特許 7447635 包装仕切構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-03-04

(45)【発行日】2024-03-12

(54)【発明の名称】包装仕切構造

(51)【国際特許分類】

   B65D 81/05 20060101AFI20240305BHJP

【ＦＩ】

B65D81/05

【請求項の数】 4

(21)【出願番号】P 2020064363

(22)【出願日】2020-03-31

(65)【公開番号】P2021160777

(43)【公開日】2021-10-11

【審査請求日】2023-01-20

(73)【特許権者】

【識別番号】000010087

【氏名又は名称】ＴＯＴＯ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】柴田 和秀

(72)【発明者】

【氏名】佐藤 賢志

【審査官】宮崎 基樹

(56)【参考文献】

【文献】特開２００２－１９３２４６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１１－１１５９２７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００１－３２８６７８（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６５Ｄ ５７／００－５９／０８

Ｂ６５Ｄ ８１／００－８１／１７

Ｂ６５Ｄ ５／５０

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

包装容器に収容されるとともに前記包装容器内においてパレットの載置面上に載置される被包装物の一方向の端部および前記一方向について前記端部と対向する前記包装容器の側板の間に配置される包装仕切を備える包装仕切構造であって、
前記包装仕切は、前記包装仕切および前記パレットが前記一方向について複数の位置で当接することで、前記一方向について複数の位置で位置決めされ、
前記包装仕切は、
前記パレットの前記載置面に対して平行な面を有する平板状の基板部と、
前記基板部から前記一方向に沿って前記パレット側に延出する延出部と
を備え、
前記パレットは、
前記載置面上に形成され、前記包装仕切の前記延出部が挿通されるとともに前記延出部が挿通された状態で前記基板部が当接する挿通部
を備え、
前記挿通部は、前記一方向に複数並んで形成され、複数から１つが選択される、包装仕切構造。

【請求項2】

前記パレットおよび前記包装仕切は、紙製であり、
前記挿通部は、前記パレットの前記載置面において前記一方向と直交する方向に沿って形成された２つの平行な切れ目の間が上方に向けて立ち上がることで形成される、請求項１に記載の包装仕切構造。

【請求項3】

包装容器に収容されるとともに前記包装容器内においてパレットの載置面上に載置される被包装物の一方向の端部および前記一方向について前記端部と対向する前記包装容器の側板の間に配置される包装仕切を備える包装仕切構造であって、
前記包装仕切は、前記包装仕切および前記パレットが前記一方向について複数の位置で当接することで、前記一方向について複数の位置で位置決めされ、
前記包装仕切は、
前記パレットの前記載置面に対して平行な面を有する平板状の基板部と、
前記基板部から前記一方向に沿って前記パレット側に延出する延出部と
を備え、
前記パレットは、
前記載置面上に形成され、前記包装仕切の前記延出部が挿通される挿通部
を備え、
前記包装仕切は、前記延出部が前記挿通部に挿通された状態で、前記一方向について異なる位置で前記パレット側と当接する複数の当接部をさらに備える、包装仕切構造。

【請求項4】

前記パレットおよび前記包装仕切は、紙製であり、
前記挿通部は、前記パレットの前記載置面において前記一方向と直交する方向に沿って形成された２つの平行な切れ目の間が上方に向けて立ち上がることで形成され、
前記当接部は、前記挿通部の前記一方向の端面と当接する第１当接部と、前記パレットの前記一方向の端面と当接する第２当接部とを有する、請求項３に記載の包装仕切構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

開示の実施形態は、包装仕切構造に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、温水洗浄便座などの電子機器のような各種装置や機器を流通させる際の包装容器として、段ボール箱が広く用いられている。このような段ボール箱の内部には、たとえば、外部からの衝撃によって被包装物（段ボール箱の内容物）が破損しないよう被包装物を保護するために、被包装物と段ボール箱の側板との間に緩衝材などの仕切（包装仕切という）が配置される。

【0003】

包装仕切としては、たとえば、所定の形状を有する発泡スチロール製のものの他、近年の発泡スチロールの廃棄上の問題や在庫保管上の観点から、段ボールなどの紙製のものがある（たとえば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開平８－１６４９７８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

