(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/145 20180101AFI20240305BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240305BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20240305BHJP
F21S 43/19 20180101ALI20240305BHJP
F21S 45/50 20180101ALI20240305BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20240305BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240305BHJP
【FI】
F21S43/145
H05B33/14 A
H05B33/02
F21S43/19
F21S45/50
F21S43/50
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2019226443
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】池之上 翔
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-198720(JP,A)
【文献】特開2015-170806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/145
H10K 50/10
H05B 33/02
F21S 43/19
F21S 45/50
F21S 43/50
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非発光時に透明となる発光部、及び前記発光部の周囲に位置すると共に前記発光部に電力を供給するための電極部を含む周囲部、を有する有機ELパネルと、
前記有機ELパネルの発光面に配置され、光を透過可能な第1光透過部材と、
前記有機ELパネルを前記第1光透過部材と共に挟み込み、光を透過可能な第2光透過部材と、
前記第1光透過部材と前記第2光透過部材との間の領域であって前記有機ELパネルの周囲の領域に周方向に環状に延びるように配置され、前記第1光透過部材と前記第2光透過部材との間の領域をシールするシール部と、
を備え、
前記第2光透過部材は、
前記有機ELパネルを前記第1光透過部材と共に挟み込む平板状の部位である挟持部と、
前記挟持部の周囲で前記第1光透過部材とは反対側に屈曲している部位である屈曲部と、
前記屈曲部の周囲で前記挟持部と略平行に平板状に延びている部位であるシール用延設部と、
前記シール用延設部から前記シール部側に突出し周方向に環状に延び前記シール部に接合されている部位である凸部と、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第1光透過部材及び前記第2光透過部材の少なくともいずれか一方、並びに前記周囲部のうち前記電極部以外の部位は、前記第1光透過部材及び前記第2光透過部材に対して前記有機ELパネルを位置決めする位置決め部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記位置決め部は、
前記周囲部のうち前記電極部以外の部位に形成される開口部と、
前記第1光透過部材及び前記第2光透過部材の少なくとも一方から突出すると共に、前記開口部に挿入されるリブと、
を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第1光透過部材の前記周囲部を表面から覆うように貼付される不透明のフィルムを備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項
3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記有機ELパネルは、フレキシブルに屈曲可能なパネルである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項
4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、リアガラスの内側のガラス面に、介在部材を介して、有機ELパネルの光の出射面を貼り付けた車両用灯具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのようにリアガラスに有機ELパネルが取り付けられた後に、有機ELパネルの出射面とは反対の面が、搭乗者に直接に触れられて破壊する場合もあり得る。