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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】情報制御方法及び情報制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240305BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240305BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240305BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G03G21/00 388
H04N1/00 127B
G06F3/12 305
G06F3/12 336
G06F3/12 392
G06K7/10 252
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019227649
(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公開番号】P2021096655
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 仁志
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136704(JP,A)
【文献】特開2012-086003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G03G 21/00
H04N 1/00
G06K 7/10
G06F 8/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置から、電源がオフされた状態にある第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御を行う情報制御方法であって、
前記第1装置において、ユーザからの指示を受け付けるステップと、
前記指示が前記RFIDタグに対する設定情報の書込指示であり、前記RFIDタグに書込済設定情報が格納されている場合、前記ユーザに対して第1報知を行い、前記第1報知では、削除指示を受け付ける為の削除画面を前記第1装置に表示するステップと、
前記指示が前記書込指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記RFIDタグに前記設定情報を書き込むステップと、
前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されている場合、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップと、
前記指示が前記削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記ユーザに対して第2報知を行うステップと
を有することを特徴とする情報制御方法。
【請求項2】
前記第1報知では、前記削除画面に前記RFIDタグに格納されている前記書込済設定情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報制御方法。
【請求項3】
前記第1報知では、前記削除画面、及び前記RFIDタグに対する前記設定情報の上書指示を受け付ける為の上書画面として機能する削除上書画面を前記第1装置に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報制御方法。
【請求項4】
前記第1報知では、前記削除上書画面に前記RFIDタグに格納されている前記書込済設定情報を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報制御方法。
【請求項5】
前記削除上書画面を介して前記上書指示を受け付けた場合、前記RFIDタグに格納されている前記書込済設定情報を削除してから、ユーザに指定された前記設定情報を前記RFIDタグに書き込むステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報制御方法。
【請求項6】
前記第2報知では、エラー画面を前記第1装置に表示する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報制御方法。
【請求項7】
前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップでは、前記RFIDタグに格納されている前記書込済設定情報を前記第1装置に表示して、当該書込済設定情報を削除してもよいかをユーザに問い合わせ、削除してもよいと指示された場合に、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の情報制御方法。
【請求項8】
前記RFIDタグには、前記第2装置を識別可能な装置識別情報が格納されていて、
前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップでは、前記RFIDタグに格納されている前記装置識別情報と前記書込済設定情報を前記第1装置に記憶したうえで前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除し、
前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除取消指示であり、前記第1装置に記憶している前記装置識別情報と、前記RFIDタグに格納されている前記装置識別情報とが一致する場合に、前記第1装置に記憶している前記書込済設定情報を前記RFIDタグに書き込むステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報制御方法。
【請求項9】
前記RFIDタグは、NFCタグである
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の情報制御方法。
【請求項10】
第1装置から、電源がオフされた状態にある第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御を行う情報制御方法であって、
前記第1装置において、ユーザからの指示を受け付けるステップと、
前記指示が前記RFIDタグに対する設定情報の書込指示であり、前記RFIDタグに書込済設定情報が格納されている場合、前記ユーザに対して第1報知を行うステップと、
前記指示が前記書込指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記RFIDタグに前記設定情報を書き込むステップと、
前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されている場合、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップと、
前記指示が前記削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記ユーザに対して第2報知を行うステップと
を有し、
前記RFIDタグには、前記第2装置を識別可能な装置識別情報が格納されていて、
前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップでは、前記RFIDタグに格納されている前記装置識別情報と前記書込済設定情報を前記第1装置に記憶したうえで前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除し、
前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除取消指示であり、前記第1装置に記憶している前記装置識別情報と、前記RFIDタグに格納されている前記装置識別情報とが一致する場合に、前記第1装置に記憶している前記書込済設定情報を前記RFIDタグに書き込むステップをさらに有する
ことを特徴とする情報制御方法。
【請求項11】
第1装置から、電源がオフされた状態にある第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御を行う為の情報制御プログラムであって、
ユーザからの指示を受け付けるステップと、
前記指示が前記RFIDタグに対する設定情報の書込指示であり、前記RFIDタグに書込済設定情報が格納されている場合、前記ユーザに対して第1報知を行い、前記第1報知では、削除指示を受け付ける為の削除画面を前記第1装置に表示するステップと、
前記指示が前記書込指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記RFIDタグに前記設定情報を書き込むステップと、
前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されている場合、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップと、
前記指示が前記削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記ユーザに対して第2報知を行うステップと
を前記第1装置に実行させる為の情報制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報制御方法及び情報制御プログラムに関するものであり、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)を利用してタグと呼ばれる記憶部への書き込みきを行うシステムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDを利用するシステムとして、プリンタの電源オン時に、プリンタが、RFIDタグに書き込まれている設定情報を読み込み、この設定情報をもとにプリンタの設定を変更するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
またこのようなシステムとして、RFIDタグを備えるプリンタに、RFIDタグのリーダ/ライタ機能を有する情報処理端末をかざすことで、情報処理端末側からプリンタ側のRFIDタグに設定情報を書き込むようにしたものもある。このシステムでは、電源オフ時のプリンタに情報処理端末をかざすことで、プリンタのRFIDタグに設定情報を書き込み、プリンタの電源オン時に、プリンタが、RFIDタグに書き込まれている設定情報(書込済設定情報とも呼ぶ)を読み込み、この設定情報をもとにプリンタの設定を変更するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-160903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のシステムでは、RFIDタグに書き込まれた設定情報(書込済設定情報)を書き換えたい場合、以下のような作業を行わなければならない。すなわち、まずプリンタの電源をオンして、RFIDタグに書き込まれた設定情報(書込済設定情報)をもとにプリンタの設定を一旦変更する。このとき、RFIDタグに書き込まれた設定情報(書込済設定情報)がプリンタによって削除される為、RFIDタグは、新たな設定情報の書き込みが可能な状態となる。その後、プリンタの電源をオフして、情報処理端末をプリンタにかざすことで、RFIDタグに新たな設定情報を書き込む。これにより、RFIDタグに書き込まれた設定情報(書込済設定情報)が書き換えられたことになる。
【0006】
このように、従来のシステムでは、RFIDタグに書き込んだ設定情報(書込済設定情報)を書き換えるには、プリンタの電源オン、電源オフを繰り返さなければならず、作業効率がよくないという問題を有していた。
【0007】
本発明は以上の点を考慮したものであり、従来と比較して作業効率を向上させた情報制御方法及び情報制御プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1装置から、電源がオフされた状態にある第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御を行う情報制御方法であって、前記第1装置において、ユーザからの指示を受け付けるステップと、前記指示が前記RFIDタグに対する設定情報の書込指示であり、前記RFIDタグに書込済設定情報が格納されている場合、前記ユーザに対して第1報知を行い、前記第1報知では、削除指示を受け付ける為の削除画面を前記第1装置に表示するステップと、前記指示が前記書込指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記RFIDタグに前記設定情報を書き込むステップと、前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されている場合、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップと、前記指示が前記削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記ユーザに対して第2報知を行うステップとを有る。