ところで、被包装物には、たとえば、同じ型式の製品でありながら一方向（たとえば、左右方向）にサイズ違いのものがある。具体例としては、たとえば、温水洗浄便座の場合、使用者が人体局部洗浄などを行う場合に操作する操作部を、便座の左右いずれか一方の外側部に備えるもの、備えないものがある。この場合、２つの温水洗浄便座は、操作部の有無以外は同様の外観形状である。

【0006】

また、たとえば、異なる型式の製品である場合は、互いに操作部を備えながらも左右方向にサイズ違いとなる。

【0007】

このような一方向にサイズ違いの被包装物を包装容器で包装する場合、被包装物の一方向の端部から包装容器の一方向の側板までの距離が、たとえば、操作部の分だけ違うため、包装仕切も被包装物のサイズに応じたものを用いる。このため、一方向にサイズ違いの被包装物には、サイズごとに対応する包装仕切が必要であった。

【0008】

実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、一方向について複数の位置で位置決め可能とすることで、一方向にサイズ違いの被包装物に対して単一の包装仕切で対応することができる包装仕切構造を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

実施形態の一態様に係る包装仕切構造は、包装容器に収容されるとともに前記包装容器内においてパレットの載置面上に載置される被包装物の一方向の端部および前記一方向について前記端部と対向する前記包装容器の側板の間に配置される包装仕切を備える包装仕切構造であって、前記包装仕切は、前記包装仕切および前記パレットが前記一方向について複数の位置で当接することで、前記一方向について複数の位置で位置決めされる。

【0010】

このような構成によれば、たとえば、一方向にサイズ違いの被包装物を包装容器で包装する場合、包装仕切とパレットとが当接する位置を変更することで、包装仕切を、被包装物のサイズに応じて、一方向について複数の位置で位置決めすることができる。これにより、一方向にサイズ違いの被包装物に対して単一の包装仕切で対応することができ、環境面やコスト面において有効なものとなる。

【0011】

また、包装仕切構造では、前記包装仕切は、前記パレットの前記載置面に対して平行な面を有する平板状の基板部と、前記基板部から前記一方向に沿って前記パレット側に延出する延出部とを備え、前記パレットは、前記載置面上に形成され、前記包装仕切の前記延出部が挿通されるとともに前記延出部が挿通された状態で前記基板部が当接する挿通部を備え、前記挿通部は、前記一方向に複数並んで形成され、複数から１つが選択される。

【0012】

このような構成によれば、包装仕切の延出部が挿通される挿通部が選択されることで、包装仕切を、被包装物のサイズに応じて、一方向について複数の位置で位置決めすることができる。これにより、一方向にサイズ違いの被包装物に対して単一の包装仕切で対応することができる。

【0013】

また、包装仕切構造では、前記パレットおよび前記包装仕切は、紙製であり、前記挿通部は、前記パレットの前記載置面において前記一方向と直交する方向に沿って形成された２つの平行な切れ目の間が上方に向けて立ち上がることで形成される。

【0014】

このような構成によれば、挿通部を容易に形成することができる。また、挿通部のための別途部材が不要となるため、コスト面においても安価となる。

【0015】

また、包装仕切構造では、前記包装仕切は、前記パレットの前記載置面に対して平行な面を有する平板状の基板部と、前記基板部から前記一方向に沿って前記パレット側に延出する延出部とを備え、前記パレットは、前記載置面上に形成され、前記包装仕切の前記延出部が挿通される挿通部を備え、前記包装仕切は、前記延出部が前記挿通部に挿通された状態で、前記一方向について異なる位置で前記パレット側と当接する複数の当接部をさらに備える。

【0016】

このような構成によれば、包装仕切の複数の当接部が一方向について異なる位置で当接することで、包装仕切を、被包装物のサイズに応じて、一方向について複数の位置で位置決めすることができる。これにより、一方向にサイズ違いの被包装物に対して単一の包装仕切で対応することができる。

【0017】

また、包装仕切構造では、前記パレットおよび前記包装仕切は、紙製であり、前記挿通部は、前記パレットの前記載置面において前記一方向と直交する方向に沿って形成された２つの平行な切れ目の間が上方に向けて立ち上がることで形成され、前記当接部は、前記挿通部の前記一方向の端面と当接する第１当接部と、前記パレットの前記一方向の端面と当接する第２当接部とを有する。

