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特許7447466画像形成システム、画像形成装置および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成装置および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240305BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240305BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240305BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20240305BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20240305BHJP
   B65H 37/06 20060101ALI20240305BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/00 396
B41J29/00 H
H04N1/00 127A
B65H37/00
B65H37/04 Z
B65H37/06
G03G15/00 430
H04N1/00 002C
G03G21/00 510
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019228457
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021096396
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】北口 竜也
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125318(JP,A)
【文献】特開2014-162118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0044550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
15/00
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部、画像形成装置、および該画像形成装置で画像形成され、搬送された用紙を後処理する少なくとも1つの後処理装置を備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
実行する印刷ジョブにおいて、画像形成条件毎に識別情報を生成し、付与する付与部と、
前記識別情報と、対応する前記画像形成条件とを関連付けて前記記憶部に記憶させる第1蓄積処理部と、を備え、
前記後処理装置は、前記画像形成装置から搬送された前記用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を収集する収集部と、
前記収集部が収集した前記出力情報と、前記識別情報とを紐付けて、前記記憶部に記憶させる第2蓄積処理部と、
前記後処理として、搬送された前記用紙の形状を変化させる第1後処理を行う第1後処理部と、を備え
前記第2蓄積処理部は、前記後処理装置で実行される後処理の種類が、前記第1後処理の場合に、前記出力情報と、前記付与部によって前記識別情報に対応付けて生成された追加識別情報とをグループとして紐付けて前記記憶部に記憶させる、または、前記出力情報を前記記憶部に記憶しない、
画像形成システム。
【請求項2】
前記識別情報と、該識別情報と対応する前記追加識別情報とは、関連付けて管理される、請求項に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第1後処理は、1枚の用紙を複数に分割する分割処理、用紙の端部を断裁するトリマー処理、用紙を折る折り処理の少なくとも1つを含む、請求項、または請求項に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記分割処理は、用紙を断裁する断裁処理を含む、請求項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記折り処理は、2つ折り、3つ折り、Z折りの少なくとも1つを含む、請求項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
さらに、外部の管理サーバーとネットワークを経由したデータの送受信を行う送受信部を備え、
前記送受信部により、前記記憶部に記憶された、前記画像形成条件、前記識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報、または、前記画像形成条件、前記追加識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報を、前記管理サーバーに送信する、請求項から請求項のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記後処理装置は、互いに連結された複数の後処理装置であり、少なくとも1つの前記後処理装置は、前記第1後処理部を備え、
前記画像形成装置の前記付与部は、前記印刷ジョブの印刷設定が、前記第1後処理部により前記用紙の形状を変化させる後処理を実行する印刷設定である場合に、前記追加識別情報を生成し、
前記画像形成装置は、前記第1後処理部を備える前記後処理装置よりも後段の前記後処理装置に対して、前記追加識別情報を通知し、
前記追加識別情報を受信した前記後処理装置において、
前記第2蓄積処理部が、前記収集部が収集した前記出力情報を、前記追加識別情報と紐付けて、前記記憶部に記憶させる、請求項から請求項のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記後処理装置は、前記第1後処理部による前記第1後処理の実行指示を受けた場合に、前記画像形成装置に対して、前記追加識別情報の付与を要求し、
前記画像形成装置は、前記後処理装置からの前記要求に応じて、前記付与部によって生成した前記追加識別情報を、要求元の前記後処理装置に通知する、請求項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記送受信部により、前記管理サーバーに前記記憶部に記憶された情報を送信する場合、前記識別情報、および前記追加識別情報に対して、前記画像形成システム自体に対応するユニークな固有情報、および日時情報が付与された情報を、前記管理サーバーに送信する、請求項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記付与部は、有限個の識別情報を繰り返し生成して、使用する、請求項1から請求項のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項11】
画像形成装置、および該画像形成装置で画像形成された用紙を後処理する少なくとも1つの後処理装置を備えたシステムにおける画像形成装置であって、
実行する印刷ジョブにおいて、画像形成条件毎に識別情報を生成し、付与する付与部と、
記憶部と、
前記識別情報と、対応する前記画像形成条件とを関連付けて前記記憶部に記憶させる第1蓄積処理部と、
前記識別情報を、前記後処理装置に通知する通知部と、を備え、
前記後処理装置は、前記後処理装置の内部における、前記画像形成装置から搬送された前記用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を収集し、
前記記憶部には、前記出力情報と前記識別情報とが紐付けて、記憶され、
前記後処理装置は、前記後処理として搬送された前記用紙の形状を変化させる第1後処理を行う第1後処理部を備え、
前記後処理装置で実行される後処理の種類が、前記第1後処理の場合に、前記出力情報と、前記付与部によって前記識別情報に対応付けて生成された追加識別情報とがグループとして紐付けて前記記憶部に記憶される、または、前記出力情報を前記記憶部に記憶されない、
画像形成装置。
【請求項12】
前記識別情報と、該識別情報と対応する前記追加識別情報とは、関連付けて管理される、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1後処理は、1枚の用紙を複数に分割する分割処理、用紙の端部を断裁するトリマー処理、用紙を折る折り処理の少なくとも1つを含む、請求項11、または請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記分割処理は、用紙を断裁する断裁処理を含む、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記折り処理は、2つ折り、3つ折り、Z折りの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項16】
