IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図1
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図2
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図3
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図4
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図5
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図6
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図7
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図8
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図9
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図10
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図11
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図12
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図13
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図14
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図15
  • 特許-画像形成装置、課金方法及びプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】画像形成装置、課金方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20240305BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20240305BHJP
   G06F 21/34 20130101ALI20240305BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240305BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240305BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
B41J29/00 Z
G06F21/32
G06F21/34
G06F3/12 303
G06F3/12 336
G06F3/12 373
B41J29/38 201
B41J29/00 E
B41J29/38 203
B41J29/46 Z
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020075877
(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公開番号】P2021171960
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲平
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-049473(JP,A)
【文献】特開2017-167705(JP,A)
【文献】特開2015-027756(JP,A)
【文献】特開2003-018070(JP,A)
【文献】特開2019-192016(JP,A)
【文献】特開2015-009508(JP,A)
【文献】特開2012-250420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
B41J 5/00 - 5/52
B41J 21/00 - 21/18
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
課金対象となる課金ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、
前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、装置周辺に存在する携帯端末を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記携帯端末から、前記携帯端末にインストールされている課金アプリケーションに関する情報を課金情報として取得する課金情報取得手段と、
前記課金情報に基づき、前記携帯端末の前記課金アプリケーションを起動させ、前記課金アプリケーションに課金命令を送信することにより、前記課金ジョブに対する課金処理を前記携帯端末に行わせる課金処理手段と、
前記携帯端末において前記課金処理が行われることに伴い、前記課金ジョブを実行するジョブ実行手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記携帯端末と通信を行う通信手段を更に備え、
前記検索手段は、前記通信手段を介して装置周辺に存在する前記携帯端末を検索し、
前記課金情報取得手段は、前記検索手段によって検索された前記携帯端末から前記通信手段を介して前記課金情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記携帯端末と、前記携帯端末を所持するユーザーとを対応付けた端末情報を記憶する記憶手段と、
前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、前記課金ジョブを発行したジョブ発行ユーザーを特定するユーザー特定手段と、
を更に備え、
前記検索手段は、前記ユーザー特定手段によって前記ジョブ発行ユーザーが特定されることに伴い、前記端末情報に基づいて前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通信手段は、所定距離の範囲内にある前記携帯端末と自動的に通信可能な接続状態を確立し、
前記検索手段は、前記通信手段が接続状態を確立している少なくとも1つの前記携帯端末の中から、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理手段、
を更に備え、
前記ユーザー特定手段は、前記認証処理手段による認証処理の結果に基づいてジョブ発行ユーザーを特定することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理手段、
を更に備え、
前記検索手段は、前記認証処理手段によって認証されたユーザーと、前記ユーザー特定手段によって特定された前記ジョブ発行ユーザーとが同一ユーザーである場合に、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ユーザーの画像を撮影する撮影手段、
を更に備え、
前記認証処理手段は、前記撮影手段によって撮影される画像に基づいて顔認証を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザーの生体情報を取得する生体情報取得手段、
を更に備え、
前記認証処理手段は、前記生体情報取得手段によって取得される生体情報に基づいて生体認証を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
ICカードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読取手段、
を更に備え、
前記認証処理手段は、前記カード情報読取手段によって取得されるカード情報に基づいてカード認証を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ジョブ実行手段は、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができた場合に、前記課金ジョブの実行を完了させることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ジョブ実行手段は、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができなかった場合、前記課金ジョブの一部のみを実行することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記課金処理手段は、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができない場合、金額が不足していることをユーザーに通知することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置において行われる課金方法であって、
課金対象となる課金ジョブを受け付けるジョブ受付ステップと、
前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、装置周辺に存在する携帯端末を検索する検索ステップと、
前記検索ステップによって検索された前記携帯端末から、前記携帯端末にインストールされている課金アプリケーションに関する情報を課金情報として取得する課金情報取得ステップと、
前記課金情報に基づき、前記携帯端末の前記課金アプリケーションを起動させ、前記課金アプリケーションに課金命令を送信することにより、前記課金ジョブに対する課金処理を前記携帯端末に行わせる課金処理ステップと、
前記携帯端末において前記課金処理が行われることに伴い、前記課金ジョブを実行するジョブ実行ステップと、
を有することを特徴とする課金方法。
【請求項14】
記画像形成装置は、前記携帯端末と通信を行う通信手段を備えており、
前記検索ステップは、前記通信手段を介して装置周辺に存在する前記携帯端末を検索し、
前記課金情報取得ステップは、前記検索ステップによって検索された前記携帯端末から前記通信手段を介して前記課金情報を取得することを特徴とする請求項13に記載の課金方法。
【請求項15】
前記携帯端末と、前記携帯端末を所持するユーザーとを対応付けた端末情報を記憶する記憶ステップと、
前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、前記課金ジョブを発行したジョブ発行ユーザーを特定するユーザー特定ステップと、
を更に有し、
前記検索ステップは、前記ユーザー特定ステップによって前記ジョブ発行ユーザーが特定されることに伴い、前記端末情報に基づいて前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする請求項14に記載の課金方法。