【0009】
また本発明は、第1装置から、電源がオフされた状態にある第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御を行う情報制御方法であって、前記第1装置において、ユーザからの指示を受け付けるステップと、前記指示が前記RFIDタグに対する設定情報の書込指示であり、前記RFIDタグに書込済設定情報が格納されている場合、前記ユーザに対して第1報知を行うステップと、前記指示が前記書込指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記RFIDタグに前記設定情報を書き込むステップと、前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されている場合、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップと、前記指示が前記削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記ユーザに対して第2報知を行うステップとを有し、前記RFIDタグには、前記第2装置を識別可能な装置識別情報が格納されていて、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップでは、前記RFIDタグに格納されている前記装置識別情報と前記書込済設定情報を前記第1装置に記憶したうえで前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除し、前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除取消指示であり、前記第1装置に記憶している前記装置識別情報と、前記RFIDタグに格納されている前記装置識別情報とが一致する場合に、前記第1装置に記憶している前記書込済設定情報を前記RFIDタグに書き込むステップをさらに有する。
【0010】
さらに本発明は、第1装置から、電源がオフされた状態にある第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御を行う為の情報制御プログラムであって、ユーザからの指示を受け付けるステップと、前記指示が前記RFIDタグに対する設定情報の書込指示であり、前記RFIDタグに書込済設定情報が格納されている場合、前記ユーザに対して第1報知を行い、前記第1報知では、削除指示を受け付ける為の削除画面を前記第1装置に表示するステップと、前記指示が前記書込指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記RFIDタグに前記設定情報を書き込むステップと、前記指示が前記RFIDタグに対する前記書込済設定情報の削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されている場合、前記RFIDタグから前記書込済設定情報を削除するステップと、前記指示が前記削除指示であり、前記RFIDタグに前記書込済設定情報が格納されていない場合、前記ユーザに対して第2報知を行うステップとを前記第1装置に実行させる。
【0011】
このように、第1装置(情報処理装置)から、電源がオフされた状態にある第2装置(RFIDタグを備えた装置)のRFIDタグに書き込まれている書込済設定情報を削除できるようにしたことにより、第1装置によるRFIDタグへの設定情報の書き込み、書込済設定情報の削除、新たな設定情報の書き込みという簡易な作業で、RFIDタグに書き込まれた書込済設定情報を書き換えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、従来と比較して作業効率を向上させた情報制御方法及び情報制御プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施の形態による情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】第1の実施の形態による情報処理装置のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示す図である。
図3】第1の実施の形態による携帯端末のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示す図である。
図4】第1の実施の形態によるNFCタグに書き込まれる情報を示す図である。
図5】第1の実施の形態による設定データを示す図である。
図6】第1の実施の形態による装置設定情報を示す図である。
図7】第1の実施の形態によるマッピング情報を示す図である。
図8】第1の実施の形態による装置設定情報を変更する際の変更条件を示す図である。
図9】第1の実施の形態による携帯端末側の動作の大まかな手順を示すフローチャートである。
図10】第1の実施の形態による機能選択画面の構成を示す図である。
図11】第1の実施の形態による携帯端末が行う設定データ指定処理の手順を示すフローチャートである。
図12】第1の実施の形態による携帯端末に表示される設定データ指定画面及び設定書込画面の構成を示す図である。
図13】第1の実施の形態による携帯端末に表示されるエラー画面の構成を示す図である。
図14】第1の実施の形態による携帯端末が行う設定書込処理の手順を示すフローチャートである。
図15】第1の実施の形態による携帯端末が行う設定削除動作の手順を示すフローチャートである。
図16図15に示すフローチャートにつづくフローチャートである。
図17】第1の実施の形態による携帯端末に表示される設定削除画面、エラー画面及び削除実行画面の構成を示す図である。
図18】第1の実施の形態による携帯端末に表示される削除完了画面、削除取消画面及びエラー画面の構成を示す図である。
図19】第1の実施の形態による携帯端末に表示される削除取消完了画面の構成を示す図である。
図20】第1の実施の形態による情報処理装置側の動作の手順を示すフローチャートである。
図21】第1の実施の形態による情報処理装置に表示される設定変更完了画面及びエラー画面の構成を示す図である。
図22】第2の実施の形態による携帯端末のソフトウェア構成を示す図である。
図23】第2の実施の形態による携帯端末が行う設定書込処理の手順を示すフローチャートである。
図24】第2の実施の形態による携帯端末に表示される動作選択画面、エラー画面及び上書き実行画面の構成を示す図である。
図25】第2の実施の形態による携帯端末が行う設定上書き動作の手順を示すフローチャートである。
図26】他の実施の形態による携帯端末に表示される動作選択画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.情報処理システムの全体構成]
図1に、第1の実施の形態による情報処理システム1の全体構成を示す。図1に示すように、情報処理システム1は、第2装置としての情報処理装置2と第1装置としての携帯端末3とで構成されている。尚、本実施の形態では、例えば、情報処理装置2はプリンタ、携帯端末3はスマートフォンを想定している。情報処理装置2には、NFC(Near Field Communication)ユニット4とストレージ5が設けられ、携帯端末3には、NFCユニット6が設けられている。
【0016】
情報処理装置2のNFCユニット4には、記憶媒体としてのNFCタグ4bが設けられている。このNFCタグ4bには、情報処理装置2に関する装置情報Idがあらかじめ書き込まれている。この装置情報Idには、情報処理装置2を識別可能な装置識別情報(例えば装置名称とシリアル番号)が含まれている。情報処理装置2のストレージ5は、情報処理装置2の設定を示す設定情報(以下、装置設定情報と呼ぶ)Sdを記憶保持している。携帯端末3のNFCユニット6は、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれている情報を読み出したり、NFCタグ4bに情報を書き込んだりするリーダ/ライタとなっている。
【0017】
この情報処理システム1では、情報処理装置2に携帯端末3をかざすと(近づけると)、携帯端末3のNFCユニット6から情報処理装置2のNFCユニット4へ電源と搬送波の源振が供給されることでNFCユニット4が動作するようになっている。つまり、この情報処理システム1では、情報処理装置2が電源オフの状態でも、携帯端末3を情報処理装置2にかざすことで、携帯端末3のNFCユニット6が情報処理装置2のNFCユニット4を介してNFCタグ4bへアクセスできるようになっている。
【0018】
さらにこの情報処理システム1では、情報処理装置2の電源がオフのときに、携帯端末3を情報処理装置2にかざすことで携帯端末3から情報処理装置2のNFCタグ4bに、情報処理装置2の設定を変更する為の設定情報(以下、変更用設定情報と呼ぶ)Rdを書き込み、その後、情報処理装置2の電源がオンされると、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを用いて情報処理装置2のストレージ5に記憶保持されている装置設定情報Sdを変更するようになっている。尚、詳しくは後述するが、この情報処理システム1では、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込んだ変更用設定情報Rdを、情報処理装置2の電源をオフにしたまま、携帯端末3側から削除したり、削除を取り消したりできるようにもなっている。つまり、携帯端末3は、電源がオフされた状態にある情報処理装置2に備えられたNFCタグ4bに対して情報制御(情報の読み書き、削除)を行うことができるようになっている。
【0019】
[1-2.情報処理装置の構成]
次に、図2(A)、(B)を用いて、情報処理装置2の構成について説明する。尚、図2(A)は情報処理装置2のハードウェア構成、図2(B)は情報処理装置2のソフトウェア構成を示している。
【0020】
まず図2(A)を用いて、情報処理装置2のハードウェア構成について説明する。情報処理装置2は、ハードウェア構成として、CPU10と、ROM11と、RAM12と、パネル13と、NFCユニット4と、ストレージ5とを有している。CPU10は、ROM11から各種制御プログラムを読み出して実行することにより、各種処理(各種演算、各部の制御など)を実行する。ROM11は、各種制御プログラムを記憶する。RAM12は、CPU10が各種制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。パネル13は、各種処理の結果などを表示する。
【0021】
NFCユニット4は、マイクロコンピュータ4aと、NFCタグ4bとを有している。マイクロコンピュータ(図ではマイコンと表記)4aは、図示しないCPUとメモリを備え、CPUがメモリからファームウェアを読み出して実行することにより、NFC規格に準じた各種処理(NFCユニット6との通信制御、NFCタグ4bへの読み書きなど)を実行する。NFCタグ4bは、所定のフォーマットで情報の書き込みが可能な記憶媒体であり、装置情報Idがあらかじめ書き込まれているとともに、携帯端末3から送られてきた変更用設定情報Rdが書き込まれる。
【0022】
ストレージ5は、不揮発性の記憶装置であり、装置設定情報Sdを記憶保持する。またストレージ5は、情報処理装置2の運用状態を示す運用情報Odを記憶保持している。この運用情報Odは、例えば、情報処理装置2の出荷時に、デフォルト値として「未運用」に設定され、情報処理装置2の運用が開始されたタイミングで情報処理装置2の制御部20によって「運用開始済み」に変更されるようになっている。尚、例えば、情報処理装置2に設定されている管理者パスワードをデフォルト値から変更しないと情報処理装置2を利用できないようにして、管理者パスワードがデフォルト値から変更されたタイミングで、制御部20が、運用情報Odを「未運用」から「運用開始済み」に変更するようにしてもよい。情報処理装置2のハードウェア構成は、以上のようになっている。尚、情報処理装置2のハードウェア構成として、入力装置としての操作ボタンなどを追加してもよい。
