(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】容器入り接着剤、容器入り接着剤の製造方法、積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20240305BHJP
B65D 77/08 20060101ALI20240305BHJP
C09J 5/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
B65D81/32 D
B65D77/08 B
C09J5/00
(21)【出願番号】P 2019238228
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000108111
【氏名又は名称】セメダイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【氏名又は名称】伏見 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】紺野 誠
(72)【発明者】
【氏名】小谷 準
(72)【発明者】
【氏名】高橋 駿
(72)【発明者】
【氏名】秋本 雅人
(72)【発明者】
【氏名】橋向 秀治
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-154573(JP,A)
【文献】特開平01-132676(JP,A)
【文献】特表平11-501843(JP,A)
【文献】実開平05-035752(JP,U)
【文献】実開昭57-172770(JP,U)
【文献】米国特許第06068820(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32
B65D 77/08
B65D 83/08
C09J 5/00
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の内空間を有
し、向かい合う第1の樹脂シートと第2の樹脂シートが周縁で接合されてなる第1の袋体と、
前記第1の内空間内に設けられ、第2の内空間を有
し、向かい合う第3の樹脂シートと第4の樹脂シートが周縁で接合されてなる第2の袋体と、
前記第1の内空間内に配置され
る担持体と、
前記担持体に含浸された第1剤と、
前記第2の袋体内に収容された第2剤と、を備え、
前記第2の袋体は、
一方の縁部に、前記第2の袋体を押圧することによって破断可能な
第2の弱シール部を有
し、
前記第2の袋体の他方の縁部が、前記第1の樹脂シートと前記第2の樹脂シートの間に挟持されて、前記第2の袋体が前記第1の袋体に固定されていることを特徴とする容器入り接着剤。
【請求項2】
前記第1の袋体は、前記第1の樹脂シートと前記第2の樹脂シートのそれぞれの長さ方向の一方の縁部近傍が接合されてなる第1の弱シール部を有し、前記第1の弱シール部は、前記第1の袋体の長さ方向において、前記第2の弱シール部側に位置することを特徴とする請求項1に記載の容器入り接着剤。
【請求項3】
前記担持体上に前記第2の袋体の弱シール部が配置されていることを特徴とする請求項1
または2に記載の容器入り接着剤。
【請求項4】
前記
担持体は、表裏二層の編地と、該表裏二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸とから構成される立体編み物であることを特徴とする請求項1
~3のいずれか1項に記載の容器入り接着剤。
【請求項5】
前記第1の袋体は、前記第1の袋体の幅方向の両縁部をなす強シール部と、該強シール部に沿って、前記第1の袋体の長手方向に延在するとともに、前記第1の袋体の表面から、前記第1の袋体の厚さ方向に凹む切込と、を有することを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の容器入り接着剤。
【請求項6】
前記第1の袋体は、樹脂シートからなる筒状体であって、
前記筒状体は、前記筒状体の一方向の中央部に沿って延在し、前記樹脂シートの両端部またはその近傍を接合した接合部からなる弱シール部と、前記筒状体の長手方向の両端部の近傍において前記弱シール部および前記筒状体の一方向と垂直方向に延在するとともに、前記樹脂シートの表面から、前記樹脂シートの厚さ方向に凹む切込と、を有することを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の容器入り接着剤。
【請求項7】
前記第1剤および/または前記第2剤が着色剤を含むことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の容器入り接着剤。
【請求項8】
前記担持体は、前記担持体の厚さ方向に貫通する貫通穴を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の容器入り接着剤。
【請求項9】
向かい合う第3の樹脂シートと第4の樹脂シートをそれぞれの周縁で接合し、第2の内部空間を有し、前記第2の内部空間内に第2剤を有する第2の袋体を作製する第1の工程と、
向かい合う第1の樹脂シートと第2の樹脂シートをそれぞれの周縁で接合し、第1の内部空間を有し、前記第1の内部空間内に、前記第2の袋体と第1剤と担持体とを含む担持体を有する第1の袋体を作製する第2の工程と、を有し、
前記第1の工程において、前記第2の袋体の一方の縁部が、前記第2の袋体を押圧することによって破断可能な第2の弱シール部となるように、前記第3の樹脂シートと前記第4の樹脂シートをそれぞれの周縁で接合し、
前記第2の工程において、前記第1の樹脂シートと前記第2の樹脂シートで、前記第2の袋体の他方の縁部を挟持し、前記第1の樹脂シートと前記第2の樹脂シートをそれぞれの周縁で接合する、容器入り接着剤の製造方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の容器入り接着剤を用いた積層体の製造方法であって、
前記第1の内空間内にて、前記第2の袋体の第2の弱シール部を開口し、前記担持体に含浸されている第1剤と前記第2の袋体に収容されている第2剤を混合して、前記担持体と、前記担持体に含浸された二液混合型接着剤とを備える接着シートを得る工程と、
前記第1の袋体の第1の弱シール部を開口し、前記第1の袋体から前記接着シートを取り出し、前記接着シートを介して、第1の構造体と第2の構造体を接着する工程と、を有する積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器入り接着剤、接着シート、積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
二液混合型接着剤の一般的な取り扱い方法としては、以下の2つの方法が挙げられる。
(1)作業者が、施工現場にて主剤と硬化剤をそれぞれ量り取り、混練し、接着面に塗布する(第1の方法)。
(2)作業者が、ツインカートリッジまたはダブルカートリッジ等に充填された主剤と硬化剤を混練し、接着面に塗布する(第2の方法)。
【0003】
第1の方法では、施工現場に、接着剤と共に、秤や、主剤と硬化剤を混合するための道具を用意する必要がある。
第1の方法では、接着剤によって、主剤と硬化剤の混合量が異なる。そのため、主剤や硬化剤の量り間違いが生じたり、主剤と硬化剤の混練の度合によって、本来期待される接着剤の性能が充分に発揮されなかったりすることがある。
【0004】
第2の方法では、第1の方法のように、作業者が主剤と硬化剤を量り取る等の操作を行うことなく、専用のガンを用いて、所定量の主剤と硬化剤を同時に押し出す。ガンの先端部にはスタティックミキサーを備えるノズルが装着されているため、押し出された主剤と硬化剤がこのノズル中で螺旋状に混合される。従って、第2の方法では、第1の方法と比較して主剤と硬化剤の混合不良が生じ難い。しかしながら、スタティックミキサーは高価であるにもかかわらず、消耗品である。また、スタティックミキサーを用いた混合では、主剤や硬化剤の粘度が高いと、押出す際に大きな力が必要となる。
【0005】
また、建築現場で取り扱う部材は、工業分野の電子機器部材と比較して、接着面積や接着厚みが非常に大きい。接着剤の粘度が水のように低い場合、大面積の部材に対して接着剤を容易に塗布することができる。しかしながら、接着剤の粘度が水のように低い場合、接着剤の厚みを所定の値にすることが難しい。また、接着剤の粘度が水のように低い場合、部材自体に傾斜等があると、部材に塗布した接着剤が流れてしまい、部材に存在する様々な不陸に対応することが難しい。