【請求項16】
前記通信手段は、所定距離の範囲内にある前記携帯端末と自動的に通信可能な接続状態を確立し、
前記検索ステップは、前記通信手段が接続状態を確立している少なくとも1つの前記携帯端末の中から、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする請求項15に記載の課金方法。
【請求項17】
装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理ステップ、
を更に有し、
前記ユーザー特定ステップは、前記認証処理ステップによる認証処理の結果に基づいてジョブ発行ユーザーを特定することを特徴とする請求項15又は16に記載の課金方法。
【請求項18】
装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理ステップ、
を更に備え、
前記検索ステップは、前記認証処理ステップによって認証されたユーザーと、前記ユーザー特定ステップによって特定された前記ジョブ発行ユーザーとが同一ユーザーである場合に、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする請求項15又は16に記載の課金方法。
【請求項19】
前記画像形成装置は、ユーザーの画像を撮影する撮影手段を備え、
前記認証処理ステップは、前記撮影手段によって撮影される画像に基づいて顔認証を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載の課金方法。
【請求項20】
前記画像形成装置は、ユーザーの生体情報を取得する生体情報取得手段を備え、
前記認証処理ステップは、前記生体情報取得手段によって取得される生体情報に基づいて生体認証を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載の課金方法。
【請求項21】
前記画像形成装置は、ICカードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読取手段を備え、
前記認証処理ステップは、前記カード情報読取手段によって取得されるカード情報に基づいてカード認証を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載の課金方法。
【請求項22】
前記ジョブ実行ステップは、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができた場合に、前記課金ジョブの実行を完了させることを特徴とする請求項13乃至21のいずれかに記載の課金方法。
【請求項23】
前記ジョブ実行ステップは、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができなかった場合、前記課金ジョブの一部のみを実行することを特徴とする請求項13乃至22のいずれかに記載の課金方法。
【請求項24】
前記課金処理ステップは、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができない場合、金額が不足していることをユーザーに通知することを特徴とする請求項13乃至23のいずれかに記載の課金方法。
【請求項25】
画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置に、
課金対象となる課金ジョブを受け付けるジョブ受付ステップと、
前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、装置周辺に存在する携帯端末を検索する検索ステップと、
前記検索ステップによって検索された前記携帯端末から、前記携帯端末にインストールされている課金アプリケーションに関する情報を課金情報として取得する課金情報取得ステップと、
前記課金情報に基づき、前記携帯端末の前記課金アプリケーションを起動させ、前記課金アプリケーションに課金命令を送信することにより、前記課金ジョブに対する課金処理を前記携帯端末に行わせる課金処理ステップと、
前記携帯端末において前記課金処理が行われることに伴い、前記課金ジョブを実行するジョブ実行ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、課金方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MFP(Multifunction Peripherals)などの画像形成装置において、印刷ジョブやコピージョブなどの課金対象となるジョブを実行する際に、ユーザーに対する課金処理を行うものが知られている。例えば特許文献1に記載されている従来の画像形成装置は、ユーザーによって印刷ジョブが投入されると、ジョブの実行待ち状態となる。そのジョブの実行待ち状態において、ユーザーが、電子マネー情報を記憶している携帯端末などの非接触媒体を画像形成装置にかざすと、画像形成装置が非接触媒体から電子マネーを自動徴収し、ジョブの実行待ち状態を解除して印刷出力を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-48188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の画像形成装置を利用する際には、ユーザーが携帯端末などの非接触媒体を画像形成装置にかざす操作を行わなければならず、利便性が悪い。例えば、ユーザーは、両手に荷物を持っていることもある。そのような状況で携帯端末を画像形成装置にかざすためには、ユーザーは、荷物を床などに一旦置き、ポケットなどから携帯端末を取り出して画像形成装置にかざす操作を行う必要がある。つまり、ユーザーにとっては、荷物を持ったままで画像形成装置を利用することができないため、煩わしい。
【0005】
そこで本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ユーザーに何らかの操作を行わせることなく、適切な課金処理を自動で行えるようにした画像形成装置、課金方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像形成装置であって、課金対象となる課金ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、装置周辺に存在する携帯端末を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された前記携帯端末から、前記携帯端末にインストールされている課金アプリケーションに関する情報を課金情報として取得する課金情報取得手段と、前記課金情報に基づき、前記携帯端末の前記課金アプリケーションを起動させ、前記課金アプリケーションに課金命令を送信することにより、前記課金ジョブに対する課金処理を前記携帯端末に行わせる課金処理手段と、前記携帯端末において前記課金処理が行われることに伴い、前記課金ジョブを実行するジョブ実行手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記携帯端末と通信を行う通信手段を更に備え、前記検索手段は、前記通信手段を介して装置周辺に存在する前記携帯端末を検索し、前記課金情報取得手段は、前記検索手段によって検索された前記携帯端末から前記通信手段を介して前記課金情報を取得することを特徴とする構成である。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2の画像形成装置において、前記携帯端末と、前記携帯端末を所持するユーザーとを対応付けた端末情報を記憶する記憶手段と、前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、前記課金ジョブを発行したジョブ発行ユーザーを特定するユーザー特定手段と、を更に備え、前記検索手段は、前記ユーザー特定手段によって前記ジョブ発行ユーザーが特定されることに伴い、前記端末情報に基づいて前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする構成である。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3の画像形成装置において、前記通信手段は、所定距離の範囲内にある前記携帯端末と自動的に通信可能な接続状態を確立し、前記検索手段は、前記通信手段が接続状態を確立している少なくとも1つの前記携帯端末の中から、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項3又は4の画像形成装置において、装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理手段、を更に備え、前記ユーザー特定手段は、前記認証処理手段による認証処理の結果に基づいてジョブ発行ユーザーを特定することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項3又は4の画像形成装置において、装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理手段、を更に備え、前記検索手段は、前記認証処理手段によって認証されたユーザーと、前記ユーザー特定手段によって特定された前記ジョブ発行ユーザーとが同一ユーザーである場合に、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、ユーザーの画像を撮影する撮影手段、を更に備え、前記認証処理手段は、前記撮影手段によって撮影される画像に基づいて顔認証を行うことを特徴とする構成である。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、ユーザーの生体情報を取得する生体情報取得手段、を更に備え、前記認証処理手段は、前記生体情報取得手段によって取得される生体情報に基づいて生体認証を行うことを特徴とする構成である。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、ICカードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読取手段、を更に備え、前記認証処理手段は、前記カード情報読取手段によって取得されるカード情報に基づいてカード認証を行うことを特徴とする構成である。
【0017】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至のいずれかの画像形成装置において、前記ジョブ実行手段は、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができた場合に、前記課金ジョブの実行を完了させることを特徴とする構成である。
