(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04845 20220101AFI20240305BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240305BHJP
G06F 21/84 20130101ALI20240305BHJP
G09F 19/12 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
G06F3/04845
G06F3/048
G06F21/84
G09F19/12 L
(21)【出願番号】P 2020011227
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】齋田 堂好
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0080097(US,A1)
【文献】特開2019-159451(JP,A)
【文献】特開2009-176253(JP,A)
【文献】特開2007-188264(JP,A)
【文献】特開2019-128723(JP,A)
【文献】特開2018-113688(JP,A)
【文献】特開2019-128726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0228689(US,A1)
【文献】特開2019-128724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06F 21/84
G09F 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定の観察者による特定の像を表示するための操作を受け付け、
前記操作の受け付けに応じて、周囲から観察可能な前記特定の像を、当該特定の像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧を制限するための処理を施した状態で、空中に表示するように制御
し、
前記閲覧を制限するための処理は、前記特定の像に前記観察対象の情報を形成しない処理と、当該特定の像に前記他の観察者による当該観察対象の情報の閲覧権限に関する情報を前記特定の観察者の側を向くように形成する処理とを含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記閲覧を制限するための処理は、前記特定の像に前記観察対象の情報の
閲覧制限に関する
文言を形成する処理を更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記他の観察者による前記観察対象の情報の閲覧権限に関する情報は、当該観察対象の情報の閲覧を制限されていない観察者の情報であることを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記閲覧を制限されていない観察者は、予め登録された観察者から選択された観察者であることを特徴とする
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記他の観察者による前記観察対象の情報の閲覧権限に関する情報は、当該観察対象の情報の閲覧を制限されている観察者の情報であることを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
特定の観察者による特定の像を表示するための操作を受け付ける機能と、
前記操作の受け付けに応じて、周囲から観察可能な前記特定の像を、当該特定の像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧を制限するための処理を施した状態で、空中に表示するように制御する機能と
を実現させ
、
前記閲覧を制限するための処理は、前記特定の像に前記観察対象の情報を形成しない処理と、当該特定の像に前記他の観察者による当該観察対象の情報の閲覧権限に関する情報を前記特定の観察者の側を向くように形成する処理とを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を入射しレーザ光をホログラムの再生波面情報に基づき変調する空間光変調器と、空間光変調器によって変調された変調光を拡大して結像させる拡大光学系と、変調光が結像される結像面に配置され、拡大光学系の光軸を中心とした円環状の全周領域に視域が形成されるように、変調光を経時的に偏向方向を変えて偏向させる偏向光学系とを備えるホログラム表示装置は、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
空中画像の表示面を撮像した画像を取得し、撮像された画像から空中画像の視認性が低下している領域を推定し、この後、推定された領域を含むように空中画像の表示を決定する視認性制御装置も、知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-156892号公報
【文献】特開2019-128724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