さらに、外部の管理サーバーとネットワークを経由したデータの送受信を行う送受信部を備え、
前記送受信部により、前記記憶部に記憶された、前記画像形成条件、前記識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報、または、前記画像形成条件、前記追加識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報を、前記管理サーバーに送信する、請求項11から請求項15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
画像形成装置、および該画像形成装置で画像形成された用紙を後処理する少なくとも1つの後処理装置を備えたシステムにおける画像形成装置で実行される制御プログラムであって、
実行する印刷ジョブにおいて、画像形成条件毎に識別情報を生成し、付与するステップ(a)と、
前記識別情報と、対応する前記画像形成条件とを関連付けて記憶部に記憶するステップ(b)と、
前記識別情報を、前記後処理装置に通知するステップ(c)と、
前記後処理装置が収集した、前記画像形成装置から搬送された前記用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を取得し、前記記憶部に、前記出力情報と、前記識別情報とを紐付けて記憶するステップ(d)と、
を含み、
前記印刷ジョブにおいて、前記後処理装置で実行される前記後処理の種類が、搬送された前記用紙の形状を変化させる第1後処理の場合に、
前記ステップ(a)では、前記識別情報に対応付けて追加識別情報を生成するとともに、前記ステップ(d)では、前記出力情報と、前記追加識別情報とをグループとして紐付けて前記記憶部に記憶する、
または、前記ステップ(d)では、前記出力情報を前記記憶部に記憶しない、
処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【請求項18】
前記識別情報と、該識別情報と対応する前記追加識別情報とは、関連付けて管理される、請求項17に記載の制御プログラム。
【請求項19】
前記第1後処理は、1枚の用紙を複数に分割する分割処理、用紙の端部を断裁するトリマー処理、用紙を折る折り処理の少なくとも1つを含む、請求項17、または請求項18に記載の制御プログラム。
【請求項20】
前記分割処理は、用紙を断裁する断裁処理を含む、請求項19に記載の制御プログラム。
【請求項21】
前記折り処理は、2つ折り、3つ折り、Z折りの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の制御プログラム。
【請求項22】
前記画像形成装置は、さらに、外部の管理サーバーとネットワークを経由したデータの送受信を行う送受信部を備え、
前記処理は、さらに、前記送受信部により、前記記憶部に記憶された、前記画像形成条件、前記識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報、または、前記画像形成条件、前記追加識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報を、前記管理サーバーに送信するステップ(e)、を含む、請求項17から請求項21のいずれかに記載の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成装置および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
市場で動作している画像形成装置の故障予測等の状態を把握するために、ネットワークを介して、複数の画像形成装置それぞれからデータを収集し、これを解析することで故障等を予測する技術がある。
【0003】
特許文献1では、複写機の故障予測をする状態判別装置が開示されている。この状態判別装置では、各複写機の内部情報を使用情報と共に通信ネットワークを介して収集し、収集した内部情報と回帰モデル設定部が設定した回帰モデルとを用いて状態指標値Dを算出し、この算出時点から故障が発生するまでの予想猶予期間を示す使用ファクタを使用情報と算出式データとを用いて算出し、算出した状態指標値D、および使用ファクタから故障危険度を算出し、算出した故障危険度に基づいて当該複写機の状態を判別している。
【0004】
また、印刷ジョブを実行する際に、画像形成装置では、どのような用紙がどのような環境温度や速度で搬送されたかの搬送結果や画像形成条件を、収集することで、故障予測や、ローラー等の消耗品の交換時期の把握をネットワーク経由で行い、サプライチェーンにおける在庫管理やメンテナンス時期の適正化を図るという考えがある。
【0005】
また、カラー印刷業界においては、電子写真方式の画像形成装置が広く活用されてきている。カラー印刷業界に対応するPP(プロダクションプリント)の分野では、オフィスで用いられる場合に比べて多様な用紙、および多様な後処理への適応が求められる。そして、これらの多様な用紙に対して高品質な印刷を行うために、給紙トレイに収容している用紙情報(用紙種類、斤量、用紙サイズで構成)を、複数項目の特性で特定し、特定した用紙情報に応じた画像形成条件で印刷を行う画像形成装置がある。
【0006】
また、画像形成装置で画像形成された用紙に対して後処理を施す、後処理装置を連結した画像形成システムが知られている。特にPPの分野では、様々な種類の後処理を行う、複数の後処理装置が、1台の画像形成装置に連結される。このようなっ画像形成システムにおいても用紙がどのような環境温度や速度で搬送されたかの搬送結果や画像形成条件を、画像形成装置や後処理装置でそれぞれ収集することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-13440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、画像形成装置や後処理装置で個別に全ての項目について情報を収集したのではデータ量が非常に大きくなる問題が生じる。一方でそれぞれの装置で収集する情報の項目を絞りすぎると接続されている画像形成装置と後処理装置間で連携して動作させた場合の情報が十分得られず、故障予測や消耗品の交換時期の把握のための分析ができなくなる虞があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所定の後処理を行う場合においても、適切に識別情報を付与して、用紙の出力結果に関する出力情報を適切に収集できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0011】
(1)記憶部、画像形成装置、および該画像形成装置で画像形成され、搬送された用紙を後処理する少なくとも1つの後処理装置を備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
実行する印刷ジョブにおいて、画像形成条件毎に識別情報を生成し、付与する付与部と、
前記識別情報と、対応する前記画像形成条件とを関連付けて前記記憶部に記憶させる第1蓄積処理部と、を備え、
前記後処理装置は、前記画像形成装置から搬送された前記用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を収集する収集部と、
前記収集部が収集した前記出力情報と、前記識別情報とを紐付けて、前記記憶部に記憶させる第2蓄積処理部と、
前記後処理として、搬送された前記用紙の形状を変化させる第1後処理を行う第1後処理部と、を備え
前記第2蓄積処理部は、前記後処理装置で実行される後処理の種類が、前記第1後処理の場合に、前記出力情報と、前記付与部によって前記識別情報に対応付けて生成された追加識別情報とをグループとして紐付けて前記記憶部に記憶させる、または、前記出力情報を前記記憶部に記憶しない、
画像形成システム。
【0013】
)前記識別情報と、該識別情報と対応する前記追加識別情報とは、関連付けて管理される、上記()に記載の画像形成システム。
【0014】
)前記第1後処理は、1枚の用紙を複数に分割する分割処理、用紙の端部を断裁するトリマー処理、用紙を折る折り処理の少なくとも1つを含む、上記()、または上記()に記載の画像形成システム。
【0015】