【0018】

このような構成によれば、当接部（包装仕切の当接構造）を容易に形成することができる。また、当接部のための別途材料が不要となるため、コスト面においても安価となる。

【発明の効果】

【0019】

実施形態の一態様によれば、一方向について複数の位置で位置決め可能とすることで、一方向にサイズ違いの被包装物に対して単一の包装仕切で対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【0020】

【図1】図１は、包装容器および被包装物の一例を示す概略斜視図である。

【図2】図２は、第１実施形態に係る包装仕切構造の第１形態を示す平面図である。

【図3】図３は、第１実施形態に係る包装仕切構造の第１形態を示す斜視図である。

【図4】図４は、第１実施形態に係る包装仕切構造の第２形態を示す平面図である。

【図5】図５は、第１実施形態に係る包装仕切構造の第２形態を示す斜視図である。

【図6】図６は、第１実施形態に係るパレットの挿通部の展開状態を示す平面図である。

【図7】図７は、第１実施形態に係る包装仕切を示す斜視図である。

【図8】図８は、第２実施形態に係る包装仕切構造の第１形態を示す平面図である。

【図9】図９は、第２実施形態に係る包装仕切構造の第１形態を示す斜視図である。

【図10】図１０は、第２実施形態に係る包装仕切構造の第２形態を示す平面図である。

【図11】図１１は、第２実施形態に係る包装仕切構造の第２形態を示す斜視図である。

【図12】図１２は、第２実施形態に係るパレットおよび包装仕切を示す斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0021】

以下、添付図面を参照して、本願の開示する包装仕切構造の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

【0022】

＜包装容器および被包装物＞
まず、図１を参照して実施形態に係る包装仕切構造２０，３０が採用される包装容器１および包装容器１に収容される被包装物１０について説明する。図１は、包装容器１および被包装物１０の一例を示す概略斜視図である。なお、図１には、鉛直上向き（上方）を正方向とするＺ軸を含む３次元の直交座標系を示している。

【0023】

以下では、説明の便宜上、Ｘ軸の正方向を右方、Ｘ軸の負方向を左方、Ｙ軸の正方向を前方、Ｙ軸の負方向を後方と規定し、Ｘ軸方向を左右方向、Ｙ軸方向を前後方向、Ｚ軸方向を上下方向という場合がある。また、このような直交座標系は、他の図にも示している場合がある。

【0024】

図１に示すように、包装容器１は、矩形状（たとえば、直方体状）の箱である。包装容器１は、たとえば、紙製の箱であり、さらに言えば、段ボール箱である。

【0025】

包装容器である段ボール箱１は、上側が開口側である。段ボール箱１は、内部空間（収容空間）を形成する面として、一方向（Ｘ軸方向、すなわち、左右方向という）に対向する一対の側板２，２と、一方向と直交する他方向（Ｙ軸方向、すなわち、前後方向という）に対向する一対の側板３，３と、上下方向に対向する、天板４と、底板５とを有する。

【0026】

天板４は、矩形状（長方形状）の４つのフラップ板４ａによって形成される。４つのフラップ４ａは、開いた状態では段ボール箱１内に被包装物１０を入れるための開口を形成し、閉じた状態で天板４を形成する。フラップ板４ａを閉じる場合には、左右方向の２つのフラップ板４ａを閉じた後、前後方向の２つのフラップ板４ａを、先端同士を突き合わせた状態で閉じる。なお、図示しないが、底板５も、天板４と同様、４つのフラップ板によって形成される。

【0027】

被包装物１０は、段ボール箱１に収容される。すなわち、被包装物１０は、段ボール箱１の内容物である。被包装物１０は、たとえば、電子機器などの各種装置や機器であり、さらに言えば、たとえば、洋式便器の上部に設置され、使用者の人体局部を洗浄する温水洗浄便座（以下、便座装置という）である。

【0028】

被包装物である便座装置１０は、本体部１１と、操作部１２とを備える。操作部１２は、たとえば、本体部１１を構成する便座（図示せず）の左右いずれか一方（左方）の外側部に設けられる。なお、便座装置１０は、操作部１２を備えなくてもよい。便座装置１０が操作部１２を備えない場合、操作部１２は、たとえば、トイレ室の壁面などに設けられる。