周囲から観察可能な像を複数の観察者が観察することが考えられる。その際、周囲から観察可能な像における観察対象の情報を他の観察者から見られる状態で表示する構成を採用したのでは、周囲から観察可能な像における観察対象の情報がその閲覧を制限された他の観察者から見られる可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、周囲から観察可能な像における観察対象の情報を他の観察者から見られる状態で表示する構成を採用した場合に比較して、周囲から観察可能な像における観察対象の情報がその閲覧を制限された他の観察者から見られる可能性を低下させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、特定の観察者による特定の像を表示するための操作を受け付け、前記操作の受け付けに応じて、周囲から観察可能な前記特定の像を、当該特定の像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧を制限するための処理を施した状態で、空中に表示するように制御し、前記閲覧を制限するための処理は、前記特定の像に前記観察対象の情報を形成しない処理と、当該特定の像に前記他の観察者による当該観察対象の情報の閲覧権限に関する情報を前記特定の観察者の側を向くように形成する処理とを含むことを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記閲覧を制限するための処理は、前記特定の像に前記観察対象の情報の閲覧制限に関する文言を形成する処理を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記他の観察者による前記観察対象の情報の閲覧権限に関する情報は、当該観察対象の情報の閲覧を制限されていない観察者の情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記閲覧を制限されていない観察者は、予め登録された観察者から選択された観察者であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記他の観察者による前記観察対象の情報の閲覧権限に関する情報は、当該観察対象の情報の閲覧を制限されている観察者の情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、特定の観察者による特定の像を表示するための操作を受け付ける機能と、前記操作の受け付けに応じて、周囲から観察可能な前記特定の像を、当該特定の像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧を制限するための処理を施した状態で、空中に表示するように制御する機能とを実現させ、前記閲覧を制限するための処理は、前記特定の像に前記観察対象の情報を形成しない処理と、当該特定の像に前記他の観察者による当該観察対象の情報の閲覧権限に関する情報を前記特定の観察者の側を向くように形成する処理とを含む、プログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、周囲から観察可能な像における観察対象の情報がその閲覧を制限された他の観察者から見られず、周囲から観察可能な像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧権限を知らせることができる。
請求項2の発明によれば、周囲から観察可能な像における観察対象の情報の閲覧制限を知らせることができる。
請求項3の発明によれば、周囲から観察可能な像における観察対象の情報の閲覧を制限されていない観察者を知らせることができる。
請求項4の発明によれば、周囲から観察可能な像における観察対象の情報の閲覧を制限されていない全ての観察者の情報を表示する構成を採用した場合に比較して、観察対象の情報の閲覧を制限されていない観察者の情報が見易くなる。
請求項5の発明によれば、周囲から観察可能な像における観察対象の情報の閲覧を制限されている観察者を知らせることができる。
請求項6の発明によれば、周囲から観察可能な像における観察対象の情報がその閲覧を制限された他の観察者から見られず、周囲から観察可能な像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧権限を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態における情報表示装置のハードウェア構成例を示した図である。
【
図2】本発明の実施の形態における情報表示装置が立体画像を表示する表示空間の一例を示した図である。
【
図3】(a),(b)は、表示空間内に表示する文書を選択する際の操作例を示した図である。
【
図4】共有表示空間における文書画像の第1の態様の表示例を示した図である。
【
図5】(a),(b)は、共有表示空間における文書画像の第2の態様の表示例を示した図である。
【
図6】共有表示空間における文書画像の第3の態様の表示例を示した図である。
【
図7】(a),(b)は、表示空間内に表示する文書を選択する際の別の操作例を示した図である。
【
図8】本発明の実施の形態における情報表示装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図9】本発明の実施の形態における情報表示装置の文書画像を空中に表示する際の第1の動作例を示したフローチャートである。
【