【0018】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至10のいずれかの画像形成装置において、前記ジョブ実行手段は、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができなかった場合、前記課金ジョブの一部のみを実行することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項12に係る発明は、請求項1乃至11のいずれかの画像形成装置において、前記課金処理手段は、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができない場合、金額が不足していることをユーザーに通知することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項13に係る発明は、画像形成装置において行われる課金方法であって、課金対象となる課金ジョブを受け付けるジョブ受付ステップと、前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、装置周辺に存在する携帯端末を検索する検索ステップと、前記検索ステップによって検索された前記携帯端末から、前記携帯端末にインストールされている課金アプリケーションに関する情報を課金情報として取得する課金情報取得ステップと、前記課金情報に基づき、前記携帯端末の前記課金アプリケーションを起動させ、前記課金アプリケーションに課金命令を送信することにより、前記課金ジョブに対する課金処理を前記携帯端末に行わせる課金処理ステップと、前記携帯端末において前記課金処理が行われることに伴い、前記課金ジョブを実行するジョブ実行ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項14に係る発明は、請求項13の課金方法において、前記画像形成装置は、前記携帯端末と通信を行う通信手段を備えており、前記検索ステップは、前記通信手段を介して装置周辺に存在する前記携帯端末を検索し、前記課金情報取得ステップは、前記検索ステップによって検索された前記携帯端末から前記通信手段を介して前記課金情報を取得することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項15に係る発明は、請求項14の課金方法において、前記携帯端末と、前記携帯端末を所持するユーザーとを対応付けた端末情報を記憶する記憶ステップと、前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、前記課金ジョブを発行したジョブ発行ユーザーを特定するユーザー特定ステップと、を更に有し、前記検索ステップは、前記ユーザー特定ステップによって前記ジョブ発行ユーザーが特定されることに伴い、前記端末情報に基づいて前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項16に係る発明は、請求項15の課金方法において、前記通信手段は、所定距離の範囲内にある前記携帯端末と自動的に通信可能な接続状態を確立し、前記検索ステップは、前記通信手段が接続状態を確立している少なくとも1つの前記携帯端末の中から、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項17に係る発明は、請求項15又は16の課金方法において、装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理ステップ、を更に有し、前記ユーザー特定ステップは、前記認証処理ステップによる認証処理の結果に基づいてジョブ発行ユーザーを特定することを特徴とする構成である。
【0025】
請求項18に係る発明は、請求項15又は16の課金方法において、装置周辺にいるユーザーの認証処理を行う認証処理ステップ、を更に備え、前記検索ステップは、前記認証処理ステップによって認証されたユーザーと、前記ユーザー特定ステップによって特定された前記ジョブ発行ユーザーとが同一ユーザーである場合に、前記ジョブ発行ユーザーが所持する前記携帯端末を検索することを特徴とする構成である。
【0026】
請求項19に係る発明は、請求項17又は18の課金方法において、前記画像形成装置は、ユーザーの画像を撮影する撮影手段を備え、前記認証処理ステップは、前記撮影手段によって撮影される画像に基づいて顔認証を行うことを特徴とする構成である。
【0027】
請求項20に係る発明は、請求項17又は18の課金方法において、前記画像形成装置は、ユーザーの生体情報を取得する生体情報取得手段を備え、前記認証処理ステップは、前記生体情報取得手段によって取得される生体情報に基づいて生体認証を行うことを特徴とする構成である。
【0028】
請求項21に係る発明は、請求項17又は18の課金方法において、前記画像形成装置は、ICカードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読取手段を備え、前記認証処理ステップは、前記カード情報読取手段によって取得されるカード情報に基づいてカード認証を行うことを特徴とする構成である。
【0031】
請求項22に係る発明は、請求項13乃至21のいずれかの課金方法において、前記ジョブ実行ステップは、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができた場合に、前記課金ジョブの実行を完了させることを特徴とする構成である。
【0032】
請求項23に係る発明は、請求項13乃至22のいずれかの課金方法において、前記ジョブ実行ステップは、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができなかった場合、前記課金ジョブの一部のみを実行することを特徴とする構成である。
【0033】
請求項24に係る発明は、請求項13乃至23のいずれかの課金方法において、前記課金処理ステップは、前記課金処理において前記課金ジョブに対する課金額の全額を課金することができない場合、金額が不足していることをユーザーに通知することを特徴とする構成である。
【0034】
請求項25に係る発明は、画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置に、課金対象となる課金ジョブを受け付けるジョブ受付ステップと、前記課金ジョブが受け付けられることに伴い、装置周辺に存在する携帯端末を検索する検索ステップと、前記検索ステップによって検索された前記携帯端末から、前記携帯端末にインストールされている課金アプリケーションに関する情報を課金情報として取得する課金情報取得ステップと、前記課金情報に基づき、前記携帯端末の前記課金アプリケーションを起動させ、前記課金アプリケーションに課金命令を送信することにより、前記課金ジョブに対する課金処理を前記携帯端末に行わせる課金処理ステップと、前記携帯端末において前記課金処理が行われることに伴い、前記課金ジョブを実行するジョブ実行ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、画像形成装置は、ユーザーが所持する携帯端末に対してユーザーに何らかの操作を行わせることなく、課金ジョブを行うための適切な課金処理を自動的に行うことができる。そのため、画像形成装置の利便性を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第1実施形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】ユーザー情報の一例を示す図である。
図4】端末情報の一例を示す図である。
図5】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図6】携帯端末のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】画像形成装置と携帯端末との連携動作の主な流れを示す図である。
図8】画像形成装置において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】第1実施形態における印刷ジョブ制御処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】課金処理による決済額が課金額に満たない場合の出力枚数を例示する図である。
図11】課金不足が発生した場合に画像形成装置の表示部に表示される通知画面の一例を示す図である。
図12】第1実施形態におけるコピージョブ制御処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。
図14】第2実施形態の画像形成装置による動作の主な流れを示す図である。
図15】第2実施形態における印刷ジョブ制御処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】第2実施形態におけるコピージョブ制御処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0038】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における画像形成装置1の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、例えばMFPなどで構成され、プリント機能やスキャン機能、コピー機能を備えている。画像形成装置1は、複数のユーザーによって共有される装置であり、各ユーザーの要求に応じてプリント機能、スキャン機能又はコピー機能を動作させ、ユーザーによって指示されたジョブを実行する。画像形成装置1は、装置本体の上部にスキャナ部2を有し、スキャナ部2の下部にプリンタ部3を有している。また、画像形成装置1は、装置本体の正面側にユーザーインタフェースとなる操作パネル4を有している。
【0039】
例えば、スキャナ部2は、画像読取部2aと自動原稿搬送装置2bとを備えている。スキャナ部2は、自動原稿搬送装置2bに原稿がセットされ、ユーザーによってスキャン開始が指示されると、自動原稿搬送装置2bを駆動し、ユーザーによってセットされた原稿を1枚ずつ搬送する動作を開始させる。スキャナ部2は、自動原稿搬送装置2bの動作に同期させて画像読取部2aを動作させ、自動原稿搬送装置2bによって搬送される原稿が画像読取部2aによる所定の読取位置を通過する際に原稿の画像を読み取る動作を行わせる。このような動作により、スキャナ部2は、原稿の画像データを生成する。例えば、ユーザーによってスキャンジョブやコピージョブの実行が指示された場合、スキャナ部2は、ユーザーによってセットされた原稿の画像を読み取って画像データを生成する。
【0040】