【0006】
以上のような課題を解決するために、二液混合型接着剤等の多成分系組成物を含む包装袋や容器が開発されている。
このような包装袋としては、例えば、使用直前に混合して使用する多成分系の組成物の包装袋において、一成分を含有する軟包装袋の中に他の成分を封入した易破壊性のプラスチックフィルムを基材とする包装体内蔵用易破壊性包装袋を内蔵させた多成分系組成物用軟包装袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、上記の容器としては、例えば、少なくとも1つの吸収体例えば塗布用の布、パッチまたはマスクであって吸収体とは別に収容された少なくとも1種の好ましくは液体である成分を含浸し、液体成分を含浸した後で例えば皮膚や毛髪であるサポートに塗布する吸収体を具備したユニットであって、前記吸収体と前記成分を収容した少なくとも1つの容器の柔らかな壁面を介して加えられる圧力によって開放される袋を収容し、前記成分を含む液状成分を吸収体に含浸させ、袋と吸収体は容器の中で拘束がなく、成分を含浸した吸収体を取り出して当該サポートに塗布することができるように開放することができるユニットが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の発明の目的の1つは、少なくとも1つの吸収エレメントと少なくとも1つの好ましくは液体であるエレメントを個別に確実に保持し、外気に曝すことなくそれらを接触させることができる処理ユニットを提供することである。特許文献2に記載の発明は、特に、吸収エレメントに、液体を液体の粘性に無関係に均一に含浸させることを目的としている。また、特許文献2に記載の発明の他の目的は、容器内に1つ以上の袋をそれらの材料の種類にかかわらず収容することができるようにすることである。
【0008】
また、上記の容器としては、例えば、外部容器と、該外部容器よりも小形であり、該外部容器内に固定配置され、処理液を収納しており、圧力をかけることによって簡単に破れる内部容器と、前記外部用域内に配置された乾燥発泡要素と、前記内部容器の位置を示すための前記外部容器上の手段とを備えており、圧力を前記の指示位置で外部容器にかけたときに、内部容器が破れ、前記処理液が前記乾燥発泡要素と接触して、前記発泡要素を処理液で湿潤させ、これによって湿潤した発泡要素が前記処理液を投与するために利用できる処理剤投与システムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
また、上記の包装袋としては、例えば、ドライ状のフェイスパックシート本体と、化粧水が入った内袋とが、外袋の内部に密封収納されており、外袋越しに外部圧迫により内袋を開封して内袋内の化粧水をフェイスパックシート本体に含浸させるようにしたフェイスパックシートであって、外袋と内袋とが、可撓性・非透水性を有するプラスチックフィルムを扁平状に製袋してなり、扁平状に折り畳んだフェイスパックシート本体の一方の扁平面上に内袋を重ねた状態で、これらフェイスパックシート本体と内袋とが外袋内に収納保持されているフェイスパックシートが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
さらに、本発明者等は、上記の包装袋として、セパレイトシールを介して2つの内空間を有する袋体であって、一方の内空間に第1剤を含浸させた海綿状の担持体を収容し、他方の内空間に第2剤を収容した容器入り接着剤を考案した。この容器入り接着剤では、第2剤が収容されている内空間に外側から圧力を加えると、セパレイトシールが破断して、第2剤が、第1剤が収容されている内空間側に流入する。その後、容器入り接着剤を外側から揉むことにより、第1剤と第2剤を混合する。第1剤と第2剤を十分に混合した後、袋体から担持体を取り出して、接着面に貼り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開平2-45375号公報
【文献】特表2002-543009号公報
【文献】特表平8-500037号公報
【文献】特開2004-174135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、セパレイトシールを破断して、第1剤と第2剤を混ぜ合わせる際に、第2剤が収容されていた内空間分の容積が増加するため、第2剤が袋体内で分散してしまい、第1剤と第2剤を十分に混合することが難しかった。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、効率的かつ十分に第1剤と第2剤を混合することができる容器入り接着剤、接着シート、および接着シートを備えた積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]第1の内空間を有する第1の袋体と、前記第1の内空間内に設けられ、第2の内空間を有する第2の袋体と、前記第1の内空間内に配置される海綿状の担持体と、前記担持体に含浸された第1剤と、前記第2の袋体内に収容された第2剤と、を備え、前記第2の袋体が押圧することによって破断可能な弱シール部を有する容器入り接着剤。
[2]前記担持体上に前記第2の袋体の弱シール部が配置されている[1]に記載の容器入り接着剤。
[3]前記第2の袋体が前記第1の袋体に固定されている[1]または[2]に記載の容器入り接着剤。
[4]前記第1の袋体は、前記第1の袋体の幅方向の両縁部をなす強シール部と、該強シール部に沿って、前記第1の袋体の長手方向に延在するとともに、前記第1の袋体の表面から、前記第1の袋体の厚さ方向に凹む切込と、を有する[1]~[3]のいずれかに記載の容器入り接着剤。
[5]前記第1の袋体は、樹脂シートからなる筒状体であって、前記筒状体は、前記筒状体の一方向の中央部に沿って延在し、前記樹脂シートの両端部またはその近傍を接合した接合部からなる弱シール部と、前記筒状体の長手方向の両端部の近傍において前記弱シール部および前記筒状体の一方向と垂直方向に延在するとともに、前記樹脂シートの表面から、前記樹脂シートの厚さ方向に凹む切込と、を有する[1]~[3]のいずれかに記載の容器入り接着剤。
[6]前記第1剤および/または前記第2剤が着色剤を含む[1]~[5]のいずれかに記載の容器入り接着剤。
[7]海綿状の担持体と、該担持体に含浸された接着剤と、を備え、前記接着剤は、第1剤と第2剤からなる二液混合型接着剤である接着シート。
[8]第1の構造体と、第2の構造体と、前記第1の構造体と前記第2の構造体の間に介在する接着シートと、を備え、前記接着シートは[7]に記載の接着シートであり、前記接着シートで前記第1の構造体と前記第2の構造体が接着された積層体。
[9]第1の内空間および該第1の内空間と外部空間を連通する開閉可能な第1の開口部を有する第1の袋体と、第2の内空間および該第2の内空間と外部空間を連通する開閉可能な第2の開口部を有する第2の袋体と、前記第1の内空間内に収容された海綿状の担持体と、前記担持体に含浸された第1剤と、前記第2の袋体内に収容された第2剤と、を備えることを特徴とする容器入り接着剤。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効率的かつ十分に第1剤と第2剤を混合することができる容器入り接着剤、接着シート、および接着シートを備えた積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
【
図2】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示し、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
【
図3】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
【
図4】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示し、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
【