)前記分割処理は、用紙を断裁する断裁処理を含む、上記()に記載の画像形成システム。
【0016】
)前記折り処理は、2つ折り、3つ折り、Z折りの少なくとも1つを含む、上記()に記載の画像形成システム。
【0017】
)さらに、外部の管理サーバーとネットワークを経由したデータの送受信を行う送受信部を備え、
前記送受信部により、前記記憶部に記憶された、前記画像形成条件、前記識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報、または、前記画像形成条件、前記追加識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報を、前記管理サーバーに送信する、上記()から上記()のいずれかに記載の画像形成システム。
【0018】
)前記後処理装置は、互いに連結された複数の後処理装置であり、少なくとも1つの前記後処理装置は、前記第1後処理部を備え、
前記画像形成装置の前記付与部は、前記印刷ジョブの印刷設定が、前記第1後処理部により前記用紙の形状を変化させる後処理を実行する印刷設定である場合に、前記追加識別情報を生成し、
前記画像形成装置は、前記第1後処理部を備える前記後処理装置よりも後段の前記後処理装置に対して、前記追加識別情報を通知し、
前記追加識別情報を受信した前記後処理装置において、
前記第2蓄積処理部が、前記収集部が収集した前記出力情報を、前記追加識別情報と紐付けて、前記記憶部に記憶させる、上記()から上記()のいずれかに記載の画像形成システム。
【0019】
)前記後処理装置は、前記第1後処理部による前記第1後処理の実行指示を受けた場合に、前記画像形成装置に対して、前記追加識別情報の付与を要求し、
前記画像形成装置は、前記後処理装置からの前記要求に応じて、前記付与部によって生成した前記追加識別情報を、要求元の前記後処理装置に通知する、上記()に記載の画像形成システム。
【0020】
)前記送受信部により、前記管理サーバーに前記記憶部に記憶された情報を送信する場合、前記識別情報、および前記追加識別情報に対して、前記画像形成システム自体に対応するユニークな固有情報、および日時情報が付与された情報を、前記管理サーバーに送信する、上記()に記載の画像形成システム。
【0021】
10)前記付与部は、有限個の識別情報を繰り返し生成して、使用する、上記(1)から上記()のいずれかに記載の画像形成システム。
【0024】
11)画像形成装置、および該画像形成装置で画像形成された用紙を後処理する少なくとも1つの後処理装置を備えたシステムにおける画像形成装置であって、
実行する印刷ジョブにおいて、画像形成条件毎に識別情報を生成し、付与する付与部と、
記憶部と、
前記識別情報と、対応する前記画像形成条件とを関連付けて前記記憶部に記憶させる第1蓄積処理部と、
前記識別情報を、前記後処理装置に通知する通知部と、を備え、
前記後処理装置は、前記後処理装置の内部における、前記画像形成装置から搬送された前記用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を収集し、
前記記憶部には、前記出力情報と前記識別情報とが紐付けて、記憶され、
前記後処理装置は、前記後処理として搬送された前記用紙の形状を変化させる第1後処理を行う第1後処理部を備え、
前記後処理装置で実行される後処理の種類が、前記第1後処理の場合に、前記出力情報と、前記付与部によって前記識別情報に対応付けて生成された追加識別情報とがグループとして紐付けて前記記憶部に記憶される、または、前記出力情報を前記記憶部に記憶されない、
画像形成装置。
【0026】
12)前記識別情報と、該識別情報と対応する前記追加識別情報とは、関連付けて管理される、上記(11)に記載の画像形成装置。
【0027】
13)前記第1後処理は、1枚の用紙を複数に分割する分割処理、用紙の端部を断裁するトリマー処理、用紙を折る折り処理の少なくとも1つを含む、上記(11)、または上記(12)に記載の画像形成装置。
【0028】
14)前記分割処理は、用紙を断裁する断裁処理を含む、上記(13)に記載の画像形成装置。
【0029】
15)前記折り処理は、2つ折り、3つ折り、Z折りの少なくとも1つを含む、上記(13)に記載の画像形成装置。
【0030】
16)さらに、外部の管理サーバーとネットワークを経由したデータの送受信を行う送受信部を備え、
前記送受信部により、前記記憶部に記憶された、前記画像形成条件、前記識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報、または、前記画像形成条件、前記追加識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報を、前記管理サーバーに送信する、上記(11)から上記(15)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0031】
17)画像形成装置、および該画像形成装置で画像形成された用紙を後処理する少なくとも1つの後処理装置を備えたシステムにおける画像形成装置で実行される制御プログラムであって、
実行する印刷ジョブにおいて、画像形成条件毎に識別情報を生成し、付与するステップ(a)と、
前記識別情報と、対応する前記画像形成条件とを関連付けて記憶部に記憶するステップ(b)と、
前記識別情報を、前記後処理装置に通知するステップ(c)と、
前記後処理装置が収集した、前記画像形成装置から搬送された前記用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を取得し、前記記憶部に、前記出力情報と、前記識別情報とを紐付けて記憶するステップ(d)と、
を含み、
前記印刷ジョブにおいて、前記後処理装置で実行される前記後処理の種類が、搬送された前記用紙の形状を変化させる第1後処理の場合に、
前記ステップ(a)では、前記識別情報に対応付けて追加識別情報を生成するとともに、前記ステップ(d)では、前記出力情報と、前記追加識別情報とをグループとして紐付けて前記記憶部に記憶する、
または、前記ステップ(d)では、前記出力情報を前記記憶部に記憶しない、
処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【0033】
(18)前記識別情報と、該識別情報と対応する前記追加識別情報とは、関連付けて管理される、上記(17)に記載の制御プログラム。
【0034】
19)前記第1後処理は、1枚の用紙を複数に分割する分割処理、用紙の端部を断裁するトリマー処理、用紙を折る折り処理の少なくとも1つを含む、上記(17)、または上記(18)に記載の制御プログラム。
【0035】
20)前記分割処理は、用紙を断裁する断裁処理を含む、上記(19)に記載の制御プログラム。
【0036】
21)前記折り処理は、2つ折り、3つ折り、Z折りの少なくとも1つを含む、上記(19)に記載の制御プログラム。
【0037】
22)前記画像形成装置は、さらに、外部の管理サーバーとネットワークを経由したデータの送受信を行う送受信部を備え、
前記処理は、さらに、前記送受信部により、前記記憶部に記憶された、前記画像形成条件、前記識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報、または、前記画像形成条件、前記追加識別情報、および前記出力情報の組み合わせの情報を、前記管理サーバーに送信するステップ(e)、を含む、上記(17)から上記(21)のいずれかに記載の制御プログラム。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、画像形成システムは、記憶部、画像形成装置、および該画像形成装置で画像形成され、搬送された用紙を後処理する少なくとも1つの後処理装置を備え、
前記画像形成装置は、実行する印刷ジョブにおいて、画像形成条件毎に識別情報を生成し、付与する付与部と、前記識別情報と、対応する前記画像形成条件とを関連付けて前記記憶部に記憶させる第1蓄積処理部と、を備え、
前記後処理装置は、前記画像形成装置から搬送された前記用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を収集する収集部と、前記収集部が収集した前記出力情報と、前記識別情報とを紐付けて、前記記憶部に記憶させる第2蓄積処理部と、を備える。このようにすることで、所定の後処理を行う場合においても、適切に識別情報を付与して、用紙の出力結果に関する出力情報を適切に収集できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本実施形態に係る画像形成システム、およびこれと接続された管理サーバーを示す概略図である。