プリンタ部3は、画像形成部3aと給紙部3bとを備えている。例えば、ユーザーによって印刷ジョブやコピージョブの実行が指示された場合、プリンタ部3は、給紙部3b及び画像形成部3aを連携動作させ、印刷用紙などのシートに画像を形成して印刷出力する。給紙部3bは、印刷ジョブやコピージョブが行われるとき、シートを1枚ずつ画像形成部3aに向けて給紙する。画像形成部3aは、給紙部3bから給紙されるシートに対して印刷データに基づくトナー画像を形成し、そのトナー画像をシートに定着させて出力する。印刷ジョブやコピージョブにおいて複数枚のシートに対する印刷出力が行われる場合、給紙部3bはそれら複数枚のシートを連続給紙し、画像形成部3aは給紙部3bから連続給紙されるシートに対して順に画像形成を行って出力する。尚、本実施形態では、画像形成部3aがトナーを用いて画像形成を行う場合を例示しているが、これに限られるものではなく、インクを用いて画像形成を行うものであっても構わない。
【0041】
操作パネル4は、画像形成装置1を使用するユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示し、ユーザーによる操作を受け付ける。また、操作パネル4の近傍には、画像形成装置1を操作するユーザーを撮影可能な撮影手段であるカメラ5と、ユーザーの指紋パターンや静脈パターンなどを生体情報として読み取る生体情報取得部6と、ICカードなどに記録されている情報を読み取るカード情報読取部7と、が設けられている。これらのカメラ5、生体情報取得部6及びカード情報読取部7は、例えば、ユーザーを認証するための情報を取得する装置である。更に、画像形成装置1は、装置本体の正面側に、人検知センサー8を備えている。人検知センサー8は、画像形成装置1の正面側所定距離の範囲内に存在する人を検知可能なセンサーであり、例えば赤外線センサーなどによって構成される。
【0042】
上記のような画像形成装置1は、例えば印刷ジョブやコピージョブなどのような印刷出力を伴うジョブを課金対象である課金ジョブとして受け付ける。課金ジョブを受け付けると、画像形成装置1は、装置周辺に存在する課金情報記録媒体10を検索し、課金情報記録媒体10から課金情報を取得する。本実施形態では、課金情報記録媒体10は、ユーザーが所持する携帯端末11で構成されている。携帯端末11には、ユーザーに対する課金を行うための課金情報が記録されている。例えば、課金情報は、携帯端末11にインストールされているアプリケーションであって、電子マネーによる決済やクレジットカードによる決済、銀行口座からの引き落としによる決済などを行って課金を行う課金アプリケーションに関する情報を含む情報である。
【0043】
画像形成装置1は、課金ジョブを受け付けると、装置周辺に存在する携帯端末11を検索し、その携帯端末11から課金情報を取得する。このとき、画像形成装置1は、携帯端末11との間で無線による通信を行うことで携帯端末11を自動検索することが可能であり、その検索によって検出することができた携帯端末11から課金情報を自動取得することができる。そして画像形成装置1は、携帯端末11から取得した課金情報に基づき、携帯端末11において課金アプリケーションを起動させ、課金ジョブの実行に要する課金額を課金アプリケーションに課金させることで課金処理を行う。課金アプリケーションによる課金処理を正常に行うことができた場合に、画像形成装置1は、課金ジョブに基づく印刷出力を行い、ユーザーに対して印刷物を提供する。したがって、ユーザーが自身の携帯端末11をポケットなどに入れた状態であっても、画像形成装置1は、その状態のままで課金ジョブの課金処理を行うことが可能であり、ユーザーに携帯端末11を取り出させることなく、スムーズな課金処理を行うことができる。以下、このような画像形成装置1について詳しく説明する。
【0044】
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置1は、そのハードウェア構成として、上述したスキャナ部2、プリンタ部3、操作パネル4、カメラ5、生体情報取得部6、カード情報読取部7及び人検知センサー8に加え、更に、制御部20と、記憶装置21と、ネットワークインタフェース22と、通信インタフェース23とを備えており、これら各部がバス29を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0045】
操作パネル4は、表示部4aと、操作部4bとを備えている。表示部4aは、例えばカラー液晶ディスプレイなどによって構成され、ユーザーに対して各種の情報を表示すると共に、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示する。操作部4bは、例えばタッチパネルキーや押しボタンキーなどによって構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。例えば、操作部4bは、ユーザーによるジョブの設定操作やジョブの実行指示を受け付ける。
【0046】
制御部20は、各部の動作を統括的に制御するものであり、CPU20aとメモリ20bとを備えている。CPU20aは、各種プログラムを実行するハードウェアプロセッサーである。例えば、CPU20aは、記憶装置21に記憶されているプログラム24を読み出して実行する。メモリ20bは、CPU20aが各種プログラムを実行する際に発生する一時的なデータなどを記憶するためのものである。
【0047】
記憶装置21は、例えばハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶手段である。記憶装置21には、CPU20aによって実行されるプログラム24が予め記憶されている。また、記憶装置21には、ユーザー情報25と、端末情報26とが記憶されている。
【0048】
図3は、ユーザー情報25の一例を示す図である。ユーザー情報25は、画像形成装置1を使用するユーザーを認証するための認証情報を記録した情報である。例えば、ユーザー情報25には、画像形成装置1を使用することが許可されたユーザーが登録されており、ユーザーごとに、ユーザーIDと、認証情報と、ユーザー名とが登録される。ユーザーIDは、ユーザーごとに付与されるユニークな識別情報である。認証情報は、各ユーザーを認証するための情報であり、例えば顔認証のためにユーザーの顔の特徴を定義した情報や、生体認証を行うためにユーザーの指紋パターンや静脈パターンなどの特徴を定義した情報、カード認証を行うためにユーザーが所持しているICカードなどに記録されている情報などを含む情報である。尚、認証情報には、顔認証、生体認証及びカード認証のうちの少なくとも1つの情報が含まれていれば良い。また、ユーザー名は、各ユーザーの氏名などを登録した情報である。
【0049】
図4は、端末情報26の一例を示す図である。端末情報26は、ユーザーが所持している携帯端末11に関する情報を記録した情報である。図4に示すように、端末情報26には、ユーザー名と、携帯端末11の端末IDと、携帯端末11のMACアドレスとが記録される。端末IDは、ユーザーが所持する携帯端末11を識別するための情報である。MACアドレスも携帯端末11を識別するための情報であり、携帯端末11と通信を行うためのアドレスの一つである。このように端末情報26は、ユーザーと携帯端末11とを相互に関連付けた情報である。そのため、端末情報26を参照すれば、各ユーザーが所持する携帯端末11を特定することができる。
【0050】
ネットワークインタフェース22は、画像形成装置1をLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続するためのインタフェースである。ネットワークに接続する形態は、有線接続であっても良いし、無線接続であっても良い。ネットワークには、例えば各ユーザーが使用するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置が接続される。画像形成装置1は、ネットワークインタフェース22を介して、それら情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信することができる。
【0051】
通信インタフェース23は、例えばBluetooth(登録商標)やWiFiなどの無線通信を行うインタフェースであり、画像形成装置1の周囲所定距離の範囲内にある携帯端末11と自動的に通信可能な接続状態を確立して無線通信を行う。尚、通信インタフェース23は、1台の携帯端末11と接続状態を確立するものであっても良いし、複数台の携帯端末11と同時に接続状態を確立するものであっても良い。
【0052】
次に、図5は、画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。制御部20のCPU20aはプログラム24を実行することにより、制御部20を種々の処理部として機能させる。特に本実施形態では、図5に示すように、制御部20は、ジョブ受付部30、ユーザー特定部31、課金額算出部32、認証処理部33、検索部34、課金情報取得部35、課金処理部36及びジョブ実行部37として機能する。
【0053】
ジョブ受付部30は、ユーザーによって発行されるジョブを受け付ける。例えば、ジョブ受付部30は、ネットワークインタフェース22を介して受信する印刷ジョブを受け付ける。また、ジョブ受付部30は、スキャナ部2に対して原稿がセットされたことを検知すると、操作パネル4に対して機能選択画面を表示する。ユーザーがコピー機能を選択した場合、ジョブ受付部30は、更にユーザーによるコピージョブの設定操作を受け付け、ユーザーによって設定されるコピージョブを受け付ける。また、ジョブ受付部30は、ユーザーがスキャン機能を選択した場合には、ユーザーによって設定されるスキャンジョブを受け付ける。
【0054】
ジョブ受付部30は、ジョブを受け付けると、そのジョブが課金対象となるジョブであるか否かを判断し、課金対象となるジョブであれば、課金ジョブとして受け付ける。例えば、ジョブ受付部30は、受け付けたジョブが印刷出力を伴う印刷ジョブ又はコピージョブである場合、そのジョブを課金ジョブとして受け付ける。
【0055】
ユーザー特定部31は、ジョブ受付部30によって印刷ジョブが受け付けられた場合に機能し、印刷ジョブを発行したジョブ発行ユーザーを特定する。例えば、ユーザー特定部31は、印刷ジョブのヘッダー情報を参照し、そのヘッダー情報に含まれるユーザーIDやユーザー名などのユーザーを識別する情報に基づき、ジョブ発行ユーザーを特定する。
【0056】
課金額算出部32は、課金ジョブの課金額を算出する処理部である。課金額算出部32は、ジョブ受付部30によって課金ジョブが受け付けられることに伴って機能し、課金ジョブの実行に際してユーザーに課金すべき課金額を算出する。例えば、印刷ジョブである場合、課金額算出部32は、印刷ジョブに含まれる印刷設定に基づき、印刷出力時に使用するトナー色数やシート枚数を特定し、それら色数や枚数に応じて課金額を算出する。
【0057】
一方、課金ジョブがコピージョブである場合には、スキャナ部2による原稿の読み取り動作が終了しない限り、シートの出力枚数を特定することができない。そのため、課金額算出部32は、ユーザーによって原稿の読み取り開始が指示され、スキャナ部2による原稿の読み取り動作が終了した後に機能する。そして課金額算出部32は、スキャナ部2が読み取った原稿枚数と、コピージョブの設定内容とに基づいて出力枚数を算出し、シートの出力枚数とトナーの色数に基づいて課金額を算出する。