図5】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示し、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
【
図6】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示し、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
【
図7】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示し、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
【
図8】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示し、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
【
図9】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
【
図10】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
【
図11】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示す平面図であり、(a)は第1の袋体を示し、(b)は第2の袋体を示す。
【
図12】本発明を適用した一実施形態である接着シートの概略構成を示す断面図である。
【
図13】本発明を適用した一実施形態である積層体の概略構成を示す断面図である。
【
図14】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
【
図15】本発明を適用した一実施形態である容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の容器入り接着剤、接着シート、積層体の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0018】
[容器入り接着剤]
(1)第1の実施形態
以下、
図1~
図3を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図1は、本実施形態の容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
図2は、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図3は、本実施形態の容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。
本実施形態の容器入り接着剤1は、第1の袋体10と、第2の袋体20と、担持体30と、第1剤40と、第2剤50とを備える。
【0019】
第1の袋体10は、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12から構成されている。第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12は、それぞれの縁部で接合され、接合部13を形成している。
【0020】
図1に示すように、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の接合部13は、接合部13A、接合部13Bおよび接合部13Cからなる。
接合部13Aは、第1の袋体10(第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12)の幅方向(短手方向)の両縁部(両端部)をなす強シール部である。接合部13Bは、第1の袋体10(第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12)の長さ方向(長手方向)の一方の縁部(端部)近傍に形成された弱シール部である。接合部13Cは、第1の袋体10(第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12)の長さ方向(長手方向)の他方の縁部(端部)をなす強シール部である。強シール部である接合部13A、接合部13Cは、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が強固に接合され、第1の袋体10を押圧したり、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を互いに離間する方向に引っ張ったりすることによって破断(剥離)困難である。弱シール部である接合部13Bは、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が強固に接合されておらず、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を互いに離間する方向に引っ張ることによって破断(剥離)が容易である。なお、第1の袋体10(第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12)の長さ方向(長手方向)の一方の縁部(端部)は、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が接合されていない非接合部である。
【0021】
接合部13A、接合部13Bおよび接合部13Cを形成する方法は、特に限定されないが、例えば、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を、融着、超音波接合、接着剤等によって接合する方法が挙げられる。
【0022】
第1の袋体10は、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が、それぞれの縁部またはその近傍で接合されて形成されている。そのため、第1の袋体10は、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の間に形成される第1の内空間15を有する。
【0023】
第1の袋体10は、第1の袋体10の幅方向の両縁部をなす強シール部(接合部13A)に沿って、第1の袋体10の長手方向に延在するとともに、第1の袋体10の表面10a(第1の樹脂シート11の表面11a)から、第1の袋体10(第1の樹脂シート11)の厚さ方向に凹む切込(ミシン目)17を有する。また、第1の袋体10は、第1の袋体10の幅方向の両縁部をなす強シール部(接合部13A)に沿って、第1の袋体10の長手方向に延在するとともに、第1の袋体10の裏面10b(第2の樹脂シート12の表面12a)から、第1の袋体10(第2の樹脂シート12)の厚さ方向に凹む切込(ミシン目)17を有する。切込17は、第1の袋体10の長手方向の全長にわたって形成されている。例えば、第1の樹脂シート11を、第2の樹脂シート12から離間する方向に引っ張ると、第1の樹脂シート11の長手方向の一端を起点として、切込17に沿って、第1の樹脂シート11が、その長さ方向に破断するとともに、接合部13Bにて、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が剥離する。これにより、第1の内空間15から、内容物(第2の袋体20、担持体30等)を容易に取り出すことができる。また、第2の樹脂シート12を、第1の樹脂シート11から離間する方向に引っ張った場合には、第2の樹脂シート12の長手方向の一端を起点として、切込17に沿って、第2の樹脂シート12が、その長さ方向に破断するとともに、接合部13Bにて、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が剥離する。
なお、本発明の実施形態において切込17は形成しなくてもよい。切込17を形成することで、第1の袋体10の開封時に第1の樹脂シート11を切込17に沿って破断し易くし、第1の袋体10内の第1剤40および/または第2剤50を含浸した担持体30を取り出し易くすることができる。
【0024】
第2の袋体20は、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22から構成されている。第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22は、それぞれの縁部で接合され、接合部23を形成している。
