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特許7447458制御装置、制御システム及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】制御装置、制御システム及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20240305BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240305BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240305BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240305BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240305BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240305BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G06F3/16 650
H04N1/00 127A
G06F3/16 670
G06F3/12 353
G06F3/12 305
G06F3/12 356
G06F3/12 355
G06F3/12 373
G06F3/12 378
G06F3/12 385
G03G21/00 376
B41J29/42 F
G06F3/0482
B41J29/00 T
H04N1/00 350
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2019225082
(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公開番号】P2021096493
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】田島 宏樹
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-049510(JP,A)
【文献】特開2009-252238(JP,A)
【文献】特開2019-003631(JP,A)
【文献】特開2007-206886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0095159(US,A1)
【文献】特開2016-009901(JP,A)
【文献】特開2003-051887(JP,A)
【文献】特開2019-198987(JP,A)
【文献】特開2000-250587(JP,A)
【文献】特開平09-292895(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0303267(US,A1)
【文献】特開2017-015361(JP,A)
【文献】特開2002-355486(JP,A)
【文献】特開2004-045616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
H04N 1/00
G06F 3/12
G03G 21/00
B41J 29/42
G06F 3/0482
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置を制御する制御装置であって、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記所定数未満の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
画像処理装置を制御する制御装置であって、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記所定数以上の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする制御装置。
【請求項3】
画像処理装置を制御する制御装置であって、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、ユーザーに前記画像処理装置に設けられている表示手段の確認を促す音声案内のための前記案内情報を出力することを特徴とする制御装置。
【請求項4】
画像処理装置を制御する制御装置であって、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記案内情報を出力しないことを特徴とする制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記画像処理装置は、表示手段を有し、
前記制御手段は、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させることによって提示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、所定の優先順位に従って前記複数の設定候補を提示することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の制御装置。
【請求項8】
前記優先順位は、ユーザーによる設定頻度が高い順に定められることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記優先順位は、前記設定候補に対応する設定項目が含まれる操作画面の階層に基づいて予め定められることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記複数の設定候補のそれぞれに対応するサムネイル画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記複数の設定候補のそれぞれに対応する前記サムネイル画像の画像サイズを所定の優先順位に応じて変化させることを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記設定特定手段において前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させないことを特徴とする請求項6、10又は11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記設定特定手段は、前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定した場合、現在の設定状態に対して禁則条件を満たす設定候補を前記複数の設定候補から除外することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の制御装置。
【請求項14】
前記制御装置は、前記画像処理装置と通信可能なサーバーであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御装置は、前記画像処理装置に設けられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の制御装置。
【請求項16】
画像処理装置と、
前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、
前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、
を備える制御システムであって、
前記制御装置は、
前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記所定数未満の設定候補を音声案内するための案内情報を出力することを特徴とする制御システム。
【請求項17】
画像処理装置と、
前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、
前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、
を備える制御システムであって、
前記制御装置は、
前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記所定数以上の設定候補を音声案内するための案内情報を出力することを特徴とする制御システム。
【請求項18】
画像処理装置と、
前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、
前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、
を備える制御システムであって、
前記制御装置は、
前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、ユーザーに前記画像処理装置に設けられている表示手段の確認を促す音声案内のための案内情報を出力することを特徴とする制御システム。
【請求項19】
画像処理装置と、
前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、
前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、
を備える制御システムであって、
前記制御装置は、
前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、
前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、
前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え