図10】本発明の実施の形態における情報表示装置の文書画像を空中に表示する際の第2の動作例を示したフローチャートである。
【
図11】本発明の実施の形態における情報表示装置の文書画像を空中に表示する際の第3の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
[情報表示装置のハードウェア構成]
図1は、本実施の形態における情報表示装置10のハードウェア構成例を示した図である。情報表示装置10は、情報処理装置の一例であり、図示するように、演算手段であるプロセッサ11と、記憶手段であるメインメモリ12及びHDD(Hard Disk Drive)13とを備える。ここで、プロセッサ11は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。更に、情報表示装置10は、外部との通信を行うための通信I/F14と、表示デバイスに情報を出力するための表示I/F15と、入力デバイスから情報を入力するための入力I/F16とを備える。
【0012】
ここで、表示I/F15に接続された表示デバイスについて説明する。図示するように、表示デバイスは、光源151と、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)152とを含む。
【0013】
光源151は、コヒーレント光である参照光L1をSLM152に出射する。具体的には、光源151は、例えばコリメートレンズ及びレーザ発光部を有し、レーザ発光部から出射されるレーザ光をコリメートレンズにより平行光にして、参照光L1として出射する。
【0014】
SLM152は、入射された参照光L1を、ホログラムの再生波面情報に基づいて変調し、変調した参照光L1を出力光L2として出射する。そして、この出力光L2により、SLM152の表面から予め定められた距離だけ離れた空中の位置に立体画像Sを表示する。具体的には、SLM152は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を使用した空間光変調器(MEMS-SLM)や、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を使用した空間光変調器(LCOS-SLM)であり、ホログラムの再生波面情報に基づき、干渉縞を表示する。ここで、再生波面情報とは、必要とされる立体画像Sを表示するためには、どのような干渉縞を用いて参照光L1を変調させるかを示す情報である。言い換えれば、再生波面情報とは、所望の立体画像Sを表示させるための干渉縞のパターンを示す情報である。
【0015】
また、入力I/F16に接続された入力デバイスについて説明する。図示するように、入力デバイスは、カメラ161とする。カメラ161は、像を結ぶための光学系(レンズ等)を有しており、画像を撮像する。ここでは特に参加者の動作を撮像するので、カメラ161としてはビデオカメラを用いるとよい。
【0016】
尚、図示しないが、通信I/F14は、指装着型のウェアラブルデバイスに設けられた加速度センサや、マウスやキーボード等の操作入力装置との間で無線通信を行うこともある。
【0017】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態では、情報表示装置10が、特定の観察者による特定の像を表示するための操作を受け付け、操作の受け付けに応じて、周囲から観察可能な特定の像を、特定の像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧を制限するための処理を施した状態で、空中に表示するように制御する。
【0018】
以下では、特定の像として、紙文書を模した立体画像(以下、「文書画像」という)を例にとって説明する。また、特定の観察者及び他の観察者を含む複数の観察者としては、空中に表示された文書画像を参照しながら行われる会議の複数の参加者を例にとって説明する。
【0019】
図2は、情報表示装置10が立体画像を表示する表示空間30の一例を示した図である。図示するように、表示空間30は、共有表示空間31と、個人表示空間32a,32bとを含む。
【0020】
共有表示空間31は、複数の参加者で共有される表示領域である。この共有表示空間31には、複数の参加者が共有する立体画像が表示される。図では、立体的な模型を表す立体画像40が表示されているが、後述するように、平板状の立体画像が表示されることもある。
【0021】
個人表示空間32aは、参加者A用の表示領域である。この個人表示空間32aには、参加者Aが管理する立体画像が表示される。図では、個人表示空間32aにおける参加者B側にデスクトップ画像51aが表示されており、デスクトップ画像51aの参加者A側に文書画像52aが表示されている。
【0022】
個人表示空間32bは、参加者B用の表示領域である。この個人表示空間32bには、参加者Bが管理する立体画像が表示される。図では、個人表示空間32bにおける参加者A側にデスクトップ画像51bが表示されており、デスクトップ画像51bの参加者B側に文書画像52bが表示されている。但し、文書画像52bは、デスクトップ画像51bに隠れて見えないため、示されていない。
【0023】
