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  • 特許-眼検査システム制御用プログラム 図1
  • 特許-眼検査システム制御用プログラム 図2
  • 特許-眼検査システム制御用プログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】眼検査システム制御用プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/00 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61B3/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020037330
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021137310
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】青木 健治
【審査官】瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-289663(JP,A)
【文献】特開2004-033275(JP,A)
【文献】特開2005-013472(JP,A)
【文献】特開2001-061782(JP,A)
【文献】特開2006-204444(JP,A)
【文献】特開2019-213612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00- 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼検査装置と前記眼検査装置を載置するテーブルと、被検眼と眼検査装置の検査軸との高さを合わせるために前記眼検査装置および前記テーブルの少なくとも何れかの高さ調整を行う高さ調整手段と、を含む眼検査ユニットを、1つ以上備える眼検査システムを制御する眼検査システム制御用プログラムであって、
前記眼検査システムの制御用コンピュータによって実行されることによって、
第1眼検査ユニットによって被検眼を測定したときの検査軸の高さを示す第1高さ情報を取得する取得ステップと、
前記第1眼検査ユニットと、前記第1眼検査ユニットとは異なる第2眼検査ユニットであって、前記第1眼検査ユニットとはそれぞれ別個の眼検査装置、テーブル、および、高さ調整手段を有する第2眼検査ユニットとの間における眼検査装置のアイレベルの差分と、前記第1高さ情報と、に基づいて、前記第2眼検査ユニットにおける前記高さ調整手段を制御することによって、前記第2眼検査ユニットにおける検査軸の高さを調整する高さ調整ステップと、を前記眼検査システムに実行させる、眼検査システム制御用プログラム。
【請求項2】
前記高さ調整手段は、前記眼検査装置において前記検査軸の高さ調整を行う装置側高さ調整手段と、前記テーブルの高さ調整を行うテーブル側高さ調整手段と、を含み、
前記高さ調整ステップでは、少なくともテーブル側高さ調整手段が、前記アイレベルの差分と、前記第1高さ情報と、に基づいて駆動制御される、請求項1記載の眼検査システム制御用プログラム。
【請求項3】
前記第2眼検査ユニットにおけるテーブルは、テーブルの高さを検出する第2検出手段を有すると共に、手動で高さ調整が可能であって、
前記高さ調整ステップでは、前記アイレベルの差分、前記第1高さ情報、および、前記第2検出手段の検出結果、に基づいて、前記第2眼検査ユニットの眼検査装置における前記検査軸の高さを調整する、請求項1又は2記載の眼検査システム制御用プログラム。
【請求項4】
前記高さ調整ステップは、被検眼と眼検査装置との水平方向に関する位置調整に先んじて実行される、請求項1~3のいずれかに記載の眼検査システム制御用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼検査システム制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
据え置き型の眼検査装置は、検眼テーブル(以下、単にテーブルと称する)に載置されて使用される。検査時には、眼検査装置における検査軸(例えば、撮影光軸および測定光軸等)と被検眼との高さを合わせる必要がある。そこで、被検者の座高に応じてテーブルの高さを調整したうえで、眼検査装置における高さ調整が行われている。
【0003】
