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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】バスバーモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20240305BHJP
【FI】
G01K1/14 E
G01K1/14 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020034802
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021139634
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昂平
(72)【発明者】
【氏名】大井 幸二
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-156803(JP,A)
【文献】特開2016-123155(JP,A)
【文献】特開2007-215340(JP,A)
【文献】特開2013-225959(JP,A)
【文献】特開2018-186608(JP,A)
【文献】特開2019-219173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
H02K 11/00-11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーと、
前記バスバーの一部に樹脂により成形された樹脂ケース部と、
前記樹脂ケース部内に取り付けられた温度センサとを備え、
少なくとも前記樹脂ケース部により内壁が構成され前記温度センサを収納可能な収納空間を有し、
前記温度センサが、先端部に設けられた感熱素子を有する素子本体と、
前記感熱素子に接続された一対のリード線とを備え、
前記素子本体が、前記収納空間に挿入され、前記素子本体と前記樹脂ケース部との間に絶縁性の接着用樹脂が充填され、
前記バスバーが、第1延在部と、
前記第1延在部に平行に延在する第2延在部と、
前記第1延在部の先端部と前記第2延在部の先端部とを連結する連結部とを備えたコ字状とされ、
前記第1延在部と前記連結部と前記第2延在部とで前記収納空間の内壁のうち3面が構成されていることを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項2】
バスバーと、
前記バスバーの一部に樹脂により成形された樹脂ケース部と、
前記樹脂ケース部内に取り付けられた温度センサとを備え、
少なくとも前記樹脂ケース部により内壁が構成され前記温度センサを収納可能な収納空間を有し、
前記温度センサが、先端部に設けられた感熱素子を有する素子本体と、
前記感熱素子に接続された一対のリード線とを備え、
前記素子本体が、前記収納空間に挿入され、前記素子本体と前記樹脂ケース部との間に絶縁性の接着用樹脂が充填され、
前記バスバーが、第1延在部と、
前記第1延在部の先端部から前記第1延在部に直交する方向に延在する第2延在部とを備えたL字状とされ、
前記第1延在部と前記第2延在部とで前記収納空間の内壁のうち2面が構成されていることを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のバスバーモジュールにおいて、
前記収納空間の内壁が、前記樹脂ケース部と前記バスバーとにより構成されていることを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のバスバーモジュールにおいて、
前記樹脂ケース部の一部が、前記バスバーの外側面の一部を覆っていることを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載のバスバーモジュールにおいて、
前記温度センサが、一対の前記リード線に接続された一対の電線を備え、
前記素子本体から前記リード線と前記電線との接続部までが、前記収納空間内に挿入されていることを特徴とするバスバーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーや自動車用の配線部材として用いられ温度センサが取り付けられたバスバーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ-や自動車用の配線部材として用いられるバスバーには、バスバーの温度を検出するために温度センサが取り付けられているものが知られている。
従来、完成品の温度センサをバスバーに取り付けしていたが、温度センサの固定をバスバー全体を覆った樹脂コートを用いて行っていたため、熱容量が大きくなり応答性が低下してしまう不都合があった。また、固定する樹脂の量にばらつきがあるため、熱容量や応答性にばらつきが生じてしまっていた。
さらに、バスバーに温度センサをロック機構により取り付けを行う場合、構造が複雑化して高コストになってしまうと共にロック機構外れにより固定性が不十分になり測定精度が劣化してしまう不都合があった。また、公差のずれにより接触が悪くなり、バスバーからの収熱が悪いという問題があった。
そのため、樹脂コートやロック機構を用いずに温度センサを取り付ける構造として、バスバーに温度センサの収納ケースを取り付けたものが提案されている。
【0003】