尚、図では、個人表示空間32a,32b、デスクトップ画像51a,51bを示し、文書画像52a,52bが表示されるとしたが、これらを区別する必要がない場合は、個人表示空間32、デスクトップ画像51、文書画像52と称することもある。また、ここでは2人の参加者A,Bが向かいあって会議をする場合を想定したので2つの個人表示空間32を示したが、3人以上の参加者が参加して会議をする場合は3つ以上の個人表示空間32を設けてもよい。
【0024】
また、ここでは個人表示空間32内にデスクトップ画像51を表示したが、本実施の形態においてデスクトップ画像51は必ずしも必要ではないので、以下では、デスクトップ画像51については言及しない。
【0025】
更に、本明細書では、ある文書画像52について説明する際に、その文書画像52を管理する参加者を「特定の参加者」と表記し、この参加者以外の参加者を「他の参加者」と表記する。
【0026】
更にまた、本明細書では、個人表示空間32、デスクトップ画像51、文書画像52以外にも、参加者Aが管理する画像や画像中の要素には添え字「a」を付して示す。一方、管理者を特定せずに一般的な概念として言及する場合は、添え字を付さないものとする。
【0027】
次に、表示空間30における具体的な操作例を説明する。尚、ここでも参加者A,Bが向かい合って会議をする場面を想定する。
【0028】
図3(a),(b)は、表示空間30内に表示する文書を選択する際の操作例を示した図である。
【0029】
まず、参加者Aは、表示空間30内で文書画像52aを共有表示する場合、
図3(a)に示すように、表示空間30内の空中に表示されるフォルダ画像53aにタッチするジェスチャG1を行う。
【0030】
フォルダ画像53aの拡大図を
図3(b)に示す。例えば、参加者Aは、フォルダ画像53a中の文書「Document3.txt」にタッチするジェスチャG1を行う。
【0031】
すると、情報表示装置10は、カメラ161によって参加者Aの指先の位置を検知し、指先の位置に対応する文書を特定してこれをハイライト表示する。図中、ハイライト表示は斜線ハッチングで示している。その後、予め定められた時間(例えば5秒間)以上、指先がその文書の位置にあれば、参加者Aがその文書の表示を指示していると判断して、その文書を文書画像52aとして共有表示空間31内の空中に表示する。
【0032】
尚、ここでは、個人表示空間32a内の空中に表示されたフォルダ画像53aから、文書画像52aとして表示する文書を選択するようにしたが、これには限らない。参加者Aが保持しているスマートフォンやパーソナルコンピュータから、文書画像52aとして表示する文書を選択するようにしてもよい。
【0033】
このようにして文書画像52aは共有表示空間31内の空中に表示される。ところが、文書画像52aの元となる文書の中には、アクセス権が設定され、その閲覧が制限されているものもある。例えば、
図3(b)の文書「Document3.txt」は、アクセス権「Members Only」が設定され、特定の者しか閲覧できないようになっている。このような文書をその内容が分かる状態で不用意に共有表示空間31内に表示すると、他の参加者がその文書の内容を見てしまい、機密性が保たれなくなる虞がある。
【0034】
そこで、本実施の形態では、情報表示装置10が、文書画像52aを表示する前に、文書の内容の閲覧を制限するための処理を行う。
【0035】
この文書の内容の閲覧を制限するための処理には、まず、文書画像52aに文書の内容を形成しないことを前提とした処理がある。そして、このような処理としては、文書画像52aに文書の内容の閲覧権限に関する情報を形成する処理と、文書画像52aに他の参加者による文書の内容の閲覧権限に関する情報を形成する処理とがある。以下では、前者の処理を行う場合の文書画像52aを第1の態様とし、後者の処理を行う場合の文書画像52aを第2の態様とする。
【0036】
また、文書の内容の閲覧を制限するための処理には、文書画像52aに文書の内容を形成することを前提とした処理もある。そして、このような処理としては、参加者Aの側とは反対の側から文書の内容を視認し難くする処理がある。以下では、この処理を行う場合の文書画像52aを第3の態様とする。
【0037】
図4は、共有表示空間31における文書画像52aの第1の態様の表示例を示した図である。
【0038】
この場合、情報表示装置10は、図示するように、文書画像52aに、文書の内容は形成せず、文書の内容の閲覧制限に関する情報の一例として、文書のアクセス制限に関する文言521aを形成する。具体的には、「Members Only」との文言521aを形成している。
【0039】
尚、文書画像52aの元となる文書に閲覧制限がかけられていない場合、情報表示装置10は、文書画像52aを、文書の内容を閲覧可能な状態で表示する。
【0040】
図5(a),(b)は、共有表示空間31における文書画像52aの第2の態様の表示例を示した図である。
【0041】
この場合、情報表示装置10は、
図5(a)に示すように、文書画像52aに、文書の内容を形成せず、文書の内容の閲覧制限に関する情報の一例として、文書のアクセス制限に関する文言521aを形成する。具体的には、「Members Only」との文言521aを形成している。
【0042】
また、情報表示装置10は、
図5(a)に示すように、文書画像52aに、文言521aに加え、他の参加者による文書の内容の閲覧権限に関する情報の一例として、この文書に対するアクセス権を有する参加者の情報を形成する。ここでは、参加者の情報として、参加者の顔写真522aを形成している。例えば、