一例として、特許文献1には、被検者の識別データに対応付けて記憶されていた過去の検査におけるテーブルの高さ等を、新たに検査する際に再現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-33275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、据え置き型の眼検査装置といっても、用途に応じて様々なものが存在しており、1つの施設に、複数機種の眼検査装置が導入されている。異なる機種の間で、基台や顔支持ユニット等の共通要素があるので、それらの要素については、機種間で形状や寸法などの構成を統一(共通化)する試みが行われている。
【0006】
しかしながら、検査に必要な光学系等のサイズおよび重量については、機種ごとのばらつきが大きく、各機種で統一することは困難である。その結果、眼検査装置の底面から検査軸までの高さであるアイレベルについては、機種間で完全に統一することは現実的で無かった。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高さ調整の負担がより抑制される、眼検査システム制御用プログラムを提供すること、を技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1態様に係る眼検査システム制御用プログラムは、眼検査装置と前記眼検査装置を載置するテーブルと、被検眼と眼検査装置の検査軸との高さを合わせるために前記眼検査装置および前記テーブルの少なくとも何れかの高さ調整を行う高さ調整手段と、を含む眼検査ユニットを、1つ以上備える眼検査システムを制御する眼検査システム制御用プログラムであって、前記眼検査システムの制御用コンピュータによって実行されることによって、第1眼検査ユニットによって被検眼を測定したときの検査軸の高さを示す第1高さ情報を取得する取得ステップと、前記第1眼検査ユニットと、前記第1眼検査ユニットとは異なる第2眼検査ユニットであって、前記第1眼検査ユニットとはそれぞれ別個の眼検査装置、テーブル、および、高さ調整手段を有する第2眼検査ユニットとの間における前記眼検査装置のアイレベルの差分と、前記第1高さ情報と、に基づいて、前記第2眼検査ユニットにおける前記高さ調整手段を制御することによって、前記第2眼検査ユニットにおける検査軸の高さを調整する高さ調整ステップと、を前記眼検査システムに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、高さ調整の負担がより抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例に係る眼検査システムの概略構成を示す図である。
図2】実施例に係る第1,第2眼検査ユニットを示した図である。
図3】実施例に係る眼検査システム制御用プログラムを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「概要」
以下、本開示における実施形態を説明する。実施形態に係る眼検査システム制御用プログラムは、眼検査システムに含まれる眼検査ユニットの高さ調整に利用される。眼検査システム制御用プログラムは、同一の被検者(被検眼)に対し、2つの検査ユニット(第1検査ユニット、第2検査ユニット)で検査が行われる場合に、先に利用された第1眼検査ユニットの高さ調整の結果を、第2眼検査ユニットに対して反映させる処理である。
【0012】
本実施形態において、眼検査システムは、眼検査ユニットを1つ以上備えている。それぞれの眼検査ユニットは、眼検査装置と、テーブル(検眼テーブル)と、高さ調整部と、を含む。眼検査装置は、据え置き型の装置であってもよい。テーブルは、眼検査ユニットに含まれる眼検査装置を載置する。また、高さ調整部は、被検眼と眼検査装置の検査軸との高さを合わせるために利用される。詳細には、高さ調整部によって、眼検査装置およびテーブルの少なくとも何れかの高さ調整が行われる。高さ調整部は、眼検査装置と、テーブルと、のそれぞれに設けられていてもよい。以下の説明において、特に、眼検査装置に設けられる高さ調整部を、装置側高さ調整部と称し、テーブルに設けられる高さ調整部を、テーブル側高さ調整部と称する。
【0013】
眼検査システムは、更に、制御用コンピュータを有していてもよい。この制御用コンピュータは、眼検査装置等と一体化されていてもよいし、別体であってもよい。眼検査システム制御用プログラムは、眼検査システムの制御用コンピュータによって実行されることによって、取得ステップ、および、高さ調整ステップを、眼検査システムに少なくとも実行させる。