【0025】
図1に示すように、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22の接合部23は、接合部23A、接合部23Bおよび接合部23Cからなる。
接合部23Aは、第2の袋体20(第3の樹脂シート21、第4の樹脂シート22)の幅方向(第1の袋体10の長さ方向に沿う方向)の両縁部(両端部)をなす強シール部である。接合部23Bは、第2の袋体20(第3の樹脂シート21、第4の樹脂シート22)の長さ方向(第1の袋体10の幅方向に沿う方向)の一方の縁部(端部)をなす弱シール部である。接合部23Cは、第2の袋体20(第3の樹脂シート21、第4の樹脂シート22)の長さ方向の他方の縁部(端部)をなす強シール部である。強シール部である接合部23A、接合部23Cは、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22が強固に接合され、第2の袋体20を押圧することによって破断(剥離)困難である。弱シール部である接合部23Bは、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22が強固に接合されておらず、第2の袋体20を押圧することによって破断(剥離)が容易である。
【0026】
接合部23A、接合部23Bおよび接合部23Cを形成する方法は、特に限定されないが、例えば、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22を、融着、超音波接合、接着剤等によって接合する方法が挙げられる。また、
図1では接合部23Aと接合部23Cを強シール部とし、接合部23Bを弱シールとしているが、袋体20を押圧することによって袋体20の一部が破断し第2剤が流出するように、接合部23A、接合部23Bおよび接合部23Cは適宜強シールと弱シールを使い分けることができ、接合部23Aの一辺を強シールとし、他辺(反対側)を弱シールとしてもよい。
【0027】
第2の袋体20は、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22が、それぞれの縁部で接合されて形成されている。そのため、第2の袋体20は、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22の間に形成される第2の内空間25を有する。
【0028】
図1および
図2に示すように、第1の袋体10の第1の内空間15内において、担持体30と第2の袋体20が重なっている。このようにすれば、第2の袋体20を押圧することにより、弱シール部である接合部23Bを破断して、第1の袋体10内に収容されている第2剤50を、担持体30全体に展開(拡散)し易くなる。従って、第2剤50と、担持体30に含浸されている第1剤40とを、効率的かつ均一に混合することができる。
【0029】
図1および
図2に示すように、第1の袋体10の第1の内空間15内において、担持体30上に第2の袋体20の接合部23B(弱シール部)が配置されている。このようにすれば、第2の袋体20を押圧することにより、弱シール部である接合部23Bを破断して、第1の袋体10内に収容されている第2剤50を、担持体30全体に展開(拡散)し易くなる。従って、第2剤50と、担持体30に含浸されている第1剤40とを、効率的かつ均一に混合することができる。
【0030】
図2に示すように、第2の袋体20が第1の袋体10に固定されている。詳細には、第2の袋体20の接合部23Cが、第1の袋体10の第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の間に挟持されて、第1の袋体10の接合部13Cと第2の袋体20の接合部23Cが接合されている。これにより、第1の袋体10と第2の袋体20が一体にシールされている。第1の袋体10と第2の袋体20が一体にシールされていることより、次のような効果が得られる。後述するように、第1の内空間15内にて、担持体30に含浸されている第1剤40と第2の袋体20に収容されている第2剤50を混合した後、接合部13B側から第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離した際に、第1の袋体10内から第2の袋体20が脱落することがない。従って、作業者や施工現場が接着剤によって汚れることを防止することができる。
【0031】
担持体30は、海綿状の部材からなり、第1の袋体10の第1の内空間15内に配置されている。
【0032】
図3に示すように、担持体30は、担持体30の厚さ方向に貫通する貫通穴32を有していてもよい。このようにすれば、第2剤50が担持体30内に浸入し易くなり、第2剤50と、担持体30に含浸されている第1剤40とを、均一に混合することができる。
【0033】
容器入り接着剤1は、少なくとも第1剤(接着性第1剤)40と第2剤50とを有する二液混合型接着剤を備える。
第1剤40は、第1の袋体10の第1の内空間15内に収容され、担持体30に含浸されている。担持体30には、予め所定量の第1剤40が含浸されている。
【0034】
第2剤50は、第2の袋体20の内空間25内に収容されている。第2の袋体20の内空間25内には、担持体30に含浸されている第1剤40の量に応じて、予め所定量の第2剤50が収容されている。
【0035】
第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12、第3の樹脂シート21および第4の樹脂シート22の材料としては、二液混合型接着剤に対する耐性を有し、融着、超音波接合、接着剤等の方法によって容易に第1の袋体10や第2の袋体20を形成することができるものであれば、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸で変性した変性ポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体;エチレン-アクリル酸共重合体;エチレン-メタクリル酸メチル共重合体;エチレン-プロピレン共重合体;ABS樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、二液混合型接着剤に対する耐性とは、二液混合型接着剤(第1剤40、第2剤50)によって、劣化しない程度の耐久性のことである。
第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12、第3の樹脂シート21および第4の樹脂シート22の材料は一部または全部が透明性を有することが、二液混合型接着剤の混合視認性の観点から好ましく、特に第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12については透明性を有するシートを用いることが好ましい。
なお、本明細書において「透明」とは、外部から内部の色調を視認できる程度の透明度をいう。
【0036】
第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12、第3の樹脂シート21および第4の樹脂シート22が透明性を有する材料からなる場合、第1の袋体10と第2の袋体20を透明にすることができる。第1の袋体10が透明であれば、第1剤40と第2剤50を混合する場合、それらの混合度合いを目視により確認することができる。また、第2の袋体20の第3の樹脂シート21が透明であれば、第1剤40と第2剤50を混合する場合、第2の袋体20内における第2剤50の残留分の有無や、それらの混合度合いを目視により確認することができる。なお、本実施形態の容器入り接着剤1では、少なくとも第1の袋体10が透明であれば、第1剤40と第2剤50の混合度合いを目視により確認することができる。
【0037】