図5(a)では、参加者Bが文書画像52aの元となる文書に対するアクセス権を有しているものとし、文書画像52aに参加者Bの顔写真522aを形成している。但し、参加者の顔写真522aはあくまで一例であり、参加者の情報としては、参加者の所属や名前等を形成してもよい。
【0043】
この状態で、参加者Aは、参加者Bの情報が文書画像52aに形成されていることを確認して、文書の内容を参加者Bに閲覧させてもよいと判断すると、その文書の閲覧制限の解除を指示する。例えば、文書画像52aにタッチしたり、マウス、スマートフォン等のデバイスで指示したりすることにより、閲覧制限の解除を指示するとよい。
【0044】
すると、情報表示装置10は、
図5(b)に示すように、文言521a及び顔写真522aが除去され、文書の内容が形成された文書画像52a’を表示する。尚、参加者Aが自身で文書の内容を確認する場合には、文書画像52a’の正面が参加者Aに向かうように文書の内容が表示され、参加者Bには文書の内容が裏返した状態で見えている。参加者Aが文書の内容を確認した後、予め定められた操作により、文書画像52a’の正面が参加者Bに向かう方向へ文書画像を回転させて表示させたり、文書画像52a’の正面が参加者Bに向かう文書画像を複製して表示させたりすることもできる。
【0045】
尚、情報表示装置10は、この文書に対するアクセス権を有する一部の参加者の情報を形成するようにしてもよい。例えば、表示空間30の周辺にいる参加者を予め登録しておき、この文書に対するアクセス権を有する参加者のうち予め登録された参加者をその一部の参加者とすればよい。アクセス権を有する全ての参加者の情報を文書画像52aに形成すると、情報が多くなり過ぎて見難くなるからである。この場合、この一部の参加者は、予め登録された観察者から選択された観察者の一例である。
【0046】
また、情報表示装置10は、文書画像52aに、他の参加者による文書の内容の閲覧権限に関する情報の一例として、この文書に対するアクセス権を有しない参加者の情報を形成するようにしてもよい。そして、この場合も、文書画像52aに形成する情報が多くなり過ぎないようアクセス権を有しない一部の参加者の情報を形成するようにしてよい。尚、他の参加者の中にアクセス権を有しない一部の参加者が確認できた場合であっても、文書の内容を閲覧させてもよい場合には、予め定められた操作によって、文書の内容を表示させることができるようにしてもよい。このとき、その時点ではアクセス権を有しないが、閲覧させてもよい参加者の情報を、この文書の電子ファイルの属性情報として記録したり、この文書の電子ファイルへのアクセス権に追加したりすることで、その参加者に閲覧を許可したことを記録することもできる。
【0047】
図6は、共有表示空間31における文書画像52aの第3の態様の表示例を示した図である。
【0048】
この場合、情報表示装置10は、図示するように、文書画像52aに文書の内容を形成するものの、参加者Aの側とは反対の側から文書の内容を視認し難くする処理の一例として、参加者Bによる閲覧を制限するための背景画像523aを文書画像52aの裏面に配置する処理を行う。
【0049】
具体的には、背景画像523aの内部に、文書画像52aに含まれる文字情報を参加者Bから視認困難とする難視化画像を配するとよい。難視化画像は、例えば、記号、模様、静止画、動画であってよい。記号としては、例えば「*」、「※」、「#」等、一面に配することで向こう側から見え難くなるものを用いるとよい。模様としては、迷彩パターンが例示される。静止画としては、電子文書、ウェブページ、コンピュータグラフィックス等の他者の注意を惹きやすい画像が考えられる。動画としては、ランダムパターン動画(テレビの砂嵐像のように輝点がランダムに点滅している動画)、特定パターンを予め定められた方向若しくはランダムな方向に移動させる動画、又は、風景、テレビ番組、映画、CG等のビデオ動画が考えられる。
【0050】
或いは、背景画像523aは、文書画像52aに含まれる文字情報が参加者Bから視認困難となるように、その輝度を、文書画像52aの輝度より高くしてもよい。具体的には、背景画像523aを構成する点、線、面等の画像要素の輝度又は背景画像523aの単位面積当たりの輝度を、文書画像52aの点、線、面等の画像要素の輝度又は文書画像52aの単位面積当たりの輝度より高くしてもよい。
【0051】
図7(a),(b)は、表示空間30内に表示する文書を選択する際の別の操作例を示した図である。この操作例は、表示空間30内に仮想のファイルフォルダ又はファイルキャビネットを設け、そこから文書を抜き出して、その文書を文書画像52aとして空中に表示する例である。文書は予め特定のファイルフォルダ又はファイルキャビネット内に格納された状態で記憶されている。
【0052】
まず、情報表示装置10は、ファイルフォルダ又はファイルキャビネットを模した画像を表示空間30内の空中に表示する。ここでは、
図7(a)に示すように、ファイルフォルダを模したフォルダ画像54aを空中に表示している。また、ファイルフォルダは複数あるものとし、複数のフォルダ画像54aを表示している。この状態で、参加者Aが、
図7(a)に示すように、その指先をフォルダ画像54aに近付けるジェスチャG2を行ったとする。
【0053】