【0023】
つづけて、図2(B)を用いて、情報処理装置2のソフトウェア構成について説明する。情報処理装置2は、CPU10によって実行される制御プログラムにより構成される制御部20、初期化処理部21、表示部22、装置設定管理部23、タグ情報解析部24、及び運用状態管理部25と、マイクロコンピュータ4aによって実行されるファームウェアにより構成されるNFC処理部26とを有している。
【0024】
このうち、制御部20、初期化処理部21、表示部22、装置設定管理部23、タグ情報解析部24、及び運用状態管理部25は、情報処理装置2が起動している(電源がオンしている)ときのみ動作する。これに対して、NFC処理部26は、NFCユニット4が起動しているときのみ動作する。つまり、NFC処理部26は、情報処理装置2が起動していなくても、携帯端末3から供給される電源により動作する。
【0025】
制御部20は、初期化処理部21、表示部22、装置設定管理部23、タグ情報解析部24、運用状態管理部25、及びNFC処理部26の動作を制御する。初期化処理部21は、情報処理装置2を起動したときに最初に呼び出される部分であり、情報処理装置2の初期化処理を行う。表示部22は、各種処理の結果などをパネル13に表示させる。装置設定管理部23は、ストレージ5に格納されている装置設定情報Sdを管理する。タグ情報解析部24は、NFCタグ4bに書き込まれている情報を解析する。運用状態管理部25は、ストレージ5に格納されている運用情報Odを管理する。NFC処理部26は、携帯端末3のNFCユニット6との通信制御を行うNFC通信部26aと、NFCタグ4bへの読み書きを行うNFCタグ制御部26bを有している。情報処理装置2のソフトウェア構成は、以上のようになっている。
【0026】
[1-3.携帯端末の構成]
次に、図3(A)、(B)を用いて、携帯端末3の構成について説明する。尚、図3(A)は携帯端末3のハードウェア構成、図3(B)は携帯端末3のソフトウェア構成を示している。
【0027】
まず図3(A)を用いて、携帯端末3のハードウェア構成について説明する。携帯端末3は、ハードウェア構成として、CPU30と、RAM31と、タッチパネル32と、ストレージ33と、NFCユニット6とを有している。CPU30は、ストレージ33から各種制御プログラムや各種アプリケーションを読み出して実行することにより、各種処理(各種演算、各部の制御など)を実行する。RAM31は、CPU30が各種プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。タッチパネル32は、各種画面を表示するとともに、入力操作を受け付ける入出力装置である。
【0028】
ストレージ33は、不揮発性の記憶装置であり、携帯端末3のOS(Operating System)、各種制御プログラム、各種アプリケーション、及び各種アプリケーションの管理情報を記憶保持する。またこのストレージ33は、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれる変更用設定情報Rdの元となる設定データDdを記憶保持する。さらにこのストレージ33は、アプリケーションの1つとして、ユーザにより指定された設定データDdを元に、情報処理装置2のNFCタグ4bに所定のフォーマットで変更用設定情報Rdを書き込む為のアプリケーション(以下、これを装置設定アプリと呼ぶ)を記憶保持する。
【0029】
NFCユニット6は、マイクロコンピュータ6aを有している。マイクロコンピュータ(図ではマイコンと表記)6aは、図示しないCPUとメモリを備え、CPUがメモリからファームウェアを読み出して実行することにより、NFC規格に準じた各種処理(NFCユニット4との通信制御、NFCタグ4bへの読み書きなど)を実行する。携帯端末3のハードウェア構成は、以上のようになっている。
【0030】
つづけて、図3(B)を用いて、携帯端末3のソフトウェア構成について説明する。携帯端末3は、ソフトウェア構成として、マイクロコンピュータ6aによって実行されるファームウェアにより構成されるNFC通信部40と、CPU30によって実行される装置設定アプリ41とを有している。
【0031】
NFC通信部40は、情報処理装置2のNFCユニット4との通信制御を行う。装置設定アプリ41は、制御部41aと、表示部41bと、入力部41cと、設定データ解析部41dと、旧タグ情報解析部41eと、新タグ情報生成部41fと、タグ情報削除部41gとを有している。
【0032】
制御部41aは、表示部41b、入力部41c、設定データ解析部41d、旧タグ情報解析部41e、新タグ情報生成部41f、及びタグ情報削除部41gの動作を制御する。表示部41bは、後述する各種アプリ画面などをタッチパネル32に表示させる。入力部41cは、タッチパネル32に表示されている各種アプリ画面上で入力されたユーザからの指示を受け付ける。設定データ解析部41dは、ユーザにより指定された設定データDdの解析を行う。旧タグ情報解析部41eは、情報処理装置2のNFCタグ4bから読み込んだ情報の解析を行う。新タグ情報生成部41fは、NFCタグ4bに書き込む情報(変更用設定情報Rdを含む情報)を生成する。タグ情報削除部41gは、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除する。携帯端末3のソフトウェア構成は、以上のようになっている。
【0033】
携帯端末3は、装置設定アプリ41の新タグ情報生成部41fにより、情報処理装置2のNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込む機能をユーザに提供する。また携帯端末3は、装置設定アプリ41のタグ情報削除部41gにより、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除する機能をユーザに提供する。また携帯端末3は、装置設定アプリ41の旧タグ情報解析部41eと新タグ情報生成部41fにより、変更用設定情報Rdの削除を取り消す機能をユーザに提供する。尚、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込むときの動作、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除するときの動作、変更用設定情報Rdの削除を取り消すときの動作については後述する。
【0034】
[1-4.各情報の構成]
次に、情報処理システム1で扱う各情報について図4図7を用いて説明する。まず図4(A)、(B)を用いて、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれる情報について説明する。図4(A)は、情報処理装置2の出荷時に、NFCタグ4bに書き込まれる情報を示している。情報処理装置2の初期化処理部21は、例えば工場などでの初回起動時に、情報処理装置2に関する情報を各部から収集して、これを装置情報IdとしてNFCタグ4bに書き込むようになっている。尚、上述したように、この装置情報Idには、少なくとも情報処理装置2を識別可能な装置識別情報が含まれる。
【0035】
図4(B)は、携帯端末3によってNFCタグ4bに書き込まれる情報を示している。この図4(B)に示すように、NFCタグ4bには、携帯端末3によって変更用設定情報Rdが書き込まれるようになっている。このとき、NFCタグ4bは、装置情報Idと変更用設定情報Rdとが書き込まれた状態となる。NFCタグ4bに書き込まれた変更用設定情報Rdを書込済設定情報とも呼ぶ。尚、変更用設定情報Rdは、各設定項目(設定Key1、設定Key2、設定Key3)と、各設定項目の設定値(Value11、Value21、Value31)とで構成されている。具体的にこの変更用設定情報Rdには、例えば、設定Key1=Value1という形式で、設定項目と設定値とが記されている。尚、NFCタグ4bは、変更用設定情報Rdが書き込まれていない状態でないと、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込むことができない仕様となっている。
【0036】
次に、図5を用いて、携帯端末3のストレージ33に記憶保持されている設定データDdについて説明する。設定データDdは、変更用設定情報Rdの元となるデータであり、各設定項目(設定Key1、設定Key2、設定Key3)と、各設定項目の設定値(Value11、Value21、Value31)とで構成されている。尚、携帯端末3のストレージ33には、図5に示す設定データDdとは設定項目や設定値が異なる複数の設定データDdが記憶保持されていて、その中から、ユーザが所望の設定データDdを選択できるようになっている。
【0037】
次に、図6(A)、(B)を用いて、情報処理装置2のストレージ5に記憶保持される装置設定情報Sdについて説明する。図6(A)は、情報処理装置2の出荷時にストレージ5に格納される装置設定情報Sdを示している。この図6(A)に示すように、装置設定情報Sdは、各設定項目(装置設定1、装置設定2、装置設定3)と、各設定項目の設定値(ValueX、ValueY、ValueZ)とで構成されている。具体的にこの装置設定情報Sdには、例えば、装置設定1=ValueXという形式で、設定項目と設定値とが記されている。尚、ValueX、ValueY、ValueZは、各設定項目の初期設定値(デフォルト値)である。また図6(A)では、説明の都合上、装置設定情報Sdに記されている設定項目が装置設定1~3の3つとなっているが、これに限らず、4つ以上の設定項目が記されていてもよい。因みに、装置設定情報Sdには、例えば、パネル13に表示される言語を指定する言語設定、ネットワークに接続する為のネットワーク設定など、様々な設定項目が記されている。変更用設定情報Rdについても同様に、装置設定情報Sdに合わせて4つ以上の設定項目が記されていてもよい。
【0038】
図6(B)は、NFCタグ4bに書き込まれた変更用設定情報Rdを用いて変更された装置設定情報Sdを示している。具体的には、例えば、装置設定情報Sdに記されている装置設定1=ValueXが、変更用設定情報Rdに記されている設定Key1=Value11を用いて、装置設定1=Value11に変更されている。
【0039】
尚、情報処理装置2のストレージ5には、図7に示すように、変更用設定情報Rdに記されている各設定項目の識別子(設定Key1、設定Key2、設定Key3)と、装置設定情報Sdに記されている各設定項目の識別子(装置設定1、装置設定2、装置設定3)とを対応付けるマッピング情報Mdが記憶保持されていて、このマッピング情報Mdをもとに、変更用設定情報Rdに記されている各設定項目と、装置設定情報Sdに記されている各設定項目とが対応付けられるようになっている。情報処理システム1で扱う各情報は、以上のようになっている。
【0040】
またここで、図8を用いて、変更用設定情報Rdをもとに装置設定情報Sdを変更する際の変更条件について説明する。この図8に示すように、情報処理装置2では、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていて(図8中の「タグに設定情報有り」が「TRUE」であり)、且つ情報処理装置2の運用状態が「未運用」である(図8中の「未運用」が「TRUE」である)場合にのみ、装置設定情報Sdの変更を許可する(図8中の「設定情報の変更」が「TRUE」となる)ようになっている。つまり、情報処理装置2では、セキュリティの観点から、運用開始後は、NFCタグ4bを利用した装置設定情報Sdの書き換えはできないようになっている。因みに、運用開始後に、装置設定情報Sdを書き換えたい場合は、例えば、携帯端末3により情報処理装置2にアクセスして、情報処理装置2の装置設定情報Sdを書き換える為のページに管理者IDとパスワードでログインすればよい。尚、この変更条件は、一例であり、情報処理装置2に対して、図8に示す変更条件とは異なる変更条件が設定されていてもよいし、そもそも変更条件が設定されていなくてもよい。
【0041】
[1-5.情報処理システム1の動作]
次に、情報処理システム1の動作について説明する。尚、ここでは、情報処理システム1の動作として、情報処理装置2側の動作と、携帯端末3側の動作を分けて説明する。
【0042】
[1-5-1.携帯端末側の動作]
まず図9に示すフローチャートを用いて、携帯端末3側の動作の大まかな手順について説明する。尚、図9に示す携帯端末3側の動作は、情報処理装置2の電源がオフの状態で行われる動作である。またこの動作は、携帯端末3上で起動している装置設定アプリ41によって実行される動作である。
【0043】