【0058】
認証処理部33は、画像形成装置1の正面に位置して画像形成装置1を使用しようとしているユーザーの認証処理を行う。例えば、認証処理部33は、人検知センサー8が画像形成装置1の正面側所定距離の範囲内に存在する人を検知した場合に機能し、ユーザーを認証するための認証処理を開始する。認証処理部33が行う認証方法には、3つの方法がある。第1の認証方法は、カメラ5を用いてユーザーの顔画像を撮影し、その顔画像を解析することによってユーザーを認証する顔認証である。第2の認証方法は、生体情報取得部6を介してユーザーの指紋パターンや静脈パターンなどの生体情報を読み取り、その生体情報に基づいてユーザーを認証する生体認証である。第3の認証方法は、カード情報読取部7を介してユーザーが所持するICカードなどに記憶されているカード情報を読み取り、そのカード情報に基づいてユーザーを認証するカード認証である。認証処理部33は、これら第1乃至第3のいずれかの認証方法でユーザーの認証処理を行う。
【0059】
例えば、人検知センサー8により画像形成装置1の周辺で人が検知された場合、認証処理部33は、カメラ5を駆動してユーザーの顔画像を撮影し、その顔画像に基づいてユーザーの顔の特徴を抽出する。そして認証処理部33は、ユーザーの顔の特徴が、ユーザー情報25の認証情報に登録されている顔の特徴情報に一致するか否かを判定する。顔画像に基づいて抽出したユーザーの顔の特徴がユーザー情報25に登録されている顔の特徴情報に一致する場合、認証処理部33による認証処理において画像形成装置1を使用しようとするユーザーが特定され、認証成功となる。尚、ユーザー情報25に、顔認証のためのユーザーの顔の特徴を定義した情報が登録されていない場合、認証処理部33による顔認証ではユーザーを特定することができず、認証失敗となる。
【0060】
また、人検知センサー8により画像形成装置1の周辺で人が検知された場合、認証処理部33は、生体情報取得部6を作動させ、生体情報取得部6から生体情報が入力されるのを待機する状態となる。その待機状態で生体情報取得部6がユーザーの生体情報を取得すると、認証処理部33は、その生体情報に基づき、生体認証を行う。すなわち、認証処理部33は、ユーザーの指紋パターンや静脈パターンなどに一致する情報が認証情報に登録されているか否かを判定する。ユーザーの指紋パターンや静脈パターンなどに一致する情報が認証情報に登録されている場合、認証処理部33による認証処理において画像形成装置1を使用しようとするユーザーが特定され、認証成功となる。尚、ユーザー情報25に、ユーザーの特徴に一致する情報が登録されていない場合、認証処理部33による生体認証ではユーザーを特定することができず、認証失敗となる。
【0061】
また、人検知センサー8により画像形成装置1の周辺で人が検知された場合、認証処理部33は、カード情報読取部7を作動させ、カード情報読取部7からカード情報が入力されるのを待機する状態にもなる。その待機状態でカード情報読取部7がユーザーのカード情報を読み取ると、認証処理部33は、そのカード情報に基づき、カード認証を行う。すなわち、認証処理部33は、ユーザーが所持しているICカードなどから読み取った情報が認証情報に登録されているか否かを判定する。読み取った情報が認証情報に登録されている場合、認証処理部33による認証処理において画像形成装置1を使用しようとするユーザーが特定され、認証成功となる。尚、ユーザー情報25に、読み取ったカード情報に一致する情報が登録されていない場合、認証処理部33によるカード認証ではユーザーを特定することができず、認証失敗となる。
【0062】
上記のように認証処理部33は、顔認証、生体認証及びカード認証のいずれかを行うことにより、画像形成装置1の正面に位置して画像形成装置1を使用しようとしているユーザーを特定する。尚、課金ジョブがコピージョブである場合、認証処理部33による認証処理によってコピージョブの実行を指示したジョブ発行ユーザーが特定されることになる。
【0063】
検索部34は、通信インタフェース23を介して、ユーザーが所持している携帯端末11を検索する処理部である。この検索部34は、通信インタフェース23が接続状態を確立している少なくとも1つの携帯端末11の中から、ジョブ発行ユーザーが所持する携帯端末11を検索する。
【0064】
例えば、認証処理部33による認証処理でユーザーが特定され、ジョブ受付部30によってコピージョブが受け付けられた場合、検索部34は、ユーザー情報25を参照し、認証処理で特定されたジョブ発行ユーザーが所持している携帯端末11を特定する。そして検索部34は、通信インタフェース23によって接続状態が確立されている携帯端末11の中から、認証処理で特定されたジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検索する。具体的に説明すると、検索部34は、通信インタフェース23によって接続状態が確立されている携帯端末11に対して検索コマンドを送信し、携帯端末11から検索コマンドに対する応答情報を取得する。例えば、通信インタフェース23が複数の携帯端末11と接続状態を確立している場合、検索部34は、それら複数の携帯端末11のそれぞれに対して検索コマンドを送信し、各携帯端末11から応答情報を取得する。携帯端末11から送信される応答情報には、携帯端末11の端末IDやMACアドレスなどの情報が含まれる。そのため、検索部34は、携帯端末11から受信した応答情報に含まれる情報に基づいて端末情報26を参照し、ジョブ発行ユーザーが所持している携帯端末11を検索する。つまり、検索部34は、コピージョブの実行を指示したユーザーが所持する携帯端末11を課金情報の取得対象として検索するのである。
【0065】
また、ジョブ受付部30によって既に印刷ジョブが受け付けられている状態で認証処理部33による認証処理でユーザーが特定された場合、検索部34は、ユーザー特定部31で特定されたジョブ発行ユーザーと、認証処理で特定されたユーザーとが一致するか否かを判断する。その結果、ユーザー特定部31で特定されたジョブ発行ユーザーと、認証処理で特定されたユーザーとが一致する場合、検索部34は、ユーザー情報25を参照し、ユーザー特定部31で特定されたジョブ発行ユーザーが所持している携帯端末11を特定する。そして検索部34は、通信インタフェース23によって接続状態が確立されている携帯端末11の中から、ユーザー特定部31で特定されたジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検索する。このときも、上記と同様に、検索部34は、通信インタフェース23を介して携帯端末11に検索コマンドを送信して携帯端末11から取得し、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検索する。つまり、検索部34は、印刷ジョブを送信したジョブ発行ユーザーが所持する携帯端末11を課金情報の取得対象として検索するのである。尚、ユーザー特定部31で特定されたジョブ発行ユーザーと、認証処理で特定されたユーザーとが一致しなかった場合、検索部34は、ユーザー特定部31で特定されたジョブ発行ユーザーが所持している携帯端末11を検索する処理を行わない。この場合、認証処理で特定されたユーザーがコピージョブの実行を指示すれば、上述したコピージョブの実行を指示したユーザーが所持する携帯端末11を検索する処理が行われる。
【0066】
検索部34は、検索処理によってジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検出することができると、課金情報取得部35を機能させる。尚、検索処理によってジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検出することができなかった場合には、課金情報取得部35は機能させる必要がない。
【0067】
課金情報取得部35は、検索部34による検索処理によってジョブ発行ユーザーの携帯端末11が検出されると、通信インタフェース23を介してジョブ発行ユーザーの携帯端末11と通信を行い、携帯端末11から課金情報を取得する。課金情報取得部35は、携帯端末11から課金情報を取得することができると、その課金情報を課金処理部36へ出力する。
【0068】
課金処理部36は、課金情報取得部35から出力される課金情報に基づき、課金ジョブに対する課金処理を行う処理部である。例えば、課金処理部36は、課金情報に基づき、携帯端末11にインストールされている課金アプリケーションを特定し、携帯端末11において課金アプリケーションを起動させる。そして課金処理部36は、携帯端末11において起動された課金アプリケーションに課金処理を行わせる。課金処理部36は、携帯端末11において課金処理が行われることに伴い、携帯端末11から課金完了通知を受信する。その課金完了通知には課金アプリケーションによる課金処理で決済された金額に関する情報が含まれる。例えば、課金アプリケーションが電子マネー決済を行うアプリケーションである場合、電子マネーの残高が課金ジョブを実行するために必要な課金額と同額又はそれよりも多ければ、指定した課金額の全額が正常に課金処理される。しかし、電子マネーの残高が課金ジョブを実行するために必要な課金額よりも少ない場合には、指定した課金額の全額を正常に課金処理することができず、課金処理で決済された金額が課金額よりも少ないことが起こり得る。そのため、課金処理部36は、携帯端末11から受信する課金完了通知に含まれる決済額が課金額に等しいか否かを判断し、課金額の全額が課金処理されたか否かを確認することができる。
【0069】
その確認の結果、課金額の全額が正常に課金処理されている場合、課金処理部36は、ジョブ実行部37に対して課金ジョブの全体の実行を指示する。これに対し、携帯端末11の課金処理による決済額が課金額に満たない場合、課金処理部36は、決済額に対応する出力枚数を算出し、その出力枚数を指定してジョブ実行部37に課金ジョブの一部の実行を指示する。このとき、課金処理部36は、例えば操作パネル4の表示部4aに対して金額が不足していることをユーザーに通知する画面を表示させる。尚、携帯端末11における決済額が0である場合、又は、携帯端末11において課金処理に失敗した場合、課金処理部36は、ジョブ実行部37による課金ジョブの実行を禁止する。
【0070】
ジョブ実行部37は、プリンタ部3を制御することにより、課金ジョブに基づく印刷出力を行わせる制御部である。上述のように、課金額の全額が正常に課金処理された場合、ジョブ実行部37は、課金処理部36からの指示に基づき、課金ジョブの全体を実行して印刷出力を完了させる。これに対し、課金処理による決済額が課金額に満たない場合、ジョブ実行部37は、課金処理部36から指定された出力枚数分の印刷出力を行う。つまり、ジョブ実行部37は、課金ジョブの一部のみを実行し、残りの課金ジョブの実行を保留する。尚、保留された課金ジョブは、ユーザーによって残金の決算処理が行われた場合に実行される。
【0071】