担持体30は、海綿状の部材であるが、例えば、粘弾性フォームからなるシート状の部材であることが好ましく、例えばスポンジやフェルト、立体編物、網状構造体等が挙げられる。粘弾性フォームとは、スポンジのように弾性を有するとともに、多数の小さな孔(空隙、空間)を有する多孔質のフォーム(発泡体)のことである。また、粘弾性フォームの多孔度(空隙率、空間率)、すなわち、単位体積当たりに占める孔の割合(体積%)は、特に限定されず、二液混合型接着剤の粘度等に応じて適宜調整される。フェルトは化学繊維をシート状にした部材で空隙、空間を有する。単位面積当たりの空隙の割合は特に限定されず、二液混合型接着剤の粘度等に応じて適宜調整される。立体編み物は表裏二層の編地と該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸とから構成される。単位面積当たりの空隙の割合は特に限定されず、二液混合型接着剤の粘度等に応じて適宜調整される。網状構造体は、連続線状体からなる三次元ランダムループ接合構造を持つ網状構造体である。単位面積当たりの空隙の割合は特に限定されず、二液混合型接着剤の粘度等に応じて適宜調整される。
【0038】
担持体30の材料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、EPラバー、EPDM、ニトリルゴム、ポリウレタン樹脂、フッ素ゴム、各種熱可塑性エラストマーポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のラテックス、ダイエルラテックス、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレン-ポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂等が挙げられる。
【0039】
担持体30の厚さは、特に限定されないが、例えば、1mm~20mmであることが好ましく、5mm~15mmであることがより好ましい。
【0040】
二液混合型接着剤としては、従来公知のものを用いることができ特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、変成シリコーン樹脂系接着剤、ポリエステル系接着剤等が挙げられる。これらの中でも、第1剤40と第2剤50が十分に混合されていなかった場合であってもラジカル重合が進行するため、ラジカル重合型の接着剤であるアクリル樹脂系接着剤やポリエステル系接着剤が好ましい。
【0041】
第1剤40および/または第2剤50は、顔料や染料等の着色剤を含むことが好ましい。
着色剤は第1剤または第2剤のどちらか一方に添加してもよく、両方に添加してもよいが、第1剤40が着色剤を含む場合、第2剤50またはこれに含まれる着色剤の色調と異なる色調のものであることが好ましく、他の色調の着色剤と混合すると、変色する(異なる色調になる)ものがより好ましい。
着色剤を含有することで、第1剤40と第2剤50の混合度合いが十分であるか否かを容易に確認することができる。従って、第1剤40と第2剤50の混合が不十分であることに起因する二液混合型接着剤の硬化不良を防止することができる。
【0042】
次に、本実施形態の容器入り接着剤1の使用方法を説明する。
先ず、第1の袋体10および第2の袋体20を押圧して、第2の袋体20の弱シール部である接合部23Bを破断する。これにより、第2の袋体20の内空間25と第1の袋体10内空間15が連通する。すると、第2の袋体20の内空間25内から第1の袋体10内空間15内へ第2剤50が移動する。
【0043】
次いで、第1の袋体10の外側から、内空間15内に収容された担持体30を握り潰すことにより、第1剤40と第2剤50を十分に混合する。なお、担持体30は、握り潰すと一旦変形して、第1剤40と第2剤50を放出するが、力を解放する(握り潰すのを止める)と、元の形に復元するとともに、第1剤40と第2剤50を吸収(含浸)する。このように、担持体30による第1剤40および第2剤50の吸収(含浸)と放出を繰り返すことにより、第1剤40と第2剤50を十分に混合することができる。
【0044】
次いで、例えば、第1の袋体10の長さ方向の一方の縁部(端部)にて、第1の樹脂シート11を、第2の樹脂シート12から離間する方向に引っ張ることにより、第2の樹脂シート12の長手方向の一端を起点として、切込17に沿って、第1の樹脂シート11を、その長さ方向に破断するとともに、接合部13Bにて、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離する。これにより、第1の袋体10を開封する。
【0045】
次いで、第1の袋体10から、十分に混合された第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を取り出す。この際、第2の袋体20は、第1の袋体10と一体化されているため、第1の袋体10内から第2の袋体20が脱落することがない。従って、作業者や施工現場が接着剤によって汚れることを防止することができる。
【0046】
次いで、その担持体30を、接着対象の構造体等の接着面に貼着する。
【0047】
次いで、担持体30における前記の接着面と接していない面に他の構造体等の接着面を貼着して、第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を介して、2つの構造体を接着する。
なお、担持体30に含浸した第1剤40は、第2剤50と混合されているため、硬化反応が進行する。従って、時間の経過に伴って、2つの構造体が強固に接着される。
【0048】
本実施形態の容器入り接着剤1によれば、第1の袋体10の第1の内空間15内に設けられた第2の内空間25を有する第2の袋体20が、押圧することによって破断可能な接合部(弱シール部)23Bを有するため、第1の袋体10および第2の袋体20を押圧することにより接合部23Bを破断して、作業者の手を汚すことなく、効率的かつ十分に第1剤40と第2剤50を混合することができる。
【0049】
また、本実施形態の容器入り接着剤1によれば、担持体30に予め所定量の第1剤40が含浸され、第2の袋体20の内空間25内に予め所定量の第2剤50が収容されているため、作業者が接着剤を量り取る作業が不要であるとともに、作業者が接着剤量を間違えることを防止できる。
【0050】
また、本実施形態の容器入り接着剤1によれば、第1の袋体10と第2の袋体20を押圧することによって、第1剤40と第2剤50を混合することができるため、混合のために容器入り接着剤1以外の副資材(例えば、上記のガン等)が不要となる。
【0051】
また、本実施形態の容器入り接着剤1によれば、担持体30は海綿状の部材であるため、混合された第1剤40と第2剤50を含浸した状態であっても、接着対象の構造体等の接着面の不陸に追従して容易に変形し、その不陸を緩和しながら、その接着面に担持体30を貼着することができる。
【0052】
(2)第2の実施形態
以下、
図1および
図4を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図4は、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。なお、本実施形態の容器入り接着剤100では、第1の実施形態における容器入り接着剤の構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0053】
本実施形態の容器入り接着剤100では、第2の袋体20の長さ方向の他方の縁部(端部)において、第4の樹脂シート22が接合部23Cよりも第2の袋体20の長さ方向に延出している。すなわち、第2の袋体20の長さ方向の他方の縁部(端部)において、第4の樹脂シート22が接合部23Cを基点として、第2の袋体20の長さ方向に第3の樹脂シート21よりも長くなっている。そして、その第4の樹脂シート22の延出している部分(以下、「延出部」と言う。)22aが、第1の袋体10の第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の間に挟持されて、第1の袋体10と第2の袋体20が一体にシールされている。
【0054】
本実施形態の容器入り接着剤100によれば、第4の樹脂シート22の延出部22aが、第1の袋体10の第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の間に挟持されて、第1の袋体10と第2の袋体20が一体にシールされているため、混合された第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を取り出すために、接合部13B側から第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離した際に、第1の袋体10内から第2の袋体20が脱落することがない。従って、作業者や施工現場が接着剤によって汚れることを防止することができる。