携帯端末3上で装置設定アプリ41を起動すると、ステップSP1において、装置設定アプリ41の制御部41aは、表示部41bを制御して、図10に示す機能選択画面Sc1を、携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この機能選択画面Sc1は、装置設定アプリ41が持つ機能の中から、利用する機能をユーザに選択させる為の画面である。
【0044】
この機能選択画面Sc1には、情報処理装置2のNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込む機能(以下、設定書込機能と呼ぶ)を示す選択項目50と、NFCタグ4bに書き込んだ変更用設定情報Rdを削除する機能(以下、設定削除機能と呼ぶ)を示す選択項目51とが表示されている。この機能選択画面Sc1では、選択項目50をタッチ操作することで設定書込機能を選択でき、選択項目51をタッチ操作することで設定削除機能を選択できるようになっている。
【0045】
つづくステップSP2において、装置設定アプリ41の制御部41aは、入力部41cを介して、機能選択画面Sc1上で利用する機能が選択されたかどうかを判断する。ここで、設定書込機能が選択された場合、制御部41aは、ステップSP2からステップSP3に移り、情報処理装置2のNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込む設定書込動作(詳しい手順は後述する)を実行し、設定書込動作が完了すると、ステップSP1に戻る。
【0046】
一方で、設定削除機能が選択された場合、制御部41aは、ステップSP2からステップSP4に移り、NFCタグ4bに書き込んだ変更用設定情報Rdを削除する設定削除動作(詳しい手順は後述する)を実行し、設定削除動作が完了すると、ステップSP1に戻る。携帯端末3側の動作の大まかな手順は、以上のようになっている。次に、設定書込動作と設定削除動作とについて順に説明する。
【0047】
まず、設定書込動作について説明する。装置設定アプリ41の制御部41aは、図10に示す機能選択画面Sc1上で設定書込機能が選択されることに応じて、設定書込動作を開始すると、まず携帯端末3のストレージ33に記憶保持されている設定データDdの中から、変更用設定情報Rdとして用いる設定データDdをユーザに指定させる為の設定データ指定処理を実行する。この設定データ指定処理の手順について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
【0048】
装置設定アプリ41の制御部41aは、設定データ指定処理を開始すると、ステップSP10において、設定データDdが指定済みであるか否かを確認する。尚、設定データDdが指定済みである場合というのは、ユーザが、以前に設定書込機能を利用した際に設定データDdを指定していた場合である。制御部41aは、ユーザにより指定された最新の設定データDdを例えばストレージ33に記憶するようになっていて、ストレージ33にこの設定データDdが記憶されていれば設定データDdが指定済みと判断し、この設定データDdが記憶されていなければ設定データDdがまだ指定されていない(つまり指定済みではない)と判断するようになっている。
【0049】
ここで、設定データDdが指定済みではない場合、制御部41aは、ステップSP10で否定結果を得て、ステップSP11に移る。ステップSP11において、制御部41aは、表示部41bを制御して、図12(A)に示す設定データ指定画面Sc2を、携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この設定データ指定画面Sc2は、携帯端末3のストレージ33に記憶保持されている設定データDdの中から、変更用設定情報Rdとして用いる設定データDdをユーザに指定させる為の画面である。
【0050】
この設定データ指定画面Sc2には、ストレージ33に記憶保持されている設定データDdのそれぞれを示す選択項目60(60a~60f)が一覧表示されている。尚、選択項目60(60a~60f)は、例えば、設定データDdのファイル名(設定データ1、設定データ2、…)として表示されている。またこの設定データ指定画面Sc2には、設定データDdの指定をキャンセルする為のキャンセルボタン61が表示されている。この設定データ指定画面Sc2では、選択項目60(60a~60f)のいずれかをタッチ操作することで、所望の設定データDdを指定できるようになっている。
【0051】
つづくステップSP12において、制御部41aは、設定データ指定画面Sc2上で設定データDdが指定されたかどうかを判断する。ここで、入力部41cを介して、設定データDdが指定されたことを認識すると、制御部41aは、ステップSP12で肯定結果を得てステップSP13に移り、設定データ解析部41dに、指定された設定データDdを解析させる。具体的に、設定データ解析部41dは、指定された設定データDdをストレージ33から読み出して、設定データDdに記されている各設定項目と各設定項目の設定値とを参照し、例えば、どの設定項目にどのような設定値が設定されているのかを解析する。尚、このステップSP13での解析については省略することもできる。一方で、このステップSP13での解析により例えば異常な設定値が見つかった場合に、設定データ指定処理をエラー終了するなどしてもよい。
【0052】
つづくステップSP14において、制御部41aは、表示部41bを制御して、図12(B)に示す設定書込画面Sc3を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この設定書込画面Sc3には、ユーザに指定された設定データDdの内容(各設定項目と設定値であり、例えば設定Key1=Value11)と、設定データ指定画面Sc2に戻る為のアイコン62と、携帯端末3を情報処理装置2にかざすよう促すメッセージ63とが表示されている。ユーザは、この設定書込画面Sc3上で設定データDdの内容を確認し、携帯端末3を情報処理装置2にかざす。尚、設定書込画面Sc3に表示されている設定データDdの内容が所望の内容でない場合、アイコン62をタッチ操作して設定データ指定画面Sc2に戻り、別の設定データDdを指定すればよい。制御部41aは、この設定書込画面Sc3を表示させた後、設定データ指定処理を終了し、つづけて後述する設定書込処理を実行する
【0053】
これに対して、設定データDdが指定済みの場合、制御部41aは、上述のステップSP10で肯定結果を得てステップSP14に移り、表示部41bを制御して、指定済みの設定データDdの内容が表示された設定書込画面Sc3を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。その後、制御部41aは、設定データ指定処理を終了し、つづけて後述する設定書込処理を実行する。
【0054】
また一方で、制御部41aは、設定データ指定画面Sc2上でキャンセルボタン61がタッチ操作されたことを入力部41cを介して認識すると、上述のステップSP12で否定結果を得て、ステップSP15に移る。ステップSP15において、制御部41aは、表示部41bを制御して、図13(A)に示すエラー画面Sc4を、携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。このエラー画面Sc4には、設定データDdが指定されなかった為に装置設定アプリ41を終了する旨を示すエラーメッセージ64と、OKボタン65とが表示されている。制御部41aは、入力部41cを介して、このエラー画面Sc4上でOKボタン65がタッチ操作されたことを認識すると、設定データ指定処理を終了するとともに、装置設定アプリ41を終了する。尚、設定データ指定画面Sc2上でキャンセルボタン61がタッチ操作された場合に、エラー画面Sc4を表示させるのではなく、設定データ指定処理を終了するとともに、図10に示す機能選択画面Sc1に戻るなどしてもよい。設定データ指定処理の手順は、以上のようになっている。
【0055】
次に、設定データ指定処理につづけて実行する設定書込処理について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。尚、この設定書込処理も、設定書込動作に含まれる処理である。
【0056】
携帯端末3の制御部41aは、設定書込処理を開始すると、ステップSP20において、携帯端末3が情報処理装置2にかざされるのを待ち受ける。尚、このとき、携帯端末3のタッチパネル32には、設定書込画面Sc3が表示されたままとなっている。ここで、制御部41aは、例えば、携帯端末3のNFC通信部40が、情報処理装置2のNFC通信部26aと通信可能になると、このとき、携帯端末3が情報処理装置2にかざされたと判断して、ステップSP20からステップSP21に移る。
【0057】
ステップSP21において、制御部41aは、NFC通信部40を介して、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれている情報を読み取る。つづくステップSP22において、制御部41aは、旧タグ情報解析部41eに、NFCタグ4bから読み込んだ情報を解析させる。このとき、旧タグ情報解析部41eは、NFCタグ4bから読み込んだ情報を解析することで、NFCタグ4bから読み込んだ情報に変更用設定情報Rdが含まれているか否か(つまりNFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれているか否か)を判断する。ここで、旧タグ情報解析部41eにより、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていないと判断された場合、制御部41aは、ステップSP22で否定結果を得て、ステップSP23に移る。
【0058】
ステップSP23において、制御部41aは、新タグ情報生成部41fに、設定書込画面Sc3上の設定データDd(つまりユーザに指定された設定データDd)をもとに、NFCタグ4bに書き込む情報(つまりユーザに指定された設定データDdにもとづく変更用設定情報Rdを含む情報)を生成させ、この情報を、NFC通信部40を介して、NFCタグ4bに書き込む。これにより、NFCタグ4bには、例えば、図4(B)に示すように、ユーザに指定された設定データDdをもとに生成された変更用設定情報Rdが書き込まれる。NFCタグ4bへの書き込みが完了すると、制御部41aは、設定書込処理を終了する。尚、設定書込処理終了後は、機能選択画面Sc1に戻るようにしてもよいし、装置設定アプリ41を終了するようにしてもよい。
【0059】
また一方で、旧タグ情報解析部41eにより、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていると判断された場合、制御部41aは、ステップSP22で肯定結果を得て、ステップSP24に移る。ステップSP24において、制御部41aは、表示部41bを制御して、図13(B)に示すエラー画面Sc5を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。このエラー画面Sc5は、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれている旨を示すエラーメッセージ66と、OKボタン67とが表示されている。制御部41aは、入力部41cを介して、このエラー画面Sc5上でOKボタン67がタッチ操作されたことを認識すると、設定書込処理を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。設定書込処理の手順は、以上のようになっている。設定書込機能の動作(設定書込動作)についての説明は、以上である。
【0060】
上述したように、装置設定アプリ41の設定書込機能では、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが既に書き込まれている場合、新たに変更用設定情報Rdを書き込むことができない。この為、装置設定アプリ41では、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが既に書き込まれている場合、設定削除機能を利用して、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除できるようになっている。尚、この設定削除機能は、例えば、NFCタグ4bに誤って変更用設定情報Rdを書き込んでしまった場合に、この変更用設定情報Rdを削除する際にも利用される。
【0061】
ここで、設定削除機能の動作(設定削除動作)について説明する。装置設定アプリ41の制御部41aは、図10に示す機能選択画面Sc1上で設定削除機能が選択されると、設定削除動作を開始する。この設定削除動作の手順について、図15図16に示すフローチャートを用いて説明する。尚、この設定削除動作は、装置設定アプリ41のタグ情報削除部41gにより行われる。