次に、図6は、携帯端末11のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。携帯端末11は、例えばスマートフォンやタブレット端末などのような携帯可能なとして構成される装置である。

そのハードウェア構成として、制御部40と、表示部41と、操作部42と、通信インタフェース43と、ネットワークインタフェース44と、記憶部45とを備えている。
【0072】
制御部40は、図示を省略するCPU及びメモリを備えており、記憶部45に記憶されている各種プログラムを実行することにより、各部の動作を制御する。表示部41は、例えばカラー液晶ディスプレイで構成され、各種の画像を表示する。操作部42は、例えば表示部41の表示画面上に配置されるタッチパネルキーで構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。通信インタフェース43は、例えばBluetooth(登録商標)による無線通信を行うインタフェースであり、携帯端末11の周囲所定距離の範囲内にある他の装置(例えば画像形成装置1)との接続状態を確立して無線通信を行う。ネットワークインタフェース44は、WiFiによる無線通信を行うインタフェースであり、WiFiのアクセスポイントを経由してLANなどのネットワークに接続し、他の装置(例えば画像形成装置1)と通信を行う。記憶部45は、ソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶手段である。
【0073】
記憶部45には、連携プログラム46と、課金プログラム47とが予め記憶されている。連携プログラム46は、携帯端末11を画像形成装置1と連携動作させるためのプログラムである。課金プログラム47は、携帯端末11に課金処理を行わせるためのプログラムである。
【0074】
制御部40のCPUは、連携プログラム46を実行することにより、制御部40において連携アプリケーション48を起動させる。連携アプリケーション48は、制御部40に常駐し、画像形成装置1と連携した動作を行う。また、制御部40のCPUは、課金プログラム47を実行することにより、制御部40において課金アプリケーション49を起動させる。課金アプリケーション49は、電子マネーによる決済やクレジットカードによる決済、銀行口座からの引き落としによる決済など、予め定められた決済方法で課金処理を行うアプリケーションである。
【0075】
連携アプリケーション48は、制御部40に常駐している状態で画像形成装置1の検索部34から送信される検索コマンドを受信すると、画像形成装置1に対し、携帯端末11の端末IDやMACアドレスなどの情報を含む応答情報を送信する。そのため、画像形成装置1の検索部34は、連携アプリケーション48によって送信される応答情報に基づき、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11であるか否かを判断することができる。また、連携アプリケーション48は、画像形成装置1から課金情報要求を受信すると、画像形成装置1に対して課金アプリケーション49に関する情報を含む課金情報を送信する。これにより、画像形成装置1は、携帯端末11にインストールされている課金アプリケーション49を特定することができる。また、連携アプリケーション48は、課金情報を送信した後、課金アプリケーション49の起動命令を受信すると、連携アプリケーション48は、携帯端末11において課金アプリケーション49を起動させる。その後、連携アプリケーション48は、画像形成装置1から課金命令を受信すると、その課金命令に基づいて課金額を特定し、課金アプリケーション49に課金処理を行わせる。そして課金アプリケーション49における課金処理が終了すると、連携アプリケーション48は、画像形成装置1に対して課金完了通知を送信する。このように携帯端末11は、画像形成装置1と連携動作する連携アプリケーション48の機能によって、課金アプリケーション49が自動的に課金処理を行うことができるように構成される。
【0076】
図7は、画像形成装置1と携帯端末11との連携動作の主な流れを示す図である。尚、図7では、一例として課金ジョブが印刷ジョブである場合を例示している。例えば、ユーザーが自身の情報処理装置を操作して画像形成装置1に印刷ジョブD1を送信すると、画像形成装置1は、その印刷ジョブD1を課金ジョブとして受け付け、ジョブ発行ユーザーに対する課金額を算出する。そして画像形成装置1は、装置周辺に存在する携帯端末11であって、ジョブ発行ユーザーが所持する携帯端末11を検索するための検索コマンドD2を送信する。尚、画像形成装置1は、ジョブ発行ユーザーが所持する携帯端末11が見付かるまで検索コマンドD2を所定間隔で繰り返し送信する。
【0077】
ジョブ発行ユーザーが自身の携帯端末11を所持した状態で画像形成装置1の周囲所定距離の範囲内に近づくと、携帯端末11が、画像形成装置1から送信される検索コマンドD2を受信する。そして携帯端末11は、端末IDやMACアドレスなどの情報を含む応答情報を画像形成装置1へ送信する。
【0078】
画像形成装置1は、携帯端末11から受信する応答情報に基づいてジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検知することができると、その携帯端末11を課金情報の取得対象として特定する。そして画像形成装置1は、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11に対して課金情報要求D4を送信する。携帯端末11は、画像形成装置1から課金情報要求D4を受信すると、課金アプリケーション49に関する情報を含む課金情報D5を生成し、その課金情報D5を画像形成装置1へ送信する。
【0079】
画像形成装置1は、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11から受信する課金情報D5に基づき、携帯端末11において課金処理が行われる課金アプリケーション49を特定する。そして画像形成装置1は、携帯端末11に対し、課金アプリケーション49の起動命令D6を送信する。携帯端末11は、画像形成装置1からの起動命令D6に基づき、課金アプリケーション49を起動させる。課金アプリケーション49の起動が完了すると、携帯端末11は、画像形成装置1に対して起動完了通知D7を送信する。
【0080】
画像形成装置1は、起動完了通知D7に基づき課金アプリケーション49の起動が完了したことを確認すると、携帯端末11に対して課金額を含む課金命令D8を送信する。携帯端末11は、画像形成装置1から課金命令D8を受信すると、課金アプリケーション49に課金処理を行わせる。この課金処理により、課金ジョブの実行に要する課金額の一部又は全額が決済される。携帯端末11は、課金アプリケーション49による課金処理が終了すると、画像形成装置1に対して課金完了通知D9を送信する。この課金完了通知D9には、課金処理による決済額が含まれる。そのため、画像形成装置1は、課金完了通知D9に含まれる決済額に基づき、課金額の全額が課金できたか否かを判断することができる。画像形成装置1は、課金額の全額が課金できたと判断すると、印刷ジョブD1に基づく印刷出力を実行し、ジョブ発行ユーザーに対して印刷物を提供する。
【0081】
本実施形態では、上記のように画像形成装置1と携帯端末11とが自動連携して課金ジョブを実行するための課金額に応じた課金処理を自動的に行い、課金ジョブに基づく印刷出力を行うことができる。そのため、ユーザーは、印刷ジョブD1を画像形成装置1に投入してから画像形成装置1から印刷物を受け取るまでの期間TAにおいて、携帯端末11に対する操作を行う必要がない。したがって、例えばユーザーが携帯端末11を衣服のポケットに入れた状態であっても、携帯端末11を取り出して特別な操作を行うことなく、印刷物を手にすることができる。
【0082】
次に、上記のような画像形成装置1において行われる処理手順について説明する。図8は、画像形成装置1において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置1の制御部40に設けられているCPU20aがプログラム24を実行することによって繰り返し行われる処理である。尚、図8では、画像形成装置1が受け付けるジョブが印刷ジョブとコピージョブとの課金ジョブである場合を例示している。
【0083】
画像形成装置1は、この処理を開始すると、印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS1)。印刷ジョブを受信していない場合(ステップS1でNO)、画像形成装置1は、スキャナ部2に原稿がセットされたことを検知したか否かを判断する(ステップS2)。原稿がセットされたことを検知していない場合(ステップS2でNO)、画像形成装置1による処理は、ステップS1に戻り、上述した判断を繰り返す。
【0084】
画像形成装置1は、印刷ジョブを受信すると(ステップS1でYES)、印刷ジョブ制御処理を実行する(ステップS3)。また、画像形成装置1は、スキャナ部2に原稿がセットされたことを検知すると(ステップS2でYES)、コピージョブ制御処理を実行する(ステップS4)。
【0085】
図9は、印刷ジョブ制御処理(ステップS3)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像形成装置1は、印刷ジョブ制御処理を開始すると、まず受信した印刷ジョブを記憶する(ステップS10)。すなわち、画像形成装置1は、印刷ジョブを課金ジョブとして受け付けるため、課金処理が行われるまで印刷ジョブに基づく印刷出力の実行を保留する。画像形成装置1は、印刷ジョブを記憶すると、その印刷ジョブを解析し(ステップS11)、印刷設定に基づいて課金額を算出する(ステップS12)。また、画像形成装置1は、印刷ジョブのヘッダー情報を参照し、印刷ジョブのジョブ発行ユーザーを特定する(ステップS13)。その後、画像形成装置1は、人検知センサー8によって画像形成装置1の正面側所定距離の範囲内に存在する人が検知されるまで待機する(ステップS14でNO)。
【0086】
人検知センサー8によって人が検知されると(ステップS14でYES)、画像形成装置1は、認証処理を行う(ステップS15)。この認証処理は、顔認証、生体認証及びカード認証のうちの少なくとも1つで行われ、画像形成装置1の正面側にいるユーザーが特定される。そして画像形成装置1は、認証処理において認証されたユーザーがジョブ発行ユーザーであるか否かを判断する(ステップS16)。認証されたユーザーがジョブ発行ユーザーではない場合(ステップS16でNO)、画像形成装置1による処理はステップS14に戻る。
【0087】