【0029】

便座装置１０は、たとえば、型式が異なる場合など、左右方向にサイズが違うことがある。このように、便座装置１０には、左右方向にサイズ違いのものがある。

【0030】

このような便座装置１０が段ボール箱１に収容される場合、段ボール箱１内において、便座装置１０を保護するための包装仕切構造を備える。

【0031】

＜包装仕切構造＞
＜第１実施形態＞
次に、図２～図７を参照して第１実施形態に係る包装仕切構造２０について説明する。図２は、第１実施形態に係る包装仕切構造２０の第１形態を示す平面図である。図３は、第１実施形態に係る包装仕切構造２０の第１形態を示す斜視図である。図４は、第１実施形態に係る包装仕切構造２０の第２形態を示す平面図である。図５は、第１実施形態に係る包装仕切構造２０の第２形態を示す斜視図である。

【0032】

図６は、第１実施形態に係るパレット２１の挿通部２４の展開状態を示す平面図である。なお、図６には、折り曲げの基準線（折線という）を破線で示している。図７は、第１実施形態に係る包装仕切２５（２５Ａ，２５Ｂ）を示す斜視図である。

【0033】

第１実施形態に係る包装仕切構造２０は、段ボール箱１に収容される便座装置１０の左右方向のサイズに応じて異なる形態となる。図２および図４に示すように、第１実施形態に係る包装仕切構造２０は、複数の形態を備える。具体的には、第１実施形態に係る包装仕切構造２０は、第１形態および第２形態の２つの形態を備える。

【0034】

図２～図５に示すように、包装仕切構造２０は、パレット２１と、包装仕切２５とを備える。パレット２１は、紙製である。パレット２１は、たとえば、段ボール製である。パレット２１は、段ボール箱１に収容される。パレット２１は、段ボール箱１内において、底板５（図１参照）上に配置される。パレット２１は、載置部２２と、緩衝部２３と、挿通部２４とを備える。

【0035】

載置部２２は、平板状である。載置部２２は、パレット２１の略全体を構成する。載置部２２は、段ボール箱１内において、底板５と対面しつつ底板５に対して重なるように配置される。載置部２２の載置面２２１には、便座装置１０の本体部１１が載置される。

【0036】

緩衝部２３は、載置部２２上に形成される。この場合、緩衝部２３は、便座装置１０の底面に当接する。また、緩衝部２３は、載置部２２と異なる他の部材を用いて載置部２２の周りに設けられる。このように、緩衝部２３は、便座装置１０の前面、後面、左右の側面および底面などに当接するように複数の位置に配置され、便座装置１０を衝撃などから保護する。緩衝部２３は、たとえば、折り曲げられた段ボールのクッション性を利用して緩衝する。

【0037】

挿通部２４は、載置面２２上における左右方向の一方の端部（左端部）に形成される。挿通部２４には、後述する包装仕切２５の延出部２８が左方から挿通される。挿通部２４には、延出部２８が挿通された状態で後述する基板部２６が当接する。

【0038】

図６および図７に示すように、挿通部２４は、複数（２つ）である。これら複数（２つ）の挿通部２４は、左右方向に並んで配置される。挿通部２４は、載置面２２１において、図６に示すように、前後方向に沿って形成された２つの平行な切れ目２４１の間が、図７に示すように、上方に向けて立ち上がることで、左右方向の挿通孔２４２を有するように形成される。

【0039】

＜包装仕切＞
包装仕切２５は、紙製である。包装仕切２５は、たとえば、段ボール製である。包装仕切２５は、段ボール箱１に収容される。図２および図４に示すように、包装仕切２５は、便座装置１０の左端部および段ボール箱１の左右方向の側板２のうち便座装置１０の左端部と対向する側板２の間に配置される。

【0040】

包装仕切２５は、基板部２６と、側板部２７と、延出部２８とを備える。基板部２６は、平板状である。このため、基板部２６は、パレット２１の載置面２２１に対して平行な面を有する。基板部２６上には、便座装置１０の操作部１２が載置される。なお、他の形態では、基板部２６上には、便座装置１０の左端部が載置される場合もある。

【0041】

側板部２７は、平板状であり、基板部２６に対して直交して設けられる。側板部２７には、緩衝部２７１が形成される。緩衝部２７１は、たとえば、折り曲げられた段ボールのクッション性を利用して緩衝する。