【0062】
設定削除動作を開始すると、タグ情報削除部41gは、ステップSP30において、表示部41bを制御して、図17(A)に示す設定削除画面Sc6を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この設定削除画面Sc6には、携帯端末3を情報処理装置2にかざすよう促すメッセージ70が表示されている。ユーザは、この設定削除画面Sc6を見て、携帯端末3を情報処理装置2にかざす。
【0063】
つづくステップSP31において、タグ情報削除部41gは、携帯端末3が情報処理装置2にかざされるのを待ち受ける。ここで、タグ情報削除部41gは、例えば、携帯端末3のNFC通信部40が、情報処理装置2のNFC通信部26aと通信可能になると、このとき、携帯端末3が情報処理装置2にかざされたと判断して、ステップSP31からステップSP32に移る。
【0064】
ステップSP32において、タグ情報削除部41gは、NFC通信部40を介して、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれている情報を読み込み、例えば、ストレージ33上に記憶保持する。つづくステップSP33において、タグ情報削除部41gは、旧タグ情報解析部41eに、NFCタグ4bから読み込んだ情報を解析させる。このとき、旧タグ情報解析部41eは、NFCタグ4bから読み込んだ情報を解析することで、NFCタグ4bから読み込んだ情報に変更用設定情報Rdが含まれているか否か(つまりNFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれているか否か)を判断する。
【0065】
ここで、旧タグ情報解析部41eにより、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていないと判断された場合、タグ情報削除部41gは、ステップSP33で否定結果を得て、ステップSP34に移る。ステップSP34において、タグ情報削除部41gは、表示部41bを制御して、図17(B)に示すエラー画面Sc7を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。このエラー画面Sc7には、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていない為に変更用設定情報Rdを削除することはできない旨を示すエラーメッセージ71と、OKボタン72とが表示されている。タグ情報削除部41gは、入力部41cを介して、このエラー画面Sc7上でOKボタン72がタッチ操作されたことを認識すると、設定削除動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。
【0066】
これに対して、旧タグ情報解析部41eにより、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていると判断された場合、タグ情報削除部41gは、ステップSP33で肯定結果を得て、ステップSP35に移る。ステップSP35において、タグ情報削除部41gは、表示部41bを制御して、図17(C)に示す削除実行画面Sc8を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この削除実行画面Sc8には、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdの内容(各設定項目と設定値)と、この変更用設定情報Rdを削除してもよいかユーザに問うメッセージ73と、削除の実行を指示する為のOKボタン74と、削除をキャンセルする為のキャンセルボタン75とが表示されている。ユーザは、この削除実行画面Sc8上でNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを確認し、削除の実行もしくは削除のキャンセルを指示する。
【0067】
つづくステップSP36において、タグ情報削除部41gは、削除実行画面Sc8上で削除実行が指示されたか否かを判断する。ここで、入力部41cを介して、キャンセルボタン75がタッチ操作されたことを認識すると、タグ情報削除部41gは、ステップSP36で否定結果を得て、ステップSP37に移る。ステップSP37において、タグ情報削除部41gは、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdの削除を実行せずに、ストレージ33に記憶保持している、NFCタグ4bから読み込んだ情報を破棄して設定削除動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。
【0068】
これに対して、入力部41cを介して、OKボタン74がタッチ操作されたことを認識すると、タグ情報削除部41gは、ステップSP36で肯定結果を得て、ステップSP38に移る。ステップSP38において、タグ情報削除部41gは、NFC通信部40を介して、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除する。このとき、タグ情報削除部41gは、例えば、新タグ情報生成部41fに、NFCタグ4bから読み込んだ情報に含まれている変更用設定情報Rdを空のデータに置き換えた情報を生成させ、この情報を、NFC通信部40を介して、NFCタグ4bに書き込む。これにより、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdが削除されたことになる。またこの削除方法に限らず、例えば、タグ情報削除部41gが、NFC通信部40を介して、情報処理装置2のNFC処理部26に対して、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除するよう指示すると、NFC処理部26のNFCタグ制御部26bが、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除するようにしてもよい。
【0069】
尚、上述のステップSP32からステップSP38までの動作は、携帯端末3が情報処理装置2にかざされた状態で行うことを想定している。この為、例えば、途中で、携帯端末3が情報処理装置2から離された場合には、その都度、タグ情報削除部41gが、表示部41bを制御して、携帯端末3を情報処理装置2にかざすよう促すメッセージを携帯端末3のタッチパネル32に表示させるようにしてもよい。
【0070】
つづくステップSP39において、タグ情報削除部41gは、表示部41bを制御して、図18(A)に示す削除完了画面Sc9を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この削除完了画面Sc9は、NFCタグ4bから変更用設定情報Rdを削除した旨を示すメッセージ76と、設定削除動作を終了する為のOKボタン77と、変更用設定情報Rdの削除を取り消す為の削除取消ボタン78とが表示されている。ユーザは、この削除完了画面Sc9上で変更用設定情報Rdの削除を取り消すかどうかを指示する。
【0071】
つづくステップSP40(図16)において、タグ情報削除部41gは、削除完了画面Sc9上で削除の取り消しが指示されたか否かを判断する。ここで、入力部41cを介して、OKボタン77がタッチ操作されたことを認識すると、タグ情報削除部41gは、ステップSP40で否定結果を得て、ステップSP41に移る。ステップSP41において、タグ情報削除部41gは、ストレージ33に記憶保持している、NFCタグ4bから読み込んだ情報を破棄して設定削除動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。
【0072】
これに対して、入力部41cを介して、削除取消ボタン78がタッチ操作されたことを認識すると、タグ情報削除部41gは、ステップSP40で肯定結果を得て、ステップSP42に移る。ステップSP42において、タグ情報削除部41gは、表示部41bを制御して、図18(B)に示す削除取消画面Sc10を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この削除取消画面Sc10には、削除の取り消しを行う旨と、携帯端末3を再び情報処理装置2にかざすよう促す旨とを示すメッセージ79と、削除の取り消しをキャンセルする為のキャンセルボタン80とが表示されている。
【0073】
つづくステップSP43において、タグ情報削除部41gは、携帯端末3が情報処理装置2にかざされるのを待ち受ける。さらにタグ情報削除部41gは、携帯端末3が情報処理装置2にかざされるのを待ち受けている間に、ステップSP44において、削除の取り消しがキャンセルされるのを待ち受ける。ここで、入力部41cを介して、キャンセルボタン80がタッチ操作されたことを認識すると、タグ情報削除部41gは、ステップSP44で肯定結果を得て、ステップSP45に移る。ステップSP45において、タグ情報削除部41gは、削除の取り消しは行わずに、記憶保持している、NFCタグ4bから読み込んだ情報を破棄して設定削除動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。
【0074】
これに対して、キャンセルボタン80がタッチ操作されることなく、携帯端末3が情報処理装置2にかざされた場合、タグ情報削除部41gは、ステップSP43からステップSP46に移る。ステップSP46において、タグ情報削除部41gは、NFC通信部40を介して、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれている情報を再度読み込む。つづくステップSP47において、タグ情報削除部41gは、旧タグ情報解析部41eに、NFCタグ4bから読み込んだ情報を解析させる。
【0075】
このとき、旧タグ情報解析部41eは、削除実行時のステップSP32でNFCタグ4bから読み込んでストレージ33に記憶保持してある情報に含まれている装置情報Idと、削除取消時のステップSP44でNFCタグ4bから読み込んだ情報に含まれている装置情報Idとを比較することで、変更用設定情報Rdを削除したときに携帯端末3をかざしていた情報処理装置2(つまり変更用設定情報Rdを削除したときの情報処理装置2)と、現在、変更用設定情報Rdの削除を取り消そうとして携帯端末3をかざしている情報処理装置2(つまり変更用設定情報Rdの削除を取り消そうとしている情報処理装置2)とが同一の情報処理装置2であるか否かを判断する。尚、旧タグ情報解析部41eは、記憶保持してある装置情報Idに含まれている装置識別情報と、今回、NFCタグ4bから読み込んだ装置情報Idに含まれている装置識別情報とが一致しているか否かにより、変更用設定情報Rdを削除したときの情報処理装置2と、現在、変更用設定情報Rdの削除を取り消そうとしている情報処理装置2とが同一の情報処理装置2であるか否かを判断するようになっている。
【0076】
ここで、記憶保持してある装置情報Idに含まれている装置識別情報と、今回、NFCタグ4bから読み込んだ装置情報Idに含まれている装置識別情報とが一致しない為に、旧タグ情報解析部41eにより、変更用設定情報Rdを削除したときの情報処理装置2と、現在、変更用設定情報Rdの削除を取り消そうとしている情報処理装置2とが同一の情報処理装置2でないと判断された場合、タグ情報削除部41gは、ステップSP47で否定結果を得て、ステップSP48に移る。ステップSP48において、タグ情報削除部41gは、削除の取り消しを行わずに、表示部41bを制御して、図18(C)に示すエラー画面Sc11を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。
【0077】
このエラー画面Sc11には、現在、携帯端末3をかざしている情報処理装置2が、変更用設定情報Rdを削除したときの情報処理装置2ではない為に、削除の取り消しを行うことができない旨を示すエラーメッセージ81と、OKボタン82とが表示されている。タグ情報削除部41gは、入力部41cを介して、このエラー画面Sc11上でOKボタン82がタッチ操作されたことを認識すると、設定削除動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。このように、設定削除動作では、変更用設定情報Rdを削除した情報処理装置2とは別の情報処理装置2に削除の取り消しを行うことはできないようになっている。尚、ステップSP45の後、設定削除動作を終了せずに、ステップSP42に戻り、別の情報処理装置2に携帯端末3をかざすようユーザに促すようにしてもよい。
【0078】