前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、案内情報を出力しないことを特徴とする制御システム。
【請求項20】
プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、
前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、
前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、
を実行させ
前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記所定数未満の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする制御プログラム。
【請求項21】
プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、
前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、
前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、
を実行させ
前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記複数の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする制御プログラム。
【請求項22】
プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、
前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、
前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、
を実行させ
前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、ユーザーに前記画像処理装置に設けられている表示手段の確認を促す音声案内のための前記案内情報を出力することを特徴とする制御プログラム。
【請求項23】
プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、
ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、
前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、
前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、
を実行させ
前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記案内情報を出力しないことを特徴とする制御プログラム。
【請求項24】
前記制御ステップは、前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合に、前記所定数以上の設定候補を提示することを特徴とする請求項20乃至23のいずれかに記載の制御プログラム。
【請求項25】
前記画像処理装置は、表示手段を有し、
前記制御ステップは、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させることによって提示することを特徴とする請求項20乃至24のいずれかに記載の制御プログラム。
【請求項26】
前記制御ステップは、所定の優先順位に従って前記複数の設定候補を提示することを特徴とする請求項20乃至25のいずれかに記載の制御プログラム。
【請求項27】
前記優先順位は、ユーザーによる設定頻度が高い順に定められることを特徴とする請求項26に記載の制御プログラム。
【請求項28】
前記優先順位は、前記設定候補に対応する設定項目が含まれる操作画面の階層に基づいて予め定められることを特徴とする請求項26に記載の制御プログラム。
【請求項29】
前記制御ステップは、前記複数の設定候補のそれぞれに対応するサムネイル画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項25に記載の制御プログラム。
【請求項30】
前記制御ステップは、前記複数の設定候補のそれぞれに対応する前記サムネイル画像の画像サイズを所定の優先順位に応じて変化させることを特徴とする請求項29に記載の制御プログラム。
【請求項31】
前記制御ステップは、前記設定特定ステップにおいて前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させないことを特徴とする請求項25、29又は30に記載の制御プログラム。
【請求項32】
前記設定特定ステップは、前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定した場合、現在の設定状態に対して禁則条件を満たす設定候補を前記複数の設定候補から除外することを特徴とする請求項20乃至31のいずれかに記載の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーによって入力される音声に応じて画像処理装置を制御する制御装置、制御システム及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MFP(Multifunction Peripherals)などの画像処理装置において、ユーザーの視覚を利用しないで操作可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この従来の画像処理装置は、音声認識部を備えており、ユーザーによって入力される音声に基づいて各種設定項目に対する設定を行うように構成されている。また、この従来の画像処理装置は、音声認識部による音声認識結果を復唱音声として音声出力部から出力するように構成されている。そのため、ユーザーは、画像処理装置から出力される復唱音声を聞くことにより、自身で発した音声が画像処理装置において正しく認識されたかどうかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-235040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の画像処理装置は、ユーザーによって発せられた音声に対応する1つの設定項目を特定することができると、復唱音声を出力するようにしている。
【0005】
しかしながら、この種の画像処理装置には、様々な設定項目が存在し、ユーザーの音声に対応する1つの設定項目を必ず特定できるとは限らず、ユーザーの音声に対応する設定として複数の設定候補が抽出されることもある。例えば、ユーザーが「両面」と発声した場合、コピー機能において読み取り原稿の両面設定と複写出力する際の両面設定とが存在すると共に、スキャン機能においても読み取り原稿の両面設定が存在し、それら複数の両面設定が候補として抽出されることになる。
【0006】
上述した従来の画像処理装置では、ユーザーの音声に対応する設定として複数の設定候補が抽出された場合に何ら対応策が採られていない。そのため、ユーザーは、自身で発した音声に対応する設定として複数の設定候補が存在する場合に、それら複数の設定候補のうちから所望の設定候補を選択することができないという課題がある。
【0007】
また、この種の画像処理装置は、複数のユーザーによって共有される装置であるため、一人のユーザーによる占有時間をなるべく短くすることが望まれる。ところが、従来の画像処理装置は、複数の設定候補のうちからユーザーが所望する設定候補を効率的に選択することができないため、一人のユーザーによる画像処理装置の占有時間が長くなってしまうという問題もある。
【0008】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたものであり、ユーザーが発した音声に基づいて複数の設定候補が抽出される場合であっても、ユーザーに効率的に所望の設定候補を選択させることを可能にした画像処理装置の制御装置、制御システム及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像処理装置を制御する制御装置であって、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記所定数未満の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項2に係る発明は、画像処理装置を制御する制御装置であって、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記所定数以上の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項3に係る発明は、画像処理装置を制御する制御装置であって、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、