図2】画像形成システムの外観を示す正面図である。
図3】画像形成システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】画像形成システムの機能ブロック図である。
図5】印刷ジョブを実行した場合に各装置で記憶されるテーブル1から3を示す図である。
図6】用紙の形状変化有りの印刷ジョブを実行した場合に記憶されるテーブル4を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る画像形成システムが実行する印刷処理を示すフローチャートである。
図8A図5の後に次の印刷ジョブ(用紙形状変化なし)を実行した場合に各装置で記憶されるテーブルを示す図である。
図8B図5の後に次の印刷ジョブ(用紙形状変化有り)を実行した場合に各装置で記憶されるテーブルを示す図である。
図8C】比較例において、図5の後に次の印刷ジョブ(用紙形状変化有り)を実行した場合に各装置で記憶されるテーブルを示す図である。
図9】変形例における管理サーバーに出力情報を送信し、IDをリセットする処理を示すフローチャートである。
図10】第2の実施形態に係る画像形成システムが実行する印刷処理を示すフローチャートである。
図11】第3の実施形態に係る画像形成システムが実行する印刷処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0041】
図1は、本実施形態に係る画像形成システム10a、10b、10c、およびこれと接続された管理サーバー90を示す概略図である。管理サーバー90は、CPU、メモリー、通信部、等を備え、画像形成システム10a、10b、10c(以下、これらを総称して単に画像形成システム10という)それぞれから用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報(後述)を収集する。管理サーバー90は、全体がインターネット等のネットワーク上に配置された複数のサーバーによって仮想的に構築されるクラウドサーバーであってもよい。管理サーバー90は、各画像形成システム10から集約した出力情報を解析することで、故障予測や消耗品の配送タイミングの適正化を図ることができる。
【0042】
(画像形成システム10)
図2は、画像形成システム10の外観を示す正面図である。図3は、画像形成システム10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0043】
図2および図3に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置100、後処理装置200、300、400を備える。画像形成装置100、後処理装置200、300、400は、この順で連結される。後処理装置200、300、400は、以下においてはそれぞれ後処理装置A、後処理装置B、後処理装置Cとも称す。画像形成装置100で画像形成され、搬送された用紙は、印刷ジョブの設定に応じて、後段の各後処理装置200、300、400で後処理が施される。後処理装置200は、後処理として用紙の反転搬送を行う。後処理装置300は、用紙の形状を変化させる後処理として、変形処理(以下、「第1後処理」とも称す)を行う。
【0044】
後処理装置400は、後処理としてのフィニッシング処理を行う。フィニッシング処理には、綴じ処理(ステイプル、糊付け冊子)、穿孔(パンチ)処理、クリース処理(筋付け)、およびミシン目形成処理、ならびに、排出トレイ491、492への排出処理が含まれる。なお、印刷ジョブの設定(以下、単に「印刷設定」という。)により、後処理装置400での処理が設定されていない場合には、後処理装置200、300にそれぞれ設けられた排出トレイ290、390に排出される。
【0045】
(出力情報)
ここで、出力情報とは、画像形成装置100から後処理装置200、300、400に搬送された用紙の搬送、および/または後処理に関する出力結果データである。例えば、後処理装置300の搬送経路に設けられた複数の用紙センサー(後述)により用紙の通過タイミングを検出し、これにより求めた用紙の搬送速度、または搬送時間である。あるいは、後処理の処理時間(もしくは処理速度)、および後処理の寸法精度である。処理時間は1つの後処理に要した時間である。また、寸法精度は、後処理装置内の搬送路上に読取スキャナーを配置することで、断裁処理等の変形処理後の用紙寸法を測定するようにしてもよい。
【0046】
出力情報は、おなじ画像形成条件毎に識別情報(ID)を付与して集約する。ここで画像形成条件とは、用紙種類(用紙銘柄)、坪量、および用紙サイズであり、これらが同一の場合、同一の画像形成条件となる。なお、この画像形成条件に装置が動作した環境温度を加えてもよい。例えば、1つの印刷ジョブで、同じ画像形成条件で100枚の用紙に対して、画像形成を行った場合には、1つのIDでこれらの出力情報を管理する。すなわち、1つのIDに対して100個(100データ)の出力情報が得られることになる。
【0047】
用紙種類には、普通紙、上質紙、カラー用紙、封筒、エンボス紙、グロスコート紙、マットコート紙、等がある。坪量としては、例えば、(a)~61g/m、(b)62~75g/m、(c)76~81g/m、(d)82~92g/m、(e)93~106g/m、(f)107~136g/m、(g)137~177g/m、(h)178~217g/m、(i)218~257g/m、(j)258~301g/m、(k)302~351g/m、(l)352g/m~、の12区分で設定される。また、用紙サイズには、A3ノビ、A3、A4、B4、B5、レターサイズ(8.5×11)等の定型サイズの他に設定に応じた無数の不定型サイズが含まれる。また、これらの条件の組み合わせを用紙銘柄として登録することもできる。
【0048】
このような状況から、画像形成条件(用紙種類、坪量、用紙サイズ)としては、数万にものぼる組み合わせが想定され、その分に対応した数のIDを、画像形成システム10内で予め確保し割り当てることは、困難であった。そのため、1つの画像形成システム10では、有限なID(例えば100~数百個)の範囲内で、印刷ジョブを実行する毎に、新規な画像形成条件の印刷設定である場合には、新たなIDを生成し、これを画像形成条件に付与する。そして、画像形成システム10で記録した出力情報を、管理サーバー90に送信する度に、これらの出力情報を削除するとともに、IDをリセットし、有限個のIDを繰り返し生成して、使用する。これらの制御に関しては後述する(図7等)。
【0049】
(画像形成装置100)
再び図2図3を参照する。画像形成装置100は、制御部110、記憶部120、給紙搬送部130、用紙センサー140、画像形成部150、操作表示部160およびネットワークI/F(インターフェース)170、および内部通信I/F180を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス等の信号線を介して相互に接続されている。
【0050】
制御部110は、CPUであり、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行う。
【0051】
記憶部120は、予め各種プログラムや各種データを格納しておくROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、各種プログラムや各種データを格納するハードディスク等からなる。
【0052】
給紙搬送部130は、複数の給紙トレイ、搬送路、この搬送路に沿って配置した複数の搬送ローラー対、およびこれらの搬送ローラー対を駆動する駆動モータ(いずれも図示せず)を備える。給紙トレイに収納された用紙を、1枚ずつ給紙し、装置内の搬送路で搬送する。給紙搬送部130で、給紙、搬送された用紙は、画像形成装置100内の搬送路に沿って1枚ずつ画像形成部150に搬送される。
【0053】
用紙センサー140は、例えば、搬送路の必要な箇所に設けられた複数の光学センサーである。それぞれの用紙センサー140は、設置された箇所において、搬送路上に用紙が存在すること(または存在しないこと)を検出し、検出結果を制御部110に通知する。制御部110は、用紙の通過タイミング、および各用紙センサー140の位置情報により、用紙の搬送速度(搬送時間)を検出したり、所定のタイミングで用紙が用紙センサー140の検出位置に存在するまたは存在しない場合に、ジャム等の搬送異常を検出したりする。
【0054】
画像形成部150は、帯電、露光、現像、転写、および定着の各工程を含む電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、各種データに基づく画像を用紙上に形成する。