従来、例えば特許文献1には、被測定部に取り付けられるバスバーモジュールの温度センサ挿入空間に、先端部を下方に向けて曲げL字状に形成される収納ケースを挿入し、収納ケース内にサーミスタと、リード線と電線とを備えた温度検知線を収納ケースの形状に沿って収納し、サーミスタとリード線と電線の一部とを金属の集熱部材によって覆った温度センサの取付構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-151349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来の技術では、収納ケースとバスバーとの接触不良(公差によるものやソリ、ヒケ等)や収納ケースの取り付け状態の悪化により、収熱・伝熱が悪くなり、応答性がやはり低下してしまうと共に測温精度も低下してしまう問題があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、応答性に優れていると共にバスバーの温度を高精度に測定できるバスバーモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るバスバーモジュールは、バスバーと、前記バスバーの一部に樹脂により成形された樹脂ケース部と、前記樹脂ケース部内に取り付けられた温度センサとを備え、少なくとも前記樹脂ケース部により内壁が構成され前記温度センサを収納可能な収納空間を有し、前記温度センサが、先端部に設けられた感熱素子を有する素子本体と、前記感熱素子に接続された一対のリード線とを備え、前記素子本体が、前記収納空間に挿入され、前記素子本体と前記樹脂ケース部との間に絶縁性の接着用樹脂が充填されていることを特徴とする。
【0008】
このバスバーモジュールでは、バスバーの一部に樹脂により成形された樹脂ケース部を備え、少なくとも樹脂ケース部により内壁が構成され温度センサを収納可能な収納空間を有し、素子本体が、収納空間に挿入され、素子本体と樹脂ケース部との間に絶縁性の接着用樹脂が充填されているので、インサート成形によりバスバーと一体となった樹脂ケース部内に素子本体が樹脂封止されることで、バスバーからの集熱が良く、高い応答性を得ることができる。
すなわち、素子本体が、バスバーと一体化した樹脂ケース部内に接着用樹脂で埋設され、測定対象物であるバスバーに固定及び位置決めされることで、高い測温精度と高速応答とを得ることができる。また、素子本体が樹脂ケース部内に位置決めされることで、応答性のばらつきを抑制することができる。さらに、収納ケース等の別部材を別途用意せず、樹脂ケース部をインサート成形によりバスバーに直接一体化させるので、樹脂ケース部を極力小さく設定でき、熱容量を小さくすることができると共に低コスト化を図ることが可能になる。なお、接着用樹脂は素子本体と収納空間との隙間だけに注入されて少ない量に限定されるため、熱容量の増大を抑制することができると共に、熱容量及び応答性のばらつきも抑制することができる。
【0009】
第2の発明に係るバスバーモジュールは、第1の発明において、前記収納空間の内壁が、前記樹脂ケース部と前記バスバーとにより構成されていることを特徴とする。
すなわち、このバスバーモジュールでは、収納空間の内壁が、樹脂ケース部とバスバーとにより構成されているので、バスバーによる金属面が内壁の一部となると共に受熱面の樹脂ケース部の省略化ができて素子本体との距離を近くできることで、素子本体への熱伝導がさらに良くなり、より高速応答化することができる。
【0010】
第3の発明に係るバスバーモジュールは、第1又は第2の発明において、前記樹脂ケース部の一部が、前記バスバーの外側面の一部を覆っていることを特徴とする。
すなわち、このバスバーモジュールでは、樹脂ケース部の一部が、バスバーの外側面の一部を覆っているので、樹脂ケース部とバスバーとの接触面が増え、バスバーから樹脂ケース部へのより多くの集熱が可能になる。
【0011】
第4の発明に係るバスバーモジュールは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記バスバーが、第1延在部と、前記第1延在部に平行に延在する第2延在部と、前記第1延在部の先端部と前記第2延在部の先端部とを連結する連結部とを備えたコ字状とされ、前記第1延在部と前記連結部と前記第2延在部とで前記収納空間の内壁のうち3面が構成されていることを特徴とする。
すなわち、このバスバーモジュールでは、第1延在部と連結部と第2延在部とで収納空間の内壁のうち3面が構成されているので、バスバーによる金属面が内壁の3面を構成することで、より高い応答性と測温精度とを得ることができる。
【0012】
第5の発明に係るバスバーモジュールは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記バスバーが、第1延在部と、前記第1延在部の先端部から前記第1延在部に直交する方向に延在する第2延在部とを備えたL字状とされ、前記第1延在部と前記第2延在部とで前記収納空間の内壁のうち2面が構成されていることを特徴とする。
すなわち、このバスバーモジュールでは、第1延在部と第2延在部とで収納空間の内壁のうち2面が構成されているので、バスバーによる金属面が内壁の2面を構成することで、より高い応答性と測温精度とを得ることができる。
【0013】
第6の発明に係るバスバーモジュールは、第1から第5の発明のいずれかにおいて、前記収納空間の全ての内壁が、前記樹脂ケース部の内面で構成されていることを特徴とする。
すなわち、このバスバーモジュールでは、収納空間の全ての内壁が、樹脂ケース部の内面で構成されているので、樹脂ケース部の成形で収納空間の形状を任意に設定することが可能になり、収納する素子本体等の大きさや形状に対応した収納空間を形成することが用意となる。
【0014】
第7の発明に係るバスバーモジュールは、第1から第6の発明のいずれかにおいて、前記温度センサが、一対の前記リード線に接続された一対の電線を備え、前記素子本体から前記リード線と前記電線との接続部までが、前記収納空間内に挿入されていることを特徴とする。