を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、ユーザーに前記画像処理装置に設けられている表示手段の確認を促す音声案内のための前記案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項4に係る発明は、画像処理装置を制御する制御装置であって、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記案内情報を出力しないことを特徴とする構成である。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの制御装置において、前記制御手段は、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかの制御装置において、前記画像処理装置は、表示手段を有し、前記制御手段は、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させることによって提示することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかの制御装置において、前記制御手段は、所定の優先順位に従って前記複数の設定候補を提示することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項の制御装置において、前記優先順位は、ユーザーによる設定頻度が高い順に定められることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項に係る発明は、請求項の制御装置において、前記優先順位は、前記設定候補に対応する設定項目が含まれる操作画面の階層に基づいて予め定められることを特徴とする構成である。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項の制御装置において、前記制御手段は、前記複数の設定候補のそれぞれに対応するサムネイル画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする構成である。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項10の制御装置において、前記制御手段は、前記複数の設定候補のそれぞれに対応する前記サムネイル画像の画像サイズを所定の優先順位に応じて変化させることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項12に係る発明は、請求項6、10又は11の制御装置において、前記制御手段は、前記設定特定手段において前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させないことを特徴とする構成である。
【0023】
請求項13に係る発明は、請求項1乃至12のいずれかの制御装置において、前記設定特定手段は、前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定した場合、現在の設定状態に対して禁則条件を満たす設定候補を前記複数の設定候補から除外することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項14に係る発明は、請求項1乃至13いずれかの制御装置において、前記制御装置は、前記画像処理装置と通信可能なサーバーであることを特徴とする構成である。
【0025】
請求項15係る発明は、請求項1乃至13いずれかの制御装置において、前記制御装置は、前記画像処理装置に設けられることを特徴とする構成である。
【0026】
請求項16に係る発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、を備える制御システムであって、前記制御装置は、前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記所定数未満の設定候補を音声案内するための案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項17に係る発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、を備える制御システムであって、前記制御装置は、前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記所定数以上の設定候補を音声案内するための案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項18に係る発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、を備える制御システムであって、前記制御装置は、前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、ユーザーに前記画像処理装置に設けられている表示手段の確認を促す音声案内のための案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項19に係る発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置を音声操作するための音声を入力する音声入力装置と、前記音声入力装置に入力された音声に基づいて前記画像処理装置を制御する制御装置と、を備える制御システムであって、前記制御装置は、前記音声入力装置に入力された音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定する設定特定手段と、前記設定特定手段によって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力手段と、前記設定特定手段において前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御手段と、を備え、前記案内情報出力手段は、前記設定特定手段において所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、案内情報を出力しないことを特徴とする構成である。
【0027】
請求項20に係る発明は、プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、を実行させ、前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記所定数未満の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項21に係る発明は、プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、を実行させ、前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記複数の設定候補を音声案内するための前記案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項22に係る発明は、プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、を実行させ、前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、ユーザーに前記画像処理装置に設けられている表示手段の確認を促す音声案内のための前記案内情報を出力することを特徴とする構成である。
請求項23に係る発明は、プロセッサーによって実行されることにより、画像処理装置を制御する制御プログラムであって、前記プロセッサーに、ユーザーによって発せられた音声の音声認識結果に基づいて前記画像処理装置に反映すべき設定を特定させる設定特定ステップと、前記設定特定ステップによって特定された設定の内容を表した音声案内のための案内情報を生成し、前記案内情報に基づく音声案内を所定の音声出力手段から出力させる案内情報出力ステップと、前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、前記複数の設定候補を提示する制御ステップと、を実行させ、前記案内情報出力ステップは、前記設定特定ステップにおいて所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合、前記案内情報を出力しないことを特徴とする構成である。
【0028】
請求項24に係る発明は、請求項20乃至23のいずれかの制御プログラムにおいて、前記制御ステップは、前記設定特定ステップにおいて前記音声認識結果に対応する所定数以上の設定候補が存在すると判定された場合に、前記所定数以上の設定候補を提示することを特徴とする構成である。
【0029】
請求項25に係る発明は、請求項20乃至24のいずれかの制御プログラムにおいて、前記画像処理装置は、表示手段を有し、前記制御ステップは、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させることによって提示することを特徴とする構成である。
【0030】
請求項26に係る発明は、請求項20乃至25のいずれかの制御プログラムにおいて、前記制御ステップは、所定の優先順位に従って前記複数の設定候補を提示することを特徴とする構成である。
【0031】
請求項27に係る発明は、請求項26の制御プログラムにおいて、前記優先順位は、ユーザーによる設定頻度が高い順に定められることを特徴とする構成である。
【0032】
請求項28に係る発明は、請求項26の制御プログラムにおいて、前記優先順位は、前記設定候補に対応する設定項目が含まれる操作画面の階層に基づいて予め定められることを特徴とする構成である。
【0033】
請求項29に係る発明は、請求項25の制御プログラムにおいて、前記制御ステップは、前記複数の設定候補のそれぞれに対応するサムネイル画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする構成である。
【0034】
請求項30に係る発明は、請求項29の制御プログラムにおいて、前記制御ステップは、前記複数の設定候補のそれぞれに対応する前記サムネイル画像の画像サイズを所定の優先順位に応じて変化させることを特徴とする構成である。