認証処理において認証されたユーザーがジョブ発行ユーザーに一致する場合(ステップS16でYES)、画像形成装置1は、検索処理を開始する(ステップS17)。すなわち、画像形成装置1は、通信インタフェース23を介して検索コマンドD2を携帯端末11へ送信し、ジョブ発行ユーザーが所持している携帯端末11を検索する。そして画像形成装置1は、携帯端末11を検出することができたか否かを判断し(ステップS18)、携帯端末11を検出することができた場合には(ステップS18でYES)、その検出した携帯端末11がジョブ発行ユーザーの携帯端末11であるか否かを判断する(ステップS19)。携帯端末11を検出することができなかった場合(ステップS18でNO)、或いは、検出できた携帯端末11がジョブ発行ユーザーの携帯端末11でなかった場合(ステップS19でNO)、画像形成装置1による処理はステップS17に戻り、検索処理を繰り返し実行する。
【0088】
ジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検出することができた場合(ステップS19でYES)、画像形成装置1は、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11に課金情報要求D4を送信し、携帯端末11から課金情報D5を取得する(ステップS20)。画像形成装置1は、その課金情報D5に基づき、携帯端末11において課金処理が行われる課金アプリケーション49を特定する。そして画像形成装置1は、携帯端末11において起動すべき課金アプリケーション49を指定した起動命令D6を携帯端末11に送信し、課金アプリケーション49を起動させる(ステップS21)。携帯端末11から起動完了通知D7を受信し、課金アプリケーション49が起動したことを検知すると、画像形成装置1は、携帯端末11に対し、課金額を含む課金命令D8を送信する(ステップS22)。すなわち、画像形成装置1は、携帯端末11の課金アプリケーション49に課金処理を行わせるのである。その後、携帯端末11から課金完了通知D9を受信すると、画像形成装置1は、課金額の全額課金が正常に行われたか否かを判断し(ステップS23)、全額課金が行われていれば(ステップS23でYES)、プリンタ部3を駆動して印刷ジョブに基づく印刷出力を実行する(ステップS24)。
【0089】
一方、課金額の全額ではなく、一部のみが課金された場合(ステップS23でNO)、画像形成装置1は、印刷ジョブの一部のみ実行する(ステップS25)。すなわち、画像形成装置1は、課金処理によって決済された決済額に基づいてシートの出力枚数を算出し、その出力枚数となるまで印刷ジョブを実行し、シートの出力枚数が算出された枚数となった時点で印刷ジョブの実行を停止させる。そして画像形成装置1は、残りの印刷ジョブの実行を再び保留状態とする。
【0090】
図10は、課金処理による決済額が課金額に満たない場合の出力枚数を例示する図である。図10に示すように、印刷ジョブにおいて印刷出力されるシートの枚数がN枚であり、決済額に対応するシートの枚数がM枚(ただし、M<N)である場合、画像形成装置1は、印刷ジョブを実行してM枚のシートを出力する。残りの(N-M)枚のシートは印刷出力されず、保留状態となる。したがって、決済額が課金額に満たない場合に、印刷ジョブの全体が実行されてしまうことを防止することができる。
【0091】
上記のように画像形成装置1は、印刷ジョブの一部のみを実行する場合、ユーザーに対して金額が不足していることを通知する。図11は、このとき、画像形成装置1の表示部4aに表示される通知画面G1の一例を示す図である。この通知画面G1では、ユーザーに対して、課金額が不足していること、印刷ジョブの一部のみを実行すること、及び、残りの印刷ジョブを実行する場合には不足金額分の課金処理が必要であることを通知するメッセージが表示される。このような通知画面G1が操作パネル4の表示部4aに表示されることにより、ユーザーは、携帯端末11を取り出すことなく、課金額が不足していることを把握することができる。
【0092】
また、通知画面G1には、課金処理実行ボタンB1と、キャンセルボタンB2とが表示される。ユーザーは、課金処理実行ボタンB1を操作することにより、不足している課金額を課金する処理を行うことができる。この場合、画像形成装置1は、例えば携帯端末11の連携アプリケーション48を介して課金アプリケーション49によって表示部41に表示されている操作画面を取得し、その操作画面を操作パネル4の表示部4aに表示させる。その操作画面に対するユーザーの操作を検知すると、画像形成装置1は、操作情報を携帯端末11に送信し、連携アプリケーション48を介して課金アプリケーション49に提供する。これにより、ユーザーは、自身の携帯端末11を取り出すことなく、操作パネル4に対する操作を行うだけで、不足額に応じた課金処理を行うことができるようになる。尚、キャンセルボタンB2は、残りの印刷ジョブの実行をキャンセルするためのボタンである。
【0093】
画像形成装置1は、ユーザーによって不足している課金額の課金処理が行われると、残りの印刷ジョブの保留状態を解除して実行再開する。そのため、ユーザーは、印刷ジョブの全体を実行させ、完全な印刷物を取得することができる。
【0094】
次に図12は、コピージョブ制御処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像形成装置1は、コピージョブ制御処理を開始すると、認証処理を行う(ステップS15)。この認証処理は、顔認証、生体認証及びカード認証のうちの少なくとも1つで行われ、画像形成装置1の正面側にいるユーザーがジョブ発行ユーザーとして特定される。そして画像形成装置1は、ユーザーによるジョブ設定操作を受け付け(ステップS32)、ユーザーによってジョブの実行開始が指示されると、原稿の読み取り動作を開始する(ステップS33)。ユーザーによってセットされた全ての原稿の読み取り動作が終了すると、画像形成装置1は、ジョブの設定に基づいて課金額を算出する(ステップS34)。
【0095】
そして画像形成装置1は、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検索する検索処理を開始する(ステップS35)。すなわち、画像形成装置1は、通信インタフェース23を介して検索コマンドD2を携帯端末11へ送信し、携帯端末11からの応答情報D3に基づいて携帯端末11を検出したか否かを判断し(ステップS36)、携帯端末11を検出した場合には(ステップS36でYES)、更に、その携帯端末11がジョブ発行ユーザーのものであるか否かを判断する(ステップS37)。
【0096】
ジョブ発行ユーザーの携帯端末11を検出することができた場合(ステップS37でYES)、画像形成装置1は、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11に課金情報要求D4を送信し、携帯端末11から課金情報D5を取得する(ステップS38)。画像形成装置1は、その課金情報D5に基づき、携帯端末11において起動すべき課金アプリケーション49を指定した起動命令D6を携帯端末11に送信し、課金アプリケーション49を起動させる(ステップS39)。携帯端末11から起動完了通知D7を受信し、課金アプリケーション49が起動したことを検知すると、画像形成装置1は、携帯端末11に対し、課金額を含む課金命令D8を送信する(ステップS40)。その後、携帯端末11から課金完了通知D9を受信すると、画像形成装置1は、課金額の全額課金が正常に行われたか否かを判断し(ステップS41)、全額課金が行われていれば(ステップS41でYES)、プリンタ部3を駆動してコピージョブに基づく印刷出力を全て実行する(ステップS42)。
【0097】
一方、課金額の全額ではなく、一部のみが課金された場合(ステップS41でNO)、画像形成装置1は、コピージョブに含まれる印刷出力の一部のみを実行する(ステップS43)。尚、この場合の具体的な動作は、印刷ジョブの場合と同様である。
【0098】
以上のように画像形成装置1は、印刷ジョブやコピージョブなどの課金ジョブを受け付けることに伴い、装置周辺に存在する課金情報記録媒体10を検索し、その検索によって検出した課金情報記録媒体10から課金情報D5を取得する。そして画像形成装置1は、課金情報記録媒体10から取得した課金情報D5に基づき、課金ジョブに対する課金処理を行ってから課金ジョブを実行する構成である。特に本実施形態では、課金情報記録媒体10が、ユーザーによって所持される携帯端末11によって構成される。そのため、画像形成装置1は、通信インタフェース23を介して装置周辺に存在する携帯端末11を検索し、検索によって検出した携帯端末11から課金情報を取得するように構成されている。
【0099】
このような構成によれば、ユーザーは、衣服のポケットなどに携帯端末11を入れていたとしても、携帯端末11を取り出すことなく、課金処理が自動で行われ、画像形成装置1から出力される印刷物を取得することができる。そのため、仮にユーザーが両手に荷物を持っている場合であっても、その荷物を床などに置く必要はなく、そのまま印刷物を取得して持ち去ることが可能であり、従来よりも利便性が向上する。
【0100】
(第2実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、課金情報記録媒体10が携帯端末11である場合を例示した。本実施形態では課金情報記録媒体10が単に課金情報を表示する表示部材である場合を例示する。
【0101】
図13は、第2実施形態における画像形成装置1の概略構成を示す図である。本実施形態における画像形成装置1は、第1実施形態で説明したものと同様である。本実施形態の画像形成装置1が第1実施形態において説明したものと異なる点は、検索部34によって課金情報記録媒体10を検索する手法である。
【0102】
本実施形態では、ユーザーは、課金情報D5が例えばQRコード(登録商標)などの二次元バーコードなどによって表現されたコード13が表示された表示部材12を身に付けている。本実施形態では、その表示部材12が、課金情報記録媒体10に該当する。表示部材12は、単なるプレートであっても良いし、印刷用紙などのシートにコード13を印字したものであっても構わない。また、表示部材12は、第1実施形態と同様の携帯端末11であり、その携帯端末11の表示部41にコード13が表示されているものであっても構わない。ユーザーは、そのような表示部材12に表示されているコード13を外部から確認できるような態様で表示部材12を身に付けている。例えば、図13に示すように、ユーザーは、表示部材12を首に掛けた状態で身に付ける。
【0103】
コード13によって表現される課金情報D5には、ユーザーに対する課金処理を行うための情報が含まれる。例えば、課金情報D5には、ユーザーが予めチャージしておいた電子マネーに対して課金処理を行うための情報が含まれる。したがって、コード13を解析して課金情報D5を抽出すれば、画像形成装置1は、自ら課金処理を行うことができる。
【0104】