すると、情報表示装置10は、カメラ161により指先の位置を検出し、
図7(b)に示すように、その位置に表示されたフォルダ画像54aを開いた状態に変更する。そして、そのフォルダ画像54a内に格納されている文書に対応する文書画像52aをフォルダ画像54aから取り出した状態で表示する。
【0054】
その際、情報表示装置10は、文書に設定されたアクセス権に応じて、
図4乃至
図6の何れかに示した文書の内容の表示の制限を施した状態で文書画像52aを表示する。尚、
図7(b)では、一例として、
図4に示した文書の内容の表示の制限を施した文書画像52aの第1の態様を示している。これにより、表示空間30内で文書を選択する場合に、閲覧の制限がかけられている文書を誤って取り出したことで文書の内容が表示されてしまうことが抑制される。
【0055】
[情報表示装置の機能構成]
図8は、本実施の形態における情報表示装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、本実施の形態における情報表示装置10は、操作検出部21と、アクセス権記憶部22と、文書形状生成部23と、表示制御部24とを備えている。
【0056】
操作検出部21は、参加者の動作情報が入力I/F16又は通信I/F14から入力されると、この動作情報から参加者の操作を検出する。例えば、カメラ161が参加者の動作を撮像した画像が入力I/F16から入力された場合は、その画像から参加者の指先の軌道を抽出し、この抽出された軌道に基づいて参加者のジェスチャを識別する。また、加速度センサが設けられた指装着型のウェアラブルデバイスを参加者が装着し、このウェアラブルデバイスからBluetooth(登録商標)により送信された加速度センサの検出データ(方向、スピード)が通信I/F14から入力された場合には、その検出データを既知のジェスチャパターンと比較し、この比較結果に基づいて参加者のジェスチャを識別する。そして、操作検出部21は、この識別されたジェスチャがフォルダ画像53中の文書にタッチしたりフォルダ画像54にタッチしたりする特定の参加者のジェスチャであれば、共有表示空間31に表示する文書画像52を選択するための特定の参加者の操作を検出する。この識別されたジェスチャが文書の内容の表示が制限された文書画像52にタッチする特定の参加者のジェスチャであれば、文書画像52における文書の内容の表示の制限を解除するための特定の参加者の操作を検出する。
【0057】
或いは、操作検出部21は、キーボード、マウス等で空中にマウスカーソルやメニューを表示して操作することでBluetooth(登録商標)により送信された操作情報が通信I/F14から入力されると、この操作情報から参加者の操作を検出する、というものでもよい。この場合も、操作検出部21は、共有表示空間31に表示する文書画像52を選択するための特定の参加者の操作、文書画像52における文書の内容の表示の制限を解除するための特定の参加者の操作を検出する。
【0058】
本実施の形態では、特定の観察者による特定の像を表示するための操作を受け付ける手段の一例として、操作検出部21を設けている。
【0059】
アクセス権記憶部22は、文書ごとのアクセス権を記憶する。例えば、
図3(b)のフォルダ画像53内に示したように、文書名とアクセス権との対応を記憶すればよい。
【0060】
文書形状生成部23は、共有表示空間31に表示する文書画像52を選択するための特定の参加者の操作を操作検出部21が検出した場合に、文書画像52を空中に表示するための立体的形状を示すデータ(以下、「文書形状」という)を生成する。その際、文書形状生成部23は、文書形状に対して、文書の内容の他の参加者による閲覧を制限するための処理を行う。本実施の形態では、操作の受け付けに応じて、特定の像を、観察対象の情報の他の観察者による閲覧を制限するための処理を施した状態で、空中に表示するように制御する手段の一例として、文書形状生成部23を設けている。
【0061】
具体的には、文書形状生成部23は、文書形状に対して、文書の内容を形成せずに、アクセス権記憶部22に記憶された文書の内容の閲覧権限に関する情報を形成する処理を行う。例えば、文書形状生成部23は、文書形状に対して、文書の内容を形成せずに、文書のアクセス制限に関する属性を表す文言を形成する処理を行う。この場合、文書の内容を形成せずに、文書のアクセス制限に関する属性を表す文言を形成する処理は、特定の像に観察対象の情報を形成しない処理、及び、特定の像に観察対象の情報の閲覧権限に関する情報を形成する処理の一例である。
【0062】
また、文書形状生成部23は、文書形状に対して、文書の内容を形成せずに、アクセス権記憶部22に記憶された他の参加者による文書の内容の閲覧権限に関する情報を形成する処理を行ってもよい。例えば、文書形状生成部23は、文書形状に対して、文書の内容を形成せずに、文書に対するアクセス権限を有する参加者の情報を形成する処理を行ってもよい。この場合、文書の内容を形成せずに、文書に対するアクセス権限を有する参加者の情報を形成する処理は、特定の像に観察対象の情報を形成しない処理、特定の像に他の観察者による観察対象の情報の閲覧権限に関する情報を形成する処理、及び、特定の像に観察対象の情報の閲覧を制限されていない観察者の情報を形成する処理の一例である。或いは、文書形状生成部23は、文書形状に対して、文書の内容を形成せずに、文書に対するアクセス権限を有しない参加者の情報を形成する処理を行ってもよい。この場合、文書の内容を形成せずに、文書に対するアクセス権限を有しない参加者の情報を形成する処理は、特定の像に観察対象の情報を形成しない処理、特定の像に他の観察者による観察対象の情報の閲覧権限に関する情報を形成する処理、及び、特定の像に観察対象の情報の閲覧を制限されている観察者の情報を形成する処理の一例である。