すなわち、このバスバーモジュールでは、素子本体からリード線と電線との接続部までが、前記収納空間内に挿入されているので、素子本体の固定がより強固になると共にリード線全体が収納空間内に埋設されて、さらに高い応答性と測温精度とを得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るバスバーモジュールによれば、バスバーの一部に樹脂により成形された樹脂ケース部を備え、少なくとも樹脂ケース部により内壁が構成され温度センサを収納可能な収納空間を有し、素子本体が、収納空間に挿入され、素子本体と樹脂ケース部との間に絶縁性の接着用樹脂が充填されているので、インサート成形によりバスバーと一体となった樹脂ケース部内に素子本体が樹脂封止されることで、バスバーからの集熱が良く、高い応答性を得ることができる。
このように本発明のバスバーモジュールでは、熱応答性が高く熱応答性のばらつきも少ないことから、高精度なバスバーの温度測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るバスバーモジュールの第1実施形態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態において、バスバーモジュールを示す断面図である。
図3】第1実施形態において、バスバーを示す斜視図である。
図4】第1実施形態において、温度センサ取り付け前のバスバーモジュールを示す右側面図である。
図5】第1実施形態において、バスバーモジュールをモーターに取り付けた状態を示す斜視図である。
図6】本発明に係るバスバーモジュールの第2実施形態を示す斜視図である。
図7】第2実施形態において、温度センサ取り付け前のバスバーモジュールを示す右側から視た斜視図である。
図8】本発明に係るバスバーモジュールの第3実施形態を示す斜視図である。
図9】第3実施形において、温度センサ取り付け前のバスバーモジュールを示す右側から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るバスバーモジュールにおける第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面の一部では、各部を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
【0018】
本実施形態のバスバーモジュール1は、図1から図5に示すように、バスバー2と、バスバー2の一部に樹脂により成形された樹脂ケース部14と、樹脂ケース部14内に取り付けられた温度センサ3とを備えている。
本実施形態のバスバーモジュール1は、少なくとも樹脂ケース部14により内壁が構成され温度センサ3を収納可能な収納空間Sを有している。
なお、図4では、見やすくするため、樹脂ケース部14にハッチングを施している。以下、図7図9についても同様にハッチングを施している。
【0019】
上記温度センサ3は、図2に示すように、先端部に設けられた感熱素子4aを有する素子本体4と、感熱素子4aに接続された一対のリード線5と、一対のリード線5に接続された一対の電線6とを備えている。
上記素子本体4は、収納空間Sに挿入され、素子本体4と樹脂ケース部14との間に絶縁性の接着用樹脂7が充填されている。
【0020】
上記バスバー2は、図4に示すように、第1延在部8と、第1延在部8に平行に延在する第2延在部9と、第1延在部8の先端部と第2延在部9の先端部とを連結する連結部10とを備えたコ字状とされ、第1延在部8と連結部10と第2延在部9とで収納空間Sの内壁のうち3面が構成されている。
【0021】
すなわち、収納空間Sの内壁は、樹脂ケース部14とバスバー2とにより構成されている。
収納空間Sの内壁のうち3面は、第1延在部8と連結部10と第2延在部9との各内側面で構成されていると共に、収納空間Sの内壁のうち2面(上下面)は、樹脂ケース部14の内面で構成されている。
【0022】
さらに、樹脂ケース部14の一部は、バスバー2の外側面の一部を覆っている。
すなわち、樹脂ケース部14は、第1延在部8の外側面まで覆った第1突出部14aと、第2延在部の外側面まで覆った第2突出部14bと、連結部10の外側面まで覆った第3突出部14cとを備えている。
【0023】
また、素子本体4からリード線5と電線6との接続部5aまでが、収納空間S内に挿入されている。
上記接続部5aは、リード線5と電線6とをレーザ溶接で接続している。
【0024】
上記バスバー2は、車載用のバッテリーやモーター等に取り付けて接続するための2つの突出部8aが第1延在部8の側部に設けられている。
また、バスバー2は、例えばCu等の金属で形成されている。
上記素子本体4は、チップサーミスタ等の感熱素子4aと、感熱素子4aをガラスで覆っている封止ガラス部4bと、封止ガラス部4bを樹脂で覆っている樹脂コート部4cとを備えている。
【0025】
上記樹脂コート部4cは、一対のリード線5も覆って形成されている。
上記電線6は、電線芯線6aと、電線芯線6aを覆っている電線被覆部6bとを備えている。
上記接着用樹脂7は、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂が採用可能であり、特に熱伝導性の良い樹脂が好ましい。
【0026】
本実施形態のバスバーモジュール1をモーターMに取り付けた状態を、図5に示す。
この図5では、突出部8aをモーターMのコイル部分の側面に溶接してバスバーモジュール1を取り付けている。
【0027】