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、有機ELパネルが直接に触れられて破壊することを抑制することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明の車両用灯具は、非発光時に透明となる発光部、及び前記発光部の周囲に位置すると共に前記発光部に電力を供給するための電極部を含む周囲部、を有する有機ELパネルと、前記有機ELパネルの発光面に配置され、光を透過可能な第1光透過部材と、前記有機ELパネルを前記第1光透過部材と共に挟み込み、光を透過可能な第2光透過部材と、前記第1光透過部材と前記第2光透過部材との間の領域であって前記有機ELパネルの周囲の領域に周方向に環状に延びるように配置され、前記第1光透過部材と前記第2光透過部材との間の領域をシールするシール部と、を備え、前記第2光透過部材は、前記有機ELパネルを前記第1光透過部材と共に挟み込む平板状の部位である挟持部と、前記挟持部の周囲で前記第1光透過部材側の反対側に屈曲している部位である屈曲部と、前記屈曲部の周囲で前記挟持部と略平行に平板状に延びている部位であるシール用延設部と、前記シール用延設部から前記シール部側に突出し周方向に環状に延び前記シール部に接合されている部位である凸部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用灯具によれば、第1光透過部材及び第2光透過部材により有機ELパネルが挟まれてユニット化されている。そのために、有機ELパネルが直接に触れられて破壊することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)本実施形態に係る車両用灯具の正面図、(b)車両用灯具の分解斜視図
【
図2】(a)有機ELパネルの正面図(b)第1光透過部材の背面図(c)第2光透過部材の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0010】
図1(a)は、本実施形態に係る車両用灯具10の正面図である。
図1(b)は、車両用灯具10の分解斜視図である。
図2(a)は、有機ELパネル20の正面図であり、
図2(b)は、第1光透過部材30の背面図であり、
図2(c)は、第2光透過部材40の正面図である。
図3は、車両用灯具10の断面図である。
図4は、
図3の一部拡大断面図である。なお、
図4では、車両用灯具10の上部側(
図3の点線で囲われた部分)が記載されているが、車両用灯具10の下部側も同様に構成されている。
図1(a)及び
図1(b)に示されるように、車両用灯具10は、有機ELパネル20と、第1光透過部材30と、第2光透過部材40と、フィルム50と、を備える。そして、車両用灯具10は、裏面側から順に、第2光透過部材40(ハウジング)、有機ELパネル20、第1光透過部材30(アウターレンズ)、フィルム50が設けられて一体化されている。
【0011】
[有機ELパネル]
図2(a)に示されるように、有機ELパネル20は、発光部21と、周囲部23と、を有する。有機ELパネル20は、フレキシブルに曲がる。
【0012】
[発光部]
発光部21(
図2(a)参照)は、電子輸送層、発光層及び正孔輸送層を陽極と陰極とで挟んで形成され、それぞれの電極から正孔と電子を注入して発光層を励起させることにより光り、非発光時には透明となる部位である。発光層に透明な材料が用いられると、発光部21は非点灯時に透明になる。なお、発光部21は、
図3及び
図4では領域Aの範囲で示される部位である。
【0013】
[周囲部]
周囲部23(
図2(a)参照)は、発光部21の周囲に位置する部位である。周囲部23は、発光部21の周囲を所定寸法の幅で環状に囲む部位である。周囲部23は、
図3及び
図4では領域Bの範囲で示される部位である。周囲部23には、発光部21に電力を供給するための電極部22が設けられている。
【0014】
この電極部22は、
図2(a)に示されるように、プラス電極22a及びマイナス電極22bを、発光部21の周囲に所定間隔毎に有する。プラス電極22aとマイナス電極22bとは、交互に並んで配置されている。電極部22が発光部21の周囲の全体に亘って配置されているのは、発光部21の発光範囲に均一に電圧をかけて発光部21を均一に発光させるためである。なお、図示しないフレキシブル基板(FPC)には、有機ELパネル20の周囲部23の電極部22との接点が設定されて通電している。また、フレキシブル基板(FPC)側に配線があり、各接点からの配線は、図示しないコネクタ部にまとまり電源に繋げられている。
【0015】
周囲部23のうち電極部22以外の部位には、第1光透過部材30及び第2光透過部材40に対して有機ELパネル20を位置決めする開口部20a(位置決め部)が形成されている。開口部20aは、周囲部23の範囲内で、周囲部23の周方向に所定間隔毎となるように形成されている。
【0016】
[第1光透過部材]
第1光透過部材30は、
図1(b)に示される有機ELパネル20の発光面21aに取り付けられ、光を透過可能な部材である。第1光透過部材30は、有機ELパネル20よりも大きい面積で形成されている。また、第1光透過部材30は、
図4に示されるように、裏面の端部側の部位に、リブ32(位置決め部)と、シール部31(接合部)と、を有する。なお、車両用灯具10をリアガラスに適用する場合に、第1光透過部材30を車体の外側に配置してアウターレンズとして用いても良い。
【0017】
[リブ]
リブ32は、
図3及び
図4に示されるように、第1光透過部材30の裏面から突出する。
図2(b)に示されるように、リブ32は、第1光透過部材30の外縁から所定寸法内側の位置で周方向に所定間隔毎に形成されている。リブ32は、
図4に示されるように、有機ELパネル20の開口部20aに挿入される。これにより、第1光透過部材30及び第2光透過部材40に対して有機ELパネル20が位置決めされる。リブ32は、本実施形態では、
図4に示されるように、第2光透過部材40との間に隙間を有する。
【0018】
[シール部]
シール部31は、第1光透過部材30の裏面の端部側の部位に取り付けられている。
図2(b)に示されるように、シール部31は、第1光透過部材30の外縁の位置と外縁から所定寸法内側の位置との間で周方向に環状に延設されている。