【0042】

延出部２８は、平板状であり、基板部２６から連続して左右方向に沿って延出している。延出部２８は、パレット２１側に向けて、すなわち、左方に向けて延出している。延出部２８は、包装仕切２５Ａがパレット２１に取り付けられた状態では、挿通部２４の挿通孔２４２に挿通される。

【0043】

包装仕切２５は、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めされる。具体的には、包装仕切２５は、この包装仕切２５およびパレットが左右方向について複数（２つ）の位置で当接することで、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めされる。

【0044】

図２および図３に示すように、包装仕切構造２０の第１形態では、左側の挿通部２４Ｌが選択され、包装仕切２５Ａの延出部２８は、左側の挿通部２４Ｌの挿通孔２４２に挿通される。

【0045】

包装仕切２５Ａは、延出部２８が挿通孔２４２に挿通された状態では、基板部２６の右端縁部が挿通部２４Ｌの左端縁部と当接する。これにより、包装仕切２５Ａは、左右方向に位置決めされる。また、包装仕切２５Ａは、この当接部分と、段ボール箱１の側板４との間に挟まれることで、段ボール箱１内における位置が固定される。

【0046】

また、図４および図５に示すように、包装仕切構造２０の第２形態では、右側の挿通部２４Ｒが選択され、包装仕切２５Ｂの延出部２８は、右側の挿通部２４Ｒの挿通孔２４２に挿通される。この場合、左側の挿通部２４Ｌは、立ち上げられていないため、図６に示すような展開された状態である。

【0047】

なお、第２形態では、第１形態とは異なる包装仕切２５Ｂを用いているが、第１形態と同様の包装仕切２５Ａを用いてもよい。包装仕切２５Ｂは、たとえば、第１形態の包装仕切２５Ａと比べて側板部２７が長いものである。このため、第２形態では、高さのある操作部１２の便座装置１０に対応することもできる。

【0048】

包装仕切２５Ｂは、延出部２８が挿通孔２４２に挿通された状態では、基板部２６の右端縁部が挿通部２４Ｒの左端縁部と当接する。これにより、包装仕切２５Ｂは、左右方向に位置決めされる。また、包装仕切２５Ｂは、この当接部分と、段ボール箱１の側板４との間に挟まれることで、段ボール箱１内における位置が固定される。

【0049】

このように、第１実施形態に係る包装仕切構造２０によれば、左右方向にサイズ違いの便座装置１０を段ボール箱１で包装する場合、包装仕切２５とパレット２１とが当接する位置を変更することで、包装仕切２５を、便座装置１０のサイズに応じて、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めすることができる。これにより、左右方向にサイズ違いの便座装置１０に対して単一の包装仕切２５で対応することができ、環境面やコスト面において有効なものとなる。

【0050】

また、包装仕切２５の延出部２８が挿通される挿通部２４が選択されることで、包装仕切２５を、便座装置１０のサイズに応じて、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めすることができる。これにより、左右方向にサイズ違いの便座装置１０に対して単一の包装仕切２５で対応することができる。

【0051】

また、挿通部２４が載置面２２１を立ち上げて形成するため、挿通部２４を容易に形成することができる。また、挿通部２４のための別途部材が不要となるため、コスト面においても安価となる。

【0052】

また、第１実施形態に係る包装仕切構造２０によれば、２種類の包装仕切２５Ａ，２５Ｂを用いることで、たとえば、高さの異なるような２種類の便座装置１０に適用することもできる。

【0053】

なお、上記した第１実施形態では、２つの挿通部２４によって包装仕切２５が位置決めされるが、たとえば、３つ以上の挿通部２４を左右方向に並べて３つ以上で位置決めするように構成してもよい。

【0054】

＜第２実施形態＞
次に、図８～図１２を参照して第２実施形態に係る包装仕切構造３０について説明する。図８は、第２実施形態に係る包装仕切構造３０の第１形態を示す平面図である。図９は、第２実施形態に係る包装仕切構造３０の第１形態を示す斜視図である。図１０は、第２実施形態に係る包装仕切構造３０の第２形態を示す平面図である。図１１は、第２実施形態に係る包装仕切構造３０の第２形態を示す斜視図である。図１２は、第２実施形態に係るパレット３１および包装仕切３５を示す斜視図である。