このように本実施形態のバスバーモジュール1では、バスバー2に樹脂により成形された樹脂ケース部14を備え、少なくとも樹脂ケース部14により内壁が構成され温度センサ3を収納可能な収納空間Sを有し、素子本体4が、収納空間Sに挿入され、素子本体4と樹脂ケース部14との間に絶縁性の接着用樹脂7が充填されているので、インサート成形によりバスバー2と一体となった樹脂ケース部14内に素子本体4が樹脂封止されることで、バスバー2からの集熱が良く、高い応答性を得ることができる。
【0028】
すなわち、素子本体4がバスバー2と一体化した樹脂ケース部14内に接着用樹脂7で埋設され、測定対象物であるバスバー2に固定及び位置決めされることで、高い測温精度と高速応答とを得ることができる。また、素子本体4が樹脂ケース部14内に位置決めされることで、応答性のばらつきを抑制することができる。
【0029】
さらに、収納ケース等の別部材を別途用意せず、樹脂ケース部14をインサート成形によりバスバー2に直接一体化させるので、樹脂ケース部14を極力小さく設定でき、熱容量を小さくすることができると共に低コスト化を図ることが可能になる。なお、接着用樹脂7は素子本体4と収納空間Sとの隙間だけに注入されて少ない量に限定されるため、熱容量の増大を抑制することができると共に、熱容量及び応答性のばらつきも抑制することができる。
【0030】
また、収納空間Sの内壁が、樹脂ケース部14とバスバー2とにより構成されているので、バスバー2による金属面が内壁の一部となると共に受熱面の樹脂ケース部14の省略化ができて素子本体4との距離を近くできることで、素子本体4への熱伝導がさらに良くなり、より高速応答化することができる。
また、樹脂ケース部14の一部が、バスバー2の外側面の一部を覆っているので、樹脂ケース部14とバスバー2との接触面が増え、バスバー2から樹脂ケース部14へのより多くの集熱が可能になる。
【0031】
また、第1延在部8と連結部10と第2延在部9とで収納空間Sの内壁のうち3面が構成されているので、バスバー2による金属面が内壁の3面を構成することで、より高い応答性と測温精度とを得ることができる。
さらに、素子本体4からリード線5と電線6との接続部5aまでが、収納空間S内に挿入されているので、素子本体4の固定がより強固になると共にリード線5全体が収納空間S内に埋設されて、さらに高い応答性と測温精度とを得ることができる。
【0032】
次に、本発明に係るバスバーモジュールの第2及び第3実施形態について、図6から図9を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0033】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、バスバー2がコ字状であるのに対し、第2実施形態のバスバーモジュール21では、図6及び図7に示すように、バスバー22が、L字状である点である。
すなわち、第2実施形態のバスバー22は、第1延在部20と、第1延在部20の基端部から第1延在部20に直交する方向に延在する第2延在部29とを備えたL字状とされ、図7に示すように、第1延在部20と第2延在部29とで収納空間Sの内壁のうち2面が構成されている。
なお、第3実施形態では、第1延在部20の先端部20aが、車載用のバッテリーやモーター等に取り付けて接続するための突出部となっている。
【0034】
第2実施形態では、図7に示すように、収納空間Sの内壁のうち2面が第1延在部20と第2延在部29と各内側面で構成されていると共に、収納空間Sの内壁のうち3面(上下面及び第1延在部20に対向した面)が樹脂ケース部24の内面で構成されている。
このように第2実施形態のバスバーモジュール21では、第1延在部20と第2延在部29とで収納空間Sの内壁のうち2面が構成されているので、バスバー22による金属面が内壁の2面を構成することで、より高い応答性と測温精度とを得ることができる。
【0035】
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、第1延在部8と連結部10と第2延在部9とで収納空間Sの内壁のうち3面が構成されているのに対し、第2実施形態のバスバーモジュール31では、図8及び図9に示すように、収納空間Sの全ての内壁が、樹脂ケース部34の内面で構成されている点である。
このように第3実施形態のバスバーモジュール31では、収納空間Sの全ての内壁が、樹脂ケース部34の内面で構成されているので、樹脂ケース部34の成形で収納空間Sの形状を任意に設定することが可能になり、収納する素子本体4等の大きさや形状に対応した収納空間Sを形成することが容易となる。
【0036】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0037】
例えば、上記各実施形態では、感熱素子としてチップサーミスタを採用しているが、薄膜サーミスタや焦電素子などを採用しても構わない。
また、上記各実施形態では、コ字状又はL字状のバスバーに樹脂ケース部をインサート成形しているが、他の形状のバスバーに樹脂ケース部をインサート成形しても構わない。例えば、I字状のバスバーに樹脂ケース部をインサート成形してもよい。この場合、樹脂ケース部の収納空間の内壁のうち1面をバスバーで構成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1,21,31…バスバーモジュール、2,22…バスバー、3…温度センサ、4…素子本体、4a…感熱素子、5…リード線、5a…接続部、6…電線、7…接着用樹脂、8,20…第1延在部、9,29…第2延在部、10…連結部、14,24,34…樹脂ケース部、S…収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9