【0055】
操作表示部160は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。操作表示部160を介してユーザーは、それぞれの給紙トレイに収納した用紙の用紙情報(用紙種類(銘柄)、坪量、用紙サイズ)等の画像形成条件を設定できる。
【0056】
ネットワークI/F170は、送受信部として機能する。ネットワークI/F170は、外部の管理サーバー90等の他の機器とネットワークを経由したデータの送受信を行うインターフェースである。例えば、Ethernet、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11(Wi-Fi)、等の規格による通信を行う機器が用いられる。
【0057】
内部通信I/F180は、間接的、直接的に他の後処理装置200、300、400の内部通信I/Fとの間で通信を行う。この内部通信I/F180により、出力情報の記憶に用いるID、印刷設定、動作タイミング制御に必要な各種情報、用紙センサー140による用紙の検出情報、ジャムの発生を示す情報等の送受信を行う。例えば、画像形成装置100は、印刷ジョブの印刷設定に含まれる、後処理に関する印刷設定を、内部通信I/F180により、各後処理装置200、300、400に送信する。
【0058】
(後処理装置200)
後処理装置200は、制御部210、記憶部220、用紙搬送部230、用紙センサー240、反転部250、および内部通信I/F280を備えており、これらはバス等の信号線を介して相互に接続されている。用紙搬送部230は、搬送路、この搬送路に沿って配置した複数の搬送ローラー対、およびこれらの搬送ローラー対を駆動する駆動モータ(いずれも図示せず)を備える。用紙搬送部230は、上流側の装置(画像形成装置100)からの用紙を受け入れ、下流側の装置(後処理装置300)に送り出す。また、印刷設定により、排出トレイ290に用紙を排出する。また印刷設定で後処理として反転設定がされていれば、用紙を反転部250に送る。
【0059】
反転部250は、スイッチバック搬送路を有し、用紙搬送部230から送られた用紙の表裏を反転させる機能を有する。表裏を反転された用紙は、再び用紙搬送部230により下流側の装置に送られる。
【0060】
その他の制御部210、記憶部220、用紙センサー240および内部通信I/F280は、画像形成装置100の制御部110、記憶部120、用紙センサー140および内部通信I/F180と同様の機能を有するため、説明を省略する。
【0061】
(後処理装置300)
後処理装置300は、制御部310、記憶部320、用紙搬送部330、用紙センサー340、変形処理部350、および内部通信I/F380を備えており、これらはバス等の信号線を介して相互に接続されている。
【0062】
変形処理部350は、「第1後処理部」として機能し、用紙の形状を変化させる第1後処理を行う。この第1後処理には、(1)1枚の用紙を複数に分割する分割処理、(2)用紙の幅方向の端部や、搬送方向の先後端の端部を断裁するトリマー処理、(3)折り処理が含まれる。
【0063】
(1)分割処理では、1枚の用紙を複数に分割し、そして、分割後の用紙それぞれを下流側に個別に搬送する。例えば、分割処理には、均等に2分割する断裁処理が含まれる。以下、この2分割する処理を「2分割処理」ともいう。例えば、1枚のA3サイズの用紙を2分割処理した場合には、2枚のA4サイズの用紙に形状を変化させた後、それぞれが独立して下流側に搬送される。(2)トリマー処理では、不要な部分を断裁して廃棄する。例えば、A3ノビサイズの用紙の4角付近配置したトンボマークの外側を断裁してA3サイズに変形する。この場合、外側周辺の不要な部分は廃棄する。(3)折り処理としては、2つ折り、3つ折り、Z折り、等が含まれる。なお、変形処理をしない場合には、変形処理部350は、他の後処理として単なる搬送処理も行う。以下においては、変形処理部350は、2分割処理する場合を例にして説明する。
【0064】
このような用紙の形状を変化させる処理を行う場合において次の課題がある。用紙種類、坪量(斤量)、用紙サイズで特定した画像形成条件毎にIDを付与し、ID毎に用紙の搬送結果を収集した場合において、用紙サイズの変更をともなう後処理を行った場合、問題が生じる。例えば、用紙サイズの変更をともなう後処理として用紙を2分割する断裁処理を実行し、1つのIDで用紙の一連の用紙搬送に関する搬送結果の収集をした場合、用紙サイズが異なる画像形成条件を、同じIDで収集、分析することになり、データの信憑性がなくなり、故障予測や交換時期を正確に把握できない虞がある。本実施形態では、このような課題を解決することも目的としている。
【0065】
その他の制御部310、記憶部320、用紙センサー340、および内部通信I/F380は、後処理装置200の制御部210、記憶部220、用紙搬送部230、用紙センサー240、および内部通信I/F280と同様の機能を有するため、説明を省略する。
【0066】
(後処理装置400)
最も後段に連結された後処理装置400は、制御部410、記憶部420、用紙搬送部430、用紙センサー440、フィニッシング部450、および内部通信I/F480、を備えており、これらはバス等の信号線を介して相互に接続されている。
【0067】
フィニッシング部450は、前段の装置(後処理装置300等)から送られた用紙を受け入れ、後処理として、印刷設定に応じた排出トレイ491、492に排出させる排出処理を実行する。または、他の後処理として、印刷設定に応じて、綴じ処理(ステイプル、糊付け冊子)、穿孔(パンチ)処理、クリース処理(筋付け)、またはミシン目形成処理を実施する。
【0068】
その他の制御部410、記憶部420、用紙センサー440、および内部通信I/F480は、後処理装置200の制御部210、記憶部220、用紙搬送部230、用紙センサー240、および内部通信I/F280と同様の機能を有するため、説明を省略する。
【0069】
(画像形成システム10の各制御部の機能)
次に図4から図6を参照し、各制御部の機能について説明する。図4は、画像形成システム10の機能ブロック図である。図5は、印刷ジョブを実行した場合に各装置で記憶されるテーブル1から3を示す図である。図6は、用紙の形状変化有りの印刷ジョブを実行した場合に記憶部120に記憶されるグループテーブル(テーブル4)を示す図である。なお、図5では、用紙の形状変化無しの印刷ジョブを実行した場合の例を示している。
【0070】
なお、以下に示す実施形態においては、用紙の形状に変化がある第1後処理を行う第1後処理部よりも下流側の後処理装置での出力情報の集約を重点的に説明する。そのために、これよりも上流側にある後処理装置200での処理、および機能についての説明は省略する。なお、説明は省略するが、この後処理装置200も、以下に示す他の後処理装置(特に後処理装置400)と同様の機能(付与部、蓄積処理部)を備え、出力情報の収集に関する処理を同様に行う。
【0071】
図4に示すように、画像形成装置100の制御部110は、付与部111、および第1蓄積処理部112として機能する。また、後処理装置300の制御部310は、収集部311、および第2蓄積処理部312として機能する。同様に後処理装置400の制御部410は、収集部411、および第2蓄積処理部412として機能する。
【0072】
(付与部111)
付与部111は、上述のように、新たな画像形成条件の印刷ジョブが実行される度に、画像形成条件毎のID(識別情報)を生成し、これを画像形成条件に付与する。このIDは、例えば有限な範囲から用いられ、所定の期間毎にリセットし繰り返し使用される。例えば有限個のID番号、例えば01~100(全100個)、またはA~Z(全26個)である。しかしながら、十分なメモリー容量があれば、ユニークなIDを生成し、無限(使い切れないほど十分な数)のIDを使い続けてもよい。
【0073】
また、付与部111は、後述するように画像サイズが変化する第1後処理が実行される場合には、IDに対応付けて追加ID(追加識別情報)を生成する。追加IDは、第1後処理を実行する後処理装置よりも後段(下流側)の後処理装置、または同じ後処理装置内の変形処理部350(第1後処理部)よりも下流側の搬送路において、出力情報を収集する際に用いるものである。ID、追加IDは、画像形成条件とともに、第1蓄積処理部112に送られる。
【0074】
(第1蓄積処理部112)
第1蓄積処理部112は、付与部111が生成したID(元ID、追加IDの両方を含む)と画像形成条件とを関連付けて記憶部120のテーブル1に記憶させる(追記する)。また、元IDとこれに対応付けて生成された追加IDとを紐付けて、テーブル4(図6参照)として記憶部120に記憶する。