【0035】
請求項31に係る発明は、請求項2529又は30の制御プログラムにおいて、前記制御ステップは、前記設定特定ステップにおいて前記設定候補の数が所定数未満であると判定された場合、前記複数の設定候補を前記表示手段に表示させないことを特徴とする構成である。
【0041】
請求項32に係る発明は、請求項20乃至31のいずれかの制御プログラムにおいて、前記設定特定ステップは、前記音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定した場合、現在の設定状態に対して禁則条件を満たす設定候補を前記複数の設定候補から除外することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合にそれら複数の設定候補を提示するため、ユーザーは提示された複数の設定候補のうちから所望する設定候補を効率的に選択することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】画像処理装置を制御するための制御システムの一例を示す図である。
図2】制御システムの動作の概略を示す図である。
図3】画像処理装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】制御装置のハードウェア構成及び機能構成を示す図である。
図5】キーワード情報の一例を示す図である。
図6】制御装置が音声認識結果に基づいて画像処理装置に反映すべき設定を特定することができた場合の流れを示す図である。
図7】制御装置が音声認識結果に基づいて所定数以上の設定候補を抽出した場合の流れを示す図である。
図8】制御装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】設定候補抽出処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】設定候補提示処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】画像処理装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】操作パネルの表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
図13図12とは異なる選択画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0045】
図1は、本実施形態において画像処理装置2を制御するための制御システム1の一例を示す図である。この制御システム1は、ユーザーのローカル環境に設置される画像処理装置2と、ローカル環境に設置されて音声の入出力を行う音声入出力装置3と、LAN(Local Area Network)などのローカルネットワーク4と、インターネット上のクラウド5に設置される音声認識装置7と、クラウド5に設置されて画像処理装置2を制御する制御装置8と、クラウド5上で音声認識装置7と制御装置8とを通信可能に接続するネットワーク9とを備える。
【0046】
画像処理装置2は、例えばMFP(Multifunction Peripherals)などと呼ばれる装置であって、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの複数の機能を有する装置である。画像処理装置2は、装置本体の上部にスキャナ部17を備え、スキャナ部17の下部にプリンタ部18を備えている。また、画像処理装置2は、内部にFAX部を備えている。画像処理装置2は、それらスキャナ部17、プリンタ部及びFAX部を適宜動作させることにより、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。また、画像処理装置2は、装置本体の正面側にユーザーが操作可能な操作パネル11を備えている。この操作パネル11は、ユーザーが手動操作を行うことにより、各種ジョブの設定などを行うことができるユーザーインタフェースである。
【0047】
音声入出力装置3は、例えばスマートスピーカーやAIスピーカーなどと呼ばれる装置であって、ユーザーと対話を行うことができる装置である。この音声入出力装置3は、ユーザーが画像処理装置2を音声で操作できるようにするために、画像処理装置2と同じ環境に設置される。尚、図1では、音声入出力装置3が画像処理装置2と別体として構成される場合を例示しているが、これに限られるものではない。例えば、音声入出力装置3は、画像処理装置2に内蔵されたものであっても構わない。
【0048】
ローカルネットワーク4は、画像処理装置2と音声入出力装置3とを通信可能に接続する。またローカルネットワーク4は、インターネットにも接続されている。そのため、画像処理装置2及び音声入出力装置3は、クラウド5に設置されている音声認識装置7や制御装置8と通信を行うことが可能である。
【0049】
音声認識装置7は、音声を解析して音声をテキスト化する装置である。例えば、音声認識装置7には、人工知能(AI)による音声認識機能が搭載されており、入力する音声情報を高速かつ高精度にテキスト化することができる。本実施形態の音声認識装置7は、図1に示すようにクラウド5上にサーバーとして設置される。そのため、音声認識装置7による音声認識機能を、複数のローカル環境から利用することができる。
【0050】
制御装置8は、ローカル環境に設置される画像処理装置2を遠隔制御するための装置である。この制御装置8もクラウド5上にサーバーとして設置されている。そのため、制御装置8は、複数のローカル環境に設置されている複数の画像処理装置2を個別に制御することができる。
【0051】
上記のような制御システム1は、ローカル環境においてユーザーが画像処理装置2を操作するためのキーワードを音声で発した場合に、ユーザーの音声に応じて画像処理装置2が動作するように構成される。
【0052】
図2は、制御システム1における概略動作を示す図である。音声入出力装置3は、画像処理装置2を音声操作するための装置であり、予め画像処理装置2の装置モデル(装置タイプ)やアドレスに関する装置情報を保持している。この音声入出力装置3は、画像処理装置2と同じローカル環境に設置されることにより、画像処理装置2の近傍位置でユーザーが発する音声を入力することができる。そしてユーザーが画像処理装置2を操作するための音声を発すると、音声入出力装置3は、その音声を入力し、音声情報D1を生成する。この音声情報D1は、音声入出力装置3からクラウド5上の音声認識装置7へと送信される。このとき、音声入出力装置3は、画像処理装置2の装置情報を付加した音声情報D1を音声認識装置7へ送信する。
【0053】
音声認識装置7は、音声入出力装置3から音声情報D1を受信すると、音声情報D1を解析することにより、ユーザーが発した音声をテキストD2に変換する。すなわち、音声認識装置7は、音声認識結果として、ユーザーの音声に対応するテキストD2を生成する。この音声認識装置7は、音声入出力装置3から音声情報D1を受信してテキストD2を生成すると、そのテキストD2をクラウド5内で制御装置8へ送信する。このとき、音声認識装置7は、音声情報D1に付加されていた装置情報を、テキストD2に付加した状態で制御装置8へ送信する。
【0054】
制御装置8は、音声認識装置7の音声認識結果に基づいて画像処理装置2を制御するコマンドD4を生成する。すなわち、制御装置8は、音声認識装置7から受信するテキストD2に基づいてコマンドD4を生成するのである。このとき、制御装置8は、テキストD2に付加されている装置情報に基づき画像処理装置2の装置モデルを特定し、その装置モデルに対応したコマンドD4を生成する。また、制御装置8は、テキストD2に付加されている装置情報に基づき、コマンドD4の送信先となる画像処理装置2のアドレスを特定する。そして制御装置8は、コマンドD4を、画像処理装置2へ送信することにより、画像処理装置2を制御する。
【0055】
例えば、ユーザーが画像処理装置2に対するジョブの設定を音声で指示した場合、制御装置8は、音声認識装置7から受信するテキストD2に基づいて画像処理装置2に反映すべき設定を特定し、その設定を画像処理装置2に反映させるためのコマンドD4を生成する。そして制御装置8は、そのコマンドD4を画像処理装置2へ送信することにより、ジョブの設定を反映させる。
【0056】
また、ユーザーが画像処理装置2に対してジョブの実行を音声で指示した場合、制御装置8は、音声認識装置7から受信するテキストD2に基づいて画像処理装置2にジョブを実行させるためのコマンドD4を生成する。そして制御装置8は、そのコマンドD4を画像処理装置2へ送信することにより、画像処理装置2にジョブを実行させる。
【0057】
このように制御装置8は、音声認識装置7による音声認識結果に基づいて画像処理装置2に行わせる処理を特定し、その特定した処理に対応するコマンドD4を画像処理装置2へ送信することにより、画像処理装置2を制御する。
【0058】
また、制御装置8は、音声認識結果に基づいて特定した処理に基づく音声案内を行うための案内情報D3を生成する。この案内情報D3は、テキストデータとして生成される。そして制御装置8は、テキストデータとして生成した案内情報D3を音声認識装置7へ送信する。音声認識装置7は、制御装置8から音声案内のための案内情報D3を受信すると、案内情報D3をテキストデータから音声情報に変換する。そして音声認識装置7は、音声情報に変換した案内情報D3を、音声情報D1の送信元である音声入出力装置3へ送信する。これにより、音声入出力装置3では、案内情報D3に基づく音声出力が行われる。例えば、ユーザーがジョブの設定操作を音声で行った場合、制御装置8は、その設定の内容をテキストデータで表した案内情報D3を生成して音声認識装置7へ送信する。音声認識装置7は、テキストデータを音声情報に変換することにより、ユーザーによる設定の内容を音声出力するための案内情報D3を生成する。そして音声認識装置7は、音声情報に変換した案内情報D3を音声入出力装置3へ送信する。音声入出力装置3は、音声認識装置7から案内情報D3を受信すると、その案内情報D3に基づく音声出力を行う。したがって、ユーザーは、自身で発した音声がどのように認識されたかを音声入出力装置3からの出力音声で把握することができる。