【0019】
また、
図3及び
図4に示されるように、シール部31は、有機ELパネル20の面に沿う方向で、有機ELパネル20の端面に対向する。シール部31は、有機ELパネル20の周囲に配置されている。また、シール部31は、有機ELパネル20の面に沿う方向で、リブ32よりも外側(例えば
図3及び
図4中では上側)に配置されている。
【0020】
また、シール部31には、
図4に示されるように、車両用灯具10の裏面側から表面側へと凹む凹部31aが形成されている。
図2(b)に示されるように、凹部31aは、第1光透過部材30の外縁から所定寸法内側の位置で周方向に環状に延設されている。
【0021】
シール部31は、
図4に示されるように、有機ELパネル20の板厚方向において、第1光透過部材30と第2光透過部材40との間の領域に配置されている。従って、シール部31は、第1光透過部材30、第2光透過部材40及びシール部31で囲まれる領域をシールする。
【0022】
[第2光透過部材]
第2光透過部材40は、有機ELパネル20を第1光透過部材30と共に挟み込み、光を透過可能な部材である。第2光透過部材40は、有機ELパネル20よりも大きい面積で形成されている。第2光透過部材40は、
図3及び
図4に示されるように、挟持部40aと、屈曲部40bと、シール用延設部40c(接合部)と、を有する。なお、車両用灯具10をリアガラスに適用する場合に、第2光透過部材40を車体の内側に配置してハウジングとして用いても良い。
【0023】
挟持部40aは、平板状に延びており、有機ELパネル20を第1光透過部材30と共に挟み込む部位である。屈曲部40bは、挟持部40aの周囲で、車両用灯具10の裏面の方へと屈曲している部位である。シール用延設部40cは、屈曲部40bの周囲で、挟持部40aと略平行に平板状に延びている部位である。
【0024】
シール用延設部40cの表面には、車両用灯具10の表面側に突出する凸部40c1が形成されている。
図2(c)に示されるように、凸部40c1は、第2光透過部材40の外縁から所定寸法内側の位置で周方向に環状に延設されている。従って、凸部40c1は、第1光透過部材30、第2光透過部材40及びシール部31で囲まれる領域をシールする。
【0025】
第2光透過部材40の凸部40c1が第1光透過部材30の凹部31aに溶着により接合されて、第1光透過部材30と第2光透過部材40とが接合されている。なお、凸部40c1と凹部31aとが接着剤により接合されても良い。ただし、溶着の方が接着剤よりも第1光透過部材30と第2光透過部材40との間に気泡等が入らないという利点がある場合もある。また、シール用延設部40cは、
図4では領域Dの範囲で示される部位である。
【0026】
[フィルム]
フィルム50は、第1光透過部材30の周囲部23を表面から覆うように貼付される不透明の部材であり、
図4の領域Cの部分に配置される。フィルム50には、例えばカーラッピングフィルムが用いられる。フィルム50の色としては、自動車の車体色と同色のものが選択される。フィルム50は、有機ELパネル20の発光範囲よりも外側の範囲に配置されている。
図1(b)に示されるように、フィルム50は、開口50aを有しており、第1光透過部材30の周囲部23以外を被覆しないように形成されている。なお、この構成に変えて、フィルム50の部分が車体色で、フィルム50の開口50aの部分が透明の部材であるフィルムが用いられても良い。
【0027】
[製造方法]
車両用灯具10は、第1光透過部材30のリブ32に有機ELパネル20の開口部20aを嵌め込むことにより、シール部31が取り付けられた第1光透過部材30に対して有機ELパネル20を取り付ける。それから、シール部31の凹部31aに第2光透過部材40の凸部40c1が当接されて接合され、第1光透過部材30と第2光透過部材40との間の領域がシールされる。フィルム50が第1光透過部材30の表面の有機ELパネル20の周囲部23を覆うように貼付されて、車両用灯具10が完成する。こうした車両用灯具10は、例えば、第1光透過部材30及び第2光透過部材40が自動車のリアガラスと同等な面積で形成され、リアガラスとして自動車に組み付けられる。
【0028】
[使用時]
車両用灯具10は、有機ELパネル20の非発光時には、第1光透過部材30、有機ELパネル20、第2光透過部材40が透明である。そのために、例えば車両用灯具10が自動車のリアガラスに適用されている場合には、ユーザその他の者は、車両用灯具10の表面から見て車内を車両用灯具10越しに見ることができる。車両用灯具10は、有機ELパネル20の発光時には、有機ELパネル20の表示が現れる。そのために、例えば車両用灯具10が自動車のリアガラスに適用されている場合には、ユーザその他の者は、車両用灯具10の表面から見て有機ELパネル20の表示を見ることができる。
【0029】
以上説明してきたように、本実施形態の車両用灯具10は、非発光時に透明となる発光部21、発光部21の周囲に位置すると共に発光部21に電力を供給するための電極部22を含む周囲部23、を有する有機ELパネル20と、有機ELパネル20の発光面21aに配置され、光を透過可能な第1光透過部材30と、有機ELパネル20を第1光透過部材30と共に挟み込み、光を透過可能な第2光透過部材40と、を備える。
【0030】