【0075】
(ID(元ID、追加ID))
図5に示すテーブル1の例では、1つの印刷ジョブに2つの画像形成条件が含まれ、それぞれにID03、ID04が付与されている。本実施形態においては、IDは有限個の範囲内で生成、付与される。同図の例では、付与部111によりID01からID100の範囲内において、番号順に生成される。テーブル1では、ID03の画像形成条件として、用紙サイズ:A3サイズ、坪量:70-85g/m、用紙種類:「普通紙」が記録されている。ID04の画像形成条件として、用紙サイズ:A4サイズ、坪量:85-90g/m、用紙種類:「普通紙」が記録されている。なお、その後に別の印刷ジョブを実行する場合、画像形成条件が異なれば新たなIDを画像形成条件に付与するが(例えばID06以降)、同一の画像形成条件の場合は、過去のIDが再度、利用される。なお、図5の例では、ID01、ID02についての記載は省略している。
【0076】
図6は記憶部120に記憶されるテーブル4(グループテーブル)の例である。テーブル4には、ID(元IDともいう)と、これに対応付けて生成された追加IDとの関連付けが同じグループを示す情報として記憶される。図6の例では、ID03の画像形成条件は、A3サイズであり、ID05(追加ID)の画像形成条件は、2分割処理後のA4サイズである。そしてID05は、ID03から派生した追加IDであることが従属関係欄に記述されている。また追加ID05では、第1後処理よりも後の用紙サイズで画像形成条件が記述されている。すなわち、印刷設定により、第1後処理として2分割処理で、A3サイズの用紙が2分割された後のA4サイズが、追加ID05の用紙サイズ欄に記述されている。後述するように第1後処理部よりも後段の処理(搬送処理、後処理)では、画像形成装置100から通知された追加ID05を用いて出力情報が収集される。
【0077】
(通知部)
内部通信I/F180は、通知部として機能し、付与部111が生成したID(元ID、および追加ID)を、後段の後処理装置(後処理装置300、400等)に通知する。以下の実施形態においては、この通知は、画像形成装置100から、後段の後処理装置に用紙を搬送するタイミングで、1枚の用紙を搬送する度に送るものとして説明する。しかしながら、連続して同じ画像形成条件(同じ用紙)の用紙搬送が続く場合には、画像形成条件が変化した最初の1枚の用紙を搬送する時にのみに送り、以降はその通知された情報を繰り返し使用するようにしてもよい。
【0078】
(収集部311、411)
後処理装置300の収集部311は、用紙センサー340、搬送路上の読取スキャナー等の後処理装置300の各種センサーの出力から、用紙の搬送、および/または後処理に関する出力情報を収集する。用紙毎の出力情報は、収集部311から第2蓄積処理部312に送られる。後処理装置400の収集部411も、収集部311と同様の処理を行う。
【0079】
(第2蓄積処理部312、412)
後処理装置300の第2蓄積処理部312は、収集部311から送られた出力情報と、画像形成装置100から通知されたID(元ID、または追加ID)とを紐付けて、記憶部320のテーブル2に記憶させる(追記する)。
【0080】
図5に示すテーブル2の例では、1つの印刷ジョブでID03、ID04の画像形成条件で、それぞれ50枚、100枚の用紙に対して、後処理が実行され、出力情報が収集、蓄積されている。第2蓄積処理部312は、ID03の画像形成条件で用紙が搬送、処理される毎に、このID03に紐付けられた出力情報のデータを蓄積する。テーブル2では、ID03は、50個のデータから構成されるが、図5においては個々のデータの表記は省略し、50個のデータの平均時間のデータのみを示している。なお、図5の例では、テーブル2は、後処理装置300の記憶部320に一時的に記憶され、所定のタイミングで、画像形成装置100に送られ、画像形成装置100の記憶部120に記憶される。しかしながら、記憶部320に一時的に記憶せずに、第2蓄積処理部312(412)が、直接、記憶部120に記憶させるようにしてもよい。
【0081】
後処理装置400の第2蓄積処理部412も、後処理装置300の第2蓄積処理部312と同様の処理を行う。なお、第2蓄積処理部412では、画像形成装置100から追加IDが通知された場合には、この追加IDと、出力情報を紐付けて、記憶部420のテーブル3(後述の図8B参照)に記憶させる。なおテーブル3に示す後処理zでは、排出処理として、サブトレイ(排出トレイ492)に排出した場合の出力情報を示している。
【0082】
(画像形成システム10の印刷処理)
次に図7から図8Cを参照し、画像形成システム10で行われる印刷処理について説明する。図7は、第1の実施形態に係る画像形成システム10が実行する印刷処理を示すフローチャートである。図8Aから図8Cは、図5の後に、別の印刷ジョブを実行した場合に各装置で記憶されるテーブルを示す図である。
【0083】
図7の印刷処理は、画像形成装置100の制御部110が主体となって、他の後処理装置300、400の制御部310、410と協働することで実行する。
【0084】
(画像形成装置100)
(ステップS101)
図7に示すように、画像形成装置100の制御部110は、ユーザーにより操作表示部160、または外部のPCからネットワークI/F170を通じ入力された印刷ジョブを受け付ける。そして受け付けた印刷ジョブの実行を開始する。
【0085】
(ステップS102)
上述のように付与部111は、画像形成条件毎にID(識別情報)を生成し、付与する。そして第1蓄積処理部112は、これを記憶部120のテーブル1に記憶する(追記する)。
【0086】
(ステップS103)
制御部110は、印刷設定を参照し、用紙サイズが変化する第1後処理か否かを、判定する。この判定は、搬送する用紙、1枚毎に判定するが、印刷ジョブに含まれる画像形成条件毎(ID)に判定するようにしてもよい。用紙サイズが変化する第1後処理でなければ(NO)、処理をステップS104に進め、第1後処理であれば(YES)、処理をステップS105に進める。
【0087】
(ステップS104)
制御部110は、通知部として機能する内部通信I/F180により、IDを後段の後処理装置(後処理装置300、400)に通知する。
【0088】
(ステップS105)
ここでは、付与部111は、ID(元ID)に対応付けて追加IDを生成する。また、この追加IDの元IDとの関連付けが、第1蓄積処理部112により記憶部120のテーブル4に記憶され管理される。
【0089】
(ステップS106)
制御部110は、内部通信I/F180により、ID、および追加IDを後段の後処理装置(後処理装置300、400)に通知する。なお、追加IDは、追加IDを生成する原因となった第1後処理を行う後処理装置(または第1後処理部)よりも下流側の後処理装置にのみ通知される。
【0090】
(ステップS107)
画像形成装置100の給紙搬送部130、および画像形成部150は、印刷設定に従って用紙を搬送し、画像形成を行い、後段の後処理装置300に用紙を送る。以上で画像形成装置100の処理は終了し(エンド)、新たな印刷ジョブを受け付けることに応じて、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0091】
(後処理装置300(後処理装置B))
(ステップS301)
後処理装置300の用紙搬送部330、および変形処理部350は、用紙を搬送し、また印刷設定に応じた後処理を実施する。
【0092】
(ステップS302)
収集部311は、用紙センサー340等の出力から、出力情報を収集し、第2蓄積処理部312に送る。
【0093】
(ステップS303)
第2蓄積処理部312は、収集部311から送られた出力情報を、対応するIDと紐付けて、記憶部320のテーブル2に記憶する。以上で後処理装置300の処理は終了する(エンド)。
【0094】
(後処理装置400(後処理装置C))
(ステップS401)
後処理装置400の用紙搬送部430、およびフィニッシング部450は、用紙を搬送し、また印刷設定に応じた後処理を実施する。
【0095】
(ステップS402)
収集部411は、用紙センサー440等の出力から、出力情報を収集し、第2蓄積処理部412に送る。
【0096】
(ステップS403)
第2蓄積処理部412は、画像形成装置100から追加IDの通知を受けていれば(YES)、処理をステップS405に進め、受けていなければ(NO)、処理をステップS404に進める。
【0097】
(ステップS404)
