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特許7447501画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240305BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H04N1/04 106A
G03B27/62
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020009742
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2021118412
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】大内 啓
(72)【発明者】
【氏名】戸所 竜太郎
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-124319(JP,A)
【文献】特開平11-125872(JP,A)
【文献】特開2008-258571(JP,A)
【文献】特開2012-222810(JP,A)
【文献】特開平11-205546(JP,A)
【文献】特開2015-171033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024- 1/207
G06T 1/00
G03B 27/50 -27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される原稿載置面を有する透光部材と、
前記透光部材の下側において前記原稿載置面に沿って移動可能に設けられ、前記原稿載置面に載置された原稿に光を射出する光射出部と、
前記光射出部から射出されて前記原稿載置面に載置された原稿で反射された光を受光可能に設けられ、受光した光に応じた電荷を生成する光電変換部と、
前記光射出部を移動させるとともに前記光射出部から予め定められた第1光量の光を射出させ、予め定められた第1間隔で前記光電変換部によって生成された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿の画像を読み取る読取処理部と、
前記光射出部から前記第1光量よりも多い第2光量の光を射出させ、前記第1間隔よりも短い第2間隔で前記光電変換部によって生成された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿のサイズを検出する検出処理部と、
を備え
前記第2間隔は、前記第1間隔に、前記第2光量に対する前記第1光量の割合を乗算することによって取得される間隔である画像読取装置。
【請求項2】
前記光射出部は、赤の光を射出する第1光源、緑の光を射出する第2光源、及び青の光を射出する第3光源を含み、
前記読取処理部は、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第3光源を順次点灯させ、
前記検出処理部は、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第3光源のうち少なくとも2つの光源を同時に点灯させる、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記光射出部は、赤の光を射出する第1光源、緑の光を射出する第2光源、青の光を射出する第3光源、並びに前記第1光源、前記第2光源、及び前記第3光源よりも発光光量が多い第4光源を含み、
前記読取処理部は、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第3光源を順次点灯させ、
前記検出処理部は、前記第4光源を点灯させる、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第4光源は、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第3光源と一体に設けられる、
請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られた画像をシートに形成可能な画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【請求項6】
原稿が載置される原稿載置面を有する透光部材と、前記透光部材の下側において前記原稿載置面に沿って移動可能に設けられ、前記原稿載置面に載置された原稿に光を射出する光射出部と、前記光射出部から射出されて前記原稿載置面に載置された原稿で反射された光を受光可能に設けられ、受光した光に応じた電荷を生成する光電変換部と、を備える画像読取装置で実行される原稿サイズ検出方法であって、
前記光射出部を移動させるとともに前記光射出部から予め定められた第1光量の光を射出させ、予め定められた第1間隔で前記光電変換部によって生成された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿の画像を読み取る読取ステップと、
前記光射出部から前記第1光量よりも多い第2光量の光を射出させ、前記第1間隔よりも短い第2間隔で前記光電変換部によって生成された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿のサイズを検出する検出ステップと、
を含み、
前記第2間隔は、前記第1間隔に、前記第2光量に対する前記第1光量の割合を乗算することによって取得される間隔である原稿サイズ検出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取装置を備える画像形成装置、及び原稿サイズ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトガラスのような透光部材に載置された原稿のサイズを検出可能な画像読取装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、この種の画像読取装置では、原稿カバーが閉じられる直前に前記透光部材に載置された原稿から画像が読み取られ、読み取られた画像に基づいて当該原稿のサイズが検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-135330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記透光部材に載置された原稿からサイズ検出のための画像が読み取られる際に、当該透光部材における原稿によって覆われていない露出領域に太陽光や電灯などの外乱光が入射することがある。この場合、読み取られた画像において原稿領域と前記露出領域との境界が不明瞭となり、前記画像読取装置における原稿のサイズの検出精度が低下することがある。
