノズル孔62の内径Dh、ノズル面63の外径Dp、間隔G、線幅W、表面粗さRz、寸法精度の良否が表されている。この試験では、三次元造形装置100を用いて、ノズル面63の外径Dpと間隔Gとの組み合わせを異ならせて15種類の三次元造形物OBのサンプルS1~S15を造形し、各サンプルS1~S15の寸法精度の良否を調べた。各サンプルS1~S15は、1辺の長さが10mmの立方体形状を目標形状として造形された。各サンプルS1~S15の材料にはペレット状のABS樹脂が用いられた。造形材料の層の上面の温度が摂氏105度に保たれた状態で、造形材料の層の上面に造形材料を吐出して、各サンプルS1~S15が造形された。表面粗さRzは、JIS B 0601:2013で規定された最大高さで表されている。表面粗さRzには、立方体形状の各サンプルS1~S15の側面部分を光干渉方式の三次元測定機によって測定した値が用いられている。三次元測定器には、キーエンス社製のVR-3000が用いられた。寸法精度の良否については、各サンプルS1~S15に肉眼で視認できる明らかな形状の崩れが発見されなかった場合には、寸法精度が良好であるとして「OK」の文字を付し、各サンプルS1~S15に肉眼で視認できる明らかな形状の崩れが発見された場合には、寸法精度が良好ではないとして「NG」の文字を付した。
【0033】
図9は、サンプルS1の外観を示す画像である。
図10は、サンプルS10の外観を示す画像である。
図11は、サンプルS12の外観を示す画像である。
図9および
図10に表されたように、サンプルS1およびサンプルS10は滑らかな表面を有しており、サンプルS1およびサンプルS10には肉眼で視認できる明らかな形状の崩れがない。
図11に表されたように、サンプルS12は毛羽立ったような粗い表面を有しており、サンプルS12には肉眼で視認できる明らかな形状の崩れがある。この試験の結果、サンプルS1~S11には肉眼で視認できる明らかな形状の崩れが発見されなかった。一方、サンプルS12~S15には肉眼で視認できる明らかな形状の崩れが発見された。つまり、サンプルS1~S11の寸法精度は良好であったが、サンプルS12~S15の寸法精度は良好ではなかった。尚、サンプルS1~S3については、表面粗さRzの測定を省略した。サンプルS12~S15については、形状の崩れが顕著であるため、表面粗さRzを測定できなかった。
【0034】
図12は、三次元造形物の寸法精度の良否を調べた試験結果を示すグラフである。横軸は、ノズル面63の外径Dpを表している。縦軸は、間隔Gを表している。
図12には、各サンプルS1~S15が造形された際のノズル面63の外径Dpと間隔Gとの関係が表されている。
図12では、寸法精度が良好であるサンプルS1~S11が「○」印で表されており、寸法精度が良好ではないサンプルS12~S15が「×」印で表されている。
図12における直線LNの線上を含んだ直線LNよりも上側の領域は、間隔Gとノズル面63の外径Dpとの関係が上式(1)を満たす領域である。間隔Gとノズル面63の外径Dpとの関係が上式(1)を満たす場合には、寸法精度良く三次元造形物OBを造形することができる。
【0035】
図13は、造形中の三次元造形物OBにノズル61が干渉する様子を模式的に示す説明図である。ノズル61は、ノズル面63がステージ300の造形面310に平行になるように設けられる。しかし、ノズル面63を加工する際の加工精度や、ノズル61を組み付ける際の組付精度等に起因して、ノズル面63と造形面310との間には不可避的に傾斜θが生じる。そのため、間隔Gとノズル面63の外径Dpとの関係が上式(1)を満たさなくなると、三次元造形物OBのn層目LYnを造形する際にn-1層目LYn-1にノズル面63が干渉する可能性や、既に造形されたn層目LYnの一部にノズル面63が干渉する可能性が高くなる。例えば、n-1層目LYn-1にノズル面63が干渉した場合、n-1層目LYn-1を構成する造形材料が
図13に矢印で表されたように外側に押し出されて、三次元造形物OBの表面が粗くなる可能性がある。
【0036】
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100によれば、制御部500は、間隔Gとノズル面63の外径Dpとの関係が上式(1)を満たすように移動部400を駆動させるので、造形中の三次元造形物OBにノズル面63が干渉することを抑制できる。そのため、三次元造形物OBの表面が粗くなることを抑制できる。
【0037】
また、本実施形態では、制御部500は、ノズル孔62の内径Dhと間隔Gとの関係が上式(2)を満たすように移動部400を駆動させるので、造形面310とノズル面63との間または造形材料の層とノズル面63との間に吐出された造形材料をノズル面63によって押し潰しながら造形できる。そのため、造形材料の層の厚みを小さくできるので、滑らかな表面を有する三次元造形物OBを造形できる。
【0038】
また、本実施形態では、制御部500は、間隔Gが上式(3)を満たすように移動部400を駆動させるので、滑らかな表面を有する三次元造形物OBを造形できる。
【0039】
また、本実施形態では、ノズル面63の外径Dpが上式(4)を満たすようにノズル61が構成されているので、ノズル面63が造形面310に対して傾いた場合であっても、間隔Gが小さくなることを抑制できる。そのため、造形中の三次元造形物OBにノズル61が干渉する可能性を低減できる。