【0055】
(3)第3の実施形態
以下、
図1および
図5を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図5は、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。なお、本実施形態の容器入り接着剤100では、第1の実施形態における容器入り接着剤の構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の容器入り接着剤200は、第1の袋体10に対する第2の袋体20の接合構造が第1の実施形態と異なっている。
【0056】
本実施形態の容器入り接着剤200では、第2の袋体20が第1の袋体10の第1の樹脂シート11の裏面11cに、接着剤210を介して固定されている。詳細には、第3の樹脂シート21の表面21aに設けられた接着剤210を介して、第3の樹脂シート21(第2の袋体20)が第1の袋体10の第1の樹脂シート11の裏面11cに固定されている。
【0057】
接着剤210としては、二液混合型接着剤(第1剤40、第2剤50)によって劣化しない程度の耐久性を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、ホットメルト系接着剤等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0058】
本実施形態の容器入り接着剤200によれば、第2の袋体20が接着剤210を介して第1の袋体10に固定されているため、混合された第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を取り出すために、接合部13B側から第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離した際に、第1の袋体10内から第2の袋体20が脱落することがない。従って、作業者や施工現場が接着剤によって汚れることを防止することができる。
【0059】
(4)第4の実施形態
以下、
図1および
図6を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図6は、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。なお、本実施形態の容器入り接着剤100では、第1の実施形態における容器入り接着剤の構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の容器入り接着剤300は、第1の袋体10に対する第2の袋体20の接合構造が第1の実施形態と異なっている。
【0060】
本実施形態の容器入り接着剤300では、第2の袋体20の長さ方向の他方の縁部(端部)において、第3の樹脂シート21と第4の樹脂シート22の接合部23Cが第2の袋体20の長さ方向に延出している。そして、接合部23Cの端部が第1の袋体10の第1の樹脂シート11の裏面11cに固定されている。これにより、第2の袋体20が第1の袋体10に固定されている。
【0061】
接合部23Cの端部を第1の樹脂シート11の裏面11cに固定する方法は、特に限定されないが、例えば、第1の樹脂シート11と接合部23Cを、融着、超音波接合、接着剤等によって接合する方法が挙げられる。
【0062】
本実施形態の容器入り接着剤300によれば、第2の袋体20が、接合部23Cにて、第1の袋体10に固定されているため、混合された第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を取り出すために、接合部13B側から第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離した際に、第1の袋体10内から第2の袋体20が脱落することがない。従って、作業者や施工現場が接着剤によって汚れることを防止することができる。
【0063】
(5)第5の実施形態
以下、
図1および
図7を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図7は、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。なお、本実施形態の容器入り接着剤100では、第1の実施形態における容器入り接着剤の構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の容器入り接着剤400は、第2の袋体20の構造が第1の実施形態と異なっている。
【0064】
第2の袋体20は、第1の袋体10の第1の樹脂シート11と第5の樹脂シート27から構成されている。第5の樹脂シート27の縁部は、第1の樹脂シート11の裏面11cに接合され、接合部23を形成している。
図1に示すように、第1の樹脂シート11と第5の樹脂シート27の接合部23は、接合部23A,接合部23Bおよび接合部23Cからなる。
接合部23Aは、第2の袋体20(第1の樹脂シート11、第5の樹脂シート27)の幅方向(第1の袋体10の長さ方向に沿う方向)の両縁部(両端部)をなす強シール部である。接合部23Bは、第2の袋体20(第1の樹脂シート11、第5の樹脂シート27)の長さ方向(第1の袋体10の幅方向に沿う方向)の一方の縁部(端部)をなす弱シール部である。接合部23Cは、第2の袋体20(第1の樹脂シート11、第5の樹脂シート27)の長さ方向の他方の縁部(端部)をなす強シール部である。強シール部である接合部23A、接合部23Cは、第1の樹脂シート11と第5の樹脂シート27が強固に接合され、第2の袋体20を押圧することによって破断(剥離)困難である。弱シール部である接合部23Bは、第1の樹脂シート11と第5の樹脂シート27が強固に接合されておらず、第2の袋体20を押圧することによって破断(剥離)が容易である。
【0065】
第5の樹脂シート27の縁部が、第1の樹脂シート11の裏面11aに接合されている。そのため、第2の袋体20は、第1の樹脂シート11と第5の樹脂シート27の間に形成される第2の内空間25を有する。
【0066】
図7に示すように、第2の袋体20が第1の袋体10に固定されている。詳細には、接合部23Cを形成する第5の樹脂シート27の長さ方向の縁部(端部)が、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の間に挟持されて、第1の袋体10の接合部13Cと第2の袋体20の接合部23Cが接合されている。これにより、第1の袋体10と第2の袋体20が一体にシールされている。
【0067】
本実施形態の容器入り接着剤400によれば、接合部23Cを形成する第5の樹脂シート27の長さ方向の縁部(端部)が、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の間に挟持され、第2の袋体20が第1の袋体10に固定されているため、混合された第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を取り出すために、接合部13B側から第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離した際に、第1の袋体10内から第2の袋体20が脱落することがない。従って、作業者や施工現場が接着剤によって汚れることを防止することができる。また、第2の袋体20を、第1の袋体10の第1の樹脂シート11と第5の樹脂シート27によって形成するため、容器入り接着剤400の構成を簡略化することができる。
【0068】
(6)第6の実施形態
以下、
図1および
図8を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図8は、
図1におけるA-A線に沿う断面図である。なお、本実施形態の容器入り接着剤100では、第1の実施形態における容器入り接着剤の構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の容器入り接着剤500は、第2の袋体20の構造が第1の実施形態と異なっている。
【0069】
図8に示すように、第2の袋体20が第1の袋体10に固定されている。詳細には、接合部23を形成する第5の樹脂シート27の縁部(端部)の全てが、第1の樹脂シート11の裏面11cに接合されている。これにより、第1の袋体10と第2の袋体20が一体にシールされている。