これに対して、記憶保持してある装置情報Idに含まれている装置識別情報と、今回、NFCタグ4bから読み込んだ装置情報Idに含まれている装置識別情報とが一致した為に、旧タグ情報解析部41eにより、変更用設定情報Rdを削除したときの情報処理装置2と、現在、変更用設定情報Rdの削除を取り消そうとしている情報処理装置2とが同一の情報処理装置2であると判断された場合、タグ情報削除部41gは、ステップSP47で肯定結果を得て、ステップSP49に移る。
【0079】
ステップSP49において、タグ情報削除部41gは、NFCタグ4bから読み込んでストレージ33に記憶保持してある情報を、NFC通信部40を介して、NFCタグ4bに戻す(書き込む)。このとき、NFCタグ4bから削除された変更用設定情報Rdが、NFCタグ4bに再び書き込まれることにより、変更用設定情報Rdの削除が取り消されたことになる。
【0080】
つづくステップSP50において、タグ情報削除部41gは、表示部41bを制御して、図19に示す削除取消完了画面Sc12を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この削除取消完了画面Sc12は、変更用設定情報Rdの削除取り消しが完了した旨を示すメッセージ83と、OKボタン84が表示されている。タグ情報削除部41gは、入力部41cを介して、この削除取消完了画面Sc12上でOKボタン84がタッチ操作されたことを認識すると、設定削除動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。設定削除動作についての説明は以上である。
【0081】
[1-5-2.情報処理装置側の動作]
次に、図20に示すフローチャートを用いて、情報処理装置2側の動作について説明する。尚、図20に示す情報処理装置2側の動作は、情報処理装置2の電源がオンされたとき(つまり起動時)に行われる動作である。
【0082】
情報処理装置2の電源がオンされると、ステップSP60において、情報処理装置2の初期化処理部21は、NFCタグ制御部26bを介して、NFCタグ4bに書き込まれている情報を読み込み、タグ情報解析部24に渡す。
【0083】
つづくステップSP61において、タグ情報解析部24は、NFCタグ4bから読み込んだ情報を解析することで、NFCタグ4bから読み込んだ情報に変更用設定情報Rdが含まれているか否か(つまりNFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれているか否か)を判断する。ここで、タグ情報解析部24により、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていないと判断された場合、制御部20は、ステップSP61で否定結果を得て、情報処理装置2側の動作を終了する。
【0084】
これに対して、タグ情報解析部24により、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていると判断された場合、制御部20は、ステップSP61で肯定結果を得て、ステップSP62に移る。ステップSP62において、制御部20は、運用状態管理部25から、情報処理装置2の運用状態を示す運用情報Odを取得する。つづくステップSP63において、制御部20は、運用情報Odに示されている情報処理装置2の運用状態が「運用開始済み」であるか否かを判断する。
【0085】
ここで、運用情報Odに示されている運用状態が「未運用」である場合、制御部20は、ステップSP63で否定結果を得て、ステップSP64に移る。ステップSP64において、制御部20は、タグ情報解析部24により得られた変更用設定情報Rd(つまりNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd)と、ストレージ5に記憶保持されているマッピング情報Mdとを用いて、装置設定管理部23に、装置設定情報Sdを変更させる。具体的に、装置設定管理部23は、例えば、図4(B)に示す変更用設定情報Rdに記されている各設定項目(設定Key1など)を、図7に示すマッピング情報Mdを用いて、図6(A)に示す装置設定情報Sdに記されている各設定項目(装置設定1など)と対応付けたうえで、変更用設定情報Rdに記されている各設定項目の設定値により、装置設定情報Sdに記されている各設定項目の設定値を変更する。これにより、NFCタグ4b上の変更用設定情報Rdに記されている各設定項目の設定値が、情報処理装置2に適用されたことになる。またこのとき、制御部20は、表示部22を制御して、図21(A)に示す設定変更完了画面Sc20を情報処理装置2のパネル13に表示させる。この設定変更完了画面Sc20には、NFCタグ4b上の変更用設定情報Rdに記されている各設定項目の設定値が、情報処理装置2に適用された旨を示すメッセージ90が表示されている。
【0086】
つづくステップSP65において、制御部20は、NFCタグ制御部26bを介して、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdをクリア(削除)し、情報処理装置2側の動作を終了する。このとき、制御部20は、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除するようになっている。
【0087】
また一方で、運用情報Odに示されている運用状態が「運用開始済み」である場合、制御部20は、ステップSP63で肯定結果を得て、ステップSP66に移る。ステップSP66において、制御部20は、表示部22を制御して、図21(B)に示すエラー画面Sc21を情報処理装置2のパネル13に表示させ、ステップSP65に移る。このエラー画面Sc21には、条件(図8に示す変更条件)を満たさない為に、NFCタグ4b上の変更用設定情報Rdに記されている各設定項目の設定値を、情報処理装置2に適用できない旨を示すエラーメッセージ91が表示されている。情報処理装置2側の動作についての説明は以上である。
【0088】
[1-6.まとめと効果]
ここまで説明したように、情報処理システム1の携帯端末3は、ユーザからの指示を受け付け、受け付けた指示が情報処理装置2に備えられたNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの書込指示(つまり機能選択画面Sc1上で設定書込機能の選択項目50を選択した後、設定データ指定画面Sc2上で設定データDdを指定して携帯端末3を情報処理装置2にかざす操作)であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合、制御部41aがユーザに対する第1報知としてエラー画面Sc5をタッチパネル32に表示させるようにした。また携帯端末3は、受け付けた指示がNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの書込指示であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されていない場合、制御部41aがNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込むようにした。さらに携帯端末3は、受け付けた指示がNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの削除指示(つまり機能選択画面Sc1上で設定削除機能の選択項目51を選択して携帯端末3を情報処理装置2にかざす操作)であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合、タグ情報削除部41gがNFCタグ4bから変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除するようにした。さらに携帯端末3は、受け付けた指示がNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の削除指示であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されていない場合、タグ情報削除部41gがユーザに対する第2報知としてエラー画面Sc7をタッチパネル32に表示させるようにした。
【0089】
このように、情報処理システム1では、携帯端末3から、電源がオフされた状態にある情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除できるようにしたことにより、携帯端末3によるNFCタグ4bへの変更用設定情報Rdの書き込み、変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の削除、新たな変更用設定情報Rdの書き込みという簡易な作業で、NFCタグ4bに書き込まれた変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を書き換えることができる。かくして、情報処理システム1では、従来と比較して作業効率を向上させることができる。
【0090】
さらに携帯端末3は、受け付けた指示がNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の削除指示であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合、タグ情報削除部41gが、NFCタグ4bから読み込んだ変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の内容を削除実行画面Sc8上に表示して、この削除実行画面Sc8上でNFCタグ4bに格納されている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除してもよいかをユーザに問い合わせ、削除してもよいと指示された場合(OKボタン74がタッチ操作された場合)、NFCタグ4bから変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除するようにした。これにより、ユーザは、情報処理装置2のNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の内容を確認したうえで、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除するか否かを指示することができる。
【0091】
また携帯端末3は、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除する際に、NFCタグ4bから変更用設定情報Rdと装置情報Idとを読み込んで記憶保持しておき、NFCタグ4bから変更用設定情報Rdを削除した後、変更用設定情報Rdの削除取消指示(削除完了画面Sc9上で削除取消ボタン78をタッチして携帯端末3を情報処理装置2にかざす操作)を受け付けると、このときNFCタグ4bから読み込んだ装置情報Idに含まれている装置識別情報と、記憶保持してある装置情報Idに含まれている装置識別情報とを比較して一致する場合にのみ、NFCタグ4bに、記憶保持してある変更用設定情報Rdを書き戻して削除を取り消すようにした。
【0092】
こうすることで、情報処理システム1では、誤って情報処理装置2のNFCタグ4bから変更用設定情報Rdを削除してしまった場合でも、容易且つ確実に、この情報処理装置2のNFCタグ4bに削除した変更用設定情報Rdを書き戻して削除を取り消すことができる。
【0093】
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態に、NFCタグ4bへの変更用設定情報Rdの上書き機能を追加した実施の形態である。ゆえに、ここでは、主に、この上書き機能について説明する。情報処理システム1の全体構成、情報処理システム1で扱う各情報、情報処理装置2の構成及び動作、携帯端末3のハードウェア構成については、第1の実施の形態と同一の為、説明は省略する。
【0094】
[2-1.携帯端末の構成]
まず、図22を用いて、第2の実施の形態の携帯端末3のソフトウェア構成について説明する。尚、ここでは、第1の実施の形態の携帯端末3と区別する為、第2の実施の形態の携帯端末3を携帯端末3Xとする。この図22に示すように、第2の実施の形態の携帯端末3Xは、ソフトウェア構成として、NFC通信部40と、装置設定アプリ100とを有している。NFC通信部40は、第1の実施の形態の携帯端末3が有するNFC通信部40と同一のものである。一方、装置設定アプリ100は、第1の実施の形態の携帯端末3にインストールされていた装置設定アプリ41に、NFCタグ4bに書き込まれた変更用設定情報Rdを上書きするタグ情報上書部41hを追加したものである。携帯端末3Xのソフトウェア構成は、以上のようになっている。