【0005】
本発明の目的は、透光部材に入射する外乱光によって原稿のサイズの検出精度が低下することを抑制可能な画像読取装置、画像形成装置、及び原稿サイズ検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像読取装置は、透光部材と、光射出部と、光電変換部と、読取処理部と、検出処理部とを備える。前記透光部材は、原稿が載置される原稿載置面を有する。前記光射出部は、前記透光部材の下側において前記原稿載置面に沿って移動可能に設けられ、前記原稿載置面に載置された原稿に光を射出する。前記光電変換部は、前記光射出部から射出されて前記原稿載置面に載置された原稿で反射された光を受光可能に設けられ、受光した光に応じた電荷を生成する。前記読取処理部は、前記光射出部を移動させるとともに前記光射出部から予め定められた第1光量の光を射出させ、予め定められた第1間隔で前記光電変換部によって生成された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿の画像を読み取る。前記検出処理部は、前記光射出部から前記第1光量よりも多い第2光量の光を射出させ、前記第1間隔よりも短い第2間隔で前記光電変換部によって生成された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿のサイズを検出する。
【0007】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記画像読取装置と、画像形成部とを備える。前記画像形成部は、前記画像読取装置によって読み取られた画像をシートに形成可能である。
【0008】
本発明の他の局面に係る原稿サイズ検出方法は、原稿が載置される原稿載置面を有する透光部材と、前記透光部材の下側において前記原稿載置面に沿って移動可能に設けられ、前記原稿載置面に載置された原稿に光を射出する光射出部と、前記光射出部から射出されて前記原稿載置面に載置された原稿で反射された光を受光可能に設けられ、受光した光に応じた電荷を生成する光電変換部と、を備える画像読取装置で実行され、以下の読取ステップと、検出ステップとを含む。前記読取ステップでは、前記光射出部が移動されるとともに前記光射出部から予め定められた第1光量の光が射出され、予め定められた第1間隔で前記光電変換部によって生成された電荷が読み出され、読み出された電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿の画像が読み取られる。前記検出ステップでは、前記光射出部から前記第1光量よりも多い第2光量の光が射出され、前記第1間隔よりも短い第2間隔で前記光電変換部によって生成された電荷が読み出され、読み出された電荷に基づいて前記原稿載置面に載置された原稿のサイズが検出される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、透光部材に入射する外乱光によって原稿のサイズの検出精度が低下することを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のADF及び画像読取部の構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のADF及び画像読取部の構成を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の光源部の構成を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される読取制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の光源部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置10の構成]
まず、図1図5を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。ここで、図1は画像形成装置10の構成を示す断面図である。また、図3はADF1、及び画像読取部2の構成を示す断面図である。また、図4はADF1が開かれた状態を示す斜視図である。また、図5は光源部221Aの構成を示す図である。
【0013】
なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、図1に示される画像形成装置10の紙面手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0014】
画像形成装置10は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能と共に、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は、ADF(オートドキュメントフィーダー)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、及び記憶部7を備える。
【0015】
ADF1は、画像読取部2による読取対象の原稿を搬送する。図1、及び図3に示されるように、ADF1は、原稿載置部11、複数の搬送ローラー12、原稿ガイド13、及び排紙部14を備える。ADF1では、原稿載置部11から一枚ずつ原稿が取り出され、取り出された原稿が画像読取部2による画像の読取位置P1(図3参照)を経由して排紙部14へ搬送される。
【0016】
画像読取部2は、原稿から画像データを読み取ることが可能である。具体的に、画像読取部2は、CIS(コンタクトイメージセンサー)方式で、原稿から画像データを読み取ることが可能である。図1図4に示されるように、画像読取部2は、筐体21、読取ユニット22、及び駆動部23を備える。
【0017】