【0070】
本実施形態の容器入り接着剤500によれば、第5の樹脂シート27の縁部(端部)の全てが、第1の樹脂シート11の裏面11cに接合され、第2の袋体20が第1の袋体10に固定されているため、混合された第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を取り出すために、接合部13B側から第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離した際に、第1の袋体10内から第2の袋体20が脱落することがない。従って、作業者や施工現場が接着剤によって汚れることを防止することができる。また、第2の袋体20を、第1の袋体10の第1の樹脂シート11と第5の樹脂シート27によって形成するため、容器入り接着剤500の構成を簡略化することができる。
【0071】
<他の実施形態>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0072】
例えば、
図9および
図10に示すような変形例の容器入り接着剤600を採用してもよい。なお、変形例の容器入り接着剤600では、前記実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0073】
本変形例の容器入り接着剤600は、第1の袋体610と、第2の袋体20と、担持体30と、第1剤40と、第2剤50とを備える。
【0074】
第1の袋体610は、第6の樹脂シート620からなる筒状体630である。
筒状体630は、弱シール部640と、切込650と、強シール部660と、を有する。
【0075】
弱シール部640は、筒状体630の一方向(
図9、
図10では長手方向)の中央部に沿って延在し、第6の樹脂シート620の幅方向の両端部の近傍を接合した接合部からなる。また、弱シール部640の外側には、弱シール部640に連接する非接合部641が設けられている。非接合部641は、第6の樹脂シート620の幅方向の両端部において、第6の樹脂シート620が互いに接合されていない部分である。さらに、非接合部641には、切込650に接する切欠642が形成されている。切欠642は、平面視三角形状をなし、その三角形の頂角が切込650に接している。なお、弱シール部640は、第6の樹脂シート620の幅方向の両端部接合した接合部であってもよい。また、弱シール部640および非接合部641は、筒状体630の幅方向の中央部に沿って延在していてもよい。
【0076】
切込650は、筒状体630の長手方向の両端部近傍において、弱シール部640および筒状体630の長手方向と垂直方向に延在するとともに、第6の樹脂シート620の表面から、第6の樹脂シート620の厚さ方向に凹むように形成されている。
【0077】
強シール部660は、筒状体630の長手方向において、切込650よりも外側に形成され、筒状体630の長手方向の両縁部をなしている。
【0078】
本実施形態の容器入り接着剤600では、
図10に示すように、第1の袋体610の長手方向の両端部近傍の一方において、切欠642を起点として、切込650に沿って、第1の袋体610の長手方向の両端部近傍の一方を破断(分離)する。次いで、第6の樹脂シート620の非接合部641同士を互いに離間する方向に引っ張ることにより、弱シール部640にて、第6の樹脂シート620が剥離する。これにより、第1の袋体610内から、混合された第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を容易に取り出すことができる。
【0079】
(7)第7の実施形態
以下、
図11を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図11は、本実施形態の容器入り接着剤の概略構成を示す平面図であり、(a)は第1の袋体を示し、(b)は第2の袋体を示す。
本実施形態の容器入り接着剤700は、第1の袋体710と、第2の袋体720と、担持体730と、第1剤740と、第2剤750とを備える。
【0080】
第1の袋体710は、2枚の樹脂シート711が、それぞれの縁部で接合されて形成されている。2枚の樹脂シート711は、それぞれの縁部で接合され、接合部713を形成している。また、第1の袋体710は、2枚の樹脂シート711の間に形成される第1の内空間715を有する。
【0081】
図11に示すように、2枚の樹脂シート711の接合部713は、接合部713A、接合部713Bおよび接合部713Cからなる。
接合部713Aは、第1の袋体710(樹脂シート711)の幅方向(短手方向)の両縁部(両端部)をなす強シール部である。接合部713Bは、第1の袋体710(樹脂シート711)の長さ方向(長手方向)の一方の縁部(端部)の近傍に形成された弱シール部であり、第1の内空間715と外部空間を連通する開閉可能な第1の開口部である。接合部713Cは、第1の袋体710(樹脂シート711)の長さ方向(長手方向)の他方の縁部(端部)をなす強シール部である。
【0082】
弱シール部である接合部713Bは、開閉可能な構造であれば特に限定されないが、例えば、レールファスナー、ある程度の長さを備えたグリップ等が挙げられる。
【0083】
第2の袋体720は、2枚の樹脂シート721が、それぞれの縁部で接合されて形成されている。2枚の樹脂シート721は、それぞれの縁部で接合され、接合部723を形成している。また、第2の袋体720は、2枚の樹脂シート721の間に形成される第2の内空間725を有する。
【0084】
図11に示すように、2枚の樹脂シート721の接合部723は、接合部723A、接合部723Bおよび接合部723Cからなる。
接合部723Aは、第2の袋体720(樹脂シート721)の幅方向(短手方向)の両縁部(両端部)をなす強シール部である。接合部723Bは、第2の袋体720(樹脂シート721)の長さ方向(長手方向)の一方の縁部(端部)をなす弱シール部であり、第2の内空間725と外部空間を連通する開閉可能な第2の開口部である。接合部723Cは、第2の袋体720(樹脂シート721)の長さ方向(長手方向)の他方の縁部(端部)をなす強シール部である。
【0085】
弱シール部である接合部723Bは、開閉可能な構造であれば特に限定されないが、例えば、レールファスナー、ある程度の長さを備えたグリップ等が挙げられる。
【0086】
第1剤740は、第1の袋体710の第1の内空間715内に収容され、担持体730に含浸されている。担持体730には、予め所定量の第1剤740が含浸されている。
【0087】
第2剤750は、第2の袋体720の内空間725内に収容されている。第2の袋体720の内空間725内には、担持体730に含浸されている第1剤740の量に応じて、予め所定量の第2剤750が収容されている。
【0088】
樹脂シート711、樹脂シート721の材料としては、第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12、第3の樹脂シート21および第4の樹脂シート22の材料と同様のものが挙げられる。
【0089】
担持体730としては、担持体30と同様のものが挙げられる。
【0090】
第1剤740としては、第1剤40と同様のものが挙げられる。
【0091】
第2剤750としては、第2剤50と同様のものが挙げられる。
【0092】
次に、本実施形態の容器入り接着剤700の使用方法を説明する。
まず、第1の袋体710の接合部713B(第1の開口部)を開口するとともに、第2の袋体720の接合部723B(第2の開口部)を開口する。
【0093】
次いで、第1剤740を含浸した担持体730を収容した第1の袋体710の第1の内空間715内に、第2の袋体720の第2の内空間725内の第2剤750を注入する。
【0094】
次いで、第1の袋体710の接合部713B(第1の開口部)を閉じてから、第1の袋体710の外側から、内空間715内に収容された担持体730を握り潰すことにより、第1剤740と第2剤750を十分に混合する。
【0095】
次いで、第1の袋体710の接合部713B(第1の開口部)を開口して、第1の袋体710から、十分に混合された第1剤740と第2剤750を含浸した担持体730を取り出す。
【0096】
次いで、その担持体730を、接着対象の構造体等の接着面に貼着する。