【0055】

上記したように、被包装物である便座装置１０には、操作部１２を本体部１１の左側部に備えるもの（便座装置１０Ｂ）がある。また、便座装置１０には、操作部１２を備えないもの（便座装置１０Ａ）もある。このように、便座装置１０（１０Ａ，１０Ｂ）には、同じ型式の製品でありながら左右方向にサイズ違いのものがある。このような２種類の便座装置１０Ａ，１０Ｂは、操作部１２の有無以外は同様の外観形状である。

【0056】

第２実施形態に係る包装仕切構造３０は、このように操作部の有無のような左右方向にサイズ違いの便座装置１０Ａ，１０Ｂに対応することができる。なお、第２実施形態は、上記した第１実施形態とは、主に包装仕切３０の構成において相違する。

【0057】

第２実施形態に係る包装仕切構造３０は、段ボール箱１に収容される便座装置１０Ａ，１０Ｂの左右方向のサイズに応じて異なる形態となる。図８および図１０に示すように、第２実施形態に係る包装仕切構造３０は、複数の形態を備える。具体的には、第２実施形態に係る包装仕切構造３０は、左右方向に小サイズの第１形態と、左右方向に大サイズの第２形態とを備える。

【0058】

図８～図１２に示すように、包装仕切構造３０は、パレット３１と、包装仕切３５とを備える。パレット３１は、紙製である。パレット３１は、たとえば、段ボール製である。パレット３１は、段ボール箱１に収容される。パレット３１は、段ボール箱１内において、底板５（図１参照）上に配置される。パレット３１は、載置部３２と、緩衝部３３と、挿通部３４とを備える。

【0059】

載置部３２は、平板状である。載置部３２は、パレット３１の略全体を構成する。載置部３２は、段ボール箱１内において、底板５と対面しつつ底板５に対して重なるように配置される。載置部３２の載置面３２１には、便座装置１０Ａ，１０Ｂの本体部１１が載置される。

【0060】

緩衝部３３は、載置部３２上に形成される。この場合、緩衝部３３は、便座装置１０Ａ，１０Ｂの底面に当接する。また、緩衝部３３は、載置部３２と異なる他の部材を用いて載置部３２の周りに設けられる。このように、緩衝部３３は、便座装置１０Ａ，１０Ｂの前面、後面、左右の側面および底面などに当接するように複数の位置に配置され、便座装置１０Ａ，１０Ｂを衝撃などから保護する。緩衝部３３は、たとえば、折り曲げられた段ボールのクッション性を利用して緩衝する。

【0061】

挿通部３４は、載置面３２上における左右方向の一方の端部（左端部）に形成される。挿通部３４には、後述する包装仕切３５の延出部３８（第１延出部３８Ａ）が左方から挿通される。挿通部３４には、第１延出部３８Ａが挿通された状態で後述する基板部３６や第２延出部３８Ｂが当接する。

【0062】

挿通部３４は、載置面３２１において、前後方向に沿って形成された２つの平行な切れ目（図示せず）の間が上方に向けて立ち上がることで、左右方向の挿通孔３４１を有するように形成される。

【0063】

＜包装仕切＞
包装仕切３５は、紙製である。包装仕切３５は、たとえば、段ボール製である。包装仕切３５は、段ボール箱１に収容される。図８および図１０に示すように、包装仕切３５は、便座装置１０Ａ，１０Ｂの左端部および段ボール箱１の左右方向の側板２のうち便座装置１０Ａ，１０Ｂの左端部と対向する側板２の間に配置される。

【0064】

包装仕切３５は、基板部３６と、側板部３７と、延出部３８とを備える。基板部３６は、平板状である。このため、基板部３６は、パレット３１の載置面３２１に対して平行な面を有する。基板部３６上には、たとえば、図８に示すように、第１形態の場合には便座装置１０Ａ，１０Ｂの左端部、図１０に示すように、第２形態の場合には便座装置１０Ｂの操作部１２が載置される。

【0065】

側板部３７は、平板状であり、基板部３６に対して直交して設けられる。側板部３７には、緩衝部３７１が形成される。緩衝部３７１は、たとえば、段ボールのクッション性を利用して緩衝する。