【0059】
このような制御システム1によれば、ユーザーは、画像処理装置2の操作パネル11を手動で操作しなくても、音声操作を行うことが可能である。そのため、例えばユーザーが荷物を抱えていて両手を使うことができない場合や、画像処理装置2から数メートル程度離れた位置にいる場合であっても、画像処理装置2を音声で操作することができるので、利便性が高い。
【0060】
図3は、画像処理装置2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置2は、そのハードウェア構成として、制御部10と、操作パネル11と、通信インタフェース14と、記憶部15と、スキャナ部17と、プリンタ部18と、FAX部19とを備えている。制御部10は、図示を省略するCPUとメモリとを備えている。制御部10は、そのCPUにおいて所定のプログラムが実行されることにより、各部の動作を制御する。
【0061】
操作パネル11は、表示部12と、操作部13とを備えている。表示部12は、例えばカラー液晶ディスプレイで構成され、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示する。操作部13は、例えばタッチパネルキーや押しボタンキーなどによって構成され、ユーザーによる手動操作を受け付ける。
【0062】
通信インタフェース14は、画像処理装置2をローカルネットワーク4に接続するためのものである。画像処理装置2は、この通信インタフェース14を介してローカルネットワーク4に接続されている様々な機器と通信を行うことができる。また、画像処理装置2は、この通信インタフェース14を介して、制御装置8から送信されるコマンドD4を受信する。
【0063】
記憶部15は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶デバイスである。この記憶部15には、操作パネル11の表示部12に表示するための画面情報16が記憶される。この画面情報16は、表示部12に表示するための複数の操作画面に関する情報や、各操作画面に含まれる設定項目等に関する情報、複数の操作画面を階層構造として定義した情報などが含まれる。尚、記憶部15には、この他にも制御部10のCPUによって実行されるプログラムや各種データなどが記憶される。
【0064】
スキャナ部17は、ユーザーによってセットされる原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。スキャナ部17は、制御部10によって設定されるジョブ設定(原稿の読み取り設定など)に基づいて原稿の読み取り動作を行う。例えば、ジョブ設定において原稿の両面読み取りが指定されている場合、スキャナ部17は、原稿の表裏両面に対する読み取り動作を行う。
【0065】
プリンタ部18は、入力する画像データに基づいて印刷用紙などのシート材に画像形成を行うことにより印刷出力を行う。プリンタ部18は、制御部10によって設定されるジョブ設定(原稿の読み取り設定など)に基づく印刷出力を行う。例えば、ジョブ設定において両面印刷が指定されている場合、プリンタ部18は、シート材の表裏両面に対して画像形成を行う。
【0066】
FAX部は、図示を省略する公衆電話網を介してFAXデータの送受信を行うものである。
【0067】
制御部10は、パネル制御部20とジョブ制御部21とを備えている。操作パネル11に関する制御を行うとき、制御部10は、パネル制御部20を機能させる。また、ジョブの設定又は実行に関する制御を行うとき、制御部10は、ジョブ制御部21を機能させる。
【0068】
パネル制御部20は、操作パネル11の表示部12に表示する操作画面を制御したり、操作部13に対して行われるユーザーの手動操作を受け付けたりする。例えば、パネル制御部20は、記憶部15に記憶されている画面情報16に基づき、表示部12に表示している操作画面をユーザーの操作に基づいて更新したり、遷移させたりする。尚、パネル制御部20は、ユーザーが操作パネル11を手動操作していない状態が所定時間以上継続すると、表示部12に対する給電を停止し、操作パネル11を省電力モードへと移行させる。
【0069】
ジョブ制御部21は、ジョブの設定及び実行を統括的に制御する。ジョブ制御部21は、ジョブ設定部22を備えている。ジョブ設定部22は、ジョブの設定を行う処理部である。すなわち、ジョブ設定部22は、コピー機能などの複数の機能のうちのユーザーが使用しようとする機能を特定し、その特定した機能に対する各種設定項目の設定値をデフォルト値からユーザーによって指定された値に変更し、ジョブの設定を行う。
【0070】
例えば、ユーザーが操作パネル11に対する手動操作を行ってジョブの設定を行う場合、操作パネル11の表示部12には、パネル制御部20によって各種の操作画面が表示される。ユーザーはその操作画面に対する操作を順次行っていくことで所望のジョブ設定を行う。このようにユーザーが操作パネル11に対する手動操作を行っているとき、ジョブ設定部22は、パネル制御部20から出力される操作情報に基づいてジョブの設定を行う。
【0071】
また、ユーザーが画像処理装置2を操作するための音声を発した場合、制御部10は、通信インタフェース14を介して制御装置8から送信されるコマンドD4を受信する。制御部10は、そのコマンドD4を解析して制御装置8からの指示を特定する。その指示がジョブの設定を反映させるための設定反映指示である場合、ジョブ設定部22は、その設定反映指示に基づいてジョブの設定を行う。
【0072】
またジョブ制御部21は、ユーザーによってジョブの実行が指示された場合、スキャナ部17、プリンタ部18及びFAX部19のそれぞれを駆動し、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。
【0073】
次に図4は、制御装置8のハードウェア構成及び機能構成を示す図である。制御装置8は、図4(a)に示すように、そのハードウェア構成として、制御部40と、記憶部41と、通信インタフェース42とを備えている。
【0074】
制御部40は、CPU43とメモリ44とを備えている。CPU43は、記憶部41に記憶されているプログラム25を読み出して実行する演算処理ユニット(プロセッサー)である。メモリ44は、CPU43がプログラム25を実行することに伴って発生する一時的なデータなどを記憶する。
【0075】
記憶部41は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶デバイスである。この記憶部41には、画像処理装置2を制御するためのプログラム25と、キーワード情報26と、優先順位情報27とが予め記憶される。
【0076】
通信インタフェース42は、制御装置8が他の機器と通信を行うためのものである。例えば、制御部40は、この通信インタフェース42を介して音声認識装置7から出力されるテキストD2を受信することができる。また、制御部40は、通信インタフェース42を介して案内情報D3を音声認識装置7へ送信したり、また、コマンドD4をローカル環境に設置されている画像処理装置2へ送信したりすることができる。
【0077】
制御部40のCPU43は、記憶部41のプログラム25を読み出して実行することにより、図4(b)に示すように、制御部40を、設定特定部31、案内情報出力部32及び装置制御部33として機能させる。
【0078】
設定特定部31は、音声認識装置7から出力されるテキストD2に基づいて画像処理装置2に反映すべき設定を特定する処理部である。設定特定部31は、設定候補抽出部34を備えている。設定候補抽出部34は、テキストD2に対応する設定候補を抽出する。設定候補抽出部34は、テキストD2を受信することに伴って機能し、記憶部41に記憶されているキーワード情報26に基づいて設定候補を抽出する。
【0079】
図5は、キーワード情報26の一例を示す図である。キーワード情報26は、図5に示すように、画像処理装置2に対して設定可能な設定項目及び設定値に対してキーワードが対応付けられた情報であり、画像処理装置2の装置モデルごとに定義される情報である。キーワードは、画像処理装置2に対して各種の設定を行うことが可能なワードであり、例えば、各設定項目の設定値に対応している。ただし、図5に示すように、キーワード情報26には、同じキーワードが異なる設定項目に登録されていることもある。例えば、図5に示すキーワード情報26では、「リョウメン」というキーワードが、コピー機能設定時にスキャナ部17に対して原稿の両面読み取りを指示するキーワードと、コピー機能設定時にプリンタ部18に対して両面印刷を指示するキーワードと、スキャン機能設定時にスキャナ部17に対して原稿の両面読み取りを指示するキーワードと、プリント機能設定時にプリンタ部18に対して両面印刷を指示するキーワードとの4つの設定項目に対して登録されている。
【0080】