【0097】
本実施形態の容器入り接着剤700によれば、第1剤740を含浸した担持体730を収容した第1の袋体710の第1の内空間715内に、第2の袋体720の第2の内空間725内の第2剤750を注入し、第1の袋体710の接合部713Bを閉じた後、第1の袋体710の外側から担持体730を握り潰すことにより、作業者の手を汚すことなく、効率的かつ十分に第1剤740と第2剤750を混合することができる。
【0098】
[接着シート]
本実施形態の接着シートは、海綿状の担持体と、該担持体に含浸された接着剤と、を備え、前記接着剤は、第1剤と第2剤からなる二液混合型接着剤である。
【0099】
図12は、本実施形態の接着シートの概略構成を示す断面図である。なお、本実施形態の接着シート800では、前記実施形態における容器入り接着剤の構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の接着シート800は、担持体30と、担持体30に含浸された二液混合型接着剤810とを備える。
【0100】
二液混合型接着剤810は、上記の第1剤40と第2剤50から構成される。
【0101】
本実施形態の接着シート800によれば、担持体30と、担持体30に含浸された二液混合型接着剤810とを備えるため、接着対象の構造体等の接着面の不陸に追従して容易に変形し、その不陸を緩和しながら、その接着面に接着シート800を貼着することができる。
【0102】
[積層体]
本実施形態の積層体は、第1の構造体と、第2の構造体と、前記第1の構造体と前記第2の構造体の間に介在する接着シートと、を備え、前記接着シートは前記実施形態における接着シートであり、前記接着シートで前記第1の構造体と前記第2の構造体が接着されたものである。
【0103】
図13は、本実施形態の積層体の概略構成を示す断面図である。なお、本実施形態の積層体900では、前記実施形態における接着シートの構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の積層体900は、第1の構造体910と、第2の構造体920と、第1の構造体910と第2の構造体920の間に介在する接着シート800とを備える。
【0104】
本実施形態の積層体900では、接着シート800で第1の構造体910と第2の構造体920が接着されている。
【0105】
第1の構造体910および第2の構造体920としては、接着シート800で接着(接合)可能なものであれば特に限定されないが、例えば、コンクリート橋脚、コンクリートブロック等のコンクリート構造体、鉄骨等の鉄鋼からなる構造体、木板、木柱等の木材からなる構造体等が挙げられる。
なお、本実施形態の接着シート800は、水平面への施工だけなく、垂直面に対しても施工が可能である。
【0106】
接着シート800は、位置ずれを防止するために、第1の構造体910または第2の構造体920に対して、アンカーボルトで固定してもよい。
【0107】
本実施形態の積層体900によれば、第1の構造体910と第2の構造体920の間に接着シート800が介在し、接着シート800で第1の構造体910と第2の構造体920が接着されているため、第1の構造体910の接着面910aや第2の構造体920の接着面920aが不陸であっても、その不陸を緩和しながら、第1の構造体910と第2の構造体920を安定に接着することができる。また、第1の構造体910と第2の構造体920の間に接着シート800が介在しているため、接着シート800によって、第1の構造体910と第2の構造体920の間隔を一定に保つことができる。
【0108】
(8)第8の実施形態
以下、
図14および
図15を参照して、本実施形態の容器入り接着剤を説明する。
図14および
図15は、本実施形態の容器入り接着剤の概略構成を示す平面図である。なお、本実施形態の容器入り接着剤1000では、第1の実施形態における容器入り接着剤の構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の容器入り接着剤1000は、第1の袋体1100と、第2の袋体20と、担持体30と、第1剤40と、第2剤50とを備える。
【0109】
第1の袋体1100は、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12から構成されている。第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12は、それぞれの縁部で接合され、接合部1200を形成している。
【0110】
接合部1200は、第1の袋体1100(第1の樹脂シート11、第2の樹脂シート12)の幅方向(短手方向)および長さ方向(長手方向)の縁部をなすシール部である。接合部1200のうち、第1の袋体1100の長さ方向(長手方向)の縁部をなすのは、弱シール部1200A,1200Bである。接合部1200のうち、第1の袋体1100の幅方向(短手方向)の縁部の一方をなすのは、弱シール部1200Cである。接合部1200のうち、第1の袋体1100の幅方向(短手方向)の縁部の他方をなすのは、強シール部1200Dである。
【0111】
接合部1200を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を、融着、超音波接合、接着剤等によって接合する方法が挙げられる。
【0112】
第1の袋体1100は、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が、それぞれの縁部で接合されて形成されている。そのため、第1の袋体1100は、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12の間に形成される第1の内空間1300を有する。
【0113】
本実施形態の容器入り接着剤1000の使用方法を説明する。
第1の実施形態と同様にして、第1剤40と第2剤50を十分に混合する。
【0114】
次いで、例えば、第1の袋体1100の長さ方向の一方の縁部(端部、弱シール部1200C)にて、第1の樹脂シート11を、第2の樹脂シート12から離間する方向に引っ張ることにより、
図15に示すように、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12を剥離する。これにより、第1の袋体10を開封する。
【0115】
以下、第1の実施形態と同様にして、第1剤40と第2剤50を含浸した担持体30を、第1の袋体1100内から取り出して、接着対象の構造体等の接着面に貼着する。
【0116】
本実施形態の容器入り接着剤1によれば、第1の樹脂シート11と第2の樹脂シート12が強シール部である接合部1200にて接合された第1の袋体1100の第1の内空間1300内に、第2の袋体20と担持体30が設けられているため、第1の袋体1100および第2の袋体20を押圧することにより、第1の袋体1100の第1の内空間1300内にて、接合部23Bを破断して、作業者の手を汚すことなく、効率的かつ十分に第1剤40と第2剤50を混合することができる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の容器入り接着剤は、作業者が施工現場にて、効率的かつ十分に、二液混合型接着剤の第1剤と第2剤を混合することができるため、二液混合型接着剤を用いた構造体の接着工程を効率的に行うことができる。従って、本発明の容器入り接着剤は、接着工程のコストを低減することができる。
【符号の説明】
【0118】
1,100,200,300,400,500,600,700,1000 容器入り接着剤
10,610,710,1100 第1の袋体
11 第1の樹脂シート
12 第2の樹脂シート
13,1200 接合部
15,715,1300 第1の内空間
17,650 切込
20,720 第2の袋体
21 第3の樹脂シート
22 第4の樹脂シート
23,713,723 接合部
25,725 第2の内空間
27 第5の樹脂シート
30,730 担持体
32 貫通穴
40,740 第1剤
50,750 第2剤
210 接着剤
620 第6の樹脂シート
630 筒状体
640 弱シール部
641 非接合部
642 切欠
660 強シール部
711,721 樹脂シート
800 接着シート
810 二液混合型接着剤
900 積層体
910 第1の構造体
920 第2の構造体