【0040】
尚、本実施形態では、ペレット状のABS樹脂が材料MRとして用いられたが、造形ユニット200において用いられる材料MRとしては、例えば、熱可塑性を有する材料や、金属材料、セラミック材料等の種々の材料を主材料として三次元造形物を造形する材料を採用することもできる。ここで、「主材料」とは、三次元造形物の形状を形作っている中心となる材料を意味し、三次元造形物において50重量%以上の含有率を占める材料を意味する。上述した造形材料には、それらの主材料を単体で溶融したものや、主材料とともに含有される一部の成分が溶融してペースト状にされたものが含まれる。
【0041】
主材料として熱可塑性を有する材料を用いる場合には、可塑化部30において、当該材料が可塑化することによって造形材料が生成される。「可塑化」とは、熱可塑性を有する材料に熱が加わり溶融することを意味する。また、「溶融」とは、熱可塑性を有する材料がガラス転移点以上の温度に加熱されることにより軟化し、流動性が発現することをも意味する。
【0042】
熱可塑性を有する材料としては、例えば、下記のいずれか一つまたは2以上を組み合わせた熱可塑性樹脂材料を用いることができる。
<熱可塑性樹脂材料の例>
ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのエンジニアリングプラスチック。
【0043】
熱可塑性を有する材料には、顔料や、金属、セラミック、その他に、ワックス、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤等が混入されていてもよい。熱可塑性を有する材料は、可塑化部30において、フラットスクリュー40の回転と加熱部58の加熱によって可塑化されて溶融した状態に転化される。また、そのように生成された造形材料は、ノズル孔62から吐出された後、温度の低下によって硬化する。
【0044】
熱可塑性を有する材料は、そのガラス転移点以上に加熱されて完全に溶融した状態でノズル孔62から吐出されることが望ましい。尚、「完全に溶融した状態」とは、未溶融の熱可塑性を有する材料が存在しない状態を意味し、例えばペレット状の熱可塑性樹脂を材料に用いた場合、ペレット状の固形物が残存しない状態のことを意味する。
【0045】
造形ユニット200では、上述した熱可塑性を有する材料の代わりに、例えば、以下の金属材料が主材料として用いられてもよい。この場合には、下記の金属材料を粉末状にした粉末材料に、造形材料の生成の際に溶融する成分が混合されて、可塑化部30に投入されることが望ましい。
<金属材料の例>
マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金。
<合金の例>
マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金。
【0046】
造形ユニット200においては、上記の金属材料の代わりに、セラミック材料を主材料として用いることが可能である。セラミック材料としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物セラミックスや、窒化アルミニウムなどの非酸化物セラミックスなどが使用可能である。主材料として、上述したような金属材料やセラミック材料を用いる場合には、ステージ300に配置された造形材料は、例えばレーザーの照射や温風などによる焼結によって硬化されてもよい。
【0047】
材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料は、単一の金属の粉末や合金の粉末、セラミック材料の粉末を、複数種類、混合した混合材料であってもよい。また、金属材料やセラミック材料の粉末材料は、例えば、上で例示したような熱可塑性樹脂、あるいは、それ以外の熱可塑性樹脂によってコーティングされていてもよい。この場合には、可塑化部30において、その熱可塑性樹脂が溶融して流動性が発現されるものとしてもよい。
【0048】
材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のような溶剤を添加することもできる。溶剤は、下記の中から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<溶剤の例>
水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸iso-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ-ピコリン、2,6-ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等。
【0049】
その他に、材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のようなバインダーを添加することもできる。
<バインダーの例>
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)或いはその他の熱可塑性樹脂。
【0050】
B.他の実施形態:
(B1)上述した第1実施形態の三次元造形装置100では、制御部500は、間隔Gとノズル孔62の内径Dhとの関係が上述した式(2)を満たすように移動部400を駆動させる。これに対して、制御部500は、式(2)を満たすように移動部400を駆動させなくてもよい。