【0063】
更に、文書形状生成部23は、文書形状に対して、文書の内容を形成し、他の参加者の側から文書の内容を視認し難くする処理を行ってもよい。例えば、文書形状生成部23は、文書形状に文書の内容を形成し、他の参加者による閲覧を制限するための背景画像523を文書形状の裏面に配置する処理を行う。この場合、文書形状に文書の内容を形成し、他の参加者による閲覧を制限するための背景画像523を文書形状の裏面に配置する処理は、特定の像に観察対象の情報を形成し、特定の観察者の側とは反対の側から観察対象の情報を視認し難くする処理、及び、特定の像に観察対象の情報を形成し、観察対象の情報を視認し難くするための他の像を特定の観察者の側とは反対の側に配置する処理の一例である。
【0064】
表示制御部24は、文書形状生成部23が生成した文書形状を再生波面情報に変換する。そして、この再生波面情報をSLM152に出力することにより、文書画像52が空中に表示されるように制御する。
【0065】
[情報表示装置の動作]
図9は、文書画像52を空中に表示する際の情報表示装置10の第1の動作例を示したフローチャートである。この第1の動作例は、
図4に示した文書画像52の第1の態様を表示する際の動作例である。ここでは、動作に先立ち、
図3(b)に示したフォルダ画像53又は
図7(a)に示したフォルダ画像54が表示空間30内に表示されているものとする。
【0066】
図示するように、情報表示装置10では、まず、操作検出部21が、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したかどうかを判定する(ステップ201)。
【0067】
その結果、操作検出部21は、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したと判定しなければ、引き続きステップ201の処理を行う。
【0068】
一方、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したと操作検出部21により判定されれば、文書形状生成部23が、アクセス権記憶部22を参照して、この文書にアクセス権が設定されているかどうかを判定する(ステップ202)。
【0069】
この文書にアクセス権限が設定されていると判定すれば、文書形状生成部23は、文書の内容の表示が制限された状態の文書形状を生成する(ステップ203)。そして、この文書形状に対して、アクセス制限に関する文言を付加する(ステップ204)。
【0070】
また、この文書にアクセス権限が設定されていると判定しなければ、文書形状生成部23は、文書の内容の表示が制限されない状態の文書形状を生成する(ステップ205)。
【0071】
これにより、表示制御部24が、ステップ203で生成され、ステップ204で文言が付加された文書形状、又は、ステップ205で生成された文書形状に基づいて、文書画像52を表示するように制御する(ステップ206)。具体的には、ステップ203で生成され、ステップ204で文言が付加された文書形状、又は、ステップ205で生成された文書形状を再生波面情報に変換する。そして、この再生波面情報をSLM152に出力することにより、文書画像52を表示するように制御する。
【0072】
図10は、文書画像52を空中に表示する際の情報表示装置10の第2の動作例を示したフローチャートである。この第2の動作例は、
図5(a),(b)に示した文書画像52の第2の態様を表示する際の動作例である。ここでも、動作に先立ち、
図3(b)に示したフォルダ画像53又は
図7(a)に示したフォルダ画像54が表示空間30内に表示されているものとする。
【0073】
図示するように、情報表示装置10では、まず、操作検出部21が、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したかどうかを判定する(ステップ221)。
【0074】
その結果、操作検出部21は、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したと判定しなければ、引き続きステップ221の処理を行う。
【0075】
一方、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したと操作検出部21により判定されれば、文書形状生成部23が、アクセス権記憶部22を参照して、この文書にアクセス権が設定されているかどうかを判定する(ステップ222)。
【0076】
この文書にアクセス権限が設定されていると判定すれば、文書形状生成部23は、文書の内容の表示が制限された状態の文書形状を生成する(ステップ223)。そして、この文書形状に対して、アクセス制限に関する文言を付加する(ステップ224)。また、この文書形状に対して、アクセス権限を有する参加者の情報を付加する(ステップ225)。
【0077】