【0014】
取得ステップでは、第1眼検査ユニットによって被検眼を測定したときの検査軸の高さを示す第1高さ情報を取得する。
【0015】
高さ調整ステップでは、第1眼検査ユニットと第2眼検査ユニットとの間における眼検査装置のアイレベルの差分と、第1高さ情報と、に基づいて第2眼検査ユニットにおける高さ調整部が制御される。これによって、第2眼検査ユニットにおける検査軸の高さが調整される。このとき、第2検査ユニットに含まれるテーブル側高さ調整部が、アイレベルの差分と、第1高さ情報と、に基づいて駆動制御されてもよい。
【0016】
なお、本実施形態におけるアイレベルは、眼検査装置の底面から検眼軸までの高さである。また、アイレベルは、固定値とする。例えば、装置側高さ調整部を備えることで底面から検眼軸までの高さが調整可能な装置においては、調整範囲の基準位置を指す。
【0017】
上記の通り、本実施形態では、第2眼検査ユニットでの高さ調整において、第1高さ情報に加えて、第1眼検査ユニットと第2眼検査ユニットとの間における眼検査装置のアイレベルの差分が考慮される。このため、本実施形態では、2つの眼検査ユニットの眼検査装置のアイレベルが異なっていても、第2眼検査ユニットでの高さ調整において、第1眼検査ユニットでの高さ調整の結果を好適に利用できる。つまり、過去に同一の装置で検査を受けていない場合でも、自動高さ調整が可能となり、検査へスムースに移行しやすくなる。
【0018】
また、例えば、検査ユニットにおけるテーブル(少なくとも第2検査ユニットにおけるテーブル)は、手動で高さ調整が可能であってもよい。この場合、テーブルは、テーブルの高さを検出するセンサ(第2検出手段)を有してもよく、高さ調整ステップでは、アイレベルの差分、第1高さ情報、および、センサの検出結果、に基づいて、第2眼検査ユニットの眼検査装置を制御し、眼検査装置における検査軸の高さを調整してもよい。
【0019】
手動でのテーブルの高さ調整結果を考慮して、検査軸の高さ調整が装置側で行われるので、第2眼検査ユニットにおいてテーブルが装置と独立に高さ調整を行う構成であっても、検査軸の高さが適正に調整できる。
【0020】
<椅子を含む眼検査ユニットについて>
また、本実施形態において、各々の眼検査ユニットには、更に、椅子が含まれていてもよい。高さ調整ステップでは、2つの眼検査ユニットのアイレベルの差分と、2つの眼検査ユニットの椅子の高さの差分と、第1高さ情報と、に基づいて、第2眼検査ユニットの高さ調整部が駆動制御されてもよい。これにより、2つの眼検査ユニットの椅子の高さに違いがあっても、第2眼検査ユニットでの高さ調整を好適に行うことができる。なお、椅子の高さは、既知の値であってもよい。また、高さ調整が可能な椅子においては、椅子の高さを検出するセンサを有していてもよく、センサからの検出値が、椅子の高さとして、高さ調整ステップにおいて利用されてもよい。
【0021】
また、椅子には、椅子の高さを変更する駆動部が、設けられていてもよい。眼検査システムの高さ調整部は、椅子の駆動部を駆動することで、高さ調整を行ってもよい。
【0022】
<顎台を含む眼検査ユニットについて>
本実施形態において、各々の眼検査ユニットの眼検査装置には、更に、顎台が含まれていてもよい。取得ステップでは、第1眼検査ユニットの顎台の高さを示す第1顎台高さ情報が取得可能であってもよく、高さ調整ステップでは、第1顎台高さ情報に基づいて、第2眼検査ユニットの顎台の高さが調整されてもよい。このとき、アイレベルから顎台の上面までの間隔が、2つの眼検査ユニットの間で一致するように、第2眼検査ユニットの顎台が制御されてもよい。
【0023】
「実施例」
次に、図面に基づいて、実施例を説明する。
【0024】
図1に、実施例における眼検査システムの概略構成を示す。実施例に係る眼検査システムは、複数の眼検査ユニット1,2,3・・・と、ネットワークストレージ100と、がネットワークで接続されている。
【0025】
それぞれの眼検査ユニット1,2,3・・・は、少なくとも眼検査装置とテーブル(検眼テーブル)と、を含む。それぞれの眼検査ユニット1,2,3・・・の中には、眼検査装置のアイレベルが異なるものが混在している。なお、それぞれの眼検査ユニット1,2,3・・・の間で、眼検査装置のモダリティが互いに異なっていてもよい。
【0026】