【0095】
携帯端末3Xは、装置設定アプリ100のタグ情報上書部41hにより、情報処理装置2のNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを上書きする機能をユーザに提供する。
【0096】
[2-2.携帯端末側の動作]
次に、携帯端末3X側の動作について説明する。尚、携帯端末3X側の動作の大まかな手順については第1の実施の形態と同様の為、説明を省略する。携帯端末3側の動作のうち、第1の実施の形態と異なるのは、設定書込処理(図14)で、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが既に書き込まれている場合に、エラー画面Sc5を表示して設定書込処理を終了するのではなく、設定書込処理を終了するのか、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除するのか、もしくは上書きするのかを、ユーザに選択させるようになっている点である。ゆえに、ここでは、主にこの点(つまり第1の実施の形態からの変更点)について説明する。
【0097】
まず図23に示すフローチャートを用いて、携帯端末3X側で実行される設定書込処理について説明する。尚、図23に示すステップSP20~SP23は、第1の実施の形態で説明した設定書込処理(図14)と同一の為、説明は省略する。よって、ここでは、ステップSP22で肯定結果を得た場合に移るステップSP100~SP103について説明する。
【0098】
装置設定アプリ100の制御部41aは、旧タグ情報解析部41eにより、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれていると判断された場合(つまり、NFCタグ4bにユーザに指定された設定データDdに基づく変更用設定情報Rdを書き込もうとしたが、NFCタグ4bには変更用設定情報Rdが既に書き込まれていた場合)、ステップSP22で肯定結果を得て、ステップSP100に移る。
【0099】
ステップSP100において、制御部41aは、表示部41bを制御して、図24(A)に示す動作選択画面Sc100を携帯端末3のタッチパネル32に表示させる。この動作選択画面Sc100は、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが書き込まれている旨を示すメッセージ101と、設定書込処理を終了する為のOKボタン102と、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除する為の削除ボタン103と、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを上書きする為の上書きボタン104とが表示されている。つまり、この動作選択画面Sc100は、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除する為の削除画面、及びNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを上書きする為の上書き画面として機能する。
【0100】
ここで、制御部41aは、入力部41cを介して、この動作選択画面Sc100上でOKボタン102がタッチ操作されたことを認識すると、設定書込処理を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3Xのタッチパネル32に表示させる。また制御部41aは、入力部41cを介して、この動作選択画面Sc100上で削除ボタン103がタッチ操作されたことを認識すると、ステップSP101からステップSP102に移り、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除する設定削除動作を行う。この設定削除動作は、図15及び図16に示す設定削除動作の例えばステップSP35以降の動作であり、ここでの説明は省略する。このように、携帯端末3Xでは、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込もうとした際に、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdが既に書き込まれていた場合、図10に示す機能選択画面Sc1に戻ることなく、直ちに設定削除機能を動作させることができるようになっている。
【0101】
さらに制御部41aは、入力部41cを介して、この動作選択画面Sc100上で上書きボタン104がタッチ操作されたことを認識すると、ステップSP101からステップSP103に移り、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを上書きする設定上書き削除動作を行う。
【0102】
ここで、図25に示すフローチャートを用いて、この設定上書き動作について説明する。装置設定アプリ100のタグ情報上書部41hは、設定上書き動作を開始すると、ステップSP110において、上書きを許可するか否かの上書き許可判定を行う。この上書き許可判定は、誤操作などによりNFCタグ4b上の変更用設定情報Rdが誤って上書きされることを防止することを目的としている。
【0103】
具体的に、タグ情報上書部41hは、例えば、以下に示す4つの方法の1つを用いて上書き許可判定を行う。1つ目は、上書きしようとしている携帯端末3Xが、以前にNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込んだ携帯端末3Xである場合にのみ、上書きを許可する。この場合、例えば、変更用設定情報Rdとともに携帯端末3Xの端末識別情報をNFCタグ4bに書き込むようにして、NFCタグ4bに書き込まれている端末識別情報と、上書きしようとしている携帯端末3Xの端末識別情報とが一致する場合にのみ、上書きを許可するようにすればよい。
【0104】
2つ目は、装置設定アプリ100として、上書き可能バージョンと、上書き不可能バージョンとを用意し、上書き可能バージョンの装置設定アプリ100がインストールされている携帯端末3Xでのみ、上書きを許可する。
【0105】
3つ目は、上書き用パスワードを装置設定アプリ100上で登録するようにして、上書き動作時に、携帯端末3Xに正しい上書き用パスワードが入力された場合にのみ、上書きを許可する。
【0106】
4つ目は、変更用設定情報Rdとともに上書き用パスワードをNFCタグ4bに書き込むようにして、上書き動作時にユーザによって携帯端末3Xに入力された上書き用パスワードと、NFCタグ4bに書き込まれている上書き用パスワードとが一致した場合にのみ、上書きを許可する。尚、これら以外の方法で、上書き許可判定を行うようにしてもよい。
【0107】
つづくステップSP111において、タグ情報上書部41hは、上書き許可判定の結果、上書きを許可したか否かを判断する。ここで、上書きを許可しなかった場合、タグ情報上書部41hは、ステップSP111で否定結果を得て、ステップSP112に移る。ステップSP112において、タグ情報上書部41hは、表示部41bを制御して、図24(B)に示すエラー画面Sc101を携帯端末3Xのタッチパネル32に表示させる。このエラー画面Sc101には、上書きが許可されていない旨を示すエラーメッセージ105と、OKボタン106とが表示されている。タグ情報上書部41hは、入力部41cを介して、このエラー画面Sc101上でOKボタン106がタッチ操作されたことを認識すると、設定上書き動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3Xのタッチパネル32に表示させる。尚、このとき、機能選択画面Sc1に戻るのではなく、動作選択画面Sc100に戻るようにしてもよい。
【0108】
一方で、上書きを許可した場合、タグ情報上書部41hは、ステップSP111で肯定結果を得て、ステップSP113に移る。ステップSP113において、タグ情報上書部41hは、表示部41bを制御して、図24(C)に示す上書き実行画面Sc102を携帯端末3Xのタッチパネル32に表示させる。この上書き実行画面Sc102には、NFCタグ4bに上書きする変更用設定情報Rdの内容(各設定項目と設定値)と、表示されている変更用設定情報Rdの内容で上書きする旨を示すメッセージ107と、上書き実行を指示する為のOKボタン108と、上書き実行をキャンセルする為のキャンセルボタン109と、携帯端末3Xを情報処理装置2にかざすよう促すメッセージ110とが表示される。
【0109】
この上書き実行画面Sc102には、例えば、NFCタグ4bから読み込まれた変更用設定情報Rd(つまりNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd)の内容がデフォルトで表示されるようになっていて、表示されている変更用設定情報Rdを、ユーザがタッチ操作により変更できるようになっている。具体的には、変更用設定情報Rdとして表示されている各設定項目の設定値をユーザが変更できるようになっている。またこの上書き実行画面Sc102では、ユーザにより設定値が変更されると、変更された設定値と、その設定項目とが、強調表示(例えば太線表示)されるようになっている。因みに、この上書き実行画面Sc102上では、図24(C)に示すように、変更用設定情報Rdに含まれる複数の設定項目のうちの一部の設定値のみを変更することもできる。ユーザは、この上書き実行画面Sc102上で、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを確認したうえで、上書きする変更用設定情報Rdを入力する。
【0110】
尚、図示しないが、上書き実行画面Sc102に、前段のステップSP12でユーザに指定された設定データDd(つまり今回ユーザがNFCタグ4bに書き込もうとしていた設定データDd)の内容をデフォルトで表示するようにしてもよい。この場合、上書き実行画面Sc102では、ユーザに指定された設定データDdに含まれる設定値のうち、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdに含まれる設定値とは異なる設定値と、その設定項目とが、強調表示される。このようにすれば、上書き実行画面Sc102上での設置値の変更操作を省略することができ、また今回ユーザがNFCタグ4bに書き込もうとしていた設定データDdの内容と、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdの内容とが一致しているか否かをユーザに確認させることもできる。
【0111】
つづくステップSP115において、タグ情報上書部41hは、上書き実行画面Sc102上で上書き実行が指示されたか否かを判断する。ここで、入力部41cを介して、キャンセルボタン109がタッチ操作されたことを認識すると、タグ情報上書部41hは、ステップSP115で否定結果を得て、設定上書き動作を終了し、表示部41bを制御して、再び機能選択画面Sc1を携帯端末3Xのタッチパネル32に表示させる。尚、この場合も、機能選択画面Sc1に戻るのではなく、動作選択画面Sc100に戻るようにしてもよい。
【0112】
一方で、入力部41cを介して、OKボタン108がタッチ操作されたことを認識すると、タグ情報上書部41hは、ステップSP115で肯定結果を得て、ステップSP116に移る。ステップSP116において、タグ情報上書部41hは、携帯端末3が情報処理装置2にかざされるのを待ち受け、携帯端末3が情報処理装置2にかざされると、ステップSP117に移る。
【0113】
ステップSP117において、タグ情報上書部41hは、変更用設定情報Rdの上書きを行う為に、NFC通信部40を介して、NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rdを削除する。つづくステップSP118において、タグ情報上書部41hは、上書き実行画面Sc102に表示されている上書きする変更用設定情報Rdの内容(各設定項目と設定値)をもとに、NFCタグ4bに書き込む情報(つまり上書き実行画面Sc102上に表示されている変更用設定情報Rdを含む情報)を新タグ情報生成部41fに生成させ、この情報を、NFC通信部40を介して、NFCタグ4bに書き込む。これにより、NFCタグ4bには、上書き実行画面Sc102上で入力された変更用設定情報Rdが上書きされたことになる。このようにして上書きが完了すると、タグ情報上書部41hは、設定上書き動作を終了する。尚、設定上書き動作終了後は、機能選択画面Sc1に戻るようにしてもよいし、装置設定アプリ100を終了するようにしてもよい。設定上書き動作についての説明は以上である。
【0114】