設定候補抽出部34は、ユーザーの音声に基づいて変換されたテキストD2に基づいてキーワード情報26を検索することにより、テキストD2に一致するキーワードがキーワード情報26に登録されているか否かを判断する。そして設定候補抽出部34は、テキストD2に一致するキーワードがキーワード情報26に登録されている場合、テキストD2に一致するキーワードが登録されている設定項目と設定値との組み合わせを設定候補として抽出する。そのため、設定候補抽出部34は、テキストD2に対応する設定候補として、1つの設定候補を抽出することもあれば、また複数の設定候補を抽出することもある。例えば、ユーザーが「リョウメン」という音声を発した場合、設定候補抽出部34は、図5に示すキーワード情報26を参照すると、4つの設定候補を抽出することになる。また、設定候補抽出部34は、テキストD2に対応する設定候補を1つも抽出することができないこともある。
【0081】
また、設定候補抽出部34は、画像処理装置2に対する現在の設定状態を把握しており、上記のようにして抽出した設定候補が、現在の設定状態に対する禁則条件を満たす場合には、その設定候補を除外する。例えば、画像処理装置2がスキャン機能において原稿を読み取って生成した画像データをコンパクトPDFとして出力する際にモノクロ出力を選択することができない設定となっている場合において、ユーザーが既に「モノクロ出力」を設定している状態で「PDF」という音声を発したと仮定する。この場合、設定候補抽出部34は、設定候補として、例えば、PDF、暗号化PDF、PDFA、サーチャブルPDF、コンパクトPDFといった5つの設定候補を抽出する。しかし、ユーザーが既に「モノクロ出力」を設定しているため、コンパクトPDFが禁則条件を満たす設定候補となり、設定候補抽出部34は、コンパクトPDFを設定候補から除外する。その結果、設定候補抽出部34は、PDF、暗号化PDF、PDFA、及び、サーチャブルPDFの4つの設定候補を抽出することになる。
【0082】
設定特定部31は、設定候補抽出部34によって設定候補が抽出されなかった場合、案内情報出力部32及び装置制御部33を機能させることなく処理を終了する。ただし、この場合、設定特定部31は、案内情報出力部32を機能させ、案内情報出力部32に「設定項目を特定することができませんでした」という案内情報D3を生成させ、音声認識装置7を介して音声入出力装置3へ出力させるようにしても構わない。
【0083】
一方、設定候補抽出部34によって1つの設定候補が抽出された場合、設定特定部31は、その1つの設定候補を、画像処理装置2に反映すべき設定として特定することができる。この場合、設定特定部31は、案内情報出力部32及び装置制御部33を機能させ、案内情報出力部32及び装置制御部33のそれぞれに対して画像処理装置2に反映すべき設定を通知する。
【0084】
また、設定候補抽出部34によって複数の設定候補が抽出された場合にも、設定特定部31は、案内情報出力部32及び装置制御部33を機能させる。そして設定特定部31は、設定候補抽出部34によって抽出された複数の設定候補を、案内情報出力部32及び装置制御部33のそれぞれへ通知する。このとき、設定特定部31は、設定候補抽出部34によって抽出された設定候補の数が所定数(例えば、「3」)以上であるか否かを判断する。そして所定数以上の設定候補が抽出されている場合、設定特定部31は、案内情報出力部32及び装置制御部33のそれぞれに対して設定候補が所定数以上であることを通知する。尚、所定数は、「3」に限られるものではなく、2以上の値であれば良い。
【0085】
案内情報出力部32は、ユーザーに対して音声案内を行うための各種の案内情報D3をテキストデータとして生成し、その案内情報D3を音声認識装置7へ送信する処理部である。例えば、案内情報出力部32は、設定特定部31から出力される設定候補を音声案内のためのテキストデータとして表現した案内情報D3を生成する。設定候補抽出部34によって1つの設定候補が抽出された場合、案内情報出力部32は、その1つの設定候補をテキストデータで表した案内情報D3を生成する。また、設定候補抽出部34によって複数の設定候補が抽出されており、それら設定候補の数が所定数未満である場合、案内情報出力部32は、それら複数の設定候補を1つずつ順番に音声出力するために各設定候補のテキストデータを配列した案内情報D3を生成する。
【0086】
さらに、設定候補抽出部34によって複数の設定候補が抽出されており、それら設定候補の数が所定数以上である場合、案内情報出力部32は、設定モードに応じた処理を行う。設定モードには、案内情報D3を生成しない第1のモードと、複数の設定候補を1つずつ順番に音声出力するための案内情報D3を生成する第2のモードと、ユーザーに操作パネル11の確認を促すための案内情報D3を生成する第3のモードとの3つのモードがある。案内情報出力部32には、それら3つのモードのうちから、ユーザーによって予め選択されたモードが設定されている。例えば、第1のモードが設定されている場合、案内情報出力部32は、案内情報D3を出力しない。また、第2のモードが設定されている場合、案内情報出力部32は、所定数未満の設定候補が抽出された場合と同様に、所定数以上の設定候補を1つずつ順番に音声出力するための案内情報D3を生成して音声認識装置7へ出力する。さらに第3のモードが設定されている場合、案内情報出力部32は、例えば「操作パネルの表示画面を確認してください」といったテキストデータの案内情報D3を生成して音声認識装置7へ出力する。
【0087】
尚、第2のモードと第3のモードは、案内情報出力部32において同時に設定されていても構わない。第2のモードと第3のモードとが同時に設定されている場合、案内情報出力部32は、例えば「操作パネルの表示画面を確認してください」といったテキストデータの次に複数の設定候補のそれぞれに対応するテキストデータを配列した案内情報D3を生成する。
【0088】
装置制御部33は、画像処理装置2に対して各種のコマンドD4を送信することにより、画像処理装置2を制御する処理部である。この装置制御部33は、表示制御部35と、設定反映部36とを備えている。表示制御部35は、画像処理装置2の操作パネル11に表示される操作画面を制御するものである。設定反映部36は、画像処理装置2に対するユーザーが所望する設定を反映させる処理部である。
【0089】
装置制御部33は、設定特定部31において画像処理装置2に反映すべき設定が特定された場合、設定反映部36を機能させる。すなわち、設定反映部36は、音声認識結果に基づいて1つの設定候補だけが抽出された場合に機能する。そして設定反映部46は、設定特定部31において特定された設定を画像処理装置2に反映させるためのコマンドD4を生成し、画像処理装置2へ送信する。画像処理装置2は、そのコマンドD4を受信すると、設定反映部36によって指定された設定を反映させる。つまり、画像処理装置2は、ユーザーの音声に対応する設定を自動的に行うのである。そのため、ユーザーは、操作パネル11に対する操作を行わなくても、画像処理装置2に対して所望の設定を行うことができる。
【0090】
一方、設定候補抽出部34によって複数の設定候補が抽出され、設定特定部31において画像処理装置2に反映すべき設定を特定することができなかった場合、設定反映部36は、コマンドD4を生成しない。
【0091】
また、装置制御部33は、設定特定部31において所定数以上の設定候補が抽出された場合、表示制御部35を機能させる。表示制御部35は、設定特定部31において音声認識結果に対応する複数の設定候補が存在すると判定された場合に、ユーザーに対してそれら複数の設定候補を提示する制御手段である。表示制御部35は、設定特定部31において所定数以上の設定候補が抽出された場合に、それら所定数以上の設定候補を画像処理装置2の操作パネル11に表示させるためのコマンドD4を生成し、画像処理装置2へ送信する。画像処理装置2は、このコマンドD4を受信すると、音声認識結果に対応して抽出された所定数以上の設定候補を表示した選択画面を生成し、その選択画面を操作パネル11の表示部12に表示する。このとき、画像処理装置2において生成される選択画面には、制御装置8において抽出された所定数以上の設定候補のそれぞれに対応する設定項目が含まれる。そのため、ユーザーは、画像処理装置2の操作パネル11に表示される選択画面を確認することにより、自身が発した音声に対応する複数の設定項目を簡単且つ速やかに把握することができ、それらの複数の設定項目のうちから所望の設定項目を効率的に選択することができる。
【0092】
また、表示制御部35は、所定数以上の設定候補が抽出された場合、それら所定数以上の設定項目を所定の優先順位に従って表示させるためのコマンドD4を生成する。そのため、表示制御部35は、所定数以上の設定候補が抽出された場合、優先順位情報27を参照する。優先順位情報27は、複数の設定項目に対する優先順位が予め定められた情報である。例えば、優先順位は、ユーザーによる設定頻度が高い順に予め定められる。また、優先順位は、各設定候補に対応する設定項目が含まれる操作画面の階層に基づいて予め定められたものであっても構わない。この場合、例えば、トップ画面からの階層が浅い設定候補の優先順位が高くなり、トップ画面からの階層が深い設定項目の優先順位が低くなるように予め定められる。
【0093】
また、表示制御部35は、選択画面として、所定数以上の設定候補のそれぞれに対応するサムネイル画像を配置した画面を画像処理装置2に生成させるようにしても良い。この場合、表示制御部35は、優先順位情報27において規定された優先順位に基づいて選択画面に表示するサムネイル画像の画像サイズを変化させるようにしても良い。例えば、優先順位の高い設定候補に対応するサムネイル画像の画像サイズを、優先順位の低い設定候補に対応するサムネイル画像の画像サイズよりも大きいサイズとすることで、ユーザーにとって優先順位の高い設定候補を選択しやすい画面とすることができる。
【0094】
尚、案内情報出力部32は、第2のモードが設定されている場合において、所定数以上の設定候補を1つずつ順番に音声出力するための案内情報D3を生成するとき、上記と同様に、優先順位情報27に規定された優先順位に基づき、優先順位の高い設定候補から順に音声出力されるようにテキストデータを配列した案内情報D3を生成するようにしても良い。