第2蓄積処理部412は、収集部411から送られた出力情報を、対応するIDと紐付けて、記憶部420のテーブル3に記憶する。このIDはステップS104で画像形成装置100から通知されたIDである。図8Aは、図5の後に、「次の印刷ジョブ」を実行した場合に各装置で記憶されるテーブルを示す図である。図8Aでは、「次の印刷ジョブ」として印刷設定がID03と同じ画像形成条件で、20枚の用紙に対して、画像形成、および後処理が実行され、出力情報が蓄積された状態を示している。すなわちテーブル2、3においては、図5ではID03は50枚であるのに対して、図7では、20枚追加され、70枚(70個)の出力情報が記憶されている。この場合、過去のID03と同じ画像形成条件なので、新たなIDは生成されず、過去に使用したID03が付与されることになる。
【0098】
(ステップS405)
第2蓄積処理部412は、収集部411から送られた出力情報を、追加IDと紐付けて、記憶部420のテーブル3に記憶する。この追加ID(例えばID05)は、ステップS106で通知された追加IDである。図8Bは、図5の後に、次の印刷ジョブを実行した場合に各装置で記憶されるテーブルを示す図である。図8Bは、図5の後に次の印刷ジョブとして印刷設定がID03の画像形成条件で、A3サイズの20枚の用紙に対して、画像形成、および後処理装置300(後処理装置B)での後処理が実行され、出力情報が蓄積された状態を示している。また、後処理装置300の変形処理部350(第1後処理部)で2分割処理が行われたため、後段の後処理装置400(後処理装置C)では、A4サイズの2倍数の40枚の用紙が搬送される。後処理装置400では、この40枚の用紙に対して後処理を実行したため、図8Bのテーブル3では、追加ID05に紐付けられて40枚(40個)の出力情報が記憶されている。以上で後処理装置400の処理は終了する(エンド)。
【0099】
(効果)
このように本実施形態においては、画像形成装置と、後処理装置が同じIDを用いて、用紙の出力結果に関する出力情報を収集することで、出力情報を適切に収集できるようにできる。特に、第2蓄積処理部は、後処理装置で実行される後処理の種類が、用紙の形状を変化させる所定の第1後処理の場合に、出力情報と、識別情報に対応付けて生成された追加識別情報とを紐付けて記憶部に記憶させることで、出力情報を適切に収集できる。
【0100】
図8Cは、比較例として、次の印刷ジョブとして、図8Bと同じ印刷ジョブを実行した場合に各装置で記憶されるテーブルを示す図である。比較例においては、用紙の形状を変化させる第1後処理が実行されたにもかかわらず、追加IDを付与せずに元IDを使い続けた場合を示している。この場合、図8Cのテーブル3(テーブル3の破線囲み部)では、50枚まで(図5のテーブル3参照)は、2分割処理の印刷設定ではなく用紙形状の変化はなくA3サイズのままの出力情報が蓄積されていた。その後の40枚(A3サイズ20枚を2分割した40枚)では、A3サイズのIDであるのにかかわらず、A4サイズの出力情報が蓄積されることになる。この場合A3サイズ50枚、A4サイズ40枚、合計90枚(90個)の出力情報が記憶される。このように、異なる画像形成条件の出力情報が、同じIDの元に集約され集計されることになる。すなわち、後処理装置Cでは、A4サイズの用紙の出力情報を収集したにもかかわらず、蓄積処理としては、ID03のA3サイズとして収集、蓄積されることになる。そのため、データを解析する場合には、ID03には、意味をなさない悪影響をおよぼすデータが含まれることにある。比較例における図8Cのテーブル3では、実施例における図8Bのテーブル3と比較して、ID03の集計結果では平均時間、分散ともに本来の数値(A3サイズ)とはかけ離れた、信頼性が損なわれたデータが収集される。このため、後述するようにこのようなデータを管理サーバー90で収集し、解析する場合には、解析結果に悪影響を与える恐れがある。この点では、本実施形態においては、用紙の形状を変化させる第1後処理の場合に、出力情報と、識別情報に対応付けて生成された追加識別情報とを紐付けて記憶部に記憶させているので、このような問題は生じない。
【0101】
(管理サーバー90への出力情報の送信)
図9は、変形例における画像形成システムにおいて、管理サーバー90に出力情報を送信し、IDをリセットする処理を示すフローチャートである。
【0102】
(ステップS501)
画像形成装置100の制御部110は、所定のタイミングとなった場合(YES)、処理をステップS501に進める。例えば所定のタイミングは、24時間経過毎、または、所定時刻になったタイミングである。この所定タイミングは、有限個のIDを使用する場合に、このIDが枯渇しないようなタイミングで設定することが好ましい。あるいは、有限個のIDが枯渇しそうになった場合には、その事情とトリガとして、所定のタイミングになったと判断するようにしてもよい。
【0103】
(ステップS502)
画像形成装置100の制御部110は、後処理装置200、300、400に対して、送信要求を行い、その返答でデータを得る。そして、各装置の記憶部220、320、420に記憶されている各テーブル(テーブル2、3等の出力情報とID(元ID、追加ID)を対応付けたテーブル)を集約する。集約したテーブルは、記憶部120に一時的に記憶し、集約元の後処理装置200、300、400の記憶部220、320、420に記憶されている各テーブルのデータを、消去するようにしてもよい。
【0104】
(ステップS503)
制御部110は、各IDに(1)画像形成装置100、または画像形成システム10のユニークな固有情報、例えば装置S/N(シリアルナンバー)、および/または、(2)現在の日時情報を追記する。例えば、ID002であれば、5桁のS/Nおよび8桁の日付を、IDの後に追記する。これにより、管理サーバー90は、IDが有限であっても、前回送付したIDとはIDが重複せずに識別可能となる。また、他の画像形成システムから送られてきた情報とも識別できる。
【0105】
(ステップS504)
画像形成装置100の制御部110は、送信部として機能するネットワークI/F170により管理サーバー90に対して、画像形成条件、ID、および出力情報の組み合わせの情報、または、画像形成条件、追加ID、および出力情報の組み合わせの情報(以下、これらの組み合わせの情報を単に「組み合わせ情報」という)を管理サーバー90に送信する。具体的には、画像形成装置100は、集約した各テーブル、およびIDと追加IDとの関連付けたグループテーブル(テーブル4)を、管理サーバー90に送信する。
【0106】
(ステップS505)
制御部110は、管理サーバー90から受け取り確認のコマンドを受け取った後、画像形成システム10内にあるIDを用いた各テーブルを消去する。また、IDをリセットする。リセットにより、以降は、制御部110の付与部111は、有限個のIDを再利用できる。具体的には、付与部111は、再びID01から順にIDを生成して、各画像形成条件に付与する。
【0107】
このように、画像形成システム10では、管理サーバー90に、蓄積した組み合わせ情報を、送信することで、管理サーバー90側では、受け付けた情報から、送信元の画像形成システム10の故障予測や消耗品の交換時期の予測を精度よく行うことができる。また、画像形成システム10側では、組み合わせ情報を送信した後、IDをリセットすることで、有限個のIDを使用する場合であっても、IDを枯渇させずに済む。
【0108】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る画像形成システムが実行する印刷処理を示すフローチャートである。第1の実施形態においては、用紙の形状を変化させる第1後処理を行う印刷設定となっている場合には、追加IDを生成し、この追加IDと出力情報とを紐付けて、記憶部120、420等に記憶させていた。第2の実施形態においては、サンプル数が少なくなるが、第1後処理を実施する場合であっても、追加IDを生成せずに、出力情報を記憶部に記憶せずに削除する。
【0109】
(画像形成装置100)
(ステップS111~S117)
画像形成装置100の制御部110は、ステップS111、S112、S114、S117の各処理を順に実行する。これらの処理は、それぞれ図7のステップS101、S102、S104、S107にそのまま対応する処理であり、説明を省略する。
【0110】
(後処理装置300(後処理装置B))
(ステップS311~S313)
後処理装置300の制御部310は、ステップS311~S313の処理を順に実行する。これらの処理は、それぞれ図7のステップS301~S303にそのまま対応する処理であり、説明を省略する。
【0111】
(ステップS314)