これにより、表示制御部24が、ステップ223で生成され、ステップ224で文言が付加され、ステップ225で参加者の情報が付加された文書形状に基づいて、文書の内容の表示が制限された文書画像52を表示するように制御する(ステップ226)。具体的には、ステップ223で生成され、ステップ224で文言が付加され、ステップ225で参加者の情報が付加された文書形状を再生波面情報に変換する。そして、この再生波面情報をSLM152に出力することにより、文書の内容の表示が制限された文書画像52を表示するように制御する。
【0078】
その後、操作検出部21は、ステップ226で表示された文書画像52にタッチする特定の参加者のジェスチャを検出したかどうかを判定する(ステップ227)。
【0079】
その結果、操作検出部21は、文書画像52にタッチする特定の参加者のジェスチャを検出したと判定しなければ、引き続きステップ227の処理を行う。
【0080】
一方、文書画像52にタッチする特定の参加者のジェスチャを検出したと操作検出部21により判定されれば、文書形状生成部23が、文書の内容の表示が制限されない状態の文書形状を生成する(ステップ228)。
【0081】
また、ステップ222でこの文書にアクセス権限が設定されていると判定しなかった場合も、文書形状生成部23は、文書の内容の表示が制限されない状態の文書形状を生成する(ステップ228)。
【0082】
これにより、表示制御部24が、ステップ228で生成された文書形状に基づいて、文書の内容の表示が制限されない文書画像52を表示するように制御する(ステップ229)。具体的には、ステップ228で生成された文書形状を再生波面情報に変換する。そして、この再生波面情報をSLM152に出力することにより、文書の内容の表示が制限されない文書画像52を表示するように制御する。
【0083】
[情報表示装置の動作]
図11は、文書画像52を空中に表示する際の情報表示装置10の第3の動作例を示したフローチャートである。この第3の動作例は、
図6に示した文書画像52の第3の態様を表示する際の動作例である。ここでも、動作に先立ち、
図3(b)に示したフォルダ画像53又は
図7(a)に示したフォルダ画像54が表示空間30内に表示されているものとする。
【0084】
図示するように、情報表示装置10では、まず、操作検出部21が、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したかどうかを判定する(ステップ241)。
【0085】
その結果、操作検出部21は、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したと判定しなければ、引き続きステップ241の処理を行う。
【0086】
一方、フォルダ画像53又はフォルダ画像54を用いて文書を選択する特定の参加者のジェスチャを検出したと操作検出部21により判定されれば、文書形状生成部23が、文書の内容の表示が制限されない状態の文書形状を生成する(ステップ242)。
【0087】
次に、文書形状生成部23は、アクセス権記憶部22を参照して、この文書にアクセス権が設定されているかどうかを判定する(ステップ243)。
【0088】
この文書にアクセス権限が設定されていると判定すれば、文書形状生成部23は、ステップ242で生成した文書形状の裏面に、他の参加者による閲覧を制限するための背景画像523を配置する(ステップ244)。そして、ステップ245へ進む。
【0089】
また、この文書にアクセス権限が設定されていると判定しなければ、文書形状生成部23は、ステップ242で生成した文書形状の裏面に背景画像523を配置することなく、ステップ245へ進む。
【0090】
これにより、表示制御部24が、ステップ242で生成され、ステップ244で背景画像523が配置された文書形状、又は、ステップ242で生成された文書形状に基づいて、文書画像52を表示するように制御する(ステップ245)。具体的には、ステップ242で生成され、ステップ244で背景画像523が配置された文書形状、又は、ステップ242で生成された文書形状を再生波面情報に変換する。そして、この再生波面情報をSLM152に出力することにより、文書画像52を表示するように制御する。
【0091】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0092】
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0093】
[プログラム]
本実施の形態における情報表示装置10が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0094】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、特定の観察者による特定の像を表示するための操作を受け付ける機能と、操作の受け付けに応じて、周囲から観察可能な特定の像を、特定の像における観察対象の情報の他の観察者による閲覧を制限するための処理を施した状態で、空中に表示するように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0095】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0096】
10…情報表示装置、21…操作検出部、22…アクセス権記憶部、23…文書形状生成部、24…表示制御部