【0051】
(B2)上述した第1実施形態の三次元造形装置100では、制御部500は、間隔Gが上述した式(3)を満たすように移動部400を駆動させる。これに対して、制御部500は、式(3)を満たすように移動部400を駆動させなくてもよい。
【0052】
(B3)上述した第1実施形態の三次元造形装置100では、ノズル面63の外径Dpが上述した式(4)を満たすようにノズル61が構成されている。これに対して、ノズル面63の外径Dpが式(4)を満たすようにノズル61が構成されていなくてもよい。
【0053】
(B4)上述した第1実施形態の三次元造形装置100は、複数の造形ユニット200を備えてもよい。例えば、三次元造形装置100は、2つの造形ユニット200を備え、一方の造形ユニット200のノズル孔62から造形材料を吐出し、他方の造形ユニット200のノズル孔62から造形中の三次元造形物OBの形状を保持するためのサポート材を吐出してもよい。この場合、制御部500は、移動部400によって、各造形ユニット200のノズル面63と造形面310との相対的な位置を変化させる。制御部500は、各造形ユニット200のノズル孔62から造形材料またはサポート材を吐出する際の、造形面310または造形材料の層またはサポート材の層とノズル面63との間隔Gと、ノズル面63の外径Dpとの関係が上述した式(1)を満たすように移動部400を駆動させる。ノズル孔62の内径Dh、ノズル面63の外径Dp、および、間隔Gは、造形ユニット200ごとに異なってもよい。
【0054】
(B5)上述した第1実施形態の三次元造形装置100では、可塑化部30は、偏平な円柱状のフラットスクリュー40と、平坦なスクリュー52対向面を有するバレル50とを備えている。これに対して、可塑化部30は、長尺な軸部材の側面に螺旋状の溝部が形成されたスクリューと、溝部に対向する円筒状のスクリュー対向面を有するバレルとを備えてもよい。また、三次元造形装置100は、フラットスクリュー40の回転を用いて材料を可塑化させる方式ではなく、FDM方式(熱融解積層方式)であってもよい。
【0055】
C.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0056】
(1)本開示の一形態によれば、材料の層を積層することで三次元造形物を造形する三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は、ステージと、ノズル孔が形成されたノズル面を有する吐出部と、前記ステージと前記ノズル面との相対的な位置を変化させる移動部と、前記移動部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記吐出部から前記材料を吐出する際の前記ステージまたは前記材料の層と前記ノズル面との間隔Gと、前記ノズル面の外径Dpとの関係が下式(1)を満たすように前記移動部を駆動させる。
Dp≦20×G+0.20[mm] ・・・(1)
この形態の三次元造形装置によれば、造形中の三次元造形物にノズルが干渉して三次元造形物の表面が粗くなることを抑制できる。
【0057】
(2)上記形態の三次元造形装置において、前記制御部は、前記ノズル孔の内径Dhと、前記間隔Gとの関係が下式(2)を満たすように前記移動部を駆動させてもよい。
0<G≦Dh ・・・(2)
この形態の三次元造形装置によれば、ステージとノズル面との間または材料の層とノズル面との間に吐出された材料をノズル面で押し潰しながら造形できるので、滑らかな表面を有する三次元造形物を造形できる。
【0058】
(3)上記形態の三次元造形装置において、前記制御部は、前記間隔Gが下式(3)を満たすように前記移動部を駆動させてもよい。
0.05[mm]≦G≦0.20[mm] ・・・(3)
この形態の三次元造形装置によれば、滑らかな表面を有する三次元造形物を造形できる。
【0059】
(4)上記形態の三次元造形装置において、前記吐出部は、前記ノズル面の外径Dpが下式(4)を満たすように構成されてもよい。
0.50[mm]≦Dp≦2.20[mm] ・・・(4)
この形態の三次元造形装置によれば、ノズル面がステージに対して傾いた場合であっても、造形中の三次元造形物にノズルが干渉することを抑制できる。
【0060】
本開示は、三次元造形装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、三次元造形装置の制御方法、三次元造形物の造形方法等の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0061】
20…材料供給部、22…供給路、30…可塑化部、31…スクリューケース、32…駆動モーター、40…フラットスクリュー、41…上面、42…溝形成面、43…側面、44…材料導入口、45…溝部、46…凸条部、47…中央部、50…バレル、52…スクリュー対向面、54…案内溝、56…貫通孔、58…加熱部、60…吐出部、61…ノズル、62…ノズル孔、63…ノズル面、65…流路、70…開閉機構、72…駆動シャフト、73…弁体、74…バルブ駆動部、100…三次元造形装置、200…造形ユニット、300…ステージ、310…造形面、400…移動部、500…制御部