[2-3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、携帯端末3Xは、受け付けた指示がNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの書込指示であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合、制御部41aがユーザに対する第1報知として、NFCタグ4bに対する変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の削除指示を受け付ける為の削除画面、及びNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの上書指示を受け付ける為の上書画面として機能する動作選択画面Sc100を表示させるようにした。そして携帯端末3Xは、動作選択画面Sc100を介して削除指示を受け付けた場合(削除ボタン103がタッチ操作された場合)、タグ情報削除部41gがNFCタグ4bから変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除する一方で、動作選択画面Sc100を介して上書指示を受け付けた場合(上書きボタン104がタッチ操作された場合)、タグ情報上書部41hがNFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除したうえで、ユーザに指定された新たな変更用設定情報RdをNFCタグ4bに書き込むようにした。
【0115】
このように、第2の実施の形態では、携帯端末3Xから、変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除する操作をユーザに行わせることなく、電源がオフされた状態にある情報処理装置2のNFCタグ4bに格納されている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を上書き(つまり書き換え)できるので、容易にNFCタグ4bに格納された変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を書き換えることができる。つまり、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比べて、一段と作業効率を向上させることができると言える。
【0116】
またこの第2の実施の形態では、NFCタグ4bへの変更用設定情報Rdの書き込み作業時に、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合には、動作選択画面Sc100を介して、直ちにNFCタグ4bに格納されている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の削除作業、もしくは上書き作業へと移行することができる。このことからも、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、より一層、作業効率を向上させることができると言える。
【0117】
さらに第2の実施の形態では、変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の上書きを許可する条件が携帯端末3Xに設定されていることにより、誤操作などによりNFCタグ4b上の変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が誤って上書きされることを防止することができる。
【0118】
[3.他の実施の形態]
[3-1.他の実施の形態1]
尚、上述した第2の実施の形態では、設定書込処理で、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合に、図24(A)に示す動作選択画面Sc100を、携帯端末3のタッチパネル32に表示させるようにした。ここで、例えば、図26に示すように、この動作選択画面Sc100上に、NFCタグ4bから読み込まれた変更用設定情報Rd(つまり現在NFCタグ4bに書き込まれている変更用設定情報Rd)の内容を表示するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、この動作選択画面Sc100上で、現在NFCタグ4bに格納されている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の内容を確認したうえで、次の動作を選択できるようになる。第1の実施の形態についても同様に、設定書込処理で、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合に表示されるエラー画面Sc5上に、現在NFCタグ4bに格納されている変更用設定情報(書込済設定情報)Rdの内容を表示するようにしてもよい。また動作選択画面Sc100上に、NFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの削除指示を受け付ける為の削除ボタン103と、上書き指示を受け付ける為の上書きボタン104とを表示するようにしたが、これに限らず、どちらか一方を表示させるなどしてもよい。
【0119】
[3-2.他の実施の形態2]
また上述した第2の実施の形態では、設定書込動作によってNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込もうとした際に、NFCタグ4bに既に変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合に、設定上書き動作によって、NFCタグ4bに格納されている変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除してから新たな変更用設定情報Rdを書き込むようにした。これに限らず、例えば、機能選択画面Sc1上に、設定上書き機能を選択する為の選択項目を追加して、この選択項目が選択されたら、設定書き込み動作を開始してNFCタグ4bに変更用設定情報Rdを上書きするようにしてもよい。この場合、情報処理装置2のNFCタグ4bに変更用設定情報Rdが格納されていないにも関わらず、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdを上書きするようユーザに指示される状況が想定される。この為、携帯端末3Xのタグ情報上書部41hは、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdを上書きする指示を受けると、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されているか否かを判断し、格納されていない場合には、例えば、上書きではなく単なる書き込みとなる旨を示すメッセージをタッチパネル32に表示するとともに、NFCタグ4bに変更用設定情報Rdを書き込むようにする。
【0120】
[3-3.他の実施の形態3]
さらに上述した第1の実施の形態では、図15図16のフローチャートに示すように、NFCタグ4bから変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除した直後に、ユーザからの指示に応じて、変更用設定情報Rd(書込済設定情報)の削除を取り消すようにした。これに限らず、タグ情報削除部41gが、NFCタグ4bから削除した変更用設定情報Rd(書込済設定情報)と、NFCタグ4bから読み込んだ装置情報Idとを、携帯端末3のストレージ33に記憶保持しておき、装置設定アプリ41の次回起動時に、ユーザから前回の削除を取り消す指示を受けると、変更用設定情報Rd(書込済設定情報)を削除した情報処理装置2と同一の情報処理装置2に対して削除の取り消しを行うようにしてもよい。
【0121】
[3-4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第1の実施の形態では、NFCを利用して、第1装置の具体例である携帯端末3側から、第2装置の具体例である情報処理装置2に設けられたNFCタグ4bに対して情報の読み書きを行うようにした。これに限らず、RFIDを利用したものであれば、NFC以外の近距離無線通信規格を利用して、第1の装置側から、第2の装置に設けられたRFIDタグに対して情報の読み書きを行うようにしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0122】
[3-5.他の実施の形態5]
さらに上述した各実施の形態では、第1装置の具体例である携帯端末3と、第2装置の具体例である情報処理装置2とで構成される情報処理システム1に本発明を適用したが、これに限らず、第1装置から第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御(情報の読み書き、削除)が可能なシステムであれば、情報処理システム1とは異なる構成のシステムに適用してもよい。例えば、プリンタの交換部品であるトナーカートリッジや画像形成ユニットにRFIDタグを設け、第1装置としての携帯端末(もしくはプリンタ)から第2装置としてのトナーカートリッジや画像形成ユニットに設けられたRFIDタグに対してトナーや画像形成ユニットの使用状況に関する情報の読み書きを行うシステムに適用するなどしてもよい。またRFIDタグには、第2装置を識別可能な装置識別情報、及び第2装置の設定情報以外の情報が書き込まれるようになっていてもよい。さらに上述した各実施の形態では、第1装置及び情報処理装置の具体例である携帯端末3に本発明を適用したが、これに限らず、第2装置に備えられたRFIDタグに対して情報制御が可能な装置であれば、携帯端末3とは異なる構成の装置に適用してもよい。
【0123】
[3-6.他の実施の形態6]
さらに上述した各実施の形態では、第1装置としての携帯端末3に、RFIDタグと通信するRFID通信部の具体例として、NFC通信部40を設けたが、これに限らず、通信相手となるRFIDタグの種類に応じたRFID通信部を設けるようにすればよい。さらに上述した第1の実施の形態では、携帯端末3の制御部41aが、ユーザから受け付けた指示がNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの書込指示であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されている場合に、ユーザに対する第1報知としてエラー画面Sc5をタッチパネル32に表示させるようにした。これに限らず、例えば、第1報知として、変更用設定情報Rdが格納されている旨などを示す情報を携帯端末3に表示させたり、変更用設定情報Rdが格納されている旨などを示す音声を携帯端末3から出力させたりしてもよい。また、上述した第1の実施の形態では、携帯端末3のタグ情報削除部41gが、ユーザから受け付けた指示がNFCタグ4bに対する変更用設定情報Rdの削除指示であり、NFCタグ4bに変更用設定情報Rd(書込済設定情報)が格納されていない場合に、ユーザに対する第2報知としてエラー画面Sc7をタッチパネル32に表示させるようにした。これに限らず、第2報知として、変更用設定情報Rdが格納されていない旨などを示す情報を携帯端末3に表示させたり、変更用設定情報Rdが格納されていない旨などを示す音声を携帯端末3から出力させたりしてもよい。
【0124】
[3-7.他の実施の形態7]
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、例えば、RFIDタグに対して情報制御を行う様々なシステムで広く利用することができる。
【符号の説明】
【0126】
1……情報処理システム、2……情報処理装置、3……携帯端末、4、6……NFCユニット、20、41a……制御部、22、41b……表示部、26……NFC処理部、26a、40……NFC通信部、26b……NFCタグ制御部、41、100……装置設定アプリ、41c……入力部、41d……設定データ解析部、41e……旧タグ情報解析部、42f……新タグ情報生成部、41g……タグ情報削除部、41h……タグ情報上書部、Dd……設定データ、Id……装置情報、Rd……変更用設定情報、Sd……装置設定情報、Sc1……機能選択画面、Sc2……設定データ指定画面、Sc3……設定書込画面、Sc4、Sc5、Sc7、Sc11、Sc21、Sc101……エラー画面、Sc6……設定削除画面、Sc8……削除実行画面、Sc9……削除完了画面、Sc10……削除取消画面、Sc12……削除取消完了画面、Sc20……設定変更完了画面、Sc100……動作選択画面、Sc102……上書き実行画面。
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