ネットワークストレージ100には、各検査ユニット1,2,3・・・による検査に利用される情報が、記憶されてもよい。例えば、本実施例では、各検査ユニット1,2,3・・・における高さ調整の結果を示す情報が、それぞれの被検者の識別情報と対応付けて記憶されている。また、各検査ユニット1,2,3における眼検査装置のアイレベルを示す情報が、ネットワークストレージ100に格納されていてもよい。更に、追加的に、それぞれの被検者に対する過去の検査結果が、ネットワークストレージ100に記憶されていてもよい。
【0027】
次に、図2を参照して、眼検査ユニットの詳細構成を説明する。
【0028】
図2(a)には、第1眼検査ユニット1が示されており、図2(b)には、第2眼検査ユニット2が示されている。ここで、一例として、本実施例では、各眼検査ユニットにおける複数の眼検査装置が、検査に必要な光学系等のサイズおよび重量に基づいて、第1グループと第2グループとに分類されており、第1眼検査ユニット1の眼検査装置10は第1グループの装置を、第2眼検査ユニット2の眼検査装置20は第2グループの眼検査装置を、それぞれ図示したものである。同一グループに分類される機種間では、顎台の形状やアイレベル等が統一されており、それらは、第1グループと第2グループとの間で相違している。第1グループは、比較的小型化が可能な装置である。一方、第2グループは、比較的大型な装置である。例えば、前眼部の検査装置(他覚式眼屈折力測定装置、角膜内皮細胞撮影装置、眼圧計など)が第1グループに分類され、眼底の検査装置(光干渉断層計、眼底撮影装置等)が第2グループに分類されてもよい。
【0029】
符号Lで示した軸は、各眼検査ユニット1,2における検査軸(撮影光軸、および、測定光軸等)である。説明の便宜上、各眼検査ユニット1,2に含まれているテーブル50は、構成が同一であるものとする。
【0030】
第1眼検査ユニット1は、眼検査装置10と、テーブル50と、を有する。
【0031】
眼検査装置10は、光学部11、基台13、顔支持ユニット15、駆動部17、および、制御部19を有する。本実施例において、光学部11は、被検眼を検査するための主要な光学系を備えている。光学部11は、駆動部17によって、3次元的に移動される。駆動部17による光学部11の上下移動は、例えば、被検眼Eと検査軸Lとの高さを合わせるために利用される。より詳細には、微調整に利用されてもよい。
【0032】
また、顔支持ユニット15には、顎を支持する顎台16を備える。顎台16の高さは調整可能である。本実施例では、図示なき顎台駆動部が駆動することによって、顎台16は上下方向に移動される。被検者の眼から顎までの距離に応じて、顎台16の高さが調整される。
【0033】
制御部19は、眼検査装置1の各部を制御する。本実施例では、眼検査装置1を支えるテーブル50も、制御部19からの指示に基づいて制御される。本実施例では、眼検査システム制御用プログラムが、制御部19によって実行されることによって、図3のフローチャートに示す各処理が実行される。
【0034】
本実施例において、テーブル50は、天板51、脚53、制御部55、駆動部57、を備える。図2に示すように、天板51上に眼検査装置1が載置された状態で、脚53の伸縮によって、天板51の高さが変更される。本実施例では、天板51の高さが、テーブルの高さである。
【0035】
第2眼検査ユニット2は、眼検査装置20と、テーブル50と、を有する。本実施例において、第2眼検査ユニット2における眼検査装置20のアイレベルは、第1眼検査ユニット1における眼検査装置10のアイレベルよりも大きい。第2眼検査ユニット2の眼検査装置20は、光学部21、基台23、顔支持ユニット25、駆動部27、および、制御部29を有する。各部の詳細説明は、眼検査装置10における各部の説明を援用し、詳細は省略する。なお、顔支持ユニット25における符号26は上下方向に駆動可能な顎台である。
【0036】
ここで、図2の通り、第1眼検査ユニット1における眼検査装置10の検査軸Lの高さをHE1、テーブル50の高さをHT1として、それぞれ示す。また、第2眼検査ユニット2における眼検査装置20の検査軸Lの高さをHE2、テーブル50の高さをHT2として、それぞれ示す。更に、椅子の高さをHC、椅子から被検眼までの高さをSHとして、それぞれ示す。なお、本実施例では、説明の便宜のため、椅子の高さは一定であるものとする。
【0037】
第1眼検査ユニット1では、SH+HC=HE1+HT1の関係になるように、駆動部15,57が駆動制御されることで、被検眼Eに対し検査軸Lの高さが適正位置に調整される。同様に、第2眼検査ユニット2では、SH+HC=HE2+HT2の関係になるように、駆動部25,57が駆動制御されることで、被検眼Eに対し検査軸Lの高さが適正位置に調整される。但し、前述の通り、第2眼検査ユニット2における眼検査装置20のアイレベルは、第1眼検査ユニット1における眼検査装置10のアイレベルよりも大きい。このため、同一の被検者を、それぞれの眼検査ユニット1,2で検査する場合において、各眼科装置10,20の底面から検眼軸Lまでの高さ、および、テーブルの高さ、は、ユニット間で異なり得る。