筐体21は、画像読取部2の構成要素を収容する。図4に示されるように、筐体21は扁平な箱型状に形成されている。筐体21の上面の中央部には、矩形状の開口部21Aが設けられている。開口部21Aは、開口部21Aの下側に取り付けられたコンタクトガラス211によって閉塞されている。コンタクトガラス211における開口部21Aから露出する露出領域は、読取対象の原稿が載置される原稿載置面211A(図3参照)として用いられる。ここに、コンタクトガラス211が、本発明における透光部材の一例である。
【0018】
図4に示されるように、筐体21の上面には、ADF1が原稿載置面211Aに対して開閉可能に取り付けられている。これにより、ADF1は、原稿載置面211Aに載置される原稿に対する原稿カバーとして機能する。
【0019】
図4に示されるように、筐体21の上面には開閉センサー212が設けられている。開閉センサー212は、ADF1の開状態と閉状態との間の状態遷移を検出する。例えば、開閉センサー212は、反射型の光センサーである。
【0020】
読取ユニット22は、原稿からの画像データの読取に用いられる。図3に示されるように、読取ユニット22はコンタクトガラス211の下側に設けられる。図3に示されるように、読取ユニット22は、光射出部221、レンズ222、及びイメージセンサー223を備える。
【0021】
光射出部221は、原稿載置面211Aに載置された原稿に光を射出する。例えば、光射出部221は、原稿載置面211Aに平行な主走査方向D4(図4参照)に沿って並ぶ複数の光源部221A(図3参照)により構成される。光源部221Aは、複数の色の光を選択的に発光可能な発光デバイスである。図5に示されるように、光源部221Aは、赤色の光を射出する第1光源221B、緑色の光を射出する第2光源221C、及び青色の光を射出する第3光源221Dを含む。例えば、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dは発光ダイオードである。なお、光射出部221は、光源部221A、及び光源部221Aから射出される光を原稿載置面211Aに載置された原稿へ導く導光部材で構成されてもよい。
【0022】
レンズ222は、光射出部221から射出されて原稿で反射された光をイメージセンサー223のフォトダイオード223A(図3参照)に集光する。レンズ222は、主走査方向D4に長尺に形成される。例えば、レンズ222はロッドレンズアレイである。
【0023】
イメージセンサー223は、光射出部221から射出されて原稿で反射された光に基づく画像データを出力する。例えば、イメージセンサー223はCMOSイメージセンサーである。イメージセンサー223は、主走査方向D4に沿って並ぶ複数のフォトダイオード223A(図3参照)を含む。フォトダイオード223Aは、光射出部221から射出されて原稿で反射された光を受光可能に設けられ、受光した光に応じた電荷を生成する。イメージセンサー223では、予め設定された読み出し間隔ごとに、フォトダイオード223Aから当該フォトダイオード223Aによって生成された電荷がアナログの電気信号として読み出される。そして、読み出されたアナログの電気信号がデジタルの電気信号(画像データ)に変換されて制御部5に出力される。ここに、フォトダイオード223Aが、本発明における光電変換部の一例である。
【0024】
読取ユニット22は、筐体21により、原稿載置面211Aに平行であって主走査方向D4に直交する副走査方向D5(図3及び図4参照)に移動可能に支持されている。読取ユニット22は、駆動部23から供給される駆動力を受けて副走査方向D5に移動する。これにより、原稿載置面211Aにおける読取ユニット22による画像データの読取位置が副走査方向D5に移動する。
【0025】
駆動部23は、読取ユニット22が筐体21内を移動するための駆動力を生成する。例えば、駆動部23はステッピングモーターである。
【0026】
画像形成部3は、画像読取部2によって読み取られた画像データに基づいて、電子写真方式でシートに画像を形成することが可能である。画像形成部3は、感光体ドラム、帯電装置、光走査装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、及び排紙トレイを備える。なお、画像形成部3は、インクジェット方式などの他の画像形成方式により画像を形成するものであってもよい。
【0027】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。給紙部4は、給紙カセット、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。画像形成部3は、給紙部4から供給されるシートに、画像データに基づく画像を形成する。
【0028】
制御部5は、画像形成装置10を統括的に制御する。図2に示されるように、制御部5は、CPU5A、ROM5B、及びRAM5Cを備える。CPU5Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM5Bは、CPU5Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM5Cは、CPU5Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。また、制御部5は、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0029】
操作表示部6は、画像形成装置10のユーザーインターフェイスである。操作表示部6は、液晶ディスプレーなどの表示部、及び操作キー又はタッチパネルなどの操作部を備える。
【0030】
記憶部7は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部7は、フラッシュメモリー、及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリー、SSD(ソリッドステートドライブ)、並びにHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0031】
ところで、コンタクトガラス211に載置された原稿のサイズを検出可能な画像読取装置が知られている。具体的に、この画像読取装置では、ADF1が閉じられる直前にコンタクトガラス211に載置された原稿から画像データが読み取られ、読み取られた画像データに基づいて当該原稿のサイズが検出される。