こうした構成によれば、車両用灯具10は、第1光透過部材30及び第2光透過部材40により有機ELパネル20が挟まれてユニット化されている。そのために、有機ELパネル20が直接に触れられて破壊することが抑制される。ひいては、有機ELパネル20への接触による破損、車両用灯具10が光らない等の不良を抑制することができる。
【0031】
また、有機ELパネル20が非発光時に透明となり、第1光透過部材30及び第2光透過部材40が光を透過するために、車両用灯具10越しに他の物体を視認することができる。そのために、リアガラスに変えて使用することができる。また、リアガラスが発光しているような見栄えにすることができる。従って、デザイン性が向上する。なお、第1光透過部材30及び第2光透過部材40の材質としてPMMA等の樹脂が用いられることにより、ガラスが用いられるよりも軽量にすることができる。
【0032】
本実施形態の車両用灯具10は、第1光透過部材30、並びに周囲部23のうち電極部22以外の部位は、第1光透過部材30及び第2光透過部材40に対して有機ELパネル20を位置決めする位置決め部(リブ32及び開口部20a)を有する。こうした構成によれば、有機ELパネル20を直接に自動車の車体に貼付する取付方法に比べて、自動車の車体に対して有機ELパネル20を精度良く配置することができる。有機ELパネル20が自動車の車体に対して傾いた状態になることが抑制される。
【0033】
本実施形態の車両用灯具10では、位置決め部は、周囲部23のうち電極部22以外の部位に形成される開口部20aと、第1光透過部材30から突出すると共に、開口部20aに挿入されるリブ32と、を有する。こうした構成によれば、開口部20aをリブ32に通せば、第1光透過部材30及び第2光透過部材40に対して有機ELパネル20を精度良く配置することができる。有機ELパネル20が第1光透過部材30及び第2光透過部材40に対して傾いた状態になることが抑制される。
【0034】
本実施形態の車両用灯具10では、第1光透過部材30と第2光透過部材40との間の領域であって有機ELパネル20の周囲の領域に配置され、第1光透過部材30と第2光透過部材40との間の領域をシールするシール部31を備える。こうした構成によれば、第1光透過部材30と第2光透過部材40との間の水の浸入が抑制され、有機ELパネル20が吸湿して車両用灯具10が灯火しなくなるといった現象が抑制される。
【0035】
また、第1光透過部材30の裏面のシール部31の凹部31aに第2光透過部材40の凸部40c1が挿入されながら接合される。こうした構成によれば、第1光透過部材30の位置と第2光透過部材40との位置がズレることが抑制される。
【0036】
本実施形態の車両用灯具10は、第1光透過部材30の周囲部23を表面から覆うように貼付される不透明なフィルム50を備える。こうした構成によれば、有機ELパネル20の発光範囲よりも外側にある電極部22及びシール部31が車両用灯具10の外側から見えないように被覆される。そのために、デザイン性が向上する。なお、フィルム50として自動車の車体と同じ色が使用されることにより、車体との一体感を増す。そのために、デザイン性が向上する。
【0037】
有機ELパネル20は、フレキシブルに屈曲可能なパネルである。こうした構成によれば、第1光透過部材30及び第2光透過部材40の形状に合わせて有機ELパネル20の形状を変形させることができる。
【0038】
以上、本実施形態の車両用天井材1について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることなく、その発明の範囲において種々の変更が可能である。
【0039】
[変形例1]
前述の実施形態では、第1光透過部材30が裏面から突出するリブ32を有し、このリブ32が有機ELパネル20の開口部20aに通される構成であったが、上記実施形態に限定されない。例えば、第2光透過部材40が表面から突出するリブを有し、このリブが有機ELパネル20の開口部20aに通される構成であっても良い。このように、第1光透過部材30と第2光透過部材との少なくとも一方からリブが突出する構成であれば良い。
【0040】
[変形例2]
前述の実施形態では、第1光透過部材30の裏面のシール部31に形成された凹部31aと、第2光透過部材40の表面に形成された凸部40c1とが接合される構成であったが、上記実施形態に限定されない。例えば、第2光透過部材40の表面に取り付けられたシール部に形成された凹部と、第1光透過部材30の裏面に形成される凸部とが接合される構成であっても良い。
【0041】
[変形例3]
前述の実施形態では、リブ32は、第2光透過部材40との間に隙間が確保されるように構成されていたが、上記実施形態に限定されない。例えば、リブ32は、第2光透過部材40と接触するように構成されていても良い。
【0042】
[変形例4]
前述の実施形態では、例えば、車両用灯具10をリアガラスとして用いる構成が想定されているが、上記実施形態に限定されない。例えば、車両用灯具10の第2光透過部材40の部分をリアガラスの内側の面(車内側の面)に接着剤等で貼付することによって、車両用灯具10をリアガラスに取り付けた構成であっても良い。
【符号の説明】
【0043】
10 車両用灯具
20 有機ELパネル
20a 開口部(位置決め部)
21 発光部
21a 発光面
22 電極部
22a プラス電極
22b マイナス電極
23 周囲部
30 第1光透過部材
31 シール部(接合部)
31a 凹部
32 リブ(位置決め部)
40 第2光透過部材
40a 挟持部
40b 屈曲部
40c シール用延設部
40c1 凸部
50 フィルム
50a 開口
A,B,C,D 領域