【0066】

図１２に示すように、延出部３８は、第１延出部３８Ａと、第２延出部３８Ｂとを有する。第１延出部３８Ａおよび第２延出部３８Ｂは、前後方向に並んでいる。第１延出部３８Ａおよび第２延出部３８Ｂは、平板状であり、基板部３６から左右方向に沿って延出している。第１延出部３８Ａおよび第２延出部３８Ｂは、パレット３１側に向けて、すなわち、右方に向けて延出している。

【0067】

図９および図１１に示すように、第１延出部３８Ａは、包装仕切３５がパレット３１に取り付けられた状態では、挿通部３４の挿通孔３４１に挿通される。

【0068】

包装仕切３５は、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めされる。具体的には、包装仕切３５は、包装仕切３５およびパレット３１が左右方向について複数（２つ）の位置で当接することで、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めされる。

【0069】

このため、包装仕切３５は、当接部３９を備える。当接部３９は、第１当接部３９Ａと、第２当接部３９Ｂとを有する。第１当接部３９Ａは、基板部３６の右端縁部である。第２当接部３９Ｂは、第２延出部３８Ｂの先端縁部（右端縁部）である。

【0070】

図８および図９に示すように、包装仕切構造３０の第１形態では、第１当接部３９Ａが選択される。包装仕切３５は、第１当接部３９Ａが挿通部３４の左端縁部と当接することで、左右方向の所定位置に位置決めされる。なお、第１形態では、段ボール箱１（図１参照）に収容される便座装置１０Ａは、操作部１２（図１０参照）を備えないものである。

【0071】

図１０および図１１に示すように、包装仕切構造３０の第２形態では、第２当接部３９Ｂが選択される。包装仕切３５は、第２当接部３９Ｂが挿通部３４の左端縁部と当接することで、左右方向の所定位置に位置決めされる。なお、第２形態では、段ボール箱１に収容される便座装置１０Ｂは、操作部１２を備えるものである。

【0072】

このように、第２実施形態に係る包装仕切構造３０によれば、左右方向にサイズ違いの便座装置１０Ａ，１０Ｂを段ボール箱１で包装する場合、包装仕切３５とパレット３１とが当接する位置を変更することで、包装仕切３５を、便座装置１０Ａ，１０Ｂのサイズに応じて、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めすることができる。これにより、左右方向にサイズ違いの便座装置１０Ａ，１０Ｂに対して単一の包装仕切３５で対応することができ、環境面やコスト面において有効なものとなる。

【0073】

また、包装仕切３５の２つの当接部３９（第１当接部３９Ａおよび第２当接部３９Ｂ）が左右方向について異なる位置で当接することで、包装仕切３５を、便座装置１０Ａ，１０Ｂのサイズに応じて、左右方向について複数（２つ）の位置で位置決めすることができる。これにより、左右方向にサイズ違いの便座装置１０Ａ，１０Ｂに対して単一の包装仕切３５で対応することができる。

【0074】

また、挿通部３４が載置面３２１を立ち上げて形成するため、挿通部３４を容易に形成することができ、挿通部３４のための別途部材が不要となるため、コスト面においても安価となる。また、当接部３９（第１当接部３９Ａ，３９Ｂ）も基板部３６を利用して形成するため、包装仕切３５の当接構造を容易に形成することができる。そして、挿通部３４と同様、当接部３９のための別途材料が不要となるため、コスト面においても安価となる。

【0075】

なお、上記した第２実施形態では、第１当接部３９Ａおよび第２当接部３９Ｂによる２つの位置で位置決めされるが、たとえば、当接部３９を左右方向にさらに段違いとなるように設け、３つ以上の位置で位置決め可能に構成されてもよい。

【0076】

さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。

【符号の説明】

【0077】

１ 包装容器
１０ 被包装物
２０ 包装仕切構造
２１ パレット
２２１ 載置面
２４ 挿通孔
２５ 包装仕切
２６ 基板部
２８ 延出部
３０ 包装仕切構造
３１ パレット
３２１ 載置面
３４ 挿通孔
３５ 包装仕切
３６ 基板部
３８ 延出部
３９ 当接部
３９Ａ 第１当接部
３９Ｂ 第２当接部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】