【0032】
ここで、コンタクトガラス211に載置された原稿からサイズ検出のための画像データが読み取られる際に、コンタクトガラス211における原稿によって覆われていない露出領域に太陽光や電灯などの外乱光が入射することがある。この場合、読み取られた画像データにおいて原稿領域と当該露出領域との境界が不明瞭となり、原稿のサイズの検出精度が低下することがある。
【0033】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、コンタクトガラス211に入射する前記外乱光によって原稿のサイズの検出精度が低下することを抑制することが可能である。
【0034】
具体的に、制御部5のROM5Bには、CPU5Aに後述の読取制御処理(図6のフローチャート参照)を実行させるための読取制御プログラムが予め記憶されている。なお、前記読取制御プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部7にインストールされてもよい。
【0035】
そして、制御部5は、図2に示されるように、読取処理部51、及び検出処理部52を含む。具体的に、制御部5は、CPU5Aを用いてROM5Bに記憶されている前記読取制御プログラムを実行する。これにより、制御部5は、読取処理部51、及び検出処理部52として機能する。ここに、画像読取部2、及び制御部5を備える装置が、本発明における画像読取装置の一例である。なお、本発明は、スキャナー装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などの画像読取装置又は画像形成装置に適用可能である。
【0036】
読取処理部51は、画像読取部2を用いて、原稿載置面211Aに載置された原稿の画像を読み取る読取処理を実行する。
【0037】
具体的に、前記読取処理は、以下の第1制御処理、第2制御処理、及び格納処理を含む。
【0038】
前記第1制御処理は、読取ユニット22を移動させるとともに、光射出部221から予め定められた第1光量の光を射出させる処理である。具体的に、前記第1制御処理では、駆動部23の駆動が制御されて、読取ユニット22が副走査方向D5に予め定められた読取速度で移動される。また、前記第1制御処理では、読取ユニット22が原稿の1画素分の画像を読み取る読取期間、換言すると、読取ユニット22が1画素分の距離を移動する期間の間に、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dが順次点灯される。具体的に、前記第1制御処理では、前記読取期間の3分の1の第1間隔で発光光源が切り替えられる。これにより、読取対象の1画素分の画像にRGBの3色の光が順次照射される。そして、前記第1制御処理では、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dに供給される電力が制御されて、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dから前記第1光量の光が射出される。なお、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dの射出光量は、前記第1光量以下の範囲内で個別に設定されてもよい。
【0039】
前記第2制御処理は、前記第1間隔でフォトダイオード223Aによって生成された電荷を読み出す処理である。具体的に、制御部5は、イメージセンサー223に制御信号を入力して、前記読み出し間隔を前記第1間隔に設定する。例えば、制御部5は、クロック周期が前記第1間隔のクロック信号をイメージセンサー223に入力して、イメージセンサー223を前記クロック周期で動作させる。これにより、イメージセンサー223では、前記第1間隔でフォトダイオード223A各々から当該フォトダイオード223Aによって生成された電荷が読み出されて、読み出された電荷に基づく単色の画像データがRGBの順に出力される。
【0040】
前記格納処理は、イメージセンサー223から入力された画像データに予め定められた画像処理を実行して、当該画像処理後の画像データを記憶部7に格納する処理である。
【0041】
検出処理部52は、画像読取部2を用いて、原稿載置面211Aに載置された原稿のサイズを検出する検出処理を実行する。
【0042】
具体的に、前記検出処理は、以下の第3制御処理、第4制御処理、及び識別処理を含む。
【0043】
前記第3制御処理は、光射出部221から前記第1光量よりも多い第2光量の光を射出させる処理である。具体的に、前記第3制御処理では、第1光源221B、及び第2光源221Cが同時に点灯される。また、前記第3制御処理では、第1光源221B、及び第2光源221Cに供給される電力が制御されて、第1光源221B、及び第2光源221Cから前記第1光量の光が射出される。つまり、前記第2光量は、前記第1光量の2倍の光量である。
【0044】
前記第4制御処理は、前記第1間隔よりも短い第2間隔でフォトダイオード223Aによって生成された電荷を読み出す処理である。例えば、前記第2間隔は、前記第1間隔に、前記第2光量に対する前記第1光量の割合を乗算することによって取得される間隔、即ち、前記第1間隔の2分の1の間隔である。具体的に、制御部5は、イメージセンサー223に制御信号を入力して、前記読み出し間隔を前記第2間隔に設定する。これにより、イメージセンサー223では、前記第2間隔でフォトダイオード223A各々から当該フォトダイオード223Aによって生成された電荷が読み出されて、読み出された電荷に基づく画像データが出力される。
【0045】
前記識別処理は、イメージセンサー223から入力された画像データに基づいて、原稿のサイズを識別する処理である。具体的に、前記識別処理では、イメージセンサー223から入力された画像データに基づいて、原稿載置面211Aに載置された原稿における主走査方向D4の端部が検出される。例えば、イメージセンサー223から入力された画像データにおける、主走査方向D4に隣接する画素との間の濃度差が予め定められた閾値を超える画素の位置が原稿の端部位置であると判断される。そして、検出された端部間の距離に基づいて、原稿のサイズが識別される。
【0046】