【0095】
次に、制御装置8及び画像処理装置2における連携動作の流れについて説明する。まず図6は、制御装置8が音声認識結果に基づいて画像処理装置2に反映すべき設定を特定することができた場合の流れを示す図である。制御装置8は、音声認識装置7から出力されるテキストD2を取得すると、テキストD2に基づいて画像処理装置2に対する設定候補を抽出する処理を行う(プロセスP10)。このとき、テキストD2に基づいて1つの設定候補が抽出することができると、制御装置8は、その1つの設定候補が画像処理装置2に反映すべき設定内容であると特定することができる(プロセスP11)。そして制御装置8は、特定した設定を含む設定反映指示D41を、コマンドD4として画像処理装置2へ送信する。
【0096】
画像処理装置2は、制御装置8から設定反映指示D41を受信すると、その設定反映指示D41に基づき、設定反映処理を行う(プロセスP12)。すなわち、画像処理装置2は、ユーザーが音声で指示した設定を装置内部に反映させるのである。したがって、ユーザーは、操作パネル11に対する手動操作を行うことなく、画像処理装置2に対する各種設定を行うことができる。
【0097】
次に図7は、制御装置8が音声認識結果に基づいて所定数以上の設定候補を抽出した場合の流れを示す図である。制御装置8は、音声認識装置7から出力されるテキストD2を取得すると、テキストD2に基づいて画像処理装置2に対する設定候補を抽出する処理を行う(プロセスP10)。このとき、テキストD2に基づいて所定数以上の設定候補を抽出すると、制御装置8は、画像処理装置2に反映すべき設定を特定することができない。そのため、制御装置8は、所定数以上の設定候補のうちからユーザーが所望する設定候補の選択を促すための選択画面表示指示D42を、コマンドD4として画像処理装置2へ送信する。この選択画面表示指示D42には、音声認識結果に基づいて抽出された所定数以上の設定候補を示す情報が含まれる。また、選択画面表示指示D42には、上述したように、所定数以上の設定候補を所定の優先順位に従って表示させるための指示が含まれていても良い。
【0098】
画像処理装置2は、制御装置8から選択画面表示指示D42を受信すると、その選択画面表示指示D42に基づき、所定数以上の設定候補を配置した選択画面を生成し、操作パネル11の表示部12に選択画面を表示する(プロセスP13)。これにより、ユーザーは、自身で発した音声に対応する設定候補が所定数以上存在する場合であっても、操作パネル11の表示部12に表示される選択画面を見ることにより、所定数以上の設定候補のうちから所望の設定候補を速やかに選択することができる。そのため、仮に音声入出力装置3が所定数以上の設定候補を順番に音声出力している状態であっても、ユーザーは、音声入出力装置3による音声出力の途中で所望の設定候補を選択することが可能であり、画像処理装置2に対する設定に要する時間を短縮することができる。また、ユーザーは、操作パネル11に表示される選択画面を確認した後、所望の設定候補を手動操作によって選択することができるし、また音声操作によって選択することもできる。
【0099】
次に、制御装置8において行われる処理手順について詳しく説明する。図8乃至図10は、制御装置8において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御装置8のCPU43がプログラム25を実行することによって行われる処理であり、CPU43によって繰り返し実行される処理である。
【0100】
制御装置8は、この処理を開始すると、図8に示すように、音声認識装置7による音声認識結果であるテキストD2を受信したか否かを判断する(ステップS10)。音声認識結果を受信していない場合(ステップS10でNO)、制御装置8による処理は終了する。これに対し、音声認識結果を受信した場合(ステップS10でYES)、制御装置8は、テキストD2に付加されている装置情報に基づき、画像処理装置2の装置モデルを特定し(ステップS11)、その装置モデルに対応するキーワード情報26を読み出す(ステップS12)。そして制御装置8は、設定候補抽出処理を実行する(ステップS13)。
【0101】
図9は、設定候補抽出処理(ステップS13)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置8は、設定候補抽出処理を開始すると、ステップS12で読み出したキーワード情報26を参照し、テキストD2に対応する設定候補を全て抽出する(ステップS20)。このとき、1つの設定候補だけが抽出されることもあれば、複数の設定候補が抽出されることもある。また、設定候補が1つも抽出されないこともある。設定候補が1つも抽出されなかった場合、制御装置8による処理はその時点で終了する。
【0102】
ステップS20において少なくとも1つの設定候補が抽出された場合、制御装置8は、ユーザーによって既に指定された現在の設定状態を確認し(ステップS21)、禁則判定を行う(ステップS22)。すなわち、制御装置8は、ステップS20で抽出した少なくとも1つの設定候補の中に、現在の設定状態に対する禁則条件を満たす設定候補が存在するか否かを判定する。その結果、禁則条件に合致する設定候補が存在する場合(ステップS23でYES)、制御装置8は、禁則条件に合致する設定候補を除外する(ステップS24)。尚、禁則条件に合致する設定候補を除外した結果、設定候補が1つの残らないこととなった場合、制御装置8による処理はその時点で終了する。一方、禁則条件に合致する設定候補が存在しない場合(ステップS23でNO)、制御装置8は、ステップS20で抽出した設定候補を、有効な設定候補として認定する。以上で、設定候補抽出処理が終了する。
【0103】
図8のフローチャートに戻り、次に制御装置8は、設定候補抽出処理(ステップS13)において1つの設定候補だけが抽出されたか否かを判断する(ステップS14)。1つの設定候補だけが抽出された場合(ステップS14でYES)、制御装置8は、その1つの設定候補を、画像処理装置2に反映すべき設定として特定することができる。この場合、制御装置8は、画像処理装置2に対して設定反映指示D41を送信する(ステップS15)。つまり、制御装置8は、音声認識結果に基づいて特定した設定を画像処理装置2に反映させるのである。そして制御装置8は、画像処理装置2に反映させた設定をユーザーに音声案内するための案内情報D3をテキストデータとして生成し(ステップS16)、その案内情報D3を音声認識装置7へ送信する(ステップS17)。これにより、音声認識装置7は、テキストデータで表現された案内情報D3を音声情報に変換し、音声情報に変換した案内情報D3を音声入出力装置3へ送信する。そして音声入出力装置3は、音声情報に変換された案内情報D3に基づく音声出力を行うので、画像処理装置2に反映された設定をユーザーに報知することができる。ユーザーは、音声入出力装置3から出力される音声を聞くことにより、自身で発した音声が正しく認識され、所望の設定がなされたか否かを確認することができる。
【0104】
一方、設定候補抽出処理(ステップS13)において複数の設定候補が抽出された場合(ステップS14でNO)、制御装置8は、設定候補提示処理を行う(ステップS18)。図10は、その設定候補提示処理(ステップS18)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置8は、設定候補提示処理を開始すると、まず音声認識結果に基づいて抽出された設定候補の数を確認する(ステップS30)。そして制御装置8は、所定数以上の設定候補が抽出されたか否かを判断する(ステップS31)。
【0105】
所定数以上の設定候補が抽出された場合(ステップS31でYES)、制御装置8は、優先順位情報27を読み出し(ステップS32)、優先順位情報27に予め定められている優先順位に基づいて所定数以上の設定候補の優先順位を決定する(ステップS33)。そして制御装置8は、決定した優先順位に基づいて所定数以上の設定候補を表示させるための選択画面表示指示D42を生成し、その選択画面表示指示D42を画像処理装置2へ送信する(ステップS34)。また、制御装置8は、設定モードに応じてユーザーに対する音声案内を行うための案内情報D3をテキストデータとして生成し(ステップS35)、その案内情報D3を音声認識装置7へ送信する(ステップS36)。尚、制御装置8における設定モードが第1のモードであれば、ステップS35、S36の処理は行われず、音声入出力装置3による音声出力は行われない。
【0106】
一方、所定数以上の設定候補が抽出されていない場合(ステップS31でNO)、制御装置8は、抽出された複数の設定候補を順番に音声出力するための案内情報D3をテキストデータとして生成し(ステップS37)、その案内情報D3を音声認識装置7へ送信する(ステップS38)。つまり、本実施形態における制御装置8は、音声認識結果に基づいて抽出された設定候補の数が所定数未満であれば、複数の設定候補を順番に音声出力したとしても、音声出力が終了するまでにそれ程長い時間を要しないため、画像処理装置2の操作パネル11には選択画面を表示させないようにしている。そのため、ユーザーが画像処理装置2から離れた場所で音声操作を行っている場合には、操作パネル11に対して無駄な表示を行わなくて済み、操作パネル11が省電力モードであれば、その省電力モードを継続することができる。
【0107】