後処理装置300の制御部310は、印刷設定を参照し、用紙サイズが変化する第1後処理か否かを、判定する。用紙サイズが変化する第1後処理でなければ(NO)、処理を終了する(エンド)。一方で、用紙サイズが変化する第1後処理であれば(YES)、処理をステップS315に進める。
【0112】
(ステップS315)
後処理装置300は、通知部として機能する内部通信I/F380により、サイズ変更ありの旨を示す信号を、後段の後処理装置400(後処理装置C)に送信する。
【0113】
(後処理装置400(後処理装置C))
(ステップS411、S412)
後処理装置400の制御部410は、ステップS411、S412の処理を順に実行する。これらの処理は、それぞれ図7のステップS401、S402にそのまま対応する処理であり、説明を省略する。
【0114】
(ステップS413)
第2蓄積処理部412は、第1後処理部を有する後処理装置300からサイズ変更ありの旨の通知を受けていれば(YES)、処理をステップS415に進め、受けていなければ(NO)、処理をステップS414に進める。
【0115】
(ステップS414)
図7のステップS404と同様の処理を行う。具体的には、第2蓄積処理部412は、収集部411から送られた出力情報を、対応するIDと紐付けて、記憶部420のテーブル3に記憶する。このIDはステップS114で通知されたIDである。
【0116】
(ステップS415)
第2蓄積処理部は、収集部411から送られた出力情報を削除し、記憶部420への記憶を行わない。以上で、全ての処理を終了する(エンド)。
【0117】
このように第2の実施形態においては、第1後処理が行われた用紙に関する出力情報の記憶部への記憶を行わない。このようにすることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、画像形成条件と合わない異なる用紙サイズの出力情報は収集されずに、信頼性が損なわれたデータが収集されることを防止できる。
【0118】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係る画像形成システムが実行する印刷処理を示すフローチャートである。第1の実施形態においては、用紙の形状を変化させる第1後処理を行う印刷設定となっている場合には、画像形成装置100側で自動的に追加IDを生成し、この追加IDと出力情報とを紐付けて、記憶部120、420等に記憶させていた。第3の実施形態においては、追加IDの生成を、後処理装置からの要求に応じて行うものである。
【0119】
(画像形成装置100)
(ステップS121~S127)
画像形成装置100の制御部110は、ステップS121、S122、S124、S127の各処理を順に実行する。これらの処理は、それぞれ図10のステップS111、S112、S114、S117にそのまま対応する処理であり、説明を省略する。
【0120】
(後処理装置300(後処理装置B))
(ステップS321~S324)
後処理装置300の制御部310は、ステップS321~S324の処理を順に実行する。これらの処理は、それぞれ図10のステップS311~S314の処理にそのまま対応する処理であり、説明を省略する。
【0121】
(ステップS325)
後処理装置300は、ステップS324で、第1後処理の実行指示を受けていると判定した場合、通知部として機能する内部通信I/F380により、追加IDの付与要求を画像形成装置100に送信する。なお、この付与要求としては、単に、サイズ変更ありの旨を示す信号をその付与要求として用いてもよい。
【0122】
(画像形成装置100)
(ステップS128)
画像形成装置100の付与部111は、ID(元ID)に対応付けて追加IDを生成する。また、この追加IDを元IDとの関連付けが、第1蓄積処理部112により記憶部120のテーブル4に記憶され管理される。
【0123】
(ステップS129)
制御部110は、通知部として機能する内部通信I/F180により、追加IDを、第1後処理を行う後処理装置(または第1後処理部)よりも下流側の後処理装置400(後処理装置400)に通知する(図11では丸数字20で示す)。なお、この通知を行う際に、元IDを追加IDとセットで通知するようにしてもよい。
【0124】
(後処理装置400(後処理装置C))
(ステップS421~S424)
後処理装置400の制御部410は、ステップS421~S424の処理を順に実行する。これらの処理は、それぞれ図7のステップS401~S404にそのまま対応する処理であり、説明を省略する。
【0125】
(ステップS425)
第2蓄積処理部412は、収集部411から送られた出力情報を、追加IDと紐付けて、記憶部420のテーブル3に記憶する。この追加ID(例えばID05)は、ステップS129で、画像形成装置100から通知されたものである。この場合は、ステップS124で既に通知されている元ID(例えばID03)は利用されない。
【0126】
このように第3の実施形態においては、画像形成装置100では、後処理装置300からの要求に応じて、追加IDを生成し、これを用いて出力情報を収集する。このようにすることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0127】
以上に説明した、画像形成システム10、または画像形成装置100の構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、下記のように種種改変することができる。また、一般の画像形成システム、または画像形成装置が備える構成を排除するものではない。
【0128】
また、上述した各実施形態においては、画像形成装置が主となり、画像形成条件毎に識別情報を生成、付与し、これを後処理装置に通知することで、共通の識別情報を用いた例を示した。しかしながら、これに限られず、後処理装置側でも独立して出力情報を収集し、管理サーバー90に送信するようにしてもよい。例えば、後処理装置側に画像形成装置の付与部、送受信部と同等の機能を備え、これにより、画像形成装置とは独立した識別情報(他の識別情報)を用いて、出力情報の収集を行う。またこの場合は、さらに、後処理装置側で直接的に管理サーバー90に出力情報(テーブル2、3等)を送信するようにしてもよい。
【0129】
さらに、印刷設定により用紙の形状を変化させる第1後処理を行う指示がなされた後、後処理装置側で、何らかの異常により、第1後処理が実施できなかった場合には、元のIDにより、出力情報を収集するようにしてもよい。
【0130】
また、上述した各実施形態では、画像形成システムが3台の後処理装置を備える構成を例として説明したが、4台以上であっても、1台の後処理装置であってもよい。1台の後処理装置の場合、この1つの後処理装置が第1後処理部を備え、搬送路において、その第1後処理部の処理位置の前後で、出力情報を収集するような場合に、上流側では元IDを用いて、下流側では追加IDを用いて、出力情報を収集できる。
【0131】
また、画像形成システム10、または画像形成装置100を動作させるプログラムは、USBメモリー、フレキシブルディスク、CD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリーやストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、例えば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成システム10の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0132】
10 画像形成システム
100 画像形成装置
110 制御部
111 付与部
112 第1蓄積処理部
120 記憶部
130 給紙搬送部
140 用紙センサー
150 画像形成部
160 操作表示部
170 ネットワークI/F
180 内部通信I/F(通知部)
200 後処理装置(後処理装置A)
210 制御部
220 記憶部
230 用紙搬送部
240 用紙センサー
250 反転部
280 内部通信I/F
290 排出トレイ
300 後処理装置(後処理装置B)
310 制御部
311 収集部
312 第2蓄積処理部
320 記憶部
330 用紙搬送部
340 用紙センサー
350 変形処理部
380 内部通信I/F
390 排出トレイ
400 後処理装置(後処理装置C)
410 制御部
411 収集部
412 第2蓄積処理部
420 記憶部
430 用紙搬送部
440 用紙センサー
450 フィニッシング部
480 内部通信I/F
491、492 排出トレイ
90 管理サーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11