画像形成装置1は、課金ジョブを受け付けて課金情報の取得対象となる課金情報記録媒体10を検索するとき、カメラ5を駆動して画像形成装置1の周辺の画像を撮影する。このとき撮影する画像は、静止画像であっても良いし、動画像であっても良い。そして画像形成装置1は、カメラ5によって撮影された画像を解析し、その画像にコード13が写っているか否かを判定する。画像にコード13が写っている場合、画像形成装置1は、コード13の解析を行うことにより、画像から課金情報D5を取得する。そして、画像形成装置1は、課金情報D5に基づき、課金ジョブを実行するための課金額を課金するための課金処理を実行する。
【0105】
図14は、本実施形態の画像形成装置による動作の主な流れを示す図である。尚、図14では、一例として課金ジョブが印刷ジョブである場合を例示している。例えば、ユーザーが自身の情報処理装置を操作して画像形成装置1に印刷ジョブD1を送信すると、画像形成装置1は、その印刷ジョブD1を課金ジョブとして受け付け、ジョブ発行ユーザーに対する課金額を算出する。そして画像形成装置1は、カメラ5を駆動し、装置周辺に存在する表示部材12を撮影する撮影処理を開始する。画像形成装置1は、カメラ5が撮影した画像を取得し、その画像を解析することにより、課金情報D5を取得する。課金情報D5を取得すると、画像形成装置1は、その課金情報D5に基づき、課金処理を行う。例えば、画像形成装置1は、ネットワークインタフェース22を介してユーザーの電子マネーに対する決済処理を行うサーバーにアクセスし、そのサーバーに対して課金要求を行うことで課金処理を行う。この課金処理により、課金ジョブの実行に要する課金額の一部又は全額が決済される。そして画像形成装置1は、課金額の全額が課金できたか否かを判断し、課金額の全額が課金できたと判断すると、印刷ジョブD1に基づく印刷出力を実行し、ジョブ発行ユーザーに対して印刷物を提供する。
【0106】
本実施形態においても、画像形成装置1が上記のように動作することで課金ジョブを実行するための課金額に応じた課金処理を自動的に行い、課金ジョブに基づく印刷出力を行うことができる。そのため、ユーザーは、印刷ジョブD1を画像形成装置1に投入してから画像形成装置1から印刷物を受け取るまでの期間TAにおいて、携帯端末11に対する操作を行う必要がない。したがって、例えばユーザーが自身の携帯端末11を衣服のポケットに入れた状態であっても、携帯端末11を取り出して特別な操作を行うことなく、印刷物を手にすることができる。
【0107】
次に、上記のような画像形成装置1において行われる処理手順について説明する。本実施形態の画像形成装置1において行われる主たる処理手順は、第1実施形態で説明した図8のフローチャートと同様である。ただし、印刷ジョブ制御処理(ステップS3)及びコピージョブ制御処理(ステップS4)における具体的な処理内容が第1実施形態で説明したものと異なる。そのため、以下においては、本実施形態における印刷ジョブ制御処理(ステップS3)及びコピージョブ制御処理(ステップS4)について説明する。
【0108】
図15は、本実施形態における印刷ジョブ制御処理(ステップS3)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。図15に示すステップS50~S56は図9に示したステップS10~S16と同様であり、また図15に示すステップS62~S64は図9に示したステップS23~S25と同様である。すなわち、本実施形態における特徴的な処理手順は、図15において破線枠で示す処理ST1の部分である。その特徴的な処理ST1について説明する。
【0109】
画像形成装置1は、認証処理において認証されたユーザーがジョブ発行ユーザーに一致すると判断した場合(ステップS56でYES)、検索処理を開始する(ステップS57)。このとき、画像形成装置1は、カメラ5を駆動し、画像形成装置1の周辺の画像撮影を開始する。画像形成装置1は、カメラ5から得られる画像を解析し(ステップS58)、画像から課金情報D5を含むコード13の画像成分が検知できたか否かを判断する(ステップS59)。コード13の画像成分が検知できない場合(ステップS59でNO)、画像形成装置1による処理はステップS57に戻り、画像撮影を繰り返す。一方、コード13の画像成分を検知できた場合(ステップS59でYES)、画像形成装置1は、そのコード13を解析することにより、課金情報D5を取得する(ステップS60)。つまり、画像形成装置1は、カメラ5が撮影した画像から課金情報D5を取得するのである。そして画像形成装置1は、カメラ5が撮影した画像から取得した課金情報D5に基づき、課金処理を行う(ステップS61)。その後、画像形成装置1による処理は、ステップS62へと進み、第1実施形態で説明した処理と同様の処理が行われる。
【0110】
次に図16は、本実施形態におけるコピージョブ制御処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示すステップS70~S74は図12に示したステップS30~S34と同様であり、また図16に示すステップS80~S82は図9に示したステップS41~S43と同様である。すなわち、本実施形態における特徴的な処理手順は、図16において破線枠で示す処理ST2の部分である。その特徴的な処理ST2について説明する。
【0111】
画像形成装置1は、コピージョブの課金額を算出すると(ステップS74)、検索処理を開始する(ステップS75)。このとき、画像形成装置1は、カメラ5を駆動し、画像形成装置1の周辺の画像撮影を開始する。画像形成装置1は、カメラ5から得られる画像を解析し(ステップS76)、画像から課金情報D5を含むコード13の画像成分が検知できたか否かを判断する(ステップS77)。コード13の画像成分が検知できない場合(ステップS77でNO)、画像形成装置1による処理はステップS75に戻り、画像撮影を繰り返す。一方、コード13の画像成分を検知できた場合(ステップS77でYES)、画像形成装置1は、そのコード13を解析することにより、課金情報D5を取得する(ステップS78)。つまり、画像形成装置1は、カメラ5が撮影した画像から課金情報D5を取得する。そして画像形成装置1は、画像から取得した課金情報D5に基づき、課金処理を行う(ステップS79)。その後、画像形成装置1による処理は、ステップS80へと進み、第1実施形態で説明した処理と同様の処理が行われる。
【0112】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、第1実施形態と同様に、印刷ジョブやコピージョブなどの課金ジョブを受け付けることに伴い、装置周辺に存在する課金情報記録媒体10を検索し、その検索によって検出した課金情報記録媒体10から課金情報D5を取得する。そして画像形成装置1は、課金情報記録媒体10から取得した課金情報D5に基づき、課金ジョブに対する課金処理を行ってから課金ジョブを実行する構成である。特に本実施形態では、課金情報記録媒体10が、課金情報D5を表示する表示部材12によって構成される。そのため、画像形成装置1は、カメラ5を駆動して装置周辺の画像を撮影することにより、課金情報D5を取得するように構成されている。
【0113】
このような構成によれば、ユーザーは、衣服のポケットなどに自身の携帯端末11を入れていたとしても、携帯端末11を取り出すことなく、課金処理が自動で行われ、画像形成装置1から出力される印刷物を取得することができる。そのため、仮にユーザーが両手に荷物を持っている場合であっても、その荷物を床などに置く必要はなく、そのまま印刷物を取得して持ち去ることが可能であり、従来よりも利便性が向上する。
【0114】
尚、本実施形態の画像形成装置1に関し、上述した点以外の構成及び動作は、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0115】
(変形例)
以上、本発明に関する2つの実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記各実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0116】
例えば上記実施形態では、画像形成装置1がMFPによって構成され、コピー機能及びプリント機能の複数の機能を有している場合を例示した。しかし、画像形成装置1は、必ずしも複数の機能を有しているものに限られない。例えば、画像形成装置1は、コピー機能のみを備えたコピー専用機であっても良いし、プリント機能のみを備えたプリンタであっても構わない。
【0117】
また、上記実施形態では、ユーザーを認証する認証方法として、顔認証、生体認証及びカード認証の3つの方法を例示したが、これに限られるものではない。例えば、認証処理は、ユーザーによって入力されるIDとパスワードの組み合わせが予め登録さえている組み合わせに一致するか否かを判定するものであっても構わない。
【0118】
また、上記実施形態では、画像形成装置1において、ユーザーを認証する認証処理が成功した場合に、装置周辺に存在する課金情報記録媒体10を検索する場合を例示した。しかし、画像形成装置1が装置周辺に存在する課金情報記録媒体10を検索するタイミングは、必ずしも認証処理が成功した後に限られない。例えば、ユーザーは、自身の情報処理装置を操作して画像形成装置1に印刷ジョブを送信すると、印刷物を取得するために画像形成装置1の設置場所まで移動する。この場合、画像形成装置1は、ユーザーの携帯端末11が所定距離の範囲内に入ると、自動的に通信可能な接続状態を確立する。そのため、画像形成装置1は、携帯端末11と通信可能な接続状態を確立したタイミングで、その携帯端末11に検索コマンドD2を送信し、ジョブ発行ユーザーの携帯端末11であるかどうかを検索するようにしても良い。
【0119】
また、上記実施形態では、画像形成装置1において実行されるプログラム24が予めインストールされている場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、プログラム24は、任意のタイミングで画像形成装置1にインストールされるものであっても構わない。この場合、プログラム24は、例えばネットワークを介して画像形成装置1にダウンロード可能な態様で提供される。また、プログラム24は、例えばCD-ROMやDVD-ROM、USBメモリなどのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0120】
1 画像形成装置
5 カメラ(撮影手段)
6 生体情報取得部(生体情報取得手段)
7 カード情報読取部(カード情報)
10 課金情報記録媒体
11 携帯端末(課金情報記録媒体)
12 表示部材(課金情報記録媒体)
13 コード
21 記憶装置(記憶手段)
23 通信インタフェース(通信手段)
24 プログラム
25 ユーザー情報
26 端末情報
30 ジョブ受付部(ジョブ受付手段)
31 ユーザー特定部(ユーザー特定手段)
32 課金額算出部(課金額算出手段)
33 認証処理部(認証処理手段)
34 検索部(検索手段)
35 課金情報取得部(課金情報取得手段)
36 課金処理部(課金処理手段)
37 ジョブ実行部(ジョブ実行手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16