【0038】
<動作説明>
次に、図3のフローチャートを参照して、眼検査ユニットの動作を説明する。図3のフローチャートは、実施例における眼検査システム制御用プログラムの流れを示している。
【0039】
まず、被検者の情報が、眼検査システムに対して入力される(S1)。このとき、被検者を特定するための情報(例えば、被検者の識別情報等)が入力されてもよい。本実施例では、眼検査システムに含まれる眼検査装置に対して、被検者の情報が入力される。
【0040】
次に、情報が入力された被検者と対応する過去の検査に基づく高さ情報が、眼検査装置やネットワークストレージに存在しているか否かが判定される(S2)。高さ情報は、過去に眼検査システムで検査したときの検査軸の高さを示す。このとき、高さ情報は、今回利用する眼検査ユニットでの過去の検査に基づくものであってもよいし、他の眼検査ユニットでの過去の検査に基づくものであってもよい。検査に利用された眼検査ユニットにおける眼検査装置およびテーブルそれぞれの高さが、過去の検査に基づく高さ情報によって特定される。
【0041】
過去の検査に基づく高さ情報が存在していなければ、手動での高さ調整が、検者に対して要求される(S3)。その際、手動で調整が必要である旨が、表示されてもよいし、音声などでアナウンスされてもよい。また、この場合、図示なき操作部を介して、眼検査装置、および、テーブルの高さを、被検眼の位置に応じて手動で調整される。
【0042】
調整後、検者から被検者に、顎台に顎を乗せるように指示する。顎台を含む顔支持ユニットによって被検者の顔が支持された状態で、その他の調整処理が行われる(S4)。このとき、例えば、顎台の調整が行われてもよい。また、例えば、被検眼と装置との水平方向に関するアライメント調整が行われてもよい。また、フォーカス調整等、光学部11に内蔵された光学系が駆動されてもよい。調整後、検査が実行される(S5)。そして、検査結果が、眼検査装置の内蔵メモリやネットワークストレージ100等に、被検者を特定する情報と対応付けて記憶される。また、本実施例では、あわせて、今回の検査に基づく高さ情報が、記憶される(S6)。
【0043】
S2に戻って説明を続ける。眼検査装置やネットワークストレージに、過去の検査に基づく高さ情報が存在している場合(S2:Yes)、S7の判定処理が実行される。すなわち、過去の検査で利用された眼検査ユニットにおける眼検査装置のアイレベルが、今回利用する眼検査装置のアイレベルと同一であるか否かが判定される(S7)。
【0044】
過去の検査で利用された眼検査ユニットにおける眼検査装置のアイレベルが、今回利用する眼検査装置のアイレベルと同一である場合は、当該過去の検査で得られた高さ情報を、今回の検査においてそのまま利用できる。つまり、本実施例では、過去の検査に基づく高さ情報から特定されるHTo,HEoを、そのままテーブルと眼検査装置とのそれぞれへ適用されるように、検査軸の高さを調整する(S8)。調整後、S4~S6の処理が実行される。
【0045】
一方で、過去の検査で利用された眼検査ユニットにおける眼検査装置のアイレベルが、今回利用する眼検査装置のアイレベルと異なる場合(S7:No)、アイレベルの違いを考慮しつつ、過去の検査に基づく高さ情報を用いて高さ調整が行われる(S9)。例えば、今回利用する眼検査装置のアイレベルが、過去に利用した眼検査装置のアイレベルよりも大きな値である場合、眼検査装置の高さ、および、テーブルの高さが、それぞれ、HT+a,HTo-a(aはアイレベルの差分)となるように、テーブルおよび装置が制御されてもよい。このような調整後、S4~S6の処理が実行される。
【0046】
このように、本実施例によれば、過去の検査で利用した眼検査ユニットと今回の検査で利用する眼検査ユニットとの間における眼検査装置のアイレベルの違いに関わらず、過去の検査で得られた高さ情報に基づいて、今回の検査における高さ調整を良好に行うことができる。
【0047】
以上、実施形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 第1眼検査ユニット
2 第2眼検査ユニット
10 眼検査装置
20 眼検査装置
17 駆動部
27 駆動部
50 テーブル
57 駆動部
L 検査軸
図1
図2
図3