なお、前記第3制御処理において、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dが同時に点灯されてもよい。また、前記第3制御処理において、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dのいずれか一つが、前記第2光量の光を射出してもよい。また、前記第2間隔は、前記第1間隔に、前記第2光量に対する前記第1光量の割合を乗算することによって取得される間隔とは異なる間隔であってもよい。
【0047】
[読取制御処理]
以下、図6を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される読取制御処理の手順の一例と共に、本発明における原稿サイズ検出方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記読取制御処理は、開閉センサー212によってADF1の閉状態から開状態への状態遷移が検出された場合に実行される。
【0048】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、開閉センサー212によってADF1の開状態から閉状態への状態遷移が検出されたか否かを判断する。
【0049】
ここで、制御部5は、開閉センサー212によってADF1の開状態から閉状態への状態遷移が検出されたと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、開閉センサー212によってADF1の開状態から閉状態への状態遷移が検出されていなければ(S11のNo側)、制御部5は、ステップS11で開閉センサー212によるADF1の開状態から閉状態への状態遷移の検出を待ち受ける。
【0050】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、前記検出処理を実行する。ここに、ステップS12の処理が、本発明における検出ステップの一例である。
【0051】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、操作表示部6におけるユーザー操作により前記読取処理の実行指示が入力されたか否かを判断する。
【0052】
ここで、制御部5は、前記読取処理の実行指示が入力されたと判断すると(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、前記読取処理の実行指示が入力されていなければ(S13のNo側)、制御部5は、ステップS13で前記読取処理の実行指示の入力を待ち受ける。
【0053】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、前記読取処理を実行する。ここに、ステップS14の処理が、本発明における読取ステップの一例である。
【0054】
なお、ステップS12による原稿のサイズの検出結果は、例えば、ステップS14で読み取られる原稿の画像データに対するトリミング処理に用いられる。
【0055】
このように、画像形成装置10では、読取ユニット22を移動させる必要がない前記検出処理が実行される場合に、前記読み出し間隔が前記第1間隔よりも短い前記第2間隔に設定される。即ち、画像形成装置10では、前記検出処理が実行される場合に前記読み出し間隔が切り替えられることで、読取ユニット22の移動速度に対応する間隔(前記第1間隔)よりも短い間隔でフォトダイオード223Aから電荷を読み出すことが可能である。また、画像形成装置10では、前記検出処理における光射出部221からの射出光量が前記読取処理における射出光量よりも多い前記第2光量に制御される。これらにより、フォトダイオード223Aで生成される電荷の飽和を発生させることなく、前記検出処理で読み取られる画像データに含まれる画素の濃度に対する前記外乱光による影響を抑制することが可能である。そのため、前記検出処理で読み取られた画像データにおいて原稿領域と当該露出領域との境界が不明瞭となることが抑制され、原稿のサイズの検出精度が低下することを抑制することが可能である。
【0056】
なお、光源部221Aは、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dに替えて、1つの白色光源のみを備えていてもよい。この場合、当該白色光源に供給される電流が制御されて、当該白色光源から射出される光の光量が前記第1光量及び前記第2光量の間で切り替えられればよい。
【0057】
また、光源部221Aは、図7に示されるように、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dに加えて、第4光源221Eを備えていてもよい。この場合、前記第1制御処理では、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dから前記第1光量の光が順次射出され、前記第2制御処理では、第4光源221Eから前記第2光量の光が射出されればよい。例えば、第4光源221Eは、第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dよりもチップサイズの大きい発光ダイオードであって、同じ電流が供給された場合の発光光量が第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dよりも多い。ここで、図7に示されるように、第4光源221Eを第1光源221B、第2光源221C、及び第3光源221Dと一体に構成することで、読取ユニット22における光源部221Aの収納スペースの大型化を抑制可能である。なお、光射出部221は、光源部221Aとは別の光源部を備えており、第4光源221Eは当該別の光源部に含まれていてもよい。
【0058】
また、画像読取部2は、CCD(チャージカップルドデバイス)方式で原稿から画像データを読み取るものであってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
7 記憶部
10 画像形成装置
21 筐体
22 読取ユニット
23 駆動部
51 読取処理部
52 検出処理部
211 コンタクトガラス
212 開閉センサー
221 光射出部
222 レンズ
223 イメージセンサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7