尚、上記においては、制御装置8が、画像処理装置2に対するコマンドD4として、設定反映指示D41と選択画面表示指示D42を送信する場合を例示したが、これらは単なる一例である。すなわち、制御装置8は、設定反映指示D41及び選択画面表示指示D42以外にも、様々なコマンドD4を生成することができる。例えば、制御装置8は、ユーザーによる指示がジョブの実行指示である場合には、ジョブ実行指示をコマンドD4として生成する。
【0108】
次に画像処理装置2における処理手順について説明する。図11は、画像処理装置2において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、図11では、画像処理装置2が制御装置8からコマンドを受信した場合の処理手順のみを示している。画像処理装置2は、この処理を開始すると、制御装置8からコマンドD4を受信したか否かを判断する(ステップS40)。制御装置8からコマンドD4を受信していない場合(ステップS40でNO)、画像処理装置2による処理は終了する。一方、制御装置8からコマンドD4を受信している場合(ステップS40でYES)、画像処理装置2は、受信したコマンドD4が設定反映指示D41であるか否かを判断する(ステップS41)。コマンドD4が設定反映指示D41である場合(ステップS41でYES)、画像処理装置2は、ジョブ設定部22を機能させ、設定反映指示D41に基づく設定を反映させたジョブ設定を行う(ステップS42)。
【0109】
また、コマンドD4が設定反映指示D41でなかった場合(ステップS41でNO)、画像処理装置2は、コマンドD4が選択画面表示指示D42であるか否かを判断する(ステップS43)。コマンドD4が選択画面表示指示D42である場合(ステップS43でYES)、画像処理装置2は、パネル制御部20を機能させ、所定数以上の設定候補を表示するための選択画面を生成する(ステップS44)。このとき、パネル制御部20は、選択画面表示指示D42において所定数以上の設定候補のそれぞれに対して優先順位が設定されていれば、その優先順位に基づいて所定数以上の設定候補をレイアウトした選択画面を生成する。そしてパネル制御部20は、選択画面表示指示D42に基づいて生成した選択画面を操作パネル11の表示部12に表示する(ステップS45)。例えば、制御装置8からコマンドD4を受信した時点において操作パネル11が省電力モードである場合、パネル制御部20は、表示部12への給電を開始して選択画面を表示する。この場合、パネル制御部20は、選択画面の表示開始から所定時間が経過するまでの間、表示部12を点滅表示させることでユーザーが操作パネル11を注目できるように注意喚起を行うようにしても良い。尚、このような注意喚起は、例えばスピーカーから所定のビープ音などを発することで実現しても良い。
【0110】
図12は、操作パネル11の表示部12に表示される選択画面G10の一例を示す図である。制御装置8においてユーザーの音声認識結果に基づく設定候補として所定数以上の設定候補が抽出された場合、画像処理装置2は、操作パネル11の表示部12に対して図12に示すような選択画面G10を表示する。図12では、ユーザーが「リョウメン」という音声を発した場合の選択画面G10の一例を示している。この選択画面G10には、所定数以上の設定候補を表示するための設定候補表示領域R1が含まれており、その設定候補表示領域R1に、所定数以上の設定候補のそれぞれに対応するサムネイル画像61,62,63,64が表示される。これらのサムネイル画像61,62,63,64の画像サイズは、制御装置8において決定された優先順位に基づくサイズとなっている。ここで、優先順位がユーザーによる設定頻度の高いものから順に設定されているとすると、ユーザーは、画像サイズの最も大きいサムネイル画像62が最も設定頻度の高い設定項目であることを把握することができる。つまり、選択画面G10は、ユーザーにとって設定頻度の高い設定項目を選択しやすい画面となっているのである。したがって、ユーザーは、音声入出力装置3から出力される音声案内を全て聞かなくても、設定頻度の高い設定項目を効率的に選択することが可能である。
【0111】
図12に示す選択画面G1が表示されているとき、ユーザーは、所望の設定候補を選択する操作として操作パネル11に対する手動操作を行うことができる。例えば、ユーザーは、複数のサムネイル画像61,62,63,64のうちから所望の設定候補に対応するサムネイル画像をタッチし、選択画面G10内の操作ボタンB1を操作することにより、一の設定候補を選択することができる。尚、ユーザーは、手動操作だけでなく、音声を発することによって所望の設定候補を選択することもできる。
【0112】
図13は、図12とは異なる選択画面G11の例を示す図である。制御装置8においてユーザーの音声認識結果に基づく設定候補として所定数以上の設定候補が抽出された場合、画像処理装置2は、操作パネル11の表示部12に対して図13に示すような選択画面G11を表示しても良い。図13でも、ユーザーが「リョウメン」という音声を発した場合の選択画面G11の例を示している。この選択画面G11においても、所定数以上の設定候補を表示するための設定候補表示領域R1が含まれており、その設定候補表示領域R1に、所定数以上の設定候補のそれぞれがリスト形式で表示される。所定数以上の設定候補のリストは、例えば優先順位の高いものからリストの上位に表示される。したがって、ユーザーは、音声入出力装置3から出力される音声案内を全て聞かなくても、優先順位の高い設定項目を効率的に選択することが可能である。尚、図13では、複数の設定候補のうちから、ユーザーがコピー機能のプリンタ部18に対する両面印刷をオンに設定することを選択した場合を例示している。
【0113】
図11のフローチャートに戻り、画像処理装置2は、受信したコマンドD4が選択画面表示指示D42でなかった場合(ステップS43でNO)、ジョブの実行指示であるか否かを判断する(ステップS46)。コマンドD4がジョブの実行指示である場合(ステップS46でYES)、画像処理装置2は、ジョブ制御部21を機能させ、ユーザーによって指定されたジョブの実行を開始する(ステップS47)。
【0114】
一方、受信したコマンドD4がジョブの実行指示でもなかった場合(ステップS46でNO)、画像処理装置2は、受信したコマンドD4に基づき、上述した処理以外のその他の処理を実行する(ステップS48)。以上で、画像処理装置2による処理が終了する。
【0115】
以上のように、本実施形態の制御システム1は、クラウド5上に設置されている制御装置8が、ユーザーの発した音声に基づいて画像処理装置2を遠隔制御するように構成されている。そして、本実施形態の制御装置8は、ユーザーの発した音声に対応する設定候補として、所定数以上の設定候補を抽出すると、画像処理装置2の操作パネル11に、それら所定数以上の設定候補を表示させるようにしている。そのため、本実施形態の制御装置8は、所定数以上の設定候補を抽出した場合に、それらの所定数以上の設定候補を順番に音声でユーザーに聞かせなくても、所定数以上の設定候補を視認させることで、ユーザーに効率的に所望の設定候補を選択させることができる。それ故、ユーザーが所望の設定候補を選択するまでの時間を短縮することが可能であり、画像処理装置2が一人のユーザーによって占有されてしまう時間を短くすることができる。
【0116】
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0117】
例えば、上記各実施形態では、音声認識装置7と制御装置8とが別体である場合を例示した。しかし、本発明は、音声認識装置7と制御装置8とが別体であるものに限られるものではない。例えば、制御装置8は、音声認識装置7と一体的に構成されるものであっても構わない。
【0118】
また、上記実施形態では、制御装置8がクラウド5上にサーバーとして設置される場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、制御装置8は、ローカル環境に設置されるサーバーであっても構わない。また、制御装置8は、画像処理装置2の内部に設けられるものであっても構わない。画像処理装置2に制御装置8が設けられる場合、その制御装置8は、上述のように音声認識装置7の機能を更に備えたものであっても構わない。
【0119】
また、上記実施形態では、音声入出力装置3と画像処理装置2とが別体である場合を例示した。しかし、本発明は、それに限られるものでもない。すなわち、画像処理装置2は、上述した音声入出力装置3の機能を備えているものであっても構わない。
【0120】
また、上記実施形態では、音声入出力装置3は、音声の入出力を行う装置である場合を例示した。しかし、音声入出力装置3は、音声の入力のみを行う装置であっても構わない。この場合、上述した音声入出力装置3は、音声入力装置としてのみ機能する。
【0121】
また、上記実施形態では、制御装置8の記憶部41に予めプログラム25がインストールされている場合を例示した。しかし、プログラム25は、例えば通信インタフェース42などを介して制御装置8にインストールされるものであっても構わない。この場合、プログラム25は、インターネットなどを介してダウンロード可能な態様で提供される。また、これに限らず、プログラム25は、CD-ROMやUSBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された態様で提供されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0122】
1 制御システム
2 画像処理装置
3 音声入出力装置
7 音声認識装置
8 制御装置
25 プログラム
31 設定特定部(設定特定手段)
32 案内情報出力部(案内情報出力手段)
33 装置制御部
34 設定候補抽出部
35 表示制御部(制御手段)
36 設定反映部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13